JP5583091B2 - 黒色硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、優れた解像性を有する黒色硬化性樹脂組成物に関するものであり、例えば、プリント配線板のソルダーレジストとして使用した場合に、電極のファインピッチ化と微細化に対応でき、黒色度に優れ、熱処理後であっても色調の変化を防止できる、絶縁特性に優れた黒色硬化性樹脂組成物に関するものである。
プリント配線板は、基板の上に導体回路のパターンを形成し、そのパターンのはんだ付けランドに電子部品をはんだ付けにより搭載するために使用され、そのはんだ付けランドを除く回路部分は永久保護皮膜としてのソルダーレジスト膜で被覆される。これにより、プリント配線板に電子部品をはんだ付けする際に、はんだが不必要な部分に付着するのを防止すると共に、回路導体が空気に直接曝されて酸化や湿度により腐食されるのを防止する。
また、近年、技術進歩に伴い、エレクトロニクス分野では、小型化、軽量化への要求が一層増し、これに伴い、より小型化された電子部品を高密度に配置するために、プリント配線板の導体回路パターンのファインピッチ化、微細化、高精度性が求められている。これに応じて、ソルダーレジスト膜についても、解像性、寸法精度性、耐熱性等の諸特性について、より高性能のものが要求されており、このようなソルダーレジスト膜の一つに黒色のものがある。
黒色のソルダーレジスト膜を形成する材料として、カルボキシル基含有樹脂に配合される着色剤が、黒色着色剤と、黒色着色剤以外の1種以上の着色剤であるソルダーレジスト組成物が提案されている(特許文献1)。しかし、特許文献1の黒色ソルダーレジスト組成物は、黒色を有するがゆえに露光時の光吸収が多くなってしまい、特に、ソルダーレジスト塗膜の深部にまで光が届きにくい。従って、ソルダーレジスト塗膜の深部における光硬化が十分ではなく、現像後にソルダーレジスト塗膜深部の寸法が小さくなりすぎてプリント配線板から硬化塗膜が剥離する等、解像性やライン残りに劣るという問題があった。さらに、特許文献1では、黒色着色剤としてカーボンブラックを使用するので、絶縁特性が低下するという問題もあった。
そこで、カルボキシル基含有樹脂に配合される着色剤が、黄色着色剤と紫色着色剤、黄色着色剤と青色着色剤と赤色着色剤、緑色着色剤と紫色着色剤、及び緑色着色剤と赤色着色剤の群から選択されたいずれかの組合せとすることにより黒色化した黒色ソルダーレジスト組成物が提案されている(特許文献2)。しかし、特許文献2では、黒色着色剤以外の着色剤で黒色化させているために、黒色への調整が困難、煩雑であり、また、黒色度を高めるために着色剤の含有率が高くなって、やはり、解像性能が十分ではないという問題があった。
特開2008―257045号公報 特開2010−91876号公報
上記事情に鑑み、本発明の目的は、優れた解像性と絶縁特性を有し、黒色への調整が容易で、熱処理後の色調変化を防止できる黒色硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明の態様は、(A)カルボキシル基含有感光性樹脂と、(B)光重合開始剤と、(C)希釈剤と、(D)エポキシ化合物と、(E)ペリレン系黒色着色剤と、(F)黒色系の金属酸化物顔料とを含有することを特徴とする黒色硬化性樹脂組成物である。
上記態様では、黒色硬化性樹脂組成物の着色剤に、波長300〜400nmの光の透過率がカーボンブラックよりも高いペリレン系黒色着色剤を配合することで、光硬化のため露光に用いる波長300〜400nmの光が、黒色硬化性樹脂組成物の塗膜深部にまで到達し、塗膜の表面部から深部まで十分に光硬化する。金属酸化物は、波長300〜400nmの光の透過率の低下を抑制しつつ、黒色硬化性樹脂組成物の明度(L*値)を低下させて黒色度を補充、向上させる。
本発明の態様は、前記(E)ペリレン系黒色着色剤の波長300〜400nmの光の透過率が、3%以上であることを特徴とする黒色硬化性樹脂組成物である。上記態様では、波長300〜400nmの光の透過率が3%以上のペリレン系黒色着色剤を配合するので、基板上に塗工した黒色硬化性樹脂組成物の深部にまで、光硬化に必要な光量の紫外光領域の光が確実に到達する。
本発明の態様は、前記(E)ペリレン系黒色着色剤の波長400〜700nmの光の透過率が、20%以下であることを特徴とする黒色硬化性樹脂組成物である。
本発明の態様は、前記(E)ペリレン系黒色着色剤が、赤外線吸収スペクトル測定にて、少なくとも、1587〜1592cm−1の間、805〜810cm−1の間の吸収位置に赤外線吸収ピークを有することを特徴とする黒色硬化性樹脂組成物である。
