JP4924429B2 - 活性エネルギー線硬化型組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、活性エネルギー線硬化型組成物に関し、本発明の組成物はインキ、塗料及びレジスト等のパターン形成用組成物の種々の用途に使用可能であり、特にアルカリ現像性に優れるため、パターン形成用組成物として好ましく使用でき、これら技術分野に属する。
従来、エッチングレジスト、ソルダーレジスト及びカラーフィルターの着色層を形成するカラーレジスト等で使用されるパターン形成用組成物としては、(メタ)アクリレートが多く使用されている。この場合において、組成物の感度向上及び硬化物の硬度向上等を目的として、(メタ)アクリロイル基を2個以上有する化合物〔以下「多官能(メタ)アクリレート」という〕が使用されている。
この場合、多官能(メタ)アクリレートはアルカリ不溶性であり、現像時に未硬化部塗膜の膜残りが発生し、十分な解像度が得られないという問題点があったため、ヒドロキシル基と(メタ)アクリロイル基を有する化合物を2価カルボン酸無水物と付加させて得られるカルボキシル基含有多官能(メタ)アクリレートの検討がなされてきた。
しかしながら、多官能(メタ)アクリレート1分子中に2価カルボン酸無水物を多く付加させるためには、ヒドロキシル基を残すため1分子中の(メタ)アクリロイル基の割合を下げる必要があるため、架橋密度を上げることができず、現像性と硬化性を両立させることは困難であった。
そこで、硬度及び現像性をさらに改善するために、1個以上のヒドロキシル基と2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を4価カルボン酸の二無水物と付加反応させて得られるカルボキシル基含有多官能(メタ)アクリレートの検討もなされている(特許文献1)。
しかしながら、特許文献1に記載されたカルボキシル基含有多官能(メタ)アクリレートを使用する場合においても、架橋密度が不足するために、硬化膜強度、耐熱性及び耐薬品性が劣るという問題を有するものであった。
一方、液晶パネルの製造において使用されるカラーフィルター用の活性エネルギー線硬化型パターン形成用組成物には、硬化物の架橋密度及びアルカリ可溶性が要求されることが多い。
カラーフィルター用の活性エネルギー線硬化型パターン形成用組成物としては、カルボキシル基を有しない多官能(メタ)アクリレート、アルカリ可溶性樹脂、光重合開始剤及び有機溶剤を含有する組成物が知られている(特許文献2)。
この発明は、硬化物の架橋密度及びアルカリ可溶性を向上させるために、アルカリ可溶性樹脂の光硬化性基と酸性官能基の導入割合を増加させたものであるが、導入できる光硬化性基と酸性官能基の量には限界があるうえ、組成物の粘度が上昇してしまい、塗工適性が損われてしまうという問題も発生するものであった。
この問題を解決するため、カルボキシル基を有する多官能(メタ)アクリレートを用いたパターン形成用組成物が提案されている(特許文献3)。しかしながら、この組成物によれば、一分子中に1個のカルボキシル基を有する化合物を使用するためにアルカリ可溶性は向上するものの、実用上不十分であるうえ、感度も充分なものではなかった。
特開2001−089416号公報(特許請求の範囲) 特開2000−105456号公報(特許請求の範囲) 特開2001−91954号公報(特許請求の範囲)
本発明の目的は、活性エネルギー線硬化型パターン形成用組成物として使用した場合、露光感度が高く現像性が良好で、精密で正確なパターンを形成することができ、且つ硬化後において、塗膜強度、耐熱性及び耐薬品性等の諸物性に優れる活性エネルギー線硬化型組成物を提供することにあり、さらには、液晶パネル製造における、カラーフィルター保護膜用組成物、カラーフィルターにおける画素やブラックマトリックス等を形成するための着色組成物として好ましく使用でき、前記した性能に加え、硬化後において高弾性であり、柱状スペーサーに適した弾性挙動を有するパターン形成用組成物又はパターン形成方法を提供することにある。
以下、本発明を詳細に説明する。尚、本明細書中において、(メタ)アクリルとはアクリル及び/又はメタクリルを意味し、(メタ)アクリレートとはアクリレート及び/又はメタクリレートを意味し、(メタ)アクリロイルとはアクリロイル及び/又はメタクリロイルを意味する。
本発明は、3個以上の(メタ)アクリロイル基とヒドロキシル基を有する化合物に酸無水物を付加した化合物(a)〔以下「(a)成分」という〕と、前記(a)成分の少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基に、3個以上の(メタ)アクリロイル基とヒドロキシル基を有する化合物のヒドロキシル基がマイケル付加した化合物〔以下「(b)成分」という〕を必須成分として含有する活性エネルギー線硬化型組成物に関する。
以下、(a)成分、(b)成分及びその他の成分について説明する。
1.(a)成分
(a)成分は、3個以上の(メタ)アクリロイル基とヒドロキシル基を有する化合物〔以下「ヒドロキシ多官能(メタ)アクリレート」という〕に酸無水物を付加した化合物である。
ヒドロキシ多官能(メタ)アクリレートとしては、具体的には、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの中でも、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが、パターン形成能が高いという理由で好ましい。
本発明におけるヒドロキシ多官能(メタ)アクリレートとしては、製造工程で副生するヒドロキシル基を有しない4個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を含んでいても良い。例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは通常、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート中にはペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートが含まれ、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート中にはジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが含まれる。
これらヒドロキシル基を有しない4個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物は、ヒドロキシ多官能(メタ)アクリレート成分中に、20〜80質量%の割合で含まれていても良い。
ヒドロキシ多官能アクリレートの製造方法としては、酸性触媒の存在下に、(メタ)アクリル酸とアルコールとを加熱・攪拌する方法等が挙げられる。酸性触媒としては、硫酸、パラトルエンスルホン酸及びメタンスルホン酸等が挙げられる。また、反応温度は、使用する化合物及び目的に応じて適宜設定すればよいが、好ましくは70℃〜140℃である。この反応温度が70℃未満の場合は反応が遅くなり、一方、反応温度が140℃を超える場合は、反応系が不安定になって、不純物が生成したり、ゲル化をする場合がある。
