JP2000198834A - エポキシ樹脂用硬化促進剤 - Google Patents

エポキシ樹脂用硬化促進剤

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JP2000198834A
JP2000198834A JP11000832A JP83299A JP2000198834A JP 2000198834 A JP2000198834 A JP 2000198834A JP 11000832 A JP11000832 A JP 11000832A JP 83299 A JP83299 A JP 83299A JP 2000198834 A JP2000198834 A JP 2000198834A
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curing
pka
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Masatada Kurosaki
正雅 黒崎
Jiro Yamamoto
二郎 山元
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San Apro KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エポキシ樹脂に対して硬化促進効果が高く、
エポキシ樹脂の成形性に優れ、しかも、イオン性不純物
が少なく電気特性の良好なエポキシ樹脂硬化物が得られ
るエポキシ樹脂用硬化促進剤を提供する。 【解決手段】 水溶液中におけるpKa値が5.0〜1
0.0の範囲にある酸(ただしカルボン酸を除く)の残
基をアニオン成分とする第四級アンモニウム塩とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エポキシ樹脂用硬
化促進剤、特には、エポキシ樹脂の硬化促進効果(触媒
活性)に優れるのみならず、エポキシ樹脂に結合したハ
ロゲンイオンの遊離が少なく、電気特性に優れたエポキ
シ樹脂硬化物が得られるエポキシ樹脂用硬化促進剤に関
する。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は、各種の硬化剤、硬化促
進剤、フィラーなどを配合して硬化させることにより、
種々の特性をもった硬化樹脂が得られる。例えば、硬化
剤として、フェノールノボラック類や酸無水物類を用い
たエポキシ樹脂硬化物は、電気特性、機械特性、接着特
性および耐食性などに優れているため、半導体をはじめ
とする電気電子部品の封止や接着などの用途に広く使用
されている。ところで、近年、半導体の高集積化や薄型
化などに伴い、半導体封止材の耐湿性や耐熱性の向上が
求められている。その結果、エポキシ樹脂に添加される
フィラーの量が多くなる傾向にあるが、フィラー含量が
増加するにつれて成形時の流動性が低下する。そのた
め、ビフェニルエポキシ樹脂のように、溶融粘度が低い
エポキシ樹脂に対する需要が増大している。しかしなが
ら、このような溶融粘度の低いエポキシ樹脂を使った封
止材には、成形時の脱型強度および硬度が低いという問
題があり、これらの点を改良できるエポキシ樹脂用硬化
促進剤が強く望まれている。また、半導体封止の生産性
を向上させるため、エポキシ樹脂の成形時間や成形後の
後硬化(ポストキュア)時間を短縮することができ、さ
らには、後硬化工程が不要となるようなエポキシ樹脂用
硬化促進剤に対する要求も高い。
【0003】エポキシ樹脂用硬化剤として、フェノール
ノボラック類や酸無水物類を使用する場合、それらに適
した硬化促進剤としては、三級アミン化合物である1,
8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7と
その塩類が知られており、代表的なエポキシ樹脂用硬化
促進剤として実用化されている(特開昭55−5929
号、特開平4−369254各号公報参照)。また、第
四級アンモニウム有機酸塩も電気電子部品用樹脂の硬化
促進剤として知られている(特開平7−233233号
公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−
7とその塩類は、ビフェニルエポキシ樹脂などのように
溶融粘度の低いエポキシ樹脂に使用した場合、成形時の
脱型強度が低く、環境中の水分の影響により硬化促進作
用が低下するという問題がある。一方、前記の第四級ア
ンモニウム有機酸塩は、そのアニオンを構成する有機酸
