JP2016028989A - 光ファイバの製造方法及び製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】線引炉上部にチャンバをもつ装置で光ファイバを線引きする際、線引き進行によって生じる線引炉内のガス流の乱れを小さくし光ファイバの外径変動を小さく抑える。【解決手段】線引炉のシール機構として、上部チャンバ20の内部でガラス母材11の直胴部11aをシールするための第1シール部26と、ダミー棒13を挿通させた状態で上部チャンバ20の上端20aを塞いでシールするための第2シール部24と、上部チャンバ20の内部における第2シール部24と第1シール部26との間に配設された仕切り板27と、を備える。線引き開始時には第1シール部26で直胴部11aをシールし、ガラス母材11の下降に伴い少なくとも縮径部11bが第1シール部26を通過し始める以降には、第2シール部24で上部チャンバ20の上端20aをシールし、仕切り板27により上部チャンバ20内の空間を仕切りながら線引きを行う。【選択図】図1C

Description

本発明は、上端にダミー棒を連結したガラス母材を用い、光ファイバの線引きを行う光ファイバの製造方法及び製造装置に関する。
光ファイバ用線引炉(以下、線引炉という)による光ファイバの線引きは、例えば石英を主成分とするガラス母材をヒータなどで加熱溶融して行われる。このときの線引炉内の温度は、約2000℃と非常に高温となるので、線引炉内の部品には、耐熱性に優れたカーボンが用いられている。このカーボンは、高温の酸素含有雰囲気中で酸化して消耗する性質を有する。このため、線引炉内は、アルゴンガスやヘリウムガス等の希ガス又は窒素ガス(以下、不活性ガス等という)の雰囲気に保つ必要がある。
通常、ガラス母材は、小径のシード棒にガラス微粒子を堆積させたものをガラス化しているため、直胴部(本体部ともいう)の上端の、シード棒との境界部がテーパ状に縮径されている。
このように、ガラス母材はその径が大きく変化している縮径部が存在するため、この縮径部が線引炉の上端を通過する際に、この縮径部をシールするのが非常に難しくなる。また、径が大きく変化すると、線引炉内空間の容積が線引きの進行に連れて変化し、線引炉内のガスの流れが変わるため、光ファイバの外径変動が大きくなる場合がある。
光ファイバの外径変動への影響を抑制する技術として、特許文献1には、シール部材として、ガラス母材の直胴部より若干小さい内径をもつリング状のスリット付きカーボンシートを備えた光ファイバ製造装置が開示されている。しかし、特許文献1に記載の技術では、シールしきれず、直接、炉外空気を線引炉内に巻き込んでしまう可能性がある。
特許文献2には、線引炉内の上部空間を仕切り板で仕切りながら線引きする技術が開示されている。また、特許文献3には、線引炉において炉心管に連通した内筒管を設け、内筒管内の空間を多段のリング状の仕切り板により一定間隔に仕切り、ガラス母材の上部空間の容積が大きくならないようにすることにより、光ファイバの外径変動を抑える技術が開示されている。しかし、特許文献2,3に記載の技術では、特に内筒管内のガスとしてアルゴンや窒素などの熱伝導率の低いガスを用いた場合、内筒管内でガス流が乱れ、光ファイバの外径変動が大きくなってしまう可能性がある。
また、特許文献4には、ガラス母材と線引炉の挿通口との空隙をシールするための2重のシール体を有するシール部と、ガラス母材の縮径部に被せるためのキャップ状シール部と、を備えた光ファイバ製造装置が開示されている。
特許文献5には、ガラス母材の直胴部より若干小さい内径をもつリング状のスリット付きカーボンシートを3つ以上有するシール部を備えた光ファイバ製造装置が開示されている。また、特許文献5には、特許文献4に開示されたようなキャップ構造のシール部についても開示されている。