当該反応に際しては、エステル化反応で生成する水との溶解度が低い有機溶媒を使用し、水を共沸させながら脱水を促進することが好ましい。好ましい有機溶媒としては、例えばトルエン、ベンゼン及びキシレン等の芳香族炭化水素、ヘキサン及びヘプタン等の脂肪族炭化水素、並びにメチルエチルケトン及びシクロヘキサノン等のケトン等が挙げられる。また、有機溶媒は、反応後に減圧で留去してもよいが、臭気の問題がない溶媒を使用した場合には、組成物の粘度調整のために留去することなくそのまま使用してもよい。
前記反応におけるアルコールとして、具体的には、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール及びジペンタエリスリトール等のポリオール、並びにこれらポリオールのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。上記アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
また、得られる(メタ)アクリル酸エステルの重合を防止する目的で、反応液に重合防止剤を添加することができる。このような重合防止剤としては、例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジターシャリーブチル−p−クレゾール及びフェノチアジン等が挙げられる。
(a)成分は、前記ヒドロキシ多官能(メタ)アクリレートと酸無水物の反応によって合成される。酸無水物としては、無水コハク酸、無水1−ドデセニルコハク酸、無水マレイン酸、無水グルタル酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラメチレン無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、無水テトラクロロフタル酸、無水テトラブロモフタル酸及び無水トリメリット酸等の同一分子内に1個の酸無水物基を有する化合物、並びに無水ピロメリット酸、無水フタル酸ニ量体、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物及び1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸無水物及び無水トリメリット酸・エチレングリコールエステル(市販品としては、例えば、新日本理化(株)製、商品名リカシッドTMEG−100がある)等の同一分子内に2個の酸無水物基を有する化合物が挙げられる。
これらの中でも、同一分子内に1個の酸無水物基を有する化合物が好ましい。
(a)成分の製造方法としては、常法に従えば良い。
例えば、ヒドロキシ多官能(メタ)アクリレートと酸無水物とを、触媒の存在下、60〜110℃で1〜20時間反応させる方法等が挙げられる。
この場合の触媒としては、N,N−ジメチルベンジルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエチレンジアミン、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド及び酸化亜鉛等が挙げられる。
(a)成分の組成物中の割合は、目的及び用途に応じて適宜選択すれば良いが、好ましくは組成物中に10〜80質量%である。
2.(b)成分
(b)成分は、前記(a)成分の少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基に、ヒドロキシ多官能(メタ)アクリレートのヒドロキシル基がマイケル付加した化合物である。(b)成分としては、前記(a)成分の1個の(メタ)アクリロイル基に、ヒドロキシ多官能(メタ)アクリレートのヒドロキシル基がマイケル付加した化合物が好ましい。
(b)成分としては、種々の製造法で得られたものが使用でき、(a)成分の(メタ)アクリロイル基にヒドロキシ多官能(メタ)アクリレートのヒドロキシル基をマイケル付加させる方法、2つのヒドロキシ多官能(メタ)アクリレートの内、一方のヒドロキシ多官能(メタ)アクリレートのヒドロキシル基がもう一方のヒドロキシ多官能(メタ)アクリレートのアクリレート基にマイケル付加させた後、酸無水物を付加する方法が挙げられる。前記2通りの製法は反応の順序が異なるだけで生成する化合物は同じものとなる。
又、(b)成分としては、(a)成分の製造において副生するものを使用することもできる。
第一の副生物は、(a)成分の製造において、原料ヒドロキシ多官能(メタ)アクリレートとして、ヒドロキシ多官能(メタ)アクリレートのいずれか1つの(メタ)アクリロイル基に、ヒドロキシ多官能(メタ)アクリレートのヒドロキシル基がマイケル付加した化合物(以下、化合物b’という)を含むものを使用した場合である。
化合物b’は、原料ヒドロキシ多官能(メタ)アクリレートの製造において、(メタ)アクリル酸とアルコールとを加熱・攪拌する工程において、副反応として生成するものである。
この場合、反応系内で生成する化合物b’の割合は、反応温度、反応時間もしくはアルコールと(メタ)アクリル酸の仕込み割合により任意に調整することができる。一般にアルコール中のヒドロキシル基の転化率を上げるためには(メタ)アクリル酸を1.5倍モル以上仕込むことが好ましいが、化合物b’を生成させる場合には、アルコールの仕込み量に対して、(メタ)アクリル酸の仕込み量は、好ましくは1.3モル以下、より好ましくは1.2倍モル以下である。又、反応温度を通常より高く設定したり、反応時間を長くすることでも反応を促進することができる。
この場合の反応温度としては90℃以上が好ましく、より好ましくは100℃以上である。
化合物b’が酸無水物と付加して、(b)成分が生成する。
第二の副生物は、(a)成分の製造における酸無水物を付加する工程において、生成した(a)成分のいずれか1つの(メタ)アクリロイル基に、ヒドロキシ多官能(メタ)アクリレートのヒドロキシル基がマイケル付加した場合に生成するものである。
この場合、反応系内で生成する(b)成分の割合は、反応温度、反応時間もしくは未反応のヒドロキシル基と酸無水物の仕込み割合により任意に調整することができる。(b)成分を生成させる場合には、未反応のヒドロキシル基に対して酸無水物を少なめに使用する。具体的には未反応のヒドロキシル基に対して酸無水物を0.95倍モルが好ましく、より好ましくは0.9倍モル以下である。又、反応温度を通常より高く設定したり、反応時間を長くすることでも反応を促進することができる。
この場合の反応温度としては90℃以上が好ましく、より好ましくは100℃以上である。
本発明において、(b)成分の割合としては、(a)成分100質量部に対して、1〜50質量部が好ましく、より好ましくは10〜50質量部である。(b)成分の割合が1質量部に満たない場合及び50質量部を超える場合には現像性が不足することがある。
又、(a)成分及び(b)成分以外の多官能(メタ)アクリレートを配合する場合において、(a)成分と(b)成分の合計量は、すべての多官能(メタ)アクリレート100質量部に対して、5〜80質量%が好ましい。(a)成分と(b)成分の合計量が5質量%に満たないと現像性が不足し、80質合%を超えるとは架橋密度が低下する場合がある。
