JP2019148750A - 感光性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物、および電子部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】銅基板上での現像残渣の抑制に優れる感光性樹脂組成物、該組成物から得られる樹脂層を有するドライフィルム、該組成物または該ドライフィルムの樹脂層の硬化物、該硬化物を有する電子部品を提供する。【解決手段】(A)ポリベンゾオキサゾール前駆体、(B)光酸発生剤、(C)メルカプト基を有するトリアゾール化合物、および(D)メラミン系架橋剤を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物等である。【選択図】なし

Description

本発明は、感光性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物、および電子部品に関する。
LSIなどの半導体素子のバッファーコート膜やウェハーレベルパッケージ(WLP)の再配線層用絶縁膜には、感光性のポリイミドやポリベンゾオキサゾール(PBO)等の感光性耐熱樹脂の前駆体を含む感光性樹脂組成物が広く用いられている。
このような半導体素子に用いられる感光性樹脂組成物として、例えば、特許文献1では、アルカリ可溶性樹脂、ジアゾナフトキノン化合物、フェノール性水酸基を含まず−CH2OH基を含む化合物を含有する感光性樹脂組成物を提案している。この提案の組成物によれば、シリコンウエハ上で現像残渣(スカム)がなく現像が可能な組成物を得ることができる。
一方で、近年、半導体素子の小型化や高集積化による多層配線化等により、銅配線上に表面保護膜および層間絶縁膜を直接形成する場合が多くなってきている。
特開2005−37925号公報
特許文献1の提案にかかる従来技術によれば、シリコンウエハ上での現像残渣を抑制することはできる。しかしながら、この技術では銅基板上で現像すると、多量の現像残渣が生じてしまうという問題があった。
そこで、本発明の目的は、銅基板上での現像残渣の抑制に優れる感光性樹脂組成物、該組成物から得られる樹脂層を有するドライフィルム、該組成物または該ドライフィルムの樹脂層の硬化物、該硬化物を有する電子部品を提供することにある。
本発明者らは上記目的の実現に向け鋭意検討を行なった。この検討の中で、銅基板上での現像残渣を低減するために、現像時間を長くしてスカム量を減らそうとすると、現像によって筋模様やひび割れ(クラック)が発生する上、残膜率が低下するという別の問題も生じてしまった。
そこで、さらに鋭意検討した結果、メルカプト基を有するトリアゾール化合物とメラミン系架橋剤とを併用することにより、現像時間を長くした場合でも現像残渣の抑制と耐現像性とを両立することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の感光性樹脂組成物は、(A)ポリベンゾオキサゾール前駆体、(B)光酸発生剤、(C)メルカプト基を有するトリアゾール化合物、および(D)メラミン系架橋剤を含むことを特徴とするものである。
本発明の感光性樹脂組成物は、前記(A)ポリベンゾオキサゾール前駆体が、ジアミン成分とジカルボン酸成分の反応から得られるポリアミド系樹脂であって、ポリアミド構造中、下記一般式(1)で示される構造の割合が0.1〜15%であり、下記一般式(2)で示される構造の割合が85〜99.9%であることが好ましい。
Figure 2019148750
(一般式(1)中、Pはジアミン成分の残基であり、下記一般式(1−1)、(1−2)および(1−3)のいずれかのベンゾオキサゾール構造を有する2価の基である。R’はジカルボン酸成分の残基であり、2価の有機基である。)
Figure 2019148750
(一般式(1−1)中、R〜Rは水素原子、有機基、ニトロ基、ハロゲン原子、スルホ基、スルホニル基、アミノ基、一般式(1)中の窒素原子との直接結合のいずれかであり、同一であっても異なっていてもよい。R〜Rは水素原子、有機基、ニトロ基、ハロゲン原子、スルホ基、スルホニル基、アミノ基、一般式(1)中の窒素原子との直接結合のいずれかであり、同一であっても異なっていてもよい。ただし、R〜Rのうちいずれか一つ、および、R〜Rのうちいずれか一つは、一般式(1)中の窒素原子との直接結合である。)
Figure 2019148750
(一般式(1−2)中、R10〜R14は水素原子、有機基、ニトロ基、ハロゲン原子、スルホ基、スルホニル基、アミノ基、一般式(1)中の窒素原子との直接結合のいずれかであり、同一であっても異なっていてもよい。R15〜R19は水素原子、有機基、ニトロ基、ハロゲン原子、スルホ基、スルホニル基、アミノ基、一般式(1)中の窒素原子との直接結合のいずれかであり、同一であっても異なっていてもよい。ただし、R10〜R14のうちいずれか一つ、および、R15〜R19のうちいずれか一つは、一般式(1)中の窒素原子との直接結合である。R20、R21はそれぞれ水素原子、有機基、ニトロ基、ハロゲン原子、スルホ基、スルホニル基、アミノ基のいずれかであり、同一であっても異なっていてもよい。)
Figure 2019148750
(一般式(1−3)中、R22〜R26は水素原子、有機基、ニトロ基、ハロゲン原子、スルホ基、スルホニル基、アミノ基、一般式(1)中の窒素原子との直接結合のいずれかであり、同一であっても異なっていてもよい。R27〜R31は水素原子、有機基、ニトロ基、ハロゲン原子、スルホ基、スルホニル基、アミノ基、一般式(1)中の窒素原子との直接結合のいずれかであり、同一であっても異なっていてもよい。ただし、R22〜R26のうちいずれか一つ、および、R27〜R31のうちいずれか一つは、一般式(1)中の窒素原子との直接結合である。R32、R33はそれぞれ水素原子、有機基、ニトロ基、ハロゲン原子、スルホ基、スルホニル基、アミノ基のいずれかであり、同一であっても異なっていてもよい。)
