JP7279842B2 - ポリエステル系樹脂、接着剤組成物及び接着剤 - Google Patents

ポリエステル系樹脂、接着剤組成物及び接着剤 Download PDF

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Description

本発明は、ポリエステル系樹脂、ポリエステル系樹脂を含有する接着剤組成物及びこの接着剤組成物が硬化されてなる接着剤に関し、更に詳しくは、低誘電率及び低誘電正接、特には低誘電正接であり、また、硬化後の初期接着性、更には湿熱環境下での長期耐久性に優れた接着剤組成物を形成するポリエステル系樹脂、更にポリエステル系樹脂を含有する接着剤組成物及びこの接着剤組成物が硬化された接着剤に関する。
従来、ポリエステル系樹脂は、耐熱性、耐薬品性、耐久性、機械的強度に優れているため、フィルムやペットボトル、繊維、トナー、電機部品、接着剤、粘着剤等、幅広い用途で用いられている。また、ポリエステル系樹脂は、そのポリマー構造ゆえに極性が高いので、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、エポキシ樹脂等の極性ポリマー、及び銅、アルミニウム等の金属材料に対して優れた接着性を発現することが知られている。 この特性を利用し、金属とプラスチックの積層体を作製するための接着剤、例えば、フレキシブル銅張積層板やフレキシブルプリント基板等を作製するための接着剤としての使用が検討されている。
例えば、特許文献1には、硬化時の寸法安定性に優れ、硬化後の接着性、耐熱性、屈曲性、電気絶縁性、低誘電率及び低誘電正接に優れる熱硬化性接着シートを得ることを目的として、有機金属化合物又はエポキシ基含有化合物の少なくともいずれか一方と反応し得る反応性官能基と、ハロゲン以外のヘテロ原子を有する官能基との合計量が0.01mmol/g以上、9mmol/g以下の樹脂(例えばポリエステル系樹脂)、有機金属化合物、及び3官能以上のエポキシ基含有化合物を含む熱硬化性組成物が提案されている。
また、特許文献2には、各種プラスチックや金属、ガラスエポキシへの接着性と耐湿熱性、高温高湿度での接着性に優れた接着剤を得ることを目的として、熱可塑性樹脂(ポリエステル系樹脂)、無機充填材、溶剤、エポキシ樹脂を、所定の条件にて含有される接着剤用樹脂組成物が提案されている。
特開2017-031301号公報 特開2015-187271号公報
しかしながら、近年、フレキシブル銅張積層板やフレキシブルプリント基板等の電子材料分野においては、そこに用いられる接着層に求められる物性として、接着性に加え、伝送信号の高周波化に伴い、更なる低誘電率及び低誘電正接といった低誘電特性、特には低誘電正接が強く求められるようになっている。
上記特許文献1の開示技術では、誘電率・誘電正接や吸水率の低下を目的として長鎖アルキル基を有する多価カルボン酸や多価アルコールを多量に使用しており、それによってガラス転移温度が低下することとなり初期接着性が悪化したり、湿熱耐久性が不充分となっている。また、低誘電率及び低誘電正接や低吸水率化のためにエステル結合濃度を低くしたりしているが、近年の低誘電特性の要求は非常に高く、更なる改良が求められるものであった。
また、特許文献2の開示技術では、接着性の改善を図っているものであるが、誘電特性については考慮されておらず、近年の低誘電特性の要求に対しては充分なものではなかった。
そこで、本発明ではこのような背景下において、低誘電率及び低誘電正接であり、また、硬化後の初期接着性、更には湿熱環境下での長期耐久性に優れた接着剤組成物を形成するポリエステル系樹脂、更にポリエステル系樹脂を含有する接着剤組成物及びこの接着剤組成物が硬化された接着剤の提供を目的とする。
しかるに本発明者は、かかる事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、下記の(1)~(4)のポリエステル系樹脂が、本発明の目的に合致することを見出し、本発明を完成した。(1)多価カルボン酸類由来の構造単位と多価アルコール類由来の構造単位を含むポリエステル系樹脂であって、ガラス転移温度(Tg)が-5℃以上であり、温度23℃、相対湿度50%RH環境下での10GHzにおける誘電正接(α)が0.0050以下であるポリエステル系樹脂。
(2)多価カルボン酸類由来の構造単位と多価アルコール類由来の構造単位を含むポリエステル系樹脂であって、酸価が3mgKOH/g以上であり、温度23℃、相対湿度50%RH環境下での10GHzにおける誘電正接(α)が0.0050以下であるポリエステル系樹脂。
(3)多価カルボン酸類由来の構造単位と多価アルコール類由来の構造単位を含むポリエステル系樹脂であって、ガラス転移温度(Tg)が-5℃以上であり、酸価が3mgKOH/g以上であり、温度23℃、相対湿度50%RH環境下での10GHzにおける誘電正接(α)が0.0050以下であるポリエステル系樹脂。
(4)多価カルボン酸類由来の構造単位と多価アルコール類由来の構造単位を含むポリエステル系樹脂であって、温度23℃、相対湿度50%RH環境下での10GHzにおける誘電正接(α)が0.0030以下であるポリエステル系樹脂。
すなわち、本発明は、以下の[1]~[15]の態様を有する。
[1] 多価カルボン酸類由来の構造単位と多価アルコール類由来の構造単位を含むポリエステル系樹脂であって、ガラス転移温度(Tg)が-5℃以上であり、温度23℃、相対湿度50%RH環境下での10GHzにおける誘電正接(α)が0.0050以下であるポリエステル系樹脂。
[2] 多価カルボン酸類由来の構造単位と多価アルコール類由来の構造単位を含むポリエステル系樹脂であって、酸価が3mgKOH/g以上であり、温度23℃、相対湿度50%RH環境下での10GHzにおける誘電正接(α)が0.0050以下であるポリエステル系樹脂。
[3] 多価カルボン酸類由来の構造単位と多価アルコール類由来の構造単位を含むポリエステル系樹脂であって、ガラス転移温度(Tg)が-5℃以上であり、酸価が3mgKOH/g以上であり、温度23℃、相対湿度50%RH環境下での10GHzにおける誘電正接(α)が0.0050以下であるポリエステル系樹脂。
[4] 多価カルボン酸類由来の構造単位と多価アルコール類由来の構造単位を含むポリエステル系樹脂であって、温度23℃、相対湿度50%RH環境下での10GHzにおける誘電正接(α)が0.0030以下であるポリエステル系樹脂。
[5] 多価カルボン酸類が、芳香族多価カルボン酸類を含む[1]~[4]のいずれかに記載のポリエステル系樹脂。
[6] 多価カルボン酸類が、酸無水物基数が0又は1である3価以上の多価カルボン酸類を含む[1]~[5]のいずれかに記載のポリエステル系樹脂。
[7] 多価アルコール類が、ダイマージオールを含む[1]~[6]のいずれかに記載のポリエステル系樹脂。
[8] 多価カルボン酸類及び多価アルコール類の少なくとも一方が、縮合多環式芳香族化合物を含む[1]~[7]のいずれかに記載のポリエステル系樹脂。
[9] 非結晶性である[1]~[8]のいずれかに記載のポリエステル系樹脂。
[10] [1]~[9]のいずれかに記載のポリエステル系樹脂を含有することを特徴とする接着剤組成物。
[11] 更に、硬化剤を含有する[10]の接着剤組成物。
[12] 硬化剤の含有量が、ポリエステル系樹脂100重量部に対して、30重量部以下である[10]又は[11]記載の接着剤組成物。
[13] [10]~[12]のいずれかに記載の接着剤組成物が硬化されてなる接着剤。
[14] 電子材料部材の貼り合せに用いられる[13]記載の接着剤。
[15] 電子材料部材が、フレキシブル銅張積層板、カバーレイ及びボンディングシートから選ばれる少なくとも1種である[14]記載の接着剤。
上記特許文献1に関して述べたように、通常、吸水率や誘電率、誘電正接を低下させるためには長鎖アルキル基を有する多価カルボン酸類や多価アルコールを多量に用い、エステル結合濃度を低くすることが考えられるが、一方で初期接着性や湿熱環境下での長期耐久性が低下することとなってしまう。また、エステル結合濃度を低くすることでは更なる低誘電特性までを得ることは困難である。
本発明者は、ポリエステル系樹脂を構成するモノマーの組成等を調製し、更に、酸価、ガラス転移温度(Tg)等を最適化することにより、従来のポリエステル系樹脂より更に低誘電率及び低誘電正接であり、硬化後の初期接着性、更には湿熱環境下での長期耐久性にも優れることを見出し、本発明を完成させたものである。
