JPH1124265A - 感光性樹脂組成物、感光性積層体及びフレキシブルプリント配線板の製造法 - Google Patents

感光性樹脂組成物、感光性積層体及びフレキシブルプリント配線板の製造法

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JPH1124265A
JPH1124265A JP9180185A JP18018597A JPH1124265A JP H1124265 A JPH1124265 A JP H1124265A JP 9180185 A JP9180185 A JP 9180185A JP 18018597 A JP18018597 A JP 18018597A JP H1124265 A JPH1124265 A JP H1124265A
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JP
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group
acid
weight
photosensitive
resin composition
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Pending
Application number
JP9180185A
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English (en)
Inventor
Katsunori Tsuchiya
勝則 土屋
Akio Nakano
昭夫 中野
Naoki Sasahara
直樹 笹原
Tetsuya Yoshida
哲也 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Corp
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH1124265A publication Critical patent/JPH1124265A/ja
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 半田耐熱性、耐金めっき性等に優れた可撓性
耐熱保護皮膜の微細パターンを難燃性現像液を用いて形
成することができる感光性樹脂組成物、感光性積層体及
びこれを用いたフレキシブルプリント配線板の製造法を
提供する。 【解決手段】 (A)多価カルボン酸成分(a)とジイ
ソシアネート(b)とを反応させて得られるカルボキシ
ル基含有ポリアミド系樹脂(c)に対して、エポキシ樹
脂(d)を反応させて得られるエポキシ基含有ポリアミ
ド系樹脂(e)及び/又は(e)に対してモノカルボン
酸(f)を反応させて得られるエポキシ基封鎖型ポリア
ミド系樹脂(g)にイソシアネート単量体を反応させて
得られる酸無水物変性ポリアミド系樹脂、(B)光重合
性不飽和化合物、(C)光重合開始剤及び(D)複素環
式メルカプタン化合物を含有してなる感光性樹脂組成
物、感光性積層体及びこれを用いたフレキシブルプリン
ト配線板の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フレキシブルプリ
ント配線板等の製造に用いられる感光性樹脂組成物、感
光性積層体及びフレキシブルプリント配線板の製造法に
関する。
【0002】
【従来の技術】プリント配線板の製造には、従来より液
状又はフィルム状の感光性樹脂組成物が用いられてい
る。例えば、銅箔を絶縁基板上に積層した銅張積層板の
銅箔をエッチングするときのレジスト、配線の形成され
たプリント配線板の半田付け位置限定及び保護の目的で
使用するソルダレジスト等として用いられている。
【0003】プリント配線板には、カメラなどの小型機
器に折り曲げて組み込むことができるフィルム状のプリ
ント配線板、一般にFPCと略称されるフレキシブルプ
リント配線板がある。このFPCも部品搭載のために半
田付けがあり、ソルダレジストが必要である。この目的
のためにポリイミドフィルムを所定の型に打ち抜いたも
のを積層したり、耐熱性の材料で構成された印刷インク
を印刷して用いてきた。前者をカバーレイ、後者をカバ
ーコートと呼んでいる。
【0004】このカバーレイ、カバーコートは半田付け
後の配線の保護膜も兼ねており、半田付け時の耐熱性、
絶縁性、基板の組み込み時の折り曲げでクラックが入ら
ない可撓性が必要である。また、この可撓性は半田付後
も保持されていなければならない。更に、高い接続信頼
性を得るために施される金めっきに対する耐性と良好な
めっき析出性も有していなければならない。
【0005】ポリイミドフィルムを打ち抜いて形成され
るカバーレイはこれらの物性を満足しており、現在最も
多く使用されているが、型抜きに高価な金型が必要で、
打ち抜いたフィルムを人手で位置合わせ、貼り合わせす
るため、高コストになり、また、微細パターンの形成が
困難であるという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、良好
な半田付け後の可撓性、半田耐熱性、耐金めっき性及び
めっき析出性に優れた可撓性耐熱保護皮膜の微細パター
ンを難燃性現像液を用いた写真法で安全に且つ容易に形
成することができる感光性樹脂組成物を提供することに
ある。
【0007】本発明の他の目的は、上記感光性樹脂組成
物の層を有する感光性積層体及びこれを用いたフレキシ
ブルプリント配線板の製造法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)主鎖が
アルキレン鎖とカーボネート基で構成されているポリカ
ーボネートジオールで変性されたポリカーボネートジオ
ール変性ジカルボン酸を必須成分として含んでなる多価
カルボン酸成分(a)とジイソシアネート(b)とを当
量比[(a)のカルボキシル基/(b)のイソシアネー
ト基]が1を超える条件で反応させて得られるカルボキ
シル基含有ポリアミド系樹脂(c)に対して、エポキシ
樹脂(d)を当量比[(d)のエポキシ基/(c)のカ
ルボキシル基]が1以上となる条件で反応させて得られ
るエポキシ基含有ポリアミド系樹脂(e)及び/又は
(e)に対してモノカルボン酸(f)を当量比[(f)
のカルボキシル基/(e)のエポキシ基]が1以上とな
る条件で反応させて得られるエポキシ基封鎖型ポリアミ
ド系樹脂(g)に対して、環状多価カルボン酸モノ無水
物(h)を当量比[(h)の酸無水物基/(e)及び/
又は(g)の水酸基]が0.1〜2の範囲、エチレン性
不飽和基を有するイソシアネート単量体(i)を当量比
[(i)のイソシアネート基/(e)及び/又は(g)
の水酸基]が2以下の範囲となる条件で反応させて得ら
れる酸無水物変性ポリアミド系樹脂、(B)末端にエチ
レン性不飽和基を少なくとも1個有する光重合性不飽和
化合物、(C)活性光の照射により遊離ラジカルを生成
する光重合開始剤及び(D)
【0009】
【化3】 部分を硫黄原子を含まない5又は6原子を持つ複素環中
に有する複素環式メルカプタン化合物を含有してなるこ
とを特徴とする感光性樹脂組成物を提供するものであ
る。
【0010】本発明は、また、上記の感光性樹脂組成物
の層と該層を支持する支持体フィルムとを有する感光性
積層体を提供するものである。
【0011】本発明は、また、フレキシブルプリント配
線板用基板の表面に上記の感光性樹脂組成物の層を有す
る感光性積層体を提供するものである。
【0012】本発明は、また、上記の感光性樹脂組成物
の片面にフレキシブルプリント配線板用基板、他方の表
面に支持体フィルムを有する感光性積層体を提供するも
のである。
【0013】本発明は、また、上記の感光性積層体を活
性光で像的に照射し、現像することによりフレキシブル
プリント配線板用基板の表面上に感光性樹脂組成物のパ
ターンを形成することを特徴とするフレキシブルプリン
ト配線板の製造法を提供するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の感光性樹脂組成物は前記
(A)、(B)、(C)及び(D)成分を必須成分とし
て含有する。
【0015】本発明において(A)成分の酸無水物変性
不飽和基含有ポリアミド系樹脂の製造原料である多価カ
ルボン酸成分(a)は、主鎖がアルキレン鎖とカーボネ
ート基で構成されているポリカーボネートジオールで変
性されたポリカーボネートジオール変性ジカルボン酸を
必須成分として含んでなる。
【0016】多価カルボン酸成分(a)中のポリカーボ
