JP2010132505A - 光ファイバ製造装置、光ファイバの製造方法 - Google Patents

光ファイバ製造装置、光ファイバの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】線引きに伴なう光ファイバ母材の外径変化があったとしても、紡糸炉に挿入される箇所のシール性を充分な状態に維持することができ、これにより、紡糸炉内のガス濃度を一定の範囲として、ファイバ径を安定化させることができる技術の提供。
【解決手段】光ファイバ母材Fが挿入される炉心管2を内部に有する紡糸炉3の端部に、前記光ファイバ母材Fをシールするリング状のシール部材を有するシール機構Sを具備し、シール部材としてその内周側から切り込むように形成された内周側スリット及び外周側から切り込むように形成された外周側スリットを有してなるスリット付きカーボンシート21を用いた光ファイバ製造装置100、光ファイバの製造方法を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明はロッドインチューブ法を適用した光ファイバの紡糸工程に用いて好適な光ファイバ製造装置、光ファイバの製造方法に関する。
光ファイバの製造には、VAD法やOVD法等のスート法で作製された石英多孔質母材を焼結ガラス化する方法が一般に用いられている。しかし、近年の光ファイバ母材の大型化に伴い、より生産性の高い方法が求められている。
その一つの方法として、光ファイバの大部分を占めるクラッド部分を光ファイバ用石英ガラス管のジャケットにより作製するロッドインチューブ法がある。この方法には大きくわけて2種類あり、光ファイバ用コアロッドを光ファイバ用石英ガラス管に挿入後、加熱炉で一体化し光ファイバ用母材とする場合と、光ファイバ用コアロッドと光ファイバ用石英ガラス管とを一体化しながら光ファイバまで一度に線引きする方法がある。なお、ここでいう光ファイバ用コアロッドは、VAD法やMCVD法、OVD法など、従来ある製法を用いて作製することができ、光が伝播するコア部とクラッド部の一部から構成されているのが一般的である。
加熱炉で一体化する場合、炉心管と光ファイバ母材の隙間を通じて外部から炉心管内にガスが流入することを防止するシール部材が必要である。なぜならば、加熱炉内のヒータや炉心管は一般的にはカーボン製が用いられるため、炉心管と光ファイバ母材間のシール性(気密性)が悪いと、炉心管内に外部から酸素が混入してカーボン部品の劣化、焼損につながる。シール部材は、炉心管内に外部から酸素が混入することを防ぐために用いる。加熱炉で一体化し光ファイバ用母材とする前者の方法の場合は、30〜100SLMのパージガスを流すことで、炉心管内へのガスの混入を防止するガスシールも採用されている。
しかし、一体化しながら光ファイバまで一度に線引きする後者の場合、炉心管内部のガス流が重要であるため大流量でのガスシールはファイバ径変動の原因となる。そのため大流量のガスシールを用いることなく、炉心管と光ファイバ母材をシールできることが必要である。
ところで、φ100mm以上の大型の光ファイバ用石英ガラス管を用いたロッドインチューブ法の場合、光ファイバ用石英ガラス管の端部にダミー石英管が溶接されていることが一般的である。ダミー石英管を溶接することで、光ファイバ用石英ガラス管の端部まで線引きすることができる上、重量を支える把持部として利用できるメリットもある。ここで用いるダミー石英管は、コストダウンのために、強度が維持できる範囲で光ファイバ用石英ガラス管よりも外径が細く、肉厚も薄いものが用いられることが多い。
また、ダミー石英管はリサイクルすることもできるため、使用回数とともに外径が細くなる可能性がある。つまり、光ファイバ用石英ガラス管とダミー石英管とには外径差が必然的に生じてしまうことになる。さらに、光ファイバ用石英ガラス管の端部まで線引きしようとした場合、線引き工程の後半において、光ファイバ用石英ガラス管とダミー石英管の溶接部が炉心管内部に入ることになる。
しかし、上述したように光ファイバ用石英ガラス管とダミー石英管の溶接部に外径差があるため、炉心管とのシール性が線引き途中で変化してしまう。そのため炉心管内部のガス流が変化しファイバ径変動が発生する可能性がある。結果として光ファイバの歩留まり低下や、酸素混入によるカーボン部品の劣化などの問題があった。
そして、以上のような問題を解決するために、炉心管と光ファイバ母材間のシール性を向上させるため装置が各種提案されている。
特許文献1に示される光ファイバ線引炉では、光ファイバ母材径に相当する穴をあけたカーボンシートをガスシールと併用することで、炉心管内をわずかに陽圧に保ら、外気の混入及び炉心管内部からのダストの飛散を防止できるものである。
特許文献2に示される光ファイバ線引装置では、カーボンフィルムをガスシール部材として用いているが、外径差が生じる場合の対策として、光ファイバ母材となるプリフォーム部と、該プリフォーム部の上端に溶着されたハンドル部とで、別々のガスシール機構を用いることで、これらプリフォーム部及びハンドル部に外径差のある場合でも、外部から炉心管内へのガス流入を防止できるものである。
特許文献3に示される光ファイバ線引装置では、光ファイバ母材を挿入する開ロ部のガスシール部材として伸縮可能なシールリングを用いることで、該光ファイバ母材に外径差が生じる場合でも、炉心管内部の気密を保つことができるものである。
特許文献4に示される光ファイバ線引装置では、光ファイバ母材を挿入する開口部のガスシール部材として、内側に耐熱性毛材が密に植毛されたドーナツ円盤状のカーボン製ブラシを用いることで、外部から炉心管内へのガス流入を防止できるものである。
特開2003−183045号公報 特開2005−8475号公報 特開2006−342030号公報 特開2007−70189号公報
ところで、上記引用文献1〜4に示される光ファイバ線引炉/光ファイバ線引装置では、以下のような問題が発生する。
具体的には、特許文献1に示される光ファイバ線引炉では、光ファイバ母材径に相当する穴をあけたカーボンシートをガスシールとして併用しているが、該カーボンシートに開けられた穴の内径が一定であるために、光ファイバ母材径の変化に伴ない、光ファイバ母材とカーボンシートの穴との間に隙間が生じる。これによって炉心管内の圧力が変化するが、その圧力変化を是正するためにガス流量の調整を行う必要がある。しかしながら、線引き途中のガス流量の変化はファイバ径の変動要因となり好ましくない。
また、特許文献2に示される光ファイバ線引装置では、外径差のある場合の対策として、プリフォーム部とハンドル部で別々のガスシール機構を用いるが、ここで、ハンドル部のガスシールをするために、カーボンフィルムを載せるための平坦な円盤もしくは円筒、及び遮蔽用リング、カーボンフィルムの重しとして、重り用リングが必要である。しかしながら、これら各部材は金属製や石英ガラス製のものを用いるため重量が重く、カーボンフィルムの水平度を出すのに作業性か悪い。また、ガラスと同等もしくはより硬い材質を用いるとすると、光ファイバ母材を誤って傷つける可能性もある。
また、特許文献3に示される光ファイバ線引装置では、ガスシール部材として伸縮可能なシールリングを用いている。しかしながら、このシールリングは、複数のシールリング片を連結したものであり、各シールリング片の熱による伸縮は不可避であるため、各部材の嵌め合いが精度よく出来ない恐れがある。そのため一部のシールリング片の接合が悪くなり、浮いてしまう状態となることでシール性か悪化する恐れがある。また、シールリング片を伸縮させるための伸縮ばねも、熱による劣化により動作不良となる可能性があり、熱による酸化によって発生した錆が伸縮ばねの間に入りこみスムーズに動かなくなる可能性もある。
また、特許文献4に示される光ファイバ線引装置では、ガスシール部材としてドーナツ円盤状のカーボン製ブラシを用いているが、該カーボン製ブラシは、内側に耐熱性毛材が密に植毛されたものであり、使用中に糸状になった粉体が大量に発生して、光ファイバ母材に付着してしまい断線の原因となる。