本発明のポリエステル系樹脂は、低誘電率及び低誘電正接、特には低誘電正接であり、硬化後の初期接着性、更には湿熱環境下での長期耐久性に優れた接着剤組成物を形成するものであり、とりわけかかる接着剤組成物は、金属とプラスチックの積層体を作製するための接着剤、例えば、電子材料部材の貼り合わせ、なかでも、フレキシブル銅張積層板やカバーレイ、ボンディングシート等のフレキシブルプリント配線板等の作製に用いられる接着剤として有効である。
以下、本発明の構成につき詳細に説明するが、これらは望ましい実施態様の一例を示すものである。
なお、本発明において、化合物名の後に付された「類」は当該化合物に加え、当該化合物の誘導体をも包括する概念である。例えば、「カルボン酸類」との用語は、カルボン酸に加え、カルボン酸塩、カルボン酸無水物、カルボン酸ハロゲン化物、カルボン酸エステル等のカルボン酸誘導体も含むものである。
なお、本発明において、「x及び/又はy(x,yは任意の構成又は成分)」とは、xのみ、yのみ、x及びy、という3通りの組合せを意味するものである。
本発明の接着剤組成物は、多価カルボン酸類由来の構造単位と多価アルコール類由来の構造単位を含むポリエステル系樹脂を少なくとも含有する。まず、ポリエステル系樹脂について説明する。
<ポリエステル系樹脂>
ポリエステル系樹脂は、多価カルボン酸類由来の構造単位と多価アルコール類由来の構造単位を分子中に含むものであり、好ましくは、多価カルボン酸類と多価アルコール類とをエステル結合させて得られるものである。
〔多価カルボン酸類〕
多価カルボン酸類における多価カルボン酸としては、例えば、後述する芳香族多価カルボン酸;後述する酸無水物基数が0又は1である3価以上の多価カルボン酸;1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸とその酸無水物等の脂環族多価カルボン酸;コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等の脂肪族多価カルボン酸を挙げることができる。多価カルボン酸類は1種又は2種以上を用いることができる。
多価カルボン酸類は、芳香族多価カルボン酸類を含有することが好ましい。芳香族多価カルボン酸類としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、オルソフタル酸等の単環式芳香族多価カルボン酸類;ビフェニルジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸ジメチル等の多環式芳香族多価カルボン酸類;多環式芳香族多価カルボン酸類の中では、ナフタレンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸ジメチル等の縮合多環式芳香族多価カルボン酸類やその誘導体(芳香族ジカルボン酸類)が挙げられる。また、p-ヒドロキシ安息香酸、6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸等の芳香族オキシカルボン酸類等を挙げることができる。更に、ポリエステル系樹脂に分岐骨格や酸価を付与する目的で導入される3官能以上の芳香族カルボン酸類も上記の芳香族多価カルボン酸類に含まれる。3官能以上の芳香族多価カルボン酸類としては、例えば、トリメリット酸、トリメシン酸、エチレングルコールビス(アンヒドロトリメリテート)、グリセロールトリス(アンヒドロトリメリテート)、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸二無水物、オキシジフタル酸二無水物、3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'-ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、4,4'-(ヘキサフロロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物、2,2'-ビス[(ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物等が挙げられる。
これらのうちでも誘電特性の観点から、多環式芳香族多価カルボン酸類が好ましく、中でも縮合多環式芳香族多価カルボン酸類が特に好ましく、縮合多環式芳香族多価カルボン酸類の中でも、ナフタレンジカルボン酸ジメチルが特に好ましい。
また、単環式芳香族多価カルボン酸類の中ではテレフタル酸、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸、イソフタル酸ジメチルが好ましい。
また、結晶性を下げて溶剤溶解後の安定性を確保するためには、複数種の多価カルボン酸類を使用することが好ましい。
多価カルボン酸類全体に対する芳香族多価カルボン酸類の含有量は、25モル%以上であることが好ましく、より好ましくは40モル%以上、更に好ましくは70モル%以上、特に好ましくは90モル%以上、最も好ましくは100モル%である。芳香族多価カルボン酸類の含有量が少なすぎると、湿熱環境下での長期耐久性が不充分となったり、低誘電正接に関して劣る傾向がある。
多価カルボン酸類全体に対する芳香族多価カルボン酸類の含有量(モル%)は下記式から求められる。
芳香族多価カルボン酸類の含有量(モル%)=(芳香族多価カルボン酸類(モル)/多価カルボン酸類(モル))×100
また、ポリエステル系樹脂全体に対する芳香族多価カルボン酸類の含有量は15~70重量%であることが好ましく、より好ましくは20~65重量%、更に好ましくは25~60重量%、特に好ましくは30~55重量%である。芳香族多価カルボン酸類の含有量が少なすぎると、初期接着性が不充分となったり、低誘電正接に関して劣る傾向があり、多すぎると初期接着性が不充分となる傾向がある。
多価カルボン酸類は、酸無水物基数が0又は1である3価以上の多価カルボン酸類も含有することが好ましい。かかる多価カルボン酸類におけるカルボキシ基の価数は、好ましくは3~6価であり、より好ましくは3~4価である。かかる多価カルボン酸類としては、例えば、上記の3官能以上の芳香族多価カルボン酸類のうち酸無水物基数が0又は1であるものが挙げられる。例えば、トリメリット酸無水物、トリメリット酸、トリメシン酸等が挙げられ、これらのなかでも、酸無水物基数が1であるものが好ましく、トリメリット酸無水物が特に好ましい。
また、酸無水物基数が0又は1である3価以上の多価カルボン酸類のうち芳香族多価カルボン酸類以外のものとしては、例えば、水添トリメリット酸無水物等が挙げられる。
なお、スルホテレフタル酸、5-スルホイソフタル酸、4-スルホフタル酸、4-スルホナフタレン-2,7-ジカルボン酸、5(4-スルホフェノキシ)イソフタル酸、等のスルホン酸基を有する芳香族ジカルボン酸、及びそれらの金属塩やアンモニウム塩等のスルホン酸塩基を有する芳香族ジカルボン酸塩は、ポリエステル系樹脂の吸湿性の点から、多価カルボン酸類全体に対する含有量が10モル%以下であることが好ましく、より好ましくは5モル%以下、特に好ましくは3モル%以下、更に好ましくは1モル%以下であり、最も好ましくは0モル%である。
〔多価アルコール類〕
多価アルコール類としては、例えば、ダイマージオール類、ビスフェノール骨格含有モノマー、脂肪族多価アルコール、脂環族多価アルコール、芳香族多価アルコールが挙げられる。多価アルコール類は1種又は2種以上を用いることができる。
本発明において、ポリエステル系樹脂を構成する化合物は、多価アルコール類としてダイマージオール類を含有することが好ましい。
ダイマージオール類としては、例えば、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エルカ酸等から誘導されるダイマー酸類(炭素数36~44のものを主とする)の還元体であるダイマージオール類、及びそれらの水素添加物等が挙げられる。なかでもポリエステル系樹脂の製造時におけるゲル化抑制の点から、水素添加物が好ましい。
多価アルコール類全体に対するダイマージオールの含有量は、2~80モル%であることが好ましく、より好ましくは5~70モル%、特に好ましくは7~65モル%、更に好ましくは10~60モル%である。ダイマージオール類の含有量が少なすぎると低吸湿性や誘電特性に劣る傾向があり、多すぎると初期接着性が不充分となる傾向がある。
また、ポリエステル系樹脂全体に対するダイマージオール類の含有量は5~70重量%であることが好ましく、より好ましくは10~60重量%、更に好ましくは12~55重量%、特に好ましくは15~50重量%である。ダイマージオール類の含有量が少なすぎると、低吸湿性や誘電特性に劣る傾向があり、多すぎると初期接着性が不充分となる傾向がある。
