JP5802126B2 - 白色硬化性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
カルボキシル基含有感光性樹脂は、特に限定されず、感光性の不飽和二重結合を1個以上有する感光性のカルボキシル基含有樹脂、感光性の不飽和二重結合を有さないカルボキシル基含有樹脂のいずれも使用可能である。(A)成分の例として、分子中にエポキシ基を2個以上有する多官能エポキシ樹脂のエポキシ基の少なくとも一部にアクリル酸又はメタクリル酸等のラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を反応させてエポキシ(メタ)アクリレートを得て、生成した水酸基に多塩基酸又はその無水物を反応させて得られる多塩基酸変性エポキシ(メタ)アクリレートを挙げることができる。
光重合開始剤は、一般的に使用されるものであれば特に限定されず、例えば、オキシム系開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン‐n‐ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2‐ジメトキシ‐2‐フェニルアセトフェノン、2,2‐ジエトキシ‐2‐フェニルアセトフェノン、2‐ヒドロキシ‐2‐メチル‐1‐フェニルプロパン‐1‐オン、1‐ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2‐メチル‐1‐〔4‐(メチルチオ)フェニル〕‐2‐モルフォリノ‐プロパン‐1‐オン、4‐(2‐ヒドロキシエトキシ)フェニル‐2‐(ヒドロキシ‐2‐プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p‐フェニルベンゾフェノン、4,4′‐ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロルベンゾフェノン、2‐メチルアントラキノン、2‐エチルアントラキノン、2‐ターシャリーブチルアントラキノン、2‐アミノアントラキノン、2‐メチルチオキサントン、2‐エチルチオキサントン、2‐クロルチオキサントン、2,4‐ジメチルチオキサントン、2,4ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、P‐ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。光重合開始剤の配合量は、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、5〜25質量部であり、8〜20質量部が好ましい。
希釈剤は、例えば、反応性希釈剤である光重合性モノマーであり、カルボキシル基含有感光性樹脂の光硬化を十分にして、耐酸性、耐熱性、耐アルカリ性などを有する硬化物を得るために使用する。光重合性モノマーとしては、例えば、1,4‐ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6‐ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性燐酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の反応性希釈剤が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。上記した反応性希釈剤の配合量は、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、2.0〜40質量部であり、10〜35質量部が好ましい。
エポキシ化合物は、硬化物の架橋密度を上げて、十分な機械的強度を有する硬化塗膜を得るためのものである。エポキシ化合物には、例えば、エポキシ樹脂がある。エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、p−tert−ブチルフェノールノボラック型など)、ビスフェノールFやビスフェノールSにエピクロルヒドリンを反応させて得られたビスフェノールF型やビスフェノールS型エポキシ樹脂、さらにシクロヘキセンオキシド基、トリシクロデカンオキシド基、シクロペンテンオキシド基などを有する脂環式エポキシ樹脂、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等のトリアジン環を有するトリグリシジルイソシアヌレート、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂を挙げることができる。これらの化合物は単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。エポキシ化合物の配合量は、硬化後に十分な機械的強度の塗膜を得る点から、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、5〜50質量部であり、10〜30質量部が好ましい。
