JPH05287052A - エポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂の製法及び半導体封止材料 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂の製法及び半導体封止材料

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JPH05287052A
JPH05287052A JP9114892A JP9114892A JPH05287052A JP H05287052 A JPH05287052 A JP H05287052A JP 9114892 A JP9114892 A JP 9114892A JP 9114892 A JP9114892 A JP 9114892A JP H05287052 A JPH05287052 A JP H05287052A
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JP
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epoxy resin
naphthol
composition
dimer
ratio
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JP9114892A
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Hiroshi Sakata
浩 坂田
Ichiro Ogura
一郎 小椋
Masashi Miyazawa
賢史 宮澤
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 α−ナフトールとβ−ナフトールを1/9〜
5/5(モル比率)で配合させた混合物とアルデヒド類
を反応させて得られるポリナフトール類とエピハロヒド
リンとを反応。その骨格中には、ナフタレン骨格の2量
体と3量体が30/70〜80/20(重量比)の割合
で存在し、且つそれらの合計は全体に対して50%以上
占めている。 【効果】 エポキシ樹脂組成物の吸水率が低く、かつ高
温域での弾性率が低い。また、エポキシ樹脂自身の溶融
粘度も低いので流動性、成形性に優れる他、無機充填剤
を高充填できる。半導体封止材料としては実装時の耐ハ
ンダクラック性に極めて優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な特に耐熱性、耐水
性、高温域の機械物性及び流動性にすぐれたエポキシ樹
脂組成物、エポキシ樹脂の製法及びハンダ耐熱性に優れ
た半導体封止材料に関する。さらに詳しくは、積層品樹
脂材料、電気絶縁材料、半導体封止材料、繊維強化複合
材料、塗装材料、成型材料、接着材料などに極めて有用
な耐熱性、耐水性、靱性が飛躍的に優れるエポキシ樹脂
組成物、エポキシ樹脂の製法及びハンダ耐熱性に優れた
半導体封止材料に関する。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は、種々の硬化剤で硬化さ
せることにより、一般的に機械的性質、耐水性、耐薬品
性、耐熱性、電気的性質などの優れた硬化物となり、接
着剤、塗料、積層板、成型材料、注型材料等、幅広い分
野に使用されている。
【0003】現在、半導体封止材料にはオルソクレゾー
ルノボラック型エポキシ樹脂(以下「ECN」という)
が広く使用されているが、ECNは吸水性が高く、かつ
高温域の弾性率も高いため、ハンダ耐熱性が非常に悪
く、プリント基盤への実装時にクラックが極めて生じ易
いものであった。
【0004】即ち、近年プリント基盤への実装方式が、
ピン挿入型から表面実装型に移行しつつあるため、ハン
ダ耐熱性が悪く、実装時にクラックが発生することのな
いエポキシ樹脂が要求されている。この、クラック発生
を防止するためには吸水率が低いことと高温域での弾性
率が低いことが重要な要件となる。即ち、吸水率が高い
と、実装時のハンダによる熱衝撃でその水分が膨張し、
その膨張エネルギーによってクラックの発生につなが
る。また、高温域での弾性率が高いと、熱時水分の膨張
エネルギーによってパッケージに応力が生じた際の、発
生最大応力が大きくなり、やはりクラックの発生しやす
くなる。
【0005】そのため従来より新規なるエポキシ樹脂と
して、例えば特公昭62−20206号公報にはα−ナ
フトールノボラックのエポキシ化物が開示されており、
またβ−ナフトールのメチレン基架橋による2量化物の