ビスフェノール骨格含有モノマーとしては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールB、ビスフェノールE、ビスフェノールF、ビスフェノールAP、ビスフェノールBP、ビスフェノールP、ビスフェノールPH、ビスフェノールS、ビスフェノールZ、4,4'-ジヒドロキシベンゾフェノン、ビスフェノールフルオレン、ビスフェニルフェノールフルオレンやそれらの水添物、及びビスフェノール類の水酸基にエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドを1~数モル付加して得られるエチレンオキサイド付加物等やプロピレンオキサイド付加物等のグリコール類等が挙げられる。なかでも低誘電特性の点からは縮合多環式芳香族骨格を有するビスフェノールフルオレンやビスフェニルフェノールフルオレンが好ましく、反応性の点からはエチレンオキサイド付加物が好ましく、特に耐熱性や低吸湿性、湿熱環境下での長期耐久性の点からエチレンオキサイド2~3モル付加物が好ましく、最も好ましくはビスフェノキシエタノールフルオレン、ビスフェニルフェノキシエタノールフルオレンである。
なお、低誘電特性の観点からはビスフェノールフルオレンやビスフェニルフェノールフルオレン及びその誘導体以外のビスフェノール骨格含有モノマーは少ない方が好ましいが、ポリエステル系樹脂の溶剤溶解性やその溶液の保存安定性、低吸湿性の観点からは多い方が好ましく、所望の物性に合わせて導入量を調整することが好ましい。一方、ビスフェノールフルオレンやビスフェニルフェノールフルオレン及びその誘導体については上記の溶剤溶解性、その溶液の保存安定性、低吸湿性、低誘電特性のいずれの物性においてもポリエステル系樹脂に導入することが好ましく、多価アルコール類全体に対するビスフェノールフルオレン及びその誘導体の含有量は、2~50モル%であることが好ましく、より好ましくは5~45モル%、特に好ましくは10~40モル%、更に好ましくは15~35モル%である。ビスフェノールフルオレンやビスフェニルフェノールフルオレン及びその誘導体の含有量が多すぎると、初期接着性が不充分となる傾向があり、少なすぎると、溶剤溶解性、保存安定性、低吸湿性、誘電特性が不充分となる傾向がある。
脂肪族多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、2-エチル-2-ブチルプロパンジオール、ジメチロールヘプタン、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール等を挙げることができる。なかでも、後述する芳香環含有量や脂環含有量を高めることができる点から、炭素数5以下のものを用いることが好ましい。
脂環族多価アルコールとしては、例えば、1,4-シクロヘキサンジオ-ル、1,4-シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジオール、トリシクロデカンジメタノール、スピログリコール等を挙げることができる。中でも、低誘電特性の観点から多環式のものが好ましく、より好ましくはトリシクロデカンジメタノールである。
芳香族多価アルコールとしては、例えば、パラキシレングリコール、メタキシレングリコール、オルトキシレングリコール、1,4-フェニレングリコール、1,4-フェニレングリコ-ルのエチレンオキサイド付加物等を挙げることができる。
上記多価アルコール類の中でも、溶剤溶解性及び溶液安定性の観点から、側鎖を有する多価アルコールを用いることが好ましい。側鎖を有する多価アルコールとしては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールB、ビスフェノールE、ビスフェノールAP、ビスフェノールBP、ビスフェノールP、ビスフェノールPH、ビスフェノールS、ビスフェノールZ、ビスフェノールフルオレン、ビスフェニルフェノールフルオレンやそれらの水添物、及びビスフェノール類の水酸基にエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドを1~数モル付加して得られるエチレンオキサイド付加物等やプロピレンオキサイド付加物等の側鎖を有するビスフェノール骨格含有モノマー、1,2-プロピレングリコール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-エチル-2-ブチルプロパンジオール、ジメチロールヘプタン、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール等の側鎖を有する脂肪族多価アルコール、トリシクロデカンジオール、トリシクロデカンジメタノール、スピログリコール等の側鎖を有する脂環族多価アルコールを挙げることができる。
側鎖を有する多価アルコールの含有量としては、多価アルコール類全体に対して、10モル%以上であることが好ましく、より好ましくは20モル%以上、更に好ましくは30モル%以上である。なお、上限は95モル%である。また、ポリエステル系樹脂全体に対して、5重量%以上、より好ましくは10重量%以上、更に好ましくは15重量%以上である。なお、上限は50重量%である。
側鎖を有する多価アルコールの含有量が少なすぎると、溶剤溶解性及び得られるポリエステル系樹脂溶液の溶液安定性が低下する傾向がある。
なお、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、更に、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のビスフェノール骨格含有モノマー以外のエ-テル結合含有グリコ-ルは、耐熱性や低吸湿性、湿熱環境下での長期耐久性の観点から、ポリエステル系樹脂全体に対する含有量が20重量%以下であることが好ましく、より好ましくは15重量%以下、特に好ましくは10重量%以下、更に好ましくは8重量%以下であり、最も好ましくは5重量%以下である。
〔ポリエステル系樹脂を構成する原料化合物全般〕
ポリエステル系樹脂を構成する化合物は、上記多価カルボン酸類及び多価アルコール類の少なくとも一方が、縮合多環式芳香族化合物を含有していることが低誘電正接の点から好ましい。縮合多環式芳香族化合物は、多価カルボン酸類の縮合多環式芳香族化合物として、例えば、ナフタレンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸ジメチル、アントラセンジカルボン酸等が挙げられ、なかでも、価格や入手容易性の観点からナフタレンジカルボン酸類が好ましく、反応性の点からナフタレンジカルボン酸ジメチルがより好ましい。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。また、多価アルコール類の縮合多環式芳香族化合物としては、例えば、ビスフェノールフルオレンやビスフェニルフェノールフルオレン及びそのエチレンオキサイド、プロピロンオキサイド付加物等の誘導体が挙げられ、なかでも、エチレンオキサイド付加物が好ましく、ビスフェノキシエタノールフルオレン、ビスフェニルフェノキシエタノールフルオレンが特に好ましい。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
本発明においては、低誘電正接の点から、芳香環含有量を高くすることが好ましい。 ポリエステル系樹脂全体に対する芳香環含有量は、低誘電正接の点から、10重量%以上であることが好ましく、より好ましくは15重量%以上、特に好ましくは20重量%以上、更に好ましくは25重量%以上である。上限値としては、通常50重量%である。
ここで、本発明における芳香環含有量の定義及び計算方法については以下のとおりである。
芳香環含有量とは、ポリエステル系樹脂中における芳香環を構成する原子が占める重量割合である。なお、ビスフェノール骨格由来の2つの芳香環部分については、低誘電特性に寄与しないため本発明における芳香環含有量には含めない。ビスフェノール骨格由来の2つの芳香環部分が低誘電正接に寄与しない理由は定かではないが、例えば立体的要因からビスフェノール骨格由来の2つの芳香環は芳香環同士のスタッキングに関与できないためと推測される。
芳香環含有量はポリエステル系樹脂の組成から計算で求められる。かかる計算方法は以下のとおりである。
芳香環含有量(重量%)=A1×(a11×m11+a12×m12+a13×m13・・・)/(x1-y1)+A2×(a21×m21+a22×m22+a23×m23・・・)/(x2-y2)+A3×(a31×m31+a32×m32+a33×m33・・・)/(x3-y3)・・・
A:ポリエステル系樹脂中における各モノマー由来の構造単位の含有量(重量%)
