JP2023069530A - ネガ型感光性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物、および電子部品 - Google Patents

ネガ型感光性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物、および電子部品 Download PDF

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仁美 中村
Hitomi Nakamura
譲 本松
Yuzuru Motomatsu
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Abstract

【課題】解像性に優れるとともに、柔軟性に優れる硬化物が得られるネガ型感光性樹脂組成物を提供する。【解決手段】(A)アルカリ可溶性樹脂と(B)感光剤と(C)架橋剤とを含むネガ型感光性樹脂組成物であって、前記(A)アルカリ可溶性樹脂が、下記式(1)で示される繰り返し単位を有し、分子鎖末端に不飽和炭素結合を有する、数平均分子量が20,000未満であるポリアミック酸を含み、前記(B)感光剤が、オキシム系光重合開始剤を含み、前記(C)架橋剤が、1分子中に2官能以上のチオール基を有する多官能1級チオール化合物を含むネガ型感光性樹脂組成物とする。TIFF2023069530000013.tif44153【選択図】なし

Description

本発明は、ネガ型感光性樹脂組成物に関し、感光性成分としてポリアミック酸を含むネガ型感光性樹脂組成物、当該ネガ型感光性樹脂組成物の塗布、乾燥物からなる樹脂層を備えたドライフィルム、当該ネガ型感光性樹脂組成物または樹脂層の硬化物、および当該硬化物を備えた電子部品に関する。
従来、半導体素子における再配線用の絶縁材料として、ポリイミドやポリベンゾオキサゾールの前駆体であるポリアミック酸やポリヒドロキシアミドを主成分とする感光性樹脂組成物が用いられている。このポリアミック酸やポリヒドロキシアミドは、高温(350℃超)で加熱してイミド環やベンゾオキサゾール環へと環化反応させることで剛直な構造となるため、分子間でのパッキング密度が上昇し、耐薬品性、熱特性に優れた硬化膜が得られる。
一方、エポキシ樹脂などを主成分とする封止剤でチップを封止した後、再配線を形成する、いわゆるチップファースト型ファンアウトウエハレベルパッケージ工法が知られている。このような工法に用いられる再配線用の絶縁材料としては、エポキシ樹脂の耐熱性の観点から、220℃程度の温度で硬化可能な材料が求められている。そのため、ある程度低い温度でも硬化膜としての耐薬品性や耐熱性を満足する硬化物が得られる手法が検討されている。例えば、ポリアミック酸やポリヒドロキシアミドを含む感光性樹脂組成物にエポキシ化合物などの架橋剤を加えるアプローチが種々提案されている(特許文献1)。
また、半導体素子に使用される絶縁材料等では、微細パターニングや柔軟性の観点から、特許文献1に記載されている樹脂組成物のように、ポジ型の感光性樹脂組成物が広く採用されている。一方、近年では複雑化する半導体素子の構造や製造工程に適応するため、密着性、耐薬品性、膜厚およびパターン形状等に優れるネガ型の感光性樹脂組成物にも関心が集まっている。
特開2014-111718号公報
半導体素子に使用される絶縁材料等にネガ型の感光性樹脂組成物を適用する場合は、従来の耐熱性、電気特性、機械特性等といった特性に加え、ポジ型感光性樹脂組成物と同等の微細パターニングや柔軟性を実現する必要がある。
したがって、本発明の主たる目的は、解像性に優れるとともに、柔軟性に優れる硬化物が得られるネガ型感光性樹脂組成物を提供することである。また、本発明の他の目的は、当該ネガ型感光性樹脂組成物の塗布、乾燥物からなる樹脂層を備えたドライフィルム、当該ネガ型感光性樹脂組成物または樹脂層の硬化物、および当該硬化物を備えた電子部品を提供することである。
本発明者らは、耐熱性や柔軟性等の特性に優れるポリイミドの前駆体であるポリアミック酸を用いたネガ型の感光性樹脂組成物に着目し、鋭意検討した。その結果、特定の分子量を有し、かつ分子鎖末端に不飽和炭素結合を備えるポリアミック酸と、特定のチオール基を有する架橋剤とを、特定の感光剤によって光ラジカル重合させることで、解像性が向上するとともに、柔軟性に優れる硬化物が得られるとの知見を得た。本発明は係る知見に基づいて完成したものである。本発明の要旨は以下のとおりである。
[1](A)アルカリ可溶性樹脂と、
(B)感光剤と、
(C)架橋剤と、
を含むネガ型感光性樹脂組成物であって、
前記(A)アルカリ可溶性樹脂が、下記式(1):
Figure 2023069530000001
(一般式(1)中、Xは4価の有機基を表し、Yは2価の有機基を表し、nは整数を表す。)
で示される繰り返し単位を有し、分子鎖末端に不飽和炭素結合を有する、数平均分子量が20,000未満であるポリアミック酸を含み、
前記(B)感光剤が、オキシム系光重合開始剤を含み、
前記(C)架橋剤が、1分子中に2官能以上のチオール基を有する多官能1級チオール化合物を含む、
ことを特徴とするネガ型感光性樹脂組成物。
[2] 前記ポリアミック酸は、分子鎖末端の不飽和炭素結合がノルボルネン構造を有する化合物由来である、[1]に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
[3] 前記多官能1級チオール化合物が、一分子中に2~6のチオール基を有する、[1]または[2]に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
[4] 前記式(1)のXおよびYの少なくとも1つの有機基が、エーテル結合(-O-)を有する、[1]~[3]のいずれか一項に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
[5] 前記ポリアミック酸の数平均分子量が、4,000超、10,000以下である、[1]~[4]のいずれか一項に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
[6] 基材フィルムと、前記基材フィルムの少なくとも一方に設けられた樹脂層と、とを備えたドライフィルムであって、
前記樹脂層が、[1]~[5]のいずれか一項に記載のネガ型感光性樹脂組成物の塗布、乾燥物であることを特徴とする、ドライフィルム。
[7] [1]~[5]のいずれか一項に記載のネガ型感光性樹脂組成物、または[6]に記載のドライフィルムの樹脂層の硬化物。
[8] [7]に記載の硬化物を備えた電子部品。
本発明によれば、解像性に優れるとともに、柔軟性に優れる硬化物が得られるネガ型感光性樹脂組成物を実現することができる。
発明を実施するための態様
[ネガ型感光性樹脂組成物]
本発明によるネガ型感光性樹脂組成物は、(A)アルカリ可溶性樹脂と(B)感光剤と(C)架橋剤とを必須成分として含むものであり、(A)アルカリ可溶性樹脂として特定の分子量(数平均分子量が20,000未満)を有し、かつ少なくとも一方の分子鎖末端に不飽和炭素結合を有するポリアミック酸を使用し、(B)感光剤としてオキシム系光重合開始剤を使用し、(C)架橋剤として多官能1級チオール化合物を使用することにより、解像性を改善しながら、得られる硬化物に柔軟性を付与することができる。
この理由は定かではないが、以下のように考えられる。本発明の感光性樹脂組成物は、露光によってラジカル活性種を発生させ、かかる活性種によってポリアミック酸の末端不飽和炭素結合と架橋剤のチオール基とをチオールエン反応させ、未露光部を現像液にて溶解することでパターンを形成する、ネガ型の感光性樹脂組成物である。そして、前記架橋剤に多官能1級チオール化合物を用いることで架橋部の立体障害を抑制し、得られる硬化物に優れた柔軟性を付与する。一方、架橋剤に含まれる1級チオール基は、酸素阻害により架橋反応が進みにくく、露光後に充分な耐現像性が得られ難くなるため、本発明では、オキシム系光重合開始剤を使用し、さらに、分子量が比較的小さいポリアミック酸を使用することで、架橋剤に多官能1級チオール化合物を使用しても優れた解像性と、硬化物としての柔軟性とを両立できたものと推認できる。以下、本発明によるネガ型感光性樹脂組成物の構成成分について詳述する。
<(A)アルカリ可溶性樹脂>
本発明によるネガ型感光性樹脂組成物は、樹脂成分として下記式(1)で示される繰り返し単位を有し、かつ少なくとも一方の分子鎖末端に不飽和炭素結合を有する、数平均分子量が20,000未満であるポリアミック酸を含む。ポリアミック酸は、ポリイミド前駆体であり、加熱により構造中のアミド酸が脱水閉環してイミド環を形成する。なお、前記ポリアミック酸は、ポリベンゾオキサゾール前駆体であってもよい。
Figure 2023069530000002
(一般式(1)中、Xは4価の有機基を表し、Yは2価の有機基を表し、nは整数を表す。)
上記式(1)で表されるポリアミック酸は、カルボン酸無水物成分とアミン成分および/またはイソシアネート成分とを定法により反応させることにより得られる。即ち、Xを骨格とするカルボン酸無水物と、Yを骨格とするアミン成分および/またはイソシアネート成分とを反応させることにより得られる。イミド化は熱イミド化で行っても、化学イミド化で行ってもよく、またこれらを併用して製造してもよい。
