JP2009029933A - エステル型エポキシ樹脂及びそれを含む樹脂組成物及び接着剤組成物 - Google Patents

エステル型エポキシ樹脂及びそれを含む樹脂組成物及び接着剤組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、接着性、柔軟性(可撓性)、半田耐熱性、耐イオンマイグレーション性に優れたエステル型エポキシ樹脂及びそれを含む樹脂組成物、更にこれを用いたフレキシブルプリント配線板に対する接着性に優れる接着剤組成物の提供を目的とする。又、本発明は、前記接着剤組成物を用いたフレキシブルプリント配線板の被覆方法を提供することを目的とする。
【解決手段】ジエポキシ化合物(A)とジカルボン酸化合物(B)とを重付加反応させてなるエステル型エポキシ樹脂であって、
数平均分子量が3500〜30000、エポキシ当量が1000〜15000g/eqであり、末端にエポキシ基を有するエステル型エポキシ樹脂。
【選択図】なし

Description

本発明は、エステル型エポキシ樹脂及びそれを含む樹脂組成物に関し、更に、接着性、柔軟性(可撓性)、半田耐熱性、耐イオンマイグレーション性に優れたフレキシブルプリント配線板を得ることができる前記樹脂組成物を用いた接着剤組成物に関する。
近年、電子機器の小型化に伴い、従来使用されてきたリジッドプリント配線板に代わって、より薄型で柔軟性を必要とする実装が可能なフレキシブルプリント配線板(以下FPCと称す)が広く使用されるようになってきた。又、電子回路の高密度化に伴い、多層基板と言われる三次元的な実装も用いられるようになってきた。
FPCは、フレキシブル銅張積層板の銅箔をエッチング加工して配線パターンを形成した後、その配線パターン形成面を被覆して保護するために、絶縁性の接着剤層が積層されたポリイミドフィルム等の電気絶縁性フィルム(カバーレイフィルム)が使用される。又、配線パターンを形成したプリント配線板を何層か積層した多層基板は、各積層板の回路面の保護と絶縁性を目的として接着剤が用いられる。
これらのカバーレイフィルムや多層基板に用いられる接着剤は、例えばポリイミドフィルムや銅箔との間の接着性、絶縁性、半田耐熱性、耐イオンマイグレーション性、寸法安定性、保存安定性、難燃性等の特性が求められる。
フレキシブルプリント配線板のカバーレイ用接着剤としては、エポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤、カルボン酸で変性された架橋アクリロニトリル−ブタジエンゴムを用いた接着剤(特許文献1、特許文献2)や、エポキシ系樹脂とジカルボン酸を含有する接着剤(特許文献3)等が開示されている。
又、カバーレイ用接着剤としては、上記特許文献以外にも、従来、種々のものが提案されており、例えば、エポキシ系樹脂にアクリロニトリル−ブタジエンゴムを添加してなるエポキシ系樹脂/NBR接着剤組成物、エポキシ系樹脂にアクリル系エラストマーを添加してなるエポキシ系樹脂/アクリル系エラストマー接着剤組成物等のエポキシ系接着剤等が使用されている。
従来技術に用いられているNBRや、アクリルエラストマー、架橋NBR等は、接着剤層に接着性や柔軟性(可撓性)、半田耐熱性を付与することを目的として用いられている。これらNBRや、アクリルエラストマー、架橋NBR等は、添加量を多くすると接着剤層の電気抵抗性が低下して絶縁性を不良にしたり、イオン性不純物を含んでいるため、耐イオンマイグレーション性を低下させたりする。
これら、絶縁性や耐イオンマイグレーション性を低下させる傾向のある物質を敢えて添加する理由は、従来技術に用いられるエポキシ系樹脂が柔軟性(可撓性)に乏しいことが最大の理由である。一般にFPC用接着剤として用いられるエポキシ樹脂は、エピクロルヒドリンとビスフェノールAを縮合したビスフェノールA型エポキシ樹脂、エピクロルヒドリンとビスフェノールFを縮合したビスフェノールF型エポキシ樹脂が主に用いられる。最近では、高耐熱性付与を目的とした、スルフィド骨格を有するものや、ナフタレン骨格を有するもの等も用いられている。これらはいずれも芳香環を有しており、これらを用いた接着剤は硬くて柔軟性に乏しく、接着性や半田耐熱性に劣る傾向にある。
かかるエポキシ樹脂をFPC用接着剤に用いる場合には、柔軟性などを付与するために、前記NBRや、アクリルエラストマー、架橋NBR等を添加することが必要とされていた。しかしながら、特許文献1や特許文献2のように、かかるNBRや、アクリルエラストマー、架橋NBR等を添加すると、電気特性が低下するという難点を有していた。又、特許文献3では、エポキシ系樹脂とジカルボン酸を含有する接着剤を開示しているが、ジカルボン酸を樹脂化することなく、そのまま添加した場合、ジカルボン酸が水分を吸収して接着剤層を酸性にし、回路の金属(銅や銀、ニッケル等)を腐食させるという欠点を有している。
特開2006−169446号公報 特開2006−160994号公報 特開2006−137838号公報
本発明は、接着性、柔軟性(可撓性)、半田耐熱性、耐イオンマイグレーション性に優れたエステル型エポキシ樹脂及びそれを含む樹脂組成物、更にこれを用いたフレキシブルプリント配線板に対する接着性に優れる接着剤組成物の提供を目的とする。又、本発明は、前記接着剤組成物を用いたフレキシブルプリント配線板の被覆方法を提供することを目的とする。
本発明は、ジエポキシ化合物(A)とジカルボン酸化合物(B)とを重付加反応させてなるエステル型エポキシ樹脂であって、
数平均分子量が3500〜30000、エポキシ当量が1000〜15000g/eqであり、末端にエポキシ基を有するエステル型エポキシ樹脂に関する。
更に本発明は、上記エステル型エポキシ樹脂と、エポキシ化合物(C)とを含んでなる樹脂組成物に関する。
更に本発明は、硬化剤(D)を含んでなる上記樹脂組成物に関する。
更に本発明は、上記樹脂組成物からなる接着剤組成物に関する。
