JPH10101764A - 感光性樹脂組成物 - Google Patents

感光性樹脂組成物

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JPH10101764A
JPH10101764A JP8260008A JP26000896A JPH10101764A JP H10101764 A JPH10101764 A JP H10101764A JP 8260008 A JP8260008 A JP 8260008A JP 26000896 A JP26000896 A JP 26000896A JP H10101764 A JPH10101764 A JP H10101764A
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epoxy resin
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裕昭 平倉
Toshihiko Ito
敏彦 伊藤
Takao Hirayama
隆雄 平山
Masaru Tanaka
勝 田中
Toshizumi Yoshino
利純 吉野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感光性レジストに好適に用いられ、密着性、
耐熱性、耐PCT性、耐現像性に優れたレジストが得ら
れる感光性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 (A)多価カルボン酸(a)とジイソシ
アネート(b)とを当量比((a)のカルボキシル基/
(b)のイソシアネート基)が1を超える条件で反応さ
せて得られるカルボキシル基含有ポリアミド樹脂(c)
に対して、エポキシ化合物(d)を当量比((d)のエ
ポキシ基/(c)のカルボキシル基)が1以上の条件で
反応させて得られるエポキシ基含有ポリアミド樹脂
(e)に対して、エチレン性不飽和モノカルボン酸
(f)及び/又はエチレン性不飽和イソシアネート
(g)を反応させて得られる感光性アミド樹脂、(B)
エポキシ樹脂及び(C)光開始剤を必須成分としてなる
感光性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感光性樹脂組成物
に関し、更に詳しくは、プリント配線板等の電子材料分
野において、像形成性、耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性
等に優れた永久マスクレジストとして好適に用いられる
感光性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プリント配線板製造における永久
マスクレジストは、熱あるいは紫外線硬化型レジストイ
ンキをスクリーン印刷する方法で作製されてきた。近
年、電子デバイスの高集積化に伴い、プリント配線板に
おいて配線パターン、絶縁パターンの高精細化が必要と
されるようになってきたが、従来のスクリーン印刷によ
るレジスト形成法では、印刷時に滲み、ダレ等が発生す
るため、高精細なレジスト像を形成するのが困難であ
る。そこで、フォトリソグラフイーによるレジスト像形
成法が開発されるに至った。具体的には、ドライフィル
ム型の感光性レジストを基材上に熱圧着、あるいは液状
の感光性レジストを基材上にカーテン、スプレー塗布
し、紫外線などの活性光線をネガマスクを介して照射
し、現像することによりレジスト像形成を行うものであ
る。ドライフィルム型の感光性レジストの場合、基材へ
の熱圧着時に空気を巻き込み気泡を生じやすく、そのた
め密着性の低下あるいはレジスト像の乱れを生じ、レジ
スト性能の低下が懸念される。一方、液状の感光性レジ
ストには、溶剤現像型とアルカリ現像型があるが、アル
カリ現像型が作業環境保全、地球環境保全の点から主流
になっている。このようなものとして特開昭61−24
3869号公報、特開平1−141904号公報に示さ
れるものが知られている。しかしアルカリ現像型の液状
感光性レジストは、耐久性の点ではまだまだ問題があ
る。すなわち従来の熱硬化型、溶剤現像型のものに比べ
て耐薬品性、耐水性、耐熱性等が劣る。アルカリ現像型
の液状感光性レジストは、アルカリ現像を可能にするた
めに親水性基を有するものが主成分となっており、この
ため薬液、水等が浸透しやすく、レジスト皮膜の実用特
性を低下させていると推察される。特にBGA(ボール
グリッド アレイ)やCSP(チップ サイズ パッ
ケージ)等の半導体パッケージにおいては特に耐湿熱性
ともいうべき耐PCT性(耐プレッシャークッカーテス
ト性)が必要であるがこのような厳しい条件下において
は数時間〜十数時間程度しか持たないのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの問
題を解決するものであり、感光性レジストに好適に用い
られ、密着性、耐熱性、耐PCT性、耐現像性に優れた
レジストが得られる感光性樹脂組成物を提供することを
目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の感光性ポ
リアミド樹脂を必須成分とする感光性樹脂組成物が銅及
び他の基材に対する密着性及び耐久性に優れていること
を見い出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至
った。
【0005】すなわち、本発明は、(A)多価カルボン
酸(a)とジイソシアネート(b)とを当量比((a)
のカルボキシル基/(b)のイソシアネート基)が1を
超える条件で反応させて得られるカルボキシル基含有ポ
リアミド樹脂(c)に対して、エポキシ化合物(d)を
当量比((d)のエポキシ基/(c)のカルボキシル
基)が1以上の条件で反応させて得られるエポキシ基含
有ポリアミド樹脂(e)に対して、エチレン性不飽和モ
ノカルボン酸(f)及び/又はエチレン性不飽和イソシ
アネート(g)を反応させて得られる感光性アミド樹
脂、(B)エポキシ樹脂及び(C)光開始剤を必須成分
としてなる感光性樹脂組成物を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明における(A)成分の感光
性アミド樹脂の製造に用いられる多価カルボン酸(a)
としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリ
ン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカン二酸、ドデカ
ン二酸、エイコサン二酸等の脂肪族ジカルボン酸、ダイ
マー酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環
式ジカルボン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フタル
