JP3881066B2 - 感光性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光性樹脂組成物に関し、更に詳しくは、プリント配線板等の電子材料分野において、像形成性、耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性等に優れた永久マスクレジストとして好適に用いられる感光性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プリント配線板製造における永久マスクレジストは、熱あるいは紫外線硬化型レジストインキをスクリーン印刷する方法で作製されてきた。近年、電子デバイスの高集積化に伴い、プリント配線板において配線パターン、絶縁パターンの高精細化が必要とされるようになってきたが、従来のスクリーン印刷によるレジスト形成法では、印刷時に滲み、ダレ等が発生するため、高精細なレジスト像を形成するのが困難である。そこで、フォトリソグラフイーによるレジスト像形成法が開発されるに至った。具体的には、ドライフィルム型の感光性レジストを基材上に熱圧着、あるいは液状の感光性レジストを基材上にカーテン、スプレー塗布し、紫外線などの活性光線をネガマスクを介して照射し、現像することによりレジスト像形成を行うものである。ドライフィルム型の感光性レジストの場合、基材への熱圧着時に空気を巻き込み気泡を生じやすく、そのため密着性の低下あるいはレジスト像の乱れを生じ、レジスト性能の低下が懸念される。一方、液状の感光性レジストには、溶剤現像型とアルカリ現像型があるが、アルカリ現像型が作業環境保全、地球環境保全の点から主流になっている。このようなものとして特開昭61−243869号公報、特開平1−141904号公報に示されるものが知られている。しかしアルカリ現像型の液状感光性レジストは、耐久性の点ではまだまだ問題がある。すなわち従来の熱硬化型、溶剤現像型のものに比べて耐薬品性、耐水性、耐熱性等が劣る。アルカリ現像型の液状感光性レジストは、アルカリ現像を可能にするために親水性基を有するものが主成分となっており、このため薬液、水等が浸透しやすく、レジスト皮膜の実用特性を低下させていると推察される。特にBGA(ボール グリッド アレイ)やCSP(チップ サイズ パッケージ)等の半導体パッケージにおいては特に耐湿熱性ともいうべき耐PCT性(耐プレッシャークッカーテスト性)が必要であるがこのような厳しい条件下においては数時間〜十数時間程度しか持たないのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、これらの問題を解決するものであり、感光性レジストに好適に用いられ、密着性、耐熱性、耐PCT性、耐現像性に優れたレジストが得られる感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の感光性ポリアミド樹脂を必須成分とする感光性樹脂組成物が銅及び他の基材に対する密着性及び耐久性に優れていることを見い出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち、本発明は、(A)ポリカーボネートジオール残基及び/又はポリアルキレングリコール残基を有する多価カルボン(a)とジイソシアネート(b)とを当量比((a)のカルボキシル基/(b)のイソシアネート基)が1を超える条件で反応させて得られるカルボキシル基含有ポリアミド樹脂(c)に対して、エポキシ化合物(d)を当量比((d)のエポキシ基/(c)のカルボキシル基)が1以上の条件で反応させて得られるエポキシ基含有ポリアミド樹脂(e)に対して、エチレン性不飽和モノカルボン酸(f)及び/又はエチレン性不飽和イソシアネート(g)を反応させて得られる感光性アミド樹脂であって、ポリカーボネートジオール残基及び/又はポリアルキレングリコール残基を有する感光性アミド樹脂、(B)感光性エポキシ樹脂及び(C)光開始剤を必須成分としてなる感光性樹脂組成物を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明における(A)成分の感光性アミド樹脂の製造に用いられるポリカーボネートジオール残基及び/又はポリアルキレングリコール残基を有する多価カルボン酸(a)としては、ポリアルキレングリコール又はポリカーボネートジオールとジカルボン酸とを反応させることにより得られるポリアルキレングリコール変性ジカルボン酸、ポリカーボネートジオール変性ジカルボン酸が用いられる。これらは単独で又は2種類以上組み合わせて用いられる。
ジカルボン酸としてはコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカン二酸、ドデカン二酸、エイコサン二酸等の脂肪族ジカルボン酸、ダイマー酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、オキシジ安息香酸等の芳香族ジカルボン酸等が挙げられる。
【0010】
具体的には、ポリアルキレングリコール変性ジカルボン酸は、ポリアルキレングリコールと上記のジカルボン酸とを当量比(ジカルボン酸のカルボキシル基/ポリアルキレングリコールの水酸基)が1を超える条件、好ましくは1.1〜3、より好ましくは1.5〜2で反応(脱水エステル化)させて合成することができる。
【0011】
ポリアルキレングリコール変性ジカルボン酸を合成するためのポリアルキレングリコールとしては、特に制限はなく、例えば次式で表されるものが挙げられる。
【0012】
HO(R1O)n1−OH
(式中、R1は炭素数1〜6の2価アルコール残基を表し、nは1〜500の整数である。)
例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、ポリテトラメチレングリコールなどが挙げられる。