特許文献4,5に記載の技術では、キャップ状シール部の存在により縮径部をシールすることも可能である。しかしながら、キャップ状シール部でのシール後、さらに線引きが進行すると、そのキャップ部分の内側が線引炉内と繋がり、線引炉内空間が拡がってしまう。その結果、このような技術においても、線引炉内空間で生じたガス流の乱れにより、光ファイバの外径が変動してしまう。
特開2010−132505号公報 特開平5−147969号公報 特開平11−343137号公報 特開2009−62265号公報 特開2011−230978号公報
本発明は、上述のような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、線引炉の上部にチャンバを備えた装置で光ファイバの線引きを行うに際し、ガラス母材の線引き進行によって生じる線引炉内のガス流の乱れを小さくし、光ファイバの外径変動を小さく抑えることにある。
本発明による光ファイバの製造方法は、上端にダミー棒が連結され且つ上部に縮径部が存在するガラス母材と線引炉の上端開口部との間の隙間を、シール機構によりシールしながら、上記線引炉の内部及び上記上端開口部に連結された上部チャンバの内部に上記ガラス母材を吊り下げ降下させ、光ファイバの線引きを行う光ファイバの製造方法であって、上記シール機構は、上記上部チャンバの内部で上記ガラス母材の直胴部をシールするための第1シール部と、上記ダミー棒を挿通させた状態で上記上部チャンバの上端を塞いでシールするための第2シール部と、上記上部チャンバの内部における上記第2シール部と上記第1シール部との間に配設された仕切り板と、を有し、線引き開始時には、上記第1シール部により上記直胴部をシールし、上記ガラス母材の下降に伴い少なくとも上記縮径部が上記第1シール部を通過し始める以降には、上記第2シール部で上記上部チャンバの上端をシールし、上記仕切り板により上記上部チャンバ内の空間を仕切りながら上記線引きを行うものである。
本発明による光ファイバの製造装置は、線引炉と、上記線引炉の上端開口部に連結された上部チャンバと、上端にダミー棒が連結され且つ上部に縮径部が存在するガラス母材と上記上端開口部との間の隙間をシールするシール機構と、を備え、上記シール機構により上記隙間をシールしながら、上記線引炉の内部及び上記上部チャンバの内部に上記ガラス母材を吊り下げ降下させ、光ファイバの線引きを行う光ファイバの製造装置であって、上記シール機構は、上記上部チャンバの内部で上記ガラス母材の直胴部をシールするための第1シール部と、上記ダミー棒を挿通させた状態で上記上部チャンバの上端を塞いでシールするための第2シール部と、上記上部チャンバの内部における上記第2シール部と上記第1シール部との間に配設された仕切り板と、を有し、線引き開始時には、上記第1シール部により上記直胴部をシールし、上記ガラス母材の下降に伴い少なくとも上記縮径部が上記第1シール部を通過し始める以降には、上記第2シール部で上記上部チャンバの上端をシールし、上記仕切り板により上記上部チャンバ内の空間を仕切るものである。
本発明によれば、線引炉の上部にチャンバを備えた装置で光ファイバの線引きを行うに際し、ガラス母材の線引き進行によって生じる線引炉内のガス流の乱れを小さくし、光ファイバの外径変動を小さく抑えることができる。
本発明の実施形態に係る光ファイバ製造装置の一構成例を示す図で、定常時の線引き状態を示す図である。 本発明の実施形態に係る光ファイバ製造装置の一構成例を示す図で、図1Aの状態から線引きが進みガラス母材が降下した状態を示す図である。 本発明の実施形態に係る光ファイバ製造装置の一構成例を示す図で、図1Bの状態からさらに線引きが進みガラス母材が降下した状態を示す図である。 図1A〜図1Cの光ファイバ製造装置で用いる仕切り板の一例を示す図である。 従来の光ファイバ製造装置において、線引きが進んだ状態を示す図である。