JP2019055670A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP2019055670A
JP2019055670A JP2017180899A JP2017180899A JP2019055670A JP 2019055670 A JP2019055670 A JP 2019055670A JP 2017180899 A JP2017180899 A JP 2017180899A JP 2017180899 A JP2017180899 A JP 2017180899A JP 2019055670 A JP2019055670 A JP 2019055670A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conductive
tire
layer
conductive linear
rubber layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017180899A
Other languages
English (en)
Inventor
石井 秀和
Hidekazu Ishii
秀和 石井
畑 寛
Hiroshi Hata
寛 畑
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yokohama Rubber Co Ltd filed Critical Yokohama Rubber Co Ltd
Priority to JP2017180899A priority Critical patent/JP2019055670A/ja
Publication of JP2019055670A publication Critical patent/JP2019055670A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Tires In General (AREA)

Abstract

【課題】 帯電防止性能を良好に維持することを可能にした空気入りタイヤを提供する。【解決手段】 トレッド部1と一対のサイドウォール部2と一対のビード部3とを備え、ビード部3,3間にカーカス層4が装架された空気入りタイヤにおいて、電気抵抗率が1×108Ω・cm未満である導電性繊維を含む複数本の導電性線状体20が一対のビード部3,3間に延在するようにカーカス層4上でタイヤラジアル方向に対して角度を付けて配置され、導電性線状体20が少なくとも1箇所で互いに交差しながら接触する。【選択図】 図3

