JP2005206443A - 光ファイバ線引き装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 炉内に外気が侵入することが抑えられ、かつ構造が簡単で安価な光ファイバの線引き炉を提供する。
【解決手段】 本発明は、光ファイバ母材4の少なくとも先端部41を収容する筒状の炉心管21と、前記光ファイバ母材4の先端部41を加熱溶融する熱源22を備えた光ファイバ線引き装置において、前記炉心管21上に、前記炉心管21に連通された孔部31を有するシール部3を備え、前記シール部3の孔径と前記光ファイバ母材4の直径(φ)との差が6mm以下である構成とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光ファイバ母材を溶融、線引きして光ファイバを得るための光ファイバ線引き装置に関するものである。
光ファイバの線引き炉として、図10に示されたように、鉛直方向に直立した炉心管(炉本体)411を備えた線引室412と、この線引室412と開閉自在なシャッター413を介して連通された収納室414とから構成された炉401が提案されている(特許文献1御参照。)。
前記収納室414には鉛直方向に貫通孔414aが設けられており、この貫通孔414aを介して、光ファイバ母材402を保持した状態の支持棒403が線引室412内部に挿通できるようになっている。
前記線引き炉401を用いて光ファイバ404を線引きする場合、まずシャッター413を閉じて線引室412を密封状態とし、炉本体411内のガス噴出口415から窒素ガスを供給し線引室412内を窒素ガス雰囲気とする。
また、支持棒403に吊り下げられた光ファイバ母材402を下降させ、光ファイバ母材402を収納室414に収納し、収納室414内のガス噴出口415から窒素ガスを供給しながら、排出口416から不要の酸素等を排出し、収納室414内を高濃度の窒素ガス雰囲気とする。
そして、シャッター413を開けて線引室412と収納室414とを連通した後、光ファイバ母材402を下降して線引室412に挿入し、次いで支持棒403の蓋部431によって線引室412の入り口側開口部412aを塞ぐ。この状態で、ヒータ417により光ファイバ母材402の先端部421を加熱溶融して線引し、光ファイバ404を製造する。
前記線引き炉401では、線引室412と収納室414が設けられたことによって、線引室412と、光ファイバ母材402が収納された収納室414とにそれぞれ窒素ガスを供給して、光ファイバ母材402と線引室412とを個別に清浄化でき、光ファイバ母材402を線引室412に導入する際の線引室412内の酸素濃度を大幅に低減できる。
特開平6−199536号公報
前記した特許文献1にて開示された線引き炉401では、線引室412内の酸素濃度の上昇を抑制できるが、線引室412上に収納室414が設けられており、線引炉401が大型化し、設備コストが高価となってしまう。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、炉内に外気が侵入することが抑えられ、かつ構造が簡単で安価な光ファイバの線引き炉を提供することを目的とする。
すなわち、本発明に係る第一の光ファイバ線引き装置は、光ファイバ母材を収容する炉心管と、この炉心管に収容された光ファイバ母材を加熱溶融する熱源を備えた光ファイバ線引き装置において、前記炉心管上に、前記炉心管に連通された孔部を有し前記炉心管内への外気の流入を阻止するシール部を備え、前記シール部の孔径と前記光ファイバ母材の直径との差が6mm以下であることを特徴としている。
これにより、光ファイバ母材とシール部間の隙間から外気が炉心管内に侵入することを抑制できる。また、炉心管上にシール部を備えた構成であるため、従来の線引室と開閉自在なシャッターを介して連通された収納室を備えた装置に比べて簡単な構造とすることができる。
かかる第一の光ファイバ線引き装置の構成において、前記シール部の厚さ(d)と前記光ファイバ母材の半径(φ/2)とが、関係式d≧φ/2を満たすことを特徴としている。
これにより、リング厚さ(d)が厚く外気の侵入経路長さを十分に長くでき、光ファイバ母材とシール部間の隙間から外気が炉心管内に侵入することを更に抑制できる。
本発明に係る第二の光ファイバ線引き装置は、光ファイバ母材を収容する炉心管と、この炉心管に収容された光ファイバ母材を加熱溶融する熱源を備えた光ファイバ線引き装置において、前記炉心管上に、複数のシールリングが積層され前記炉心管内への外気の流入を阻止するリング積層体を備え、前記リング積層体の積層高さ(d)と前記光ファイバ母材の半径(φ/2)とが、関係式d≧(φ/2)/2を満たし、かつ各シールリング間の間隔(s)と前記シールリングの厚さ(d)とが、関係式s≧2dを満たすことを特徴としている。
これにより、シールリング間がガス溜りとして機能し、炉心管への外気の流れを抑制できる。特に、関係式d≧(φ/2)/2を満たすことによって、光ファイバ母材とリング積層体間の隙間において、外気の侵入経路長さを十分に長くすることができる。また、関係式s≧2dを満たすことによって、ガス溜りとなるシールリング間を大きくとることができる。以上により、外気が炉心管内に侵入することを大幅に抑制できる。
本発明に係る第三の光ファイバ線引き装置は、光ファイバ母材を収容する炉心管と、この炉心管に収容された光ファイバ母材を加熱溶融する熱源を備えた光ファイバ線引き装置において、前記炉心管上に、前記炉心管に連通された孔部を有し前記炉心管内への外気の流入を阻止するシール部を備え、前記シール部の孔部内面に、ガス吹き出し口を備え、光ファイバの線引き方向に対して順方向又は逆方向に向かってガスが流れるようになっていることを特徴としている。