Figure 2019148750
(一般式(2)中、Xはジヒドロキシジアミン類の残基であり、4価の有機基である。Yは、ジカルボン酸成分の残基であり、2価の有機基である。)
本発明の感光性樹脂組成物は、前記(C)メルカプト基を有するトリアゾール化合物が、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールであることが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、銅基板上に硬化膜を形成するために用いられることが好ましい。
本発明のドライフィルムは、前記感光性樹脂組成物をフィルムに塗布、乾燥して得られる樹脂層を有することを特徴とするものである。
本発明の硬化物は、前記感光性樹脂組成物または前記ドライフィルムの樹脂層を硬化して得られることを特徴とするものである。
本発明の電子部品は、前記硬化物を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、現像時間を長くした場合でも現像残渣の抑制と耐現像性とを両立することができる感光性樹脂組成物、該組成物から得られる樹脂層を有するドライフィルム、該組成物または該ドライフィルムの樹脂層の硬化物、該硬化物を有する電子部品を提供することができる。
以下、本発明の感光性樹脂組成物が含有する成分について詳述する。
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)ポリベンゾオキサゾール前駆体、(B)光酸発生剤、(C)メルカプト基を有するトリアゾール化合物、および(D)メラミン系架橋剤を含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、(C)メルカプト基を有するトリアゾール化合物と(D)メラミン系架橋剤とを併用することにより、現像時間を長くした場合でも現像残渣の抑制と耐現像性とを両立することができる。なお、本発明における耐現像性とは、現像後の残膜率が高く、かつ、硬化膜表面に模様やクラックがないことを言う。
[(A)ポリベンゾオキサゾール前駆体]
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)ポリベンゾオキサゾール前駆体を含有する。(A)ポリベンゾオキサゾール前駆体を合成する方法は特に限定されず、公知の方法で合成すればよい。例えば、アミン成分としてジヒドロキシジアミン類と、酸成分としてジカルボン酸ジクロリド等のジカルボン酸のジハライドとを反応させて得ることができる。
(A)ポリベンゾオキサゾール前駆体として、ポリアミド構造中、下記一般式(1)で示される構造の割合が0.1〜15%であり、下記一般式(2)で示される構造の割合が85〜99.9%であるジアミン成分とジカルボン酸成分の反応から得られるポリアミド系樹脂を好適に用いることができ、高耐熱性、低線熱膨張係数の硬化膜を形成することができ、感度、解像度に優れる感光性樹脂組成物を得ることができる。
Figure 2019148750
(一般式(1)中、Pはジアミン成分の残基であり、下記一般式(1−1)、(1−2)および(1−3)のいずれかのベンゾオキサゾール構造を有する2価の基である。R’はジカルボン酸成分の残基であり、2価の有機基である。)
Figure 2019148750
(一般式(1−1)中、R〜Rは水素原子、有機基、ニトロ基、ハロゲン原子、スルホ基、スルホニル基、アミノ基、一般式(1)中の窒素原子との直接結合のいずれかであり、同一であっても異なっていてもよい。R〜Rは水素原子、有機基、ニトロ基、ハロゲン原子、スルホ基、スルホニル基、アミノ基、一般式(1)中の窒素原子との直接結合のいずれかであり、同一であっても異なっていてもよい。ただし、R〜Rのうちいずれか一つ、および、R〜Rのうちいずれか一つは、一般式(1)中の窒素原子との直接結合である。)
Figure 2019148750
(一般式(1−2)中、R10〜R14は水素原子、有機基、ニトロ基、ハロゲン原子、スルホ基、スルホニル基、アミノ基、一般式(1)中の窒素原子との直接結合のいずれかであり、同一であっても異なっていてもよい。R15〜R19は水素原子、有機基、ニトロ基、ハロゲン原子、スルホ基、スルホニル基、アミノ基、一般式(1)中の窒素原子との直接結合のいずれかであり、同一であっても異なっていてもよい。ただし、R10〜R14のうちいずれか一つ、および、R15〜R19のうちいずれか一つは、一般式(1)中の窒素原子との直接結合である。R20、R21はそれぞれ水素原子、有機基、ニトロ基、ハロゲン原子、スルホ基、スルホニル基、アミノ基のいずれかであり、同一であっても異なっていてもよい。)
Figure 2019148750
(一般式(1−3)中、R22〜R26は水素原子、有機基、ニトロ基、ハロゲン原子、スルホ基、スルホニル基、アミノ基、一般式(1)中の窒素原子との直接結合のいずれかであり、同一であっても異なっていてもよい。R27〜R31は水素原子、有機基、ニトロ基、ハロゲン原子、スルホ基、スルホニル基、アミノ基、一般式(1)中の窒素原子との直接結合のいずれかであり、同一であっても異なっていてもよい。ただし、R22〜R26のうちいずれか一つ、および、R27〜R31のうちいずれか一つは、一般式(1)中の窒素原子との直接結合である。R32、R33はそれぞれ水素原子、有機基、ニトロ基、ハロゲン原子、スルホ基、スルホニル基、アミノ基のいずれかであり、同一であっても異なっていてもよい。)
Figure 2019148750
(一般式(2)中、Xはジヒドロキシジアミン類の残基であり、4価の有機基である。Yは、ジカルボン酸成分の残基であり、2価の有機基である。)