そして、これら特許文献に示される技術においては、カーボンシートをシール部材として用いる場合、光ファイバ母材の最大径よりも大きくなるように開口部を形成し、該開口部の内周縁が、カーボンシートと光ファイバ母材を直接、接触させないようにその径を設定する必要があった。しかしながら、このような設定を行った場合には、ファイバの線引きに伴って、光ファイバ母材の外径が減少した場合、カーボンシートの開口部と光ファイバ母材の隙間が広がって、シール性が保たれないという問題があった。一方、シール性を確保するためには、光ファイバ母材の最小径よりも小さい開口部径となるようにカーボンシートの寸法を設定することも考えられるが、このような加工を行った場合には、光ファイバ母材の外周面と、カーボンシートの開口部とが接触及び摺動してしまい、カーボンシートが破損するという問題があった。
また、φ100mm以上の大型の光ファイバ用石英ガラス管を用いたロッドインチューブ法の場合、光ファイバ用石英ガラス管の端部にダミー石英管が溶接されていることが一般的である。ここで用いられるダミー石英管は、上述したように、光ファイバ用石英ガラス管よりも細径のものがコスト的に有利である。しかしながら、光ファイバ用石英ガラス管とダミー石英管の溶接部に外径差があることから、ダミー石英管が炉心管内に入った場合に、上述したシール部材によるダミー石英管とのシール性が悪化する。
その結果、外気が炉内に入って線引き時のファイバ径変動の要因となるばかりでなく、ヒータなどのカーボン製部品の劣化の原因となる。その対策として、炉心管と光ファイバ母材/ダミー石英管間のシール部材として設けられたカーボンシートを複数組合せて用いることで、外径差があった場合でも一定のシール性を維持することも考えられる。しかしながら、上述したように、カーボンシートは非常に脆いために、外力が加わった場合に簡単に折れてしまう。カーボンシートの厚さが薄ければ折れに対しては強くなるが、完全に破損を防止することは困難である。
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、〔1〕光ファイバ用石英ガラス管とダミー石英管に外径差があったとしても隙間を発生させず、良好なシール性を維持することができる、〔2〕線引きに伴なう光ファイバ母材の外径変化があったとしても紡糸炉に挿入される箇所のシール性を充分な状態に維持することができ、これにより、紡糸炉内の酸素濃度を目的の値よりも低く(炉内空間のシール部材側の端部における酸素濃度が200ppm以下)抑えてファイバ径を安定化させることができ、従来のような、シール性を維持するための重りが不要となり、光ファイバ母材を傷つけるという問題(特許文献2)、シールリング構成部材の接合不良及び錆発生の問題(特許文献3)、粉体の大量発生による作業不良の問題(特許文献4)も生じ得ない、光ファイバ製造装置、光ファイバの製造方法の提供を目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明は以下の構成を提供する。
第1の発明は、光ファイバ母材が挿入される炉心管を内部に有する紡糸炉と、該紡糸炉の端部に中心を同じくして配置されたリング状のシール部材によって該シール部材の中央に形成された開口部に挿通した光ファイバ母材をシールするシール機構と、を具備し、前記紡糸炉内で加熱された光ファイバ母材を線引きすることで光ファイバを製造する光ファイバ製造装置において、前記シール機構は、前記シール部材として、該シール部材の内周から切り込むように形成されたスリットである内周側スリットと、該シール部材の外周から切り込むように形成されたスリットである外周側スリットとをそれぞれ複数有してなるスリット付きシール部材を具備して構成されていることを特徴とする光ファイバ製造装置を提供する。
第2の発明は、前記シール部材のスリットは、前記光ファイバ母材が挿通される前記開口部の半径方向に沿うように形成されているとともに、内周側スリットと外周側スリットとが、該シール部材の周方向に沿って互い違いに配置されていることを特徴とする第1の発明の光ファイバ製造装置を提供する。
第3の発明は、前記シール部材はカーボンシートからなることを特徴とする第1又は2の発明の光ファイバ製造装置を提供する。
第4の発明は、前記シール機構は、前記スリット付きシール部材と中心を同じくしかつ軸方向に間隔をおいてスリットを有していないシール部材であるスリット無しシール部材が配置されてなることを特徴とする第1〜3のいずれかの発明の光ファイバ製造装置を提供する。
第5の発明は、前記シール機構は前記スリット無しシール部材を複数具備し、前記スリット付きシール部材は軸方向に互いに離隔して設けられたスリット無しシール部材の間に配置されていることを特徴とする第4の発明の光ファイバ製造装置を提供する。
第6の発明は、前記スリット無しシール部材の開口部内径は、前記光ファイバ母材の最大径よりも大きく設定されていることを特徴とする第4又は5の発明の光ファイバ製造装置を提供する。
第7の発明は、前記スリット付きシール部材の開口部内径は、前記光ファイバ母材の最小径よりも小さく設定されていることを特徴とする第1〜6のいずれかの発明の光ファイバ製造装置を提供する。
第8の発明は、前記光ファイバ母材の端部にダミー石英管が接合されていることを特徴とする第1〜7のいずれかの発明の光ファイバ製造装置を提供する。
第9の発明は、紡糸炉の内部に設けられた炉心管に光ファイバ母材を挿入し、前記紡糸炉の端部に中心を同じくして配置されたリング状のシール部材によって該シール部材の中央に形成された開口部に挿通した光ファイバ母材をシールした状態で、前記光ファイバ母材を線引きすることで光ファイバを製造する光ファイバ製造方法において、前記シール部材として、該シール部材の内周から切り込むように形成されたスリットである内周側スリットと、該シール部材の外周から切り込むように形成されたスリットである外周側スリットとをそれぞれ複数有してなるスリット付きシール部材を1以上用い、該スリット付きシール部材の開口部に前記光ファイバ母材が挿通された状態で前記光ファイバ母材を線引きすることを特徴とする光ファイバの製造方法を提供する。
第10の発明は、前記シール部材のスリットとして、前記光ファイバ母材が挿通される前記開口部の半径方向に沿うように形成されているとともに、内周側スリットと外周側スリットとが、該シール部材の周方向に沿って互い違いに配置されているものを用いることを特徴とする第9の発明の光ファイバの製造方法を提供する。
第11の発明は、前記シール部材として、カーボンシートからなるものを用いることを特徴とする第9又は10の光ファイバの製造方法を提供する。
第12の発明は、前記紡糸炉の端部に、前記スリット付きシール部材と中心を同じくしかつ軸方向に間隔をおいてスリットを有していないシール部材であるスリット無しシール部材と、前記スリット付きシール部材とを具備してなるシール機構を配置し、全てのシール部材の開口部に前記光ファイバ母材が挿通された状態で前記光ファイバ母材を線引きすることを特徴とする第9〜11のいずれかの光ファイバの製造方法を提供する。
第13の発明は、前記紡糸炉の端部に前記スリット無しシール部材を複数設け、前記スリット付きシール部材を軸方向に互いに離隔して設けられたスリット無しシール部材の間に配置し、全てのシール部材の開口部に前記光ファイバ母材が挿通された状態で前記光ファイバ母材を線引きすることを特徴とする第12の光ファイバの製造方法を提供する。
第14の発明は、前記スリット無しシール部材として、その開口部内径が、前記光ファイバ母材の最大径よりも大きく設定されているものを用いることを特徴とする第12又は13の光ファイバの製造方法を提供する。
第15の発明は、前記スリット付きシール部材として、その開口部内径が、前記光ファイバ母材の最小径よりも小さく設定されているものを用い、前記スリット付きシール部材の弾性変形によって該スリット付きシール部材の内周縁を前記光ファイバ母材の外周に弾性付勢し接触させた状態で、光ファイバ母材を線引きすることを特徴とする第9〜14のいずれかの光ファイバの製造方法を提供する。
第16の発明は、前記紡糸炉の炉内空間を、真空引きによる減圧と不活性ガスの導入によるガスパージとを同時に行うことによって陽圧に保ち、該炉内空間の前記シール部材側の端部における酸素濃度を200ppm以下とした状態で前記光ファイバ母材を線引きすることを特徴とする第9〜15のいずれかの光ファイバの製造方法を提供する。