カルボン酸無水物成分としては、テトラカルボン酸無水物やトリカルボン酸無水物などが挙げられるが、これらの酸無水物に限定されるものではなく、アミノ基やイソシアネート基と反応する酸無水物基およびカルボキシル基を有する化合物であれば、その誘導体を含め用いることができる。また、これらのカルボン酸無水物成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
テトラカルボン酸無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3-フルオロピロメリット酸二無水物、3,6-ジフルオロピロメリット酸二無水物、3,6-ビス(トリフルオロメチル)ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、4,4’-オキシジフタル酸二無水物、2,2’-ジフルオロ-3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、5,5’-ジフルオロ-3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、6,6’-ジフルオロ-3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,5,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’-ビス(トリフルオロメチル)-3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、5,5’-ビス(トリフルオロメチル)-3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、6,6’-ビス(トリフルオロメチル)-3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,5,5’-テトラキス(トリフルオロメチル)-3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,6,6’-テトラキス(トリフルオロメチル)-3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、5,5’,6,6’-テトラキス(トリフルオロメチル)-3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、および2,2’,5,5’,6,6’-ヘキサキス(トリフルオロメチル)-3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,3”,4,4”-テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’”,4,4’”-クァテルフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3””,4,4””-キンクフェニルテトラカルボン酸二無水物、メチレン-4,4’-ジフタル酸二無水物、1,1-エチニリデン-4,4’-ジフタル酸二無水物、2,2-プロピリデン-4,4’-ジフタル酸二無水物、1,2-エチレン-4,4’-ジフタル酸二無水物、1,3-トリメチレン-4,4’-ジフタル酸二無水物、1,4-テトラメチレン-4,4’-ジフタル酸二無水物、1,5-ペンタメチレン-4,4’-ジフタル酸二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-へキサフルオロプロパン二無水物、ジフルオロメチレン-4,4’-ジフタル酸二無水物、1,1,2,2-テトラフルオロ-1,2-エチレン-4,4’-ジフタル酸二無水物、1,1,2,2,3,3-ヘキサフルオロ-1,3-トリメチレン-4,4’-ジフタル酸二無水物、1,1,2,2,3,3,4,4-オクタフルオロ-1,4-テトラメチレン-4,4’-ジフタル酸二無水物、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5-デカフルオロ-1,5-ペンタメチレン-4,4’-ジフタル酸二無水物、チオ-4,4’-ジフタル酸二無水物、スルホニル-4,4’-ジフタル酸二無水物、1,3-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-1,1,3,3-テトラメチルシロキサン二無水物、1,3-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ベンゼン二無水物、1,4-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ベンゼン二無水物、1,3-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,3-ビス〔2-(3,4-ジカルボキシフェニル)-2-プロピル〕ベンゼン二無水物、1,4-ビス〔2-(3,4-ジカルボキシフェニル)-2-プロピル〕ベンゼン二無水物、ビス〔3-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕メタン二無水物、ビス〔4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕メタンニ無水物、2,2-ビス〔3-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕プロパン二無水物、2,2-ビス〔4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕プロパン二無水物、2,2-ビス〔3-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2-ビス〔4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕プロパン二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ジメチルシラン二無水物、1,3-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン二無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10-ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8-フェナントレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサン-1,2,3,4-テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサン-1,2,4,5-テトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ビシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物、カルボニル-4,4’-ビス(シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸)二無水物、メチレン-4,4’-ビス(シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸)二無水物、1,2-エチレン-4,4’-ビス(シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸)二無水物、1,1-エチニリデン-4,4’-ビス(シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸)二無水物、2,2-プロピリデン-4,4’-ビス(シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸)二無水物、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2,2-プロピリデン-4,4’-ビス(シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸)二無水物、オキシ-4,4’-ビス(シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸)二無水物、チオ-4,4’-ビス(シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸)二無水物、スルホニル-4,4’-ビス(シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸)二無水物、3,3’-ジフルオロオキシ-4,4’-ジフタル酸二無水物、5,5’-ジフルオロオキシ-4,4’-ジフタル酸二無水物、6,6’-ジフルオロオキシ-4,4’-ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’,6,6’-ヘキサフルオロオキシ-4,4’-ジフタル酸二無水物、3,3’-ビス(トリフルオロメチル)オキシ-4,4’-ジフタル酸二無水物、5,5’-ビス