JP2019026524A - 製造方法及びキャップ - Google Patents

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Abstract

【課題】光ファイバ裸線を製造する製造方法において、光ファイバ裸線の直径が変動することを抑制すること。【解決手段】母材アッシー(2)と線引き炉(1)とを用いた光ファイバ裸線の製造方法であって、キャップ(23)は、下端面における外径(Dt2)が第2シール部(シールブロック143,シール素子144)の最小有効径(Dmin)を下回り、下端面から遠ざかるにしたがってその外径が拡大し、その最大径(Dt1)が最小有効径(Dmin)を上回る縮径部(232)を含み、第2シール素子(シール素子144)と縮径部(232)とが接触するまで光ファイバ裸線を線引きする第2の線引き工程を含む。【選択図】図3

Description

本発明は、母材から光ファイバ裸線を製造する製造方法、及び、その製造方法において母材とともに用いるキャップに関する。
光ファイバ裸線は、その原料となる柱状の母材の一方の端部を線引き炉の炉心管の内部に差し込み、その一方の端部を加熱溶融させながら線引きすることによって製造される。
特許文献1の図1には、炉心管と、ヒータと、炉の筐体と、第1のシール部と、第2のシール部と、2つのガス供給口とを備えた光ファイバ線引き装置が記載されている。この光ファイバ線引き装置では、特許文献1の図1に示すように、その原料として連結部材などでダミー棒と連結したガラス母材を用いる。また、ダミー棒の外側には当該ダミー棒を取り囲むスリーブ部材が配置されている。
特許文献1に記載されたこれらの光ファイバ線引き装置、ガラス母材、ダミー棒、及びスリーブ部材の各々は、それぞれ、本願明細書に記載の線引き炉、母材、ハンドル、及びキャップに読み替えることができる。以下では、本願明細書の記載に読み替えた表現を用いて説明する。
特許文献1に記載の技術において、炉心管は、その管軸が鉛直方向に沿うように配置されている。上述した母材は、ハンドルの上端部を吊り支持装置(図1には図示が省略されている)で把持することによって、その中心軸が鉛直方向に沿うように支持されている。ハンドルの上端部を把持する把持部の高さを、吊り支持装置が鉛直方向下向きに下げることによって、吊り下げられている母材が鉛直方向下向きに移動する。これにより、母材の下端部は、炉心管の上方から炉心管の内部に移動し、ヒータにより加熱溶融される。加熱溶融された母材の下端部から重力により垂れ下がるガラス材料を巻き取ることによって、線引きされた光ファイバ裸線が得られる。
本願明細書において、母材の下端部を加熱融解させることによって光ファイバ裸線を得ることを、光ファイバ裸線を線引きすると表現する。なお、光ファイバ裸線を線引きすることによって母材の体積は、徐々に減少する。したがって、光ファイバ裸線の線引きは、母材の位置を鉛直方向下向きに徐々に移動させながら実施される。
特開2014−162671号公報(2014年9月8日公開)
ところで、母材を加熱溶融させるため必要とされる温度は、母材の組成によって異なるものの非常に高温(例えば2000℃程度)である。そのため、母材を収容する炉心管は、その高温に耐えることができる材料(例えばグラファイト(炭素))により構成されている。グラファイトは、酸素などの活性ガスが存在しない場合には上述したような高温に耐えることができる。その一方で、酸素などの活性ガスが存在する場合には酸化などの反応が進んでしまうため、著しく劣化する。このような劣化を防ぐために、炉心管の内部や、第1のシール部と第2のシール部との間に位置する空間などにはヘリウムやアルゴンなどの不活性ガスが供給されている。特許文献1に記載した技術では、第1のシール部に設けられたガス供給口から炉心管の内部に不活性ガスを供給し、第2のシール部の各々に設けられたガス供給口から第1のシール部と第2のシール部との間に位置する空間などに不活性ガスを供給する。
そのうえで、特許文献1に記載した技術では、線引き炉の外部に存在する大気が炉心管の内部に流入することを防止するために、第1のシール部と第2のシール部とを備えている。この構成によれば、第1のシール部の高さに母材の縮径部が位置する場合(第1のシール部がシール作用を発揮しない場合)においても、第2のシール部の高さにスリーブが位置するので第2のシール部がシール作用を発揮する。
しかしながら、特許文献1に記載した技術では、スリーブ部材の下端部が第2のシール部の高さと一致したときに、第2のシール部がシール作用を発揮するため、第1のシール部と第2のシール部との間に位置する空間の圧力が急激に上昇する。その結果、第1のシール部と第2のシール部との間に位置する空間から炉心管の内部へ不活性ガスが急激に流入し、炉心管の内部の圧力も急激に上昇する。
炉心管の内部における不活性ガスの圧力が急激に変動した場合、母材の近傍を取り巻く不活性ガスの量が急激に変動するため、加熱溶融された母材の下端部、及び、当該下端部からガラス材料が垂れ下がった光ファイバ裸線の近傍を取り巻く不活性ガスの温度が急激に変動する。その結果として、光ファイバ裸線の直径が変動するため、所望の直径公差に含まれる光ファイバ裸線が一時的に得られなくなる。
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、線引き炉を用いて母材から光ファイバ裸線を製造する製造方法において、炉心管内の圧力において生じ得る急激な変動を抑制することである。また、このような製造方法において利用可能なキャップを提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る製造方法は、柱状の母材と、前記母材の上端面に対して前記母材の中心軸に沿って接合され、その外径が前記母材より細いハンドルと、当該ハンドルを取り囲み、その下端面が前記母材の前記上端面に接触する筒状のキャップとを組み合わせた母材アッシーと、その管軸が鉛直方向に沿い、上方から差し込まれる前記母材の前記下端部を収容可能な炉心管と、前記炉心管の内部に不活性ガスを供給する第1ガス供給口と、前記炉心管の上方に配置され、第1シール素子を含む第1シール部と、前記第1シール部の上方に配置され、第2シール素子を含む第2シール部と、前記第1シール素子と前記第2シール素子との間に位置する空間に不活性ガスを供給する第2ガス供給口と、を備えた線引き炉と、を用いて光ファイバ裸線を製造する製造方法であって、前記キャップは、前記下端面におけるその外径が前記第2シール部の最小有効径を下回り、当該下端面から遠ざかるにしたがってその外径が拡大し、その最大径が前記最小有効径を上回る縮径部を含み、前記第1シール素子と前記母材とが接触した状態のまま光ファイバ裸線を線引きする第1の線引き工程と、離間していた前記第2シール素子と前記縮径部とが接触するまで光ファイバ裸線を線引きする第2の線引き工程と、前記第2シール素子と前記縮径部とが接触した状態のまま光ファイバ裸線を線引きする第3の線引き工程とを含む。
上記の構成によれば、第2の線引き工程において、前記第2シール部のシール作用が徐々に高まる。そのため、前記第1シール素子と前記第2シール素子との間に位置する空間の内部の圧力が急激に上昇することを防止することができる。したがって、前記炉心管の内部の圧力が急激に上昇することも防止することができるため、前記炉心管の内部の圧力変動に起因する光ファイバ裸線の直径の変動を防止することができる。
また、本発明の一態様に係る製造方法において、前記キャップは、当該キャップの上端面を含み、その外径が前記最小有効径を上回り、当該外径がおよそ一定である同径部を更に含み、前記第2シール素子と前記同径部とが接触した状態のまま、光ファイバ裸線を線引きする第4の線引き工程とを更に含む、ことが好ましい。
このように構成された前記キャップは、当該キャップの下端面を含む縮径部と、当該キャップの上端面を含む同径部とを含む。上記の構成によれば、前記キャップの全長に依存することなく、前記縮径部の長さを任意に設定することができる。したがって、前記第2の線引き工程が終了するタイミング、換言すれば前記第2シール部がシール作用を十分に発揮するタイミングを設定するときの自由度を高めることができる。
また、本発明の一態様に係る製造方法において、前記第2の線引き工程は、前記第1シール素子と前記母材とが接触した状態のまま、離間していた前記第2シール素子と前記縮径部とが接触するまで光ファイバ裸線を線引きする、ことが好ましい。
上記の構成によれば、前記第1シール部のシール作用が消失する前に前記第2シール部のシール作用が生じる。したがって、前記炉心管の内部と線引き炉の外部とが、前記第1シール素子と前記第2シール素子との間に位置する空間を介して連通することを防止できる。その結果として、線引き炉の外部から前記炉心管の内部に、前記第1シール素子と前記第2シール素子との間に位置する空間を介して大気が流入することを確実に防止できるので、炉心管の劣化を抑制することができる。
また、本発明の一態様に係る製造方法において、前記第2の線引き工程は、前記第1シール素子と前記母材とが離間した後に、前記第2シール素子と前記縮径部とを接触させる、ように構成されていてもよい。
上記の構成によれば、本製造方法は、前記第1シール部のシール作用が消失した後に前記第2シール部のシール作用を得る。したがって、前記第1シール部及び前記第2シール部の各々が同時にシール作用を発揮する期間を排除することができるため、前記母材の調芯作業を実施できない期間をなくすことができる。換言すれば、本製造方法は、任意のタイミングで前記調芯作業実施することがきる。
