JP4708702B2 - 感光性樹脂組成物およびプリント配線板 - Google Patents
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Description
本発明は感光性樹脂組成物およびプリント配線板に関し、特に、紫外線露光および希アルカリ水溶液による現像にて画像形成が可能であり、未露光部分の現像性に関する塗布膜乾燥時の乾燥管理幅が広く、耐熱性や電気絶縁性などの諸特性、とりわけ耐薬品性や化学めっき耐性に優れた、プリント配線板用のソルダーレジスト膜に好適な感光性樹脂組成物に関するものである。
背景技術
プリント配線板は、基材上に導体回路のパターンを形成したものであり、導体回路のランド部には電子部品がはんだ付けによって搭載され、ランド以外の回路部分にはソルダーレジスト膜が導体保護のために被覆されている。このように、ソルダーレジスト膜は、プリント配線板に電子部品を搭載する際にはんだが不必要な部分に付着するのを防止するとともに、回路が酸化したり腐食したりするのを防止する機能を有する。
従来、ソルダーレジスト膜は、プリント配線板の高密度化の要求に伴って高解像性や高精度化が要求され、位置精度やエッジ部のカバーリング性に優れた液状レジストが提案され、広く使用されている。例えば、アルカリ現像可能な紫外線硬化材料として、特開昭61−243869号公報には、ノボラックエポキシ樹脂を使用した耐熱性や解像性が良好なアルカリ現像型の液状ソルダーレジスト組成物が開示されている。
一方、産業廃棄物による環境問題が重視される中、はんだを使用した基板の廃材が問題になっている。そこで基板の銅箔保護として使用されているはんだレベラーの代替として無電解錫めっきが有力である。しかし無電解錫めっき液は強酸性でありレジストに対する攻撃力が非常に強いため、最近では無電解錫めっき耐性に優れたソルダーレジストが強く要望されている。
しかしながら、上述したような従来の液状ソルダーレジスト組成物では、クレゾールノボラック型のエポキシ変性樹脂を主成分にしており、耐熱性や解像性には優れているが、耐薬品性、特に厳しい耐酸性が要求される無電解化学錫めっき耐性は不十分であるという問題があった。
発明の開示
本発明は、従来技術が抱える上記課題を解消するためになされたものであり、その主たる目的は、耐薬品性のなかでも、無電解化学錫めっき耐性に優れたソルダーレジスト組成物を提供することにある。
具体的には、ソルダーレジストに要求されるコーティング性、乾燥性、タック性、光硬化性、現像性、ポットライフ、シェルフライフなどの諸性能に優れ、特性面では、耐熱性、耐溶剤性、密着性、電気絶縁性、無電解金めっき耐性はもちろん従来技術では不十分であった耐酸性、無電解錫めっき耐性に優れた、希アルカリ水溶液で現像可能な液状フォトソルダーレジストとして有用な感光性樹脂組成物を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、無電解化学錫めっき耐性に優れたソルダーレジスト層を有するプリント配線板を提供することにある。
発明者らは、上記目的の実現に向け鋭意研究を行った結果、以下に示す内容を要旨構成とする発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の感光性樹脂組成物は、(A)活性エネルギー線硬化性樹脂、(B)光重合開始剤、(C)反応性希釈剤、(D)エポキシ基を有する化合物を含有する組成物であって、(A)が、ビスフェノール型エポキシ樹脂のアルコール性水酸基にエピハロヒドリンを付加したビスフェノール型エポキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル化反応により生成するエポキシ基のエステル化生成物と飽和又は不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られるプレポリマー(a)と、不飽和−塩基酸共重合樹脂と脂環式エポキシ基含有不飽和化合物との反応により得られるプレポリマー(b)とからなることを特徴とする。
より好ましい態様は、前記活性エネルギー線硬化性樹脂(A)における(a)と(b)の配合比が(a)100質量部当り(b)0質量部超100質量部以下である。
また、各成分の好ましい配合割合は、(A)100質量部に対して、(B)1〜30質量部、より好ましくは10〜25質量部であり、(C)2〜40質量部、より好ましくは10〜30質量部であり、(D)2〜50質量部、より好ましくは10〜50質量部である。
発明を実施するための最良の形態
本発明の感光性樹脂組成物は、組成物を構成する活性エネルギー線硬化性樹脂(A)として、前記ビスフェノール型エポキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル化反応により生成するエポキシ基のエステル化生成物と飽和又は不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られるプレポリマー(a)と、不飽和−塩基酸共重合樹脂と脂環式エポキシ基含有不飽和化合物との反応により得られるプレポリマー(b)との混合物を用いた点に最大の特徴がある。