Description

本発明は、帯電防止性能を確保するために少なくともサイドウォール部に導電性線状体を備えた空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、帯電防止性能を良好に維持することを可能にした空気入りタイヤに関する。
近年、空気入りタイヤの転がり抵抗を低減するためにキャップトレッドゴム層やサイドゴム層にシリカ配合のゴム組成物が使用されている。このようなシリカ配合のゴム組成物を使用した場合、空気入りタイヤの転がり抵抗を低減して低燃費化を図ることが可能になるが、その一方でカーボン配合のゴム組成物を使用する場合に比べてタイヤの電気抵抗が増大し、車両が帯電し易くなる。
そこで、転がり抵抗を低減しながら帯電防止性能を確保するために、空気入りタイヤのサイドウォール部にタイヤラジアル方向に延在するように導電性線状体を配設し、この導電性線状体を導電経路として利用することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、空気入りタイヤのサイドウォール部には、走行に伴って繰り返し変形が生じ、特に停止時及び発進時に強いトルクが掛かるので、サイドウォール部に配置された導電性線状体は断線し易いという欠点がある。そのため、少なくともサイドウォール部に導電性線状体を備えた空気入りタイヤでは、走行距離の増加に伴って電気抵抗が増大し、帯電防止性能が徐々に悪化するという問題がある。
特開2015−123900号公報
本発明の目的は、帯電防止性能を良好に維持することを可能にした空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備え、該一対のビード部間にカーカス層が装架された空気入りタイヤにおいて、電気抵抗率が1×108Ω・cm未満である導電性繊維を含む複数本の導電性線状体が前記一対のビード部間に延在するように前記カーカス層上でタイヤラジアル方向に対して角度を付けて配置され、前記導電性線状体が少なくとも1箇所で互いに交差しながら接触していることを特徴とするものである。
本発明では、複数本の導電性線状体が一対のビード部間に延在するようにカーカス層上でタイヤラジアル方向に対して角度を付けて配置されているので、走行に伴ってカーカス層に繰り返し変形が生じた際に導電性線状体が受ける張力を低減し、導電性線状体の破断を抑制することができる。しかも、複数本の導電性線状体が少なくとも1箇所で互いに交差しながら接触しているので、仮に導電性線状体の一部で断線が生じたとしても、断線が生じていない別の経路での導電が可能となる。そのため、導電性線状体による導電経路を確保し、帯電防止性能を良好に維持することが可能になる。
本発明において、導電性線状体は撚り糸であり、その強力が10N以上であり、その切断伸度が12%以上であることが好ましい。導電性線状体が撚り糸であることにより、糸の構造変化による伸びが付与されるため導電性線状体が断線し難くなる。特に、導電性線状体が所定の強力と所定の切断伸度を満足することにより、良好な耐久性を確保することができる。
本発明は、タイヤ内面にインナーライナー層が配置され、該インナーライナー層が熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂中にエラストマー成分をブレンドした熱可塑性エラストマー組成物である場合に特に有効である。熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー組成物からなるインナーライナー層は電気抵抗率が比較的高いので、このようなインナーライナー層を備えた空気入りタイヤに上記配置構造を有する導電性線状体を適用した場合、帯電防止性能について顕著な効果が期待される。
本発明は、サイドウォール部におけるカーカス層の外側にサイドゴム層が配置され、該サイドゴム層の体積抵抗率が1×108Ω・cm以上である場合に特に有効である。このように体積抵抗率が高いサイドゴム層を備えた空気入りタイヤに上記配置構造を有する導電性線状体を適用した場合、帯電防止性能について顕著な効果が期待される。
本発明は、トレッド部にキャップトレッドゴム層と該キャップトレッドゴム層を貫通してトレッド表面に露出する導電ゴム層が配置され、キャップトレッドゴム層の体積抵抗率が1×108Ω・cm以上であり、導電ゴム層の体積抵抗率が1×108Ω・cm未満である場合に特に有効である。このように体積抵抗率が高いキャップトレッドゴム層と体積抵抗率が低い導電ゴム層を備えた空気入りタイヤに上記配置構造を有する導電性線状体を適用した場合、導電性線状体を介してトレッド部に導かれた電気が導電ゴム層を介して路面に放電されるので、良好な帯電防止性能を発揮することができる。
本発明において、導電性繊維の電気抵抗率(Ω・cm)は、導電性繊維の試験片の両端間に500Vの電圧を掛けて、測定環境20℃、20%RHの条件下で抵抗測定機(例えば、東亜電波工業社製「SME−8220」)を使用して測定される。また、各種ゴム層の体積抵抗率(Ω・cm)はJIS−K6271−2に準拠して測定される。更に、導電性線状体の強力及び切断伸度はJIS−L1017に準拠して測定される。
本発明の実施形態からなる空気入りタイヤを示す子午線断面図である。 図1の空気入りタイヤを示す子午線半断面図である。 図1の空気入りタイヤのカーカス層及び導電性線状体を抽出して示す展開図である。 図1の空気入りタイヤのカーカス層及び導電性線状体の変形例を示す展開図である。 導電性線状体を備えたカーカス部材の製造方法を示し、(a)は圧延工程の平面図であり、(b)はタイヤ成形工程の平面図である。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の実施形態からなる空気入りタイヤを示し、図2及び図3はその要部を示すものである。図2において、CLはタイヤ中心線である。また、図3において、Tcはタイヤ周方向であり、Trはタイヤラジアル方向である。
図1及び図2に示すように、本実施形態の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部1と、該トレッド部1の両側に配置された一対のサイドウォール部2,2と、これらサイドウォール部2のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部3,3とを備えている。
一対のビード部3,3間には少なくとも1層のカーカス層4が装架されている。このカーカス層4は、タイヤ径方向に延びる複数本のカーカスコードC(図3参照)を含み、各ビード部3に配置されたビードコア5の廻りにタイヤ内側から外側へ巻き上げられている。また、ビードコア5の外周上には断面三角形状のゴム組成物からなるビードフィラー6が配置されている。
一方、トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には複数層のベルト層7が埋設されている。これらベルト層7はタイヤ周方向に対して傾斜する複数本のベルトコードを含み、かつ層間でベルトコードが互いに交差するように配置されている。ベルト層7において、ベルトコードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は例えば10°〜40°の範囲に設定されている。
ベルト層7の外周側には、高速耐久性の向上を目的として、バンドコードをタイヤ周方向に対して例えば5°以下の角度で配列してなる少なくとも1層のベルト補強層8が配置されている。ベルト補強層8は少なくとも1本のバンドコードを引き揃えてゴム被覆してなるストリップ材をタイヤ周方向に連続的に巻回したジョイントレス構造とすることが望ましい。ベルト補強層8を構成するバンドコードとしては、ナイロン等の有機繊維コードが好ましく使用される。
