JP7256057B2 - 感光性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物、および電子部品 - Google Patents

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Description

本発明は、感光性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物、および電子部品に関する。
従来、半導体素子における再配線用の絶縁材料として、ポリイミドやポリイミドベンゾオキサゾールの前駆体であるポリアミック酸やポリヒドロキシアミドを主成分とする樹脂組成物が用いられている。このポリアミック酸やポリヒドロキシアミドは、高温(>350℃)で加熱してイミド環やベンゾオキサゾール環へと環化反応させることで剛直な構造となるため、分子間でのパッキング密度が上昇し、耐薬品性、熱特性に優れた硬化膜が得られる。
一方で近年、エポキシ樹脂を主成分とする封止剤でチップを封止した後、再配線を形成する、いわゆるチップファースト型ファンアウトウエハレベルパッケージ工法が登場している。そのため、かかる工法に用いられる再配線用の絶縁材料としては、エポキシ樹脂の耐熱性の観点から、240℃以下の温度で硬化可能な材料が求められている。
しかしながら、このような低い温度では、ポリアミック酸やポリヒドロキシアミドを含む樹脂組成物は、ポリアミック酸やポリヒドロキシアミドの環化反応が十分に進行せず、耐薬品性や熱特性、柔軟性といった種々の特性が低下してしまうという問題があった。
これに対し従来、これらの問題を解決すべく、ポリアミック酸やポリヒドロキシアミドを含む樹脂組成物にエポキシ化合物などの架橋剤を加えるアプローチが種々提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2014-111718号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたような樹脂組成物では、パターニング性は良好であるものの、膜がもろく、破断伸びといった機械的特性が劣るという問題があった。
そこで、本発明の主たる目的は、ポリアミック酸を主成分としつつ、240℃以下の温度でも硬化が可能であり、かつ破断伸びといった機械的特性に優れる、例えば再配線用の絶縁層として有用な感光性樹脂組成物を提供することにある。また、本発明の他の目的は、該樹脂組成物から得られる樹脂層を有するドライフィルム、該樹脂組成物または該ドライフィルムの樹脂層の硬化物、該硬化物を有する電子部品を提供することにある。
本発明者らは、上記目的の実現に向け鋭意検討した。その結果、分子鎖末端にラジカル重合性の官能基を有するポリアミック酸を樹脂組成物の主成分とした感光性樹脂組成物において、さらに感光剤と熱ラジカル発生剤とを併用することで、240℃以下の低温硬化と、破断伸びといった機械的特性の向上を同時に実現させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の感光性樹脂組成物は、(A)ポリアミック酸と、(B)感光剤と、(C)熱ラジカル発生剤と、を含み、前記(A)ポリアミック酸が、分子鎖末端にラジカル重合性の官能基を有することを特徴とするものである。
本発明の感光性樹脂組成物は、前記(C)熱ラジカル発生剤が、下記一般式(1)で示される構造を有する過酸化物であることが好ましく、前記(A)ポリアミック酸の、前記分子鎖末端のラジカル重合性の官能基として、ノルボルネン環を有することが好ましく、さらにまた、前記(A)ポリアミック酸の、前記分子鎖末端のラジカル重合性の官能基がナジック酸であることが好ましい。
Figure 0007256057000001
(一般式(1)中、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子または1価の有機基であり、ともに水素原子である場合を除く)
本発明のドライフィルムは、フィルム上に、前記感光性樹脂組成物を塗布、乾燥して得られる樹脂層を有することを特徴とするものである。
本発明の硬化物は、前記感光性樹脂組成物または前記ドライフィルムの樹脂層を硬化して得られることを特徴とするものである。
本発明の電子部品は、前記硬化物を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、ポリアミック酸を主成分としつつ、240℃以下の温度でも硬化が可能であり、かつ破断伸びといった機械的特性に優れる感光性樹脂組成物を提供することができる。また、本発明によれば、該樹脂組成物から得られる樹脂層を有するドライフィルム、該樹脂組成物または該ドライフィルムの樹脂層の硬化物、該硬化物を有する電子部品を得ることができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)ポリアミック酸と、(B)感光剤と、(C)熱ラジカル発生剤と、を含み、前記(A)ポリアミック酸が、分子鎖末端にラジカル重合性の官能基を有することを特徴とするものである。
前記の通り、本発明の感光性樹脂組成物を構成する(A)ポリアミック酸は、分子鎖末端にラジカル重合性の官能基を有する。このため、本発明の感光性樹脂組成物は、240℃以下の低温硬化時に、(C)熱ラジカル発生剤から生じたラジカル活性種により(A)ポリアミック酸が、主鎖の方向に重合反応することで、低温硬化性と破断伸びといった機械的特性に優れる硬化物が得られる。
また、(A)ポリアミック酸は、分子鎖末端のラジカル重合性の官能基として、ノルボルネン環を有することが好ましく、分子鎖末端のラジカル重合性の官能基はナジック酸由来であることが特に好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物の塗膜は、通常、120℃程度の加熱にて乾燥されることから、この乾燥工程中に前記(A)ポリアミック酸のラジカル重合反応が進んでしまうと、その後の工程でパターニングができなくなってしまう。そこで、150℃前後で分子構造とラジカル重合反応性が変化するナジック酸に代表されるノルボルネン環を由来とする官能基を導入することにより、前記乾燥工程では、重合反応性の低いノルボルネン環(ナジック酸)構造を維持して重合反応を抑制し、パターニング後の240℃以下の硬化工程では、重合反応性の高いマレイミド構造に変化して、ラジカル重合性を進行させることができる。
さらに、本発明の感光性樹脂組成物を構成する(C)熱ラジカル発生剤は、前記(C)熱ラジカル発生剤として、半減期が1分間となる温度が150℃以上の過酸化物を含むことが好ましい。これによっても、前記乾燥工程の温度である120℃程度でのラジカル重合反応の進行を防止することができる。過酸化物の半減期が1分間となる温度は、160℃以上がより好ましく、170℃以上がさらにより好ましい。
以下、本発明の感光性樹脂組成物を構成する各成分について詳述する。
[(A)ポリアミック酸]
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)ポリアミック酸を含む。この(A)ポリアミック酸は、分子鎖末端にラジカル重合性の官能基を有するポリアミック酸、すなわちポリイミド前駆体であるが、分子鎖末端にラジカル重合性の官能基を有するポリベンゾオキサゾール前駆体であってもよい。
(A)ポリアミック酸の合成方法は特に限定されず、公知の方法で合成すればよい。例えば、カルボン酸無水物成分とアミン成分及び/又はイソシアネート成分とを反応させて得られる樹脂が挙げられる。イミド化は熱イミド化で行っても、化学イミド化で行ってもよく、またこれらを併用して製造してもよい。