本発明の態様は、前記(F)黒色系の金属酸化物顔料が、MnO、Fe、CuO及びCoを含むことを特徴とする黒色硬化性樹脂組成物である。この態様では、(F)黒色系の金属酸化物顔料は、クロムが配合されていない、すなわち、クロムフリーの黒色無機顔料である。
本発明の態様は、上記黒色硬化性樹脂組成物を硬化させた硬化物である。本発明の態様は、L*値が25以下であることを特徴とする上記黒色硬化性樹脂組成物の硬化物である。本発明の態様は、膜厚20μmにおける、波長400nmの光の透過率が、2.8%以上であることを特徴とする上記黒色硬化性樹脂組成物の硬化物である。本発明の態様は、上記黒色硬化性樹脂組成物をソルダーレジストとして塗布したことを特徴とするプリント配線板である。
本発明の態様によれば、ペリレン系黒色着色剤と金属酸化物を配合することで、波長300〜400nmの光の透過率の低下を抑制しつつ、明度(L*値)を低下させて黒色度を向上させることができる。従って、塗工した黒色硬化性樹脂組成物の表面部から深部まで十分に光硬化するので、例えば、ファインピッチの回路パターンを有するプリント配線板等の基板に本発明の黒色硬化性樹脂組成物を塗布しても、深部の光硬化不足による塗膜の脱落や欠損等を防止して、解像性に優れた黒色の硬化物を得ることができる。また、塗工した黒色硬化性樹脂組成物の深部まで光硬化が十分に進行するので、現像後における塗膜深部の幅寸法の減少を防止できる。よって、塗膜深部の幅寸法は塗膜表層部の幅寸法に近づき、硬化塗膜の寸法精度が向上する。
本発明の態様によれば、カーボンブラックを使用しないので、波長300〜400nmの光の透過率と絶縁特性に優れている。また、本発明の態様によれば、金属酸化物を配合することで、熱を使用する工程(例えば、電子部品をはんだ付けする工程)における硬化物の退色・変色を確実に抑え、黒色度を確実に維持することができる。
本発明の態様によれば、波長300〜400nmの光の透過率が3%以上のペリレン系黒色着色剤を使用するので、塗膜深部の光硬化不足による塗膜の脱落や欠損等を確実に防止して、解像性と寸法精度がより向上する。
次に、本発明の黒色硬化性樹脂組成物の各成分について説明する。本発明の黒色硬化性樹脂組成物は、(A)カルボキシル基含有感光性樹脂と、(B)光重合開始剤と、(C)希釈剤と、(D)エポキシ化合物と、(E)ペリレン系黒色着色剤と、(F)金属酸化物とを含有する。
(A)カルボキシル基含有感光性樹脂
カルボキシル基含有感光性樹脂は、特に限定されず、感光性の不飽和二重結合を1個以上有する感光性のカルボキシル基含有樹脂、感光性の不飽和二重結合を有さないカルボキシル基含有樹脂のいずれも使用可能である。(A)成分の例として、分子中にエポキシ基を2個以上有する多官能エポキシ樹脂のエポキシ基の少なくとも一部にアクリル酸又はメタクリル酸等のラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を反応させてエポキシ(メタ)アクリレートを得て、生成した水酸基に多塩基酸又はその無水物を反応させて得られる多塩基酸変性エポキシ(メタ)アクリレートを挙げることができる。
前記多官能性エポキシ樹脂は、2官能以上のエポキシ樹脂であればいずれでも使用可能である。多官能性エポキシ樹脂のエポキシ当量は特に制限されないが、1000以下が好ましく、100〜500が特に好ましい。多官能性エポキシ樹脂には、例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂等のゴム変性エポキシ樹脂、ε−カプロラクトン変性エポキシ樹脂、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAD型等のフェノールノボラック型エポキシ樹脂、о−クレゾールノボラック型等のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族多官能エポキシ樹脂、グリシジルエステル型多官能エポキシ樹脂、グリシジルアミン型多官能エポキシ樹脂、複素環式多官能エポキシ樹脂、ビスフェノール変性ノボラック型エポキシ樹脂、多官能変性ノボラック型エポキシ樹脂、フェノール類とフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物型エポキシ樹脂等を挙げることができる。また、これらの樹脂にBr、Cl等のハロゲン原子を導入したものも使用可能である。これらのうちでも塗膜のフレキシブル性の点から、シリコーン変性エポキシ樹脂等のゴム変性エポキシ樹脂が好ましい。これらのエポキシ樹脂は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