第17の発明は、前記光ファイバ母材として、その端部にダミー石英管が接合されているものを用いることを特徴とする第9〜16のいずれかの光ファイバの製造方法を提供する。
本発明によれば、紡糸炉の端部に設けられるシール部材として、内周側スリット及び外周側スリットがそれぞれ複数設けられて変形自由度が高められたスリット付きシール部材を使用する構成であり、シール部材の破損が生じにくく、かつ該シール部材による光ファイバ母材のシール性を維持することができる。
スリット付きシール部材の変形によって、内周側スリット間のシール片の先端、すなわちスリット付きシール部材の内周縁を光ファイバ母材に密着状態に接触させることが可能となり、光ファイバの線引き中に光ファイバ母材の外径変動があった場合、及び光ファイバ用石英ガラス管とダミー石英管に外径差があった場合でも、隙間を発生させず、光ファイバ母材との良好なシール性を維持することができる。その結果、外気の進入を防止することができ、紡糸炉内の酸素濃度を目的値以下(例えば炉内空間の前記シール部材側の端部における酸素濃度200ppm以下)に抑えるといったことも容易に実現でき、ファイバ径を安定化させることが可能となり、紡糸炉内のカーボン製の炉心管やヒータの劣化防止及び寿命延長を図ることができる。
また、従来のような、シール性を維持するための重りが不要となり、光ファイバ母材を傷つけるという問題(特許文献2)、シールリング構成部材の接合不良及び錆発生の問題(特許文献3)、粉体の大量発生による作業不良の問題(特許文献4)も発生させることなく、均一な径の光ファイバを製造することが可能となる。
以下、本発明に係る光ファイバ製造装置、光ファイバの製造方法を図面を参照して説明する。
本発明は、まず、紡糸炉内に充填される酸素濃度が一定値以下であるとファイバ径が安定するという事実に着目し、該酸素濃度を一定の範囲とすることによってファイバ径の安定性を図るという目的のために、光ファイバ母材が紡糸炉に挿入される箇所のシール性を充分な状態に維持する光ファイバ製造装置及び光ファイバの製造方法を提供するものである。
一般に、公衆通信で用いられている光ファイバは、ITU−Tなどの国際規格にて仕様が決められていることが知られている。最も代表的な光ファイバの外径はφ125μmである。従って、φ125.0μmであることが好ましい。
しかしながら、光ファイバの紡糸において若干の外形変動があること、及び光ファイバには若干の非円を有していることが知られており、光ファイバの全長に渡ってφ125.0μmとすることは困難である。また、市販の外径測定器(例えば、アンリツ社製のレーザー外径測定器、型番;KL−151A・TW)には、アベレージングや温度等による測定誤差があることが知られている。以上により、中心値をφ125.0μmとして、光ファイバの外径変動の公差が±0.2μmであれば、好適であるということができる。もしくは、光ファイバ外径が安定していると表現できる。従って、光ファイバ外径を全長にわたってφ125.0±0.2μmにすることは、光ファイバ径の安定性を向上させる手法であると言うことができる。一般に、光ファイバ外径が不安定であると光ファイバの強度が低下したり、光ファイバの接続損失が悪化してしまうことが知られており、このため、光ファイバ径の安定性を向上させることは、光ファイバの信頼性を向上させるという点においても重要である。
そして、このような光ファイバ外径を全長にわたってφ125.0±0.2μmにするための対策として、本発明者らは、炉心管と光ファイバ母材のシール性の評価として、炉内の酸素濃度測定と、光ファイバ母材のファイバ径変動があることに着目し、研究を行った。その結果、シール部材となるカーボンシート(後述する)直下での酸素濃度(図1、図5の点Aにて計測した酸素濃度)が200ppm以下であれば、ファイバ径をφ125.0±0.2μmとすることができることを見出した。また、その範囲内とすることにより、ファイバの製造装置内のカーボン部品の劣化は少なく良好であり、さらに、酸素濃度が100ppm以下であれば、当該カーボン部品の寿命がより伸びることが判った。
以下に、上述したように光ファイバ外径を全長にわたってφ125.0±0.2μmにするための具体的構成について説明する。
図1は、本発明に係わる光ファイバ製造装置100である。この光ファイバ製造装置100は、ヒータ1が内蔵されてその内部に、光ファイバ母材Fが挿入される炉心管2が上下に沿う軸方向(矢印a−b方向)に配置された紡糸炉3と、この紡糸炉3の前記炉心管2が位置する上部位置にて中心軸(符号Oで示す)を同じくするように開口部(後述する)が配置されたリング状のシール機構Sと、を有するものである。
また、図5に示す光ファイバ製造装置101は、本発明に係わる光ファイバ製造装置の他の例であって、図1の光ファイバ製造装置100のシール機構を変更した構成になっている。図5に示す光ファイバ製造装置101は、シール機構S1のみが図1の光ファイバ製造装置100と異なるものであり、シール機構S1以外の構成は図1の光ファイバ製造装置100と同様になっている。
なお、図1、図2(a)〜(c)、図5において、上側を上、下側を下として説明する。
図1、図5において、光ファイバ母材Fは、光ファイバ用石英ガラス管4の内部に光ファイバ用コアロッド5を挿入してなるものである。この光ファイバ母材Fの上端部には、ダミー石英管10、押さえ石英管11、真空引き用キャップ12が設けられ、また、その下端部には、ダミー部材13が設けられている。
ダミー石英管10は、光ファイバ用石英ガラス管4の上端部に火炎溶接された管体であって、その内部には、光ファイバ用コアロッド5を先端部で固定するための押さえ石英管11が挿入されている。
真空引き用キャップ12は、ダミー石英管10の上端面に設置されるものであって、光ファイバ用コアロッド5をダミー石英管10の内部に挿入した後、該光ファイバ用コアロッド5を固定及び保持する。
ダミー部材13は、光ファイバ用石英ガラス管4の下端部に火炎溶接されることで固定されるものであって、ファイバ線引時に口出し部となる。
次に、図1の光ファイバ製造装置100のシール機構Sについて図2(a)〜(c)及び図3(a)、(b)を参照して説明する。
図2(a)〜(c)に示すように、前記シール機構Sは紡糸炉3の上部に配置されている。このシール機構Sは、炉心管2内に酸素を含む外気が流入することを防止するために、シール部材として、リング状のカーボンシート20、21を複数組み合わせて用いることでシール性の維持を実現している。
図1、図2(a)〜(c)に例示したシール機構Sは、図3(b)に示すようにスリット25、26が形成された1枚のカーボンシート21(スリット付きシール部材。以下、スリット付きカーボンシートとも言う)と、スリットが形成されていないリング状の部材(カーボンシート)である2枚のカーボンシート20、23(図3(a)参照。スリット無しシール部材。以下、スリット無しカーボンシートとも言う)とを具備し、スリット付きカーボンシート21が、紡糸炉3の炉心管2の中心軸O方向(図1中、上下方向)に互いに離隔して設けられた2枚のスリット無しカーボンシート20、23の間に配置された構成になっている。
スリット付きカーボンシート21の下側には中心軸Oと同軸のリング状に形成されたシート支持部24がスペーサとして設けられている。前記シート支持部24は、スリット付きカーボンシート21とその下側のスリット無しカーボンシート20との間に介挿されており、スリット付きカーボンシート21の外周部とスリット無しカーボンシート20の外周部とに当接させて設けられている。スリット付きカーボンシート21は、前記シート支持部24が当接された部位よりも内周側の部分(張出部21H)がシート支持部24から張り出すように突出されている。また、スリット付きカーボンシート21の下側のスリット無しカーボンシート20も、前記シート支持部24が当接された部位よりも内周側の部分であって前記シート支持部24から張り出すように突出された張出部20Hを有している。
スリット付きカーボンシート21の上側のスリット無しカーボンシート21は、スリット付きカーボンシート21上に重ね合わせて設けられている。
