JPH1138642A - 感光性永久マスクパターンの製造法及び現像液 - Google Patents

感光性永久マスクパターンの製造法及び現像液

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JPH1138642A
JPH1138642A JP19265197A JP19265197A JPH1138642A JP H1138642 A JPH1138642 A JP H1138642A JP 19265197 A JP19265197 A JP 19265197A JP 19265197 A JP19265197 A JP 19265197A JP H1138642 A JPH1138642 A JP H1138642A
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JP
Japan
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acid
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permanent mask
mask material
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Application number
JP19265197A
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English (en)
Inventor
Hitoshi Amanokura
仁 天野倉
Fumihiko Ota
文彦 太田
Ritsuko Obata
立子 小畑
Satohiko Akahori
聡彦 赤堀
Kenji Suzuki
健司 鈴木
Hiroshi Nishizawa
▲広▼ 西澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Publication date
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Non-Metallic Protective Coatings For Printed Circuits (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の感光性永久マスクの現像時間、解像性
及び現像残渣における問題点を解消した感光性永久マス
ク材料用現像液及びこれを用いた感光性永久マスクパタ
ーンの製造法を提供する。 【解決手段】 一般式(I)又は一般式(II) 【化1】 (式中、R1は炭素数1〜20のアルキル基を示し、R2
は炭素数1〜20のアルキレン基を示す)で表される化
合物を含有する現像液であって、(A)酸価が20〜3
00、重量平均分子量が400〜500,000の樹
脂、(B)エチレン性不飽和結合を分子内に1個以上有
する光重合性化合物及び(C)光重合開始剤を含有して
なる感光性永久マスク材料を現像するための感光性永久
マスク材料用現像液及びこれを用いた感光性永久マスク
パターンの製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感光性永久マスク
材料用現像液、これを用いた感光性永久マスクパターン
の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プリント回路板製造において、プ
リント回路板の永久保護被膜として、感光性永久マスク
が広く用いられている。本来感光性永久マスクは半田付
け時のはんだブリッジの防止、及び使用時の導体部の腐
食防止と電気絶縁性の保持等を目的として使用されてい
る。
【0003】近年、プリント回路基板の中で、0.4m
m以下のポリエステルフィルムやポリイミドフィルムを
用いたフィルム状の基材を用いたフレキシブル回路基板
(Flexible printed circuit
board ; 以下、FPCと略す)の需要が高ま
っており、このFPCには(1)機器に折曲げて組み込
むことで省スペース化が可能、(2)可動部に配線とし
て利用できる、等の特長があり、このFPCにも永久保
護被膜として高密度実装可能な感光性永久マスクが用い
られつつある。通常FPC用の感光性永久マスクをカバ
ーレイあるいはカバーコートと呼び、一般にドライフィ
ルム型のもの(ドライフィルムの貼付で形成されるも
の)をカバーレイ、溶液型(溶液を用いて製膜されたも
の)をカバーコートと呼んでいる。このカバーレイある
いはカバーコートは半田付け時のはんだブリッジの防
止、及び使用時の導体部の腐食防止と電気絶縁性の保持
等を目的とする以外に、連続屈曲による配線の断線を抑
制するために用いられている。
【0004】また、近年の超LSIの高集積化に伴いQ
FP等のアウターリードの狭ピッチ化が進んでいる中、
リードピッチ間0.3mmの半導体パッケージが実用段
階に入っているが、ピッチ間0.3mmのQFPに限界
を感じた北米等ではBGA(ボールグリッドアレイ)パ
ッケージが提唱され、実用化されている。このBGAと
は、プリント回路板に半導体素子をワイヤーボンディン
グ法(金線接続)により接続し、封止剤で封止した半導
体パッケージであり、はんだボールを用いてプリント回
路板(マザーボード)に面実装される。また、このBG
Aと同様に半導体素子を直接プリント回路板にワイヤー
ボンディング法(金線接続)で接続するチップオンボー
ド(COB)法も腕時計の分野等で実施されている。こ
れらBGA、COBにもプリント回路板の永久保護被膜
として感光性永久マスク材料が使用されている。
【0005】現在、上記した感光性永久マスクのパター
ン形成における現像工程において、通常は炭酸ナトリウ
ム又は炭酸カリウム水溶液の現像液を用いるのが一般的
であるが、感光性永久マスクはプリント回路板等の配線
パターン形成などに用いられる感光性レジストよりもア
ミド基、エポキシ基、エステル基、及び芳香族環等が多
量に含まれる化合物となっているため、(1)現像時間
が長すぎる、(2)解像性が悪い、(3)現像残渣が発
生する、等現像に関与する問題が多発ししている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の感光
性永久マスクの現像時間、解像性及び現像残渣における
問題点を解消した感光性永久マスク材料用現像液及びこ
れを用いた感光性永久マスクパターンの製造法に関す
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意検討を重ねた結果、現像液中に一
般式(I)又は一般式(II)で表される化合物を添加
することにより現像残渣の発生しない感光性永久マスク
が形成できることを見いだした。現像液中に一般式
(I)又は一般式(II)で表される化合物を添加する
ことにより現像残渣の発生がなくなる理由は、一般式
(I)又は一般式(II)で表される化合物が界面活性
を示し、現像液の感光性永久マスク材料との親和性を高
めているためと推測される。
【0008】すなわち、本発明は一般式(I)又は一般
式(II)
【0009】
【化2】 (式中、R1は炭素数1〜20のアルキル基を示し、R2
は炭素数1〜20のアルキレン基を示す)で表わされる
化合物を含有する現像液であって、(A)酸価20〜3
00、重量平均分子量が400〜500,000の樹
脂、(B)エチレン性不飽和結合を分子内に1個以上有
する光重合性組成物及び(C)光重合開始剤を含有して
なる感光性永久マスク材料を現像するための感光性永久
マスク材料用現像液に関する。
【0010】また、本発明は、(イ)上記の感光性永久
マスク材料を基板上に膜として形成する工程、(ロ)活
性光線を画像状に照射し、露光部を光硬化させる工程及
び(ハ)不要部を前記の感光性永久マスク材料用現像液
により現像除去する工程からなる感光性永久マスクパタ
ーンの製造法に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の(A)成分の樹脂は酸価
が20〜300mgKOH/g、重量平均分子量が40
0〜500,000であれば、特に制限はないが、好ま
しくは以下に示すアクリル樹脂、エポキシ樹脂、共役ジ
エン(共)重合体にカルボン酸を付加した樹脂、ポリア
ミド酸、アミドエポキシ樹脂が用いられる。
【0012】(1)アクリル樹脂としては、(メタ)ア
クリル酸及び(メタ)アクリル酸エステルを必須成分と
して共重合した樹脂が挙げられる。アクリル酸及びメタ
クリル酸はそれらを単独でもしくは両者を併用して用い
ることができ、その使用量は、ポリマーの酸価が20〜
300の範囲となるよう適宜使用される。
【0013】(メタ)アクリル酸エステルとしては、例
えば、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エ
チルメタクリレート、エチルアクリレート、イソプロピ
ルアクリレート、ブチルメタクリレート、n−ブチルア
クリレート、イソブチルアクリレート、n−ヘキシルア
クリレート、n−オクチルアクリレート、n−オクチル
メタクリレート、2−エチルへキシルアクリレート、n
−デシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシヘチルアクリレート、シクロヘキシ
ルメタクリレート、(メタ)アクリル酸グリシジル等が
挙げられ、これらは単独又は2種以上組み合わせて用い
ることができる。
【0014】この中でメタクリレートは好適で、特に、
アクリル樹脂を構成する共重合モノマーの総量100重
量部に対して60〜85重量部用いると、レジスト膜の
粘着性がなくなり、傷がつきにくく、また、レジスト膜
同志を重ねても粘着しないので、レジスト膜を形成した
基板を積み重ねることが可能となり好ましい。
【0015】必須共重合モノマーとしての(メタ)アク
リル酸及び(メタ)アクリル酸エステル以外に必要に応
じて用いられる共重合モノマーとしては、アクリロニト
リル、スチレン、塩化ビニル等の一般的な重合性モノマ
ーが挙げられ、これらは一種単独で、又は二種以上組み
合わせて用いることができる。
【0016】上記アクリル樹脂は、前記のモノマーを有
機溶媒中でアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメ
チルバレロニトリル、過酸化ベンゾイル等の重合開始剤
を用いる一般的な溶液重合により得ることができる。こ
の場合、用いる有機溶媒に特に制限はないが、ジオキサ
ン、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレ
ングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール
モノアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエー
テルアセテートなどの親水性の有機溶媒やトルエン、キ
シレン、ベンゼン等の疎水性の有機溶媒が用いられる。
【0017】また、グリシジル基を有するアクリル樹脂
に(メタ)アクリル酸エステルを反応させ、樹脂中に
(メタ)アクリロイル基を含有させてもよい。
【0018】(2)エポキシ樹脂としては、例えば、オ
クソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノール
ノボラック型エポキシ樹脂、ハロゲン化フェノールノボ
ラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、
トリス−(ヒドロキシフェニル)メタントリグリシジル
エーテル、テトラグリシジル−4,4′−ジアミノジフ
ェニルメタン等の少なくとも2個のエポキシ基及びフェ
ノール性の水酸基を有する芳香族系エポキシ樹脂あるい
は2級の水酸基を有するフェノキシ樹脂に多塩基酸無水
物を付加させたものが挙げられる。
【0019】ノボラック型エポキシ樹脂は、例えば、オ
ルソクレゾール、フェノール、ハロゲン化フェノール等
とアルデヒドを酸触媒の存在下に反応させて得られるノ
ボラック型樹脂のフェノール性水酸基にアルカリの存在
下にエピクロルヒドリンを反応させて得られるもので、
商業的に入手可能である。
【0020】オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹
脂としては、例えば、チバ・ガイギー社製、アラルダイ
トECN1299(軟化点80℃、エポキシ当量23
0)、ECN1273(軟化点73℃、エポキシ当量2
30)、日本化薬(株)製ECON104(軟化点90
〜100℃、エポキシ当量225〜245)、ECON
103(軟化点80〜90℃、エポキシ当量215〜2
35)、ECON102(軟化点70〜80℃、エポキ
シ当量215〜235)、ECON101(軟化点65
〜69℃、エポキシ当量205〜225)等が挙げら
る。
【0021】フェノールノボラック型エポキシ樹脂とし