本発明に係る第四の光ファイバ線引き装置は、光ファイバ母材を収容する炉心管と、この炉心管に収容された光ファイバ母材を加熱溶融する熱源を備えた光ファイバ線引き装置において、前記炉心管上に、複数のシールリングが積層され前記炉心管内への外気の流入を阻止するリング積層体を備え、前記リング積層体の内面に、ガス吹き出し口を備え、光ファイバの線引き方向に対して順方向又は逆方向に向かってガスが流れるようになっていることを特徴としている。
第三及び第四の光ファイバ線引き装置では、ガスの流れによって外気の炉心管への侵入を抑制できる。
かかる第三及び第四の光ファイバ線引き装置の構成において、前記炉心管内の圧力が外気の圧力に対して陽圧状態となるように、前記ガス吹き出し口から前記炉心管内へガスが供給されるようになっていることを特徴としている。
これにより、外気が炉心管内に侵入することを大幅に抑制でき、炉心管内の酸素濃度を低く抑えることができる。
かかる第一乃至第四の光ファイバ線引き装置の構成において、前記熱源が高周波誘導コイルであることを特徴としている。
これにより、高周波誘導コイルに供給する電流の周波数等を調整することによって温度調整等を精度良く行うことができ、また急速加熱が容易なため、優れた制御性で光ファイバを線引きできる。
本発明の光ファイバ線引き装置によると、光ファイバ母材と、シール部又はリング積層体との間の隙間から外気が炉心管内に侵入することを抑制でき、光ファイバの線引き中の炉心管内の酸素等の不純物濃度を低減できる。更に従来のように蓋部や収容室が備えられておらず、簡単で安価な構造とすることができる。
以下、本発明を実施した光ファイバ線引き装置、光ファイバの線引き方法について、図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第一の光ファイバ線引き装置1の一例を示す概略構成図である。この光ファイバ線引き装置1は、炉心管21と熱源22とが少なくとも備えられた線引き炉本体2と、前記炉心管21の上端21aに備えられたシール部3とから概略構成されている。
前記炉心管21は、カーボン等の耐熱性に優れた材質から構成されている。
前記炉心管21は、その長手方向が鉛直方向に向いた状態で配置され、上端21aには入り口側開口部21bが設けられている。この入り口側開口部21bの開口径は、光ファイバ母材4の直径(φ)よりも大きく、光ファイバ母材4を入り口開口部21bより炉心管21内に導入できるようになっている。
また、炉心管21の下端21cには、線引きされた光ファイバ5を炉心管21外に引き出すための開口部21dが設けられている。
炉心管21の外周には熱源22が取り付けられており、炉心管21内に吊り下げられた光ファイバ母材4の先端部41を加熱溶融させることができるようになっている。
前記熱源22としては、抵抗線(ヒータ線)を有するヒータや高周波誘導コイル等が挙げられる。
また、炉心管21の外周面を覆うように断熱材23が設けられている。この断熱材23の上面には補強用の板材24が備えられ、この板材24上にシール部3が備えられている。
炉心管21の下端側には、炉心管21内部の酸素濃度を測定するための酸素濃度計25が備えられている。
なお、炉心管21には、その内部に不活性ガスを供給するためのガス供給手段が備えられていても構わない。
次に、本実施形態の要旨となるシール部3について詳細に説明する。
炉心管21の上端21a(板材24上)に設けられたシール部3は、孔部31を有する環状体や筒体であり、例えば、カーボン,石英ガラス等の耐熱性や強度に優れた材質から構成された円環状のシールリングや上部延長管等が挙げられる。前記カーボン,石英ガラス等の材質は、安価でかつ加工性に優れるため、安価にシール部3を形成できる。
一例として図1に示された光ファイバ線引き装置では、シール部3として、カーボン,石英ガラス等から構成された円環状のシールリング3aが備えられている。前記シールリング3aは、その孔部(以下、リング穴とも言う。)31と炉心管21の入り口側開口部21bとが連通するように配置されている。
光ファイバ母材4を、その先端部41が熱源22近傍にくるように炉心管21内に導入した際、光ファイバ母材4が入り口側開口部21bから突出するように、筒状の炉心管21の長手方向の長さ、熱源22の上下方向の配置位置等が予め調整されている。
また、シールリング3aのリング穴31の穴径、すなわちシールリング3aの内径は、光ファイバ母材4の直径(φ)よりも大きく、光ファイバ母材4を、リング穴31を通して入り口側開口部21bから炉心管21内に導入できるようになっている。
このため、光ファイバ母材4を炉心管21内に導入すると、光ファイバ母材4は、その側面42がシールリング3aの内周面31aに空間(隙間)6を介して添った状態となる。
前記シールリング3aの内径や厚さ(d)等の寸法を調整することによって、光ファイバ母材4の側面42とシールリング3aの内周面31aとの間の隙間6の大きさを調整でき、この隙間6から外気が炉心管21内に侵入することを抑制できる。
なお、光ファイバ母材4の側面42の一部がシールリング3aの内周面31aに接触していても構わない。
シールリング3aの内周径は、この内周径と、光ファイバ母材4の直径(φ)との差(以下、隙間間隔(クリアランス)とも言う。)が6mm以下となる大きさである。
図2は、炉心管21内の酸素濃度と、シールリング3aの内周径と光ファイバ母材4の直径(φ)との差(クリアランス)との関係の一例を示す図である。
ここで、図2では、光ファイバ母材4を炉心管21内に導入し、光ファイバ母材4の側面42が空間(隙間)6を介してシールリング3aの内周面31aに添った状態とし、この状態で炉心管21内にHeガスを供給しながら光ファイバ母材4を線引きした際の炉心管21内の酸素濃度を示している。
光ファイバ母材4の直径(φ)に関わらず、クリアランスが6mm以下のとき炉心管21内の酸素濃度は0ppmとなる。