また、スリット無しカーボンシート21上には、3枚のシール部材(カーボンシート20、21、23)及びシート支持部24を紡糸炉3上に押さえ込むためのリング状の重し部材28が設けられている。図2(a)〜(c)、図4に示すように、この重し部材28は、上下方向において(平面視において)シート支持部24に重なるようにして、スリット無しカーボンシート21の外周部上に設けられている。なお、図4は、スリット付きカーボンシート21の上側のスリット無しカーボンシート23を透視して示した平面図である。
3枚のシール部材(カーボンシート20、21、23)及びシート支持部24は紡糸炉3に対して固定されておらず、重し部材28も紡糸炉3に対して固定されていない。シール機構Sは、重し部材28の質量(重量)によって、3枚のシール部材(カーボンシート20、21、23)及びシート支持部24を紡糸炉3に押さえ込んだ構成になっている。
図2(a)〜(c)に示すように、2枚のスリット無しカーボンシートの一方(符号20のスリット無しカーボンシート)は、紡糸炉3の上端面に接するように配置されたリング状の下側シール部材であって(開口部を符号20Mで示す)、その開口部20Mを形成する内周縁20Aは、炉心管2の内周縁2Aより若干内方側に突出するように配置されている。
スリット付きカーボンシート21は、シート支持部24を介してカーボンシート20に対して軸方向(図1中、矢印a−b方向。中心軸Oに沿う方向)に間隔を有するように配置されたリング状の中間シール部材であって、その開口部21Mを形成する内周縁21Aは、カーボンシート20の内周縁20Aより若干内方側に突出するように配置されている(開口部を符号21Mで示す)。
図3(b)に示すように、このカーボンシート21は、その開口部21Mに臨む内周から切り込むように形成されたスリットである内周側スリット25と、外周から切り込むように形成されたスリットである外周側スリット26とを有している。スリット25、26は、開口部21Mの内周縁21A及び外周縁21Bに沿う方向に一定の間隔でそれぞれ複数形成されている。
図3(b)に示されるスリット付きカーボンシート21は本発明の実施例(後述する)に係わるものである。
なお、図3(c)は、比較例(後述する)のカーボンシート22を示す。
図3(c)に示すカーボンシート22は、開口部22Mの内周から該カーボンシート22に切り込むように延在形成されたスリット25aが、前記開口部22Mの内周縁22Aに沿う方向に一定の間隔で複数設けられたものである。このカーボンシート22は、スリット付きカーボンシート21について外周側スリット26を省略した構成であり、外周側スリット26を省略したこと以外はスリット付きカーボンシート21と同様の構成になっている。
図2(a)〜(c)に示すように、2枚のスリット無しカーボンシートの他方(図中符号23のスリット無しカーボンシート)は、スリット付きカーボンシート21の上面に重ね合わせるように配置されたリング状の上側シール部材であって(開口部を符号23Mで示す)、その開口部23Mを形成する内周縁23Aは、カーボンシート20と同様に、炉心管2の内周縁2Aより若干内方側に突出するように配置されている。
スリット無しカーボンシート20、23の開口部20M、23Mの内径は、光ファイバ母材Fの最大径よりも大きく、かつダミー石英管10の外径よりも大きく設定されている。このため、これらスリット無しカーボンシート20、23が、光ファイバ母材Fとの接触により破損する恐れが無い。
また、図1では、ダミー石英管10として、その外径が光ファイバ母材Fの外径よりも若干小さいものを用いている構成を例示している。スリット無しカーボンシート20、23の開口部20M、23Mの内径は、光ファイバ母材Fの最大径よりも僅かに大きく設定しており、スリット無しカーボンシート20、23の開口部20M、23Mにダミー石英管10が挿通された際のギャップは小さい状態に維持される。
また、中間に位置するスリット付きカーボンシート21の開口部21Mの内径は、光ファイバ母材Fの最小径よりも小さく(若干小さい)、かつダミー石英管10の外径よりも若干小さく設定されている。このため、スリット付きカーボンシート21は、光ファイバ母材F、ダミー石英管10に対して密着するためシール性が高い。
さらに、既述のように本発明の実施例とされる中間のスリット付きカーボンシート21には、内周側スリット25及び外周側スリット26が、それぞれ複数形成されている。図3(b)に示すように、これらスリット25、26は、開口部21Mの半径方向に沿うように放射状に形成されるとともに、該スリット付きカーボンシート21の周方向(内周縁21A及び外周縁21Bに沿う方向)における位置を互いに異ならせて互い違いとなるように配置されている。
上述のように、シール機構Sのスリット付きカーボンシート21は、内周側スリット25及び外周側スリット26がそれぞれ複数形成されている構成により、スリット25、26を形成しない場合に比べて形状変化の自由度が高められており、破損しにくくなっている。また、スリット付きカーボンシート21は、スリット25、26を形成しない場合に比べて、3次元的な変形に対する対応幅も拡がる。このため、スリット付きカーボンシート21は、図2(b)に示すように、開口部21Mの内径より大きい外径の光ファイバ母材Fがシール機構Sに挿通された場合に、シール機構Sへの光ファイバ母材Fの送り込みによる垂直方向の応力や光ファイバ母材Fの曲がりによる水平方向への応力に対して、該スリット付きカーボンシート21全体が変形することで応力を効果的に分散することができ、破損を抑制することができる。
また、スリット付きカーボンシート21は、シール機構Sへの光ファイバ母材Fの送り込みによる下方への変位力が内周縁21Aに作用して、内周側スリット25間のシール片25Aに図2(b)に示す如く下向きの曲げ変形が与えられ、スリット付きカーボンシート21自体の弾性復元力によってその内周縁21Aが光ファイバ母材Fに弾性付勢される。これにより、スリット付きカーボンシート21の内周縁21Aの光ファイバ母材Fの外径変動に対する追従性を確保でき、内周縁21Aが光ファイバ母材Fに接する状態を維持でき、シール性を安定に確保できる。
図示例のシール機構Sは、スリット付きカーボンシート21とその下側のスリット無しカーボンシート20との間にスペーサとして介在設置されたシート支持部24によって、スリット付きカーボンシート21の張出部21Hとスリット無しカーボンシート20の張出部20Hとの間にクリアランスCが確保された構成になっている。前記クリアランスCは、スリット付きカーボンシート21の変形、特に、シール機構Sへの光ファイバ母材Fの送り込みによって内周縁21Aに作用する下方への変位力に起因するスリット付きカーボンシート21の曲げ変形(図2(b)参照)の自由度の確保に有効に寄与する。
また、シール機構Sへの光ファイバ母材Fの送り込みによって変形したスリット付きカーボンシート21の内周縁21Aがスリット無しカーボンシート20に接触しないように、スリット付きカーボンシート21とスリット無しカーボンシート20との間の距離を充分に確保することで、スリット付きカーボンシート21の変形がスリット無しカーボンシート20のシール性に影響を与えることを回避できる。
既述のように、このシール機構Sは、紡糸炉3に対して固定されていない重し部材28の質量(重量)によって、紡糸炉3に対して固定されていない3枚のシール部材(カーボンシート20、21、23)及びシート支持部24を紡糸炉3に押さえ込んだ構成であり、しかも、前記重し部材28は、光ファイバ母材Fの送り込みに伴うスリット付きカーボンシート21の変形によって微動可能なようにその質量が設定されており、スリット付きカーボンシート21の変形を許容している。重し部材28は、3枚のシール部材(カーボンシート20、21、23)及びシート支持部24が紡糸炉3から浮き上がることを抑え、かつ、スリット付きカーボンシート21の変形を許容して、3枚のシール部材(カーボンシート20、21、23)及びシート支持部24を紡糸炉3に押さえ込む。
なお、3枚のシール部材(カーボンシート20、21、23)及びシート支持部24は中心軸Oに直交する方向への変位が可能になっている。
シール部材の中心軸Oに直交する方向への変位が可能である構成であれば、例えば、光ファイバ母材Fの位置が中心軸Oに対してずれが生じていたり、光ファイバ母材Fが中心軸Oに対して斜めにセットされた場合に、シール部材が中心軸Oに直交する方向に変位することでシール部材に無理な力が作用することを防ぐことができ、シール部材(カーボンシート)の破損を防止できる。
