JP7094150B2 - 感光性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物、および電子部品 - Google Patents

感光性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物、および電子部品 Download PDF

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Description

本発明は、感光性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物、および電子部品に関する。
LSIなどの半導体素子のバッファーコート膜やウェハーレベルパッケージ(WLP)の再配線層用絶縁膜には、感光性のポリイミドやポリベンゾオキサゾール(PBO)等の感光性耐熱樹脂の前駆体を含む感光性樹脂組成物が広く用いられている。
このような半導体素子に用いられる感光性樹脂組成物として、例えば、特許文献1では、アルカリ可溶性樹脂、ジアゾナフトキノン化合物、フェノール性水酸基を含まず-CH2OH基を含む化合物を含有する感光性樹脂組成物を提案している。この提案の組成物によれば、シリコンウエハー上で現像残渣(スカム)がなく現像が可能な組成物を得ることができる。
また、上記のようなポリベンゾオキサゾール前駆体を含有する感光性樹脂組成物を熱硬化させるためには高温で処理する必要があるが、耐熱性に乏しい基材にも用いられるようにするために、また、環境面、コスト面、安全面における要求から、熱硬化時の処理温度を250℃以下に低減することが求められている。そのような手段として、従来、架橋剤を配合することが知られている(例えば、特許文献2)。
特開2005-37925号公報 特開2009-265520号公報
近年、半導体素子の小型化や高集積化による多層配線化等により、銅配線上に表面保護膜および層間絶縁膜を直接形成する場合が多くなってきている。しかしながら、特許文献1の提案にかかる従来技術によれば、銅基板上で現像すると、多量の現像残渣が生じてしまうという問題があった。また、上記のような感光性樹脂組成物には、微細なパターンを形成するために解像性も求められている。
一方で、上述した多層配線化等により、銅配線上に表面保護膜および層間絶縁膜を複数層形成することが多くなってきており、3層以上積層することが求められている。そのような工程に適用できるように、絶縁性樹脂組成物は、積層時のクラック耐性や薬品耐性などが求められている。しかしながら、特許文献2の提案にかかる従来の架橋剤を含む感光性樹脂組成物は、250℃以下の低い硬化温度で硬化したとき、有機溶剤への薬品耐性が低く、積層時にクラックが発生するという問題があった。
そこで、本発明の目的は、250℃以下の低い硬化温度で硬化しても伸び率等の機械物性および薬品耐性に優れる硬化物を形成できるとともに、形成した硬化膜の上にさらに積層して硬化膜を形成し、硬化膜が3層以上積層した場合であってもクラック耐性に優れる硬化物の積層体を形成することができる銅基板上での現像残渣の抑制および解像性に優れる感光性樹脂組成物、該組成物から得られる樹脂層を有するドライフィルム、該組成物または該ドライフィルムの樹脂層の硬化物、該硬化物を有する電子部品を提供することにある。
本発明者等は上記に鑑み鋭意検討した結果、耐熱樹脂の前駆体としてアルカリ可溶性ポリヒドロキシアミドを用い、さらに、2官能の(メタ)アクリル化合物と特定の5員複素環化合物とを併用することによって、上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の感光性樹脂組成物は、(A)アルカリ可溶性ポリヒドロキシアミド、(B)感光剤、(C)2官能の(メタ)アクリル化合物、および、(D)窒素原子を少なくとも2つ以上含む5員複素環であって、かつプロトン性極性基を少なくとも1つ以上含む化合物、を含有することを特徴とするものである。
本発明の感光性樹脂組成物は、銅基板上に硬化膜を形成するために用いられることが好ましい。
本発明のドライフィルムは、前記感光性樹脂組成物をフィルムに塗布、乾燥して得られる樹脂層を有することを特徴とするものである。
本発明の硬化物は、前記感光性樹脂組成物または前記ドライフィルムの樹脂層を硬化して得られることを特徴とするものである。
本発明の電子部品は、前記硬化物を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、250℃以下の低い硬化温度で硬化しても伸び率等の機械物性および薬品耐性に優れる硬化物を形成できるとともに、形成した硬化膜の上にさらに積層して硬化膜を形成し、硬化膜が3層以上積層した場合であってもクラック耐性に優れる硬化物の積層体を形成することができる銅基板上での現像残渣の抑制および解像性に優れる感光性樹脂組成物、該組成物から得られる樹脂層を有するドライフィルム、該組成物または該ドライフィルムの樹脂層の硬化物、該硬化物を有する電子部品を提供することができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、銅基板上での現像残渣の抑制および解像性に優れるだけでなく、低い硬化温度で硬化しても伸び率等の機械物性および薬品耐性に優れた硬化物を得ることができる。また、例えば再配線絶縁層においては、形成した硬化膜の上にさらに積層して硬化膜を形成し3層以上積層できることが求められるが、そのように積層するとクラックが発生しやすいという問題があった。しかしながら、本発明の感光性樹脂組成物によれば、クラック耐性に優れた硬化物の積層体を形成することも可能である。