カルボン酸無水物成分としては、テトラカルボン酸無水物やトリカルボン酸無水物などが挙げられるが、これらの酸無水物に限定されるものではなく、アミノ基やイソシアネート基と反応する酸無水物基およびカルボキシル基を有する化合物であれば、その誘導体を含め用いることができる。また、これらのカルボン酸無水物成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
テトラカルボン酸無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3-フルオロピロメリット酸二無水物、3,6-ジフルオロピロメリット酸二無水物、3,6-ビス(トリフルオロメチル)ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、4,4’-オキシジフタル酸二無水物、2,2’-ジフルオロ-3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、5,5’-ジフルオロ-3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、6,6’-ジフルオロ-3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,5,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’-ビス(トリフルオロメチル)-3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、5,5’-ビス(トリフルオロメチル)-3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、6,6’-ビス(トリフルオロメチル)-3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,5,5’-テトラキス(トリフルオロメチル)-3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,6,6’-テトラキス(トリフルオロメチル)-3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、5,5’,6,6’-テトラキス(トリフルオロメチル)-3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、および2,2’,5,5’,6,6’-ヘキサキス(トリフルオロメチル)-3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,3”,4,4”-テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’”,4,4’”-クァテルフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3””,4,4””-キンクフェニルテトラカルボン酸二無水物、メチレン-4,4’-ジフタル酸二無水物、1,1-エチニリデン-4,4’-ジフタル酸二無水物、2,2-プロピリデン-4,4’-ジフタル酸二無水物、1,2-エチレン-4,4’-ジフタル酸二無水物、1,3-トリメチレン-4,4’-ジフタル酸二無水物、1,4-テトラメチレン-4,4’-ジフタル酸二無水物、1,5-ペンタメチレン-4,4’-ジフタル酸二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-へキサフルオロプロパン二無水物、ジフルオロメチレン-4,4’-ジフタル酸二無水物、1,1,2,2-テトラフルオロ-1,2-エチレン-4,4’-ジフタル酸二無水物、1,1,2,2,3,3-ヘキサフルオロ-1,3-トリメチレン-4,4’-ジフタル酸二無水物、1,1,2,2,3,3,4,4-オクタフルオロ-1,4-テトラメチレン-4,4’-ジフタル酸二無水物、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5-デカフルオロ-1,5-ペンタメチレン-4,4’-ジフタル酸二無水物、チオ-4,4’-ジフタル酸二無水物、スルホニル-4,4’-ジフタル酸二無水物、1,3-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-1,1,3,3-テトラメチルシロキサン二無水物、1,3-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ベンゼン二無水物、1,4-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ベンゼン二無水物、1,3-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,3-ビス〔2-(3,4-ジカルボキシフェニル)-2-プロピル〕ベンゼン二無水物、1,4-ビス〔2-(3,4-ジカルボキシフェニル)-2-プロピル〕ベンゼン二無水物、ビス〔3-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕メタン二無水物、ビス〔4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕メタンニ無水物、2,2-ビス〔3-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕プロパン二無水物、2,2-ビス〔4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕プロパン二無水物、2,2-ビス〔3-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2-ビス〔4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕プロパン二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ジメチルシラン二無水物、1,3-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン二無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10-ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8-フェナントレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサン-1,2,3,4-テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサン-1,2,4,5-テトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ビシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物、カルボニル-4,4’-ビス(シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸)二無水物、メチレン-4,4’-ビス(シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸)二無水物、1,2-エチレン-4,4’-ビス(シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸)二無水物、1,1-エチニリデン-4,4’-ビス(シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸)二無水物、2,2-プロピリデン-4,4’-ビス(シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸)二無水物、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2