このため、シールリング3aと、光ファイバ母材4とのクリアランスが6mm以下となるように、予めシールリング3aの内周径を定めておくことによって、光ファイバ母材4の側面42とシールリング3aの内周面31aとの間の隙間6から外気が炉心管21内に侵入することを抑制でき、炉心管21内の酸素濃度を0ppmとすることができる。
図3は、炉心管21内の酸素濃度と、シールリング3aの厚さ(d)と光ファイバ母材4の半径(φ/2)との差(d−(φ/2))との関係の一例を示す図である。
ここで、図3では、図2と同様にして光ファイバ母材4を線引きした際の炉心管21内の酸素濃度を示している。
シールリング3aの厚さ(d)と光ファイバ母材4の半径(φ/2)との差(d−(φ/2))が0mm以上のとき、シールリング3aと光ファイバ母材4とのクリアランスや光ファイバ母材4の直径(φ)に関わらず、炉心管21内の酸素濃度は0ppmとなる。
以上により、シールリング3aの厚さ(d)は、炉心管21に導入する光ファイバ母材4の半径(φ/2)以上が好ましく、これにより、炉心管21から突出した光ファイバ母材4の側面42と、シールリング3aの内周面31aとの間の隙間6において、外気の侵入経路長さを十分に長くすることができ、外気が炉心管21内に侵入することを大幅に抑制できる。これにより図3に示されたように、炉心管21内の酸素濃度を0ppmとすることができる。
シールリング3aの厚さ(d)が、炉心管21に導入する光ファイバ母材4の半径(φ/2)よりも薄い場合、外気の侵入経路長さが短く、隙間6からの外気の侵入量が多くなり、炉心管21内の酸素濃度が高くなってしまうため好ましくない。
このように、シールリング等のシール部3によって炉心管21内への外気の侵入を抑制でき、かつ従来のように線引室上に収納室を設ける必要がなく、光ファイバ線引き装置1の装置構成を簡単な構成とすることができる。
また、本実施形態では、シールリング3aは、その外径方向(図1中矢印方向)に移動可能に、炉心管21の上端21aに設けられている。このため、光ファイバ母材4を、シールリング3aのリング穴31を通して炉心管21の入り口側開口部21bから炉心管21に導入する際、光ファイバ母材4の中心軸が、シールリング3aの外周径方向に移動しても、光ファイバ母材4とシールリング3aとが接触しないように、シールリング3aをその外径方向に移動させて、光ファイバ母材4とシールリング3aとのクリアランスが許容範囲内となるようにすることができる。
なお、本実施形態の光ファイバ線引き装置1では、熱源22として抵抗線(ヒータ線)を有するヒータが備えられているが、熱源22としては高周波誘導コイル22aも用いられる。
図4は、炉心管に熱源22として高周波誘導コイル22aが備えられた光ファイバ線引き装置11の一例を示す概略構成図である。高周波誘導コイル22aには、交流電源が接続され、高周波の交流電流が供給されるようになっている。
高周波誘導コイル22aから高周波を発生させることによって導電性のカーボンからなる炉心管が誘導加熱され、この熱によって光ファイバ母材4の先端部41を加熱溶融できる。
熱源22として高周波誘導コイル22aが設けられたことによって、この高周波誘導コイル22aに供給する電流の周波数等を調整することによって温度調整等を精度良く行うことができ、また急速加熱が容易なため、優れた制御性で光ファイバ母材4を線引きできる。
次に、本発明の第一の光ファイバ線引き装置1を用いて光ファイバ5を線引きする方法について説明する。
まず、炉心管21内に、ヘリウムガス、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスをガス供給手段(図示省略)によって供給し、炉心管21内を不活性ガス雰囲気とする。
次に、支持棒先端に光ファイバ母材4を固定し、この支持棒に吊り下げられた状態の光ファイバ母材4を降下させて、光ファイバ母材4を、リング穴31を通して炉心管21の入り口側開口部21bから炉心管21内に導入する。
そして、光ファイバ母材4を、その先端部41が熱源22近傍にくる位置で固定する。このとき、光ファイバ母材4が、入り口側開口部21bから突出し空間(隙間)6を介してシールリング3aの内周面31aに添った状態となる。
この状態の光ファイバ母材4の先端部41を熱源22によって加熱溶融し、線引きする。
前述した光ファイバ線引き装置1を用いたことによって、炉心管21内への外気の侵入を抑制でき、炉心管21内の酸素濃度を低減した状態で、光ファイバ母材4の溶融、線引きが可能となる。このため、炉心管21内の酸素によって生じる光ファイバ5の劣化(酸化)や、ガラス強度の低下、また不純物の混入等を低減できる。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第二の光ファイバ線引き装置について説明する。
図5は、本発明の第二の光ファイバ線引き装置の要部の一例を示す概略構成図である。この光ファイバ線引き装置(装置の要部)は、炉心管121の上端121aに設けられたシール部103近傍であり、図1中、2点鎖線αによって囲まれた部分に相当する。
本実施形態の光ファイバ線引き装置が、第1の実施形態と異なる点は、シールリング3aの代わりに、リング積層体103が備えられている点である。
第1の実施形態と同様に、光ファイバ母材104の先端部を炉心管121内に導入すると、光ファイバ母材104が、入り口側開口部121bから突出し空間(隙間)106を介してリング積層体103の孔部内面に添った状態となるようになっている。
また他の構成は、第1の実施形態と同様であるため詳細の説明を省略する。