エポキシ化物が報告されてい例もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記特公昭6
2−20206号公報記載のα−ナフトールノボラック
のエポキシ化物は、吸水率もある程度低減されているも
のの未だ充分なものでなく、また、高温域での弾性率の
高いものであった。そのため半導体封止材料としては依
然としてハンダ耐熱性が悪く、実装時のクラックの発生
を招くものでった。
【0007】また、該α−ナフトールノボラックのエポ
キシ化物は分子量が高く溶融粘度が非常に高いため、成
形時の流動性が悪いものであった。従って、半導体封止
材として成形性が悪く、かつ無機充填剤の高充填率化が
困難なものであった。
【0008】一方、前述のβ−ナフトールのメチレン基
架橋2量化物はエポキシ化反応中に、溶剤溶解性が劣る
ことを原因に、結晶化を起こし、製造上非常に困難なも
のであるのと同時に、エポキシ化物の融点が高いため
に、半導体封止材用途の溶融成形が極めて困難であっ
た。
【0009】本発明が解決しようとする課題は、吸水率
が低く、かつ高温域での弾性率の低いエポキシ樹脂組成
物、即ち半導体封止材料とした時のハンダ耐熱性に優れ
たエポキシ樹脂組成物、更にエポキシ樹脂の溶融粘度が
低く、半導体封止剤として成形性に優れ、かつ無機充填
剤の高充填が可能なエポキシ樹脂組成物及びそれを用い
た半導体封止材料を提供することにある。
【0010】
【問題を解決するための手段】本発明者等は鋭意検討し
た結果、α−ナフトールとβ−ナフトールとアルデヒド
類との反応生成物に、エピハロヒドリンを反応させて得
られるエポキシ樹脂を用いることにより上記課題が解決
できることを見いだし本発明を完成するに至った。
【0011】即ち、本発明は、α−ナフトールとβ−ナ
フトールとアルデヒド類との反応生成物に、エピハロヒ
ドリンを反応させて得られるエポキシ樹脂と、硬化剤と
を含有するエポキシ樹脂組成物、α−ナフトールとβ−
ナフトールとアルデヒド類との反応生成物に、エピハロ
ヒドリンを反応させるエポキシ樹脂の製法、及びそれを
用いた半導体封止材料に関するものである。
【0012】本発明で用いるエポキシ樹脂は、α−ナフ
トールとβ−ナフトールとアルデヒド類との縮合反応に
よって得られた2成分共縮縮合型樹脂と、エピハロヒド
リンとを反応させる本発明の製法によって得られたエポ
キシ化物である。
【0013】そのようにして得られたエポキシ樹脂は、
α−ナフトール単独ノボラック樹脂のエポキシ化物と比
較し、分子量分布が狭いため、溶融粘度が低くく成形時
の流動性に富む。またエポキシ化反応中の溶剤溶解性も
優れ、製造時またはワニス状での結晶化等のトラブルも
生じないものである。
【0014】以下に、本発明のエポキシ樹脂の製法及び
本発明で用いるエポキシ樹脂を詳述する。本発明の製法
においては、α−ナフトール、β−ナフトールの共縮比
率により、溶融粘度、諸物性を任意に変えることが可能
である。通常、β−ナフトールの比率が高くなるにつれ
て、溶融粘度を低くくなる傾向にあり、また、α−ナフ
トールの比率が高くなるにつれて耐熱性が向上する傾向
にある。
【0015】このα−ナフトールとβ−ナフトールの配
合割合は、特に限定されるものではないが、α−ナフト
ールとβ−ナフトールの配合割合がモル比で、α−ナフ
トール/β−ナフトール=10/90〜50/50であ
ることが、耐熱性と溶融粘度とのバランスに優れる上
に、吸水率の低下効果、高温域での弾性率向上効果に優
れる点から好ましく、またさらに好ましくは、14/8
6〜35/65であることが、この効果が顕著になる点
から好ましい。
【0016】本発明で用いるエポキシ樹脂の製法を、更
に詳述する。まずα−ナフトールとβ−ナフトールの前
述の配合割合で、固形分が10〜70%程度になるよう
にアルコール類あるいはケトン類の有機溶剤に溶解し、
酸あるいは塩基触媒を加える。この触媒は特に限定され
ず、酸触媒及び塩基触媒の何れでも生成物はレゾール化
することなくノボラック化するももである。
【0017】酸触媒としては蓚酸、塩酸、硫酸等が挙げ
られ、また塩基触媒としてはNaOH、KOH等のアル
カリ金属水酸化物が挙げられる。使用量はナフトールの
水酸基に対して0.01〜0.2当量であることが好ま
しい。
【0018】その後、所定量のアルデヒド類を連続的乃
至断続的に加えられる。アルデヒド類の使用量として
は、α−ナフトールとβ−ナフトールとの合計100モ
ルに対して、50〜80モルとなる割合であり、中でも
生成した原料フェノール樹脂の分子量分布が狭く、溶融
