JP2004331408A - 光ファイバ線引き方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】線径変動の小さな光ファイバを安定して製造できる光ファイバ線引き方法を提供する。
【解決手段】開口部10aを有する上蓋10と、開口部10aより狭い開口11aを有し、開口部10a上に開口部10aを覆った状態で載置される開口筒11とを有する線引炉を用いて、光ファイバ母材9から光ファイバ20を線引きする。ここで、開口筒11と光ファイバ母材9を支持する支持棒8との隙間の面積を39mm以下に設定する。開口筒11の高さHは13mm以上、支持棒8の外径d2と開口筒11の開口11aの内径d1との径差は0.2mm以下とされている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバ線引き方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、光ファイバは、線引炉内で光ファイバ母材を加熱、溶融し、これを線引きすることによって得られている。線引きされた光ファイバの線径変動を抑えるため、例えば、光ファイバ径測定装置による測定データに基づいて巻取機の巻き取り速度が調整されて、線径が制御される。しかしながら、光ファイバの線径変動は、線引炉内の温度分布や炉内不活性ガスの流動等にも起因するすることが知られている。
これらの対策として、光ファイバ母材を支持する支持棒が挿入される線引炉上端の開口部に上蓋及びシールリングを配置して支持棒周囲の隙間を塞ぎ、線引炉からの不活性ガスの漏れを防止し、線引炉内の不活性ガスの流動を少なくしたものが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、線引炉上端部に予熱炉を設け、光ファイバ母材上端部及びダミー棒を予熱することによって、線引炉内の不活性ガスの温度を均一にし、光ファイバ線径変動の原因となる不活性ガスの流れの乱れを抑制するようにしたものもある(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
更に、半開放系となっている光ファイバ母材の入口に開閉可能な遮断手段を設け、開口寸法制御手段によって遮断手段の開口寸法を変化させて、遮断手段と光ファイバ母材との隙間を所定の隙間に制御して炉内不活性ガスの温度や流速の変動防止を図ったものが開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
【0005】
また、線引炉上端部にガス流制御リング及び排気機構を配設して線引炉に導入された不活性ガスをガス流制御リングによって強制的に排気して、線引炉内のガス流や内部圧力の変動を抑制するようにしたものもある(例えば、特許文献4参照。)。
【0006】
更に、線引炉の内部圧力を監視する圧力監視手段からの指令に基づいてガス流量調整手段を制御し、ガス流量を調整するようにしたものもある(例えば、特許文献5参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−188440号公報(第3−4頁、第1図)
【特許文献2】
特開平10−130032号公報(第3−4頁、第1図)
【特許文献3】
特開平6−56458号公報(第2−3頁、第1図)
【特許文献4】
特開平10−279326号公報(第1図)
【特許文献5】
特開2000−63142号公報(第1図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に開示されている線引炉上端の開口部を塞ぐシールリング部材としては、耐熱温度が200℃〜300℃程度のフッ素系ゴムが用いられている。一方、光ファイバ母材の長尺化、大型化により、光ファイバ母材と支持棒との接合部から多量の熱が伝達されて線引炉上端の温度は略800℃近傍にまで上昇する場合がある。従って、フッ素系ゴムのシールリング部材で開口部を塞ぐことは困難である。
【0009】
線引炉内の不活性ガスの流れの乱れは、主に、線引炉内の不活性ガス温度分布の不均一に起因するものと、線引炉上端部の開口部に設けられた気密板からの外気の巻込みに起因するものとがある。特許文献2に示されている予熱炉による予熱によると、不活性ガス温度分布の均一化には有効であるが、もう一つの要因である外気の巻込みについては、言及されておらず、外気巻込み対策を要する。
【0010】
また、線引きされる光ファイバ母材は少なからず曲がっており、線引き過程で、光ファイバの走行位置が、光ファイバの外径を測定する外径測定器に対して設定された位置からずれることがある。この場合、通常、光ファイバ母材の上端部を支持する支持棒を移動することによって、光ファイバ母材を線引炉の中心位置からずらすことが行われる。しかしながら、特許文献3に開示の遮断手段では、支持棒の移動が遮断手段によって妨げられ、光ファイバ母材を所望の位置に移動できなくなるという不具合がある。また、特許文献3に開示の遮断手段は、開閉度合いを制御可能な絞り機構とされており、構造が複雑であるとともに、耐高温性を付与するのが困難であるという不具合がある。