a:各モノマー中の芳香環を構成する原子の原子量(例えば、炭素であれば12、窒素であれば14、等である。また原子が2種以上存在する場合には、上式のa11、a12、a13、・・・に相当し、例えば、a11:炭素、a12:窒素、a13:酸素となる。)
m:各モノマー中の芳香環を構成する原子の数
x:各モノマーの分子量
y:各モノマー中の脱離基の式量の総和
なお、ビスフェノール骨格由来の2つの芳香環部位については、上記理由のとおり、芳香環を構成する原子として含めない(m=0として扱う)。
本発明においては、低誘電正接の点から、脂環含有量を高くすることも好ましい。
なお、前述のとおり、多価カルボン酸類としては芳香族多価カルボン酸類が湿熱環境下での長期耐久性、低誘電正接の観点から好ましいため、脂環骨格の導入は多価アルコール類側で行うことが好ましい。
ここで、本発明における脂環含有量の定義及び計算方法については以下のとおりである。
脂環含有量とは、ポリエステル系樹脂中における脂環を構成する原子が占める重量割合である。
脂環含有量はポリエステル系樹脂の組成から計算で求められる。かかる計算方法は以下のとおりである。
脂環含有量=A1×(a11×n11+a12×n12+a13×n13・・・)/(x1-y1)+A2×(a21×n21+a22×n22+a23×n23・・・)/(x2-y2)+A3×(a31×n31+a32×n32+a33×n33・・・)/(x3-y3)・・・
A:ポリエステル系樹脂中における各モノマー由来の構造単位の含有量(重量%)
a:各モノマー中の脂環を構成する原子の原子量(例えば、炭素であれば12、窒素であれば14、等である。また原子が2種以上存在する場合には、上式のa11、a12、a13、・・・に相当し、例えば、a11:炭素、a12:窒素、a13:酸素となる。)
n:各モノマー中の脂環を構成する原子の数
x:各モノマーの分子量
y:各モノマー中の脱離基の式量の総和
また、分子構造の中に水酸基とカルボキシ基を有するオキシカルボン酸化合物もポリエステル系樹脂の原料化合物として使用することができる。かかるオキシカルボン酸化合物としては、例えば、5-ヒドロキシイソフタル酸、p-ヒドロキシ安息香酸、p-ヒドロキシフェニルプロピオン酸、p-ヒドロキシフェニル酢酸、6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、4,4-ビス(p-ヒドロキシフェニル)バレリック酸等が挙げられる。
本発明で使用されるポリエステル系樹脂は、後述する解重合反応で使用する多価カルボン酸類とは別に、分岐骨格を導入する目的で、3官能以上の多価カルボン酸類、及び3官能以上の多価アルコール類からなる群から選ばれる少なくとも一つが共重合されていることが好ましい。特に、硬化剤と反応させて硬化塗膜を得る場合、分岐骨格を導入することによって、樹脂の末端基濃度(反応点)が増え、架橋密度が高い、強度な塗膜を得ることができる。
その場合の3官能以上の多価カルボン酸類としては、例えば、トリメリット酸、トリメシン酸、エチレングルコールビス(アンヒドロトリメリテート)、グリセロールトリス(アンヒドロトリメリテート)、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸二無水物、オキシジフタル酸二無水物、3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'-ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、4,4'-(ヘキサフロロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物、2,2'-ビス[(ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物等の化合物等が挙げられる。
また、3官能以上の多価アルコール類としては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
3官能以上の多価カルボン酸類及び3官能以上の多価アルコール類は、それぞれ1種又は2種以上を用いることができる。
後述する解重合反応で使用する多価カルボン酸類とは別に、分岐骨格を導入する目的で3官能以上の多価カルボン酸類、及び3官能以上の多価アルコール類からなる群から選ばれる少なくとも一つを使用する場合は、多価カルボン酸類全体に対する3官能以上の多価カルボン酸類の含有量、又は多価アルコール類全体に対する3官能以上の多価アルコール類の含有量は、それぞれ好ましくは0.1~5モル%、より好ましくは0.3~3モル%、更に好ましくは0.5~2モル%の範囲である。両方又はいずれか一方の含有量が多すぎると、接着剤の塗布により形成された塗膜の破断点伸度等の力学物性が低下することとなり接着力が低下する傾向があり、また重合中にゲル化を起こす傾向もある。
〔ポリエステル系樹脂の製造〕
本発明に用いるポリエステル系樹脂は周知の方法により製造することができる。例えば、多価カルボン酸類と多価アルコール類とを、必要に応じて触媒の存在下で、エステル化反応に付してポリエステル系樹脂を得て、更に酸価を導入することにより製造することができる。
ポリエステル系樹脂に酸価を導入する方法としては、例えば、エステル化反応後や減圧重縮合後に酸付加によってカルボン酸を樹脂に導入する方法が挙げられる。酸付加にモノカルボン酸、ジカルボン酸、多官能カルボン酸化合物を用いると、エステル交換により分子量の低下が起こる可能性があり、カルボン酸無水物を少なくとも一つもった化合物を用いることが好ましい。上記カルボン酸無水物としては、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、オルソフタル酸無水物、2,5-ノルボルネンジカルボン酸無水物、テトラヒドロ無水フタル酸、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸二無水物、オキシジフタル酸二無水物、3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'-ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、4,4'-(ヘキサフロロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物、2,2'-ビス[(ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物等の化合物等が挙げられる。
ポリエステル系樹脂を構成する全多価カルボン酸類を100モル%としたとき、15モル%以上の酸付加を行うと、ゲル化を起こすことがある。酸付加の方法としては、バルク状態で直接付加する方法と、ポリエステル系樹脂を溶液化し付加する方法が挙げられる。バルク状態での反応は、速度が速いが、多量に付加するとゲル化が起こることがあり、かつ高温での反応になるので、酸素ガスを遮断し酸化を防ぐ等の注意が必要である。一方、溶液状態での付加は、反応は遅いが、多量のカルボキシ基を安定に導入することができる。
また、側鎖にカルボキシ基を有するポリエステル系樹脂を得るに際しては、多価カルボン酸無水物を除く多価カルボン酸類と多価アルコール類とを共重合して得られる水酸基含有プレポリマーに、多価カルボン酸無水物を反応させる方法が生産性の点で好ましい。
本発明においては、また、別の周知の方法、例えば、多価カルボン酸類と多価アルコール類とを、必要に応じて触媒の存在下で、エステル化反応に付してプレポリマーを得た後、重縮合を行い、更に解重合を行うことにより製造することができる。
多価カルボン酸類と多価アルコール類とのエステル化反応における温度は、通常180~280℃であり、反応時間は通常60分~8時間である。
重縮合における温度は、通常220~280℃であり、反応時間は通常20分~4時間である。また、重縮合は減圧下で行うことが好ましい。
解重合は、酸無水物基数が0又は1である3価以上の多価カルボン酸類を用いることが初期接着性の点から好ましい。酸無水物基数が0又は1である3価以上の多価カルボン酸類としては、例えば、トリメリット酸、トリメリット酸無水物、水添トリメリット酸無水物、トリメシン酸等の化合物が挙げられる。好ましくは、分子量低下を抑制できる点から酸無水物基数が1である3価以上の多価カルボン酸類であり、例えば、トリメリット酸無水物、水添トリメリット酸無水物等が挙げられ、特には低誘電正接の点からトリメリット酸無水物が好ましい。
解重合における温度は、通常200~260℃であり、反応時間は通常10分~3時間である。