ネートジオール変性ジカルボン酸の配合量は、合計量で
10〜100重量%とすることが好ましく、30〜90
重量%とすることがより好ましく、50〜80重量%と
することが特に好ましい。配合量が10重量%未満であ
るとフレキシブルプリント配線板用カバーレイとしての
耐折性が得られなくなる傾向がある。
【0017】主鎖がアルキレン鎖とカーボネート基で構
成されているポリカーボネートジオールで変性されたポ
リカーボネートジオール変性ジカルボン酸、主鎖がアル
キレン鎖とカーボネート基で構成されているポリカーボ
ネートジオールとジカルボン酸とを当量比(ジカルボン
酸のカルボキシル基/ポリカーボネートジオールの水酸
基)が1を超える条件で反応(脱水エステル化)させる
ことにより合成することができる。この当量比(ジカル
ボン酸のカルボキシル基/ポリカーボネートジオールの
水酸基)は、1.1〜3とすることが好ましく、1.3
〜2.5とすることがより好ましく、1.5〜2とする
ことが特に好ましい。この当量比が1未満では、片末端
にしかカルボキシル基をもたないもの(他方の片末端に
水酸基を有するもの)や両末端ともカルボキシル基をも
たないもの(両末端に水酸基を有するもの)が生成し易
く、当量比が3を超えるとジカルボン酸が未反応物とし
て残存し易く、フレキシブルプリント配線板用カバーレ
イとしての耐熱性が低下する傾向がある。
【0018】ポリカーボネートジオール変性ジカルボン
酸を合成するための主鎖がアルキレン鎖とカーボネート
基で構成されているポリカーボネートジオールとして
は、特に制限はなく、例えば、下記一般式(I)
【0019】
【化4】 (式中、Rは炭素数1〜10のアルキレン基で、分岐し
ていてもよく、1分子中に複数存在する場合、Rは同一
であっても異なっていてもよい。nは正の整数を表
す。)で表されるポリカーボネートジオールが挙げられ
る。
【0020】このようなポリカーボネートジオールとし
ては、例えば、ダイセル化学工業株式会社製の商品名プ
ラクセルCD−PLシリーズ、株式会社クラレ製の商品
名PNOCシリーズ等が挙げられる。Rの具体例として
は、メチレン基、プロピレン基、ペンチレン基、3−メ
チルペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、3−
メチルヘプチレン基、オクチレン基、シクロヘキシレン
基、1,4−ジメチルシクロヘキサン−7,8−ジイル
基などが挙げられる。これらのポリカーボネートジオー
ルは、単独で又は2種類以上組み合わせて用いられる。
ポリカーボネートジオールの分子量(水酸基価からの算
出値)は、200〜5,000とすることが好ましく、
500〜4,000とすることがより好ましく、1,0
00〜3,000とすることが特に好ましい。分子量が
200未満であると、フレキシブルプリント配線板用カ
バーレイとしての耐折性が得られなくなる傾向があり、
分子量が5,000を超えると、耐熱性が得られなくな
る傾向がある。
【0021】ポリカーボネートジオール変性ジカルボン
酸を合成するためのジカルボン酸としては、特に制限は
なく、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピ
メリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、
エイコサン二酸等の脂肪族ジカルボン酸、ダイマー酸、
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカル
ボン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フタル酸、1,
5−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ジフェニルエ
ーテルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルスルホンジ
カルボン酸等の芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。
これらのジカルボン酸は、単独で又は2種類以上組み合
わせて用いられる。
【0022】多価カルボン酸成分(a)において、ポリ
カーボネートジオール変性ジカルボン酸と併用できる他
の多価カルボン酸としては、特に制限はなく、例えば、
上記ポリカーボネートジオール変性ジカルボン酸を合成
するためのジカルボン酸、トリメリット酸無水物、ピロ
メリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二
無水物、s−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ジ
フェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、メチルシ
クロヘキセンテトラカルボン酸二無水物、エチレングリ
コールビスアンヒドロトリメリテート等の多価カルボン
酸無水物、ポリエチレングリコール変性ジカルボン酸、
ポリプロピレングリコール変性ジカルボン酸、ポリテト
ラメチレングリコール変性ジカルボン酸などが挙げられ
る。これらの他の多価カルボン酸は、単独で又は2種以
上組み合わせて用いられる。
【0023】本発明において(A)成分の酸無水物変性
ポリアミド系樹脂の製造中間体であるカルボキシル基含
有ポリアミド系樹脂(c)は、上記多価カルボン酸成分
(a)とジイソシアネート(b)とを、当量比[(a)
のカルボキシル基/(b)のイソシアネート基]が1を
超える条件で反応(脱炭酸アミド化)させて得られる。
【0024】この当量比[(a)のカルボキシル基/
(b)のイソシアネート基]は、1.03〜3とするこ
とが好ましく、1.05〜1.5とすることがより好ま
しく、1.1〜1.3とすることが特に好ましい。この
当量比[(a)のカルボキシル基/(b)のイソシアネ
ート基]が1.03未満であると、カルボキシル基を持
たないものが生成し易く、また、反応を制御しにくい
(反応系がイソシアネート基の副反応によりゲル化し易
い)傾向があり、当量比が3を超えると多価カルボン酸
が未反応物として残存し易く、フレキシブルプリント配
線板用カバーレイとしての耐熱性が低下する傾向があ
る。
【0025】ジイソシアネート(b)としては、特に制
限はなく、例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソ
シアネート(MDI)、2,6−トリレンジイソシアネ
ート(2,6−TDI)、2,4−トリレンジイソシア
ネート(2,4−TDI)、1,5−ナフタレンジイソ
シアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレ
ンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジ
イソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、m
−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香族
ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、
2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネー
ト、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシア
ネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、
4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート
(水添化4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト)、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネ
ート、水添化m−キシリレンジイソシアネート等の脂環
式ジイソシアネート、3,9−ビス(3−イソシアネー
トプロピル)−2,4,8,10−テトラスピロ[5,
5]ウンデカン等の複素環式ジイソシアネートなどが挙
げられ、なかでも、カバーレイとしての耐熱性向上の点
で芳香族ジイソシアネートが好ましい。これらのジイソ
シアネート(b)は、単独で使用してもよいが2種以上
組み合わせて使用する方が、酸無水物変性ポリアミド系