,2-プロピリデン-4,4’-ビス(シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸)二無水物、オキシ-4,4’-ビス(シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸)二無水物、チオ-4,4’-ビス(シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸)二無水物、スルホニル-4,4’-ビス(シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸)二無水物、3,3’-ジフルオロオキシ-4,4’-ジフタル酸二無水物、5,5’-ジフルオロオキシ-4,4’-ジフタル酸二無水物、6,6’-ジフルオロオキシ-4,4’-ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’,6,6’-ヘキサフルオロオキシ-4,4’-ジフタル酸二無水物、3,3’-ビス(トリフルオロメチル)オキシ-4,4’-ジフタル酸二無水物、5,5’-ビス(トリフルオロメチル)オキシ-4,4’-ジフタル酸二無水物、6,6’-ビス(トリフルオロメチル)オキシ-4,4’-ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’-テトラキス(トリフルオロメチル)オキシ-4,4’-ジフタル酸二無水物、3,3’,6,6’-テトラキス(トリフルオロメチル)オキシ-4,4’-ジフタル酸二無水物、5,5’,6,6’-テトラキス(トリフルオロメチル)オキシ-4,4’-ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’,6,6’-ヘキサキス(トリフルオロメチル)オキシ-4,4’-ジフタル酸二無水物、3,3’-ジフルオロスルホニル-4,4’-ジフタル酸二無水物、5,5’-ジフルオロスルホニル-4,4’-ジフタル酸二無水物、6,6’-ジフルオロスルホニル-4,4’-ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’,6,6’-ヘキサフルオロスルホニル-4,4’-ジフタル酸二無水物、3,3’-ビス(トリフルオロメチル)スルホニル-4,4’-ジフタル酸二無水物、5,5’-ビス(トリフルオロメチル)スルホニル-4,4’-ジフタル酸二無水物、6,6’-ビス(トリフルオロメチル)スルホニル-4,4’-ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’-テトラキス(トリフルオロメチル)スルホニル-4,4’-ジフタル酸二無水物、3,3’,6,6’-テトラキス(トリフルオロメチル)スルホニル-4,4’-ジフタル酸二無水物、5,5’,6,6’-テトラキス(トリフルオロメチル)スルホニル-4,4’-ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’,6,6’-ヘキサキス(トリフルオロメチル)スルホニル-4,4’-ジフタル酸二無水物、3,3’-ジフルオロ-2,2-パーフルオロプロピリデン-4,4’-ジフタル酸二無水物、5,5’-ジフルオロ-2,2-パーフルオロプロピリデン-4,4’-ジフタル酸二無水物、6,6’-ジフルオロ-2,2-パーフルオロプロピリデン-4,4’-ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-2,2-パーフルオロプロピリデン-4,4’-ジフタル酸二無水物、3,3’-ビス(トリフルオロメチル)-2,2-パーフルオロプロピリデン-4,4’-ジフタル酸二無水物、5,5’-ビス(トリフルオロメチル)-2,2-パーフルオロプロピリデン-4,4’-ジフタル酸二無水物、6,6’-ジフルオロ-2,2-パーフルオロプロピリデン-4,4’-ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’-テトラキス(トリフルオロメチル)-2,2-パーフルオロプロピリデン-4,4’-ジフタル酸二無水物、3,3’,6,6’-テトラキス(トリフルオロメチル)-2,2-パーフルオロプロピリデン-4,4’-ジフタル酸二無水物、5,5’,6,6’-テトラキス(トリフルオロメチル)-2,2-パーフルオロプロピリデン-4,4’-ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’,6,6’-ヘキサキス(トリフルオロメチル)-2,2-パーフルオロプロピリデン-4,4’-ジフタル酸二無水物、9-フェニル-9-(トリフルオロメチル)キサンテン-2,3,6,7-テトラカルボン酸二無水物、9,9-ビス(トリフルオロメチル)キサンテン-2,3,6,7-テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ〔2,2,2〕オクト-7-エン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物、9,9-ビス〔4-(3,4-ジカルボキシ)フェニル〕フルオレン二無水物、9,9-ビス〔4-(2,3-ジカルボキシ)フェニル〕フルオレン二無水物、エチレングリコールビストリメリテート二無水物、1,2-(エチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,3-(トリメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,4-(テトラメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,5-(ペンタメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,6-(ヘキサメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,7-(ヘプタメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,8-(オクタメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,9-(ノナメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,10-(デカメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,12-(ドデカメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,16-(ヘキサデカメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,18-(オクタデカメチレン)ビス(トリメリテート無水物)などが挙げられる。
トリカルボン酸無水物としては、例えば、トリメリット酸無水物や核水添トリメリット酸無水物などが挙げられる。
アミン成分としては、脂肪族ジアミンや芳香族ジアミンなどのジアミン、脂肪族ポリエーテルアミンなどの多価アミンを用いることができるが、これらのアミンに限定されるものではない。また、これらのアミン成分は、単独でまたは組み合わせて使用してもよい。