粘度を著しく低く出来る点から、55〜70モルとなる
範囲の割合が好ましい。
【0019】また、アルデヒド類の種類はホルムアルデ
ヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロ
ピルアルデヒド、ブチルアルデヒド、ベンズアルデヒ
ド、ヒドロキシベンズアルデヒド等が挙げられるが、中
でも反応性及び生産性に優れる点からホルムアルデヒド
が好ましい。
【0020】反応温度は用いる溶剤によって異なるが、
通常50〜100℃の範囲である。アルデヒド類を加え
た後、温度を上記範囲に昇温し、その温度にて1〜3時
間程度攪拌する。攪拌後、有機溶剤を蒸留回収すること
により、原料フェノール樹脂を得ることができる。
【0021】それをエポキシ化する方法は、公知の方法
に則れば良く、例えれば原料水酸基に対して3〜10当
量のエピハロヒドリンを添加し溶解する。このエピハロ
ヒドリンとしては、エピクロルヒドリン、エピヨードヒ
ドリン、エピブロムヒドリン、β−メチルエピクロルヒ
ドリン等が挙げられ、これらに限定されるものではない
が中でもエピクロロヒドリンが好ましい。
【0022】またその後水酸基に対して1.0〜1.1
当量の20%NaOHを50〜80℃の温度で3〜5時
間要して滴下する。滴下後その温度で30分間程度攪拌
を続けて、攪拌を停止後食塩水を棄却し、過剰のエピハ
ロヒドリンを蒸留によって回収し粗樹脂を得る。これに
MIBK或いはトルエンを加え、その溶液を水洗、脱
水、濾過、最後の脱溶媒工程を経て褐色で固形状のエポ
キシ樹脂を得ることができる。
【0023】上述の様にして得られるエポキシ樹脂中の
主成分はα−ナフトール或いはβ−ナフトールにより形
成されるナフタレン骨格がアルキレン基により結合され
た「2量体」或いは「3量体」ある。
【0024】ここで「2量体」の比率を高めれば溶融粘
度が低下する傾向にあり、「3量体」の比率を高めれば
耐熱性が向上する傾向にある。また同時に<「2量体」
+「3量体」>合計の含有量が、大きいほど溶融粘度は
低下し流動性に富む傾向にあり、かつ硬化物の諸物性の
バランスに優れるものである。
【0025】この範囲は特に限定されるものでないが、
<「2量体」/「3量体」>の比率が30/70〜80
/20(重量比率)であり、かつ<「2量体」+「3量
体」>合計の含有量が50%(重量比率)以上である
が、耐熱性と溶融粘度とのバランスに優れる上に、吸水
率、高温域での弾性率も向上する点から好ましい。
【0026】また上述のエポキシ樹脂を使用した本発明
の半導体封止材料は、半導体の表面実装時に発生するク
ラックを防止するに極めて優れている。これは前述の様
に、高耐熱性、低溶融粘度、低吸水率、高温域低弾性率
の条件を満たしていることによる。現在この用途で汎用
で用いられているECN(同一溶融粘度)と比較する
と、ガラス転移温度は10〜20℃向上、吸水率は飽和
時で30〜50%低下、250℃での弾性率は60%程
度も低下するものである。さらには熱衝撃性試験におい
てもECNに比較すると、卓越した耐クラック性を有し
ている。
【0027】また本発明のエポキシ樹脂組成物は、必須
成分である上述したエポキシ樹脂に加え、さらに公知慣
用のエポキシ樹脂を併用しても構わない。この際に用い
られるエポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールA
ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、フェノールノボ
ラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型
エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ
樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、臭
素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール
ノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられるが、これらに
限定されるものではない。
【0028】また本発明に用いられる硬化剤としては、
通常エポキシ樹脂の硬化剤として常用されている化合物
はすべて使用することができ、ジエチレントリアミン、
トリエチレンテトラミンなどの脂肪族アミン類、メタフ
ェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミ
ノジフェニルスルホンなどの芳香族アミン類、フェノー
ルノボラック樹脂、オルソクレゾールノボラック樹脂、
ビスフェノールAノボラック樹脂、ビスフェノールFノ
ボラック樹脂、フェノール類−ジシクロペンタジエン付
加型樹脂、ジヒドロキシナフタレンノボラック樹脂等の
芳香族炭化水素−ホルムアルデヒド樹脂、ポリアミド樹
脂およびこれらの変性物、無水マレイン酸、無水フタル
酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水ピロメリット酸な
どの酸無水物系硬化剤、ジシアンジアミド、イミダゾー
ル、BF3 −アミン錯体、グアニジン誘導体等の潜在性
硬化剤等が挙げられる。中でも半導体封止材用として
は、上記芳香族炭化水素−ホルムアルデヒド樹脂が好ま
しい。
【0029】これらの硬化剤の使用量は、エポキシ樹脂
を硬化せしめる量であれば何れでもよく、特に限定され
ないが、好ましくは用いるエポキシ樹脂の一分子中に含
まれるエポキシ基の数と、硬化剤中の活性水素の数が当
量付近となる量である。
【0030】上掲された如き各化合物を硬化剤として用
いる際は、硬化促進剤を適宜使用することができる。
【0031】硬化促進剤としては公知慣用のものがいず
れも使用できるが、例えば、第3級アミン、イミダゾー
ル、有機酸金属塩、ルイス酸、アミン錯塩、リン系化合
物等が挙げられ、これらは単独のみならず2種以上の併
用も可能である。
【0032】本発明のエポキシ樹脂組成物には、さらに
必要に応じて充填剤、着色剤などの公知慣用の各種添加
剤を配合せしめることができ、またタール、ピッチ、ア
ミノ樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂なども併用
することができる。
【0033】更に当該エポキシ樹脂は、それ単独で用い
るだけでなく、既に公知の他のエポキシ樹脂と併用して
用いることもできる。
【0034】一方、本発明の半導体封止材料は上記のエ
ポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、好ましくは更に無機
充填剤から構成される。無機充填剤は特に制限されるも
のではないが、例えば結晶性シリカ粉、溶融シリカ粉、
アルミナ粉、タルク、石英ガラス粉、炭酸カルシウム
粉、ガラス繊維などがあげられる。
【0035】また必要に応じて、着色剤、難燃剤、離型
剤、またはカップリング剤などの公知慣用の各種の添加
剤成分も適宜配合せしめることができる。
【0036】また、上述した本発明のエポキシ樹脂組成
物は、そのエポキシ樹脂の溶剤溶解性に優れるために半
導体封止材料としてのみならず、電気積層板用途でのワ
ニスとしての使用も極めて有用である。
【0037】
【実施例】次に本発明を製造例、実施例およびその比較
例により具体的に説明する。尚、例中において部は特に
断りのない限りすべて重量部である。
【0038】製造例1 攪拌機、温度計、4つ口フラスコにα−ナフトール58
g(O.4モル)、β−ナフトール230g(1.6モ
ル)、MIBK288gを入れ、攪拌溶解する。すなわ
ちα−ナフトール/β−ナフトール=2/8の配合割合
である。それに49%NaOH8.2g(0.1モル)
を添加後、41%ホルマリン95g(1.3モル)を5
0〜100℃に昇温しながら滴下し、その後100℃で
昇温して2時間攪拌した。次いで36%塩酸10.1g
(0.1モル)を添加して中和した。その後150℃に
てMIBKを蒸留回収し、褐色の固体樹脂を得た。
【0039】次いでこれにエピクロルヒドリン925g
(10モル)添加溶解し、80℃で20%NaOH44
0g(2.2モル)を3時間かけて攪拌しながら滴下
し、さらに30分間攪拌を続けてその後静置した。下層
の食塩水を棄却し、エピクロルヒドリンを150℃で蒸
留回収した後、粗樹脂にMIBK500gを加え、さら
に水150gを加え80℃にて水洗した。そして下層の
水洗水を棄却した後、脱水、濾過を経てMIBKを15
0℃で脱溶剤して目的のエポキシ樹脂(A)381gを
得た。この樹脂は褐色固体で、軟化点88℃、150℃
での溶融粘度1.9ポイズ、エポキシ当量は236g/
eqあった。またエポキシ化工程中に結晶化は全く認め
られなかった。さらにはこの樹脂はGPCによると、ナ
フトール骨格の2量体は37%、3量体は33%含有さ
れていた。すなわちそれらの比率は53/47、その合
計の含有量は70%であった。
【0040】製造例2 α−ナフトールを43g(0.3モル)に、β−ナフト
ールを245g(1.7モル)に変更した以外は、製造
例1と全く同様にして原料樹脂を得、次いでエポキシ化