(トリフルオロメチル)オキシ-4,4’-ジフタル酸二無水物、6,6’-ビス(トリフルオロメチル)オキシ-4,4’-ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’-テトラキス(トリフルオロメチル)オキシ-4,4’-ジフタル酸二無水物、3,3’,6,6’-テトラキス(トリフルオロメチル)オキシ-4,4’-ジフタル酸二無水物、5,5’,6,6’-テトラキス(トリフルオロメチル)オキシ-4,4’-ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’,6,6’-ヘキサキス(トリフルオロメチル)オキシ-4,4’-ジフタル酸二無水物、3,3’-ジフルオロスルホニル-4,4’-ジフタル酸二無水物、5,5’-ジフルオロスルホニル-4,4’-ジフタル酸二無水物、6,6’-ジフルオロスルホニル-4,4’-ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’,6,6’-ヘキサフルオロスルホニル-4,4’-ジフタル酸二無水物、3,3’-ビス(トリフルオロメチル)スルホニル-4,4’-ジフタル酸二無水物、5,5’-ビス(トリフルオロメチル)スルホニル-4,4’-ジフタル酸二無水物、6,6’-ビス(トリフルオロメチル)スルホニル-4,4’-ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’-テトラキス(トリフルオロメチル)スルホニル-4,4’-ジフタル酸二無水物、3,3’,6,6’-テトラキス(トリフルオロメチル)スルホニル-4,4’-ジフタル酸二無水物、5,5’,6,6’-テトラキス(トリフルオロメチル)スルホニル-4,4’-ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’,6,6’-ヘキサキス(トリフルオロメチル)スルホニル-4,4’-ジフタル酸二無水物、3,3’-ジフルオロ-2,2-パーフルオロプロピリデン-4,4’-ジフタル酸二無水物、5,5’-ジフルオロ-2,2-パーフルオロプロピリデン-4,4’-ジフタル酸二無水物、6,6’-ジフルオロ-2,2-パーフルオロプロピリデン-4,4’-ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-2,2-パーフルオロプロピリデン-4,4’-ジフタル酸二無水物、3,3’-ビス(トリフルオロメチル)-2,2-パーフルオロプロピリデン-4,4’-ジフタル酸二無水物、5,5’-ビス(トリフルオロメチル)-2,2-パーフルオロプロピリデン-4,4’-ジフタル酸二無水物、6,6’-ジフルオロ-2,2-パーフルオロプロピリデン-4,4’-ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’-テトラキス(トリフルオロメチル)-2,2-パーフルオロプロピリデン-4,4’-ジフタル酸二無水物、3,3’,6,6’-テトラキス(トリフルオロメチル)-2,2-パーフルオロプロピリデン-4,4’-ジフタル酸二無水物、5,5’,6,6’-テトラキス(トリフルオロメチル)-2,2-パーフルオロプロピリデン-4,4’-ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’,6,6’-ヘキサキス(トリフルオロメチル)-2,2-パーフルオロプロピリデン-4,4’-ジフタル酸二無水物、9-フェニル-9-(トリフルオロメチル)キサンテン-2,3,6,7-テトラカルボン酸二無水物、9,9-ビス(トリフルオロメチル)キサンテン-2,3,6,7-テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ〔2,2,2〕オクト-7-エン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物、9,9-ビス〔4-(3,4-ジカルボキシ)フェニル〕フルオレン二無水物、9,9-ビス〔4-(2,3-ジカルボキシ)フェニル〕フルオレン二無水物、エチレングリコールビストリメリテート二無水物、1,2-(エチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,3-(トリメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,4-(テトラメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,5-(ペンタメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,6-(ヘキサメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,7-(ヘプタメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,8-(オクタメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,9-(ノナメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,10-(デカメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,12-(ドデカメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,16-(ヘキサデカメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,18-(オクタデカメチレン)ビス(トリメリテート無水物)などが挙げられる。
上記したテトラカルボン酸無水物のなかでも、硬化物の柔軟性の観点から、4,4’-オキシジフタル酸無水物(ODPA)、4,4’-(4,4’-イソプロピリデンジフェノキシ)ジフタル酸二無水物(BPADA)、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)といった分子内にエーテル結合(-O-)を有しているものが好ましい。
トリカルボン酸無水物としては、例えば、トリメリット酸無水物や核水添トリメリット酸無水物などが挙げられる。
アミン成分としては、脂肪族ジアミンや芳香族ジアミンなどのジアミン、脂肪族ポリエーテルアミンなどの多価アミンを用いることができるが、これらのアミンに限定されるものではない。また、これらのアミン成分は、単独でまたは組み合わせて使用してもよい。
ジアミンとしては、例えば、p-フェニレンジアミン(PPD)、1,3-ジアミノベンゼン、2,4-トルエンジアミン、2,5-トルエンジアミン、2,6-トルエンジアミンなどのベンゼン核1つのジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,3’-ジアミノジフェニルエーテル、3,4’-ジアミノジフェニルエーテルなどのジアミノジフェニルエーテル類、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、2,2’-ビス(トリフルオロメチル)-4,4’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’-テトラメチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、ビス(4-アミノフェニル)スルフィド、4,4’-ジアミノベンズアニリド、3,3’-ジクロロベンジジン、3,3’-ジメチルベンジジン(o-トリジン)、2,2’-ジメチルベンジジン(m-トリジン)、3,3’-ジメトキシベンジジン、2,2’-ジメトキシベンジジン、3,3’-ジアミノジフェニルエーテル、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,3’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、3,4’-ジアミノジフェニルスルホン、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,3’-ジアミノベンゾフェノン、3,3’-ジアミノ-4,4’-ジクロロベンゾフェノン、3,3’-ジアミノ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、3,3’-ジアミノジフェニルメタン、3,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、2,2-ビス(3-アミノフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-アミノフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、3,3’-ジアミノジフェニルスルホキシド、3,4’-ジアミノジフェニルスルホキシド、4,4’-ジアミノジフェニルスルホキシド、3,3’-ジカルボキシ-4,4’-ジアミノジフェニルメタンなどのベンゼン核2つのジアミン、1,3-ビス(3-アミノフェニル)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェニル)ベンゼン、1,4-ビス(3-アミノフェニル)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェニル)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)-4-トリフルオロメチルベンゼン、3,3’-ジアミノ-4-(4-フェニル)フェノキシベンゾフェノン、3,3’-ジアミノ-4,4’-ジ(4-フェニルフェノキシ)ベンゾフェノン、1,3-ビス(3-アミノフェニルスルフィド)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェニルスルフィド)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェニルスルフィド)ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノフェニルスルホン)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェニルスルホン)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェニルスルホン)ベンゼン、1,3-ビス〔2-(4-アミノフェニル)イソプロピル〕ベンゼン、1,4-ビス〔2-(3-アミノフェニル)イソプロピル〕ベンゼン、1,4-ビス〔2-(4-アミノフェニル)イソプロピル〕ベンゼンなどのベンゼン核3つのジアミン、3,3’-ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニル、3,3’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’-ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔3-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔3-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔3-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔3-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔3-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔3-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔3-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔3-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔3-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔3-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、2,2-ビス〔3-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2-ビス〔3-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2-ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2-ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2-ビス〔3-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス〔3-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパンなどのベンゼン核4つのジアミンなどの芳香族ジアミン、1,2-ジアミノエタン、1,3-ジアミノプロパン、1,4-ジアミノブタン、1,5-ジアミノペンタン、1,6-ジアミノヘキサン、1,7-ジアミノヘプタン、1,8-ジアミノオクタン、1,9-ジアミノノナン、1,10-ジアミノデカン、1,11-ジアミノウンデカン、1,12-ジアミノドデカン、1,2-ジアミノシクロヘキサン等の脂肪族ジアミンが挙げられ、脂肪族ポリエーテルアミンとしては、エチレングリコールおよび/またはプロピレングリコール系の多価アミン等が挙げられる。また、下記の様に、カルボキシル基を有するアミンを用いることもできる。
上記したジアミンのなかでも、硬化物の柔軟性の観点から、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE-R)、4,4’-ジアミノジフェニルエーテルといった分子内にエーテル結合(-O-)を有しているものが好ましい。
カルボキシル基を有するアミンとしては、3,5-ジアミノ安息香酸、2,5-ジアミノ安息香酸、3,4-ジアミノ安息香酸等のジアミノ安息香酸類、3,5-ビス(3-アミノフェノキシ)安息香酸、3,5-ビス(4-アミノフェノキシ)安息香酸等のアミノフェノキシ安息香酸類、3,3’-ジアミノ-4,4’-ジカルボキシビフェニル、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジカルボキシビフェニル、4,4’-ジアミノ-2,2’-ジカルボキシビフェニル、4,4’-ジアミノ-2,2’,5,5’-テトラカルボキシビフェニル等のカルボキシビフェニル化合物類、3,3’-ジアミノ-4,4’-ジカルボキシジフェニルメタン、3,3’-ジカルボキシ-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、2,2-ビス[3-アミノ-4-カルボキシフェニル]プロパン、2,2-ビス[4-アミノ-3-カルボキシフェニル]プロパン、2,2-ビス[3-アミノ-4-カルボキシフェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’-ジアミノ-2,2’,5,5’-テトラカルボキシジフェニルメタン等のカルボキシジフェニルメタン等のカルボキシジフェニルアルカン類、3,3’-ジアミノ-4,4’-ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノ-2,2’-ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノ-2,2’,5,5’-テトラカルボキシジフェニルエーテル等のカルボキシジフェニルエーテル化合物、3,3’-ジアミノ-4,4’-ジカルボキシジフェニルスルフォン、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジカルボキシジフェニルスルフォン、4,4’-ジアミノ-2,2’-ジカルボキシジフェニルスルフォン、4,4’-ジアミノ-2,2’,5,5’-テトラカルボキシジフェニルスルフォン等のジフェニルスルフォン化合物、2,2-ビス[4-(4-アミノ-3-カルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン等のビス[(カルボキシフェニル)フェニル]アルカン化合物類、2,2-ビス[4-(4-アミノ-3-カルボキシフェノキシ)フェニル]スルフォン等のビス[(カルボキシフェノキシ)フェニル]スルフォン化合物等を挙げることができる。
イソシアネート成分としては、芳香族ジイソシアネートおよびその異性体や多量体、脂肪族ジイソシアネート類、脂環式ジイソシアネート類およびその異性体などのジイソシアネートやその他汎用のジイソシアネート類を用いることができるが、これらのイソシアネートに限定されるものではない。また、これらのイソシアネート成分は、単独でまたは組み合わせて使用してもよい。
ジイソシアネートとして、例えば4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ビフェニルジイソシアネート、ジフェニルスルホンジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートおよびその異性体、多量体、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシシレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート類、あるいは前記芳香族ジイソシアネートを水添した脂環式ジイソシアネート類および異性体、もしくはその他汎用のジイソシアネート類が挙げられる。
式(1)で表されるポリアミック酸は、アミド結合を有していてもよい。これはイソシアネートとカルボン酸を反応させて得られるアミド結合であってもよく、それ以外の反応によるものでもよい。さらにその他の付加および縮合からなる結合を有していてもよい。
ポリアミック酸の合成には、公知慣用のカルボキシル基および/または酸無水物基を有するアルカリ溶解性ポリマー、オリゴマー、モノマーを用いてもよく、例えばこれらの公知慣用のアルカリ溶解性樹脂類を単独でもしくは上記のカルボン酸無水物成分と組み合わせて、上記のアミン/イソシアネート類と反応させて得られる樹脂であってもよい。
