JP2011235835A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】ワイヤを巻き重ねてビードコアを構成した空気入りタイヤにおいて、成形・加硫時のビードの層崩れを抑制することにより、ビードコアの成形精度(ビードコアの真円度)を高めて優れたユニフォーミティを有するとともに、ビードコアの耐久性(ワイヤなどの耐セパレーション性)に優れた空気入りタイヤを提供すること。
【解決手段】ビードワイヤが巻き重ねられて形成されたビードコアと、左右の該ビードコアに装架されたカーカス層を有する空気入りタイヤにおいて、該ビードコアは前記ビードワイヤを融点が200℃以上の熱可塑性樹脂中に埋設して構成され、かつ該ビードコアと前記カーカス層の間に、熱可塑性樹脂中にゴムを分散混合させた熱可塑性エラストマーからなるビードコアカバー層を配設した空気入りタイヤ。
【選択図】図1

Description

本発明は、ビードワイヤを巻き重ねてビードコアを構成した空気入りタイヤにおいて、成形・加硫時のビードの層崩れを抑制することにより、ビードコアの成形精度(特にタイヤ回転軸方向に見たビードコアの真円度)を高めてユニフォーミティを改善し、また、ビードコアの耐久性(ワイヤなどの耐セパレーション性)に優れた空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤのビード部には、スチールワイヤを連続的に巻回して成形された環状のビードコアが形成されている。
このビードコアは、通常、スチールワイヤを横一列に複数本並べたものをゴムで被覆し、これを連続的に円環状に巻き取って構成されるか(所謂「層巻き」方式)、あるいは1本のスチールワイヤをゴムで被覆し、これを連続的に円環状に巻き取って構成されている(所謂「1本巻き」方式)。
このようなビードコアを有する空気入りタイヤの製造をする場合、いずれの方式であっても、成形・加硫時にワイヤ束中の個々のワイヤにはばらけようとする力が働く。すなわち、しっかりと全体にまとまって均斉にワイヤ束を形成しようとする力が働くことはほとんど無く、特にワイヤの端末付近では、始端、終端ともに束から浮き上がろうとする挙動を示す。
こうした状況により、成形・加硫時にビードコアを構成するワイヤに乱れやずれが生じると、空気入りタイヤ中でのビードコアの成形精度(ビードコアの真円度)が悪化することになり、それが製造されたタイヤのユニフォーミティにも影響を与え、さらに、操縦安定性、乗り心地やロードノイズ騒音などにも影響を及ぼす。
このような点に鑑み、全体の軽量化を図りながら、ビードコアを構成するワイヤを強固に結束してユニフォーミティを向上することを目的として、ビードコアの周囲にヤング率が50MPa以上の熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマー組成物からなる被覆層を設けるという提案(特許文献1)、あるいは、ビードワイヤの変形を防止することを目的に、200℃以上の融点を有しかつ特定の伸びと伸張切断特性を有する熱可塑性材料で
ビードコアを被覆するという提案(特許文献2)がされている。
しかし、これらの提案のものはビードコアを硬く被覆することによってワイヤのばらけを抑制する作用はあっても、熱可塑性材料の被覆層とカーカス層との間で剛性の差が大きいものとなるので、以下のような問題を招くことがあった。
すなわち、タイヤ成形後にビードコアとカーカス層との間でのセパレーション(剥離)発生の問題が生じたり、あるいは、成形・加硫時においてビード部近くのカーカス層の部分がビードコアに対し不均斉かつランダムに滑るような挙動を局部的に示す場合があり、これが成形精度を損なう要因となり、所望通りのユニフォーミティを有するタイヤを成形することができない場合がある等の問題を招くことがあった。
特開平11−198617号公報 実開平9−366号公報
本発明の目的は、上述したような点に鑑み、ワイヤを巻き重ねてビードコアを構成した空気入りタイヤにおいて、成形・加硫時のビードの層崩れを抑制することにより、ビードコアの成形精度(特にタイヤ回転軸方向に見た、ビードコアの真円度)を高めて優れたユニフォーミティを有するとともに、ビードコアの耐久性(ワイヤなどの耐セパレーション性)に優れた空気入りタイヤを提供することにある。
上記した目的を達成する本発明の空気入りタイヤは、以下の(1)の構成を有する。
(1)ビードワイヤが巻き重ねられて形成されたビードコアと、左右の該ビードコアに装架されたカーカス層を有する空気入りタイヤにおいて、該ビードコアは前記ビードワイヤを融点が200℃以上の熱可塑性樹脂中に埋設して構成され、かつ該ビードコアと前記カーカス層の間に、熱可塑性樹脂中にゴムを分散混合させた熱可塑性エラストマーからなるビードコアカバー層を配設したことを特徴とする空気入りタイヤ。