樹脂の溶解性向上等の点で好ましい。
【0026】多価カルボン酸成分(a)とジイソシアネ
ート(b)とから、カルボキシル基含有ポリアミド系樹
脂(c)を得る反応(脱炭酸アミド化)は、有機溶媒中
で実施される。有機溶媒としては、特に制限はなく、例
えば、γ−ブチロラクトン(γ−BL)等のラクトン
類、シクロへキサノン等のケトン類、ジグライム、トリ
グライム、テトラグライム等のグライム類、N−メチル
−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、
N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等のアミド
類、N,N−ジメチルエチレンウレア、N,N−ジメチ
ルプロピレンウレア、テトラメチルウレア等のウレア
類、スルホラン等のスルホン類などが挙げられ、なかで
も、γ−ブチロラクトンを主成分とするものが、感光性
カバーレイフィルム製造プロセスにおける残存溶剤低減
の点で好ましい。
【0027】また、(a)成分と(b)成分とから
(c)成分を得る反応温度は、100〜300℃とする
ことが好ましく、150〜250℃とすることがより好
ましく、170〜230℃することが特に好ましい。
【0028】本発明の感光性樹脂組成物の(A)成分で
ある酸無水物変性ポリアミド系樹脂の製造中間体である
エポキシ基含有ポリアミド系樹脂(e)は、上記カルボ
キシル基含有ポリアミド系樹脂(c)に対してエポキシ
樹脂(d)を当量比[(d)のエポキシ基/(c)のカ
ルボキシル基]が1以上となる条件で反応(ヒドロキシ
エチルエステル化)させて得られる。この当量比
[(d)のエポキシ基/(c)のカルボキシル基]は、
1〜3とすることが好ましく、1.05〜1.5とする
ことがより好ましく、1.1〜1.3とすることが特に
好ましい。この当量比[(d)のエポキシ基/(c)の
カルボキシル基]が1未満であると、エポキシ基を持た
ないものが生成し易い傾向にあり、一方、当量比が3を
超えるとカバーレイの橋架け密度が高くなり、耐折性が
低下する傾向がある。
【0029】また、エポキシ基含有ポリアミド系樹脂
(e)のエポキシ当量は、1,000〜40,000と
することが好ましく、2,000〜30,000とする
ことがより好ましく、3,000〜20,000とする
ことが特に好ましく、5,000〜15,000とする
ことが極めて好ましい。このエポキシ当量が1,000
未満であると、フィルム形成性が低下する傾向があり、
40,000を超えると感光性樹脂組成物の現像性が低
下する傾向がある。
【0030】ここで用いられるエポキシ樹脂(d)とし
ては、特に制限はなく、例えば、ビスフェノールΑ型エ
ポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールΑ型エポキシ
樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノー
ルΑD型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂等の
2官能芳香族グリシジルエーテル、フェノールノボラッ
ク型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹
脂、ジシクロペンタジエン−フェノール型エポキシ樹
脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂等の多官
能芳香族グリシジルエーテル、ポリエチレングリコール
型エポキシ樹脂、ポリプロピレングリコール型エポキシ
樹脂、ネオペンチルグリコール型エポキシ樹脂、ヘキサ
ンジオール型エポキシ樹脂等の2官能脂肪族グリシジル
エーテル、水添化ビスフェノールA型エポキシ樹脂等の
2官能脂環式グリシジルエーテル、トリメチロールプロ
パン型エポキシ樹脂、ソルビトール型エポキシ樹脂、グ
リセリン型エポキシ樹脂等の多官能脂肪族グリシジルエ
ーテル、フタル酸グリシジルエステル等の2官能芳香族
グリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジ
ルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステ
ル等の2官能脂環式グリシジルエステル、N,N−ジグ
リシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトリフルオロ
メチルアニリン等の2官能芳香族グリシジルアミン、
N,N,N′,N′−テトラグリシジル−4,4−ジア
ミノジフェニルメタン、1,3−ビス(N,N−グリシ
ジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,o−トリ
グリシジル−p−アミノフェノール等の多官能芳香族グ
リシジルアミン、アリサイクリックジエポキシアセター
ル、アリサイクリックジエポキシアジペート、アリサイ
クリックジエポキシカルボキシレート、ビニルシクロヘ
キセンジオキシド等の2官能脂環式エポキシ樹脂、トリ
グリシジルイソシアヌレート等の多官能複素環式エポキ
シ樹脂、オルガノポリシロキサン型エポキシ樹脂等の2
官能又は多官能ケイ素含有エポキシ樹脂などが挙げられ
る。これらのうちでは、反応が制御し易い点で、2官能
エポキシ樹脂が好ましく、2官能エポキシ樹脂のなかで
も、カバーレイとしての耐熱性向上の点で、2官能芳香
族グリシジルエーテルがより好ましく、そのなかでも、
廉価等の点で、ビスフェノールΑ型エポキシ樹脂が特に
好ましい。これらのエポキシ樹脂(d)は、単独で又は
2種以上組み合わせて用いられる。
【0031】カルボキシル基含有ポリアミド系樹脂
(c)とエポキシ樹脂(d)とから、エポキシ基含有ポ
リアミド系樹脂(e)を得る反応(ヒドロキシエチルエ
ステル化)温度は、50〜250℃とすることが好まし
く、100〜200℃することがより好ましく、120
〜180℃とすることが特に好ましい。
【0032】本発明における(A)成分の酸無水物変性
ポリアミド系樹脂は、上記エポキシ基含有ポリアミド系
樹脂(e)及び/又は(e)に対してモノカルボン酸
(f)を当量比[(f)のカルボキシル基/(e)のエ
ポキシ基]が1以上となる条件で反応させて得られるエ
ポキシ基封鎖型ポリアミド系樹脂(g)に対して、環状
多価カルボン酸モノ無水物(h)を当量比[(h)の酸
無水物基/(e)及び/又は(g)の水酸基]が0.1
〜2の範囲、エチレン性不飽和基を有するイソシアネー
ト単量体(i)を当量比[(i)のイソシアネート基/
(e)及び/又は(g)の水酸基]が2以下の範囲とな
る条件で反応させて得られる。
【0033】上記エポキシ基封鎖型ポリアミド系樹脂
(g)を得るために、エポキシ基含有ポリアミド系樹脂
(e)に反応させるモノカルボン酸(f)の当量比
[(f)のカルボキシル基/(e)のエポキシ基]は、
1〜5とすることが好ましく、1.2〜3とすることが
より好ましく、1.5〜2.5とすることが特に好まし
い。この当量比が1未満であると未反応のエポキシ基が
残存し、感光性樹脂組成物としての保存安定性が低下す
る傾向があり、当量比が5を超えると未反応のモノカル
ボン酸(f)が多量に残存し、ポリマーワニスの皮膚刺
激性が増大する傾向にある。モノカルボン酸(f)とし
ては、特に制限はなく、例えば、メタクリル酸、アクリ
ル酸等のエチレン性不飽和基含有モノカルボン酸、ギ
酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、へキサン酸等の飽和型
脂肪族モノカルボン酸、安息香酸、ジフェニル酢酸等の
飽和型芳香族モノカルボン酸などが挙げられる。これら
のうちでは、(A)成分の酸無水物変性ポリアミド系樹
脂の光硬化性を向上できる点で、エチレン性不飽和基含
有モノカルボン酸が好ましい。これらのモノカルボン酸
(f)は、単独で又は2種類以上組み合わせて用いられ
る。
【0034】環状多価カルボン酸無水物(h)とエポキ
シ基含有ポリアミド系樹脂(e)及び/又はエポキシ基
封鎖型ポリアミド系樹脂(g)の当量比[(h)の酸無
水物基/(e)及び/又は(g)の水酸基]は0.1〜
2とされ、0.2〜1とすることが好ましく、0.3〜
0.9とすることがより好ましく、0.5〜0.8とす
ることが特に好ましい。この当量比が0.1未満である
と、感光性樹脂組成物の現像性が低下する傾向があり、
2を超えると、環状多価カルボン酸モノ無水物(h)
が、未反応物として多量に残留し、酸無水物変性ポリア