上記のようにして得られるポリアミック酸は、少なくとも一方の分子鎖末端が不飽和炭素結合を有する化合物により封止されている。本発明のネガ型感光性樹脂組成物では、光照射によってオキシム系光重合開始剤からラジカル活性種が発生し、ポリアミック酸の不飽和炭素結合と架橋剤である多官能1級チオール化合物の1級チオール基とがチオールエン反応することで架橋反応が進行し、現像液に対して不溶となる。また、ポリアミック酸は分子鎖末端が封止されていることで、合成や保管時において必要以上に分子量が増大することがなく、ネガ型感光性樹脂組成物の未露光部は優れた現像性が得られ、保存安定性も向上する。
ポリアミック酸分子鎖末端の不飽和炭素結合としては、解像性や保存安定性の観点からは、ノルボルネン構造を有する化合物由来であることが好ましく、例えば、ポリアミック酸の合成する際に、上記したカルボン酸無水物成分と、アミン成分および/またはイソシアネート成分とともに、無水ハイミック酸(5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸無水物)や無水メチルナジック酸(メチル-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸無水物)を加えることにより、ポリアミック酸の分子鎖末端にノルボルネン構造を有する不飽和炭素結合を導入することができる。
ポリアミック酸は、酸価が20~200mgKOH/gであることが好ましく、より好適には60~150mgKOH/gであることが好ましい。ポリアミック酸の酸価を上記の範囲内とすることで、未露光部の現像性と露光部の耐現像性とが良好なバランスとなり、解像性をより向上させることができる。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、露光部において多官能1級チオール化合物との反応性を促進して優れた耐現像性を得るとともに、一方で未露光部において優れた現像性を実現するため、数平均分子量が20,000未満のポリアミック酸を用いる。さらに、解像性と硬化塗膜特性を考慮すると、ポリアミック酸の数平均分子量は、4,000超、10,000以下であることが好ましい。
<(B)感光剤>
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、感光剤としてオキシム系光重合開始剤を含む。オキシム系光重合開始剤とは、オキシムエステル系光重合開始剤であり、以下に示す一般式(I)で表される構造部分を含むオキシムエステル系光重合開始剤が好ましく、さらにカルバゾール構造を有するオキシムエステル系光重合開始剤がより好ましい。カルバゾール構造を有するオキシムエステル系光重合開始剤として2量体のオキシムエステル系光重合開始剤を用いてもよい。
Figure 2023069530000003
一般式(2)中、Rは、水素原子、フェニル基、アルキル基、シクロアルキル基、アルカノイル基またはベンゾイル基を表わす。Rは、フェニル基、アルキル基、シクロアルキル基、アルカノイル基またはベンゾイル基を表す。
およびRにより表されるフェニル基は、置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、炭素数1~6のアルキル基、フェニル基、ハロゲン原子等が挙げられる。
およびRにより表されるアルキル基としては、炭素数1~20のアルキル基が好ましく、アルキル鎖中に1個以上の酸素原子を含んでいてもよい。また、1個以上の水酸基で置換されていてもよい。
およびRにより表されるシクロアルキル基としては、炭素数5~8のシクロアルキル基が好ましい。
およびRにより表されるアルカノイル基としては、炭素数2~20のアルカノイル基が好ましい。
およびRにより表されるベンゾイル基は、置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、炭素数が1~6のアルキル基、フェニル基等が挙げられる。
一般式(2)で表される構造部分を含むオキシムエステル系光重合開始剤としては、1,2-オクタンジオン-1-[4-(フェニルチオ)-2-(O-ベンゾイルオキシム)]、下記式(2-1)で表される化合物、2-(アセチルオキシイミノメチル)チオキサンテン-9-オン、ならびに、エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(O-アセチルオキシム)および下記一般式(2-2)で表わされる化合物等のカルバゾール骨格を有るオキシムエステル系化合物等が挙げられる。
Figure 2023069530000004
一般式(2-2)中、R11は、一般式(2)におけるRと同義であり、R12およびR14は、それぞれ独立に、一般式(2)におけるRと同義である。R13は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~12のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、ベンゾイル基、炭素数2~12のアルカノイル基、炭素数2~12のアルコキシカルボニル基(アルコキシル基を構成するアルキル基の炭素数が2以上の場合、アルキル基は1個以上の水酸基で置換されていてもよく、アルキル鎖の中間に1個以上の酸素原子を有してもよい)またはフェノキシカルボン基を表す。
このようなオキシムエステル系光重合開始剤は、他の光重合開始剤(ラジカル発生剤)に比べて感光性に優れ、本発明のネガ型感光性樹脂組成物を露光した際にポリアミック酸の不飽和炭素結合と1級チオール基とのチオールエン反応を生起させ、優れた解像性が得られるため好ましい。また、オキシムエステル系光重合開始剤は二量体であってもよい。
二量体のオキシムエステル系光重合開始剤としては、下記一般式(2-3)で表される化合物であることがより好ましい。
Figure 2023069530000005
一般式(2-3)中、R16は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、フェニル基、ナフチル基を表す。R14、R15はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン基、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、ピリジル基、ベンゾフリル基、ベンゾチエニル基を表す。Arは、単結合、または、炭素数1~10のアルキレン基、ビニレン基、フェニレン基、ビフェニレン基、ピリジレン基、ナフチレン基、アントリレン基、チエニレン基、フリレン基、2,5-ピロール-ジイル基、4,4’-スチルベン-ジイル基、4,2’-スチレン-ジイル基を表す。
nは0~1の整数を表す。
一般式(2-3)において、R16により表されるアルキル基としては、炭素数1~17のアルキル基が好ましい。R16により表されるアルコキシ基としては、炭素数1~8のアルコキシ基が好ましい。R16により表されるフェニル基は、置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1~17)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1~8)、アミノ基、アルキルアミノ基(好ましくはアルキル基の炭素数1~8)またはジアルキルアミノ基(好ましくはアルキル基の炭素数1~8)等が挙げられる。R16により表されるナフチル基は、置換基を有していてもよく、該置換基としては、R16により表されるフェニル基が有し得る上記置換基と同様の基が挙げられる。
一般式(2-3)において、R14、R15により表されるアルキル基としては、炭素数1~17のアルキル基が好ましい。R14、R15により表されるアルコキシ基としては、炭素数1~8のアルコキシ基が好ましい。R14、R15により表されるフェニル基は、置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1~17)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1~8)、アミノ基、アルキルアミノ基(好ましくはアルキル基の炭素数1~8)またはジアルキルアミノ基(好ましくはアルキル基の炭素数1~8)等が挙げられる。R14、R15により表されるナフチル基は、置換基を有していてもよく、該置換基としては、R14、R15により表されるフェニル基が有し得る上記置換基と同様の基が挙げられる。
さらに、一般式(2-3)中、R14、R16が、それぞれ独立に、メチル基またはエチル基であり、R22はメチルまたはフェニルであり、Arは、単結合か、フェニレン基、ナフチレン基またはチエニレン基、nは0であることが好ましい。
一般式(I-3)で表される化合物としては、下記化合物がより好ましい。
Figure 2023069530000006
オキシムエステル系光重合開始剤としては、市販品として、BASFジャパン社製のCGI-325、イルガキュアーOXE01(1.2-オクタンジオン,1-[4-(フェニルチオ)-,2-(O-ベンゾイルオキシム)])、イルガキュアーOXE02(エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(0-アセチルオキシム))、ADEKA社製N-1919、NCI-831、常州強力電子新材料有限公司社製のTR―PBG-304、日本化学工業所社製のTOE-04-A3等が挙げられる。
