JPH1087785A - 酸無水物変性ポリアミド系樹脂の製造法 - Google Patents

酸無水物変性ポリアミド系樹脂の製造法

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JPH1087785A
JPH1087785A JP8239636A JP23963696A JPH1087785A JP H1087785 A JPH1087785 A JP H1087785A JP 8239636 A JP8239636 A JP 8239636A JP 23963696 A JP23963696 A JP 23963696A JP H1087785 A JPH1087785 A JP H1087785A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 微細で高精度なレジストパターンを有し、か
つ、耐折性、はんだ耐熱性、難燃性に優れたフレキシブ
ルプリント配線板用カバーレイの製造用のポリアミド系
樹脂の製造法の提供。 【解決手段】 ポリアルキレングリコール変性又はポリ
カーボネートジオール変性ジカルボン酸を必須成分とす
る多価カルボン酸成分(a)とジイソシアネート(b)
とを当量比が1を超える条件で反応させて得るカルボン
酸含有ポリアミド系樹脂(c)に対して、エポキシ樹脂
(d)を当量比が1以上の条件で反応させて得るエポキ
シ基含有ポリアミド系樹脂(e)及び/又は(e)に対
してモノカルボン酸(f)を当量比が1以上の条件で反
応させて得るエポキシ基封鎖型ポリアミド系樹脂(g)
に対して、環状多価カルボン酸モノ無水物(h)を当量
比が0.1〜2の範囲、エチレン性不飽和基含有モノイ
ソシアネート単量体(i)を当量比が0〜2の範囲で反
応させる酸無水物変性ポリアミド系樹脂の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸無水物変性ポリ
アミド系樹脂の製造法に関する。さらに詳しくは、フォ
トリソグラフィーによる微細で高精度なレジストパター
ンを有し、かつ、耐折性、はんだ耐熱性、難燃性に優れ
たフレキシブルプリント配線板用カバーレイにおいて、
その製造に用いられる感光性樹脂組成物のポリマー成分
として好適な酸無水物変性ポリアミド系樹脂の製造法に
関する。
【0002】
【従来の技術】現在、フレキシブルプリント配線板(F
PC)の外層回路保護膜用材料としては、ポリイミド樹
脂が用いられており、それを用いた加工プロセスは、ポ
リイミド樹脂のフィルムを金型で打抜き、熱圧着する
(カバーレイ)又はポリイミド樹脂のインクをスクリー
ン印刷する(カバーコート)方式で行われている。しか
し、前者は、打抜きパターンの微細化に限界があり、狭
ピッチ化するQFPパッド間のソルダダムへ適用できな
い、張合せ時の位置精度に限界があり、位置ずれ裕度を
考慮した回路設計が必要であるためFPCを高密度化及
び小型化できないという問題があり、後者には、スクリ
ーン印刷のため前者と同様、パターンの微細化に限界が
あり、また、作業性が悪いという問題がある。
【0003】これらの問題を解決できる方法として、ポ
リイミド樹脂前駆体であるポリアミック酸をポリマー成
分とし、これに、エチレン性不飽和基含有光架橋モノマ
ー及び光開始剤を配合した感光性樹脂組成物をフレキシ
ブルプリント配線板上に形成し、露光、現像、加熱によ
り微細なレジストパターンを有するカバーレイを形成す
る方法が特開昭64−2037号公報、特開昭64−4
84893号公報、特開平5−158237号公報及び
特開平6−298935号公報などに開示されている
が、光線透過率が低く、カバーレイに必要な厚膜が形成
できない、ポリアミック酸を閉環させてポリイミド樹脂
に転化するためには、最終的に250℃以上の高温加熱
処理が必要であり、銅回路の酸化、接着剤層の劣化、基
板の反り等が起こる問題がある。また、熱可塑性ポリイ
ミド樹脂と熱硬化性ポリイミド樹脂を用いて、フレキシ
ブルプリント配線板上に二層構造のカバーレイを熱圧着
で形成し、次に、その上にスクリーン印刷でレジストパ
ターンを形成した後、カバーレイをアルカリエッチング
する方法が特開平5−183260号公報に、ポリアミ
ック酸と感光性樹脂からなる二層構造を有するフィルム
をフレキシブルプリント配線板上にラミネートし、ま
ず、感光性樹脂層を露光、現像でパターニングした後、
引き続き、ポリアミック酸層をアルカリエッチングする
方法が特開平5−254064号公報に開示されている
が、前者は、スクリーン印刷のためパターンの微細化に
限界がある、作業性が悪い、二層構造のポリイミド樹脂
フィルムのためコストが高いという問題があり、後者に
は、いわゆるウエットラミネーションが必要である、感
光性樹脂層とポリアミック酸層の2回の現像プロセスが
必要である等作業性が悪く、さらに、ポリアミック酸を
閉環させてポリイミド樹脂に転化するためには、最終的
に250℃以上の高温加熱処理が必要であり、銅回路の
酸化、接着剤層の劣化、基板の反り等が起こる等の問題
がある。
【0004】一方、従来プリント配線板分野で主流を占
めているアクリル樹脂系の感光性フィルムをカバーレイ
に用いたフレキシブルプリント配線板の製造方法が特開
昭56−6498号公報、特開昭59−230014号
公報(特公昭61−10484号公報)に提案されてい
る。この方法では、従来のプリント配線板の分野で用い
られてきたドライフィルムタイプの永久マスクレジスト
と同様のプロセスで容易にカバーレイを形成でき、か
つ、安価であるが、可とう性と耐熱性、あるいは、可と
う性と耐溶剤性の両立が困難である。また、アクリル樹
脂と特定のエチレン性不飽和基含有ウレタン系光橋架け
剤を組み合わせてなる感光性フィルムをカバーレイフィ
ルムに用いることが特開平6−332171号公報に提
案されているが、耐溶剤性、電気的信頼性、難燃性が不
十分である。現在、アクリル樹脂系に代わる上記問題点
のない樹脂系は見い出されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、フォ
トリソグラフィーによる微細で高精度なレジストパター
ンを有し、かつ、耐折性、はんだ耐熱性、難燃性に優れ
たフレキシブルプリント配線板用カバーレイにおいて、
その製造に用いられる感光性樹脂組成物のポリマー成分
として好適な低弾性、高伸長性、かつ、耐熱性の良好な
酸無水物変性ポリアミド系樹脂の製造法を提供すること
にある。
【0006】本発明の他の目的は、さらにワニスの保存
安定性、フィルム光線透過率の経時安定性に優れた酸無
水物変性ポリアミド系樹脂の製造法を提供することにあ
る。
【0007】本発明の他の目的は、さらに耐熱性が向上
した酸無水物変性ポリアミド系樹脂の製造法を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリアルキレ
ングリコール変性ジカルボン酸又はポリカーボネートジ
オール変性ジカルボン酸を必須成分として含んでなる多
価カルボン酸成分(a)とジイソシアネート(b)とを
当量比((a)のカルボキシル基/(b)のイソシアネ
ート基)が1を超える条件で反応させて得られるカルボ
ン酸含有ポリアミド系樹脂(c)に対して、エポキシ樹
脂(d)を当量比((d)のエポキシ基/(c)のカル
ボキシル基)が1以上の条件で反応させて得られるエポ
キシ基含有ポリアミド系樹脂(e)及び/又は(e)に
対してモノカルボン酸(f)を当量比((f)のカルボ
キシル基/(e)のエポキシ基)が1以上の条件で反応
させて得られるエポキシ基封鎖型ポリアミド系樹脂
(g)に対して、環状多価カルボン酸モノ無水物(h)
を当量比((h)の酸無水物/(e)及び/又は(g)
の水酸基)が0.1〜2の範囲、エチレン性不飽和基含
有モノイソシアネート単量体(i)を当量比((i)の
イソシアネート基/(e)及び/又は(g)の水酸基)
が0〜2の範囲で反応させることを特徴とする酸無水物
変性ポリアミド系樹脂の製造法を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明における酸無水物変性ポリ
アミド系樹脂の製造原料である多価カルボン酸成分
(a)は、ポリアルキレングリコール変性ジカルボン酸
又はポリカーボネートジオール変性ジカルボン酸を必須
成分として含んでなる。
【0010】多価カルボン酸成分(a)中のポリアルキ
レングリコール変性ジカルボン酸又はポリカーボネート
ジオール変性ジカルボン酸の配合量は、合計量で10〜
100重量%とすることが好ましく、30〜90重量%
とすることがより好ましく、50〜80重量%とするこ
とが特に好ましい。配合量が10重量%未満では、低弾
性、高伸長性の酸無水物変性ポリアミド系樹脂が得られ
なくなる傾向がある。
【0011】ポリアルキレングリコール変性ジカルボン
酸は基板に対する密着性、耐現像液性を向上させるのに
優れ、ポリカーボネートジオール変性ジカルボン酸は耐
折性、耐熱性、耐湿性を向上させるのに優れる上、他材
料との相溶性に優れている。
【0012】ポリアルキレングリコール変性ジカルボン
酸は、ポリアルキレングリコールとジカルボン酸とを当
量比(ジカルボン酸のカルボキシル基/ポリアルキレン
グリコールの水酸基)が1を超える条件で反応(脱水エ
ステル化)させて合成することができる。この当量比
(ジカルボン酸のカルボキシル基/ポリアルキレングリ
コールの水酸基)は、1.1〜3とすることが好まし
く、1.3〜2.5とすることがより好ましく、1.5
〜2とすることが特に好ましい。
【0013】この当量比(ジカルボン酸のカルボキシル
基/ポリアルキレングリコールの水酸基)が1.1未満
では、片末端にしかカルボキシル基をもたないもの(他
方の片末端に水酸基を有するもの)や両末端ともカルボ
キシル基をもたないもの(両末端に水酸基を有するも
の)が生成し易く、当量比が3を超えると合成中、一度
生成したポリアルキレングリコール変性ジカルボン酸
が、未反応物として残存するジカルボン酸により酸加水
分解を起こし易くなり、酸無水物変性ポリアミド系樹脂
の耐熱性が低下する傾向がある。
【0014】ポリアルキレングリコール変性ジカルボン
酸を合成するためのポリアルキレングリコールとして
は、特に制限はなく、例えば次式で表されるものが挙げ
られる。
【0015】HO(R1O)n1−OH (式中、R1は炭素数1〜6の2価アルコール残基を表
し、nは1〜500の整数である。) 例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド
付加物、ポリテトラメチレングリコールなどが挙げられ
るが、ワニスの保存安定性、フィルム光線透過率の経時
安定性に優れた酸無水物変性ポリアミド系樹脂が得られ
る点で、非晶性が付与された常温で液状のポリアルキレ
ングリコールが好ましい。常温で液状のポリアルキレン
グリコールとしては、上記の例では、ポリプロピレング
リコール(例えば、三洋化成工業(株)製商品名ニュー
ポールPP−シリーズ等)、ポリプロピレングリコール
エチレンオキサイド付加物(例えば、三洋化成工業
(株)製商品名ニューポールPE−61、ニューポール
PE−62、ニューポールPE−71等)が挙げられ
る。これらのポリアルキレングリコールは、単独で又は
2種類以上組み合わせて用いられる。なお、ポリアルキ
レングリコールの分子量(水酸価からの算出値)は、2
00〜5000とすることが好ましく、500〜400
0とすることがより好ましく、1000〜3000とす
ることが特に好ましい。分子量が200未満では、低弾
性、高伸長性の酸無水物変性ポリアミド系樹脂が得られ
なくなる傾向があり、分子量が5000を超えると酸無
水物変性ポリアミド系樹脂の耐熱性が低下する傾向があ
る。
【0016】ポリアルキレングリコール変性ジカルボン
酸を合成するためのジカルボン酸としては、特に制限は
なく、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピ
メリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、
エイコサン二酸等の脂肪族ジカルボン酸、ダイマー酸、
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカル
ボン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フタル酸、1,
5−ナフタレンジカルボン酸、4,4−ジフェニルエー
テルジカルボン酸、4,4−ジフェニルスルホンジカル
ボン酸等の芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。これ
らのジカルボン酸は、単独で又は2種類以上組み合わせ
て用いられる。
【0017】ポリカーボネートジオール変性ジカルボン
酸は、ポリカーボネートジオールとジカルボン酸とを当
量比(ジカルボン酸のカルボキシル基/ポリカーボネー
トジオールの水酸基)が1を超える条件で(脱水エステ
ル化)させて合成することができる。この当量比(ジカ
ルボン酸のカルボキシル基/ポリカーボネートジオール
の水酸基)は、1.1〜3とすることが好ましく、1.
3〜2.5とすることがより好ましく、1.5〜2とす
ることが特に好ましい。
【0018】この当量比(ジカルボン酸のカルボキシル
基/ポリカーボネートジオールの水酸基)が1.1未満
では、片末端にしかカルボキシル基をもたないもの(他
方の片末端に水酸基を有するもの)や両末端ともカルボ
キシル基をもたないもの(両末端に水酸基を有するも
の)が生成し易く、当量比が3を超えると合成中、一度
生成したポリカーボネートジオール変性ジカルボン酸
が、未反応物として残存するジカルボン酸により酸加水
分解を起こし易くなり、酸無水物変性ポリアミド系樹脂
の耐熱性が低下する傾向がある。
【0019】ポリカーボネートジオール変性ジカルボン
酸を合成するためのポリカーボネートジオールとして
は、特に制限はなく、例えば、PLACCEL CDシ
リーズ、PLACCEL CD−PLシリーズ、PLA
CCEL CD−HLシリーズ(以上、ダイセル化学工
業(株)製商品名)、PNOC−シリーズ((株)クラ
レ製商品名)などが挙げられるが、ワニスの保存安定
性、フィルム光線透過率の経時安定性に優れた酸無水物
変性ポリアミド系樹脂が得られる点で、非晶性が付与さ
れた常温で液状のポリカーボネートジオール(上記の例
では、PLACCEL CD−PLシリーズ、PLAC
CEL CD−HLシリーズ)が好ましい。
【0020】ポリカーボネートジオールの化学構造につ
いては、例えば次式で表されるものが挙げられる。
【0021】HO(R2OCOO)n2−OH (式中、R2は2価アルコール残基を表し、nは1〜1
0の整数である。) 特に、2価アルコール残基が、炭素数1〜100のも
の、例えば、1,5−ペンタンジオール残基、メチルペ