使用するラジカル重合性不飽和モノカルボン酸は、特に限定されず、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮酸などを挙げることができ、アクリル酸、メタクリル酸(以下、(メタ)アクリル酸ということがある。)が好ましく、アクリル酸が特に好ましい。(メタ)アクリル酸を反応させたものがエポキシ(メタ)アクリレートである。エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応方法は特に限定されず、例えばエポキシ樹脂とアクリル酸を適当な希釈剤中で加熱する反応方法が挙げられる。
多塩基酸又は多塩基酸無水物は、前記エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応で生成した水酸基に反応し、樹脂に遊離のカルボキシル基を持たせるものである。使用する多塩基酸又はその無水物としては、特に限定されず、飽和、不飽和のいずれも使用可能である。多塩基酸には、例えば、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、クエン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、3−メチルテトラヒドロフタル酸、4−メチルテトラヒドロフタル酸、3−エチルテトラヒドロフタル酸、4−エチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、3−メチルヘキサヒドロフタル酸、4−メチルヘキサヒドロフタル酸、3−エチルヘキサヒドロフタル酸、4−エチルヘキサヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸及びジグリコール酸等が挙げられ、多塩基酸無水物としてはこれらの無水物が挙げられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
本発明においては、上記の多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂も感光性樹脂として使用できるが、上記の多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂の有するカルボキシル基に、1つ以上のラジカル重合性不飽和基とエポキシ基を持つグリシジル化合物を反応させることにより、ラジカル重合性不飽和基を更に導入し、さらに感光性を向上させた感光性樹脂としてもよい。
この感光性を向上させた感光性樹脂は、グリシジル化合物の反応によってラジカル重合性不飽和基が、その前駆体の感光性樹脂の高分子の骨格の側鎖に結合するため、光重合反応性が高く、優れた感光特性を有する。1つ以上のラジカル重合性不飽和基とエポキシ基を持つ化合物としては、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリアクリレートモノグリシジルエーテル等が挙げられる。なお、グリシジル基は1分子中に複数有していてもよい。上記した1つ以上のラジカル重合性不飽和基とエポキシ基を持つ化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
カルボキシル基含有感光性樹脂の酸価の下限値は、確実なアルカリ現像の点から30mgKOH/gであり、40mgKOH/gが好ましい。一方、酸価の上限値は、アルカリ現像液による露光部の溶解防止の点から200mgKOH/gであり、硬化物の耐湿性と電気特性の劣化防止の点から150mgKOH/gが好ましい。
また、カルボキシル基含有感光性樹脂の重量平均分子量の下限値は、硬化物の強靭性及び指触乾燥性の点から3000であり、好ましくは5000である。一方、重量平均分子量の上限値は、(C)成分である希釈剤等との相溶性及び円滑なアルカリ現像性の点から200000であり、好ましくは50000である。
カルボキシル基含有感光性樹脂として市販されているものには、例えば、ZFR−1124、FLX−2089(以上、日本化薬(株)製)、サイクロマーP(ACA)Z−250(ダイセル化学工業(株)製)、リポキシ SP−4621(昭和高分子(株)製)等を挙げることができる。これらの樹脂は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
(B)光重合開始剤