ここで、ポリアミド構造中の割合とは、一般式(1)の如く、1つのジアミン成分と1つのジカルボン酸成分からなるアミド構造を1つとして数えた上で、上記一般式(1)で示される構造と一般式(2)で示される構造とを有するポリベンゾオキサゾール前駆体に含まれるポリアミド構造中のアミド構造の総数あたりの割合を意味する。ジアミン成分とジカルボン酸成分との反応は100%反応が完了することから、上記割合は、ジアミン成分中、一般式(1−1)、(1−2)および(1−3)のいずれかのベンゾオキサゾール構造(以下、「ベンゾオキサゾール部位」とも称する)を有するジアミンの割合(モル換算)で求めることができる。当該割合は、NMR等で分析して求めてもよい。上記一般式(1)で示される構造と一般式(2)で示される構造とを有するポリベンゾオキサゾール前駆体に含まれるポリアミド構造中のアミド構造の総数は、10〜30が好ましく、15〜25がより好ましい。
一般式(1)で表される構造の割合が0.1%以上の場合、硬化物の耐熱性が良好となり、また、線熱膨張係数も低くすることができる。また、上記割合が15%以下の場合、感度と解像度が良好となる。好ましくは、1〜10%である。
上記一般式(1)で示される構造と一般式(2)で示される構造とを有するポリベンゾオキサゾール前駆体のポリアミド構造は、ジアミン成分とジカルボン酸成分の反応から得られる。ジアミン成分とジカルボン酸成分は、ポリアミドの合成に用いられるものであればよく、例えば、ジアミン成分としてはジアミン類、ジカルボン酸成分としては、ジカルボン酸、ジカルボン酸エステル、カルボン酸ジクロリド等のジカルボン酸のジハライドが挙げられる。
前記一般式(1)で示される構造は、上記一般式(1)で示される構造と一般式(2)で示される構造とを有するポリベンゾオキサゾール前駆体中に、連続して繰り返していてもよく、繰り返し数は1〜5であることが好ましい(ただし、ここで繰り返し数が1の場合、連続して繰り返していないことを意味する)。
前記一般式(1−1)におけるR〜R、R〜R、前記一般式(1−2)におけるR10〜R14、R15〜R19、および、前記一般式(1−3)におけるR22〜R26、R27〜R31は、水素原子または一般式(1)中の窒素原子との直接結合であることが好ましい。
前記一般式(1−1)におけるR〜R、R〜R、前記一般式(1−2)におけるR10〜R14、R15〜R19、および、前記一般式(1−3)におけるR22〜R26、R27〜R31がとりうる有機基としては、例えば、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、アリル基、トリフルオロメチル基等があげられる。
前記一般式(1−2)におけるR20、R21、および、前記一般式(1−3)におけるR32、R33がとりうる有機基としては、例えば、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、アリル基、トリフルオロメチル基等があげられる。
前記一般式(1−1)におけるR〜R、前記一般式(1−2)におけるR10〜R21、および、前記一般式(1−3)におけるR22〜R33がとりうるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素があげられる。中でもポリマーの透過率の関係からフッ素が好ましい。
前記一般式(1−1)におけるR〜R、前記一般式(1−2)におけるR10〜R21、および、前記一般式(1−3)におけるR22〜R33、がとりうるスルホニル基としては、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、オクチルスルホニル基、デシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基等の炭素数1〜10のアルキルスルホニル基が挙げられる。
前記一般式(1)中、Pが示すジアミン成分としては、上記一般式(1−1)、(1−2)および(1−3)に対応するジアミン類(即ち、上記一般式(1−1)、(1−2)および(1−3)が有する2つの「一般式(1)中の窒素原子との直接結合」をアミノ基に変更したジアミン類)が挙げられる。
前記一般式(1)中、R’が示すジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、テレフタル酸、5−tert−ブチルイソフタル酸、5−ブロモイソフタル酸、5−フルオロイソフタル酸、5−クロロイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4’−ジカルボキシテトラフェニルシラン、ビス(4−カルボキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(p−カルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)−1,1
,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン等の芳香環を有するジカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、1,2−シクロブタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸等の脂肪族系ジカルボン酸、および、それらのジハライドが挙げられる。中でも、4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテルおよびそのジハライドが好ましい。
前記一般式(1)中、R’が示す2価の有機基は脂肪族基でも芳香族基でもよいが、芳香族基であることが好ましく、芳香環上で前記一般式(1)中のカルボニルと結合していることがより好ましい。前記2価の芳香族基の炭素原子数は、6〜30であることが好ましく、6〜24であることがより好ましい。前記2価の芳香族基の具体例としては下記の基が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、ポリベンゾオキサゾール前駆体に含まれる公知の芳香族基を用途に応じて選択すればよい。
Figure 2019148750