図5に示す光ファイバ製造装置101のシール機構S1は、シール部材として、1枚のスリット付きカーボンシート21のみを具備し、スリット無しカーボンシートを具備していない構成になっている。
スリット付きカーボンシート21は、その開口を形成する内周縁21Aが、カーボンシート20の内周縁20Aより若干内方側に突出するように配置されている(開口部を符号21Mで示す)ことは、図1に例示した光ファイバ製造装置100と同様である。また、既述の通り、このスリット付きカーボンシート21の開口部21Mの内径は、光ファイバ母材Fの最小径よりも小さく(若干小さい)、かつダミー石英管10の外径よりも若干小さく設定されている。
この光ファイバ製造装置101のシール機構S1の前記スリット付きカーボンシート21も、シール機構S1への光ファイバ母材Fの送り込みによる垂直方向の応力や光ファイバ母材Fの曲がりによる水平方向への応力に対して、該スリット付きカーボンシート21全体が変形することで応力を効果的に分散することができ、破損を抑制することができる。また、シール機構S1への光ファイバ母材Fの送り込みによる下方への変位力で曲げ変形が与えられたスリット付きカーボンシート21自体の弾性復元力によってその内周縁21Aが光ファイバ母材Fに弾性付勢され、スリット付きカーボンシート21の内周縁21Aの光ファイバ母材Fの外径変動に対する追従性を確保でき、内周縁21Aが光ファイバ母材Fに接する状態を維持でき、シール性を安定に確保できる。
また、前記シール機構S1のスリット付きカーボンシート21は、中心軸Oと同軸のリング状に形成され紡糸炉3上に固定されたシート支持部27上に固定せずに設置され、また、該スリット付きカーボンシート21上に載置した既述の重し部材28によってシート支持部27に押さえ込まれている。
また、このシール機構S1において、スリット付きカーボンシート21は、シート支持部27よりも内側に張り出された張出部21H1を有している。前記張出部21H1と紡糸炉3との間にはクリアランスC1が確保されているため、このクリアランスC1によってスリット付きカーボンシート21の変形自由度を確保できる。
なお、上記シール機構S1においてシート支持部27は必須ではなく省略可能である。例えば、ダミー石英管10と光ファイバ用石英ガラス管4との間の外径差が小さい場合は、光ファイバ母材Fの送り込みに伴うスリット付きカーボンシート21の変形量が小さいため、シート支持部27を用いてスリット付きカーボンシート21の変形自由度を大きく確保できる充分な大きさのクリアランスC1を形成しなくても、スリット付きカーボンシート21の変形によって前記外径差を吸収できる。
紡糸炉3の端部(上端)におけるシール性の確保の点では、シール部材が1つだけのシール機構S1を採用した光ファイバ製造装置101に比べて、スリット付きカーボンシート21に加えてスリット無しカーボンシートを併用したシール機構Sを採用した光ファイバ製造装置100の方が優れたシール性をより確実に得ることができる。
また、図1、図2(a)〜(c)に例示した光ファイバ製造装置100のシール機構S1では、カーボンシート20及び23をスリット付きカーボンシート21を介して上下に1枚ずつ配置したが、本発明に係る光ファイバ製造装置のシール機構としては、これに限定されず、さらに、スリット無しカーボンシート(スリット無しシール部材)を多く設置すれば、シール性の維持に効果が高くなり、より望ましい。
なお、上記例の光ファイバ製造装置100、101を用いた光ファイバの製造においては、紡糸中は光ファイバ用石英ガラス管4内の空隙を図示しない真空ポンプで減圧し、炉内の酸素濃度(炉内空間31(図示例では炉心管2内の空間)の酸素濃度)を低下させるが、さらに、シール機構Sの下部に、不活性ガスによるガスパージ(不活性ガスを導入する)を併用することはより望ましい。つまり、真空引きによる減圧と不活性ガスの導入によるガスパージとを同時に行うことによって炉内空間31を陽圧に保つ。その際、カーボンシート20、21、23による光ファイバ用石英ガラス管4とのシール性が高いため、小流量のガスパージでも、炉内の酸素濃度をより低く維持することができる。そして、このように複数枚のカーボンシート20、21、23を組み合わせることで、光ファイバ用石英ガラス管4に外径変動があった場合でもシール機構Sの破損がなく、光ファイバ母材Fの長手方向に沿ってシール性を保つことが可能となる。これにより、炉内空間31の前記シール部材側の端部(カーボンシート20の直下)における酸素濃度を200ppm以下とした状態を保ったまま光ファイバ母材を線引きすることを容易に実現できる。
ところで、シール機構Sにおいて、中間に位置するカーボンシートとしては、リング状のカーボンシートの開口部から切り込むように延在形成されたスリットを有するものを採用することが、カーボンシートの折れの抑制(特に、光ファイバ母材Fと接する側の内周縁の折れの抑制)に有効とされるが、図3(c)に示したカーボンシート22のように、その開口部22Mから切り込むように延在形成されたスリット25aのみを有し、外周側スリット26(図3(c)参照)を有していない構造の場合は、許容できる光ファイバ母材Fの外径差は、3mm程度と小さい。
このため、発明者らは、前述したように、当該許容できる外径差を拡大するために、図3(b)に示すスリット付きカーボンシート21のように、その内周側から切り込むように延在形成されたスリット(内周側スリット25)及び外周側から切り込むように延在形成されたスリット(外周側スリット26)を入れた構成のもの(スリット付きシール部材)を用いることを見出した。このスリット付きカーボンシート21は、スリット25、26によって形状の変化に対する自由度が高められているため、光ファイバ母材Fの送り込みによる垂直方向の応力や光ファイバ母材Fの曲がりによる水平方向への応力によって該スリット付きカーボンシート21自体が三次元的に曲がった場合であっても破損しにくく、破損を抑制できる。
本発明に係るスリット付きカーボンシートは、必ずしもその周方向においてスリット25、26を互い違いになるように形成した構成に限定されない。内周側スリット25と外周側スリット26とが、リング状のカーボンシートの半径方向に直列に形成された構成も含む。
スリット付きカーボンシート21の周方向の複数箇所に形成されたスリット25、26の間隔については、それぞれ、スリット付きカーボンシート21の中心を基準にして20°以下の間隔(各側で18箇所以上のスリットに相当)とすることが破損抑制の点で好ましい。スリット25、26を互い違いになるように形成した構成であれば、破損の抑制をさらに高めることが可能となる。
本発明者らの検討では、スリット付きカーボンシート21の中心を基準にして、5°の間隔で内周縁21A及び外周縁21Bに交互にスリットを入れた場合には(各側で計72箇所のスリットに相当)、光ファイバ母材Fの外径差が最大10mmの場合でも、スリット付きカーボンシート21の破損はなく、外力に対する耐性が強いことが確認されている。またスリット付きカーボンシート21の厚さについては、スリット25、26の本数にもよるが、0.4〜1.0mm程度が好ましい。
ダミー石英管10と光ファイバ用石英ガラス管4との間の外径差が小さい場合など、光ファイバ母材Fの送り込みに伴うスリット付きカーボンシート21の変形量が小さい場合は、本発明に係る光ファイバ製造装置のシール機構として図6に示す構成のものを採用することも可能である。
図6に示すシール機構S2は、2枚のスリット無しカーボンシート20、23をスリット付きカーボンシート21の上下に、スリット付きカーボンシート21に直接接触させて重ね合わせた構成になっている。図6に例示したシース機構S2においても、スリット付きカーボンシート21の上側のスリット無しカーボンシート23上に載置(紡糸炉3に対して固定していない)したリング状の重し部材28によって、カーボンシート20、21、23を紡糸炉3に押さえ込み、紡糸炉3からの浮き上がりを抑える構成を採用している。