光重合開始剤は、一般的に使用されるものであれば特に限定されず、例えば、オキシム系開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン‐n‐ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2‐ジメトキシ‐2‐フェニルアセトフェノン、2,2‐ジエトキシ‐2‐フェニルアセトフェノン、2‐ヒドロキシ‐2‐メチル‐1‐フェニルプロパン‐1‐オン、1‐ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2‐メチル‐1‐〔4‐(メチルチオ)フェニル〕‐2‐モルフォリノ‐プロパン‐1‐オン、4‐(2‐ヒドロキシエトキシ)フェニル‐2‐(ヒドロキシ‐2‐プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p‐フェニルベンゾフェノン、4,4′‐ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロルベンゾフェノン、2‐メチルアントラキノン、2‐エチルアントラキノン、2‐ターシャリーブチルアントラキノン、2‐アミノアントラキノン、2‐メチルチオキサントン、2‐エチルチオキサントン、2‐クロルチオキサントン、2,4‐ジメチルチオキサントン、2,4ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、P‐ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。波長300〜400nmの紫外光が本発明の黒色硬化性樹脂組成物に照射されると、上記光重合開始剤がカルボキシル基含有感光性樹脂の光硬化を促進する。光重合開始剤の配合量は、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、5〜20質量部であり、8〜15質量部が好ましい。
(C)希釈剤
希釈剤は、カルボキシル基含有感光性樹脂の光硬化を十分にして、耐酸性、耐熱性、耐アルカリ性などを有する硬化物を得るために使用する。希釈剤には、例えば、1,4‐ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6‐ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性燐酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の反応性希釈剤(光重合性モノマー)が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。上記した希釈剤の配合量は、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、2.0〜60質量部であり、10〜50質量部が好ましい。
また、希釈剤として、黒色硬化性組成物の粘度や乾燥性を調節するために、上記反応性希釈剤とともに、非反応性希釈剤である有機溶剤を用いてもよい。有機溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メタノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール、などのアルコール類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、石油エーテル、石油ナフサ等の石油系溶剤類、セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート等の酢酸エステル類等を挙げることができる。有機溶媒を用いる場合の配合量は、カルボキシル基含有感光性樹脂100重量部に対して、40〜500重量部が好ましい。
(D)エポキシ化合物
エポキシ化合物は、架橋密度を上げて、十分な機械的強度を有する硬化物を得るためのものである。エポキシ化合物には、例えば、エポキシ樹脂が挙げられる。エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、p−tert−ブチルフェノールノボラック型など)、ビスフェノールFやビスフェノールSにエピクロルヒドリンを反応させて得られたビスフェノールF型やビスフェノールS型エポキシ樹脂、さらにシクロヘキセンオキシド基、トリシクロデカンオキシド基、シクロペンテンオキシド基などを有する脂環式エポキシ樹脂、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等のトリアジン環を有するトリグリシジルイソシアヌレート、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂を挙げることができる。これらの化合物は単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。エポキシ化合物の配合量は、十分な機械的強度を有する硬化物を得る点から、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、1〜50質量部であり、6〜30質量部が好ましい。
(E)ペリレン系黒色着色剤
