JP2012250659A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤの軽量化と操縦安定性とを高度に両立するようにした空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】ビードフィラー6に沿ってタイヤ径方向外側に延びる補強層10を設け、補強層10のタイヤ径方向外側端部10aのビードヒール3aからの高さh1をタイヤ断面高さSHの15〜40%にし、補強層10のタイヤ径方向内側端部10bのビードコア5のタイヤ径方向外側端部5aからの高さh2を3〜15mmの範囲にし、補強層10の外側端部10aの位置におけるタイヤ内面から補強層10の中心線までの厚さd1を1〜3mmにし、補強層10の内側端部10bの位置におけるタイヤ内面から補強層10の中心線までの厚さd2を2〜5mmにする。
【選択図】図2

Description

本発明は、空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、タイヤの軽量化と操縦安定性とを高度に両立するようにした空気入りタイヤに関する。
近年、車両の低燃費性を目的とし空気入りタイヤを軽量化することが求められている。その軽量化の方法としては、例えば、タイヤを構成するゴム層の厚さを薄くしたり、カーカス層の層数を削減したり、或いはビードフィラーを短くしたりする対策が行われている。しかし、このような対策を採った場合、タイヤの周方向剛性が大幅に低下するので操縦安定性が低下するという問題があった。
このため、特許文献1は、カーカス層の両端部をタイヤ最大幅を超えた位置まで折り返し、ビードフィラーのビードヒールからの高さをタイヤ断面高さの15〜30%、サイドウォール部のゴム厚さを3.5〜5.0mmとし、インナーライナーをヤング率が5〜50MPaで、厚さが0.05〜0.25mmの熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー組成物から構成することによって、タイヤの軽量化と操縦安定性とを両立することを提案している。しかし、このように構成したタイヤであっても、タイヤの軽量化及び操縦安定性の改善の効果が必ずしも充分ではなく更なる改善が求められている。
特開2009−001228号公報
本発明の目的は、上述する問題点を解決するもので、タイヤの軽量化と操縦安定性とを高度に両立するようにした空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤは、一対のビード部間にカーカス層を装架し、該カーカス層を各ビード部に埋設されたビードコアの周りに巻き上げ、該ビードコア上にビードフィラーを配置すると共に、前記カーカス層の内側にインナーライナー層を配置した空気入りタイヤにおいて、前記ビードフィラーのタイヤ幅方向内側に該ビードフィラーに沿ってタイヤ径方向外側に延びる補強層を設け、該補強層のタイヤ径方向外側端部のビードヒールからの高さh1をタイヤ断面高さSHの15〜40%にし、前記補強層のタイヤ径方向内側端部のビードコアのタイヤ径方向外側端部からの高さh2を3〜15mmの範囲にし、前記補強層の外側端部位置におけるタイヤ内面から前記補強層の中心線までの厚さd1を1〜3mmにし、前記補強層の内側端部位置におけるタイヤ内面から前記補強層の中心線までの厚さd2を2〜5mmにしたことを特徴とする。
本発明では、ビードフィラーに沿ってタイヤ径方向外側に延びる補強層を設けたので、タイヤ周剛性の低下を抑制し、操縦安定性を維持しながら、タイヤ径方向の高さが低いビードフィラーを用いて転がり抵抗の低減や軽量化を図ることが出来る。特に、この補強層はビードフィラーよりもタイヤ幅方向内側に配置されているので、縦バネが上がり難く、転がり抵抗の低減を阻害しない。更に、この補強層のタイヤ径方向の寸法として、タイヤ径方向外側端部のビードヒールからの高さh1をタイヤ断面高さSHの15〜40%にし、タイヤ径方向内側端部のビードコアのタイヤ径方向外側端部からの高さh2を3〜15mmの範囲にしたので、補強層を設けることによる重量増加を抑制しながら上述の操縦安定性の維持を達成することが出来る。また、この補強層のタイヤ内面からの位置として、外側端部位置におけるタイヤ内面から補強層の中心線までの厚さd1を1〜3mmにし、内側端部位置におけるタイヤ内面から補強層の中心線までの厚さd2を2〜5mmにしたので、補強層のタイヤ幅方向内側のゴム量を抑制しながら耐久性を確保することが出来る。