上記空気入りタイヤにおいて、タイヤ内面にはカーカス層4に沿ってインナーライナー層9が配置されている。また、トレッド部1におけるベルト補強層8の外側にはキャップトレッドゴム層11が配置され、サイドウォール部2におけるカーカス層4の外側にはサイドゴム層12が配置され、ビード部3におけるカーカス層4の外側にはリムクッションゴム層13が配置されている。
上記空気入りタイヤにおいて、図2及び図3に示すように、カーカス層4上には複数本の導電性線状体20が一対のビード部3,3間に延在するようにタイヤラジアル方向Trに対して角度を付けて配置されている。これら導電性線状体20は少なくとも1箇所で互いに交差しながら接触している。つまり、導電性線状体20の各々は少なくとも1箇所で他の導電性線状体20と交差し、かつ他の導電性線状体20と接触した状態になっている。
図3の例では、タイヤラジアル方向Trに対して一方側に傾斜する1本の導電性線状体20と、タイヤラジアル方向Trに対して他方側に傾斜する1本の導電性線状体20とが互いに交差しながら接触しているが、図4に示すように、タイヤラジアル方向Trに対して一方側に傾斜する複数本の導電性線状体20と、タイヤラジアル方向Trに対して他方側に傾斜する複数本の導電性線状体20とが複数箇所で互いに交差しながら接触するようにしても良い。また、導電性線状体20が互いに交差する部位は特に限定されるものではないが、耐久性を考慮すると、サイドウォール部2ではなく、トレッド部1であることが好ましい。
導電性線状体20は、電気抵抗率が1×108Ω・cm未満、より好ましくは、1×106Ω・cm以下である導電性繊維を含む線状体である。導電性繊維は金属等の導電物質で構成された繊維であり、例えば、スチール繊維やカーボン繊維が挙げられる。導電性線状体20は導電性繊維だけで構成されていても良いが、ポリエチレンテレフタレート繊維、ナイロン繊維、綿のような非導電性繊維と導電性繊維との混紡糸であることが好ましい。このような混紡糸は導電性線状体20の耐久性を確保する上で有利である。また、導電性線状体20の総繊度は150dtex以上、より好ましくは、200dtex〜600dtexの範囲にあると良い。導電性線状体20の総繊度が小さ過ぎると断線を生じ易くなる。導電性線状体20は補強部材ではないので、過剰に太くすることはユニフォミティーや接着等の観点から好ましくない。
このように構成される空気入りタイヤでは、複数本の導電性線状体20が一対のビード部3,3間に延在するようにカーカス層4上でタイヤラジアル方向に対して角度を付けて配置されているので、走行に伴ってサイドウォール部2においてカーカス層4に繰り返し変形が生じた際に導電性線状体20が受ける張力を低減し、導電性線状体20の破断を抑制することができる。しかも、複数本の導電性線状体20が少なくとも1箇所で互いに交差しながら接触しているので、仮に導電性線状体20の一部で断線が生じたとしても、断線が生じていない別の経路での導電が可能となる。そのため、空気入りタイヤの使用開始からの走行距離が増大した後においても、導電性線状体20による導電経路を確保し、帯電防止性能を良好に維持することが可能になる。ここで、導電性線状体20の電気抵抗率が1×108Ω・cm以上であると帯電防止性能の改善効果が不十分になる。
上記空気入りタイヤにおいて、導電性線状体20は撚り糸であり、その強力が10N以上であり、その切断伸度が12%以上であると良い。導電性線状体20が撚り糸であることにより、糸の構造変化による伸びが付与されるため導電性線状体20が断線し難くなる。ここで、導電性線状体20の強力が10N未満であると走行時の衝撃で断線を生じ易くなる。導電性線状体20の強力の上限値は例えば25Nである。また、導電性線状体20の切断伸度が12%未満であると走行時の変形で断線を生じ易くなる。導電性線状体20の切断伸度の上限値は例えば20%である。特に、2本以上の下撚り糸を互いに撚り合わせた撚り構造を採用した場合、強度が高くなるため断線し難くなる。
上記空気入りタイヤにおいて、インナーライナー層9はブチルゴムを主成分とするゴム組成物、熱可塑性樹脂、熱可塑性樹脂中にエラストマー成分をブレンドした熱可塑性エラストマー組成物等の各種材料から構成される。特に、熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂中にエラストマー成分をブレンドした熱可塑性エラストマー組成物から構成されたインナーライナー層9は、薄肉化しても良好な空気透過防止性能を発揮することができ、タイヤの軽量化と転がり抵抗の低減において有利である。その一方で、このような熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂中にエラストマー成分をブレンドした熱可塑性エラストマー組成物からなるインナーライナー層9は体積抵抗率が比較的高く、例えば1×108Ω・cm以上であり、場合によっては、1×109Ω・cm以上である。このようなインナーライナー層9を備えた空気入りタイヤに上記配置構造を有する導電性線状体20を適用した場合、帯電防止性能について顕著な効果が期待される。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド系樹脂〔例えばナイロン6(N6)、ナイロン66(N66)、ナイロン46(N46)、ナイロン11(N11)、ナイロン12(N12)、ナイロン610(N610)、ナイロン612(N612)、ナイロン6/66共重合体(N6/66)、ナイロン6/66/610共重合体(N6/66/610)、ナイロンMXD6、ナイロン6T、ナイロン6/6T共重合体、ナイロン66/PP共重合体、ナイロン66/PPS共重合体〕、ポリエステル系樹脂〔例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、ポリブチレンテレフタレート/テトラメチレングリコール共重合体、PET/PEI共重合体、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、液晶ポリエステル、ポリオキシアルキレンジイミドジ酸/ポリブチレンテレフタレート共重合体などの芳香族ポリエステル〕、ポリニトリル系樹脂〔例えばポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル/スチレン共重合体(AS)、メタクリロニトリル/スチレン共重合体、メタクリロニトリル/スチレン/ブタジエン共重合体〕、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂〔例えばポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸エチル、エチレンエチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレンアクリル酸共重合体(EAA)、エチレンメチルアクリレート樹脂(EMA)〕、ポリビニル系樹脂〔例えば酢酸ビニル(EVA)、ポリビニルアルコール(PVA)、ビニルアルコール/エチレン共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニリデン/メチルアクリレート共重合体〕、セルロース系樹脂〔例えば酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース〕、フッ素系樹脂〔例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリクロルフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフロロエチレン/エチレン共重合体(ETFE)〕、イミド系樹脂〔例えば芳香族ポリイミド(PI)〕などを挙げることができる。