また、本発明の一態様に係る製造方法において、前記キャップは、当該キャップの前記下端面を含む区間を構成する下部キャップと、当該キャップの上端面を含む区間を構成する上部キャップとを含む2つ以上の区間に分割されている、ことが好ましい。
上記の構成によれば、前記キャップが複数の区間に分割されている。そのため、前記炉心管の内部から、母材を経てキャップに入射した赤外線は、前記複数の区間の境界において反射又は散乱される確率が高まる。したがって、前記炉心管の内部から前記キャップの上方に伝わる輻射熱を抑制することができる。
また、本発明の一態様に係る製造方法において、前記2つ以上の区間のうち少なくとも1つの区間は、発泡石英ガラス製である、ことが好ましい。
前記発泡石英ガラスは、その内部に多くの気泡を含む石英ガラスである。したがって、前記発泡石英ガラスの内部には、石英ガラスと、気泡を構成するガスとの界面が無数に存在する。このような前記発泡石英ガラスに入射した赤外線は、石英ガラスに入射した場合と比較して、より高い確率で反射又は散乱される。したがって、上記の構成によれば、前記炉心管の内部から前記キャップの上方に伝わる輻射熱を更に抑制することができる。
また、本発明の一態様に係る製造方法において、前記キャップの少なくとも前記下端面近傍は、当該下端面から遠ざかるにしたがって、その内径が縮小するように構成されている、ことが好ましい。
上記の構成によれば、前記キャップの少なくとも前記下端面近傍を構成する内壁は、下方に向かって開く傾斜を持つように構成されている。そのため、前記内壁が下方に向かって開く傾斜を持たない場合と比較して、前記炉心管の内部から母材を経てキャップに入射しようとする赤外線は、前記内壁において反射される確率が高まる。したがって、前記炉心管の内部から前記キャップの上方に伝わる輻射熱を抑制することができる。
また、本発明の一態様に係る製造方法において、前記キャップの前記下端面及び前記キャップの内壁の少なくとも何れか一方は、その表面の算術平均表面粗さが0.2μm以上である、ことが好ましい。
上記の構成によれば、前記キャップの前記下端面及び前記キャップの内壁の各々の表面の算術平均表面粗さが0.2μm未満である場合と比較して、前記炉心管の内部から母材を経てキャップに入射しようとする赤外線は、前記キャップの前記下端面及び前記キャップの内壁の少なくとも何れか一方において散乱される確率が高まる。したがって、前記炉心管の内部から前記キャップの上方に伝わる輻射熱を抑制することができる。
また、本発明の一態様に係る製造方法において、前記線引き炉は、前記第1シール素子と前記第2シール素子との間に位置する前記空間の圧力と、前記炉心管の内部の圧力とを制御する制御部を更に備え、前記制御部は、前記第1の線引き工程のあとであって、前記第1シール素子と前記母材とが離間するときに、前記空間の圧力が前記炉心管の内部の圧力以上となるように制御する、ことが好ましい。
前記炉心管には第1ガス供給口から不活性ガスが供給されるため、前記炉心管の内部のうち前記母材の近傍には、炉心管の上方から下方に向かう不活性ガスの流れが形成されている。上記の構成によれば、前記第1シール素子と前記母材とが離間するときに、すなわち、第1シール部のシール作用が消失するときに、前記空間の圧力は、前記炉心管の内部の圧力以上となるように制御されている。したがって、前記母材の近傍に形成された不活性ガスの流れは、依然として炉心管の上方から下方に向かったままであり、乱されることがない。このように、本製造方法は、第1シール部のシール作用が消失するときに生じ得る前記不活性ガスの流れの乱れを抑制することができるため、このときに生じ得る光ファイバ裸線の直径の変動を抑制することができる。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るキャップは、線引き炉で加熱溶融されることによって光ファイバ裸線となる柱状の母材と、前記母材の上端面に対して前記母材の中心軸に沿って接合され、その外径が前記母材より細いハンドルと共に母材アッシーを構成する筒状のキャップであって、前記アッシーとして組み立てられた場合に、前記ハンドルを取り囲み、その下端面が前記母材の前記上端面に接触するように構成されており、前記下端面におけるその外径が、前記線引き炉を構成する炉心管の上方に配置されたシール部の最小有効径を下回り、当該下端面から遠ざかるにしたがってその外径が拡大し、その最大径が前記最小有効径を上回る縮径部を含む。
上記の構成によれば、前記線引き炉の前記シール部のシール作用が徐々に高まる。このように、前記炉心管の内部の圧力が急激に上昇することも防止することができるため、前記炉心管の内部の圧力変動に起因する光ファイバ裸線の直径の変動を防止することができる。
また、本発明の一態様に係るキャップは、当該キャップの上端面を含み、その外径が前記最小有効径を上回り、当該外径がおよそ一定である同径部を更に含む、ことが好ましい。
上記の構成によれば、前記キャップの全長に依存することなく、前記縮径部の長さを任意に設定することができる。したがって、前記シール部がシール作用を十分に発揮するタイミングを設定するときの自由度を高めることができる。
本発明の一態様に係る製造方法によれば、線引き炉を用いて母材から光ファイバ裸線を製造するときに生じ得る光ファイバ裸線の直径の変動を抑制することができる。また、本発明の一態様に係るキャップは、本発明の一態様に係る製造方法と同様の効果を奏する。
本発明の第1の実施形態に係る製造方法において用いる線引き炉及び母材アッシーの断面図である。 (a)は、図1に示す線引き炉が備えているシールチャンバの拡大断面図である。(b)及び(c)は、(a)に示すシールチャンバを構成する第2シール部の断面図及び平面図である。 (a)は、本発明の第1の実施形態に係る製造方法において、線引き炉の開始位置にセットされた母材アッシーの拡大断面図である。(b)は、前記製造方法に含まれる第2の線引き工程の終了時における母材アッシーの位置z1を示す拡大断面図である。 (a)は、前記製造方法に含まれる第3の線引き工程における母材アッシーの位置を示す拡大断面図である。(b)は、前記製造方法に含まれる第4の線引き工程における母材アッシーの位置を示す拡大断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る製造方法のフローチャートである。 (a)は、図1に示すキャップの第1の変形例を示す断面図である。(b)は、図1に示すキャップの第2の変形例を示す断面図である。 (a)は、母材アッシー2が開始位置z0にセットされた状態の、変形例である線引き炉の拡大断面図である。(b)は、図5に示した第2の線引き工程S13における母材アッシーの位置を示した変形例である線引き炉の拡大断面図である。 (a)は、図7に示す母材アッシーの変形例を示す断面図である。(b)は、(a)に示すキャップの正面図及び下面図である。(c)は、(a)に示すキャップの更なる変形例の正面図及び下面図である。
〔第1の実施形態〕
本発明の第1の実施形態に係る光ファイバ裸線の製造方法S1について説明する前に、製造方法S1において用いる線引き炉1と母材アッシー2とについて、図1〜図4を参照して説明する。そのうえで、本実施形態に係る製造方法S1について、図5を参照して説明する。
図1は、線引き炉1及び母材アッシー2の断面図である。なお、図1に示した状態において、母材アッシー2は、線引き炉1の開始位置z0にセットされている。図2の(a)は、線引き炉1が備えているシールチャンバ14の拡大断面図である。図2の(b)及び(c)は、シールチャンバ14を構成する第2シール部(シールブロック143,シール素子144)の断面図及び平面図である。図3の(a)は、製造方法S1において、線引き炉1の開始位置z0にセットされた母材アッシー2の拡大断面図である。図3の(b)は、製造方法S1に含まれる第2の線引き工程の終了時における母材アッシー2の位置z1を示す拡大断面図である。図4の(a)は、製造方法S1に含まれる第3の線引き工程における母材アッシー2の位置z2を示す拡大断面図である。図4の(b)は、製造方法S1に含まれる第4の線引き工程における母材アッシー2の位置z3を示す拡大断面図である。
本明細書においては、水平面に沿い、互いに直交する2つの軸の各々をx軸及びy軸に設定し、水平面に直交する鉛直方向に沿う方向をz軸に設定することによって得られる直交座標系を用いる(図1〜図4の各図に図示した座標系参照)。なお、鉛直方向下向きをz軸正方向に設定し、このz軸正方向とともに右手系の直交座標系を形成するようにx軸正方向及びy軸正方向を設定している。また、本明細書において、z軸正方向のことを下方向とも称し、z軸負方向のことを上方向とも称する。
(線引き炉1)
図1に示すように、線引き炉1は、炉心管11と、筐体12と、ヒータ13と、シールチャンバ14とを備えている。
<炉心管11>
炉心管11は、高温(例えば2000℃程度)に耐えるために、グラファイト(炭素)により構成されている。図1に示すように、炉心管11は、円筒形である上部炉心管111の下端に対して、円筒形である下部炉心管112の上端を、上部炉心管111及び下部炉心管112の各々が同軸になるように接合することにより構成されている。したがって、上部炉心管111の内部空間である上部空間111sと、下部炉心管112の内部空間である下部空間112sとは、互いに連通している。