酸化チタンは、硬化物を白色化するためのものであり、例えば、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタンを挙げることができる。アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタンいずれも使用できるが、アナターゼ型酸化チタンは、ルチル型酸化チタンと比較して白色度は高いものの、光触媒活性を有するので、白色硬化性樹脂組成物中の樹脂の変色を引き起こすことがある。ルチル型酸化チタンは、光触媒活性をほとんど有さないので硬化物の変色を防止できる。
スレン系青色着色剤は、白色硬化性樹脂組成物から形成した硬化物のL*値を上げて白色度を高めるとともに、熱履歴による前記硬化物の黄変を防止して隠蔽力を高めるために配合する。特に、本発明の白色硬化性樹脂組成物をプリント配線板のソルダーレジスト膜として使用する場合、導体回路パターン上における硬化物の色調とプリント配線板の基材上における硬化物の色調との差を低減できる、すなわち、特に、導体回路パターン上の部分での黄変を防止することで該部分の隠蔽力の低下を抑えることができるので、優れた隠蔽力を有するソルダーレジスト膜を形成できる。また、スレン系青色着色剤を配合することで、他の青色着色剤(例えば、フタロシアニン系、アントラキノン系、ジオキサジン系の顔料)を配合して硬化物の白色度を高めた場合と比較して、硬化塗膜の解像性、寸法精度が向上する。
無機イオン交換体は、反対電荷のイオンを取り込んでイオン交換を行うことで、本発明の白色硬化性樹脂組成物中に残っている塩素イオン、ナトリウムイオン等のイオン性不純物を捕捉固定するとともに、電圧を印加することでイオンとなり移動する金属イオンを捕捉固定することで、高温多湿条件下であっても、白色硬化性樹脂組成物の硬化物中におけるイオンマイグレーション現象を防止するために用いられる。このイオンマイグレーション現象が防止されることで、例えば、本発明の白色硬化性樹脂組成物をプリント配線板のソルダーレジスト膜に使用すると、ソルダーレジスト膜に起因する電極間のショートを防止できる。
下記表1に示す各成分を下記表1に示す配合割合にて配合し、攪拌機にて予備混合した後、3本ロールを用いて室温にて混合分散させて、実施例1〜15、比較例1〜4にて使用する白色硬化性樹脂組成物を調製した。そして、調製した白色硬化性樹脂組成物を後述する試験片作製工程を用いて基板上に塗工し、試験片を作成した。なお、下記表1に示す各成分の配合量は、特に断りの無い限り質量部を示す。
(A)カルボキシル基含有感光性樹脂
・サイクロマーP(ACA)Z−300:ダイセル化学工業(株)製、アクリル共重合構造の樹脂を使用したカルボキシル基含有樹脂。
(B)光重合開始剤
・イルガキュア819:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、ビス(2,4,6‐トリメチルベンゾイル)‐フェニルフォスフィンオキサイド。
・DAROCURE TPO:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド。
(C)希釈剤
・アロニックスM245:東亜合成(株)製、ポリエチレングリコールジアクリレート。
・EDGAC:三洋化成(株)製、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート。
(D)エポキシ化合物
・YX‐4000:ジャパンエポキシレジン(株)製、ビキシレノール型エポキシ樹脂。
(E)酸化チタン
・CR‐93:石原産業(株)製、ルチル型酸化チタン。
・タイペークA100:石原産業(株)製、アナターゼ型酸化チタン。
(F)スレン系青色着色剤
・LIONOGEN BLUE6510:東洋インキ製造(株)製。
(G)無機イオン交換体
・IXE‐100:東亞合成(株)製、Zr系の陽イオン交換体、メジアン径1.0μm。
・IXE‐700F:東亞合成(株)製、Mg‐Al系の陰イオン交換体、メジアン径1.5μm。
・IXE‐6107:東亞合成(株)製、Zr‐Bi系の両イオン交換体、メジアン径1.5μm。
・IXE‐6136:東亞合成(株)製、Zr‐Bi系の両イオン交換体、メジアン径2.1μm。
その他、KS−66は信越化学工業(株)製のシリコーン系消泡剤である。添加剤であるR−974は日本アエロジル(株)製のチキソ性付与剤、DICY‐7はジャパンエポキシレジン(株)製の潜在性硬化剤、メラミンも潜在性硬化剤である。LIONOL BLUE7350は東洋インキ製造(株)製のフタロシアニン系青色着色剤である。
導体パターンを形成したガラスエポキシ基板(パナソニック電工(株)製、両面銅張積層板R-1766、板厚1.6mmt、導体厚50μm)を、バフ研磨により表面処理した後、スクリーン印刷法にて、実施例1〜15及び比較例1〜4の白色硬化性樹脂組成物をそれぞれ塗布後、BOX炉にて80℃で20分(BOX炉内25分)の予備乾燥を行った。予備乾燥後、塗膜上に露光装置(オーク社製HMW−680GW)にて500mJ/cm2の露光を1分間行なった後、30℃、1%の炭酸ナトリウム水溶液にて現像した。現像後、BOX炉にて150℃で60分(BOX炉内70分)のポストキュアを行ってガラスエポキシ基板上に白色硬化性樹脂組成物の硬化塗膜を形成し、試験片を作成した。硬化塗膜の厚みは20〜23μmであった。