熱可塑性エラストマー組成物のエラストマー成分としては、例えば、ジエン系ゴム及びその水素添加物〔例えばNR、IR、エポキシ化天然ゴム、SBR、BR(高シスBR及び低シスBR)、NBR、水素化NBR、水素化SBR〕、オレフィン系ゴム〔例えばエチレンプロピレンゴム(EPDM、EPM)、マレイン酸変性エチレンプロピレンゴム(M−EPM)〕、ブチルゴム(IIR)、イソブチレンと芳香族ビニル又はジエン系モノマー共重合体、アクリルゴム(ACM)、アイオノマー、含ハロゲンゴム〔例えばBr−IIR、Cl−IIR、イソブチレンパラメチルスチレン共重合体の臭素化物(Br−IPMS)、クロロプレンゴム(CR)、ヒドリンゴム(CHC,CHR)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、塩素化ポリエチレン(CM)、マレイン酸変性塩素化ポリエチレン(M−CM)〕、シリコーンゴム(例えばメチルビニルシリコーンゴム、ジメチルシリコーンゴム、メチルフェニルビニルシリコーンゴム)、含イオウゴム(例えばポリスルフィドゴム)、フッ素ゴム(例えばビニリデンフルオライド系ゴム、含フッ素ビニルエーテル系ゴム、テトラフルオロエチレン−プロピレン系ゴム、含フッ素シリコン系ゴム、含フッ素ホスファゼン系ゴム)、熱可塑性エラストマー(例えばスチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー)などを挙げることができる。
上記空気入りタイヤにおいて、転がり抵抗の低減を目的として、サイドウォール部2のサイドゴム層12にシリカ配合のゴム組成物を適用することが可能である。シリカ配合のゴム組成物からなるサイドゴム層12は体積抵抗率が比較的高く、例えば1×108Ω・cm以上、更には、1×1010Ω・cm以上、場合によっては、1×1012Ω・cm以上である。このよう体積抵抗率が高いサイドゴム層12を備えた空気入りタイヤに上記配置構造を有する導電性線状体20を適用した場合、帯電防止性能について顕著な効果が期待される。その結果、転がり抵抗の低減と帯電防止性能の改善との両立が可能となる。
上記空気入りタイヤにおいて、転がり抵抗の低減を目的として、トレッド部1のキャップトレッドゴム層11にシリカ配合のゴム組成物を適用することが可能である。シリカ配合のゴム組成物からなるキャップトレッドゴム層11は体積抵抗率が比較的高く、例えば1×108Ω・cm以上、更には、1×1010Ω・cm以上、場合によっては、1×1012Ω・cm以上である。この場合、トレッド部1には、キャップトレッドゴム層11を貫通してトレッド表面に露出する導電ゴム層14が配置される。導電ゴム層14の体積抵抗率は1×108Ω・cm未満、より好ましくは、1×106Ω・cm以下である。このように体積抵抗率が高いキャップトレッドゴム層11と体積抵抗率が低い導電ゴム層14を備えた空気入りタイヤに上記配置構造を有する導電性線状体20を適用した場合、導電性線状体20を介してトレッド部1に導かれた電気が導電ゴム層14を介して路面に放電されるので、良好な帯電防止性能を発揮することができる。その結果、転がり抵抗の低減と帯電防止性能の改善との両立が可能となる。
図5は導電性線状体を備えたカーカス部材の製造方法を示し、(a)は圧延工程の平面図であり、(b)はタイヤ成形工程の平面図である。図5(a)において、引き揃えられたカーカスコードCに対してコートゴムが被覆されたシート状の圧延部材41は不図示の圧延装置からカーカスコードCの長手方向に沿って連続的に排出される。圧延部材41の搬送路上には、導電性線状体20を供給する複数の糸フィーダー21が配設されている。各糸フィーダー21は圧延部材41の幅方向に沿って往復移動自在に構成されている。そのため、連続的に排出される圧延部材41上に糸フィーダー21から導電性線状体20を供給することにより、各導電性線状体20は圧延部材41上に波状に配置され、複数本の導電性線状体20が互いに交差しながら接触した状態になる。
圧延部材41は例えば図5(a)の位置Pにおいて幅方向に沿って切断され、各切断片の非切断端同士が接合されることにより、図5(b)のようなカーカス部材42が成形される。カーカス部材42において、カーカスコードCはカーカス部材42の幅方向に延在し、導電性線状体20はカーカス部材42の幅方向に対して傾斜しながら幅方向の両端間に延在している。このようなカーカス部材42は所定の長さに切断されてタイヤ成形ドラムDに供給されてグリーンタイヤが成形される。カーカス部材42は加硫済みのタイヤにおいてカーカス層4を構成する。
このような手法を採用することにより、導電性線状体20が一対のビード部3,3間に延在するようにカーカス層4上でタイヤラジアル方向に対して角度を付けて配置され、導電性線状体20が少なくとも1箇所で互いに交差しながら接触した状態にある空気入りタイヤを簡単に製造することができる。
タイヤサイズ195/65R15 91Hで、トレッド部と一対のサイドウォール部と一対のビード部とを備え、該一対のビード部間にカーカス層が装架された空気入りタイヤにおいて、電気抵抗率が約1×107Ω・cmである導電性繊維を含む導電性線状体を一対のビード部間に延在するようにカーカス層に配置し、その導電性線状体の撚り構造、総繊度、強力、切断伸度、配置、交差箇所数を表1のように設定した従来例及び実施例1〜5のタイヤを製作した。
導電性線状体の配置について、「平行」は導電性線状体が互いに交差することなくタイヤラジアル方向に延在するカーカス層と平行に配置された状態を意味し、「交差」は導電性線状体同士が交差するように配置された状態を意味する。従来例ではタイヤ中に2本の導電性線状体が平行に設置されており、実施例1〜6では互いに交差する一対の導電性線状体がタイヤ周上の少なくとも1箇所に設置されている。
これら従来例及び実施例1〜6のタイヤについて、下記試験方法により、帯電防止性能を評価し、その結果を表1に併せて示した。
帯電防止性能:
各試験タイヤについて、アドバンテスト社製のウルトラ・ハイ・レジスタンスメーター(R8340A)を使用してトレッド部とビード部との間の電気抵抗値を測定した。このような電気抵抗値の測定は、タイヤの新品時と、タイヤを実車に装着して所定の距離を走行する毎に行った。評価結果は、電気抵抗値が2.0×107Ω以下である場合を「○」で示し、電気抵抗値が2.0×107Ωを超える場合を「×」で示した。電気抵抗値が2.0×107Ω以下であれば、帯電防止性能が良好である。
Figure 2019055670
この表1から判るように、従来例のタイヤでは、新品時には良好な帯電防止性能を呈するものの、走行距離の増加によって帯電防止性能が損なわれていた。これに対して、実施例1〜6のタイヤでは、従来例に比べて帯電防止性能が改善されていた。特に、実施例2のタイヤは、導電性線状体の総繊度が低いものの交差箇所数を増やすことで帯電防止性能の改善効果が確保されていた。実施例3のタイヤは、導電性線状体を撚り糸とすることで帯電防止性能が実施例1よりも改善されていた。実施例4のタイヤは、導電性線状体の交差箇所数を増やすことで帯電防止性能が実施例3よりも改善されていた。実施例5のタイヤは、導電性線状体を2本撚りとすることで帯電防止性能が実施例4よりも改善されていた。実施例6のタイヤは、導電性線状体の交差箇所数を増やすことで帯電防止性能が実施例5よりも改善されていた。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 ベルト補強層
9 インナーライナー層
11 キャップトレッドゴム層
12 サイドゴム層
13 リムクッションゴム層
14 導電ゴム層
20 導電性線状体

