JP3141464B2 - 光ファイバ線引炉 - Google Patents

光ファイバ線引炉

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JP3141464B2
JP3141464B2 JP31774791A JP31774791A JP3141464B2 JP 3141464 B2 JP3141464 B2 JP 3141464B2 JP 31774791 A JP31774791 A JP 31774791A JP 31774791 A JP31774791 A JP 31774791A JP 3141464 B2 JP3141464 B2 JP 3141464B2
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宏平 小林
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    • C03B2205/60Optical fibre draw furnaces
    • C03B2205/90Manipulating the gas flow through the furnace other than by use of upper or lower seals, e.g. by modification of the core tube shape or by using baffles

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、大形光ファイバ母材か
ら線径変動の少ない光ファイバを得ることができる光フ
ァイバ線引炉に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より光ファイバ母材(以下、単に母
材とも称す)を加熱溶融し、線引きして光ファイバを得
るために光ファイバ線引炉が用いられる。
【0003】この光ファイバ線引炉の一例を図4に示
す。同図に示すように、線引炉は炉芯部1と煙突部2と
からなる。炉芯部1はカーボンなどからなる炉芯管3の
周囲にヒータ4を設けた構造を有しており、その上下側
には内部が水冷構造となっている上蓋部5及び下蓋部6
で仕切られている。また、煙突部2はカーボンなどから
なり、炉芯管3と同径の内筒管7を有しており、その周
囲は通常安全のため、水冷構造となっている。そして、
炉芯管3とその上方に連通する内筒管7とで円筒状の線
引室8を形成しており、この線引室8内には上方からダ
ミー棒9に支えられた光ファイバ母材10が挿入されて
いる。さらに、内筒管7の上部壁面には不活性ガス噴出
口11が円周方向に均一に形成されており、内筒管7の
外側に形成された不活性ガス通路12を介して外部から
供給される不活性ガスが線引室8内に連続的に流入され
るようになっている。なお、図中13は、煙突部2の上
部開口を塞ぎ外部空気の流入を防ぐ蓋である。
【0004】かかる線引炉を用い、不活性ガス噴出口1
1から不活性ガスを連続的に流入して線引室8内を不活
性ガスを満たすと共にヒータ4で炉芯管3を加熱するこ
とにより、光ファイバ母材10の下端から光ファイバ1
4を線引きすることができる。なお、このようにして線
引きされる光ファイバ14の線径変動は通常、±0.3
μm程度であり、実用上十分な性能を有するものであっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、光フ
ァイバの量産、低コスト化により光ファイバ母材10が
大形化してきた。しかし、例えば直径125mm、長さ1
20mm程度の大形母材を用いて線引きすると、線径変動
が±3〜10μmと大きくなり、高性能化が求められて
いる光通信分野等では使用できないという問題がある。
【0006】本発明はこのような事情に鑑み、大形母材
を線引きしても線径変動が小さく抑えられる光ファイバ
線引炉を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成する本発
明に係る光ファイバ線引炉は、上部から連続的に流入さ
れる不活性ガスで満たされる線引室を有し、該線引室の
上端開口からダミー棒に支えられて挿入される光ファイ
バ母材を加熱溶融してその下端から光ファイバを線引き
する光ファイバ線引炉において、上記ダミー棒の途中に
設けられて上記線引室の上記光ファイバ母材より上の空
間で当該線引室の周囲壁面近傍以外を上下方向に画成す
る仕切板を具えたことを特徴とし、また、上記構成にお
いて、仕切板に上下方向に貫通する複数の貫通孔を有す
ることを特徴とし、さらに、上記構成において、仕切板
の直径が線引室の内径よりは小さく光ファイバ母材の直