(式中、Aは単結合、−CH−、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−NHCO−、−C(CF−、−C(CH−からなる群から選択される2価の基を表す。)
前記2価の有機基は、前記芳香族基の中でも下記の基であることが好ましい。
Figure 2019148750
上記一般式(1)で示される構造と一般式(2)で示される構造とを有するポリベンゾオキサゾール前駆体は、一般式(1)で示される構造を2種以上含んでいてもよい。
一般式(1)のアミド構造と一般式(2)のアミド構造との比率は、0.1:99.9〜15:85であることが好ましく、1:99〜10:90であることがより好ましく、1:99〜5:95であることがさらに好ましい。
Figure 2019148750
(式中、Xはジヒドロキシジアミン類の残基であり、4価の有機基である。Yは、ジカルボン酸成分の残基であり、2価の有機基である。前記一般式(2)で示される構造は、上記一般式(1)で示される構造と一般式(2)で示される構造とを有するポリベンゾオキサゾール前駆体中に、連続して繰り返していてもよく、繰り返し数は10〜30であることが好ましく、15〜25であることがより好ましい(ただし、ここで繰り返し数が1の場合、連続して繰り返していないことを意味する)。)
前記一般式(2)におけるXが示すジヒドロキシジアミン類としては、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−アミ
ノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン等が挙げられる。中でも、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンが好ましい。
前記一般式(2)中、Xが示す4価の有機基は脂肪族基でも芳香族基でもよいが、芳香族基であることが好ましく、2つのヒドロキシ基と2つのアミノ基がオルト位に芳香環上に位置することがより好ましい。前記4価の芳香族基の炭素原子数は、6〜30であることが好ましく、6〜24であることがより好ましい。前記4価の芳香族基の具体例としては下記の基が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、ポリベンゾオキサゾール前駆体に含まれうる公知の芳香族基を用途に応じて選択すればよい。
Figure 2019148750
前記4価の芳香族基は、前記芳香族基の中でも下記の基であることが好ましい。
Figure 2019148750
前記一般式(2)におけるYが示す前記ジカルボン酸成分としては、前記一般式(1)中、R’が示すジカルボン酸成分と同様である。
また、(A)ポリベンゾオキサゾール前駆体として、下記一般式(3)で示される構造を有するポリベンゾオキサゾール前駆体を好適に用いることができる。
Figure 2019148750
(式中、Xはジヒドロキシジアミン類の残基であり、4価の有機基である。Yは、ジカルボン酸成分の残基であり、2価の有機基である。mは1以上の整数である。)
前記一般式(3)中、mは、好ましくは10〜50、より好ましくは20〜40である。
前記一般式(3)におけるXが示すジヒドロキシジアミン類としては、前記一般式(2)におけるXが示すジヒドロキシジアミン類と同様である。
前記一般式(3)中、Xが示す4価の有機基は、前記一般式(2)中、Xが示す4価の有機基と同様である。
前記一般式(3)におけるYが示す前記ジカルボン酸成分としては、前記一般式(2)中のYと同様に、前記一般式(1)中、R’が示すジカルボン酸成分と同様である。
上記一般式(3)で示される構造を有するポリベンゾオキサゾール前駆体は、一般式(3)で示される構造を2種以上含んでいてもよい。
(A)ポリベンゾオキサゾール前駆体の数平均分子量(Mn)は、5,000〜100,000であることが好ましく、8,000〜50,000であることがより好ましい。ここで、数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(Gel Permeation chromatography;以下「GPC」と称する)にて測定し、標準ポリスチレンで換算した数値である。また、(A)ポリベンゾオキサゾール前駆体の質量平均分子量(Mw)は、10,000〜200,000であることが好ましく、16,000〜100,000であることがより好ましい。ここで、質量平均分子量は、GPCで測定し、標準ポリスチレンで換算した数値である。Mw/Mnは1〜5であることが好ましく、1〜3であることがより好ましい。
(A)ポリベンゾオキサゾール前駆体の配合量は、組成物固形分全量基準で60〜90質量%であることが好ましい。
[(B)光酸発生剤]
(B)光酸発生剤としては、ナフトキノンジアジド化合物、ジアリールスルホニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、ジアルキルフェナシルスルホニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、アリールジアゾニウム塩、芳香族テトラカルボン酸エステル、芳香族スルホン酸エステル、ニトロベンジルエステル、芳香族N−オキシイミドスルフォネート、芳香族スルファミド、ベンゾキノンジアゾスルホン酸エステル等を挙げることができる。(B)光酸発生剤は、溶解阻害剤であることが好ましい。中でもナフトキノンジアジド化合物であることが好ましい。
ナフトキノンジアジド化合物としては、具体的には例えば、トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1−エチル−4−イソプロピルベンゼンのナフトキノンジアジド付加物(例えば、三宝化学研究所社製のTKF−520、TKF−528、TKF−420、TKF−428)や、テトラヒドロキシベンゾフェノンのナフトキノンジアジド付加物(例えば、三宝化学研究所社製のBS550,BS570,BS599)等を使用することができる。ここで、ナフトキノンジアジドの付加は、例えば、o−キノンジアジドスルホニルクロリド類を、ヒドロキシ化合物やアミノ化合物と反応させればよい。