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本願発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明による光ファイバの製造方法は、上端にダミー棒が連結され且つ上部に縮径部が存在するガラス母材と線引炉の上端開口部との間の隙間を、シール機構によりシールしながら、上記線引炉の内部及び上記上端開口部に連結された上部チャンバの内部に上記ガラス母材を吊り下げ降下させ、光ファイバの線引きを行う光ファイバの製造方法であって、上記シール機構は、上記上部チャンバの内部で上記ガラス母材の直胴部をシールするための第1シール部と、上記ダミー棒を挿通させた状態で上記上部チャンバの上端を塞いでシールするための第2シール部と、上記上部チャンバの内部における上記第2シール部と上記第1シール部との間に配設された仕切り板と、を有し、線引き開始時には、上記第1シール部により上記直胴部をシールし、上記ガラス母材の下降に伴い少なくとも上記縮径部が上記第1シール部を通過し始める以降には、上記第2シール部で上記上部チャンバの上端をシールし、上記仕切り板により上記上部チャンバ内の空間を仕切りながら上記線引きを行うものである。これにより、線引炉の上部にチャンバを備えた装置で光ファイバの線引きを行うに際し、ガラス母材の線引き進行によって生じる線引炉内のガス流の乱れを小さくし、光ファイバの外径変動を小さく抑えることができる。
(2)上記第1シール部と前記仕切り板との間の距離は、前記縮径部におけるテーパ部の高さと略同じであるようにしたものである。これにより、第1シール部のシール機能が無くなった時に、線引炉内と通じた線引炉内空間が拡大するのを最小限に抑えつつ、線引炉内空間を仕切ることができるため、さらに線引炉内のガス流の乱れを小さくし、光ファイバの外径変動をさらに小さく抑えることができる。
(3)上記仕切り板は、中央部に孔が空いた同心円状の板であり、内周側にスリットが切り込まれ、撓むことにより上記直胴部及び上記テーパ部を通過させることが好ましい。スリットにより直胴部、テーパ部を通過させることができ、第1シール部がテーパ部を通過しても、仕切り板としての機能を果たすことができるので、光ファイバの外径変動を小さく抑える効果を、簡易な構成の仕切り板で実現することができる。
(4)上記仕切り板の上記中央部の上記孔は、上記ダミー棒の外径と略同じ径をもつようにする。これにより、仕切り板がテーパ部を通過した後も、線引炉内空間を仕切ることができるので、光ファイバの外径変動をより小さく抑えることができる。
(5)上記仕切り板はカーボン製であることが好ましい。これにより、仕切り板がガラス母材を傷つけることは無い。
(6)本発明による光ファイバの製造装置は、線引炉と、上記線引炉の上端開口部に連結された上部チャンバと、上端にダミー棒が連結され且つ上部に縮径部が存在するガラス母材と上記上端開口部との間の隙間をシールするシール機構と、を備え、上記シール機構により上記隙間をシールしながら、上記線引炉の内部及び上記上部チャンバの内部に上記ガラス母材を吊り下げ降下させ、光ファイバの線引きを行う光ファイバの製造装置であって、上記シール機構は、上記上部チャンバの内部で上記ガラス母材の直胴部をシールするための第1シール部と、上記ダミー棒を挿通させた状態で上記上部チャンバの上端を塞いでシールするための第2シール部と、上記上部チャンバの内部における上記第2シール部と上記第1シール部との間に配設された仕切り板と、を有し、線引き開始時には、上記第1シール部により上記直胴部をシールし、上記ガラス母材の下降に伴い少なくとも上記縮径部が上記第1シール部を通過し始める以降には、上記第2シール部で上記上部チャンバの上端をシールし、上記仕切り板により上記上部チャンバ内の空間を仕切るものである。これにより、線引炉の上部にチャンバを備えた装置で光ファイバの線引きを行うに際し、ガラス母材の線引き進行によって生じる線引炉内のガス流の乱れを小さくし、光ファイバの外径変動を小さく抑えることができる。
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態に係る光ファイバの製造方法及び製造装置の具体例を、以下に図1A〜図1C及び図2を参照しつつ説明する。なお、以下では、線引炉として、加熱源(ヒータ)により炉心管を加熱する抵抗炉を挙げて説明するが、コイルに高周波電源を印加し、炉心管を誘導加熱する誘導炉も適用可能である。