本発明においては、インナーライナー層をヤング率が70〜1500MPaで、厚さが0.05〜0.25mmの熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂成分とエラストマー成分とをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物により構成することが好ましい。これにより操縦安定性を向上すると共に、転がり抵抗の低減効果を維持することが出来る。
本発明においては、ビードフィラーのタイヤ径方向外側端部のビードヒールからの高さHをタイヤ断面高さSHの10〜30%にすることが好ましい。上述のように本発明の補強層を設けることでタイヤ径方向の高さが低いビードフィラーを用いることが可能になるが、そのビードフィラーの寸法をこの範囲にすることで特に転がり抵抗を低減することが出来る。
本発明においては、補強層のタイヤ径方向外側端部のビードヒールからの高さh1をタイヤ断面高さSHの20〜30%にすることが好ましい。このように補強層のタイヤ径方向外側端部の高さh1の範囲を限定することで、転がり抵抗の低減と操縦安定性の向上とをより高度に両立することが出来る。
本発明においては、補強層がスチールコードからなることが好ましい。これにより、操縦安定性と転がり抵抗性能の高次元での両立が可能となる。
本発明においては、タイヤ断面高さSHが110mm〜180mmであることが好ましい。これにより、操縦安定性と転がり抵抗性能の高次元での両立が可能となる。
本発明においては、サイドウォール部を形成するサイドゴム層の平均ゴム厚さを2.0〜3.5mmにすることが好ましい。これにより、タイヤのサイドカット性を維持したままタイヤをより軽量化することが出来る。
本発明においては、カーカス層が1層からなり、このカーカス層の巻き上げ端をタイヤ最大幅位置よりタイヤ径方向内側かつビードフィラーのタイヤ径方向外側端部よりタイヤ径方向外側に配置することが好ましい。これにより、タイヤを更に軽量化すると共に、操縦安定性と転がり抵抗性能の高次元での両立が可能となる。
本発明においては、サイドウォール部を形成するサイドゴム層のタイヤ最大幅位置を含むゴム部分の60℃におけるtanδを0.02〜0.10の範囲にすることが好ましい。これにより、サイドウォール部の発熱を抑えて転がり抵抗を改善することが出来る。
本発明においては、タイヤ断面幅SWとタイヤ最大ベルト幅BWとの比BW/SWを0.71≦BW/SW≦0.85の範囲にすることが好ましい。これにより、操縦安定性をより向上することが出来る。
本発明の実施形態からなる空気入りタイヤを示す子午線半断面図である。 図1の空気入りタイヤにおけるビード部を拡大して示す要部断面図である。 サイドウォール部の平均ゴム厚さの測定方法を示す説明図である。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図1及び図2はそれぞれ本発明の実施形態からなる空気入りタイヤを示すものである。
図1及び図2において、1はトレッド部、2はサイドウォール部、3はビード部である。左右一対のビード部3,3間にはカーカス層4が装架されている。このカーカス層4は、タイヤ径方向に延びる複数本の補強コードを含み、各ビード部3に配置されたビードコア5の廻りにタイヤ内側から外側に巻き上げられている。また、ビードコア5の外周上にはビードフィラー6が配置され、このビードフィラー6がカーカス層4の本体部分と巻き上げ部分により包み込まれている。
一方、トレッド部1におけるカーカス層4の外周側にはスチールコードからなる2層のベルト層7が層間でコードが互いに交差するように配置されている。更に、ベルト層7の外周側に有機繊維コードをタイヤ周方向に螺旋状に巻き付けたベルト補強層8が設けられている。また、カーカス層4の内周側にはインナーライナー層9が配置されている。
更に、ビードフィラー6のタイヤ幅方向内側かつカーカス層4のタイヤ幅方向外側に、ビードフィラー6に沿ってタイヤ径方向外側に延びる補強層10が設けられている。
このようにビードフィラー6に沿ってタイヤ径方向外側に延びる補強層10を設けたので、転がり抵抗の低減や軽量化の為に、タイヤ径方向の高さHが低いビードフィラー6を用いる場合に、タイヤ周剛性の低下を抑制し、操縦安定性を維持することが出来る。特に、この補強層10はビードフィラー6よりもタイヤ幅方向内側に配置されているので、縦バネが上がり難く、転がり抵抗の低減を阻害しない。逆に、補強層10がビードフィラー6よりもタイヤ幅方向内側、例えば、ビードフィラー6のタイヤ幅方向外側かつカーカス層4のタイヤ幅方向内側に配置された場合、縦バネが上がり易くなり転がり抵抗の低減が阻害される。尚、補強層10を設けた場合、タイヤの重量は若干増加するが、サイズの大きいビードフィラーを有する従来のタイヤに対してはタイヤ重量を充分に低減することが出来る。