また、かかる本発明の空気入りタイヤにおいて、下記(2)〜(6)のいずれかの構成を有することが好ましい。
(2)前記熱可塑性エラストマーを構成する熱可塑性樹脂が、前記ビードワイヤを埋設している融点が200℃以上の熱可塑性樹脂と同一のものであることを特徴とする上記(1)記載の空気入りタイヤ。
(3)前記熱可塑性エラストマーを構成するゴムが、硫黄架橋可能なジエン系ポリマーからなることを特徴とする請求項1または2記載の空気入りタイヤ。
(4)前記ビードコアが、1本のビードワイヤを螺旋状に巻き回して積層させて構成されたものであり、かつ、該ビードコアの横断面形状が略6角形のものであることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
(5)前記熱可塑性エラストマーからなるビードコアカバー層を、ビードコアの外周面のうち、カーカス層に面した面にだけ隣接させて設設したことを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
(6)前記熱可塑性エラストマーからなるビードコアカバー層の厚さが0.5〜2mmであることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
請求項1にかかる本発明によれば、ビードワイヤを、融点が200℃以上の熱可塑性樹脂、すなわち、加硫温度よりも高い融点である熱可塑性樹脂中に埋設することにより、成形・加硫時のワイヤの乱れが抑制されてユニフォーミティに優れた空気入りタイヤを製造することができ、さらに、ビードコアとカーカス層の間に、熱可塑性樹脂中にゴムを分散混合させた熱可塑性エラストマーからなるビードコアカバー層を配設したことにより、ビードワイヤ(ビードコア)とカーカスコード間の剛性の段差(傾斜)が緩やかに適正化されることにより、耐久性が改善されて耐セパレーション性にも優れたものととなり、また、加硫時にカーカス層付近のビード部が適度かつ均斉な滑りをすることができることとなり、不均斉な滑りの発生がなくなり、ビードコアの成形精度(特に真円度)が高くタイヤのユニフォーミティに優れたものとなる。
特に、請求項2にかかる本発明によれば、上述した請求項1の発明の効果を有するとともに、熱可塑性エラストマーのビードカバー層を構成する熱可塑性樹脂がビードワイヤを埋設している融点200℃以上の熱可塑性樹脂と同一のものであるので、ビードコアとビードカバー層の接着性が良好になり、耐久性の点でいっそう優れた空気入りタイヤを実現できる。
請求項3にかかる本発明によれば、上述した請求項1の発明の効果を有するとともに、前記熱可塑性エラストマーを構成するゴムが硫黄架橋可能なジエン系ポリマーからなるので、ビードコアとビードカバー層の接着性が良好になり、耐久性の点でいっそう優れた空気入りタイヤを実現できる。
請求項4にかかる本発明によれば、特にバス・トラック用などで、ビードコアが6角形の断面形状を有していて、加硫時に、特に、ビード部近くのカーカス層の部分がビードコアに対し不均斉かつランダムに滑るような挙動を局部的に強くする傾向が強い場合でも、加硫時にカーカス層付近のビード部が適度かつ均斉な滑りをすることができることになるので、不均斉かつランダムな滑りの発生がなくなり、ビードコアの成形精度(特に真円度)が高くタイヤのユニフォーミティに優れた空気入りタイヤを実現することができる。
請求項5にかかる本発明によれば、上述した請求項1の発明の効果を有するとともに、ビードコアカバー層を効果が高い箇所のみに設けたことによりコストの点で優れた空気入りタイヤを実現することができる。
請求項6にかかる本発明によれば、上述した各請求項の効果をより明確に発揮する空気入りタイヤを実現することができる。
本発明の空気入りタイヤの実施態様例を説明するタイヤ子午線方向半断面図である。 図1の空気入りタイヤのビードコアを拡大してモデル的に示した断面図である。
以下、図面などを用いて、更に詳しく本発明の空気入りタイヤについて、説明する。
本発明の空気入りタイヤは、ビードワイヤが巻き重ねられて形成されたビードコアと、左右の該ビードコアに装架されたカーカス層を有する空気入りタイヤにおいて、ビードコアは、ビードワイヤを融点200℃以上の熱可塑性樹脂中に埋設して構成されていて、かつ該ビードコアとカーカス層の間に、熱可塑性樹脂中にゴムを分散混合させた熱可塑性エラストマーからなるビードコアカバー層を配設したことを特徴とする。