酸、ナフタレンジカルボン酸、オキシジ安息香酸等の芳
香族ジカルボン酸、トリメリット酸などの芳香族トリカ
ルボン酸等が挙げられる。また、他の多価カルボン酸
(a)としては、トリメリット酸無水物、ピロメリット
酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、
s−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ジフェニル
スルホンテトラカルボン酸二無水物、メチルシクロヘキ
センテトラカルボン酸二無水物、エチレングリコールビ
ス(アンヒドロトリメリテート)等の多価カルボン酸無
水物などが挙げられ、これらも多価カルボン酸(a)に
含まれる。
【0007】更に、ポリアルキレングリコール残基及び
/又はポリカーボネートジオール残基を感光性ポリアミ
ド樹脂に導入するために、ポリアルキレングリコール変
性ジカルボン酸、ポリカーボネートジオール変性ジカル
ボン酸を多価カルボン酸(a)として用いることができ
る。
【0008】これらの多価カルボン酸(a)は、単独で
又は2種類以上組み合わせて用いられる。
【0009】前記ポリアルキレングリコール変性ジカル
ボン酸、ポリカーボネートジオール変性ジカルボン酸
は、ポリアルキレングリコール、ポリカーボネートジオ
ールと上記の多価カルボン酸(a)として用いられるジ
カルボン酸とを反応させることにより得られる。
【0010】具体的には、ポリアルキレングリコール変
性ジカルボン酸は、ポリアルキレングリコールと上記の
ジカルボン酸とを当量比(ジカルボン酸のカルボキシル
基/ポリアルキレングリコールの水酸基)が1を超える
条件、好ましくは1.1〜3、より好ましくは1.5〜
2で反応(脱水エステル化)させて合成することができ
る。
【0011】ポリアルキレングリコール変性ジカルボン
酸を合成するためのポリアルキレングリコールとして
は、特に制限はなく、例えば次式で表されるものが挙げ
られる。
【0012】HO(R1O)n1−OH (式中、R1は炭素数1〜6の2価アルコール残基を表
し、nは1〜500の整数である。) 例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド
付加物、ポリテトラメチレングリコールなどが挙げられ
る。
【0013】具体的には、ポリプロピレングリコール
(例えば、三洋化成工業(株)製商品名ニューポールP
P−シリーズ等)、ポリプロピレングリコールエチレン
オキサイド付加物(例えば、三洋化成工業(株)製商品
名ニューポールPE−61、ニューポールPE−62、
ニューポールPE−71等)が挙げられる。これらのポ
リアルキレングリコールは、単独で又は2種類以上組み
合わせて用いられる。なお、ポリアルキレングリコール
の分子量(水酸価からの算出値)は、200〜5000
とすることが好ましく、500〜4000とすることが
より好ましく、1000〜3000とすることが特に好
ましい。
【0014】その他、ポリアルキレングリコール鎖の両
末端にアミノ基を有する化合物にジカルボン酸あるいは
トリカルボン酸無水物を反応させたもの、ポリプロピレ
ンオキサイドにビスフェノールAを付加した化合物(例
えば、ビスオール30PN、東邦化学製)にジカルボン
酸を反応させたものも好ましく用いられる、ポリカーボ
ネートジオール変性ジカルボン酸は、ポリカーボネート
ジオールとジカルボン酸とを当量比(ジカルボン酸のカ
ルボキシル基/ポリカーボネートジオールの水酸基)が
1を超える条件、好ましくは1.1〜3、より好ましく
は1.5〜2で(脱水エステル化)させて合成すること
ができる。
【0015】ポリカーボネートジオール変性ジカルボン
酸を合成するためのポリカーボネートジオールとして
は、特に制限はなく、例えば、PLACCEL CDシ
リーズ、PLACCEL CD−PLシリーズ、PLA
CCEL CD−HLシリーズ(以上、ダイセル化学工
業(株)製商品名)、PNOC−シリーズ((株)クラ
レ製商品名)などが挙げられる。
【0016】ポリカーボネートジオールの化学構造につ
いては、例えば次式で表されるものが挙げられる。
【0017】HO(R2OCOO)n2−OH (式中、R2は2価アルコール残基を表し、nは1〜1
0の整数である。) 特に、2価アルコール残基が、炭素数1〜100のも
の、例えば、1,5−ペンタンジオール残基、メチルペ
ンタンジオール残基、シクロヘキサノンジメタノール残
基、1,6−ヘキサンジオール残基、1,9−ノナンジ
オール残基、2−メチル−1,8−オクタンジオール残
基を有し、常温で液状のものが好適に用いられる。
【0018】これらのポリカーボネートジオールは、単
独で又は2種以上組み合わせて用いられる。なお、ポリ
カーボネートジオールの分子量(水酸価からの算出値)
は、200〜5000とすることが好ましく、500〜
4000とすることがより好ましく、1000〜300
0とすることが特に好ましい。
【0019】感光性アミド樹脂中のポリアルキレングリ
コール残基、ポリカーボネートジオール残基の量は、接
着性の点から好ましくは2重量%以上、耐熱性の点から
好ましくは70重量%以下とする。更に好ましくは、5
〜50重量%とする。
【0020】本発明に用いられるジイソシアネート
(b)としては、例えば、4,4′−ジフェニルメタン
ジイソシアネート(MDI)、2,6−トリレンジイソ
シアネート(2,6−TDI)、2,4−トリレンジイ
ソシアネート(2,4−TDI)、1,5−ナフタレン
ジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、p−フ
ェニレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエー
テルジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネー
ト、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の
芳香族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシ
アネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイ
ソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイ
ソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPD
I)、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ
ート(水添化4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート)、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシア
ネート、水添化m−キシリレンジイソシアネート等の脂
環式ジイソシアネート、3,9−ビス(3−イソシアネ
ートプロピル)−2,4,8,10−テトラスピロ
[5,5]ウンデカン等の複素環式ジイソシアネートな
どが挙げられ、なかでも、感光性ポリアミド樹脂の耐熱
性向上の点で、芳香族ジイソシアネートが好ましく、
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレ
ンジイソシアネートが特に好ましい。これらのジイソシ
アネート(b)は、これらは単独で使用してもよいが、
単独では結晶性が高くなるので、感光性アミド樹脂の溶
解性向上等の点で2種類以上を組み合わせて使用するこ
とが好ましい。
【0021】本発明における感光性アミド樹脂の製造中
間体であるカルボキシル基含有ポリアミド樹脂(c)
は、上記の多価カルボン酸(a)とジイソシアネート
(b)とを、当量比((a)のカルボキシル基/(b)
のイソシアネート基)が1を超える条件で反応(脱炭酸
アミド化)させて得られる。
【0022】この当量比((a)のカルボキシル基/
(b)のイソシアネート基)は、1.03〜3とするこ
とが好ましく、1.05〜1.5とすることがより好ま
しい。この当量比((a)のカルボキシル基/(b)の
イソシアネート基)が1.03未満ではカルボキシル基
をもたないものが生成し易く、また、反応が制御しにく
い(反応系がイソシアネート基の副反応によりゲル化し
易い)傾向があり、当量比が3を超えると多価カルボン
酸が未反応物として残存し易く感光性アミド樹脂の耐熱
性が低下する傾向がある。
【0023】多価カルボン酸(a)とジイソシアネート
(b)とから、カルボキシル基含有ポリアミド樹脂
(c)を得る反応(脱炭酸アミド化)は、有機溶媒中で
実施される。
【0024】有機溶媒としては、特に制限はなく、例え
ば、γ−ブチロラクトン等のラクトン類、シクロヘキサ
ノン等のケトン類、ジグライム、トリグライム、テトラ
グライム等のグライム類、N−メチル−2−ピロリド
ン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチル
ホルムアミド等のアミド類、N,N−ジメチルエチレン
ウレア、N,N−ジメチルプロピレンウレア、テトラメ
チルウレア等のウレア類、スルホラン等のスルホン類な
どが挙げられ、なかでも、γ−ブチロラクトンを主成分
とするものが、反応収率の点から好ましい。
【0025】また、多価カルボン酸(a)とジイソシア
ネート(b)とからカルボキシル基含有ポリアミド樹脂
(c)を得る反応温度は、100〜300℃とすること
が好ましく、150〜250℃とすることがより好まし
く、170〜230℃することが特に好ましい。
【0026】本発明における感光性アミド樹脂の製造中
間体であるエポキシ基含有ポリアミド樹脂(e)は、上
記カルボキシル基含有ポリアミド樹脂(c)に対して、
エポキシ化合物(d)を当量比((d)のエポキシ基/
(c)のカルボキシル基)が1以上の条件で反応(ヒド
ロキシエチルエステル化)させて得られる。
【0027】本発明で用いられるエポキシ化合物(d)
としては、以下のエポキシ樹脂及びその前駆体が挙げら
れ、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、テトラ
ブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノー
ルF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹
脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型
エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノール
ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エ
ポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール型エポ
キシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、
ヒダントイン型エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポ
キシ樹脂等の芳香族系エポキシ樹脂、ポリエチレングリ
コール型エポキシ樹脂、ポリプロピレングリコール型エ
ポキシ樹脂、ネオペンチルグリコール型エポキシ樹脂、
ジブロモネオペンチルグリコール型エポキシ樹脂、ヘキ
サンジオール型エポキシ樹脂、トリメチロールプロパン
型エポキシ樹脂、ソルビトール型エポキシ樹脂、グリセ
リン型エポキシ樹脂等の脂肪族系エポキシ樹脂、水添化
ビスフェノールA型エポキシ樹脂、オルガノポリシロキ
サン型エポキシ樹脂等のケイ素含有エポキシ樹脂等と、
フタル酸ジグリシジルエステル、N,N−ジグリシジル
アニリン、N,N−ジグリシジルトリフルオロメチルア
ニリン、N,N,N′,N′−テトラグリシジル−4,
4−ジアミノジフェニルメタン、1,3−ビス(N,N
−グリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,
O−トリグリシジル−p−アミノフェノール等の芳香族
系エポキシ化合物、テトラヒドロフタル酸ジグリシジル
エステル、へキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステ
ル、アリサイクリックジエポキシアセタール、アリサイ
クリックジエポキシアジペート、アリサイクリックジエ
ポキシカルボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキ
シド等の脂環式エポキシ化合物、ジグリシジルヒダント
イン、トリグリシジルイソシアヌレート、トリグリシジ
ルトリアジン等の複素環式エポキシ化合物などが挙げら
れる。これらのうちでは、感光性アミド樹脂の耐熱性向
上の点で、芳香族系エポキシ樹脂が好ましく、そのなか
でも、反応が制御し易い点で二官能のエポキシ樹脂がよ
り好ましく、廉価等の点で、ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂が特に好ましく、難燃性向上の点で、テトラブロ
モビスフェノールA型エポキシ樹脂、ジブロモネオペン
チルグリコール型エポキシ樹脂が特に好ましい。これら
のエポキシ樹脂(d)は、単独で又は2種類以上組み合
わせて用いられる。
【0028】エポキシ基含有ポリアミド樹脂(e)の製
造に用いるカルボキシル基含有ポリアミド樹脂(c)と
エポキシ化合物(d)との当量比((d)のエポキシ基