ンタンジオール残基、シクロヘキサノンジメタノール残
基、1,6−ヘキサンジオール残基、1,9−ノナンジ
オール残基、2−メチル−1,8−オクタンジオール残
基を有し、常温で液状のものが好適に用いられる。
【0022】これらのポリカーボネートジオールは、単
独で又は2種以上組み合わせて用いられる。なお、ポリ
カーボネートジオールの分子量(水酸価からの算出値)
は、200〜5000とすることが好ましく、500〜
4000とすることがより好ましく、1000〜300
0とすることが特に好ましい。分子量が200未満で
は、低弾性、高伸長性の酸無水物変性変性ポリアミド系
樹脂が得られなくなる傾向があり、分子量が5000を
超えると酸無水物変性変性ポリアミド系樹脂の耐熱性が
低下する傾向がある。
【0023】ポリカーボネートジオール変性ジカルボン
酸を合成するためのジカルボン酸としては、ポリアルキ
レングリコール変性ジカルボン酸の合成に用いられるも
のと同様のものが用いられる。
【0024】多価カルボン酸成分(a)において、ポリ
アルキレングリコール変性ジカルボン酸又はポリカーボ
ネートジオール変性ジカルボン酸と併用できる他の多価
カルボン酸としては、特に制限はなく、例えば、上記ポ
リアルキレングリコール変性ジカルボン酸又はポリカー
ボネートジオール変性ジカルボン酸を合成するためのジ
カルボン酸、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無
水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、s−
ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルスル
ホンテトラカルボン酸二無水物、メチルシクロヘキセン
テトラカルボン酸二無水物、エチレングリコールビスア
ンヒドロトリメリテート等の多価カルボン酸無水物など
が挙げられる。これらの他の多価カルボン酸は、単独で
又は2種以上組み合わせて用いられる。
【0025】他の多価カルボン酸としては上記ポリアル
キレングリコール変性ジカルボン酸又はポリカーボネー
ト変性ジカルボン酸を合成するために用いられるジカル
ボン酸から選ばれる複数種のジカルボン酸が好ましく用
いられ、酸無水物変性ポリアミド系樹脂の溶解性が向上
する。
【0026】本発明における酸無水物変性ポリアミド系
樹脂の製造中間体であるカルボン酸含有ポリアミド系樹
脂(c)は、上記多価カルボン酸成分(a)とジイソシ
アネート(b)とを、当量比((a)のカルボキシル基
/(b)のイソシアネート基)が1を超える条件で反応
(脱炭酸アミド化)させて得られる。
【0027】この当量比((a)のカルボキシル基/
(b)のイソシアネート基)は、1.03〜3とするこ
とが好ましく、1.05〜1.5とすることがより好ま
しく、1.1〜1.3とすることが特に好ましい。
【0028】この当量比((a)のカルボキシル基/
(b)のイソシアネート基)が1.03未満ではカルボ
キシル基をもたないものが生成し易く、また、反応が制
御しにくい(反応系がイソシアネート基の副反応により
ゲル化し易い)傾向があり、当量比が3を超えると多価
カルボン酸が未反応物として残存し易く、酸無水物変性
ポリアミド系樹脂の耐熱性が低下する傾向がある。
【0029】ジイソシアネート(b)としては、特に制
限はなく、例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソ
シアネート(MDI)、2,6−トリレンジイソシアネ
ート(2,6−TDI)、2,4−トリレンジイソシア
ネート(2,4−TDI)、1,5−ナフタレンジイソ
シアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレ
ンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジ
イソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、m
−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香族
ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、
2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネー
ト、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシア
ネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、
4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート
(水添化4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト)、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネ
ート、水添化m−キシリレンジイソシアネート等の脂環
式ジイソシアネート、3,9−ビス(3−イソシアネー
トプロピル)−2,4,8,10−テトラスピロ[5,
5]ウンデカン等の複素環式ジイソシアネートなどが挙
げられ、なかでも、酸無水物変性ポリアミド系樹脂の耐
熱性向上の点で、芳香族ジイソシアネートが好ましい。
これらのジイソシアネート(b)は、単独で使用しても
よいが2種以上組み合わせて使用する方が、酸無水物変
性ポリアミド系樹脂の溶解性向上等の点で好ましい。
【0030】多価カルボン酸成分(a)とジイソシアネ
ート(b)とから、カルボン酸含有ポリアミド系樹脂
(c)を得る反応(脱炭酸アミド化)は、有機溶媒中で
実施される。
【0031】有機溶媒としては、特に制限はなく、例え
ば、γ−ブチロラクトン(γ−BL)等のラクトン類、
シクロへキサノン等のケトン類、ジグライム、トリグラ
イム、テトラグライム等のグライム類、N−メチル−2
−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N
−ジメチルホルムアミド(DMF)等のアミド類、N,
N−ジメチルエチレンウレア、N,N−ジメチルプロピ
レンウレア、テトラメチルウレア等のウレア類、スルホ
ラン等のスルホン類などが挙げられ、なかでも、γ−B
Lを主成分とするものが、酸無水物変性ポリアミド系樹
脂ワニスから加熱処理によってフィルムを作製する際の
低温乾燥性に優れる点で好ましい。
【0032】有機溶媒の使用量は、(a)成分と(b)
成分との総量100重量部に対して、40〜2000重
量部とすることが好ましく、70〜1000重量部とす
ることがより好ましく、100〜400重量部とするこ
とが特に好ましい。
【0033】この有機溶媒の使用量が40重量部未満で
は溶解性が乏しく、反応系の不均一化や高粘度化を起こ
しやすい傾向があり、有機溶媒の使用量が2000重量
部を超えると反応が進みにくく、反応が完結しない傾向
がある。
【0034】また、(a)成分と(b)成分とから
(c)成分を得る反応温度は、100〜300℃とする
ことが好ましく、150〜250℃とすることがより好
ましく、170〜230℃することが特に好ましい。
【0035】この反応温度が100℃未満では反応が進
みにくく、反応が完結しない傾向があり、反応温度が3
00℃を超えると反応が制御しにくい(反応糸がイソシ