ここで、(a)及び(b)成分の含有量は、高速液体クロマトグラフ分析にて、逆相シリカカラムを用い、且つ水/メタノール系の溶離液を用いて測定して得られた面積を、検量線を使用して補正して得られたものが好ましい。この場合の測定条件としては、以下を挙げるができる。
[高速液体クロマトグラフ分析条件]
・装置:東ソー(株)製SC−8010
・カラム:東ソー(株)製ODS−100z、
逆相(ODS)カラム(内径4.6mm、長さ250mm)。粒径5μmの逆相(ODS)シリカ粒子を充填。
・組成物100mgを溶媒10mlに溶解した溶液5μlを、前記カラムに供給。
・分析温度:40℃
・溶離液:0.015%リン酸水:メタノール(容量比)= 45:55(Initial)→30:70 (30min)→ 0 :100 (45−50min)
・溶離液の流速:1.0ml/min
・検出波長:UV 210nm
3.その他の成分
本発明の組成物は、必要に応じてその他の成分を配合することができる。
具体的には、光重合開始剤、有機溶剤、不飽和基含有化合物、アルカリ可溶性樹脂、顔料、染料、消泡剤、レベリング剤、無機フィラー及び有機フィラー等を配合することもできる。又、必要に応じて、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤及び重合禁止剤等を少量添加してもよい。
以下、光重合開始剤、有機溶剤、不飽和基含有化合物及びアルカリ可溶性樹脂について詳細に説明する。
3−1.光重合開始剤
本発明の組成物は、活性エネルギー線の照射により硬化するものであるが、この場合の活性エネルギー線としては、電子線、可視光線及び紫外線等が挙げられる。これらの中でも、特別な装置を必要とせず、簡便であるため、可視光線又は紫外線が好ましい。
可視光線又は紫外線硬化型組成物とする場合、組成物に光重合開始剤を配合する。尚、電子線硬化型組成物とする場合は、光重合開始剤を必ずしも配合する必要はない。
光重合開始剤〔以下「(c)成分」という〕としては、例えば、ビイミダゾール系化合物、ベンゾイン系化合物、アセトフェノン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、α−ジケトン系化合物、多核キノン系化合物、キサントン系化合物、チオキサントン系化合物、トリアジン系化合物及びケタール系等を挙げることができる。
ビイミダゾール系化合物の具体例としては、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール及び2,2’−ビス(2,4,6−トリブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール等を挙げることができる。
(c)成分としてビイミダゾール系化合物を用いる場合、水素供与体を併用することが、更に感度を改良することができる点で好ましい。ここでいう「水素供与体」とは、露光によりビイミダゾール系化合物から発生したラジカルに対して、水素原子を供与することができる化合物を意味する。
水素供与体としては、メルカプタン系水素供与体及びアミン系水素供与体等が好ましい。
メルカプタン系水素供与体は、ベンゼン環又は複素環を母核とし、該母核に直接結合したメルカプト基を1個以上、好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜2個有する化合物からなる。メルカプタン系水素供与体の具体例としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール及び2−メルカプト−2,5−ジメチルアミノピリジン等を挙げることができる。これらのメルカプタン系水素供与体のうち、2−メルカプトベンゾチアゾール及び2−メルカプトベンゾオキサゾールが好ましく、特に、2−メルカプトベンゾチアゾールが好ましい。
アミン系水素供与体は、ベンゼン環又は複素環を母核とし、該母核に直接結合したアミノ基を1個以上、好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜2個有する化合物からなる。アミン系水素供与体の具体例としては、4、4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4、4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−ジエチルアミノアセトフェノン、4−ジメチルアミノプロピオフェノン、エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、4−ジメチルアミノ安息香酸及び4−ジメチルアミノベンゾニトリル等を挙げることができる。
水素供与体は、単独で又は2種以上を混合して使用することができるが、1種以上のメルカプタン系水素供与体と1種以上のアミン系水素供与体とを組み合わせて使用することが、形成されたスペーサー又は画素が現像時に基板から脱落し難く、スペーサー又は画素の強度及び感度も高い点で好ましい。又、メルカプト基とアミノ基とを同時に有する水素供与体も好適に使用できる。
ベンゾイン系化合物の具体例としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインi−プロピルエーテル、ベンゾインi−ブチルエーテル及び2−ベンゾイル安息香酸メチル等を挙げることができる。
アセトフェノン系化合物の具体例としては、2,2−ジメトキシアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−i−プロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−メチルチオフェニル)−2−メチル−2−モルフォリノプロパン−1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−メチル−2−ヒドロキシプロパン−1−オン、1−(4−モルフォリノフェニル)−2−ベンジル−2−ジメチルアミノブタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン及び2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1− オン等を挙げることができる。
ベンゾフェノン系化合物の具体例としては、ベンジルジメチルケトン、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルベンゾフェノン)及び4,4’−ビス(ジエチルベンゾフェノン)等を挙げることができる。
α−ジケトン系化合物の具体例としては、ジアセチル、ジベンゾイル、メチルベンゾイルホルメート等を挙げることができる。
多核キノン系化合物の具体例としては、アントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン及び1,4−ナフトキノン等を挙げることができる。
キサントン系化合物の具体例としてが、キサントン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン等を挙げることができる。