がトルエンスルホン酸のような強酸である場合、エポキ
シ樹脂の硬化に対する触媒活性が極めて低くなるので使
用できない。また、アニオンを構成する有機酸がカルボ
ン酸類である場合は、高温におけるエポキシ樹脂硬化物
の電気特性が悪く(体積抵抗率が低い)、しかもエポキ
シ樹脂に結合した塩素や臭素を遊離させ、不純物イオン
の含量を高くするので、半導体封止材を目的用途とする
エポキシ樹脂には使用できない。
【0005】そこで、本発明は、エポキシ樹脂に対して
硬化促進効果が高く、エポキシ樹脂の成形性に優れ、し
かも、イオン性不純物が少なく電気特性の良好なエポキ
シ樹脂硬化物が得られるエポキシ樹脂用硬化促進剤の提
供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題を解決すべく鋭意検討した結果、水溶液中におけるp
Ka値が所定の範囲にある酸の残基をアニオン成分とす
る第四級アンモニウム塩が、フェノールノボラック類や
酸無水物類を硬化剤とするエポキシ樹脂の硬化促進剤と
して優れた触媒活性を示すとともに、得られるエポキシ
樹脂には不純物イオン含量が少なく、また電気特性も良
好であることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、水溶液中におけるpKa値(多塩
基酸にあっては第一段のpKa値、以下同じ)が5.0
〜10.0の範囲にある酸(ただし、カルボン酸を除
く)の残基をアニオン成分とする第四級アンモニウム塩
からなることを特徴とするエポキシ樹脂用硬化促進剤で
ある。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明のエポキシ樹脂用硬化促進
剤は、上記したように、第四級アンモニウム塩からな
り、そのアニオン成分は、水溶液中(25℃)における
pKa値が5.0〜10.0の範囲にある酸(ただし、
カルボン酸を除く)の残基であることを特徴とする。こ
こで、pKa値とは、酸解離定数の逆数の対数値を言
い、この値が大きいほど弱酸であることを意味する。な
お、各種の酸のpKa値は、例えば化学便覧基礎編改訂
4版II−317ページなどに記載されている。本発明に
おいてpKa値を上記のように限定した理由は、pKa
値が5.0未満であると触媒活性が低くなり、pKa値
が10.0よりも大きいと安定な第四級アンモニウム塩
が得られなくなるからである。本発明のアニオン成分を
構成する酸の具体例としては、キサントシン(pKa
5.67)、バルビタール(pKa7.78)、キサン
チン(pKa7.53)、さらにはより単純な化合物で
あるフタルイミド(pKa5.4)あるいはイソシアヌ
ル酸(pKa7.20)などのイミド類、トリフルオロ
アセチルアセトン(pKa6.09)、テノイルトリフ
ルオロアセチルアセトン(pKa6.38)、アセチル
アセトン(pKa8.80)、ベンゾイルアセトン(p
Ka8.89)などのカルボニル化合物、炭酸(pKa
6.35)やその誘導体である炭酸メチル、炭酸エチル
などの炭酸類、2−メルカプトエタノール(pKa9.
40)、チオフェノール(pKa6.46)などのチオ
ール類、ベンゾトリアゾールなどの共役トリアゾール
類、ホウ酸(pKa9.24)又はそのモノあるいはジ
エステル類、硫化水素(pKa7.02)などの無機酸
類、さらには残基がハイドロキサイドイオンである水
(pKa7.0)などが挙げられる。これらのうち、好
ましいのは、イミド類、ホウ酸およびそのエステル類お
よび水である。
【0008】なお、本発明のアニオン成分を構成する酸
には、フェノール(pKa9.82)、o−クロロフェ
ノール(pKa8.29)などの単官能フェノール類、
カテコール(pKa9.23)、レゾルシノール(pK
a9.30)などの二官能フェノール類、ピロガロール
(pKa8.94)、1,2,4−ベンゼントリオー
ル、1,3,5−ベンゼントリオールなどの三官能又は
それ以上のフェノール類を含むが、単官能フェノール類
あるいは二官能フェノール類の残基をアニオン成分とし
た場合、エポキシ樹脂硬化物の機械特性などが低下する
ため好ましくない。フェノール類の中でアニオン成分と
して好ましいものは三官能以上のフェノール類であり、
最も好ましいものはピロガロールである。また、本発明
のアニオン成分を構成する酸からは、上記したようにカ
ルボン酸を除くが、カルボン酸には、脂肪族モノカルボ
ン酸、脂肪族ポリカルボン酸、芳香族モノカルボン酸、
芳香族ポリカルボン酸など、あらゆるカルボン酸を含
む。
【0009】本発明のエポキシ樹脂用硬化促進剤は、次
のようにして製造される。まず、無溶剤下、あるいは