【0013】
具体的には、ポリプロピレングリコール(例えば、三洋化成工業(株)製商品名ニューポールPP−シリーズ等)、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物(例えば、三洋化成工業(株)製商品名ニューポールPE−61、ニューポールPE−62、ニューポールPE−71等)が挙げられる。これらのポリアルキレングリコールは、単独で又は2種類以上組み合わせて用いられる。なお、ポリアルキレングリコールの分子量(水酸価からの算出値)は、200〜5000とすることが好ましく、500〜4000とすることがより好ましく、1000〜3000とすることが特に好ましい。
【0014】
その他、ポリアルキレングリコール鎖の両末端にアミノ基を有する化合物にジカルボン酸あるいはトリカルボン酸無水物を反応させたもの、ポリプロピレンオキサイドにビスフェノールAを付加した化合物(例えば、ビスオール30PN、東邦化学製)にジカルボン酸を反応させたものも好ましく用いられる
ポリカーボネートジオール変性ジカルボン酸は、ポリカーボネートジオールとジカルボン酸とを当量比(ジカルボン酸のカルボキシル基/ポリカーボネートジオールの水酸基)が1を超える条件、好ましくは1.1〜3、より好ましくは1.5〜2で(脱水エステル化)させて合成することができる。
【0015】
ポリカーボネートジオール変性ジカルボン酸を合成するためのポリカーボネートジオールとしては、特に制限はなく、例えば、PLACCEL CDシリーズ、PLACCEL CD−PLシリーズ、PLACCEL CD−HLシリーズ(以上、ダイセル化学工業(株)製商品名)、PNOC−シリーズ((株)クラレ製商品名)などが挙げられる。
【0016】
ポリカーボネートジオールの化学構造については、例えば次式で表されるものが挙げられる。
【0017】
HO(R2OCOO)n2−OH
(式中、R2は2価アルコール残基を表し、nは1〜10の整数である。)
特に、2価アルコール残基が、炭素数1〜100のもの、例えば、1,5−ペンタンジオール残基、メチルペンタンジオール残基、シクロヘキサノンジメタノール残基、1,6−ヘキサンジオール残基、1,9−ノナンジオール残基、2−メチル−1,8−オクタンジオール残基を有し、常温で液状のものが好適に用いられる。
【0018】
これらのポリカーボネートジオールは、単独で又は2種以上組み合わせて用いられる。なお、ポリカーボネートジオールの分子量(水酸価からの算出値)は、200〜5000とすることが好ましく、500〜4000とすることがより好ましく、1000〜3000とすることが特に好ましい。
【0019】
感光性アミド樹脂中のポリアルキレングリコール残基、ポリカーボネートジオール残基の量は、接着性の点から好ましくは2重量%以上、耐熱性の点から好ましくは70重量%以下とする。更に好ましくは、5〜50重量%とする。
【0020】
本発明に用いられるジイソシアネート(b)としては、例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添化4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート)、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、水添化m−キシリレンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート、3,9−ビス(3−イソシアネートプロピル)−2,4,8,10−テトラスピロ[5,5]ウンデカン等の複素環式ジイソシアネートなどが挙げられ、なかでも、感光性ポリアミド樹脂の耐熱性向上の点で、芳香族ジイソシアネートが好ましく、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートが特に好ましい。これらのジイソシアネート(b)は、これらは単独で使用してもよいが、単独では結晶性が高くなるので、感光性アミド樹脂の溶解性向上等の点で2種類以上を組み合わせて使用することが好ましい。
【0021】
本発明における感光性アミド樹脂の製造中間体であるカルボキシル基含有ポリアミド樹脂(c)は、上記の多価カルボン酸(a)とジイソシアネート(b)とを、当量比((a)のカルボキシル基/(b)のイソシアネート基)が1を超える条件で反応(脱炭酸アミド化)させて得られる。
【0022】
この当量比((a)のカルボキシル基/(b)のイソシアネート基)は、1.03〜3とすることが好ましく、1.05〜1.5とすることがより好ましい。この当量比((a)のカルボキシル基/(b)のイソシアネート基)が1.03未満ではカルボキシル基をもたないものが生成し易く、また、反応が制御しにくい(反応系がイソシアネート基の副反応によりゲル化し易い)傾向があり、当量比が3を超えると多価カルボン酸が未反応物として残存し易く感光性アミド樹脂の耐熱性が低下する傾向がある。
【0023】
多価カルボン酸(a)とジイソシアネート(b)とから、カルボキシル基含有ポリアミド樹脂(c)を得る反応(脱炭酸アミド化)は、有機溶媒中で実施される。
【0024】
有機溶媒としては、特に制限はなく、例えば、γ−ブチロラクトン等のラクトン類、シクロヘキサノン等のケトン類、ジグライム、トリグライム、テトラグライム等のグライム類、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、N,N−ジメチルエチレンウレア、N,N−ジメチルプロピレンウレア、テトラメチルウレア等のウレア類、スルホラン等のスルホン類などが挙げられ、なかでも、γ−ブチロラクトンを主成分とするものが、反応収率の点から好ましい。
【0025】