これにより、ソルダーレジストに要求されるコーティング性、乾燥性、タック性、光硬化性、現像性、ポットライフ、シェルフライフなどの諸性能に優れ、特性面では、耐熱性、耐溶剤性、密着性、電気絶縁性、無電解金めっき耐性はもちろん従来技術では不十分であった耐酸性、無電解錫めっき耐性に優れた、希アルカリ水溶液で現像可能な液状フォトソルダーレジストとして有用な感光性樹脂組成物を提供することができる。すなわち、活性エネルギー線硬化性樹脂として前記プレポリマー(a)とプレポリマー(b)との混合物を用いたことにより、耐酸性および無電解錫めっき耐性に極めて優れた感光性樹脂組成物を提供することが初めて可能になった。
以下、本発明の感光性樹脂組成物における各構成成分について説明する。
まず、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂(A)を構成する、前記ビスフェノール型エポキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル化反応により生成するエポキシ基のエステル化生成物と飽和又は不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られるプレポリマー(a)について説明する。
このプレポリマー(a)の製造に使用されるビスフェノール型エポキシ化合物としては、ビスフェノールA型またはビスフェノールF型エポキシ樹脂のアルコール性水酸基にエピクロルヒドリン等のエピハロヒドリンをアルコール性水酸基1当量に対して1当量以上使用して付加したものを用いる。
前記ビスフェノール型エポキシ化合物のエポキシ基に付加する不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、アクリル酸の二量体、メタアクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、フェニルグリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸カプロラクトン付加物など水酸基含有アクリレートの不飽和二塩基酸無水物付加物などが挙げられる。ここで特に好ましいのは、アクリル酸、メタアクリル酸である。これら不飽和基含有モノカルボン酸は単独または混合して用いることができる。
前記ビスフェノール型エポキシ化合物と前記不飽和カルボン酸とのエステル化反応により生成するエステル化物中のアルコール性水酸基と反応させる飽和又は不飽和多塩基酸無水物としては、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水イタコン酸などの脂肪族または芳香族二塩基酸無水物が挙げられる。
なお、この飽和又は不飽和多塩基酸無水物の使用量は、得られるプレポリマー(a)の酸価が50〜130mgKOH/gになる範囲内で付加することが好ましい。
次に、不飽和−塩基酸共重合樹脂と脂環式エポキシ基含有不飽和化合物との反応により得られるプレポリマー(b)について説明する。
このプレポリマー(b)の製造に使用される不飽和−塩基酸共重合樹脂としては、酸基含有が好ましいが、該酸基含有アクリル樹脂は、(メタ)アクリル酸、2−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、2−カルボキシプロピル(メタ)アクリレート、無水マレイン酸などのエチレン性不飽和酸に(メタ)アクリル酸のエステル類、ラクトン変性ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ビニル芳香族化合物、アミド系不飽和化合物、ポリオレフィン系化合物及びその他の単量体から選ばれる1種もしくは2種以上の単量体とを共重合させた通常公知の共重合体が使用できる。
この不飽和−塩基酸共重合樹脂は、該樹脂の酸基の一部と脂環式エポキシ基含有不飽和化合物のエポキシ基とを反応させて樹脂に不飽和基を導入し、樹脂に光硬化性を付与する必要がある。従って不飽和−塩基酸共重合樹脂の酸価を適当にコントロールする必要がある。酸価は、好ましくは30〜260mgKOH/gの範囲である。
前記不飽和−塩基酸共重合樹脂と反応させる脂環式エポキシ基含有不飽和化合物としては、一分子中に1個のラジカル重合性不飽和基と脂環式エポキシ基を有する化合物、例えば脂環式エポキシ基とアクリル基を同時に有する化合物が好ましく、例えば、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルアクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルブチルアクリレート、等が挙げられる。これらは単独でも混合して用いてもよい。
また、上記した脂環式エポキシ基とアクリル基を同時に有する化合物以外にも、例えばグリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等の脂肪族エポキシ基含有不飽和化合物を併用してもよい。不飽和基含有樹脂の数平均分子量は、3000〜30000が望ましい。
本発明において、前記プレポリマー(a)とプレポリマー(b)との配合比は、好ましくはプレポリマー(a)100質量部当たりプレポリマー(b)0質量部超100質量部以下である。
次に、本発明の感光性樹脂組成物を構成する光重合開始剤(B)について説明する。