ジアミンとしては、例えば、p-フェニレンジアミン(PPD)、1,3-ジアミノベンゼン、2,4-トルエンジアミン、2,5-トルエンジアミン、2,6-トルエンジアミンなどのベンゼン核1つのジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,3’-ジアミノジフェニルエーテル、3,4’-ジアミノジフェニルエーテルなどのジアミノジフェニルエーテル類、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、2,2’-ビス(トリフルオロメチル)-4,4’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’-テトラメチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、ビス(4-アミノフェニル)スルフィド、4,4’-ジアミノベンズアニリド、3,3’-ジクロロベンジジン、3,3’-ジメチルベンジジン(o-トリジン)、2,2’-ジメチルベンジジン(m-トリジン)、3,3’-ジメトキシベンジジン、2,2’-ジメトキシベンジジン、3,3’-ジアミノジフェニルエーテル、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,3’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、3,4’-ジアミノジフェニルスルホン、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,3’-ジアミノベンゾフェノン、3,3’-ジアミノ-4,4’-ジクロロベンゾフェノン、3,3’-ジアミノ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、3,3’-ジアミノジフェニルメタン、3,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、2,2-ビス(3-アミノフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-アミノフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、3,3’-ジアミノジフェニルスルホキシド、3,4’-ジアミノジフェニルスルホキシド、4,4’-ジアミノジフェニルスルホキシド、3,3’-ジカルボキシ-4,4’-ジアミノジフェニルメタンなどのベンゼン核2つのジアミン、1,3-ビス(3-アミノフェニル)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェニル)ベンゼン、1,4-ビス(3-アミノフェニル)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェニル)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)-4-トリフルオロメチルベンゼン、3,3’-ジアミノ-4-(4-フェニル)フェノキシベンゾフェノン、3,3’-ジアミノ-4,4’-ジ(4-フェニルフェノキシ)ベンゾフェノン、1,3-ビス(3-アミノフェニルスルフィド)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェニルスルフィド)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェニルスルフィド)ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノフェニルスルホン)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェニルスルホン)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェニルスルホン)ベンゼン、1,3-ビス〔2-(4-アミノフェニル)イソプロピル〕ベンゼン、1,4-ビス〔2-(3-アミノフェニル)イソプロピル〕ベンゼン、1,4-ビス〔2-(4-アミノフェニル)イソプロピル〕ベンゼンなどのベンゼン核3つのジアミン、3,3’-ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニル、3,3’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’-ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔3-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔3-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔3-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔3-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔3-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔3-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔3-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔3-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔3-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔3-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、2,2-ビス〔3-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2-ビス〔3-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2-ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2-ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2-ビス〔3-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス〔3-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパンなどのベンゼン核4つのジアミンなどの芳香族ジアミン、1,2-ジアミノエタン、1,3-ジアミノプロパン、1,4-ジアミノブタン、1,5-ジアミノペンタン、1,6-ジアミノヘキサン、1,7-ジアミノヘプタン、1,8-ジアミノオクタン、1,9-ジアミノノナン、1,10-ジアミノデカン、1,11-ジアミノウンデカン、1,12-ジアミノドデカン、1,2-ジアミノシクロヘキサン等の脂肪族ジアミンが挙げられ、脂肪族ポリエーテルアミンとしては、エチレングリコール及び/又はプロピレングリコール系の多価アミン等が挙げられる。また、下記の様に、カルボキシル基を有するアミンを用いることもできる。
