JP2011230978A - 光ファイバ素線の製造装置及び製造方法 - Google Patents

光ファイバ素線の製造装置及び製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】加熱炉内への外気の侵入と、加熱炉内における局所的なガスの流れの大きな変動とを抑制できる光ファイバ素線の製造装置及び製造方法の提供。
【解決手段】不活性ガスでシールされた加熱炉の開口部10a上に、光ファイバ母材9が挿通された状態で加熱炉内100への外気の侵入を抑制するシール装置11を設け、シール装置11は、光ファイバ母材9の外周面に接触しつつ、光ファイバ母材9の長手方向に沿って、第一の区画110a〜第三の区画110cの三つの区画に区分する第一のシール部材111、第二のシール部材112及び第三のシール部材113を備え、加熱炉内100と第三の区画110cとに不活性ガスを供給すると共に、これら不活性ガスの流量の総和を略一定に制御し、第一の区画110aから第三の区画110cまで、縮小部位9bが同時に跨らないように、光ファイバ母材9をその長手方向に移動させながら溶融線引きする。
【選択図】図1

Description

本発明は、光ファイバ素線の製造装置及び製造方法に関する。
光ファイバ素線は、加熱炉内において、吊り下げ支持された光ファイバ母材と呼ばれる石英ガラスロッドを下降させながら、その先端部を加熱溶融し、この溶融部位から線引きすることにより製造される。この時、光ファイバ母材は、線引きされない端部をダミー部として、このダミー部において吊り下げ支持される。光ファイバ母材は、VAD法、OVD法、MCVD法、PCVD法、RIC法等の方法で製造できる。
一方、溶融線引きを行う加熱炉は、通常、内部が約2000℃程度にまで温度が上昇するため、加熱炉内の部材としては、耐熱性を有するカーボン製のものが使用される。しかし、カーボン製部材は、耐熱性を有するものの、酸素ガスの存在下では高温に曝されることで、酸化されて劣化してしまう。この場合、酸化で生じた煤等により加熱炉内が汚染され、この状態を放置しておくと、製造された光ファイバ素線は強度が低下することがある。
そこで、良好な品質の光ファイバ素線を得るためには、加熱炉内を窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気下におくと共に、加熱炉内への大気(外気)の侵入を抑制(シール)する必要がある。
加熱炉内への外気の侵入を抑制するためには、加熱炉の上流側開口部において、光ファイバ母材を挿通した状態で気密性を維持することが重要となる。そして、この時に特に問題となるのは、光ファイバ母材の長手方向における外径の変動であり、より具体的には、光ファイバ母材のダミー部と、残りの溶融線引きされる本体部との外径差、ダミー部における本体部側の境界領域の外径変動である。外径が一定ではない光ファイバ母材を、その長手方向に移動(下降)させながら、加熱炉の開口部との間で気密性を維持することは、容易ではないからである。
加熱炉内への外気の侵入を抑制する方法としては、これまでに、光ファイバ母材全体を外気から遮断するためのチャンバを、加熱炉の上流側の開口部上に設ける方法(特許文献1及び2参照)が開示されている。しかし、これらの方法では、加熱炉上にさらに高いスペースを必要とするため、光ファイバ母材の大型化や線引き速度の高速化に対応させることが困難であるという問題点があった。また、加熱炉内で局所的にガスの流れが大きく変動してしまうと、光ファイバ素線の外径が変動したりする等の問題点が生じるが、このような問題点の解決が考慮されたものではない。
これに対して、加熱炉の上流側の開口部上に、光ファイバ母材の外周面に接触するようにシール部材を設け、加熱炉内への外気の侵入を抑制する方法が開示されている(特許文献3及び4参照)。
特開平3−37128号公報 特開2005−225733号公報 特開2009−62265号公報 特開2006−248842号公報
しかし、特許文献3及び4に記載の方法では、溶融線引き時に光ファイバ母材を下降させる過程で不活性ガスを加熱炉内に流入させる工程があり、このような工程では、上記のように、加熱炉内で局所的にガスの流れが大きく変動することで、光ファイバ素線の外径が変動してしまうという問題点があった。さらに、特許文献4に記載の方法では、外径が一定ではない光ファイバ母材を下降させた場合、気密性を維持することが難しく、加熱炉内に外気が侵入して、局所的にガスの流れが大きく変動してしまったり、酸素が混入することで、カーボン製部材が劣化してしまうという問題点があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、加熱炉内への外気の侵入と、加熱炉内における局所的なガスの流れの大きな変動とを抑制できる光ファイバ素線の製造装置及び製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、
本発明の第一の態様は、不活性ガスでシールされた加熱炉内で、端部にダミー部を有する光ファイバ母材を、その長手方向に移動させつつ溶融線引きして、光ファイバ素線とするための光ファイバ素線の製造装置であって、前記加熱炉の上流側の開口部上には、光ファイバ母材が挿通された状態で該加熱炉内への外気の侵入を抑制するためのシール機構が設けられ、該シール機構は、光ファイバ母材の外周面に接触しつつ、その内部空間を光ファイバ母材の長手方向に沿って三つ以上の区画に区分するための三つ以上のシール部材を備え、前記加熱炉には、その内部にガスを導入するための第一の配管が接続され、前記区画のうち、前記加熱炉に最も近い最下部区画には、ガスを導入するための第二の配管が接続されており、前記第一の配管から前記加熱炉内へ供給されるガスの流量と、前記第二の配管から前記最下部区画へ供給されるガスの流量との総和を略一定に制御するガス流量制御手段を備えたことを特徴とする光ファイバ素線の製造装置である。
本発明の第一の態様においては、前記光ファイバ母材のダミー部のうち、前記光ファイバ母材の本体よりも外径が縮小し、且つその縮小幅が変動する縮小部位にかかるように装着される、略筒状のアダプターをさらに備え、該アダプターは、前記ダミー部の外周面に密着する上流側の開口部と、前記縮小部位に密着する下流側の開口部とを有し、前記縮小部位の少なくとも一部をシールすると共に、装着部位を前記光ファイバ母材と略同等の外径とすることが好ましい。
本発明の第一の態様においては、前記第一及び第二の配管が、一本の主配管から分岐されて構成され、前記ガス流量制御手段が、前記主配管にガスを供給するガス供給源を備えたことが好ましい。
本発明の第二の態様は、不活性ガスでシールされた加熱炉内で、端部にダミー部を有する光ファイバ母材を、その長手方向に移動させつつ溶融線引きして、光ファイバ素線とするための光ファイバ素線の製造装置であって、前記加熱炉の上流側の開口部上には、光ファイバ母材が挿通された状態で該加熱炉内への外気の侵入を抑制するためのシール機構が設けられ、該シール機構は、光ファイバ母材の外周面に接触しつつ、その内部空間を光ファイバ母材の長手方向に沿って二つ以上の区画に区分するための二つ以上のシール部材を備え、前記区画のうち、前記加熱炉から最も遠い最上部区画は、前記ダミー部の外周面に密着する上流側の開口部を有しており、前記ダミー部のうち、前記光ファイバ母材の本体よりも外径が縮小し、且つその縮小幅が変動する縮小部位を、光ファイバ母材挿通時にシールするものであり、前記加熱炉には、その内部にガスを導入するための第一の配管が接続され、前記区画のうち、前記加熱炉に最も近い最下部区画には、ガスを導入するための第二の配管が接続され、前記最上部区画には、ガスを導入するための第三の配管が接続されており、前記第一の配管から前記加熱炉内へ供給されるガスの流量と、前記第二の配管から前記最下部区画へ供給されるガスの流量と、前記第三の配管から前記最上部区画へ供給されるガスの流量との総和を略一定に制御するガス流量制御手段を備えたことを特徴とする光ファイバ素線の製造装置である。
本発明の第二の態様においては、前記シール機構が、その内部空間を三つ以上の区画に区分するための三つ以上のシール部材を備え、前記最上部区画が、独立して前記シール機構のその他の部位に対して着脱可能とされると共に、駆動手段によって光ファイバ母材の長手方向に沿って移動可能とされたことが好ましい。
本発明の第二の態様においては、前記第一、第二及び第三の配管が、一本の主配管から分岐されて構成され、前記ガス流量制御手段が、前記主配管にガスを供給するガス供給源を備えたことが好ましい。
本発明の第三の態様は、不活性ガスでシールされた加熱炉内で、端部にダミー部を有する光ファイバ母材を、その長手方向に移動させつつ溶融線引きして光ファイバ素線とする光ファイバ素線の製造方法であって、前記光ファイバ母材は、本体よりも外径が縮小し、且つその縮小幅が変動する縮小部位をダミー部に有し、前記加熱炉の上流側の開口部上には、光ファイバ母材が挿通された状態で該加熱炉内への外気の侵入を抑制するためのシール機構を設け、該シール機構は、光ファイバ母材の外周面に接触しつつ、その内部空間を光ファイバ母材の長手方向に沿って三つ以上の区画に区分するための三つ以上のシール部材を備え、前記加熱炉の内部と、前記区画のうち、前記加熱炉に最も近い最下部区画とに不活性ガスを供給すると共に、これら不活性ガスの流量の総和を略一定に制御し、前記区画のうち、前記加熱炉から最も遠い最上部区画から前記最下部区画までのすべての区画に、前記縮小部位が同時に跨らないようにして、前記光ファイバ母材を移動させることを特徴とする光ファイバ素線の製造方法である。
本発明の第三の態様においては、前記ダミー部の外周面に密着する上流側の開口部と、前記縮小部位に密着する下流側の開口部とを有する略筒状のアダプターを、前記縮小部位にかかるように光ファイバ母材に装着して、前記縮小部位の少なくとも一部をシールすると共に、装着部位を前記光ファイバ母材と略同等の外径とし、前記縮小部位のうち前記アダプターの非装着部位が、前記最上部区画から前記最下部区画までのすべての区画に、同時に跨らないようにして、前記光ファイバ母材を移動させることが好ましい。
