JP3794598B2 - エポキシ化合物成型体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はその取扱がきわめて容易である結晶性エポキシ化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】
エポキシ樹脂は種々の硬化剤で硬化させることにより、一般的に機械的性質、耐水性、耐薬品性、耐熱性、電気的性質などに優れた硬化物となり、接着剤、塗料、積層板、成形材料、注型材料などの幅広い分野に利用されている。従来、工業的に最も使用されているエポキシ樹脂としてビスフェノ−ルAにエピクロルヒドリンを反応させて得られる液状および固形のビスフェノ−ルA型エポキシ樹脂がある。その他液状のビスフェノ−ルA型エポキシ樹脂にテトラブロムビスフェノ−ルAを反応させて得られる難燃性固形エポキシ樹脂などが汎用エポキシ樹脂として工業的に使用されている。また最近では特に半導体封止材用途においては表面実装方式が主流となっており、実装時に高温にさらされるためパッケージにクラックが生じるということが問題になってきている。このような問題を解決するためにはフィラーの充填量を増やし、封止材全体としての吸水率や線膨張率を低減させることが有効であると指摘されている。このような高フィラー充填を可能にするためには樹脂の粘度は低い方が有利であるが、従来のエポキシ樹脂、例えばo−クレゾール型エポキシ樹脂等では平均分子量を小さくして粘度を下げた場合には軟化点も同時に低下する。通常エポキシ樹脂はフレーク状或いはマーブル状で供給されるが、樹脂の軟化点が低い場合は貯蔵時に個々のフレーク或いはマーブルが溶着し塊状になるブロッキングという現象が起こり易いことが問題になっている。近年ではこのような問題点を解決するために、例えば下記式(1)
【0003】
【化1】
【0004】
(式中、Gはグリシジル基を表す。)
で表される融点が100℃前後で溶融粘度の極めて低い結晶性のエポキシ樹脂を使用することが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記式(1)で表される結晶性エポキシ樹脂は結晶化に要する時間が長いためフレーク状でしか供給できず、運搬時にフレークが微粉砕されて、作業時に粉塵がたつなど様々な問題が指摘されている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはこうした実状に鑑み、鋭意研究の結果本発明を完成させるに到った。 すなわち本発明は
(1)形状がマーブル状である結晶性エポキシ化合物、
(2)示差熱分析において溶融状態から10℃/分の速度で冷却した場合、100〜40℃の間に発熱ピークがみられる結晶性エポキシ化合物、
(3)上記(1)或いは(2)記載のエポキシ化合物及び硬化剤を含有してなるエポキシ樹脂組成物、
(4)硬化促進剤を含有する上記(3)記載のエポキシ樹脂組成物、
(5)無機充填材を含有する上記(3)または(4)記載のエポキシ樹脂組成物、
(6)上記(3)、(4)及び(5)のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物
を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明のエポキシ化合物は例えば、(a)フェノール類ノボラック型エポキシ樹脂と(b)フェノール性水酸基を2個以上有する化合物をグリシジル化して得られる結晶性エポキシ化合物とを溶融状態にて混合したエポキシ樹脂混合物をマーブル状に造粒して得られる。また、(c)フェノール類ノボラックと(d)フェノール性水酸基を2個以上有する結晶性化合物との混合物とエピハロヒドリンとの反応をアルカリ金属水酸化物の存在下で行うことよって得られるエポキシ化合物をマーブル状に造粒しても得ることができる。尚、本発明のエポキシ化合物において、マーブル状とは比較的粒径が均一なビーズ型の形状を指す。
【0008】
本発明のエポキシ化合物を得る際に前記成分(b)の結晶性エポキシ化合物を用いる場合は、その融点が120℃以上であることが好ましく、特に130℃以上であることが好ましい。
成分(a)と(b)の混合比は特に制限されることはないが重量比で(b)/(a)の値として通常0.5以下、0.05以上、好ましくは0.25以下、0.07以上である。(a)と(b)の混合比が前記した範囲を下回ると結晶化が起こり難くなり、上回ると融点が高くなりすぎて作業が困難になるなどの問題が生じる。
【0009】
また、成分(c)と(d)の混合比も特に制限されないが、重量比で(d)/(c)の値として通常0.5以下、0.05以上、特に好ましくは0.25以下、0.07以上である。(c)と(d)の配合量が前記した範囲を外れると、エポキシ化合物合成中に結晶が析出たり、該混合物を硬化してなる硬化物の物性において、(d)の単独のエポキシ化合物の硬化物特性が顕著になり、耐熱性や耐湿性に問題が出てきたり、合成したエポキシ化合物が結晶性を帯びず固形化しない等の問題点が出てくる場合がある。