ては、例えばシェル社製、エピコート152(エポキシ
当量175)、エピコート154(エポキシ当量176
〜181)、ダウケミカル社製、DEN431(エポキ
シ当量172〜179)、DEN438(エポキシ当量
175〜182)、東都化成(株)製、YDPN−63
8(エポキシ当量170〜190)、YDPN−601
(エポキシ当量180〜220)、YDPN−602
(エポキシ当量180〜220)等が挙げられるハロゲ
ン化フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、例
えば、日本化薬(株)製、BREN(エポキシ当量27
0〜300、臭素含有量35〜37重量%、軟化点80
〜90℃)等の臭素化フェノールノボラック型エポキシ
樹脂などが挙げられる。
【0022】フェノキシ樹脂としては、ユニオンカーバ
イド社製商品名UCAR Phenoxy PKHJ等
が商業的に入手可能である。
【0023】上記少なくとも2個のエポキシ基及びフェ
ノール性の水酸基を有するエポキシ樹脂中のエポキシ基
又は水酸基と反応させる多塩基酸無水物としては、例え
ば、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘ
キサヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル
酸、無水2置換ブテニルテトラヒドロフタル酸、無水イ
タコン酸、無水コハク酸、無水シトラコン酸、無水アル
ケニル酸、無水ドデセニルコハク酸、無水トリカルバリ
ル酸、無水マレイン酸、クロル無水マレイン酸、無水マ
レイン酸のリノレイン酸付加物、無水クロレンド酸、メ
チルシクロペンタジエンの無水マレイン酸付加物、無水
アルキル化エンドアルキレンテトラヒドロフタル酸、無
水トリメリット酸等が挙げられる。
【0024】また、場合によっては上記エポキシ樹脂中
の遊離のエポキシ基又は水酸基に不飽和カルボン酸を反
応させ、樹脂中に(メタ)アクリロイル基を含有させて
もよい。不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル
酸、メタクリル酸、β−フリルアクリル酸、β−スチリ
ルアクリル酸、α−シアノケイ皮酸、ケイ皮酸、オレイ
ン酸、リノール酸、リノレイン酸が挙げられる。これら
の不飽和カルボン酸は単独、もしくは組み合わせて用い
ることができる。
【0025】(3)共役ジエン(共)重合体に不飽和カ
ルボン酸を付加したもの;共役ジエン(共)重合体とし
ては、ブタジエン及びイソプレン等の炭素数4〜5の共
役ジオレフィンの低重合体、又はこれらの共役ジオレフ
ィンの1種又は2種以上とエチレン性不飽和結合を有す
るこれらの共役ジオレフィン以外のモノマー、特にイソ
ブチレン、ジイソブチレン、スチレン、α−メチルスチ
レン、ビニルトルエン、ジビニルトルエンのような脂肪
族又は芳香族モノマーとの低重合度共重合体が挙げられ
る。これらは2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0026】共役ジエン(共)重合体に付加させる不飽
和カルボン酸としては、前記したエポキシ樹脂中の水酸
基又はエポキシ基と反応させるものと同様のアクリル
酸、メタクリル酸、β−フリルアクリル酸、β−スチリ
ルアクリル酸、α−シアノケイ皮酸、ケイ皮酸、オレイ
ン酸、リノール酸、リノレイン酸、又は無水マレイン
酸、無水シトラコン酸等の多塩基酸無水物が挙げられ
る。
【0027】さらに、上記の反応で得られた不飽和カル
ボン酸の反応物にアルコール性水酸基を有する重合性モ
ノマーを反応させてもよい。アルコール性水酸基を有す
る重合性モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0028】(4)ポリアミド酸としては、テトラカル
ボン酸二無水物を含有する酸成分とジアミンとを有機溶
媒中で開環重付加反応することにより得られる樹脂が挙
げられる。
【0029】上記テトラカルボン酸二無水物としては、
例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3′,4,4′
−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,
3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無
水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二
無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二
無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸
二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン
酸二無水物、スルホニルジフタル酸無水物、m−ターフ
ェニル−3,3′4,4′−テトラカルボン酸二無水
物、p−ターフェニル−3,3′,4,4′−テトラカ
ルボン酸二無水物、1,1,1,3,3,3−ヘキサフ
ルオロ−2,2−ビス(2,3−又は3,4−ジカルボ
キシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,
3−又は3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無
水物、2,2−ビス{4−(2,3−又は3,4−ジカ
ルボキシフェノキシ)フェニル}プロパン二無水物、
1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビ
ス{4−(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェノキ
シ)フェニル}プロパン二無水物、1,3−ビス(3,
4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラ
メチルジシロキサン二無水物、4,4′−オキシジフタ
ル酸無水物等が挙げられ、その使用量は得られるポリア
ミド酸の透光性が低下しない量であることが好ましく、
酸成分全体に対して10〜80mol%の量で使用する
ことが好ましい。これらは単独で又は二種以上を組み合
わせて用いられる。
【0030】上記のジアミンとしては、特に制限はない
が、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、2,4′
−ジアミノジフェニルエーテル、3,4′−ジアミノジ
フェニルエーテル、3,3′−ジアミノジフェニルエー
テル、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、3,
3′−ジアミノジフェニルスルホン及びメタフェニレン
ジアミンが好ましく、これらは単独で又は二種以上を組
み合わせて用いられる。
【0031】(5)アミドエポキシ樹脂としてはアミド
基を有するジカルボン酸とエポキシ樹脂を原料とし、重
合してなる樹脂が挙げられる。アミド基を有するジカル
ボン酸としては、カルボキシル基を有し、かつ、アミド
結合、ポリアルキレンエーテル構造及び/又はポリアル
キレンカーボネート構造を有するジカルボン酸(a)が
挙げられ、例えば、ポリアルキレンエーテル構造を有す
るジカルボン及び/又はポリアルキレンカーボネート構
造を有するジカルボン酸を必須成分として含んでなる多
価カルボン酸成分(a−1)とジイソシアネート(a−
2)とを当量比[(a−1)のカルボキシル基/(a−
2)のイソシアネート基]が1を超える条件で反応(脱
炭酸アミド化)させて得られるもの、多価カルボン酸成
分(a−1)と公知のジアミンとを当量比[(a−1)
のカルボキシル基/公知のジアミンのアミノ基]が1を
超える条件で反応(脱水アミド化)させて得られるもの
などが挙げられる。これらの中では、原料同士の反応性
が高い、反応収率が高いなどの製造の容易さ等の点で、
多価カルボン酸成分(a−1)とジイソシアネート(a
−2)とを当量比[(a−1)のカルボキシル基/(a
−2)のイソシアネート基]が1を超える条件で反応さ
せて得られるものが好ましい。
【0032】この当量比[(a−1)のカルボキシル基
/(a−2)のイソシアネート基]は、1.03〜3と
することが好ましく、1.05〜2とすることがより好
ましく、1.1〜1.5とすることが特に好ましい。こ
の当量比[(a−1)のカルボキシル基/(a−2)の
イソシアネート基]が1.03未満ではカルボキシル基
をもたないものが生成し易く、また、反応が制御しにく
い(反応系がイソシアネート基の副反応によりゲル化し
易い)傾向があり、また、次のエポキシ樹脂(b)との
反応が困難になる傾向があり、当量比が3を超えると多
価カルボン酸成分(a−1)が未反応物として残存し易
く、カルボキシル基含有不飽和基変性アミドエポキシ樹
脂の耐熱性等が低下する傾向がある。これらの両末端に
カルボキシル基を有し、かつ、アミド結合、ポリアルキ
レンエーテル構造及び/又はポリアルキレンカーボネー
ト構造を有するジカルボン酸(a)は、単独で又は二種
以上組み合わせて用いられる。
【0033】上記多価カルボン酸成分(a−1)中のポ
リアルキレンエーテル構造を有するジカルボン酸及び/
又はポリアルキレンカーボネート構造を有するジカルボ
ン酸の配合量は、10〜95重量%とすることが好まし
く、30〜90重量%とすることがより好ましく、50
〜80重量%とすることが特に好ましい。配合量が10
重量%未満では、低弾性、高伸長性のカルボキシル基含
有不飽和基変性アミドエポキシ樹脂が得られなくなる傾
向がある。
【0034】ポリアルキレンエーテル構造を有するジカ
ルボン酸としては、特に制限はなく、例えば、ポリオキ
シアルキレンジアミン変性ジカルボン酸、ポリオキシア
ルキレングリコール変性ジカルボン酸、ポリオキシアル
キレンジカルボン酸(和光純薬工業(株)製商品名ポリ
(オキシエチレン)ジグリコール酸1,000(平均分
子量1,000)、ポリ(オキシエチレン)ジグリコー
ル酸3,000(平均分子量3,000)等)などが挙
げられる。これらの中では、耐熱性向上、耐加水分解性
向上等の点でポリオキシアルキレンジアミン変性ジカル
ボン酸が好ましく、原料の汎用性が高い、組成の設計裕
度が広い、廉価等の点でポリオキシアルキレングリコー
ル変性ジカルボン酸が好ましい。
【0035】ポリオキシアルキレンジアミン変性ジカル
ボン酸としては、特に制限はなく、例えば、ポリオキシ
アルキレンジアミンと環状トリカルボン酸モノ無水物と
を当量比[ポリオキシアルキレンジアミンのアミノ基/
環状トリカルボン酸モノ無水物の酸無水物基]が実質的
に1の条件で反応(脱水イミド化)させて得られるポリ
オキシアルキレンジイミドジカルボン酸、ポリオキシア
ルキレンジアミンと環状テトラカルボン酸二無水物とを
当量比[ポリオキシアルキレンジアミンのアミノ基/環
状テトラカルボン酸二無水物の酸無水物基]が1を超え
る条件で反応(脱水イミド化)させて得られるポリオキ
シアルキレンポリイミドジアミンと環状トリカルボン酸
モノ無水物とを当量比[ポリオキシアルキレンポリイミ
ドジアミンのアミノ基/環状トリカルボン酸モノ無水物
の酸無水物基]が実質的に1の条件で反応(脱水イミド
化)させて得られるポリオキシアルキレンポリイミドジ
カルボン酸、ポリオキシアルキレンジアミンとジカルボ
ン酸とを当量比[ジカルボン酸のカルボキシル基/ポリ
オキシアルキレンジアミンのアミノ基]が1を超える条
件で反応(脱水アミド化)させて得られるポリオキシア
ルキレンポリアミドジカルボン酸などが挙げられる。こ
れらの中では、合成が容易、有機溶剤に対する溶解性向
上等の点でポリオキシアルキレンジイミドジカルボン酸
が好ましい。これらのポリオキシアルキレンジアミン変
性ジカルボン酸は、単独で又は二種以上組み合わせて用
いられる。
【0036】ポリオキシアルキレンジアミン変性ジカル
ボン酸の製造原料であるポリオキシアルキレンジアミン
としては、特に制限はなく、例えば次式で表わされるも
のが挙げられる。
【0037】
【化3】 (式中、R1は炭素数1〜10のアルキレン基を表し、
pは1〜500の整数である。) 具体的例示化合物としては、次式
【0038】
【化4】 (式中、xは10〜300の整数である。)で表わされ
る広栄化学工業(株)製商品名PEGPA−1000
(平均分子量1,100)、和光純薬工業(株)製商品
名ポリ(オキシエチレン)ジプロピルアミン10,00
0(平均分子量9,000〜10,000)、次式
【0039】
【化5】 (式中、a+cは平均2.5であり、bは平均8.5、
15.5又は40.5である。)で表わされるハンツマ
ンコーポレーション製商品名ジェファーミンED−60
0(bは平均8.5、平均分子量600)、ジェファー
ミンED−900(bは平均15.5、平均分子量90
0)、ジェファーミンED−2001(bは平均40.
