JP2014136725A - エポキシ樹脂、および硬化性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】分岐した特殊なトリスフェノールとエピハロヒドリンとの反応によって得られるエポキシ樹脂であって、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した時のトリグリシジルエーテル構造が40−75面積%エポキシ樹脂、テトラグリシジルエーテル体が12−40面積%であることを特徴とするエポキシ樹脂であり、耐熱性・透明性・耐熱着色性に非常に優れる。
【選択図】なし
Description
このような問題に対し、ビスフェノールA型エポキシ樹脂と同様ベンジルメチレン結合を有さない構造を有する、トリスフェノール体のエポキシ樹脂であるプリンテック製VG3105、日本化薬製NC−6000などが使用されている。しかしながら、本構造では耐熱性が足りず、より高い耐熱性が求められる。また、このような用途においてはシートや基板としての安定性の問題から、寸法安定性が求められる。
このような問題を解決する方法として、シルセスキオキサン構造のエポキシ樹脂や脂環式エポキシ樹脂の適用も検討されているが、シルセスキオキサン構造のエポキシ樹脂は耐熱性は高いものの、脆さが際立ち、線膨張率も高くなる傾向がある、さらには屈折率が低くなってしまう。また、脂環式エポキシ樹脂もガラス転移点という意味合いでの耐熱性は向上するが、脆さやその屈折率の低さが課題となり、強靭性の高い、芳香族グリシジルエーテル化合物が望まれている。
すなわち本発明は、
(1)
下記式(1)
(2)
軟化点が60〜80℃でかつエポキシ当量が215−250g/eq.であることを特徴とする、前項(1)に記載のエポキシ樹脂、
(3)
前項(2)においてエピハロヒドリンとの反応終了後、トルエンもしくは炭素数炭素数4〜7のケトン化合物の溶液とし、金属水酸化物水溶液で後処理することを特徴とする製造法により得られるエポキシ樹脂、
(4)
前項(1)〜(3)のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂と硬化剤を含有する硬化性樹脂組成物、
(5)
前項(4)において遷移金属塩を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物、
(6)
前項(4)において4級ホスホニウム塩を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物、
(7)
前項(4)において非ハロゲン4級アンモニウム塩を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物、
(8)
前項(4)〜(7)のいずれか一項において硬化剤として酸無水物、多価カルボン酸の少なくともいずれか一方を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物、
(9)
前項(4)〜(8)のいずれか一項の硬化性樹脂組成物を硬化することを特徴とする硬化性樹脂組成物、
に関する。
テトラグリシジルエーテル体としては、例えば、下記式(3)
で表すことができる。さらにそれ以上の高分子量体としては、前記式(3)と同様に、グリシジルエーテル部位のひとつが開環し、前記式(2)の構造で連結されたものである。このような結合により幅広い分子量分布を有することになる。
本発明においては、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した場合において、トリグリシジルエーテル体が75面積%を超え、テトラグリシジルエーテル体が12面積%未満であると、耐熱性が出にくい、という問題が生じる。さらには、トリグリシジルエーテル体が40面積%より少ない、またテトラグリシジルエーテル体が40面積%を超えている場合、粘度が高く取り扱えないばかりか、溶剤への溶解性も悪くなる。高分子量体(テトラグリシジルエーテル体を超えて前記式(2)の構造で連結した高分子量体)が35面積%を超える場合は、粘度、溶解性を考えた場合、取り扱いが困難である。場合によってはゲル化してしまうこともある。より好ましいそれぞれの量としては、トリグリシジルエーテル体が40〜75面積%、より好ましくは45〜75面積%、さらに好ましくは50〜70面積%、また、テトラグリシジルエーテル体は12〜40面積%、より好ましくは15〜35面積%、さらに好ましくは15〜30面積%である。また、同時にそれ以上の高分子量体に関しては2〜20面積%、より好ましくは5〜20面積%である。
なお、好ましい分子量分布範囲としては、ポリスチレン換算で数平均分子量(Mn)は600〜800、より好ましくは600〜750である。また、好ましい重量平均分子量(Mw)については700〜1200、より好ましくは800〜1100である。