更に本発明は、プラスチックフィルム(1)、上記接着剤組成物から形成される硬化性接着剤層(I)、及びプラスチックフィルム(2)が積層されてなる接着シートに関する。
更に本発明は、上記接着剤組成物から形成される硬化接着剤層(II)を介して、プラスチックフィルム(3)と銅箔とを貼り合わせてなるフレキシブル銅張板に関する。
更に本発明は、フレキシブルプリント配線板の導電性回路面に、上記接着剤組成物から形成される硬化接着剤層(II)及びプラスチックフィルム(1)が積層されてなる、被覆されたフレキシブルプリント配線板に関する。
更に本発明は、上記接着シートからプラスチックフィルム(2)を剥がし、露出した硬化性接着剤層(I)を、フレキシブルプリント配線板の導電性回路面に貼り合わせ、加熱して、前記硬化性接着剤層(I)を硬化することを特徴とする、フレキシブルプリント配線板の被覆方法に関する。
更に本発明は、ジエポキシ化合物(A)とジカルボン酸化合物(B)とを、4級アンモニウム塩の存在下、有機溶媒中で重付加反応させることを特徴とする、数平均分子量が3500〜30000、エポキシ当量が1000〜15000g/eqであり、末端にエポキシ基を有するエステル型エポキシ樹脂の製造方法に関する。
更に本発明は、有機溶媒の沸点が70〜160℃であることを特徴とする、上記エステル型エポキシ樹脂の製造方法に関する。
本発明により、接着性、柔軟性(可撓性)、半田耐熱性、耐イオンマイグレーション性に優れたエステル型エポキシ樹脂及びそれを含む樹脂組成物、更にこれを用いたフレキシブルプリント配線板に対する接着性に優れる接着剤組成物を提供することができた。又、本発明により、前記接着剤組成物を用いたフレキシブルプリント配線板の被覆方法を提供することができた。
まず、本発明のエステル型エポキシ樹脂について説明する。電子機器等の基板に用いられる、リジッドプリント配線板やフレキシブルプリント配線板の接着剤に用いられるエポキシ樹脂は、その殆どがビスフェノールAもしくはビスフェノールFとエピクロルヒドリンとを、エーテル結合で高分子量化したものである。その製造方法は、ビスフェノールA(F)とエピクロルヒドリンとを、苛性ソーダ等の強アルカリの存在下に直接反応させて、一段で所望の分子量を有する樹脂を得る方法(一段法)や、1モルのビスフェノールAと2モルのエピクロルヒドリンとを反応させて得られた、ビスフェノールAジグリシジルエーテルを出発原料として、更にビスフェノールAを少量の付加触媒の存在下に重合させて、所望の分子量を有する樹脂を得る方法(二段法)、の二法が一般的に工業的規模で用いられている。
これらのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂は、数平均分子量が約340、エポキシ当量が約180g/eqのものから、数平均分子量が約5500、エポキシ当量が約3000〜5000g/eqの樹脂や、数平均分子量が約8000〜10000、エポキシ当量が約7000〜9000g/eqのフェノキシ樹脂等が用いられる。
上記グリシジルエーテル型エポキシ樹脂の原料として、ビスフェノールAの代わりにテトラブロムビスフェノールAを用いた臭素化エポキシ樹脂や、フェノール性水酸基を有するリン化合物を用いたリン含有エポキシ樹脂等も用いられる。
これらは何れも芳香環を有するエポキシ樹脂であり、非常に剛直な性質を有している。
一方、グリシジルエステル型エポキシ樹脂としては、アルカリ触媒の存在下で大過剰のエピクロルヒドリンをカルボン酸と反応させることにより得られることが知られている。現在工業的に生産されているグリシジルエステル型エポキシ樹脂としては、昭和電工製ショーダイン508(ジグリシジルフタレート)、チバガイギー製アラルダイトCY−182、CY−192(ジグリシジルテトラヒドロフタレート)、CY−184(ジグリシジルヘキサヒドロフタレート)、大日本インキ製エピクロン200(ジメチルグリシジルフタレート)等が挙げられる。しかしながら、これらのエステル型エポキシ樹脂は、いずれも数平均分子量は1000以下、エポキシ当量は200g/eq以下であり、本発明のフレキシブルプリント配線板用接着剤としては柔軟性に欠けて不適当である。又、これらエステル型エポキシ樹脂は、前述の如く、大過剰のエピクロルヒドリンを原料として用いるため、塩素含有量が非常に多く、耐イオンマイグレーション性が劣るという欠点を有していた。
本発明のエステル型エポキシ樹脂は、ジエポキシ化合物(A)とジカルボン酸化合物(B)とを重付加反応させて得ることができる。本発明のエステル型エポキシ樹脂は、例えば、1モルのビスフェノールA(F)と2モルのエピクロルヒドリンとを反応させて得られる、ビスフェノールA(F)ジグリシジルエーテル(n=0エポキシ樹脂と称す)をジエポキシ化合物(A)として使用し、ジカルボン酸化合物(B)とのエステル反応により高分子量化するところに特徴がある。芳香環を有するビスフェノールA(F)ジグリシジルエーテルと反応させるジカルボン酸化合物(B)には、芳香族、脂環族、脂肪族それぞれ多種類有る。比較的塩素含有量の少ないn=0エポキシ樹脂を出発原料として、ジカルボン酸化合物(B)を適宜選択することにより、低塩素含有量で、かつ高分子量のエステル型エポキシ樹脂を、剛直なものから柔軟なものまで幅広く合成することができる。
かかる方法で合成したエステル型エポキシ樹脂と、エポキシ化合物(C)、更には硬化剤(D)を含む接着剤組成物を用いることにより、前記、接着性、柔軟性(可撓性)、半田耐熱性、耐イオンマイグレーション性に優れたフレキシブルプリント配線板を得ることができる。
ジエポキシ化合物(A)としては、前記グリシジルエーテル型エポキシ樹脂やグリシジルエステル型エポキシ樹脂を用いることができる。いわゆるn=0と称される数平均分子量が約340、エポキシ当量が約180g/eqのものを用いることが好ましいが、数平均分子量が約1400、エポキシ当量が約1000g/eqまでのものを用いることもできる。ジエポキシ化合物(A)の数平均分子量が大きくなると、本発明のエステル型エポキシ樹脂中に占めるジカルボン酸の量が相対的に減少し、剛直/柔軟のバランスが取りにくくなる。