5、平均分子量2,000)等のポリオキシ(エチレン
−末端部プロピレン)ジアミン、次式
【0040】
【化6】 (式中、dは平均2〜3、5〜6、33又は68であ
る。)で表わされるハンツマンコーポレーション製商品
名ジェファーミンD−230(dは平均2〜6、平均分
子量230)、ジェファーミンD−400(dは平均5
〜6、平均分子量400)、ジェファーミンD−200
0(dは平均33、平均分子量2,000)、ジェファ
ーミンD−4000(dは平均68、平均分子量4,0
00)等のポリオキシプロピレンジアミンなどが挙げら
れる。このうち、無機アルカリ水溶液に対する溶解性向
上等の点で親水性のポリオキシ(エチレン−末端部プロ
ピレン)ジアミンが好ましく、また、耐水・耐湿性向
上、有機溶剤に対する溶解性向上等の点でポリオキシプ
ロピレンジアミンが好ましい。これらのポリオキシアル
キレンジアミンは、単独で又は二種以上組み合せて用い
られる。なお、ポリオキシアルキレンジアミンの分子量
(アミン価からの算出値)は、200〜10,000と
することが好ましく、500〜5,000とすることが
より好ましく、1,000〜3,000とすることが特
に好ましい。分子量が200未満では、低弾性、高伸長
性のカルボキシル基含有不飽和基変性アミドエポキシ樹
脂が得られなくなる傾向があり、また、カルボキシル基
含有不飽和基変性アミドエポキシ樹脂の無機アルカリ水
溶液に対する溶解性等が低下する傾向があり、分子量が
10,000を超えるとカルボキシル基含有不飽和基変
性アミドエポキシ樹脂の耐熱性等が低下する傾向があ
る。
【0041】ポリオキシアルキレンジイミドジカルボン
酸やポリオキシアルキレンポリイミドジカルボン酸の製
造原料である環状トリカルボン酸モノ無水物としては、
特に制限はなく、例えば、トリメリット酸無水物、トリ
カルバリル酸無水物、マレイン酸無水物のリノレイン酸
付加物、マレイン酸無水物のソルビン酸付加物などが挙
げられる。これらの中では、反応性が高い、反応収率が
大きい、廉価等の点でトリメリット酸無水物が好まし
い。これらの環状トリカルボン酸モノ無水物は、単独で
又は二種以上組み合わせて用いられる。
【0042】ポリオキシアルキレンポリイミドジカルボ
ン酸の製造原料である環状テトラカルボン酸二無水物と
しては、特に制限はなく、例えば、ピロメリット酸二無
水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、s−
ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルスル
ホンテトラカルボン酸二無水物、メチルシクロヘキセン
テトラカルボン酸二無水物、エチレングリコールビスア
ンヒドロトロメリテートなどが挙げられる。これらの環
状テトラカルボン酸二無水物は、単独で又は二種以上組
み合わせて用いられる。
【0043】ポリオキシアルキレンポリアミドジカルボ
ン酸の製造原料であるジカルボン酸としては、特に制限
はなく、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、
ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二
酸、エイコサン二酸等の脂肪族ジカルボン酸、ダイマー
酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジ
カルボン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フタル酸、
1,5−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ジフェニ
ルエーテルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルスルホ
ンジカルボン酸、4,4′−ベンゾフェノンジカルボン
酸等の芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。これらの
ジカルボン酸は、単独で又は二種以上組み合わせて用い
られる。
【0044】ポリオキシアルキレングリコール変性ジカ
ルボン酸としては、特に制限はなく、例えば、ポリオキ
シアルキレングリコールとジカルボン酸とを当量比[ジ
カルボン酸のカルボキシル基/ポリオキシアルキレング
リコールの水酸基]が1を超える条件で反応(脱水エス
エル化)させて合成されるものが挙げられる。この当量
比[ジカルボン酸のカルボキシル基/ポリオキシアルキ
レングリコールの水酸基]は、1.1〜3とすることが
好ましく、1.3〜2.5とすることがより好ましく、
1.5〜2とすることが特に好ましい。この当量比[ジ
カルボン酸のカルボキシル基/ポリオキシアルキレング
リコールの水酸基]が1.1未満では、片末端にしかカ
ルボキシル基をもたないもの(他方の片末端に水酸基を
有するもの)や両末端ともカルボキシル基をもたないも
の(両末端に水酸基を有するもの)が生成し易く、当量
比が3を超えると合成中、一度生成したポリオキシアル
キレングリコール変性ジカルボン酸が、未反応物として
残存するジカルボン酸により酸加水分解を起こし易くな
り、カルボキシル基含有不飽和基変性アミドエポキシ樹
脂の耐熱性等が低下する傾向がある。これらのポリオキ
シアルキレングリコール変性ジカルボン酸は、単独で又
は二種以上組み合わせて用いられる。
【0045】ポリオキシアルキレングリコール変性ジカ
ルボン酸を合成するためのポリオキシアルキレングリコ
ールとしては、特に制限はなく、例えば次式で表わされ
るものが挙げられる。
【0046】
【化7】 (式中、R2は炭素数1〜10のアルキレン基を表し、
qは1〜500の整数である。) 具体的には例えば、ポリオキシエチレングリコール、ポ
リオキシンプロピレングリコール、ポリオキシ(プロピ
レン−末端部エチレン)グリコール、ポリオキシ(エチ
レン−末端部プロピレン)グリコール、ポリオキシ(ラ
ンダム−エチレン/プロピレン)グリコール、ポリテト
ラメチレンエーテルグリコールなどの公知の化合物が挙
げられる。このうち、無機アルカリ水溶液に対する溶解
性向上等の点で親水性のポリオキシエチレングリコー
ル、ポリオキシ(プロピレン−末端部エチレン)グリコ
ール、ポリオキシ(エチレン−末端部プロピレン)グリ
コール、ポリオキシ(ランダム−エチレン/プロピレ
ン)グリコールが好ましく、また、耐水・耐湿性向上、
有機溶剤に対する溶解性向上等の点でポリオキシプロピ
レングリコールが好ましく、また、得られるポリアルキ
レングリコール変性ジカルボン酸の耐加水分解性向上等
の点でポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシ
(エチレン−末端部プロピレン)グリコールが好まし
い。これらのポリオキシアルキレングリコールは、単独
で又は2種類以上組み合わせて用いられる。なお、ポリ
オキシアルキレングリコールの分子量(水酸価からの算
出値)は、200〜10,000とすることが好まし
く、500〜5,000とすることがより好ましく、
1,000〜3,000とすることが特に好ましい。分
子量が200未満では、低弾性、高伸長性のカルボキシ
ル基含有不飽和基変性アミドエポキシ樹脂が得られなく
なる傾向があり、また、カルボキシル基含有不飽和基変
性アミドエポキシ樹脂の無機アルカリ水溶液に対する溶
解性等が低下する傾向があり、分子量が10,000を
超えるとカルボキシル基含有不飽和基変性アミドエポキ
シ樹脂の耐熱性等が低下する傾向がある。
【0047】ポリアルキレングリコール変性ジカルボン
酸を合成するためのジカルボン酸としては、特に制限は
なく、例えば、先に述べたポリオキシアルキレンジカル
ボン酸の製造原料であるジカルボン酸と同様なものが挙
げられる。これらのジカルボン酸は、単独で又は二種以
上組み合わせて用いられる。
【0048】ポリアルキレンカーボネート構造を有する
ジカルボン酸としては、特に制限はなく、例えば、ポリ
アルキレンカーボネートジオール変性ジカルボン酸など
が挙げられる。
【0049】ポリアルキレンカーボネートジオール変性
ジカルボン酸としては、特に制限はなく、例えば、ポリ
アルキレンカーボネートジオールとジカルボン酸とを当
量比[ジカルボン酸のカルボキシル基/ポリアルキレン
カーボネートジオールの水酸基]が1を超える条件で反
応(脱水エステル化)させて合成されるものが挙げられ
る。この当量比[ジカルボン酸のカルボキシル基/ポリ
アルキレンカーボネートジオールの水酸基]は、1.1
〜3とすることが好ましく、1.3〜2.5とすること
がより好ましく、1.5〜2とすることが特に好まし
い。この当量比[ジカルボン酸のカルボキシル基/ポリ
アルキレンカーボネートジオールの水酸基]が1.1未
満では、片末端にしかカルボキシル基をもたないもの
(他方の片末端に水酸基を有するもの)や両末端ともカ
ルボキシル基をもたないもの(両末端に水酸基を有する
もの)が生成し易く、当量比が3を超えると合成中、一
度生成したポリアルキレンカーボネートジオール変性ジ
カルボン酸が、未反応物として残存するジカルボン酸に
より酸加水分解を起こし易くなり、カルボキシル基含有
不飽和基変性アミドエポキシ樹脂の耐熱性等が低下する
傾向がある。これらのポリアルキレンカーボネートジオ
ール変性ジカルボン酸は、単独で又は二種以上組み合わ
せて用いられる。
【0050】ポリアルキレンカーボネートジオール変性
ジカルボン酸を合成するためのポリアルキレンカーボネ
ートジオールとしては、特に制限はなく、例えば次式で
表わされるものが挙げられる。
【0051】
【化8】 (式中、R3は炭素数1〜30のアルキレン基を表し、
rは1〜200の整数である。) 具体的には例えば、上式においてR3がn−ヘキサメチ
レン基であるポリ(n−ヘキサメチレン)カーボネート
ジオール(例えば、ダイセル化学工業(株)製商品名P
LACCEL CD−205(平均分子量500)、P
LΑCCELCD−208(平均分子量800)、PL
ACCEL CD−210(平均分子量1,000)、
PLACCEL CD−220(平均分子量2,00
0)等)、R3がn−ヘキサメチレン基と3−メチル−
1,5−ペンタメチレン基とからなるポリ(n−ヘキサ
メチレン/3−メチル−1,5−ペンタメチレン)カー
ボネートジオール(例えば、ダイセル化学工業(株)製
商品名PLACCEL CD−205PL(平均分子量
500)、PLACCEL CD−208PL(平均分
子量800)、PLACCEL CD−210PL(平
均分子量1,000)、PLACCEL CD−220
PL(平均分子量2,000)等)、R3がn−ヘキサ
メチレン基と1,4−シクロヘキサメチレン基とからな
るポリ(n−ヘキサメチレン/1,4−シクロヘキサメ
チレン)カーボネートジオール(例えば、ダイセル化学
工業(株)製商品名PLACCEL CD−205HL
(平均分子量500)、PLACCEL CD−208
HL(平均分子量800)、PLACCEL CD−2
10HL(平均分子量1,000)、PLACCELC
D−220HL(平均分子量2,000)等)、R3
n−ノナメチレン基と2−メチル−1,8−オクタメチ
レン基とからなるポリ(n−ノナメチレン/2−メチル
−1,8−オクタメチレン)カーボネートジオール(例
えば、(株)クラレ商品名PNOC−1000(平均分
子量1,000)、PNOC−2000(平均分子量
2,000)等)などが挙げられる。これらの中では、
ワニスの保存安定性、フィルム光線透過率の経時安定性
等に優れたカルボキシル基含有不飽和基変性アミドエポ
キシ樹脂が得られる等の点で、常温で液状である非晶性
のポリアルキレンカーボネートジオール(上記の例で
は、PLACCEL CD−PLシリーズ、PLACC
EL CD−HLシリーズ)が好ましい。これらのポリ
アルキレンカーボネートジオールは、単独で又は二種以
上組み合わせて用いられる。なお、ポリアルキレンカー
ボネートジオールの分子量(水酸価からの算出値)は、
200〜10,000とすることが好ましく、500〜
5,000とすることがより好ましく、1,000〜
3,000とすることが特に好ましい。分子量が200
未満では、低弾性、高伸長性のカルボキシル基含有不飽
和基変性アミドエポキシ樹脂が得られなくなる傾向があ
り、分子量が10,000を超えるとカルボキシル基含
有不飽和基変性アミドエポキシ樹脂の耐熱性等が低下す
る傾向がある。
【0052】ポリアルキレンカーボネートジオール変性
ジカルボン酸を合成するためのジカルボン酸としては、
特に制限はなく、例えば、先に述べたポリオキシルアル
キレンポリアミドジカルボンの製造原料であるジカルボ
ン酸と同様なものが挙げられる。これらのジカルボン酸
は、単独で又は二種以上組み合わせて用いられる。
【0053】多価カルボン酸成分(a−1)において、
ポリアルキレンエーテル構造を有するジカルボン酸及び
/又はポリアルキレンカーボネート構造を有するジカル
ボン酸と併用できる他の多価カルボン酸としては、特に
制限はなく、例えば、先に述べたポリオキシアルキレン
ポリアミドジカルボン酸の製造原料であるジカルボン
酸、先に述べたポリオキシアルキレンジイミドジカルボ