図1において、1はトレッド部、2はサイドウォール部、3はビード部である。左右一対のビード部3間にはカーカス層4が装架され、このカーカス層4の端部がビードコア5の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されている。トレッド部1におけるカーカス層4の外周側にはベルト層6がタイヤ全周にわたって配置されている。
図2は、図1の空気入りタイヤのビード部3付近を拡大して示した断面図であり、ビードコア5は、スチールワイヤ7と融点200℃以上の熱可塑性樹脂8とから構成され、該スチールワイヤ7は該融点200℃以上の熱可塑性樹脂6に埋設されているものである。該ビードコア5とカーカス層4の間には、熱可塑性樹脂中にゴムを分散混合させた熱可塑性エラストマーからなるビードコアカバー層9が配設されている。
かかる構成としたことにより、ビードワイヤ7を加硫温度よりも高い温度の融点(200℃以上)を有する熱可塑性樹脂中に埋設していることにより、成形・加硫時においても、ビードワイヤ7の乱れは抑制されて、ユニフォーミティ上好ましい成形が可能となる。
一方で、それだけでは、ビードワイヤ7の埋設樹脂が、一般的な埋設材料であるインシュレーションゴム等と比較すると剛性が非常に高いものであるため、ビード部における「ビードワイヤ7/その埋設樹脂8/カーカスコートゴム10/カーカスコード11」という複合構造でみると、材料剛性の段差が大きくなって、これがビード部近くのカーカス層の部分がビードコアに対し不均斉かつランダムに滑るような挙動を局部的に示す要因となるおそれがある。
そこで、本発明では、図2に示したように、ビードコア5とカーカス層4の間に、熱可塑性樹脂中にゴムを分散混合させた熱可塑性エラストマーからなるビードコアカバー層9を配設したものである。すなわち、本発明では、「ビードワイヤ7/その埋設樹脂8/ビードコアカバー層9/カーカスコートゴム10/カーカスコード11」との複合構造が形成されている。
このビードコアカバー層9は、前述した熱可塑性樹脂8とカーカス層4(コートゴム)の間に介在して、それらの剛性差からくる問題をやわらげる緩衝層あるいはクッション層というべき役割を果たす。具体的には、成形・加硫時において、それらがスムーズな相対的動きをすることを可能にして、ビード部に大きな力が作用しても局部的なすべりやずれ等を生ずることなく、ビードコアの成形精度(特に真円度)が高くユニフォーミティに優れたタイヤの成形を実現させるものとなる。
上述した効果を良好に発揮させるために、ビードコアカバー層の厚さは好ましくは0.5〜2mmである。
本発明においてビードワイヤを埋設する樹脂として使用される融点200℃以上の熱可塑性樹脂としては、特に限定されるものではないが、ナイロン6(融点225℃)、ナイロン66(融点267℃)、ポリエチレンテレフタレート(融点260℃)などを使用することができる。
また、ビードコアカバー層をなす熱可塑性エラストマーを構成する熱可塑性樹脂は、ビードワイヤを埋設している融点200℃以上の熱可塑性樹脂と同一のものであることが好ましい。このように構成すると、カバー層とビードコアの接着性が改善されて、耐久性により優れたものとなる。
また、熱可塑性エラストマーを構成するゴムは、硫黄架橋可能なジエン系ポリマーからなることが好ましく、このように構成すると、ビードコアカバー層とビードコアの接着性がより強くなり、耐久性により優れたものとなる。
また、本発明において、ビードコアが、1本のビードワイヤを螺旋状に巻き回して積層させて構成されたものであり、かつ、ビードコアの横断面形状が略6角形のものであることが好ましい。本発明の空気入りタイヤは、製造する際にビード部の変形が大きい、トラック・バス用タイヤの製造にあたってより効果的だからであり、したがって、ビードコアの横断面形状が略6角形のものに効果が大きい。
また、ビードコアの外周面のうち、カーカス層に面した面にだけ該面に隣接させて熱可塑性エラストマーからなるビードコアカバー層を設設することが好ましい。ビードフィラーとビードコアの間に設けても、ユニフォーミティの改善に貢献する度合いが小さいからである。
本発明において、ビードコアカバー層を構成する熱可塑性エラストマーのマトリクスとなる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド系樹脂〔例えば、ナイロン6(N6)、ナイロン66(N66)、ナイロン46(N46)、ナイロン11(N11)、ナイロン12(N12)、ナイロン610(N610)、ナイロン612(N612)、ナイロン6/66共重合体(N6/66)、ナイロン6/66/610共重合体(N6/66/610)、ナイロンMXD6(MXD6)、ナイロン6T、ナイロン6/6T共重合体、ナイロン66/PP共重合体、ナイロン66/PPS共重合体〕及びそれらのN−アルコキシアルキル化物、例えば、ナイロン6のメトキシメチル化物、ナイロン6/610共重合体のメトキシメチル化物、ナイロン612のメトキシメチル化物、ポリエステル系樹脂〔例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、PET/PEI共重合体、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、液晶ポリエステル、ポリオキシアルキレンジイミドジ酸/ポリブチレンテレフタレート共重合体などの芳香族ポリエステル〕、ポリニトリル系樹脂〔例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル/スチレン共重合体(AS)、(メタ)アクリロニトリル/スチレン共重合体、(メタ)アクリロニトリル/スチレン/ブタジエン共重合体〕、ポリメタクリレート系樹脂〔例えば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸エチル〕、ポリビニル系樹脂〔例えば、酢酸ビニル、ポリビニルアルコール(PVA)、ビニルアルコール/エチレン共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PDVC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニリデン/メチルアクリレート共重合体、塩化ビニリデン/アクリロニトリル共重合体(ETFE)〕、セルロース系樹脂〔例えば、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース〕、フッ素系樹脂〔例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリクロルフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフロロエチレン/エチレン共重合体〕、イミド系樹脂〔例えば、芳香族ポリイミド(PI)〕等を好ましく用いることができる。
また、熱可塑性エラストマーを構成するゴムとしては、例えば、ジエン系ゴム及びその水添物〔例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、エポキシ化天然ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR、高シスBR及び低シスBR)、ニトリルゴム(NBR)、水素化NBR、水素化SBR〕、オレフィン系ゴム〔例えば、エチレンプロピレンゴム(EPDM、EPM)、マレイン酸変性エチレンプロピレンゴム(M−EPM)、ブチルゴム(IIR)、イソブチレンと芳香族ビニル又はジエン系モノマー共重合体、アクリルゴム(ACM)、アイオノマー〕、含ハロゲンゴム〔例えば、Br−IIR、CI−IIR、イソブチレンパラメチルスチレン共重合体の臭素化物(Br−IPMS)、クロロプレンゴム(CR)、ヒドリンゴム(CHR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、塩素化ポリエチレンゴム(CM)、マレイン酸変性塩素化ポリエチレンゴム(M−CM)〕、シリコンゴム〔例えば、メチルビニルシリコンゴム、ジメチルシリコンゴム、メチルフェニルビニルシリコンゴム〕、含イオウゴム〔例えば、ポリスルフィドゴム〕、フッ素ゴム〔例えば、ビニリデンフルオライド系ゴム、含フッ素ビニルエーテル系ゴム、テトラフルオロエチレン−プロピレン系ゴム、含フッ素シリコン系ゴム、含フッ素ホスファゼン系ゴム〕、熱可塑性エラストマー〔例えば、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、エステル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ボリアミド系エラストマー〕等を好ましく使用することができる。
熱可塑性エラストマーにおいて、特定の熱可塑性樹脂とゴムとの組成比は、特に限定されるものではなく、熱可塑性樹脂のマトリクス中にゴムが不連続相として分散した構造をとるように適宜決めればよいが、好ましい範囲は重量比90/10〜30/70である。
以下、実施例により本発明の空気入りタイヤの具体的構成・効果について説明する。
なお、本発明において、以下の実施例で、耐久性試験(走行距離km)、タイヤのユニフォーミティ試験(ラジアルフォースバリエーション(RFV))については、それぞれ下記の方法で測定し、評価したものである。
(1)耐久性(指数評価)
試験タイヤ(乗用車用タイヤ)に酸素を350kPaの圧力で充填し、そのままの状態で80℃の雰囲気下に3週間放置して、強制的に酸化劣化を生じさせる。その3週間を経過した後に、直ちに充填された酸素を抜き、通常の空気圧180kPaで空気を充填して走行試験用タイヤとする。