【0011】
また、特許文献4の示されるガス流制御リング及び排気機構によるガス流や炉内部圧力の制御機構によると、不活性ガスの流れが、下方から上方に向けて流れる場合には一定の効果はあるものの、逆に上方から下方に向けて流れる構造の線引炉においては、不活性ガスの流れに伴って外気が巻き込まれ、線径変動の原因となる問題がある。
【0012】
特許文献5に開示された圧力監視手段からの指令に基づくガス流量調整によると、炉内圧力を一定に保持するために比較的多量の不活性ガスが吹き込まれる場合がある。低温の不活性ガスの供給によって、線径変動の主要因である線引炉上方空間の温度分布のムラを誘発することとなり、かえって光ファイバの線径が変動してしまうことがあるという不具合がある。
【0013】
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、線径変動の小さな光ファイバを安定して製造できる光ファイバ線引き方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記した目的を達成するために、本発明に係る光ファイバ線引き方法は、開口部を有する上蓋と、前記開口部より狭い開口を有し、前記開口部上に開口部を覆った状態で載置される開口筒とを有する線引炉を用い、前記開口筒と光ファイバ母材を支持する支持棒との隙間の面積を、39.0mm以下となるように設定し、前記光ファイバ母材から光ファイバを線引きする。
【0015】
好ましくは、開口筒の高さが13mm以上であり、支持棒の外径と開口筒の内径の差は、0.2mm以上となるように設定する。
【0016】
好ましくは、開口筒がニッケル基耐熱合金である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の光ファイバ線引き方法を実現するための一実施形態である線引炉の縦断面図、図2は開口筒近傍を拡大して示す要部縦断面図、図3は開口筒の内径と支持棒との隙間を示す図2のIII矢視図、図4は開口筒の斜視図、図5は短い光ファイバ母材がセットされた状態を示す線引炉の縦断面図、図6は“開口筒と光ファイバ母材を支持する支持棒との隙間の面積”と光ファイバ線径変動との関係を示すグラフである。
【0018】
先ず、本発明の実施形態に係る光ファイバ線引き方法を実施するための線引き炉の概要を説明する。
図1及び図2に示すように、線引炉1は、炉心管4の外周に断熱材2を内張りした、例えばステンレス鋼製の炉体3が配設されてなる。炉体3の内部には、断熱材2で外周及び上下が囲まれた円筒状のヒータ5が配置されている。炉心管4の上端には、母材導入筒6が接続されており、母材導入筒6の内周面には、内側に突出する縮径部6aが設けられ、更に上端には、上方に開放される開放口6bが設けられている。縮径部6aの下方には、不活性ガスを線引炉1内に供給するガス供給管6cが接続されており、ガス供給管からヘリウムガスや窒素ガス等の不活性ガスを線引炉1内に供給するようになっている。開口部10aを有する上蓋10は、縮径部6aの上に載った状態で配置されている。更に、上蓋10の開口部10aより狭い開口11aを有する開口筒11が、開口部10a上にて開口部10aを覆った状態で載置されている。
【0019】
つまり、支持棒8により上端が固定された光ファイバ母材9は、支持棒8が開口筒11に形成された開口11a及び上蓋10の開口部10aを相通し、母材導入筒6の開放口6bから挿入されて吊り下げられた状態で保持されている。具体的には、支持棒8に上蓋10及び開口筒11が予め差し込まれた光ファイバ母材9を、開放口6bから挿入して下降させると、上蓋10が縮径部6aに当接する。
【0020】
更に光ファイバ母材9を下降させることによって、上蓋10は上面に開口筒11を載せた状態で縮径部6a上に載置される。上蓋10の開口部10aの大きさは、線引きされる光ファイバ20が線引炉1の中心に位置するように光ファイバ母材9を半径方向に移動させても、支持棒8と接触することのない程度の大きさとなっている。また、上蓋10上には、開口部10aより大きな外径Dとされた気密板11bを底部に備える開口筒11が載っている(図4参照)。従って、線引炉1の上部は、縮径部6aに載置された上蓋10と開口筒11とによって塞がれた状態となっている。
なお、ここでは、支持棒8に上蓋10が予め差し込まれた光ファイバ母材9を使用する形態に限られるものではなく、上蓋10の開口部10aが光ファイバ母材9の通過を許容する大きさとされることによって、開口筒11のみが予め差し込まれた光ファイバ母材9を使用する形態であっても良い。この場合、上蓋10は、例えば、予め、縮径部6a上に載置される。