ミド系樹脂の保存安定性が低下する傾向がある。
【0035】環状多価カルボン酸モノ無水物(h)とし
ては、特に制限はなく、例えば、テトラヒドロフタル酸
無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、トリアル
キルテトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル
酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、ナジッ
ク酸無水物、メチルナジック酸無水物、メチル2置換ブ
テニルテトラヒドロフタル酸無水物、イタコン酸無水
物、コハク酸無水物、シトラコン酸無水物、アルケニル
酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、トリカルバリル
酸無水物、マレイン酸無水物、マレイン酸無水物のリノ
レイン酸付加物、メチルシクロペンタジエンのマレイン
酸無水物付加物、アルキル化エンドアルキレンテトラヒ
ドロフタル酸無水物、フタル酸無水物、トリメリット酸
無水物、クロレンド酸無水物、テトラクロロフタル酸無
水物、テトラブロモフタル酸無水物などが挙げられ、な
かでも、反応性、反応収率、廉価等の点で、テトラヒド
ロフタル酸無水物が好ましい。これらの環状多価カルボ
ン酸無水物(h)は、単独で又は2種類以上組み合わせ
て用いられる。
【0036】エチレン性不飽和基を有するイソシアネー
ト単量体(i)とエポキシ基含有ポリアミド系樹脂
(e)及び/又はエポキシ基封鎖型ポリアミド系樹脂
(g)の当量比[(i)のイソシアネート基/(e)及
び/又は(g)の水酸基]は2以下とされ、0.05〜
0.9とすることが好ましく、0.1〜0.6とするこ
とがより好ましく、0.15〜0.35とすることが特
に好ましい。この当量比が2を超えると、エチレン性不
飽和基を有するイソシアネート単量体(i)が未反応物
として多量に残留し、(A)成分の酸無水物変性ポリア
ミド系樹脂の保存安定性が低下する傾向にあり、当量比
が0.05未満では、酸無水物変性ポリアミド系樹脂の
光硬化性や感光性樹脂組成物にしたときの感度が低下す
る傾向にある。
【0037】エチレン性不飽和基を有するイソシアネー
ト単量体(i)としては、特に制限はなく、例えば、2
−イソシアネートエチルメタクリレート(IEM)、メ
タクリロイルイソシアネート等が挙げられる。これら
は、単独で又は2種類以上組合せて用いられる。
【0038】エポキシ基含有ポリアミド系樹脂(e)及
び/又はエポキシ基封鎖型ポリアミド系樹脂(g)に対
する、環状多価カルボン酸モノ無水物(h)とエチレン
性不飽和基を有するイソシアネート単量体(i)の総当
量比[(h)の酸無水物基+(i)のイソシアネート基
/(e)及び/又は(g)の水酸基]は、0.6〜1と
することが好ましく、0.8〜1とすることがより好ま
しく、1とすることが特に好ましい。この総当量比
[(h)の酸無水物基+(i)のイソシアネート基/
(e)及び/又は(g)の水酸基]が1を超えると、多
価カルボン酸モノ無水物(h)及び/又はエチレン性不
飽和基を有するイソシアネート単量体(i)が未反応物
として残留し、感光性樹脂組成物の保存安定性が低下
し、皮膚刺激性が増大する傾向があり、0.6未満であ
ると感光性樹脂組成物の現像性と感度が低下する傾向が
ある。
【0039】本発明の感光性樹脂組成物に(B)成分と
して用いられる末端にエチレン性不飽和基を少なくとも
1個有する光重合性不飽和化合物としては、特に制限は
なく、例えば、ジエチレングリコールジメタクリレー
ト、テトラエチレングリコールジアクリレート、ヘキサ
プロピレングリコールジアクリレート、トリメチロール
プロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリ
アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレー
ト、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ジペンタ
エリスリトールペンタアクリレート、トリメチロールプ
ロパントリメタクリレート等の多価アルコールの(メ
タ)アクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシ
エトキシフェニル)プロパン、2,2−(4−アクリロ
キシエトキシフェニル)プロパン、ビスフェノールA、
エピクロルヒドリン系のエポキシ樹脂のアクリル酸又は
メタクリル酸付加物等のエポキシアクリレート、無水フ
タル酸−ネオペンチルグリコール−アクリル酸の1:
2:2モル比の縮合物等の低分子量不飽和ポリエステル
等の分子中にベンゼン環を有する(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルの
アクリル酸又はメタクリル酸との付加物、トリヘキサメ
チレンジイソシアネートと2価アルコールのアクリル酸
モノエステル又はメタクリル酸モノエステルとの反応で
得られるウレタンアクリレート化合物又はウレタンメタ
クリレート化合物、メトキシポリエチレングリコール
(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコ
ール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレング
リコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリ
エチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェ
ノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート
等を挙げることができ、カバーレイとしての耐折性の点
で、ビスフェノールAポリオキシエチレンジメタクリレ
ートが好ましい。これらの化合物は、単独で又は2種以
上を組み合わせて用いることができる。
【0040】本発明の感光性樹脂組成物に(C)成分と
して用いられる光重合開始剤としては、特に制限はな
く、ベンゾフェノン、4,4′−ビス(ジメチルアミ
ノ)ベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、4,4′−ビ
ス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−メトキシ−
4′−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−
2−ジメチルアミノ−1−モルホリノフェニル)−ブタ
ノン−1、2−エチルアントラキノン、フェナントレン
キノン等の芳香族ケトン、ベンゾインメチルエーテル、
ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテ
ル等のベンゾインエーテル、メチルベンゾイン、エチル
ベンゾイン等のベンゾイン、ベンジルメチルケタール等
のベンジル誘導体、2−(o−クロロフェニル)−4,
5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロ
フェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミ
ダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,
5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキ
シフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量
体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニ
ルイミダゾール二量体、2−(2,4−ジメトキシフェ
ニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の
2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、9−フ
ェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジ
ニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体などが挙げられ
る。これらの化合物は、単独で又は2種以上を組み合わ
せて用いることができる。