【0010】
成分(c)としてはフェノール類、好ましくはアルキル基を有するフェノール類とホルムアルデヒドを縮合した重縮合物、が挙げられる。前記重縮合物におけるフェノール類の用いうる具体例としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、tert−ブチル−クレゾールなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、成分(a)としては、例えば成分(c)のエポキシ化物が挙げられ、アルキル基を有するフェノール類とホルムアルデヒドを縮合した重縮合物のエポキシ化物が好ましい。また成分(c)または成分(a)はそれぞれo−クレゾールノボラックまたはそのエポキシ化物が好ましく、軟化点100℃以下のo−クレゾールノボラックまたはそのエポキシ化物が特に好ましい。
【0011】
成分(d)の用いうる具体例としては、4、4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシスチルベン等が挙げられ、4,4’−ジヒドロキシビフェニルが好ましい。成分(b)としては、例えば成分(d)のエポキシ化物が挙げられ、4,4’−ジヒドロキシビフェニルのエポキシ化物が好ましい。
【0012】
成分(a)と成分(b)から、エポキシ化合物を得るには、両者を溶融状態において均一に混合した後冷却することによりエポキシ化合物が得られる。尚、成分(c)または成分(d)をグリシジル化して、それぞれ成分(a)または成分(b)を得る反応は、下記するような成分(c)と成分(d)の混合物をグリシジル化する方法に準じて行うことができる。
【0013】
前記エポキシ化合物を得る際に使用されるエピハロヒドリン類の用い得る具体例としては、エピクロルヒドリン、β−メチルエピクロルヒドリン、エピブロムヒドリン、β−メチルエピブロムヒドリン、エピヨードヒドリン、β−エチルエピクロルヒドリン等が挙げられるが、工業的に入手し易く安価なエピクロルヒドリンが好ましい。このグリシジル化反応自体は従来公知の方法に準じて行うことが出来る。
【0014】
例えば成分(c)と成分(d)の混合物(以下、フェノール混合物という)とエピハロヒドリンとの溶解混合物に水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物を添加し、または添加しながら20〜120℃の温度で反応させることによりエポキシ化合物を得ることが出来る。
【0015】
前記エポキシ化合物を得る反応において、アルカリ金属水酸化物はその水溶液を使用してもよく、その場合は該アルカリ金属水酸化物の水溶液を連続的に反応系内に添加すると共に減圧下、または常圧下連続的に水及びエピハロヒドリンを留出させ、更に分液し水は除去しエピハロヒドリンは反応系内に連続的に戻す方法でもよい。
【0016】
また、上記のフェノール混合物とエピハロヒドリンの溶解混合物にテトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩を触媒として添加し20〜120℃でアルカリ金属水酸化物の固体または水溶液を加え、20〜120℃の温度で反応させ脱ハロゲン化水素(閉環)させる方法でもよい。
【0017】
通常これらの反応において使用されるエピハロヒドリンの量は、フェノール混合物中の水酸基1当量に対し通常1〜20モル、好ましくは2〜15モルである。アルカリ金属水酸化物の使用量はフェノール混合物中の水酸基1当量に対し通常0.8〜2.0モル、好ましくは0.9〜1.8モルである。更に、反応を円滑に進行させるためにメタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類の他ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒などを添加して反応を行うことが好ましい。
【0018】
アルコール類を使用する場合、その使用量はエピハロヒドリンの量に対し2〜20重量%、好ましくは4〜15重量%である。非プロトン性極性溶媒を使用する場合はエピハロヒドリンの量に対し通常5〜150重量%、好ましくは10〜140重量%である。
【0019】
これらのエポキシ化反応の反応物を水洗後、または水洗無しに加熱減圧下、100〜150℃、圧力10mmHg以下でエピハロヒドリンや他の添加溶媒などを除去する。また更に加水分解性ハロゲンの少ないエポキシ化合物とするために、得られたエポキシ化合物をトルエン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトンなどの溶剤に溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えて更に反応を行い閉環を確実なものにすることもできる。この場合アルカリ金属水酸化物の使用量はエポキシ化に使用したフェノール混合物の水酸基1当量に対して通常0.01〜0.3モル、好ましくは0.05〜0.2モルである。反応温度は通常50〜120℃、反応時間は通常0.5〜2時間である。