図5に示されたリング積層体103は、複数のシールリング103aが、複数のリング固定部103cによって、交互に積層されたものである。それぞれのシールリング103aは、前記リング固定部103cの厚さ分、リング厚さ方向に離間した状態にある。
前記リング固定部103cは、シールリング103aと同様にカーボンや石英ガラス等から構成された円環状や柱状等のものであり、耐熱性に優れ、かつシールリング103aを支持できる強度を有する。
また、リング積層体103の孔部131の内面において、シールリング103aの内周面が凸部となり、このシールリング103a間が凹部103dとなるように、リング固定部103cの大きさ(シールリングの直径方向の大きさ)や配置位置が定められている。
光ファイバ母材104の先端部を炉心管121内に導入した際、光ファイバ母材104の側面142と、リング積層体103の孔部内面とのクリアランスは、シールリング103aの内面において最小となり、リング固定部103の側面(凹部103d)において最大となる。
外気がリング積層体103の孔部131内を炉心管121に向かって流れると、外気の一部は光ファイバ母材104に向かって突出したシールリング103aに当たり、シールリング103a間の凹部103dにて滞留することになる。このようにリング積層体103のシールリング103a間の凹部103dがガス溜りとして機能し、炉心管121への外気の流れを抑制できる。
それぞれのシールリング103a間の間隔(s)と、シールリング103aの厚さ(d)とは、関係式s≧2dを満たす大きさである。これにより、ガス溜りとなるシールリング103a間の凹部103dを大きくとることができ、隙間106から外気が炉心管121内に侵入することを大幅に抑制できる。
前記シールリング103aの厚さ(d)は、0.5mm以上、2mm以下が好ましく、これによりリング積層体103において、シールリング103aの容積を抑え、ガス溜りとなるシールリング103a間の凹部103dを大きくとることができる。このため、隙間106から外気が炉心管121内に侵入することを抑制でき、かつ装置の小型化が可能となる。
シールリング103aの厚さ(d)が0.5mm未満の場合、シールリング103aの強度が弱く、運転中に脱落する等の不具合が発生しやすいため好ましくない。また、シールリング103aの厚さ(d)が2mmよりも厚い場合、リング積層体103が大型化してしまうため好ましくない。
また、リング積層体103の積層高さ(d)は、この積層高さ(d)と、光ファイバ母材の半径(φ/2)とが関係式d≧(φ/2)/2を満たす大きさである。
図6は、炉心管121内の酸素濃度と、リング積層体103の積層厚さ(d)と光ファイバ母材104の半径(φ/2)との差(d−(φ/2))との関係の一例を示す図である。
ここで、図6では、厚さ(d)が1mmであり、光ファイバ母材104とのクリアランスが2mmのシールリング103aが積層されたリング積層体103を備えた光ファイバ線引き装置を用い、図2と図3と同様に、光ファイバ母材104を加熱溶融して線引きした際の炉心管121内の酸素濃度の測定結果を示している。
直径(φ)が40mmの光ファイバ母材104を用いた場合、{d−(φ/2)}が−10mm以上のとき、炉心管121内の酸素濃度は0ppmとなり、また直径(φ)が80mmの光ファイバ母材104を用いた場合、{d−(φ/2)}が−20mm以上のとき、炉心管121内の酸素濃度は0ppmとなる。
また、直径(φ)が100mmの光ファイバ母材104を用いた場合、{d−(φ/2)}が−25mm以上のとき、炉心管121内の酸素濃度は0ppmとなる。
このため、光ファイバ母材104の直径(φ)に関わらず、リング積層体103の積層厚さ(d)が光ファイバ母材104の半径(φ/2)の1/2倍以上の厚さのとき、炉心管121内の酸素濃度は0ppmとなる。
リング積層体103の積層高さ(d)と、光ファイバ母材104の半径(φ/2)とが関係式d≧(φ/2)/2を満たすことによって、外気の侵入経路長さを十分に長くすることができ、外気が炉心管121内に侵入することを大幅に抑制できる。これにより図6に示されたように、炉心管121内の酸素濃度を0ppmとすることができる。
図7は、炉心管121内の酸素濃度と、光ファイバ母材104の直径(φ)の変動率との関係の一例を示す図である。図7では、図2,図3,図6と同様にして、光ファイバ母材104を線引きした際の炉心管121内の酸素濃度の測定結果を示している。
ここで、光ファイバ母材104の直径(φ)の変動率とは、光ファイバ母材104の長手方向において、直径(φ)の平均値に対する変化量の最大値であり、変動率が大きいほど長手方向に対して直径(φ)のばらつきが大きいことになる。
本実施形態の光ファイバ線引き装置によると、図7に示されたように、光ファイバ母材104の直径(φ)の変動率が3%以下の光ファイバ母材104を、炉心管121内の酸素濃度が0ppmの状態で、溶融、線引きできる。
直径(φ)の変動率が3%よりも大きい光ファイバ母材104を溶融、線引きする場合、この光ファイバ母材104を炉心管121内に導入すると、光ファイバ母材104とリング積層体103とのクリアランスのばらつきが大きく、炉心管121への外気の侵入を抑制できず、炉心管121内の酸素濃度が高くなってしまう。
また、リング積層体103は、第1の実施形態と同様に、その外径方向(図1中矢印方向)に移動可能に、炉心管121の上端121aに設けられている。このため、光ファイバ母材104を炉心管121に導入する際、光ファイバ母材104とリング積層体103とが接触しないようにリング積層体103をその外径方向に移動させて、光ファイバ母材104とリング積層体103とのクリアランスが許容範囲内となるようにすることができる。