本発明の第三の態様においては、前記アダプターが、その一端に鍔部を有し、該鍔部に前記上流側の開口部が設けられており、該鍔部は、前記アダプターに光ファイバ母材が挿通された状態で、前記シール機構の上部開口部を覆って閉塞するものであり、前記アダプターを装着した光ファイバ母材を移動させ、前記シール機構の上部開口部を閉塞した時に、前記縮小部位のうち前記アダプターの非装着部位が、前記最下部区画からその直上の区画に同時に跨らないようにして、さらに前記光ファイバ母材を移動させることが好ましい。
本発明の第三の態様においては、前記光ファイバ母材の長手方向における前記縮小部位の長さよりも、隣り合う前記シール部材間の距離を長く設定することが好ましい。
本発明の第四の態様は、不活性ガスでシールされた加熱炉内で、端部にダミー部を有する光ファイバ母材を、その長手方向に移動させつつ溶融線引きして光ファイバ素線とする光ファイバ素線の製造方法であって、前記光ファイバ母材は、本体よりも外径が縮小し、且つその縮小幅が変動する縮小部位をダミー部に有し、前記加熱炉の上流側の開口部上に、光ファイバ母材が挿通された状態で該加熱炉内への外気の侵入を抑制するためのシール機構を設け、該シール機構は、光ファイバ母材の外周面に接触しつつ、その内部空間を光ファイバ母材の長手方向に沿って二つ以上の区画に区分するための二つ以上のシール部材を備え、前記区画のうち、前記加熱炉から最も遠い最上部区画は、前記ダミー部の外周面に密着する上流側の開口部を有し、光ファイバ母材挿通時に前記縮小部位をシールするものであり、前記加熱炉の内部と、前記区画のうち、前記加熱炉に最も近い最下部区画と、前記最上部区画とに不活性ガスを供給すると共に、これら不活性ガスの流量の総和を略一定に制御しながら、前記光ファイバ母材を移動させることを特徴とする光ファイバ素線の製造方法である。
本発明の第四の態様においては、前記シール機構は、その内部空間を三つ以上の区画に区分するための三つ以上のシール部材を備え、前記最上部区画は、独立して前記シール機構のその他の部位に対して着脱可能とされると共に、駆動手段によって光ファイバ母材の長手方向に沿って移動可能とされており、線引き時においては、前記最上部区画が前記シール機構のその他の部位から離脱した状態で、前記縮小部位を前記最上部区画に、前記光ファイバ母材の本体を前記加熱炉内にそれぞれ配置し、次いで前記最上部区画を前記光ファイバ母材と共に移動させ、前記シール機構のその他の部位に固着させた後、さらに前記光ファイバ母材を移動させることが好ましい。
本発明によれば、光ファイバ素線の製造工程において、加熱炉内への外気の侵入と、加熱炉内における局所的なガスの流れの大きな変動とを抑制できる。その結果、光ファイバ素線の外径変動を抑制できると共に、加熱炉内のカーボン製部材の劣化が抑制され、光ファイバ素線の強度低下を抑制できる。
本発明の第一の実施形態に係る製造装置の要部を例示する概略構成図である。 光ファイバ母材における本体部とダミー部との境界近傍を例示する拡大図である。 本発明の製造装置における第一のシール部材(第二のシール部材、第三のシール部材)を例示する平面図である。 本発明の第一の実施形態に係る製造装置を使用した場合の光ファイバ素線の製造方法を説明する図である。 本発明の第二の実施形態に係る製造装置の要部を例示する概略構成図である。 本発明の第二の実施形態に係る製造装置を使用した場合の光ファイバ素線の製造方法を説明する図である。 本発明の第三の実施形態に係る製造装置の要部を例示する概略構成図である。 本発明の第四の実施形態に係る製造装置の要部を例示する概略構成図である。 本発明の第四の実施形態に係る製造装置を使用した場合の光ファイバ素線の製造方法を説明する図である。 本発明の第五の実施形態に係る製造装置の要部を例示する概略構成図である。 本発明の第五の実施形態に係る製造装置を使用した場合の光ファイバ素線の製造方法を説明する図である。
<光ファイバ素線の製造装置及び製造方法>
(第一の実施形態)
図1は、本発明の第一の実施形態に係る製造装置の要部を例示する概略構成図である。なお、図1では、加熱炉とシール装置を断面表示しており、これは、さらに図1以降で例示するその他の製造装置の場合も同様である。
ここに示す製造装置1は、光ファイバ母材を溶融線引きして、光ファイバ素線とする加熱炉10と、加熱炉10の上流側の開口部10a上に、シール装置11とを備える。さらに、加熱炉10には、その内部にガスを導入するための第一の配管81が接続され、シール装置11には、その内部にガスを導入するための第二の配管82が接続されている。加熱炉10は、光ファイバ母材9を加熱するためのヒータ7を備えた、通常のもので良い。
図1では、製造装置1の加熱炉10及びシール装置11に共に光ファイバ母材9が挿通された状態を示している。光ファイバ母材9は、溶融線引きして光ファイバ素線とする本体部91と、本体部91の端部にダミー部90とを有するものである。光ファイバ母材9においては、その製造時に本体部91よりも外径が小さく形成された部位をダミー部90としても良いし、本体部材にダミー部材を別途融着接続して、本体部91の端部にダミー部90を有する構造としても良い。
光ファイバ母材9において、本体部91の外径D91は、溶融線引きされる先端部を除いて、本体部の長手方向に沿って略一定となっている。ここで、外径D91が略一定とは、例えば、外径D91が100〜200mm程度の範囲内にある場合に、外径D91の変動幅が−5mm〜+5mm程度であることを指す。
一方、ダミー部90における本体部91側の境界領域9aには、外径D9aが本体部91の外径D91よりも縮小しており、且つその縮小幅が変動する縮小部位がある。図2に、光ファイバ母材9の前記境界領域9a近傍の拡大図を例示する。ここでは、境界領域9aの表面のみを示している。なお、図1においては、境界領域9aにおける前記縮小部位を、判り易くするために縮小幅を大きくして強調して示している。
ここに示す光ファイバ母材9は、本体部材にダミー部材を融着接続して、ダミー部90が設けられたものであり、境界領域9aが、バーナの火炎接触部位にほぼ一致する。そして、光ファイバ母材9の長手方向において、融着接続部9cとその前後の領域が、前記縮小部位9bとなっており、外径D91と外径D9aとの差X9b(縮小幅)の最大値は、例えば、0.2〜0.8mm程度となるが、これに限定されない。光ファイバ母材9の長手方向における前記縮小部位9bの長さはY9bである。
なお、ここでは、ダミー部90が融着接続で設けられた光ファイバ母材について説明したが、光ファイバ母材9の製造時に、本体部91よりも外径が小さく形成された部位を、そのままダミー部90としたものも同様に縮小部位を有する。
また、図2では、境界領域9aとして、外径D9aが本体部91の外径D91よりも小さくなる部位と小さくならない部位とを共に有するものを示しているが、例えば、ダミー部90の境界領域9aとは反対側の端部へ向けて、外径D9aが漸次小さくなるものもあり、本発明において対象とする光ファイバ母材9は、前記縮小部位を有する限り、特に限定されない。
シール装置11は、その内部空間110(以下、シール装置内110と略記することがある)と、加熱炉10の内部空間100(以下、加熱炉内100と略記することがある)とに、光ファイバ母材9が挿通された状態で、加熱炉内100への外気の侵入を抑制する機能を有する。
シール装置11は略筒状であり、その内表面上には、第一のシール部材111、第二のシール部材112及び第三のシール部材113が突設されている。そして、シール装置内110に光ファイバ母材9が挿通された状態で、本体部91の外周面に接触した状態のこれら三つのシール部材により、光ファイバ母材9の長手方向(軸方向)に沿ってシール装置内110が、第一の区画110a、第二の区画110b及び第三の区画110cの三つの区画に区分される。なお、ここでは、本発明を判り易くするためにシール部材の厚さを実際よりも厚く強調して示しおり、これは以降の図面においても同様である。
シール装置11は、前記第一〜第三のシール部材以外の部位は、例えば、ステンレス等の材質からなる。
第一のシール部材111及び第二のシール部材112間の距離Lb1、第二のシール部材112及び第三のシール部材113間の距離Lc1はいずれも、縮小部位9bの前記長さY9bよりも長くなっている。
第二の区画110b及び第三の区画110cは、体積の誤差が10%以内であることが好ましく、略同等の体積であることがより好ましい。第一の区画110aの体積は、第二の区画110b又は第三の区画110cの体積よりも大きくても良いし、小さくても良いが、第二の区画110b及び第三の区画110cと同様であることが好ましい。
第一のシール部材111の平面図を図3に例示する。
第一のシール部材111は、所定の厚さを有する略円環状のシートであり、耐熱性及び伸縮性を有する材質からなる。このような材質としては、カーボン、カーボンフェルト等が例示できる。
第一のシール部材111を構成するシートには、光ファイバ母材9の外周面との接触部となる内周部から径方向外側へ向けて、中心から放射状に複数の切れ込み1110が設けられている。これら切れ込み1110は、互いにほぼ等間隔に設けられていることが好ましく、このようにすることで、第一のシール部材111が光ファイバ母材9の外周面と接触した時に、該外周面との間の隙間の発生が一層容易に防止できる。切れ込みの数は、孔の直径D111に応じて、適宜調節すれば良い。
なお、前記切れ込みが設けられていないシートを使用してシール部材を構成しても良いが、切れ込みが設けられていることで、シートの柔軟性が向上し、隙間の発生が一層容易に防止できる。
第一のシール部材111を構成するシートにおいて、光ファイバ母材9の挿通部となる孔の直径D111は、光ファイバ母材9の本体部91の外径D91よりも僅かに小さいことが好ましく、前記D91よりも最大で5mm程度小さい値であることがより好ましい。このようにすることで、光ファイバ母材9を一層容易に移動させることができ、光ファイバ母材9の外周面との間の隙間の発生が一層容易に防止できる。
特に本発明においては、図1等で例示するように、シール装置11に光ファイバ母材9が挿通された時に、第一のシール部材111が撓んでその上面(光ファイバ母材9が挿通されていない状態では上を向いている面)が光ファイバ母材9の外周面と接触するように設定することが好ましい。このように、第一のシール部材111と光ファイバ母材9の外周面とが面接触するように設定することで密着度が向上し、これらの間での隙間の発生を一層効果的に抑制できる。