以下、本発明の感光性樹脂組成物が含有する成分について詳述する。なお、本明細書において、(メタ)アクリル化合物とは、アクリル化合物、メタクリル化合物およびそれらの混合物を総称する用語であり、他の類似の表現についても同様である。
[(A)アルカリ可溶性ポリヒドロキシアミド]
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)アルカリ可溶性ポリヒドロキシアミドを含む。(A)アルカリ可溶性ポリヒドロキシアミドの合成方法は特に限定されず、公知の方法で合成すればよい。例えば、アミン成分としてジヒドロキシジアミン類と、酸成分としてジカルボン酸ジクロリド、ジカルボン酸、ジカルボン酸エステル等のジカルボン酸成分とを反応させて得ることができる。
(A)アルカリ可溶性ポリヒドロキシアミドは、ポリベンゾオキサゾール前駆体であることが好ましく、下記一般式(1)の繰り返し構造を有するポリヒドロキシアミドであることが好ましい。
Figure 0007094150000001
(式中、Xは4価の有機基を示し、Yは2価の有機基を示す。nは2以上の整数であり、好ましくは10~200、より好ましくは20~70である。)
(A)アルカリ可溶性ポリヒドロキシアミドを上記の合成方法で合成する場合、上記一般式(1)中、Xは、上記ジヒドロキシジアミン類の残基であり、Yは、上記ジカルボン酸成分の残基である。
上記の繰り返し構造のジヒドロキシジアミン類としては、3,3’-ジアミノ-4,4’-ジヒドロキシビフェニル、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジヒドロキシビフェニル、ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4-アミノ-3-ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4-アミノ-3-ヒドロキシフェニル)スルホン、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(4-アミノ-3-ヒドロキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン等が挙げられる。中でも、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパンが好ましい。
上記の繰り返し構造のジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、テレフタル酸、5-tert-ブチルイソフタル酸、5-ブロモイソフタル酸、5-フルオロイソフタル酸、5-クロロイソフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、4,4’-ジカルボキシビフェニル、4,4’-ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4’-ジカルボキシテトラフェニルシラン、ビス(4-カルボキシフェニル)スルホン、2,2-ビス(p-カルボキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-カルボキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン等の芳香環を有するジカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、1,2-シクロブタンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、1,3-シクロペンタンジカルボン酸等の脂肪族系ジカルボン酸が挙げられる。中でも、4,4’-ジカルボキシジフェニルエーテルが好ましい。
上記一般式(1)中、Xが示す4価の有機基は脂肪族基でも芳香族基でもよいが、芳香族基であることが好ましく、2つのヒドロキシ基と2つのアミノ基がオルト位に芳香環上に位置することがより好ましい。上記4価の芳香族基の炭素原子数は、6~30であることが好ましく、6~24であることがより好ましい。上記4価の芳香族基の具体例としては以下に示す基が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、ポリベンゾオキサゾール前駆体に含まれうる公知の芳香族基を用途に応じて選択すればよい。
Figure 0007094150000002
上記4価の芳香族基は、上記芳香族基の中でも以下に示す基であることが好ましい。
Figure 0007094150000003
上記一般式(1)中、Yが示す2価の有機基は脂肪族基でも芳香族基でもよいが、芳香族基であることが好ましく、芳香環上で上記一般式(1)中のカルボニルと結合していることがより好ましい。上記2価の芳香族基の炭素原子数は、6~30であることが好ましく、6~24であることがより好ましい。上記2価の芳香族基の具体例としては以下に示す基が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、ポリベンゾオキサゾール前駆体に含まれる公知の芳香族基を用途に応じて選択すればよい。
Figure 0007094150000004