オキシムエステル系光重合開始剤の含有量は、特に限定されないが、アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、1~20質量部等とすればよい。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、(B)感光剤として他の光重合開始剤を含有してもよい。他の光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン系、アセトフェノン系、アミノアセトフェノン系、ベンゾインエーテル系、ベンジルケタール系、アシルホスフィンオキシド系、オキシムエーテル系、チタノセン系等の公知慣用の化合物が挙げられる。
<(C)架橋剤>
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、(C)架橋剤として、下記一般式(3)で表されるような、1分子中に2官能以上のチオール基を有する多官能1級チオール化合物を含む。
Figure 2023069530000007
Xは、mと同数の価数を有する炭素原子数1~40の脂肪族基、炭素原子数6~35の芳香族炭化水素環含有基または炭素原子数2~35の複素環含有基を表し、mは2~10の整数を表す。本発明において、ネガ型感光性樹脂組成物の解像性と硬化物の柔軟性の観点からは、mは2~6であることが好ましく、4~6であることがより好ましい。
上記Xは、m個の-SHを結合する連結基として用いられるものである。上記Xで表される、mと同数の価数を有する炭素原子数1~40の脂肪族基、炭素原子数6~35の芳香族炭化水素環含有基および炭素原子数2~35の複素環含有基とは、それぞれ、一価の炭素原子数1~40の脂肪族基、一価の炭素原子数6~35の芳香族炭化水素環含有基および一価の炭素原子数2~35の複素環含有基から、m-1個の水素原子を除いた構造の基である。
一般式(3)のXにおける脂肪族基、芳香族炭化水素環含有基および複素環含有基中のメチレン基の1つまたは2つ以上は、-O-、-S-、-CO-、-O-CO-、-CO-O-、-O-CO-O-、-S-CO-、-CO-S-、-S-CO-O-、-O-CO-S-、-CO-NH-、-NH-CO-、-NH-CO-O-、-O-CO-NH-、-NR’-、-S-S-若しくは-SO-から選ばれた基で置き換えられていてもよく、または酸素原子が隣り合わない条件でこれらの基を組み合わせた基で置き換えられていてもよい。
一般式(3)のXで表される二価の炭素原子数1~40の脂肪族基としては、一価の炭素原子数1~40の脂肪族基から水素原子を1つ除いた構造の基が挙げられ、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ブチルジイル等のアルキレン;上記アルキレンのメチレン鎖が-O-、-S-、-CO-O-、-O-CO-で置き換えられた基;エタンジオール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール等のポリオールの残基を含む基;エタンジチオール、プロパンジチオール、ブタンジチオール、ペンタンジチオール、ヘキサンジチオール等のジチオールの残基およびこれらの基が後述する置換基により置換された基等が挙げられる。
Xで表される三価の炭素原子数1~40の脂肪族基としては、一価の炭素原子数1~40の脂肪族基から水素原子を2つ除いた構造の基が挙げられ、例えば、プロピリジン、1,1,3-ブチリジン等のアルキリジン;トリメチロールプロパン等のポリオールの残基を含む基およびこれらの基が後述する置換基により置換された基が挙げられる。
Xで表される四価の炭素原子数1~40の脂肪族基としては、上記一価の炭素原子数1~40の脂肪族基から水素原子を3つ除いた構造の基が挙げられ、例えば、ペンタエリスリトール等のポリオールの残基を含む基およびこれらの基が後述する置換基により置換された基が挙げられる。
Xで表される六価の炭素原子数1~40の脂肪族基としては、一価の炭素原子数1~40の脂肪族基から水素原子を5つ除いた構造の基が挙げられ、例えば、ジペンタエリスリトール等のポリオールの残基を含む基およびこれらの基が後述する置換基により置換された基が挙げられる。
一般式(3)のXで表される二価の炭素原子数6~35の芳香族炭化水素環含有基としては、一価の炭素原子数6~35の芳香族炭化水素環含有基から水素原子を1つ除いた構造の基が挙げられ、例えば、フェニレン、ナフチレン等のアリーレン基;カテコール、ビスフェノール等の二官能フェノールの残基;2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等およびこれらの基が後述する置換基により置換された基が挙げられる。
Xで表される三価の炭素原子数6~35の芳香族炭化水素環含有基としては、一価の炭素原子数6~35の芳香族炭化水素環含有基から水素原子を2つ除いた構造の基が挙げられ、例えば、フェニル-1,3,5-トリメチレンおよびこれらの基が後述する置換基により置換された基が挙げられる。
Xで表される二価の炭素原子数2~35の複素環含有基としては、一価の炭素原子数2~35の複素環含有基から水素原子を1つ除いた構造の基が挙げられ、例えば、ピリジン環、ピリミジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、トリアジン環、フラン環、チオフェン環、インドール環等を有する基およびこれらの基の水素原子の1つまたは2つ以上が後述する置換基により置換された基が挙げられる。
Xで表される三価の炭素原子数2~35の複素環含有基としては、一価の炭素原子数2~35の複素環含有基から水素原子を2つ除いた構造の基が挙げられ、例えば、イソシアヌル環を有する基、トリアジン環を有する基およびこれらの基の水素原子の1つまたは2つ以上が後述する置換基により置換された基が挙げられる。
Xで表される四価の炭素原子数2~35の複素環含有基としては、一価の炭素原子数2~35の複素環含有基から水素原子を3つ除いた構造の基が挙げられ、例えば、グリコールウリル基を有する基およびこの基の水素原子が後述する置換基により置換された基が挙げられる。
Xにおける脂肪族基、芳香族炭化水素環含有基および複素環含有基等の各官能基は、置換基を有している場合があるものであり、特に断りがない限り、置換基を有していない無置換の官能基または置換基を有している官能基である。
(C)架橋剤は、(A)アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、0.5~50質量部の割合で含まれることが好ましく、10~30質量部の割合で含まれることがより好ましい。
(C)架橋剤として、上記した1級チオール化合物以外にも、本発明の効果を損なわない範囲であれば、2級チオール化合物を併用してもよい。
<その他の成分>
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、露光部の耐現像性や硬化膜の物性を向上するために、ポリアミック酸の不飽和炭素結合やカルボキシル基と反応し得る(メタ)アクリル基、エポキシ基、オキセタニル基等を有する化合物、ポリアミック酸のイミド化反応を促進するために、公知の可塑剤や熱酸発生剤、光感度を向上させるために公知の増感剤、基材との接着性向上のためシランカップリング剤などの公知の密着剤などを配合することもできる。さらに、ネガ型感光性樹脂組成物に加工特性や各種機能性を付与するために、その他に様々な有機または無機の低分子または高分子化合物を配合してもよい。例えば、界面活性剤、レベリング剤、微粒子等を用いることができる。微粒子には、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン等の有機微粒子、シリカ、カーボン、層状珪酸塩等の無機微粒子が含まれる。また、本発明のネガ型感光性樹脂組成物に各種着色剤および繊維等を配合してもよい。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、粘度調整等のため溶剤が含まれていてもよい。溶剤は、(A)アルカリ可溶性樹脂、(B)感光剤、(C)架橋剤および他の成分を溶解させるものであれば特に限定されない。一例としては、N,N’-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、N-エチル-2-ピロリドン、N,N’-ジメチルアセトアミド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、シクロペンタノン、γ-ブチロラクトン、α-アセチル-γ-ブチロラクトン、テトラメチル尿素、1,3-ジメチル-2-イミダゾリノン、N-シクロヘキシル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、ピリジン、γ-ブチロラクトン、ジエチレングリコールモノメチルエーテルを挙げることができる。これらは単独で用いても、二種以上を混合して用いてもかまわない。使用する溶剤の量は、塗布膜厚や粘度に応じて適宜に定めることができる。例えば、(A)アルカリ可溶性樹脂100質量部に対し、50~9,000質量部の範囲で用いることができる。
