JP5515583B2 - フェノール樹脂及びエポキシ樹脂並びにエポキシ樹脂硬化物 - Google Patents
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Description
しかしながら、技術の進歩に伴い、フェノール樹脂の高性能化に対する要求が高まってきており、従来のフェノール樹脂ではその要求に対応できなくなってきた。例えば、電気・電子用途の分野においては封止材料の小型化、薄型化技術の進展に伴い、低粘度のフェノール樹脂が望まれているが、これは小型化した部品内部の狭い空隙にも十分に樹脂を送り込ませる必要があるためである。
すなわちこのような分子量を小さくする手法では、低溶融粘度とこれらフェノール樹脂としての払い出し、計量、移送等の取り扱い性(ハンドリング)、保管時の安定性(樹脂がブロッキングしにくい)、エポキシ樹脂組成物、EMC(Epoxy Moldering Compound)の計量、移送等のハンドリング、保管時の安定性(組成物がブロッキングしにくい)、およびエポキシ樹脂組成物、EMC(Epoxy Moldering Compound)製造工程でのフェノール樹脂の移送、計量、粉砕等のハンドリング性を両立させることができなかった。
その結果、CuKα線により測定したX回折パターンにおいて回折角2θが17〜19°の範囲に結晶性化合物であることを示す最大強度ピークを有するフェノール樹脂とすることによって、このような性能を充足するものを得ることが可能であることを見出すに至った。
(1) 下記一般式(1)〜(3)で表される3種類の繰り返し単位からなるフェノール樹脂とし、CuKα線により測定したX線回折パターンにおいて、回折角2θが17.0°〜19.0°の範囲に鋭い(半値幅1.0以下)最大強度ピークを有するフェノール樹脂である。
(2) 式(1)中のRが水素原子である前記(1)に記載のフェノール樹脂である。
(3) 下記一般式(4)で表されるフェノール類と、下記一般式(5)で表されるビフェニル化合物と、ホルムアルデヒドとを縮合反応させて得られる前記(1)又は(2)に記載のフェノール樹脂の製造方法である。
(4) フレーク状または、マーブル状である上記一般式(4)で表されるフェノール類と、上記一般式(5)で表されるビフェニル化合物と、ホルムアルデヒドとを縮合反応させて得られるフェノール樹脂。
(5) 下記一般式(4)で表されるフェノール類と、下記一般式(5)で表されるビフェニル化合物と、ホルムアルデヒドとを縮合反応させて得られるフェノール樹脂とし、CuKα線により測定したX線回折パターンにおいて、回折角2θが17.0°〜19.0°の範囲に半値幅1.0以下の最大強度ピークを有するフェノール樹脂である。
(6) ペレット状である前記(1),(2),(4)又は(5)のいずれか一つに記載のフェノール樹脂である。
(7) 前記(1),(2),(4)又は(5)のいずれか一つに記載のフェノール樹脂と、エピハロヒドリンとを反応させて得られるエポキシ樹脂である。
(8) 前記(1),(2),(4)又は(5)のいずれか一つに記載のフェノール樹脂と、エポキシ樹脂とを含有するエポキシ樹脂組成物である。
(9) 前記(7)に記載のエポキシ樹脂と、硬化剤とを含有するエポキシ樹脂組成物である。
(10) 半導体封止用に用いられる前記(8)又は(9)に記載のエポキシ樹脂組成物である。
(11) 前記(8)又は(9)に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなるエポキシ樹脂硬化物である。
(12) 前記(8)又は(9)に記載のエポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止してなる半導体装置である。