なお、本実施形態では、リング積層体103において、シールリング103a間の凹部103d、すなわちリング固定部103cの内周面に、ガス吹き出し口が備えられていても構わない。ガス吹き出し口から不活性ガスを供給することによって、不活性ガスが光ファイバ母材104の側面142に当たり、この側面142とシールリング103a間の隙間106を流れることになる。この不活性ガスの流れによって、炉心管121への外気の流れを更に抑制でき、外気の侵入による炉心管121内の酸素濃度の上昇を更に抑えることができる。
次に、本発明の第二の光ファイバ線引き装置を用いて光ファイバを線引きする方法について説明する。
第二の光ファイバ線引き装置を用いる以外は、第一の実施形態と同様にして、光ファイバ母材104を、その先端部141が熱源近傍にくるように炉心管121内に導入し、光ファイバ母材104が、入り口側開口部121bから突出し空間(隙間)6を介してリング積層体の内周面31aに添った状態となるようにする。
この状態の光ファイバ母材104の先端部141を熱源によって加熱溶融し、線引きする。
前述した第二の光ファイバ線引き装置を用いたことによって、リング積層体103のシールリング103a間の凹部103dがガス溜りとして機能し、炉心管121への外気の流れを抑制できる。このため、炉心管121内の酸素濃度を低減した状態で、光ファイバ母材104の溶融、線引きが可能となる。
[第3の実施形態]
図8は、本発明の第三の光ファイバ線引き装置の要部の一例を示す概略構成図である。この光ファイバ線引き装置(装置の要部)は、炉心管221の上端221aに設けられたシール部203近傍であり、図1中、2点鎖線αによって囲まれた部分に相当する。
本実施形態が第1の実施形態と異なる点は、シール部203の孔部231の内周面231aにガス吹き出し口232a,232bが備えられ、孔部231内において光ファイバの線引き方向に対して順方向と逆方向に向かってガスが流れるようになっている点である。
他の構成は、第1の実施形態と同様であるため詳細の説明を省略する。
本実施形態では、前記シール部203として、上部延長管(以下、シール部と同じ符号203を付す。)が備えられている。この上部延長管203は、カーボン,石英ガラス等から構成された管体である。この上部延長管203は、その孔部(貫通孔)231が、炉心管221の入り口側開口部221bと連通するように、炉心管221の上端221aに備えられている。
上部延長管203の内周面231aには、光ファイバ母材204の線引き方向に対して順方向にガスを吹き出すガス吹き出し口232aと、逆方向にガスを吹き出すガス吹き出し口232bとが設けられている。
ここで、図中、光ファイバ母材204の線引き方向とは、光ファイバ母材204の中心軸の紙面上、上下方向の上側から下側に向かう方向である。
前記した順方向にガスを吹き出すガス吹き出し口232aと、逆方向にガスを吹き出すガス吹き出し口232bとは、それぞれ光ファイバ母材204の中心軸に対して対称となる位置に複数、上部延長管203の内周面231aに備えられている。
ガス吹き出し口232a,232bは、炉心管221から突出した光ファイバ母材204の側面242に向かって開口している。
光ファイバ母材204の線引き方向に対して順方向にガスを吹き出すガス吹き出し口232aには、ガス供給用配管233aが、その配管233aの長手方向が光ファイバ母材204の線引き方向に対して鋭角となるようにガス吹き出し口232aに接続されている。
このため、ガスは、ガス吹き出し口232aより、配管233aの長手方向と同一方向に吹き出され、炉心管221から突出した光ファイバ母材204の側面242に当たり、孔部231内において光ファイバ母材204の線引き方向に対して順方向、すなわち炉心管221内に向かって流れるようになっている。
また、光ファイバ母材204の線引き方向に対して逆方向にガスを吹き出すガス吹き出し口232bには、ガス供給用配管233bが、その配管233bの長手方向が光ファイバ母材204の線引き方向に対して鈍角となるようにガス吹き出し口232bに接続されている。
このため、ガスは、ガス吹き出し口232bより、配管233bの長手方向と同一方向に吹き出され、炉心管221から突出した光ファイバ母材204の側面242に当たり、孔部231内において光ファイバ母材204の線引き方向に対して逆方向、すなわち炉心管221外に向かって流れるようになっている。
次に、本実施形態の光ファイバ線引き装置を用いた光ファイバの線引き方法について説明する。
第1の実施形態と同様に、まず、炉心管221内を不活性ガス雰囲気とした後、光ファイバ母材204を、上部延長管203の貫通孔231を通して炉心管221の入り口側開口部221bから炉心管221内に導入する。
そして、光ファイバ母材204を、その先端部が熱源近傍にくる位置で固定する。このとき、光ファイバ母材204が、入り口側開口部221bから突出し空間206を介して上部延長管203の貫通孔231の内周面231aに添った状態となる。
この状態を維持したまま、光ファイバの線引き方向に対して順方向と逆方向に向かって、同時に上部延長管203のガス吹き出し口232a,232bから不活性ガスを吹き出しながら、光ファイバ母材204の先端部を熱源によって加熱溶融し、線引きする。
本実施形態によると、上部延長管203のガス吹き出し口232aから不活性ガスを吹き出し、孔部231内において光ファイバの線引き方向に対して順方向に向かって不活性ガスを流すことによって、この不活性ガスの流れにより、炉心管221内の気体が外部に向かって流れ出すことを抑えることができ、かつ炉心管221内に不活性ガスを供給できる。このため、外気が炉心管221内に侵入することを抑制できる。
また、上部延長管203のガス吹き出し口232bから不活性ガスを吹き出し、孔部231内において光ファイバの線引き方向に対して逆方向に向かって不活性ガスを流すことによって、この不活性ガスの流れにより、外気の炉心管221への侵入を抑制できる。