このように構成された空気入りタイヤにおいて、補強層10のタイヤ径方向の寸法として、補強層10のタイヤ径方向外側端部10aのビードヒール3aからの高さh1をタイヤ断面高さSHの15〜40%にする。また、補強層10のタイヤ径方向内側端部10bのビードコア5のタイヤ径方向外側端部5aからの高さh2を3〜15mmの範囲にする。このように補強層10のタイヤ径方向の寸法を規定することで、補強層10を設けることによる重量増加を抑制しながら上述の操縦安定性の維持を達成することが出来る。
高さh1がタイヤ断面高さSHの15%より小さいと、補強層10の量が少な過ぎるためタイヤ周剛性を補い操縦安定性を維持することが出来ない。高さh1がタイヤ断面高さSHの40%より大きいと、補強層10の量が多くなり過ぎタイヤ重量が増加する。また、高さh2が3mmより小さいと、補強層10の量が多くなり過ぎタイヤ重量が増加する。高さh2が15mmより大きいと、補強層10の量が少な過ぎるためタイヤ周剛性を補い操縦安定性を維持することが出来ない。
高さh1としては、好ましくはタイヤ断面高さSHの20〜30%にするとよい。高さh1を特にこの範囲に限定することで、操縦安定性の向上と転がり抵抗の低減とをより高度に両立することが出来る。高さh1がタイヤ断面高さSHの20%より小さいと、操縦安定性の改善効果が小さい。高さh1がタイヤ断面高さSHの30%より大きいと、転がり抵抗を充分に改善することが出来ない。
更に、補強層10のタイヤ幅方向の配置として、図2に示すように、補強層10の外側端部位置10aにおけるタイヤ内面から補強層10の中心線までの厚さd1を1〜3mmにする。また、補強層10の内側端部位置10bにおけるタイヤ内面から補強層10の中心線までの厚さd2を2〜5mmにする。このように補強層10のタイヤ幅方向の配置を規定することで、補強層のタイヤ幅方向内側のゴム量を抑制しながら耐久性を確保することが出来る。
厚さd1が1mmより小さいと、補強層10からタイヤ内面までのゴムが薄くなり過ぎて耐久性を確保することが困難になる。厚さd1が3mmより大きいと、補強層10からタイヤ内面までのゴム量が増加するためタイヤ重量が増加する。また、厚さd2が2mmより小さいと、補強層10からタイヤ内面までのゴムが薄くなり過ぎリム組み時の耐外傷性が確保できなくなる。厚さd2が5mmより大きいと、補強層10からタイヤ内面までのゴム量が増加するためタイヤ重量が増加する。
また、上述のように補強層10を設けることで、ビードフィラー6の高さHを低くしてタイヤの軽量化を図った場合、タイヤの周剛性が低下を抑制することが出来るが、更にタイヤ周剛性の低下を抑制するために、カーカス層4の内側に配置するインナーライナー層9をヤング率が70〜1500MPaで、厚さが0.05〜0.25mmの熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂成分とエラストマー成分とをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物により構成する。このインナーライナー層9は軽量であるため、タイヤ重量を増加させることなくタイヤの周剛性を補い操縦安定性を高度に維持することが出来る。
ここで、インナーライナー層9のヤング率が70MPaより小さいと操縦安定性を高度に維持することが出来ない。インナーライナー層9のヤング率が1500MPaより大きいと接着性が不充分になるため耐久性が低下する。インナーライナー層9のヤング率は、好ましくは100〜1300MPa、より好ましくは200〜300MPaにすると良い。
また、インナーライナー層9の厚さが0.05mmより小さいと空気透過防止性が充分に得られない。インナーライナー層9の厚さが0.25mmより大きいとタイヤ径方向の剛性が大きくなり過ぎるため乗心地性が低下する。インナーライナー層9の厚さは、好ましくは0.05〜0.15mmにすると良い。
上述のように、本発明は補強層10を設けることでビードフィラー6の高さHを低くすることを可能にしているが、その高さHとしては、ビードフィラー6のタイヤ径方向外側端部6aのビードヒール3aからの高さHをタイヤ断面高さSHの10〜30%にすることが好ましい。このように小さい寸法のビードフィラー6を採用することで転がり抵抗を効果的に低減することが出来る。
高さHがタイヤ断面高さSHの10%より小さいと、操縦安定性の確保が困難になると共に、製造時の不具合が多くなる。高さHがタイヤ断面高さSHの30%より大きいと、転がり抵抗が悪化する。