図1A〜図1Cは、本発明の実施形態に係る光ファイバ製造装置の一構成例を示す図である。ここで、図1Aは定常時の線引き状態を示し、図1Bは図1Aの状態から線引きが進みガラス母材が降下した状態を示し、図1Cは図1Bの状態からさらに線引きが進みガラス母材が降下した状態を示している。また、図2は、図1A〜図1Cの光ファイバ製造装置で用いる仕切り板の一例を示す図である。
本実施形態に係る光ファイバ製造装置1は、炉心管15、ヒータ16、断熱材17、及び炉筐体18を有する線引炉(光ファイバ用の線引炉)10を備えると共に、線引炉10の下端開口部に連結された下部チャンバ19と、線引炉10の上端開口部に連結された上部チャンバ20と、を備える。
そして、光ファイバ製造装置1は、線引炉10内でガラス母材(光ファイバ用のガラス母材)11を加熱溶融して光ファイバ12の線引を行う。以下、この光ファイバ製造装置1の構成について、並びに光ファイバ製造装置1を用いた光ファイバ製造方法について、具体的に説明する。
ガラス母材11には、直胴部11aの上端部分にテーパ部(高さHで示す部分)を持つ縮径部11bが存在しており、縮径部11bの上端にある連結部分14において、ガラス母材11と同種のガラスロッドからなるダミー棒13が連結されている。直胴部11aの直径が100mmとすると、テーパ部の上端(つまり縮径終了端)では例えば直径50mm程度まで縮径され、この部分で大きく縮径している。なお、連結部分14では、溶着、若しくは図示しない連結部材を介した接続により連結しておけばよい。
そして、ガラス母材11は、このダミー棒13の上方に接続された移動機構(図示せず)により、ダミー棒13を介して上側から吊り下げて支持されると共に線引き方向(上下方向)に移動可能となっている。この移動機構により、線引きが終了すると新たなガラス母材に入れ換えることが可能となっている。
炉心管15は、炉筐体18の中央部に円筒状で形成されており、下部チャンバ19及び上部チャンバ20と連通している。炉心管15はカーボン製で、その内部には、上部チャンバ20側からガラス母材11が挿入される。
ヒータ16は、炉筐体18内において炉心管15を囲むように配された筒状の加熱源であり、断熱材17はヒータ16の外側を覆うように収納される。ヒータ16は、炉心管15の内部に挿入されたガラス母材11を加熱溶融し、溶融縮径した光ファイバ12を下部チャンバ19から垂下させる。
上部チャンバ20は、線引炉10の上端開口部に連結され、ガラス母材11を収納するチャンバであり、例えば炉心管15と同程度の内径を有する円筒型のチャンバである。また、光ファイバ製造装置1は、線引炉10の上端開口部とその上端開口部から挿入されたガラス母材11との間の隙間をシールするシール機構を備える。
上記シール機構は、上部チャンバ20の内部でガラス母材11の直胴部11a(基本的にほぼ最大径の部位となる)をシールするための第1シール部26を有する。第1シール部26は、例えば中央部に孔が空いた同心円状の部材であり、この孔の径は直胴部11aと略同一か、若干小さくなっている。この部材としては、例えばカーボンシートやカーボンフェルトを複数枚積層したものなどが適用できる。但し、第1シール部26の形状はこの例に限ったものではなく、直胴部11aの部分でのシールが可能な形状であればよい。
また、上記シール機構は、ダミー棒13を挿通させた状態で上部チャンバ20の上端(上端開口部)20aを塞いでシールするための第2シール部24を有する。図1Aでは、第2シール部24の一例として、ダミー棒13の長手方向に垂直に設けた蓋体を挙げている。また、ダミー棒13には、例えば第2シール部24が上端開口部20aで係止するまでダミー棒13と共に降下するように、第2シール部24を載置する部材25が設けられている。なお、第2シール部24は、例示したような形状に限らず、ダミー棒13を挿通させた状態で、上端開口部20aを塞ぐことが可能な形状を有していればよい。なお、上部チャンバ20の高さにもよるが、部材25の位置を連結部分14に合わせ、部材25によりダミー棒13とガラス母材11を連結するようにしてもよい。