トリアジン系化合物の具体例としては、1,3,5−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(2’−クロロフェニル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(4’−クロロフェニル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(2’−メトキシフェニル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(4’−メトキシフェニル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4’−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン及び2−(4−n−ブトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等を挙げることができる。
これらのうちでも、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン及び1−(4−メチルチオフェニル)−2−メチル−2−モルフォリノプロパン−1−オンは、少量でも活性エネルギー線の照射による重合反応を開始し促進するので、発明において好ましく用いられる。
(c)成分は、単独で又は2種以上を併用して使用することができる。
(c)成分の配合割合としては、組成物中の光重合開始剤以外の固形分100質量部に対して、0.5〜20質量部が好ましい。0.5質量部未満では光硬化性が不十分となることがあり、一方20質量部を超えると、アルカリ現像の際に露光部分が壊れやすくなることがある。さらに、(c)成分の割合としては2〜10質量%が、精度の高いパターンを得ることができる点でより好ましい。
3−2.有機溶剤
本発明において、組成物の塗工性を改良等の目的のために、有機溶剤を配合することができる。
有機溶剤〔以下「(d)成分」という〕は、組成物の各成分と反応しないものであればよい。塗工性に優れ、且つ、得られる塗膜の乾燥速度が適度なことから、80〜200℃の沸点を有する有機溶剤が好ましく、中でも、100〜170℃の沸点を有する有機溶剤がより好ましい。
具体的には、例えば、トルエン及びキシレン等の芳香族化合物;酢酸ブチル、酢酸ベンジル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びエトキシエチルプロピオネート等の脂肪酸エステル;エチルセロソルブ及びブチルセロソルブ等のセロソルブ;プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルキレングリコールエーテル;エタノール、エチレングリコール及びジエチレングリコール等のアルコール;ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル;メチルイソブチルケトン及びシクロヘキサノン等のケトン;N,N−ジメチルホルムアミド等のホルムアミド;γ−ブチロラクタム及びN−メチル−2−ピロリドン等のラクタム;並びにγ−ブチロラクトン等のラクトン等が挙げられる。
(d)成分は、単独又は2種以上を併用して使用することができる。
(d)成分の配合割合としては、組成物の固形分濃度が10〜50質量%となる割合が好ましい。
3−3.不飽和基含有化合物
本発明の組成物には、必要に応じて、(a)成分以外の不飽和基含有化合物〔以下「(e)成分」という〕を配合することができる。
(e)成分としては、例えば、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、N−ビニルカプロラクトン、アクリロイルモルホリン、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル)−プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)−プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシトリエトキシフェニル)−プロパン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリブロモフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシ樹脂のジ(メタ)アクリレート、各種ポリウレタンポリ(メタ)アクリレート及びポリエステルポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(e)成分の好ましい配合割合は、組成物中に0〜50質量%の範囲である。
3−4.アルカリ可溶性樹脂
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂〔以下「(f)成分」という〕としては、(f)成分に対してバインダーとして作用し、現像処理工程において用いられる現像液、特に好ましくはアルカリ現像液に対して可溶性を有するものであれば、特に限定されるものではない。
(f)成分としては、付加重合体、ポリエステル、エポキシ樹脂及びポリエーテル等が挙げられ、エチレン性不飽和単量体を重合体して得られる付加重合体が好ましい。
(f)成分としては、カルボキシル基を有するアルカリ可溶性樹脂が好ましく、特に、1個以上のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(以下「カルボキシル基含有不飽和単量体」という)とこれと共重合可能なエチレン性不飽和単量体(以下「共重合性不飽和単量体」という)との共重合体(以下「カルボキシル基含有共重合体」という)が好ましい。
カルボキシル基含有不飽和単量体の例としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、α−クロルアクリル酸及びけい皮酸等の不飽和モノカルボン酸類;マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸及びメサコン酸等の不飽和ジカルボン酸又はその無水物類;3価以上の不飽和多価カルボン酸又はその無水物類;コハク酸モノ(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)及びフタル酸モノ(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)等の2価以上の多価カルボン酸のモノ〔(メタ)アクリロイロキシアルキル〕エステル類;並びにω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等の両末端にカルボキシ基と水酸基とを有するポリマーのモノ(メタ)アクリレート類等を挙げることができる。これらのカルボキシル基含有不飽和単量体のうち、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート及びフタル酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)は、それぞれアロニックスM−5300及びM−5400〔東亞合成(株)〕の商品名で市販されている。
カルボキシル基含有不飽和単量体は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