炉心管11は、その中心軸である管軸が鉛直方向(すなわちz軸方向)に沿うように配置されている。炉心管11の上端面及び下端面の各々は、開放されている。換言すれば、炉心管11の上端面及び下端面の各々には、それぞれ、開口11t及び開口11bが設けられている。
上部炉心管111は、その上方(z軸負方向)から差し込まれる母材21の少なくとも下端部211を、その内部空間である上部空間111sに収容可能なように、その内径(すなわち上部空間111sの直径)が母材21の外径を上回るように構成されている。
一方、下部炉心管は、その開口11bから線引きされた光ファイバ裸線を吐出する。本実施形態において、下部炉心管112の内径(すなわち下部空間112sの直径)は、上部炉心管111の内径を下回るように構成されている。
上部炉心管111の上部空間111sには、後述するガス供給口141iから供給された不活性ガスが流入する。ガス供給口141iは、後述するシールチャンバ14が含むシールブロック141に設けられたガス供給口である(図2の(a)参照)。ガス供給口141iから供給された不活性ガスは、下端部211の近傍において、流れがきれいな層流を形成することが好ましい。
後述するシールチャンバ14によって開口11tと母材21の外壁との間が封止されているため、ガス供給口141iから供給された不活性ガスは、上部空間111s及び下部空間112sを経て、開口11bから炉心管11の外部へ排出される。また、不活性ガスの流量は、後述するバルブを用いて、上部空間111s及び下部空間112sの圧力が線引き炉1の外部の大気圧より高くなるように制御されている。したがって、線引き炉1は、線引き炉1の外部から上部空間111s及び下部空間112sへ大気が流入することを抑制可能であり、結果として炉心管11の内壁が酸化することを抑制可能である。
本実施形態では、不活性ガスとしてヘリウム(He)を採用している。しかし、不活性ガスは、Arに限定されるものではなく、グラファイトとの反応性が低いガス、例えばアルゴン(Ar)や、ネオン(Ne)などから適宜選択することができる。
<筐体12>
筐体12は、金属により構成されている。金属製の筐体12は、高温に耐えるために、図1に図示しない冷却機構を備えていることが好ましい。冷却機構は、冷却された水や空気等を循環させることによって筐体12を冷却する。図1に示すように、筐体12は、円筒形であり、その内部に炉心管11と後述するヒータ13とを収容可能に構成されている。筐体12と炉心管11との接合部は、ガスの流入及び流出が生じないように封止されている。したがって、筐体12の内部空間である空間12sは、後述するガス供給口12i及びガス排出口12oを除いて閉じている。
筐体12の上端近傍には、ガス供給口12iが設けられており、筐体12の下端近傍には、ガス排出口12oが設けられている。ガス排出口12oには、図1に図示しないバルブと、不活性ガスを供給するガスボンベとが接続されている。本実施形態では、このガス排出口12oに不活性ガスを供給するガスボンベと、上述したガス供給口11iに不活性ガスを供給するガスボンベとを共有している。しかし、これらのボンベは、互いに別個に用意されていてもよい。バルブは、空間12sに供給する不活性ガスの流量を調整することによって、空間12sの圧力を制御する。
このように、空間12sは、ガス供給口12iから供給された不活性ガスにより満たされている。また、ガス供給口12iから供給された不活性ガスは、ガス排出口12oから筐体12の外部へ排出される。また、不活性ガスの流量は、上述したバルブを用いて、空間12sの圧力が線引き炉1の外部の大気圧より高くなるように制御されている。したがって、線引き炉1は、線引き炉1の外部から空間12sへ大気が流入することを抑制可能であり、結果として炉心管11の外壁及び筐体12の内壁が酸化することを抑制可能である。
また、後述するヒータ13と筐体12の内壁との間には、図1に図示しない断熱材が配置されている。これにより、ヒータ13の発生した熱が筐体12に伝わること(逃げること)を抑制することができるので、上部空間111sの内部及び下部空間112sの内部に熱を閉じ込め、且つ、筐体12が高温に晒されることを抑制することができる。
<ヒータ13>
図1に示すように、ヒータ13は、筐体12の空間12sに配置されており、炉心管11の内部に差し込まれた母材21の下端部211を加熱することによって溶融させるための加熱手段である。ヒータ13は、母材21を構成するガラスの融点を超える温度(例えば2000℃)まで下端部211をすることができるように構成されている。ヒータ13としては、既存のヒータのなかから線引き炉1の仕様に準じたヒータを選択すればよい。
融点を超える温度まで加熱された下端部211の末端は、ガラスが溶融した状態になる。その末端からは、溶融したガラスが重力に伴い糸状に垂れ下がる。線引き炉1の後段には、少なくとも、図1に図示しない被覆装置及び巻き取り装置が設けられている。下端部211の末端から鉛直方向下向き(z軸正方向)に垂れ下がった糸状のガラス(すなわち光ファイバ裸線)の外側面に対して、被覆装置を用いて、樹脂被覆を被せるように塗布することで光ファイバ素線が形成される。光ファイバ素線は、巻き取り装置を用いてボビン(図1には不図示)に巻き取られる。
以上の工程のうち、母材の下端部を加熱融解させることによって光ファイバ裸線を得ることを、光ファイバ裸線を線引きすると表現する。
<シールチャンバ14>
図1及び図2の(a)に示すように、シールチャンバ14は、シールブロック141と、シール素子142と、シールブロック143と、シール素子144と、スペーサブロック146とを備えている。
炉心管11の上には、シールブロック141が載置されている。炉心管11の上端面及びシールブロック141の下端面の各々は、何れも平坦に成形されている。さらに、シールブロック141は、その下端面が炉心管11の上端面に密接するように載置されている。したがって、炉心管11の上端面とシールブロック141の下端面とは封止されている。
シールブロック141は、高温に耐えることができるガラス又は金属により構成されている。本実施形態では、シールブロック141の材料としてガラスを採用している。シールブロック141は、上方向から平面視した場合に、外縁が円形であり、その内側に同心円状の開口が形成されている円筒形の形状を有する。
シールブロック141の開口を取り囲む内縁には、グラファイトにより構成されたドーナツ型のシール素子142が設けられている。シールブロック141とシール素子142とは、特許請求の範囲に記載の第1シール部を構成する。また、シール素子142は、特許請求の範囲に記載の第1シール素子に対応する。
シール素子142は、その外径がシール素子の内径を上回る円柱状部材がシールブロック141の開口に差し込まれた場合に、シール作用を発揮する。したがって、第1シール部がシール作用を発揮する有効径Deffは、図2の(a)に示すようになにも差し込まれていない状態におけるシール素子142の内径と一致する。
シール素子142は、シールブロック141の開口に後述する母材アッシー2が差し込まれた状態において、シール素子142の内縁と母材21の外壁あるいはキャップ23の外壁とが接触可能な場合には、シールブロック141と母材21あるいはキャップ23の間に生じる空隙を封止する。すなわち、第1シール部は、シール作用を発揮する。
第1シール部がシール作用を発揮している場合、炉心管11の内部空間(上部空間111s及び下部空間112s)と、第1シール部より上側の空間とは、母材アッシー2及びシール素子142により隔てられている。したがって、この状態において、第1シール部は、炉心管11の内部空間から第1シール部より上側の空間へ不活性ガスが流出する、あるいは、第1シール部より上側の空間から炉心管11の内部空間へ大気が流入することを抑制あるいは防止できる。
シールブロック141には、その外縁から内縁まで貫通する貫通孔であるガス供給口141iが複数設けられている。複数のガス供給口141iは、特許請求の範囲に記載の第1ガス供給口である。これらの複数のガス供給口141iの内縁側の端部は、シール素子142の下側に配置されている。
複数のガス供給口141iの各々には、図1に図示しないガス供給管が接続されており、これらのガス供給管のガス供給口141iと逆側の端部の各々には、それぞれ、図1に図示しないガス集合管の複数の排出口が接続されている。ガス集合管は、1つの供給口と複数の排出口とにより構成されており、1つの供給口に供給された不活性ガスを複数に分割したうえで、複数の排出口より排出する。ガス集合管の1つの供給口には、バルブと、不活性ガスを供給するガスボンベと(何れも図1には不図示)が接続されている。バルブは、複数のガス供給口141iを介して上部空間111s及び下部空間112sに供給する不活性ガスの流量を調整することによって、上部空間111s及び下部空間112sの圧力を制御する。
ガス供給口141iからシールブロック141の開口内に供給された不活性ガスは、シール素子142によって上方向への流路を封じされている。したがって、この不活性ガスは、炉心管11の開口11tを通って上部空間111sから下部空間112sへ流入する。したがって、ガス供給口141iから供給された不活性ガスは、母材21の下端部211を取り巻くガス流を形成する。