また、多価カルボン酸(a)とジイソシアネート(b)とからカルボキシル基含有ポリアミド樹脂(c)を得る反応温度は、100〜300℃とすることが好ましく、150〜250℃とすることがより好ましく、170〜230℃することが特に好ましい。
【0026】
本発明における感光性アミド樹脂の製造中間体であるエポキシ基含有ポリアミド樹脂(e)は、上記カルボキシル基含有ポリアミド樹脂(c)に対して、エポキシ化合物(d)を当量比((d)のエポキシ基/(c)のカルボキシル基)が1以上の条件で反応(ヒドロキシエチルエステル化)させて得られる。
【0027】
本発明で用いられるエポキシ化合物(d)としては、以下のエポキシ樹脂及びその前駆体が挙げられ、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂等の芳香族系エポキシ樹脂、ポリエチレングリコール型エポキシ樹脂、ポリプロピレングリコール型エポキシ樹脂、ネオペンチルグリコール型エポキシ樹脂、ジブロモネオペンチルグリコール型エポキシ樹脂、ヘキサンジオール型エポキシ樹脂、トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂、ソルビトール型エポキシ樹脂、グリセリン型エポキシ樹脂等の脂肪族系エポキシ樹脂、水添化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、オルガノポリシロキサン型エポキシ樹脂等のケイ素含有エポキシ樹脂等と、フタル酸ジグリシジルエステル、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトリフルオロメチルアニリン、N,N,N′,N′−テトラグリシジル−4,4−ジアミノジフェニルメタン、1,3−ビス(N,N−グリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,O−トリグリシジル−p−アミノフェノール等の芳香族系エポキシ化合物、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、へキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、アリサイクリックジエポキシアセタール、アリサイクリックジエポキシアジペート、アリサイクリックジエポキシカルボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキシド等の脂環式エポキシ化合物、ジグリシジルヒダントイン、トリグリシジルイソシアヌレート、トリグリシジルトリアジン等の複素環式エポキシ化合物などが挙げられる。これらのうちでは、感光性アミド樹脂の耐熱性向上の点で、芳香族系エポキシ樹脂が好ましく、そのなかでも、反応が制御し易い点で二官能のエポキシ樹脂がより好ましく、廉価等の点で、ビスフェノールA型エポキシ樹脂が特に好ましく、難燃性向上の点で、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂、ジブロモネオペンチルグリコール型エポキシ樹脂が特に好ましい。これらのエポキシ樹脂(d)は、単独で又は2種類以上組み合わせて用いられる。
【0028】
エポキシ基含有ポリアミド樹脂(e)の製造に用いるカルボキシル基含有ポリアミド樹脂(c)とエポキシ化合物(d)との当量比((d)のエポキシ基/(c)のカルボキシル基)は、1〜3とすることが好ましく、1.05〜2とすることがより好ましい。
【0029】
この当量比((d)のエポキシ基/(c)のカルボキシル基)が1未満ではエポキシ基をもたないものが生成し易い傾向にある。なお、エポキシ基含有ポリアミド樹脂(e)のエポキシ当量は、40000以下とすることが好ましく、20000以下とすることがより好ましい。このエポキシ当量が40000を超えると感光性アミド樹脂の溶解性が低下する傾向にある。
【0030】
カルボキシル基含有ポリアミド樹脂(c)とエポキシ樹脂(d)とから、エポキシ基含有ポリアミド樹脂(e)を得る反応(ヒドロキシエチルエステル化)温度は、50〜250℃とすることが好ましい。この反応温度が50℃未満では反応が進みにくく、反応が完結しない傾向があり、反応温度が250℃を超えると反応が制御しにくい(反応系がエポキシ基の3次元化反応によりゲル化し易い)傾向がある。
【0031】
本発明の感光性アミド樹脂は、(i)エポキシ基含有ポリアミド樹脂(e)とエチレン性不飽和モノカルボン酸(f)を反応させるか、(ii)エポキシ基含有ポリアミド樹脂(e)とエチレン性不飽和イソシアネート(g)を反応させるか、または(iii)エポキシ基含有ポリアミド樹脂(e)とエチレン性不飽和モノカルボン酸(f)との反応生成樹脂(e′)にエチレン性不飽和イソシアネート(g)を反応させることで得られる。
【0032】
(i)の場合、エチレン性不飽和モノカルボン酸(f)を当量比((f)のカルボキシル基/(e)のエポキシ基)が1以上の条件で用いて反応を行って製造される。この当量比((f)のカルボキシル基/(e)のエポキシ基)は、0.5〜5とすることが好ましい。この当量比((f)のカルボキシル基/(e)のエポキシ基)が0.5未満では合成中に増粘、ゲル化する傾向にあり、当量比が5を超えると未反応のエチレン性不飽和モノカルボン酸(f)が多量に残存し、感光性樹脂組成物の耐熱性を低下させる傾向にある。
【0033】