また、本発明の一般式(1)、(2)、(3)で表される3種類の繰り返し単位からなるフェノール樹脂は、例えば、フェノール類とビフェニル化合物とホルムアルデヒドとを触媒の存在下又は不存在下で縮合反応させることによって得られる。
これらのフェノール類は、単独でも2種以上を併用してもよい。
具体的なフェノール類としては、例えばフェノール、クレゾール、エチルフェノール、プロピルフェノール、ブチルフェノール、ヘキシルフェノール、ノニルフェノール、キシレノール、ブチルメチルフェノール等の1価フェノール、カテコール、レゾルシン、ハイドロキノン等の2価フェノールが挙げられる。前記フェノール類の中でも、本発明のフェノール樹脂を用いてエポキシ樹脂硬化物とした際に耐熱性が高く、フェノール樹脂の溶融粘度が低いという観点から、フェノールが好ましい。
具体的には、4,4’−ビス(ハロゲノメチル)ビフェニル、2,4’−ビス(ハロゲノメチル)ビフェニル、2,2’−ビス(ハロゲノメチル)ビフェニル等のビス(ハロゲノメチル)ビフェニル、4,4’−ビス(アルコキシメチル)ビフェニル、2,4’−ビス(アルコキシメチル)ビフェニル、2,2’−ビス(アルコキシメチル)ビフェニル等のビス(アルコキシメチル)ビフェニル、あるいは、4,4’−ビス(ヒドロキシメチル)ビフェニル、2,4’−ビス(ヒドロキシメチル)ビフェニル、2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)ビフェニル等のビス(ヒドロキシメチル)ビフェニルが挙げられる。
前記ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素及び沃素が挙げられるが、取り扱い性及び反応性の観点から塩素が好ましい。
前記アルコキシ基としては、炭素数1〜6個の脂肪族アルコキシが好ましく、取り扱い性及び反応性の観点からメトキシ基およびエトキシ基がより好ましい。
また、ビフェニル化合物の2つの置換基の位置は、特に制限されないが、得られるフェノール樹脂の粘度が低くなる観点から、4位及び4’位であることが好ましい。
前記ビフェニル化合物として、好ましい具体的な化合物としては、4,4’−ビス(クロロメチル)ビフェニル、4,4’−ビス(メトキシメチル)ビフェニル、4,4’−ビス(エトキシメチル)ビフェニル、が挙げられる。
前記ビフェニル化合物は、1種のみを単独出使用してもよいし、複数種を併用してもよい。
前記ホルムアルデヒドを用いる方法の中でも、ホルムアルデヒド水溶液を反応系に添加する方法が簡便であり好ましい。また、ホルムアルデヒド水溶液としては、市販品の42%ホルムアルデヒド水溶液をそのまま使用することができる。
また、ビフェニル化合物が、ビス(アルコキシメチル)ビフェニルやビス(ヒドロキシメチル)ビフェニルである場合には、酸触媒を添加する必要がある。
前記酸触媒としては、リン酸、硫酸、塩酸、臭化水素酸、弗化水素酸等の無機酸、蓚酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、フルオロメタンスルホン酸等の有機酸、塩化亜鉛、塩化第2錫、塩化第2鉄、ジエチル硫酸などのフリーデルクラフツ触媒を使うことができる。前記酸触媒は、1種のみを用いてもよいし、複数種を併用してもよい。
本発明のフェノール樹脂を半導体封止材の原料として使う場合には、触媒痕が残らない観点から、塩酸等のハロゲン化水素酸又は蓚酸を触媒とすることが好ましい。
工業的には、反応生成物を反応装置内で結晶化させ、この溶融状態のフェノール樹脂をフレーク状、またはマーブル状に取り出す方法等があり、特に指定がなく公知の方法を用いることができる。
また溶融した反応生成物を、スリットフレーカー、オープンフレーカー、造粒機などを通し、ドラムフレーカーや冷却ベルトに連続的に滴下することによって、フレーク状もしくは、マーブル状に工業的に取り出す場合生産性の観点から望ましい。
