JP3635804B2 - 酸無水物変性ポリアミド系樹脂の製造法 - Google Patents

酸無水物変性ポリアミド系樹脂の製造法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸無水物変性ポリアミド系樹脂の製造法に関する。さらに詳しくは、フォトリソグラフィーによる微細で高精度なレジストパターンを有し、かつ、耐折性、はんだ耐熱性、難燃性に優れたフレキシブルプリント配線板用カバーレイにおいて、その製造に用いられる感光性樹脂組成物のポリマー成分として好適な酸無水物変性ポリアミド系樹脂の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、フレキシブルプリント配線板(FPC)の外層回路保護膜用材料としては、ポリイミド樹脂が用いられており、それを用いた加工プロセスは、ポリイミド樹脂のフィルムを金型で打抜き、熱圧着する(カバーレイ)又はポリイミド樹脂のインクをスクリーン印刷する(カバーコート)方式で行われている。しかし、前者は、打抜きパターンの微細化に限界があり、狭ピッチ化するQFPパッド間のソルダダムへ適用できない、張合せ時の位置精度に限界があり、位置ずれ裕度を考慮した回路設計が必要であるためFPCを高密度化及び小型化できないという問題があり、後者には、スクリーン印刷のため前者と同様、パターンの微細化に限界があり、また、作業性が悪いという問題がある。
【0003】
これらの問題を解決できる方法として、ポリイミド樹脂前駆体であるポリアミック酸をポリマー成分とし、これに、エチレン性不飽和基含有光架橋モノマー及び光開始剤を配合した感光性樹脂組成物をフレキシブルプリント配線板上に形成し、露光、現像、加熱により微細なレジストパターンを有するカバーレイを形成する方法が特開昭64−2037号公報、特開昭64−484893号公報、特開平5−158237号公報及び特開平6−298935号公報などに開示されているが、光線透過率が低く、カバーレイに必要な厚膜が形成できない、ポリアミック酸を閉環させてポリイミド樹脂に転化するためには、最終的に250℃以上の高温加熱処理が必要であり、銅回路の酸化、接着剤層の劣化、基板の反り等が起こる問題がある。また、熱可塑性ポリイミド樹脂と熱硬化性ポリイミド樹脂を用いて、フレキシブルプリント配線板上に二層構造のカバーレイを熱圧着で形成し、次に、その上にスクリーン印刷でレジストパターンを形成した後、カバーレイをアルカリエッチングする方法が特開平5−183260号公報に、ポリアミック酸と感光性樹脂からなる二層構造を有するフィルムをフレキシブルプリント配線板上にラミネートし、まず、感光性樹脂層を露光、現像でパターニングした後、引き続き、ポリアミック酸層をアルカリエッチングする方法が特開平5−254064号公報に開示されているが、前者は、スクリーン印刷のためパターンの微細化に限界がある、作業性が悪い、二層構造のポリイミド樹脂フィルムのためコストが高いという問題があり、後者には、いわゆるウエットラミネーションが必要である、感光性樹脂層とポリアミック酸層の2回の現像プロセスが必要である等作業性が悪く、さらに、ポリアミック酸を閉環させてポリイミド樹脂に転化するためには、最終的に250℃以上の高温加熱処理が必要であり、銅回路の酸化、接着剤層の劣化、基板の反り等が起こる等の問題がある。
【0004】
一方、従来プリント配線板分野で主流を占めているアクリル樹脂系の感光性フィルムをカバーレイに用いたフレキシブルプリント配線板の製造方法が特開昭56−6498号公報、特開昭59−230014号公報(特公昭61−10484号公報)に提案されている。この方法では、従来のプリント配線板の分野で用いられてきたドライフィルムタイプの永久マスクレジストと同様のプロセスで容易にカバーレイを形成でき、かつ、安価であるが、可とう性と耐熱性、あるいは、可とう性と耐溶剤性の両立が困難である。また、アクリル樹脂と特定のエチレン性不飽和基含有ウレタン系光橋架け剤を組み合わせてなる感光性フィルムをカバーレイフィルムに用いることが特開平6−332171号公報に提案されているが、耐溶剤性、電気的信頼性、難燃性が不十分である。現在、アクリル樹脂系に代わる上記問題点のない樹脂系は見い出されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、フォトリソグラフィーによる微細で高精度なレジストパターンを有し、かつ、耐折性、はんだ耐熱性、難燃性に優れたフレキシブルプリント配線板用カバーレイにおいて、その製造に用いられる感光性樹脂組成物のポリマー成分として好適な低弾性、高伸長性、かつ、耐熱性の良好な酸無水物変性ポリアミド系樹脂の製造法を提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、さらにワニスの保存安定性、フィルム光線透過率の経時安定性に優れた酸無水物変性ポリアミド系樹脂の製造法を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、さらに耐熱性が向上した酸無水物変性ポリアミド系樹脂の製造法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ポリアルキレングリコール変性ジカルボン酸又はポリカーボネートジオール変性ジカルボン酸を必須成分として含んでなる多価カルボン酸成分(a)とジイソシアネート(b)とを当量比((a)のカルボキシル基/(b)のイソシアネート基)が1を超える条件で反応させて得られるカルボン酸含有ポリアミド系樹脂(c)に対して、エポキシ樹脂(d)を当量比((d)のエポキシ基/(c)のカルボキシル基)が1以上の条件で反応させて得られるエポキシ基含有ポリアミド系樹脂(e)及び/又は(e)に対してモノカルボン酸(f)を当量比((f)のカルボキシル基/(e)のエポキシ基)が1以上の条件で反応させて得られるエポキシ基封鎖型ポリアミド系樹脂(g)に対して、環状多価カルボン酸モノ無水物(h)を当量比((h)の酸無水物/(e)及び/又は(g)の水酸基)が0.1〜2の範囲、エチレン性不飽和基含有モノイソシアネート単量体(i)を当量比((i)のイソシアネート基/(e)及び/又は(g)の水酸基)が0〜2の範囲で反応させることを特徴とする酸無水物変性ポリアミド系樹脂の製造法を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明における酸無水物変性ポリアミド系樹脂の製造原料である多価カルボン酸成分(a)は、ポリアルキレングリコール変性ジカルボン酸又はポリカーボネートジオール変性ジカルボン酸を必須成分として含んでなる。
【0010】
多価カルボン酸成分(a)中のポリアルキレングリコール変性ジカルボン酸又はポリカーボネートジオール変性ジカルボン酸の配合量は、合計量で10〜100重量%とすることが好ましく、30〜90重量%とすることがより好ましく、50〜80重量%とすることが特に好ましい。配合量が10重量%未満では、低弾性、高伸長性の酸無水物変性ポリアミド系樹脂が得られなくなる傾向がある。