[ドライフィルム]
本発明のドライフィルムは、上記したネガ型感光性樹脂組成物を基材フィルムの少なくとも一方の面に塗布後、乾燥して得られる樹脂層を有するものである。この樹脂層を、基材に接するようにラミネートして使用される。
ドライフィルムは、フィルムに本発明の感光性樹脂組成物をブレードコーター、リップコーター、コンマコーター、フィルムコーター等の適宜の方法により均一に塗布し、乾燥して、上記した樹脂層を形成し、好ましくはその上に保護フィルム(いわゆるカバーフィルム)を積層することにより、製造することができる。保護フィルムと基材フィルムは同一のフィルム材料であっても、異なるフィルムを用いてもよい。
ドライフィルムにおいて、基材フィルムおよび保護フィルムのフィルム材料は、ドライフィルムに用いられるものとして公知のものをいずれも使用することができる。基材フィルムとしては、例えば2~150μmの厚さのポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム等の熱可塑性フィルムが用いられる。保護フィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等を使用することができるが、樹脂層との接着力が、基材フィルムよりも小さいものが良い。
ドライフィルム上の樹脂層の膜厚は、100μm以下が好ましく、5~50μmの範囲がより好ましい。
[硬化物]
本発明の硬化物は、上記したネガ型感光性樹脂組成物を用い所定のステップにて硬化させたものである。その硬化物であるパターン膜は、公知慣用の製法で製造すればよく、例えば、下記のようにして製造することができる。
まず、ステップ1として、ネガ型感光性樹脂組成物を基材上に塗布、乾燥することにより、あるいはドライフィルムから樹脂層を基材上に転写することにより、塗膜を得る。ネガ型感光性樹脂組成物を基材上に塗布する方法としては、従来から感光性樹脂組成物の塗布に用いられていた方法、例えば、スピンコーター、バーコーター、ブレードコーター、カーテンコーター、スクリーン印刷機等で塗布する方法、スプレーコーターで噴霧塗布する方法、さらにはインクジェット法等を用いることができる。塗膜の乾燥方法としては、風乾、オーブンまたはホットプレートによる加熱乾燥、真空乾燥等の方法が用いられる。また、塗膜の乾燥は、ネガ型感光性樹脂組成物中のポリアミック酸の環化やポリアミック酸と架橋剤との反応が起こらないような条件で行うことが望ましい。具体的には、自然乾燥、送風乾燥、あるいは加熱乾燥を、70~110℃で1~30分の条件で行うことができる。好ましくは、ホットプレート上で1~10分乾燥を行う。また、真空乾燥も可能であり、この場合は、室温で20分~1時間の条件で行うことができる。ネガ型感光性樹脂組成物の塗膜が形成される基材に特に制限はなく、シリコンウエハ等の半導体基材、配線基板、各種樹脂、金属等に広く適用できる。
次に、ステップ2として、上記塗膜を、パターンを有するフォトマスクを介して、あるいは直接的に、露光する。露光光線は、(B)感光剤としてのラジカル活性種を発生させることができる波長のものを用いる。具体的には、露光光線は、最大波長が350~440nmの範囲にあるものが好ましい。上述したように、増感剤を適宜に配合することにより、光感度を調製することができる。露光装置としては、コンタクトアライナー、ミラープロジェクション、ステッパー、レーザーダイレクト露光装置等を用いることができる。
次いで、ステップ3として、上記塗膜を現像液で処理する。これにより、塗膜中の露光部分を除去して、本発明のネガ型感光性樹脂組成物のパターン膜を形成することができる。
現像に用いる方法としては、従来知られているフォトレジストの現像方法、例えば回転スプレー法、パドル法、超音波処理を伴う浸せき法等の中から任意の方法を選択することができる。現像液としては、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の有機アミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等の四級アンモニウム塩類等の水溶液を挙げることができる。また、必要に応じて、これらにメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加してもよい。その後、必要に応じて塗膜をリンス液により洗浄してパターン膜を得る。リンス液としては、蒸留水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等を単独または組み合わせて用いることができる。また、現像液として上記溶剤を使用してもよい。
その後、ステップ4として、パターン膜を加熱して硬化塗膜(硬化物)を得る。この加熱により、ポリアミック酸を環化し、ポリイミドを得る。加熱温度は、ネガ型感光性樹脂組成物のパターン膜を硬化可能なように適宜設定する。例えば、不活性ガス中で、150℃以上350℃未満で5~120分程度の加熱を行う。加熱温度のより好ましい範囲は、180~250℃である。加熱は、例えば、ホットプレート、オーブン、温度プログラムを設定できる昇温式オーブンを用いることにより行う。このときの雰囲気(気体)としては空気を用いてもよく、窒素、アルゴン等の不活性ガスを用いてもよい。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物の用途は特に限定されず、例えば、塗料、印刷インキ、または接着剤、あるいは、表示装置、半導体装置、電子部品、光学部品、または建築材料の形成材料として好適に用いられる。具体的には、表示装置の形成材料としては、層形成材料や画像形成材料として、カラーフィルター、フレキシブルディスプレイ用フィルム、レジスト材料、配向膜等に用いることができる。また、半導体装置の形成材料としては、レジスト材料、バッファーコート膜のような層形成材料等に用いることができる。さらに、電子部品の形成材料としては、封止材料や層形成材料として、プリント配線板、層間絶縁膜、配線被覆膜等に用いることができる。さらにまた、光学部品の形成材料としては、光学材料や層形成材料として、ホログラム、光導波路、光回路、光回路部品、反射防止膜等に用いることができる。さらにまた、建築材料としては、塗料、コーティング剤等に用いることができる。
主にパターン形成材料として用いられ、それによって形成されたパターン膜は、例えば、ポリイミドなどからなる永久膜として耐熱性や絶縁性を付与する成分として機能することから、特に半導体装置、表示体装置および発光装置の表面保護膜、層間絶縁膜、再配線用絶縁膜、フリップチップ装置用保護膜、バンプ構造を有する装置の保護膜、多層回路の層間絶縁膜、受動部品用絶縁材料、ソルダーレジストやカバーレイ膜などのプリント配線板の保護膜、ならびに液晶配向膜等として好適に利用できる。特に、本発明の感光性樹脂組成物は、硬化物の耐薬品性に優れることから、積層される層形成材料、例えば、層間絶縁膜、再配線用絶縁膜の形成材料として好適である。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。なお、以下において「部」および「%」とあるのは、特に断りのない限り全て質量基準である。
(A)アルカリ可溶性樹脂の準備
以下の6種類の樹脂を調製した。
(1)アルカリ可溶性樹脂1
2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)5.54g、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル(ODA)3.30gをスクリュー管に秤取り、乾燥雰囲気(20℃、20%RH)でN-メチルピロリドン71mLに溶解させた。攪拌して溶解させたのち、乾燥雰囲気で4,4’-オキシジフタル酸無水物(ODPA)7.31gを徐々に加え、室温で一晩(16時間)反応させた。その後、5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸無水物(NA)を加えて室温で8時間反応させアルカリ可溶性樹脂1を得た。得られたアルカリ可溶性樹脂1のGPCによるポリスチレン換算の分子量は、数平均分子量(Mn)が4,300であり、重量平均分子量(Mw)が10,500であった。
(2)アルカリ可溶性樹脂2
2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)5.54g、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル(ODA)3.30gをスクリュー管に秤取り、乾燥雰囲気(20℃、20%RH)でN-メチルピロリドン71mLに溶解させた。攪拌して溶解させたのち、乾燥雰囲気で4,4’-オキシジフタル酸無水物(ODPA)7.91gを徐々に加え、室温で一晩(16時間)反応させた。その後、5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸無水物(NA)を加えて室温で8時間反応させアルカリ可溶性樹脂2を得た。得られたアルカリ可溶性樹脂2のGPCによるポリスチレン換算の分子量は、数平均分子量(Mn)が6,000であり、重量平均分子量(Mw)が16,000であった。