エチレン性不飽和モノカルボン酸(f)としては、例えば、メタクリル酸、アクリル酸、ケイ皮酸、クロトン酸、α−シアノケイ皮酸、β−スチリルアクリル酸、β−フルフリルアクリル酸等が挙げられる。あるいはエチレン性不飽和モノカルボン酸(f)として飽和又は不飽和二塩基酸無水物と1分子中に1個の水酸基を有する(メタ)アクリレート類あるいは飽和又は不飽和二塩基酸と不飽和モノグリシジル化合物との半エステル化合物類、例えばフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、マレイン酸、コハク酸とヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートを常法により等モル比で反応させて得られる化合物が挙げられる。光硬化性向上の点からこれらの中でアクリル酸が好ましい。光硬化性を低下させない程度にギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ヘキサン酸、安息香酸、ジフェニル酢酸等の飽和モノカルボン酸などを併用することもできる。これらのエチレン性不飽和モノカルボン酸(f)は、単独で又は2種類以上組み合わせて用いられる。
【0034】
エポキシ基含有ポリアミド樹脂(e)とエチレン性不飽和モノカルボン酸(f)とから本発明の感光性アミド樹脂を製造するための反応温度は、40〜180℃とすることが好ましく、50〜150℃とすることがより好ましい。この反応温度が40℃未満では反応が進みにくく、反応が完給しない傾向があり、反応温度が180℃を超えると反応が制御しにくい(反応系が副反応によりゲル化し易い)傾向がある。
【0035】
また、エポキシ基含有ポリアミド樹脂(e)とエチレン性不飽和モノカルボン酸(f)とから本発明の感光性アミド樹脂を製造するための反応においては、必要に応じ、触媒を使用することができる。
【0036】
触媒としては、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N−メチルモルフォリン、N−エチルモルフォリン、N,N′−ジメチルピペラジン、ピリジン、ピコリン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7等の3級アミン、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、1−アジン−2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、ジブチルチンジラウレート、1,3−ジアセトキシテトラブチルジスタノキサン等の有機スズ化合物、臭化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム、塩化トリオクチルメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、ヨウ化テトラブチルアンモニウム、ヨウ化ドデシルトリメチルアンモニウム、ベンジルジメチルテトラデシルアンモニウムアセテート等の4級アンモニウム塩、塩化テトラフェニルホスホニウム、塩化トリフェニルメチルホスホニウム、臭化テトラメチルホスホニウム等の4級ホスホニウム塩、3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド等の有機リン化合物、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム等の有機酸アルカリ金属塩、塩化亜鉛、塩化鉄、塩化リチウム、臭化リチウム等の無機塩、オクタカルボニル二コバルト、コバルトカルボニル等の金属カルボニルなどが挙げられ、なかでも、3級アミン、イミダゾール類等が好ましい。これらの触媒は、単独で又は2種類以上組み合わせて用いられる。
【0037】
次に、(ii)(iii)の場合、エチレン性不飽和イソシアネート(g)とエポキシ基含有ポリアミド樹脂(e)又は反応生成樹脂(e′)との当量比((g)のイソシアネート基/(e)及び/又は(e′)の水酸基)は0.1〜3とすることが好ましく、0.3〜2とすることがより好ましい。
【0038】
この当量比((g)のイソシアネート基/(e)及び/又は(e′)の水酸基)が3を超えると、エチレン性不飽和基イソシアネート(g)が、未反応物として多量に残留し、感光性樹脂組成物の耐熱性が低下する傾向にあり、当量比が0.1未満では、感光性樹脂組成物の光感度が低下する傾向にある。
【0039】
エポキシ基含有ポリアミド樹脂(e)又は反応生成樹脂(e′)から本発明の感光性アミド樹脂を製造するための一連の反応の反応温度は、30〜150℃とすることが好ましく、40〜120℃とすることがより好ましい。この反応温度が30℃未満では反応が進みにくく、反応が完結しない傾向があり、反応温度が150℃を超えると反応が制御しにくい(反応系が副反応によりゲル化し易い)傾向がある。
【0040】
本発明に用いられるエチレン性不飽和イソシアネート(g)としては、例えば、2−イソシアネートエチルメタクリレート、メタクリロイルイソシアネート、あるいはトリレンジイソシアネート又はイソホロンジイソシアネートと1分子中に水酸基を1個以上有する(メタ)アクリレート類例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの等モル反応物等が挙げられる。これらのエチレン性不飽和イソシアネート(g)は、単独で又は2種類以上組み合わせて用いられる。
【0041】
また、エポキシ基含有ポリアミド樹脂(e)又は反応生成樹脂(e′)から本発明の感光性アミド樹脂を製造するための一連の反応においては、必要に応じ、(i)で用いた触媒を使用することができる。
【0042】
なお、本発明の(A)成分の感光性アミド樹脂は、主鎖中にイミド環を有していてもよく、感光性アミドイミド樹脂も含むものである。
【0043】
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)上記感光性アミド樹脂、(B)感光性エポキシ樹脂及び(C)光開始剤を必須成分としてなり、(B)成分の感光性エポキシ樹脂としては光硬化性エポキシ樹脂がある。光硬化性エポキシ樹脂としては、感光性芳香族系エポキシ樹脂が挙げられ、光硬化性の点から感光性ノボラック型エポキシ樹脂、感光性ビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましい。