ポリエステル系樹脂を構成する全多価カルボン酸類を100モル%としたとき、酸無水物基数が0又は1である3価以上の多価カルボン酸類を20モル%を超えて用いて解重合を行うと、樹脂の分子量が大きく低下することがある。したがって、ポリエステル系樹脂を構成する全多価カルボン酸類を100モル%としたとき、酸無水物基数が0又は1である3価以上の多価カルボン酸類を20モル%以下用いて解重合を行うことが好ましく、より好ましくは1~15モル%、特に好ましくは2~10モル%、更に好ましくは3~8モル%を用いて解重合を行う。
〔ポリエステル系樹脂のガラス転移温度(Tg)〕
本発明に用いるポリエステル系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、-5℃以上であり、好ましくは0~70℃、より好ましくは5~60℃、特に好ましくは10~50℃、更に好ましくは12~40℃、最も好ましくは15~30℃である。
ガラス転移温度(Tg)が低すぎると、初期接着性やタックフリー性が不充分となる。なお、ガラス転移温度(Tg)が高すぎると、初期接着性や屈曲性が不充分になる傾向がある。
ガラス転移温度(Tg)の測定方法は以下のとおりである。
ガラス転移温度(Tg)は示差走査熱量計を用いて測定することにより求めることができる。なお、測定条件は、測定温度範囲-70~140℃、温度上昇速度10℃/分である。
〔ポリエステル系樹脂の酸価〕
本発明に用いるポリエステル系樹脂の酸価は3mgKOH/g以上であり、好ましくは4~60mgKOH/g、より好ましくは5~40mgKOH/g、特に好ましくは6~30mgKOH/g、更に好ましくは7~20mgKOH/gである。
酸価が低すぎると、接着剤組成物にポリエポキシ系化合物等の硬化剤を含有させた場合、硬化剤との架橋点が不足し架橋度が低くなるので、耐熱性が不充分となる。また、酸価が高すぎると、吸湿性や湿熱環境下での長期耐久性が低下したり、硬化時に多量の硬化剤を必要とすることから、近年要求されることが多くなった低誘電特性が得にくい傾向がある。
酸価の定義や測定方法については以下のとおりである。
酸価(mgKOH/g)は、ポリエステル系樹脂1gをトルエン/メタノールの混合溶剤(例えば、体積比でトルエン/メタノール=9/1)30gに溶解し、JIS K0070に基づき中和滴定により求めることができる。
なお、本発明において、ポリエステル系樹脂の酸価は、樹脂中におけるカルボキシ基の含有量に起因するものである。
〔ポリエステル系樹脂のエステル結合濃度〕
本発明に用いるポリエステル系樹脂のエステル結合濃度は、8mmol/g以下であることが好ましく、より好ましくは2~7.5mmol/g、更に好ましくは2.5~7mmol/g、特に好ましくは3~6.5mmol/g、殊に好ましくは3.5~6mmol/gである。
エステル結合濃度が高すぎると、低吸湿性が不充分となる傾向があり、エステル結合濃度が低すぎると、初期接着性が不充分となる傾向がある。
エステル結合濃度の定義や測定方法については以下のとおりである。
エステル結合濃度(mmol/g)とは、ポリエステル系樹脂1g中のエステル結合のモル数のことであり、例えば、仕込み量からの計算値で求められる。かかる計算方法は、多価カルボン酸類と多価アルコール類の各仕込み量のうち、より少ない方のモル数を樹脂全体重量で割った値であり、計算式の例を以下に示す。
なお、多価カルボン酸類と多価アルコール類の各仕込み量が同モル量の場合には、下記のどちらの計算式を用いてもよい。
また、モノマーとして、カルボキシ基と水酸基を両方持ったものを使ったり、カプロラクトン等からポリエステルを作製する場合等は、計算方法を適宜変えることとなる。
(多価カルボン酸類が多価アルコール類よりも少ない場合)
エステル基濃度(mmol/g)=〔(A1/a1×m1+A2/a2×m2+A3/a3×m3・・・)/Z〕×1000
A:多価カルボン酸類の仕込み量(g)
a:多価カルボン酸類の分子量
m:多価カルボン酸類の1分子あたりのカルボン酸基の数
Z:出来上がり重量(g)
(多価アルコール類が多価カルボン酸類よりも少ない場合)
エステル基濃度(mmol/g)=〔(B1/b1×n1+B2/b2×n2+B3/b3×n3・・・)/Z〕×1000
B:多価アルコール類の仕込み量(g)
b:多価アルコール類の分子量
n:多価アルコール類の1分子あたりの水酸基の数
Z:出来上がり重量(g)
上記エステル結合濃度は、NMR等を用いて公知の方法で測定することもできる。
また、エステル結合や反応性官能基以外のその他極性基濃度は、低吸湿性や湿熱環境下での長期耐久性の点から低い方が好ましい。
その他極性基としては、例えば、アミド基、イミド基、ウレタン基、ウレア基、エーテル基、カーボネート基等が挙げられる。
アミド基、イミド基、ウレタン基、ウレア基は、それらの合計の濃度が3mmol/g以下であることが好ましく、より好ましくは2mmol/g以下、特に好ましくは1mmol/g以下、更に好ましくは0.5mmol/g以下であり、最も好ましくは0.2mmol/g以下である。
エーテル基としては、例えば、アルキルエーテル基やフェニルエーテル基が挙げられ、低吸湿性や湿熱環境下での長期耐久性の点から特にアルキルエーテル基の濃度を低くすることが好ましい。アルキルエーテル基濃度としては、3mmol/g以下であることが好ましく、より好ましくは2mmol/g以下、特に好ましくは1.5mmol/g以下、更に好ましくは1mmol/g以下であり、最も好ましくは0.5mmol/g以下である。また、フェニルエーテル基濃度としては、5mmol/g以下であることが好ましく、より好ましくは4mmol/g以下、特に好ましくは3mmol/g以下、更に好ましくは2.5mmol/g以下である。
カーボネート基濃度としては、3mmol/g以下であることが好ましく、より好ましくは2mmol/g以下、特に好ましくは1mmol/g以下、更に好ましくは0.5mmol/g以下であり、最も好ましくは0.2mmol/g以下である。
〔ポリエステル系樹脂のピークトップ分子量(Mp)及び重量平均分子量(Mw)〕
本発明に用いるポリエステル系樹脂のピークトップ分子量(Mp)は、5000~150000が好ましく、より好ましくは10000~100000、特に好ましくは15000~70000、更に好ましくは25000~50000である。
ピークトップ分子量(Mp)が低すぎると、低吸湿性、タックフリー性、湿熱環境下での長期耐久性が不充分となったり、フレキシブル銅張積層板やフレキシブルプリント基板等のフレキシブル積層板を作製する際のプレス加工時に接着剤層のポリエステル系樹脂が流動し染み出してしまう等の不具合が生じる傾向がある。また、ピークトップ分子量(Mp)が高すぎると、初期接着性が不充分となったり、塗布時の溶液粘度が高すぎて、均一な塗膜が得られ難くなる傾向がある。
本発明に用いるポリエステル系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、10000~300000が好ましく、より好ましくは20000~200000、特に好ましくは30000~150000、更に好ましくは40000~100000である。
重量平均分子量(Mw)が低すぎると、低吸湿性、タックフリー性、湿熱環境下での長期耐久性が不充分となったり、フレキシブル銅張積層板やフレキシブルプリント基板等のフレキシブル積層板を作製する際のプレス加工時に接着剤層のポリエステル系樹脂が流動し染み出してしまう等の不具合が生じる傾向がある。また、重量平均分子量(Mw)が高すぎると、初期接着性が不充分となったり、塗布時の溶液粘度が高すぎて、均一な塗膜が得られ難くなる傾向がある。
ピークトップ分子量(Mp)及び重量平均分子量(Mw)の測定方法は以下のとおりである。
ピークトップ分子量(Mp)及び重量平均分子量(Mw)は、高速液体クロマトグラフィー(東ソー社製、「HLC-8320GPC」)にてカラム(TSKgel SuperMultipore HZ-M(排除限界分子量:2×106、理論段数:16000段/本、充填剤材質:スチレン-ジビニルベンゼン共重合体、充填剤粒径:4μm)の2本直列を用いて測定し、標準ポリスチレン分子量換算により求めることができる。
〔ポリエステル系樹脂の吸水率(重量%)〕
本発明に用いるポリエステル系樹脂の吸水率は、2重量%以下が好ましく、より好ましくは1重量%以下、特に好ましくは0.8重量%以下、更に好ましくは0.6重量%以下である。
吸水率が高すぎると湿熱耐久性、絶縁信頼性が低下したり、誘電特性が劣る傾向がある。なお、誘電特性に劣るとは、比誘電率や誘電正接の値が小さくならないこと、あるいは、値が大きくなることを意味するものである。
吸水率の測定方法は以下のとおりである。