具体的には、通常未反応フェノール類の除去はフェノール類の沸点近傍かそれ以上の温度で実施されるため、フェノール類除去直後のフェノール樹脂は溶融状態である。この溶融状態のフェノール樹脂を徐冷させ、固形化させる。
本発明のフェノール樹脂を、アルカリ金属水酸化物存在下で、エピハロヒドリンを反応させることによって、エポキシ樹脂を得ることができる。エピハロヒドリンを反応させる際の反応温度としては、40〜150℃が好ましく、50〜120℃がより好ましい。
前記アルカリ金属水酸化物としては、例えば、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等が挙げられる。前記アルカリ金属水酸化物の添加量は、前記フェノール樹脂の水酸基当量に対して、0.8〜1.2倍モルが好ましく、0.9〜1.1倍モルがより好ましい。
前記エピハロヒドリンとしては、例えば、エピクロルヒドリンやα−メチルエピクロルヒドリン、γ−メチルエピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン等が挙げられる。前記エピハロヒドリンの添加量は、フェノール樹脂の水酸基当量に対して、2〜20倍モルが好ましく、2〜10倍モルがより好ましい。
エポキシ化反応終了後、過剰のエピクロルヒドリンを蒸留除去し、残留物をメチルイソブチルケトン等の有機溶剤に溶解し、ろ過し水洗して無機塩を除去し、次いで有機溶剤を留去することにより、目的とするエポキシ樹脂を得ることができる。
本発明のフェノール樹脂は、エポキシ樹脂用硬化剤として用いることができる。よって、通常使用されるエポキシ樹脂と本発明のフェノール樹脂との組成物、上述した本発明のフェノール樹脂をエポキシ化したエポキシ樹脂と通常使用されるフェノール樹脂との組成物、上述した本発明のフェノール樹脂をエポキシ化したエポキシ樹脂と本発明のフェノール樹脂との組成物とすることにより、エポキシ樹脂組成物を得ることができる。
このエポキシ樹脂組成物には、硬化促進剤や充填剤等の一般的に使用される添加剤を添加することができる。
前記硬化促進剤は、硬化特性や諸物性を考慮すると、エポキシ樹脂100重量部に対して0.1〜5重量部の範囲で使用するのが好ましい。さらに半導体封止用のエポキシ樹脂組成物においては、無機充填剤の種類によっても若干異なるが、はんだ耐熱性、成形性(溶融粘度、流動性)、低応力性、低吸水性などを考慮すると、無機充填剤がエポキシ樹脂組成物全体の60〜93重量%を占めるような割合で配合することが好ましい。
本発明のフェノール樹脂は、エポキシ樹脂用硬化剤として用いることができる。エポキシ樹脂硬化物はフェノール樹脂とエポキシ樹脂及び硬化促進剤を混合し、100〜250℃の温度範囲で硬化させることによりエポキシ樹脂硬化物を得ることができる。
硬化促進剤としては、エポキシ樹脂をフェノール系硬化剤で硬化させるための公知の硬化促進剤を用いることが出来る。このような硬化促進剤としては例えば有機ホスフィン化合物およびそのボロン塩、3級アミン、4級アンモニウム塩、イミダゾール類及びそのテトラフェニルボロン塩などを挙げることができるが、この中でも、硬化性や耐湿性の点から、トリフェニルホスフィン及び1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(DBU)が好ましい。また、より高流動性にするためには、加熱により活性が発現する熱潜在性の硬化促進剤がより好ましく、テトラフェニルホスフォニウム・テトラフェニルボレートなどのテトラフェニルホスフォニウム誘導体が好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて、無機充填剤、離型剤、着色剤、難燃剤、低応力剤等を、添加または予め反応して用いることができる。特に半導体封止用に使用する場合は、無機充填剤の添加するのが好ましい。