【0020】
反応終了後、生成した塩を濾過、水洗などにより除去し、更に、加熱減圧下トルエン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトンなどの溶剤を留去することによりエポキシ化合物が得られる。
【0021】
こうして得られたエポキシ化合物は示差熱分析において、溶融状態から10℃/分の速度で冷却した場合、100〜40℃の間に発熱ピークが見られるものが好ましい。この温度内に上記の冷却速度で発熱が見られない場合は結晶化の速度が遅いため、マーブル状の結晶を造粒出来ない恐れがある。
【0022】
こうして得られたエポキシ化合物をマーブル状に造粒し本発明のエポキシ化合物とするには、例えばエポキシ化合物を120〜180℃で溶融し、10〜50cmの高さから0.01〜0.1mlずつスチールベルト上に滴下すればよい。
【0023】
以下、本発明のエポキシ樹脂組成物につき説明する。
本発明のエポキシ樹脂組成物において本発明のエポキシ化合物は、他のエポキシ樹脂と併用して用いることができる。併用し得る他のエポキシ樹脂の具体例としては、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂などが挙げられる。これらエポキシ樹脂は単独で用いてもよく、2種以上混合して使用してもよい。
併用する場合本発明のエポキシ化合物の全エポキシ樹脂中に占める割合は通常30重量%以上、好ましくは40重量%以上である。
【0024】
本発明ののエポキシ樹脂組成物において使用される硬化剤としては、例えばアミン系化合物、酸無水物系化合物、アミド系化合物、フェノ−ル系化合物などが挙げられる。用い得る硬化剤の具体例としては、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンとより合成されるポリアミド樹脂、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、フェノ−ルノボラック、アラルキレンフェノール樹脂等を始めとする多価フェノール類及びこれらの変性物、イミダゾ−ル、BF3 −アミン錯体、グアニジン誘導体などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0025】
本発明のエポキシ樹脂組成物において硬化剤の使用量は、エポキシ化合物(及び他のエポキシ樹脂(任意成分))のエポキシ基1当量に対して0.7〜1.2当量が好ましい。エポキシ基1当量に対して、0.7当量に満たない場合、あるいは1.2当量を超える場合、いずれも硬化が不完全となり良好な硬化物性が得られない恐れがある。
【0026】
また上記硬化剤を用いる際に硬化促進剤を併用しても差し支えない。用いうる硬化促進剤の具体例としては、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾ−ル類、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等の第3級アミン類、トリフェニルホスフィン等のホスフィン類、オクチル酸スズ等の金属化合物等が挙げられる。硬化促進剤はエポキシ化合物(及びエポキシ樹脂)100重量部に対して0.1〜5.0重量部が必要に応じ用いられる。
【0027】
本発明のエポキシ樹脂組成物は必要により無機充填材を含有する。用いうる無機充填材の具体例としてはシリカ、アルミナ、タルク等が挙げられる。無機充填材は本発明のエポキシ樹脂組成物中において0〜90重量%を占める量が用いられる。更に本発明のエポキシ樹脂組成物には、シランカップリング剤、ステアリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の離型剤、顔料等の種々の配合剤を添加することができる。
【0028】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、前記各成分を所定の割合で均一に混合することにより得られる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は従来知られている方法と同様の方法で容易にその硬化物とすることができる。例えば本発明のエポキシ化合物と硬化剤、並びに必要により他のエポキシ樹脂、硬化促進剤、無機充填材及び配合剤とを必要に応じて押出機、ニ−ダ、ロ−ル等を用いて均一になるまで充分に混合してエポキシ樹脂組成物を得、そのエポキシ樹脂組成物を溶融後注型あるいはトランスファ−成形機などを用いて成形し、好ましくは80〜200℃で2〜10時間加熱することにより本発明の硬化物を得ることができる。
【0029】