この光重合開始剤(B)には、光重合開始剤として公知慣用の化合物のみならず、紫外線もしくは可視光領域で光を吸収し、(メタ)アクリロイル基等の不飽和基をラジカル重合させ得るものが含まれる。公知慣用の光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインとベンゾインアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン等のアセトフェノン類;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノアミノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、N,N−ジメチルアミノアセトフェノン等のアミノアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾイルパーオキシド、クメンパーオキシド等の有機過酸化物;2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、リボフラビンテトラブチレート、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール等のチオール化合物;2,4,6−トリス−s−トリアジン、2,2,2−トリブロモエタノール、トリブロモメチルフェニルスルホン等の有機ハロゲン化合物;ベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類又はキサントン類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドなどが挙げられる。
これら公知慣用の光重合開始剤は、単独で又は2種類以上の混合物として使用でき、さらにはN,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の三級アミン類などの光開始助剤を加えることができる。また可視光領域に吸収のあるCGI−784等(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)のチタノセン化合物等も、光反応を促進するために添加することもできる。
なかでも、好ましい光重合開始剤は、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノアミノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン等であるが、特にこれらに限られるものではなく、上述のように紫外光もしくは可視光領域で光を吸収し、(メタ)アクリロイル基等の不飽和基をラジカル重合させるものであれば、公知慣用の光重合開始剤、光開始助剤に限らず、単独であるいは複数併用して使用できる。
光重合開始剤(B)の配合比としては、活性エネルギー線硬化性樹脂(A)100質量部に対し、好ましくは1〜30質量部、より好ましくは10〜25質量部である。
次に、本発明の感光性樹脂組成物を構成する感光性(メタ)アクリレート化合物(C)について説明する。
この感光性(メタ)アクリレート化合物(C)としては、1分子中に1個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する室温で液体、固体又は半固形の感光性(メタ)アクリレート化合物が使用できる。具体的には、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートなどの水酸基含有のアクリレート類;ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレートなどの水溶性のアクリレート類;トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどの多官能アルコールの多官能ポリエステルアクリレート類;トリメチロールプロパン、水添ビスフェノールA等の多官能アルコールもしくはビスフェノールA、ビフェノールなどの多官能フェノールのエチレンオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物のアクリレート類;上記水酸基含有アクリレートのイソシアネート変成物である多官能もしくは単官能ポリウレタンアクリレート;ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル又はフェノールノボラックエポキシ樹脂の(メタ)アクリル酸付加物であるエポキシアクリレート類、及び上記アクリレート類に対応するメタクリレート類などが挙げられ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中でも、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多官能(メタ)アクリレート化合物が好ましい。
このような感光性(メタ)アクリレート化合物(C)は、組成物の光反応性を向上させる目的に使用される。特に室温で液状の感光性(メタ)アクリレート化合物は、組成物の光反応性を上げる目的の他、組成物を各種の塗布方法に適した粘度に調整したり、アルカリ水溶液への溶解性を助ける役割も果たす。しかし、室温で液状の感光性(メタ)アクリレート化合物を多量に使用すると、塗膜の指触乾燥性が得られず、また塗膜の特性も悪化する傾向があるので、多量に使用することは好ましくない。感光性(メタ)アクリレート化合物(C)の好ましい配合比は、活性エネルギー線硬化性樹脂(A)100質量部に対し、2〜40質量部であり、より好ましくは10〜30質量部である。
次に、本発明の感光性樹脂組成物を構成するエポキシ基を有する化合物(D)について説明する。