(式中、Aは単結合、-CH-、-O-、-CO-、-S-、-SO-、-NHCO-、-C(CF-、-C(CH-からなる群から選択される2価の基を表す。)
上記2価の有機基は、上記芳香族基の中でも以下に示す基であることが好ましい。
Figure 0007094150000005
(A)アルカリ可溶性ポリヒドロキシアミドは、上記のポリヒドロキシアミドの繰り返し構造を2種以上含んでいてもよい。また、上記のポリヒドロキシアミドの繰り返し構造以外の構造を含んでいてもよく、例えば、ポリアミド酸の繰り返し構造を含んでいてもよい。
(A)アルカリ可溶性ポリヒドロキシアミドの数平均分子量(Mn)は、5,000~100,000であることが好ましく、6,500~50,000であることがより好ましい。ここで数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定し、標準ポリスチレンで換算した数値である。また、(A)アルカリ可溶性ポリヒドロキシアミドの重量平均分子量(Mw)は10,000~200,000であることが好ましく、16,000~100,000であることがより好ましい。ここで重量平均分子量は、GPCで測定し、標準ポリスチレンで換算した数値である。Mw/Mnは1~5であることが好ましく、1~3であることがより好ましい。
(A)アルカリ可溶性ポリヒドロキシアミドは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A)アルカリ可溶性ポリヒドロキシアミドの配合量は、組成物固形分全量基準で60~90質量%であることが好ましい。60質量%以上で含むことにより、密着性、表面硬化性が良好になる。また、90質量%以下で含むことにより、硬化物中の架橋密度の低下を防ぐことができ、塗膜特性が良好となる。
[(B)感光剤]
本発明の感光性樹脂組成物は、(B)感光剤を含む。(B)感光剤としては、特に制限はなく、光酸発生剤や光塩基発生剤を用いることができる。光酸発生剤は、紫外線や可視光等の光照射により酸を発生する化合物であり、光塩基発生剤は、同様の光照射により分子構造が変化するか、または、分子が開裂することにより1種以上の塩基性物質を生成する化合物である。本発明においては、(B)感光剤として、光酸発生剤を好適に用いることができる。
光酸発生剤としては、ナフトキノンジアジド化合物、ジアリールスルホニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、ジアルキルフェナシルスルホニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、アリールジアゾニウム塩、芳香族テトラカルボン酸エステル、芳香族スルホン酸エステル、ニトロベンジルエステル、芳香族N-オキシイミドスルフォネート、芳香族スルファミド、ベンゾキノンジアゾスルホン酸エステル等を挙げることができる。光酸発生剤は、溶解阻害剤であることが好ましい。中でもナフトキノンジアジド化合物であることが好ましい。
ナフトキノンジアジド化合物としては、具体的には例えば、トリス(4-ヒドロキシフェニル)-1-エチル-4-イソプロピルベンゼンのナフトキノンジアジド付加物(例えば、三宝化学研究所社製のTS533,TS567,TS583,TS593)や、テトラヒドロキシベンゾフェノンのナフトキノンジアジド付加物(例えば、三宝化学研究所社製のBS550,BS570,BS599)や、4-{4-[1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エチル]-α,α-ジメチルベンジル}フェノールのナフトキノンジアジド付加物(例えば、三宝化学研究所社製のTKF-428,TKF-528)等を使用することができる。
また、光塩基発生剤としては、イオン型光塩基発生剤でもよく、非イオン型光塩基発生剤でもよいが、イオン型光塩基発生剤の方が組成物の感度が高く、パターン膜の形成に有利になるので好ましい。塩基性物質としては、例えば、2級アミン、3級アミンが挙げられる。
イオン型の光塩基発生剤としては、例えば、芳香族成分含有カルボン酸と3級アミンとの塩や、和光純薬社製イオン型PBGのWPBG-082、WPBG-167、WPBG-168、WPBG-266、WPBG-300等を用いることができる。
非イオン型の光塩基発生剤としては、例えば、α-アミノアセトフェノン化合物、オキシムエステル化合物や、N-ホルミル化芳香族アミノ基、N-アシル化芳香族アミノ基、ニトロベンジルカーバメイト基、アルコオキシベンジルカーバメート基等の置換基を有する化合物等が挙げられる。その他の光塩基発生剤として、和光純薬社製のWPBG-018(商品名:9-anthrylmethyl N,N’-diethylcarbamate)、WPBG-027(商品名:(E)-1-[3-(2-hydroxyphenyl)-2-propenoyl]piperidine)、WPBG-140(商品名:1-(anthraquinon-2-yl)ethyl imidazolecarboxylate)、WPBG-165等を使用することもできる。
(B)感光剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。(B)感光剤の配合量は、組成物固形分全量基準で3~30質量%であることが好ましい。
[(C)2官能の(メタ)アクリル化合物]