(3)アルカリ可溶性樹脂3
2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)5.54g、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル(ODA)3.30gをスクリュー管に秤取り、乾燥雰囲気(20℃、20%RH)でN-メチルピロリドン73mLに溶解させた。攪拌して溶解させたのち、乾燥雰囲気で4,4’-オキシジフタル酸無水物(ODPA)8.38gを徐々に加え、室温で一晩(16時間)反応させた。その後、5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸無水物(NA)を加えて室温で8時間反応させアルカリ可溶性樹脂3を得た。得られたアルカリ可溶性樹脂3のGPCによるポリスチレン換算の分子量は、数平均分子量(Mn)が8,000であり、重量平均分子量(Mw)が23,000であった。
(4)アルカリ可溶性樹脂4
2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)5.54g、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル(ODA)3.30gをスクリュー管に秤取り、乾燥雰囲気(20℃、20%RH)でN-メチルピロリドン73mLに溶解させた。攪拌して溶解させたのち、乾燥雰囲気で4,4’-オキシジフタル酸無水物(ODPA)5.52gを徐々に加え、室温で一晩(16時間)反応させた。その後、5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸無水物(NA)を加えて室温で8時間反応させアルカリ可溶性樹脂4を得た。得られたアルカリ可溶性樹脂4のGPCによるポリスチレン換算の分子量は、数平均分子量(Mn)が2,500であり、重量平均分子量(Mw)が8,000であった。
(5)アルカリ可溶性樹脂5
1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE―R)5.85gをスクリュー管に秤取り、乾燥雰囲気(20℃、20%RH)でN-メチルピロリドン48mLに溶解させた。攪拌して溶解させたのち、乾燥雰囲気で4,4’-オキシジフタル酸無水物(ODPA)4.72gを徐々に加え、室温で一晩(16時間)反応させた。その後、5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸無水物(NA)を加えて室温で8時間反応させアルカリ可溶性樹脂5を得た。得られたアルカリ可溶性樹脂5のGPCによるポリスチレン換算の分子量は、数平均分子量(Mn)が4,000、重量平均分子量(Mw)が10,000であった。
(6)アルカリ可溶性樹脂6
2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)5.54g、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル(ODA)3.30gをスクリュー管に秤取り、乾燥雰囲気(20℃、20%RH)でN-メチルピロリドン73mLに溶解させた。攪拌して溶解させたのち、乾燥雰囲気で4,4’-オキシジフタル酸無水物(ODPA)8.70gを徐々に加え、室温で一晩(16時間)反応させた。その後、5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸無水物(NA)を加えて室温で8時間反応させアルカリ可溶性樹脂6を得た。得られたアルカリ可溶性樹脂6のGPCによるポリスチレン換算の分子量は、数平均分子量(Mn)が20,000であり、重量平均分子量(Mw)が41,000であった。
(B)感光剤の準備
感光剤として、下記の3種の光重合開始剤を準備した。
・感光剤1:オキシムエステル類の光重合開始剤(BASFジャパン社製、IRGACURE OXE01)
・感光剤2:アシルフォスフィンオキサイド類の光重合開始剤(IGM Resins社製、Omnirad 819)
・感光剤3:アセトフェノン類の光重合開始剤(IGM Resins製、Omunirad 369)
(C)架橋剤の準備
架橋剤として、下記の3種のチオール化合物を準備した。
・架橋剤1:4官能1級チオール化合物(四国化成株式会社製、TS-G)
Figure 2023069530000008
・架橋剤2:6官能1級チオール化合物(SC有機化学株式会社製、DPMP)
Figure 2023069530000009
・架橋剤3:3官能1級チオール化合物(SC有機化学株式会社製、TEMPIC)
Figure 2023069530000010
[実施例1~8、および比較例1~4]
上記で合成した各アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して各成分を表1に示す割合で配合し、完全に溶解させネガ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。なお、表1中の配合量はすべて不揮発成分換算の配合量である。
[硬化物の伸び率]
ワニスを、スピンコーターを用いて銅スパッタシリコン基板上に、乾燥後の膜厚が45μmになるように塗布し、ホットプレートにて100℃で2分間乾燥した。次いで、ワニスの乾燥膜に、露光量2000mJ/cmのi線を照射し露光した。その後、イナートガスオーブン(光洋サーモシステム(株)製CLH-21CD-S)中、窒素雰囲気下、110℃で10分加熱した後、150℃で30分間保持し、さらに昇温して表1に示す硬化温度で60分加熱して硬化膜を得た。
このようにして得た硬化膜を剥離した後、島津製作所社製のEZ-SXを用いた引張試験により破断伸びを測定した。評価基準は以下の通りとした。
◎:破断伸びが15%以上であった。
○:破断伸びが15未満10%以上であった。
△:破断伸びが10未満5%以上であった。
×:破断伸びが5未満、または自立膜を得られなかった。
伸び率評価結果は下記表1に示される通りであった。
[解像性]
ワニスを、スピンコーターを用いて銅スパッタシリコン基板上に、乾燥後の膜厚が12μmになるように塗布し、ホットプレートにて100℃で2分間乾燥した。次いで、ワニスの乾燥膜に、露光量1000mJ/cmのi線を照射(露光)した後、1%炭酸ナトリウム水溶液で80秒間現像し、水でリンスし、ポジ型パターンを得た。上記コントラストを下記の式により求めた。
コントラスト=未露光部現像速度(膜厚/現像時間)/露光部現像速度(膜厚/現像時間)
膜厚(μm):現像前の膜厚から現像後の膜厚を差し引いた値
現像時間(min):現像液に浸漬させている時間
コントラストの値に従い下記のように評価した。
◎:15以上
〇:15未満5以上
×:5未満
解像性の評価結果は下記表1に示される通りであった。
Figure 2023069530000011

Claims (8)

  1. (A)アルカリ可溶性樹脂と、
    (B)感光剤と、
    (C)架橋剤と、
    を含むネガ型感光性樹脂組成物であって、
    前記(A)アルカリ可溶性樹脂が、下記式(1):
    Figure 2023069530000012
    (一般式(1)中、Xは4価の有機基を表し、Yは2価の有機基を表し、nは整数を表す。)
    で示される繰り返し単位を有し、分子鎖末端に不飽和炭素結合を有する、数平均分子量が20,000未満であるポリアミック酸を含み、
    前記(B)感光剤が、オキシム系光重合開始剤を含み、
    前記(C)架橋剤が、1分子中に2官能以上のチオール基を有する多官能1級チオール化合物を含む、
    ことを特徴とするネガ型感光性樹脂組成物。
  2. 前記ポリアミック酸は、分子鎖末端の不飽和炭素結合がノルボルネン構造を有する化合物由来である、請求項1に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
  3. 前記多官能1級チオール化合物が、一分子中に2~6のチオール基を有する、請求項1または2に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
  4. 前記式(1)のXおよびYの少なくとも1つの有機基が、エーテル結合(-O-)を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
  5. 前記ポリアミック酸の数平均分子量が、4,000超、10,000以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
  6. 基材フィルムと、前記基材フィルムの少なくとも一方に設けられた樹脂層と、を備えたドライフィルムであって、
    前記樹脂層が、請求項1~5のいずれか一項に記載のネガ型感光性樹脂組成物の塗布、乾燥物であることを特徴とする、ドライフィルム。
  7. 請求項1~5のいずれか一項に記載のネガ型感光性樹脂組成物、または請求項6に記載のドライフィルムの樹脂層の硬化物。
  8. 請求項7に記載の硬化物を備えた電子部品。
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