走行試験は、直径1707mmの走行試験ドラムを使用して、荷重はJATMAに規定される最大荷重の80%とし、ドラム上でのスリップ角(首振り角)をプラス・マイナス2°とし、速度80km/hで連続走行させて、2000km走行ごとに、試験タイヤをシアログラフィ試験装置を用いた非破壊試験方式により、ビードコア付近の剥がれ・故障の発生有無をチェックした。
それらの発生が認められれば、その試験タイヤの走行はそれ以上は行わずに、そのタイヤの走行距離データとした。発生が認められない場合は、そのタイヤを再び2000kmの走行試験に供して、その走行後、またビードコア付近の剥がれ・故障の発生有無をチェックすることを繰り返した。
この試験は、上記のように高圧で酸素を充填して過酷な条件で強制的な劣化をさせた後の耐久性試験であり、走行距離が10000kmを超えるレベルであれば実際の空気入りタイヤとして十分に優れた耐久性があると認められるものである。
この試験では、3万mまでの距離の試験を行い、それでもビードコア付近の剥がれ・故障の発生が認められないものは、走行距離「30000m超」として評価し、それ以上は走行を行わなかった。
(2)ユニフォーミティ(ラジアルフォースバリエーション(RFV))
JASO C607「自動車タイヤのユニフォーミティ試験方法」に準拠して、空気圧200kPa、縦荷重を空気圧200kPaでの負荷能力の0.85倍として、ラジアルフォースバリエーション(RFV)を測定し、ユニフォーミティの評価を行った。ラジアルフォースの単位は「N(ニュートン)」であり、その値が小さいほどラジアルフォースにばらつきがなく、タイヤの均斉さが優れていることを表している。
実施例1〜4、従来例1〜2
表1に示したとおりのビードワイヤ埋設材料とビードコアカバー層、さらにカーカスゴム層の組合せを変えて、合計6種類のビードを製造した。ビードワイヤ埋設材料のナイロン66樹脂は融点が267℃のものである。
ビードコアカバー層は、図2に示したようにビードコアの3面とカーカス層に接して配置させた。ビードコアカバー層の厚さは1.5mmとした。
これらの各ビードを用いて、タイヤサイズ225/55R17の空気入りタイヤを試作して、耐久性およびユニフォーミティの評価を行った。
各実施例、比較例の評価結果を表1に示した。本発明によれば、耐久性とユニフォーミティに優れた空気入りタイヤが得られることがわかる。
Figure 2011235835
1:トレッド部
2:サイドウォール部
3:ビード部
4:カーカス層
5:ビードコア
6:ベルト層
7:ビードワイヤ
8:ビードワイヤの埋設樹脂
9:ビードコアカバー層
10:カーカスコートゴム
11:カーカスコード

Claims (6)

  1. ビードワイヤが巻き重ねられて形成されたビードコアと、左右の該ビードコアに装架されたカーカス層を有する空気入りタイヤにおいて、該ビードコアは前記ビードワイヤを融点が200℃以上の熱可塑性樹脂中に埋設して構成され、かつ該ビードコアと前記カーカス層の間に、熱可塑性樹脂中にゴムを分散混合させた熱可塑性エラストマーからなるビードコアカバー層を配設したことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記熱可塑性エラストマーを構成する熱可塑性樹脂が、前記ビードワイヤを埋設している融点が200℃以上の熱可塑性樹脂と同一のものであることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記熱可塑性エラストマーを構成するゴムが、硫黄架橋可能なジエン系ポリマーからなることを特徴とする請求項1または2記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記ビードコアが、1本のビードワイヤを螺旋状に巻き回して積層させて構成されたものであり、かつ、該ビードコアの横断面形状が略6角形のものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記熱可塑性エラストマーからなるビードコアカバー層を、ビードコアの外周面のうち、カーカス層に面した面にだけ隣接させて設設したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記熱可塑性エラストマーからなるビードコアカバー層の厚さが0.5〜2mmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。

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