/(c)のカルボキシル基)は、1〜3とすることが好
ましく、1.05〜2とすることがより好ましい。
【0029】この当量比((d)のエポキシ基/(c)
のカルボキシル基)が1未満ではエポキシ基をもたない
ものが生成し易い傾向にある。なお、エポキシ基含有ポ
リアミド樹脂(e)のエポキシ当量は、40000以下
とすることが好ましく、20000以下とすることがよ
り好ましい。このエポキシ当量が40000を超えると
感光性アミド樹脂の溶解性が低下する傾向にある。
【0030】カルボキシル基含有ポリアミド樹脂(c)
とエポキシ樹脂(d)とから、エポキシ基含有ポリアミ
ド樹脂(e)を得る反応(ヒドロキシエチルエステル
化)温度は、50〜250℃とすることが好ましい。こ
の反応温度が50℃未満では反応が進みにくく、反応が
完結しない傾向があり、反応温度が250℃を超えると
反応が制御しにくい(反応系がエポキシ基の3次元化反
応によりゲル化し易い)傾向がある。
【0031】本発明の感光性アミド樹脂は、(i)エポ
キシ基含有ポリアミド樹脂(e)とエチレン性不飽和モ
ノカルボン酸(f)を反応させるか、(ii)エポキシ
基含有ポリアミド樹脂(e)とエチレン性不飽和イソシ
アネート(g)を反応させるか、または(iii)エポ
キシ基含有ポリアミド樹脂(e)とエチレン性不飽和モ
ノカルボン酸(f)との反応生成樹脂(e′)にエチレ
ン性不飽和イソシアネート(g)を反応させることで得
られる。
【0032】(i)の場合、エチレン性不飽和モノカル
ボン酸(f)を当量比((f)のカルボキシル基/
(e)のエポキシ基)が1以上の条件で用いて反応を行
って製造される。この当量比((f)のカルボキシル基
/(e)のエポキシ基)は、0.5〜5とすることが好
ましい。この当量比((f)のカルボキシル基/(e)
のエポキシ基)が0.5未満では合成中に増粘、ゲル化
する傾向にあり、当量比が5を超えると未反応のエチレ
ン性不飽和モノカルボン酸(f)が多量に残存し、感光
性樹脂組成物の耐熱性を低下させる傾向にある。
【0033】エチレン性不飽和モノカルボン酸(f)と
しては、例えば、メタクリル酸、アクリル酸、ケイ皮
酸、クロトン酸、α−シアノケイ皮酸、β−スチリルア
クリル酸、β−フルフリルアクリル酸等が挙げられる。
あるいはエチレン性不飽和モノカルボン酸(f)として
飽和又は不飽和二塩基酸無水物と1分子中に1個の水酸
基を有する(メタ)アクリレート類あるいは飽和又は不
飽和二塩基酸と不飽和モノグリシジル化合物との半エス
テル化合物類、例えばフタル酸、テトラヒドロフタル
酸、ヘキサヒドロフタル酸、マレイン酸、コハク酸とヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシエチ
ル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、グリシ
ジル(メタ)アクリレートを常法により等モル比で反応
させて得られる化合物が挙げられる。光硬化性向上の点
からこれらの中でアクリル酸が好ましい。光硬化性を低
下させない程度にギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ヘ
キサン酸、安息香酸、ジフェニル酢酸等の飽和モノカル
ボン酸などを併用することもできる。これらのエチレン
性不飽和モノカルボン酸(f)は、単独で又は2種類以
上組み合わせて用いられる。
【0034】エポキシ基含有ポリアミド樹脂(e)とエ
チレン性不飽和モノカルボン酸(f)とから本発明の感
光性アミド樹脂を製造するための反応温度は、40〜1
80℃とすることが好ましく、50〜150℃とするこ
とがより好ましい。この反応温度が40℃未満では反応
が進みにくく、反応が完給しない傾向があり、反応温度
が180℃を超えると反応が制御しにくい(反応系が副
反応によりゲル化し易い)傾向がある。
【0035】また、エポキシ基含有ポリアミド樹脂
(e)とエチレン性不飽和モノカルボン酸(f)とから
本発明の感光性アミド樹脂を製造するための反応におい
ては、必要に応じ、触媒を使用することができる。
【0036】触媒としては、例えば、トリエチルアミ
ン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルアニリ
ン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジメチルベン
ジルアミン、N−メチルモルフォリン、N−エチルモル
フォリン、N,N′−ジメチルピペラジン、ピリジン、
ピコリン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウン
デセン−7等の3級アミン、2−メチルイミダゾール、
2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミ
ダゾール、2−メチル−4−メチルイミダゾール、1−
シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエ
チル−2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−
メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェ
ニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、1−
アジン−2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、
ジブチルチンジラウレート、1,3−ジアセトキシテト
ラブチルジスタノキサン等の有機スズ化合物、臭化テト
ラエチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウ
ム、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム、塩化トリオ
クチルメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアン
モニウム、ヨウ化テトラブチルアンモニウム、ヨウ化ド
デシルトリメチルアンモニウム、ベンジルジメチルテト
ラデシルアンモニウムアセテート等の4級アンモニウム
塩、塩化テトラフェニルホスホニウム、塩化トリフェニ
ルメチルホスホニウム、臭化テトラメチルホスホニウム
等の4級ホスホニウム塩、3−メチル−1−フェニル−
2−ホスホレン−1−オキシド等の有機リン化合物、安
息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム等の有機酸アルカ
リ金属塩、塩化亜鉛、塩化鉄、塩化リチウム、臭化リチ
ウム等の無機塩、オクタカルボニル二コバルト、コバル
トカルボニル等の金属カルボニルなどが挙げられ、なか
でも、3級アミン、イミダゾール類等が好ましい。これ