水、アルコール類又はこれらの混合溶剤下で、炭酸ジメ
チルや炭酸ジエチルなどの炭酸ジアルキル、塩化メチ
ル、臭化ブチル、塩化ベンジルなどのハロゲン化アルキ
ル、あるいはジメチル硫酸、ジエチル硫酸などのジアル
キル硫酸を第三級アミン類に反応させて四級化するか、
エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどのアル
キレンオキサイドを第三級アンモニウム塩に付加して四
級化する。
【0010】ここで、上記した四級化の際に用いる三級
アミン類としては、例えば、トリメチルアミン、トリブ
チルアミン、トリオクチルアミン、ジエチル−1−プロ
ピルアミン、ベンジルジメチルアミン、ブチルジヒドロ
キシエチルアミンあるいはジブチルアミンのプロピレン
オキサイド付加物などの脂肪族アミン類、N−メチルピ
ペリジン、N−エチルピペリジン、N−メチルピロリジ
ン、N−エチルピロリジン、N−メチルヘキサメチレン
イミン、N−エチルヘキサメチレンイミン、N−メチル
モルホリン、N−ブチルモルホリン、N,N´−ジメチ
ルピペラジン、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]
−ノネン−5、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]
−ウンデセン−7などの脂環式アミン類、ピリジン、4
−ジメチルアミノピリジン、ピコリン類、N−メチルイ
ミダゾール、N−メチルベンズイミダゾール、キノリ
ン、4,4´−ジピリジルなどの含窒素ヘテロ環芳香族
類を挙げることができる。このうち好ましい三級アミン
類としては、炭素原子数の合計が37以下となる炭化水
素基からなる脂肪族アミン類および1,5−ジアザビシ
クロ(4,3,0)−ノネン−5が挙げられる。好まし
い脂肪族アミン類としては、例えば、トリn−プロピル
アミン、トリn−ブチルアミン、ジオクチルメチルアミ
ン、ベンジルジメチルアミン、ジシクロヘキシルメチル
アミン、ステアリルジメチルアミンが挙げられる。
【0011】なお、炭素原子数の合計が38以上となる
脂肪族アミン類を使用すると、硬化促進剤の触媒活性が
やや低くなる傾向にある。特に好ましい炭素原子数の合
計は21以下である。また、本発明の第四級アンモニウ
ム塩において、カチオン部分である第四級アンモニウム
基が2個以上のエチル基を含むと、硬化促進剤自体の熱
安定性などが悪くなるので、エチル基が2個以上となら
ないように、三級アミン類および四級化剤を選択するこ
とが好ましい。
【0012】次いで、四級化により得られた第四級アン
モニウム塩のアニオン部分を、必要に応じて、所望する
酸の残基で置換することにより、本発明のエポキシ樹脂
用硬化促進剤が製造される。第三級アミン類に炭酸ジア
ルキルを反応させて四級化した場合は、反応に使用した
溶剤などの低沸点化合物を留去すれば、そのまま本発明
のエポキシ樹脂用硬化促進剤として使用することができ
る。また、例えば、溶融状態の酸類もしくは適当な溶剤
に溶解した酸類に、混合攪拌下、四級化物を徐々に添加
し、アニオン部分の置換により発生する炭酸ガスやメタ
ノールあるいは四級化に使用した溶剤などの低沸点化合
物を留去することにより、第四級アンモニウム塩のアニ
オン部分を他の酸の残基で置換することもできる。
【0013】ハロゲン化アルキル、ジアルキル硫酸ある
いはアルキレンオキサイドで四級化した場合は、まず、
これらの第四級アンモニウム塩溶液に水酸化ナトリウム
や水酸化カリウムのような強アルカリ無機化合物を添加
するか、該溶液をイオン交換樹脂で処理することによ
り、相当するハイドロキサイド塩にしてから、低沸点化
合物を留去すれば、そのまま本発明のエポキシ樹脂用硬
化促進剤として使用することができる。あるいは、第四
級アンモニウムハイドロキサイド塩の溶液を、溶融状態
又は適当な溶剤に溶解した酸類に添加し、使用した溶剤
などを留去してもよい。溶剤などを留去した後は、必要
に応じて、成形機を用いてペレット状に成形したり、適
当な容器に入れて冷却、固化した後、所望の粒度に粉砕
する。
【0014】上記した四級化の方法のうち、好ましいの
は炭酸ジアルキルで四級化する方法である。この方法に
よれば、電気特性の低下や錆の発生を起こす原因となる
Cl、Br、SO 、Na、Kなどのイオン性不純物
の混入を極力避けることができるので、電気電子部品用
途のエポキシ樹脂に対して好適である。
【0015】本発明のカチオン部分である第四級アンモ
ニウム基の好ましい例としては、メチルトリn−プロピ