径より大きいことを特徴とする。
【0008】
【作用】線引室の上部から流入される不活性ガスは、仕
切板の周面と当該線引室壁面との間の隙間から当該線引
室の仕切板と光ファイバ母材との間の空間に流れ込み、
加熱された後、光ファイバ母材の周囲と線引室壁面との
隙間から光ファイバ母材の下側へ流れ込む。これによ
り、光ファイバ母材の下端の線引き部の周囲の温度の乱
れ及びガス流の乱れが生じにくくなり、線引きされる光
ファイバの線径が安定する。
【0009】また、仕切板に貫通孔を複数個設けた場
合、当該貫通孔を通して整流化された不活性ガスが仕切
板と光ファイバ母材との間に流れ込み、これが光ファイ
バ母材の下側に流れ込むので、光ファイバ母材の下端の
線引き部の周囲のガスの乱れがさらに小さくなる。
【0010】これに対し、仕切板を設けない場合には、
光ファイバ母材の上方の空間内では不活性ガスの流れが
乱れており、且つ上部の冷えた部分との対流があるので
全体的に温度が低い。したがって、光ファイバ母材の下
側に流れ込む不活性ガスは温度が低く且つ流れが乱れた
状態となるので、線引きが均一に行えないと考えられ
る。
【0011】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
【0012】図1には一実施例に係る光ファイバ線引炉
の概要を示す。なお、図中、図4と同一作用を示す部材
には同一符号を付して重複する説明は省略する。
【0013】図1に示すように、本実施例ではダミー棒
9の途中に円盤状の仕切板20を係止し、線引室8の光
ファイバ母材10の上方の空間を上下方向に画成してい
る。さらに詳言すると、仕切板20は図3(A)に示す
ように、光ファイバ母材10の直径よりは大きいが内筒
管7及び炉芯管3の内径よりは小さい直径を有する石英
製の円盤であり、中央にダミー棒9との係止孔20aを
有するものである。したがって、仕切板20の周面と内
筒管7との間の隙間d以外の部分の空間は仕切板20に
より上下方向に分画されることになり、線引室8は仕切
板20より上方の空間A、仕切板20と光ファイバ母材
10との間の空間B及び光ファイバ母材10の下側の空
間Cとに区分される。なお、仕切板20と光ファイバ母
材10との間の空間Bは、光ファイバ14の線引きが進
み光ファイバ母材10が小さくなっても、図2に示すよ
うにその大きさに変化はない。また、図中15は光ファ
イバ母材10と一体となつたダミー棒と別途用意したダ
ミー棒とを連結する嵌合部材を示す。
【0014】また、仕切板20の材質は、耐熱性を有す
るものであれば、石英に限定されず、カーボンや炭化珪
素(SiC)などとすることもできる。
【0015】以上説明した光ファイバ線引炉において、
線引室8、特に空間Cをヒータ4により加熱すると共に
不活性ガス噴出口11から不活性ガスを連続的に流入し
て線引室8内を不活性ガスで満たす。すると、仕切板2
0の上方の空間Aでは比較的低温の不活性ガスのガスの
流れ(上下方向の対流)が生じ、このガスの一部が仕切
板20の周囲の隙間dから空間Bに流れ込む。このと
き、隙間dが小さいことから不活性ガスの流れは整流さ
れる。また、不活性ガスは空間Bにおいてはかなり加熱
されており、当該空間Bにおいて比較的に加熱されたガ
スの流れ(対流)が生じ、且つ流れの乱れもない。そし
て、かなり加熱されており、流れが安定した不活性ガス
が光ファイバ母材10の周囲から空間Cに流れ込むの
で、空間Cの温度変化や流れの乱れが少なく、線引きを
安定して行うことができる。
【0016】図1に示す光ファイバ線引炉を用い、直径
125mm、長さ120mmの光ファイバ母材10を線
引きしたところ、光ファイバ14の線径変動は±0.3
μm程度と良好であった。これに対し、仕切板20を外
した場合に同様に線引きしたところ、±0.3μm以上
の線径変動が生じた。
【0017】仕切板20の取付け位置は、上述した作用
効果が得られる位置、つまりある程度加熱されて安定し
たガスの流れが形成される空間Bを形成しうる位置とす
ればよく、その取付方法も特に限定されない。また、仕
切板20の直径は光ファイバ母材10の直径より大きく
すれば上述した効果が得られ、且つ内筒管7又は炉芯管
3の内径に近い方が好ましい。なお、仕切板20自体の
厚みは強度が保持できればそれほど厚くする必要がない
ので、その直径は内筒管7又は炉芯管3の内径にかなり
近づけることができる。
【0018】仕切板としては、図3(B)に示すように
ダミー棒係止孔21aの他、多数の貫通孔21bを有す
る仕切板21を用いることもできる。
【0019】かかる仕切板21を用いると、空間Aの不
活性ガスは仕切板21の周面と内筒管7又は炉芯管3と
の隙間dからの他、貫通孔21bから空間Bに流入する