ポリエステル系樹脂溶液(硬化剤配合前)を離型フィルム上にアプリケーターで塗布、120℃で10分間乾燥し、ポリエステル系樹脂層の乾燥膜厚が65μmのシートを作製する。このシートを7.5cm×11cmのサイズに6枚切り出す。次に、切り出したシートの離型フィルムを剥がし、これらのシートを積層した後、シートの一方のポリエステル系樹脂層面をガラス板上にラミネートすることによりガラス板上に厚み390μmのポリエステル系樹脂層を有する試験板を得る。
このようにして得られる試験板を23℃の精製水に24時間浸漬させた後、取り出して表面の水気をふき取り、70℃で2時間乾燥させた。これらの各工程において必要な重量を測定して、下記式に従って重量変化から吸水率(重量%)を算出する。
吸水率(重量%)=(c-d)×100/(b-a)
a:ガラス板単独の重量
b:初期の試験板の重量
c:精製水から取り出して水気をふき取った直後の試験板の重量
d:70℃で2時間乾燥させた後の試験板の重量
〔ポリエステル系樹脂の誘電特性〕
(比誘電率(Dk))
本発明に用いるポリエステル系樹脂の温度23℃、相対湿度50%RH環境下での周波数10GHzにおける比誘電率は、2.8以下が好ましく、より好ましくは2.7以下、特に好ましくは2.6以下、更に好ましくは2.5以下である。上記比誘電率が高すぎると基板にした際の伝送速度が劣ったり伝送損失が大きくなる傾向がある。
(誘電正接(Df))
本発明に用いるポリエステル系樹脂の温度23℃、相対湿度50%RH環境下での周波数10GHzにおける誘電正接は、0.0050以下であり、好ましくは0.0045以下、より好ましくは0.0040以下、特に好ましくは0.0035以下、更に好ましくは0.0030以下、殊に好ましくは0.0025以下、最も好ましくは0.002以下である。上記誘電正接が高すぎると基板にした際の伝送損失が大きくなる。
比誘電率及び誘電正接の測定方法はネットワークアナライザを用いた空洞共振器摂動法により求めることができる。なお、ポリエステル系樹脂の粘着性が強く単独での測定サンプルの作製が困難な場合は、フィルムにサンドした状態で測定し、フィルム分を差し引くことでポリエステル系樹脂単独の誘電特性を算出することもできる。
かくして本発明において、従来に比べて、誘電正接の非常に小さいポリエステル系樹脂を得ることができる。
そして、誘電正接の非常に小さいポリエステル系樹脂は、高周波数領域での伝送損失を抑制できる点から、電子材料部材の貼り合わせ等に用いる接着剤の原料として非常に有用となる。
また、本発明においては、非結晶性のポリエステル系樹脂であることが溶剤溶解性及びその溶液安定性の点で好ましい。結晶性であると溶剤溶解性やその溶液安定性が不充分となる傾向がある。
非結晶性は、示差走査熱量計により確認することができ、例えば、測定温度範囲-70~400℃、温度上昇速度10℃/分で測定した際に結晶融解による吸熱ピークが観測されないものを言う。なお、測定温度範囲や昇温速度はサンプルに応じて適宜変更することができる。
また、本発明においては、ポリエステル系樹脂が非ハロゲン系の有機溶剤に可溶であることが後述の接着剤組成物とする点から好ましい。かかる有機溶剤に対する溶解性が不充分であると、接着剤組成物の調製が困難となる傾向がある。
上記非ハロゲン系の有機溶剤とは、例えば、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ、ソルベッソ等の芳香族系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコール系溶剤、酢酸エチル、酢酸ノルマルブチル等エステル系溶剤、セロソルブアセテート、メトキシアセテート等のアセテート系溶剤、又はそれら溶剤の2種類以上の混合物等である。
<硬化剤>
本発明の接着剤組成物は、硬化剤を更に含有することが好ましい。硬化剤を含有させることにより、ポリエステル系樹脂中の官能基とかかる官能基と反応する官能基を有する硬化剤とが反応し、硬化して、接着力や耐熱性、耐久性に優れた接着剤を得ることができる。
かかる硬化剤としては、例えば、ポリイソシアネート系化合物、ポリエポキシ系化合物等、ポリエステル系樹脂に含まれる水酸基及びカルボキシ基の少なくとも一方と反応する官能基を有する化合物が挙げられ、なかでも、半田耐熱性の点でポリエポキシ系化合物であることが好ましい。
上記ポリイソシアネート系化合物としては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート 、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート等のポリイソシアネートがあげられ、また、トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート付加物、ヘキサメチレンジイソシアネート付加物やイソホロンジイソシアネート付加物等のイソシアネート付加物等があげられる。なお、上記ポリイソシアネート系化合物は、フェノール、ラクタム等でイソシアネート部分がブロックされたものでも使用することができる。これらのイソシアネート系化合物は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上混合して使用してもよい。
上記ポリエポキシ系化合物としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、ブロム化ビスフェノールAジグリシジルエーテル等の2官能グリシジルエーテルタイプ;フェノールノボラックグリシジルエーテル、クレゾールノボラックグリシジルエーテル等の多官能グリシジルエーテルタイプ;ヘキサヒドロフタル酸グリシジルエステル、ダイマー酸グリシジルエステル等のグリシジルエステルタイプ;トリグリシジルイソシアヌレート、3,4-エポキシシクロヘキシルメチルカルボキシレート、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化大豆油等の脂環族又は脂肪族エポキサイド等が挙げられる。これらのポリエポキシ系化合物は、1種又は2種以上を用いることができる。なかでも、反応性の点からはグリシジルエーテルタイプ及びグリシジルエステルタイプが好ましく、湿熱耐久性の観点からはグリシジルエーテルタイプが好ましく、半田耐熱性の観点からは多官能タイプが好ましい。
また、ポリエポキシ系化合物のエポキシ当量は500g/eq以下であることが好ましく、より好ましくは350g/eq以下、特に好ましくは250g/eq以下、更に好ましくは200g/eq以下である。ポリエポキシ系化合物のエポキシ当量が大きすぎると硬化後の架橋密度が低くなるため半田耐熱性に劣ったり、架橋密度を稼ぐために多量のポリエポキシ系化合物を添加する必要があるため誘電特性に劣る傾向がある。
更に、ポリエポキシ系化合物として、窒素原子を含有するポリエポキシ系化合物(窒素原子含有ポリエポキシ系化合物)を含有すると、比較的低い温度の加熱で接着剤組成物の塗膜をBステージ化(半硬化状態)することができ、かつBステージフィルムの流動性を抑えて接着操作における作業性を向上させることができる傾向にある。またBステージフィルムの発泡を抑える効果が期待でき、好ましい。
窒素原子含有ポリエポキシ系化合物としては、例えば、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルパラアミノフェノール、テトラグリシジルビスアミノメチルシクロヘキサノン、N,N,N',N'-テトラグリシジル-m-キシレンジアミン等のグリシジルアミン系等が挙げられる。
本発明の接着剤組成物がポリエポキシ系化合物を含有し、更に、ポリエポキシ系化合物がこれら窒素原子含有ポリエポキシ系化合物を含有する場合、かかる窒素原子含有ポリエポキシ系化合物の含有量は、ポリエポキシ系化合物全体に対して30重量%以下であることが好ましく、より好ましくは25重量%以下、特に好ましくは20重量%以下である。 また、かかる窒素原子含有ポリエポキシ系化合物の含有量は、ポリエステル系樹脂100重量部に対して、5重量部以下であることが好ましく、より好ましくは3重量部以下、特に好ましくは2重量部以下である。
かかる窒素原子含有ポリエポキシ系化合物の含有量が多すぎると、過度に剛直性が高くなり、接着性が低下する傾向にあり、また、接着シート保存中に架橋反応が進み易く、シートライフが低下する傾向にある。
カルボキシ基に対するエポキシ基の当量は、0.7~5が好ましく、より好ましくは0.8~3、特に好ましくは0.9~2.5、更に好ましくは1~2である。
当該当量が大きすぎると、初期接着性や低吸湿性が不充分となったり、誘電特性が劣ったりする傾向がある。また、小さすぎると、湿熱環境下での長期耐久性や半田耐熱性が不充分となる傾向がある。