さらに、上記シール機構は仕切り板27を有する。この仕切り板27は、上部チャンバ20の内部における第2シール部24と第1シール部26との間に配設され、上部チャンバ20内の空間を仕切るための板である。仕切り板27は、線引き開始時には直胴部11aの箇所に位置しているが、ガラス母材11の下降に伴い縮径部11bの箇所、ダミー棒13の箇所に位置するようになり、線引き中、線引炉内空間を仕切る。
このような一連の仕切りを可能にするため、仕切り板27は、ガラス母材11を挿通させるための孔の径が可変になっているものとする。例えば、図2で例示するように、仕切り板27は、中央部に孔27aが空いた同心円状の板であり、内周側にスリット27bが切り込まれ、十分に撓むことにより直胴部11a及び縮径部11bのテーパ部を通過させることができるものとする。ここで、撓む方向は、ガラス母材11の挿入時を考慮すると、下側に向かって撓むことになる。但し、挿入時に上側に撓ませた状態で挿入し、線引き進行により撓みがなくなるまで上側に撓んだ状態であってもよい。このような仕切り板27は簡易な構成であり、容易に作成することができる。
スリット27bは、例えば菊割状(放射状)に複数本入れておけばよい。そして、仕切り板27は、孔27aの径を可変にして撓ませるため、上部チャンバ20の内部の仕切り板27の上下に、線引き中に仕切り板27が外れることを防止するための固定部材28a,28bを設けておくなどの工夫を行っておけばよい。
さらに、この例では、孔27aの径がダミー棒13の径と略同一とする。孔27aをダミー棒13と略同径の挿通孔とすることで、仕切り板27がテーパ部を通過した後、ダミー棒13が通過する際にも、線引炉内空間を仕切ることができる。無論、孔27aの径はダミー棒13の径より若干小さくても、ダミー棒13の位置でも仕切り板27を撓ませた状態で空間を仕切ることはできる。
また、仕切り板27は、例えばカーボンフェルトやカーボンシートなど、カーボン製(カーボンを主成分とする材質)であることが好ましい。カーボンは耐熱性があり、撓ませることが可能である。また、カーボンは、摩擦係数を小さく加工することができる(やわらかい素材である)ため、接触してもガラス母材11を傷付ける心配もない。また、カーボン部品は比較的コストが安く、製造コストの増加の心配がない。カーボンとしては、不純物混入の観点から、高純度カーボンと呼ばれるものを用いるのが好ましい。
その他、線引炉10には、不活性ガス等による炉内ガスの供給機構が設けられている。詳しくは、上部チャンバ20にガス導入路22が設けられており、例えば、アルゴンガスと窒素ガスとを混合した不活性ガス等が炉心管15内に送り込まれ、これにより、炉心管15内やヒータ16の周りの酸化劣化の防止を図る。このガス導入路22により炉内ガスが供給される位置は、第1シール部26より下側になるように設定される。
光ファイバ製造装置1は、上述のような構成により、上記シール機構で炉外空気を巻き込まないように上記隙間をシールしながら、線引炉10の内部及び上部チャンバ20の内部にガラス母材11を吊り下げ降下させ、線引炉10内でガラス母材11の下部をヒータ16により加熱溶融させる。線引炉10では、こうして加熱溶融されて細径となったガラス母材11の下端から光ファイバ12を溶融垂下させて、炉筐体18の下端部に設けられた下部チャンバ19の排出孔からその光ファイバ12を引き出す。そして、線引が進むに連れて、ダミー棒13と共にガラス母材11を移動機構により徐々に下降させていく。
ここで、図1Aで図示したように、線引き開始時をはじめ定常時には第1シール部26により直胴部11a(直胴部11aの外周面)をシールしておく。また、図1B及び図1Cで図示したように、ガラス母材11の下降に伴って、縮径部11bが第1シール部26を通過し始める以降には、第2シール部24により上部チャンバ20の上端開口部20aをシールしている。無論、縮径部11bが第1シール部26を通過する手前から(より極端な例では線引の開始時から)第2シール部24でシールしてもよい。