カルボキシル基を有するアミンとしては、3,5-ジアミノ安息香酸、2,5-ジアミノ安息香酸、3,4-ジアミノ安息香酸等のジアミノ安息香酸類、3,5-ビス(3-アミノフェノキシ)安息香酸、3,5-ビス(4-アミノフェノキシ)安息香酸等のアミノフェノキシ安息香酸類、3,3’-ジアミノ-4,4’-ジカルボキシビフェニル、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジカルボキシビフェニル、4,4’-ジアミノ-2,2’-ジカルボキシビフェニル、4,4’-ジアミノ-2,2’,5,5’-テトラカルボキシビフェニル等のカルボキシビフェニル化合物類、3,3’-ジアミノ-4,4’-ジカルボキシジフェニルメタン、3,3’-ジカルボキシ-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、2,2-ビス[3-アミノ-4-カルボキシフェニル]プロパン、2,2-ビス[4-アミノ-3-カルボキシフェニル]プロパン、2,2-ビス[3-アミノ-4-カルボキシフェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’-ジアミノ-2,2’,5,5’-テトラカルボキシジフェニルメタン等のカルボキシジフェニルメタン等のカルボキシジフェニルアルカン類、3,3’-ジアミノ-4,4’-ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノ-2,2’-ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノ-2,2’,5,5’-テトラカルボキシジフェニルエーテル等のカルボキシジフェニルエーテル化合物、3,3’-ジアミノ-4,4’-ジカルボキシジフェニルスルフォン、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジカルボキシジフェニルスルフォン、4,4’-ジアミノ-2,2’-ジカルボキシジフェニルスルフォン、4,4’-ジアミノ-2,2’,5,5’-テトラカルボキシジフェニルスルフォン等のジフェニルスルフォン化合物、2,2-ビス[4-(4-アミノ-3-カルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン等のビス[(カルボキシフェニル)フェニル]アルカン化合物類、2,2-ビス[4-(4-アミノ-3-カルボキシフェノキシ)フェニル]スルフォン等のビス[(カルボキシフェノキシ)フェニル]スルフォン化合物等を挙げることができる。
イソシアネート成分としては、芳香族ジイソシアネート及びその異性体や多量体、脂肪族ジイソシアネート類、脂環式ジイソシアネート類及びその異性体などのジイソシアネートやその他汎用のジイソシアネート類を用いることができるが、これらのイソシアネートに限定されるものではない。また、これらのイソシアネート成分は、単独でまたは組み合わせて使用してもよい。
ジイソシアネートとして、例えば4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ビフェニルジイソシアネート、ジフェニルスルホンジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート及びその異性体、多量体、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシシレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート類、あるいは前記芳香族ジイソシアネートを水添した脂環式ジイソシアネート類及び異性体、もしくはその他汎用のジイソシアネート類が挙げられる。
(A)ポリアミック酸はアミド結合を有していてもよい。これはイソシアネートとカルボン酸を反応させて得られるアミド結合であってもよく、それ以外の反応によるものでもよい。さらにその他の付加および縮合からなる結合を有していてもよい。
(A)ポリアミック酸合成には、公知慣用のカルボキシル基及び/又は酸無水物基を有するアルカリ溶解性ポリマー、オリゴマー、モノマーを用いてもよく、例えばこれらの公知慣用のアルカリ溶解性樹脂類を単独でもしくは上記のカルボン酸無水物成分と組み合わせて、上記のアミン/イソシアネート類と反応させて得られる樹脂であってもよい。
ノルボルネン環を(A)ポリアミック酸の分子鎖末端に導入する方法としては、例えば、ポリアミック酸の合成において、末端のアミノ基に5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸無水物(いわゆるナジック酸無水物)を反応させる方法があるがこれに限定されない。
(A)ポリアミック酸は、その酸価が20~200mgKOH/gであることが好ましく、より好適には60~150mgKOH/gであることが好ましい。この酸価が20mgKOH/g以上の場合、アルカリ現像工程時にアルカリに対する溶解性が増加し、現像性が良好となり、さらには、光照射後の熱硬化成分との架橋度が高くなるため、十分な現像コントラストを得ることができる。また、この酸価が200mgKOH/g以下の場合には、後述する光照射後のPEB工程でのいわゆる熱かぶりを抑制でき、プロセスマージンを大きくすることができる。
また、(A)ポリアミック酸の分子量は、現像性と硬化塗膜特性を考慮すると、重量平均分子量1,000~100,000が好ましく、さらに2,000~50,000がより好ましい。この分子量が1,000以上の場合、露光・PEB後に十分な耐現像性と硬化物性を得ることができる。また、分子量が100,000以下の場合、アルカリ溶解性が増加し、現像性を向上させることができる。
[(B)感光剤]
本発明の感光性樹脂組成物は、(B)感光剤を含む。(B)感光剤としては、特に制限はなく、光酸発生剤や光塩基発生剤を用いることができる。光酸発生剤は、紫外線や可視光等の光照射により酸を発生する化合物であり、光塩基発生剤は、同様の光照射により分子構造が変化するか、または、分子が開裂することにより1種以上の塩基性物質を生成する化合物である。本発明においては、(B)感光剤として、光酸発生剤を好適に用いることができる。
光酸発生剤としては、ナフトキノンジアジド化合物、ジアリールスルホニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、ジアルキルフェナシルスルホニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、アリールジアゾニウム塩、芳香族テトラカルボン酸エステル、芳香族スルホン酸エステル、ニトロベンジルエステル、芳香族N-オキシイミドスルフォネート、芳香族スルファミド、ベンゾキノンジアゾスルホン酸エステル等を挙げることができる。光酸発生剤は、溶解阻害剤であることが好ましい。中でもナフトキノンジアジド化合物であることが好ましい。
ナフトキノンジアジド化合物としては、具体的には例えば、トリス(4-ヒドロキシフェニル)-1-エチル-4-イソプロピルベンゼンのナフトキノンジアジド付加物(例えば、三宝化学研究所社製のTS533,TS567,TS583,TS593)や、テトラヒドロキシベンゾフェノンのナフトキノンジアジド付加物(例えば、三宝化学研究所社製のBS550,BS570,BS599)や、4-{4-[1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エチル]-α,α-ジメチルベンジル}フェノールのナフトキノンジアジド付加物(例えば、三宝化学研究所社製のTKF-428,TKF-528)等を使用することができる。
また、光塩基発生剤としては、イオン型光塩基発生剤でもよく、非イオン型光塩基発生剤でもよいが、イオン型光塩基発生剤の方が組成物の感度が高く、パターン膜の形成に有利になるので好ましい。塩基性物質としては、例えば、2級アミン、3級アミンが挙げられる。
イオン型の光塩基発生剤としては、例えば、芳香族成分含有カルボン酸と3級アミンとの塩や、和光純薬社製イオン型PBGのWPBG-082、WPBG-167、WPBG-168、WPBG-266、WPBG-300等を用いることができる。
非イオン型の光塩基発生剤としては、例えば、α-アミノアセトフェノン化合物、オキシムエステル化合物や、N-ホルミル化芳香族アミノ基、N-アシル化芳香族アミノ基、ニトロベンジルカーバメイト基、アルコオキシベンジルカーバメート基等の置換基を有する化合物等が挙げられる。その他の光塩基発生剤として、和光純薬社製のWPBG-018(商品名:9-anthrylmethyl N,N’-diethylcarbamate)、WPBG-027(商品名:(E)-1-[3-(2-hydroxyphenyl)-2-propenoyl]piperidine)、WPBG-140(商品名:1-(anthraquinon-2-yl)ethyl imidazolecarboxylate)、WPBG-165等を使用することもできる。