らの触媒は、単独で又は2種類以上組み合わせて用いら
れる。
【0037】次に、(ii)(iii)の場合、エチレ
ン性不飽和イソシアネート(g)とエポキシ基含有ポリ
アミド樹脂(e)又は反応生成樹脂(e′)との当量比
((g)のイソシアネート基/(e)及び/又は
(e′)の水酸基)は0.1〜3とすることが好まし
く、0.3〜2とすることがより好ましい。
【0038】この当量比((g)のイソシアネート基/
(e)及び/又は(e′)の水酸基)が3を超えると、
エチレン性不飽和基イソシアネート(g)が、未反応物
として多量に残留し、感光性樹脂組成物の耐熱性が低下
する傾向にあり、当量比が0.1未満では、感光性樹脂
組成物の光感度が低下する傾向にある。
【0039】エポキシ基含有ポリアミド樹脂(e)又は
反応生成樹脂(e′)から本発明の感光性アミド樹脂を
製造するための一連の反応の反応温度は、30〜150
℃とすることが好ましく、40〜120℃とすることが
より好ましい。この反応温度が30℃未満では反応が進
みにくく、反応が完結しない傾向があり、反応温度が1
50℃を超えると反応が制御しにくい(反応系が副反応
によりゲル化し易い)傾向がある。
【0040】本発明に用いられるエチレン性不飽和イソ
シアネート(g)としては、例えば、2−イソシアネー
トエチルメタクリレート、メタクリロイルイソシアネー
ト、あるいはトリレンジイソシアネート又はイソホロン
ジイソシアネートと1分子中に水酸基を1個以上有する
(メタ)アクリレート類例えばヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレートとの等モル反応物等が挙げられる。こ
れらのエチレン性不飽和イソシアネート(g)は、単独
で又は2種類以上組み合わせて用いられる。
【0041】また、エポキシ基含有ポリアミド樹脂
(e)又は反応生成樹脂(e′)から本発明の感光性ア
ミド樹脂を製造するための一連の反応においては、必要
に応じ、(i)で用いた触媒を使用することができる。
【0042】なお、本発明の(A)成分の感光性アミド
樹脂は、主鎖中にイミド環を有していてもよく、感光性
アミドイミド樹脂も含むものである。
【0043】本発明の感光性樹脂組成物は、(A)上記
感光性アミド樹脂、(B)エポキシ樹脂及び(C)光開
始剤を必須成分としてなり、(B)成分のエポキシ樹脂
としては、熱硬化性エポキシ樹脂、光硬化性エポキシ樹
脂がある。熱硬化性エポキシ樹脂としては、上記エポキ
シ化合物(b)に例示したエポキシ樹脂が挙げられ、耐
熱性の点から芳香族系エポキシ樹脂、複素環式エポキシ
樹脂などが好ましい。光硬化性エポキシ樹脂としては、
感光性芳香族系エポキシ樹脂が挙げられ、光硬化性の点
から感光性ノボラック型エポキシ樹脂、感光性ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂が好ましい。
【0044】感光性ノボラック型エポキシ樹脂、感光性
ビスフェノールA型エポキシ樹脂は、例えば、ノボラッ
ク型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を
上記に示したエチレン性不飽和モノカルボン酸によりエ
ステル化した後、飽和又は不飽和多塩基酸無水物との付
加反応により得られる。
【0045】ノボラック型エポキシ樹脂としては、例え
ば、フェノール、クレゾール、ハロゲン化フェノール及
びアルキルフェノール類とホルムアルデヒドとを酸性触
媒下で反応して得られるノボラック類とエピクロルヒド
リンを反応させて得られる樹脂が適しており、具体的に
は、東都化成社製YDCN−701、704、YDPN
−638、602、ダウケミカル社製DEN−431、
439、チバ・ガイギ社製EPN−1299、大日本イ
ンキ化学工業社製N−730、770、865、66
5、673、VH−4150、4240、日本化薬社製
EOCN−120、BRPN等が挙げられる。
【0046】ビスフェノールA型エポキシ樹脂として
は、例えば、油化シェル社製エピコート828、100
7、807、大日本インキ化学工業社製エピクロン84
0、860、3050、ダウ・ケミカル社製DER−3
30、337、361、グイセル化学工業社製セロキサ
イド2021、三菱ガス化学社製TETRAD−X、
C、日本曹達社製EPB−13、27、チバ・ガイギ社
製GY−260、255、XB−2615等が挙げられ
る。また、ブロム化ビスフェノールA型エポキシ樹脂を
併用することができる。
【0047】前記の付加反応に用いられる飽和又は不飽
和多塩基酸無水物としてはフタル酸、テトラヒドロフタ
ル酸、ヘキサヒドロフタル酸、マレイン酸、コハク酸、
トリメリット酸等の無水物が用いられる。
【0048】(B)成分のエポキシ樹脂は(A)成分、
(B)成分及び(C)成分の合計量に対して、好ましく
は20〜80重量%、より好ましくは30〜70重量%
配合される。
【0049】本発明に使用される(C)成分の光開始剤
としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエー
テル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン
類、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニ
ルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニル
アセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1
−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチ
ル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフ
オリノプロパン−1−オン、2,2−ジエトキシアセト
フェノン、N,N−ジメチルアミノアセトフェノン等の
アセトフェノン類、2−メチルアントラキノン、2−エ
チルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキ
ノン、1−クロロアントラキノン、2−アミルアントラ
キノン、2−アミノアントラキノン等のアントラキノン
類、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチ
ルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4
−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン
類、アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチ
ルケタール等のケタール類、ベンゾフェノン、メチルベ