(B)光酸発生剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。(B)光酸発生剤の配合量は、組成物固形分全量基準で3〜20質量%であることが好ましい。
[(C)メルカプト基を有するトリアゾール化合物]
本発明の感光性樹脂組成物は、(C)メルカプト基を有するトリアゾール化合物を含有する。詳しいメカニズムは明らかではないが、銅基板との密着性が向上しさらに銅上での現像残渣を抑制することができる。
(C)メルカプト基を有するトリアゾール化合物としては、メルカプト基を有し、かつ、トリアゾール構造を有する化合物であれば特に限定されないが、例えば、(C)メルカプト基を有するトリアゾール化合物としては、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール等が挙げられる。なかでも、上記の化合物のようなトリアゾール環にメルカプト基が直接に結合している化合物が好ましい。さらに、(C)メルカプト基を有するトリアゾール化合物は、下記一般式(4)で表される化合物であることがより好ましく、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールであることが特に好ましい。
Figure 2019148750
(式(4)中、R41は、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。)
(C)メルカプト基を有するトリアゾール化合物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。(C)メルカプト基を有するトリアゾール化合物の配合量は、組成物固形分全量基準で0.1〜5.0質量%であることが好ましく、0.5〜2.0質量%であることがより好ましい。
((D)メラミン系架橋剤)
本発明の感光性樹脂組成物は、メラミン系架橋剤を含有することで、良好な耐現像性が得られるだけでなく、低温硬化した際の硬化膜の強度が上がる。
メラミン系架橋剤としては、メラミン構造を有する化合物であれば特に限定されないが、下記一般式(5)で表されるメラミン系架橋剤であることが好ましい。
Figure 2019148750
(式中、R51A、R52A、R53A、R54A、R55AおよびR56Aはそれぞれ独立に炭素数1〜3のアルキレン基であることが好ましい。R51B、R52B、R53B、R54B、R55BおよびR56Bはそれぞれ独立に水素原子、または、炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましい。)
上記一般式(5)中、R51A、R52A、R53A、R54A、R55AおよびR56Aはそれぞれメチレン基であることがより好ましい。また、R51B、R52B、R53B、R54B、R55BおよびR56Bはそれぞれ独立にメチル基または水素原子であることがより好ましい。
メラミン系架橋剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。メラミン系架橋剤の配合量は、組成物固形分全量基準で1〜40質量%であることが好ましい。
また、本発明の感光性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、(D)メラミン系架橋剤以外の架橋剤を含有してもよい。
本発明の感光性樹脂組成物には、溶媒を配合することができる。溶媒としては、(A)ポリベンゾオキサゾール前駆体、(B)光酸発生剤、(C)メルカプト基を有するトリアゾール化合物、(D)メラミン系架橋剤、および、他の任意の添加剤を溶解させるものであれば、特に限定されない。溶媒の具体例としては、N,N’−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N,N’−ジメチルアセトアミド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、シクロペンタノン、γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリノン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、ピリジン、γ−ブチロラクトン、ジエチレングリコールモノメチルエーテルを挙げることができる。これらは単独で用いても、二種以上を混合して用いてもかまわない。使用する溶媒の量は、塗布膜厚や粘度に応じて、(A)ポリベンゾオキサゾール前駆体100質量部に対し、50〜9000質量部の範囲で用いることができる。
本発明の感光性樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、公知の増感剤や、シランカップリング剤、密着助剤などを配合することもできる。
また、本発明の感光性樹脂組成物には、加工特性や各種機能性を付与するために、その他に様々な有機または無機の低分子または高分子化合物を配合してもよい。例えば、界面活性剤、レベリング剤、可塑剤、微粒子等を用いることができる。微粒子には、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン等の有機微粒子、コロイダルシリカ、カーボン、層状珪酸塩等の無機微粒子が含まれる。さらに、本発明の感光性樹脂組成物には、各種着色剤および繊維等を配合してもよい。
[ドライフィルム]
本発明のドライフィルムは、本発明の感光性樹脂組成物を塗布後、乾燥して得られる樹脂層を有する。
本発明のドライフィルムは、キャリアフィルム(支持フィルム)に本発明の感光性樹脂組成物をブレードコーター、リップコーター、コンマコーター、フィルムコーター等を用いた適宜の方法により均一に塗布し、乾燥して、前記した樹脂層を形成し、好ましくはその上にカバーフィルム(保護フィルム)を積層することにより、製造することができる。カバーフィルムとキャリアフィルムは同一のフィルム材料であっても、異なるフィルムを用いてもよい。