そして、本実施形態では、図1A〜図1Cで図示したように、線引き中(線引き開始からガラス母材11の下降中)は、仕切り板27により上部チャンバ20内の空間を仕切る。そして、本実施形態では、図1Cで図示したように、ガラス母材11の下降に伴い少なくとも縮径部11bが第1シール部26を通過し始める以降には、第2シール部24でシールし、仕切り板27により線引炉内空間を仕切っている。
ここで、図1A,図1Bの状態では、仕切り板27のスリット27bが開いていてもよい(つまり仕切り板27で完全に線引炉内空間を仕切れなくてもよい)が、図1Cの状態(第1シール部26のシール機能が無くなった状態)では、仕切り板27で線引炉内空間を仕切る必要がある。このように仕切ることにより、図1Cの状態において上部チャンバ20の内部空間のうち仕切り板27より上の空間で生じるガス流の乱れは、線引炉10内と通じた線引炉内空間に影響を与え難くなる。
このようなシールを可能にする条件としては、縮径部11bにおけるテーパ部の高さHと、第1シール部26と仕切り板27との間の距離hとの関係が、H≦hを満たせばよい。但し、hが小さい程、図1Cの状態で上記線引炉内空間が小さくなるため好ましい。また、仕切り板27の位置は上記線引炉内空間を小さくするために下にある方が好ましい。よって、hはHと同じであることが好ましく、同じでなくとも可能な限りHに近いことが好ましい。
さらに、仕切り板27は固定されていることを前提としたが、挿入させるガラス母材11のテーパ部の形状のバラツキも考慮し、実際に挿入するガラス母材11のテーパ部の高さHに合わせるように、仕切り板27の位置を変える(距離hを変更する)ような位置調整機構を設けておいてもよい。
このように、本実施形態に係る光ファイバの製造装置及び製造方法では、2つのシール部24,26でシールすると共に仕切り板27によって上部チャンバ20内の空間を仕切ることで、炉内空間(上記線引炉内空間)の拡大を最小限に抑え、それによりガラス母材11の線引き進行によって生じる線引炉内のガス流の乱れを小さくし、結果として光ファイバの外径変動を減らすことができる。
ここで、比較例として、図3を参照しながら従来の光ファイバ製造装置について説明する。図3で示す従来の光ファイバ製造装置100は、シール機構として上部チャンバ20に第1シール部26及び第2シール部24を有する。そして、線引き開始時には第1シール部26により直胴部11aをシールしておき、ガラス母材11の下降に伴って、縮径部11bが第1シール部26を通過し始める以降には、第2シール部24により上部チャンバ20の上端開口部20aをシールしている。
しかし、光ファイバ製造装置100では、図3で示すような状態になったとき、第1シール部26が機能せず、より高い位置の第2シール部24でシールすることになる。これにより、線引炉10自体の炉内空間に上部チャンバ20の内部の空間が加わり、この空間でガス流の乱れが生じ、結果として光ファイバ12の外径が変動してしまう。これに対し、本実施形態では、上述のように仕切り板27の存在により、炉内空間の拡大を最小限に抑えることで、結果として光ファイバ12の外径変動を減らすことができる。
また、本実施形態に係る光ファイバ製造装置1は、図3で示したような従来の光ファイバ製造装置100において、仕切り板27を炉内に設置するだけのシンプルな構造であるため、連続操業時の作業性を損なうことはない。また、仕切り板27が消耗劣化した場合は、それを交換するだけでよいため、メンテナンス作業も容易である。
また、仕切り板27は、カーボンフェルト(又はカーボンシートやカーボンシートとカーボンフェルトとの組み合わせ)のリングを複数枚(複数層)重ねたものであってもよく、このような構成により、さらに確実に炉内空間を仕切ることが可能となる。ここで、スリット27bの位置は各層で合わせておいてもよいが、ずらしておくことがシール性向上のために好ましい。