【0011】
ポリアルキレングリコール変性ジカルボン酸は基板に対する密着性、耐現像液性を向上させるのに優れ、ポリカーボネートジオール変性ジカルボン酸は耐折性、耐熱性、耐湿性を向上させるのに優れる上、他材料との相溶性に優れている。
【0012】
ポリアルキレングリコール変性ジカルボン酸は、ポリアルキレングリコールとジカルボン酸とを当量比(ジカルボン酸のカルボキシル基/ポリアルキレングリコールの水酸基)が1を超える条件で反応(脱水エステル化)させて合成することができる。この当量比(ジカルボン酸のカルボキシル基/ポリアルキレングリコールの水酸基)は、1.1〜3とすることが好ましく、1.3〜2.5とすることがより好ましく、1.5〜2とすることが特に好ましい。
【0013】
この当量比(ジカルボン酸のカルボキシル基/ポリアルキレングリコールの水酸基)が1.1未満では、片末端にしかカルボキシル基をもたないもの(他方の片末端に水酸基を有するもの)や両末端ともカルボキシル基をもたないもの(両末端に水酸基を有するもの)が生成し易く、当量比が3を超えると合成中、一度生成したポリアルキレングリコール変性ジカルボン酸が、未反応物として残存するジカルボン酸により酸加水分解を起こし易くなり、酸無水物変性ポリアミド系樹脂の耐熱性が低下する傾向がある。
【0014】
ポリアルキレングリコール変性ジカルボン酸を合成するためのポリアルキレングリコールとしては、特に制限はなく、例えば次式で表されるものが挙げられる。
【0015】
HO(R1O)n1−OH
(式中、R1は炭素数1〜6の2価アルコール残基を表し、nは1〜500の整数である。)
例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、ポリテトラメチレングリコールなどが挙げられるが、ワニスの保存安定性、フィルム光線透過率の経時安定性に優れた酸無水物変性ポリアミド系樹脂が得られる点で、非晶性が付与された常温で液状のポリアルキレングリコールが好ましい。常温で液状のポリアルキレングリコールとしては、上記の例では、ポリプロピレングリコール(例えば、三洋化成工業(株)製商品名ニューポールPP−シリーズ等)、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物(例えば、三洋化成工業(株)製商品名ニューポールPE−61、ニューポールPE−62、ニューポールPE−71等)が挙げられる。これらのポリアルキレングリコールは、単独で又は2種類以上組み合わせて用いられる。なお、ポリアルキレングリコールの分子量(水酸価からの算出値)は、200〜5000とすることが好ましく、500〜4000とすることがより好ましく、1000〜3000とすることが特に好ましい。分子量が200未満では、低弾性、高伸長性の酸無水物変性ポリアミド系樹脂が得られなくなる傾向があり、分子量が5000を超えると酸無水物変性ポリアミド系樹脂の耐熱性が低下する傾向がある。
【0016】
ポリアルキレングリコール変性ジカルボン酸を合成するためのジカルボン酸としては、特に制限はなく、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、エイコサン二酸等の脂肪族ジカルボン酸、ダイマー酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、4,4−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4−ジフェニルスルホンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。これらのジカルボン酸は、単独で又は2種類以上組み合わせて用いられる。
【0017】
ポリカーボネートジオール変性ジカルボン酸は、ポリカーボネートジオールとジカルボン酸とを当量比(ジカルボン酸のカルボキシル基/ポリカーボネートジオールの水酸基)が1を超える条件で(脱水エステル化)させて合成することができる。この当量比(ジカルボン酸のカルボキシル基/ポリカーボネートジオールの水酸基)は、1.1〜3とすることが好ましく、1.3〜2.5とすることがより好ましく、1.5〜2とすることが特に好ましい。
【0018】
この当量比(ジカルボン酸のカルボキシル基/ポリカーボネートジオールの水酸基)が1.1未満では、片末端にしかカルボキシル基をもたないもの(他方の片末端に水酸基を有するもの)や両末端ともカルボキシル基をもたないもの(両末端に水酸基を有するもの)が生成し易く、当量比が3を超えると合成中、一度生成したポリカーボネートジオール変性ジカルボン酸が、未反応物として残存するジカルボン酸により酸加水分解を起こし易くなり、酸無水物変性ポリアミド系樹脂の耐熱性が低下する傾向がある。
【0019】
ポリカーボネートジオール変性ジカルボン酸を合成するためのポリカーボネートジオールとしては、特に制限はなく、例えば、PLACCEL CDシリーズ、PLACCEL CD−PLシリーズ、PLACCEL CD−HLシリーズ(以上、ダイセル化学工業(株)製商品名)、PNOC−シリーズ((株)クラレ製商品名)などが挙げられるが、ワニスの保存安定性、フィルム光線透過率の経時安定性に優れた酸無水物変性ポリアミド系樹脂が得られる点で、非晶性が付与された常温で液状のポリカーボネートジオール(上記の例では、PLACCEL CD−PLシリーズ、PLACCEL CD−HLシリーズ)が好ましい。
【0020】
ポリカーボネートジオールの化学構造については、例えば次式で表されるものが挙げられる。
【0021】
HO(R2OCOO)n2−OH
(式中、R2は2価アルコール残基を表し、nは1〜10の整数である。)
特に、2価アルコール残基が、炭素数1〜100のもの、例えば、1,5−ペンタンジオール残基、メチルペンタンジオール残基、シクロヘキサノンジメタノール残基、1,6−ヘキサンジオール残基、1,9−ノナンジオール残基、2−メチル−1,8−オクタンジオール残基を有し、常温で液状のものが好適に用いられる。
【0022】
これらのポリカーボネートジオールは、単独で又は2種以上組み合わせて用いられる。なお、ポリカーボネートジオールの分子量(水酸価からの算出値)は、200〜5000とすることが好ましく、500〜4000とすることがより好ましく、1000〜3000とすることが特に好ましい。分子量が200未満では、低弾性、高伸長性の酸無水物変性変性ポリアミド系樹脂が得られなくなる傾向があり、分子量が5000を超えると酸無水物変性変性ポリアミド系樹脂の耐熱性が低下する傾向がある。
【0023】
ポリカーボネートジオール変性ジカルボン酸を合成するためのジカルボン酸としては、ポリアルキレングリコール変性ジカルボン酸の合成に用いられるものと同様のものが用いられる。
【0024】