【0044】
感光性ノボラック型エポキシ樹脂、感光性ビスフェノールA型エポキシ樹脂は、例えば、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を上記に示したエチレン性不飽和モノカルボン酸によりエステル化した後、飽和又は不飽和多塩基酸無水物との付加反応により得られる。
【0045】
ノボラック型エポキシ樹脂としては、例えば、フェノール、クレゾール、ハロゲン化フェノール及びアルキルフェノール類とホルムアルデヒドとを酸性触媒下で反応して得られるノボラック類とエピクロルヒドリンを反応させて得られる樹脂が適しており、具体的には、東都化成社製YDCN−701、704、YDPN−638、602、ダウケミカル社製DEN−431、439、チバ・ガイギ社製EPN−1299、大日本インキ化学工業社製N−730、770、865、665、673、VH−4150、4240、日本化薬社製EOCN−120、BRPN等が挙げられる。
【0046】
ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、例えば、油化シェル社製エピコート828、1007、807、大日本インキ化学工業社製エピクロン840、860、3050、ダウ・ケミカル社製DER−330、337、361、グイセル化学工業社製セロキサイド2021、三菱ガス化学社製TETRAD−X、C、日本曹達社製EPB−13、27、チバ・ガイギ社製GY−260、255、XB−2615等が挙げられる。また、ブロム化ビスフェノールA型エポキシ樹脂を併用することができる。
【0047】
前記の付加反応に用いられる飽和又は不飽和多塩基酸無水物としてはフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、マレイン酸、コハク酸、トリメリット酸等の無水物が用いられる。
【0048】
(B)成分のエポキシ樹脂は(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計量に対して、好ましくは20〜80重量%、より好ましくは30〜70重量%配合される。
【0049】
本発明に使用される(C)成分の光開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン類、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフオリノプロパン−1−オン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、N,N−ジメチルアミノアセトフェノン等のアセトフェノン類、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン、2−アミノアントラキノン等のアントラキノン類、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類、アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類、ベンゾフェノン、メチルベンゾフェノン、4,4′−ジクロロベンゾフェノン、4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、4−べンゾイル−4′−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン類、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド等が有り、これらは単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることが出来る。
【0050】
(C)成分の光開始剤は(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計量に対して、好ましくは0.01〜20重量%、より好ましくは0.5〜15重量%配合される。
【0051】
更に、光開始助剤として、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、ジメチルエタノールアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の3級アミン類を用いることができる。これらは、単独あるいは混合して用いられる。
【0052】
光開始助剤は(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計量に対して、好ましくは0.01〜20重量%、より好ましくは0.2〜10重量%配合される。
【0053】
本発明では、必要に応じて光硬化性を向上させる目的で光橋架け剤を加えて使用することもできる。光橋架け剤としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、N,N−ジメチル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ウレタン(メタ)アクリレート、あるいはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ビスフェノールAのポリエチレングリコール付加物あるいはビスフェノールAのプロピレングリコール付加物、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸のモノあるいは多官能(メタ)アクリレート類、トリグリシジルイソシアヌレートなどのグリシジルエーテルの(メタ)アクリレート類、ジアリルフタレート等の光重合性モノマーが使用できる。これらは単独あるいは混合系で使用できる。