一枚の前記シートの厚さは特に限定されないが、0.1〜1mmであることが好ましい。下限値以上とすることで、シートは良好な柔軟性を有し、光ファイバ母材9の外周面との間の隙間の発生が一層容易に防止できる。また、上限値以下とすることで、シートは良好な柔軟性を有し、光ファイバ母材9を、折れを抑制しつつ一層容易に移動させることができる。
第一のシール部材111は、一枚の前記シートで構成されていても良いし、二枚以上の前記シートが重ねられて構成されていても良い。二枚以上重ねられている場合、これらシートは、すべて同じ種類であっても良いし、一部が異なる種類であっても良く、全てが異なる種類であっても良い。ここで、シートの種類が異なるとは、例えば、シートの材質、形状及び切れ込みの数の一つ以上が互いに異なることを指す。そして、各シートの切れ込みの位置は、すべて一致していても良いし、一部が一致していても良く、全てが一致していなくても良い。
第一のシール部材111は、複数枚の前記シートが重ねられて構成されたものが好ましく、2〜4枚の前記シートが、切れ込みの位置が互いにずれるようにして重ねられて構成されたものがより好ましい。このようにすることで、光ファイバ母材9の外周面との間の隙間の発生が一層容易に防止でき、しかも光ファイバ母材9を一層容易に移動させることができる。
第一のシール部材111が、複数枚の前記シートが重ねられて構成されたものである場合、第一のシール部材111の厚さ(複数枚の前記シートの合計の厚さ)は、0.3〜3mmであることが好ましい。下限値以上とすることで、光ファイバ母材9の外周面との間の隙間の発生が一層容易に防止でき、上限値以下とすることで、光ファイバ母材9を一層容易に移動させることができる。
第二のシール部材112及び第三のシール部材113は、第一のシール部材111と同様である。
シール装置内110のうち、加熱炉10に最も近い最下部の区画である第三の区画110cには、ここへガスを導入するための第二の配管82が接続されている。
そして、加熱炉内100には、ガスを導入するための第一の配管81が接続されている。第一の配管81は、加熱炉内100のうち、上流側の開口部10a近傍で開口されていることが好ましい。
第一の配管81及び第二の配管82は、一本の主配管80の一端から分岐されて構成されており、主配管80の他端は、主配管80にガスを供給するガス供給源(図示略)に接続されている。したがって、ガス供給源から主配管80に供給されるガスの流量が略一定である場合には、第一の配管81から加熱炉内100へ供給されるガスの流量と、第二の配管82から第三の区画110cへ供給されるガスの流量との総和は略一定となる。
主配管80には、流量計、マスフローコントローラ、レギュレータ等が設けられていることが好ましい。
第一の配管81及び第二の配管82は、内径の誤差が5%以内であることが好ましく、略同等の内径であることがより好ましい。
また、第一の配管81及び第二の配管82の長さは、[長い配管の長さ]/[短い配管の長さ]の比が10以下であることが好ましく、1に近いほど好ましく、1であっても良い。図1に示す製造装置1では、第一の配管81の方が第二の配管82よりも長さが長くなっている。
配管内にガスを流す場合には、ガスに配管抵抗が生じ、この配管抵抗に応じてガスの流れ易さが変化する。そして、配管抵抗は、配管の内径及び長さに依存する。そこで、第一の配管81及び第二の配管82の内径及び長さを上記のように設定することで、第一の配管81から加熱炉内100へ供給される不活性ガスの流量と、第二の配管82から第三の区画110cへ供給される不活性ガスの流量との総和を、一層容易に制御できる。
なお、ここでは、第一の配管81及び第二の配管82が、一本の主配管80から分岐されて構成されている例を示しているが、本発明においてはこれに限定されない。例えば、第一の配管81及び第二の配管82が互いに接続されることなく別々に設けられ、第一の配管81から加熱炉内100へ供給されるガスの流量と、第二の配管82から第三の区画110cへ供給されるガスの流量との総和が略一定となるように制御されていても良い。ただし、第一の配管81及び第二の配管82が、一本の主配管80から分岐されて構成されている方が、容易に前記ガスの流量の総和を制御できる点で好ましい。
また、ここでは、シール装置内110が、第一の区画110a、第二の区画110b及び第三の区画110cの三つの区画に区分される例を示しているが、本発明においてはこれに限定されず、三つ以上の区画に区分されていれば良い。例えば、第一のシール部材111と同様のシール部材が四つ設けられ、シール装置内110が四つの区画に区分されていても良い。ただし、四つ以上の区画に区分されている場合には、シール装置内110にガスを導入するための第二の配管82は、加熱炉10に最も近い最下部の区画に接続されていることが必要である。
シール装置内110が、三つ以上の区画に区分されている場合、隣り合うシール部材間の距離は、すべてが縮小部位9bの前記長さY9bより長くても良いが、少なくとも、加熱炉10に最も近い最下部の区画(製造装置1では、第三の区画110c)とその直上の区画(製造装置1では、第二の区画110b)を構成するシール部材間の距離(製造装置1では、Lb1及びLc1)が、共に前記長さY9bより長ければ良い。
次に、製造装置1を使用した場合の光ファイバ素線の製造方法について、図4を参照しながら説明する。
まず、主配管80の他端から略一定の流量で不活性ガスを加熱炉10及びシール装置11に供給する。
供給する不活性ガスの好ましいものとしては、窒素、アルゴン、ヘリウム等が例示できる。なかでも、ガスの動粘度が小さく、レイノルズ数が小さくなるためにファイバ径を小さく維持するのが容易であることから、ヘリウムがより好ましい。
そして、図4(a)に示すように、光ファイバ母材9を、上部開口部11Aからシール装置内110に導入して、光ファイバ母材9を製造装置1にセットする。すると、やがて第三の区画110cは不活性ガスで満たされ、供給される不活性ガスは、第三の区画110cではなく加熱炉内100のみへ流れるようになり、この状態が維持される。ここで、第三の区画110cと加熱炉内100ではなく加熱炉内100のみへ流れるようになるタイミングは、光ファイバ母材の外径やシール部材の孔の直径(例えば、第一のシール部材111における孔の直径D111)等に依存し、一義的に決まるものではない。
次いで、光ファイバ母材9を長手方向に沿って矢印Fの方向に下降させて、加熱炉内100にも導入し、光ファイバ母材9がシール装置11及び加熱炉10の内部に挿通された状態として、通常の手段により本体部91を溶融線引きする。溶融線引きの進行と共に、光ファイバ母材9を矢印Fの方向へ順次下降させることで、縮小部位9bがシール装置11の上部開口部11Aの近傍に到達する。
次いで、図4(b)に示すように、縮小部位9bが第一のシール部材111を跨ぐ位置に到達すると、これらの間に隙間が生じた場合には、矢印G1で示すように、外気が第一の区画110aから第二の区画110bに侵入する。ただし、光ファイバ母材9(本体部9)と第二のシール部材112は密着していて、これらの間には隙間がないので、侵入した外気は第二の区画110bで遮断される。なお、これまでの間、光ファイバ母材9と第三のシール部材113も密着した状態が維持されている。
ここで第一のシール部材111は、光ファイバ母材9との接触部となる内周部が、光ファイバ母材9と非接触の状態で撓んでいる様子を示しているが、これは一例であり、前記内周部が光ファイバ母材9と非接触になってからの時間や第一のシール部材111の材質によっては、撓みの程度が異なることがあり、接触時と同程度に撓んでいることもあれば、ほとんど又は全く撓んでいないこともある。ただし、撓みの程度によらず、製造装置1が本発明の効果を奏することに変わりはなく、これは、以降で例示するその他の実施形態に係る製造装置でも同様である。
次いで、縮小部位9bは、第一のシール部材111の箇所を通過すると、第二の区画110bに到達する。この状態では、前記Lb1は前記Y9bよりも長くなっており、第一のシール部材111、第二のシール部材112及び第三のシール部材113は、いずれも光ファイバ母材9と密着している。そして、第一のシール部材111が光ファイバ母材9と密着していることで、これ以降、第一のシール部材111よりも先には外気が侵入しなくなる。
次いで、図4(c)に示すように、縮小部位9bが第二のシール部材112を跨ぐ位置に到達して、これらの間に隙間が生じても、上記のように、第二の区画110bと第三の区画110cとの体積の誤差が小さいか無い場合には、これらの区画の間で圧力がつりあうので、矢印G2で示すように、第二の区画110bから第三の区画110cへガスが流れることはない。また、第二の区画110bと第三の区画110cとの体積の誤差が大きい場合でも、第二の配管82から第三の区画110cへ不活性ガスが供給されることにより、第二の区画110bから第三の区画110cへガスが流れることはない。したがって、第三の区画110cには外気が侵入しない。
次いで、縮小部位9bは、第二のシール部材112の箇所を通過すると、第三の区画110cに到達する。この状態では、第一のシール部材111、第二のシール部材112及び第三のシール部材113は、いずれも光ファイバ母材9と密着している。そして、第二のシール部材112よりも先には外気が侵入しない。
次いで、図4(d)に示すように、縮小部位9bが第三のシール部材113を跨ぐ位置に到達してこれらの間に隙間が生じても、矢印G3で示すように、第三の区画110cから加熱炉内100へ、主配管80から供給された不活性ガスが流れる。この時、第二の配管82から第三の区画110cを介して不活性ガスが加熱炉内100へ供給されるようになっても、第一の配管81から加熱炉内100へ供給される不活性ガスの流量が減少し、第一の配管81から加熱炉内100へ供給される不活性ガスの流量と、第二の配管82から第三の区画110cへ供給される不活性ガスの流量との総和は略一定なので、加熱炉内100へ流入するガスの総流量も略一定である。したがって、加熱炉内100で局所的にガスの流れが大きく変化することがない。