物(エポキシ樹脂(B))378gを得た。すなわちα
−ナフトール/β−ナフトール=15/85の配合割合
である。そのエポキシ樹脂(B)は褐色固体で、軟化点
79℃、150℃での溶融粘度0.8ポイズ、エポキシ
当量は231g/eqあった。またエポキシ化工程中に
結晶化は全く認められなかった。
【0041】さらにはこの樹脂はGPCによると、ナフ
トール骨格の2量体は51%、3量体は21%含有され
ていた。すなわちそれらの比率は71/29、その合計
の含有量は72%(重量)であった。
【0042】製造例3 α−ナフトールを115g(0.8モル)に、β−ナフ
トールを173g(1.2モル)に変更した以外は、製
造例1と全く同様にして原料樹脂を得、次いでそのエポ
キシ化物(エポキシ樹脂(C))379gを得た。すな
わちα−ナフトール/β−ナフトール=4/6の配合割
合である。そのエポキシ樹脂(C)は褐色固体で、軟化
点93℃、150℃での溶融粘度2.9ポイズ、エポキ
シ当量は237g/eqあった。またエポキシ化工程中
に結晶化は全く認められなかった。
【0043】さらにはこの樹脂はGPCによると、ナフ
トール骨格の2量体は28%、3量体は38%含有され
ていた。すなわちそれらの比率は42/58、その合計
の含有量は66%であった。
【0044】製造例4 49%NaOHを蓚酸1.5gに、また反応時間を5時
間に、さらには塩酸による中和を行わなかった以外は、
製造例1と全く同様にして原料樹脂を得、次いでそのエ
ポキシ化物(エポキシ樹脂(D))を381gを得た。
そのエポキシ樹脂(D)は褐色固体で、軟化点89℃、
150℃での溶融粘度2.0ポイズ、エポキシ当量は2
41g/eqあった。またエポキシ化工程中に結晶化は
全く認められなかった。
【0045】さらにはこの樹脂はGPCによると、ナフ
トール骨格の2量体は36%、3量体は30%含有され
ていた。すなわちそれらの比率は55/45、その合計
の含有量は66%であった。
【0046】製造比較例1 ナフトール類を全量α−ナフトールに変更し、それを2
88g(2.0モル)、MIBK288gを入れ、攪拌
溶解した。それに蓚酸1.5gを添加後、41%ホルマ
リン102g(1.4モル)を50〜100℃に昇温し
ながら滴下し、その後100℃で昇温して5時間攪拌し
た。その後150℃にてMIBKを蒸留回収し、褐色の
固体樹脂を得た。
【0047】これを製造例1と同様にエポキシ化し、目
的のエポキシ樹脂(E)357gを得た。この樹脂は褐
色固体で、軟化点108℃、150℃での溶融粘度27
ポイズ、エポキシ当量は253g/eqあった。またエ
ポキシ化工程中に結晶化は全く認められなかった。さら
にはこの樹脂はGPCによると、ナフトール骨格の2量
体は4%、3量体は7%含有されていた。すなわちそれ
らの比率は36/64、その合計の含有量は11%であ
った。
【0048】製造比較例2 ナフトールを全量β−ナフトール288g(2.0モ
ル)に、また生成した2量化物をロータリーエバポレー
ターでMIBKを回収した以外は、製造例1と全く同様
にしてβ−ナフトールのメチレン基架橋2量体の結晶2
82gを得た。これを製造例1同様にエポキシ化しよう
と試みたが、反応中に結晶化を起こし、分液工程に進む
ことが不可能になりエポキシ化物を得ることを断念した
反応中に結晶化を起こし、分液工程に進むことが不可能
になりエポキシ化物を得ることを断念した。
【0049】実施例1〜4及び比較例1〜2 まず樹脂単独の硬化物の試験片を作成するため、上記エ
ポキシ樹脂(A)〜(E)と、それに比較としてオルソ
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂EPICLON
N−660(大日本インキ化学工業(株)製、軟化点6
3℃、エポキシ当量206)を加え、硬化剤としてバー
カム TD−2131(大日本インキ化学工業(株)
製、軟化点80℃、フェノールノボラック樹脂)を、さ
らには硬化促進剤としてトリフェニルフォスフィンをそ
れぞれ用い、エポキシ樹脂のエポキシ基1個に対して硬
化剤の水酸基が1個になる様に表に示す組成で配合し
て、エポキシ樹脂組成物を得た。
【0050】これらのエポキシ樹脂組成物を100℃で
2時間、次いで160℃で2時間、更に180℃で2時
間の条件で硬化せしめて試験片とし、JIS K−69
11に準拠して、常温での曲げ強度、引張り強度、引張
り伸び率および85℃・85%RH条件下での吸水率を
測定した。加えDMAによってガラス転移温度および動
的粘弾性率を測定した。結果を第1表に示した。