このようなエポキシ樹脂のエポキシ当量は210〜260g/eq.より好ましくは215〜250g/eq.さらに好ましくは215g/eq.〜245g/eq.である。エポキシ当量が210g/eq.であると耐熱性が足りず、260g/eqであると、作業性に問題が生じる場合がある。
軟化点は好ましくは60〜90℃、より好ましくは60〜85℃、特に好ましくは60〜80℃である前記エポキシ当量と、この軟化点が耐熱性とその組成物とした際のハンドリング特性に有効である。
また、色相としては40重量%メチルエチルケトン溶液とした場合、ガードナー色相で1以下が好ましく、より好ましくは0.5以下である。
なお、電子材料用途への展開を考えた場合、その電気特性のため、全塩素が重要となる。好ましい全塩素量としては2000ppm以下、さらに好ましくは1800ppm以下、特に好ましくは1500ppm以下である。
本発明のエポキシ樹脂は下記式(1)
一般に本構造はビスフェノールA製造時の副生成物として生成するものを再結晶等により精製、もしくはヒドロキシプロピルアセトフェノンとフェノールとの反応により得られた樹脂を再結晶等で精製する、などといった手法で入手でき、精製を繰り返すことで高純度化が可能である。
なお、エピハロヒドリンに対し、0.5〜10重量%のアルコキシグルシジルエーテルを添加すると、得られるエポキシ樹脂の強靭性の向上が見られることから好ましい。ここで、アルキルグリシジルエーテルとしてはメチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテルなど炭素数1〜5のアルキルグリシジルエーテルが好ましい。
アルカリ金属水酸化物の使用量は原料フェノール混合物の水酸基1モルに対して通常0.90〜1.5モルであり、好ましくは0.95〜1.25モル、より好ましくは0.99〜1.15モルである。
本発明においては特に色味の問題から炭素数1〜5のアルコールの使用が好ましく、さらにはアルカリ金属水酸化物の溶解性の問題から炭素数のより小さいアルコールが好ましく、特にメタノールが好ましい。
非極性プロトン溶媒もしくは炭素数1〜5のアルコールの使用量は、エピハロヒドリンの使用量に対し通常2〜50重量%、好ましくは4〜25重量%である。また、共沸脱水等の手法により、系内の水分をコントロールしながらエポキシ化を行ってもかまわない。
これらのエポキシ化反応の反応物を水洗後、または水洗無しに加熱減圧下でエピハロヒドリンや溶媒等を除去する。また更に、加水分解性ハロゲンの少ないエポキシ樹脂とするために、回収したエポキシ樹脂を炭素数4〜7のケトン化合物(たとえば、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等が挙げられる。)を溶剤として溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えて反応を行い、閉環を確実なものにすることも出来る。この場合アルカリ金属水酸化物の使用量はエポキシ化に使用した原料フェノール混合物の水酸基1モルに対して通常0.01〜0.3モル、好ましくは0.05〜0.2モルである。反応温度は通常50〜120℃、反応時間は通常0.5〜2時間である。
また、エピハロヒドリンとの反応においては、気中もしくは液中に窒素等不活性ガスを吹き込みながら反応を行うことが好ましい。不活性ガスの吹き込みが無い場合、得られる樹脂に着色が生じる場合がある。好ましくは酸素濃度が6%以下、特に好ましくは5%以下での反応が好ましく、不活性ガスの吹き込み量はその釜の容積によっても異なるが、たとえば1L〜5Lスケールの場合、0.5〜10時間でその釜の容積が置換できる量の不活性ガスの吹き込みが好ましい。また釜容量が大きくなった場合は、0.5〜20時間で置換できる量にすることが好ましい。また、減圧により釜内のガスを不活性ガスに置換後、5〜20時間で置換できる量にするという手法も用いることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は本発明のエポキシ樹脂を必須成分として含有する。本発明の硬化性樹脂組成物においては、硬化剤による熱硬化(硬化性樹脂組成物A)と酸を硬化触媒とするカチオン硬化(硬化性樹脂組成物B)の二種の方法が適応できる。
硬化剤による熱硬化(硬化性樹脂組成物A)
本発明の硬化性樹脂組成物Aが含有する硬化剤としては、例えばアミン系化合物、酸無水物系化合物、アミド系化合物、フェノール系化合物、カルボン酸系化合物などが挙げられる。用いうる硬化剤の具体例としては、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンより合成されるポリアミド樹脂、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ブタンテトラカルボン酸無水物、ビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、シクロヘキサン−1,3,4−トリカルボン酸−3,4−無水物、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、テルペンジフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジオール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシアセトフェノン、o−ヒドロキシアセトフェノン、ジシクロペンタジエン、フルフラール、4,4’−ビス(クロロメチル)−1,1’−ビフェニル、4,4’−ビス(メトキシメチル)−1,1’−ビフェニル、1,4’−ビス(クロロメチル)ベンゼン、1,4’−ビス(メトキシメチル)ベンゼン等との重縮合物及びこれらの変性物、テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール類、イミダゾール、トリフルオロボラン−アミン錯体、グアニジン誘導体、テルペンとフェノール類の縮合物などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
酸性硬化触媒で硬化させる場合の本発明の硬化性樹脂硬化性樹脂組成物を硬化させる場合は、光重合開始剤あるいは熱重合開始剤を含有する。さらに、希釈剤、重合性モノマー、重合性オリゴマー、重合開始補助剤、光増感剤等の各種公知の化合物、材料等を含有していてもよい。また、所望に応じて無機充填材、着色顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、安定剤等、各種公知の添加剤を含有してもよい。
オレンジ、アクリジン イエロー、ホスフィンR、ベンゾフラビン、セトフラビンT、ペリレン、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、トリエタノールアミン、トリエチルアミン等を挙げることができる。光増感剤の使用量は、エポキシ樹脂成分100重量部に対して、0.01〜30重量部であり、好ましくは0.1〜10重量部である。
15m, 膜厚0.25μm)を用いて、カラムオーブン温度を初期温度100℃に設定し、毎分15℃の速度で昇温させ300℃で25分間保持した。またヘリウムをキャリヤーガスとした。さらにゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPC)の測定においては以下の通りである。カラムは、Shodex SYSTEM−21カラム(KF−803L、KF−802.5(×2本)、KF−802)、連結溶離液はテトラヒドロフラン、流速は1ml/min.カラム温度は40℃、また検出はUV(254nm)で行い、検量線はShodex製標準ポリスチレンを使用した。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコをいったん真空にし、窒素置換した後、窒素パージ(窯容量の2倍体積量/hr)を施しながらフェノール化合物(TPA1)(TrisP−PA 本州化学工業製)142部、エピクロロヒドリン185部、メタノール90部を加え、水浴を75℃にまで昇温した。内温が65℃を越えたところでフレーク状の水酸化ナトリウム42部を90分かけて分割添加した後、更に70℃で1時間後反応を行った。反応終了後水洗を行い、油層からロータリーエバポレータを用いて140℃で減圧下、過剰のエピクロルヒドリン等の溶剤を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン400部を加え溶解し、70℃にまで昇温した。撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液8部を加え、1時間反応を行った後、洗浄水が中性になるまで水洗を行い、得られた溶液を、ロータリーエバポレータを用いて180℃で減圧下にメチルイソブチルケトン等を留去することでエポキシ樹脂(EP1)を175部得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は229g/eq.、軟化点が70℃、ICI溶融粘度0.27Pa・s(150℃)、色相0.2以下(ガードナー 40%メチルエチルケトン(MEK)溶液)であった。またトリグリシジルエーテル構造が64面積%、テトラグリシジルエーテル体が23面積%、それ以上の高分子量体が13面積%(GPC)であり、Mnは686、Mwは981、Mw/Mnは1.43(ポリスチレン換算)であった。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコをいったん真空にし、窒素置換した後、窒素パージ(釜容量の2倍体積量/hr)を施しながらフェノール化合物(TPA1)(TrisP−PA 本州化学工業製)142部、エピクロロヒドリン185部、ジメチルスルホキシド90部を加え、水浴を45℃にまで昇温した。