このシール機構S2は、光ファイバ母材Fの送り込みに伴うスリット付きカーボンシート21の変形量が小さい場合は、スリット付きカーボンシート21が破損しにくいことに加えて、スリット付きカーボンシート21の変形に起因するスリット無しカーボンシート20、23の破損も回避できる。然るに、カーボンシート20、21、23の長期使用が可能となるため、優れたシール性を長期にわたって安定に確保できる。
次に、上記カーボンシート20、21、23を用いたシール機構Sについて以下のような実験を行った。
以下に示す実施例1〜5は、本願発明に係わるものサンプルであって、シール機構Sの中間シール部材として、内周縁21A及び外周縁21Bの両方にスリット25、26を有するスリット付きカーボンシート21を使用している。一方、比較例1〜3は、本発明と比較するためのサンプルであって、中間シール部材を使用しない(比較例1)、又は中間シール部材として、開口部22Mの内周縁22Aにのみにスリット25を有するカーボンシート22(比較例2及び3)を使用している。
〔実施例1〕
外径φ155mm、内径φ45mm、長さ1500mmの光ファイバ用石英ガラス管4の端部に外径φ145mm、内径φ80mm、長さ800mmのダミー石英管10を火炎溶接した。
また、光ファイバ用石英ガラス管4の反対の端部には、ファイバ化時に口出し部となるダミー部材13(長さ:100mm)を火炎溶接した。
溶接された光ファイバ用石英ガラス管4及びダミー石英管10、ダミー部材13をフッ酸洗浄後、純水でリンスし、乾燥した。乾燥後の光ファイバ用石英ガラス管4内面を、ハロゲンランプの光をあてて観察したところ、傷、乾燥染み(ウォータマーク)は確認されなかった。
その後、ダミー石英管10の内部に、あらかじめ静電気除去したフッ素樹脂製の保護冶具(図示略)を光ファイバ用石英ガラス管4とダミー石英管10の溶接部付近まで挿入した。その後、VAD法で作製した光ファイバ用コアロッド5(φ42mm×1500mm、火炎加工で曲がり取り済み)を光ファイバ用石英ガラス管4とダミー部材13の溶接部まで挿入した。
引き続き光ファイバ用コアロッド5を固定するための押さえ石英管をダミー石英管10の内部に挿入後、ダミー石英管10の端部に真空引き用のキャップ12を設置した。
その後、光ファイバ用石英ガラス管4を図示しない紡糸炉タワーに設置した(図1を参照)。炉心管2と光ファイバ母材Fのシール部材として、カーボンシート20、21、23を3枚(肉厚0.6mm)を使用した。用いたカーボンシートは、図3(b)の形状を持つスリット付きカーボンシート21(内径φ144.5mm、スリット数:計72箇所)1枚と、図3(a)の形状を持つスリット無しカーボンシート20、23(内径φ156mm)を1枚ずつ上下に重ねるように用いた。紡糸前に光ファイバ母材Fの先端部を一部挿入し、シール機構Sのカーボンシートの直下(図1の点A。ここでは下側シール部材であるスリット無しカーボンシート20の直下)、つまり炉内空間31(図1参照)のシール部材側の端部(上端部)における酸素濃度を測定した結果、70ppmと充分低い値を示しシール性が充分であることを確認した。
その後、紡糸炉3のヒータ1を昇温し、紡糸を実施した。紡糸中は光ファイバ用石英ガラス管4内の空隙を図示しない真空ポンプで減圧し、ブルドン管圧力計の表示で−0.1MPa(ゲージ圧)とした。前述と同じ位置で紡糸中の酸素濃度を測定したところ、図2(b)に示すように、光ファイバ用石英ガラス管4をシールしているときは80〜90ppm、図2(c)に示すように、ダミー石英管10をシールしているときは60〜80ppmであり、シール性が充分であることを確認した。紡糸中は断線もなく、紡糸中のオンラインでのファイバ径変動は125±0.1μmと安定しており良好であった。線引き終了後、カーボン部品の外観を確認したところ劣化は見られず良好な状態であった。
〔実施例2〕
外径φ190m、内径φ55mm、長さ1500mmの光ファイバ用石英ガラス管4の端部に外径φ180mm、内径φ100mm、長さ800mmのダミー石英管10を火炎溶接したものに、実施例1と同様の方法で光ファイバ用コアロッド5(φ52mm×1500mm、火炎加工で曲がり取り済み)を挿入した。炉心管2と光ファイバ母材Fのシール部材として、カーボンシート20、21、23を3枚(肉厚0.6mm)を使用した。用いたカーボンシートは図3(b)の形状を持つスリット付きカーボンシート21(内径φ179.5mm、スリット数:計72箇所)1枚と、図3(a)の形状を持つスリット無しカーボンシート20、23(内径φ191mm)を1枚ずつ上下に重ねるように用いた。
実施例1と同様に、紡糸前のスリット付きカーボンシート21直下における酸素濃度を測定した結果、80ppmと充分低い値を示しシール性が充分であることを確認した。また、実施例1と同様に紡糸中の酸素濃度を測定したところ、図2(b)に示すように、光ファイバ用石英ガラス管4をシールしているときは80〜100ppm、図2(c)に示すように、ダミー石英管10をシールしているときは70〜100ppmであり、シール性が充分であることを確認した。紡糸中は断線もなく、紡糸中のオンラインでのファイバ径変動は125±0.1μmと安定しており良好であった。線引き終了後、カーボン部品の外観を確認したところ劣化は見られず良好な状態であった。
〔実施例3〕
図3(b)の形状を持つスリット付きカーボンシート21として、スリット数が計36箇所のものを用いた以外は実施例1と同様の方法で紡糸を実施した。
実施例1と同様に、紡糸前のスリット付きカーボンシート21直下における酸素濃度を測定した結果、120ppmと充分低い値を示しシール性が充分であることを確認した。また実施例1と同様に紡糸中の酸素濃度を測定したところ、図2(b)に示すように、光ファイバ用石英ガラス管4をシールしているときは110〜140ppm、図2(c)に示すように、ダミー石英管10をシールしているときは100〜120ppmであり、シール性が充分であることを確認した。紡糸中は断線もなく、紡糸中のオンラインでのファイバ径変動は125±0.1μmと安定しており良好であった。線引き終了後、カーボン部品の外観を確認したところ劣化は見られず良好な状態であった。
〔実施例4〕
外径φ155mm、内径φ45mmの光ファイバ用石英ガラス管4と外径φ150mm、内径φ80mmのダミー石英管10を用いたことと、図3(b)の形状を持つスリット付きカーボンシート21(内径φ149.5mm、スリット数:計18箇所)1枚と、図3(a)の形状を持つスリット無しカーボンシート20、23(内径φ156mm)を2枚用いた以外は実施例1と同様の方法で紡糸を実施した。
実施例1と同様に、紡糸前のスリット付きカーボンシート21直下における酸素濃度を測定した結果、90ppmと充分低い値を示しシール性が充分であることを確認した。また実施例1と同様に紡糸中の酸素濃度を測定したところ、図2(b)に示すように、光ファイバ用石英ガラス管4をシールしているときは80〜110ppm、図2(c)に示すように、ダミー石英管10をシールしているときは90〜100ppmであり、シール性が充分であることを確認した。紡糸中は断線もなく、紡糸中のオンラインでのファイバ径変動は125±0.1μmと安定しており良好であった。線引き終了後、カーボン部品の外観を確認したところ劣化は見られず良好な状態であった。
〔実施例5〕
図3(b)の形状を持つスリット付きカーボンシート21として、内径φ145.0mm、スリット数:計72箇所ものを用いた以外は実施例1と同様の方法で紡糸を実施した。
実施例1と同様に、紡糸前のスリット付きカーボンシート21直下における酸素濃度を測定した結果、130ppmと充分低い値を示しシール性が充分であることを確認した。また実施例1と同様に紡糸中の酸素濃度を測定したところ、図2(b)に示すように、光ファイバ用石英ガラス管4をシールしているときは120〜140ppm、図2(c)に示すように、ダミー石英管10をシールしているときは160〜180ppmであり、シール性が充分であることを確認した。紡糸中は断線もなく、紡糸中のオンラインでのファイバ径変動は125±0.1μmと安定しており良好であった。線引き終了後、カーボン部品の外観を確認したところ劣化は見られず良好な状態であった。
〔実施例6〕
図3(b)の形状を持つスリット付きカーボンシート21として、内径φ145.5mm、スリット数:計72箇所ものを用いた以外は実施例1と同様の方法で紡糸を実施した。