本発明のドライフィルムにおいて、キャリアフィルムおよびカバーフィルムのフィルム材料は、ドライフィルムに用いられるものとして公知のものをいずれも使用することができる。
キャリアフィルムとしては、例えば、2〜150μmの厚さのポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム等の熱可塑性フィルムが用いられる。
カバーフィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等を使用することができるが、樹脂層との接着力が、キャリアフィルムよりも小さいものが良い。
本発明のドライフィルム上の樹脂層の膜厚は、100μm以下が好ましく、5〜50μmの範囲がより好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物はポジ型であることが好ましい。本発明の感光性樹脂組成物を用いて、その硬化物であるパターン膜は、例えば、下記のように製造する。
まず、ステップ1として、感光性樹脂組成物を基板上に塗布、乾燥する、或いはドライフィルムから樹脂層を基板上に転写(ラミネート)することにより塗膜を得る。感光性樹脂組成物を基板上に塗布する方法としては、従来から感光性樹脂組成物の塗布に用いられていた方法、例えば、スピンコーター、バーコーター、ブレードコーター、カーテンコーター、スクリーン印刷機等で塗布する方法、スプレーコーターで噴霧塗布する方法、さらにはインクジェット法等を用いることができる。塗膜の乾燥方法としては、風乾、オーブンまたはホットプレートによる加熱乾燥、真空乾燥等の方法が用いられる。また、塗膜の乾燥は、感光性樹脂組成物中の(A)ポリベンゾオキサゾール前駆体の閉環が起こらないような条件で行うことが望ましい。具体的には、自然乾燥、送風乾燥、あるいは加熱乾燥を、70〜140℃で1〜30分の条件で行うことができる。好ましくは、ホットプレート上で1〜20分乾燥を行う。また、真空乾燥も可能であり、この場合は、室温で20分〜1時間の条件で行うことができる。
基板については、特に制限はなく、シリコンウェハー等の半導体基材、配線基板、各種樹脂や金属などからなる基材に広く適用できるが、銅基板、即ち、銅配線を有する基板であると本発明の効果を良好に得ることができる。
次に、ステップ2として、上記塗膜を、パターンを有するフォトマスクを介して、あるいは直接、露光する。露光光線は、(B)光酸発生剤を活性化させ、酸を発生させることができる波長のものを用いる。具体的には、露光光線は、最大波長が350〜410nmの範囲にあるものが好ましい。上述したように、適宜増感剤を用いると、光感度を調整することができる。露光装置としては、コンタクトアライナー、ミラープロジェクション、ステッパー、レーザーダイレクト露光装置等を用いることができる。
続いて、ステップ3として、加熱し、未露光部の(A)ポリベンゾオキサゾール前駆体の一部を閉環してもよい。ここで、閉環率は、30%程度である。加熱時間および加熱温度は、(A)ポリベンゾオキサゾール前駆体、塗布膜厚および(B)光酸発生剤の種類によって、適宜変更する。
次いで、ステップ4として、塗膜を現像液で処理する。これにより、塗膜中の露光部分を除去して、本発明の感光性樹脂組成物のパターン膜を形成することができる。本発明によれば、耐現像性に優れるため、現像時間のマージンが広く、例えば、膜厚10〜15μmの乾燥膜は現像時間60秒〜180秒において現像可能であり、残膜率80%以上を維持することができる。
現像に用いる方法としては、従来知られているフォトレジストの現像方法、例えば回転スプレー法、パドル法、超音波処理を伴う浸せき法等の中から任意の方法を選択することができる。現像液としては、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の有機アミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等の四級アンモニウム塩類等の水溶液を挙げることができる。また、必要に応じて、これらにメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加してもよい。その後、必要に応じて塗膜をリンス液により洗浄してパターン膜を得る。リンス液としては、蒸留水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等を単独または組み合わせて用いることができる。また、現像液として上記溶媒を使用してもよい。
その後、ステップ5として、パターン膜を加熱して硬化塗膜(硬化物)を得る。このとき、(A)ポリベンゾオキサゾール前駆体を閉環し、ポリベンゾオキサゾールを得ればよい。加熱温度は、ポリベンゾオキサゾールのパターン膜を硬化可能なように適宜設定する。例えば、不活性ガス中で、150〜350℃で5〜120分程度の加熱を行う。加熱温度のより好ましい範囲は、180〜320℃である。加熱は、例えば、ホットプレート、オーブン、温度プログラムを設定できる昇温式オーブンを用いることにより行う。このときの雰囲気(気体)としては空気を用いてもよく、窒素、アルゴン等の不活性ガスを用いてもよい。