ジエポキシ化合物(A)の具体例としては、東都化成社製エポトートYD−127、YD−128、YDF−170、YD−8125、YDF−8170C、YD−825GS、YDF−870GS等が挙げられ、特に塩素含有量の少ないYD−8125、YDF−8170C、YD−825GS、YDF−870GSが好適である。ジャパンエポキシレジン社製としては、エピコート828、エピコート1001、エピコート1002、エピコート1004等が挙げられる。
ジカルボン酸化合物(B)の例としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、5−スルホイソフタル酸ナトリウム等の芳香族ジカルボン酸や、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキシルジアシッド、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸等の脂環族ジカルボン酸など、剛直なものから柔軟なものまで幅広く用いることができる。
ジエポキシ化合物(A)とジカルボン酸化合物(B)とのエステル反応は、重付加反応により行う。水やアルコール等の低分子量物を放出する重縮合反応とは異なり、反応の過程で何ら低分子量物の放出が無く、反応系中に夾雑物を残さないために、フレキシブルプリント配線板等に用いた場合に、耐イオンマイグレーション性に優れる。重付加反応は、無溶剤下で行っても良いが、高分子量にした場合、ゲル化させないためには溶液中で行うことが好ましい。溶媒としては、後に述べる接着シートを得るために、比較的低沸点の溶媒を用いることが好ましい。
エステル化反応の方法としては、通常の溶液反応を用いる。フラスコに溶媒、ジエポキシ化合物(A)、ジカルボン酸化合物(B)、及び必要に応じて触媒を仕込み、窒素ガス気流・撹拌下、溶媒の沸点に応じて反応温度を設定する。ジエポキシ化合物(A)とジカルボン酸化合物(B)との仕込みモル比は、目的とする分子量・エポキシ当量に応じて決める。本発明のエステル型エポキシ樹脂は末端にエポキシ基を残すために、ジエポキシ化合物(A)を過剰に仕込む必要がある。ジエポキシ化合物(A)/ジカルボン酸化合物(B)=1/1(モル比)の場合に分子量が最大となるが、両末端にエポキシ基を残すためには、ジエポキシ化合物(A)/ジカルボン酸化合物(B)=1.01/1〜1.20/1が好ましく、1.02/1〜1.10/1がより好ましい。反応の終点は、酸価とエポキシ当量により決める。酸価は低い方が高分子量となり、1〜15mgKOH/gが好ましく、2〜10mgKOH/gがより好ましい。
溶媒と、ジエポキシ化合物(A)及びジカルボン酸化合物(B)との仕込み比(重量比)は任意で良いが、高濃度の方が反応時間は短いがゲル化しやすい。ジエポキシ化合物(A)及びジカルボン酸化合物(B)は、30重量%〜80重量%の濃度で反応させるのが好ましく、40〜70重量%の濃度で反応することがより好ましい。反応初期は高濃度で反応し、粘度に応じて濃度を下げて行く方法は、比較的短時間でゲル化することなく合成できる。
溶媒としては、ケトン系では、シクロヘキサノン(沸点:155.7℃)、ジ−n−プロピルケトン(沸点:143.7℃)、シクロペンタノン(沸点:130.6℃)、メチル−n−ブチルケトン(沸点:127℃)、ジイソプロピルケトン(沸点:124.4℃)、メチルイソブチルケトン(沸点:116.2℃)、メチル−n−プロピルケトン(沸点:103.3℃)、ジエチルケトン(沸点:102.2℃)、メチルエチルケトン(沸点:79.6℃)等が挙げられる。
芳香族系ではトルエン(沸点:110.6℃)、オルソキシレン(沸点:144.4℃)、メタキシレン(沸点:139.1℃)、パラキシレン(沸点:138.3℃)等が好適に用いられる。
アルコール系としては、イソプロピルアルコール(沸点:82.3℃)、n−ブタノール(沸点:117.7℃)、イソブチルアルコール(沸点:107.9℃)、2−エチルブタノール(沸点:147℃)、エタノール(沸点:78.3℃)等が挙げられる。
エステル系としては、酢酸イソブチル(沸点:116.6℃)、酢酸n−ブチル(沸点:126.1℃)、酢酸プロピル(沸点:101.6℃)、酢酸イソプロピル(沸点:88.6℃)、酢酸エチル(沸点:77.1℃)、炭酸ジエチル(沸点:125.8℃)、炭酸ジメチル(沸点:90.2℃)等が挙げられる。
エーテル系としては、エチレングリコールジエチルエーテル(沸点:121℃)、エチレングリコールジメチルエーテル(沸点:82〜83℃)、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル(沸点:144℃)、エチレングリコールモノエチルエーテル(沸点:135.6℃)、エチレングリコールモノメチルエーテル(沸点:124.4℃)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(沸点:162℃)、プロピレングリコールモノエチルエーテル(沸点:132.8℃)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点:121℃)、等が挙げられる。
これら溶媒は、沸点が70〜160℃であるのが好ましい。沸点が160℃より高いと、シート状の接着剤を作製する際に溶媒の揮発が遅くなり、一方、沸点が70℃未満になると、重付加反応の温度が低くなり、反応に時間が掛かる。又、これら溶媒は重付加反応により生成したエステル型エポキシ樹脂を溶解するものを適宜選択し、単独で溶解しない場合には適宜混合して用いる。