又、共重合性不飽和単量体としては、カルボキシル基含有不飽和単量体と共重合するものであれば良く、芳香族ビニル化合物、不飽和カルボン酸エステル類、不飽和イミド類及び末端にモノ(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマー類等が好ましい。
芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、p−クロルスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン、2−ビニルベンジルメチルエーテル、3−ビニルベンジルメチルエーテル、4−ビニルベンジルメチルエーテル、2−ビニルベンジルグリシジルエーテル、3−ビニルベンジルグリシジルエーテル及び4−ビニルベンジルグリシジルエーテル等が挙げられる。
不飽和カルボン酸エステル類としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングルコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングルコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングルコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングルコール(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロ[ 5.2.1.02、6] デカン−8−イル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート及びグリセロールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
不飽和イミド類としては、マレイミド、N−フェニルマレイミド及びN−シクロヘキシルマレイミド等が挙げられる。
末端にモノ(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマー類としては、ポリスチレン、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ−n−ブチル(メタ)アクリレート及びポリシロキサン等の重合体分子鎖を有するもの等を挙げることができる。
共重合性不飽和単量体としては、前記以外にも、2−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミド)エチル(メタ)アクリレート、2−(2,3−ジメチルマレイミド)エチル(メタ)アクリレート等のイミド(メタ)アクリレート類;2−アミノエチル(メタ)アクリレート、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−アミノプロピル(メタ)アクリレート、2−ジメチルアミノプロピルアクリレート、3−アミノプロピル(メタ)アクリレート及び3−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等の不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル類;グリシジル(メタ)アクリレート等の不飽和カルボン酸グリシジルエステル類;インデン及び1−メチルインデン等のインデン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル及び安息香酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル及びアリルグリシジルエーテル等の不飽和エーテル類;(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル及びシアン化ビニリデン等のシアン化ビニル化合物;(メタ)アクリルアミド、α−クロロアクリルアミド及びN−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド類;並びに1,3−ブタジエン、イソプレン及びクロロプレン等の脂肪族共役ジエン類等が挙げられる。
これらの共重合性不飽和単量体は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
カルボキシル基含有共重合体としては、(メタ)アクリル酸を必須成分とし、場合により、コハク酸モノ(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートの群から選ばれる少なくとも1種の化合物をさらに含有するカルボキシル基含有不飽和単量体成分と、スチレン、メチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、N−フェニルマレイミド、ポリスチレンマクロモノマー及びポリメチルメタクリレートマクロモノマーの群から選ばれる少なくとも1種との共重合体(以下「カルボキシル基含有共重合体(α)」という。)が好ましい。
カルボキシル基含有共重合体(α)の具体例としては、(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/グリシジル(メタ)アクリレート/スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、メタクリル酸/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド共重合体、(メタ)アクリル酸/コハク酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド共重合体、(メタ)アクリル酸/コハク酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕/スチレン/アリル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド共重合体、(メタ)アクリル酸/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド共重合体、(メタ)アクリル酸/ω−カルボキシポリカクロラクトンモノ(メタ)アクリレート/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド共重合体等を挙げることができる。
カルボキシル基含有共重合体におけるカルボキシル基含有不飽和単量体の共重合割合は、通常5〜50質量%であり、好ましくは10〜40質量%である。この場合、前記共重合割合が5質量%未満では、得られる組成物のアルカリ現像液に対する溶解性が低下する傾向があり、一方50質量%を超えると、アルカリ現像液に対する溶解性が過大となり、アルカリ現像液により現像する際に、スペーサー層や画素の基板からの脱落やスペーサー表面の膜荒れを来たしやすくなる傾向がある。
本発明における(f)成分としては、エチレン性不飽和基を側鎖に有するアルカリ可溶性樹脂が、得られる硬化膜の架橋密度が向上し、塗膜強度、耐熱性及び耐薬品性が向上するという点で優れたものとなるため好ましい。
エチレン性不飽和基を側鎖に有するアルカリ可溶性樹脂としては、カルボキシル基を有するアルカリ可溶性樹脂が好ましい。当該樹脂としては、前記したカルボキシル基含有共重合体に、エポキシ基を有する不飽和化合物(以下「エポキシ系不飽和化合物」という)を付加したもの等が挙げられる。