シールブロック141の上には、スペーサブロック146が載置されている。スペーサブロック146は、高温に耐えることができるガラス又は金属により構成されている。スペーサブロック146は、上方向から平面視した場合に、外縁が円形であり、その内側に同心円状の開口が形成されている円筒形の形状を有する。スペーサブロック146は、さらにその上に載置される第2シール部(シールブロック143及びシール素子144)と第1シール部との間隔、より具体的には、シール素子144とシール素子142との間隔H(図2参照)が所望の値になるように調整するためのスペーサである。
スペーサブロック146の上には、シールブロック143が載置されている。シールブロック143は、高温に耐えることができるガラス又は金属により構成されている。
シールブロック141の上端面、スペーサブロック146の上端面及び下端面、並びに、シールブロック143の下端面の各々は、何れも平坦に成型されている。さらに、スペーサブロック146は、その下端面がシールブロック141の上端面に密接するように載置されており、且つ、シールブロック143は、その下端面がスペーサブロック146の上端面に密接するように載置されている。したがって、シールブロック141の上端面とスペーサブロック146の下端面とは、封止されており、且つ、スペーサブロック146の上端面とシールブロック143の下端面とは、封止されている。
シールブロック143は、上方向から平面視した場合に、外縁が円形であり、その内側に同心円状の開口が形成されている円筒形の形状を有する。
シールブロック143には、その外縁から内縁まで貫通する貫通孔であって、後述するシール素子144を構成するサブ素子1441〜144n(ここでnは、正の整数。本実施形態ではn=16)の各々を収容する貫通孔1451〜145nが、シールブロック143に対して放射状に設けられている。図2には、zx平面に沿い、且つ、シールブロック143の中心軸を通る断面に現れるサブ素子1441,1449と、サブ素子1441,1449の各々を収容する貫通孔1451,1459とを図示している。シールブロック143とシール素子144とは、特許請求の範囲に記載の第2シール部を構成する。また、シール素子144は、特許請求の範囲に記載の第2シール素子に対応する。
サブ素子1441〜144nの各々は、グラファイト製又はガラス製の帯状部材の一方の端部に対してグラファイト製又はガラス製のブロック(直方体部材)を接合することによって構成されている。サブ素子1441〜144nの各々は、帯状部材の先端部(他方の端部)がシールブロック143の開口から突出し、ブロックが貫通孔1451〜145nの各々の内部に収容されるようにセットされる。
貫通孔1451〜145nの外縁側の端部には、ガス集合管と、バルブと、ガスボンベとが接続されている。貫通孔1451〜145nに接続されたガス集合管及びバルブの各々は、それぞれ、シールブロック141のガス供給口141iに接続されたガス集合管及びバルブと同様に構成されている。また、本実施形態において、貫通孔1451〜145nに不活性ガスを供給するガスボンベは、ガス供給口141iに不活性ガスを供給するガスボンベと共有している。
貫通孔1451〜145nに供給される不活性ガスは、サブ素子1441〜144nのブロックをシールブロック143の内側へ(外縁から内縁へ向かう方向へ)向かって押しつけるように、シールブロック143に作用する。
貫通孔1451〜145nの内縁側の端部は、サブ素子1441〜144nのブロックの厚さ(z軸方向に沿った長さ)より薄く成形されている。したがって、シールブロック143の開口に母材21が差し込まれていない状態であっても、サブ素子1441〜144nの板状部材は、第1の所定の位置(図2の(a)及び(b)参照)までしか突出することができない。したがって、この状態におけるサブ素子1441〜144nの板状部材の先端部に内接する内接円の直径が第2シール部の最小有効径Dminとなる。最小有効径Dminは、第2シール部がシール作用を発揮可能な最小径である。
サブ素子1441〜144nは、不活性ガスの力によってシールブロック143の内側へ向かって押しつけられているだけである。そのため、不活性ガスの力を上回る別の力でシールブロック143の外側へ向かって押された場合、サブ素子1441〜144nは、シールブロック143の外側へ移動する。ただし、サブ素子1441〜144nの板状部材は、第2の所定の位置(図2の(c)参照)までしか後退することができない。第2の所定の位置は、サブ素子1441〜144nの板状部材の先端部とシールブロック143の開口とが一致する位置である。したがって、この状態におけるサブ素子1441〜144nの板状部材の先端部に内接する内接円の直径、すなわち、シールブロック143の開口の直径が第2シール部の最大有効径Dmaxとなる。最大有効径Dmaxは、シール作用を発揮可能な最大径であり、第2シール部が収容可能な柱状部材の最大径である。
このように構成されたシール素子144は、シールブロック141の開口に母材21が差し込まれた状態において、シール素子144と同じ高さにおける母材21の外径が最小有効径Dmin以上、最大有効径Dmax以下である場合に、シールブロック143の内壁と母材21の外壁との間に生じる空隙を封止することができる(シール作用を発揮する)。したがって、シールブロック143の開口に母材21が差し込まれた状態(シール素子144が母材21の外壁に接触した状態)において、シールチャンバ14の内部空間である空間14sと、第2シール部より上側の空間とは、母材21及びシール素子144により隔てられている。したがって、この状態において、第2シール部は、空間14sからから第2シール部より上側の空間へ不活性ガスが流出する、あるいは、第2シール部より上側の空間から空間14sへ大気が流入することを抑制あるいは防止できる。なお、空間14sは、シール素子142とシール素子144との間に位置する空間である。
シールブロック143には、その外縁から内縁まで貫通する貫通孔であるガス供給口143iが複数設けられている。複数のガス供給口143iは、特許請求の範囲に記載の第2ガス供給口である。これらの複数のガス供給口143iの内縁側の端部は、シール素子144及び貫通孔1451−145nの下側に配置されている。複数のガス供給口143iの外縁側の端部には、ガス集合管と、バルブと、ガスボンベとが接続されている。ガス供給口143iに接続されたガス集合管及びバルブの各々は、それぞれ、シールブロック141のガス供給口141iに接続されたガス集合管及びバルブと同様に構成されている。また、本実施形態において、ガス供給口143iに不活性ガスを供給するガスボンベは、ガス供給口141iに不活性ガスを供給するガスボンベと共有している。
ガス供給口143iからシールブロック143の開口内(空間14s内)に供給された不活性ガスは、第1のシール部のシール作用及び第2のシール部のシール作用の強さに応じて、炉心管11の開口11tを通って上部空間111sから下部空間112sへ流入するか、あるいは、シールブロック143の開口を通って第2シール部の上側の空間(線引き炉1の外部)へ流出する。
なお、本実施形態では、第1シール部のシール素子として、グラファイト製のシール素子142を採用し、第2シール部のシール素子として、不活性ガスの力で押し出されるシール素子144を採用した。しかし、第1シール部のシール素子として、不活性ガスの力で押し出されるシール素子144を採用してもよいし、第2シール部のシール素子として、グラファイト製のシール素子142を採用してもよい。
(母材アッシー2)
図1に示すように、母材アッシー2は、母材21と、ハンドル22と、キャップ23と、キャップシールとを備えている。キャップシールは、キャップシールブロック24と、シール素子25とを含む。
母材21は、光ファイバ裸線の原料となるガラス(本実施形態では石英ガラス)を円柱状に成形することによって得られる。なお、母材21の下端部211は、下方向に突出した円錐状に成形されている。また、母材21の上端面212は、水平面に沿うように成形されている。
ハンドル22は、母材21よりも外形が細いガラス(本実施形態では石英ガラス)製の円柱状部材である。ハンドル22は、その下端部が母材21の上端面212に対して接合(本実施形態では融着)されている。このとき、ハンドル22の中心軸と、母材21の中心軸とが沿うように(本実施形態では同軸となるように)、ハンドル22は、母材21に対して接合されている。
母材21の上側であって、ハンドル22を取り囲む位置には、キャップ23が配置されている。キャップ23は、ガラス(本実施形態では石英ガラス)製の円筒状部材である。キャップ23の中心軸に沿って設けられた貫通孔は、その内径がハンドル22の外径を上回るように成形されている。母材21及びハンドル22と、キャップ23とは、キャップ23の貫通孔をハンドル22が貫通する状態で組み合わされている。キャップ23は、その下端面が母材21の上端面212に突き当たった状態(接触した状態)で保持されている。
本実施形態において、キャップ23は、キャップ23の上端面を含む同径部231と、キャップ23の下端面を含む縮径部232とにより構成されている。
図3及び図4に示すように、縮径部232の外形は、下端面における外径Dt2が上端面における外径Dt1よりも小さい円錐台形状に成形されている。すなわち、縮径部232は、その下端面における外径が最小径であり、その下端面から遠ざかるにしたがってその外径が拡大し、その上端面において外径が最大径となるように成形されている。ここで、縮径部232の下端面における外径Dt2(最小径Dt2とも記載する)は、上述した第2シール部の最小有効径Dminを下回り、縮径部232の上端面における外径Dt1(最大径Dt1とも記載する)は、最小有効径Dminを上回る。なお、以下において、シール素子144と同じ高さにおける母材21の外径を外径Dt3とする。