前記無機充填剤としては、例えば、非晶性シリカ、結晶性シリカ、アルミナ、ガラス、珪酸カルシウム、石膏、炭酸カルシウム、マグネサイト、クレー、タルク、マイカ、マグネシア、硫酸バリウムなどを挙げることができるが、とくに非晶性シリカ、結晶性シリカなどが好ましい。これら添加剤の使用量は、従来の半導体封止用エポキシ樹脂組成物における使用量と同様でよい。
反応終了後、得られた反応溶液を冷却し、水洗を1回行った。油層を分離し、減圧蒸留により未反応フェノールを留去し、フラスコ内温を100℃まで冷却し、フェノール樹脂の結晶固形物を結晶核として少量添加しそのままの温度で1時間攪拌を行い、結晶化を促進させ、樹脂状物をバットに抜き出し、25℃にて自然冷却させ、スリットフレーカーによりフレーク化した。これにより194gのフェノール樹脂を得た。
得られたフェノール樹脂のJIS K 2207に基づく環球法軟化点は75℃であり、150℃におけるICI粘度は44mPa・sであり、取扱性は良好であった。得られたフェノール樹脂をCuKα線により測定したX線回折パターンにおいて、回折角2θが17°〜19°の範囲に結晶性化合物であることを示す最大強度ピークを有するものであった。得られたフェノール樹脂のX線回折強度を図1に示す。実施例1のフェノール樹脂は、2θ=18.6に半値幅が1.0以下の鋭いピークが検出された。
その後、反応温度を125℃に保ちながら2時間反応させその後165℃に昇温し、3時間反応を行った。その間、生成するメタノールを留去した。反応終了後、得られた反応溶液を冷却し、水洗を1回行った。油層を分離し、減圧蒸留により未反応フェノールを留去し、フラスコ内温を130℃まで冷却した。溶融状態のフェノール樹脂に、フェノール樹脂の結晶固形物を結晶核として少量添加し、130℃で2時間攪拌を行い、結晶化を促進させ、樹脂状物をバットに抜き出し、25℃にて自然冷却させ、スリットフレーカーによりフレーク化した。これにより196gのフェノール樹脂を得た。
得られたフェノール樹脂のJIS K 2207に基づく環球法軟化点は、64℃であり、150℃におけるICI粘度は43mPa・sであり、取扱性は良好であった。得られたフェノール樹脂をCuKα線により測定したX線回折パターンにおいて、回折角2θが17°〜19°の範囲に結晶性化合物であることを示す最大強度ピークを有するものであった。得られたフェノール樹脂のX線回折強度を図1に示す。実施例2のフェノール樹脂は、2θ=18.6に半値幅が1.0以下の鋭いピークが検出された。
得られたフェノール樹脂のJIS K 2207に基づく環球法軟化点は、65℃であり、150℃におけるICI粘度は44mPa・sであり、取扱性は良好であった。得られたフェノール樹脂をCuKα線により測定したX線回折パターンにおいて、回折角2θが17°〜19°の範囲に結晶性化合物であることを示す最大強度ピークを有するものであった。得られたフェノール樹脂のX線回折強度を図1に示す。実施例3のフェノール樹脂は、2θ=18.6に鋭いピークが検出された。
釜残にメチルイソブチルケトンを240g投入し溶解させた。25%水酸化ナトリウム水溶液14.40g(0.09モル)を添加し70℃で1時間反応させた。反応終了後、水層が中性になるまで水洗処理を5回繰り返した。加熱減圧下メチルイソブチルケトンを留去することで191gのエポキシ樹脂Bを得た。
得られたエポキシ樹脂の150℃におけるICI粘度は34mPa・sであり、エポキシ当量は233g/eq、軟化点は40℃以下であった。
撹拌装置、コンデンサー、及び窒素ガス導入管を備えたガラス製反応釜に、フェノール376g(4モル)、4,4’−BCMB150.70g(0.6モル)を仕込み100℃で3時間反応させ、その後42%ホルムアルデヒド水溶液28.57g(0.4モル)を添加し、その後、100℃で3時間反応させた。その間、生成する塩化水素を除去した。反応終了後、得られた反応溶液を冷却し、水洗を1回行った。油層を分離し、減圧蒸留により未反応フェノールを留去し溶融状態のフェノール樹脂をバットに抜き出し、そのバットを10℃の水が入った水槽に入れて冷却させた。約30分後には全体が冷却されており、これをとりだすことにより198gのフェノール樹脂を得た。