Claims (5)

  1. タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備え、該一対のビード部間にカーカス層が装架された空気入りタイヤにおいて、電気抵抗率が1×108Ω・cm未満である導電性繊維を含む複数本の導電性線状体が前記一対のビード部間に延在するように前記カーカス層上でタイヤラジアル方向に対して角度を付けて配置され、前記導電性線状体が少なくとも1箇所で互いに交差しながら接触していることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記導電性線状体が撚り糸であり、その強力が10N以上であり、その切断伸度が12%以上であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. タイヤ内面にインナーライナー層が配置され、該インナーライナー層が熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂中にエラストマー成分をブレンドした熱可塑性エラストマー組成物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記サイドウォール部における前記カーカス層の外側にサイドゴム層が配置され、該サイドゴム層の体積抵抗率が1×108Ω・cm以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記トレッド部にキャップトレッドゴム層と該キャップトレッドゴム層を貫通してトレッド表面に露出する導電ゴム層が配置され、前記キャップトレッドゴム層の体積抵抗率が1×108Ω・cm以上であり、前記導電ゴム層の体積抵抗率が1×108Ω・cm未満であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
JP2017180899A 2017-09-21 2017-09-21 空気入りタイヤ Pending JP2019055670A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017180899A JP2019055670A (ja) 2017-09-21 2017-09-21 空気入りタイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017180899A JP2019055670A (ja) 2017-09-21 2017-09-21 空気入りタイヤ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019055670A true JP2019055670A (ja) 2019-04-11