(B)感光剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。(B)感光剤の配合量は、(A)ポリアミック酸の不揮発成分100質量部に対し、3~30質量部であることが好ましい。
[(C)熱ラジカル発生剤]
本発明の感光性樹脂組成物は(C)熱ラジカル発生剤を含む。この(C)熱ラジカル発生剤は、ラジカル反応を進めるために穏和な反応条件でラジカルを発生させる化合物であって、一般に結合エネルギーの小さな弱い結合を持ち、ラジカル重合反応において重合開始剤として用いられる。その結果、この(C)熱ラジカル発生剤を用いることで、本発明の感光性樹脂組成物中の、分子鎖末端にラジカル重合性の官能基を有する(A)ポリアミック酸のラジカル反応重合を、240℃以下という低温下で進行させることができる。
(C)熱ラジカル発生剤としては、例えば、シクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類;1,1-ビス(tert-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(tert-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n-ブチル-4,4-ビス(tert-ブチルパーオキシ)バレレート、2,2-ビス(4,4- ジtert-ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2-ビス(4,4-ジtert-アミルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2-ビス(4,4-ジtert-ヘキシルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2-ビス(4,4- ジtert-オクチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2-ビス(4,4-ジクミルパーオキシシクロヘキシル)プロパン等のパーオキシケタール類;クメンハイドロパーオキサイド、2,5- ジメチルヘキサン-2,5- ジハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類;1,3-ビス(tert-ブチルパーオキシ-m-イソプロピル)ベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジイソプロピルベンゼンパーオキサイド、tert-ブチルクミルパーオキサイド、tert- ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート等のジアルキルパーオキサイド類; デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4-ジクロロベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;ビス(tert- ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等のパーオキシカーボネート類;tert- ブチルパーオキシベンゾエート、2,5- ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン等のパーオキシエステル類等の有機過酸化物系重合開始剤、並びに1,1- アゾビス(シクロヘキサン-1- カルボニトリル)、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4- ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(2-シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4- ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2- メチルブチロニトリル)、1,1’-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、1-〔(1-シアノ-1- メチルエチル)アゾ〕ホルムアミド、2- フェニルアゾ- 4-メトキシ-2,4-ジメチル-バレロニトリル2、2’-アゾビス(2-メチルプロパン)、2、2’-アゾビス(2、4、4-トリメチルペンタン)、1,1’-アゾビス(1-アセトキシ-1-フェニルエタン)、2,2’-アゾビス(N-シクロヘキシル-2-メチルプロピオンアミド)、2,2’-アゾビス(N-ブチル-2-メチルプロピオンアミド)等のアゾ系重合開始剤を挙げることができるが、これらのうち、下記一般式(1)で示される構造を有する過酸化物である有機過酸化物系重合開始剤であることが好ましく、反応性の観点からジアルキルパーオキサイドがより好ましい。
Figure 0007256057000002
(一般式(1)中、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子または1価の有機基であり、ともに水素原子である場合を除く)
(C)熱ラジカル発生剤は、市販のものを使用することができ、例えば、日油(株)製パーテトラA、パーヘキサHC、パーヘキサC、パーヘキサV、パーヘキサ22といったパーオキシケタール、パーブチルH、パークミルH、パークミルP、パーメンタH、パーオクタHのハイドロパーオキサイド、パーブチルC、パーブチルD、パーヘキシルD、パーヘキサ25B、パーブチルP、パーヘキシン25Bのジアルキルパーオキサイド、パーロイルIB、パーロイル355、パーロイルL、パーロイルSA、ナイパーBW、ナイパーBMT-K40、ナイパーBMT-Mのジアシルパーオキサイド、パーロイルIPP、パーロイルNPP、パーロイルTCP、パーロイルOPPのパーオキシジカーボネート、パークミルND、パーオクタND、パーヘキシルND、パーブチルND、パーヘキシルPV、パーブチルPV、パーヘキサ25O、パーオクタO、パーヘキシルO、パーブチルO、パーブチルL、パーブチル355、パーヘキシルI、パーブチルI、パーブチルE、パーヘキサ25Z、パーブチルA、パーヘキシルZ、パーブチルZT、パーブチルZのパーオキシエステル、富士フィルム和光純薬(株)製、V-70、V-65、V-60(AIBN)、V-59、V-40、V-501、V-30のアゾニトリル、V-601のアゾエステル、VF-096、VAm-110、VA-086のアゾアミド、V-50、VA-057のアゾアミジン、VA-044、VA-046B、VA-061のアゾイミダゾリンを挙げることができ、中でも、半減期が1分間となる温度が150℃以上の過酸化物としては、パーブチルP、パーヘキシン25B、パーへキシルI、パーブチル355、パーブチルL、パーヘキサ25B、パーテトラA、パーヘキサC、パーヘキサV、パーヘキサ22、パーブチルH、パークミルH、パークミルP、パーメンタH、パーオクタH、パーブチルC、パーブチルD、パーヘキシルD、パーブチルI、パーブチルE、パーヘキサ25Z、パーブチルA、パーヘキシルZ、パーブチルZT、パーブチルZ、V-40、VAm-110を挙げることができ、特に、半減期が1分間となる温度が150℃以上のジアルキルパーオキサイドとしては、パーブチルC、パーブチルD、パーヘキシルD、パーヘキサ25B、パーブチルP、パーヘキシン25Bを挙げることができる。また、このような(C)熱ラジカル発生剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、(C)熱ラジカル発生剤の配合量は、(A)ポリアミック酸の不揮発成分100質量部に対し、3~0.2質量部であることが好ましく、2~0.8質量部であることがより好ましい。このような範囲とすることで、ラジカル重合反応による最適な架橋密度を得ることができる。