次いで、縮小部位9bは、第三のシール部材113の箇所を通過すると、加熱炉内100に到達し、この状態では、第一のシール部材111、第二のシール部材112及び第三のシール部材113は、いずれも光ファイバ母材9と密着している。したがって、加熱炉内100には外気が侵入しない。
縮小部位9bが加熱炉内100に到達したあとは、引き続き、必要に応じて光ファイバ母材9を下降させながら、公知の方法に従って、溶融線引きを行えば良い。
製造装置1において、主配管80を設けずに、第一の配管81及び第二の配管82が互いに接続されることなく別々に設けられている場合には、第一の配管81から加熱炉内100へ供給される不活性ガスの流量と、第二の配管82から第三の区画110cへ供給される不活性ガスの流量との総和が略一定となるように制御すれば良い。そのためには、例えば、第一の配管81及び第二の配管82における不活性ガスの供給端を、ガス供給手段に接続すると共に、そのガス供給手段によるガスの供給量を、コンピュータ等で制御することで、ガスの流量の総和を一定にすれば良い。
製造装置1を使用する場合には、上記のように、溶融線引き時にシール装置11において、第一の区画110aから第三の区画110cまでのすべての区画に、縮小部位9bが同時に跨らない。また、シール装置11外に対して開かれていない空間(閉空間)に不活性ガスを流す。このような条件で光ファイバ母材9を移動させることで、加熱炉内100への外気の侵入が抑制され、加熱炉内100で局所的にガスの流れが大きく変化することもない。シール装置11外に対して開かれた空間(開空間)に不活性ガスが流れるようになると、加熱炉内100への不活性ガスの流量が大きく減少してしまい、加熱炉内100で局所的にガスの流れが大きく変化してしまう。
従来の製造装置では、シール部材と光ファイバ母材との間で気密性を維持することが難しく、加熱炉内における局所的なガスの流れの大きな変動を抑制しながら、加熱炉内への外気の侵入を抑制することが困難であり、例えば、前記縮小部位が光ファイバ母材の周方向に不均一又は局所的に存在する場合には、特にその問題点が顕著であった。しかし、本発明の製造装置1は、シール部材が三段に設けられていることにより、このような従来の問題点を解決するものである。以降に示す本発明のその他の実施形態に係る製造措置も、シール部材が多段に設けられていることにより、このような従来の問題点を解決するものである。
シール装置11として、該装置内110が四つ以上の区画に区分されているものを使用する場合には、加熱炉10から最も遠い最上部区画から、加熱炉10に最も近い最下部区画までのすべての区画に、縮小部位9bが同時に跨らないように、光ファイバ母材9を移動させれば良い。そして、加熱炉内100と、前記最下部区画とに不活性ガスを供給すると共に、これら不活性ガスの流量の総和を略一定に制御すれば良い。
(第二の実施形態)
図5は、本発明の第二の実施形態に係る製造装置の要部を例示する概略構成図である。なお、図5に示す構成要素のうち、図1に示すものと同じものについては、図1と同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。これは、以降に例示するその他の実施形態についても同様である。
図5に示す製造装置2は、製造装置1に、さらに光ファイバ母材9に装着するアダプター20を備えたものである。図5では、アダプター20を断面表示している。
製造装置2は、光ファイバ母材9として、ダミー部90の境界領域9aにおける外径D9aの縮小幅が大きいものを使用する時に、特に好適である。
光ファイバ母材9において、境界領域9aにおける外径D9aは、ダミー部90の境界領域9aとは反対側の端部へ向けて、小さくなっている。そして縮小部位は、境界領域9aのほぼ全域に渡っている。
アダプター20は、境界領域9aにかかるように装着されるものであり、略筒状であって、鍔部201及び装着部202を備え、鍔部201には開口部(上流側の開口部)201aが設けられている。
アダプター20において、開口部201aの内径は、ダミー部90のほぼ一定となっている外径と略同等である。したがって、光ファイバ母材9が挿通された状態で、前記開口部201aは、ダミー部90の外周面に密着する。なお、ダミー部90の外周面との密着性を向上させるために、前記開口部201aには、耐熱性パッキン等の封止材(図示略)を別途設けても良い。
装着部202の内径及び外径は、装着部の長手方向に沿って略一定となっている。そして、装着部202の外径D202は、光ファイバ母材9の本体部91の外径D91と略同等である。例えば、外径D91が100〜200mm程度である場合には、外径D202と外径D91との差は、−5mm〜+5mmであることが好ましい。
装着部202の長手方向における長さは、シール装置11の上部開口部11Aから第一のシール部材までの距離La1、第一のシール部材111及び第二のシール部材112間の距離(Lb1)、並びに第一のシール部材の厚さの和よりも、大きくなっている。なお、後述するように、装着部202の開口端202aには、光ファイバ母材9における境界領域9aの外周面との密着性を向上させるために、耐熱性パッキン等の封止材(図示略)を別途設けても良い。
鍔部201は、光ファイバ母材9が挿通された状態で、シール装置11の上部開口部11Aを覆うことができる大きさである。
アダプター20は、鍔部201の開口部201aへ向けて、装着部202の開口端(下流側の開口部)202aから装着部202に光ファイバ母材9を挿入し、開口部201aからダミー部90を突出させると共に、開口端202aを境界領域9aの外周面に当接させることで、光ファイバ母材9に装着される。
この装着状態において、開口部201aはダミー部90の外周面に密着し、開口端202aは境界領域9aに密着している。すなわち、境界領域9aのうち、アダプター20の装着部位は、外気からシールされている。一方、境界領域9aのうち、本体部91側に位置するアダプター20の非装着部位は、露出されたままである。したがって、境界領域9aのうち、アダプター20の装着部位は、光ファイバ母材9の本体部91と略同等の外径を有し、アダプター20の非装着部位は、本体部91よりも外径が小さくなっている縮小部位であって、アダプター20が装着された光ファイバ母材9は、例えば、図2に示す光ファイバ母材と同様に扱うことができる。この場合、アダプター20の非装着部位が、縮小部位9bに該当する。
アダプター20の材質は、シール装置11と同様でも良いし、石英ガラス等でも良い。
製造装置2は、アダプター20を備える点以外は、第一の実施形態に係る製造装置1と同様である。
次に、製造装置2を使用した場合の光ファイバ素線の製造方法について、図6を参照しながら説明する。
まず、製造装置1を使用する場合と同様に、主配管80の他端から略一定の流量で不活性ガスを加熱炉10及びシール装置11に供給する。そして、アダプター20を装着した光ファイバ母材9を製造装置2にセットする。すると、第三の区画110cが不活性ガスで満たされ、その後、供給された不活性ガスが、第三の区画110cと加熱炉内100ではなく加熱炉内100のみへ流れる状態が維持される。
次いで、図6(a)に示すように、アダプター20を装着した光ファイバ母材9をそのまま長手方向に沿って矢印Fの方向に下降させて、光ファイバ母材9がシール装置11及び加熱炉10の内部に挿通された状態として、通常の手段により本体部91を溶融線引きする。溶融線引きの進行と共に、光ファイバ母材9を矢印Fの方向へ順次下降させることで、縮小部位9bがシール装置11の上部開口部11Aの近傍に到達する。
この後、製造装置1を使用した場合と同様に、縮小部位9bが第一のシール部材111を跨ぐ位置に到達して、これらの間に隙間が生じた場合でも、侵入した外気は第二の区画110bで遮断される。そして、縮小部位9bが、第二の区画110bに到達すると、第一のシール部材111よりも先には外気が侵入しなくなる。
また、縮小部位9bが第二のシール部材112を跨ぐ位置に到達して、これらの間に隙間が生じても、第三の区画110cには外気が侵入しない。
次いで、図6(b)に示すように、縮小部位9bが、第二のシール部材112の箇所を通過すると、第三の区画110cに到達する。この段階で、アダプター20の鍔部201がシール装置11の上部開口部11Aに当接及び密着して該開口部11Aを閉塞し、アダプター20の下降は停止する。この状態では、前記Lc1は前記Y9bよりも長くなっており、第一のシール部材111及び第二のシール部材112は、いずれもアダプター20の装着部202と密着し、第三のシール部材113は、光ファイバ母材9の本体部91と密着している。すなわち、縮小部位9bが、最下部の区画である第三の区画110cから、その直上の第二の区画110bに同時に跨っていない。そして、外気は第三の区画110cには侵入しない。さらに、光ファイバ母材9のダミー部90がアダプター20の鍔部201と密着していることで、これ以降、シール装置内110には外気が侵入しない。
次いで、光ファイバ母材9のみをさらに矢印Fの方向に下降させると、下降した距離に応じて縮小部位9bが拡大し、前記Y9bが大きくなる。
そして、図6(c)に示すように、縮小部位9bが第三のシール部材113を跨ぐ位置に到達してこれらの間に隙間が生じても、第三の区画110cには外気が侵入していないので、加熱炉内100には外気が侵入しない。さらに、矢印G3で示すように、第三の区画110cから加熱炉内100へ、主配管80から供給された不活性ガスが流れる。この時、第二の配管82から第三の区画110cを介して不活性ガスが加熱炉内100へ供給されるようになっても、第一の配管81から加熱炉内100へ供給される不活性ガスの流量が減少し、第一の配管81から加熱炉内100へ供給される不活性ガスの流量と、第二の配管82から第三の区画110cへ供給される不活性ガスの流量との総和は略一定なので、加熱炉内100へ流入するガスの総流量も略一定である。したがって、加熱炉内100で局所的にガスの流れが大きく変化することがない。
そして、この段階以降、第三の区画110cと、アダプター20の装着部202の内部とが加熱炉内100に対して開放された状態となるが、上記のように、シール装置内110には外気が侵入しないので、加熱炉内100にも外気が侵入しない。
縮小部位9bが加熱炉内100に到達したあとは、引き続き、必要に応じて光ファイバ母材9を下降させながら、公知の方法に従って、溶融線引きを行えば良い。