【0054】
また、本発明では、必要に応じてその他の硬化剤、硬化促進剤が使用できる。硬化剤としては、三フッ化ホウ素−アミンコンプレックス、ジシアンジアミド及びその誘導体、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等のグアナミン類、有機酸ヒドラジッド、ジアミノマレオニトリルとその誘導体、尿素、メラミンとその誘導体、アミンイミド、ポリアミンの塩類、ジアミノジフェニルメタシ、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、メタキシレンジアミン、ジアミノジフエニルスルホン、「ハードナーHT972](チバガイギ社製)等の芳香族アミン類、エチルジアミノ−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−キシリル−S−トリアジン等のトリアジン誘導体類、無水フタル酸、無水トリメリット酸、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、グリセロールトリス(アンヒドロトリメリテート)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物等の芳香族酸無水物、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸等の脂肪族酸無水物類、ポリビニルフェノール、ポリビニルフェノール臭素化物、フェノールノボラック、アルキルフェノールノボラック等のポリフェノール類等が挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。これらは感光性樹脂組成物の0.01重量%から10重量%の範囲で使用できる。
【0055】
硬化促進剤としては、アセチルアセトナート亜鉛等のアセチルアセトンの金属塩、エナミン、オクチル酸スズ、第4級フオスホニウム塩、トリフェニルフォスフィン等の第3級フォスフィン類、トリ−n−ブチル(2,5−ジヒドロキシフェニル)ホスホニウムブロマイド、ヘキサデシルトリブチルホスホニウムクロライド等のホスホニウム塩類、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、フェニルトリブチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩類、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロポロエート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート等のポロエート、アンチモネート類、ジメチルベンジルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン、m−アミノフェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノフェノール)、テトラメチルグアニジン等の第3級アミン類、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール類が挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。これらは感光性樹脂組成物の0.01重量%から10重量%の範囲で使用できる。
【0056】
また、本発明では必要に応じて耐熱性を向上させるためにメラミン化合物を添加しても良い。メラミン化合物としてはトリアミノトリアジン、ヘキサメトキシメチル化メラミン等が挙げられる。これらは感光性樹脂組成物の0.1重量%から10重量%の範囲で使用できる。
【0057】
本発明の感光性樹脂組成物は、必要に応じて有機溶剤で希釈することができる。例えばエチルメチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、ブチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート等のエステル類、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素、石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤等を挙げることができる。これらの有機溶剤は感光性樹脂組成物溶液中、通常、5〜50重量%使用される。
【0058】
本発明の感光性樹脂組成物は密着性、硬度等の特性を向上する目的で必要に応じて硫酸バリウム、チタン酸バリウム、粉状酸化珪素、無定形シリカ、タルク、クレー、焼成カオリン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、雲母粉等の無機充填剤が使用できる。その使用量は好ましくは本発明の組成物中0〜60重量%、好ましくは5〜50重量%である。
【0059】
更に必要に応じてフタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、アイオジングリーン、ジスアゾイエロー、クリスタルバイオレット、酸化チタン、カーボンブラック、ナフタレンブラックなどの着色剤等を用いることが出来る。更にハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、tert−ブチルカテコール、ピロガロール、フェノチアジン等の重合禁止剤、ベントン、モンモリロナイト、エアロジル、アミドワックス等のチキソ性付与剤、シリコーン系、フッ素系、高分子系等の消泡剤、レベリング剤、及び、イミダゾール系、チアゾール系、トリアゾール系、シランカップリング剤等の密着性付与剤のような添加剤類を用いることが出来る。