本発明の感光性樹脂組成物の用途は特に限定されず、例えば、塗料、印刷インキ、または接着剤、あるいは、表示装置、半導体装置、電子部品、光学部品、または建築材料の形成材料として好適に用いられる。具体的には、表示装置の形成材料としては、層形成材料や画像形成材料として、カラーフィルター、フレキシブルディスプレイ用フィルム、レジスト材料、配向膜等に用いることができる。また、半導体装置の形成材料としては、レジスト材料、バッファーコート膜のような層形成材料等に用いることができる。さらに、電子部品の形成材料としては、封止材料や層形成材料として、プリント配線板、層間絶縁膜、配線被覆膜等に用いることができる。さらにまた、光学部品の形成材料としては、光学材料や層形成材料として、ホログラム、光導波路、光回路、光回路部品、反射防止膜等に用いることができる。さらにまた、建築材料としては、塗料、コーティング剤等に用いることができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、主にパターン形成材料として用いられ、それによって形成されたパターン膜は、ポリベンゾオキサゾールからなる永久膜として耐熱性や絶縁性を付与する成分として機能することから、特に半導体装置、表示体装置および発光装置の表面保護膜、層間絶縁膜、再配線用絶縁膜、フリップチップ装置用保護膜、バンプ構造を有する装置の保護膜、多層回路の層間絶縁膜、受動部品用絶縁材料、ソルダーレジストやカバーレイ膜などのプリント配線板の保護膜、ならびに液晶配向膜等として好適に利用できる。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。なお、以下において、「部」および「%」とあるのは、特に断りのない限り、すべて質量基準である。
(ポリベンゾオキサゾール前駆体A−1の合成)
攪拌機、温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中にN−メチルピロリドン212gを仕込み、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン60.52g(165.22mmol)を撹拌溶解した。その後、フラスコを氷浴に浸し、フラスコ内を0〜5℃に保ちながら、4,4−ジフェニルエーテルジカルボン酸クロリド53.02g(179.65mmol)を固体のまま5gずつ30分間かけて加え、氷浴中で30分間撹拌した。その後、室温で5時間撹拌を続けた。撹拌した溶液を1Lのイオン交換水(比抵抗値18.2MΩ・cm)に投入し、析出物を回収した。その後、得られた固体をアセトン420mLに溶解させ、1Lのイオン交換水に投入した。析出した固体を回収後、減圧乾燥してカルボキシル基末端の下記の繰り返し構造を有するポリベンゾオキサゾール(PBO)前駆体A−1を得た。ポリベンゾオキサゾール前駆体A−1の数平均分子量(Mn)は13,100、重量平均分子量(Mw)は32,100、Mw/Mnは2.45であった。
(ポリベンゾオキサゾール前駆体A−2の合成)
攪拌機、温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中にN−メチルピロリドン85g仕込み、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン11.21g(30.6mmol)と2−(4−アミノフェニル)−5−アミノベンゾオキサゾール0.145g(0.644mmol)を撹拌溶解した。その後、フラスコを氷浴に浸し、フラスコ内を0〜5℃に保ちながら、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸クロリド10.10g(34.2mmol)を固体のまま10分間かけて加え、氷浴中で30分間撹拌した。その後、室温で18時間撹拌を続けた。撹拌した溶液を400mLのイオン交換水(比抵抗値18.2MΩ・cm)に投入し、析出物を回収した。その後、得られた固体をメチルプロパノール440mLに溶解させ、1Lのイオン交換水に投入した。析出した個体を回収後、減圧乾燥してカルボキシル基末端の部分環化ポリベンゾオキサゾール前駆体A−2を得た。GPC法標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は34,500であった。
ポリベンゾオキサゾール前駆体A−1は、上記一般式(3)で示される構造を有するものであり、下記のアミド構造の繰り返し構造を有する。ポリベンゾオキサゾール前駆体A−2は、上記一般式(1)および(2)で示される構造を有するものであり、下記のアミド構造と、下記のベンゾオキサゾール構造を有するアミド構造とを、98%:2%で有する。
(アミド構造)
Figure 2019148750
(ベンゾオキサゾール構造を有するアミド構造)
Figure 2019148750
(実施例1)
ポリベンゾオキサゾール前駆体(A−1)100質量部、ジアゾナフトキノン化合物(B)10質量部、メルカプト基を有するトリアゾール化合物(C−1)2質量部、メラミン系架橋剤(D)10質量部をγ-ブチロラクトン300質量部に溶解した後、0.2μmフィルターでろ過し、感光性樹脂組成物のワニスを得た。
(実施例2)
ポリベンゾオキサゾール前駆体(A−1)をポリベンゾオキサゾール前駆体(A−2)に変更した以外は、実施例1と同様の条件にて、実施例2の感光性樹脂組成物のワニスを得た。
(比較例1)
メルカプト基を有するトリアゾール化合物(C−1)とメラミン系架橋剤(D)を使用しなかった以外は、実施例1と同様の条件にて、比較例1の感光性樹脂組成物のワニスを得た。
(比較例2)
メラミン系架橋剤(D)を使用しなかった以外は、実施例1と同様の条件にて、比較例2の感光性樹脂組成物のワニスを得た。
(比較例3)
メルカプト基を有するトリアゾール化合物(C−1)を、トリアゾール化合物(R−1)に変更し、メラミン系架橋剤(D)を使用しなかった以外は、実施例1と同様の条件にて、比較例3の感光性樹脂組成物のワニスを得た。
(比較例4)
メルカプト基を有するトリアゾール化合物(C−1)を、トリアゾール化合物(R−2)に変更し、メラミン系架橋剤(D)を使用しなかった以外は、実施例1と同様の条件にて、比較例4の感光性樹脂組成物のワニスを得た。
(比較例5)
メルカプト基を有するトリアゾール化合物(C−1)を使用しなかった以外は、実施例1と同様の条件にて、比較例5の感光性樹脂組成物のワニスを得た。
(パターン硬化膜の作製)