【0041】本発明の感光性樹脂組成物に(D)成分と
して用いられる
【0042】
【化5】 部分を硫黄原子を含まない5又は6原子を持つ複素環中
に有する複素環式メルカプタン化合物の複素環を構成す
る原子としては、炭素原子、窒素原子、酸素原子等が挙
げられ、複素環式メルカプタン化合物としては、例え
ば、2−メルカプトニコチン酸、2−メルカプトピリジ
ン、2−メルカプト−3−ピリジノール、2−メルカプ
トピリジン−N−オキサイド、4−アミノ−6−ヒドロ
キシ−2−メルカプトピリミジン、4−アミノ−2−メ
ルカプトピリミジン、6−アミノ−5−ニトロソ−2−
チオウラシル、4,5−ジアミノ−6−ヒドロキシ−2
−メルカプトピリミジン、4,6−ジアミノ−2−メル
カプトピリミジン、2,4−ジアミノ−6−メルカプト
ピリミジン、4,6−ジヒドロキシ−2−メルカプトピ
リミジン、4,6−ジメチル−2−メルカプトピリミジ
ン、4−ヒドロキシ−2−メルカプト−6−メチルピリ
ミジン、4−ヒドロキシ−2−メルカプト−6−プロピ
ルピリミジン、2−メルカプト−4−メチルピリミジ
ン、2−メルカプトピリミジン、2−チオウラシル、
3,4,5,6−テトラヒドロ−2−ピリミジンチオー
ル、トリチオシアヌル酸、4,5−ジフェニル−2−イ
ミダゾールチオール、2−メルカプトイミダゾール、2
−メルカプト−1−メチルイミダゾール、4−アミノ−
3−ヒドラジノ−5−メルカプト−1,2,4−トリア
ゾール、3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−ト
リアゾール、2−メチル−4H−1,2,4−トリアゾ
ール−3−チオール、4−メチル−4H−1,2,4−
トリアゾール−3−チオール、3−メルカプト−1H−
1,2,4−トリアゾール、2−メルカプト−4(3
H)−キナゾリン、1−フェニル−1H−テトラゾール
−5−チオール、2−キノリンチオール、2−メルカプ
トベンズイミダゾール、2−メルカプト−5−メチルベ
ンズイミダゾール、2−メルカプト−5−ニトロベンズ
イミダゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、4
−アミノ−6−メルカプトピラゾロ[3,4−d]ピリ
ミジン、2−アミノ−6−プリンチオール、6−メルカ
プトプリン、4−メルカプト−1H−ピラゾロ[3,4
−d]ピリミジン等が挙げられ、これらは単独又は2種
以上を組み合わせて用いられる。
【0043】本発明の感光性樹脂組成物は、(A)成分
の酸無水物変性ポリアミド系樹脂20〜95重量部、
(B)成分の末端にエチレン性不飽和基を少なくとも1
個有する光重合性不飽和化合物5〜80重量部、(C)
成分の光重合開始剤0.01〜20重量部及び(D)成
分の複素環式メルカプタン化合物を0.01〜20重量
部配合することが好ましい(ただし、(A)成分と
(B)成分の総量を100重量部とする。)。
【0044】感光性樹脂組成物中の(A)成分の酸無水
物変性ポリアミド系樹脂の配合量が20重量部未満で
は、感光性エレメントにしたときのフィルム形成性が低
下する傾向があり、95重量部を超えると、感光性エレ
メントにし、フレキシブルプリント配線板の配線を形成
した面に熱圧着してカバーレイとしたときに回路被覆性
や半田耐熱性が低下する傾向がある。(A)成分の配合
量は30〜90重量部とすることがより好ましく、40
〜90重量部とすることが特に好ましい。
【0045】また、本発明の感光性樹脂組成物中の
(B)成分の末端にエチレン性不飽和基を少なくとも1
個有する光重合性不飽和化合物の配合量は、5重量部未
満では感光性樹脂組成物としての感度が低く、感光性エ
レメントにし、フレキシブルプリント配線板の配線を形
成した面に熱圧着してカバーレイとしたときに回路被覆
性が低下する傾向があり、80重量部を超えると、感光
性エレメントとしたときの感光層の流動による側面から
のしみ出しが発生し、保存安定性が低下する傾向があ
る。(B)成分の配合量は、10〜70重量部とするこ
とがより好ましい。
【0046】また、本発明の感光性樹脂組成物中の
(C)成分の光重合開始剤の配合量は、0.01重量部
未満では十分な感度が得にくく、20重量部を超える
と、感光性樹脂組成物の露光表面での光吸収が増大して
内側の光硬化が不十分となる傾向がある。(C)成分の
配合量は0.05〜10重量部とすることがより好まし
い。
【0047】また、本発明の感光性樹脂組成物中の
(D)成分の複素環式化合物の配合量は、0.01重量
部未満では十分な耐金めっき性が得にくく、20重量部
を超えると現像残りが生ずるおそれがある。
【0048】本発明の感光性樹脂組成物には、メラミン
樹脂等の熱硬化成分、染料、顔料、可塑剤、安定剤、難
燃剤、難燃助剤等を必要に応じて添加してもよい。
【0049】本発明の感光性樹脂組成物は、これを支持
体フィルム上に塗布、乾燥し、感光性樹脂組成物の層と
該層を支持する支持体フィルムとを有する感光性積層
体、すなわち感光性フィルムとして使用することもでき
る。支持体としては、重合体フィルム、例えば、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン
等からなるフィルムが用いられ、ポリエチレンテレフタ
レートフィルムが好ましい。これらの重合体フィルム
は、後に感光層から除去可能でなくてはならないため、
除去不可能となるような表面処理が施されたものであっ
たり、材質であってはならない。これら重合体フィルム
の厚さは、通常5〜100μm、好ましくは10〜30
μmである。これら重合体フィルムの一つは感光層の支
持フィルムとして、他の一つは感光層の保護フィルムと
して感光層の両面に積層してもよい。
【0050】感光性フィルムを製造するに際しては、ま
ず、(A)〜(D)成分を含む感光性樹脂組成物を溶剤
に均一に溶解する。溶剤は、感光性樹脂組成物を溶解す
る溶剤であればよく、例えば、トルエン、アセトン、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルセ
ロソルブ、エチルセロソルブ、γ−ブチロラクトン、N
−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムア
ミド、テトラメチルスルホン、ジエチレングリコールジ
メチルエーテル、クロロホルム、塩化メチレン、メチル
アルコール、エチルアルコールなどが用いられる。これ
らの溶剤は単独で又は2種以上を組み合わせて用いても
よい。
【0051】次いで、溶液状の感光性樹脂組成物を前記
支持体フィルム層としての重合体フィルム上に均一に塗
布した後、加熱及び/又は熱風吹き付けにより溶剤を除
去し、乾燥皮膜とする。乾燥皮膜の厚さには特に制限は
なく、通常10〜100μm、好ましくは20〜60μ
mとされる。
【0052】このようにして得られる感光層と支持体フ
ィルムとの2層からなる感光性フィルムは、そのまま又
は感光層の他の面に保護フィルムを更に積層してロール
状に巻き取って貯蔵される。
【0053】この感光性フィルムを用いてフォトレジス
ト画像を製造するに際しては、前記保護フィルムが存在
している場合には、保護フィルムを除去後、感光層を加
熱しながら基板に圧着させることにより積層する。より
好ましくは減圧下で積層する。積層される表面は、通常
エッチング等により配線の形成されるFPCであるが、
特に制限はない。感光層の加熱、圧着は通常90〜13
0℃、圧着圧力2.94×105Pa(3kgf/c
2)で4000Pa(30mmHg)以下の減圧下で
行われるが、これらの条件には特に制限はない。本発明
の感光性フィルムを用いる場合には、感光層を前記のよ
うに加熱すれば、予め基板を予熱処理することは必要で
ない。積層性を更に向上させるために、基板の予熱処理
を行うこともできるのはもちろんである。
【0054】このようにしてフレキシブルプリント配線
板用基板の表面に感光性樹脂組成物の層を有する積層
体、感光性樹脂組成物の層の片面にフレキシブルプリン
ト配線板用基板、他方の表面に支持体フィルムを有する
感光性積層体が得られ、積層が完了した感光層は、次い
でネガフィルム又はポジフィルムを用いて活性光に画像
的に露光される。この際感光層上に存在する重合体フィ
ルムが透明な場合には、そのまま露光してもよく、また
不透明な場合には、当然除去する必要がある。感光層の
保護という点からは、重合体フィルムは透明で、この重
合体フィルムを残存させたまま、それを通して露光する
ことが好ましい。活性光は公知の活性光源、例えばカー