ペリレン系黒色着色剤は、本発明の黒色硬化性樹脂組成物を黒色に着色するとともに、黒色硬化性樹脂組成物に紫外光に対する透過性を付与するものである。ペリレン系黒色着色剤の種類は、特に限定されないが、塗膜深部の光硬化性の点から、波長300〜400nmの光の透過率が3%以上のペリレン系黒色着色剤が好ましい。熱による退色・変色を抑える点から、上記透過率特性を有するのに加えてさらに波長400〜700nmの光の透過率が20%以下でもあるペリレン系黒色着色剤がより好ましい。さらに、熱による退色・変色を確実に抑える点から、上記した波長300〜400nm及び波長400〜700nmの光の透過率特性に加えて、さらに、少なくとも1587〜1592cm−1の間、805〜810cm−1の間の吸収位置に赤外線吸収ピークを有しているペリレン系黒色着色剤が特に好ましい。
波長300〜400nmの光の透過率が3%以上のペリレン系黒色着色剤としては、例えば、ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト社製の「Paliogen Black S 0084」、「Paliogen Black L 0086」、「Lumogen Black FK 4280」、「Lumogen Black FK 4281」等を挙げることができる。このうち、波長300〜400nmの光の透過率が3%以上、かつ波長400〜700nmの光の透過率が20%以下であるペリレン系黒色着色剤には「Lumogen Black FK 4280」、「Lumogen Black FK 4281」が挙げられる。なお、「Paliogen Black S 0084」は、波長680nmよりも短波長側の光の透過率は20%以下であるが、波長680nm以上の光の透過率が20%超である。「Paliogen Black L 0086」は、波長700nmよりも短波長側の光の透過率は20%以下であるが、波長700nm以上の光の透過率が20%超である。「Lumogen Black FK 4280」は、波長300〜750nmの光の透過率が20%以下である。「Lumogen Black FK 4281」は、波長300〜900nmの光の透過率が20%以下である。
このうち、上記した波長300〜400nm及び波長400〜700nmの光の透過率特性に加えて、さらに少なくとも1669〜1671cm−1の間、1548〜1550cm−1の間、1498〜1500cm−1の間、1402〜1404cm−1の間、1283〜1285cm−1の間、822〜824cm−1の間、763〜765cm−1の間及び739〜741cm−1の間の吸収位置に赤外線吸収ピークを有しているペリレン系黒色着色剤には「Lumogen Black FK 4281」が挙げられる。なお、「Lumogen Black FK 4280」は、上記各吸収位置には赤外線吸収ピークを有しておらず、少なくとも1542〜1544cm−1の間、1502〜1504cm−1の間、1284〜1286cm−1の間及び748〜750cm−1の間の吸収位置に赤外線吸収ピークを有している。これらペリレン系黒色着色剤は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
ペリレン系黒色着色剤の配合量は特に限定されないが、例えば、その下限値は、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、硬化物に黒色度を付与する点から0.3質量部が好ましく、黒色としての外観の点から1.0質量部が特に好ましい。一方、ペリレン系黒色着色剤の配合量の上限値は、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、硬化物の微細なラインを形成して解像性を向上させる点から9.0質量部が好ましく、硬化物の寸法精度とより優れた解像性を得る点から8.0質量部が特に好ましい。
(F)金属酸化物
金属酸化物は、透過率の低下を抑制しつつ、耐退色性・耐変色性と耐候性を付与し、さらに絶縁特性と黒色度を向上させるために配合する。金属酸化物には、例えば、黒色系の金属酸化物顔料が挙げられる。黒色系の金属酸化物とは、黒色顔料として使用可能な、外観が黒色の金属酸化物のことを意味する。環境負荷低減の点からクロムフリーである黒色系の金属酸化物顔料が好ましい。具体的な金属酸化物としては、黒色系の金属酸化物顔料である、酸化マンガン、酸化第一鉄、酸化第二銅、酸化コバルト、酸化ビスマス、酸化クロムや、MnOとFeとCuOとCoとからなる混合物、MnOとFeとCuOとCoとを主成分として含む混合物等を挙げることができる。金属酸化物の平均一次粒子径は、解像性の点から20μm以下であり、10μm以下が好ましく、5μm以下が特に好ましい。これら一次粒子は、ある程度の数が凝集して二次粒子を形成してもよい。