(線引きの始状態)
このように構成された母材アッシー2は、ハンドル22の上端部を吊り下げ支持装置(図1には不図示)の把持部により把持されることによって、母材21の下端部211が下方向を向くように吊り下げられる。
吊り下げ支持装置は、線引き炉1の上方に広がる空間内において、母材アッシー2の中心軸と、炉心管11の管軸とが一致するように、母材アッシー2のxy平面内における位置を調整する。そのうえで、吊り下げ支持装置は、下端部211の末端が炉心管11内の所定の位置と一致するように、母材アッシー2を徐々に下方向に移動させる。この所定の位置とは、線引き炉1において線引きを始めるために予め定められた、下端部211をセットすべき位置であり、線引き炉1にとって固有の位置である(図1及び図3の(a)参照)。
本明細書では、母材アッシー2のz軸における位置を母材21の上端面212の位置で規定する。図1及び図3の(a)に示すように、線引き炉1に母材アッシー2を初めてセットした状態(始状態)における上端面212の位置を開始位置z0とする。
この始状態において、母材21の下端部211を含む大部分は、炉心管11の上部炉心管111に収容されており、上端面212を含む一部分が炉心管11の上端面から突出している。このとき、第1シール部のシール素子142と同じ高さには母材21が存在し、シール素子142は、母材21に接触している。すなわち、第1シール部は、シール作用を発揮している。一方、第2シール部のシール素子144と同じ高さにはキャップ23の縮径部232が存在している。シール素子144と同じ高さにおけるキャップ23(縮径部232)の外径Dt3は、最小有効径Dminよりも小さい。したがって、シール素子144と縮径部232とは接触していない。すなわち、第2シール部は、シール作用を発揮していない。
この始状態における上部炉心管111の圧力P1をP1iとし、この始状態におけるシールチャンバ14の空間14sの圧力P2をP2iとする。なお、P1i及びP2iの各々は、大気圧を上回るように設定されている。したがって、第2シール部がシール作用を発揮していない場合であっても、線引き炉1の外部の大気が空間14s、上部空間111s、及び下部空間112sに流入することは抑制されている。
なお、本実施形態では、線引きの始状態から線引きを終了する終状態まで、ガス供給口141iに接続されたバルブ及びガス供給口143iに接続されたバルブの各々は、いずれも調整しない場合を用いて説明する。
(第2シール部がシール作用を発揮するまで)
線引き炉1を用いて光ファイバ裸線を線引きした場合、母材21の体積は、徐々に減少する。すなわち、母材アッシー2の位置zを移動させないと下端部211の末端は、上方向に移動する。下端部211の末端を上述した所定の位置に留まらせるために、吊り下げ支持装置は、母材アッシー2の位置zを徐々に下方向に移動させる。このように、光ファイバ裸線の線引きは、母材アッシー2の位置zを下方向に徐々に移動させながら実施される。
母材アッシー2の位置zを開始位置z0から徐々に下方向に移動させていくと、シール素子144と縮径部232との間隔が徐々に減少していく。このとき、第2シール部は、シール作用を十分には発揮していないものの、徐々に空間14sから第2シール部の上側の空間へ流出するガスの流量を抑制していく。したがって、シール素子144と縮径部232とが接触していない状態であっても、母材アッシー2の位置zを下方向に移動させることに伴い、空間14sの圧力P2は、P2iより上昇する。また、圧力P2の上昇に伴い、圧力P1もわずかに上昇する。
母材アッシー2の位置zをさらに下方向に移動させていくと、シール素子144と縮径部232とが接触する(図3の(b)参照)。このときの位置zをz=z1とする。このとき、シール素子144と同じ高さにおけるキャップ23(縮径部232)の外径Dt3は、最小有効径Dminと等しい。位置z1においてシール素子144と縮径部232とが接触するため、第2シール部は、シール作用を発揮し、空間14sをシールする。この時点で圧力P2は、P2=P2fに達する。また、圧力P2の上昇に伴い圧力P1もわずかに上昇し、P1=P1fに達する。
このように圧力P2の上昇に伴い圧力P1がわずかに上昇するのは、第1シール部がシール作用を発揮している状態であっても、シール素子142と母材21との間にはわずかな空隙が生じているためである。
縮径部232を含むキャップ23を備えた母材アッシー2を用いて線引きを実施した場合、このように、始状態(z=z0)からシール素子144と縮径部232とが接触する状態(z=z1)までの間に生じる圧力P2の変化は、位置zの移動に伴い徐々に生じる緩やかで連続的に生じる。すなわち、特許文献1に記載の技術では不可避であった圧力P2の急激な変動(z=z1に達したときに生じる急激な変動)を、線引き炉1と母材アッシー2とを用いることによって抑制することができる。したがって、この圧力P2の急激な変動に伴い、特許文献1に記載の技術では不可避であった圧力P1の急激な変動を抑制することができる。
したがって、下端部211の近傍を取り巻く不活性ガスの温度変化は、抑制される。その結果として、光ファイバ裸線の直径が所定の直径公差の範囲から一時的に外れることを防止することができる。
(第1のシール部及び第2のシール部がシール作用を発揮)
母材アッシー2の位置zが図3の(b)に示した位置z1に達したとき、第1シール部に加えて第2シール部がシール作用を発揮する。したがって、母材アッシー2の位置を位置z1から図4の(a)に示す位置z2まで移動する期間は、第1シール部及び第2シール部がともにシール作用を発揮する。なお、この期間において、シール素子144と同じ高さにおけるキャップ23(縮径部232)の外径Dt3は、最小有効径Dminを上回る。
(第2のシール部のみがシール作用を発揮)
母材アッシー2の位置zを図4の(a)に示した位置z2からさらに下方向へ移動すると、シール素子142の高さに縮径部232の下端面が到達する。このとき、シール素子142は、母材21から離間し、縮径部232からも離間している。すなわち、第1シール部は、シール作用を失う。ただし、第1シール部がシール作用を失った場合であっても、第2シール部は、シール作用を発揮しているので、第2シール部より上側の空間から空間14sを経て大気が炉心管11の内部(上部空間111s及び下部空間112s)に流入することはない。
さらに母材アッシー2の位置zを下方向へ移動し、z=z3に到達すると(図4の(b)参照)、シール素子144は、その接触する相手を縮径部232から同径部231へ代える。この時点においても、第2シール部は、シール作用を発揮している。したがって、第2シール部より上側の空間から空間14sを介して大気が炉心管11の上部空間111sに流入することはない。このとき、シール素子144と同じ高さにおけるキャップ23(縮径部232)の外径Dt3は、同径部231の外径(すなわち縮径部232の最大径Dt1)と等しい。
さらに母材アッシー2の位置zを下方向へ移動していくと、母材21を用いて線引きができる下限位置まで母材アッシー2の位置zが移動する。位置zが当該下限位置に到達した時点で、母材21(母材アッシー2)を用いた線引きは、終了する。
(母材アッシー2の位置調整)
また、線引き中において、下端部211の末端のxy平面内における位置は、主に以下の理由により、わずかに移動し続けている(換言すれば揺らいでいる)。
(理由1)例えばハンドル22を把持部にセットするときの精度が十分に高くないことに起因して、母材21の中心軸が鉛直方向に対して傾きを有している。
(理由2)母材21の中心軸が一直線状になっておらず、例えばバナナのように中心軸が曲がっている。
したがって、下端部211の末端の位置をxy平面上に投影した場合、当該末端の基準となる位置(すなわち炉心管11の中心)と比較して、実際の末端の位置は、ズレている。
光ファイバ裸線の外側面が傷つくなどの不具合を防ぐために、線引き炉1は、このズレの大きさを検出し、このズレが所定の値を超えないように母材アッシー2のxy平面内における位置を調整することが好ましい。以下において、この調整のことを調芯と称す。
この調芯は、上述したようにずれの大きさを検出しておき、このズレを減少させるように、吊り下げ支持装置の把持部の位置をxy平面内で調整することによって実現される。
本実施形態において説明した線引き炉1及び母材アッシー2を用いた線引きでは、第1シール部のみがシール作用を発揮している状態(図3の(a)に示した状態)と、第2シール部のみがシール作用を発揮している状態(図4の(b)に示した状態)とにおいて調芯を実施することができる。
なお、第1シール部及び第2シール部の両方がシール作用を発揮している場合、母材アッシー2の外壁を支持する箇所が2箇所になるため、吊り下げ支持装置の把持部の位置を調整することによって、下端部211の末端の位置を意図したとおりに調芯することが難しくなる。
本実施形態では、キャップ23が縮径部232を含んでいることによって、第1シール部及び第2シール部の両方がシール作用を発揮している期間を、スリーブ部材が同径部のみで構成されている特許文献1の技術と比較して短くすることができる。したがって、調芯を実施可能な期間を長くすることができる。