内温が40℃を越えたところでフレーク状の水酸化ナトリウム42部を90分かけて分割添加した後、更に45℃で2時間、70℃で1時間後反応を行った。反応終了後水洗を行い、油層からロータリーエバポレータを用いて140℃で減圧下、過剰のエピクロルヒドリン等の溶剤を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン400部を加え溶解し、70℃にまで昇温した。撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液8部を加え、1時間反応を行った後、洗浄水が中性になるまで水洗を行い、得られた溶液を、ロータリーエバポレータを用いて180℃で減圧下にメチルイソブチルケトン等を留去することでエポキシ樹脂(EP2)を177部得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は221g/eq.、軟化点が70℃、ICI溶融粘度0.25Pa・s(150℃)、色相0.5(ガードナー 40%MEK溶液)であった。またトリグリシジルエーテル構造が67面積%、テトラグリシジルエーテル体が22面積%、それ以上の高分子量体が11面積%(GPC)であり、Mnは670、Mwは968、Mw/Mnは1.44(ポリスチレン換算)であった。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコをいったん真空にし、窒素置換した後、窒素パージ(容量の2倍体積量/hr)を施しながらフェノール化合物(TPA1)(TrisP−PA 本州化学工業製)142部、エピクロロヒドリン185部、メチルグリシジルエーテルを15部、メタノール90部を加え、水浴を75℃にまで昇温した。内温が65℃を越えたところでフレーク状の水酸化ナトリウム42部を90分かけて分割添加した後、更に70℃で1時間後反応を行った。反応終了後水洗を行い、油層からロータリーエバポレータを用いて140℃で減圧下、過剰のエピクロルヒドリン等の溶剤を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン400部を加え溶解し、70℃にまで昇温した。撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液8部を加え、1時間反応を行った後、洗浄水が中性になるまで水洗を行い、得られた溶液を、ロータリーエバポレータを用いて180℃で減圧下にメチルイソブチルケトン等を留去することでエポキシ樹脂(EP3)を178部得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は220 g/eq.、軟化点が69.8℃、ICI溶融粘度0.29Pa・s(150℃)、色相0.2以下(ガードナー 40%MEK溶液)であった。またトリグリシジルエーテル構造が60面積%、テトラグリシジルエーテル体が23面積%、それ以上の高分子量体が12面積%(GPC)であり、Mnは690、Mwは982、Mw/Mnは1.42(ポリスチレン換算)であった。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコをいったん真空にし、窒素置換した後、窒素パージ(釜容量の2倍体積量/hr)を施しながらフェノール化合物(TPA1)(TrisP−PA 本州化学工業製)142部、エピクロロヒドリン185部、メチルグリシジルエーテルを15部、メタノール90部を加え、水浴を75℃にまで昇温した。内温が65℃を越えたところでフレーク状の水酸化ナトリウム42部を90分かけて分割添加した後、更に70℃で1時間後反応を行った。反応終了後水洗を行い、油層からロータリーエバポレータを用いて140℃で減圧下、過剰のエピクロルヒドリン等の溶剤を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン400部を加え溶解し、70℃にまで昇温した。撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液8部を加え、1時間反応を行った後、洗浄水が中性になるまで水洗を行い、得られた溶液を、ロータリーエバポレータを用いて180℃で減圧下にメチルイソブチルケトン等を留去することでエポキシ樹脂(EP4)を178部得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は219g/eq.、軟化点が69.8℃、ICI溶融粘度0.29Pa・s(150℃)、色相0.2以下(ガードナー 40%MEK溶液)であった。またトリグリシジルエーテル構造が60面積%、テトラグリシジルエーテル体が23面積%、それ以上の高分子量体が12面積%(GPC)であり、Mnは690、Mwは982、Mw/Mnは1.42(ポリスチレン換算)であった。