特に、上部延長管203のガス吹き出し口232a,232bから不活性ガスを吹き出し、光ファイバの線引き方向に対して順方向と逆方向の2方向に向かって同時に不活性ガスを流すことによって、相乗効果が得られ、外気が炉心管221内に侵入することを大幅に抑制でき、炉心管221内の酸素濃度を低く抑えることができる。
また、ガス吹き出し口232a,232bは、光ファイバ母材204の中心軸に対して対称となるように複数、上部延長管203の内周面231aに備えられている。更に、ガス吹き出し口232a,232bは、光ファイバ母材204の側面242に対向するように設けられ、ガス吹き出し口232a,232bから吹き出されたガスは、光ファイバ母材204の側面242に当たるようになっている。
これにより、ガス吹き出し口232a,232bから吹き出されたガスは、光ファイバ母材204の側面242の全周に沿って流れ、このガスの流れにより、光ファイバ母材204の側面242の全周に渡って外気の炉心管221への侵入を抑制できる。
なお、本実施形態では、上部延長管203の内周面231aには、光ファイバ母材204の線引き方向に対して順方向にガスを吹き出すガス吹き出し口232aと、逆方向にガスを吹き出すガス吹き出し口232bとのいずれか一方のみが設けられていても構わない。
また、前述した光ファイバ線引き装置を用いて光ファイバを線引きする場合、上部延長管203のガス吹き出し口232a,232bから不活性ガスを吹き出し、光ファイバの線引き方向に対して順方向又は逆方向のいずれか一方に向かって不活性ガスを流しながら、光ファイバ母材を溶融、線引きしても構わない。
これにより、前述した作用効果のうち、光ファイバの線引き方向に対して順方向又は逆方向のいずれか一方に向かって不活性ガスが流れることによる作用効果が得られる。
[第4の実施形態]
図9は、第4の実施形態の光ファイバ線引き装置の要部の一例を示す概略構成図である。この光ファイバ線引き装置(装置の要部)は、炉心管321の上端321aに設けられたシール部近傍であり、図1中、2点鎖線αによって囲まれた部分に相当する。
本実施形態が、第3の実施形態と異なる点は、炉心管321内の圧力が外気の圧力に対して数十Torr僅かに陽圧状態となるように、ガス吹き出し口332から炉心管内へガスが供給されるようになっている点である。
他の構成は、第3の実施形態と同様であるため詳細の説明を省略する。
図9に一例として示した光ファイバ線引き装置では、シール部として、第3の実施形態と同様に上部延長管303が備えられている。
上部延長管303の内周面331aには、光ファイバ母材304の側面342に対向するようにガス吹き出し口332が設けられている。このガス吹き出し口332は、上部延長管303の内周面331aのうち、上部延長管303の長手方向の略中央付近に備えられている。
またガス吹き出し口332には、ガス供給用配管334が、その配管334の長手方向が光ファイバ母材304の線引き方向に対して略垂直となるようにガス吹き出し口332に接続されている。
このため、ガス吹き出し口332に供給されたガスは、配管334の長手方向と同一方向に吹き出され、炉心管321から突出した光ファイバ母材304の側面342に垂直に当たり、貫通孔331内において、光ファイバ母材304の線引き方向に対して少なくとも順方向、すなわち炉心管321内に向かって流れるようになっている。
また、上部延長管303には差圧計334が備えられ、この差圧計334のガス導入口334aが、上部延長管303の内周面331aのうち、吹き出し口332よりも炉心管側の位置と外側の位置とにそれぞれ備えられている。
差圧計334のガス導入口334aのうち、吹き出し口332よりも炉心管側の位置における圧力が、炉心管321内の圧力とほぼ同じであるとすると、差圧計334によって、外側の圧力(大気圧)に対する炉心管321内の圧力の差圧が測定できることになる。
次に制御部335について説明する。制御部335は、差圧計334と、ガス吹き出し口332にガスを供給するガス供給部336のガス流量調整バルブ(図示省略)とにそれぞれ接続されている。差圧計334にて測定された外側の圧力に対する炉心管側の圧力の差圧の測定データは、制御部335に出力されるようになっている。
制御部335は、差圧計334にて測定される外側の圧力に対する炉心管321内の圧力の差圧の測定値が、負の値であり、外側の圧力に対して炉心管321内の圧力が負圧のとき、ガス吹き出し口332に供給するガス量を増加させる駆動指令を出力するようになっている。
このため、外側の圧力に対して炉心管321内の圧力が陽圧状態となるように、炉心管321に供給されるガス量を調整できるようになっている。
本実施形態の光ファイバ線引き装置を用いて光ファイバの線引きをする場合、第1の実施形態と同様に、まず、炉心管321内を不活性ガス雰囲気とした後、光ファイバ母材304を、上部延長管303の貫通孔331を通して炉心管321の入り口側開口部321bから炉心管321内に導入する。
そして、光ファイバ母材304を、その先端部が熱源近傍にくる位置で固定する。このとき、光ファイバ母材304が、入り口側開口部321bから突出し空間(隙間)306を介して上部延長管303の内周面331aに添った状態となる。
次に、外側の圧力(大気圧)に対する炉心管側の圧力の差圧を差圧計334によって測定し、この差圧の測定値をもとにしてガス吹き出し口332に供給するガス量を調整し、炉心管321内の圧力を外気の圧力よりも数十Torr僅かに陽圧状態とする。そして、炉心管321内の圧力を外気の圧力よりも陽圧状態としたまま、光ファイバ母材304の先端部を熱源によって加熱溶融し、線引きする。