得られたフェノール樹脂のJIS K 2207に基づく環球法軟化点は軟化点は58℃であり、150℃におけるICI粘度は44mPa・sであり、軟化点が低く取り扱いに難点があった。得られたフェノール樹脂をCuKα線により測定したX線回折パターンにおいて、回折角2θが17°〜19°の範囲に結晶性化合物であることを示す最大強度ピークを有さないものであった。得られたフェノール樹脂のX線回折強度を図1に示す。比較例1のフェノール樹脂は、2θ=19.1に、半値幅7.2の非常にブロードなピークが検出されたのみであった。
表1に示す配合比で、エポキシ樹脂組成物を製造した。実施例1,2,3で得たフェノール樹脂を硬化剤A,B,Cとし、フェノール樹Dとして、HF−3M(明和化成社製 OH当量107g/eq)、ビフェニルエポキシ樹脂(ジャパン エポキシ レジン社製;YX−4000、エポキシ当量188g/eq)をエポキシ樹脂A、溶融シリカ、トリフェニルホスフィン(TPP)を表1に示す割合、すなわちフェノール水酸基当量とエポキシ当量比が1:1となるように配合した。これに83wt%になるように充填剤を加え、これらを、100℃〜110℃の条件で2軸ニーダで混練後粉砕しEMC粉体を調整した。
得られたEMC粉体を用いてタブレットを作成し、スパイラルフロー測定を行った。
また、トランスファー成形機にて試験片を作成し、180℃ 8hrのポストキュアをTMA、曲げ強度、難燃評価用のテストピースを得た。
[スパイラルフローの測定]
スパイラルフローは、低圧トランスファー成形機を用いて、EMMI−1−66に準じたスパイラルフロー測定用金型に、金型温度175℃、注入圧力6.8MPa、保圧時間120秒の条件でEMC組成物を注入し、流動長を測定した。
ガラス転移点は、TMA法(Thermal Mechanical Analysis、熱機械分析法)(昇温速度5℃/分)を用いて測定した。
[機械強度(曲げ弾性率)の測定]
機械強度(曲げ弾性率)は、JIS K 7171に準拠して測定した。
[難燃性の評価]
難燃性は、UL−94に準拠して評価した。試験片のサイズは厚さ1mm×長さ135mm×幅10mmとした。
[フェノール樹脂の軟化点の測定]
フェノール樹脂の軟化点は、JIS K2207に基づく環球法にて測定した。
ICIコーンプレート粘度計(MODEL CV−1S TOA工業社製)を用いて、フェノール樹脂のICI粘度の測定を下記のように行った。
ICI粘度計のプレート温度を150℃に設定し、試料を所定量、秤量した。その後、プレート部に秤量した樹脂を置き、上部よりコーンで押えつけ、90sec放置した。前記コーンを回転させて、そのトルク値をICI粘度として読み取った。
実施例1〜3及び比較例1にて合成したフェノール樹脂をハンマーでフレーク状に粉砕し、このフレーク状フェノール樹脂100gを口径7.5cm、高さ8.0cmのポリプロピレン製カップに入れ、27℃で2時間放置した。評価基準を以下に示す。
◎:前記フェノール樹脂をカップから取り出し、前記フェノール樹脂が元のペレット状(フレーク状)に自然に分かれる。
○:前記フェノール樹脂をカップから取り出した段階では一部カップの形状を残すが、手で容易にほぐしてペレット状にすることができる。
△:前記フェノール樹脂をカップから取り出した段階では一部カップの形状を残すが、力を入れれば手でほぐしてフレーク状にすることができる。
×:力を入れて手でほぐそうとしても、カップの形状のままほぐせない。
株式会社リガク製 TTR-3型 広角X線回折装置を用いて以下の条件にて、フェノール樹脂のX線回折の測定をおこなった。2θ=17〜19°にピークが存在する場合は○、存在しない場合は×とした。
X線源:CuKα線
管電圧−管電流:50kV−300mA
測定範囲:2-70deg.