本発明においては、補強層10はスチールコードからなることが好ましい。スチールコードを採用することで、操縦安定性の向上と転がり抵抗の低減とをより高度に両立することが出来る。このとき、補強層10の補強コードはタイヤ径方向に対して15〜30°傾斜させることが好ましい。補強コードの傾斜角度が15°より小さいとタイヤの製造が困難になる。補強コードの傾斜角度が30°を超えると操縦安定性を充分に向上することが出来ない。
本発明においては、タイヤ断面高さSHが110mm〜180mmであることが好ましい。このようにタイヤ寸法を設定することで、操縦安定性の向上と転がり抵抗の低減とをより高度に両立することが出来る。タイヤ断面高さSHが110mmより小さいと転がり抵抗を充分低減することが出来ない。タイヤ断面高さSHが180mmより大きいと操縦安定性を確保することが困難になる。
本発明においては、サイドウォール部2を形成するサイドゴム層の平均ゴム厚さを2.0〜3.5mmにすることが好ましい。サイドウォール部2の平均ゴム厚さが2.0mmより小さいと耐サイドカット性が不足するためタイヤの耐久性が低下する。サイドウォール部2の平均ゴム厚さが3.5mmより大きいとタイヤを充分に軽量化することが出来ない。
尚、本発明において、サイドウォール部2を形成するサイドゴム層の平均ゴム厚さとは、タイヤ断面高さSHの20〜75%の高さの範囲における平均ゴム厚さをいい、以下のようにして求める。図3に示すように、サイドウォール部2の表面を径方向に沿って10等分に分割し、各分割区間におけるゴム厚さの最小値g1 〜g10を測定する。このとき、サイドウォール部2の表面にディンプル等の凹部11が形成されている場合は、各分割区間における凹部11を含めたゴム厚さの最小値を測定する(図3のg1 参照)。このようにして測定した10点の測定値g1 〜g10の平均値Gを求める。更に、この平均値Gをタイヤの周上の任意の4箇所において求め、この4箇所における平均値G1 〜G4 の平均値をサイドウォール部2を形成するサイドゴム層の平均ゴム厚さとする。また、タイヤ断面高さSHはJATMAイヤーブックに準拠して測定されるタイヤ外径とリム径との差の1/2の値とする。
本発明においては、カーカス層4が1層からなり、カーカス層4の巻き上げ端4aをタイヤ最大幅位置Pよりタイヤ径方向内側かつビードフィラー6のタイヤ径方向外側端部6aよりタイヤ径方向外側に配置することが好ましい。カーカス層4を単層構造とすることでタイヤをより軽量化することが出来る。更に、カーカス層4の巻き上げ端4aを上述の位置に配置することで、タイヤの軽量化と操縦安定性とを高度に両立することが出来る。カーカス層4の巻き上げ端4aの位置をタイヤ最大幅位置Pより外側に配置するとタイヤを充分に軽量化することは出来ない。また、カーカス層4の巻き上げ端4aをビードフィラー6のタイヤ径方向外側端部6aより内側に配置するとタイヤ耐久性が低下する。
本発明において、サイドウォール部2を形成するサイドゴム層のタイヤ最大幅位置Pを含むゴム部分の60℃におけるtanδを0.02〜0.10の範囲にすることが好ましい。このようにサイドゴム層の60℃におけるtanδを0.10以下とすることで、サイドウォール部2の発熱を抑えて転がり抵抗を低減することが出来る。このtanδが0.10より大きいとサイドウォール部2の発熱を抑制する効果が充分に得られない。このtanδが0.02より小さいとタイヤの耐久性が悪化する。尚、60℃におけるtanδは、東洋精機製作所製の粘弾性スペクトロメータを使用し、温度60℃の雰囲気中で、周波数20Hz、初期歪10%、動歪±2%の条件で測定した値である。
また、サイドゴム層の60℃におけるtanδは、サイドゴム層を構成するゴムとカーボンブラックの配合量によって適宜調整することが出来る。例えば、天然ゴム75重量部、ブタジエンゴム25重量部、カーボンブラック25重量部を配合することで、60℃におけるtanδが0.02のゴム組成物が得られる。天然ゴム45重量部、ブタジエンゴム55重量部、カーボンブラック35重量部を配合することで、60℃におけるtanδが0.06のゴム組成物が得られる。天然ゴム35重量部、ブタジエンゴム65重量部、カーボンブラック50重量部を配合することで、60℃におけるtanδが0.10のゴム組成物が得られる。このようにして、サイドゴム層の60℃におけるtanδを決定することが出来る。
本発明において、タイヤ断面幅SWとタイヤ最大ベルト幅BWとの比BW/SWを0.71≦BW/SW≦0.85の範囲にすることが好ましい。比BW/SWが0.71より小さいと操縦安定性を向上する効果が充分に得られない。比BW/SWが0.85より大きいと転がり抵抗が悪化する。