製造装置2を使用する場合には、上記のように、溶融線引き時にシール装置11において、第一の区画110aから第三の区画110cまでのすべての区画に、縮小部位9bが同時に跨らない。さらに、アダプター20の鍔部201でシール装置11の上部開口部11Aを閉塞した時に、縮小部位9bが、第三の区画110cから第二の区画110bに同時に跨らない。また、シール装置11外に対して開かれていない空間(閉空間)に不活性ガスを流す。このようにすることで、加熱炉内100への外気の侵入が抑制され、加熱炉内100で局所的にガスの流れが大きく変化することもない。
(第三の実施形態)
図7は、本発明の第三の実施形態に係る製造装置の要部を例示する概略構成図である。
ここに示す製造装置2’は、図5に示す製造装置2において、アダプター20の鍔部201が、光ファイバ母材9が挿通された状態で、シール装置11の上部開口部11Aを覆うことができない大きさとなったものである。すなわち、製造装置2’におけるアダプター20’では、開口部201a’がダミー部90の外周面に密着するが、鍔部201’の外径がシール装置11の上部開口部11Aの内径よりも小さいため、鍔部201’がシール装置11の上部開口部11Aに当接及び密着してこれを閉塞することがない。そして、アダプター20’は、石英ガラス等の材質からなる。これ以外の点では、製造装置2’は、図5に示す製造装置2と同様である。
なお、ここでは、アダプター20’として鍔部201’を有するものを示しているが、鍔部を有さず、装着部の長手方向(軸方向)に対して垂直な方向に突出部がないものをアダプターとして使用しても良い。
アダプター20’を装着した光ファイバ母材9は、例えば、図2に示す境界領域を有する光ファイバ母材と全く同様に扱うことができる。したがって、製造装置2’を使用する場合には、製造装置1を使用する場合と同様に、光ファイバ素線を製造できる。
(第四の実施形態)
図8は、本発明の第四の実施形態に係る製造装置の要部を例示する概略構成図である。
ここに示す製造装置3は、加熱炉10と、加熱炉10の上流側の開口部10a上に、シール装置31とを備える。
シール装置31は、その内部空間310(以下、シール装置内310と略記することがある)と、加熱炉内100とに、光ファイバ母材9が挿通された状態で、加熱炉内100への外気の侵入を抑制する機能を有する。
シール装置31は、略筒状であり、その内表面上には、第一のシール部材311及び第二のシール部材312が突設されている。そして、シール装置内310に光ファイバ母材9が挿通された状態で、本体部91の外周面に接触した状態のこれら二つのシール部材により、光ファイバ母材9の長手方向(軸方向)に沿ってシール装置内310が、第一の区画310a及び第二の区画310bの二つの区画に区分される。
シール装置31の上流側の開口部(第一の区画310aの開口部)31Aは、内径が、光ファイバ母材9のダミー部90のほぼ一定となっている外径と略同等である。したがって、光ファイバ母材9が挿通された状態で、前記開口部31Aは、ダミー部90の外周面に密着する。なお、図5に示すアダプター20の場合と同様に、ダミー部90の外周面との密着性を向上させるために、前記開口部31Aには、耐熱性パッキン等の封止材(図示略)を別途設けても良い。
このように、第一の区画310aは、光ファイバ母材9の縮小部位9bを、光ファイバ母材挿通時にシールするものである。なお、ここでは、図5に示すものと同様の光ファイバ母材を使用した例を示している。
シール装置31の材質は、図1に示すシール装置11の場合と同様であり、第一のシール部材311及び第二のシール部材312の材質も、図1に示すシール装置11の各シール部材と同様である。
第二の区画310bの体積は、第一の区画310aの体積よりも大きくても良いし、小さくても良い。シール装置31を小型化するという観点からは、小さい方が好ましい。
シール装置内310のうち、加熱炉10に最も近い最下部の区画である第二の区画310bには、ここへガスを導入するための第二の配管82が接続されている。また、加熱炉10から最も遠い最上部の区画である第一の区画310aには、ここへガスを導入するための第三の配管83が接続されている。
そして、加熱炉内100には、ガスを導入するための第一の配管81が接続されている。第一の配管81は、加熱炉内100のうち、上流側の開口部10a近傍で開口されていることが好ましい。
第一の配管81、第二の配管82及び第三の配管83は、一本の主配管80の一端から分岐されて構成されており、主配管80の他端は、主配管80にガスを供給するガス供給源(図示略)に接続されている。したがって、ガス供給源から主配管80に供給されるガスの流量が略一定である場合には、第一の配管81から加熱炉内100へ供給されるガスの流量と、第二の配管82から第二の区画310bへ供給されるガスの流量と、第三の配管83から第一の区画310aへ供給されるガスの流量との総和は略一定となる。
第一の配管81、第二の配管82及び第三の配管83は、内径の誤差が5%以内であることが好ましく、略同等の内径であることがより好ましい。
また、第一の配管81、第二の配管82及び第三の配管83の長さは、[最も長い配管の長さ]/[最も短い配管の長さ]の比が10以下であることが好ましく、1に近いほど好ましく、1であっても良い。図8に示す製造装置3では、第一の配管81の長さが最も長く、第三の配管83の長さが最も短くなっている。
第一の配管81〜第三の配管83の内径及び長さを上記のように設定することで、第一の配管81から加熱炉内100へ供給される不活性ガスの流量と、第二の配管82から第二の区画310bへ供給される不活性ガスの流量と、第三の配管83から第一の区画310aへ供給される不活性ガスの流量との総和を、一層容易に制御できる。
なお、ここでは、第一の配管81〜第三の配管83が、一本の主配管80から分岐されて構成されている例を示しているが、本発明においてはこれに限定されず、上記の不活性ガスの流量の総和が略一定に制御できれば良い。例えば、図1に示す製造装置1の場合と同様に、第一の配管81〜第三の配管83の三本のうち、一本又はすべての配管が、他の配管と互いに接続されることなく別々に設けられていても良い。ただし、第一の配管81〜第三の配管83が、一本の主配管80から分岐されている方が、容易に前記ガスの流量の総和を制御できる点で好ましい。
また、ここでは、シール装置内310が二つの区画に区分される例を示しているが、本発明においてはこれに限定されず、二つ以上の区画に区分されていれば良い。例えば、第一のシール部材311のようなシール部材が三つ設けられ、シール装置内310が三つの区画に区分されていても良い。そして、三つ以上の区画に区分されている場合には、シール装置31の内部にガスを導入するための第二の配管82は、加熱炉10に最も近い最下部の区画に接続され、第三の配管83は、加熱炉10から最も遠い最上部の区画に接続されていることが必要である。ただし、簡便な構成のシール装置で十分な効果が得られるという観点からは、シール装置内310は、二つ又は三つの区画に区分されていることが好ましい。
なお、ここでは、図5に示すものと同様の光ファイバ母材を使用した例について説明したが、製造装置3は、例えば、図1に示すもの等、その他の光ファイバ母材の使用にも好適である。
次に、製造装置3を使用した場合の光ファイバ素線の製造方法について、図9を参照しながら説明する。
まず、製造装置1を使用する場合と同様に、主配管80の他端から略一定の流量で不活性ガスを加熱炉10及びシール装置31に供給する。そして、図8に示すように、シール装置31の開口部31Aを、ダミー部90の外周面に密着させて、光ファイバ母材9を、シール装置31及び加熱炉10に挿通し、製造装置3にセットする。すると、第一の区画310a及び第二の区画310bが不活性ガスで満たされ、その後、供給された不活性ガスが、これら区画ではなく加熱炉内100のみへ流れる状態が維持される。
次いで、通常の手段により本体部91を溶融線引きする。溶融線引きの進行と共に、光ファイバ母材9を矢印Fの方向へ順次下降させることで、縮小部位9bが第一のシール部材311の近傍に到達する。
この後、図9に示すように、縮小部位9bが第二のシール部材312を跨ぐ位置に到達してこれらの間に隙間が生じても、矢印G1及びG2で示すように、第一の区画310a及び第二の区画310bから加熱炉内100へ、主配管80から供給された不活性ガスが流れる。この時、第一の区画310a及び第二の区画310bを介して不活性ガスが加熱炉内100へ供給されるようになっても、第一の配管81から加熱炉内100へ供給される不活性ガスの流量が減少し、第一の配管81から加熱炉内100へ供給される不活性ガスの流量と、第二の配管82から第二の区画310bへ供給される不活性ガスの流量と、第三の配管83から第一の区画310aへ供給される不活性ガスの流量との総和は略一定なので、加熱炉内100へ流入するガスの総流量も略一定である。したがって、加熱炉内100で局所的にガスの流れが大きく変化することがない。
次いで、縮小部位9bは、第二のシール部材312の箇所を通過すると、全体が加熱炉内100に到達し、この状態では、シール装置31の開口部31Aは、光ファイバ母材9のダミー部90の外周面に密着している。したがって、加熱炉内100には外気が侵入しない。
縮小部位9b全体が加熱炉内100に到達したあとは、引き続き、必要に応じて光ファイバ母材9を下降させながら、公知の方法に従って、溶融線引きを行えば良い。
製造装置3において、第一の配管81〜第三の配管83の三本のうち、一本又はすべての配管が、他の配管と互いに接続されることなく別々に設けられている場合には、加熱炉内100へ供給される不活性ガスの流量と、第二の区画310bへ供給される不活性ガスの流量と、第一の区画310aへ供給される不活性ガスの流量との総和を略一定とするために、例えば、第一の配管81〜第三の配管83における不活性ガスの供給端を、ガス供給手段に接続すると共に、そのガス供給手段によるガスの供給量を、コンピュータ等で制御することで、ガスの流量の総和を一定にすれば良い。
製造装置3を使用する場合には、上記のように、溶融線引き時にシール装置31において、シール装置31外に対して開かれていない空間(閉空間)に不活性ガスを流し、光ファイバ母材を移動させることで、加熱炉内100への外気の侵入が抑制され、加熱炉内100で局所的にガスの流れが大きく変化することもない。