金属酸化物の配合量は特に限定されないが、例えば、その下限値は、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、硬化物の黒色度を向上させる点から0.3質量部が好ましく、熱による退色・変色を防止する点から1.0質量部が特に好ましい。一方、金属酸化物の配合量の上限値は、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、硬化物の解像性の低下を確実に防止する点から35質量部が好ましく、硬化物の寸法精度と優れた解像性を得る点から25質量部が特に好ましい。
また、上述したペリレン系黒色着色剤と金属酸化物との合計の配合量は、特に限定されないが、例えば、その下限値は、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、黒色度と耐退色性・耐変色性を付与する点から2.0質量部が好ましく、黒色度をより向上させる点から5.0質量部が特に好ましい。一方、その上限値は、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、硬化物の解像性の低下を確実に防止する点から40質量部が好ましく、30質量部が特に好ましい。
さらに、ペリレン系黒色着色剤の配合量(質量):金属酸化物の配合量(質量)は、解像性、黒色度及び耐退色性・耐変色性のバランスの点から1:15〜15:1が好ましく、色調と耐熱性の点から1:10〜10:1が特に好ましい。
本発明の黒色硬化性樹脂組成物では、上記成分の他に、必要に応じて、種々の添加成分、例えば、消泡剤、各種添加剤、体質顔料などを適宜配合することができる。
消泡剤には、公知のものを使用でき、例えば、シリコーン系、炭化水素系、アクリル系等を挙げることができる。添加剤には、例えば、シラン系、チタネート系、アルミナ系等のカップリング剤といった分散剤、三フッ化ホウ素−アミンコンプレックス、ジシアンジアミド(DICY)及びその誘導体、有機酸ヒドラジド、ジアミノマレオニトリル(DAMN)及びその誘導体、メラミン及びその誘導体、グアナミン及びその誘導体、アミンイミド(AI)並びにポリアミン等の潜在性硬化剤、アセチルアセナートZn及びアセチルアセナートCr等のアセチルアセトンの金属塩、エナミン、オクチル酸錫、第4級スルホニウム塩、トリフェニルホスフィン、イミダゾール、イミダゾリウム塩並びにトリエタノールアミンボレート等の硬化促進剤を挙げることができる。体質顔料は、硬化物の物理的強度を上げるためのものであり、例えば、シリカ、硫酸バリウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、タルク、マイカ等を挙げることができる。
上記した本発明の黒色硬化性樹脂組成物の製造方法は、特定の方法に限定されないが、例えば、上記各成分を所定割合で配合後、室温にて三本ロールにより混合分散させて製造することができる。
次に、上記した本発明の黒色硬化性樹脂組成物の塗工方法について説明する。ここでは、本発明の黒色硬化性樹脂組成物をソルダーレジストとしてプリント配線板に塗工する場合を例にとって説明する。
上記のようにして製造した本発明の黒色硬化性樹脂組成物を、例えば銅箔をエッチングして形成した回路パターンを有するプリント配線板上に、スクリーン印刷法、ロールコータ法、バーコータ法、スプレーコータ法、カーテンフローコータ法、グラビアコータ法等を用いて所望の厚さに塗布し、黒色硬化性樹脂組成物中の溶剤を揮散させるために60〜80℃程度の温度で15〜60分間程度加熱する予備乾燥を行ってタックフリーの塗膜を形成する。その後、塗布した黒色硬化性樹脂組成物上に、前記回路パターンのランド以外を透光性にしたパターンを有するネガフィルムを密着させ、その上から紫外線(波長300〜400nmの範囲)を照射させる。そして、前記ランドに対応する非露光領域を希アルカリ水溶液で除去することにより塗膜が現像される。現像方法には、スプレー法、シャワー法等が用いられ、使用される希アルカリ水溶液としては0.5〜5%の炭酸ナトリウム水溶液が一般的であるが、他のアルカリも使用可能である。次いで、130〜170℃の熱風循環式の乾燥機等で20〜80分間ポストキュアを行うことにより熱硬化させ、プリント配線板上に目的とする黒色硬化性樹脂組成物の硬化塗膜を形成させることができる。
このようにして得られた硬化塗膜にて被覆されたプリント配線板に、噴流はんだ付け方法、リフローはんだ付け方法等により電子部品がはんだ付けされることで、電子回路ユニットが形成される。
本発明の黒色硬化性樹脂組成物は、ソルダーレジストとしてプリント配線板等の基板に塗工する用途の他に、適宜の塗工方法にて、例えば、街灯用バックライト、美感を重視した太陽電池用バックシート表面、LEDのバックシート表面等にも適用可能である。