本発明においてインナーライナー層9を構成する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド系樹脂〔例えば、ナイロン6(N6)、ナイロン66(N66)、ナイロン46(N46)、ナイロン11(N11)、ナイロン12(N12)、ナイロン610(N610)、ナイロン612(N612)、ナイロン6/66共重合体(N6/66)、ナイロン6/66/610共重合体(N6/66/610)、ナイロンMXD6(MXD6)、ナイロン6T、ナイロン6/6T共重合体、ナイロン66/PP共重合体、ナイロン66/PPS共重合体〕及びそれらのN−アルコキシアルキル化物〔例えば、ナイロン6のメトキシメチル化物、ナイロン6/610共重合体のメトキシメチル化物、ナイロン612のメトキシメチル化物〕、ポリエステル系樹脂〔例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、PET/PEI共重合体、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、液晶ポリエステル、ポリオキシアルキレンジイミドジ酸/ポリブチレンテレフタレート共重合体などの芳香族ポリエステル〕、ポリニトリル系樹脂〔例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル/スチレン共重合体(AS)、(メタ)アクリロニトリル/スチレン共重合体、(メタ)アクリロニトリル/スチレン/ブタジエン共重合体〕、ポリメタクリレート系樹脂〔例えば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸エチル〕、ポリビニル系樹脂〔例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール(PVA)、ビニルアルコール/エチレン共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニリデン/メチルアクリレート共重合体、塩化ビニリデン/アクリロニトリル共重合体〕、セルロース系樹脂〔例えば、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース〕、フッ素系樹脂〔例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリクロルフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフロロエチレン(ETFE)/エチレン共重合体〕、イミド系樹脂〔例えば、芳香族ポリイミド(PI)〕等を好ましく用いることが出来る。
また、本発明においてインナーライナー層9を構成する熱可塑性エラストマー組成物は、上述した熱可塑性樹脂とエラストマーとをブレンドして構成することが出来る。
熱可塑性エラストマー組成物を構成するエラストマーとしては、例えば、ジエン系ゴム及びその水添物〔例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、エポキシ化天然ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR、高シスBR及び低シスBR)、ニトリルゴム(NBR)、水素化NBR、水素化SBR〕、オレフィン系ゴム〔例えば、エチレンプロピレンゴム(EPDM、EPM)、マレイン酸変性エチレンプロピレンゴム(M−EPM)、ブチルゴム(IIR)、イソブチレンと芳香族ビニル又はジエン系モノマー共重合体、アクリルゴム(ACM)、アイオノマー〕、含ハロゲンゴム〔例えば、Br−IIR、CI−IIR、イソブチレンパラメチルスチレン共重合体の臭素化物(Br−IPMS)、クロロプレンゴム(CR)、ヒドリンゴム(CHR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、塩素化ポリエチレンゴム(CM)、マレイン酸変性塩素化ポリエチレンゴム(M−CM)〕、シリコンゴム〔例えば、メチルビニルシリコンゴム、ジメチルシリコンゴム、メチルフェニルビニルシリコンゴム〕、含イオウゴム〔例えば、ポリスルフィドゴム〕、フッ素ゴム〔例えば、ビニリデンフルオライド系ゴム、含フッ素ビニルエーテル系ゴム、テトラフルオロエチレン−プロピレン系ゴム、含フッ素シリコン系ゴム、含フッ素ホスファゼン系ゴム〕、熱可塑性エラストマー〔例えば、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、エステル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー〕等を好ましく使用することが出来る。