ンゾフェノン、4,4′−ジクロロベンゾフェノン、
4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ミ
ヒラーズケトン、4−べンゾイル−4′−メチルジフェ
ニルサルファイド等のベンゾフェノン類、2,4,6−
トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイ
ド等が有り、これらは単独あるいは2種以上を組み合わ
せて用いることが出来る。
【0050】(C)成分の光開始剤は(A)成分、
(B)成分及び(C)成分の合計量に対して、好ましく
は0.01〜20重量%、より好ましくは0.5〜15
重量%配合される。
【0051】更に、光開始助剤として、N,N−ジメチ
ルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルア
ミノ安息香酸イソアミルエステル、ペンチル−4−ジメ
チルアミノベンゾエート、ジメチルエタノールアミン、
トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の3級アミ
ン類を用いることができる。これらは、単独あるいは混
合して用いられる。
【0052】光開始助剤は(A)成分、(B)成分及び
(C)成分の合計量に対して、好ましくは0.01〜2
0重量%、より好ましくは0.2〜10重量%配合され
る。
【0053】本発明では、必要に応じて光硬化性を向上
させる目的で光橋架け剤を加えて使用することもでき
る。光橋架け剤としては、例えば、2−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メ
タ)アクリレート、N,N−ジメチル(メタ)アクリレ
ート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ウレタ
ン(メタ)アクリレート、あるいはポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、ビスフェノールAの
ポリエチレングリコール付加物あるいはビスフェノール
Aのプロピレングリコール付加物、トリス(2−ヒドロ
キシエチル)イソシアヌル酸のモノあるいは多官能(メ
タ)アクリレート類、トリグリシジルイソシアヌレート
などのグリシジルエーテルの(メタ)アクリレート類、
ジアリルフタレート等の光重合性モノマーが使用でき
る。これらは単独あるいは混合系で使用できる。
【0054】また、本発明では、必要に応じてその他の
硬化剤、硬化促進剤が使用できる。硬化剤としては、三
フッ化ホウ素−アミンコンプレックス、ジシアンジアミ
ド及びその誘導体、アセトグアナミン、ベンゾグアナミ
ン等のグアナミン類、有機酸ヒドラジッド、ジアミノマ
レオニトリルとその誘導体、尿素、メラミンとその誘導
体、アミンイミド、ポリアミンの塩類、ジアミノジフェ
ニルメタシ、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェ
ニルメタン、メタキシレンジアミン、ジアミノジフエニ
ルスルホン、「ハードナーHT972](チバガイギ社
製)等の芳香族アミン類、エチルジアミノ−S−トリア
ジン、2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2,4−ジ
アミノ−6−キシリル−S−トリアジン等のトリアジン
誘導体類、無水フタル酸、無水トリメリット酸、エチレ
ングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、グリ
セロールトリス(アンヒドロトリメリテート)、ベンゾ
フェノンテトラカルボン酸無水物等の芳香族酸無水物、
無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸等の脂肪族
酸無水物類、ポリビニルフェノール、ポリビニルフェノ
ール臭素化物、フェノールノボラック、アルキルフェノ
ールノボラック等のポリフェノール類等が挙げられ、単
独あるいは混合して使用できる。これらは感光性樹脂組
成物の0.01重量%から10重量%の範囲で使用でき
る。
【0055】硬化促進剤としては、アセチルアセトナー
ト亜鉛等のアセチルアセトンの金属塩、エナミン、オク
チル酸スズ、第4級フオスホニウム塩、トリフェニルフ
ォスフィン等の第3級フォスフィン類、トリ−n−ブチ
ル(2,5−ジヒドロキシフェニル)ホスホニウムブロ
マイド、ヘキサデシルトリブチルホスホニウムクロライ
ド等のホスホニウム塩類、ベンジルトリメチルアンモニ
ウムクロライド、フェニルトリブチルアンモニウムクロ
ライド等の4級アンモニウム塩類、ジフェニルヨードニ
ウムテトラフルオロポロエート、トリフェニルスルホニ
ウムヘキサフルオロアンチモネート等のポロエート、ア
ンチモネート類、ジメチルベンジルアミン、1,8−ジ
アザビシクロ[5,4,0]ウンデセン、m−アミノフ
ェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノフェノ
ール)、テトラメチルグアニジン等の第3級アミン類、
2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチルイミ
ダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2
−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−
5−ヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール類
が挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。これら
は感光性樹脂組成物の0.01重量%から10重量%の
範囲で使用できる。
【0056】また、本発明では必要に応じて耐熱性を向
上させるためにメラミン化合物を添加しても良い。メラ
ミン化合物としてはトリアミノトリアジン、ヘキサメト
キシメチル化メラミン等が挙げられる。これらは感光性
樹脂組成物の0.1重量%から10重量%の範囲で使用
できる。
【0057】本発明の感光性樹脂組成物は、必要に応じ
て有機溶剤で希釈することができる。例えばエチルメチ
ルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、
キシレン等の芳香族炭化水素、メチルセロソルブ、ブチ
ルセロソルブ、メチルカルビトール、ブチルカルビトー
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロ
ピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコ
ールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノ
エチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、ブチルセロソルブアセテート、プロピ
レングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビ
トールアセテート等のエステル類、エタノール、プロパ
ノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等
のアルコール類、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水
素、石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソル
ベントナフサ等の石油系溶剤等を挙げることができる。
これらの有機溶剤は感光性樹脂組成物溶液中、通常、5
〜50重量%使用される。
【0058】本発明の感光性樹脂組成物は密着性、硬度
等の特性を向上する目的で必要に応じて硫酸バリウム、
チタン酸バリウム、粉状酸化珪素、無定形シリカ、タル
ク、クレー、焼成カオリン、炭酸マグネシウム、炭酸カ
ルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、雲
母粉等の無機充填剤が使用できる。その使用量は好まし
くは本発明の組成物中0〜60重量%、好ましくは5〜
50重量%である。
【0059】更に必要に応じてフタロシアニンブルー、
フタロシアニングリーン、アイオジングリーン、ジスア
ゾイエロー、クリスタルバイオレット、酸化チタン、カ
ーボンブラック、ナフタレンブラックなどの着色剤等を
用いることが出来る。更にハイドロキノン、ハイドロキ
ノンモノメチルエーテル、tert−ブチルカテコー
ル、ピロガロール、フェノチアジン等の重合禁止剤、ベ
ントン、モンモリロナイト、エアロジル、アミドワック
ス等のチキソ性付与剤、シリコーン系、フッ素系、高分
子系等の消泡剤、レベリング剤、及び、イミダゾール
系、チアゾール系、トリアゾール系、シランカップリン
グ剤等の密着性付与剤のような添加剤類を用いることが
出来る。
【0060】本発明の感光性樹脂組成物は、ロールミ
ル、ビーズミル等で均一に混合し、例えば次のように硬
化させて、硬化物を得ることができる。即ちプリント配
線板等の基材に、スクリーン印刷法、スプレー法、静電
スプレー法、エアレススプレー法、カーテンコーター
法、ロールコート法等の方法により10〜160μmの
膜厚で本発明の感光性樹脂組成物を塗布し、塗膜を60
〜110℃で乾燥させた後、ネガフィルムを塗膜の上に
置き、紫外線等の放射線を照射し、次いで、未露光部分
を希アルカリ水溶液(例えば0.5〜2%炭酸ソーダ水
溶液等)、有機溶剤(例えばトリクロロエタン等)ある
いは非水溶性有機溶剤の水性エマルジョンで溶解除去
(現像)した後、さらに紫外線などの活性光線照射及び
/又は加熱(例えば100〜200℃で0.5〜1.0
時間)によって十分な硬化を行い硬化皮膜を得る。
【0061】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。なお、以
下の記載において、部は重量部、%は重量%、分子量は
数平均分子量を意味する。 〔ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTG)の
両末端カルボン酸物(A−1)の製造例〕撹拌機、還流
冷却器、不活性ガス導入口及び温度計を備えたフラスコ
に、PTG(分子量1,000);1,000g、セバ
シン酸;405gを仕込み、2時間かけて200℃に昇
温し更に3時間反応させた後冷却し、酸価81.9、分
子量1,370のポリテトラメチレンエーテルグリコー
ルの両末端カルボン酸物(A−1)を得た。配合割合及
び特性について表1に示す。
【0062】上記の製造方法において、ポリテトラメチ
レンエーテルグリコールに代えてポリプロピレングリコ
ール両末端ジアミン(PPG−NH2:分子量900)
を用い、セバシン酸に代えてトリメリット酸を用いて同
様にして、ポリプロピレングリコール両末端ジアミンの
両末端カルボン酸物(A−2)を得た。配合割合及び特
性について表1に示す。
【0063】上記の製造方法において、ポリテトラメチ
レンエーテルグリコールに代えてビスフェノールAのポ
リプロピレンオキサイド付加物(Bis−PPG:分子
量1,450)を用い、セバシン酸に代えてアジピン酸
を用いて、同様にして、ビスフェノールAのポリプロピ
レンオキサイド付加物の両末端カルボン酸物(A−3)
を得た。配合割合及び特性について表1に示す。
【0064】上記の製造方法において、ポリテトラメチ
レンエーテルグリコールに代えてポリカーボネートジオ
ール(PLACCEL CD220:分子量2,00
0;前記の2価アルコール残基が1,6−ヘキサンジオ
ール残基/3−メチルペンタンジオール残基=7/3、
常温で液状のポリカーボネートジオール;ダイセル化学
工業社)を用いて同様にして、ポリカーボネートジオー
ルの両末端カルボン酸物(A−4)を得た。配合割合及
び特性について表1に示す。
【0065】
【表1】 〔感光性アミド樹脂(B−1)の製造例〕攪拌機、還流
冷却器、不活性ガス導入口及び温度計を備えたフラスコ
に、γ−ブチロラクトン;100g、NMP;50gを
仕込み、更に上記(A−1);55.6g、アジピン
酸;6.1g、セバシン酸;8.3g、イソフタル酸;
13.7g、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート(MDI);13.8g、コロネートT80(トリ
レンジイソシアネート;TDI:日本ポリウレタン工業
社製);14.4gを仕込み、200℃に昇温し、4時
間保温後冷却した。加熱残分40%、酸価(固形分);
83.5のカルボキシル基含有ポリアミド樹脂を得た。
更にビスフェノールA型エポキシ樹脂エピコート100
1(油化シェルエポキシ社製)141.5gを仕込み、
140℃で2時間保温後ジメチルフォルムアミド(DM
F)を加え加熱残分40%にした。120℃でアクリル
酸;10.7gを加え、3時間保温した。DMFで希釈
し加熱残分55%の感光性アミド樹脂(B−1)を得
た。 〔感光性アミド(アミドイミド)樹脂(B−2)の製造
例〕撹拌機、還流冷却器、不活性ガス導入口及び温度計
を備えたフラスコに、NMP;50gを仕込み、2,2
−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン(以
下BAPPと記す);12.4g(0.030モル)、
無水トリメリット酸;11.6g(0.060モル)を
仕込み、200℃で2.5時間保温した。これに上記
(A−2);41.0g(0.033モル)、アジピン
酸;4.3g(0.029モル)、セバシン酸;5.9
g(0.029モル)、イソフタル酸;4.9g(0.