ので、かなり整流された状態となる。したがって、空間
B内のガスの流れがより安定し、これにより、空間Cの
ガス流の乱れがさらに抑えられる。すなわち、仕切板2
1は仕切板20より整流作用が強いので、必ずしも上述
したような空間Bにおけるガスの加熱効果が生じなくて
もよい。どちらにしても仕切板21を用いた場合には仕
切板20を用いた場合と同等又はそれ以上に、光ファイ
バの線径変動を小さく抑えることができる。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
仕切板により光ファイバ母材の上部空間を上下方向に画
成し、光ファイバ母材の直ぐ上側に比較的高温でガス流
の乱れもない空間を形成することができるので、大形母
材を用いても線径変動のない光ファイバを連続的に製造
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例に係る光ファイバ線引炉の概略図であ
る。
【図2】図1の光ファイバ線引炉の使用状態を示す概略
図である。
【図3】仕切板の外観を示す説明図である。
【図4】従来技術に係る光ファイバ線引炉の概略図であ
る。
【符号の説明】
1 線引部 2 煙突部 3 炉芯管 4 ヒータ 7 内筒管 8 線引室 9 ダミー棒 10 光ファイバ母材 11 不活性ガス噴出口 14 光ファイバ 20,21 仕切板 20a,21a ダミー棒係止孔 21b 貫通孔
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−310746(JP,A) 特開 平1−192740(JP,A) 特開 昭62−162636(JP,A) 特開 平3−126634(JP,A) 特開 平6−199537(JP,A) 特開 平6−199536(JP,A) 特開 平5−155631(JP,A) 実開 昭63−27445(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C03B 37/00 - 37/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部から連続的に流入される不活性ガス
    で満たされる線引室を有し、該線引室の上端開口からダ
    ミー棒に支えられて挿入される光ファイバ母材を加熱溶
    融してその下端から光ファイバを線引きする光ファイバ
    線引炉において、上記ダミー棒の途中に設けられて上記
    線引室の上記光ファイバ母材より上の空間で当該線引室
    の周囲壁面近傍以外を上下方向に画成する仕切板を具え
    たことを特徴とする光ファイバ線引炉。
  2. 【請求項2】 請求項1において、仕切板に上下方向に
    貫通する複数の貫通孔を有することを特徴とする光ファ
    イバ線引炉。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、仕切板の直径
    が線引室の内径よりは小さく光ファイバ母材の直径より
    大きいことを特徴とする光ファイバ線引炉。
JP31774791A 1991-12-02 1991-12-02 光ファイバ線引炉 Expired - Lifetime JP3141464B2 (ja)

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ID26017A (id) * 1998-04-03 2000-11-16 Sumitomo Electric Industries Tanur dan metode untuk penarikan kabel serat optis
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FR2802916B1 (fr) * 1999-12-27 2002-03-15 Cit Alcatel Agencement d'entree de preforme pour four de tirage de fibre optique, four dote d'un tel agencement et preforme equipee pour cooperer avec cet agencement
JP5830979B2 (ja) * 2011-07-04 2015-12-09 住友電気工業株式会社 ガラス母材の焼結装置および焼結方法
JP7155631B2 (ja) * 2018-06-11 2022-10-19 住友電気工業株式会社 光ファイバの線引き方法

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