熱可塑性エラストマー組成物において、特定の熱可塑性樹脂とエラストマーとの組成比は、特に限定されるものではなく、熱可塑性樹脂のマトリクス中にエラストマーが不連続相として分散した構造をとるように適宜決めれば良いが、好ましい範囲は重量比10/90〜90/10、更に好ましくは20/80〜85/15である。熱可塑性エラストマー組成物は、熱可塑性樹脂が連続相(マトリックス)を形成し、エラストマーが分散相(ドメイン)となる形態をとることにより、インナーライナーに充分な柔軟性と剛性を併せもつことが出来ると共に、エラストマーの多少によらず、成形に際し、熱可塑性樹脂と同等の成形加工性を得ることが出来る。
前記した特定の熱可塑性樹脂とエラストマーとの相溶性が異なる場合は、第3成分として適当な相溶化剤を用いて両者を相溶化させることが出来る。相溶化剤としては、熱可塑性樹脂及びエラストマーの両方又は片方の構造を有する共重合体、或いは熱可塑性樹脂又はエラストマーと反応可能なエポキシ基、カルボニル基、ハロゲン基、アミノ基、オキサゾリン基、水酸基等を有した共重合体の構造をとるものとすることが出来る。これらは混合される熱可塑性樹脂とエラストマーの種類によって選定すれば良い。このような相溶化剤の配合量には特に限定はないが、好ましくは、ポリマー成分(熱可塑性樹脂とエラストマーとの合計)100重量部に対して、0.5〜10重量部が良い。
本発明において、熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー組成物は、一般にポリマー組成物に配合される充填剤(炭酸カルシウム、酸化チタン、アルミナ等)、カーボンブラック、ホワイトカーボン等の補強剤、軟化剤、可塑剤、加工助剤、顔料、染料、老化防止剤等をインナーライナーとしての必要特性を損なわない限り任意に配合することが出来る。
タイヤサイズを195/65R15で共通にし、図1のように構成したタイヤにおいて、タイヤ断面高さSHに対する補強層の外端部高さh1の比率(h1/SH×100%)、ビードコア外端部からの補強層内端部高さh2、補強層外端部における補強層中心線までの厚さd1、補強層内端部における補強層中心線までの厚さd2、タイヤ断面高さSHに対するビードフィラーの外端部高さHの比率(H/SH×100%)、サイドゴム層の平均ゴム厚さ、サイドゴム層のtanδ、タイヤ断面幅と最大ベルト幅との比BW/SWをそれぞれ表1,2のように設定した従来例1、比較例1、実施例1〜18の20種類のタイヤを製作した。
尚、従来例1はインナーライナーとして厚さが0.7mmのブチルゴムにより構成し、比較例1及び実施例1〜18はインナーライナーとしてヤング率が250MPa、厚さが0.13mmの熱可塑性樹脂成分とエラストマー成分とをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物により構成した。また、補強層はスチールコードから構成した。
これら20種類の試験タイヤについて、下記の評価方法により操縦安定性、転がり抵抗、タイヤ重量、及び荷重耐久性を評価し、その結果を表1,2に併せて示した。
操縦安定性
試験タイヤをリムサイズ15×6JJのリムに装着し、フロントタイヤの空気圧を230kPa、リアタイヤの空気圧を220kPaにし、排気量1.8Lクラスの国産ハイブリット車に取り付け、5名のテストドライバーがテストコースを周回する際の操縦安定性をフィーリング評価し、その平均値を求めた。評価結果は、従来例1を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど操縦安定性が優れていることを意味する。
転がり抵抗
試験タイヤを、ISO28580に準拠して、ドラム径1707.6mmのドラム試験機を用い、空気圧210kPa、荷重4.82kN、速度80km/hの条件で転がり抵抗を測定した。評価結果は、測定値の逆数を用い、従来例1を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど転がり抵抗が低いことを意味する。
タイヤ重量
試験タイヤの重量を測定した。評価結果は、従来例1を100とする指数にて示した。この指数値が小さいほどタイヤ重量が軽量であることを意味する。
荷重耐久性