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコをいったん真空にし、窒素置換した後、窒素パージ(釜容量の2倍体積量/hr)を施しながらフェノール化合物(TPA1)(TrisP−PA 本州化学工業製)142部、エピクロロヒドリン370部、メタノール37部を加え、水浴を75℃にまで昇温した。内温が65℃を越えたところでフレーク状の水酸化ナトリウム42部を90分かけて分割添加した後、更に70℃で1時間後反応を行った。反応終了後水洗を行い、油層からロータリーエバポレータを用いて140℃で減圧下、過剰のエピクロルヒドリン等の溶剤を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン400部を加え溶解し、70℃にまで昇温した。撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液8部を加え、1時間反応を行った後、洗浄水が中性になるまで水洗を行い、得られた溶液を、ロータリーエバポレータを用いて180℃で減圧下にメチルイソブチルケトン等を留去することでエポキシ樹脂(EP6)を178部得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は205g/eq.、軟化点が59.0℃、ICI溶融粘度0.10Pa・s(150℃)、色相0.2以下(ガードナー 40%MEK溶液)であった。またトリグリシジルエーテル構造が87面積%、テトラグリシジルエーテル体が12面積%、それ以上の高分子量体が1面積%未満(GPC)であり、Mnは566、Mwは655、Mw/Mnは1.16(ポリスチレン換算)であった。
前記で得られたエポキシ樹脂(EP1、EP2、EP3、EP4)と比較用のエポキシ樹脂(EP5;トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂 日本化薬株式会社製 NC−6000 エポキシ当量208g/eq.、軟化点60.2℃、トリグリシジルエーテル構造が82面積%、テトラグリシジルエーテル体が10面積%(GPC)Mn574 Mw677、Mw/Mnは1.18(ポリスチレン換算)ガードナー色相1、EP6)硬化剤としてフェノール樹脂(明和化成工業株式会社製 フェノールノボラック H−1 以下、PN1と称す。)、硬化促進剤としてトリフェニルフォスフィン(TPP)、無機充填剤として溶融シリカ(瀧森社製 MSR-2122)、添加剤としてカップリング剤(信越化学工業製 KBM-403)、離型剤としてカルナバワックス(セラリカNODA社製)を使用し、表1の割合(重量部)で配合し、ミキシングロールを用いて均一に混合・混練し、封止用硬化性樹脂組成物を得た。この硬化性樹脂組成物をミキサーにて粉砕し、更にタブレットマシーンにてタブレット化した。このタブレット化された硬化性樹脂組成物をトランスファー成型(175℃×60秒)し、更に脱型後160℃×2時間+180℃×6時間の条件で硬化、評価用試験片を得た。
なお、硬化物の物性は以下の要領で測定した。
<TMA測定条件>
熱機械測定装置 真空理工(株)製 TM−7000 昇温速度:2℃/分
<IZOD衝撃試験条件>
JIS K−6911に準拠して測定
<ピール強度測定条件>
JIS K−6911に準拠して測定
<HDT測定条件>
JIS K7191に準拠して測定
Claims (9)
- 軟化点が60〜80℃でかつエポキシ当量が215−250g/eq.であることを特徴とする、請求項1に記載のエポキシ樹脂。
- 請求項2においてエピハロヒドリンとの反応終了後、トルエンもしくは炭素数炭素数4〜7のケトン化合物の溶液とし、金属水酸化物水溶液で後処理することを特徴とする製造法により得られるエポキシ樹脂。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂と硬化剤を含有する硬化性樹脂組成物。
- 請求項4において遷移金属塩を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物。
- 請求項4において4級ホスホニウム塩を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物。
- 請求項4において非ハロゲン4級アンモニウム塩を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物。
- 請求項4〜7のいずれか一項において硬化剤として酸無水物、多価カルボン酸の少なくともいずれか一方を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物。
- 請求項4〜8のいずれか一項の硬化性樹脂組成物を硬化することを特徴とする硬化性樹脂組成物。
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