【0060】
本発明の感光性樹脂組成物は、ロールミル、ビーズミル等で均一に混合し、例えば次のように硬化させて、硬化物を得ることができる。即ちプリント配線板等の基材に、スクリーン印刷法、スプレー法、静電スプレー法、エアレススプレー法、カーテンコーター法、ロールコート法等の方法により10〜160μmの膜厚で本発明の感光性樹脂組成物を塗布し、塗膜を60〜110℃で乾燥させた後、ネガフィルムを塗膜の上に置き、紫外線等の放射線を照射し、次いで、未露光部分を希アルカリ水溶液(例えば0.5〜2%炭酸ソーダ水溶液等)、有機溶剤(例えばトリクロロエタン等)あるいは非水溶性有機溶剤の水性エマルジョンで溶解除去(現像)した後、さらに紫外線などの活性光線照射及び/又は加熱(例えば100〜200℃で0.5〜1.0時間)によって十分な硬化を行い硬化皮膜を得る。
【0061】
【実施例】
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、以下の記載において、部は重量部、%は重量%、分子量は数平均分子量を意味する。
〔ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTG)の両末端カルボン酸物(A−1)の製造例〕
撹拌機、還流冷却器、不活性ガス導入口及び温度計を備えたフラスコに、PTG(分子量1,000);1,000g、セバシン酸;405gを仕込み、2時間かけて200℃に昇温し更に3時間反応させた後冷却し、酸価81.9、分子量1,370のポリテトラメチレンエーテルグリコールの両末端カルボン酸物(A−1)を得た。配合割合及び特性について表1に示す。
【0062】
上記の製造方法において、ポリテトラメチレンエーテルグリコールに代えてポリプロピレングリコール両末端ジアミン(PPG−NH2:分子量900)を用い、セバシン酸に代えてトリメリット酸を用いて同様にして、ポリプロピレングリコール両末端ジアミンの両末端カルボン酸物(A−2)を得た。配合割合及び特性について表1に示す。
【0063】
上記の製造方法において、ポリテトラメチレンエーテルグリコールに代えてビスフェノールAのポリプロピレンオキサイド付加物(Bis−PPG:分子量1,450)を用い、セバシン酸に代えてアジピン酸を用いて、同様にして、ビスフェノールAのポリプロピレンオキサイド付加物の両末端カルボン酸物(A−3)を得た。配合割合及び特性について表1に示す。
【0064】
上記の製造方法において、ポリテトラメチレンエーテルグリコールに代えてポリカーボネートジオール(PLACCEL CD220:分子量2,000;前記の2価アルコール残基が1,6−ヘキサンジオール残基/3−メチルペンタンジオール残基=7/3、常温で液状のポリカーボネートジオール;ダイセル化学工業社)を用いて同様にして、ポリカーボネートジオールの両末端カルボン酸物(A−4)を得た。配合割合及び特性について表1に示す。
【0065】
【表1】
Figure 0003881066
〔感光性アミド樹脂(B−1)の製造例〕
攪拌機、還流冷却器、不活性ガス導入口及び温度計を備えたフラスコに、γ−ブチロラクトン;100g、NMP;50gを仕込み、更に上記(A−1);55.6g、アジピン酸;6.1g、セバシン酸;8.3g、イソフタル酸;13.7g、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI);13.8g、コロネートT80(トリレンジイソシアネート;TDI:日本ポリウレタン工業社製);14.4gを仕込み、200℃に昇温し、4時間保温後冷却した。加熱残分40%、酸価(固形分);83.5のカルボキシル基含有ポリアミド樹脂を得た。更にビスフェノールA型エポキシ樹脂エピコート1001(油化シェルエポキシ社製)141.5gを仕込み、140℃で2時間保温後ジメチルフォルムアミド(DMF)を加え加熱残分40%にした。120℃でアクリル酸;10.7gを加え、3時間保温した。DMFで希釈し加熱残分55%の感光性アミド樹脂(B−1)を得た。
〔感光性アミド(アミドイミド)樹脂(B−2)の製造例〕
撹拌機、還流冷却器、不活性ガス導入口及び温度計を備えたフラスコに、NMP;50gを仕込み、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン(以下BAPPと記す);12.4g(0.030モル)、無水トリメリット酸;11.6g(0.060モル)を仕込み、200℃で2.5時間保温した。これに上記(A−2);41.0g(0.033モル)、アジピン酸;4.3g(0.029モル)、セバシン酸;5.9g(0.029モル)、イソフタル酸;4.9g(0.029モル)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDl);18.9g(0.075モル)、コロネートT80(トリレンジイソシアネート;TDI;日本ポリウレタン工業社製);8.8g(0.050モル)及びγ−ブチロラクトン100gを仕込み、200℃に昇温し、4時間保温後冷却した。加熱残分40%、酸価(固形分);32.8のポリアミドイミド樹脂を得た。更にカルボン酸基の2倍量になるようエポキシ樹脂;エピコート1001;66.8gを仕込み、140℃で2時間保温後、DMFを加え加熱残分40%にした。120℃でアクリル酸;5.0gを加え3時間保温した。DMFで希釈し加熱残分55%の感光性アミド樹脂(B−2)を得た。
【0066】
麦2に示した配合で、上記製造例と同様にして感光性アミド樹脂(B−3〜B−)を得た。配合及び特性結果を表2にまとめて示す。
【0067】
【表2】
Figure 0003881066
*ポリアミド(イミド)配合:出来高100配合
**三井石油化学工業社製;ビスフェノールA型エポキシ樹脂
[感光性エポキシ樹脂(C−1)の製造例]