本発明の感光性樹脂組成物は、(C)2官能の(メタ)アクリル化合物を含む。(C)2官能の(メタ)アクリル化合物としては、(メタ)アクリロイル基を2つ有する化合物であれば特に限定されず、具体例としては、1,4-ブタンジオールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、1,9-ノナンジオールジアクリレート、1,10-デカンジオールジアクリレートなどのジオールのジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールにエチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイドの少なくともいずれか1種を付加して得たジオールのジアクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレートなどのグリコールのジアクリレート、ビスフェノールA EO(エチレンオキサイド)付加物ジアクリレート、ビスフェノールA PO(プロピレンオキサイド)付加物ジアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルアクリル酸付加物、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートビスフェノールAにエチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイドの少なくともいずれか1種を付加して得たジオールのジアクリレート、水添ジシクロペンタジエニルジアクリレート、シクロヘキシルジアクリレートなどの環状構造を有するジアクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジアクリレートなどのイソシアヌル酸のジアクリレート、2官能のポリエステルアクリレート、および、これらに対応するメタクリレートなどが挙げられる。
市販品としては、ライトアクリレート1,6HX-A、1,9ND-A、3EG-A、4EG-A(共栄社化学社製の商品名)、HDDA、1,9-NDA、DPGDA、TPGDA(ダイセル・オルネクス社製の商品名)、ビスコート#195、#230、#230D、#260、#310HP、#335HP、#700HV、#540(大阪有機化学工業社製の商品名)、アロニックスM-208、M-211B、M-215、M-220、M-225、M-240、M-270、M-6200、M-6250、M-6500(東亞合成社製の商品名)、NKエステルBPE200、BPE500、BPE-900(新中村化学社製の商品名)などが挙げられる。
2官能の(メタ)アクリル化合物の中でも、ジオールの(エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドなどの)アルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレートや2官能のポリエステル(メタ)アクリレートが好ましく、2官能のポリエステル(メタ)アクリレートがより好ましい。
ジオールのアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレートとしては、具体的にはジオールをアルキレンオキシド変性した後に末端に(メタ)アクリレートを付加させたものが好ましく、ジオールに芳香環を有するものがさらに好ましい。例えば、ビスフェノールA EO(エチレンオキサイド)付加物ジアクリレート、ビスフェノールA PO(プロピレンオキサイド)付加物ジアクリレートなどが挙げられる。ジオールのアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレートの具体的な構造を下記に示すがこれに限定されるものではない。
Figure 0007094150000006
(式中、m+nは2以上であり、2~40であることが好ましく、3.5~25であることがより好ましい。)
2官能のポリエステル(メタ)アクリレートとしては、M-6200、M-6250、M-6500(東亞合成社製の商品名)が好ましい。
(C)2官能の(メタ)アクリル化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。(C)2官能の(メタ)アクリル化合物の配合量は、(A)アルカリ可溶性ポリヒドロキシアミド100質量部に対して、1~100質量部であることが好ましい。また、(A)アルカリ可溶性ポリヒドロキシアミド100質量部に対して、3~40質量部であることがより好ましく、低温硬化において十分な薬品耐性をより発揮することができ、また、積層時にクラックをより抑制することができる。
[(D)窒素原子を少なくとも2つ以上含む5員複素環であって、かつプロトン性極性基を少なくとも1つ以上含む化合物]
本発明の感光性樹脂組成物は、(D)窒素原子を少なくとも2つ以上含む5員複素環であって、かつプロトン性極性基を少なくとも1つ以上含む化合物(以下、「(D)5員複素環化合物」とも称する)を含む。
(D)5員複素環化合物において、窒素原子を少なくとも2つ以上含む5員複素環は特に限定されないが、イミダゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環などが挙げられる。中でも、イミダゾール環、トリアゾール環が好ましく、トリアゾール環がより好ましい。また、5員複素環は、例えばベンゾイミダゾール環やプリン環のように他の環と縮合環を形成していてもよい。