このエポキシ基を有する化合物(D)としては、具体的には、ジャパンエポキシレジン製のエピコート828、エピコート834、エピコート1001、エピコート1004、大日本インキ化学工業社製のエピクロン840、エピクロン850、エピクロン1050、エピクロン2055、東都化成社製のエポトートYD−011、YD−013、YD−127、YD−128、ダウケミカル社製のD.E.R.317、D.E.R.331、D.E.R.661、D.E.R.664、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社のアラルダイド6071、アラルダイド6084、アラルダイドGY250、アラルダイドGY260、住友化学工業社製のスミ−エポキシESA−011、ESA−014、ELA−115、ELA−128、旭化成工業社製のA.E.R.330、A.E.R.331、A.E.R.661、A.E.R.664等(何れも商品名)のビスフェノールA型エポキシ樹脂:ジャパンエポキシレジン製のエピコートYL903、大日本インキ化学工業社製のエピクロン152、エピクロン165、東都化成社製のエポトートYDB−400、YDB−500、ダウケミカル社製のD.E.R.542、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製のアラルダイド8011、住友化学工業社製のスミ−エポキシESB−400、ESB−700、旭化成工業社製のA.E.R.711、A.E.R.714等(何れも商品名)のブロム化エポキシ樹脂;ジャパンエポキシレジン製のエピコート152、エピコート154、ダウケミカル社製のD.E.N.431、D.E.N.438、大日本インキ化学工業社製のエピクロンN−730、エピクロンN−770、エピクロンN−865、東都化成社製のエポトートYDCN−701、YDCN−704、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製のアラルダイドECN1235、アラルダイドECN1273、アラルダイドECN1299、アラルダイドXPY307、日本化薬社製のEPPN−201、EOCN−1025、EOCN−1020、EOCN−104S、RE−306、住友化学工業社製のスミ−エポキシESCN−195X、ESCN−220、旭化成工業社製のA.E.R.ECN−235、ECN−299等(何れも商品名)のノボラック型エポキシ樹脂;大日本インキ化学工業社製のエピクロン830、ジャパンエポキシレジン製エピコート807、東都化成社製のエポトートYDF−170、YDF−175、YDF−2004、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製のアラルダイドXPY306等(何れも商品名)のビスフェノールF型エポキシ樹脂;東都化成社製のエポトートST−2004、ST−2007、ST−3000(商品名)等の水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂;ジャパンエポキシレジン製のエピコート604、東都化成社製のエポトートYH−434、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製のアラルダイドMY720、住友化学工業社製のスミ−エポキシELM−120等(何れも商品名)のグリシジルアミン型エポキシ樹脂;チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製のアラルダイドCY−350(商品名)等のヒダントイン型エポキシ樹脂;ダイセル化学工業社製のセロキサイド2021、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製のアラルダイドCY175、CY179等(何れも商品名)の脂環式エポキシ樹脂;ジャパンエポキシレジン製のYL−933、ダウケミカル社製のT.E.N.、EPPN−501、EPPN−502等(何れも商品名)のトリヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂;ジャパンエポキシレジン製のYL−6056、YX−4000、YL−6121(何れも商品名)等のビキシレノール型もしくはビフェノール型エポキシ樹脂又はそれらの混合物;日本化薬(株)製EBPS−200、旭電化工業(株)製EPX−30、大日本インキ化学工業社製のEXA−1514(商品名)等のビスフェノールS型エポキシ樹脂;ジャパンエポキシレジン製のエピコート157S(商品名)等のビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂;ジャパンエポキシレジン製のエピコートYL−931、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製のアラルダイド163等(何れも商品名)のテトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂;チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製のアラルダイドPT810、日産化学社製のTEPIC等(何れも商品名)の複素環式エポキシ樹脂;日本油脂(株)製ブレンマーDGT等のジグリシジルフタレート樹脂;東都化成(株)製ZX−1063等のテトラグリシジルキシレノイルエタン樹脂;新日鉄化学社製ESN−190、ESN−360、大日本インキ化学工業社製HP−4032、EXA−4750、EXA−4700等のナフタレン基含有エポキシ樹脂;大日本インキ化学工業社製HP−7200、HP−720OH等のジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂;日本油脂(株)製CP−50S、CP−50M等のグリシジルメタアクリレート共重合系エポキシ樹脂;さらにシクロヘキシルマレイミドとグリシジルメタアクリレートの共重合エポキシ樹脂、1つ以上の内部エポキシド基を含むポリブタジエン等が挙げられるが、これらに限られるものではない。