アネート基の副反応によりゲル化し易い)傾向がある。
【0036】本発明における酸無水物変性ポリアミド系
樹脂の製造中間体であるエポキシ基含有ポリアミド系樹
脂(e)は、上記カルボン酸含有ポリアミド系樹脂
(c)に対して、エポキシ樹脂(d)を当量比((d)
のエポキシ基/(c)のカルボキシル基)が1以上の条
件で反応(ヒドロキシエチルエステル化)させて得られ
る。
【0037】この当量比((d)のエポキシ基/(c)
のカルボキシル基)は、1〜3とすることが好ましく、
1.05〜1.5とすることがより好ましく、1.1〜
1.3とすることが特に好ましい。
【0038】この当量比((d)のエポキシ基/(c)
のカルボキシル基)が1未満ではエポキシ基をもたない
ものが生成し易い傾向にあり、当量比が3を超えると反
応が制御しにくい(反応系がエポキシ基の3次元化反応
によりゲル化し易い)傾向があり、また、橋架け密度が
高くなり、低弾性、高伸長性の酸無水物変性ポリアミド
系樹脂が得られなくなる傾向がある。なお、エポキシ基
含有ポリアミド系樹脂(e)のエポキシ当量は、通常、
1000〜40000で、2000〜30000とする
ことがより好ましく、3000〜20000とすること
がより好ましく、5000〜15000とすることが特
に好ましい。このエポキシ当量が1000未満では低弾
性、高伸長性の酸無水物変性ポリアミド系樹脂が得られ
なくなる傾向があり、エポキシ当量が40000を超え
ると酸無水物変性ポリアミド系樹脂の溶解性が低下する
傾向にある。
【0039】ここで用いられるエポキシ樹脂(d)とし
ては、特に制限はなく、例えば、ビスフェノールΑ型エ
ポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールΑ型エポキシ
樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノー
ルΑD型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂等の
2官能芳香族グリシジルエーテル、フェノールノボラッ
ク型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹
脂、ジシクロペンタジエン−フェノール型エポキシ樹
脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂等の多官
能芳香族グリシジルエーテル、ポリエチレングリコール
型エポキシ樹脂、ポリプロピレングリコール型エポキシ
樹脂、ネオペンチルグリコール型エポキシ樹脂、ジブロ
モネオペンチルグリコール型エポキシ樹脂、ヘキサンジ
オール型エポキシ樹脂等の2官能芳香族グリシジルエー
テル、水添化ビスフェノールA型エポキシ樹脂等の2官
能脂環式グリシジルエーテル、トリメチロールプロパン
型エポキシ樹脂、ソルビトール型エポキシ樹脂、グリセ
リン型エポキシ樹脂等の多官能脂肪族グリシジルエーテ
ル、フタル酸グリシジルエステル等の2官能芳香族グリ
シジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエ
ステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等
の2官能脂環式グリシジルエステル、N,N−ジグリシ
ジルアニリン、N,N−ジグリシジルトリフルオロメチ
ルアニリン等の2官能芳香族グリシジルアミン、N,
N,N′,N′−テトラグリシジル−4,4−ジアミノ
ジフェニルメタン、1,3−ビス(N,N−グリシジル
アミノメチル)シクロヘキサン、N,N,O−トリグリ
シジル−p−アミノフェノール等の多官能芳香族グリシ
ジルアミン、アリサイクリックジエポキシアセタール、
アリサイクリックジエポキシアジペート、アリサイクリ
ックジエポキシカルボキシレート、ビニルシクロヘキセ
ンジオキシド等の2官能脂環式エポキシ樹脂、ジグリシ
ジルヒダントイン等の2官能複素環式エポキシ樹脂、ト
リグリシジルイソシアヌレート等の多官能複素環式エポ
キシ樹脂、オルガノポリシロキサン型エポキシ樹脂等の
2官能又は多官能ケイ素含有エポキシ樹脂などが挙げら
れる。これらのうちでは、反応が制御し易い点で、2官
能エポキシ樹脂が好ましく、2官能エポキシ樹脂のなか
でも、不飽和モノイソシアネート変性ポリアミド系樹脂
の耐熱性向上の点で、2官能芳香族グリシジルエーテル
がより好ましく、そのなかでも、廉価等の点で、ビスフ
ェノールΑ型エポキシ樹脂が特に好ましく、難燃性向上
の点で、テトラブロモビスフェノールΑ型エポキシ樹
脂、ジブロモネオペンチルグリコール型エポキシ樹脂が
特に好ましい。これらのエポキシ樹脂(d)は、単独で
又は2種以上組み合わせて用いられる。
【0040】カルボン酸含有ポリアミド系樹脂(c)と
エポキシ樹脂(d)とから、エポキシ基含有ポリアミド
系樹脂(e)を得る反応(ヒドロキシエチルエステル
化)温度は、50〜250℃とすることが好ましく、1
00〜200℃することがより好ましく、120〜18
0℃とすることが特に好ましい。
【0041】この反応温度が50℃未満では反応が進み
にくく、反応が完結しない傾向があり、反応温度が25
0℃を超えると反応が制御しにくい(反応系がエポキシ
基の3次元化反応によりゲル化し易い)傾向がある。
【0042】本発明における酸無水物変性ポリアミド系
樹脂は、上記エポキシ基含有ポリアミド系樹脂(e)及
び/又は(e)に対してモノカルボン酸(f)を当量比
((f)のカルボキシル基/(e)のエポキシ基)が1
以上の条件で反応させて得られるエポキシ基封鎖型ポリ
アミド系樹脂(g)に対して、環状多価カルボン酸モノ
無水物(h)を当量比((h)の酸無水物基/(e)及
び/又は(g)の水酸基)が0.05〜2の範囲で、エ
チレン性不飽和基含有モノイソシアネート単量体(i)
を当量比((i)のイソシアネート基/(e)及び/又
は(g)の水酸基)が0〜2の範囲で反応させて製造さ
れる。
【0043】上記エポキシ基封鎖型ポリアミド系樹脂
(g)を得るために、エポキシ基含有ポリアミド系樹脂
(e)に反応させるモノカルボン酸(f)の当量比
((f)のカルボキシル基/(e)のエポキシ基)は、
1〜5とすることが好ましく、1.2〜3とすることが
より好ましく、1.5〜2.5とすることが特に好まし
い。
【0044】この当量比が1未満では未反応のエポキシ
基が残存し、酸無水物変性ポリアミド系樹脂の保存安定
性が低下する傾向にあり、当量比が5を超えると未反応
のモノカルボン酸(f)が多量に残存し、酸無水物変性
ポリアミド系樹脂ワニスの皮膚刺激性が増大する傾向に
ある。
【0045】モノカルボン酸(f)としては、特に制限
はなく、例えば、メタクリル酸、アクリル酸等のエチレ
ン性不飽和基含有モノカルボン酸、ギ酸、酢酸、プロピ
オン酸、酪酸、へキサン酸等の飽和型脂肪族モノカルボ
ン酸、安息香酸、ジフェニル酢酸等の飽和型芳香族モノ
カルボン酸などが挙げられる。これらのうちでは、酸無
水物変性ポリアミド系樹脂に光硬化性を付与できる等の
点で、エチレン性不飽和基含有モノカルボン酸が好まし
い。これらのモノカルボン酸(f)は、単独で又は2種
類以上組み合わせて用いられる。
【0046】環状多価カルボン酸モノ無水物(h)とエ
ポキシ基含有ポリアミド系樹脂(e)及び/又はエポキ
シ基封鎖型ポリアミド系樹脂(g)の当量比((h)の
酸無水物基/(e)及び/又は(g)の水酸基)は0.