(D)5員複素環化合物において、プロトン性極性基とは、周期表第15族または第16族に属する原子に水素原子が直接結合している原子を含む基をいう。周期表第15族または第16族に属する原子は、その第1または第2周期に属する原子であることが好ましく、酸素原子、窒素原子、リン原子または硫黄原子であることがより好ましい。
プロトン性極性基としては、アルコール基、チオール基、カルボキシル基、第一級アミノ基、第二級アミノ基、第一級アミド基、第二級アミド基(イミド基)、スルホン酸基、リン酸基等が挙げられる。中でも、チオール基、カルボキシル基が好ましく、チオール基がより好ましい。
(D)5員複素環化合物は、下記一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0007094150000007
(一般式(2)中、環Aは窒素原子を少なくとも2つ以上含む5員複素環を表し、Wはプロトン性極性基またはプロトン性極性基を有する基を表し、Zは水素原子または有機基であり、mは1~4の整数を表し、nは0~3の整数を表す。mが2以上の整数の場合、Wはそれぞれ同じでも異なってもよい。nが2以上の整数の場合、Zはそれぞれ同じでも異なってもよく、また、Z同士が繋がって、環Aと共に縮合環を形成していてもよい。環Aの5員複素環が含む窒素原子の数は2~4の整数である。)
一般式(2)中、Wがとり得るプロトン性極性基を有する基としては、プロトン性極性基を有する炭素数1~10の有機基であることが好ましく、プロトン性極性基を有する炭素数1~6の有機基であることがより好ましい。プロトン性極性基を有する有機基における有機基としては、アルキル基、フェニル基、ナフチル基、アルキレンオキシド基、ビニル基、アリル基、アシル基、フェニレンビニレン基等が挙げられる。プロトン性極性基を有する有機基は、プロトン性極性基を2以上有していてもよく、そのような有機基としては、例えば、アミノ基とカルボキシル基を有する有機基等が挙げられる。
一般式(2)中、Wは、プロトン性極性基、プロトン性極性基を有する炭素数1~6のアルキル基、アルキレンオキシド基、ビニル基であることが好ましく、プロトン性極性基であることが好ましい。
一般式(2)中、Zがとり得る有機基は、炭素数1~15の有機基であることが好ましく、炭素数1~5の有機基であることがより好ましい。Zがとり得る有機基としては、例えば、アルキル基、ビニル基、アルケニル基、シアノ基などが挙げられ、中でも、シアノ基が好ましい。また、(D)5員複素環化合物は、Rが繋がって環構造を形成し、環Aと共に縮合環を形成している化合物も好適に用いることができる。縮合環としては、例えば炭素数3~10の縮合環が好ましく、炭素数4~8の縮合環がより好ましい。そのとき、縮合環に炭素数1~5の有機基を有していることが好ましい。例えば、カルボキシル基、アルキルアルコール基、アルキレンオキシド基などが挙げられ、中でもカルボキシル基が好ましい。
(D)5員複素環化合物の具体例としては、2-アミノベンゾイミダゾール、3-メルカプト-1,2,4-トリアゾール、2-アミノ-4,5-ジシアノ-1Hイミダゾール、3-アミノトリアゾール、ベンゾトリアゾール-5-カルボン酸などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(D)5員複素環化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。(D)5員複素環化合物の配合量は、(A)アルカリ可溶性ポリヒドロキシアミド100質量部に対して、0.01~5質量部が好ましい。また、(A)アルカリ可溶性ポリヒドロキシアミド100質量部に対して、0.1~1質量部がより好ましく、金属基板上の現像性が向上し、さらに低温硬化で密着性が向上する。
(シランカップリング剤)
本発明の感光性樹脂組成物は、シランカップリング剤を含んでもよい。シランカップリング剤を含むことによって、基材との密着性を向上することができる。シランカップリング剤は特に限定されず、例えば、アルコキシ基を有するシランカップリング剤、アミノ基を有するシランカップリング剤、メルカプト基を有するシランカップリング剤、エポキシ基を有するシランカップリング剤、エチレン性不飽和基を有するシランカップリング剤、アリールアミノ基を有するシランカップリング剤などが挙げられる。
このようなシランカップリング剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。このシランカップリング剤の配合量は、組成物固形分全量基準で1~15質量%であることが好ましい。1~15質量%であると基板との密着性を確保しつつ露光部の現像残りを防止することができる。
[増感剤、密着助剤、その他の成分]
本発明の感光性樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、更に光感度を向上させるために公知の増感剤や、基材との接着性向上のため公知の密着助剤や、架橋剤などを配合することもできる。更に、本発明の感光性樹脂組成物に加工特性や各種機能性を付与するために、その他に様々な有機または無機の低分子または高分子化合物を配合してもよい。例えば、界面活性剤、レベリング剤、可塑剤、微粒子等を用いることができる。微粒子には、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン等の有機微粒子、コロイダルシリカ、カーボン、層状珪酸塩等の無機微粒子が含まれる。また、本発明の感光性樹脂組成物に各種着色剤および繊維等を配合してもよい。