多価カルボン酸成分(a)において、ポリアルキレングリコール変性ジカルボン酸又はポリカーボネートジオール変性ジカルボン酸と併用できる他の多価カルボン酸としては、特に制限はなく、例えば、上記ポリアルキレングリコール変性ジカルボン酸又はポリカーボネートジオール変性ジカルボン酸を合成するためのジカルボン酸、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、s−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸二無水物、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート等の多価カルボン酸無水物などが挙げられる。これらの他の多価カルボン酸は、単独で又は2種以上組み合わせて用いられる。
【0025】
他の多価カルボン酸としては上記ポリアルキレングリコール変性ジカルボン酸又はポリカーボネート変性ジカルボン酸を合成するために用いられるジカルボン酸から選ばれる複数種のジカルボン酸が好ましく用いられ、酸無水物変性ポリアミド系樹脂の溶解性が向上する。
【0026】
本発明における酸無水物変性ポリアミド系樹脂の製造中間体であるカルボン酸含有ポリアミド系樹脂(c)は、上記多価カルボン酸成分(a)とジイソシアネート(b)とを、当量比((a)のカルボキシル基/(b)のイソシアネート基)が1を超える条件で反応(脱炭酸アミド化)させて得られる。
【0027】
この当量比((a)のカルボキシル基/(b)のイソシアネート基)は、1.03〜3とすることが好ましく、1.05〜1.5とすることがより好ましく、1.1〜1.3とすることが特に好ましい。
【0028】
この当量比((a)のカルボキシル基/(b)のイソシアネート基)が1.03未満ではカルボキシル基をもたないものが生成し易く、また、反応が制御しにくい(反応系がイソシアネート基の副反応によりゲル化し易い)傾向があり、当量比が3を超えると多価カルボン酸が未反応物として残存し易く、酸無水物変性ポリアミド系樹脂の耐熱性が低下する傾向がある。
【0029】
ジイソシアネート(b)としては、特に制限はなく、例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添化4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート)、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、水添化m−キシリレンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート、3,9−ビス(3−イソシアネートプロピル)−2,4,8,10−テトラスピロ[5,5]ウンデカン等の複素環式ジイソシアネートなどが挙げられ、なかでも、酸無水物変性ポリアミド系樹脂の耐熱性向上の点で、芳香族ジイソシアネートが好ましい。これらのジイソシアネート(b)は、単独で使用してもよいが2種以上組み合わせて使用する方が、酸無水物変性ポリアミド系樹脂の溶解性向上等の点で好ましい。
【0030】
多価カルボン酸成分(a)とジイソシアネート(b)とから、カルボン酸含有ポリアミド系樹脂(c)を得る反応(脱炭酸アミド化)は、有機溶媒中で実施される。
【0031】
有機溶媒としては、特に制限はなく、例えば、γ−ブチロラクトン(γ−BL)等のラクトン類、シクロへキサノン等のケトン類、ジグライム、トリグライム、テトラグライム等のグライム類、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等のアミド類、N,N−ジメチルエチレンウレア、N,N−ジメチルプロピレンウレア、テトラメチルウレア等のウレア類、スルホラン等のスルホン類などが挙げられ、なかでも、γ−BLを主成分とするものが、酸無水物変性ポリアミド系樹脂ワニスから加熱処理によってフィルムを作製する際の低温乾燥性に優れる点で好ましい。
【0032】
有機溶媒の使用量は、(a)成分と(b)成分との総量100重量部に対して、40〜2000重量部とすることが好ましく、70〜1000重量部とすることがより好ましく、100〜400重量部とすることが特に好ましい。
【0033】
この有機溶媒の使用量が40重量部未満では溶解性が乏しく、反応系の不均一化や高粘度化を起こしやすい傾向があり、有機溶媒の使用量が2000重量部を超えると反応が進みにくく、反応が完結しない傾向がある。
【0034】
また、(a)成分と(b)成分とから(c)成分を得る反応温度は、100〜300℃とすることが好ましく、150〜250℃とすることがより好ましく、170〜230℃することが特に好ましい。
【0035】
この反応温度が100℃未満では反応が進みにくく、反応が完結しない傾向があり、反応温度が300℃を超えると反応が制御しにくい(反応糸がイソシアネート基の副反応によりゲル化し易い)傾向がある。
【0036】
本発明における酸無水物変性ポリアミド系樹脂の製造中間体であるエポキシ基含有ポリアミド系樹脂(e)は、上記カルボン酸含有ポリアミド系樹脂(c)に対して、エポキシ樹脂(d)を当量比((d)のエポキシ基/(c)のカルボキシル基)が1以上の条件で反応(ヒドロキシエチルエステル化)させて得られる。
【0037】
この当量比((d)のエポキシ基/(c)のカルボキシル基)は、1〜3とすることが好ましく、1.05〜1.5とすることがより好ましく、1.1〜1.3とすることが特に好ましい。
【0038】
この当量比((d)のエポキシ基/(c)のカルボキシル基)が1未満ではエポキシ基をもたないものが生成し易い傾向にあり、当量比が3を超えると反応が制御しにくい(反応系がエポキシ基の3次元化反応によりゲル化し易い)傾向があり、また、橋架け密度が高くなり、低弾性、高伸長性の酸無水物変性ポリアミド系樹脂が得られなくなる傾向がある。なお、エポキシ基含有ポリアミド系樹脂(e)のエポキシ当量は、通常、1000〜40000で、2000〜30000とすることがより好ましく、3000〜20000とすることがより好ましく、5000〜15000とすることが特に好ましい。このエポキシ当量が1000未満では低弾性、高伸長性の酸無水物変性ポリアミド系樹脂が得られなくなる傾向があり、エポキシ当量が40000を超えると酸無水物変性ポリアミド系樹脂の溶解性が低下する傾向にある。
【0039】