上記実施例1、2および比較例1〜5の感光性樹脂組成物のワニスを、銅スパッタの施されたシリコンウエハ(Φ6インチ)上にスピンコーターを用いて塗布、ホットプレートにて110℃で3分乾燥し、膜厚約13〜15μmの塗膜を得た。得られた塗膜に対し10μmのパターンが描かれたマスクを介し、800mJ/cmのi線露光を施した。露光後、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液にて120秒現像し、水でリンスし、ポジ型の硬化膜のパターンを得た。
(耐現像性)
現像後のL/S=10μm/10μmパターンを電子顕微鏡(SEM“JSM−6010”)で観察し、以下の基準に従って耐現像性を評価した。
◎:現像後残膜率が91%以上かつパターン硬化膜表面に模様やクラックがない。
○:現像後残膜率が81%以上91%未満かつ硬化膜表面に模様やクラックがない。
×:残膜率が81%未満又は硬化膜表面に模様やクラックがある。
(現像残渣)
現像後のL/S=10μm/10μmパターンを電子顕微鏡(SEM“JSM−6010”)で観察し、現像残渣の有無を確認し、現像残渣のないものを〇、あるものを×とした。
Figure 2019148750
光酸発生剤
Figure 2019148750
トリアゾール化合物
Figure 2019148750
メラミン系架橋剤
Figure 2019148750
上記表中に示す結果から、本発明の感光性樹脂組成物は、現像時間を長くした場合でも現像残渣の抑制と耐現像性とを両立することができることがわかる。

Claims (7)

  1. (A)ポリベンゾオキサゾール前駆体、(B)光酸発生剤、(C)メルカプト基を有するトリアゾール化合物、および(D)メラミン系架橋剤を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。
  2. 前記(A)ポリベンゾオキサゾール前駆体が、ジアミン成分とジカルボン酸成分の反応から得られるポリアミド系樹脂であって、ポリアミド構造中、下記一般式(1)で示される構造の割合が0.1〜15%であり、下記一般式(2)で示される構造の割合が85〜99.9%であることを特徴とする請求項1記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2019148750
    (一般式(1)中、Pはジアミン成分の残基であり、下記一般式(1−1)、(1−2)および(1−3)のいずれかのベンゾオキサゾール構造を有する2価の基である。R’はジカルボン酸成分の残基であり、2価の有機基である。)
    Figure 2019148750
    (一般式(1−1)中、R〜Rは水素原子、有機基、ニトロ基、ハロゲン原子、スルホ基、スルホニル基、アミノ基、一般式(1)中の窒素原子との直接結合のいずれかであり、同一であっても異なっていてもよい。R〜Rは水素原子、有機基、ニトロ基、ハロゲン原子、スルホ基、スルホニル基、アミノ基、一般式(1)中の窒素原子との直接結合のいずれかであり、同一であっても異なっていてもよい。ただし、R〜Rのうちいずれか一つ、および、R〜Rのうちいずれか一つは、一般式(1)中の窒素原子との直接結合である。)
    Figure 2019148750
    (一般式(1−2)中、R10〜R14は水素原子、有機基、ニトロ基、ハロゲン原子、スルホ基、スルホニル基、アミノ基、一般式(1)中の窒素原子との直接結合のいずれかであり、同一であっても異なっていてもよい。R15〜R19は水素原子、有機基、ニトロ基、ハロゲン原子、スルホ基、スルホニル基、アミノ基、一般式(1)中の窒素原子との直接結合のいずれかであり、同一であっても異なっていてもよい。ただし、R10〜R14のうちいずれか一つ、および、R15〜R19のうちいずれか一つは、一般式(1)中の窒素原子との直接結合である。R20、R21はそれぞれ水素原子、有機基、ニトロ基、ハロゲン原子、スルホ基、スルホニル基、アミノ基のいずれかであり、同一であっても異なっていてもよい。)
    Figure 2019148750
    (一般式(1−3)中、R22〜R26は水素原子、有機基、ニトロ基、ハロゲン原子、スルホ基、スルホニル基、アミノ基、一般式(1)中の窒素原子との直接結合のいずれかであり、同一であっても異なっていてもよい。R27〜R31は水素原子、有機基、ニトロ基、ハロゲン原子、スルホ基、スルホニル基、アミノ基、一般式(1)中の窒素原子との直接結合のいずれかであり、同一であっても異なっていてもよい。ただし、R22〜R26のうちいずれか一つ、および、R27〜R31のうちいずれか一つは、一般式(1)中の窒素原子との直接結合である。R32、R33はそれぞれ水素原子、有機基、ニトロ基、ハロゲン原子、スルホ基、スルホニル基、アミノ基のいずれかであり、同一であっても異なっていてもよい。)
    Figure 2019148750
    (一般式(2)中、Xはジヒドロキシジアミン類の残基であり、4価の有機基である。Yは、ジカルボン酸成分の残基であり、2価の有機基である。)
  3. 前記(C)メルカプト基を有するトリアゾール化合物が、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールであることを特徴とする請求項1または2記載の感光性樹脂組成物。
  4. 銅基板上に硬化膜を形成するために用いられることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の感光性樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項記載の感光性樹脂組成物をフィルムに塗布、乾燥して得られる樹脂層を有することを特徴とするドライフィルム。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項記載の感光性樹脂組成物または請求項5記載のドライフィルムの樹脂層を硬化して得られることを特徴とする硬化物。
  7. 請求項6に記載の硬化物を有することを特徴とする電子部品。
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