ン酸やポリオキシアルキレンポリイミドジカルボン酸の
製造原料である環状トリカルボン酸モノ無水物、先に述
べたポリオキシアルキレンポリイミドジカルボン酸の製
造原料である環状テトラカルボン酸二無水物などが挙げ
られる。これらの中では、得られるカルボキシル基含有
不飽和基変性アミドエポキシ樹脂の有機溶剤に対する溶
解性向上等の点で上記ジカルボン酸から選ばれる複数種
のジカルボン酸が好ましい。これらの他の多価カルボン
酸は、単独で又は2種類以上組み合わせて用いられる。
【0054】ジイソシアネート(a−2)としては、特
に制限はなく、例えば、4,4′−ジフェニルメタンジ
イソシアネート(MDI)、2,6−トリレンジイソシ
アネート(2,6−TDI)、2,4−トリレンジイソ
シアネート(2,4−TDI)、1,5−ナフタレンジ
イソシアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェ
ニレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテ
ルジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネー
ト、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の
芳香族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシ
アネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイ
ソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイ
ソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPD
I)、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ
ート(水添化4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート)、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシア
ネート、水添化m−キシリレンジイソシアネート等の脂
環式ジイソシアネート、3,9−ビス(3−イソシアネ
ートプロピル)−2,4,8,10−テトラスピロ
[5.5]ウンデカン等の複素環式ジイソシアネートな
どが挙げられる。これらの中では、カルボキシル基含有
不飽和基変性アミドエポキシ樹脂の耐熱性向上等の点で
芳香族ジイソシアネートが好ましい。これらのジイソシ
アネート(a−2)は、単独で使用してもよいが2種類
以上組み合わせて使用する方が、カルボキシル基含有不
飽和基変性アミドエポキシ樹脂の溶剤溶解性向上の点で
好ましい。
【0055】多価カルボン酸成分(a−1)とジイソシ
アネート(a−2)とから、両末端にカルボキシル基を
有し、かつ、アミド結合、ポリアルキレンエーテル構造
及び/又はポリアルキレンカーボネート構造を有するジ
カルボン酸(a)を得る反応(脱炭酸アミド化)は、有
機溶媒中で実施される。
【0056】有機溶媒としては、特に制限はなく、例え
ば、γ−ブチロラクトン(γ−BL)、γ−カプロラク
トン等のラクトン類、エチレンカーボネート、プロピレ
ンカーボネート等のカーボネート類、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケ
トン類、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル類、
ジグライム、トリグライム、テトラグライム等のグライ
ム類、トルエン、キシレン、シクロヘキサン等の炭化水
素類、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチル
アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド(DM
F)等のアミド類、N,N−ジメチルエチレンウレア、
N,N−ジメチルプロピレンウレア、テトラメチルウレ
ア等のウレア類、スルホラン等のスルホン類などが挙げ
られる。これらの中では、ラクトン類を主成分とするの
が、ワニスから加熱処理によって膜を作製する際の低温
乾燥性に優れる等の点で好ましく、ラクトン類の中でも
低沸点のγ−ブチロラクトン(γ−BL)が特に好まし
い。これらの有機溶媒は、単独で又は2種類以上組み合
わせて用いられる。
【0057】有機溶媒の使用量は、(a−1)成分と
(a−2)成分との総量100重量部に対して、30〜
2,000重量部とすることが好ましく、50〜1,0
00重量部とすることがより好ましく、70〜400と
することが特に好ましい。この有機溶媒の使用量が30
重量部未満では溶解性が乏しく、反応系の不均一化や高
粘度化を起こしやすい傾向があり、有機溶媒の使用量が
2,000重量部を超えると反応が進みにくく、反応が
完結しない傾向がある。
【0058】また、(a−1)成分と(a−2)成分と
から(a)成分を得る反応温度は、100〜300℃と
することが好ましく、150〜270℃とすることがよ
り好ましく、170〜250℃とすることが特に好まし
い。この反応温度が100℃未満では反応が進みにく
く、反応が完結しない傾向があり、反応温度が300℃
を超えると反応が制御しにくい(反応系がイソシアネー
ト基の副反応によりゲル化し易い)傾向がある。
【0059】本発明におけるカルボキシル基含有不飽和
基変性アミドエポキシ樹脂の製造中間体であるアミドエ
ポキシ樹脂(c)は、上記両末端にカルボキシル基を有
し、かつ、アミド結合、ポリアルキレンエーテル構造及
び/又はポリアルキレンカーボネート構造を有するジカ
ルボン酸(a)に対して、エポキシ樹脂(b)を当量比
[(b)のエポキシ基/(a)のカルボキシル基]が
0.5以上の条件で反応(ヒドロキシエステル化)させ
て得られる。この当量比[(b)のエポキシ基/(a)
のカルボキシル基]は、0.5〜3とすることが好まし
く、1.05〜2とすることがより好ましく、1.1〜
1.7とすることが特に好ましい。この当量比[(b)
のエポキシ基/(a)のカルボキシル基]が0.5未満
では分子量が成長しにくく、得られるカルボキシル基含
有不飽和基変性アミドエポキシ樹脂の耐熱性、伸長性等
が低下する傾向があり、当量比が3を超えると反応が制
御しにくい(反応系がエポキシ基の3次元化反応により
ゲル化し易い)傾向があり、また、橋架け密度が高くな
り、低弾性、高伸長性のカルボキシル基含有不飽和基変
性アミドエポキシ樹脂が得られなくなる傾向がある。な
お、アミドエポキシ樹脂(c)のエポキシ当量は、通常
1,000〜40,000で、2,000〜30,00
0とすることが好ましく、3,000〜20,000と
することがより好ましく、5,000〜15,000と
することが特に好ましい。このエポキシ当量が1,00
0未満では低弾性、高伸長性のカルボキシル基含有不飽
和基変性アミドエポキシ樹脂が得られなくなる傾向があ
り、エポキシ当量が40,000を超えるとカルボキシ
ル基含有不飽和基変性アミドエポキシ樹脂の有機溶剤に
対する溶解性等が低下する傾向にある。
【0060】ここで用いられるエポキシ樹脂(b)とし
ては、特に制限はなく、例えば、ビスフェノールΑ型エ
ポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールΑ型エポキシ
樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノー
ルΑD型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂等の
2官能芳香族グリシジルエーテル、フェノールノボラッ
ク型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹
脂、ジシクロペンタジエン−フェノール型エポキシ樹
脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂等の多官
能芳香族グリシジルエーテル、ポリエチレングリコール
型エポキシ樹脂、ポリプロピレングリコール型エポキシ
樹脂、ネオペンチルグリコール型エポキシ樹脂、ジブロ
モネオペンチルグリコール型エポキシ樹脂、ヘキサンジ
オール型エポキシ樹脂等の2官能脂肪族グリシジルエー
テル、水添化ビスフェノールΑ型エポキシ樹脂等の2官
能脂環式グリシジルエーテル、トリメチロールプロパン
型エポキシ樹脂、ソルビトール型エポキシ樹脂、グリセ
リン型エポキシ樹脂等の多官能脂肪族グリシジルエーテ
ル、フタル酸ジグリシジルエステル等の2官能芳香族グ
リシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジル
エステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル
等の2官能脂環式グリシジルエステル、N,N−ジグリ
シジルアニリン、N,N−ジグリシジルトリフルオロメ
チルアニリン等の2官能芳香族グリシジルアミン、N,
N,N′,N′−テトラグリシジル−4,4′−ジアミ
ノジフェニルメタン、1,3−ビス(N,N−ジグリシ
ジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,o−トリ
グリシジル−p−アミノフェノール等の多官能芳香族グ
リシジルアミン、アリサイクリックジエポキシアセター
ル、アリサイクリックジエポキシアジペート、アリサイ
クリックジエポキシカルボキシレート、ビニルシクロヘ
キセンジオキシド等の2官能脂環式エポキシ樹脂、ジグ
リシジルヒダントイン等の2官能複素環式エポキシ樹
脂、トリグリシジルイソシアヌレート等の多官能複素環
式エポキシ樹脂、オルガノポリシロキサン型エポキシ樹
脂等の2官能又は多官能ケイ素含有エポキシ樹脂などが
挙げられる。これらの中では、反応が制御し易い等の点
で2官能エポキシ樹脂が好ましく、2官能エポキシ樹脂
の中ではカルボキシル基含有不飽和基変性アミドエポキ
シ樹脂の耐熱性向上等の点で2官能芳香族グリシジルエ
ーテルがより好ましく、その中でも、廉価等の点で、ビ
スフェノールΑ型エポキシ樹脂が特に好ましく、また、
カルボキシル基含有不飽和基変性アミドエポキシ樹脂の
溶解性向上等の点でビスフェノールF型エポキシ樹脂が
特に好ましく、また、カルボキシル基含有不飽和基変性
アミドエポキシ樹脂の難燃性向上等の点でテトラブロモ
ビスフェノールΑ型エポキシ樹脂やジブロモネオペンチ
グリコール型エポキシ樹脂が特に好ましい。これらのエ
ポキシ樹脂(b)は、単独で又は2種類以上組み合わせ
て用いられる。
【0061】両末端にカルボキシル基を有し、かつ、ア
ミド結合、ポリアルキレンエーテル構造及び/又はポリ
アルキレンカーボネート構造を有するジカルボン酸
(a)とエポキシ樹脂(b)とから、アミドエポキシ樹
脂(c)を得る反応(ヒドロキシエステル化)は、先の
(a)成分を得る反応(脱炭酸アミド化)に引き続い
て、有機溶媒中で実施される。
【0062】有機溶媒としては、特に制限はなく、例え
ば、先に述べた(a)成分を得る反応に使用できる有機
溶媒と同様なものが挙げられる。なお、先の(a)成分
を得る反応において、ラクトン類を主成分とする場合
は、得られるカルボキシル基含有不飽和基変性アミドエ
ポキシ樹脂の有機溶剤に対する溶解性向上、ワニスから
加熱処理によって膜を作製する際の低温乾燥性向上の点
でアミド類、中でも、低沸点のN,N−ジメチルホルム
アミド(DMF)との併用が好ましい。これらの有機溶
媒は、単独で又は2種類以上組み合わせて用いられる。
【0063】有機溶媒の使用量は、(a)成分と(b)
成分との総量100重量部に対して、30〜2,000
重量部とすることが好ましく、50〜1,000重量部
とすることがより好ましく、70〜400とすることが
特に好ましい。この有機溶媒の使用量が30重量部未満
では溶解性が乏しく、反応系の不均一化や高粘度化を起
こしやすい傾向があり、有機溶媒の使用量が2,000
重量部を超えると反応が進みにくく、反応が完結しない
傾向がある。
【0064】また、(a)成分と(b)成分とから
(c)成分を得る反応温度は、50〜250℃とするこ
とが好ましく、100〜200℃とすることがより好ま
しく、120〜160℃とすることが特に好ましい。こ
の反応温度が50℃未満では反応が進みにくく、反応が
完結しない傾向があり、反応温度が250℃を超えると
反応が制御しにくい(反応系がエポキシ基の3次元化反
応によりゲル化し易い)傾向がある。
【0065】本発明におけるカルボキシル基含有不飽和
基変性アミドエポキシ樹脂は、上記アミドエポキシ樹脂
(c)及び/又は(c)にモノカルボン酸(d)を当量
比[(d)のカルボキシル基/(c)のエポキシ基]が
1以上の条件で反応させて得られる不飽和基変性アミド
エポキシ樹脂(e)に対して、環状多価カルボン酸モノ
無水物(f)を当量比[(f)の酸無水物基/((c)
及び/又は(e))の水酸基]が0.1〜2の範囲、光
重合性不飽和基含有モノイソシアネート(g)を当量比