【0021】
図3及び図4に示すように、開口筒11は、ニッケル基耐熱合金等の耐熱素材をつば付き円筒形状に形成してなる。ここでは、開口筒11の一端に設けられたつばが、気密板11bを形成している。この気密板11bによれば、開口筒11と上蓋10とのある程度の気密性を確保できる上、開口筒11の光ファイバ母材9に対する傾斜を抑制できる。開口筒11の開口11aの内径d1は、用いられる支持棒8の外径d2より、わずかに(0.3mm程度)大きく明けられており、支持棒8が相通できる大きさとなっている。また、上蓋10も、例えばニッケル基耐熱合金、ガラス円板等の耐熱性素材から形成されている。
【0022】
開口筒11及び上蓋10を耐熱素材で形成するのは、図1に示すように、大型又は長尺の光ファイバ母材9を線引炉1にセットして線引きすると、光ファイバ母材9の肩部9aが上蓋10の近傍に位置し、光ファイバ母材9からの放射熱によって、開口筒11及び上蓋10を含む線引炉1の上方空間が、例えば800℃程度の高温になる場合があるからである。
開口筒11に用いられるニッケル基耐熱合金としては、例えばモネル合金と呼ばれるNi−Cu系合金、Ni−Cr系合金、インコネル600等に代表されるNi−Cr−Fe系合金、ハステロイと呼ばれるNi−Cr−Mo系合金等を挙げることができる。いずれも、高温時における酸化、腐食に対する安定性、クリープや熱疲労に対して大きな強度を有している。
【0023】
次に、開口筒11の各部寸法の好適値を決めるための線引炉1による線引試験について説明する。線引炉1は、線引炉上端部に予熱炉(図示せず)を有し、光ファイバ母材9の上端部及び支持棒8を予熱して線引炉1内の不活性ガスの温度を均一にし、光ファイバ線径変動の原因となる不活性ガス流の乱れを抑制するようにしたものである。ガス供給管6cから不活性ガスとしてヘリウムガスを吹き込み、ヘリウムガスの流れを、主として上方から下方に向かうように流す。
【0024】
図5に示すように、短い光ファイバ母材9を線引きしたとき、或いは、光ファイバ母材9の線引きが進行して光ファイバ母材9が短くなったとき、光ファイバ母材9の肩部9aより上方の空間領域12が広くなって、空間領域12の圧力が低下する傾向があり、これによって外気の巻込みが変化する場合がある。これにより、空間領域12の温度が下がって不活性ガスの温度が不均一となり、不活性ガスの流れに乱れが生じて、結果として線引きされた光ファイバ20の線径変動の一因となる虞れがある。
【0025】
よって、本線引試験においては、空間領域12の圧力を検出するために、線引炉1の上部に圧力センサ(図示せず)を配置し、線引炉1内の圧力を監視する。なお、測定されたデータは、1Hz又は0.1Hzのローパスフィルタや適当なバンドパスフィルタを用いて高周波の不要成分をカットし、更に、0.02Hz程度のハイパスフィルタを用いることにより得られる。
開口筒11(気密板11bの外径D:100mm,筒面の高さH:10mm,気密板11bの厚さ:5mm,インコネル製)の開口11aの大きさを種々に変更して支持棒8との間の面積(以下、クリアランス面積という)Sを変化させると共に、線引炉1内の圧力も変化させて線引きを行う場合における、光ファイバ20の線径変動の測定結果を図6に示す。なお、支持棒8は、直径40mmの石英ガラスである。
【0026】
図6に示すように、線引炉内圧力が1.2気圧以上であると、クリアランス面積Sが増加しても、光ファイバ20の線径変動は、それ程増加しない。しかし、線引炉内圧力が1.1気圧になると、クリアランス面積Sの増加に伴う光ファイバ20の線径変動の増加が著しくなる。線引炉内圧力1.1気圧までに下がっても光ファイバ20の線径変動の許容上限値を1μm(光ファイバとして許容できる線径変動値)とするには、図6からクリアランス面積Sを39.0mm以下とすれば良いことが分かる。
【0027】
このようにクリアランス面積Sを39.0mm以下とすることにより、簡単な機構で開口筒11と支持棒8との隙間から流入する外気を抑制でき、線引炉1内の温度分布を均一にして不活性ガスの流れの乱れを抑制できるので、線径変動の少ない光ファイバを線引きすることができる。また、開口筒と支持棒とをシールゴムを用いずに効果的に封止できるので、開口筒近傍が高温となっても安定した封止機能が得られる。
【0028】
一方、クリアランス面積Sが32.0mmの開口筒11による試験中、光ファイバ母材9を母材導入筒6に挿入するとき、直径40mmの石英ガラス製の支持棒8が、開口筒11の開口11aに噛み込んで折れる現象が発生した。これは、支持棒8の外径d2と開口筒11の開口11aの内径d1との隙間Cが狭くなりすぎることにより、開口筒11や支持棒8のわずかな傾斜や半径方向へのわずかな振動によって、開口筒11の上面エッジが支持棒8に噛み込むことが原因と推定される。