ボンアーク、水銀蒸気アーク、キセノンアーク、その他
から発生する光が用いられる。感光層に含まれる光開始
剤の感受性は、通常紫外線領域において最大であるの
で、その場合は活性光源は紫外線を有効に放射するもの
にすべきである。
【0055】次いで、露光後、感光層上に重合体フィル
ムが存在している場合には、これを除去した後、有機溶
剤等の公知の現像液を用いて、例えばスプレー、揺動浸
漬、ブラッシング、スクラッビング等の公知の方法によ
り未露光部を除去して現像する。現像液としては、例え
ば、三アセトンアルコール、アセトン、酢酸エチル、炭
素数1〜4のアルコキシ基を有するアルコキシエタノー
ル、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチ
ルアルコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノブチルエーテル、1,1,1−トリ
クロロエタン、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−
ジメチルホルムアミド、シクロヘキサノン、メチルイソ
ブチルケトン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。こ
れらは単独又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、その濃度は感光層の現像性に合わせて調整するこ
ともできる。この現像液に界面活性剤、消泡剤などを少
量混入させてもよい。これらの現像液には、引火防止の
目的で1〜30容量%の範囲で水を添加することもでき
る。
【0056】上記のようにして、フレキシブルプリント
配線板の表面上に感光性樹脂のパターンを形成してフレ
キシブルプリント配線板が得られる。現像後、FPCの
カバーレイとしての半田耐熱性、耐薬品性等を向上させ
る目的で、高圧水銀ランプによる紫外線照射や後加熱を
行う。紫外線の照射量は0.2〜10J/cm2程度が
一般に用いられ、この照射の際60〜150℃の加熱を
伴うことがより好ましい。加熱は100〜170℃程度
の範囲で15〜90分ほど行われる。これら紫外線の照
射と加熱の順はどちらが先でもよい。
【0057】このようにしてカバーレイの特性を付与さ
れた後、LSIなどの部品の実装(半田付け)、カメラ
等機器への装着がなされる。
【0058】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳しく説明
するが本発明はこれに限定されるものではない。
【0059】合成例1(ポリカーボネートジオール変性
ジカルボン酸の合成) 撹拌機、温度計、冷却管、留出管及び窒素ガス導入管を
装備したフラスコに、ポリカーボネートジオール(ダイ
セル化学(株)製商品名プラクセルCD210PL、平
均分子量1,000、一般式(I)のR:ヘキシレン基
/3−メチルペンチレン基=7/3)を1,000重量
部(1モル)、セバシン酸を405重量部(2モル)仕
込み、窒素ガス通気下、途中、副生してくる縮合水をト
ルエンで共沸させて留去させながら、1時間かけて20
0℃に昇温した。同温度で3時間保温して脱水エステル
化反応を完結させた後、冷却し、酸価82.5、分子量
(酸価からの算出値)1,360のポリカーボネートジ
オール変性ジカルボン酸(以下、P−1と記す)を得
た。
【0060】合成例2(ポリカーボネートジオール変性
ジカルボン酸の合成) ポリカーボネートジオールとして、ダイセル化学(株)
製の商品名プラクセルCD220PL(平均分子量2,
000、一般式(I)のR:ヘキシレン基/3−メチル
ペンチレン基=7/3)を2,000重量部使用し、セ
バシン酸の代わりにアジピン酸292重量部を用いた以
外は、合成例1と同様の操作により、酸価49.6、分
子量2,260のポリカーボネートジオール変性ジカル
ボン酸(以下、P−2と記す)を得た。
【0061】合成例3(ポリカーボネートジオール変性
ジカルボン酸の合成) ポリカーボネートジオールとして、ダイセル化学(株)
製の商品名プラクセルCD220PLを2000重量部
使用した以外は、合成例1と同様の操作により、酸価4
7.0、分子量2,390のポリカーボネートジオール
変性ジカルボン酸(以下、P−3と記す)を得た。
【0062】合成例4(エポキシ基含有ポリアミド系樹
脂の合成) 撹拌機、温度計、冷却管及び窒素ガス導入管を装備した
フラスコに、多価カルボン酸成分(a)として合成例1
で得たポリカーボネートジオール変性ジカルボン酸(P
−1)57.7重量部(42.4ミリモル)、アジピン
酸4.9重量部(33.6ミリモル)、セバシン酸6.
8重量部(33.7ミリモル)及びイソフタル酸11.
2重量部(67.5ミリモル)の計177.2ミリモ
ル、ジイソシアネート(b)として4,4′−ジフェニ
ルメタンジイソシアネート(以下、MDIと記す)2
2.1重量部(88.4ミリモル)及びトリレンジイソ
シアネート(以下、TDIと記す。2,6−異性体/
2,4−異性体=80/20(モル比))10.3重量
部(59.2ミリモル)の計147.6ミリモル及び反
応溶媒としてγ−ブチロラクトン150重量部を仕込
み、窒素ガス通気下、途中、副生してくる炭酸ガスを系
外に排気しながら200℃に昇温した。同温度で3時間
保温して、脱炭酸アミド化反応を完結させた後、150
℃まで冷却し、加熱残分(220℃/1時間)40重量
%、酸価(樹脂分換算)40.2、分子量(酸価からの
算出値)2,790のカルボキシル基含有ポリアミド系
樹脂(以下、c−1と記す)100重量部(樹脂換算、
35.8ミリモル)を得た。
【0063】次いで、150℃で保温状態にある(c−
1)に、エポキシ樹脂(d)としてビスフェノールΑ型
エポキシ樹脂であるエポミックR140P(三井石油化
学工業(株)製商品名)16.2重量部(43.1ミリ
モル)及び反応溶媒としてN,N−ジメチルホルムアミ
ド66.7重量部を添加し、同温度で3時間保温してヒ
ドロキシエチルエステル化反応を完結させた後、冷却
し、加熱残分(220℃/1時間)35重量%、エポキ
シ当量(樹脂分換算)8,100、水酸基当量(樹脂分
換算)1,620、分子量(設計値)16,200のエ
ポキシ基含有ポリアミド系樹脂(以下、e−1と記す)
を得た。
【0064】また、同様の操作により、表1に示す配合
(樹脂分換算)で、表1に示す性状のカルボキシル基含
有ポリアミド系樹脂(c−2、c−3及びc−4で示
す)及び比較用カルボキシル基含有ポリアミド系樹脂
(c−5及びc−6で示す)を得た後、表2に示す配合
(樹脂分換算)で、表2に示す性状のエポキシ基含有ポ
リアミド系樹脂(e−2,e−3及びe−4で示す)及
び比較用エポキシ基含有ポリアミド系樹脂(e−5及び
e−6で示す)を得た。
【0065】なお、表1中のIPDIはイソホロンジイ
ソシアネートであり、表2中のエピコート1001はビ
スフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ
(株)製)であり、表1及び表2中の配合量の単位は重
量部である。
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】 合成例5(酸無水物変性ポリアミド系樹脂の合成) 撹拌機、温度計、冷却管及び乾燥空気導入管を装備した
フラスコに、エポキシ基含有ポリアミド系樹脂(e)と
して、合成例4で得た(e−1)100重量部(樹脂換
算、6.17ミリモル)、モノカルボン酸(f)として
メタクリル酸2.1重量部(24.4ミリモル)、メト
キノン(ラジカル重合禁止剤)0.21重量部((f)
の10重量%)及びN,N−ジメチルベンジルアミン
(触媒)2.9重量部((e)の溶液の1重量%)を仕
込み、乾燥空気通気下、100℃の昇温した。同温度で
6時間保温してエポキシ基封鎖反応を完結させ、水酸基
当量(樹脂分換算)1,360、分子量(設計値)1
6,370のエポキシ基封鎖型ポリアミド系樹脂(以
下、g−1と記す)を得た。
【0068】また、同様の操作により、表3に示す配合
(樹脂分換算)で、表3に示す性状のエポキシ基封鎖型
ポリアミド系樹脂(g−2、g−3、g−4で示す)及
び比較用エポキシ基封鎖型ポリアミド系樹脂(g−5、
g−6で示す)を得た。
【0069】なお、表3中の配合量の単位は、重量部で
ある。
【0070】
【表3】 次に、100℃で保温状態にある上記エポキシ基封鎖型
ポリアミド系樹脂(g−1)に、環状多価カルボン酸モ
ノ無水物(h)としてテトラヒドロフタル酸無水物8.