(第五の実施形態)
図10は、本発明の第五の実施形態に係る製造装置の要部を例示する概略構成図である。
ここに示す製造装置4は、図8に示す製造装置3において、シール装置内が三つの区画に区分され、そのうち、最上部の区画が、シール装置のその他の部位に対して着脱可能とされたものである。具体的には、以下の通りである。
製造装置4におけるシール装置41は、その内表面上に、第一のシール部材411、第二のシール部材412及び第三のシール部材413が突設されている。そして、シール装置41においては、その内部空間410(以下、シール装置内410と略記することがある)に光ファイバ母材9が挿通された状態で、本体部91の外周面に接触した状態のこれら三つのシール部材により、光ファイバ母材9の長手方向(軸方向)に沿ってシール装置内410が、第一の区画410a、第二の区画410b及び第三の区画410cの三つの区画に区分される。
第一のシール部材411〜第三のシール部材413は、製造装置3における第一のシール部材311及び第二のシール部材312と同様である。
最上部の区画である第一の区画410aは、独立してシール装置41のその他の部位に対して着脱可能とされている。
そして、第一の区画410aは、公知の駆動手段によって、光ファイバ母材の長手方向に沿って、図中の矢印Sの方向に移動可能とされている。
ここでは、第一の区画410aと残りの部位との分割箇所Wが、第二の区画410bに相当する部位にある例を示している。すなわち、第一の区画410aを固着してシール装置41を形成することで、初めて第二の区画410bが形成される。したがって、前記分割箇所Wにおいては、第一の区画410aの固着時に、気密性を維持することが好ましい。そのためには、例えば、耐熱性のパッキン等を使用して固着させたり、第一の区画410aと残りの部位とを嵌合させて固着させたりすれば良い。
シール装置41においては、加熱炉10に最も近い最下部の区画である第三の区画410cに、第二の配管82が接続されている。その他の配管は、製造装置3の場合と同様である。
次に、製造装置4を使用した場合の光ファイバ素線の製造方法について、図11を参照しながら説明する。
まず、製造装置3を使用する場合と同様に、主配管80の他端から略一定の流量で不活性ガスを加熱炉10及びシール装置31に供給する。
次いで、図11に示すように、加熱炉10から最も遠い最上部の区画である第一の区画410aを、シール装置41のその他の部位から離脱させておく。この状態で、第一の区画410aの上流側の開口部41Aを、光ファイバ母材9のダミー部90の外周面に密着させ、さらに、第一のシール部材411を光ファイバ母材9の本体部91に密着させて、縮小部位9bを第一の区画410aに配置してシールする。そして、第一の区画410aが離脱しているシール装置41の内部空間と、加熱炉内100に、光ファイバ母材9の本体部91の露出部位を挿通し、光ファイバ母材9を製造装置4にセットする。すると、第一の区画410a及び第三の区画410cが不活性ガスで満たされ、その後、供給された不活性ガスが、これら区画ではなく加熱炉内100のみへ流れる状態が維持される。
次いで、第一の区画410aを光ファイバ母材9と共に矢印Fの方向へ移動させつつ、通常の手段により本体部91を溶融線引きする。溶融線引きの進行と共に、光ファイバ母材9を矢印Fの方向へ順次下降させることで、第一の区画410aがシール装置41のその他の部位に到達する。この段階で、第一の区画410aが固着されて、シール装置41(第二の区画410b)が形成され、シール装置内410は外気からシールされる。
第一の区画410aの固着時には、第一のシール部材411及び第二のシール部材412間に不活性ガスを流すことが好ましい。このようにすることで、形成される第二の区画410bは、外気の侵入が抑制されて不活性ガスで満たされ、加熱炉内100への外気の侵入を抑制する一層優れた効果が得られる。
また、形成される第二の区画410bの容積が小さくなるように、第一のシール部材411及び第二のシール部材412間の距離を小さく設定することが好ましく、第一のシール部材411及び第二のシール部材412の対向する面の一部又は全部が、互いに接触するようにしても良い。このようにすることで、形成される第二の区画410bへの外気の侵入が一層抑制される。そして、この時も、第一のシール部材411及び第二のシール部材412間に不活性ガスを流すことが好ましい。
第一の区画410aが固着されることで、光ファイバ母材9がセットされた製造装置4は、図9に示す状態の製造装置3と同じとなる。したがって、ここから先は、製造装置3の場合と同様に、光ファイバ素線を製造すれば良い。
製造装置4は、第一の区画410aが着脱可能とされていることで、縮小部位9bのシールが、製造装置3の場合よりも容易となる。また、第一の区画410aの容積も小さくできるので、シール装置41を小型化できる。
ここまで、本発明について詳しく説明したが、例えば、本発明の製造装置は、本発明の効果を妨げない範囲内において、一部構成の削除、追加又は変更が可能であることは言うまでも無い。
本発明によれば、光ファイバ素線の製造工程において、加熱炉内への外気の侵入と、加熱炉内における局所的なガスの流れの大きな変動とを抑制できる。その結果、光ファイバ素線の外径変動を抑制できると共に、加熱炉内のカーボン製部材の劣化が抑制され、光ファイバ素線の強度低下を抑制できる。また、光ファイバ母材の大型化や線引き速度の高速化にも対応できる。
以下、具体的実施例により、本発明についてより詳細に説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に、何ら限定されるものではない。
[実施例1]
図1に示す製造装置1を使用して、光ファイバ素線を製造した。製造時の条件を表1に示す。具体的には、以下の通りである。
製造装置としては、シール装置が第一〜第三のシール部材を備え(シール部材を三つ備え)、隣り合うシール部材間の距離(Lb1、Lc1)がいずれも60mmであるものを使用した。また、三つのシール部材としてはいずれも、カーボンシートを三枚重ねた厚さ0.6mmのもので、カーボンシートにおける光ファイバ母材の挿通部となる孔の直径(D111等)が152mm、切れ込みがほぼ等間隔に72本設けられたものを使用した。第一及び第二の配管は、一本の主配管から分岐されたものとし、第一及び第二の配管において、内径及び長さは共に同じとした。
外径155mm、長さ1500mmの光ファイバ母材(本体部)の端部に、外径155mm、長さ800mmのダミー部材を火炎溶接して、ダミー部を設けた。その結果、得られた光ファイバ母材の本体部とダミー部との境界領域には、溶接時のバーナ火炎によって外径が本体部よりも小さく(154mm以下)なった縮小部位が生じ、その光ファイバ母材の長手方向における長さは50mmであった。
シール装置の第三の区画と加熱炉内とに不活性ガスとしてヘリウムを流し、この時の流量の総和を5L/分とした。そして、得られた光ファイバ母材を製造装置にセットし、加熱炉のヒータを昇温させ、線速1000m/分で溶融線引きを行った。加熱炉内の上部における酸素濃度、光ファイバ素線の品質、カーボン製部材の状態について、表1にあわせて示す。
[実施例2〜3、比較例1〜3]
製造時の条件を表1に示す通りとしたこと以外は、実施例1と同様に光ファイバ素線を製造した。加熱炉内の上部における酸素濃度、光ファイバ素線の品質、カーボン製部材の状態について、表1にあわせて示す。
実施例2は、隣り合うシール部材間の距離(Lb1、Lc1)がいずれも80mmであり、光ファイバ母材の縮小部位の長さが50mmであること以外は、実施例1と同様である。
実施例3は、シール装置が第一〜第四のシール部材を備え(シール部材を四つ備え)、隣り合うシール部材間の距離(Lb1、Lc1)がいずれも100mmであり、光ファイバ母材の縮小部位の長さが60mmであること以外は、実施例1と同様である。
比較例1は、隣り合うシール部材間の距離(Lb1、Lc1)がいずれも60mmであり、光ファイバ母材の縮小部位の長さが80mmであること以外は、実施例1と同様である。
比較例2は、シール装置が第一のシール部材のみを備え(シール部材を一つ備え)、不活性ガスの配管が第一の配管のみであること以外は、実施例1と同様である。
比較例3は、シール装置が第一及び第二のシール部材のみを備え(シール部材を二つ備え)、不活性ガスの配管が第一の配管のみであること以外は、実施例1と同様である。
Figure 2011230978
実施例1〜3ではいずれも、光ファイバ素線の製造過程において、加熱炉内の上部(開口部の近傍)における酸素濃度を測定した結果、50〜80ppmで安定しており、加熱炉内への外気の侵入が十分に抑制されていることを確認できた。また、溶融線引き中に光ファイバ素線の断線はなく、素線外径は125±0.1μmで安定し、変動幅が抑制されており、加熱炉内での局所的なガスの流れの変動がなかったことを確認できた。このように、良好な品質の光ファイバ素線を製造できた。さらに、加熱炉中のカーボン製部材の外観を目視で確認した結果、劣化はほとんど見られず、良好な状態であった。
このような結果が得られたのは、シール装置外に対して開かれていない空間(閉空間)に不活性ガスを流し、シール装置のすべての区画に、縮小部位が同時に跨らないように光ファイバ母材を移動させたことで、加熱炉内への外気の侵入が抑制されると共に、加熱炉内における局所的なガスの流れの変動が抑制されたためである。
これに対し、比較例1では、素線外径の変動幅が大きくなった。これは、隣り合うシール部材間の距離(Lb1)が60mmで、光ファイバ母材の縮小部位の長さ80mmよりも短く、光ファイバ母材の移動中に、シール装置のすべての区画に、縮小部位が同時に跨る時期があり、この時にシール装置の第三の区画が、シール装置外に対して開かれた空間(開空間)となり、加熱炉内の上部における不活性ガスの流量の変化が大きくなって、加熱炉内で局所的にガスの流れが大きく変化してしまったためである。
比較例2では、光ファイバ素線の断線があり、素線外径の変動幅も大きかった。また、加熱炉内の上部における酸素濃度が極めて高く、加熱炉中のカーボン製部材が劣化した。これは、シール装置内の区画が第一の区画のみなので、シール性が低く、加熱炉内に外気が侵入することで酸素濃度が大きくなると共に、局所的にガスの流れが大きく変化してしまったためである。