2〜1とすることが好ましく、0.3〜0.9とするこ
とがより好ましく、0.5〜0.8とすることが特に好
ましい。
【0047】この当量比((h)の酸無水物基/(e)
及び/又は(g)の水酸基)が1を超えると、環状多価
カルボン酸モノ無水物(h)が未反応物として多量に残
留し、酸無水物変性ポリアミド系樹脂の保存安定性が低
下する傾向にあり、当量比が0.2未満ではアルカリ水
溶液に対する溶解性が乏しく、感光性樹脂組成物のポリ
マー成分として用いたときに、その感光性樹脂組成物の
アルカリ水溶液ベースの現像液に対する現像性が低下す
る傾向にある。本発明の酸無水物変性ポリアミド系樹脂
を用いた感光性樹脂組成物はアルカリ水溶液での現像が
可能である。
【0048】環状多価カルボン酸モノ無水物(h)とし
ては、特に制限はなく、例えば、テトラヒドロフタル酸
無水物(THPAC)、メチルテトラヒドロフタル酸無
水物、トリアルキルテトラヒドロフタル酸無水物、ヘキ
サヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸
無水物、ナジック酸無水物、メチルナジック酸無水物、
メチル2置換ブテニルテトラヒドロフタル酸無水物、イ
タコン酸無水物、コハク酸無水物、シトラコン酸無水
物、アルケニル酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、
トリカルバリル酸無水物、マレイン酸無水物、マレイン
酸無水物のリノレイン酸付加物、メチルシクロペンタジ
エンのマレイン酸無水物付加物、アルキル化エンドアル
キレンテトラヒドロフタル酸無水物、フタル酸無水物、
トリメリット酸無水物、クロレンド酸無水物、テトラク
ロロフタル酸無水物、テトラブロモフタル酸無水物など
が挙げられ、なかでも、反応性、反応収率、廉価等の点
で、テトラヒドロフタル酸無水物が好ましい。これらの
環状多価カルボン酸モノ無水物(h)は、単独で又は2
種以上組み合わせて用いられる。
【0049】エチレン性不飽和基含有モノイソシアネー
ト単量体(i)とエポキシ基含有ポリアミド系樹脂
(e)及び/又はエポキシ基封鎖型ポリアミド系樹脂
(g)の当量比((i)のイソシアネート基/(e)及
び/又は(g)の水酸基)は0.05〜0.9とするこ
とが好ましく、0.1〜0.6とすることがより好まし
く、0.15〜0.35とすることが特に好ましい。
【0050】この当量比((i)のイソシアネート基/
(e)及び/又は(g)の水酸基)が0.9を超える
と、エチレン性不飽和基含有モノイソシアネート単量体
(i)が、未反応物として多量に残留し、酸無水物変性
ポリアミド系樹脂の保存安定性が低下する傾向にあり、
当量比が0.05未満では、酸無水物変性ポリアミド系
樹脂の光硬化性や感光性樹脂組成物のポリマー成分とし
て用いたときに、その感光性樹脂組成物の感度が低下す
る傾向にある。
【0051】エチレン性不飽和基含有モノイソシアネー
ト(i)としては、特に制限はなく、例えば、2−イソ
シアネートエチルメタクリレート(IEM)、メタクリ
ロイルイソシアネート等が挙げられる。これらのエチレ
ン性不飽和基含有モノイソシアネート(i)は、単独で
又は2種類以上組合せて用いられる。不飽和基を導入す
ることにより感度、耐熱性が向上する。
【0052】エポキシ基含有ポリアミド系樹脂(e)か
ら本発明の酸無水物変性ポリアミド系樹脂を製造するた
めの一連の反応の反応温度は、30〜200℃とするこ
とが好ましく、40〜150℃とすることがより好まし
く、50〜120℃することが特に好ましい。
【0053】この反応温度が30℃未満では反応が進み
にくく、反応が完結しない傾向があり、反応温度が20
0℃を超えると反応が制御しにくい(反応系が副反応に
よりゲル化し易い)傾向がある。
【0054】また、エポキシ基含有ポリアミド系樹脂
(e)から本発明の酸無水物変性ポリアミド系樹脂を製
造するための一連の反応においては、必要に応じ、触媒
を使用することができる。
【0055】触媒としては、特に制約はないが、例え
ば、3級アミン(トリエチルアミン、トリエチレンジア
ミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルア
ニリン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N−メチル
モルフォリン、N−エチルモルフォリン、N,N′−ジ
メチルピペラジン、ピリジン、ピコリン、1,8−ジア
ザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7等)、イミダ
ゾール類(2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダ
ゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メ
チル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2
−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニ
ルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒド
ロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジ
ヒドロキシメチルイミダゾール、1−アジン−2−メチ
ルイミダゾール等)、有機スズ化合物(ジブチルチンジ
ラウレート、1,3−ジアセトキシテトラブチルジスタ
ノキサン等)、4級アンモニウム塩(臭化テトラエチル
アンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、塩化ベ
ンジルトリエチルアンモニウム、塩化トリオクチルメチ
ルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、
ヨウ化テトラブチルアンモニウム、ヨウ化ドデシルトリ
メチルアンモニウム、ベンジルジメチルテトラデシルア
ンモニウムアセテート等)、4級ホスホニウム塩(塩化
テトラフェニルホスホニウム、塩化トリフェニルメチル
ホスホニウム、臭化テトラメチルホスホニウム等)、有
機リン化合物(3−メチル−1−フェニル−2−ホスホ
レン−1−オキシド等)、有機酸アルカリ金属塩(安息
香酸ナトリウム、安息香酸カリウム等)、無機塩(塩化
亜鉛、塩化鉄、塩化リチウム、臭化リチウム等)、金属
カルボニル(オクタカルボニル二コバルト(コバルトカ
ルボニル)等)などが挙げられ、なかでも、3級アミ
ン、イミダゾール類等が好ましい。これらの触媒は、単
独で又は2種類以上組み合わせて用いられる。
【0056】以上に述べた酸無水物変性ポリアミド系樹
脂の製造法によって得られた酸無水物変性ポリアミド系
樹脂は、低弾性、高伸長性で、かつ、良好な耐熱性を有
することから、フォトリソグラフィーによる徴細で高精
度なレジストパターンを有し、かつ、耐折性、はんだ耐
熱性、難燃性に優れたフレキシブルプリント配線板用カ
バーレイにおいて、その製造に用いられる感光性樹脂組
成物のポリマー成分として好適である。また、フレキシ
ブルプリント配線板の製造におけるポリイミドフィルム
と銅箔との接着シート(5〜500μm厚)としても好
適である。
【0057】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。. (ポリアルキレングリコール変性ジカルボン酸の製造
例)撹拌機、温度計、冷却管、留出管及び窒素ガス導入
管を装備したフラスコに、ポリアルキレングリコールと
して、ポリプロピレングリコール(三洋化成工業(株)
製商品名ニューポールPP−1000、分子量100
0)を1000重量部(1モル)、セバシン酸を405
重量部(2モル)仕込み、窒素ガス通気下、途中、副生
してくる縮合水をトルエンで共沸させて留去しながら、
1時間かけて200℃に昇温した。同温度で3時間保温
して脱水エステル化反応を完結させた後、冷却し、ポリ
アルキレングリコール変性ジカルボン酸(P−1)を得
た。
【0058】また、ポリアルキレングリコールとして、
ポリプロピレングリコールを用い、表1に示す配合で、
上記と同様の操作により、ポリアルキレングリコール変
性ジカルボン酸(P−2)、(P−3)を得た。得られ
た(P−1)、(P−2)、(P−3)の性状を併せて
表1に示す。 (エポキシ基含有ポリアミド系樹脂の製造例)撹拌機、
温度計、冷却管及び窒素ガス導入管を装備したフラスコ
に、多価カルボン酸成分(a)として、ポリアルキレン
グリコール変性ジカルボン酸(P−1)57.7重量部
(42.4ミリモル)、アジピン酸4.9重量部(3
3.6ミリモル)、セバシン酸6.8重量部(33.7
ミリモル)、イソフタル酸11.2重量部(67.5ミ
リモル)の計177.2ミリモル、ジイソシアネート
(b)として、MDI22.1重量部(88.4ミリモ
ル)、TDI(2,4−異性体/2,6−異性体=80
/20モル%)10.3重量部(59.2ミリモル)の
計147.6ミリモル及び反応のための有機溶媒とし
て、γ−BL150重量部を仕込み、窒素ガス通気下、
途中、副生してくる炭酸ガスを系外に排気しながら、2
00℃に昇温した。同温度で3時間保温して脱炭酸アミ
ド化反応を完結させた後、150℃まで冷却し、カルボ
ン酸含有ポリアミド系樹脂(c)である(c−1)10
0重量部(樹脂分換算、35.8ミリモル)を得た。次
いで、150℃で保温状態にある(c−1)に、エポキ
シ樹脂(d)として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂
であるエポミックR140P(三井石油化学工業(株)
社製商品名)16.2重量部(43.1ミリモル)及び
反応のための有機溶媒として、さらにDMF66.7重
量部を添加し、同温度で3時間保温してヒドロキシエチ
ルエステル化反応を完結させた後、冷却し、エポキシ基
含有ポリアミド系樹脂(e)である(e−1)を得た。
【0059】また、表2に示す配合で、上記と同様の操
作により、カルボン酸含有ポリアミド系樹脂(c)であ
る(c−2)、(c−3)、(c−4)及び比較用カル
ボン酸含有ポリアミド系樹脂(c−5)、(c−6)を
得た。得られた(c−1)〜(c−6)の性状を併せて
表2に示す。次いで、表3に示す配合で、上記と同様の
操作により、エポキシ基含有ポリアミド系樹脂(e)で
ある(e−2)、(e−3)、(e−4)及び比較用エ
ポキシ基含有ポリアミド系樹脂(e−5)、(e−6)
を得た。得られた(e−1)〜(e−6)の性状を併せ
て表3に示す。
【0060】なお、表3中のエピコート1001(油化
シェルエポキシ(株)社製商品名)は、ビスフェノール
A型エポキシ樹脂、エポトートYDB400(東都化成
(株)社製商品名)は、テトラブロモビスフェノールA
型エポキシ樹脂であり、表2、表3中の配合量の単位は
重量部である。 (酸無水物変性ポリアミド系樹脂の製造例)撹拌機、温
度計、冷却管及び窒素ガス導入管を装備したフラスコ
に、エポキシ基含有ポリアミド系樹脂(e)として、
(e−1)100重量部(樹脂分換算、6.17ミリモ
ル)、モノカルボン酸(f)として、メタクリル酸2.