本発明のエステル型エポキシ樹脂を合成する際、無触媒で反応しても良いが、低沸点溶媒中、低温で反応する時には、触媒を用いた方が短時間で反応が終了する。触媒としては、アミン系や四級アンモニウム塩が好ましく用いられる。アミン系としては、ジエチレントリアミン、トリエチルアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチルアミノプロピルアミン、N,N’−ジメチルベンジルアミン、N−アミノエチルピペラジン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン等が挙げられる。
四級アンモニウム塩としては、臭化テトラメチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラ−n−ブチルアンモニウム、塩化テトラメチルアンモニウム、塩化トリメチルベンジルアンモニウム、塩化トリエチルベンジルアンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化トリメチルベンジルアンモニウム、水酸化テトラ−n−ブチルアンモニウム、ヨウ化テトラメチルアンモニウム、ヨウ化テトラ−n−ブチルアンモニウム、テトラヒドロホウ酸テトラブチルアンモニウム等が挙げられる。これら触媒は、使用する溶媒の沸点と反応温度、反応時間に応じて適宜選択することができる。触媒の添加量としては、ジエポキシ化合物(A)及びジカルボン酸化合物(B)の合計量に対して0.01重量%〜5重量%の範囲で用いることが好ましい。
本発明では、ジエポキシ化合物(A)とジカルボン酸化合物(B)との重付加反応によって生成する二級水酸基が、更にジカルボン酸化合物(B)とエステル化反応しないという観点から、四級アンモニウム塩を触媒として使用することが特に好ましい。
本発明のエステル型エポキシ樹脂の数平均分子量は、3500〜30000であることを特徴とする。より好ましくは7000〜25000である。数平均分子量が3500未満では、フレキシブルプリント配線板の接着剤として用いた時に、接着強度や柔軟性(可撓性)が不充分となる。数平均分子量が30000を越えると溶液の粘度が高くなり、塗工性やハンドリング性が低下する。
更に、本発明のエステル型エポキシ樹脂のエポキシ当量は、1000〜15000g/eqであることを特徴とする。より好ましくは2000〜13000g/eqである。エポキシ当量が1000g/eq未満では、エステル型エポキシ樹脂の分子量が小さく、フレキシブルプリント配線板の接着剤として用いた時に、接着強度や柔軟性(可撓性)が不充分となる。エポキシ当量が15000g/eqを越えるとエステル型エポキシ樹脂の分子量が大きくなり過ぎて、溶液の粘度が高くなり、塗工性やハンドリング性が低下する。
本発明のエステル型エポキシ樹脂のガラス転移温度は、20〜100℃が好ましい。さらに好ましくは、35〜90℃である。20℃未満では半田耐熱性が低下する場合があり、100℃を超えると接着性や柔軟性(可撓性)が低下する場合がある。
本発明のエステル型エポキシ樹脂は、末端にエポキシ基を有することに特徴がある。末端にエポキシ基を有することにより、エポキシ化合物(C)と架橋反応を引き起こして、強固な硬化接着剤層を形成し、接着性、半田耐熱性、耐イオンマイグレーション性を良好ならしめる。更に硬化剤(D)を使用することにより、接着層の硬化を促進し、より強固な硬化接着層を形成することができる。エポキシ化合物(C)は、それ自身のエポキシ基を開環反応させると同時に、エステル型エポキシ樹脂を合成する際に生成した二級水酸基との架橋反応を引き起こして強固な硬化接着剤層を形成し、硬化剤(D)は、エステル型エポキシ樹脂末端のエポキシ基を開環反応せしめるとともに、エステル型エポキシ樹脂とエポキシ化合物(C)との架橋反応を促進する。
本発明のエポキシ化合物(C)は、重付加反応によって減少したエステル型エポキシ樹脂の含有するエポキシ基を補う役割を担う。比較的低分子量で、エポキシ当量の小さいものが用いられる。
エポキシ化合物(C)の例としては、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、及びそのオリゴマー、オルトフタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、p−ヒドロキシ安息香酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、コハク酸ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステル、セバシン酸ジグリシジルエステル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、及びアルキレングリコールジグリシジルエーテル類、トリメリット酸トリグリシジルエステル、トリグリシジルイソシアヌレート、1,4−グリシジルオキシベンゼン、ジグリシジルプロピレン尿素、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリメチロールエタングリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、グリセロールアルキレンオキサイド付加物のトリグリシジルエーテル、テトラフェニルグリシジルエーテルエタン、トリフェニルグリシジルエーテルエタン等が挙げられる。
又、高耐熱性を有するβ−ナフトールをベースとしたアラルキル構造を有する多官能エポキシ樹脂や、ナフタレンジオールをベースとしたアラルキル構造を有する多官能エポキシ樹脂、スルフィド構造を有する結晶性エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、更には、難燃性付与を目的とした臭素やリン含有エポキシ樹脂等も用いられる。
又、フェノールノボラックエポキシ樹脂やクレゾールノボラックエポキシ樹脂等も多官能エポキシ樹脂として好適に用いられる。これらは、それぞれ単独で、又は併用して用いることができる。