なお、第1シール部及び第2シール部の両方がシール作用を発揮している期間は、スペーサブロック146の高さと、縮径部232の高さHc(図3の(a)参照)と、縮径部232の最大径Dt1と、縮径部232の最小径Dt2とを調整することができる。調芯が難しい期間をさらに短くしたい場合には、シール素子144が縮径部232に接触したのちに、できるだけ早いタイミングでシール素子142が母材21から離間するように、スペーサブロック146の高さと、縮径部232の高さと、縮径部232の最大径Dt1と、縮径部232の最小径Dt2とを設計すればよい。
また、調芯が難しい期間をなくしたい場合には、シール素子142が母材21から離間したあとにシール素子144が縮径部232に接触するようにスペーサブロック146の高さと、縮径部232の高さと、縮径部232の最大径Dt1と、縮径部232の最小径Dt2とを設計すればよい。この構成によれば、線引きを実施している全期間に亘って上述した位置の調整を実施できる。その一方で、第1シール部及び第2シール部の両方がシール作用を発揮していない期間が生じる。しかし、空間14s、上部空間111s、及び下部空間112sの各々の圧力は、何れも大気圧よりを上回るように制御されているため、第2シール部より上側の空間から空間14sを経て大気が炉心管11の内部(上部空間111s及び下部空間112s)に流入することを抑制できる。
(製造方法S1)
本実施形態に係る光ファイバ裸線の製造方法S1は、図5に示すように、母材アッシーセット工程S11、第1の線引き工程S12、第2の線引き工程S13、第3の線引き工程S14、及び、第4の線引き工程S15を含んでいる。
母材アッシーセット工程S11は、母材アッシー2を線引き炉1の開始位置z0にセットする工程である。この工程により、母材アッシー2は、図3の(a)に示した開始位置z0にセットされる。そして、母材21の下端部211を加熱溶融することにより光ファイバ裸線の線引きを開始する。
第1の線引き工程S12は、シール素子142と母材21とが接触した状態で光ファイバ裸線を線引きする工程である。
第2の線引き工程S13は、シール素子144と縮径部232とが接触するまで光ファイバ裸線を線引きする工程である。
図3の(a)に示したz=z0の状態から、図3の(b)に示したz=z1の状態までの期間は、シール素子142と母材21とが接触した状態のまま、離間していたシール素子144と縮径部232とが接触するまで光ファイバ裸線を線引きする工程である。したがって、この期間においては、第1の線引き工程S12と第2の線引き工程S13とが重畳している。このように、本発明の一態様に係る製造方法S1では、第1の線引き工程S12と第2の線引き工程S13とが重畳していてもよい。
第3の線引き工程S14は、シール素子144と縮径部232とが接触した状態で光ファイバ裸線を線引きする工程である。図3の(b)に示したz=z1の状態から、シール素子144の同じ高さに縮径部232の上端面が到達するまでの期間がステップS14の実施期間に相当する。
第4の線引き工程S15は、シール素子144と同径部231とが接触した状態で光ファイバ裸線を線引きする工程である。シール素子144の同じ高さに同径部231の下端面が到達したときから、母材21を用いて線引きができる下限位置まで母材アッシー2の位置zが移動したときまでの期間がステップS15の実施期間に相当する。位置zが当該下限位置に到達した時点で、母材21(母材アッシー2)を用いた線引きは、終了する。
(効果)
製造方法S1によれば、図3を参照して説明したように、第2の線引き工程S13において、第2シール部のシール作用が徐々に高まる。そのため、空間14sの内部の圧力が急激に上昇することを防止することができる。したがって、炉心管11の内部の圧力が急激に上昇することも防止することができる。そのため、炉心管11の内部の圧力変動に起因して光ファイバ裸線の直径が所定の直径公差の範囲から一時的に外れることを防止することができる。
また、上述したように、製造方法S1において用いる母材アッシー2が備えているキャップ23は、同径部231と縮径部232とを含んでいる。そして、製造方法S1は、第4の線引き工程S15を含んでいる。
キャップ23が縮径部232に加え同径部231を含んでいることにより、キャップ23の全長に依存することなく、縮径部232の長さを任意に設定することができる。したがって、第2の線引き工程S13が終了するタイミング、換言すれば第2シール部がシール作用を十分に発揮するタイミングを設定するときの自由度を高めることができる。
また、本実施形態の製造方法S1では、図3の(a)及び(b)に示すように、第2の線引き工程S13は、シール素子142と母材21とが接触した状態のまま、離間していたシール素子144と縮径部232とが接触するまで光ファイバ裸線を線引きする。
この構成によれば、第1シール部のシール作用が発揮される期間と、第2シール部のシール作用が発揮される期間とは、重なる。したがって、炉心管11の内部と線引き炉1の外部の空間とが、空間14sを介して連通することを防止できる。その結果として、線引き炉1の外部から炉心管11の内部に、空間14sを介して大気が流入することを確実に防止できるので、炉心管の劣化を抑制することができる。
なお、本発明の一態様に係る製造方法において、第2の線引き工程S13は、シール素子142と母材21とが離間した後に、シール素子144と縮径部232とを接触させる、ように構成されていてもよい。
この構成によれば、第1シール部のシール作用が発揮される期間と、第2シール部のシール作用が発揮される期間とは、重ならない。したがって、母材21の下端部211の位置を調整する調芯作業を実施できない期間をなくすことができる。換言すれば、任意のタイミングで調芯作業実施することがきる。
また、本実施形態では、線引きの開始から終了までの全期間に亘って、空間14sの圧力及び炉心管11の圧力を積極的には制御しないものとして説明した。しかし、本発明の一態様に係る製造方法において、線引き炉1は、炉心管11の内部の圧力を検出する第1の圧力センサと、空間14sの圧力を検出する第2の圧力センサと、炉心管11の内部の圧力と、空間14sの圧力とを制御する制御部を更に備え、その制御部は、第1の線引き工程S12のあとであって、シール素子142と母材21とが離間するときに、空間14sの圧力が炉心管11の内部の圧力以上となるように制御する、ことが好ましい。なお、制御部は、空間14sの圧力を制御するためには、ガス供給口143iに接続されたバルブの開度を制御し、炉心管11の内部の圧力を制御するためには、ガス供給口141iに接続されたバルブの開度を制御するように構成されている。
炉心管11にはガス供給口141iが設けられているため、炉心管11の内部(上部空間111s)のうち母材21の近傍には、炉心管11の上方から下方に向かう不活性ガスの流れが形成されている。上記の構成によれば、シール素子142と母材21とが離間するときに、すなわち、第1シール部のシール作用が消失するときに、空間14sの圧力は、炉心管11の内部の圧力以上となるように制御されている。したがって、母材21の近傍に形成された不活性ガスの流れは、依然として炉心管11の上方から下方に向かったままであり、乱されることがない。このように、第1シール部のシール作用が消失するときに生じ得る不活性ガスの流れの乱れを抑制することができるため、第1シール部のシール作用が消失するときに生じ得る光ファイバ裸線の直径の変動を抑制することができる。
また、制御部は、線引きの開始から終了までの全期間に亘って、炉心管11の圧力と、空間14sの圧力とが何れも所望の圧力に近づくように、ガス供給口141iに接続されたバルブ及びガス供給口143iに接続されたバルブの各々を制御することが好ましい。このとき、制御部は、第1の圧力センサの検出結果に基づきガス供給口141iに接続されたバルブをフィードバック制御することによって、炉心管11の圧力を所望の圧力に近づける。また、制御部は、第2圧力センサの検出結果に基づきガス供給口143iに接続されたバルブをフィードバック制御することによって、空間14sの圧力を所望の圧力に近づける。
この構成によれば、空間14sの内部の圧力が急激に上昇することを確実に防止することができる。したがって、炉心管11の内部の圧力が急激に上昇することも確実に防止することができる。
(キャップの変形例)
キャップ23の第1の変形例であるキャップ123、及び、キャップ23の第2の変形例であるキャップ223について、図6を参照して説明する。なお、キャップ123を含む母材アッシーを母材アッシー102と記載し、キャップ223を含む母材アッシーを母材アッシー202と記載する。母材アッシー102及び母材アッシー202は、母材アッシー2の変形例といえる。図6の(a)は、キャップ123の断面図である。図6の(b)は、キャップ223の断面図である。
図6の(a)に示すように、キャップ123は、上部キャップ123aと下部キャップ123bとに分割されている。上部キャップ123aは、キャップ23の同径部231に対応する部分であり、キャップ123の上端面123tを含む。下部キャップ123bは、キャップ23の縮径部232に対応する部分であり、キャップ123の下端面123bbを含む。
キャップ123が上部キャップ123aと下部キャップ123bとに分割されているため、炉心管11の内部から、母材21を透過してキャップ123に入射した赤外線は、上部キャップ123aと下部キャップ123bと境界123iにおいて反射又は散乱される確率が高まる。したがって、キャップ123は、キャップ23と比較して、炉心管11の内部からキャップ123の上方に伝わる輻射熱を抑制することができる。その結果として、吊り下げ支持装置の把持部など1キャップ23の上方に位置するものが熱により変形したり、劣化することを抑制することができる。