実施例1と同様に紡糸前のスリット付きカーボンシート21直下における酸素濃度を測定した結果、140ppmと充分低い値を示しシール性が充分であることを確認した。また実施例1と同様に紡糸中の酸素濃度を測定したところ、図2(b)に示すように、光ファイバ用石英ガラス管4をシールしているときは130〜150ppm、図2(c)に示すように、ダミー石英管10をシールしているときは190〜210ppmであり、シール性が充分であることを確認した。紡糸中は断線もなく、紡糸中のオンラインでのファイバ径変動は125士0.15μmと安定しており良好であった。線引き終了後、カーボン部品の外観を確認したところ劣化は見られず良好な状態であった。
〔比較例1〕
シール冶具として、図3(a)の形状を持つスリット無しカーボンシート20(内径φ156mm)を1枚のみ用いた以外は実施例1と同様の方法で紡糸を実施した。
実施例1と同様に紡糸前の酸素濃度及び、紡糸中の図3(c)の光ファイバ用石英ガラス管4をシールしているときの酸素濃度を測定した結果は130〜150ppmとなりシール性は充分であった。紡糸前半はファイバ径が125±0.1μmと安定していたが、図2(c)に示すように、ダミー石英管10をシールしているときは250〜300ppmとなりシール性が悪化した。シール性が悪化した直後にファイバ径変動が激しくなり、125±0.35μmとファイバ径が不安定になった。
線引き終了後、カーボン部品の外観を確認したところ、炉心管2内面が変色し一部は焼損している状態であった。
〔比較例2〕
シール冶具として、図3(c)の形状を持つカーボンシート22(内径φt154.5mm、スリット数:36箇所)を1枚のみ用いた以外は実施例1と同様の方法で紡糸を実施した。
実施例1と同様に、紡糸前の酸素濃度及び、紡糸中の図3(c)の光ファイバ用石英ガラス管4をシールしているときの酸素濃度を測定した結果は70〜90ppmとなりシール性は充分であった。紡糸前半はファイバ径が125±0.1μmと安定していたが、図2(c)に示すように、ダミー石英管10をシールしているときは200〜230ppmとなりシール性が悪化した。シール性が悪化した直後にファイバ径変動が激しくなり、125±0.3μmとファイバ径が不安定になった。線引き終了後、カーボン部品の外観を確認したところ、炉心管2内面が変色し一部は焼損している状態であった。
〔比較例3〕
外径φ148mm、内径φ45mmの光ファイバ用石英ガラス管4と外径φ145mm、内径φ80mmのダミー石英管10を用いたことと、シール冶具として、図3(c)の形状を持つカーボンシート22(内径φ144.5mm、スリット数:36箇所)を1枚のみ用いた以外は、実施例1と同様の方法で紡糸を実施した。
実施例1と同様に紡糸前の酸素濃度を測定した結果は60〜80ppmとなりシール性は充分であった。しかし、紡糸長として200kmc紡糸した段階で酸素濃度が250ppmとなり、突然シール性が悪化した。そのため線引きを中止した。炉内冷却後にカーボンシート22の外観を確認したところ、カーボンシート22の内周縁22Aのスリットが破れたように欠落していた。
そして、本実施例と比較例の実験結果をまとめると、表1、図7のグラフのようになる。これら表1、図7のグラフを参照して判るように、本発明に係わる実施例1〜5は、いずれも炉内の酸素濃度が200ppm以下に抑えられ、ファイバ径変動も、実施例6で僅かに高かった以外は、125±0.1μmの範囲内に抑えることが可能となることが確認された。一方、比較例1〜3では、いずれも炉内の酸素濃度が200ppm以上となり、ファイバ径変動も実施例1〜5と比べて高く、特に、比較例3では、シール性の悪化から断線も発生した。断線は、図7のグラフにも示すように、ファイバ径の変動が0.4μm以上になると発生確率が高くなる。
Figure 2010132505
以上詳細に説明したように本実施形態に示される光ファイバ製造装置、光ファイバの製造方法では、紡糸炉3の炉内空間31の端部(上端部)に設けられて、前記炉内空間31に挿入される光ファイバ母材Fの外周に接触してシールするためのシール部材として、光ファイバ母材Fが挿通されるリング状に形成されたカーボンシートであり内周側スリット25及び外周側スリット26を有するスリット付きカーボンシート21を採用したので、該スリット付きカーボンシート21の開口部21Mの内径より大きい外径の光ファイバ母材Fが挿通された場合に、内周側スリット25間のシール片25Aが変形及び上下動することで、該シール片25Aが光ファイバ母材Fに密着するとともに、内側及び外側のスリット25、26によりスリット付きカーボンシート21全体が変形することで該スリット付きカーボンシート21にかかる応力を分散して負担でき、局所的な応力集中によるカーボンシートの破損を抑制することができる。
すなわち、スリット付きカーボンシート21の開口部21Mの内径より大きい外径の光ファイバ母材Fが、該開口部21Mに挿通された場合であっても、内側のスリット25間のシール片25Aが変形して光ファイバ母材Fに密着することで、該シール部材が破損せず、かつ該スリット付きカーボンシート21による光ファイバ母材Fのシール性を維持することができる。
この点、スリット付きカーボンシート21の開口部21Mの内径が、光ファイバ母材Fの最小径よりも小さく設定されている構成であれば、隣接するスリット25、26間のシール片25A、26Aが常時、光ファイバ母材Fに密着することになり、これによって線引き時において、光ファイバ母材Fとのシール性を継続的に維持することが可能となり、シール性の安定確保に有利である。
また、スリット付きカーボンシート21は、スリット25、26によって変形自由度が高められているため、光ファイバ母材Fに密着しやすく、線引きに伴って光ファイバ母材Fの外径が変化した場合、及び光ファイバ用石英ガラス管4とダミー石英管10に外径差があった場合でも、隙間を発生させず、該光ファイバ母材Fとのシール性を充分に維持することができる。その結果、外気の進入を防止することができ、紡糸炉3内の酸素濃度(炉内空間31のシール部材側の端部における酸素濃度)を200ppm以下として、ファイバ径を安定化させることが可能となり、紡糸炉3内のカーボン製の炉心管2やヒータ1の劣化防止及び寿命延長を図ることができる。前記紡糸炉3内の酸素濃度を100ppm以下に保った状態で光ファイバ母材Fの線引きを行うことも容易に実現できる。
また、前記スリット付きカーボンシート21のスリット25、26は、該スリット付きカーボンシート21の半径方向に沿うように配置されるとともに、該スリット付きカーボンシート21の周方向に沿い互い違いに配置されているので、スリット付きカーボンシート21の開口部21Mに該開口部21Mの内径より大きい外径の光ファイバ母材Fが挿通された場合に、これらスリット25、26によりスリット付きカーボンシート21全体が変形して、該シール部材にかかる歪を効果的に吸収することができ、この点においても該スリット付きカーボンシート21の破損を未然に防ぐことが可能となる。
また、光ファイバ製造装置のシール部材をカーボンシートで構成することは、シール部材に高い耐熱性を付与することができ、線引き時において、光ファイバ母材Fとの高いシール性を維持することに有効に寄与する。
また、図1、図2(a)〜(c)に例示した光ファイバ製造装置100のように、スリット25、26を有するスリット付きカーボンシート21と中心を同じくしかつ軸方向(矢印a−b方向)に間隔をおいてスリット無しカーボンシート20、23が配置されたシール機構Sを採用した構成であれば、該シール機構のカーボンシート20、21、23によって、線引き時において、光ファイバ母材Fとの高いシール性を維持することができる。その結果、外気の進入を防止することができ、紡糸炉3内の酸素濃度(炉内空間31のシール部材側の端部における酸素濃度)をより確実に200ppm以下として、ファイバ径を安定化させることが可能となる。前記紡糸炉3内の酸素濃度を100ppm以下に保つことも一層容易となる。
なお、上記実施形態では、シール機構Sのシール部材としてカーボンシート20、21、23を使用したが、これに限定されず、耐熱性と可撓性に優れた他の材質のシール部材を使用しても良い。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