ルアンモニウム、メチルトリn−ブチルアンモニウム、
ジオクチルジメチルアンモニウム、ステアリルトリメチ
ルアンモニウムあるいはN−メチル−1,5−ジアザビ
シクロ(4,3,0)−ノネ−5−ニウムが挙げられ
る。本発明のエポキシ樹脂用硬化促進剤の製造におい
て、カチオン成分とアニオン成分の比率は、カチオン成
分1当量に対して、アニオン成分が1当量以上であれば
よいが、アニオン成分が二官能以上のものである場合
は、アニオン成分は約1.5当量以上であることが好ま
しい。
【0016】本発明のエポキシ樹脂用硬化促進剤は、必
要に応じて他の公知の硬化促進剤と併用することができ
る。併用の時期あるいは方法は特に限定されない。例え
ば、本発明の製造工程のいずれかの段階で配合する他、
エポキシ樹脂コンパウンド製造時の混練工程で配合して
もよい。上記方法により得られた硬化促進剤は、フェノ
ールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、キシ
リレンフェノール樹脂あるいはジシクロペンタジエンフ
ェノール樹脂などのフェノールノボラック類、メチルヘ
キサヒドロ無水フタル酸あるいはテトラヒドロ無水フタ
ル酸などの液状又は固形状の酸無水物類からなる硬化
剤、および必要によりシリカやアルミナなどのフィラー
その他の添加剤をエポキシ樹脂に配合したエポキシ樹脂
コンパウンドの硬化促進剤として使用される。その他の
添加剤としては、離型剤、着色剤、難燃化剤、低応力化
剤、フィラーのカップリング処理剤、イオン捕捉剤など
が挙げられる。
【0017】本発明の適用対象となるエポキシ樹脂とし
ては、液状又は固形状のビスフェノールA型エポキシ樹
脂、前記フェノールノボラック類のグリシジル化によっ
て得られるエポキシ樹脂、ビフェニルエポキシ樹脂、臭
素化フェノールノボラックエポキシ樹脂、トリグリシジ
ルイソシアヌレート、あるいはこれらの2種以上を併用
したものが例示される。エポキシ樹脂コンパウンドは、
エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、フィラーあるいは
その他の添加剤を連続ニーダなどで混練することによ
り、常温で液状又は固形状の形で得られる。該コンパウ
ンドが常温で固形状の場合は、これを粉砕して粉末状に
するか、成形機を用いてペレットやタブレット状として
もよく、また、溶剤を用いて各成分を混練して溶液状の
コンパウンドとしてもよい。
【0018】エポキシ樹脂コンパウンドへの本発明の硬
化促進剤の添加量は、第四級アンモニウム塩のカチオン
部分の重量で表示すると、通常はエポキシ樹脂100重
量部に対して、0.5〜10重量部程度であり、最適な
添加量は要求される硬化速度(ゲルタイム)などに合わ
せて決定される。また、本発明のエポキシ樹脂用硬化促
進剤は、エポキシ樹脂コンパウンド製造時に配合する
他、予めフェノールノボラックなどの硬化剤等に高濃度
で溶融ブレンドしたマスターバッチの形で使用してもよ
い。本発明を使用したエポキシ樹脂コンパウンドは、半
導体などの電気電子部品の封止材のほか、電気電子部品
の注型、接着、積層板あるいは粉体塗料の用途に用いる
ことができる。
【0019】
【実施例】以下、実施例1〜4、比較例、参考例および
試験例により本発明を説明するが本発明はこの実施例の
記載に限定されるものではない。
【0020】(実施例1)攪拌式オートクレーブに、ト
リn−ブチルアミン(1モル)、炭酸ジメチル(2.2
モル)および溶剤としてメタノール(約4.7モル)を
仕込み、反応系を窒素置換した後、密閉して、125℃
で40時間反応させた(NMR分析で求めたトリn−ブ
チルアミンの反応率は約99%)。そして、その結果、
濃度53重量%(塩酸溶液での電位差滴定による)のメ
チルトリn−ブチルアンモニウムメチルカーボネートの
溶液を得た。当モルのメタホウ酸を過剰のメタノールに
50〜60℃で溶解し、次いで上記のメチルカーボネー
トの溶液を添加し、溶剤などの低揮発分を留去しながら
徐々に70〜80℃に昇温反応させ、最終的には減圧下
で溶剤などを除いて、実施例1の硬化促進剤を得た。 (実施例2〜4)約50℃で大過剰の水、当モルのピロ
ガロール、イソシアヌル酸あるいはo−フタル酸のメタ
ノール溶液に、前記のメチルトリn−ブチルアンモニウ
ムメチルカーボネートの溶液を添加し、実施例1と同様
に処理して、それぞれ実施例2、実施例3、実施例4お
よび比較例の硬化促進剤を得た。なお、実施例1〜4、
比較例の硬化促進剤のアニオン成分を構成する酸の、水
溶液中におけるpKa値(25℃)は、それぞれ6.