また本発明のエポキシ樹脂組成物をトルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の溶剤に溶解させ、ガラス繊維、カ−ボン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アルミナ繊維、紙などの基材に含浸させ加熱乾燥して得たプリプレグを熱プレス成形して硬化物を得ることもできる。この際の溶剤は、本発明のエポキシ樹脂組成物と該溶剤の混合物中で通常10〜70重量%、好ましくは15〜70重量%を占める量を用いる。
【0030】
【実施例】
次に本発明を実施例、比較例により具体的に説明するが、以下において部は特に断わりのない限り重量部である。
【0031】
合成例1
o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂EOCN−1020−62(日本化薬(株)製、軟化点62.5℃、エポキシ当量200g/eq)85部に対し、下記式(2)
【0032】
【化2】
【0033】
(式中、Gはグリシジル基を表す。)
で表される結晶性エポキシ化合物(融点160℃、エポキシ当量155g/eq)15部を180℃において均一に溶融混合し、冷却したところ結晶性エポキシ化合物(融点93℃、エポキシ当量192g/eq)を得た。また得られたエポキシ化合物を示差熱分析装置を用いて溶融状態から10℃/分の速度で冷却したところ65.4℃から発熱ピークが見られた。
【0034】
実施例1
合成例1で得られたエポキシ化合物を130℃で溶融し、30cmの高さから0.05mlずつ30℃に保持したスチールベルト上に連続的に滴下したところ平均直径4〜5mm、平均高さ2〜3mmのマーブル状の本発明のエポキシ化合物を安定して造粒することが出来た。
【0035】
合成例2
温度計、滴下ロート、冷却管、撹拌器を取り付けたフラスコに窒素ガスパージを施しながら軟化点85℃のo−クレゾールノボラック96部、4,4’−ヒドロキシビフェニル18.6部、エピクロルヒドリン400部、ジメチルスルホキシド100部を仕込み溶解させた。反応系を45℃に保持しながら、反応系内を45Torrに保って、40%水酸化ナトリウム水溶液100部を4時間かけて連続的に滴下した。この際共沸により留出してくるエピクロルヒドリンと水を冷却、分液した後、有機層であるエピクロルヒドリンだけを反応系内に戻しながら反応を行った。水酸化ナトリウム水溶液滴下完了後、45℃で2時間、70℃で1時間反応させた。ついで水洗を繰り返し、副成塩とジメチルスルホキシドを除去した後、ロータリーエバポレーターを使用し、130℃で加熱減圧下で過剰のエピクロルヒドリン等を留去し、残留物に340部のメチルイソブチルケトンを加え溶解した。
【0036】
更にこのメチルイソブチルケトンの溶液を70℃に加熱し30重量%の水酸化ナトリウム水溶液10部を添加し1時間反応させた後、反応混合物の水洗浄液のpHが中性となるまで水洗を3回繰り返した。更に水層は分離除去し、ロータリエバポレーターを使用して油層から加熱減圧下メチルイソブチルケトンを留去し冷却することにより、結晶性エポキシ化合物163部を得た。得られたエポキシ化合物の融点は95℃、エポキシ当量は191g/eqであった。また得られたエポキシ化合物を示差熱分析装置を用いて溶融状態から10℃/分の速度で冷却したところ67.9℃から発熱ピークが見られた。
【0037】
実施例2
得られたエポキシ化合物を130℃で溶融し、30cmの高さから0.05mlずつ30℃に保持したスチールベルト上に連続的に滴下しところ平均直径4〜5mm、平均高さ2〜3mmのマーブル状の本発明のエポキシ化合物を安定して造粒することが出来た。
【0038】
比較例1
合成例2で得られた結晶性エポキシ化合物の代わりに前記式(1)で表される結晶性エポキシ樹脂(YX−4000H、油化シェルエポキシ(株)製、融点103℃、エポキシ当量196g/eq)を示差熱分析装置を用いて溶融状態から10/分の速度で冷却したところ100〜40℃の間には発熱ピークはみられなかった。このエポキシ樹脂を実施例1と同様に130℃で溶融し30cmの高さから0.05mlずつ滴下し、造粒テストを行ったところマーブル状の結晶は得られなかった。長時間放置の後フレーク状のものは得られたが、軽い刺激で簡単に粉々に砕け使用時に粉塵が発生した。
【0039】
【発明の効果】
本発明のエポキシ化合物は、従来一般的に使用されてきた結晶性エポキシ樹脂がフレーク状で供給されていたことと比較してマーブル状で供給することが可能であるため作業性の面において粉塵等の問題が起こらず極めて取扱が容易である。すなわち本発明のエポキシ化合物は容易にエポキシ樹脂組成物を調製することができ、封止材料、成形材料、注型材料、積層材料、塗料、接着剤、レジストなどの広範囲の用途にきわめて有用である。
Claims (1)
- 軟化点100℃以下のo−クレゾールノボラックと4、4’−ジヒドロキシビフェニルとの混合物をエピハロヒドリン類と反応させ結晶性エポキシ化合物を調製し、これを溶融した後、スチールベルト上に滴下することを特徴とするエポキシ化合物成型体の製造方法
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