029モル)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシア
ネート(MDl);18.9g(0.075モル)、コ
ロネートT80(トリレンジイソシアネート;TDI;
日本ポリウレタン工業社製);8.8g(0.050モ
ル)及びγ−ブチロラクトン100gを仕込み、200
℃に昇温し、4時間保温後冷却した。加熱残分40%、
酸価(固形分);32.8のポリアミドイミド樹脂を得
た。更にカルボン酸基の2倍量になるようエポキシ樹
脂;エピコート1001;66.8gを仕込み、140
℃で2時間保温後、DMFを加え加熱残分40%にし
た。120℃でアクリル酸;5.0gを加え3時間保温
した。DMFで希釈し加熱残分55%の感光性アミド樹
脂(B−2)を得た。
【0066】麦2に示した配合で、上記製造例と同様に
して感光性アミド樹脂(B−3〜B−5)を得た。配合
及び特性結果を表2にまとめて示す。
【0067】
【表2】 *ポリアミド(イミド)配合:出来高100配合 **三井石油化学工業社製;ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂 [感光性エポキシ樹脂(C−1)の製造例] (C−1)製造例 攪拌機、還流冷却器、及び温度計を備えたフラスコに、
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量:19
5)200部、アクリル酸30部、メチルハイドロキノ
ン0.4部、カルビトールアセテート80部及びソルベ
ントナフサ20部を仕込み、70℃で加熱撹拌して、混
合物を溶解した。次に、溶液を50℃まで冷却し、トリ
フェニルホスフィン1部を仕込み、100℃に加熱し、
固形分酸価が1(KOHmg/g)以下になるまで反応
させ、冷却後、ソルベントナフサを仕込み、固形分67
%の感光性エポキシ樹脂(C−1)を得た。 〔感光性エポキシ樹脂(C−2)の製造例〕 (C−2)製造例 撹拌機、還流冷却器、及び温度計を備えたフラスコに、
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量:
200)200部、アクリル酸20部、メチルハイドロ
キノン0.4部、カルビトールアセテート80部及びソ
ルベントナフサ20部を仕込み、70℃で加熱撹拌し
て、混合物を溶解した。次に、溶液を50℃まで冷却
し、トリフェニルホスフィン0.5部を仕込み、100
℃に加熱し、固形分酸価が1(KOH mg/g)以
下になるまで反応させ、冷却後、ソルベントナフサを仕
込み、固形分67%の感光性エポキシ樹脂(C−2)を
得た。 [感光性エポキシ樹脂(D−1)の製造例] (D−1)製造例 撹拌機、還流冷却器、及び温度計を備えたフラスコに、
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量:
200)200部、アクリル酸70部、メチルハイドロ
キノン0.4部、カルビトールアセテート80部及びソ
ルベントナフサ20部を仕込み、70℃で加熱撹拌し
て、混合物を溶解した。次に、溶液を50℃まで冷却
し、トリフェニルホスフィン1部を仕込み、100℃に
加熱し、固形分酸価が1(KOH mg/g)以下にな
るまで反応させた。次に、カルビトールアセテートとソ
ルベントナフサで希釈し固形分67%の感光性エポキシ
樹脂(D−1)を得た。 [感光性エポキシ樹脂(D−2)の製造例] (D−2)製造例 撹拌機、還流冷却器、及び温度計を備えたフラスコに、
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量:
200)200部、アクリル酸70部、メチルハイドロ
キノン0.4部、カルビトールアセテート80部及びソ
ルベントナフサ20部を仕込み、70℃で加熱撹拌し
て、混合物を溶解した。次に、溶液を50℃まで冷却
し、トリフェニルホスフィン1部を仕込み、100℃に
加熱し、固形分酸価が1(KOH mg/g)以下にな
るまで反応させた。次に、得られた溶液を50℃まで冷
却し、無水マレイン酸51部、カルビトールアセテート
48部及びソルベントナフサ10部を仕込み、80℃で
所定時間反応させ、固形分酸価67(KOH mg/
g)、固形分67%の感光性エポキシ樹脂(D−2)を
得た。 (実施例1)表3に示す組成に従って、(I)、(I
I)別々に三本ロールを用いて混練し(I):75g、
(II):25gを混合しレジストインキを調製した。
これをスクリーン印刷法により、100メッシュのポリ
エステルスクリーンを用いて、乾燥後の膜厚が25〜3
0μmになるように銅張積層板上に塗布し、塗膜を80
℃で20分間乾燥し、レジストパターンを有するネガマ
スクフィルムを密着した後、紫外線露光装置を用いて、
所定時間紫外線を照射した。次に、トリクロロエタンで
60秒間スプレー現像(スプレー圧:2.0kg/cm
2)し、未露光部分を溶解除去し、現像性を評価した。
ただし、比較例については、1%炭酸ナトリウム水溶液
で60秒間、スプレー現像(スプレー圧:2.0kg/
cm2)した。
【0068】次に、循環式熱風乾燥機を用いて150℃
/1時間、加熱硬化を行ない、得られた硬化膜を評価し
た。
【0069】同様に表3に従い、実施例2、3、4、
5、6及び比較例を実施例1と同様に行い、試験に供
し、試験結果を表4に示した。
【0070】
【表3】
【0071】
【表4】 *未露光部の現像残りを観察した。 **JIS D 0202の碁盤目試験(1×1mm
角、100個)によった。 ***JIS C 6481の試験法に従い260℃の
はんだ浴へ、10秒間、3回浸漬し外観の変化を観た。 ****プレッシャークッカーテスト:121℃、2気
圧の飽和水蒸気中で所定時間放置後、塗膿の外観、碁盤
目試験を行った。
【0072】
【発明の効果】本発明によれば、感光性レジストに好適
に利用できる感光性樹脂組成物が得られ、得られるレジ
ストは密着性、耐熱性、耐PCT性、現像性に優れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平山 隆雄 茨城県鹿島郡波崎町大字砂山五番壱 日立 化成工業株式会社鹿島工場内 (72)発明者 田中 勝 茨城県鹿島郡波崎町大字砂山五番壱 日立 化成工業株式会社鹿島工場内 (72)発明者 吉野 利純 茨城県鹿島郡波崎町大字砂山五番壱 日立 化成工業株式会社鹿島工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)多価カルボン酸(a)とジイソシ
    アネート(b)とを当量比((a)のカルボキシル基/
    (b)のイソシアネート基)が1を超える条件で反応さ
    せて得られるカルボキシル基含有ポリアミド樹脂(c)
    に対して、エポキシ化合物(d)を当量比((d)のエ
    ポキシ基/(c)のカルボキシル基)が1以上の条件で
    反応させて得られるエポキシ基含有ポリアミド樹脂
    (e)に対して、エチレン性不飽和モノカルボン酸
    (f)及び/又はエチレン性不飽和イソシアネート
    (g)を反応させて得られる感光性アミド樹脂、(B)
    エポキシ樹脂及び(C)光開始剤を必須成分としてなる
    感光性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 感光性アミド樹脂が、ポリカーボネート
    ジオール残基及び/又はポリアルキレングリコール残基
    を有する樹脂である請求項1記載の感光性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 ジイソシアネートが、芳香族ジイソシア
    ネートである請求項1又は2記載の感光性樹脂組成物。
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