また、キャップ123の下端面123bbは、キャップ123の下端に位置し、ヒータ13に近い。そのため、線引きが終了したときに、キャップ123の下端面123bbが母材21の上端面に融着されている場合がある。このような場合であっても、キャップ123は、上部キャップ123aと下部キャップ123bとに分割されているため、少なくとも上部キャップ123aを再利用することができる。キャップ23においてその下端面が母材21の上端面に融着された場合、キャップ23を再利用することはできない。
図6の(b)に示すように、キャップ223は、上部キャップ223aと下部キャップ223bとに分割されている。したがって、キャップ223は、キャップ123の変形例ともいえる。
上部キャップ223aの内壁223a1は、その下端面223abから遠ざかるにしたがって、その内径が縮小するように構成されている。同様に、下部キャップ223bの内壁223b1は、その下端面223bbから遠ざかるにしたがって、その内径が縮小するように構成されている。
この構成によれば、上部キャップ223aの少なくとも下端面223ab近傍を構成する内壁223a1は、下方に向かって開く傾斜を持つように構成されている。同様に、下部キャップ223bの少なくとも下端面223bb近傍を構成する内壁223b1は、下方に向かって開く傾斜を持つように構成されている。そのため、内壁が下方に向かって開く傾斜を持たないキャップ123と比較して、炉心管11の内部から母材21を透過してキャップに入射しようとする赤外線は、内壁223b1あるいは内壁223a1において斜め下方向に反射される確率が高まる。したがって、炉心管11の内部からキャップ223の上方に伝わる輻射熱を抑制することができる。
また、キャップ123において、2つ以上に分割された区間のうち少なくとも1つの区間は、発泡石英ガラス製であることが好ましい。例えば、キャップ123において、上部キャップ123a及び下部キャップ123bの少なくとも一方が発泡石英ガラス製であり、その他方が石英ガラス製で有ることが好ましい。あるいは、キャップ123において、上部キャップ123a及び下部キャップ123bの両方が発泡石英ガラス製であってもよい。
発泡石英ガラスは、その内部に多くの気泡を含む石英ガラスである。したがって、発泡石英ガラスの内部には、石英ガラスと、気泡を構成するガスとの界面が無数に存在する。このような発泡石英ガラスに入射した赤外線は、石英ガラスに入射した場合と比較して、より高い確率で反射又は散乱される。したがって、上記の構成によれば、前記炉心管の内部から前記キャップの上方に伝わる輻射熱を更に抑制することができる。なお、キャップ223の上部キャップ223a及び下部キャップ223bの少なくとも一方が発泡石英ガラス製であってもよいし、図1に示したキャップ23が発送石英ガラス製であってもよい。
また、キャップ123の下端面123bb及びキャップ23の内壁の少なくとも何れか一方は、その表面の算術平均表面粗さ(Ra)が0.2μm以上である、ことが好ましい。
この構成によれば、キャップ123の下端面123bb及びキャップ123の内壁の各々の表面のRaが0.2μm未満である場合と比較して、炉心管11の内部から母材を透過してキャップ123に入射しようとする赤外線は、キャップ123の下端面123bb及びキャップ23の内壁の少なくとも何れか一方において散乱される確率が高まる。したがって、炉心管11の内部からキャップ123の上方に伝わる輻射熱を抑制することができる。なお、この構成は、キャップ223及びキャップ23の何れにも適用可能である。
(線引き炉101)
線引き炉1の変形例である線引き炉101について、図7を参照して説明する。図7の(a)は、母材アッシー2が開始位置z0にセットされた状態の線引き炉101の拡大断面図である。図7の(a)は、線引き炉101が備えているシールチャンバ114付近を拡大した拡大断面図である。図7の(b)は、図5に示した第2の線引き工程S13における母材アッシー2の位置を示した線引き炉101の拡大断面図である。
線引き炉101は、図1などに示した線引き炉1が備えているシールチャンバ14の代わりにシールチャンバ114を備えている。シールチャンバ114は、シールチャンバ14と同様に、第1シール部、第2シール部、及び、スペーサブロック1146を備えている。
第1シール部を構成するシールブロック1141及びシール素子1142の各々は、それぞれ、シールチャンバ14のシールブロック141及びシール素子142と同一である。
第2シール部は、シールブロック1143と、シール素子1144とにより構成されている。シールブロック1143は、シールブロック143の代わりに採用している構成であり、(1)シールブロック143から貫通孔1451〜145n及びガス供給口143iを省略し、(2)開口の内径を母材21の外径よりも縮めることにより得られる。シールブロック1143には、貫通孔1451〜145nが設けられていないため、第2シール部はシールブロック1143の開口を取り囲む内縁に設けられたシール素子1144を採用している。シール素子1144は、グラファイトにより構成されたドーナツ型のシール素子である。
また、シールブロック1143の下端面は、スペーサブロック1146の上端面から離間可能なように構成されている。
スペーサブロック146に対応するスペーサブロック1146には、シール素子1142とシール素子1144との間に位置する空間に不活性ガスを供給するガス供給口1146iが設けられている。ガス供給口1146iは、特許請求の範囲に記載の第2ガス供給口である。ガス供給口1146iは、シールチャンバ14におけるガス供給口143iと同様に機能する。
線引き炉101は、線引き炉1と同様に、図5に示した製造方法S1を用いて光ファイバ裸線を線引きすることができる。ただし、シールブロック1143の開口の内径が母材21の外径を下回るように構成されているため、線引き炉101の開始位置z0に母材アッシー2をセットした状態(図7の(a)参照)では、第2シール部が母材21の上端面に引っかかり、シールブロック1143とスペーサブロック1146とが離間している。
なお、図7の(b)に示すように、母材21の上端面の位置がスペーサブロック1146の上端面の位置を下回るように母材アッシーが移動された場合には、シールブロック1143がスペーサブロック1146の上に載置された状態となる。
製造方法S1において用いる線引き炉1は、このように第2シール部がスペーサブロック1146から分離可能なシールチャンバ114を備えていてもよい。
(母材アッシーの変形例)
線引き炉101とともに線引きのために用いる母材アッシー2の変形例について、図8を参照して説明する。図8(a)は、図7に示す母材アッシー2の変形例である母材アッシー302を示す断面図である。図8の(b)は、母材アッシー302が備えているキャップ323の正面図及び下面図である。図8の(c)は、キャップ323の変形例であるキャップ423の正面図及び下面図である。
図8に示すように、母材アッシー302は、母材321と、ハンドル22と、キャップ323と、キャップシールとを備えている。キャップシールは、キャップシールブロック24及びシール素子25により構成されている。ハンドル22、キャップシールブロック24、及びシール素子25の各々は、それぞれ、母材アッシー2を構成するハンドル22、キャップシールブロック24、及びシール素子25と同一である。したがって、本変形例では、母材321と、キャップ323とについて説明する。
母材321は、母材21の上端面近傍の領域を、上方向に突出した円錐台形状に変形することによって得られる。光ファイバ裸線を線引きするときには、母材21のようにその上端面212が水平面に沿うように成形された母材を利用することもあるが、母材321のようにその上端面近傍の領域が円錐台形状に成形された母材を利用することもある。
このような母材321を線引き炉101にセットする場合、第2のシール部を所定の位置に保持することができない。そこで、キャップ323は、キャップ23と比較して、その下端につば部3233を更に備えている(図8の(a)参照)。
図8の(b)に示すように、つば部3233は、下方向から見た場合に外縁が円形であり、その中央にハンドル22を通すための開口が設けられたドーナツ状の板状部材である。つば部3233の外縁の直径は、炉心管11の上部炉心管111の内径を下回り、シールブロック1143の開口の内径を上回るように構成されている。本変形例において、つば部3233の直径は、母材321の外径と同程度になるように構成されている。
このように直径が定められたつば部3233は、シールブロック1143を所定の位置に保持することができ、且つ、炉心管の内部に移動することもできる。
キャップ323を用いることにより、上端面近傍の領域を円錐台形状に成形された母材321を用いて線引きする場合であっても、線引き炉101を用いることができる。
〔実施例〕
(第1の実施例)