(1)導体パターンに対する隠蔽力
無電解金メッキ処理後、リフロー処理を行ってから、プレシャークッカー処理を行い、銅箔である導体パターンに対する白色塗膜の隠蔽力を目視により観察した。評価は、以下の基準に従って行なった。
◎:導体パターン上と基材上の色調に差異なし。
○:導体パターンのエッジ部に若干黄変あり。
△:導体パターン上に若干黄変あり。
×:導体パターン上に黄変あり。
なお、無電解金メッキ処理は、試験片を、無電解ニッケルめっき液(商品名「メルプレートNI−865T」、メルテックス社製)の入った85℃のめっき槽に15分間浸漬し、続いて、無電解金めっき液(商品名「メルプレートAU−601」、メルテックス社製)の入った90℃のめっき槽に10分間浸漬して行った。リフロー処理は、プリヒート温度60〜120℃、昇温速度1℃/秒、ピーク温度230℃、30秒にて行なった。プレッシャークッカー処理は、121℃、100%RH、72時間の条件にて行なった。
無電解金メッキ処理後、リフロー処理を行ってから、プレシャークッカー処理を行った試験片について、ガラスエポキシ基板の導体パターン上及びガラスエポキシ基板の基材上の明度(L*値)とクロマネティクス指数(a*値、b*値)を色差計SE2000(日本電色工業(株))にて測定した。
(3)反射率(%)
初期:ポストキュア後の試験片について、分光光度計U‐3410((株)日立製作所製:φ60mm積分球)にて、450nmおける反射率を測定した。
照射後:耐光性を評価するものであり、ポストキュア後の試験片について50J/cm2のUV照射(300〜450nmのUV、2分間)を行なった後、分光光度計U‐3410((株)日立製作所製:φ60mm積分球)にて、450nmおける試験片の反射率を測定した。
加熱後:耐熱性を評価するものであり、ポストキュア後の試験片について170℃で50時間加熱を行なった後、分光光度計U‐3410((株)日立製作所製:φ60mm積分球)にて、450nmおける試験片の反射率を測定した。
(4)解像性
所定のフォトマスク(ライン幅30〜130μm)を介して形成した露光部の残存ラインと抜けたスペースを目視にて確認、評価した。
(5)アンダーカット
幅100μmのフォトマスクを用いて硬化塗膜のラインを形成した上記ガラスエポキシ基板を切断して切断面からライン観察し、ラインの表面側の幅(x)と底部側(深部側)の幅(y)を測定し、(x−y)/2からアンダーカット値を評価した。
導体パターンを形成したガラスエポキシ基板に代えて、IPC−TM−650のIPC−SM840B B−25テストクーポンのくし形電極に、上記と同様の方法で塗工して硬化塗膜を形成し、印荷電圧DC50V、85℃、85%R.H.で1000時間加湿した後のくし型パターンを光学顕微鏡(×100)にて観察し、以下の基準に従って評価した。
○:イオンマイグレーションの発生なし。
△:若干、イオンマイグレーション発生するが、くし型電極間でのショートなし。
×:マイグレーション発生により、くし型電極間でショート。
Claims (7)
- (A)カルボキシル基含有感光性樹脂と、(B)光重合開始剤と、(C)希釈剤と、(D)エポキシ化合物と、(E)酸化チタンと、(F)スレン系青色着色剤とを含有することを特徴とする白色硬化性樹脂組成物。
- 前記(E)酸化チタン100質量部に対し、前記(F)スレン系青色着色剤が0.003〜0.055質量部含有することを特徴とする請求項1に記載の白色硬化性樹脂組成物。
- 前記(A)カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対し、前記(E)酸化チタンが、40〜300質量部含有することを特徴とする請求項1または2に記載の白色硬化性樹脂組成物。
- さらに、(G)無機イオン交換体を含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の白色硬化性樹脂組成物。
- 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の白色硬化性樹脂組成物を硬化させた硬化物を有することを特徴とするプリント配線板。
- 前記硬化物が、膜厚20μmにおいて、L*値が70以上、a*値が−2.5〜−0.5、b*値が−6.0〜−2.5であることを特徴とする請求項5に記載のプリント配線板。
- 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の白色硬化性樹脂組成物を硬化して得られた皮膜を有することを特徴とする反射シート。
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JP2014169377A (ja) | 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物 |
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