本発明の実施形態に係わる光ファイバ製造装置の概略構成図である。 シール機構のシール部材として設けられたスリット付きカーボンシートの動作を示す図であって、(a)は初期状態、(b)は紡糸炉内に光ファイバ母材を挿入した状態、(c)は紡糸炉内にダミー石英管を挿入した状態である。 カーボンシートを示す平面図であって、(a)はスリット無しカーボンシート、(b)はスリット付きカーボンシート、(c)はスリットを内側に有するカーボンシート、である。 図1の光ファイバ製造装置のシール機構における重し部材とスリット付きカーボンシートとの関係を示す平面図(但し、スリット付きカーボンシートの上側のスリット無しカーボンシート23を透視して示した)である。 本発明の実施形態に係わる別態様の光ファイバ製造装置(シール部材としてスリット付きカーボンシートのみを用いた構成のシール機構を採用したもの)の概略構成図である。 本発明の実施形態に係わる別態様の光ファイバ製造装置(スリット付きカーボンシートの上下にスリット無しカーボンシートを重ね合わせた構成のシール機構を採用したもの)の概略構成図である。 シール部材の直下での酸素濃度と、ファイバ径の変動量との関係を示すグラフである。
符号の説明
1…ヒータ、2…炉心管、3…紡糸炉、4…光ファイバ用石英ガラス管、5…光ファイバ用コアロッド、10…ダミー石英管、11…押さえ石英管、12…ダミー部材、20…スリット無しシール部材、カーボンシート(スリット無しカーボンシート)、20A…内周縁、20M…開口部、21…スリット付きシール部材、カーボンシート(スリット付きカーボンシート)、21A…内周縁、21B…外周縁、21M…開口部、22…カーボンシート(シール部材)、22A…内周縁、22M…開口部、23…スリット無しシール部材、カーボンシート(スリット無しカーボンシート)、23A…内周縁、23M…開口部、25…内周側スリット、25A…シール片、26…外周側スリット、26A…シール片、C、C1…クリアランス、F…光ファイバ母材、S、S1…シール機構、100、101…光ファイバ製造装置。

Claims (17)

  1. 光ファイバ母材が挿入される炉心管を内部に有する紡糸炉と、該紡糸炉の端部に中心を同じくして配置されたリング状のシール部材によって該シール部材の中央に形成された開口部に挿通した光ファイバ母材をシールするシール機構と、を具備し、前記紡糸炉内で加熱された光ファイバ母材を線引きすることで光ファイバを製造する光ファイバ製造装置において、
    前記シール機構は、前記シール部材として、該シール部材の内周から切り込むように形成されたスリットである内周側スリットと、該シール部材の外周から切り込むように形成されたスリットである外周側スリットとをそれぞれ複数有してなるスリット付きシール部材を具備して構成されていることを特徴とする光ファイバ製造装置。
  2. 前記シール部材のスリットは、前記光ファイバ母材が挿通される前記開口部の半径方向に沿うように形成されているとともに、内周側スリットと外周側スリットとが、該シール部材の周方向に沿って互い違いに配置されていることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ製造装置。
  3. 前記シール部材はカーボンシートからなることを特徴とする請求項1又は2に記載の光ファイバ製造装置。
  4. 前記シール機構は、前記スリット付きシール部材と中心を同じくしかつ軸方向に間隔をおいてスリットを有していないシール部材であるスリット無しシール部材が配置されてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光ファイバ製造装置。
  5. 前記シール機構は前記スリット無しシール部材を複数具備し、前記スリット付きシール部材は軸方向に互いに離隔して設けられたスリット無しシール部材の間に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の光ファイバ製造装置。
  6. 前記スリット無しシール部材の開口部内径は、前記光ファイバ母材の最大径よりも大きく設定されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の光ファイバ製造装置。
  7. 前記スリット付きシール部材の開口部内径は、前記光ファイバ母材の最小径よりも小さく設定されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の光ファイバ製造装置。
  8. 前記光ファイバ母材の端部にダミー石英管が接合されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の光ファイバ製造装置。
  9. 紡糸炉の内部に設けられた炉心管に光ファイバ母材を挿入し、前記紡糸炉の端部に中心を同じくして配置されたリング状のシール部材によって該シール部材の中央に形成された開口部に挿通した光ファイバ母材をシールした状態で、前記光ファイバ母材を線引きすることで光ファイバを製造する光ファイバ製造方法において、
    前記シール部材として、該シール部材の内周から切り込むように形成されたスリットである内周側スリットと、該シール部材の外周から切り込むように形成されたスリットである外周側スリットとをそれぞれ複数有してなるスリット付きシール部材を1以上用い、該スリット付きシール部材の開口部に前記光ファイバ母材が挿通された状態で前記光ファイバ母材を線引きすることを特徴とする光ファイバの製造方法。
  10. 前記シール部材のスリットとして、前記光ファイバ母材が挿通される前記開口部の半径方向に沿うように形成されているとともに、内周側スリットと外周側スリットとが、該シール部材の周方向に沿って互い違いに配置されているものを用いることを特徴とする請求項9に記載の光ファイバの製造方法。
  11. 前記シール部材として、カーボンシートからなるものを用いることを特徴とする請求項9又は10に記載の光ファイバの製造方法。
  12. 前記紡糸炉の端部に、前記スリット付きシール部材と中心を同じくしかつ軸方向に間隔をおいてスリットを有していないシール部材であるスリット無しシール部材と、前記スリット付きシール部材とを具備してなるシール機構を配置し、全てのシール部材の開口部に前記光ファイバ母材が挿通された状態で前記光ファイバ母材を線引きすることを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載の光ファイバの製造方法。
  13. 前記紡糸炉の端部に前記スリット無しシール部材を複数設け、前記スリット付きシール部材を軸方向に互いに離隔して設けられたスリット無しシール部材の間に配置し、全てのシール部材の開口部に前記光ファイバ母材が挿通された状態で前記光ファイバ母材を線引きすることを特徴とする請求項12に記載の光ファイバの製造方法。
  14. 前記スリット無しシール部材として、その開口部内径が、前記光ファイバ母材の最大径よりも大きく設定されているものを用いることを特徴とする請求項12又は13に記載の光ファイバの製造方法。
  15. 前記スリット付きシール部材として、その開口部内径が、前記光ファイバ母材の最小径よりも小さく設定されているものを用い、前記スリット付きシール部材の弾性変形によって該スリット付きシール部材の内周縁を前記光ファイバ母材の外周に弾性付勢し接触させた状態で、光ファイバ母材を線引きすることを特徴とする請求項9〜14のいずれか1項に記載の光ファイバの製造方法。
  16. 前記紡糸炉の炉内空間を、真空引きによる減圧と不活性ガスの導入によるガスパージとを同時に行うことによって陽圧に保ち、該炉内空間の前記シール部材側の端部における酸素濃度を200ppm以下とした状態で前記光ファイバ母材を線引きすることを特徴とする請求項9〜15のいずれか1項に記載の光ファイバの製造方法。
  17. 前記光ファイバ母材として、その端部にダミー石英管が接合されているものを用いることを特徴とする請求項9〜16のいずれか1項に記載の光ファイバの製造方法。
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