次に、本発明の実施例を説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、これらの例に限定されるものではない。
実施例1〜9、比較例1〜6
下記表1に示す各成分を下記表1に示す配合割合にて配合し、3本ロールを用いて室温にて混合分散させて、実施例1〜9、比較例1〜6にて使用する黒色硬化性樹脂組成物を調製した。そして、調製した黒色硬化性樹脂組成物を後述する試験片作製工程を用いて基板上に塗工し、試験片を作成した。下記表1に示す各成分の配合量は、特に断りの無い限り質量部を示す。
なお、表1中の各成分についての詳細は以下の通りである。
(A)カルボキシル基含有感光性樹脂
・リポキシSP‐4621:昭和高分子(株)製、多塩基酸変性クレゾールノボラック型エポキシアクリレート樹脂。
(B)光重合開始剤
・イルガキュア907:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、2‐メチル‐1‐(4‐メチルチオフェニル)‐2‐モルフォリノプロパン‐1‐オン。
・イルガキュア369:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、2‐ベンジル‐2‐ジメチルアミノ‐1‐(4‐モルフォリノフェニル)‐ブタノン‐1。
(C)希釈剤
・DPHA:日本化薬(株)製、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート。
(D)エポキシ化合物
・EPCRON 860:大日本インキ化学工業(株)製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂。
(E)ペリレン系黒色着色剤
・Paliogen Black S 0084:ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト社製。
・Paliogen Black L 0086:ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト社製。
・LUMOGEN BLACK FK4280:ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト社製。
・LUMOGEN BLACK FK4281:ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト社製。
(F)金属酸化物
・CFP−4010BK:奥野製薬工業(株)製、MnO、Fe、CuO及びCoを含む混合物。組成は、質量比でMnO:Fe:CuO:Co=100:30〜70:10:5〜10。
(G)その他
DICY−7はジャパンエポキシレジン(株)製のジシアンジアミドである。カーボンブラックは電気化学工業(株)製、アセチレンブラックを用いた。
試験片作製工程
回路パターン形成したガラスエポキシ基板(FR‐4)を、バフ研磨により表面処理した後、スクリーン印刷法にて、実施例1〜9及び比較例1〜6にて使用する黒色硬化性樹脂組成物をそれぞれ塗布後、BOX炉にて80℃で20分(BOX炉内25分)の予備乾燥を行った。予備乾燥後、塗膜上に露光装置(オーク社製HMW−680GW)にて波長360nmの紫外線を500mJ/cm2露光した後、30℃、1%の炭酸ナトリウム水溶液にて現像後、BOX炉にて150℃で60分(BOX炉内70分)のポストキュアを行ってガラスエポキシ基板(FR‐4)上に黒色硬化性樹脂組成物の硬化塗膜を形成し、試験片を作成した。硬化塗膜の厚みは20μmであった。
評価
(1)解像性
所定のフォトマスク(ライン幅30〜130μm)を介して形成した露光部の残存ラインと抜けたスペースを目視にて確認、評価した。
(2)アンダーカット
ライン幅100μmのフォトマスクを用いて硬化塗膜のラインを形成した基板について、基板を切断して切断面からライン観察し、ラインの表面側の幅(x)と底部側(深部側)の幅(y)を測定し、(x−y)/2からアンダーカットを評価した。
(3)明度(L*値)
色差計SE2000(日本電色工業(株))で測定した。
(4)透過率
硬化塗膜を形成したガラスエポキシ基板について波長400nmの光の透過率を測定し、別途測定したガラスエポキシ基板単体の波長400nmの光の透過率をベースラインに用いることで、硬化塗膜の透過率を測定した。透過率の測定には、UV分光光度計U−3310(日立ハイテクノロジー(株))を使用した。
(5)絶縁抵抗
IPC-TM-650のIPC−SM840B B−25テストクーポンのくし形電極を用い、85℃、85%R.H.で200時間加湿した後の絶縁抵抗値を、DC50Vを印加して測定した。