本実施形態の光ファイバ線引き装置では、外気の圧力に対する炉心管321内の圧力の差圧が陽圧となるように、炉心管321内に供給するガス量を調整できるようになっている。このため、炉心管321内を外部の大気圧よりも陽圧状態として、外気が炉心管321内に侵入することを抑制でき、炉心管321内の酸素濃度を低く抑えることができる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
図1に示された第1の実施形態と同様の光ファイバ線引き装置(本発明の第一の光ファイバ線引き装置)1を用意した。炉心管21の下端に酸素濃度計(Model LC-750 TORAY社製)25を設け、炉心管21内部の酸素濃度を測定できるようにした。
また、シールリング3aとして、カーボンリングを用いた。このシールリング3aの外周径は120mmであり、また内周径は、シールリング3aと光ファイバ母材4とのクリアランスが1mm以上、6mm以下となる大きさであった。また、リング厚さ(d)は、光ファイバ母材4の半径(φ/2)と等しい大きさであった。
光ファイバ母材4としては、直径(φ)が40,80,100mmであり、直径(φ)の変動率が−2%以上、2%以下のものを用いた。
その他の構成は、第1の実施形態の光ファイバ線引き炉1と同様であるため説明を省略する。
まず、炉心管21内に、ヘリウムガスを供給し、炉心管21内をヘリウムガス雰囲気とした。
次に、支持棒に吊り下げられた状態の光ファイバ母材4を降下させて、光ファイバ母材4を、シールリング3のリング穴31を通して入り口側開口部21bから炉心管21内に導入した。
そして、光ファイバ母材4を、その先端部41が熱源22近傍にくる位置で固定した。このとき、光ファイバ母材が入り口側開口部21bから突出し空間(隙間)6を介してシールリング3の内周面31aに添った状態となる。
炉心管21内にヘリウムガスを20L/min.の流量で供給しながら、前記した状態の光ファイバ母材4の先端部41を熱源22によって加熱溶融し、線速が1000m/min.で、クラッド径が125μm,第1コア径が192μm,第2コア径が245μmの光ファイバ5を約100km線引き(紡糸)した。
光ファイバ母材4を加熱溶融して光ファイバ5を線引きしているときの炉心管21内の酸素濃度を測定し、炉心管21内の酸素濃度と、用いたシールリング3の内周径と光ファイバ母材4の直径(φ)との差(クリアランス)との関係を調べた。
得られた結果を図2に示す。
[実施例2]
本実施例が、実施例1と異なる点は、使用したシールリング(カーボンリング)3aの内周径は、シールリング3aと光ファイバ母材4とのクリアランスが1,2,3mmとなる大きさである点と、リング厚さ(d)が、このリング厚さ(d)と光ファイバ母材4の半径(φ/2)との差(d−(φ/2))が−40mm以上、40mm以下となる大きさである点である。他の構成は、実施例1と同様であるため説明を省略する。
光ファイバ母材4を加熱溶融して光ファイバ5を線引きしているときの炉心管21内の酸素濃度を測定し、炉心管21内の酸素濃度と、シールリング3aの厚さ(d)と光ファイバ母材4の半径(φ/2)との差(d−(φ/2))との関係を調べた。
得られた結果を図3に示す。
[実施例3]
本実施例では、図5に示された第2の実施形態と同様の光ファイバ線引き装置(本発明の第二の光ファイバ線引き装置)を用意した。装置構成は、第2の実施形態と同様であるため、詳細の説明は省略する。
ここで、リング積層体103に用いられたシールリング103aは、カーボンリングであり、その外周径は120mmであり、また内周径は、シールリング103aと光ファイバ母材104とのクリアランスが2mmとなる大きさであり、またリング厚さ(d)は1mmのものであった。
リング積層体103として、前記シールリング103aが、複数のリング固定部103cによって、間隔(s)2mmで交互に積層されたものを用いた。
また、用いた光ファイバ母材104や、光ファイバの線引き条件は、実施例1と同様とした。
光ファイバ母材104を加熱溶融して光ファイバを線引きしているときの炉心管121内の酸素濃度を測定し、炉心管121内の酸素濃度と、リング積層体103の積層厚さ(d)と光ファイバ母材104の半径(φ/2)との差(d−(φ/2))との関係を調べた。
得られた結果を図6に示す。
[実施例4]
本実施例が実施例3と異なる点は、リング積層体103の積層厚さ(d)が40mmである点である。
光ファイバ母材としては、直径(φ)が80mmであり、直径(φ)の変動率の最大値が1%以上、5%以下のものを用いた。
他の構成は、実施例3と同様であるため説明を省略する。
光ファイバ母材を加熱溶融して光ファイバを線引きしているときの炉心管121内の酸素濃度を測定し、炉心管121内の酸素濃度と、光ファイバ母材104の直径(φ)の変動率との関係を調べた。
得られた結果を図7に示す。
[実施例5]
本実施例では、第3の実施形態の光ファイバ線引き装置を用いた。
ここで、上部延長管203としては、外周径が180mmであり、内周径が、上部延長管203と光ファイバ母材204とのクリアランスが5mmとなる大きさであり、厚さ(d)が50mmのものを用いた。
また、用いた光ファイバ母材204や、光ファイバの線引き条件は、実施例1と同様とした。
実施例1と同様に、まず、炉心管221内を不活性ガス雰囲気とした後、光ファイバ母材204を、上部延長管221の孔部231を通して入り口側開口部221bから炉心管221内に導入した。
そして、光ファイバ母材204を、その先端部が熱源近傍にくる位置で固定した。このとき、光ファイバ母材204が入り口側開口部221bから突出し空間(隙間)206を介して上部延長管221の内周面に添った状態となる。
この状態を維持したまま、光ファイバの線引き方向に対して順方向又は逆方向に向かって、上部延長管221のガス吹き出し口から不活性ガスを吹き出しながら、光ファイバ母材204の先端部を熱源によって加熱溶融し、線引きした。