ここで用いられるエポキシ樹脂(d)としては、特に制限はなく、例えば、ビスフェノールΑ型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールΑ型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールΑD型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂等の2官能芳香族グリシジルエーテル、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂等の多官能芳香族グリシジルエーテル、ポリエチレングリコール型エポキシ樹脂、ポリプロピレングリコール型エポキシ樹脂、ネオペンチルグリコール型エポキシ樹脂、ジブロモネオペンチルグリコール型エポキシ樹脂、ヘキサンジオール型エポキシ樹脂等の2官能芳香族グリシジルエーテル、水添化ビスフェノールA型エポキシ樹脂等の2官能脂環式グリシジルエーテル、トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂、ソルビトール型エポキシ樹脂、グリセリン型エポキシ樹脂等の多官能脂肪族グリシジルエーテル、フタル酸グリシジルエステル等の2官能芳香族グリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等の2官能脂環式グリシジルエステル、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトリフルオロメチルアニリン等の2官能芳香族グリシジルアミン、N,N,N′,N′−テトラグリシジル−4,4−ジアミノジフェニルメタン、1,3−ビス(N,N−グリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,O−トリグリシジル−p−アミノフェノール等の多官能芳香族グリシジルアミン、アリサイクリックジエポキシアセタール、アリサイクリックジエポキシアジペート、アリサイクリックジエポキシカルボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキシド等の2官能脂環式エポキシ樹脂、ジグリシジルヒダントイン等の2官能複素環式エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート等の多官能複素環式エポキシ樹脂、オルガノポリシロキサン型エポキシ樹脂等の2官能又は多官能ケイ素含有エポキシ樹脂などが挙げられる。これらのうちでは、反応が制御し易い点で、2官能エポキシ樹脂が好ましく、2官能エポキシ樹脂のなかでも、不飽和モノイソシアネート変性ポリアミド系樹脂の耐熱性向上の点で、2官能芳香族グリシジルエーテルがより好ましく、そのなかでも、廉価等の点で、ビスフェノールΑ型エポキシ樹脂が特に好ましく、難燃性向上の点で、テトラブロモビスフェノールΑ型エポキシ樹脂、ジブロモネオペンチルグリコール型エポキシ樹脂が特に好ましい。これらのエポキシ樹脂(d)は、単独で又は2種以上組み合わせて用いられる。
【0040】
カルボン酸含有ポリアミド系樹脂(c)とエポキシ樹脂(d)とから、エポキシ基含有ポリアミド系樹脂(e)を得る反応(ヒドロキシエチルエステル化)温度は、50〜250℃とすることが好ましく、100〜200℃することがより好ましく、120〜180℃とすることが特に好ましい。
【0041】
この反応温度が50℃未満では反応が進みにくく、反応が完結しない傾向があり、反応温度が250℃を超えると反応が制御しにくい(反応系がエポキシ基の3次元化反応によりゲル化し易い)傾向がある。
【0042】
本発明における酸無水物変性ポリアミド系樹脂は、上記エポキシ基含有ポリアミド系樹脂(e)及び/又は(e)に対してモノカルボン酸(f)を当量比((f)のカルボキシル基/(e)のエポキシ基)が1以上の条件で反応させて得られるエポキシ基封鎖型ポリアミド系樹脂(g)に対して、環状多価カルボン酸モノ無水物(h)を当量比((h)の酸無水物基/(e)及び/又は(g)の水酸基)が0.05〜2の範囲で、エチレン性不飽和基含有モノイソシアネート単量体(i)を当量比((i)のイソシアネート基/(e)及び/又は(g)の水酸基)が0〜2の範囲で反応させて製造される。
【0043】
上記エポキシ基封鎖型ポリアミド系樹脂(g)を得るために、エポキシ基含有ポリアミド系樹脂(e)に反応させるモノカルボン酸(f)の当量比((f)のカルボキシル基/(e)のエポキシ基)は、1〜5とすることが好ましく、1.2〜3とすることがより好ましく、1.5〜2.5とすることが特に好ましい。
【0044】
この当量比が1未満では未反応のエポキシ基が残存し、酸無水物変性ポリアミド系樹脂の保存安定性が低下する傾向にあり、当量比が5を超えると未反応のモノカルボン酸(f)が多量に残存し、酸無水物変性ポリアミド系樹脂ワニスの皮膚刺激性が増大する傾向にある。
【0045】
モノカルボン酸(f)としては、特に制限はなく、例えば、メタクリル酸、アクリル酸等のエチレン性不飽和基含有モノカルボン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、へキサン酸等の飽和型脂肪族モノカルボン酸、安息香酸、ジフェニル酢酸等の飽和型芳香族モノカルボン酸などが挙げられる。これらのうちでは、酸無水物変性ポリアミド系樹脂に光硬化性を付与できる等の点で、エチレン性不飽和基含有モノカルボン酸が好ましい。これらのモノカルボン酸(f)は、単独で又は2種類以上組み合わせて用いられる。
【0046】
環状多価カルボン酸モノ無水物(h)とエポキシ基含有ポリアミド系樹脂(e)及び/又はエポキシ基封鎖型ポリアミド系樹脂(g)の当量比((h)の酸無水物基/(e)及び/又は(g)の水酸基)は0.2〜1とすることが好ましく、0.3〜0.9とすることがより好ましく、0.5〜0.8とすることが特に好ましい。
【0047】
この当量比((h)の酸無水物基/(e)及び/又は(g)の水酸基)が1を超えると、環状多価カルボン酸モノ無水物(h)が未反応物として多量に残留し、酸無水物変性ポリアミド系樹脂の保存安定性が低下する傾向にあり、当量比が0.2未満ではアルカリ水溶液に対する溶解性が乏しく、感光性樹脂組成物のポリマー成分として用いたときに、その感光性樹脂組成物のアルカリ水溶液ベースの現像液に対する現像性が低下する傾向にある。本発明の酸無水物変性ポリアミド系樹脂を用いた感光性樹脂組成物はアルカリ水溶液での現像が可能である。
【0048】
環状多価カルボン酸モノ無水物(h)としては、特に制限はなく、例えば、テトラヒドロフタル酸無水物(THPAC)、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、トリアルキルテトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、ナジック酸無水物、メチルナジック酸無水物、メチル2置換ブテニルテトラヒドロフタル酸無水物、イタコン酸無水物、コハク酸無水物、シトラコン酸無水物、アルケニル酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、トリカルバリル酸無水物、マレイン酸無水物、マレイン酸無水物のリノレイン酸付加物、メチルシクロペンタジエンのマレイン酸無水物付加物、アルキル化エンドアルキレンテトラヒドロフタル酸無水物、フタル酸無水物、トリメリット酸無水物、クロレンド酸無水物、テトラクロロフタル酸無水物、テトラブロモフタル酸無水物などが挙げられ、なかでも、反応性、反応収率、廉価等の点で、テトラヒドロフタル酸無水物が好ましい。これらの環状多価カルボン酸モノ無水物(h)は、単独で又は2種以上組み合わせて用いられる。
【0049】