(6)はんだ耐熱後耐変色性
試験片を260℃のはんだ槽に20秒間浸せき後、硬化塗膜の変色の程度を目視により観察した。評価は下記3段階で行なった。「○」:変色なし、「△」:茶褐色への変色が若干あり、「×」:茶褐色への変色あり。
実施例1〜9、比較例1〜6の解像性、アンダーカット、L*値、透過率、絶縁抵抗、はんだ耐熱後耐変色性の結果を表2に示す。
表2の実施例1〜9より、ペリレン系黒色着色剤と金属酸化物を配合すると、明度を25以下に低下(すなわち、黒色度を高める)させつつ、波長400nmの光の透過率が向上して解像性に優れかつアンダーカットの小さい硬化塗膜を得ることができた。実施例1〜9に示すように、硬化塗膜の膜厚20μmにおける波長400nmの光の透過率がいずれも2.8%以上、解像性はいずれも80μm以下であった。つまり、本発明の黒色硬化性樹脂組成物は塗膜の深部まで十分に光硬化可能なので、優れた解像性を有し、ファインピッチの回路パターンにも対応可能であった。さらに、実施例1〜9に示すように、硬化塗膜のアンダーカットをいずれも19μm以下に抑えることができた。よって、本発明の黒色硬化性樹脂組成物は、ファインピッチの回路パターンであってもラインの剥離や欠損等を防止でき、ラインの寸法精度が向上した。
ペリレン系黒色着色剤と金属酸化物を配合した実施例1〜9では、いずれも絶縁抵抗が1.0×1012と高く、優れた絶縁特性が得られた。また、実施例1〜9に示すように、金属酸化物を配合すると、はんだ耐熱後耐変色性に優れ、熱による退色・変色を防止または抑制できた。
一方で、金属酸化物を使用せずにペリレン系黒色着色剤のみで黒色に着色した比較例1、2では、明度、解像性、アンダーカットのいずれかが実施例よりも劣化した。また、ペリレン系黒色着色剤を使用せずに金属酸化物のみで黒色に着色した比較例3では明度が45と高く十分な黒色度が得られなかった。
カーボンブラックを使用した比較例4〜6では、明度20以下と十分な黒色度は得られたものの、硬化塗膜の膜厚20μmにおける波長400nmの光の透過率がいずれも1.7%以下、解像性は100μm以上またはライン残りなしであった。加えて、比較例4〜6では、絶縁抵抗はいずれも2.0×10以下であった。よって、比較例4〜6では、解像性と絶縁特性が実施例よりも劣化した。さらに、比較例4〜6ではアンダーカットが35μm以上またはライン残りなしと、ラインの寸法精度が低下した。金属酸化物を使用しなかった比較例1、2、5、6では、はんだ耐熱後耐変色性に劣り、熱による退色・変色を防止できなかった。
本発明の黒色硬化性樹脂組成物は、優れた解像性と絶縁特性を有し、熱処理後の色調変化を防止できるので、被膜の形成材料として、例えば、ソルダーレジスト、街灯用バックライト、太陽電池用バックシートの被覆、LEDのバックシートの被覆等として利用価値が高い。

Claims (9)

  1. (A)カルボキシル基含有感光性樹脂と、(B)光重合開始剤と、(C)希釈剤と、(D)エポキシ化合物と、(E)ペリレン系黒色着色剤と、(F)黒色系の金属酸化物顔料とを含有することを特徴とする黒色硬化性樹脂組成物。
  2. 前記(E)ペリレン系黒色着色剤の波長300〜400nmの光の透過率が、3%以上であることを特徴とする請求項1に記載の黒色硬化性樹脂組成物。
  3. 前記(E)ペリレン系黒色着色剤の波長400〜700nmの光の透過率が、20%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の黒色硬化性樹脂組成物。
  4. 前記(E)ペリレン系黒色着色剤が、赤外線吸収スペクトル測定にて、少なくとも、1587〜1592cm−1の間、805〜810cm−1の間の吸収位置に赤外線吸収ピークを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の黒色硬化性樹脂組成物。
  5. 前記(F)黒色系の金属酸化物顔料が、MnO、Fe、CuO及びCoを含むことを特徴とする請求項1に記載の黒色硬化性樹脂組成物。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の黒色硬化性樹脂組成物を硬化させた硬化物。
  7. L*値が25以下であることを特徴とする請求項6に記載の硬化物。
  8. 膜厚20μmにおける、波長400nmの光の透過率が、2.8%以上であることを特徴とする請求項6または7に記載の硬化物。
  9. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の黒色硬化性樹脂組成物をソルダーレジストとして塗布したことを特徴とするプリント配線板。
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