5、7.0、8.94、7.20、2.75であった。
【0021】(参考例)参考例の硬化促進剤として、
1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−
7(サンアプロ社製)をそのまま使用した。
【0022】(試験例)表1に示す重量部の実施例1〜
4、比較例および参考例の硬化促進剤とミレックスXL
C−LL(三井化学社製、商品名、軟化点78℃、水酸
基当量172)86重量部を約130℃で均一に溶融混
合した後、冷却して粗砕した。そして、ビフェニルエポ
キシ樹脂YX−4000H(油化シェルエポキシ社製、
商品名、融点約108℃、エポキシ当量190、加水分
解性塩素−2の分析値143ppm)90重量部および
臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂エピクロン15
3(大日本インキ化学工業社製、商品名、軟化点約70
℃、エポキシ当量400、臭素含有量約48%)10重
量部を約115℃で溶融し、これに前記の粗砕物の全量
を加え、約90秒間均一に溶融混合した後、速やかに冷
却、粉砕し、試験に適した大きさのタブレット状に、室
温でプレス成形して、硬化促進剤を含んだエポキシ樹脂
コンパウンドを得た。そして、それぞれのエポキシ樹脂
コンパウンドについて、下記の試験方法1〜3で性能を
評価し、それらの結果を表1に示した。表1中の硬化促
進剤の配合ミリモル数(エポキシ樹脂100重量部当
り)、ゲルタイム、硬化トルクおよびガラス転移点Tg
の関係から、本発明のエポキシ樹脂用硬化促進剤は触媒
活性に優れていて、エポキシ樹脂の成形サイクルの短縮
に有効であるとともに、半導体などの信頼性低下の原因
となる硬化樹脂中の不純物イオンの含量が少なく、かつ
高い体積抵抗率を示すことから電気特性に優れているこ
とが分かった。
【0023】(試験方法1)キュラストメータV型(日
合商事社製、商品名)を使用して、温度175℃、樹脂
用ダイスP−200および振幅角度±1°の条件で、そ
れぞれのエポキシ樹脂コンパウンドについて硬化トルク
を測定し、硬化トルクの立ち上がる点をゲルタイム(単
位は秒)として、測定開始から90秒後の硬化トルクの
値(単位はkgf・cm)を成形性(脱型時の強度およ
び硬度)の指標とした。また、測定開始から120秒後
に取り出して、成形直後のTg(TMA法による、単位
は℃)を測定した。更に、175℃、5時間の条件で後
硬化してTgを測定した。
【0024】(試験方法2)試験方法1に記載した方法
と同じ方法で得られる、後硬化したエポキシ樹脂を粉砕
して分級し、粒径425μmパスの粉末を得た。この粉
末7.0重量部と超純水70.0重量部を耐圧容器に入
れ、150℃で20時間抽出した後濾過し、イオンクロ
マトグラフ法により濾液中の不純物ClおよびBrイオ
ンの含量を求めた(イオン含量は硬化樹脂に対するpp
m単位で示した)。
【0025】(試験方法3)それぞれのコンパウンド
を、165℃で7分間、プレス圧40kg/cmの条
件で熱プレス成形し、165℃で5時間、後硬化して、
直径約100mm、厚さ2.0mmの試験片を作製し、
JIS K−6911−1995の方法に準じて、この
試験片の150℃における体積抵抗率(単位は1012
Ωcm)を測定した。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂用硬化促進剤は、
エポキシ樹脂の硬化促進作用およびエポキシ樹脂の成形
性に優れ、イオン性不純物が少なく電気特性に優れた硬
化樹脂を提供することから、各種電気電子部品の封止な
どの用途に用いるエポキシ樹脂の硬化促進剤として極め
て有用なものである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶液中におけるpKa値が5.0〜1
    0.0の範囲にある酸(ただし、カルボン酸を除く)の
    残基をアニオン成分とする第四級アンモニウム塩からな
    ることを特徴とするエポキシ樹脂用硬化促進剤。
  2. 【請求項2】 アニオン成分がホウ酸又はそのモノある
    いはジエステルの残基である請求項1記載のエポキシ樹
    脂用硬化促進剤。
  3. 【請求項3】 アニオン成分が水の残基である請求項1
    記載のエポキシ樹脂用硬化促進剤。
  4. 【請求項4】 アニオン成分がピロガロールの残基であ
    る請求項1記載のエポキシ樹脂用硬化促進剤。
  5. 【請求項5】 アニオン成分がイミド類の残基である請
    求項1記載のエポキシ樹脂用硬化促進剤。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014112537A1 (ja) * 2013-01-16 2014-07-24 日本化薬株式会社 エポキシ樹脂、硬化性樹脂組成物および硬化物
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