エポキシ基を有する化合物(D)には、グリシジル基以外の環状エーテル基を有する化合物も含まれる。なお、化合物(D)は単独で又は2種以上を用いることができる。
エポキシ基を有する化合物(D)の配合量は、必要とする塗膜特性に応じた任意の量とすることができるが、好ましくは活性エネルギー線硬化樹脂(A)100質量部に対し、2〜50質量部であり、より好ましくは10〜50質量部である。
本発明の感光性樹脂組成物は、その他添加剤として、必要に応じて熱重合禁止剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、チキソ性付与剤、着色剤、などを含有し得る。更には熱可塑性樹脂なども配合することができる。
次に、上述したような成分組成を有する本発明の感光性樹脂組成物を用いてソルダーレジスト膜を形成したプリント配線板について説明する。まず、本発明の感光性樹脂組成物は、必要に応じて希釈して塗布方法に適した粘度に調整し、これを例えば、回路形成されたプリント配線板にスクリーン印刷法、カーテンコート法、スプレーコート法、ロールコート法等の方法により塗布し、次いで、例えば70〜90℃の温度で組成物中に含まれる有機溶剤を揮発乾燥させることにより、タックフリーの塗膜とする。
こうして形成されたタックフリーの塗膜は、パターンを形成したフォトマスクを通して選択的に活性エネルギー線により露光し、未露光部を希アルカリ水溶液により現像してパターンニングされ、さらに、活性エネルギー線の照射後加熱硬化もしくは加熱硬化後活性エネルギー線の照射、又は、加熱硬化のみで最終硬化(本硬化)させることにより、耐熱性、密着性、耐無電解めっき性、電気特性に優れた硬化塗膜(ソルダーレジスト膜)となる。
このようにして、回路形成されたプリント配線板に本発明の感光性樹脂組成物の硬化塗膜からなるソルダーレジスト膜が被覆され、かかるプリント配線板は、電子部品搭載前は無電解錫めっき耐性に優れたプリント配線板として、また電子部品搭載後は鉛フリーのはんだを使った電子部品搭載基板として有用である。
ここで、上記アルカリ水溶液としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、アミン類などのアルカリ水溶液が使用できる。
また、光硬化させるための照射光源としては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ又はメタルハライドランプなどが適当である。その他、レーザー光線なども活性エネルギー線として利用できる。
(実施例)
以下に、本発明例および比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお実施例中の部は質量部である。各実施例に使用する樹脂を以下に示す。
<樹脂A−1:プレポリマー(a)>
軟化点65〜75℃のビスフェノールF型エポキシ樹脂の水酸基をエポキシ化し、エポキシ基にアクリル酸を付加させた後、水酸基にテトラヒドロ無水フタル酸を付加し酸価100に調整した樹脂
<樹脂A−2:プレポリマー(a)>
軟化点65〜75℃のビスフェノールA型エポキシ樹脂の水酸基をエポキシ化し、エポキシ基にアクリル酸を付加させた後、水酸基に無水コハク酸を付加し酸価100に調整した樹脂
<樹脂B−1:プレポリマー(b)>
紫外線硬化樹脂サイクロマーACA250(ダイセル化学製)
<樹脂C−1>
軟化点80〜90℃のクレゾールノボラックエポキシ樹脂のエポキシ基にアクリル酸を付加させた後、水酸基にテトラヒドロ無水フタル酸を付加し酸価80に調整した樹脂
上記樹脂を、活性エネルギー線硬化樹脂として表1に示す配合成分で配合し、3本ロールミルで分散し、本発明例および比較例の感光性樹脂組成物を得た。これらの感光性樹脂組成物を、スクリーン印刷により銅スルホール基板に印刷し、80℃で30分間乾燥した後、300mj/cm2で露光し、1%水酸化ナトリウムで60秒間現像した後、150℃で60分間硬化させ塗膜を形成した。本発明例及び比較例の配合及び特性評価結果を表1及び表2に示す。
表2に示す結果から明らかなように、本発明に係る感光性樹脂組成物は、ソルダーレジストに要求される諸特性を損なうことなく、耐薬品性のなかでも、特に耐塩酸性と無電解錫めっき耐性が共に優れることがわかる。
なお、表2中の特性評価の方法は以下のとおりである。
(指触乾燥性)
印刷乾燥後、指で塗膜を押し、張り付きを確認した。評価基準は以下のとおりである。
○:表面にベタツキがなく指紋跡がつかないもの
×:表面にベタツキがあり指紋跡がみられるもの
(現像性)
印刷後、乾燥条件を80℃で40分〜70分と変えて乾燥し、現像後の未露光部の塗膜除去状態を目視で確認した。評価基準は以下のとおりである。
○:現像残りが全くないもの