エチレン性不飽和基含有モノイソシアネート単量体(i)とエポキシ基含有ポリアミド系樹脂(e)及び/又はエポキシ基封鎖型ポリアミド系樹脂(g)の当量比((i)のイソシアネート基/(e)及び/又は(g)の水酸基)は0.05〜0.9とすることが好ましく、0.1〜0.6とすることがより好ましく、0.15〜0.35とすることが特に好ましい。
【0050】
この当量比((i)のイソシアネート基/(e)及び/又は(g)の水酸基)が0.9を超えると、エチレン性不飽和基含有モノイソシアネート単量体(i)が、未反応物として多量に残留し、酸無水物変性ポリアミド系樹脂の保存安定性が低下する傾向にあり、当量比が0.05未満では、酸無水物変性ポリアミド系樹脂の光硬化性や感光性樹脂組成物のポリマー成分として用いたときに、その感光性樹脂組成物の感度が低下する傾向にある。
【0051】
エチレン性不飽和基含有モノイソシアネート(i)としては、特に制限はなく、例えば、2−イソシアネートエチルメタクリレート(IEM)、メタクリロイルイソシアネート等が挙げられる。これらのエチレン性不飽和基含有モノイソシアネート(i)は、単独で又は2種類以上組合せて用いられる。不飽和基を導入することにより感度、耐熱性が向上する。
【0052】
エポキシ基含有ポリアミド系樹脂(e)から本発明の酸無水物変性ポリアミド系樹脂を製造するための一連の反応の反応温度は、30〜200℃とすることが好ましく、40〜150℃とすることがより好ましく、50〜120℃することが特に好ましい。
【0053】
この反応温度が30℃未満では反応が進みにくく、反応が完結しない傾向があり、反応温度が200℃を超えると反応が制御しにくい(反応系が副反応によりゲル化し易い)傾向がある。
【0054】
また、エポキシ基含有ポリアミド系樹脂(e)から本発明の酸無水物変性ポリアミド系樹脂を製造するための一連の反応においては、必要に応じ、触媒を使用することができる。
【0055】
触媒としては、特に制約はないが、例えば、3級アミン(トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N−メチルモルフォリン、N−エチルモルフォリン、N,N′−ジメチルピペラジン、ピリジン、ピコリン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7等)、イミダゾール類(2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、1−アジン−2−メチルイミダゾール等)、有機スズ化合物(ジブチルチンジラウレート、1,3−ジアセトキシテトラブチルジスタノキサン等)、4級アンモニウム塩(臭化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム、塩化トリオクチルメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、ヨウ化テトラブチルアンモニウム、ヨウ化ドデシルトリメチルアンモニウム、ベンジルジメチルテトラデシルアンモニウムアセテート等)、4級ホスホニウム塩(塩化テトラフェニルホスホニウム、塩化トリフェニルメチルホスホニウム、臭化テトラメチルホスホニウム等)、有機リン化合物(3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド等)、有機酸アルカリ金属塩(安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム等)、無機塩(塩化亜鉛、塩化鉄、塩化リチウム、臭化リチウム等)、金属カルボニル(オクタカルボニル二コバルト(コバルトカルボニル)等)などが挙げられ、なかでも、3級アミン、イミダゾール類等が好ましい。これらの触媒は、単独で又は2種類以上組み合わせて用いられる。
【0056】
以上に述べた酸無水物変性ポリアミド系樹脂の製造法によって得られた酸無水物変性ポリアミド系樹脂は、低弾性、高伸長性で、かつ、良好な耐熱性を有することから、フォトリソグラフィーによる徴細で高精度なレジストパターンを有し、かつ、耐折性、はんだ耐熱性、難燃性に優れたフレキシブルプリント配線板用カバーレイにおいて、その製造に用いられる感光性樹脂組成物のポリマー成分として好適である。また、フレキシブルプリント配線板の製造におけるポリイミドフィルムと銅箔との接着シート(5〜500μm厚)としても好適である。
【0057】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。.
(ポリアルキレングリコール変性ジカルボン酸の製造例)
撹拌機、温度計、冷却管、留出管及び窒素ガス導入管を装備したフラスコに、ポリアルキレングリコールとして、ポリプロピレングリコール(三洋化成工業(株)製商品名ニューポールPP−1000、分子量1000)を1000重量部(1モル)、セバシン酸を405重量部(2モル)仕込み、窒素ガス通気下、途中、副生してくる縮合水をトルエンで共沸させて留去しながら、1時間かけて200℃に昇温した。同温度で3時間保温して脱水エステル化反応を完結させた後、冷却し、ポリアルキレングリコール変性ジカルボン酸(P−1)を得た。
【0058】
また、ポリアルキレングリコールとして、ポリプロピレングリコールを用い、表1に示す配合で、上記と同様の操作により、ポリアルキレングリコール変性ジカルボン酸(P−2)、(P−3)を得た。得られた(P−1)、(P−2)、(P−3)の性状を併せて表1に示す。
(エポキシ基含有ポリアミド系樹脂の製造例)
撹拌機、温度計、冷却管及び窒素ガス導入管を装備したフラスコに、多価カルボン酸成分(a)として、ポリアルキレングリコール変性ジカルボン酸(P−1)57.7重量部(42.4ミリモル)、アジピン酸4.9重量部(33.6ミリモル)、セバシン酸6.8重量部(33.7ミリモル)、イソフタル酸11.2重量部(67.5ミリモル)の計177.2ミリモル、ジイソシアネート(b)として、MDI22.1重量部(88.4ミリモル)、TDI(2,4−異性体/2,6−異性体=80/20モル%)10.3重量部(59.2ミリモル)の計147.6ミリモル及び反応のための有機溶媒として、γ−BL150重量部を仕込み、窒素ガス通気下、途中、副生してくる炭酸ガスを系外に排気しながら、200℃に昇温した。同温度で3時間保温して脱炭酸アミド化反応を完結させた後、150℃まで冷却し、カルボン酸含有ポリアミド系樹脂(c)である(c−1)100重量部(樹脂分換算、35.8ミリモル)を得た。次いで、150℃で保温状態にある(c−1)に、エポキシ樹脂(d)として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂であるエポミックR140P(三井石油化学工業(株)社製商品名)16.2重量部(43.1ミリモル)及び反応のための有機溶媒として、さらにDMF66.7重量部を添加し、同温度で3時間保温してヒドロキシエチルエステル化反応を完結させた後、冷却し、エポキシ基含有ポリアミド系樹脂(e)である(e−1)を得た。
【0059】