比較例3では、光ファイバ素線の断線はなかったが、素線外径の変動幅が局所的に大きくなった。また、加熱炉内の上部における酸素濃度が一時的に高くなり、加熱炉中のカーボン製部材が劣化した。ただし、その程度は、実施例1〜3の場合よりも大きかったが、比較例1の場合よりも小さく、中程度であった。これは、シール装置において、比較例1の場合のように極端にシール性は悪化しなかったものの、シール部材間に混入した外気が、加熱炉内の上部に一時的に侵入して、一時的に酸素濃度が大きくなると共に、局所的にガスの流れが大きく変化してしまったためである。
[実施例4]
図5に示す製造装置2を使用して、光ファイバ素線を製造した。製造時の条件を表2に示す。具体的には、以下の通りである。
製造装置としては、シール装置が第一〜第三のシール部材を備え(シール部材を三つ備え)、シール装置の上部開口部から第一のシール部材までの距離(La1)と、隣り合うシール部材間の距離(Lb1、Lc1)(表2中では、「シール部材間等の距離」と示している)とがいずれも60mmであるものを使用した。また、三つのシール部材としてはいずれも、カーボンシートを三枚重ねた厚さ0.6mmのもので、カーボンシートにおける光ファイバ母材の挿通部となる孔の直径(D111等)が152mm、切れ込みがほぼ等間隔に72本設けられたものを使用した。第一及び第二の配管は、一本の主配管から分岐されたものとし、第一及び第二の配管において、内径は同じとし、第二の配管の長さを第一の配管の長さの2倍とした。
外径155mm、長さ1500mmの光ファイバ母材(本体部)で、端部の外径が50mmとなるように端部の近傍から外径が漸次縮小するテーパ状とされたものを使用し、その端部に、外径50mm、長さ800mmのダミー部材を火炎溶接して、ダミー部を設けた。前記テーパ部は、境界領域に該当する。
次いで、このテーパ部の一部に、長さ130mmのアダプターを装着したところ、アダプターと露出されたテーパ部との段差が生じた部位である縮小部位の、光ファイバ母材の長手方向における長さは30mmであった。
シール装置の第三の区画と加熱炉内とに不活性ガスとしてヘリウムを流し、この時の流量の総和を5L/分とした。そして、アダプターを装着した光ファイバ母材を製造装置にセットし、加熱炉のヒータを昇温させ、光ファイバ母材をアダプターと共に下降させ、その後さらに、光ファイバ母材のみを下降させて、線速1200m/分で溶融線引きを行った。加熱炉内の上部における酸素濃度、光ファイバ素線の品質、カーボン製部材の状態について、表2にあわせて示す。
[実施例5、比較例4〜6]
製造時の条件を表2に示す通りとしたこと以外は、実施例4と同様に光ファイバ素線を製造した。加熱炉内の上部における酸素濃度、光ファイバ素線の品質、カーボン製部材の状態について、表2にあわせて示す。
実施例5は、シール装置の上部開口部から第一のシール部材までの距離(La1)と、隣り合うシール部材間の距離(Lb1、Lc1)とがいずれも50mmであり、光ファイバ母材の縮小部位の長さが40mmであること以外は、実施例4と同様である。
比較例4は、シール装置の上部開口部から第一のシール部材までの距離(La1)と、隣り合うシール部材間の距離(Lb1、Lc1)とがいずれも30mmであり、光ファイバ母材の縮小部位の長さが40mmであり、アダプターの長さが130mmであること以外は、実施例4と同様である。
比較例5は、シール装置の上部開口部から第一のシール部材までの距離(La1)と、隣り合うシール部材間の距離(Lb1、Lc1)とがいずれも60mmであり、光ファイバ母材の縮小部位の長さが30mmであり、アダプターの長さが70mmであること以外は、実施例4と同様である。
比較例6は、シール装置が第一及び第二のシール部材のみを備え(シール部材を二つ備え)、不活性ガスの配管が第一の配管のみであり、アダプターの長さが70mmであること以外は、実施例4と同様である。
Figure 2011230978
実施例4〜5ではいずれも、光ファイバ素線の製造過程において、加熱炉内の上部(開口部の近傍)における酸素濃度を測定した結果、50〜80ppmで安定しており、加熱炉内への外気の侵入が十分に抑制されていることを確認できた。また、溶融線引き中に光ファイバ素線の断線はなく、素線外径は125±0.1μmで安定し、変動幅が抑制されており、加熱炉内での局所的なガスの流れの変動がなかったことを確認できた。このように、良好な品質の光ファイバ素線を製造できた。さらに、加熱炉中のカーボン製部材の外観を目視で確認した結果、劣化はほとんど見られず、良好な状態であった。
このような結果が得られたのは、シール装置外に対して開かれていない空間(閉空間)に不活性ガスを流すと共に、アダプターの鍔部でシール装置の上部開口部を閉塞した時に、縮小部位が、第三の区画から第二の区画に同時に跨らないようにしたことで、加熱炉内への外気の侵入が抑制されると共に、加熱炉内における局所的なガスの流れの変動が抑制されたためである。シール装置の上部開口部から第一のシール部材までの距離(La1)、隣り合うシール部材間の距離(Lb1)及び第一のシール部材の厚さの和よりも、アダプターの長さの値が大きいので、図6(b)に示すように、アダプターの鍔部がシール装置に当接した段階で、縮小部位は第三の区画に到達している。
これに対し、比較例4では、素線外径の変動幅が大きくなった。これは、隣り合うシール部材間の距離(Lb1)が30mmで、光ファイバ母材の縮小部位の長さ40mmよりも短いためである。すなわち、アダプターの鍔部がシール装置の上部開口部に当接してこれを閉塞する前に、シール装置のすべての区画に、縮小部位が同時に跨る時期があり、この時にシール装置の第三の区画が、シール装置外に対して開かれた空間(開空間)となり、加熱炉内の上部における不活性ガスの流量の変化が大きくなって、加熱炉内で局所的にガスの流れが大きく変化してしまったためである。
比較例5では、素線外径の変動幅が大きく、加熱炉内の上部における酸素濃度がやや高く、加熱炉中のカーボン製部材が劣化した。ただし、その劣化は中程度であった。これは、アダプターの長さが短いためである。すなわち、アダプターの鍔部がシール装置の上部開口部に当接してこれを閉塞した段階で、アダプターの装着部の開口端が第二の区画に存在するので、光ファイバ母材のみがさらに下降した段階で、縮小部位が拡大して、第二の区画、第三の区画及び加熱炉内に同時に跨る時期があり、この時に第二の区画に侵入していた外気が、加熱炉内の上部に一時的に侵入して、一時的に酸素濃度が大きくなると共に、局所的にガスの流れが大きく変化してしまったためである。
比較例6では、素線外径の変動幅が大きく、加熱炉内の上部における酸素濃度が比較例5よりもさらに高く、加熱炉中のカーボン製部材が劣化した。ただし、その劣化は中程度であった。これは、比較例5と同様にアダプターの長さが短く、不活性ガスの配管が第一の配管のみであっても比較例5と同様に、外気が加熱炉内の上部に一時的に侵入して、一時的に酸素濃度が大きくなると共に、局所的にガスの流れが大きく変化してしまったためである。
[実施例6]
図10に示す製造装置4を使用して、光ファイバ素線を製造した。製造時の条件を表3に示す。具体的には、以下の通りである。
製造装置としては、第一の区画がシール装置のその他の部位から着脱可能であるものを使用した。さらに、シール装置が第一〜第三のシール部材を備え(シール部材を三つ備え)、第二及び第三のシール部材間の距離(Lb1)が60mmであるものを使用した。また、三つのシール部材としてはいずれも、カーボンシートを三枚重ねた厚さ0.6mmのもので、カーボンシートにおける光ファイバ母材の挿通部となる孔の直径(D111等)が152mm、切れ込みがほぼ等間隔に72本設けられたものを使用した。第一〜第三の配管は、一本の主配管から分岐されたものとし、第一〜第三の配管において、内径は同じとし、第二及び第三の配管の長さを第一の配管の長さの0.5倍とした。
外径155mm、長さ1500mmの光ファイバ母材(本体部)で、端部の外径が50mmとなるように端部の近傍から外径が漸次縮小するテーパ状とされたものを使用し、その端部に、外径50mm、長さ800mmのダミー部材を火炎溶接して、ダミー部を設けた。
シール装置の第一及び第三の区画、並びに加熱炉内に不活性ガスとしてヘリウムを流し、この時の流量の総和を5L/分とした。そして、第一の区画をシール装置のその他の部位から離脱させておき、この状態で第一の区画の上流側の開口部を、ダミー部の外周面に密着させ、第一のシール部材を本体部に密着させて、縮小部位を第一の区画に配置してシールした。そして、シール装置内と加熱炉内に、光ファイバ母材の本体部の露出部位を挿通し、光ファイバ母材を製造装置にセットした。
次いで、加熱炉のヒータを昇温させ、第一の区画を光ファイバ母材と共に下降させ、第一の区画がシール装置のその他の部位に固着後、さらに、光ファイバ母材のみを下降させて、線速1500m/分で溶融線引きを行った。加熱炉内の上部における酸素濃度、光ファイバ素線の品質、カーボン製部材の状態について、表3にあわせて示す。
[比較例7]
製造時の条件を表3に示す通りとしたこと以外は、実施例6と同様に光ファイバ素線を製造した。具体的には、比較例7は、第一のシール部材及び第三の配管がないこと以外は実施例6と同様である。加熱炉内の上部における酸素濃度、光ファイバ素線の品質、カーボン製部材の状態について、表3にあわせて示す。
Figure 2011230978
実施例6では、光ファイバ素線の製造過程において、加熱炉内の上部(開口部の近傍)における酸素濃度を測定した結果、50〜80ppmで安定しており、加熱炉内への外気の侵入が十分に抑制されていることを確認できた。また、溶融線引き中に光ファイバ素線の断線はなく、素線外径は125±0.1μmで安定し、変動幅が抑制されており、加熱炉内での局所的なガスの流れの変動がなかったことを確認できた。このように、良好な品質の光ファイバ素線を製造できた。さらに、加熱炉中のカーボン製部材の外観を目視で確認した結果、劣化はほとんど見られず、良好な状態であった。