各試験タイヤについて、JIS D4230に準拠して耐久性能試験を実施した後、引き続き2時間毎に初期荷重の15%ずつ負荷を段階的に増加させ、各段階における故障発生の有無を確認した。評価結果は、1〜5段階の間に故障が生じた場合を「×」、6〜10段階の間に故障が生じた場合を「△」、11段階以上で故障が生じた場合を「○」として示した。
Figure 2012250659
Figure 2012250659
表1,2から判るように、実施例1〜18はいずれも従来例1との対比において、操縦安定性を高度に維持しながら、転がり抵抗及びタイヤ重量を低減し、かつ荷重耐久性を良好に維持することが出来た。
一方、補強層の外端部高さが高い比較例1は、転がり抵抗、タイヤ重量、及び荷重耐久性を充分に改善することが出来なかった。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
3a ビードヒール
4 カーカス層
4a 巻き上げ端
5 ビードコア
6 ビードフィラー
6a タイヤ径方向端部
7 ベルト層
8 ベルト補強層
9 インナーライナー層
9a 端部
10 補強層
P タイヤ最大幅位置
SH タイヤ断面高さ
SW タイヤ断面幅
BW タイヤ最大ベルト幅

Claims (10)

  1. 一対のビード部間にカーカス層を装架し、該カーカス層を各ビード部に埋設されたビードコアの周りに巻き上げ、該ビードコア上にビードフィラーを配置すると共に、前記カーカス層の内側にインナーライナー層を配置した空気入りタイヤにおいて、
    前記ビードフィラーのタイヤ幅方向内側に該ビードフィラーに沿ってタイヤ径方向外側に延びる補強層を設け、該補強層のタイヤ径方向外側端部のビードヒールからの高さh1をタイヤ断面高さSHの15〜40%にし、前記補強層のタイヤ径方向内側端部の前記ビードコアのタイヤ径方向外側端部からの高さh2を3〜15mmにし、前記補強層の外側端部位置におけるタイヤ内面から前記補強層の中心線までの厚さd1を1〜3mmにし、前記補強層の内側端部位置におけるタイヤ内面から前記補強層の中心線までの厚さd2を2〜5mmにしたことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記インナーライナー層をヤング率が70〜1500MPaで、厚さが0.05〜0.25mmの熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂成分とエラストマー成分とをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物により構成したことを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記ビードフィラーのタイヤ径方向外側端部の前記ビードヒールからの高さHをタイヤ断面高さSHの10〜30%にしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記補強層のタイヤ径方向外側端部の前記ビードヒールからの高さh1をタイヤ断面高さSHの20〜30%にしたことを特徴とする請求項1,2又は3に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記補強層がスチールコードからなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. タイヤ断面高さSHが110mm〜180mmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  7. サイドウォール部を形成するサイドゴム層の平均ゴム厚さを2.0〜3.5mmにしたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記カーカス層が1層からなり、前記カーカス層の巻き上げ端をタイヤ最大幅位置よりタイヤ径方向内側かつ前記ビードフィラーのタイヤ径方向外側端部よりタイヤ径方向外側に配置したことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  9. サイドウォール部を形成するサイドゴム層のタイヤ最大幅位置を含むゴム部分の60℃におけるtanδを0.02〜0.10の範囲にしたことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  10. タイヤ断面幅SWとタイヤ最大ベルト幅BWとの比BW/SWを0.71≦BW/SW≦0.85の範囲にしたことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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