カルボキシ基(COOH)に対するエポキシ基の当量は、ポリエステル系樹脂の酸価と、配合したポリエポキシ系化合物のエポキシ当量(g/eq)から、下記式により求められる。
COOHに対するエポキシの当量=(a÷WPE)/(AV÷56.1÷1000×b)
a:配合に用いたポリエポキシ系化合物の重量(g)
WPE:ポリエポキシ系化合物のエポキシ当量(g/eq)
AV:ポリエステル系樹脂の酸価(mgKOH/g)
b:配合に用いたポリエステル系樹脂の重量(g)
<接着剤組成物>
本発明の接着剤組成物は、ポリエステル系樹脂を少なくとも含有し、好ましくは、更に硬化剤を含有し、低誘電特性に優れ、低吸湿性、高接着性、湿熱環境下での長期耐久性に優れるという効果を奏する。
本発明の接着剤組成物においては、フィラーや難燃剤等を配合することもあり、その場合、接着剤組成物における本発明のポリエステル系樹脂の含有量は、フィラーや難燃剤等を配合することを考慮すると、固形分全体に対して、好ましくは30重量%以上であり、より好ましくは40~95重量%、特に好ましくは50~90重量%、更に好ましくは60~85重量%である。
また、本発明の接着剤組成物が硬化剤を含有する場合、硬化剤の含有量は、本発明のポリエステル系樹脂100重量部に対して、好ましくは1~30重量部、より好ましくは2~20重量部、特に好ましくは3~15重量部、更に好ましくは4~10重量部である。硬化剤の含有量が少なすぎると耐熱性や湿熱環境下での長期耐久性が不充分となる傾向があり、多すぎると初期接着性や低吸湿性が不充分となったり、誘電特性が劣ったりする傾向がある。
本発明の接着剤組成物には、接着剤組成物の粘度を適度に調整し、塗膜を形成する際の取り扱いを容易にするために、溶剤を配合してもよい。溶剤は、接着剤組成物の成形における取り扱い性、作業性を確保するために用いられ、その使用量には特に制限がない。
溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類;エチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等のアミド類;メタノール、エタノール等のアルコール類;ヘキサン、シクロヘキサン等のアルカン類;トルエン、キシレン等の芳香族類等が挙げられる。以上に挙げた溶剤は、1種のみで用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で混合して用いてもよい。
〔その他成分〕
本発明の接着剤組成物には、その機能性の更なる向上を目的として、上記に挙げた成分以外のその他成分を含んでいてもよい。その他成分としては、例えば、無機フィラー、シランカップリング剤等のカップリング剤、紫外線防止剤、酸化防止剤、可塑剤、フラックス、難燃剤、着色剤、分散剤、乳化剤、低弾性化剤、希釈剤、消泡剤、イオントラップ剤、レベリング剤、触媒等が挙げられる。
本発明の接着剤組成物がその他成分を含有する場合、その他成分の含有量は、好ましくは70重量%以下であり、より好ましくは0.05~60重量%、特に好ましくは0.1~50重量%、更に好ましくは0.2~40重量%である。
<接着剤>
本発明の接着剤は、上記接着剤組成物を硬化することにより得られ、初期接着性、低吸湿性、湿熱環境下での長期耐久性に優れるという効果を奏する。
本発明における「硬化」とは熱及び/又は光等により接着剤組成物を意図的に硬化させることを意味し、その硬化の程度は所望の物性、用途により制御することができる。硬化の程度は接着剤のゲル分率によって確認することができ、好ましくはゲル分率が50%以上、より好ましくは60%以上、特に好ましくは70%以上、更に好ましくは75%以上である。ゲル分率が低すぎると耐熱性や湿熱環境下での長期耐久性が不充分となる傾向がある。
なお、上記のゲル分率とは、接着剤をメチルエチルケトン中に23℃×24時間浸漬し、浸漬前の接着剤重量に対する不溶解の接着剤成分の重量百分率を意味する。
本発明の接着剤組成物を硬化又は半硬化させて接着剤とする際の接着剤組成物の硬化方法は、接着剤組成物中の配合成分や配合量によっても異なるが、通常80~200℃で1分~10時間の加熱条件が挙げられる。
硬化剤を用いて本発明の接着剤組成物を硬化するに際しては触媒を用いてもよい。
そのような触媒としては、例えば、2-メチルイミダゾールや1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾール等のイミダゾール系化合物;トリエチルアミンやトリエチレンジアミン、N'-メチル-N-(2-ジメチルアミノエチル)ピペラジン、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)-ウンデセン-7、1,5-ジアザビシクロ(4,3,0)-ノネン-5、6-ジブチルアミノ-1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)-ウンデセン-7等の三級アミン類;及びこれらの三級アミン類をフェノールやオクチル酸、四級化テトラフェニルボレート塩等でアミン塩にした化合物;トリアリルスルフォニウムヘキサフルオロアンチモネートやジアリルヨードニウムヘキサフルオロアンチモナート等のカチオン触媒;トリフェニルフォスフィン等が挙げられる。これらのうち、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)-ウンデセン-7や1,5-ジアザビシクロ(4,3,0)-ノネン-5、6-ジブチルアミノ-1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)-ウンデセン-7等の三級アミン類;及びこれらの三級アミン類をフェノールやオクチル酸、四級化テトラフェニルボレート塩等でアミン塩にした化合物が、熱硬化性及び耐熱性、金属への接着性、配合後の保存安定性の点で好ましい。
その際の配合量は、ポリエステル系樹脂100重量部に対して0.01~1重量部であることが好ましい。この範囲であればポリエステル系樹脂と硬化剤との反応に対する触媒効果が一段と増し、強固な接着性能を得ることができる。
〔用途〕
本発明の接着剤は、初期接着性、低吸湿性、湿熱環境下での長期耐久性に優れるので、樹脂や金属等の各種材料からなる基材の接着に有効であり、特に、金属層とプラスチック層との積層板を作製するための接着剤、例えば、電子材料部材の貼り合せに用いられる接着剤に好適である。
本発明における「電子材料部材」としては、例えば、フレキシブルプリント基板、カバーレイ、ボンディングシート等が挙げられる。
電子材料部材の貼り合せにより作製されるものとしては、例えば、フレキシブル銅張積層板やフレキシブルプリント基板等のフレキシブル積層板が挙げられる。フレキシブル積層板は、例えば、「可撓性を有するフレキシブル基板/接着剤層/銅やアルミニウム、これらの合金等からなる導電性金属層」を順次積層した積層体であり、接着剤層を構成する接着剤として本発明の接着剤を用いることができる。なお、フレキシブル積層板は、上記の各種層以外に、他の絶縁層、他の接着剤層、他の導電性金属層を更に含んでいてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、例中「部」、「%」とあるのは、重量基準を意味する。
芳香環含有量、脂環含有量、ガラス転移温度(℃)、酸価(mgKOH/g)、エステル結合濃度(mmol/g)、ピークトップ分子量(Mp)、重量平均分子量(Mw)、誘電特性、COOHに対するエポキシ基の当量については、本明細書の記載に従って測定を行なった。その他の物性の測定方法は次のとおりである。
〔ダイマージオール含有量〕
ポリエステル系樹脂に対するダイマージオールの含有量(%)を示す。
<ポリエステル系樹脂の製造>
以下の表1で記載する組成は、出来上がりの組成比(樹脂組成比)であり、得られたポリエステル系樹脂の各構成モノマー量の相対比(モル比)とその%である。
〔ポリエステル系樹脂(A-1)の製造〕
温度計、撹拌機、精留塔、窒素導入管の付いた反応缶に、多価カルボン酸類としてイソフタル酸(IPA)263.7部(1.5872モル)、トリメリット酸無水物(TMAn)3.1部(0.0161モル)、多価アルコール類としてビスフェノールAのエチレンオキサイド約2モル付加物「ニューポールBPE-20」(BPE-20)(三洋化成工業社製)105.0部(0.3221モル)、エチレングリコール(EG)65.0部(1.0472モル)、ダイマージオール「プリポール2033」(P2033)(クローダ社製)234.5部(0.4431モル)、ネオペンチルグリコール(NPG)62.9部(0.6039モル)、触媒としてテトラブチルチタネート0.1部を仕込み、内温が270℃となるまで2.5時間かけて昇温し、270℃で1.5時間、エステル化反応を行った。