硬化剤(D)の例としては、アミン系硬化剤、ポリアミノアミド系硬化剤、酸無水物系硬化剤、その他の硬化剤が挙げられる。アミン系硬化剤の具体例としては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジエチルアミノプロピルアミン、等の脂肪族アミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、ジアミノジエチルジフェニルメタン等の芳香族アミン等が挙げられ、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジアミンや4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等は室温保存性が良好なため、半硬化状態の接着シートに好適に用いられる。
ポリアミノアミド系硬化剤は、重合脂肪酸とポリエチレンポリアミンの縮合反応により得られるものである。市販品の具体例としては、富士化成社製トーマイド、ヘンケル白水社製バーサミド、大日本インキ社製ラッカーマイド等が挙げられる。ポリアミノアミドに少量のエポキシ樹脂を予め反応させたアダクト型は、エポキシ樹脂との相溶性に優れ、硬化性の速さ、耐水・耐薬品性に優れるものとして好適に用いられる。
酸無水物系硬化剤はアミン系硬化剤と比べ反応が遅く、硬化に100℃以上の高温長時間を要するが、エポキシ配合物のポットライフが長いという長所を有する。硬化物はアミン系硬化剤を用いた硬化物に比べ、熱変形温度が高く、電気特性、機械特性に優れるため、電気絶縁材料として好適に用いられる。酸無水物系硬化剤の具体例としては、ドデセニル無水コハク酸、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、ポリセバシン酸無水物等の脂肪族酸無水物、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルハイミック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸等の脂環族酸無水物、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビストリメリテート等の芳香族酸無水物等が挙げられる。
その他の硬化剤としては、塩基性活性水素化合物、第三アミン類、イミダゾール類、ルイス酸及びブレンステッド酸等が挙げられる。塩基性活性水素化合物の例としては、ジシアンジアミド、有機酸ジヒドラジド等が挙げられ、第三アミン類の例としては、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ジメチルベンジルアミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデカン等が挙げられる。イミダゾール類の例としては、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール等が挙げられる。ルイス酸及びブレンドステッド酸の例としては、三フッ化ホウ素のモノエチルアミン塩やピペリジン塩等が挙げられる。
本発明のエステル型エポキシ樹脂は、エポキシ化合物(C)と組み合わせることにより、好ましくは更に硬化剤(D)を併用することにより、接着剤組成物として用いられる。特にフレキシブルプリント配線板用として、基材フィルムとなるポリイミドフィルムやポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム等と、銅箔との接着剤として好適に用いられる。ジエポキシ化合物(A)として剛直なビスフェノールA(F)型エポキシ樹脂と、ジカルボン酸化合物(B)として脂肪族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸とを適宜組み合わせることにより、リジッド配線板からフレキシブル性を要求されるフレキシブルプリント配線板まで幅広く適用することができる。ジエポキシ化合物(A)とジカルボン酸化合物(B)との重付加反応によって生成した二級水酸基が基材フィルムと銅箔との強固な接着性を付与する。
又、ジカルボン酸化合物(B)の選択により、NBRや、アクリルエラストマー、架橋NBR等の柔軟性付与剤を添加しなくても充分な柔軟性を付与することができるため、NBRや、アクリルエラストマー、架橋NBR等の添加による電気絶縁性や耐イオンマイグレーション性の低下を防止することができる。
本発明の樹脂組成物は、各種金属やプラスチック、ガラス等の接着に有用な接着剤組成物として好適であるが、特にフレキシブル銅張板のベースフィルムと銅箔とを貼り合せるための接着剤、カバーレイ用接着剤、多層基板の層間接着剤等として特に有用である。
まず、本発明の接着シートについて説明する。本発明の接着シートは、プラスチックフィルム(1)、本発明の上記接着剤組成物から形成される硬化性接着剤層(I)、及びプラスチックフィルム(2)が積層されてなる積層体をいう。尚、硬化性接着剤層(I)とは、硬化処理される前の接着剤層をいう。又、硬化性接着剤層(I)は、半硬化状態であっても良い。
プラスチックフィルム(1)としては、絶縁性や可とう性、耐熱性を有するプラスチックフィルムが好ましく、例えば、ポリイミドフィルムやPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、ポリフェニレンスルフィドフィルム、ポリカーボネートフィルム等を用いることができる。
プラスチックフィルム(2)としては、硬化性接着剤層(I)から剥離されることが必要であるため、その表面が剥離処理された剥離性フィルムであることが好ましい。剥離性フィルムとしては、ポリエステル、ポリオレフィン等のプラスチックフィルムや、グラシン紙、ポリエチレンラミネート上質紙等に、シリコーン化合物あるいはフッ素化合物を含む剥離剤をコーティングすることにより剥離処理されたものを用いることができる。