[溶剤]
本発明の感光性樹脂組成物に用いられる溶剤は、(A)アルカリ可溶性ポリヒドロキシアミド、(B)感光剤、(C)2官能の(メタ)アクリル化合物、(D)5員複素環化合物、および、他の添加剤を溶解させるものであれば特に限定されない。一例としては、N,N’-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、N-エチル-2-ピロリドン、N,N’-ジメチルアセトアミド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、シクロペンタノン、γ-ブチロラクトン、α-アセチル-γ-ブチロラクトン、テトラメチル尿素、1,3-ジメチル-2-イミダゾリノン、N-シクロヘキシル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、ピリジン、γ-ブチロラクトン、ジエチレングリコールモノメチルエーテルを挙げることができる。これらは単独で用いても、二種以上を混合して用いてもかまわない。使用する溶剤の量は、塗布膜厚や粘度に応じて適宜に定めることができる。例えば、(A)アルカリ可溶性ポリヒドロキシアミド100質量部に対し、50~9000質量部の範囲で用いることができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、ポジ型であることが好ましい。
[ドライフィルム]
本発明のドライフィルムは、本発明の感光性樹脂組成物をキャリアフィルムに塗布後、乾燥して得られる樹脂層を有するものである。この樹脂層を、基材に接するようにラミネートして使用される。
本発明のドライフィルムは、キャリアフィルムに本発明の感光性樹脂組成物をブレードコーター、リップコーター、コンマコーター、フィルムコーター等の適宜の方法により均一に塗布し、乾燥して、上記した樹脂層を形成し、好ましくはその上にカバーフィルムを積層することにより、製造することができる。カバーフィルムとキャリアフィルムは同一のフィルム材料であっても、異なるフィルムを用いてもよい。
本発明のドライフィルムにおいて、キャリアフィルムおよびカバーフィルムのフィルム材料は、ドライフィルムに用いられるものとして公知のものをいずれも使用することができる。
キャリアフィルムとしては、例えば2~150μmの厚さのポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム等の熱可塑性フィルムが用いられる。
カバーフィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等を使用することができるが、樹脂層との接着力が、キャリアフィルムよりも小さいものが良い。
本発明のドライフィルム上の樹脂層の膜厚は、100μm以下が好ましく、5~50μmの範囲がより好ましい。
[硬化物]
本発明の硬化物は、上述した本発明の感光性樹脂組成物を用い所定のステップにて硬化させたものである。その硬化物であるパターン膜は、公知慣用の製法で製造すればよく、例えば、ポリベンゾオキサゾール前駆体である(A)アルカリ可溶性ポリヒドロキシアミドを含有するポジ型感光性樹脂組成物の場合、次の各ステップにより製造する。
まず、ステップ1として、感光性樹脂組成物を基材上に塗布、乾燥することにより、あるいはドライフィルムから樹脂層を基材上に転写することにより、塗膜を得る。感光性樹脂組成物を基材上に塗布する方法としては、従来から感光性樹脂組成物の塗布に用いられていた方法、例えば、スピンコーター、バーコーター、ブレードコーター、カーテンコーター、スクリーン印刷機等で塗布する方法、スプレーコーターで噴霧塗布する方法、さらにはインクジェット法等を用いることができる。塗膜の乾燥方法としては、風乾、オーブンまたはホットプレートによる加熱乾燥、真空乾燥等の方法が用いられる。また、塗膜の乾燥は、感光性樹脂組成物中のポリベンゾオキサゾール前駆体の閉環が起こらないような条件で行うことが望ましい。具体的には、自然乾燥、送風乾燥、あるいは加熱乾燥を、70~140℃で1~30分の条件で行うことができる。好ましくは、ホットプレート上で1~20分乾燥を行う。また、真空乾燥も可能であり、この場合は、室温で20分~1時間の条件で行うことができる。
感光性樹脂組成物の塗膜が形成される基材に特に制限はなく、シリコンウェハー等の半導体基材、配線基板、各種樹脂、金属等に広く適用できる。
次に、ステップ2として、上記塗膜を、パターンを有するフォトマスクを介して、あるいは直接的に、露光する。露光光線は、(B)感光剤としての光酸発生剤を活性化させることができる波長のものを用いる。具体的には、露光光線は、最大波長が350~440nmの範囲にあるものが好ましい。上述したように、増感剤を適宜に配合することにより、光感度を調製することができる。露光装置としては、コンタクトアライナー、ミラープロジェクション、ステッパー、レーザーダイレクト露光装置等を用いることができる。
次いで、ステップ3として、上記塗膜を現像液で処理する。これにより、塗膜中の露光部分を除去して、本発明の感光性樹脂組成物のパターン膜を形成することができる。