また、不活性ガスの供給を止めて不活性ガスを吹き出さずに、光ファイバ母材204の線引きも行った。
光ファイバ母材204を線引きしているときの炉心管221内の酸素濃度を測定し、炉心管221内の酸素濃度と、線引きされた光ファイバの直径の変動量を調べた。
得られた結果を表1に示す。
Figure 2005206443
ガスの吹き出し方向が同一であれば、光ファイバ母材204の直径(φ)(40,80,100mm)に関わらず、同様の結果が得られた。
上部延長管203のガス吹き出し口232a,232bから不活性ガスを吹き出し、貫通孔(孔部)231内において不活性ガスを光ファイバの線引き方向に対して順方向又は逆方向に向かって流すことによって、外気が炉心管221内に侵入することを抑制でき、酸素濃度を100ppm以下とすることができる。
光ファイバの線引き方向に対して少なくとも逆方向に向かって不活性ガスを流すことが好ましく、これにより線引きされた光ファイバの直径の変動量を0.2μm以下とすることができる。
特に、光ファイバの線引き方向に対して順方向と逆方向の2方向に向かって、同時に不活性ガスを流すことが更に好ましく、これにより外気が炉心管203内に侵入することを大幅に抑制でき、炉心管203内の酸素濃度を低く抑え、0ppmとすることができる。
本発明では、炉内に外気が侵入することが抑えられ、かつ構造が簡単で安価な光ファイバの線引き炉が実現できる。この光ファイバ線引き炉は、高精度に所望の屈折率分布を有するマルチモード光ファイバや伝送路用シングルモード光ファイバ等の製造工程に適用できる。
本発明の第一の光ファイバ線引き装置の一例を示す概略構成図である。 炉心管内の酸素濃度と、シールリングの内周径と光ファイバ母材とのクリアランスとの関係の一例を示す図である。 炉心管内の酸素濃度と、シールリングの厚さと光ファイバ母材の半径との差との関係の一例を示す図である。 熱源として高周波誘導加熱手段が備えられた光ファイバ線引き装置の一例を示す概略構成図である。 本発明の第二の光ファイバ線引き装置の要部の一例を示す概略構成図である。 炉心管内の酸素濃度と、リング積層体の積層厚さと光ファイバ母材の半径との差との関係の一例を示す図である。 炉心管内の酸素濃度と、光ファイバ母材の直径の変動率との関係の一例を示す図である。 本発明の第三の光ファイバ線引き装置の要部の一例を示す概略構成図である。 第4の実施形態の光ファイバ線引き装置の要部の一例を示す概略構成図である。 従来の光ファイバ線引き装置を示す概略構成図である。
符号の説明
1,11‥‥光ファイバ線引き装置、3,203,303‥‥シール部、3a,103a‥‥シールリング、4,104,204,304‥‥光ファイバ母材、5‥‥光ファイバ、6,106,206,306‥‥空間(隙間)、21,121,221,321‥‥炉心管、22‥‥熱源、22a‥‥高周波誘導コイル、31,131,231,331‥‥孔部、103‥‥リング積層体。

Claims (7)

  1. 光ファイバ母材を収容する炉心管と、この炉心管に収容された光ファイバ母材を加熱溶融する熱源を備えた光ファイバ線引き装置において、
    前記炉心管上に、前記炉心管に連通された孔部を有し前記炉心管内への外気の流入を阻止するシール部を備え、
    前記シール部の孔径と前記光ファイバ母材の直径との差が6mm以下であることを特徴とする光ファイバ線引き装置。
  2. 前記シール部の厚さ(d)と前記光ファイバ母材の半径(φ/2)とが、関係式d≧(φ/2)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ線引き装置。
  3. 光ファイバ母材を収容する炉心管と、この炉心管に収容された光ファイバ母材を加熱溶融する熱源を備えた光ファイバ線引き装置において、
    前記炉心管上に、複数のシールリングが積層され前記炉心管内への外気の流入を阻止するリング積層体を備え、
    前記リング積層体の積層高さ(d)と前記光ファイバ母材の半径(φ/2)とが、関係式d≧(φ/2)/2を満たし、
    かつ各シールリング間の間隔(s)と前記シールリングの厚さ(d)とが、関係式s≧2dを満たすことを特徴とする光ファイバ線引き装置。
  4. 光ファイバ母材を収容する炉心管と、この炉心管に収容された光ファイバ母材を加熱溶融する熱源を備えた光ファイバ線引き装置において、
    前記炉心管上に、前記炉心管に連通された孔部を有し前記炉心管内への外気の流入を阻止するシール部を備え、
    前記シール部の孔部内面に、ガス吹き出し口を備え、
    光ファイバの線引き方向に対して順方向又は逆方向に向かってガスが流れるようになっていることを特徴とする光ファイバ線引き装置。
  5. 光ファイバ母材を収容する炉心管と、この炉心管に収容された光ファイバ母材を加熱溶融する熱源を備えた光ファイバ線引き装置において、
    前記炉心管上に、複数のシールリングが積層され前記炉心管内への外気の流入を阻止するリング積層体を備え、
    前記リング積層体の内面に、ガス吹き出し口を備え、
    光ファイバの線引き方向に対して順方向又は逆方向に向かってガスが流れるようになっていることを特徴とする光ファイバ線引き装置。
  6. 前記炉心管内の圧力が外気の圧力に対して陽圧状態となるように、前記ガス吹き出し口から前記炉心管内へガスが供給されるようになっていることを特徴とする請求項4又は5に記載の光ファイバ線引き装置。
  7. 前記熱源が高周波誘導コイルであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の光ファイバ線引き装置。
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