(その他の成分)
本発明の感光性樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、(A)ポリアミック酸のカルボキシル基と架橋反応し低温硬化性を向上するために公知の架橋剤、(A)ポリアミック酸のイミド化反応を促進するために公知の可塑剤や熱酸発生剤、光感度を向上させるために公知の増感剤、基材との接着性向上のためにシランカップリング剤などの公知の密着剤、などを配合することができる。更に、本発明の感光性樹脂組成物は、加工特性や各種機能性を付与するために、その他の様々な有機または無機の低分子または高分子化合物を配合してもよい。例えば、界面活性剤、レベリング剤、微粒子等を用いることができる。微粒子には、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン等の有機微粒子、シリカ、カーボン、層状珪酸塩等の無機微粒子が含まれる。また、本発明の感光性樹脂組成物は、各種着色剤および繊維等を配合してもよい。
(溶剤)
本発明の感光性樹脂組成物に用いられる溶剤は、(A)ポリアミック酸、(B)感光剤、(C)熱ラジカル発生剤および他の成分を溶解させるものであれば特に限定されない。一例としては、N,N’-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、N-エチル-2-ピロリドン、N,N’-ジメチルアセトアミド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、シクロペンタノン、γ-ブチロラクトン、α-アセチル-γ-ブチロラクトン、テトラメチル尿素、1,3-ジメチル-2-イミダゾリノン、N-シクロヘキシル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、ピリジン、γ-ブチロラクトン、ジエチレングリコールモノメチルエーテルを挙げることができる。これらは単独で用いても、二種以上を混合して用いてもかまわない。使用する溶剤の量は、塗布膜厚や粘度に応じて適宜に定めることができる。例えば、(A)ポリアミック酸100質量部に対し、50~9000質量部の範囲で用いることができる。
[ドライフィルム]
本発明のドライフィルムは、本発明の感光性樹脂組成物をフィルム(例えば支持(キャリア)フィルム)に塗布後、乾燥して得られる樹脂層を有するものである。この樹脂層を、基材に接するようにラミネートして使用される。
本発明のドライフィルムは、フィルムに本発明の感光性樹脂組成物をブレードコーター、リップコーター、コンマコーター、フィルムコーター等の適宜の方法により均一に塗布し、乾燥して、上記した樹脂層を形成し、好ましくはその上にフィルム(いわゆる保護(カバー)フィルム)を積層することにより、製造することができる。保護フィルムと支持フィルムは同一のフィルム材料であっても、異なるフィルムを用いてもよい。
本発明のドライフィルムにおいて、支持フィルムおよび保護フィルムのフィルム材料は、ドライフィルムに用いられるものとして公知のものをいずれも使用することができる。
支持フィルムとしては、例えば2~150μmの厚さのポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム等の熱可塑性フィルムが用いられる。
保護フィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等を使用することができるが、樹脂層との接着力が、支持フィルムよりも小さいものが良い。
本発明のドライフィルム上の樹脂層の膜厚は、100μm以下が好ましく、5~50μmの範囲がより好ましい。
[硬化物]
本発明の硬化物は、上述した本発明の感光性樹脂組成物を用い所定のステップにて硬化させたものである。その硬化物であるパターン膜は、公知慣用の製法で製造すればよく、例えば、(B)感光剤としての光酸発生剤を含有する感光性樹脂組成物の場合、次の各ステップにより製造する。
まず、ステップ1として、感光性樹脂組成物を基材上に塗布、乾燥することにより、あるいはドライフィルムから樹脂層を基材上に転写することにより、塗膜を得る。感光性樹脂組成物を基材上に塗布する方法としては、従来から感光性樹脂組成物の塗布に用いられていた方法、例えば、スピンコーター、バーコーター、ブレードコーター、カーテンコーター、スクリーン印刷機等で塗布する方法、スプレーコーターで噴霧塗布する方法、さらにはインクジェット法等を用いることができる。塗膜の乾燥方法としては、風乾、オーブンまたはホットプレートによる加熱乾燥、真空乾燥等の方法が用いられる。また、塗膜の乾燥は、感光性樹脂組成物中の例えばポリイミド前駆体の環化が起こらないような条件で行うことが望ましい。具体的には、自然乾燥、送風乾燥、あるいは加熱乾燥を、70~140℃で1~30分の条件で行うことができる。好ましくは、ホットプレート上で1~20分乾燥を行う。また、真空乾燥も可能であり、この場合は、室温で20分~1時間の条件で行うことができる。
感光性樹脂組成物の塗膜が形成される基材に特に制限はなく、シリコンウエハ等の半導体基材、配線基板、各種樹脂、金属等に広く適用できる。
次に、ステップ2として、上記塗膜を、パターンを有するフォトマスクを介して、あるいは直接的に、露光する。露光光線は、(B)感光剤としての光酸発生剤を活性化させることができる波長のものを用いる。具体的には、露光光線は、最大波長が350~440nmの範囲にあるものが好ましい。上述したように、増感剤を適宜に配合することにより、光感度を調製することができる。露光装置としては、コンタクトアライナー、ミラープロジェクション、ステッパー、レーザーダイレクト露光装置等を用いることができる。
次いで、ステップ3として、上記塗膜を現像液で処理する。これにより、塗膜中の露光部分を除去して、本発明の感光性樹脂組成物のパターン膜を形成することができる。
現像に用いる方法としては、従来知られているフォトレジストの現像方法、例えば回転スプレー法、パドル法、超音波処理を伴う浸せき法等の中から任意の方法を選択することができる。現像液としては、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の有機アミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等の四級アンモニウム塩類等の水溶液を挙げることができる。また、必要に応じて、これらにメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加してもよい。その後、必要に応じて塗膜をリンス液により洗浄してパターン膜を得る。リンス液としては、蒸留水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等を単独または組み合わせて用いることができる。また、現像液として上記溶剤を使用してもよい。
その後、ステップ4として、パターン膜を加熱して硬化塗膜(硬化物)を得る。この加熱により、例えば、ポリイミド前駆体を環化し、ポリイミドを得る。加熱温度は、感光性樹脂組成物のパターン膜を硬化可能なように適宜設定する。例えば、不活性ガス中で、150℃以上350℃未満で5~120分程度の加熱を行う。加熱温度のより好ましい範囲は、180~250℃である。本発明の感光性樹脂組成物は、(C)ナフタレン型エポキシ化合物を含むので、環化が促進され、250℃未満、さらには220℃以下の加熱温度とすることができる。加熱は、例えば、ホットプレート、オーブン、温度プログラムを設定できる昇温式オーブンを用いることにより行う。このときの雰囲気(気体)としては空気を用いてもよく、窒素、アルゴン等の不活性ガスを用いてもよい。