ステップ幅:0.02deg.
測定速度:5deg./min.
スリット(発散スリット-受光スリット-散乱スリット):0.5deg.−0.15mm−0.5deg.
走査速度:5deg/min
回折線湾曲結晶モノクロメータ
Claims (12)
- 下記一般式(4)で表されるフェノール類と、下記一般式(5)で表されるビフェニル化合物と、ホルムアルデヒドとを縮合反応させて得られるフェノール樹脂であって、
下記一般式(1)〜(3)で表される3種類の繰り返し単位からなり、CuKα線により測定したX線回折パターンにおいて、回折角2θが17.0°〜19.0°の範囲に半値幅が1.0以下である鋭い最大強度ピークを有するフェノール樹脂。
する。) - 下記一般式(1)〜(3)で表される3種類の繰り返し単位からなるフェノール樹脂で、CuKα線により測定したX線回折パターンにおいて、回折角2θが17.0°〜19.0°の範囲に半値幅が1.0以下である鋭い最大強度ピークを有し、重量平均分子量が750以上であるフェノール樹脂。
する。)
ただし、式(1’)で表わされるフェノールアラルキル型のフェノール樹脂であって、GPCにより測定される式(2’)〜(4’)で表わされる化合物の合計含有量が58〜92%であり、HPLCにより測定される式(2’)〜(4’)で表わされる化合物の成分比が、以下の関係式で表されるフェノール樹脂を除く。
0.60≦(2a+b)/(2a+2b+2c)≦0.90
a;式(2’)の化合物の含有割合
b;式(3’)の化合物の含有割合
c;式(4’)の化合物の含有割合
なお、GPC測定は、カラム:カラム:GPC KF-803+GPC KF-802.5+GPC KF-802+GPC KF-801(昭和電工(株)製)、カラム温度:40℃、溶離液:テトラヒドロフラン、流速:1ml/min.、検出:RIにて行い、HPLC測定は、カラム;Inertsil、ODS−2(4.6mm×150mm)、(ジーエル サイエンス(株)製)、カラム温度;40℃ 溶離液:水/アセトニトリル、グラジエント:30%(アセトニトリル)→100%(28分/グラジエント)、流速:1ml/min.、検出:UV(274nm)にて行う。
- 前記一般式(1)〜(3)中のRが水素原子である請求項1又は2に記載のフェノール樹脂。
- 150℃でのICI粘度が30〜70mPa・sであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のフェノール樹脂。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載のフェノール樹脂と、エピハロヒドリンとを反応させて得られるエポキシ樹脂。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載のフェノール樹脂と、エポキシ樹脂とを含有するエポキシ樹脂組成物。
- 請求項6に記載のエポキシ樹脂と、硬化剤とを含有するエポキシ樹脂組成物。
- 半導体封止用に用いられる請求項7又は8に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 請求項7又は8に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなるエポキシ樹脂硬化物。
- 請求項7又は8に記載のエポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止してなる半導体装置。
- 下記一般式(1)〜(3)で表される3種類の繰り返し単位からなるフェノール樹脂において、CuKα線により測定したX線回折パターンにおいて、回折角2θが17.0°〜19.0°の範囲に半値幅が1.0以下である鋭い最大強度ピークを有するように結晶化を行わせることによって、前記フェノール樹脂からなるペレット化物(但し、フレーク化物及びマーブル化物を含む。)の保管時のブロッキングを抑制する方法。
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