現像に用いる方法としては、従来知られているフォトレジストの現像方法、例えば回転スプレー法、パドル法、超音波処理を伴う浸せき法等の中から任意の方法を選択することができる。現像液としては、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の有機アミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等の四級アンモニウム塩類等の水溶液を挙げることができる。また、必要に応じて、これらにメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加してもよい。その後、必要に応じて塗膜をリンス液により洗浄してパターン膜を得る。リンス液としては、蒸留水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等を単独または組み合わせて用いることができる。また、現像液として上記溶剤を使用してもよい。
その後、ステップ4として、パターン膜を加熱して硬化塗膜(硬化物)を得る。この加熱により、ポリベンゾオキサゾール前駆体を閉環し、ポリベンゾオキサゾールを得る。加熱温度は、感光性樹脂組成物のパターン膜を硬化可能なように適宜設定する。例えば、不活性ガス中で、150℃以上350℃未満で5~120分程度の加熱を行う。加熱温度のより好ましい範囲は、180~250℃である。本発明の感光性樹脂組成物は、(C)2官能の(メタ)アクリル化合物と(D)5員複素環化合物を含むので、環化が促進され、250℃未満の加熱温度とすることができる。加熱は、例えば、ホットプレート、オーブン、温度プログラムを設定できる昇温式オーブンを用いることにより行う。このときの雰囲気(気体)としては空気を用いてもよく、窒素、アルゴン等の不活性ガスを用いてもよい。
本発明の感光性樹脂組成物の用途は特に限定されず、例えば、塗料、印刷インキ、または接着剤、あるいは、表示装置、半導体装置、電子部品、光学部品、または建築材料の形成材料として好適に用いられる。具体的には、表示装置の形成材料としては、層形成材料や画像形成材料として、カラーフィルター、フレキシブルディスプレイ用フィルム、レジスト材料、配向膜等に用いることができる。また、半導体装置の形成材料としては、レジスト材料、バッファーコート膜のような層形成材料等に用いることができる。さらに、電子部品の形成材料としては、封止材料や層形成材料として、プリント配線板、層間絶縁膜、配線被覆膜等に用いることができる。さらにまた、光学部品の形成材料としては、光学材料や層形成材料として、ホログラム、光導波路、光回路、光回路部品、反射防止膜等に用いることができる。さらにまた、建築材料としては、塗料、コーティング剤等に用いることができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、主にパターン形成材料として用いられ、それによって形成されたパターン膜は、例えば、ポリベンゾオキサゾールなどからなる永久膜として耐熱性や絶縁性を付与する成分として機能することから、特に半導体装置、表示体装置および発光装置の表面保護膜、層間絶縁膜、再配線用絶縁膜、フリップチップ装置用保護膜、バンプ構造を有する装置の保護膜、多層回路の層間絶縁膜、受動部品用絶縁材料、ソルダーレジストやカバーレイ膜などのプリント配線板の保護膜、ならびに液晶配向膜等として好適に利用できる。特に、銅配線やアルミニウム配線と接する絶縁膜等に用いて好適である。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。なお、以下において、「部」および「%」とあるのは、特に断りのない限り、すべて質量基準である。
(アルカリ可溶性ポリヒドロキシアミド(A1)の合成)
温度計、攪拌機、原料仕込口及び窒素ガス導入口を備えた四つ口セパラブルフラスコに2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン40.3g(0.11モル)をN-メチル-2-ピロリドン1500gに溶解した後、ジフェニルエーテル-4、4’-ジカルボン酸ジクロリド35.4g(0.12モル)を反応系の温度を0~5℃に冷却しながら滴下した。
滴下終了後、反応系の温度を室温に戻し、そのまま6時間攪拌した。その後、純水1.8g(0.1モル)を加えて、更に40℃で1時間反応した。反応終了後、反応液を純水2000gに滴下した。沈殿物を濾集し、洗浄した後、真空乾燥を行い、以下に示す繰り返し構造を有するポリベンゾオキサゾール前駆体であるアルカリ可溶性ポリヒドロキシアミド(A1)を得た。
Figure 0007094150000008
(ポジ型感光性樹脂組成物の調製)
上記で合成したアルカリ可溶性ポリヒドロキシアミド(A1)100質量部に対して、下記表1に記載の割合で、光酸発生剤(B1)、(メタ)アクリル化合物、および、(D)成分を配合した後、ポリマーが30質量%になるようにγ-ブチロラクトンを加えてワニスとした。
(伸び率の評価)
次に、上記で調製したワニスをシリコンウェハー上にスピンコートして、120℃で4分間加熱し、膜厚50μmの塗膜を形成した。その後、前記塗膜をイナートガスオーブン中、窒素雰囲気下、120℃で10分加熱した後、5℃/min.で昇温し、240℃で10分加熱して硬化膜を得た。次にPCT装置(エスペック社製HAST SYSTEM TPC-412MD)を用いて、121℃、100%RH、60分の条件下で硬化膜を剥離した後、破断伸び等の膜物性を調べた。破断伸びは島津製作所社製のEZ-SXを用いて、引張試験より求め、つかみ具間距離は30mm、引張速度は3mm/mm、測定は8回行い、そのうちの最大値を破断伸びとした。