エポキシ系不飽和化合物としては、グリシジル(メタ)アクリレート及びシクロヘキセンオキサイド含有(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有(メタ)アクリレート等が挙げられる。
付加反応の方法としては、常法に従えば良く、有機溶媒中又は無溶剤で、カルボキシル基含有共重合体にエポキシ系不飽和化合物を付加することにより製造することができる。付加反応の条件としては、各反応に応じて反応温度、反応時間及び触媒を適宜選択すれば良い。
(f)成分の重量平均分子量(以下「Mw」という。)は、通常、3,000〜300,000、好ましくは5,000〜100,000である。又、数平均分子量(以下「Mn」という。)は、通常、3,000〜60,000、好ましくは5,000〜25,000である。
尚、本発明においてMw及びMnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、溶出溶媒:テトラヒドロフラン)で測定した分子量をポリスチレン換算した値を意味する。
本発明においては、このような特定のMw及びMnを有する(e)成分を使用することによって、現像性に優れた感光性樹脂組成物が得られ、それにより、シャープなパターンエッジを有するパターンを形成することができるとともに、現像時に未露光部の基板上及び遮光層上に残渣、地汚れ、膜残り等が発生し難くなる。又、(e)成分のMwとMnの比(Mw/Mn)は、通常、1〜5、好ましくは1〜4である。
(f)成分は、単独で又は2種以上を併用して使用することができる。
(a)成分及び(b)成分、又は(e)成分を配合する場合は(a)成分、(b)成分及び(e)成分〔以下これらをまとめて(メタ)アクリレート成分という〕と(f)成分の割合としては、(メタ)アクリレート成分及び(f)成分の合計量を基準として、(f)成分10〜90質量%が好ましく、より好ましくは30〜80質量%である。(f)成分の割合が90質量%を超えると架橋密度が低下するため塗膜強度、耐熱性、耐薬品性が低下する傾向がある。
(メタ)アクリレート成分及び(f)成分の合計量の組成物中の割合としては、組成物中に10〜50質量%が好ましい。この割合が10質量%に満たないとプリベーク後の膜厚が薄くなり過ぎてしまい、一方50質量%を超えると、組成物の粘度が高くなり過ぎ塗工性が不良になったり、プリベーク後の膜厚が厚くなり過ぎてしまう。
4.用途
本発明の組成物は、種々の用途に使用可能である。例えば、レジスト等のパターン形成用組成物、インキ及び塗料等のコーティング材等が挙げられる。
本発明の組成物としては、これらの中でも、アルカリ現像性に優れるためパターン形成パターン形成用組成物として好ましく使用することができる。
本発明の組成物は、露光感度が高く現像性に非常に優れ、精密で正確なパターンを形成することができるため、パターン形成用組成物として好ましく使用することができる。
本発明の組成物をパターン形成用組成物として使用する場合には、(a)、(b)、(c)、(d)及び(f)成分からなる組成物が好ましい。
当該組成物を使用するパターン形成方法としては、常法に従えば良く、組成物を基板に塗布し・乾燥させて塗膜を形成した後、この上から特定のパターン形状を有するマスクを介して活性エネルギー線を照射して硬化させ、未硬化部分を現像液により現像する方法等が挙げられる。
基板としては、ガラス及びプラスチック等が挙げられる。現像液としては、アルカリ系の現像液が好ましく、具体例としては後記に示す通りである。
パターン形成用組成物としては、エッチングレジスト及びソルダーレジスト等のレジスト、液晶パネル製造における、柱状スペーサー、カラーフィルターにおける画素やブラックマトリックス等を形成のための着色組成物、及びカラーフィルター保護膜等が挙げられる。
本発明の組成物は、これらの用途の中でも、液晶パネル製造における、柱状スペーサー用により好ましく使用できる。
柱状スペーサー用途で使用する場合には、塗工性、現像性を改良するために、組成物にポリオキシエチレンラウリルエーテル等のノニオン系界面活性剤や、フッ素系界面活性剤を添加することもできる。又、必要に応じて、接着助剤、保存安定剤及び消泡剤等を適宜添加してもよい。
以下、柱状スペーサー(以下単に「スペーサー」という)の用途について説明する。
4−1.スペーサー
スペーサーは、フォトリソグラフィー法により組成物の光硬化塗膜で形成される。該スペーサーは、液晶パネル基板の任意の場所に任意の大きさで形成することができるが、一般的にはカラーフィルターの遮光部であるブラックマトリックス領域や、TFT電極上に形成することが多い。
スペーサーを形成する方法としては、常法に従えば良く、例えば本発明の組成物を、ガラス等の基板上に、セルギャップを構成するのに必要な膜厚に塗布した後、加熱(以下「プリベーク」と略す。)して塗膜を乾燥させ、露光、現像、後加熱(以下「ポストベーク」と略す。)工程を経て形成する方法等が挙げられる。
組成物を基板上に塗布する際は、現像、ポストベーク等による膜減りや変形を考慮して、セルギャップの設計値に対して若干厚めに塗布する。具体的には、プリベーク後の膜厚が5〜10μmとなるように、更には6〜7μmとなるようにするのが好ましい。
塗布方法としては、例えば、印刷法、スプレー法、ロールコート法、バーコート法、カーテンコート法、スピンコート法、ダイコート法(スリットコート法)等が挙げられ、一般的にはスピンコート法やダイコート法を使用する。
基板上に組成物を塗布した後、プリベークを行う。この場合の温度・時間としては50〜150℃で5〜15分程度が挙げられる。
プリベーク後の塗膜面に、スペーサーを形成するための所定のパターン形状を有するマスクを介して光を照射する。
使用する光は紫外線や可視光線が好ましく、高圧水銀灯やメタルハライドランプ等から得られる240nm〜410nmの波長光を使用する。
光照射条件は、光源の種類や、使用する光重合開始剤の吸収波長、あるいは塗膜の膜厚等によるが、概ね光照射量が50〜600mJ/cmとなるようにするのが好ましい。光照射量が50mJ/cmより小さいと、硬化不良となり現像時に露光部分が脱落しやすく、一方、光照射量が600mJ/cmよりも大きいと、精細なスペーサーパターンが得られにくい傾向にある。
前記塗膜面に光照射後、現像液で未露光部分を除去する。
現像液としては、アルカリ化合物の水溶液が使用できる。アルカリ性化合物としては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等が挙げられる。又、現像速度促進のために、現像液に、メタノール、エタノール、イソプロパノール及びベンジルアルコール等の水溶性有機溶剤や、各種界面活性剤を適当量添加してもよい。
現像方法は、液盛り法、ディッピング法及びスプレー法等のいずれでもよい。現像後、パターン部分を0.5〜1.5分間水で洗浄し、圧縮空気等で風乾させてスペーサーパターンを得る。
得られたスペーサーパターンをホットプレート、オーブン等の加熱装置で150〜350℃の温度範囲でポストベークして、本発明の液晶パネルスペーサーを得る。
ポストベークすることにより、残留溶剤や現像時に吸収した水分が揮発でき、かつスペーサーの耐熱性が向上できる。スペーサーの膜厚は、液晶パネルのセルギャップ設定値によって異なるが、概ねポストベーク後に3〜5μmとなるように設計する。