[(g)のイソシアネート基/((c)及び/又は
(e))の水酸基]が0〜2の範囲で反応させて製造さ
れる。
【0066】不飽和基変性アミドエポキシ樹脂(e)を
得る場合、アミドエポキシ樹脂(c)とモノカルボン酸
(d)との反応(ヒドロキシエステル化)の当量比
[(d)のカルボキシル基/(c)のエポキシ基]は、
1〜5とすることが好ましく、1.1〜2とすることが
より好ましく、1.2〜1.8とすることが特に好まし
い。この当量比[(d)のカルボキシル基/(c)のエ
ポキシ基]が1未満では未反応のエポキシ基が残存し、
ワニスの保存安定性等が低下する傾向にあり、当量比が
5を超えると未反応のモノカルボン酸(d)が多量に残
存し、ワニスの皮膚刺激性等が増大する傾向にある。
【0067】モノカルボン酸(d)としては、特に制限
はなく、例えば、メタクリル酸、アクリル酸等の光重合
性不飽和基含有モノカルボン酸、ギ酸、酢酸、プロピオ
ン酸、酪酸、ヘキサン酸等の脂肪族モノカルボン酸、安
息香酸、ジフェニル酢酸等の芳香族モノカルボン酸など
が挙げられる。これらの中では、カルボキシル基含有不
飽和基変性アミドエポキシ樹脂に光硬化性を付与できる
等の点で光重合性不飽和基含有モノカルボン酸が好まし
い。これらのモノカルボン酸(d)は、単独で又は2種
類以上組み合わせて用いられる。
【0068】環状多価カルボン酸モノ無水物(f)とア
ミドエポキシ樹脂(c)及び/又は不飽和基変性アミド
エポキシ樹脂(e)の反応(カルボキシルエステル化)
の当量比[(f)の酸無水物基/((c)及び/又は
(e))の水酸基]は、0.2〜1とすることが好まし
く、0.3〜0.9とすることがより好ましく、0.5
〜0.8とすることが特に好ましい。この当量比
[(f)の酸無水物基/((c)及び/又は(e))の
水酸基]が1を超えると、環状多価カルボン酸モノ無水
物(f)が未反応物として残留し、ワニスの保存安定性
等が低下する傾向にあり、当量比が0.2未満では無機
アルカリ水溶液に対する溶解性が乏しく、感光性樹脂組
成物のポリマー成分として用いたときに、その感光性樹
脂組成物の無機アルカリ水溶液をベースとした現像液に
対する現像性等が低下する傾向にある。本発明のカルボ
キシル基含有不飽和基変性アミドエポキシ樹脂を用いた
感光性樹脂組成物は無機アルカリ水溶液をベースとした
現像液での現像が可能である。
【0069】環状多価カルボン酸モノ無水物(f)とし
ては、特に制限はなく、例えば、テトラヒドロフタル酸
無水物(THPAC)、メチルテトラヒドロフタル酸無
水物、トリアルキルテトラヒドロフタル酸無水物、ヘキ
サヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸
無水物、ナジック酸無水物、メチルナジック酸無水物、
メチル2置換ブテニルテトラヒドロフタル酸無水物、イ
タコン酸無水物、コハク酸無水物、シトラコン酸無水
物、ドデセニルコハク酸無水物、マレイン酸無水物、メ
チルシクロペンタジエンのマレイン酸無水物付加物、ア
ルキル化エンドアルキレンテトラヒドロフタル酸無水
物、フタル酸無水物、クロレンド酸無水物、テトラクロ
ロフタル酸無水物、テトラブロモフタル酸無水物等の環
状ジカルボン酸モノ無水物、先に述べたポリオキシアル
キレンジイミドジカルボン酸やポリオキシアルキレンポ
リイミドジカルボン酸の製造原料である環状トリカルボ
ン酸モノ無水物などが挙げられる。これらの中では、反
応性が高い、反応収率が大きい、廉価等の点で、テトラ
ヒドロフタル酸無水物(THPAC)が好ましい。これ
らの環状多価カルボン酸モノ無水物(f)は、単独で又
は2種類以上組み合わせて用いられる。
【0070】光重合性不飽和基含有モノイソシアネート
単量体(g)とアミドエポキシ樹脂(c)及び/又は不
飽和基変性アミドエポキシ樹脂(e)の反応(ウレタン
化)の当量比[(g)のイソシアネート基/((c)及
び/又は(e))の水酸基]は0.05〜0.9とする
ことが好ましく、0.1〜0.6とすることがより好ま
しく、0.15〜0.35とすることが特に好ましい。
【0071】この当量比[(g)のイソシアネート基/
((c)及び/又は(e))の水酸基)]が0.9を超
えると、光重合性不飽和基含有モノイソシアネート
(g)が、未反応物として残留し、ワニスの保存安定性
等が低下する傾向にあり、当量比が0.05未満では、
カルボキシル基含有不飽和基変性アミドエポキシ樹脂の
光硬化性や感光性樹脂組成物のポリマー成分として用い
た時の感光性樹脂組成物の感度等が低下する傾向にあ
る。
【0072】光重合性不飽和基含有モノイソシアネート
(g)としては、特に制限はなく、例えば、2−イソシ
アネートエチルメタクリレート(IEM)、メタクリロ
イルイソシアネート等が挙げられる。これらの光重合性
不飽和基含有モノイソシアネート(g)は、単独で又は
2種類以上組み合わせて用いられる。不飽和基を導入す
ることにより、感光性樹脂組成物の感度、耐熱性等が向
上する。
【0073】アミドエポキシ樹脂(c)から本発明のカ
ルボキシル基含有不飽和基変性アミドエポキシ樹脂を製
造するための一連の反応は、先の(c)成分を得る反応
(ヒドロキシエステル化)に引き続いて、有機溶媒中で
実施される。有機溶媒としては、特に制限はなく、例え
ば、先の述べた両末端にカルボキシル基を有し、かつ、
アミド結合、ポリアルキレンエーテル構造及び/又はポ
リアルキレンカーボネート構造を有するジカルボン酸
(a)を得る反応に使用できる有機溶媒と同様なものが
挙げられる。これらの有機溶媒は必要に応じて反応系に
追加されるが、特に不都合がなければその限りではな
い。
【0074】また、アミドエポキシ樹脂(c)から本発
明のカルボキシル基含有不飽和基変性アミドエポキシ樹
脂を製造するための一連の反応の反応温度は、30〜2
50℃とすることが好ましく、40から150℃とする
ことがより好ましく、50〜120℃とすることが特に
好ましい。この反応温度が30℃未満では反応が進みに
くく、反応が完結しない傾向があり、反応温度が250
℃を超えると反応が制御しにくい(反応系が副反応によ
りゲル化し易い)傾向がある。
【0075】また、本発明のカルボキシル基含有不飽和
基変性アミドエポキシ樹脂を製造するための一連の反応
においては、必要に応じ、触媒を使用することができ
る。
【0076】触媒としては、特に制約はないが、例え
ば、3級アミン(トリエチルアミン、トリエチレンジア
ミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルア
ニリン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N−メチル
モルホリン、N−エチルモルホリン、N,N′−ジメチ
ルピペラジン、ピリジン、ピコリン、1,8−ジアザビ
シクロ[5.4.0]ウンデセン−7等)、イミダゾー
ル類(2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾー
ル、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチル
−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メ
チルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイ
ミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキ
シメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒド
ロキシメチルイミダゾール、1−アジン−2−メチルイ
ミダゾール等)、有機スズ化合物(ジブチルチンジラウ
レート、1,3−ジアセトキシテトラブチルジスタノキ
サン等)、4級アンモニウム塩(臭化テトラエチルアン
モニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、塩化ベンジ
ルトリエチルアンモニウム、塩化トリオクチルメチルア
ンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、ヨウ
化テトラブチルアンモニウム、ヨウ化ドデシルトリメチ
ルアンモニウム、ベンジルジメチルテトラデシルアンモ
ニウムアセテート等)、4級ホスホニウム塩(塩化テト
ラフェニルホスホニウム、塩化トリフェニルメチルホス
ホニウム、臭化テトラメチルホスホニウム等)、有機リ
ン化合物(3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン
−1−オキシド等)、有機酸アルカリ金属塩(安息香酸
ナトリウム、安息香酸カリウム等)、無機塩(塩化亜
鉛、塩化鉄、塩化リチウム、臭化リチウム等)、金属カ
ルボニル(オクタカルボニル二コバルト(コバルトカル
ボニル)等)などが挙げられる。これらの中では、3級
アミン、イミダゾール類、有機スズ化合物等が好まし
い。これらの触媒は、単独で又は2種類以上組み合わせ
て用いられる。
【0077】上記の(1)、(2)、(3)、(4)及
び(5)の樹脂以外にも、例えば、不飽和脂肪酸で変性
した高酸価アルキド樹脂なども用いられる。
【0078】何れにしても、本発明における(A)成分
である樹脂は酸価が20〜300とされ、特に40〜2
00が好ましい。酸価が20未満では水を含む現像液で
の現像が不可能となり、また、ポリマーの酸価が300
を超えると耐水性が低下し、耐電食性が低下する。
【0079】(a)成分である樹脂の重量平均分子量は
400〜500,000とされ、500〜200,00
0が好ましい。重量平均分子量が400未満では、光硬
化後の感光性永久マスクが脆く、また、500,000
を超えると、感光性永久マスク塗膜の外観が悪化する傾
向にある。なお、重量平均分子量はGPC法を用いて測
定し、標準ポリスチレンによる検量線により算出した。
【0080】(A)成分である樹脂の使用量は(A)及
び(B)の総量100重量部に対して20〜95重量部
であることが好ましく、30〜90重量部の範囲である
ことがより好ましい。使用量が20重量部未満では、感
光性永久マスクの機械的強度が弱くなる傾向にある。
【0081】(B)成分であるエチレン性不飽和結合を
分子内に2個以上有する光重合性化合物としては、例え
ば多価アルコール(エチレンオキシド及び/又はプロピ
レンオキシドで変性したものでもよい)にα,β−不飽
和カルボン酸を付加して得られる化合物、例えばトリメ
チロールプロパンジ(メタ)アクリレート、エチレンオ
キシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリ
レート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレ
ート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレ
ート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレ
ート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレ
ート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、2,2−ビス[4−(メタクリロキシ・ジエトキ
シ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(メタク
リロキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン等、グリ
シジル基含有化合物にα,βー不飽和カルボン酸を付加
して得られる化合物、例えば、トリメチロールプロパン
トリグリシジルエーテルトリアクリレート、ビスフェノ
ールΑジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート
等、多価カルボン酸、例えば無水フタル酸等と水酸基及
びエチレン性不飽和基を有する化合物、例えばβ−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート等から得られるエス
テル化合物等が用いられ、更にはウレタン骨格をもった
ウレタンジ(メタ)アクリレート化合物等も用いること
ができ、いずれにしても、光照射によりラジカル重合す
るものであればよい。
【0082】(B)成分の使用量は、(A)及び(B)
の総量100重量部に対して5〜80重量部、好ましく
は10〜70重量部の範囲であることが好ましい。80
重量部を超えると感光性永久マスクがもろくなる傾向が
ある。
【0083】(C)成分である光重合開始剤としては、
例えば、ベンゾフェノン、N,N′−テトラメチル−
4,4′−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−
4′−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−エチルアン
トラキノン、フェナントレンキノン、1−ヒドロキシシ
クロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−
1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−メチル−1
−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプ
ロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1
−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1等の芳香
族ケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチ
ルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾイ
ンエーテル、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等の
ベンゾイン、その他2−(o−クロロフェニル)−4,
5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロ
フェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミ
ダゾール二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)
−5−フェニルイミダゾール二量体、2,4−ジエチル
チオキサントンなどが挙げられる。これらは1種類単独
で、もしくは2種類以上混合して用いることができる。
【0084】(C)成分の使用量は(A)及び(B)の
総量100重量部に対して0.01〜15重量部である
ことが好ましく、0.02〜10重量部であることがよ
り好ましい。使用量が0.1重量部未満では光に対する
感度が低下する傾向があり、15重量部を超えると露光
の際に材料の表面での光吸収が増大し、露光/未露光の
コントラストが十分でなくなる傾向にある。
【0085】さらに、本発明における感光性永久マスク
材料にはタルク、硫酸バリウム等の微粒状充填剤、ビク
トリアピュアブルー等の染料、フタロシアニングリーン
等の顔料等の着色剤を含有させてもよい。
【0086】次に、本発明における感光性永久マスクパ
ターンの製造方法について説明する。
【0087】本発明における被塗物の基板としては、例
えばプリント回路板が好適であり、プリント回路板とし
ては、例えば、絶縁基材として厚さ1.0mm程度のエ
ポキシ樹脂含有ガラス布を用いた板状のもの(リジッド
基板)を用いたものと、0.4mm以下のポリエステル
フィルムやポリイミドフィルムを用いたフィルム状のも
の(フレキシブル基板)を用いたもの等がある。本発明
における基板は上記のものに限定するものではなく、全
てのプリント回路板に使用可能である。
【0088】また、本発明における感光性永久マスク材
料は、有機溶剤を使用せず、真空ラミネーター等を用い
るラミネート法によって使用されるドライフィルム型レ
ジストとして、また、通常有機溶剤を用い、スクリーン
印刷、スプレーコート、ディップコート、ロールコー
ト、カーテンコート法等によって使用される液状レジス
トとして使用することができる。
【0089】感光性永久マスクの形成方法としては、例
えば以下の方法が好適である。まず、基板のは回路面上
に感光性永久マスク材料の膜を形成した後、アートワー
クと呼ばれるネガ又はポジパターンを通して活性光線を
画像状に照射し、現像液で不要部を現像液を用いて現像
して除去し端子接続部等を開口する。この際用いられる
活性光線としては、例えばカーボンアーク灯、超高圧水
銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライド等
が挙げられる。
【0090】次に、現像液と現像工程について説明す
る。
【0091】本発明の感光性永久マスク材料用現像液に
は、下記一般式(I)又は一般式(II)
【0092】
【化9】 (式中、R1は炭素数1〜20のアルキル基を示し、R2
は炭素数1〜20のアルキレン基を示す)で表わされる
化合物が含有される。
【0093】上記一般式(I)又は一般式(II)で表
わされる化合物は、
【0094】
【化10】 で表わされる脂肪酸と
【0095】
【化11】 で表わされるジアルキロールアミン又はモノアルキロー
ルアミンを、脂肪酸/ジアルキロールアミン又はモノア
ルキロールアミン=1/1〜1/5(モル比)の範囲の
割合で配合し、加熱することにより得ることができる。
【0096】上記一般式(I)又は一般式(II)で表
わせる化合物は、式中のR1が炭素数1〜20のアルキ
ル基であり、R2が炭素数1〜20のアルキレン基であ
れば、直鎖状でも、分岐状でも制限はないが、中でも、
1が炭素数3〜14のアルキル基、R2が炭素数1〜8
のアルキレン基であることが好ましく、R1が炭素数4
〜9のアルキル基、R2が炭素数2〜4のアルキレン基
であることがより好ましく、R1が炭素数6又は7のア
ルキル基、R2が炭素数2又は3のアルキレン基である
ことが特に好ましい。アルキル基の炭素数が20を超え
ると水溶性が劣り、現像性が劣る。また、アルキレン基
の炭素数が20を超えても水溶性が劣り、現像性が劣
る。
【0097】これらの化合物としては、例えば、酪酸ジ
エタノールアミド、酪酸ジブタノールアミド、吉草酸ジ
エタノールアミド、吉草酸ジヘキサノールアミド、イソ
吉草酸ジエタノールアミド、メチルエチル酢酸ジプロパ
ノールアミド、カプロン酸ジエタノールアミド、カプロ
ン酸ジオクタノールアミド、エナント酸ジエタノールア
ミド、エナント酸ジプロパノールアミド、エナント酸ジ
イソプロパノールアミド、エナント酸ジブタノールアミ
ド、エナント酸ジヘキサノールアミド、エナント酸ジオ
クタノールアミド、エナント酸ジ−2−エチルヘキシル
アルコールアミド、カプリル酸ジオクタノールアミド、
カプリル酸ジ2−エチルへキシルアルコールアミド、カ
プリル酸ジエタノールアミド、カプリル酸ジプロパノー
ルアミド、カプリル酸ジブタノールアミド、ペラルゴン
酸ジエタノールアミド、ペラルゴン酸ジプロパノールア
ミド、カプリン酸ジエタノールアミド、カプリン酸ジプ
ロパノールアミド、ウンデシル酸ジエタノールアミド、
ウンデシル酸ジプロパノールアミド、ラウリン酸ジエタ
ノールアミド、ラウリン酸ジプロパノールアミド、トリ
デシル酸ジエタノールアミド、トリデシル酸ジプロパノ
ールアミド、ミリスチン酸ジエタノールアミド、ミリス
チン酸ジプロパノールアミド、ペンタデシル酸ジエタノ
ールアミド、ペンタデシル酸ジプロパノールアミド、酪
酸モノエタノールアミド、酪酸モノブタノールアミド、
吉草酸モノエタノールアミド、吉草酸モノヘキサノール
アミド、イソ吉草酸モノエタノールアミド、メチルエチ
ル酢酸モノプロパノールアミド、カプロン酸モノエタノ
ールアミド、カプロン酸モノオクタノールアミド、エナ
ント酸モノエタノールアミド、エナント酸モノプロパノ
ールアミド、エナント酸モノイソプロパノールアミド、
エナント酸モノブタノールアミド、エナント酸モノヘキ
サノールアミド、エナント酸モノオクタノールアミド、
エナント酸モノ−2−エチルへキシルアルコールアミ
ド、カプリル酸モノオクタノールアミド、カプリル酸モ
ノ−2−エチルヘキシルアルコールアミド、カプリル酸
モノエタノールアミド、カプリル酸モノプロパノールア
ミド、カプリル酸モノブタノールアミド、ペラルゴン酸
モノエタノールアミド、ペラルゴン酸モノプロパノール
アミド、カプリン酸モノエタノールアミド、カプリン酸
モノプロパノールアミド、ウンデシル酸モノエタノール
アミド、ウンデシル酸モノプロパノールアミド、ラウリ
ン酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノプロパノー
ルアミド、トリデシル酸モノエタノールアミド、トリデ
シル酸モノプロパノールアミド、ミリスチン酸モノエタ
ノールアミド、ミリスチン酸モノプロパノールアミド、
ペンタデシル酸モノエタノールアミド、ペンタデシル酸
モノプロパノールアミド等が挙げられる。これらは、単
独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0098】上記一般式(I)又は一般式(II)で表
わされる化合物の配合量は、感光性永久マスク材料用現
像液総量100重量部に対して0.01〜20重量部と
することが好ましく、0.1〜15重量部とすることが
より好ましく、1〜10重量部とすることが特に好まし
い。この配合量が0.01重量部未満では、現像性が不
十分である傾向があり、20重量部を超えると、感光性
永久マスク材料が基板から剥離しやすくなる傾向にあ
る。
【0099】本発明の感光性永久マスク材料用現像液
は、上記一般式(I)又は一般式(II)で表わされる
化合物を水に溶解又は分散して作製するが、この中に、
無機アルカリ(炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム等)や有機塩基(トリエタ
ノールアミン、ジエタノールアミン、ブチルアミン、フ
ェニルヒドラジン、テトラメチルアンモニウムハイドロ
オキサイド等)を感光性永久マスク材料用現像液総量1
00重量部に対して10重量部未満、好ましくは0.0
01〜5重量部の割合で混合することができる。これら
無機アルカリや有機塩基を10重量部以上混合すると、
感光性永久マスク材料が基板から剥離しやすくなる傾向
にある。
【0100】また、本発明の感光性永久マスク材料用現
像液には、一般的な現像液に用いられる消泡剤、界面活
性剤等を適宜用いることができる。
【0101】現像の方法には、ディップ方式、バドル方
式、スプレー方式等があり、高圧スプレー方式が最も主
流とされている。
【0102】次に、パターン形成後感光性永久マスク材
料を十分に硬化させるため、加熱してもよい。通常加熱
処理工程は70〜250℃、好ましくは80〜200℃
で、1〜120分間、好ましくは5〜90分間行うこと
が好ましい。
【0103】
【実施例】以下実施例により本発明を説明するが、本発
明はこれに限定されるものではない。
【0104】合成例1 撹拌機、還流冷却機、温度計、滴下ロート及び窒素ガス
導入管を備えたフラスコにジオキサン1,130gを加
え撹拌し、窒素ガスを吹き込みながら100℃の温度に
加温した。温度が100℃一定になったところでメタク
リル酸180g、メチルメタクリレート600g、エチ
ルアクリレート220g及びアゾビスイソブチロニトリ
ル10gを混合した液を3時間かけてフラスコ内に滴下
し、その後3.5時間、100℃で撹拌しながら保温し
た。3.5時間後にアゾビスジメチルバレロニトリル5
gをプロピレングリコールモノプロピルエーテル100
gに溶かした溶液を10分かけてフラスコ内に滴下し、
その後再び4時間90℃で撹拌しながら保温した。
【0105】このようにして得られた(a)成分として
の樹脂の重量平均分子量は、35,000、酸価は11
7であった。またこの樹脂溶液の固形分は45.3重量
%であった。
【0106】合成例2 撹拌機、還流冷却機、温度計、滴下ロート及び窒素ガス
導入管を備えた500mlのフラスコに、エピコート1
52(シェル社製、フェノールノボラック型エポキシ樹
脂、エポキシ当量175)175g及びジオキサン40
gを加え、100℃に昇温した。そこに、アクリル酸5
4g、p−キノン0.1g及び塩化ベンジルトリエチル
アンモニウム0.3gの混合液を1時間かけて均一に滴
下した。滴下後、100℃で約10時間撹拌を続け、反
応系の酸価を1以下にした後、60℃に冷却した。次い
で、無水テトラヒドロフタル酸105g及びジオキサン
170gを加えて、約2時間かけて再び100℃に昇温
し、100℃でさらに約10時間撹拌を続け、反応系の
酸価を61とし固形分61重量%の樹脂溶液を得た。得
られた樹脂の数平均分子量は約700であった。
【0107】合成例3 撹拌機、温度計、冷却管、留出管及び窒素ガス導入管を
装備したフラスコに、ポリオキシアルキレンジアミンと
してポリオキシ(エチレン−末端部プロピレン)ジアミ
ン(広栄化学工業(株)製商品名PEGPA−100
0、平均分子量1,100)を961重量部(1モル、
1級アミン価からの算出値)、環状トリカルボン酸モノ
無水物としてトリメリット酸無水物を384重量部(2
モル)仕込み、窒素ガス通気下、途中、副生してくる縮
合水をトルエンで共沸させて留去しながら、1時間かけ
て200℃に昇温した。同温度で3時間保温して脱水イ
ミド化反応を完結させた後、冷却し、ポリオキシアルキ
レンジアミン変性ジカルボン酸を得た。
【0108】次に、前記ポリオキシアルキレンジアミン
変性ジカルボン酸57.7重量部(42.4ミリモ
ル)、アジピン酸4.9重量部(33.6ミリモル)、
セバシン酸6.8重量部(33.7ミリモル)、イソフ
タル酸11.2重量部(67.5ミリモル)の計17
7.2ミリモル、ジイソシアネート(b)として、4,
4′−ジフェニルメタンジイソシアネート22.1重量
部(88.4ミリモル)、トリレンジイソシアネート
(2,6−異性体/2,4−異性体=80/20モル
比)10.3重量部(59.2ミリモル)の計147.