5重量部(55.9ミリモル)を添加し、同温度で2時
間保温して反応を完結させた後、60℃まで冷却した。
60℃保温下、エチレン性不飽和基を有するイソシアネ
ート単量体(i)として2−イソシアネートエチルメタ
クリレート2.9重量部(18.7ミリモル)を添加
し、同温度で4時間保温して反応を完結させた後、室温
まで冷却し、加熱残分(220℃/1時間)35重量
%、酸価(樹脂分換算)27.7、分子量(設定値)1
8,200、GPC分子量(ポリスチレン換算値)が数
平均で22,000、重量平均で55,000の酸無水
物変性ポリアミド系樹脂(以下、A−1と記す)を得
た。
【0071】合成例6(酸無水物変性ポリアミド系樹脂
の合成) 撹拌機、温度計、冷却管及び乾燥空気導入管を装備した
フラスコに、エポキシ基含有ポリアミド系樹脂(e)と
して、合成例4で得た(e−1)100重量部(樹脂換
算、6.17ミリモル)、メトキノン(ラジカル重合禁
止剤)0.21重量部及びN,N−ジメチルベンジルア
ミン(触媒)2.9重量部((e)の溶液の1重量%)
を仕込み、乾燥空気通気下、100℃に昇温した。昇温
後、環状多価カルボン酸モノ無水物(h)としてテトラ
ヒドロフタル酸無水物8.5重量部(55.9ミリモ
ル)を添加し、同温度で2時間保温して反応を完結させ
た後、60℃まで冷却した。60℃保温下、エチレン性
不飽和基を有するイソシアネート単量体(i)として2
−イソシアネートエチルメタクリレート2.9重量部
(18.7ミリモル)を添加し、同温度で4時間保温し
て反応を完結させた後、室温まで冷却し、加熱残分(2
20℃/1時間)35重量%、酸価(樹脂分換算)2
3.1、分子量(設定値)18,000、GPC分子量
(ポリスチレン換算値)が数平均で25,000、重量
平均で69,000の酸無水物変性ポリアミド系樹脂
(以下、A−7と記す)を得た。
【0072】合成例7(酸無水物変性ポリアミド系樹脂
の合成) 撹拌機、温度計、冷却管及び乾燥空気導入管を装備した
フラスコに、エポキシ基含有ポリアミド系樹脂(e)と
して、合成例4で得た(e−1)100重量部(樹脂換
算、6.17ミリモル)、モノカルボン酸(f)として
メタクリル酸2.1重量部(24.4ミリモル)、メト
キノン(ラジカル重合禁止剤)0.21重量部((f)
の10重量%)及びN,N−ジメチルベンジルアミン
(触媒)2.9重量部((e)の溶液の1重量%)を仕
込み、乾燥空気通気下、100℃に昇温した。同温度で
6時間保温してエポキシ基封鎖反応を完結させ、水酸基
当量(樹脂分換算)1,360、分子量(設定値)1
6,370のエポキシ基封鎖型ポリアミド系樹脂(以
下、g−1と記す)を得た。次いで、100℃で保温状
態にある(g−1)に、環状多価カルボン酸モノ無水物
(h)としてテトラヒドロフタル酸無水物11.3重量
部(74.3ミリモル)を添加し、同温度で2時間保温
して反応を完結させた後、冷却し、加熱残分(220℃
/1時間)35重量%、酸価(樹脂分換算)36.9、
分子量(設定値)18,210、GPC分子量(ポリス
チレン換算値)が数平均で23,000、重量平均で5
7,000の酸無水物変性ポリアミド系樹脂(以下、A
−8と記す)を得た。
【0073】上記合成例5〜7と同様の操作により、表
4に示す配合(樹脂分換算)で、表4に示す性状の酸無
水物変性ポリアミド系樹脂(A−2、Α−3、A−4で
示す)及び比較用酸無水物変性ポリアミド系樹脂(A−
5、Α−6で示す)を得た。
【0074】なお、表4中の配合量の単位は、重量部で
あり、THPACはテトラヒドロフタル酸無水物であ
り、IEMは、2−イソシアネートエチルメタクリレー
ト、γ−BLはγ−ブチロラクトン、DMFはN,N−
ジメチルホルムアミドである。
【0075】
【表4】 実施例1 表5の材料を配合して感光性樹脂組成物の溶液を調製し
た。
【0076】
【表5】 得られた感光性樹脂組成物の溶液を20μmの厚さのポ
リエチレンテレフタレートフィルム上に均一に塗布し、
80〜110℃の熱風対流式乾燥機で約10分間乾燥し
て溶剤を除去した。感光性樹脂組成物の乾燥後の厚さ
は、約50μmであった。感光性樹脂組成物の層の上に
は、さらに厚さ約25μmのポリエチレンフィルムを保
護フィルムとして貼りあわせ、感光性フィルムを得た。
【0077】得られた感光性フィルムの感光特性、レジ
スト形成後の半田耐熱性、耐折性、耐金めっき性、めっ
き析出性について、下記の方法で測定し、結果を表8に
示す。
【0078】感光特性 35μm厚の銅箔をポリイミド基材に積層したフレキシ
ブルプリント配線板用基板(ニッカン工業(株)製、商
品名F30VC125RC11)の銅表面を砥粒ブラシ
で研磨し、水洗後、乾燥した。このフレキシブルプリン
ト配線板用基板上に連続式真空ラミネータ(日立化成工
業(株)製、商品名VLM−1型)を用いて、ヒートシ
ュー温度120℃、ラミネート速度0.5m/s、気圧
4.0×103Pa以下、圧着圧力3.0×105Paで
前記感光性フィルムをポリエチレンフィルムを剥がしな
がら積層した。
【0079】次に、得られた試料のポリエチレンテレフ
タレートフィルムの上から、コダックステップタブレッ
トNo.2(イーストマンコダック(株)製、21段ス
テップタブレット)を密着させ、(株)オーク製作所製
HMW−201GX型露光機を使用して所定量露光し
た。続いて、100℃で10分間加熱した後、N−メチ
ル−2−ピロリドン/水=80/20(容量比)現像液
で40℃で70秒間スプレー現像し、ステップタブレッ
ト段数8段を得るために必要な露光量を感度とした。
【0080】また、フォトツール(コダックステップタ
ブレットNo.2とライン/スペース(μm)=30/
30〜250/250(解像度)、及びライン/スペー
ス(μm)=30/400〜250/400(密着性)
のネガパターンを有するフォトツール)を、得られた試
料のポリエチレンテレフタレートフィルムの上から密着
させ、ステップタブレット段数8段を得られる露光量で
露光し、現像したときに矩形のレジスト形状が得られる
最も小さい解像度パターンのライン/スペースの値を解
像度とした。
【0081】半田耐熱性 上記と同様に、フレキシブルプリント配線板用基板に
感光性フィルムを積層した試料のポリエチレンテレフタ
レートフィルムの上から試験用ネガマスクを密着させ、
ステップタブレット段数8段を得られる露光量で露光し
た。常温で1時間放置した後、試料のポリエチレンテレ
フタレートフィルムを剥がし、と同様の現像液及び現
像条件でスプレー現像し、80℃で10分間乾燥した。
次いで、東芝電材(株)製紫外線照射装置を使用して3
J/cm2の紫外線照射を行い、さらに150℃で60
分間加熱処理を行い、カバーレイを形成したフレキシブ
ルプリント配線板を得た。
【0082】次いで、ロジン系フラックスMH−820
V(タムラ化研(株)製)を塗布した後、260℃の半
田浴中に30秒浸漬して半田処理を行った。このような
操作の後、カバーレイのクラック発生状況、基板からの
カバーレイの浮きや剥がれの状況を目視で次の基準で評
価した。
【0083】 良好:クラック、浮き及び剥がれがないもの 不良:クラック、浮き及び剥がれが発生したもの 耐折性 上記と同様の操作で得たフレキシブルプリント配線板
用基板上にカバーレイを形成し、半田付け処理を行った
試料をハゼ折りで180℃折り曲げ、折り曲げた際のカ
バーレイのクラックの発生状況を目視で下記の基準で評
価した。
【0084】 良好:クラックの発生がないもの 不良:クラックが発生したもの 耐金めっき性 上記と同様の操作で得たフレキシブルプリント配線板