本発明の接着シートは、FPCの導電性回路面の被覆に好適に使用することができる。FPCの導電性回路面の被覆に用いる場合の使用方法としては、例えば以下の方法を挙げることができる。
すなわち、第一の方法として、本発明の接着剤組成物をプラスチックフィルム(1)に塗布し、乾燥させて硬化性接着剤層(I)を設け、その上にプラスチックフィルム(2)を積層して接着シートを得る。次いで、前記接着シートからプラスチックフィルム(2)を剥離して、露出した硬化性接着剤層(I)をFPCの導電性回路面に貼り合わせ、加熱して前記硬化性接着剤層(I)を硬化させて硬化接着剤層(II)とする方法がある。
第二の方法として、本発明の接着剤組成物をプラスチックフィルム(2)に塗布し、乾燥させて硬化性接着剤層(I)を得る。次いで、該硬化性接着剤層(I)とFPCの導電性回路面とを貼り合わせてから、前記プラスチックフィルム(2)を剥離し、露出した硬化性接着剤層(I)とプラスチックフィルム(1)とを貼り合わせ、加熱して前記硬化性接着剤層(I)を硬化させて硬化接着剤層(II)とする方法がある。
上記、プラスチックフィルム(1)はいわゆる「カバーレイフィルム」と称されるものであるが、フレキシブルプリント配線板(FPC板)の導電性回路面を、硬化接着剤層(II)を介して被覆するものである。
接着剤組成物をプラスチックフィルム(1)に塗布する方法としては、コンマコートや、ナイフコート、ダイコート、リップコート、刷毛塗りや、浸漬塗布、ロールコーター塗装、スプレー塗装、カーテン塗装等の従来公知の方法によることができる。
本発明の接着剤組成物の硬化方法は、従来公知の各種方法を用いることができる。例えば、硬化性接着剤層(I)を半硬化状態にするためには、80〜150℃程度の温度で1〜2分間乾燥させる方法、又、硬化性接着剤層(I)を硬化させて硬化接着剤層(II)とする方法としては、40〜60℃の温度で3〜5日程度のいわゆるエージングや、100〜150℃の温度で1〜4時間程度の硬化、180〜200℃の温度で10〜30分程度の硬化、200℃以上の温度で数秒〜5分間程度の硬化方法等が用いられる。加熱の方法としては、恒温室でのエージングや、熱風乾燥炉、遠赤外線乾燥炉、高周波誘導加熱炉等の加熱方法が用いられる。又、加熱プレス機による加圧下での加熱等の方法も用いられることもある。
次に本発明のフレキシブル銅張板について説明する。本発明のフレキシブル銅張板は、本発明の上記接着剤組成物から形成される硬化接着層(II)を介して、プラスチックフィルム(3)と銅箔とが貼り合わせてなる積層体である。プラスチックフィルム(3)としては、上記で例示したプラスチックフィルム(1)と同様のものを使用することができる。特に、ポリイミドフィルムやPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等を用いることが好ましい。
フレキシブル銅張板を製造するため、プラスチックフィルム(3)と銅箔との貼り合わせに本発明の接着剤組成物を利用する場合の使用方法としては、例えば以下の方法を挙げることができる。
すなわち、第一の方法としては、接着剤組成物をプラスチックフィルム(3)に塗布し、乾燥させて硬化性接着剤層(I)を設け、その上に銅箔を貼り合わせて加熱し、前記硬化性接着剤層(I)を硬化させて硬化接着剤層(II)とする方法がある。
第二の方法としては、接着剤組成物を銅箔に塗布し、乾燥させて硬化性接着剤層(I)を設け、その上にプラスチックフィルム(3)を貼り合わせて加熱し、前記硬化性接着剤層(I)を硬化させて硬化接着剤層(II)とする方法がある。
第三の方法としては、接着剤組成物をプラスチックフィルム(2)に塗布し、乾燥させて硬化性接着剤層(I)を得る。次いで、該硬化性接着剤層(I)とプラスチックフィルム(3)とを貼り合わせ、前記プラスチックフィルム(2)を剥離し、露出した硬化性接着剤層(I)と銅箔とを貼り合わせた後に加熱し、前記硬化性接着剤層(I)を硬化させて硬化接着剤層(II)とする方法がある。
第四の方法としては、接着剤組成物をプラスチックフィルム(2)に塗布し、乾燥させて硬化性接着剤層(I)を得る。次いで、該硬化性接着剤層(I)と銅箔とを貼り合わせ、前記プラスチックフィルム(2)を剥離し、露出した硬化性接着剤層(I)とプラスチックフィルム(3)とを貼り合わせた後に加熱し、前記硬化性接着剤層(I)を硬化させて硬化接着剤層(II)とする方法がある。
接着剤組成物を塗布する方法としては、上記FPCの導電性回路面の被覆と同様の方法を用いることができる。
以下に、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、実施例における「部」は「重量部」を、「%」は「重量%」をそれぞれ表す。
[合成例1]エステル型エポキシ樹脂(A−1)の合成
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流冷却器を備えたフラスコに、メチルエチルケトン210部、YD−8125(東都化成社製、ビスフェノールA型n=0エポキシ樹脂)95.92部、テレフタル酸35.27部、イソフタル酸8.82部、N−N’−ジメチルベンジルアミン0.5部を仕込み、80℃まで昇温して、80℃で反応を続けた。酸価が2.13mgKOH/g(固形分換算以下同じ)になったら反応を終了し、エステル型エポキシ樹脂溶液(A−1)を得た。その特性値を表−1に示す。
[合成例2〜7]エステル型エポキシ樹脂(A−2)〜(A−7)の合成
合成例1と同様の方法で、表−1の仕込み重量に従ってエステル型エポキシ樹脂溶液(A−2)〜(A−7)を得た。その特性値を表−1に示す。
[比較合成例1]エステル型エポキシ樹脂(A−8)の合成