6ミリモル及び反応溶媒として、γ−ブチロラクトン1
50重量部を仕込み、窒素ガス通気下、途中、副生して
くる炭酸ガスを系外に排気しながら、200℃に昇温し
た。同温度で3時間保温して脱炭酸アミド化反応を完結
させた後、150℃まで冷却し、加熱残分(220℃/
1時間)40重量%、酸価(樹脂分換算)40.2、
(酸価からの算出値)2,790のカルボキシル基含有
ポリアミド系樹脂溶液100重量部(樹脂分換算、3
5.8ミリモル)を得た。次いで、150℃保温状態に
ある前記カルボキシル基含有ポリアミド系樹脂溶液に、
エポキシ樹脂として、ビスフェノールΑ型エポキシ樹脂
であるエポミックR140P(三井石油化学工業(株)
社製商品名)16.2重量部(43.1ミリモル)及び
反応溶媒として、ジメチルホルムアミド66.7重量部
を添加し、同温度で3時間保温してヒドロキシエチルエ
ステル化反応を完結させた後、冷却し、加熱残分(22
0℃/1時間)35重量%、エポキシ当量(樹脂分換
算)8,100、水酸基当量(樹脂分換算)1,62
0、分子量(設計値)162,000のエポキシ基含有
ポリアミド系樹脂溶液を得た。
【0109】次に、前記エポキシ基含有ポリアミド系樹
脂溶液100重量部(樹脂分換算、6.17ミリモル)
にメタクリル酸2.1重量部(24.4ミリモル)、パ
ラキノン0.21重量部、N,N−ジメチルベンジルア
ミン2.9重量部を仕込み、乾燥空気通気下、100℃
に昇温した。同温度で6時間保温してエポキシ基封鎖反
応を完結させ、水酸基当量(樹脂分換算)1,360、
分子量(設計値)16,370のエポキシ基封鎖型ポリ
アミド系樹脂溶液を得た。次いで、150℃で保温状態
にある前記エポキシ基封鎖型ポリアミド系樹脂溶液に、
テトラヒドロ無水フタル酸8.5重量部(55.9ミリ
モル)を添加し、同温度で2時間保温して反応を完結さ
せた後、60℃まで冷却した。60℃保温下、さらに2
−イソシアネートエチルメタクリレート2.9重量部
(18.7ミリモル)を添加し、同温度で4時間保温し
た。
【0110】このようにして得られた樹脂の重量平均分
子量は、55,000、酸価は38であった。またこの
樹脂溶液の固形分は35重量%であった。
【0111】合成例4 撹拌機、還流冷却機、温度計、滴下ロート及び窒素ガス
導入管を備えたフラスコに4,4′−ジアミノジフェニ
ルエーテル80.1g(0.4モル)及びN−メチル−
2−ピロリドン514gを加え、窒素ガスを吹き込みな
がら室温で撹拌した。この溶液に4,4′−オキシジフ
タル酸二無水物93.06g(0.3モル)及び1,3
−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,
3,3−テトラメチルジシロキサン二無水物42.66
g(0.1モル)を加え、室温で4時間撹拌した後、7
0℃に昇温し、同温度で8時間加熱した。
【0112】このようにして得られた樹脂の重量平均分
子量は、49,000、酸価は208であった。またこ
の樹脂溶液の固形分は47重量%であった。
【0113】実施例1 合成例1で得られた(A)成分の樹脂に、(B)成分、
(C)成分、染料、及び有機溶剤を、それぞれ表1の配
合で混合して感光性永久マスク材料の溶液を得た。
【0114】次に、図1で示す装置を用いてリバースロ
ールコーティングにより上記配合の感光性永久マスク材
料の溶液を25μmの厚さのポリエチレンテレフタレー
トフィルム12上に均一に塗布し、80〜100℃の熱
風対流式乾燥機7で約10分間乾燥した。感光性永久マ
スク材料の層の乾燥後の厚さは、約60μmであった。
感光性永久マスク材料の層の上には、さらに図1に示し
たようにして厚さ約25μmのポリエチレンフィルム1
3をカバーフィルムとして張り合わせ、ドライフィルム
型感光性永久マスク材料を挟持した感光性エレメント1
4を得た。なお、図1において1はポリエチレンテレフ
タレートフィルムくり出しロール、2はフィードロー
ル、3はバッキングロール及び4はドクタロール、5は
ナイフ、6は感光性永久マスク材料の溶液、7は乾燥
機、8はポリエチレンフィルムくり出しロール、9及び
10はロール並びに11は感光性エレメント巻き取りロ
ール並びに11は感光性エレメント巻き取りロールを示
す。
【0115】得られた感光性エレメント中のドライフィ
ルム型感光性永久マスク材料をカプトン(デュポン社製
商品名、膜厚25μm)を支持体とした厚さ35μm、
幅120μmの銅パターンを有するフレキシブルプリン
ト回路板に真空ラミネーターHLM−V570(日立エ
ーアイシー(株)社製)を用いて下記のラミネート条件
下でラミネートした。
【0116】基板予熱ローラー温度 100℃ ヒートシュー温度 90℃ ラミネート圧力(シリンダー圧) 5kgf/cm2 真空チャンバー内の圧力 10mmHg ラミネート速度 0.8m/min 次いで、このようにして得られた基板にネガフィルムを
使用し、3kw高圧水銀灯(オーク製作所社製、HMW
−201B)で100mJ/cm2の露光を行い、ドラ
イフィルム型感光性永久マスク材料上のポリエチレンテ
レフタレートフィルムを除去し、5wt%のエナント酸
ジエタノールアミド及び1wt%の炭酸ナトリウム及び
蒸留水からなる現像液を用いて不要部を除去し、直ちに
水洗し、部品の端子接続部を開口した。
【0117】次いで形成したレジストを完全硬化させる
ために箱形乾燥機で150℃、60分間加熱を行い、ネ
ガマスクに相応する寸法精度の優れた硬化被膜を得た。
【0118】実施例2 合成例2で得られた(A)成分の樹脂に、(B)成分、
(C)成分、染料及び有機溶剤を、それぞれ表1の配合
で混合して、感光性永久マスク材料の溶液を得た。次
に、実施例1と同様にしてドライフィルム型感光性永久
マスク材料を作製しFR−4(ガラス/エポキシ複合
材)を支持体とした厚さ43μm、幅125μmの銅パ
ターンを有するプリント回路板にラミネート塗布した。
次いで、このようにして得られた基板にネガフィルムを
使用し、メタルハライド灯(オーク製作所社製、HW−
860)で100mJ/cm2の露光を行い、ドライフ
ィルム型感光性永久マスク材料上のポリエチレンテレフ
タレートフィルムを除去し、1wt%のラウリン酸ジエ
タノールアミド、0.5wt%の炭酸ナトリウム及び蒸
留水からなる現像液を用いて、35℃で150秒間スプ
レーすることにより不要部を除去し、直ちに水洗し、部
品の端子接続部を開口した。
【0119】次いで形成したレジストを完全硬化させる
ため箱形乾燥機で150℃、60分間加熱を行い、ネガ
マスクに相応する寸法精度の優れた硬化被膜を得た。
【0120】実施例3 合成例3で得られた(A)成分の樹脂に、(B)成分、
(C)成分、染料及び有機溶剤を、それぞれ表1の配合
で混合して、感光性永久マスク材料の溶液を得た。次に
実施例1と同様にして得られたドライフィルム型感光性
永久マスク材料をカプトン(デュポン社製商品名、膜厚
25μm)を支持体とした厚さ35μm、幅120μm
の銅パターンを有するフレキシブルプリント回路板に真
空ラミネーターHLM−V570(日立エーアイシー
(株)製)を用いて実施例1と同様の条件でラミネート
塗布した。次いで、このようにして得られた基板にネガ
フィルムを使用し、3kw高圧水銀灯(オーク製作所社
製、HMW−201B)で200mJ/cm2の露光を
行い、ドライフィルム型感光性永久マスク材料上のポリ
エチレンテレフタレートフィルムを除去し、1wt%の
エナント酸モノエタノールアミド、3wt%のトリエタ
ノールアミン及び蒸留水からなる現像液を用いて不要部
を除去し、直ちに水洗し、部品の端子接続部を開口し
た。
【0121】次いで形成したレジストを完全硬化させる
ため箱形乾燥機で150℃、60分間加熱を行い、ネガ
マスクに相応する寸法精度の優れた硬化被膜を得た。
【0122】実施例4 合成例4で得られた(A)成分の樹脂に、(B)成分、
(C)成分、染料及び有機溶剤を、それぞれ表1の配合
で混合して、感光性永久マスク材料の溶液を得た。次
に、実施例1と同様にしてドライフィルム型感光性永久
マスク材料を作製しFR−4(ガラス/エポキシ複合
材)を支持体とした厚さ43μm、幅125μmの銅パ
ターンを有するプリント回路板にラミネート塗布した。
次いで、このようにして得られた基板にネガフィルムを
使用し、3kw高圧水銀灯(オーク製作所社製、HMW
−201B)で100mJ/cm2の露光を行い、ドラ
イフィルム型感光性永久マスク材料上のポリエチレンテ
レフタレートフィルムを除去し、2wt%のカプリル酸
ジプロパノールアミド、1wt%の炭酸ナトリウム及び
蒸留水からなる現像液を用いて不要部を除去し、直ちに
水洗し、部品の端子接続部を開口した。
【0123】次いで形成したレジストを完全硬化させる
ため箱形乾燥機で150℃、60分間加熱を行い、ネガ
マスクに相応する寸法精度の優れた硬化被膜を得た。
【0124】実施例5 合成例1で得られた(A)成分の樹脂に、(B)成分、
(C)成分、染料及び有機溶剤を、それぞれ表1の配合
で混合し、3本ロールで混練し感光性永久マスク材料の
溶液を得た。次に、得られた感光性永久マスク材料の溶
液をカプトン(デュポン社製商品名、膜厚25μm)を
支持体とした厚さ35μm、幅120μmの銅パターン
を有するフレキシブルプリント回路板上にスクリーン印
刷機を用いて塗布した。次いで室温で20分、80℃で
20分間乾燥し、厚さ30μmの感光層を得た。次い
で、ネガマスクを通してオーク製作所(株)製フェニッ
クス3000型露光機を用い、400mJ/cm2で露
光した。露光後、80℃で5分間加熱し、常温で30分
間放置した。その後、2wt%のエナント酸ジエタノー
ルアミド、3wt%のトリエタノールアミン及び蒸留水
からなる現像液を用いて不要部を除去し、直ちに水洗
し、部品の端子接続部を開口した。
【0125】次いで形成したレジストを完全硬化させる
ため箱形乾燥機で150℃、60分間加熱を行い、ネガ
マスクに相応する寸法精度の優れた硬化被膜を得た。
【0126】実施例6 合成例2で得られた(A)成分の樹脂に、(B)成分、
(C)成分、染料及び有機溶剤を、それぞれ表1の配合
で2mmφのジルコニアボールを充填したサンドミルを
用いて混練し、感光性永久マスク材料の溶液を得た。得
られた感光性永久マスク材料を作成しFR−4(ガラス
/エポキシ複合材)を支持体とした厚さ43μm、幅1
25μmの銅パターンを有するプリント回路板上にスク
リーン印刷機を用いて塗布した。次いで室温で20分、
80℃で20分間乾燥し、厚さ30μmの感光層を得
た。次いで、ネガマスクを通してメタルハライド灯(オ