図1に示した線引き炉1及び母材アッシー2を用いて光ファイバ裸線を線引きした。このとき、母材21の外径を150mmとし、ハンドル22の外径を50mmとし、キャップ23の内径を54mmとし、キャップ23の縮径部232の上端面における外径Dt1を150mmとし、縮径部232の下端面における外径Dt2を120mmとした。また、第2シール部がシール作用が発揮したとき(図3の(b)に示した状態)に、炉心管11の圧力が60Paとなり、空間14sの圧力が70Paとなるように、ガス供給口141i,143iの各々に接続されたバルブを調整しておいた。また、線引きする光ファイバ裸線の外径を125μmとし、許容できる公差を±0.7μmとした。
上記の構成で製造方法S1を実施した結果、その全区間の外径が公差の範囲内に収まった良好な光ファイバ裸線を得ることができた。
(第2の実施例)
本実施例は、空間14sの圧力が60Paとなるようにガス供給口143iに接続されたバルブを調整しておいた以外は、第1の実施例と同じである。
上記の構成で製造方法S1を実施した結果、その全区間の外径が公差の範囲内に収まった良好な光ファイバ裸線を得ることができた。
(第3の実施例)
図7に示した線引き炉101及び母材アッシー2を用いて光ファイバ裸線を線引きした。本実施例は、線引き炉101を用いた以外は、第1の実施例と同じである。
上記の構成で製造方法S1を実施した結果、その全区間の外径が公差の範囲内に収まった良好な光ファイバ裸線を得ることができた。
なお、上述した第1〜第3の実施例において、ハンドルの上端部の最高温度は、300℃であった。
(第4の実施例)
図1に示した線引き炉1及び図6に示した母材アッシー102を用いて光ファイバ裸線を線引きした。すなわち、本実施例では、キャップ123(石英ガラス製)を用いた。本実施例は、母材アッシー102を用いた以外は、第1の実施例と同じである。
上記の構成で製造方法S1を実施した結果、その全区間の外径が公差の範囲内に収まった良好な光ファイバ裸線を得ることができた。また、母材アッシー2を母材アッシー102に変更したことによって、ハンドル22の上端部の最高温度は、200℃に抑えられた。
(第5の実施例)
本実施例は、キャップ123の上部キャップ123aを石英ガラス製とし、下部キャップ123bを発泡石英ガラス製とした。なお、上部キャップ123a下底面及び内壁の双方をすりガラス状に加工した。この加工した表面における算術平均表面粗さは、0.2μm以上である。
上記の構成で製造方法S1を実施した結果、その全区間の外径が公差の範囲内に収まった良好な光ファイバ裸線を得ることができた。また、母材アッシー2を母材アッシー102に変更したことによって、ハンドル22の上端部の最高温度は、150℃に抑えられた。
(比較例)
図1に示した線引き炉1及び母材アッシー2において、母材アッシー2が備えているキャップ23を比較例のキャップに変更した。比較例のキャップは、キャップ23から縮径部232を省略したものであり、その下端面から上端面に至る全区間の外径が概ね一定となるように構成されている。
上記の構成で光ファイバ裸線の線引きを実施した結果、シール素子144の位置に比較例のキャップの下端面が到達し、シール素子144が比較例のキャップに接触したときに、空間14sの圧力が300Paまで急激に上昇し、炉心管11の圧力も100Paまで急激に上昇した。このとき、光ファイバ裸線の外径には1μm以上の変動が生じた。1μm以上の変動は、許容できる公差である±0.7μmを上回る。
また、本比較例では、線引きを実施している途中で光ファイバ裸線が断線し、線引きを最後まで実施することができなかった。これは、第1シール部及び第2シール部が同時に作用していることに起因して、うまく調芯できない期間が長く続いたためと考えられる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
1,101 線引き炉
11 炉心管
11t,11b 開口
12i ガス供給口
12 筐体
12o ガス排出口
13 ヒータ
14,114 シールチャンバ
141,143,1141,1143 シールブロック
142,144,1142,1144 シール素子
144i,144j サブ素子
141i,143i,145i,145j,1141i,1146i ガス供給口
146,1146 スペーサブロック
2,102 母材アッシー
21,321 母材
22 ハンドル
23,123,223,323 キャップ
231,3231 同径部
232,3232 縮径部
123a,223a, 上部キャップ
123b,223b, 下部キャップ
3233 つば部
24 キャップシールブロック
25 シール素子

Claims (11)

  1. 柱状の母材と、前記母材の上端面に対して前記母材の中心軸に沿って接合され、その外径が前記母材より細いハンドルと、当該ハンドルを取り囲み、その下端面が前記母材の前記上端面に接触する筒状のキャップとを組み合わせた母材アッシーと、
    その管軸が鉛直方向に沿い、上方から差し込まれる前記母材の下端部を収容可能な炉心管と、前記炉心管の内部に不活性ガスを供給する第1ガス供給口と、前記炉心管の上方に配置され、第1シール素子を含む第1シール部と、前記第1シール部の上方に配置され、第2シール素子を含む第2シール部と、前記第1シール素子と前記第2シール素子との間に位置する空間に不活性ガスを供給する第2ガス供給口と、を備えた線引き炉と、を用いて光ファイバ裸線を製造する製造方法であって、
    前記キャップは、前記下端面におけるその外径が前記第2シール部の最小有効径を下回り、当該下端面から遠ざかるにしたがってその外径が拡大し、その最大径が前記最小有効径を上回る縮径部を含み、
    前記第1シール素子と前記母材とが接触した状態のまま光ファイバ裸線を線引きする第1の線引き工程と、
    離間していた前記第2シール素子と前記縮径部とが接触するまで光ファイバ裸線を線引きする第2の線引き工程と、
    前記第2シール素子と前記縮径部とが接触した状態のまま光ファイバ裸線を線引きする第3の線引き工程とを含む、
    ことを特徴とする製造方法。
  2. 前記キャップは、当該キャップの上端面を含み、その外径が前記最小有効径を上回り、当該外径がおよそ一定である同径部を更に含み、
    前記第2シール素子と前記同径部とが接触した状態のまま、光ファイバ裸線を線引きする第4の線引き工程とを更に含む、
    ことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記第2の線引き工程は、前記第1シール素子と前記母材とが接触した状態のまま、離間していた前記第2シール素子と前記縮径部とが接触するまで光ファイバ裸線を線引きする、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記第2の線引き工程は、前記第1シール素子と前記母材とが離間した後に、前記第2シール素子と前記縮径部とを接触させる、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の製造方法。
  5. 前記キャップは、当該キャップの前記下端面を含む区間を構成する下部キャップと、当該キャップの上端面を含む区間を構成する上部キャップとを含む2つ以上の区間に分割されている、
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の製造方法。
  6. 前記2つ以上の区間のうち少なくとも1つの区間は、発泡石英ガラス製である、
    ことを特徴とする請求項5に記載の製造方法。
  7. 前記キャップの少なくとも前記下端面近傍は、当該下端面から遠ざかるにしたがって、その内径が縮小するように構成されている、
    ことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の製造方法。
  8. 前記キャップの前記下端面及び前記キャップの内壁の少なくとも何れか一方は、その表面の算術平均表面粗さが0.2μm以上である、
    ことを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の製造方法。
  9. 前記線引き炉は、前記第1シール素子と前記第2シール素子との間に位置する前記空間の圧力と、前記炉心管の内部の圧力とを制御する制御部を更に備え、
    前記制御部は、前記第1の線引き工程のあとであって、前記第1シール素子と前記母材とが離間するときに、前記空間の圧力が前記炉心管の内部の圧力以上となるように制御する、
    ことを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の製造方法。
  10. 線引き炉で加熱溶融されることによって光ファイバ裸線となる柱状の母材と、前記母材の上端面に対して前記母材の中心軸に沿って接合され、その外径が前記母材より細いハンドルと共に母材アッシーを構成する筒状のキャップであって、
    前記母材アッシーとして組み立てられた場合に、前記ハンドルを取り囲み、その下端面が前記母材の前記上端面に接触するように構成されており、
    前記下端面におけるその外径が、前記線引き炉を構成する炉心管の上方に配置されたシール部の最小有効径を下回り、当該下端面から遠ざかるにしたがってその外径が拡大し、その最大径が前記最小有効径を上回る縮径部を含む、
    ことを特徴とするキャップ。
  11. 前記キャップは、当該キャップの上端面を含み、その外径が前記最小有効径を上回り、当該外径がおよそ一定である同径部を更に含む、
    ことを特徴とする請求項10に記載のキャップ。
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