また、表2に示す配合で、上記と同様の操作により、カルボン酸含有ポリアミド系樹脂(c)である(c−2)、(c−3)、(c−4)及び比較用カルボン酸含有ポリアミド系樹脂(c−5)、(c−6)を得た。得られた(c−1)〜(c−6)の性状を併せて表2に示す。次いで、表3に示す配合で、上記と同様の操作により、エポキシ基含有ポリアミド系樹脂(e)である(e−2)、(e−3)、(e−4)及び比較用エポキシ基含有ポリアミド系樹脂(e−5)、(e−6)を得た。得られた(e−1)〜(e−6)の性状を併せて表3に示す。
【0060】
なお、表3中のエピコート1001(油化シェルエポキシ(株)社製商品名)は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポトートYDB400(東都化成(株)社製商品名)は、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂であり、表2、表3中の配合量の単位は重量部である。
(酸無水物変性ポリアミド系樹脂の製造例)
撹拌機、温度計、冷却管及び窒素ガス導入管を装備したフラスコに、エポキシ基含有ポリアミド系樹脂(e)として、(e−1)100重量部(樹脂分換算、6.17ミリモル)、モノカルボン酸(f)として、メタクリル酸2.1重量部(24.4ミリモル)、メトキノン(ラジカル重合禁止剤)0.21重量部((f)の10重量%)N,N−ジメチルベンジルアミン(触媒)2.9重量部((e)の溶液の1重量%)を仕込み、乾燥空気通気下、100℃に昇温した。同温度で6時間保温してエポキシ基封鎖反応を完結させ、エポキシ基封鎖型ポリアミド系樹脂(g)である(g−1)を得た。次いで、100℃で保温状態にある(g−1)に環状多価カルボン酸無水物(h)として、THPAC8.5重量部(55.9ミリモル)を添加し、同温度で2時間保温して反応を完結させた後、60℃まで冷却した。60℃保温下、さらに、エチレン性不飽和基含有モノイソシアネート単量体(i)として、IEM82.9重量部(18.7ミリモル)を添加し、同温度で4時間保温して反応を完結させた後、冷却し、酸無水物変性ポリアミド樹脂である(A−1)を得た。
【0061】
また、表4に示す配合で、上記と同様の操作により、エポキシ基封鎖型ポリアミド系樹脂(g)である(g−2)、(g−3)、(g−4)、エポキシ基含有ポリアミド系樹脂(e−1′)及び比較用エポキシ基封鎖型ポリアミド系樹脂(g−5)、(g−6)を得た。得られた(g−1)〜(g−4)、(e−1′)、(g−5)、(g−6)の性状を併せて表4に示す。次いで、表5に示す配合で、上記と同様の操作により、酸無水物変性ポリアミド系樹脂である(A−2)、(A−3)、(A−4)、(A−5)及び比較用酸無水物変性ポリアミド系樹脂(A−6)、(A−7)を得た。得られた(A−1)〜(A−7)の性状を併せて表5に示す。
【0062】
なお、表4、表5中の配合量の単位は重量部であり、表5中のGPC分子量は、緩衝剤として臭化リチウム一水和物、りん酸をそれぞれ0.03モル/リットル、0.06モル/リットルの濃度となるように調合したDMFとテトラヒドロフラン(THF)の等容積混合溶媒系溶離液を用い、標準物質にポリスチレンを用いて作成した検量線からポリスチレン換算値として算出したものである。
(ポリカーボネートジオール変性ジカルボン酸の製造例)
撹拌機、温度計、冷却管、留出管及び窒素ガス導入管を装備したフラスコに、ポリカーボネートジオール(ダイセル化学工業(株)製商品名PLACCEL CD−210PL、前記の2価アルコール残基が1,6−ヘキサンジオール残基/3−メチルペンタンジオール残基=7/3、分子量が1000の常温で液状のポリカーボネートジオール)を1000重量部(1モル)、セバシン酸を405重量部(2モル)仕込み、窒素ガス通気下、途中、副生してくる縮合水をトルエンで共沸させて留去しながら、1時間かけて200℃に昇温した。同温度で3時間保温して脱水エステル化反応を完結させた後、冷却し、ポリカーボネートジオール変性ジカルボン酸(P−4)を得た。
【0063】
また、表6に示す配合で、上記と同様の操作により、ポリカーボネートジオール変性ジカルボン酸(P−5)、(P−6)を得た。得られた(P−4)、(P−5)、(P−6)の性状を併せて表5に示す。なお、PLACCEL CD−220PLは、前記の2価アルコール残基が1,6−ヘキサンジオール残基/3−メチルペンタンジオール残基=7/3、分子量が2000の常温で液状のポリカーボネートジオールである。
【0064】
(エポキシ基含有ポリアミド系樹脂の製造例)
撹拌機、温度計、冷却管及び窒素ガス導入管を装備したフラスコに、多価カルボン酸成分(a)として、ポリカーボネートジオール変性カルボン酸(P−4)57.7重量部(42.4ミリモル)、アジピン酸4.9重量部(33.6ミリモル)、セバシン酸6.8重量部(33.7ミリモル)、イソフタル酸11.2重量部(67.5ミリモル)の計177.2ミリモル、ジイソシアネート(b)として、MDI22.1重量部(88.4ミリモル)、TDI(2,4−異性体/2,6−異性体=80/20モル%)10.3重量部(59.2ミリモル)の計147.6ミリモル及び反応のための有機溶媒として、γ−BL150重量部を仕込み、窒素ガス通気下、途中、副生してくる炭酸ガスを系外に排気しながら、200℃に昇温した。同温度で3時間保温して脱炭酸アミド化反応を完結させた後、150℃まで冷却し、カルボン酸含有ポリアミド系樹脂(c)である(c−7)100重量部(樹脂分換算、35.8ミリモル)を得た。次いで、150℃で保温状態にある(c−7)に、エポキシ樹脂(d)として、ビスフェノールΑ型エポキシ樹脂であるエポミックR140P(三井石油化学工業(株)社製商品名)16.2重量部(43.1ミリモル)及び反応のための有機溶媒として、さらにDMF66.7重量部を添加し、同温度で3時間保温してヒドロキシエチルエステル化反応を完結させた後、冷却し、エポキシ基含有ポリアミド系樹脂(e)である(e−7)を得た。
【0065】
また、表7に示す配合で、上記と同様の操作により、カルボン酸含有ポリアミド系樹脂(c)である(c−8)、(c−9)、(c−10)を得た。得られた(c−7)〜(c−10)の性状を併せて表7に示す。次いで、表8に示す配合で、上記と同様の操作により、エポキシ基含有ポリアミド系樹脂(e)である(e−8)、(e−9)、(e−10)を得た。得られた(e−7)〜(e−10)の性状を併せて表8に示す。
【0066】
(酸無水物変性ポリアミド系樹脂の製造例)