ーク製作所社製、HW−860)で500mJ/cm2
の露光を行った。露光後、80℃で5分間加熱し、常温
で30分間放置した。その後、1wt%のラウリル酸ジ
エタノールアミド、0.5wt%炭酸ナトリウム及び蒸
留水からなる現像液を用いて不要部を除去し、直ちに水
洗し、部品の端子接続部を開口した。
【0127】次いで形成したレジストを完全硬化させる
ため箱形乾燥機で150℃、60分間加熱を行い、ネガ
マスクに相応する寸法精度の優れた硬化被膜を得た。
【0128】実施例7 合成例3で得られた(A)成分の樹脂に、(B)成分、
(C)成分、染料及び有機溶剤をそれぞれ表1の配合で
混合し、3本ロールで混練し感光性永久マスク材料の溶
液を得た。次に、得られた感光性永久マスク材料の溶液
をカプトン(デュポン社製商品名、膜厚25μm)を支
持体とした厚さ35μm、幅120μmの銅パターンを
有するフレキシブルプリント回路板上にスクリーン印刷
機を用いて塗布した。次いで室温で20分、80℃で2
0分間乾燥し、厚さ30μmの感光層を得た。次いで、
ネガマスクを通してオーク製作所(株)製フェニックス
3000型露光機を用い、250mJ/cm2で露光し
た。露光後、80℃で5分間加熱し、常温で30分間放
置した。その後、2wt%のエナント酸ジエタノールア
ミド、1wt%炭酸ナトリウム及び蒸留水からなる現像
液を用いて不要部を除去し、直ちに水洗し、部品の端子
接続部を開口した。
【0129】次いで形成したレジストを完全硬化させる
ため箱形乾燥機で150℃、60分間加熱を行い、ネガ
マスクに相応する寸法精度の優れた硬化被膜を得た。
【0130】実施例8 合成例4で得られた(A)成分の樹脂に、(B)成分、
(C)成分、染料及び有機溶剤を、それぞれ表1の配合
で2mmφのジルコニアボールを充填したサンドミルを
用いて混練し感光性永久マスク材料の溶液を得た。得ら
れた感光性永久マスク材料を作製しFR−4(ガラス/
エポキシ複合材)を支持体とした厚さ43μm、幅12
5μmの銅パターンを有するプリント回路板上にスクリ
ーン印刷機を用いて塗布した。次いで室温で20分、8
0℃で20分間乾燥し、厚さ30μmの感光層を得た。
次いで、ネガマスクを通してオーク製作所(株)フェニ
ックス3000型露光機を用い、400mJ/cm2
露光した。露光後、80℃で5分間加熱し、常温で30
分間放置した。その後、1wt%のラウリン酸モノエタ
ノールアミド、0.5wt%炭酸ナトリウム及び蒸留水
からなる現像液を用いて不要部を除去し、直ちに水洗
し、部品の端子接続部を開口した。
【0131】次いで形成したレジストを完全硬化させる
ため箱形乾燥機で150℃、60分間加熱を行い、ネガ
マスクに相応する寸法精度の優れた硬化被膜を得た。
【0132】比較例1 実施例1中の現像液にエナント酸ジエタノールアミドを
加えないこと以外は、実施例1と同様に行った。
【0133】比較例2 実施例2中の現像液にラウリン酸ジエタノールアミドを
加えないこと以外は、実施例2と同様に行った。
【0134】比較例3 実施例3中の現像液にエナント酸モノエタノールアミド
を加えないこと以外は、実施例3と同様に行った。
【0135】比較例4 実施例4中の現像液にカプリル酸ジプロパノールアミド
を加えないこと以外は、実施例4と同様に行った。
【0136】比較例5 実施例5中の現像液にエナント酸ジエタノールアミドを
加えないこと以外は、実施例5と同様に行った。
【0137】比較例6 実施例6中の現像液にラウリン酸ジエタノールアミドを
加えないこと以外は、実施例6と同様に行った。
【0138】比較例7 実施例7中の現像液にエナント酸ジエタノールアミドを
加えないこと以外は、実施例7と同様に行った。
【0139】比較例8 実施例8中の現像液にラウリン酸モノエタノールアミド
を加えないこと以外は、実施例8と同様に行った。
【0140】実施例及び比較例で作製した感光性永久マ
スク材料及び現像液について、最小現像時間、解像度及
び現像残渣発生の有無を観察し、結果を表2に示した。
【0141】表2から、本発明になる現像液を用いて現
像すると(実施例1〜実施例8)、本発明の範囲外の現
像液を用いた場合(比較例1〜比較例8)に比べて、現
像時間が短縮でき、解像度が良好で、現像残渣が発生し
ないことが分かった。中でも、実施例1を用いた現像液
は、現像時間が短いことに加え、スプレー時の泡立ちも
なく最も良好な現像液であった。
【0142】
【表1】 *1 2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニ
ル]−2−モルフォリノプロパノン−1 *2 2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン
−1−オン *3 2,4−ジエチルチオキサントン *4 ベンゾフェノン
【0143】
【表2】 1)現像時間:スプレー現像(スプレー圧:0.8kg
/mm2)により、パターンが形成される最小現像時間
(秒)
【0144】
【発明の効果】本発明の現像液を用いた感光性永久マス
クパターンの製造法によれば、現像時間を短縮し製造コ
ストを低減でき、また現像残渣による不良を低減できる
ことができることから、高密度、高精度、高信頼性を有
するプリント回路板を得ることができる。得られたプリ
ント回路板は、テレビ、オーディオ、ファクシミリ、通
信機、測定器、制御器、交換器、ゲーム機等の各種の機
器に良好に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜4及び比較例1〜4で用いた感光性
エレメントの製造装置の略図。
【符号の説明】
1 ポリエチレンテレフタレートフィルムくり出しロー
ル 2 フィードロール 3 バッキングロール 4 ドクタロール 5 ナイフ 6 感光性永久マスク材料の溶液 7 乾燥機 8 ポリエチレンフィルムくり出しロール 9、10 ロール 11 感光性エレメント巻き取りロール 12 ポリエチレンテレフタレートフィルム 13 ポリエチレンフィルム 14 感光性エレメント
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H05K 3/06 H05K 3/06 G 3/28 3/28 D (72)発明者 赤堀 聡彦 茨城県日立市東町4丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内 (72)発明者 鈴木 健司 茨城県日立市東町4丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内 (72)発明者 西澤 ▲広▼ 茨城県日立市東町4丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I)又は一般式(II) 【化1】 (式中、R1は炭素数1〜20のアルキル基を示し、R2
    は炭素数1〜20のアルキレン基を示す)で表される化
    合物を含有する現像液であって、(A)酸価が20〜3
    00、重量平均分子量が400〜500,000の樹
    脂、(B)エチレン性不飽和結合を分子内に1個以上有
    する光重合性化合物及び(C)光重合開始剤を含有して
    なる感光性永久マスク材料を現像するための感光性永久
    マスク材料用現像液。
  2. 【請求項2】 一般式(I)又は一般式(II)で表わ
    される化合物において、R1が炭素数3〜14のアルキ
    ル基である請求項1記載の感光性永久マスク材料用現像
    液。
  3. 【請求項3】 一般式(I)又は一般式(II)で表わ
    される化合物において、R2が炭素数1〜8のアルキレ
    ン基である請求項1又は2記載の感光性永久マスク材料
    用現像液。
  4. 【請求項4】 一般式(I)又は一般式(II)で表わ
    される化合物において、R1が炭素数4〜9のアルキル
    基である請求項1、2又は3記載の感光性永久マスク材
    料用現像液。
  5. 【請求項5】 (A)酸価20〜300、重量平均分子
    量が400〜500,000の樹脂が、両末端にカルボ
    キシル基を有し、かつ、アミド結合、ポリアルキレンエ
    ーテル構造及び/又はポリアルキレンカーボネート構造
    を有するジカルボン酸(a)に、エポキシ樹脂(b)を
    当量比[(b)のエポキシ基/(a)のカルボキシル
    基]が0.5以上の条件で反応させて得られるアミドエ
    ポキシ樹脂(c)及び/又は(c)にモノカルボン
    (d)を当量比[(d)のカルボキシル基/(c)のエ
    ポキシ基]が1以上の条件で反応させて得られる不飽和
    基変性アミドエポキシ樹脂(e)に対して、環状多価カ
    ルボン酸モノ無水物(f)を当量比[(f)の酸無水物
    基/((c)及び/又は(e))の水酸基]が0.1〜
    2の範囲、光重合成不飽和基含有モノイソシアネート
    (g)を当量比[(g)のイソシアネート基/((c)
    及び/又は(e))の水酸基]が0〜2の範囲で反応さ
    せることにより得られたカルボキシル基含有不飽和基変
    性アミドエポキシ樹脂である請求項1記載の感光性永久
    マスク材料用現像液。
  6. 【請求項6】 (イ)請求項1、2、3、4又は5記載
    の感光性永久マスク材料を基板上に膜として形成する工
    程、(ロ)活性光線を画像状に照射する工程及び(ハ)
    不要部を請求項1、2、3、4又は5記載の感光性永久
    マスク材料用現像液により現像して除去する工程からな
    ることを特徴とする感光性永久マスクパターンの製造
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7226726B2 (en) * 2000-08-04 2007-06-05 Az Electronic Materials Usa Corp. Aqueous surfactant solution for developing coating film layer
US7598320B2 (en) 2003-03-28 2009-10-06 Az Electronic Materials Usa Corp. Protected polyvinyl alcohol auxiliary for forming fine pattern and process for producing the same

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