【0029】
開口筒11(内周面の高さH:10mm)の開口11aの内径d1を変更し、支持棒8と開口筒11との隙間Cを種々変化させる場合における噛込試験の結果を表1に示す。ここで、噛込試験は、外径40mmの支持棒8を開口筒11の開口11aに挿入し、手動で支持棒8を軸方向(図2において上下方向)に10回往復させたときの噛込回数を計数することにより行う。
【0030】
【表1】
Figure 2004331408
【0031】
表1から分かるように、支持棒8の外径d2と開口筒11の開口11aの内径d1との径差が0.2mm以下においては10回中3回以上の噛込みが発生するのに対して、径差を0.3mm以上とすると、噛込みの発生は認められない。従って、径差を0.2mm以上、好ましくは0.3mm以上とすれば、噛込み現象の発生を抑制できることが分かる。そこで、径差を0.2mmとし、開口筒11の高さHを次第に高くする場合における、上記噛込試験の結果を表2に示す。
【0032】
【表2】
Figure 2004331408
【0033】
表2から分かるように、開口筒11の高さHが11mm以下では、10回中1回以上の噛込み現象が発生するが、12mm以上の高さHでは、噛込み現象の発生は認められない。従って、余裕を持たせて開口筒11の高さHを13mm以上、支持棒8の外径d2と開口筒11の開口11aの内径d1との径差を0.3mm以上とすることによって、支持棒8の噛込み現象をほぼ完全に抑制することができることが分かる。
【0034】
以上のように、開口筒11の内径d1と支持棒8の外径d2との差を0.2mm以上、開口筒11の高さHを13mm以上とすることによって、開口筒11の内部に入れられた支持棒8を軸方向(上下方向)に移動させても、噛込み現象の発生を確実に抑制できる。これにより、必要に応じて支持棒を所望の位置になめらかに移動させやすく、線径変動の小さな光ファイバをより安定して製造できる。
【0035】
また、ニッケル基耐熱合金の一種であるインコネル600とステンレス鋼(SUS321)を用いて同一形状の開口筒11を作成し、前述の線引炉1内に装着してそれぞれ2週間稼動させると、インコネル600製開口筒11では、酸化が見られず、表面に金属光沢が残っているのに対して、ステンレス鋼製開口筒11では、表面が酸化して黒色に変色して劣化することを確認できる。従って、開口筒11の材質としては、耐食性の高いニッケル基耐熱合金を用いることが望ましい。これによって、光ファイバ母材9の大型化、長尺化に伴って開口筒11に作用する熱負荷が増大しても、開口筒11の熱による劣化が防止され、長期間にわたって安定して、大型化や長尺化された光ファイバ母材9の線引きが可能となる。
【0036】
尚、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、前述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、線径変動の小さな光ファイバを安定して製造できる光ファイバ線引き方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ファイバ線引き方法を実現するための線引炉の一実施形態の縦断面図である。
【図2】開口筒近傍を拡大して示す要部縦断面図である。
【図3】開口筒の内径と支持棒の外径との隙間を示す図2のIII矢視図である。
【図4】開口筒の斜視図である。
【図5】短い光ファイバ母材をセットした、あるいは、線引きが進行して、線引炉上方の空間領域が広くなった状態を示す線引炉の縦断面図である。
【図6】クリアランス面積と光ファイバ線径変動との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 線引炉
8 支持棒
9 光ファイバ母材
11 開口筒
d1 開口筒の内径
d2 支持棒の外径
H 開口筒の高さ
S 開口筒と支持棒とのクリアランス面積

Claims (3)

  1. 開口部を有する上蓋と、前記開口部より狭い開口を有し、前記開口部上に開口部を覆った状態で載置される開口筒とを有する線引炉を用い、前記開口筒と光ファイバ母材を支持する支持棒との隙間の面積を、39.0mm以下となるように設定し、前記光ファイバ母材から光ファイバを線引きする光ファイバ線引き方法。
  2. 前記開口筒の高さが13mm以上であり、前記支持棒の外径と前記開口筒の内径の差は、0.2mm以上となるように設定する請求項1に記載の光ファイバ線引き方法。
  3. 前記開口筒がニッケル基耐熱合金である請求項1または2に記載の光ファイバ線引き方法。
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