撹拌機、温度計、冷却管及び乾燥空気導入管を装備したフラスコに、エポキシ基含有ポリアミド系樹脂(e)として、(e−7)100重量部(樹脂分換算、6.17ミリモル)、モノカルボン酸(f)として、メタクリル酸2.1重量部(24.4ミリモル)、メトキノン(ラジカル重合禁止剤)0.21重量部((f)の10重量%)、N,N−ジメチルベンジルアミン(触媒)2.9重量部((e)の溶液の1重量%)を仕込み、乾燥空気通気下、100℃に昇温した。同温度で6時間保温してエポキシ基封鎖反応を完結させ、エポキシ基封鎖型ポリアミド系樹脂(g)である(g−7)を得た。次いで、100℃で保温状態にある(g−7)に環状多価カルボン酸モノ無水物(h)として、THPAC8.5重量部(55.9ミリモル)を添加し、同温度で2時間保温して反応を完結させた後、60℃まで冷却した。60℃保温下、さらに、エチレン性不飽和基含有モノイソシアネート単量体(i)として、IEM82.9重量部(18.7ミリモル)を添加し、同温度で4時間保温して反応を完結させた後、冷却し、酸無水物変性ポリアミド樹脂である(A−8)を得た。
【0067】
また、表9に示す配合で、上記と同様の操作により、エポキシ基封鎖型ポリアミド系樹脂である(g−8)、(g−9)、(g−10)、エポキシ基含有ポリアミド系樹脂である(e−7′)を得た。得られた(g−8)〜(g−10)、(e−7′)の性状を併せて表9に示す。次いで表10に示す配合で、上記と同様の操作により、酸無水物変性ポリアミド系樹脂である(A−9)、(A−10)、(A−11)、(A−12)を得た。得られた(A−8)〜(A−12)の性状を併せて表10に示す。
【0068】
なお、表中の配合量の単位は重量部であり、表10中のGPC分子量は、表5と同様に測定した。
【0069】
実施例1
酸無水物変性ポリアミド系樹脂(A−1)ワニスを、乾燥膜厚約50μmとなるようにポリエチレンテレフタレートフィルム上に、アプリケーター法によって流延した後、100℃で10分間、次いで、150℃で40分間乾燥させて塗膜を作製した。この塗膜をポリエチレンテレフタレートフィルムから剥離して得られたフィルムの特性を表11に示す。
【0070】
実施例2〜10、比較例1、2
酸無水物変性ポリアミド系樹脂(A−2)〜(A−5)、(A−8)〜(A−12)、比較用酸無水物変性ポリアミド系樹脂(A−6)、(A−7)を、実施例1と同様の操作により、フィルム化した。得られた各フィルムの特性を併せて表11及び表12に示す。
【0071】
なお、表11及び表12中の各特性値は、以下の方法によって求めたものである。
【0072】
(1)引張特性
長さ40mm×幅10mmの短冊状に切り出したフィルムについて、チャック間距離20mm、引張り速度20mm/minで、常温下、引張り試験を行い、測定した。
【0073】
(2)耐熱性
熱分解温度(Td)は、TGA法により、昇温速度10℃/minで、空気中、10%重量が減少したところの温度として求めた。また、ガラス転移温度(Tg)は、長さ20mm×幅3mmの短冊状に切り出したフィルムについて、TMA Extension法により、チャック間距離10mm、荷重8g、昇温速度5℃/minで、空気中、試験片が急激に伸びはじめる変曲点の温度として求めた。
【0074】
実施例11
表13に示す材料を配合した感光性樹脂組成物の溶液6を図1に示す装置を用いて20μmの厚さのポリエチレンテレフタレートフィルム12上に均一に塗布し、80〜110℃の熱風対流式乾燥機7で約10分間乾燥して溶剤を除去した。感光性樹脂組成物層の乾燥後の厚さは、約50μmであった。感光性樹脂組成物層の上に、さらに図1に示すような厚さ25μmのポリエチレンフィルム13をカバーフィルムとして張り合わせ、感光性エレメントを得た。図1において、1はポリエチレンテレフタレートフィルムの繰り出しロール、2、3、4、9、10はロール、5はナイフ、8はポリエチレンフィルム13の繰り出しロール、11は感光性エレメントの巻き取りロールである。
【0075】
得られた感光性エレメントの保存安定性、回路埋め込み性及び感光特性、レジスト形成後のはんだ耐熱性、耐折性及び難燃性について以下の方法で評価した。その結果を表14に示す。なお、表13、表14、表15中の配合量の単位は重量部である。
【0076】
(1)回路埋め込み性
35μm厚銅箔をポリイミド基材に積層したフレキシブルプリント配線板用基板(ニッカン工業(株)製、商品名F30VC125RC11)の銅箔を常法に従ってエッチングし、ライン/スペース(μm)=165/165、318/318、636/636の3つのテストパターン銅回路を形成したフレキシブルプリント配線板上に連続式真空ラミネータ(日立化成工業(株)製、商品名VLM−1型)を用いて、ヒートシュー温度120℃、ラミネート速度0.5m/s、気圧4000Pa以下、圧着圧力3.0×105Paで前記感光性エレメントをポリエチレンフィルムを剥がしながら積層した。
【0077】
続いて、3つのテストパターン部分を実体顕微鏡で外観観察し、銅回路周囲に気泡等の残留の有無を調べるとともに、3つのテストパターン部分を切り出し、エポキシ注型法で銅回路断面観察用のサンプルを作成し、電子顕微鏡で銅回路周囲のカバーレイの追従状況を調べて、回路埋め込み性の判定を行った。評価基準は次のとおりである。
【0078】
良好:気泡の残留がなく、銅回路周囲での間隙がないもの
不良:気泡の残量があるもの、または銅回路周囲での間隙があるもの
(2)感光特性
35μm厚銅箔をポリイミド基材に積層したフレキシブルプリント配線板用基板(ニッカン工業(株)製、商品名F30VC125RC11)の銅表面を砥粒ブラシで研磨し、水洗して乾燥した。このフレキシブルプリント配線板用基板上に連続式真空ラミネータ(日立化成工業(株)製、商品名VLM−1型)を用いて、ヒートシュー温度120℃、ラミネート速度0.5m/s、気圧4000Pa以下、圧着圧力3.0×105Paで前記感光性エレメントをポリエチレンフィルムを剥がしながら積層した。
【0079】
次に、得られた試料のポリエチレンテレフタレートフィルムの上から、コダックステップタブレットNo.2(イーストマンコダック(株)製、21段ステップタブレット)を密着させ、(株)オーク製作所製HMW−201GX型露光機を使用し、所定量露光した。常温で1時間放置した後、N−メチル−2−ピロリドン/水=80/20(容積比)からなる現像液を用いて、40℃で70秒間スプレー現像し、ステップタブレット段数8段を得るために必要な露光量を感度とした。また解像度はフォトツール(コダックステップタブレットNo.2とライン/スペース(μm)=30/30〜250/250(解像度)、及びライン/スペース(μm)=30/400〜250/400(密着性)のネガパターンを有するフォトツール)を得られた試料のポリエチレンテレフタレートフィルムの上から密着させ、ステップタブレット段数8段が得られる露光量で露光・現像したときに、矩形のレジスト形状が得られる最も小さい解像度パターンのライン/スペースの値とした。
【0080】
(3)はんだ耐熱性
(2)と同様に、フレキシブルプリント配線板用基板に感光性エレメントを積層した試料のポリエチレンテレフタレートフィルムの上から試験用ネガマスクを密着させ、ステップタブレット段数8段が得られるように露光した。常温で1時間放置した後、試料のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし、水系現像液(ホウ砂(08重量%)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(20容量%)の水溶液)を用いて、40℃で70秒間スプレー現像し、80℃で10分間乾燥した。次いで、東芝電材(株)製東芝紫外線照射装置を使用して、3J/cm2の紫外線照射を行い、さらに、150℃で40分間加熱処理を行い、カバーレイを形成したフレキシブルプリント配線板を得た。