このような結果が得られたのは、シール装置外に対して開かれていない空間(閉空間)に不活性ガスを流し、光ファイバ母材を移動させたことで、加熱炉内への外気の侵入が抑制されると共に、加熱炉内における局所的なガスの流れの変動が抑制されたためである。
これに対し、比較例7では、素線外径の変動幅が大きくなった。これは、第一の区画がシール装置のその他の部位に固着後、さらに、光ファイバ母材のみを下降させた時に、第一の区画から加熱炉内までが連通し、第一の区画に侵入していた外気が、加熱炉内の上部に一時的に侵入して、一時的に酸素濃度が大きくなると共に、局所的にガスの流れが大きく変化してしまったためである。
本発明は、光ファイバを備えた光部品全般の製造において利用可能である。
1,2,3,4・・・製造装置、10・・・加熱炉、10a・・・加熱炉の上流側の開口部、100・・・加熱炉内、11,31,41・・・シール装置、11A,31A,41A・・・シール装置の上部開口部、110,310,410・・・シール装置内、110a,310a,410a・・・第一の区画、110b,310b,410b・・・第二の区画、110c,410c・・・第三の区画、111,311,411・・・第一のシール部材、112,312,412・・・第二のシール部材、113,413・・・第三のシール部材、20,20’・・・アダプター、201a,201a’・・・アダプターの開口部、201,201’・・・アダプターの鍔部、202・・・アダプターの装着部、202a・・・アダプターの装着部の開口端、80・・・主配管、81・・・第一の配管、82・・・第二の配管、83・・・第三の配管、9・・・光ファイバ母材、9a・・・境界領域、9b・・・縮小部位、90・・・本体部、91・・・ダミー部、Y9b・・・縮小部位の長さ、D91・・・本体部の外径、Lb1・・・第一のシール部材及び第二のシール部材間の距離、Lc1・・・第二のシール部材112及び第三のシール部材113間の距離

Claims (12)

  1. 不活性ガスでシールされた加熱炉内で、端部にダミー部を有する光ファイバ母材を、その長手方向に移動させつつ溶融線引きして、光ファイバ素線とするための光ファイバ素線の製造装置であって、
    前記加熱炉の上流側の開口部上には、光ファイバ母材が挿通された状態で該加熱炉内への外気の侵入を抑制するためのシール機構が設けられ、
    該シール機構は、光ファイバ母材の外周面に接触しつつ、その内部空間を光ファイバ母材の長手方向に沿って三つ以上の区画に区分するための三つ以上のシール部材を備え、
    前記加熱炉には、その内部にガスを導入するための第一の配管が接続され、前記区画のうち、前記加熱炉に最も近い最下部区画には、ガスを導入するための第二の配管が接続されており、前記第一の配管から前記加熱炉内へ供給されるガスの流量と、前記第二の配管から前記最下部区画へ供給されるガスの流量との総和を略一定に制御するガス流量制御手段を備えたことを特徴とする光ファイバ素線の製造装置。
  2. 前記光ファイバ母材のダミー部のうち、前記光ファイバ母材の本体よりも外径が縮小し、且つその縮小幅が変動する縮小部位にかかるように装着される、略筒状のアダプターをさらに備え、該アダプターは、前記ダミー部の外周面に密着する上流側の開口部と、前記縮小部位に密着する下流側の開口部とを有し、前記縮小部位の少なくとも一部をシールすると共に、装着部位を前記光ファイバ母材と略同等の外径とすることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ素線の製造装置。
  3. 前記第一及び第二の配管が、一本の主配管から分岐されて構成され、前記ガス流量制御手段が、前記主配管にガスを供給するガス供給源を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の光ファイバ素線の製造装置。
  4. 不活性ガスでシールされた加熱炉内で、端部にダミー部を有する光ファイバ母材を、その長手方向に移動させつつ溶融線引きして、光ファイバ素線とするための光ファイバ素線の製造装置であって、
    前記加熱炉の上流側の開口部上には、光ファイバ母材が挿通された状態で該加熱炉内への外気の侵入を抑制するためのシール機構が設けられ、
    該シール機構は、光ファイバ母材の外周面に接触しつつ、その内部空間を光ファイバ母材の長手方向に沿って二つ以上の区画に区分するための二つ以上のシール部材を備え、
    前記区画のうち、前記加熱炉から最も遠い最上部区画は、前記ダミー部の外周面に密着する上流側の開口部を有しており、前記ダミー部のうち、前記光ファイバ母材の本体よりも外径が縮小し、且つその縮小幅が変動する縮小部位を、光ファイバ母材挿通時にシールするものであり、
    前記加熱炉には、その内部にガスを導入するための第一の配管が接続され、前記区画のうち、前記加熱炉に最も近い最下部区画には、ガスを導入するための第二の配管が接続され、前記最上部区画には、ガスを導入するための第三の配管が接続されており、前記第一の配管から前記加熱炉内へ供給されるガスの流量と、前記第二の配管から前記最下部区画へ供給されるガスの流量と、前記第三の配管から前記最上部区画へ供給されるガスの流量との総和を略一定に制御するガス流量制御手段を備えたことを特徴とする光ファイバ素線の製造装置。
  5. 前記シール機構が、その内部空間を三つ以上の区画に区分するための三つ以上のシール部材を備え、
    前記最上部区画が、独立して前記シール機構のその他の部位に対して着脱可能とされると共に、駆動手段によって光ファイバ母材の長手方向に沿って移動可能とされたことを特徴とする請求項4に記載の光ファイバ素線の製造装置。
  6. 前記第一、第二及び第三の配管が、一本の主配管から分岐されて構成され、前記ガス流量制御手段が、前記主配管にガスを供給するガス供給源を備えたことを特徴とする請求項4又は5に記載の光ファイバ素線の製造装置。
  7. 不活性ガスでシールされた加熱炉内で、端部にダミー部を有する光ファイバ母材を、その長手方向に移動させつつ溶融線引きして光ファイバ素線とする光ファイバ素線の製造方法であって、
    前記光ファイバ母材は、本体よりも外径が縮小し、且つその縮小幅が変動する縮小部位をダミー部に有し、
    前記加熱炉の上流側の開口部上には、光ファイバ母材が挿通された状態で該加熱炉内への外気の侵入を抑制するためのシール機構を設け、
    該シール機構は、光ファイバ母材の外周面に接触しつつ、その内部空間を光ファイバ母材の長手方向に沿って三つ以上の区画に区分するための三つ以上のシール部材を備え、
    前記加熱炉の内部と、前記区画のうち、前記加熱炉に最も近い最下部区画とに不活性ガスを供給すると共に、これら不活性ガスの流量の総和を略一定に制御し、
    前記区画のうち、前記加熱炉から最も遠い最上部区画から前記最下部区画までのすべての区画に、前記縮小部位が同時に跨らないようにして、前記光ファイバ母材を移動させることを特徴とする光ファイバ素線の製造方法。
  8. 前記ダミー部の外周面に密着する上流側の開口部と、前記縮小部位に密着する下流側の開口部とを有する略筒状のアダプターを、前記縮小部位にかかるように光ファイバ母材に装着して、前記縮小部位の少なくとも一部をシールすると共に、装着部位を前記光ファイバ母材と略同等の外径とし、
    前記縮小部位のうち前記アダプターの非装着部位が、前記最上部区画から前記最下部区画までのすべての区画に、同時に跨らないようにして、前記光ファイバ母材を移動させることを特徴とする請求項7に記載の光ファイバ素線の製造方法。
  9. 前記アダプターが、その一端に鍔部を有し、該鍔部に前記上流側の開口部が設けられており、該鍔部は、前記アダプターに光ファイバ母材が挿通された状態で、前記シール機構の上部開口部を覆って閉塞するものであり、
    前記アダプターを装着した光ファイバ母材を移動させ、前記シール機構の上部開口部を閉塞した時に、前記縮小部位のうち前記アダプターの非装着部位が、前記最下部区画からその直上の区画に同時に跨らないようにして、さらに前記光ファイバ母材を移動させることを特徴とする請求項8に記載の光ファイバ素線の製造方法。
  10. 前記光ファイバ母材の長手方向における前記縮小部位の長さよりも、隣り合う前記シール部材間の距離を長く設定することを特徴とする請求項7〜9のいずれか一項に記載の光ファイバ素線の製造方法。
  11. 不活性ガスでシールされた加熱炉内で、端部にダミー部を有する光ファイバ母材を、その長手方向に移動させつつ溶融線引きして光ファイバ素線とする光ファイバ素線の製造方法であって、
    前記光ファイバ母材は、本体よりも外径が縮小し、且つその縮小幅が変動する縮小部位をダミー部に有し、
    前記加熱炉の上流側の開口部上に、光ファイバ母材が挿通された状態で該加熱炉内への外気の侵入を抑制するためのシール機構を設け、
    該シール機構は、光ファイバ母材の外周面に接触しつつ、その内部空間を光ファイバ母材の長手方向に沿って二つ以上の区画に区分するための二つ以上のシール部材を備え、
    前記区画のうち、前記加熱炉から最も遠い最上部区画は、前記ダミー部の外周面に密着する上流側の開口部を有し、光ファイバ母材挿通時に前記縮小部位をシールするものであり、
    前記加熱炉の内部と、前記区画のうち、前記加熱炉に最も近い最下部区画と、前記最上部区画とに不活性ガスを供給すると共に、これら不活性ガスの流量の総和を略一定に制御しながら、前記光ファイバ母材を移動させることを特徴とする光ファイバ素線の製造方法。
  12. 前記シール機構は、その内部空間を三つ以上の区画に区分するための三つ以上のシール部材を備え、
    前記最上部区画は、独立して前記シール機構のその他の部位に対して着脱可能とされると共に、駆動手段によって光ファイバ母材の長手方向に沿って移動可能とされており、
    線引き時においては、前記最上部区画が前記シール機構のその他の部位から離脱した状態で、前記縮小部位を前記最上部区画に、前記光ファイバ母材の本体を前記加熱炉内にそれぞれ配置し、次いで前記最上部区画を前記光ファイバ母材と共に移動させ、前記シール機構のその他の部位に固着させた後、さらに前記光ファイバ母材を移動させることを特徴とする請求項11に記載の光ファイバ素線の製造方法。
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