1重量部(24.4ミリモル)、メトキノン(ラジカル
重合禁止剤)0.21重量部((f)の10重量%)
N,N−ジメチルベンジルアミン(触媒)2.9重量部
((e)の溶液の1重量%)を仕込み、乾燥空気通気
下、100℃に昇温した。同温度で6時間保温してエポ
キシ基封鎖反応を完結させ、エポキシ基封鎖型ポリアミ
ド系樹脂(g)である(g−1)を得た。次いで、10
0℃で保温状態にある(g−1)に環状多価カルボン酸
無水物(h)として、THPAC8.5重量部(55.
9ミリモル)を添加し、同温度で2時間保温して反応を
完結させた後、60℃まで冷却した。60℃保温下、さ
らに、エチレン性不飽和基含有モノイソシアネート単量
体(i)として、IEM82.9重量部(18.7ミリ
モル)を添加し、同温度で4時間保温して反応を完結さ
せた後、冷却し、酸無水物変性ポリアミド樹脂である
(A−1)を得た。
【0061】また、表4に示す配合で、上記と同様の操
作により、エポキシ基封鎖型ポリアミド系樹脂(g)で
ある(g−2)、(g−3)、(g−4)、エポキシ基
含有ポリアミド系樹脂(e−1′)及び比較用エポキシ
基封鎖型ポリアミド系樹脂(g−5)、(g−6)を得
た。得られた(g−1)〜(g−4)、(e−1′)、
(g−5)、(g−6)の性状を併せて表4に示す。次
いで、表5に示す配合で、上記と同様の操作により、酸
無水物変性ポリアミド系樹脂である(A−2)、(A−
3)、(A−4)、(A−5)及び比較用酸無水物変性
ポリアミド系樹脂(A−6)、(A−7)を得た。得ら
れた(A−1)〜(A−7)の性状を併せて表5に示
す。
【0062】なお、表4、表5中の配合量の単位は重量
部であり、表5中のGPC分子量は、緩衝剤として臭化
リチウム一水和物、りん酸をそれぞれ0.03モル/リ
ットル、0.06モル/リットルの濃度となるように調
合したDMFとテトラヒドロフラン(THF)の等容積
混合溶媒系溶離液を用い、標準物質にポリスチレンを用
いて作成した検量線からポリスチレン換算値として算出
したものである。 (ポリカーボネートジオール変性ジカルボン酸の製造
例)撹拌機、温度計、冷却管、留出管及び窒素ガス導入
管を装備したフラスコに、ポリカーボネートジオール
(ダイセル化学工業(株)製商品名PLACCELCD
−210PL、前記の2価アルコール残基が1,6−ヘ
キサンジオール残基/3−メチルペンタンジオール残基
=7/3、分子量が1000の常温で液状のポリカーボ
ネートジオール)を1000重量部(1モル)、セバシ
ン酸を405重量部(2モル)仕込み、窒素ガス通気
下、途中、副生してくる縮合水をトルエンで共沸させて
留去しながら、1時間かけて200℃に昇温した。同温
度で3時間保温して脱水エステル化反応を完結させた
後、冷却し、ポリカーボネートジオール変性ジカルボン
酸(P−4)を得た。
【0063】また、表6に示す配合で、上記と同様の操
作により、ポリカーボネートジオール変性ジカルボン酸
(P−5)、(P−6)を得た。得られた(P−4)、
(P−5)、(P−6)の性状を併せて表5に示す。な
お、PLACCEL CD−220PLは、前記の2価
アルコール残基が1,6−ヘキサンジオール残基/3−
メチルペンタンジオール残基=7/3、分子量が200
0の常温で液状のポリカーボネートジオールである。
【0064】(エポキシ基含有ポリアミド系樹脂の製造
例)撹拌機、温度計、冷却管及び窒素ガス導入管を装備
したフラスコに、多価カルボン酸成分(a)として、ポ
リカーボネートジオール変性カルボン酸(P−4)5
7.7重量部(42.4ミリモル)、アジピン酸4.9
重量部(33.6ミリモル)、セバシン酸6.8重量部
(33.7ミリモル)、イソフタル酸11.2重量部
(67.5ミリモル)の計177.2ミリモル、ジイソ
シアネート(b)として、MDI22.1重量部(8
8.4ミリモル)、TDI(2,4−異性体/2,6−
異性体=80/20モル%)10.3重量部(59.2
ミリモル)の計147.6ミリモル及び反応のための有
機溶媒として、γ−BL150重量部を仕込み、窒素ガ
ス通気下、途中、副生してくる炭酸ガスを系外に排気し
ながら、200℃に昇温した。同温度で3時間保温して
脱炭酸アミド化反応を完結させた後、150℃まで冷却
し、カルボン酸含有ポリアミド系樹脂(c)である(c
−7)100重量部(樹脂分換算、35.8ミリモル)
を得た。次いで、150℃で保温状態にある(c−7)
に、エポキシ樹脂(d)として、ビスフェノールΑ型エ
ポキシ樹脂であるエポミックR140P(三井石油化学
工業(株)社製商品名)16.2重量部(43.1ミリ
モル)及び反応のための有機溶媒として、さらにDMF
66.7重量部を添加し、同温度で3時間保温してヒド
ロキシエチルエステル化反応を完結させた後、冷却し、
エポキシ基含有ポリアミド系樹脂(e)である(e−
7)を得た。
【0065】また、表7に示す配合で、上記と同様の操
作により、カルボン酸含有ポリアミド系樹脂(c)であ
る(c−8)、(c−9)、(c−10)を得た。得ら
れた(c−7)〜(c−10)の性状を併せて表7に示
す。次いで、表8に示す配合で、上記と同様の操作によ
り、エポキシ基含有ポリアミド系樹脂(e)である(e
−8)、(e−9)、(e−10)を得た。得られた
(e−7)〜(e−10)の性状を併せて表8に示す。
【0066】(酸無水物変性ポリアミド系樹脂の製造
例)撹拌機、温度計、冷却管及び乾燥空気導入管を装備
したフラスコに、エポキシ基含有ポリアミド系樹脂
(e)として、(e−7)100重量部(樹脂分換算、
6.17ミリモル)、モノカルボン酸(f)として、メ
タクリル酸2.1重量部(24.4ミリモル)、メトキ
ノン(ラジカル重合禁止剤)0.21重量部((f)の
10重量%)、N,N−ジメチルベンジルアミン(触
媒)2.9重量部((e)の溶液の1重量%)を仕込
み、乾燥空気通気下、100℃に昇温した。同温度で6
時間保温してエポキシ基封鎖反応を完結させ、エポキシ
基封鎖型ポリアミド系樹脂(g)である(g−7)を得
た。次いで、100℃で保温状態にある(g−7)に環
状多価カルボン酸モノ無水物(h)として、THPAC
8.5重量部(55.9ミリモル)を添加し、同温度で
2時間保温して反応を完結させた後、60℃まで冷却し
た。60℃保温下、さらに、エチレン性不飽和基含有モ
ノイソシアネート単量体(i)として、IEM82.9
重量部(18.7ミリモル)を添加し、同温度で4時間
保温して反応を完結させた後、冷却し、酸無水物変性ポ
リアミド樹脂である(A−8)を得た。
【0067】また、表9に示す配合で、上記と同様の操
作により、エポキシ基封鎖型ポリアミド系樹脂である
(g−8)、(g−9)、(g−10)、エポキシ基含
有ポリアミド系樹脂である(e−7′)を得た。得られ
た(g−8)〜(g−10)、(e−7′)の性状を併
せて表9に示す。次いで表10に示す配合で、上記と同
様の操作により、酸無水物変性ポリアミド系樹脂である
(A−9)、(A−10)、(A−11)、(A−1