本発明の組成物をスペーサー製造に使用する場合、超微小硬度計((株)フィッシャーインストルメンツ製、H-100C)を用い、室温において平面圧子(100μm×100 μmの平面を形成した圧子)の圧縮荷重が0.2GPaとなる条件で測定したときの弾性変形率[(弾性変形率/総変計量)×100]が60%以上であるものが好ましい。
この様な組成物を使用することにより、室温下で圧縮荷重に対して塑性変形しにくい充分な硬度と、液晶表示装置の使用環境温度域内での液晶収縮及び膨張に追従し得るしなやかさを有している。従って、本発明により得られる液晶パネル用基板は、室温セル圧着法により貼合わせを行う場合に塑性変形を起こさないで、正確且つ均一なセルギャップを形成でき、特にODF法において室温セル圧着を行う場合にも、好適に利用できる。
本発明の組成物は、硬化性及びアルカリ現像性に優れる(a)成分及び(b)成分を必須とするため、活性エネルギー線硬化型パターン形成用組成物として使用した場合、露光感度が高く現像性が良好で、精密で正確なパターンを形成することができ、且つ硬化後において、塗膜強度、耐熱性及び耐薬品性等の諸物性に優れるものとなる。
更に、本発明の組成物は、硬化後のスペーサー形状がテーパー型になりやすく、弾性が高いため、パターンの塑性変形が起こりにくい点で優れており、特に、柱状スペーサーを形成するのに適し、又アルカリ現像性に優れるため、成分(d)を除く組成物の固形分に占める成分(f)の割合を減らすことができる。
本発明は、前記(a)成分と(b)成分を必須成分として含有する活性エネルギー線硬化型組成物に関する。
組成物における各成分の割合としては、(a)成分100質量部に対して、(b)成分を1〜50質量部含有するものが好ましい。
又、(a)成分及び(b)成分おけるヒドロキシ多官能(メタ)アクリレートとしては、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートが好ましい。
本発明の組成物としては、さらに光重合開始剤を含有するものが好ましく、又有機溶剤を含有するものが好ましい。
本発明の組成物はインキ、塗料及びレジスト等のパターン形成用組成物の種々の用途に使用可能であり、特にアルカリ現像性に優れるため、パターン形成用組成物として好ましく使用できる。
パターン形成用組成物としては、さらにアルカリ可溶性樹脂を含むものが好ましい。
さらに、パターン形成用組成物の中でも、柱状スペーサー製造用として好ましく使用することができる。
又、本発明は前記組成物を基板に塗布して塗膜を形成した後、この上から特定のパターン形状を有するマスクを介して活性エネルギー線を照射して硬化させ、未硬化部分を現像液により現像するパターン形成方法に関する。
以下、実施例及び比較例を挙げ、本発明をより具体的に説明する。
尚、以下において、「部」とは質量部を意味し、「%」とは質量%を意味する。
○製造例1
(1)エステル化反応
原料として、ジペンタエリスリトールを400g(1.58mol)、アクリル酸を821g(11.4mol)用いた。溶媒としてトルエン775gを用い、これに上記原料と、触媒である硫酸を17g及び重合禁止剤であるハイドロキノンモノメチルエーテル(以下、「MQ」という。)を2.2g添加して、90℃で6時間エステル化反応を行った。
(2)中和処理
上記反応終了後、トルエン1690gを添加し、ろ紙を用いて反応液をろ過し、その後、蒸留水875gで洗浄を行い、10%NaOH水溶液800gを水洗後の反応液に添加し、室温で1時間の条件で中和処理を行った。
(3)水洗処理
上記中和処理後、有機層と水層が分離してから水層を除去し、更に過剰なNaOHを除去する目的で蒸留水360gを添加して水洗処理を行った。その後、有機層と水層が分離してから水層を除去した。その後、50mmHg以下の減圧下で、溶媒であるトルエンを留去してアクリル酸エステル(水酸基価36mgKOH/g)を得た。
(4)酸変性
(3)で得たアクリル酸エステル250gをガラス製フラスコに仕込み、無水コハク酸16g、MQの0.13gを入れ、85℃に昇温した。その中に触媒のトリエチルアミン1.3gを投入後、4時間反応を行なった。反応は空気/窒素の混合雰囲気下で行い、酸価34mgKOH/gの化合物を得た(以下「ab1」という)。
得られた化合物を下記の条件で高速液体クロマトグラフにより分析したところ、全アクリル酸エステル100部中、(a)成分は30%であり、(b)成分は8%であった。
●高速液体クロマトグラフ測定条件
・装置 :東ソー(株)製SC−8010
・カラム:ODS−100z
東ソー(株)製商品名ODS−100z、直径4.6mm、長さ250mmの逆相(ODS)カラム。粒子径が5μmのODSシリカが充填。
・温度 :40℃
・溶離液:0.015%リン酸水:メタノール = 45:55(Initial)→30:70 (30min)→ 0 :100 (45−50min)
・流速 :1.0mL/min
・検出器:UV 210nm
○製造例2
(1)エステル化反応
原料のアクリル酸を683g(9.48モル)としたこと以外はすべて製造例1に従い、エステル化反応を行った。
(2)中和処理
すべて製造例1に従い中和処理を行った。
(3)水洗処理
すべて製造例1に従い、水洗処理を行い、アクリル酸エステル(水酸価72mgKOH/g)を得た。
(4)酸変性
(3)で得たアクリル酸エステル250gをガラス製フラスコに仕込み、無水コハク酸32g、メトキノン0.13gを入れ、85℃に昇温した。その中に触媒のトリエチルアミン1.3gを投入後、4時間反応を行なった。反応は空気/窒素の混合雰囲気下で行い、酸価68mgKOH/gの化合物を得た(以下「ab2」という)。得られた化合物を高速液体クロマトグラフで分析したところ、全アクリル酸エステル100部中、(a)成分は50%であり、(b)成分は15%であった。
○製造例3〔(f)成分の製造〕
攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えたセパラブルフラスコに、ベンジルメタクリレートを52%、アクリル酸を23%、ジエチレングリコールジメチルエーテル(以下、「DMDG」という)をモノマー合計量に対して2倍量、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)をモノマーの合計量に対して5%添加し、均一に溶解させた。その後、窒素気流下で、85℃で2時間攪拌し、さらに100℃で1時間反応させた。さらに得られた溶液にグリシジルメタクリレートを25%、トリエチルアミンをグリシジルメタクリレートに対して10%、ハイドロキノンをグリシジルメタクリレートに対して1%、及び、仕込んだモノマーとグリシジルメタクリレートを合わせた重量が35%となるようにDMDGを添加し、100℃で5時間攪拌し、目的とする共重合体溶液(固形分濃度31.5%)を得た。
得られた(f)成分(以下「f1」という)のMwは21,200で、酸価は84mgKOH/g、水酸基価は96mgKOH/gであった。
○比較製造例1〔(a)成分の製造〕