(C−1)製造例
攪拌機、還流冷却器、及び温度計を備えたフラスコに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量:195)200部、アクリル酸30部、メチルハイドロキノン0.4部、カルビトールアセテート80部及びソルベントナフサ20部を仕込み、70℃で加熱撹拌して、混合物を溶解した。次に、溶液を50℃まで冷却し、トリフェニルホスフィン1部を仕込み、100℃に加熱し、固形分酸価が1(KOHmg/g)以下になるまで反応させ、冷却後、ソルベントナフサを仕込み、固形分67%の感光性エポキシ樹脂(C−1)を得た。
〔感光性エポキシ樹脂(C−2)の製造例〕
(C−2)製造例
撹拌機、還流冷却器、及び温度計を備えたフラスコに、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量:200)200部、アクリル酸20部、メチルハイドロキノン0.4部、カルビトールアセテート80部及びソルベントナフサ20部を仕込み、70℃で加熱撹拌して、混合物を溶解した。次に、溶液を50℃まで冷却し、トリフェニルホスフィン0.5部を仕込み、100℃に加熱し、固形分酸価が1(KOH mg/g)以下になるまで反応させ、冷却後、ソルベントナフサを仕込み、固形分67%の感光性エポキシ樹脂(C−2)を得た。
[感光性エポキシ樹脂(D−1)の製造例]
(D−1)製造例
撹拌機、還流冷却器、及び温度計を備えたフラスコに、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量:200)200部、アクリル酸70部、メチルハイドロキノン0.4部、カルビトールアセテート80部及びソルベントナフサ20部を仕込み、70℃で加熱撹拌して、混合物を溶解した。次に、溶液を50℃まで冷却し、トリフェニルホスフィン1部を仕込み、100℃に加熱し、固形分酸価が1(KOH mg/g)以下になるまで反応させた。次に、カルビトールアセテートとソルベントナフサで希釈し固形分67%の感光性エポキシ樹脂(D−1)を得た。
[感光性エポキシ樹脂(D−2)の製造例]
(D−2)製造例
撹拌機、還流冷却器、及び温度計を備えたフラスコに、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量:200)200部、アクリル酸70部、メチルハイドロキノン0.4部、カルビトールアセテート80部及びソルベントナフサ20部を仕込み、70℃で加熱撹拌して、混合物を溶解した。次に、溶液を50℃まで冷却し、トリフェニルホスフィン1部を仕込み、100℃に加熱し、固形分酸価が1(KOH mg/g)以下になるまで反応させた。次に、得られた溶液を50℃まで冷却し、無水マレイン酸51部、カルビトールアセテート48部及びソルベントナフサ10部を仕込み、80℃で所定時間反応させ、固形分酸価67(KOH mg/g)、固形分67%の感光性エポキシ樹脂(D−2)を得た。
(実施例1)
表3に示す組成に従って、(I)、(II)別々に三本ロールを用いて混練し(I):75g、(II):25gを混合しレジストインキを調製した。これをスクリーン印刷法により、100メッシュのポリエステルスクリーンを用いて、乾燥後の膜厚が25〜30μmになるように銅張積層板上に塗布し、塗膜を80℃で20分間乾燥し、レジストパターンを有するネガマスクフィルムを密着した後、紫外線露光装置を用いて、所定時間紫外線を照射した。次に、トリクロロエタンで60秒間スプレー現像(スプレー圧:2.0kg/cm2)し、未露光部分を溶解除去し、現像性を評価した。ただし、比較例については、1%炭酸ナトリウム水溶液で60秒間、スプレー現像(スプレー圧:2.0kg/cm2)した。
【0068】
次に、循環式熱風乾燥機を用いて150℃/1時間、加熱硬化を行ない、得られた硬化膜を評価した。
【0069】
同様に表3に従い、実施例2、3、4、5、6及び比較例を実施例1と同様に行い、試験に供し、試験結果を表4に示した。
【0070】
【表3】
Figure 0003881066
【0071】
【表4】
Figure 0003881066
*未露光部の現像残りを観察した。
**JIS D 0202の碁盤目試験(1×1mm角、100個)によった。***JIS C 6481の試験法に従い260℃のはんだ浴へ、10秒間、3回浸漬し外観の変化を観た。
****プレッシャークッカーテスト:121℃、2気圧の飽和水蒸気中で所定時間放置後、塗膿の外観、碁盤目試験を行った。
【0072】
【発明の効果】
本発明によれば、感光性レジストに好適に利用できる感光性樹脂組成物が得られ、得られるレジストは密着性、耐熱性、耐PCT性、現像性に優れる。

Claims (2)

  1. (A)ポリカーボネートジオール残基及び/又はポリアルキレングリコール残基を有する多価カルボン酸(a)とジイソシアネート(b)とを当量比((a)のカルボキシル基/(b)のイソシアネート基)が1を超える条件で反応させて得られるカルボキシル基含有ポリアミド樹脂(c)に対して、エポキシ化合物(d)を当量比((d)のエポキシ基/(c)のカルボキシル基)が1以上の条件で反応させて得られるエポキシ基含有ポリアミド樹脂(e)に対して、エチレン性不飽和モノカルボン酸(f)及び/又はエチレン性不飽和イソシアネート(g)を反応させて得られる感光性アミド樹脂であって、ポリカーボネートジオール残基及び/又はポリアルキレングリコール残基を有する感光性アミド樹脂、(B)感光性エポキシ樹脂及び(C)光開始剤を必須成分としてなる感光性樹脂組成物。
  2. ジイソシアネートが、芳香族ジイソシアネートである請求項1記載の感光性樹脂組成物。
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