2)を得た。得られた(A−8)〜(A−12)の性状
を併せて表10に示す。
【0068】なお、表中の配合量の単位は重量部であ
り、表10中のGPC分子量は、表5と同様に測定し
た。
【0069】実施例1 酸無水物変性ポリアミド系樹脂(A−1)ワニスを、乾
燥膜厚約50μmとなるようにポリエチレンテレフタレ
ートフィルム上に、アプリケーター法によって流延した
後、100℃で10分間、次いで、150℃で40分間
乾燥させて塗膜を作製した。この塗膜をポリエチレンテ
レフタレートフィルムから剥離して得られたフィルムの
特性を表11に示す。
【0070】実施例2〜10、比較例1、2 酸無水物変性ポリアミド系樹脂(A−2)〜(A−
5)、(A−8)〜(A−12)、比較用酸無水物変性
ポリアミド系樹脂(A−6)、(A−7)を、実施例1
と同様の操作により、フィルム化した。得られた各フィ
ルムの特性を併せて表11及び表12に示す。
【0071】なお、表11及び表12中の各特性値は、
以下の方法によって求めたものである。
【0072】(1)引張特性 長さ40mm×幅10mmの短冊状に切り出したフィル
ムについて、チャック間距離20mm、引張り速度20
mm/minで、常温下、引張り試験を行い、測定し
た。
【0073】(2)耐熱性 熱分解温度(Td)は、TGA法により、昇温速度10
℃/minで、空気中、10%重量が減少したところの
温度として求めた。また、ガラス転移温度(Tg)は、
長さ20mm×幅3mmの短冊状に切り出したフィルム
について、TMA Extension法により、チャ
ック間距離10mm、荷重8g、昇温速度5℃/min
で、空気中、試験片が急激に伸びはじめる変曲点の温度
として求めた。
【0074】実施例11 表13に示す材料を配合した感光性樹脂組成物の溶液6
を図1に示す装置を用いて20μmの厚さのポリエチレ
ンテレフタレートフィルム12上に均一に塗布し、80
〜110℃の熱風対流式乾燥機7で約10分間乾燥して
溶剤を除去した。感光性樹脂組成物層の乾燥後の厚さ
は、約50μmであった。感光性樹脂組成物層の上に、
さらに図1に示すような厚さ25μmのポリエチレンフ
ィルム13をカバーフィルムとして張り合わせ、感光性
エレメントを得た。図1において、1はポリエチレンテ
レフタレートフィルムの繰り出しロール、2、3、4、
9、10はロール、5はナイフ、8はポリエチレンフィ
ルム13の繰り出しロール、11は感光性エレメントの
巻き取りロールである。
【0075】得られた感光性エレメントの保存安定性、
回路埋め込み性及び感光特性、レジスト形成後のはんだ
耐熱性、耐折性及び難燃性について以下の方法で評価し
た。その結果を表14に示す。なお、表13、表14、
表15中の配合量の単位は重量部である。
【0076】(1)回路埋め込み性 35μm厚銅箔をポリイミド基材に積層したフレキシブ
ルプリント配線板用基板(ニッカン工業(株)製、商品
名F30VC125RC11)の銅箔を常法に従ってエ
ッチングし、ライン/スペース(μm)=165/16
5、318/318、636/636の3つのテストパ
ターン銅回路を形成したフレキシブルプリント配線板上
に連続式真空ラミネータ(日立化成工業(株)製、商品
名VLM−1型)を用いて、ヒートシュー温度120
℃、ラミネート速度0.5m/s、気圧4000Pa以
下、圧着圧力3.0×105Paで前記感光性エレメン
トをポリエチレンフィルムを剥がしながら積層した。
【0077】続いて、3つのテストパターン部分を実体
顕微鏡で外観観察し、銅回路周囲に気泡等の残留の有無
を調べるとともに、3つのテストパターン部分を切り出
し、エポキシ注型法で銅回路断面観察用のサンプルを作
成し、電子顕微鏡で銅回路周囲のカバーレイの追従状況
を調べて、回路埋め込み性の判定を行った。評価基準は
次のとおりである。
【0078】良好:気泡の残留がなく、銅回路周囲での
間隙がないもの 不良:気泡の残量があるもの、または銅回路周囲での間
隙があるもの (2)感光特性 35μm厚銅箔をポリイミド基材に積層したフレキシブ
ルプリント配線板用基板(ニッカン工業(株)製、商品
名F30VC125RC11)の銅表面を砥粒ブラシで
研磨し、水洗して乾燥した。このフレキシブルプリント
配線板用基板上に連続式真空ラミネータ(日立化成工業
(株)製、商品名VLM−1型)を用いて、ヒートシュ
ー温度120℃、ラミネート速度0.5m/s、気圧4
000Pa以下、圧着圧力3.0×105Paで前記感
光性エレメントをポリエチレンフィルムを剥がしながら
積層した。
【0079】次に、得られた試料のポリエチレンテレフ
タレートフィルムの上から、コダックステップタブレッ
トNo.2(イーストマンコダック(株)製、21段ス
テップタブレット)を密着させ、(株)オーク製作所製
HMW−201GX型露光機を使用し、所定量露光し
た。常温で1時間放置した後、N−メチル−2−ピロリ
ドン/水=80/20(容積比)からなる現像液を用い
て、40℃で70秒間スプレー現像し、ステップタブレ
ット段数8段を得るために必要な露光量を感度とした。
また解像度はフォトツール(コダックステップタブレッ
トNo.2とライン/スペース(μm)=30/30〜
250/250(解像度)、及びライン/スペース(μ
m)=30/400〜250/400(密着性)のネガ
パターンを有するフォトツール)を得られた試料のポリ
エチレンテレフタレートフィルムの上から密着させ、ス
テップタブレット段数8段が得られる露光量で露光・現
像したときに、矩形のレジスト形状が得られる最も小さ
い解像度パターンのライン/スペースの値とした。
【0080】(3)はんだ耐熱性 (2)と同様に、フレキシブルプリント配線板用基板に
感光性エレメントを積層した試料のポリエチレンテレフ
タレートフィルムの上から試験用ネガマスクを密着さ
せ、ステップタブレット段数8段が得られるように露光
した。常温で1時間放置した後、試料のポリエチレンテ
レフタレートフィルムを剥がし、水系現像液(ホウ砂
(08重量%)、ジエチレングリコールモノブチルエー
テル(20容量%)の水溶液)を用いて、40℃で70
秒間スプレー現像し、80℃で10分間乾燥した。次い
で、東芝電材(株)製東芝紫外線照射装置を使用して、
3J/cm2の紫外線照射を行い、さらに、150℃で
40分間加熱処理を行い、カバーレイを形成したフレキ
シブルプリント配線板を得た。
【0081】次いで、ロジン系フラックスMH−820
V(タムラ化研(株)製)を塗布したのち、260℃の
はんだ浴中に30秒間浸漬してはんだ付け処理を行っ
た。このような操作後、カバーレイのクラック発生状
況、基板からのカバーレイの浮きや剥がれの状況を目視
で評価した。評価の基準は次のとおりである。
【0082】 良好:クラック、浮き及び剥がれがないもの 不良:クラック、浮き及び剥がれが発生したもの (4)耐溶剤性 (3)と同様の操作によって得られるカバーレイを形成
したフレキシブルプリント配線板を室温でメチルエチル
ケトン及びイソプロピルアルコール中に10分間浸漬し