用基板上にカバーレイを形成した試料を表6に示す金め
っき処理を行い、カバーレイ端部からの金めっきのもぐ
り込み状況を30倍の倍率の実体顕微鏡を用いて下記の
基準で評価した。
【0085】 良好:カバーレイ端部からのめっきのもぐりが5μm未
満のもの 不良:カバーレイ端部からのめっきのもぐりが5μm以
上のもの
【0086】
【表6】 各行程間には流水による水洗を行う。
【0087】めっき析出性 上記と同様の操作でフレキシブルプリント配線板用基
板上にカバーレイを形成して金めっき処理を行い、金め
っきが施された導体部分のめっき析出状況を30倍の倍
率の実体顕微鏡を用いて下記の基準で評価した。
【0088】良好:めっき表面が平滑なもの 不良:めっき表面が平滑でないもの又はめっきがコブ状
や枝状に異常析出しているもの 実施例2〜13、比較例1〜6、参考例1、2 実施例1で用いた酸無水物変性ポリアミド系樹脂、光重
合性不飽和化合物、光重合開始剤、複素環式メルカプタ
ン化合物及び添加剤を、表7及び8に示すものに変えた
以外は実施例1と同様にして感光性フィルムを作成し、
実施例1と同様の行程でカバーレイを作成し、評価し
た。結果を表9に示す。
【0089】なお、表7及び8において、TM−Aはト
リメチルヘキサメチレンジイソシアネート2モル、2−
ヒドロキシエチルメタクリレート2モル及びシクロヘキ
サンジメタノール1モルとから合成したウレタンアクリ
レート化合物であり、BPはベンゾフェノン、EΑBは
4,4′−ビスジエチルアミノベンゾフェノンであり、
I−651は2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニル
エタン−1−オンであり、AMTは3−アミノ−5−メ
ルカプト−1H−1,2,4−トリアゾール、MTRは
3−メルカプト−1H−1,2,4−トリアゾール、P
MTは1−フェニル−5−メルカプト−1,2,3,4
−テトラゾール、ΑMTDは2−アミノ−5−メルカプ
ト−1,3,4−チアジアゾール、DTは2,5−ジメ
ルカプト−1,3,4−チアジアゾール、MTHは2−
メルカプト−2−チアゾールであり、配合量の単位は重
量部である。
【0090】
【表7】
【0091】
【表8】
【0092】
【表9】
【0093】
【発明の効果】本発明の感光性樹脂組成物は感度、解像
性に優れ、写真法によりパターンを効率よく形成でき、
かつ、耐熱性、半田処理後の耐折性、耐金めっき性に優
れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08G 18/83 C08G 18/83 73/00 73/00 C08L 77/00 C08L 77/00 G03F 7/004 512 G03F 7/004 512 7/027 502 7/027 502 7/028 7/028 7/037 501 7/037 501 H05K 1/03 670 H05K 1/03 670Z 3/18 3/18 D 3/28 3/28 D (72)発明者 吉田 哲也 茨城県日立市東町4丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎工場内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)主鎖がアルキレン鎖とカーボネー
    ト基で構成されているポリカーボネートジオールで変性
    されたポリカーボネートジオール変性ジカルボン酸を必
    須成分として含んでなる多価カルボン酸成分(a)とジ
    イソシアネート(b)とを当量比[(a)のカルボキシ
    ル基/(b)のイソシアネート基]が1を超える条件で
    反応させて得られるカルボキシル基含有ポリアミド系樹
    脂(c)に対して、エポキシ樹脂(d)を当量比
    [(d)のエポキシ基/(c)のカルボキシル基]が1
    以上となる条件で反応させて得られるエポキシ基含有ポ
    リアミド系樹脂(e)及び/又は(e)に対してモノカ
    ルボン酸(f)を当量比[(f)のカルボキシル基/
    (e)のエポキシ基]が1以上となる条件で反応させて
    得られるエポキシ基封鎖型ポリアミド系樹脂(g)に対
    して、環状多価カルボン酸モノ無水物(h)を当量比
    [(h)の酸無水物基/(e)及び/又は(g)の水酸
    基]が0.1〜2の範囲、エチレン性不飽和基を有する
    イソシアネート単量体(i)を当量比[(i)のイソシ
    アネート基/(e)及び/又は(g)の水酸基]が2以
    下の範囲となる条件で反応させて得られる酸無水物変性
    ポリアミド系樹脂、(B)末端にエチレン性不飽和基を
    少なくとも1個有する光重合性不飽和化合物、(C)活
    性光の照射により遊離ラジカルを生成する光重合開始剤
    及び(D) 【化1】 部分を硫黄原子を含まない5又は6原子を持つ複素環中
    に有する複素環式メルカプタン化合物を含有してなるこ
    とを特徴とする感光性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (a)成分中のアルキレン鎖とカーボネ
    ート基で構成されているポリカーボネートジオールで変
    性されたポリカーボネートジオール変性ジカルボン酸が
    下記一般式(I)で表されるポリカーボネートジオール
    で変性されたものである請求項1記載の感光性樹脂組成
    物。 【化2】 (式中、Rは炭素数1〜10のアルキレン基で、分岐し
    ていてもよく、1分子中に複数存在する場合、Rは同一
    であっても異なっていてもよい。nは正の整数を表
    す。)
  3. 【請求項3】 (A)成分の酸無水物変性ポリアミド系
    樹脂20〜95重量部、(B)成分の光重合性不飽和化
    合物5〜80重量部(ただし(A)成分と(B)成分の
    総量を100重量部とする。)、(C)成分の光重合開
    始剤0.01〜20重量部(ただし(A)成分と(B)
    成分の総量を100重量部とする。)及び(D)成分の
    複素環式メルカプタン化合物0.01〜20重量部(た
    だし(A)成分と(B)成分の総量を100重量部とす
    る。)を含有してなる請求項1又は2記載の感光性樹脂
    組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3何れかに記載の感光性樹脂
    組成物の層と該層を支持する支持体フィルムとを有する
    感光性積層体。
  5. 【請求項5】 フレキシブルプリント配線板用基板の表
    面に請求項1〜3何れかに記載の感光性樹脂組成物の層
    を有する感光性積層体。
  6. 【請求項6】 請求項1〜3何れかに記載の感光性樹脂
    組成物の層の片面にフレキシブルプリント配線板用基
    板、他方の表面に支持体フィルムを有する感光性積層
    体。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6に記載の感光性積層体を
    活性光で像的に照射し、現像することによりフレキシブ
    ルプリント配線板用基板の表面上に感光性樹脂組成物の
    パターンを形成することを特徴とするフレキシブルプリ
    ント配線板の製造法。
  8. 【請求項8】 現像後に活性光を照射する工程と後加熱
    する工程を含む請求項7記載のフレキシブルプリント配
    線板の製造法。
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