以下の基準に従って、伸び率を評価した。
◎:破断伸びが70%以上
〇:破断伸びが69~30%
△:破断伸びが29%以下
×:自立膜を得られなかったもの
(積層性)
上記で調製したワニスをシリコンウェハー上にスピンコートして、120℃で4分間加熱し、膜厚25μmの塗膜を形成した。その後、前記塗膜をイナートガスオーブン中、窒素雰囲気下、120℃で15分加熱した後、4℃/min.で昇温し、240℃で10分加熱して膜厚20μmの硬化膜を得た。得られた硬化膜の上に、再度上記調整したワニスを用いて、上記と同様の手順で、塗膜を形成し加熱により硬化膜を得ることを繰り返し、2層、3層、6層、10層と積層し、各積層後の硬化膜の膜表面に発生したクラックを確認し、以下の基準に従って、積層性を評価した。
◎:10層積層後、クラックが見られなかった。
〇:6層積層後はクラックが見られず、10層積層後にクラックが発生した。
△:3層積層後はクラックが見られず、6層積層後にクラックが発生した。
×:2層積層後にクラックが発生した。
(耐薬品性試験)
上記で調製したワニスをシリコンウェハー上にスピンコートして、120℃で4分間加熱し、膜厚50μmの塗膜を形成した。その後、前記塗膜をイナートガスオーブン中、窒素雰囲気下、120℃で15分加熱した後、4℃/min.で昇温し、240℃で10分加熱して硬化膜を得た。得られたサンプルの上に、それぞれ、γ-ブチロラクトン(GBL)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、酪酸エチルに25℃15分間浸漬し、浸漬前後で変化のないものを○、クラックが発生したものを×とした。
(銅基板上での現像残渣(スカム)の確認と解像度の測定)
上記で調製したワニスを、スピンコーターを用いて銅スパッタを施したシリコン基板上に塗布した。ホットプレートで120℃3分乾燥させ、感光性樹脂組成物の厚さ18umの乾燥膜を得た。得られた乾燥膜に高圧水銀ランプを用いパターンが刻まれたマスクを介して1500mJ/cmのi線を照射した。露光後2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液で120秒間現像し、水でリンスし、ポジ型パターンを得た。走査型電子顕微鏡(JEOL製JSM-610)を用いて、現像後にスカムなくパターンが作製できているL/Sを解像度とした。スカムのあるものを×と評価した。
Figure 0007094150000009
<(B)感光剤>
(B1)TKF-428(三宝化学研究所)
Figure 0007094150000010
<(C)2官能の(メタ)アクリル化合物>
(C1)アロニックスM-6250(2官能ポリエステルアクリレート、東亞合成社製)
(C2)アロニックスM-6200(2官能ポリエステルアクリレート、東亞合成社製)
(C3)アロニックスM-6500(2官能ポリエステルアクリレート、東亞合成社製)
(C4)NKエステルBPE-900(2官能メタクリレート、新中村化学社製)
<2官能の(メタ)アクリル化合物以外のアクリル化合物>
・3官能アクリレート(アロニックスM-350、東亞合成社製)
・6官能アクリレート(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、日本化薬社製)
・アクリル樹脂(ARUFON UH-2000、東亞合成社製)
<(D)窒素原子を少なくとも2つ以上含む5員複素環であって、かつプロトン性極性基を少なくとも1つ以上含む化合物>
(D1)3-メルカプト-1,2,4-トリアゾール
(D2)2-アミノベンゾイミダゾール
(D3)2-アミノ-4,5-ジシアノ-1Hイミダゾール
上記表中に示す結果から、本発明の感光性樹脂組成物は、銅基板上での現像残渣の抑制および解像性に優ることが分かる。また、本発明の感光性樹脂組成物は、低い硬化温度でも伸び率等の機械物性および薬品耐性に優れた硬化物が得ることができ、また、クラック耐性に優れた硬化物の積層体(10層)を形成できることが分かる。

Claims (5)

  1. (A)アルカリ可溶性ポリヒドロキシアミド、
    (B)感光剤、
    (C)2官能の(メタ)アクリル化合物、および、
    (D)窒素原子を少なくとも2つ以上含む5員複素環であって、かつプロトン性極性基を少なくとも1つ以上含む5員複素環化合物、
    を含有する感光性樹脂組成物であって、
    前記(C)2官能の(メタ)アクリル化合物が、ジオールのアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、および2官能のポリエステル(メタ)アクリレートから選ばれるいずれか少なくとも1種であり、
    前記(D)5員複素環化合物において、前記窒素原子を少なくとも2つ以上含む5員複素環が、トリアゾール環であることを特徴とする感光性樹脂組成物。
  2. 銅基板上に硬化膜を形成するために用いられることを特徴とする請求項1記載の感光性樹脂組成物。
  3. 請求項1または2記載の感光性樹脂組成物をフィルムに塗布、乾燥して得られる樹脂層を有することを特徴とするドライフィルム。
  4. 請求項1または2記載の感光性樹脂組成物または請求項3記載のドライフィルムの樹脂層を硬化して得られることを特徴とする硬化物。
  5. 請求項4に記載の硬化物を有することを特徴とする電子部品。
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