実際に、仕切り板27を用いなかった場合の外径変動が±1μmであったのに対し、仕切り板27として1枚のカーボンフェルトリングを用いた場合、外径変動が±0.4μmの光ファイバ12を得ることができた。さらに、3枚のカーボンフェルトリングを用いた場合、外径変動±0.15μmの光ファイバ12を得ることができた。
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1…光ファイバ製造装置、10…線引炉、11…ガラス母材、11a…直胴部、11b…縮径部、12…光ファイバ、13…ダミー棒、14…連結部分、15…炉心管、16…ヒータ、17…断熱材、18…炉筐体、19…下部チャンバ、20…上部チャンバ、20a…上部チャンバの上端開口部、21…ガス供給部、22…ガス導入路、24…第2シール部、25…部材、26…第1シール部、27…仕切り板、27a…孔、27b…スリット、28a,28b…固定部材。

Claims (6)

  1. 上端にダミー棒が連結され且つ上部に縮径部が存在するガラス母材と線引炉の上端開口部との間の隙間を、シール機構によりシールしながら、前記線引炉の内部及び前記上端開口部に連結された上部チャンバの内部に前記ガラス母材を吊り下げ降下させ、光ファイバの線引きを行う光ファイバの製造方法であって、
    前記シール機構は、前記上部チャンバの内部で前記ガラス母材の直胴部をシールするための第1シール部と、前記ダミー棒を挿通させた状態で前記上部チャンバの上端を塞いでシールするための第2シール部と、前記上部チャンバの内部における該第2シール部と前記第1シール部との間に配設された仕切り板と、を有し、
    線引き開始時には、前記第1シール部により前記直胴部をシールし、前記ガラス母材の下降に伴い少なくとも前記縮径部が前記第1シール部を通過し始める以降には、前記第2シール部で前記上部チャンバの上端をシールし、前記仕切り板により前記上部チャンバ内の空間を仕切りながら前記線引きを行う、光ファイバの製造方法。
  2. 前記第1シール部と前記仕切り板との間の距離は、前記縮径部におけるテーパ部の高さと略同じである、請求項1に記載の光ファイバの製造方法。
  3. 前記仕切り板は、中央部に孔が空いた同心円状の板であり、内周側にスリットが切り込まれ、撓むことにより前記直胴部及び前記テーパ部を通過させる、請求項1又は2に記載の光ファイバの製造方法。
  4. 前記仕切り板の前記中央部の前記孔は、前記ダミー棒の外径と略同じ径をもつ、請求項3に記載の光ファイバの製造方法。
  5. 前記仕切り板はカーボン製である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光ファイバの製造方法。
  6. 線引炉と、該線引炉の上端開口部に連結された上部チャンバと、上端にダミー棒が連結され且つ上部に縮径部が存在するガラス母材と前記上端開口部との間の隙間をシールするシール機構と、を備え、前記シール機構により前記隙間をシールしながら、前記線引炉の内部及び前記上部チャンバの内部に前記ガラス母材を吊り下げ降下させ、光ファイバの線引きを行う光ファイバの製造装置であって、
    前記シール機構は、前記上部チャンバの内部で前記ガラス母材の直胴部をシールするための第1シール部と、前記ダミー棒を挿通させた状態で前記上部チャンバの上端を塞いでシールするための第2シール部と、前記上部チャンバの内部における該第2シール部と前記第1シール部との間に配設された仕切り板と、を有し、
    線引き開始時には、前記第1シール部により前記直胴部をシールし、前記ガラス母材の下降に伴い少なくとも前記縮径部が前記第1シール部を通過し始める以降には、前記第2シール部で前記上部チャンバの上端をシールし、前記仕切り板により前記上部チャンバ内の空間を仕切る、光ファイバの製造装置。
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