た後、基板からのカバーレイの浮きや剥がれの状況を目
視で評価した。評価基準は次のとおりである。
【0083】良好:浮き、及び剥がれのないもの 不良:浮き、剥れのあるもの (5)耐折性 (3)と同様の操作により、フレキシブルプリント配線
板用基板上にカバーレイを作製し、はんだ付け処理を行
った試料をはぜ折りで180°折り曲げた。180℃折
り曲げた際のカバーレイのクラックの発生状況を目視で
評価した。評価の基準は次のとおりである。
【0084】良好:クラックの発生がないもの 不良:クラックが発生したもの (6)難燃性 (3)と同様の操作によって得られるカバーレイを形成
したフレキシブルプリント配線板についてUL94規格
(VTM法)に従って難燃性を評価した。
【0085】(7)保存安定性 ロール状に巻き取られた長さ90mの感光性エレメント
を温度23℃、湿度60%で保管し、ロール側面からの
感光層のしみだしの様子を6ケ月間にわたって目視観察
した。評価の基準は次のとおりである。
【0086】 良好:6か月後でも感光層のしみ出しがないもの 不良:6カ月間の間で感光層のしみ出しが発生したもの 実施例12〜26及び比較例3、4 表14、表15に示す材料を配合した感光性樹脂組成物
から、実施例11と同様に操作して感光性エレメントを
得て、実施例11と同様にカバーレイとして加工し、評
価した。結果を併せて表14、表15に示す。
【0087】表14、表15から明らかなように、本発
明の酸無水物変性ポリアミド系樹脂樹の製造法によって
得られる酸無水物変性ポリアミド系樹脂は、低弾性、高
伸長性に富み、かつ、良好な耐熱性を有しており、これ
をポリマー成分とする感光性樹脂組成物を用いることに
より、はんだ耐熱性及び耐折性がともに良好で、かつ、
難燃性が94V−1(UL規格)又は94V−0(UL
規格)であるフレキシブルプリント配線板用カバーレイ
が得られることが分る。
【0088】
【表1】
【0089】
【表2】
【0090】
【表3】
【0091】
【表4】
【0092】
【表5】
【0093】
【表6】
【0094】
【表7】
【0095】
【表8】
【0096】
【表9】
【0097】
【表10】
【0098】
【表11】
【0099】
【表12】
【0100】
【表13】
【0101】
【表14】
【0102】
【表15】
【0103】
【発明の効果】本発明の酸無水物変性ポリアミド系樹脂
の製造法によって得られる酸無水物変性ポリアミド系樹
脂は、低弾性、高伸長性で、かつ、良好な耐熱性を有し
ており、フォトリソグラフィーによる微細で高精度なレ
ジストパターンを有し、かつ、耐折性、はんだ耐熱性、
難燃性に優れたフレキシブルプリント配線板用カバーレ
イにおいて、その製造に用いられる感光性樹脂組成物の
ポリマー成分として好適である。
【0104】本発明の酸無水物変性ポリアミド系樹脂の
製造法の好ましい態様の製造方法に酸ムよって得られる
酸無水物変性ポリアミド系樹脂は、さらに、ワニスの保
存安定性、フィルム光線透過率の経時安定性に優れる。
【0105】本発明の好ましい酸無水物変性ポリアミド
系樹脂の製造法の他の好ましい態様の製造方法よって得
られる酸無水物変性ポリアミド系樹脂は、さらに、耐熱
性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例及び比較例で用いた感光性エレメントの
製造装置の略図。
【符号の説明】
1 ポリエチレンテレフタレートフィルムの繰り出しロ
ール 2、3、4 ロール 5 ナイフ 6 感光性樹脂組成物の溶液 7 乾燥機 8 ポリエチレンフィルムの繰り出しロール 9、10 ロール 11 感光性エレメントの巻き取りロール 12 ポリエチレンテレフタレートフィルム 13 ポリエチレンフィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08G 69/48 C08G 69/48 G03F 7/037 G03F 7/037 (72)発明者 平倉 裕昭 茨城県鹿島郡波崎町大字砂山五番壱 日立 化成工業株式会社鹿島工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアルキレングリコール変性ジカルボ
    ン酸又はポリカーボネートジオール変性ジカルボン酸を
    必須成分として含んでなる多価カルボン酸成分(a)と
    ジイソシアネート(b)とを当量比((a)のカルボキ
    シル基/(b)のイソシアネート基)が1を超える条件
    で反応させて得られるカルボン酸含有ポリアミド系樹脂
    (c)に対して、エポキシ樹脂(d)を当量比((d)
    のエポキシ基/(c)のカルボキシル基)が1以上の条
    件で反応させて得られるエポキシ基含有ポリアミド系樹
    脂(e)及び/又は(e)に対してモノカルボン酸
    (f)を当量比((f)のカルボキシル基/(e)のエ
    ポキシ基)が1以上の条件で反応させて得られるエポキ
    シ基封鎖型ポリアミド系樹脂(g)に対して、環状多価
    カルボン酸モノ無水物(h)を当量比((h)の酸無水
    物/(e)及び/又は(g)の水酸基)が0.1〜2の
    範囲、エチレン性不飽和基含有モノイソシアネート単量
    体(i)を当量比((i)のイソシアネート基/(e)
    及び/又は(g)の水酸基)が0〜2の範囲で反応させ
    ることを特徴とする酸無水物変性ポリアミド系樹脂の製
    造法。
  2. 【請求項2】 ポリアルキレングリコール変性ジカルボ
    ン酸が常温で液状であるポリアルキレングリコールで変
    性されたものである請求項1記載の酸無水物変性ポリア
    ミド系樹脂の製造法。
  3. 【請求項3】 ポリカーボネートジオール変性ジカルボ
    ン酸が常温で液状であるポリカーボネートジオールで変
    性されたものである請求項1記載の酸無水物変性ポリア
    ミド系樹脂の製造法。
  4. 【請求項4】 ジイソシアネート(b)が芳香族ジイソ
    シアネートである請求項1、2又は3記載の酸無水物変
    性ポリアミド系樹脂の製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006299022A (ja) * 2005-04-18 2006-11-02 Jsr Corp ポリウレタンアクリレートとその製造方法
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CN102229699A (zh) * 2011-05-17 2011-11-02 国网电力科学研究院武汉南瑞有限责任公司 一种改性的聚氨酯和聚氨酯树脂及其制备方法
JP2017105956A (ja) * 2015-12-11 2017-06-15 旭化成株式会社 フッ素塗料組成物

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