Family

ID=66106063

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017180899A Pending JP2019055670A (ja) 2017-09-21 2017-09-21 空気入りタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019055670A (ja)

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5246403U (ja) * 1975-09-30 1977-04-01
JP2012131280A (ja) * 2010-12-20 2012-07-12 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 空気入りタイヤ及びその製造方法
JP2015040031A (ja) * 2013-08-23 2015-03-02 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ
JP2015120445A (ja) * 2013-12-24 2015-07-02 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ
JP2015123900A (ja) * 2013-12-26 2015-07-06 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ
JP2015205528A (ja) * 2014-04-17 2015-11-19 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ
JP2016078742A (ja) * 2014-10-20 2016-05-16 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ
WO2017122509A1 (ja) * 2016-01-13 2017-07-20 株式会社ブリヂストン 空気入りタイヤ

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5246403U (ja) * 1975-09-30 1977-04-01
JP2012131280A (ja) * 2010-12-20 2012-07-12 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 空気入りタイヤ及びその製造方法
JP2015040031A (ja) * 2013-08-23 2015-03-02 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ
JP2015120445A (ja) * 2013-12-24 2015-07-02 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ
JP2015123900A (ja) * 2013-12-26 2015-07-06 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ
JP2015205528A (ja) * 2014-04-17 2015-11-19 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ
JP2016078742A (ja) * 2014-10-20 2016-05-16 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ
WO2017122509A1 (ja) * 2016-01-13 2017-07-20 株式会社ブリヂストン 空気入りタイヤ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN110239289B (zh) 充气轮胎
JP5454350B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6354515B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2012106625A (ja) 空気入りタイヤ
JP6303487B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4107392B1 (ja) 空気入りタイヤ
JP6307872B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6205986B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6418339B1 (ja) 空気入りタイヤ
JP6357764B2 (ja) 空気入りタイヤ
CN110799360B (zh) 充气轮胎以及充气轮胎的制造方法
JP6354429B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2019055670A (ja) 空気入りタイヤ
JP6962091B2 (ja) 空気入りタイヤ
WO2023095588A1 (ja) タイヤ
WO2023095591A1 (ja) タイヤ
JP2019209907A (ja) 空気入りタイヤ
JP2024077360A (ja) タイヤ
JP2015174543A (ja) 空気入りタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200915

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210608

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210615

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210812

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211102

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20220426