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流冷却器を備えたフラスコに、メチルエチルケトン210部、YD−8125(東都化成社製、ビスフェノールA型n=0エポキシ樹脂)104.79部、テレフタル酸11.24部、イソフタル酸7.49部、アジピン酸16.49部、臭化テトラ−n−ブチルアンモニウム0.5部を仕込み、80℃まで昇温して、80℃で反応を続けた。酸価が10.3mgKOH/gになったら反応を終了し、エステル型エポキシ樹脂溶液(A−8)を得た。その特性値を表−2に示す。
[比較合成例2]エステル型エポキシ樹脂(A−9)の合成
比較合成例1と同様の方法で、表−2の仕込み重量に従ってエステル型エポキシ樹脂溶液(A−9)を得た。その特性値を表−2に示す。
[比較合成例3]エーテル型エポキシ樹脂(A−10)の合成
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流冷却器を備えたフラスコに、メチルエチルケトン180部、YD−8125(東都化成社製、ビスフェノールA型n=0エポキシ樹脂)72.92部、ビスフェノールA47.08部、臭化テトラ−n−ブチルアンモニウム0.5部を仕込み、80℃まで昇温して、80℃で反応を続けた。エポキシ当量が5575g/eq(固形分換算以下同じ)になったら反応を終了し、エーテル型エポキシ樹脂(A−10)を得た。その特性値を表−2に示す。
[比較合成例4]市販エポキシ樹脂(A−11)の溶解
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流冷却器を備えたフラスコに、メチルエチルケトン210部、エピコート1007(ジャパンエポキシレジン社製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂)140部を仕込み、80℃で溶解し、エポキシ樹脂(A−11)の溶液を得た。その特性値を表−2に示す。
[比較合成例5]市販エポキシ樹脂(A−12)の溶解
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流冷却器を備えたフラスコに、メチルエチルケトン210部、エピコート1009(ジャパンエポキシレジン社製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂)140部を仕込み、80℃で溶解し、エポキシ樹脂(A−12)の溶液を得た。その特性値を表−2に示す。
[比較合成例6]市販エポキシ樹脂(A−13)の溶解
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流冷却器を備えたフラスコに、メチルエチルケトン210部、フェノトートFX−820S(東都化成社製、低塩素含有フェノキシ樹脂)140部を仕込み、80℃で溶解し、エポキシ樹脂(A−13)の溶液を得た。その特性値を表−2に示す。
<酸価の測定>
合成例、比較合成例で合成又は溶解したエポキシ樹脂1g(樹脂分換算)をトルエン/イソプロピルアルコール=70/30(重量比)の混合溶剤30mlに溶解し、0.1mol/LのKOHエタノール溶液で滴定して、樹脂1g当りの中和に要したKOHのmg数を求めた。
<エポキシ当量の測定>
合成例、比較合成例で合成又は溶解したエポキシ樹脂約1g(樹脂分換算)をメチルエチルケトン90mlで溶解し、氷酢酸10ml、セチルトリメチル臭化アンモニウム1.5g、スクリーン指示薬0.4mlを加える。撹拌しながら、0.1mol/L過塩素酸標準溶液にて色が青緑色からピンク色になるまで滴定する。同様の方法で空試験を行い、下記式によりエポキシ当量を求めた。
エポキシ当量=W×1000/(S−B)×N×F (g/eq)
W:試料量(g)
S:滴定に要した過塩素酸量(ml)
B:空試験の滴定に要した過塩素酸量(ml)
N:過塩素酸の規定度
F:過塩素酸の力価
<分子量の測定>
合成例、比較合成例で合成又は溶解したエポキシ樹脂を、夫々0.1%の濃度でテトラヒドロフラン(THF)に溶解して、0.45μmのフィルタで濾過して試料とし、ゲル浸透型クロマトグラフィー(GPC)により測定した。測定装置には昭和電工製GPC101を用い、カラムはShodex KF−806L×2 + KF−804L + KF−802 の4本連結カラムを用いた。移動相には上記と同様のテトラヒドロフラン(THF)を用い、注入量200μl、カラム温度40℃、流速1.0ml/minの条件で測定を行った。分子量の算出は標準ポリスチレン換算で行った。
<ガラス転移温度の測定>
示差走査熱量計(DSC)を用いて、10℃/minの昇温速度で測定した。
Figure 2009029933
Figure 2009029933
[実施例1]
合成例1で得られたエステル型エポキシ樹脂溶液(A−1)を樹脂分換算(以下、樹脂分換算で示す。)で80部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂YD−8125を20部、ジシアンジアミド1.5部を混合し、メチルエチルケトンを用いて固形分濃度が30%となるように混合溶解して、接着剤組成物を得た。その接着剤組成物を、ポリイミドフィルム(東レデュポン社製、カプトンV、厚さ25μm)上に、乾燥後の厚さが30μmとなる様にアプリケーターを用いて塗布した。その後、送風オーブン内で、80℃、2分の加熱条件で乾燥させて該接着剤組成物を半硬化状態とし、カバーレイフィルムを得た。このカバーレイフィルムを用いて、下記の評価により各種評価を行った。その結果を表−3に示す。
[実施例2〜11]
実施例1と同様の方法で、表−3の組成に従って、接着剤組成物を得た。その接着剤組成物を用いて、実施例1と同様の方法で各種評価を行った。その結果を表−3に示す。
[比較例1〜4]
実施例1と同様の方法で、表−4の組成に従って、接着剤組成物を得た。その接着剤組成物を用いて、実施例1と同様の方法で各種評価を行った。その結果を表−4に示す。
[評価方法]
<剥離強度の評価>