本発明の感光性樹脂組成物の用途は特に限定されず、例えば、塗料、印刷インキ、または接着剤、あるいは、表示装置、半導体装置、電子部品、光学部品、または建築材料の形成材料として好適に用いられる。具体的には、表示装置の形成材料としては、層形成材料や画像形成材料として、カラーフィルター、フレキシブルディスプレイ用フィルム、レジスト材料、配向膜等に用いることができる。また、半導体装置の形成材料としては、レジスト材料、バッファーコート膜のような層形成材料等に用いることができる。さらに、電子部品の形成材料としては、封止材料や層形成材料として、プリント配線板、層間絶縁膜、配線被覆膜等に用いることができる。さらにまた、光学部品の形成材料としては、光学材料や層形成材料として、ホログラム、光導波路、光回路、光回路部品、反射防止膜等に用いることができる。さらにまた、建築材料としては、塗料、コーティング剤等に用いることができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、主にパターン形成材料として用いられ、それによって形成されたパターン膜は、例えば、ポリイミドなどからなる永久膜として耐熱性や絶縁性を付与する成分として機能することから、特に半導体装置、表示体装置および発光装置の表面保護膜、層間絶縁膜、再配線用絶縁膜、フリップチップ装置用保護膜、バンプ構造を有する装置の保護膜、多層回路の層間絶縁膜、受動部品用絶縁材料、ソルダーレジストやカバーレイ膜などのプリント配線板の保護膜、ならびに液晶配向膜等として好適に利用できる。特に、本発明の感光性樹脂組成物は、硬化物の耐薬品性に優れることから、積層される層形成材料、例えば、層間絶縁膜、再配線用絶縁膜の形成材料として好適である。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。なお、以下において、「部」および「%」とあるのは、特に断りのない限り、すべて質量基準である。
(ポリアミック酸(A-1)の合成)
150mLのスクリュー管瓶に、撹拌子、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)5.54g(13.50mmol)、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル(ODA)3.30g(16.48mmol)を加え、20℃、相対湿度20%の環境の下、γ-ブチロラクトン43mLに完全に溶解させた。その後、4,4’-オキシジフタル酸無水物(ODPA)8.38g(27.01mmol)を徐々に加え、室温で16時間反応させた。その後、5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸無水物0.985g(6.00mmol)を加え、室温で8時間反応させポリアミック酸(A-1)を得た。GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量は23,900、数平均分子量は8,500であった。
(ポリアミック酸(A-2)の合成)
150mLのスクリュー管瓶に、撹拌子、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)5.54g(13.50mmol)、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル(ODA)3.30g(16.48mmol)を加え、20℃、相対湿度20%の環境の下、γ-ブチロラクトン43mLに完全に溶解させた。その後、4,4’-オキシジフタル酸無水物(ODPA)8.38g(27.01mmol)を徐々に加え、室温で16時間反応させた。その後、無水フタル酸0.889g(6.00mmol)加えて室温で8時間反応させポリアミック酸(A-2)を得た。GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量は23,900、数平均分子量は8,500であった。
(実施例1、2および比較例1、2)
上記で合成したポリアミック酸(A-1)または(A-2)100質量部に対して、表1示す各成分を表1に示す割合で配合し、さらに、ポリアミック酸(A-1)または(A-2)100質量部に対して30質量部のγ―ブチロラクトンを加え、完全に溶解させ感光性樹脂組成物のワニスを得た。なお、表1中の配合量はすべて不揮発成分換算の配合量である。
このようにして得た実施例1、2および比較例1、2の感光性樹脂組成物について、破断伸びの評価を行った。これらの結果を表1中に併せて示す。
(破断伸び評価)
ワニスを、スピンコーターを用いてシリコンウエハ上に塗布し、110℃で3分間乾燥させ、感光性樹脂組成物の乾燥膜を得た。その後、イナートガスオーブン(光洋サーモシステム(株)製CLH-21CD-S)中、窒素雰囲気下、110℃で10分加熱した後、150℃で30分間保持し、さらに昇温して220℃ で60分加熱して膜厚45μmの硬化膜を得た。
このようにして得た硬化膜を、PCT装置を用いて121℃、100%RH、60分の条件下で硬化膜を剥離した後、島津製作所社製のEZ-SXを用いた引張試験により破断伸びを測定した。評価基準は以下の通りとした。
◎:破断伸びが20%以上であった。
○:破断伸びが19~10%であった。
×:破断伸びが10%未満、または自立膜を得られなかった。
Figure 0007256057000003
(*1):前述のポリアミック酸(A-1)(ナジック酸末端ポリアミック酸)
(*2):前述のポリアミック酸(A-2)(フタル酸末端ポリアミック酸)
(*3):(株)三宝化学研究所製TKF-525、(以下の構造式である)
Figure 0007256057000004
(*4):日油(株)製パーブチルP、(半減期が1分間となる温度:175.4℃)
(*5):日油(株)製パーヘキシン25B、(半減期が1分間となる温度:194.3℃)
上記表中に示す結果から、本発明の感光性樹脂組成物は、ポリイミド前駆体を主成分としつつ、240℃以下の温度でも硬化が可能であり、かつ破断伸びといった機械的特性に優れることが分かる。

Claims (6)

  1. (A)ポリアミック酸と、
    (B)感光剤と、
    (C)熱ラジカル発生剤と、を含み、
    前記(A)ポリアミック酸が、分子鎖末端にラジカル重合性の官能基を有し、
    前記(A)ポリアミック酸の、前記分子鎖末端のラジカル重合性の官能基として、ノルボルネン環を有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
  2. 前記(C)熱ラジカル発生剤が、下記一般式(1)で示される構造を有する過酸化物であることを特徴とする請求項1記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 0007256057000005
    (一般式(1)中、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子または1価の有機基であり、ともに水素原子である場合を除く)
  3. 前記(A)ポリアミック酸の、前記分子鎖末端のラジカル重合性の官能基がナジック酸であることを特徴とする請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. フィルム上に、請求項1~のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を塗布、乾燥して得られる樹脂層を有することを特徴とするドライフィルム。
  5. 請求項1~のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物、または請求項記載のドライフィルムの樹脂層を硬化して得られることを特徴とする硬化物。
  6. 請求項に記載の硬化物を有することを特徴とする電子部品。
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