【0081】
次いで、ロジン系フラックスMH−820V(タムラ化研(株)製)を塗布したのち、260℃のはんだ浴中に30秒間浸漬してはんだ付け処理を行った。このような操作後、カバーレイのクラック発生状況、基板からのカバーレイの浮きや剥がれの状況を目視で評価した。評価の基準は次のとおりである。
【0082】
良好:クラック、浮き及び剥がれがないもの
不良:クラック、浮き及び剥がれが発生したもの
(4)耐溶剤性
(3)と同様の操作によって得られるカバーレイを形成したフレキシブルプリント配線板を室温でメチルエチルケトン及びイソプロピルアルコール中に10分間浸漬した後、基板からのカバーレイの浮きや剥がれの状況を目視で評価した。評価基準は次のとおりである。
【0083】
良好:浮き、及び剥がれのないもの
不良:浮き、剥れのあるもの
(5)耐折性
(3)と同様の操作により、フレキシブルプリント配線板用基板上にカバーレイを作製し、はんだ付け処理を行った試料をはぜ折りで180°折り曲げた。180℃折り曲げた際のカバーレイのクラックの発生状況を目視で評価した。評価の基準は次のとおりである。
【0084】
良好:クラックの発生がないもの
不良:クラックが発生したもの
(6)難燃性
(3)と同様の操作によって得られるカバーレイを形成したフレキシブルプリント配線板についてUL94規格(VTM法)に従って難燃性を評価した。
【0085】
(7)保存安定性
ロール状に巻き取られた長さ90mの感光性エレメントを温度23℃、湿度60%で保管し、ロール側面からの感光層のしみだしの様子を6ケ月間にわたって目視観察した。評価の基準は次のとおりである。
【0086】
良好:6か月後でも感光層のしみ出しがないもの
不良:6カ月間の間で感光層のしみ出しが発生したもの
実施例12〜26及び比較例3、4
表14、表15に示す材料を配合した感光性樹脂組成物から、実施例11と同様に操作して感光性エレメントを得て、実施例11と同様にカバーレイとして加工し、評価した。結果を併せて表14、表15に示す。
【0087】
表14、表15から明らかなように、本発明の酸無水物変性ポリアミド系樹脂樹の製造法によって得られる酸無水物変性ポリアミド系樹脂は、低弾性、高伸長性に富み、かつ、良好な耐熱性を有しており、これをポリマー成分とする感光性樹脂組成物を用いることにより、はんだ耐熱性及び耐折性がともに良好で、かつ、難燃性が94V−1(UL規格)又は94V−0(UL規格)であるフレキシブルプリント配線板用カバーレイが得られることが分る。
【0088】
【表1】
Figure 0003635804
【0089】
【表2】
Figure 0003635804
【0090】
【表3】
Figure 0003635804
【0091】
【表4】
Figure 0003635804
【0092】
【表5】
Figure 0003635804
【0093】
【表6】
Figure 0003635804
【0094】
【表7】
Figure 0003635804
【0095】
【表8】
Figure 0003635804
【0096】
【表9】
Figure 0003635804
【0097】
【表10】
Figure 0003635804
【0098】
【表11】
Figure 0003635804
【0099】
【表12】
Figure 0003635804
【0100】
【表13】
Figure 0003635804
【0101】
【表14】
Figure 0003635804
【0102】
【表15】
Figure 0003635804
【0103】
【発明の効果】
本発明の酸無水物変性ポリアミド系樹脂の製造法によって得られる酸無水物変性ポリアミド系樹脂は、低弾性、高伸長性で、かつ、良好な耐熱性を有しており、フォトリソグラフィーによる微細で高精度なレジストパターンを有し、かつ、耐折性、はんだ耐熱性、難燃性に優れたフレキシブルプリント配線板用カバーレイにおいて、その製造に用いられる感光性樹脂組成物のポリマー成分として好適である。
【0104】
本発明の酸無水物変性ポリアミド系樹脂の製造法の好ましい態様の製造方法に酸ムよって得られる酸無水物変性ポリアミド系樹脂は、さらに、ワニスの保存安定性、フィルム光線透過率の経時安定性に優れる。
【0105】
本発明の好ましい酸無水物変性ポリアミド系樹脂の製造法の他の好ましい態様の製造方法よって得られる酸無水物変性ポリアミド系樹脂は、さらに、耐熱性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例及び比較例で用いた感光性エレメントの製造装置の略図。
【符号の説明】
1 ポリエチレンテレフタレートフィルムの繰り出しロール
2、3、4 ロール
5 ナイフ
6 感光性樹脂組成物の溶液
7 乾燥機
8 ポリエチレンフィルムの繰り出しロール
9、10 ロール
11 感光性エレメントの巻き取りロール
12 ポリエチレンテレフタレートフィルム
13 ポリエチレンフィルム

Claims (4)

  1. ポリアルキレングリコール変性ジカルボン酸又はポリカーボネートジオール変性ジカルボン酸を必須成分として含んでなる多価カルボン酸成分(a)とジイソシアネート(b)とを当量比((a)のカルボキシル基/(b)のイソシアネート基)が1を超える条件で反応させて得られるカルボン酸含有ポリアミド系樹脂(c)に対して、エポキシ樹脂(d)を当量比((d)のエポキシ基/(c)のカルボキシル基)が1以上の条件で反応させて得られるエポキシ基含有ポリアミド系樹脂(e)及び/又は(e)に対してモノカルボン酸(f)を当量比((f)のカルボキシル基/(e)のエポキシ基)が1以上の条件で反応させて得られるエポキシ基封鎖型ポリアミド系樹脂(g)に対して、環状多価カルボン酸モノ無水物(h)を当量比((h)の酸無水物/(e)及び/又は(g)の水酸基)が0.1〜2の範囲、エチレン性不飽和基含有モノイソシアネート単量体(i)を当量比((i)のイソシアネート基/(e)及び/又は(g)の水酸基)が0〜2の範囲で反応させることを特徴とする酸無水物変性ポリアミド系樹脂の製造法。
  2. ポリアルキレングリコール変性ジカルボン酸が常温で液状であるポリアルキレングリコールで変性されたものである請求項1記載の酸無水物変性ポリアミド系樹脂の製造法。
  3. ポリカーボネートジオール変性ジカルボン酸が常温で液状であるポリカーボネートジオールで変性されたものである請求項1記載の酸無水物変性ポリアミド系樹脂の製造法。
  4. ジイソシアネート(b)が芳香族ジイソシアネートである請求項1、2又は3記載の酸無水物変性ポリアミド系樹脂の製造法。
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