製造例2で製造したアクリル酸エステル〔(4)酸変性前の化合物〕20gを、展開液であるヘキサン/酢酸エチルの混合割合を9/1%から6/4%へ変化させてシリカゲルカラムに供給し、目的物であるジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(I)、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(II)を含むフラクションをそれぞれ分取した。得られたそれぞれのフラクションにメトキノン0.020gを加えて濃縮したところ、水酸基価1以下のジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(I)が7.0g、及び水酸基価103mgKOH/gのジペンタエリスリトールペンタアクリレート(II)が8.0g得られた。尚、高速液体クロマトグラフ分析によると、両化合物共に純度は95面積%以上であった。
攪拌装置、温度計、水冷コンデンサーを備えた25ミリリットルガラス製フラスコに、(II)9.0g、無水コハク酸1.47g、メトキノン0.01gを入れ、80℃に昇温した。その中に触媒のトリエチルアミン0.05gを投入後、反応は空気/窒素の混合雰囲気下で4時間反応を行った。得られた反応物(III)は、酸価91mgKOH/gを有するものであった。又反応物中に含まれる成分(a)の割合は、高速液体クロマトグラフ分析によれば95面積%であり、成分(b)の割合は0.5面積%であった。
得られた(I)と(III)を重量部で6:4の割合で混合し、成分(b)を含有せず、成分(a)を約40%含有する多官能(メタ)アクリレート(a1)を得た。
○実施例1〜3、比較例1〜3(スペーサー用組成物)
下記表1及び2の示す割合となる様に(a)〜(d)成分及び(f)成分を、常法に従い混合し、スペーサー又は保護膜用組成物を調整した。
得られた組成物を使用して以下に示す評価を行った。それらの結果を表1及び2に示す。
<現像性>
10cm画のクロムマスクガラス基板上に、表1及び2に記載の組成物をスピンコーターにより塗布し、この塗布膜を80℃の送風乾燥機で10分間乾燥させ、乾燥膜厚5μmの塗布膜を形成した。得られた塗膜を0.5wt%炭酸ナトリウム水溶液でスプレー現像して、完全に溶解するまでの時間を測定し、下記基準で評価した。
・○:30秒以内で溶解する。
・△:60秒以内で溶解する。
・×:60秒以内で溶解しない。
<弾性変形率の評価>
10cm画のクロムマスクガラス基板上に、表1及び2に記載の組成物をスピンコーターにより塗布し、この塗布膜を80℃の送風乾燥機で10分間乾燥させ、乾燥膜厚6μmの塗布膜を形成した。この塗膜から100μmの距離にフォトマスクを配置してプロキシミティアライナにより超高圧水銀灯によって300mJ/cm2 の強度(365nm照度換算)で紫外線を照射した。次いで、液温23℃の0.5wt%炭酸ナトリウム水溶液中に60秒間浸漬してアルカリ現像し、塗膜の未硬化部分のみを除去した。その後、基板を200℃の雰囲気中に30分間放置することにより加熱処理を施して、高さ5μm、径10〜20μmの柱状スペーサーを形成した。
得られた柱状スペーサーの室温における弾性変形率を、平面圧子(100μm×100μmの平面を形成した圧子)を装着した超微小硬度計((株)フィッシャーインストルメンツ製、H-100C)を用いて圧縮荷重が0.2GPaとなる条件で測定したときの、〔(弾性変形量/総変計量)×100〕として算出した。
<形状>
弾性変形率の評価に使用した柱状スペーサーを電子顕微鏡で観察して測定した上面積(S2)と下面積(S1)との比率(S2/S1)を計算した(図1参照)。この値が100を超えると逆テーパー状となるため、弾性変形率が低下しやすくなる。
Figure 0004924429
表1における組成物の欄の数字は、部を意味し、ab1〜ab2、a1、及びf1は固形分の割合として示した。
尚、表1及び2における略号は、以下を意味する。
・Irg907:2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、チバスペシャルティケミカルズ社製イルガキュア907
・M−402:ジペンタエリスリトールペンタアクリレート/ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート混合物(比率:約30/70)東亞合成(株)製アロニックスM−402
表1の組成物に含まれる(a)及び(b)成分について、以下の表2にまとめた。
Figure 0004924429
実施例1〜3の組成物は、現像性が非常に優れ、基板上の残渣が全くなかった。しかも、それらの硬化物はスペーサー又は保護膜用として、充分な弾性変形率を有するものであった。
これに対して、成分(b)を有しない比較例1〜2は、現像性、残渣ともにもやや劣る結果であり、市販の多官能アクリレートを使用した比較例3は残渣、現像性ともに不十分であった。
本発明の組成物は、インキ、塗料及びレジスト等の種々の用途に使用可能であり、レジスト等のパターン形成用組成物として好ましく使用できる。
さらに、本発明の組成物は、液晶パネル製造における、柱状スペーサー及びカラーフィルター保護膜用組成物、カラーフィルターにおける画素やブラックマトリックス等を形成するための着色組成物として好ましく使用できる。
図1は、弾性変形率の評価に使用した柱状スペーサーを電子顕微鏡で観察した側面の形状を示す。

Claims (9)

  1. 3個以上の(メタ)アクリロイル基とヒドロキシル基を有する化合物に酸無水物を付加した化合物(a)と、前記(a)成分の少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基に、3個以上の(メタ)アクリロイル基とヒドロキシル基を有する化合物のヒドロキシル基がマイケル付加した化合物(b)を必須成分として含有する活性エネルギー線硬化型組成物。
  2. 前記(a)成分100質量部に対して、(b)成分を1〜50質量部含有する請求項1記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
  3. 前記した3個以上の(メタ)アクリロイル基とヒドロキシル基を有する化合物がジペンタエリスリトールペンタアクリレートである請求項1又は請求項2のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
  4. さらに光重合開始剤を含有してなる請求項1〜請求項3のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
  5. さらに有機溶剤を含有してなる請求項1〜請求項4のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の組成物からなる活性エネルギー線硬化型パターン形成用組成物。
  7. さらにアルカリ可溶性樹脂を含有してなる請求項6に記載の活性エネルギー線硬化型パターン形成用組成物。
  8. 請求項6又は請求項7に記載の組成物からなる柱状スペーサー製造用活性エネルギー線硬化型パターン形成用組成物。
  9. 請求項6〜請求項8のいずれかに記載の組成物を基板に塗布して塗膜を形成した後、この上から特定のパターン形状を有するマスクを介して活性エネルギー線を照射して硬化させ、未硬化部分を現像液により現像するパターン形成方法。
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