次いで、触媒としてテトラブチルチタネート0.1部を追加し、系内を2.5hPaまで減圧し、2時間かけて重合反応を行った。
その後、内温を230℃まで下げ、トリメリット酸無水物(TMAn)15.8部(0.0822モル)を添加し230℃で1時間解重合反応を行い、ポリエステル系樹脂(A-1)を得た。
〔ポリエステル系樹脂(A-2~12、A'-1~2)の製造〕
樹脂組成を表1に記載のとおりになるよう変更した以外はA-1と同様にしてポリエステル系樹脂(A-2~12、A'-1~2)を得た。
得られたポリエステル系樹脂の樹脂組成(成分由来の構造単位)及び諸物性を表2に示す。なお、表1中、各略称は以下のとおりである。
「NDCM」:ナフタレンジカルボン酸ジメチル
「TPA」:テレフタル酸
「IPA」:イソフタル酸
「DMI」:イソフタル酸ジメチル
「P1009」:ダイマー酸「プリポール1009」(クローダ社製)
「TMAn」:トリメリット酸無水物
「BPEF」:ビスフェノキシエタノールフルオレン
「BOPPEF」:ビスフェニルフェノキシエタノールフルオレン
「BPE-20」:ビスフェノールAのエチレンオキサイド約2モル付加物「ニューポールBPE-20」(三洋化成工業社製)
「TCD-DM」:トリシクロデカンジメタノール
「EG」:エチレングリコール
「2MPG」:2-メチルー1,3-プロパンジオール
「NPG」:ネオペンチルグリコール
「1.4BG」:1.4-ブタンジオール
「1.6HG」:1,6-ヘキサンジオール
「1.10DG」:1,10-デカンジオール
「P2033」:ダイマージオール「プリポール2033」(クローダ社製)
Figure 0007279842000001
Figure 0007279842000002
<硬化剤>
硬化剤として、以下のポリエポキシ系化合物を用意した。
・ポリエポキシ系化合物(B-1):フェノールノボラック型エポキシ樹脂「YDPN-638」(日鉄ケミカル&マテリアル社製)(エポキシ当量=177(g/eq))
・ポリエポキシ系化合物(B-2):グリシジルエーテル型特殊多官能エポキシ樹脂「jER-1031S」(三菱ケミカル社製)(エポキシ当量=200(g/eq))
・ポリエポキシ系化合物(B-3):トリグリシジルパラアミノフェノール「jER-630」(三菱ケミカル社製)(エポキシ当量=96(g/eq))
・ポリエポキシ系化合物(B-4):テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン「jER-604」(三菱ケミカル社製)(エポキシ当量=120(g/eq))
<接着剤組成物の製造>
上記で得られたポリエステル系樹脂及び硬化剤を用いて、下記のとおり接着剤組成物を製造した。
(実施例1)
上記で得られたポリエステル系樹脂(A-1)をトルエン/シクロヘキサン=4/1(重量比)混合溶媒で固形分濃度50%に希釈し、このポリエステル系樹脂(A-1)溶液(固形分として100部)に対し、ポリエポキシ系化合物(B-1)(固形分)を10部配合し、更にトルエン/シクロヘキサン=4/1(重量比)混合溶媒で固形分50%になるように希釈、撹拌、混合することにより、接着剤組成物を得た。
(実施例2~7、比較例1~2)
実施例1において、表3に示すとおりの樹脂組成とした以外は同様にして、接着剤組成物を得た。
得られた接着剤組成物を用いて以下のとおり評価を行い、その結果を表3に示す。
<積層体の作製>
上記で調製した接着剤組成物を厚み50μmのポリイミドフィルム「カプトン200H」(東レ・デュポン社製)にアプリケーターで塗布した後、120℃で5分間乾燥し、乾燥膜厚25μmの接着層を形成した。次に厚み30μmの圧延銅箔を上記接着層付きポリイミドフィルムの接着層面とラミネート(ラミネート条件:170℃、0.2MPa、送り速度1.5m/min)し、次いで160℃のオーブンで4時間熱処理、硬化させることで積層体を得た。
〔初期接着力〕
上記で得られた積層体を1cm幅に切り出したものを試験片とした。両面テープを用いて試験片を厚み2mmのガラス板に固定し、温度23℃、相対湿度50%RHの環境下で剥離試験機を用いて、試験片の引張剥離強度を測定した(剥離速度:50mm/min、剥離角度:180°)。評価基準は下記のとおりとした。
◎:12N/cm以上
○:9N/cm以上、12N/cm未満
△:6N/cm以上、9N/cm未満
×:6N/cm未満
〔湿熱耐久性〕
上記で得られた積層体を温度85℃、相対湿度85%RHの恒温恒湿機に入れ、所定時間後に取り出し、温度23℃、相対湿度50%RHの環境下に一晩静置した後、上記の初期接着力と同様にして、引張剥離強度を測定した。初期の接着力に対する湿熱処理後の接着力の百分率を「維持率」とした。
接着力の絶対値については初期接着力と同様の評価基準を用いて評価した。
接着力の維持率については下記の評価基準に基づいて評価した。
◎:維持率が80%以上
○:維持率が60%以上、80%未満
△:維持率が40%以上、60%未満
×:維持率が40%未満
〔ゲル分率〕
上記で得られた接着層付きポリイミドフィルムを160℃で4時間熱処理し硬化させた後、4cm×4cmサイズに切り出した。これを200メッシュのSUS製金網で包み、メチルエチルケトン中に23℃×24時間浸漬し、浸漬前の接着剤重量に対する金網中に残存した不溶解の接着剤成分の重量百分率をゲル分率とした。
Figure 0007279842000003
上記表1~3の結果より、本発明の要件を満たす製造例1~12のポリエステル系樹脂(A-1)~(A-12)は低誘電率及び低誘電正接、特には低誘電正接に優れ、それらを用いて得られた実施例1~7の接着剤組成物は、硬化後の初期接着性、更には湿熱環境下での長期耐久性に優れるものである。
一方、比較製造例1のポリエステル系樹脂(A'-1)は低誘電正接に劣り、それを用いて得られた比較例1は硬化後の初期接着性、更には湿熱環境下での長期耐久性にも劣るものであった。また、比較製造例2のポリエステル系樹脂(A'-2)は低誘電率、低誘電正接に関して劣るものであった。
本発明の接着剤組成物は、ポリエステル系樹脂を含有する接着剤組成物であり、低誘電率及び低誘電正接、特には低誘電正接であり、また、硬化後の初期接着性、更には湿熱環境下での長期耐久性に優れるという効果を奏するものであり、とりわけ金属とプラスチックの積層板を作製するための接着剤、例えば、フレキシブル銅張積層板やフレキシブルプリント基板等のフレキシブル積層板等に用いられる接着剤として有効である。

Claims (8)

  1. ポリエステル系樹脂と硬化剤とを含有する接着剤組成物であって、
    上記ポリエステル系樹脂が、多価カルボン酸類由来の構造単位と多価アルコール類由来の構造単位を含むポリエステル系樹脂であって、上記多価カルボン酸類が芳香族カルボン酸を含み、上記多価アルコール類がダイマージオールを含み、上記多価カルボン酸類及び多価アルコール類の少なくとも一方が、3価以上の多価カルボン酸類及び3官能以上の多価アルコール類の少なくとも一方を含み、ガラス転移温度(Tg)が-5℃以上あり、温度23℃、相対湿度50%RH環境下での10GHzにおける誘電正接(α)が0.0050以下であり、
    上記硬化剤が、ポリエポキシ系化合物であることを特徴とする接着剤組成物
  2. 多価カルボン酸類が、酸無水物基数が0又は1である3価以上の多価カルボン酸類を含むことを特徴とする請求項1記載の接着剤組成物
  3. 多価カルボン酸類及び多価アルコール類の少なくとも一方が、縮合多環式芳香族化合物を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の接着剤組成物
  4. ポリエステル系樹脂が、非結晶性であることを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の接着剤組成物
  5. 硬化剤の含有量が、ポリエステル系樹脂100重量部に対して、30重量部以下であることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
  6. 請求項のいずれか一項に記載の接着剤組成物が硬化されてなることを特徴とする接着剤。
  7. 電子材料部材の貼り合せに用いられることを特徴とする請求項記載の接着剤。
  8. 電子材料部材が、フレキシブル銅張積層板、カバーレイ及びボンディングシートから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項記載の接着剤。
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