JIS C6481に準拠して、厚さ35μmの電解銅箔(ジャパンエナジー社製)の光沢面とカバーレイフィルムの接着剤層とを加熱プレス機を用いて、温度:150℃、圧力:50kgf/cm2、時間:60分の条件で貼り合せた後、150℃で2時間アフターキュアを行い、試験サンプルを作製した。このサンプルを幅10mm、長さ150mmの大きさに切断して試験片とし、その試験片のポリイミドフィルム面を固定して、25℃の雰囲気下で、電解銅箔を90度の方向に50mm/minの速度で連続的に引き剥がした時の剥離強度を測定した。
<柔軟性(可撓性)の評価>
実施例で作製したカバーレイフィルムを、各接着剤組成物について2枚ずつ用意し、これら2枚のカバーレイフィルムの互いの接着剤面を貼り合せて加熱プレス機を用いて、温度:150℃、圧力:50kgf/cm2、時間:60分の条件でプレスした後、150℃で2時間アフターキュアを行った。この一体化された評価用シートを角度180度で折り曲げた後に、折り曲げ部分を観察した。
〇:「折り曲げ部分に、割れや剥離、マイクロクラックによる白化が無い。」
△:「折り曲げ部分に、マイクロクラックによる白化が見られる。」
×:「折り曲げ部分に、割れや剥離が見られる。」
<半田耐熱性(常態)>
前記、剥離強度の評価に用いたものと同じ試験片を、260℃で溶融した半田浴上に1分間浮かべた後、試験片の外観を目視により評価した。
〇:「試験片に膨れや剥がれが全く無い。」
△:「試験片に直径1mm以下の膨れが3個未満ある。」
×:「試験片に直径1mm以上の膨れが3個以上ある。」
<半田耐熱性(加湿)>
前記、剥離強度の評価に用いたものと同じ試験片を、温度40℃、相対湿度90%の雰囲気下で24時間放置した。その試験片を260℃で溶融した半田浴上に1分間浮かべた後、試験片の外観を目視により評価した。
〇:「試験片に膨れや剥がれが全く無い。」
△:「試験片に直径1mm以下の膨れが3個未満ある。」
×:「試験片に直径1mm以上の膨れが3個以上ある。」
<耐イオンマイグレーション性>
各接着剤組成物を、ポリイミドフィルム(東レデュポン社製、カプトンV、厚さ25μm)上に、乾燥後の厚さが10μmとなる様にアプリケーターを用いて塗布した後、厚さ18μmの圧延銅箔を貼り合せて片面銅張り積層板とした。この積層板の銅箔を、線間100μm、線幅100μm(L/S=100μm/100μm)の櫛型パターンに加工した。
一方、上記接着剤組成物を、ポリイミドフィルム(東レデュポン社製、カプトンV、厚さ25μm)上に、乾燥後の厚さが30μmとなる様にアプリケーターを用いて塗布した後、送風オーブン内で、80℃、2分の加熱条件で乾燥させて該接着剤組成物を半硬化状態とし、カバーレイフィルムを作製した。
このカバーレイフィルムの接着剤層が上記櫛型パターンに対面するように、片面銅張り積層板上にカバーレイフィルムを載せて、これらを、加熱プレス機を用いて、温度:150℃、圧力:50kgf/cm2、時間:60分の条件で貼り合せた後、150℃で2時間アフターキュアを行い、評価用配線基板とした。
この評価用配線基板を用いて、85℃、85%RHの雰囲気下で1000時間、印加電圧DC24V、1000時間の導電試験を行い、短絡の発生と試験片の外観を目視評価した。
◎:「短絡の発生、及び基板の変色が全くなし。」
〇:「短絡の発生は無く、基板が僅かに変色するが実用上問題なし。」
△:「600時間で短絡が発生、基板の変色が著しい。」
×:「300時間で短絡が発生、基板の変色が著しい。」
Figure 2009029933
Figure 2009029933
表1に示すように、本発明のエステル型エポキシ樹脂を使用した実施例1〜11の接着剤組成物は、剥離強度が高く、更に柔軟性、半田耐熱性、及び耐イオンマイグレーション性に優れていることがわかった。これに対し、比較例1〜6の接着剤組成物は、上記物性のいずれかが不良であり、全てが良好となるものは得られなかった。

Claims (10)

  1. ジエポキシ化合物(A)とジカルボン酸化合物(B)とを重付加反応させてなるエステル型エポキシ樹脂であって、
    数平均分子量が3500〜30000、エポキシ当量が1000〜15000g/eqであり、末端にエポキシ基を有するエステル型エポキシ樹脂。
  2. 請求項1記載のエステル型エポキシ樹脂と、エポキシ化合物(C)とを含んでなる樹脂組成物。
  3. 更に硬化剤(D)を含んでなる請求項2記載の樹脂組成物。
  4. 請求項2又は3記載の樹脂組成物からなる接着剤組成物。
  5. プラスチックフィルム(1)、請求項4記載の接着剤組成物から形成される硬化性接着剤層(I)、及びプラスチックフィルム(2)が積層されてなる接着シート。
  6. 請求項4記載の接着剤組成物から形成される硬化接着剤層(II)を介して、プラスチックフィルム(3)と銅箔とを貼り合わせてなるフレキシブル銅張板。
  7. フレキシブルプリント配線板の導電性回路面に、請求項4記載の接着剤組成物から形成される硬化接着剤層(II)及びプラスチックフィルム(1)が積層されてなる、被覆されたフレキシブルプリント配線板。
  8. 請求項5記載の接着シートからプラスチックフィルム(2)を剥がし、露出した硬化性接着剤層(I)を、フレキシブルプリント配線板の導電性回路面に貼り合わせ、加熱して、前記硬化性接着剤層(I)を硬化することを特徴とする、フレキシブルプリント配線板の被覆方法。
  9. ジエポキシ化合物(A)とジカルボン酸化合物(B)とを、四級アンモニウム塩の存在下、有機溶媒中で重付加反応させることを特徴とする、数平均分子量が3500〜30000、エポキシ当量が1000〜15000g/eqであり、末端にエポキシ基を有するエステル型エポキシ樹脂の製造方法。
  10. 有機溶媒の沸点が70〜160℃であることを特徴とする、請求項9記載のエステル型エポキシ樹脂の製造方法。
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