△:表面にわずかにフィラー残りが見られるもの
×:全体的に現像残りがあるもの
(密着性)
ポストキュア後の塗膜をJIS D0202の試験方法に従いクロスカット、テープピーリングし、剥離の状態を目視判定した。評価基準は以下のとおりである。
○:100/100に全くはがれのないもの
×:100/100だがクロスカット部が少しはがれたもの
(鉛筆硬度)
ポストキュア後の塗膜をJIS K5400の試験方法に従い荷重1kgで硬度を測定した。
(はんだ耐熱性)
ポストキュア後の塗膜をJIS C6481の試験方法に従いロジン系及び水溶性フラックスを用いて260℃のはんだ浴に10秒2回浸漬し、塗膜の状態を確認した。評価基準は以下のとおりである。
○:塗膜にはがれ等異常のないこと、
×:塗膜にふくれ、はがれのあるもの
(耐溶剤性)
ポストキュア後の塗膜をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに20℃で30分間浸漬し、塗膜の状態を確認した。評価基準は以下のとおりである。
○:塗膜表面に白化等の異常がなく、エッジ部にはがれのないもの
×:塗膜表面に白化等の異常があるかまたはエッジ部にはがれのあるもの
(耐塩酸性)
ポストキュア後の塗膜を10vol%塩酸水溶液に20℃で30分間浸漬し、塗膜の状態を確認した。評価基準は以下のとおりである。
○:塗膜表面に白化等の異常がなく、エッジ部にはがれのないもの
×:塗膜表面に白化等の異常があるかまたはエが部にはがれのあるもの
(耐アルカリ性)
ポストキュア後の塗膜を10質量%水酸化ナトリウム水溶液に20℃で30分間浸漬し、塗膜の状態を確認した。評価基準は以下のとおりである。
○:塗膜表面に白化等の異常がなく、エッジ部にはがれのないもの
×:塗膜表面に白化等の異常があるかまたはエッジ部にはがれのあるもの
(無電解金めっき耐性)
ポストキュア後の塗膜を市販の無電解ニッケル液、無電解金めっき液を用いてめっき厚ニッケル3μm、金0.03μmとなるようにめっきを行い、塗膜の状態を確認した。評価基準は以下のとおりである。
○:塗膜表面に白化等の異常なく、エッジ部にはがれのないもの
×:塗膜表面に白化等の異常があるかまたはエッジ部にはがれのあるもの
(無電解錫めっき耐性)
ポストキュア後の塗膜を市販の無電解錫めっき液を用いてめっき厚1μmとなるようにめっきを行い、塗膜の状態を確認した。評価基準は以下のとおりである。
○:塗膜表面に白化等異常なく、エッジにはがれのないこと
△:塗膜表面に白化等異常なし、エッジ部にはがれあり
×:塗膜表面に白化あり、エッジ部にはがれあり
産業上の利用分野
以上説明したように本発明によれば、ソルダーレジストに要求される諸特性を損なうことなく、耐薬品性のなかでも、特に耐酸性と無電解化学錫めっき耐性に優れたソルダーレジスト組成物を提供することができる。
Claims (10)
- (A)活性エネルギー線硬化性樹脂、(B)光重合開始剤、(C)反応性希釈剤、(D)エポキシ基を有する化合物を含有する組成物であって、(A)が、ビスフェノール型エポキシ樹脂のアルコール性水酸基にエピハロヒドリンを付加したビスフェノール型エポキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル化反応により生成するエポキシ基のエステル化生成物と飽和又は不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られるプレポリマー(a)と、不飽和−塩基酸共重合樹脂と脂環式エポキシ基含有不飽和化合物との反応により得られるプレポリマー(b)とからなることを特徴とする感光性樹脂組成物。
- 前記活性エネルギー線硬化性樹脂(A)における(a)と(b)の配合比が、(a)100質量部当り(b)0質量部超100質量部以下であることを特徴とする請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記光重合開始剤(B)は、その配合量が(A)100質量部当り1〜30質量部である請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記反応性希釈剤(C)は、1分子中に2重結合を2個以上有する化合物であり、その配合量が(A)100質量部当り2〜40質量部である請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記エポキシ基を有する化合物(D)は、その配合量が(A)100質量部当り2〜50質量部である請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項1に記載の感光性樹脂組成物の硬化塗膜からなるソルダーレジスト膜で被覆された電子部品搭載前または後のプリント配線板。
- 請求項2に記載の感光性樹脂組成物の硬化塗膜からなるソルダーレジスト膜で被覆された電子部品搭載前または後のプリント配線板。
- 請求項3に記載の感光性樹脂組成物の硬化塗膜からなるソルダーレジスト膜で被覆された電子部品搭載前または後のプリント配線板。
- 請求項4に記載の感光性樹脂組成物の硬化塗膜からなるソルダーレジスト膜で被覆された電子部品搭載前または後のプリント配線板。
- 請求項5に記載の感光性樹脂組成物の硬化塗膜からなるソルダーレジスト膜で被覆された電子部品搭載前または後のプリント配線板。
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