【0051】実施例5〜8及び比較例3〜4 第2表で表される配合に従って調製した混合物を熱ロー
ルにて100℃・8分間混練りし、その後粉砕したもの
を1200-1400Kg/cm2 の圧力にてタブレットを作製し、
それを用いてトランスファー成形機にてプランジャー圧
力80Kg/cm2、金型温度175℃、成形時間100秒の
条件下にて、評価用試験片を作成した。その後175℃
で8時間の後硬化を施した。それを用いて耐熱衝撃性試
験を行った。この試験は、試験片を−50℃×30分〜
150℃×30分の熱サイクルを400回繰り返した。
その後のクラック発生率を調べた。試験片数は20個。
この結果を同じく第2表に示す。
【0052】
【表1】 (第1表中、フェノールノボラック樹脂としては大日本
インキ化学工業(株)「バーカム TD−2131」を
それぞれ表わす。)
【0053】
【表2】 (第2表中、TBBPAEPは大日本インキ化学工業
(株)製臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂「EP
ICLON 152」を、フェノールノボラック樹脂と
しては大日本インキ化学工業(株)「バーカム TD−
2131」をそれぞれ表わす。)
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、吸水率が低く、かつ高
温域での弾性率の低いエポキシ樹脂組成物、即ち半導体
封止材料とした時のハンダ耐熱性に優れたエポキシ樹脂
組成物、更にエポキシ樹脂の溶融粘度が低く、半導体封
止材料として成形性に優れ、かつ無機充填剤の高充填が
可能なエポキシ樹脂及びエポキシ樹脂組成物、更にハン
ダ耐熱性に優れた半導体封止材料を提供するができる。
【0055】特に本発明の半導体封止材料は、表面実装
時の耐ハンダクラック性に極めて優れた性能を発揮し、
実装に際しての信頼性が従来のエポキシ樹脂を用いたそ
れに比較し飛躍的な向上が認められる。
【0056】また本発明のエポキシ樹脂組成物は、その
他の成型材料、注型材料、治工具用、電気積層材料、電
気絶縁材料、塗料、土木・建築材料、接着剤、複合材料
などの用途にも極めて有用である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 α−ナフトールとβ−ナフトールとアル
    デヒド類との反応生成物に、エピハロヒドリンを反応さ
    せて得られるエポキシ樹脂と、硬化剤とを含有するエポ
    キシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 α−ナフトールとβ−ナフトールの配合
    割合がモル比率で、α−ナフトール/β−ナフトール=
    1/9〜5/5である請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 エポキシ樹脂中のナフタレン骨格の2量
    体のエポキシ樹脂(a1)とナフタレン骨格の3量体の
    エポキシ樹脂(a2)との合計が50重量%以上であっ
    て、且つ(a1)と(a2)との組成比が重量比で(a
    1)/(a2)=30/70〜80/20である請求項2
    記載の組成物。
  4. 【請求項4】 アルデヒド類がホルムアルデヒドである
    請求項1、2又は3記載の組成物。
  5. 【請求項5】 α−ナフトールとβ−ナフトールとアル
    デヒド類との反応生成物に、エピハロヒドリンを反応さ
    せることを特徴とするエポキシ樹脂の製法。
  6. 【請求項6】 α−ナフトールとβ−ナフトールとの使
    用割合が、モル比率でα−ナフトール/β−ナフトール
    =1/9〜5/5である請求項6記載の製法。
  7. 【請求項7】 エポキシ樹脂中のナフタレン骨格の3量
    体のエポキシ樹脂(a1)とナフタレン骨格の2量体の
    エポキシ樹脂(a2)との合計が50重量%以上であっ
    て、且つ(a1)と(a2)との組成比が重量比で(a
    1)/(a2)=30/70〜80/20である請求項6
    記載の製法。
  8. 【請求項8】 アルデヒド類がホルムアルデヒドである
    請求項5、6又は7記載の製法。
  9. 【請求項9】 エポキシ樹脂と硬化剤とを必須成分とす
    るエポキシ樹脂組成物を用いた半導体封止材において、
    該エポキシ樹脂組成物として請求項1〜4の何れか1つ
    に記載されたエポキシ樹脂組成物を用いることを特徴と
    する半導体封止材料。
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