JP2965037B1 - 光ファイバ線引き炉及び光ファイバ線引き方法 - Google Patents
光ファイバ線引き炉及び光ファイバ線引き方法Info
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Abstract
くした光ファイバ線引き炉及び線引き方法を提供する。 【解決手段】 炉心管10とその上端部に連結する内筒
管5’を備え、該炉心管10と内筒管5’の内部に上部
をダミー棒2で支持した光ファイバ母材1を該ダミー棒
2と共に降下し得るようにして配置し、該光ファイバ母
材1を炉心管10の外側からヒータ11にて加熱して溶
融し、該光ファイバ母材1の下端から光ファイバ1aを
引出す光ファイバ線引き炉であって、前記光ファイバ母
材1の上の内筒管5’内の空間を複数箇所の上下部分に
仕切る1組又は複数組の仕切り板4を該空間内に配置し
て、該仕切り板4よりも下方部分の該内筒管5の壁面
に、該内筒管5’及び炉心管10の内部に不活性ガスを
吹込むガス吹込み口8を設けたものである。
Description
加熱して溶融し光ファイバを引出す光ファイバ線引き炉
及び光ファイバ線引き方法に関する。
バ母材を加熱して光ファイバを引出すために使用される
光ファイバ線引き炉に関する技術は、既にいろいろと知
られており、特許第2542679号公報及び特開平5
−147969号公報に記載されているものがある。両
者とも図面及び用語が本発明で使用しているものと一部
相違しているので、本発明との相違点が分かり易いよう
に本発明の説明で使用している図面及び用語に直して以
下に説明する。
されている光ファイバ線引き炉の主要部は、図7に示す
ものであって、21は光ファイバ母材、21aは光ファ
イバ、22は内筒管、22aはガス吹込み口、23は外
筒管、24はガス供給口、24aはガス通路、25はダ
ミー棒、25aは連結部、26は保持治具、27はシー
ルピストン、28は炉心管、29はヒータである。
5と光ファイバ母材21は、連結部25aによって連結
され一緒に降下するようにして、炉心管28とその上端
部に連結して配置された内筒管22の内部に、配置され
ている。そして光ファイバ母材21の下部端周辺が炉心
管28の外側に配置されたヒータ29で加熱されて溶融
し、光ファイバ母材21の下端から下部方向に光ファイ
バ21aが引出される。なお、炉心管28の上端部に連
結して配置された内筒管22は線引き開始時の長い光フ
ァイバ母材21を収容するためのものである。
筒管23との間にはガス通路24aが形成され、ガス供
給口24からガス通路24a内に不活性ガスを供給し
て、内筒管22の壁面に高さ方向、円周方向にわたって
設けた多数のガス吹込み口22aから内筒管22の内部
に不活性ガスを吹込む。この不活性ガスは炉心管等の酸
化劣化を防止するために内筒管22と炉心管28の内部
に流すものであるが、その不活性ガスの加熱による温度
分布及び流れが均一でないと、光ファイバ母材から引出
される光ファイバに線径変動が生じ易くなる。
光ファイバ母材21の上部のダミー棒25の部分に、ダ
ミー棒25と保持治具26で連結されダミー棒25と一
緒に移動するシールピストン27を設ける。線引き開始
時には、光ファイバ母材21は長いので、ダミー棒25
及びシールピストン27は上の方にある。線引きが進行
すると光ファイバ母材21が下端から短くなってくる
が、それにつれて光ファイバ母材21が降下するので、
ダミー棒25及びシールピストン27も降下してくる。
ば、ダミー棒25と内筒管22との間の空間が徐々に増
大するが、シールピストン27があるため、光ファイバ
母材21の上部の空間の容積はほぼ一定である。それゆ
え、シールピストン27を設けることによって光ファイ
バ母材21とシールピストン27との間の空間での不活
性ガスの流れの乱れが起こり難いとされるものである。
ンを使用しているため、光ファイバ母材の長さが1.5
m以上と大型になると、シールピストン自体もそれだけ
の長さが必要となり、その重量も大きくなる。従って、
それらを上部で支持する支持部材は光ファイバ母材と共
にシールピストンの重量をも支える必要があるので大型
になる。またシールピストンは高温に耐える必要がある
ため、カーボン、石英等の耐熱材料を使用する必要があ
り、大型になると価格も高くなる。
摺動しながら移動するので、その摺動部よりダストが発
生し易く、線引きされる光ファイバの強度にも悪影響を
与えることがある。また、シールピストンの降下によっ
て、内筒管の壁面に設けられる多数のガス吹込み口は上
部から順次シールピストンに隠れてシールされることに
なるため、不活性ガスの流れを一定流速に保つために
は、ガス流量を順次コントロールする精密なコントロー
ラが必要である。
載されている光ファイバ線引き炉について説明する。こ
の光ファイバ線引き炉の主要部は図8に示すものであ
る。なお、図8において図7と同じ符号は、同じものを
示す。また、22bはガス吹込み口、30は上蓋、31
は仕切り板である。この図8に示す光ファイバ線引き炉
は、図7に示すものと次の点で異なっている。図7のシ
ールピストンに相当するものは無く、内筒管22の上端
は上蓋30にてダミー棒25が通る箇所を除いて閉じら
れている。
み口22bは内筒管22の上方にあり、その下方に内筒
管22内の空間を上下に仕切る仕切り板31がダミー棒
25の下端付近に固定されている。そしてガス吹込み口
22bから内筒管22の内部に入った不活性ガスは、ま
ず仕切り板31の上方の空間部分に入り、その後仕切り
板31と内筒管22の内壁面との隙間あるいは、仕切り
板を貫通するように設けた孔を通して仕切り板の下方の
光ファイバ母材の周辺に流れるようになっている。
バ母材が短くなってくると、仕切り板の上方空間が大き
くなるので、ガス吹込み口から出た不活性ガスは一旦大
きな空間内に入り、仕切り板の部分で流れが一部遮られ
て仕切り板の下方に流れてくる。そのため、仕切り板の
上方空間内で不活性ガスの流れは乱流になり易く、その
影響が仕切り板の下方空間にも伝わり、光ファイバ母材
の周辺の不活性ガスの流れを必ずしも均一に維持するこ
とが難しい。従って、光ファイバの線径変動をある程度
小さく出来るかもしれないが、更に小さく抑えるのが難
しい。
による光ファイバ線引き炉は、シールピストンを備えた
ものでは、シールピストンの重量が大きいため、支持部
材が大型になる。また設備コストも高くなる。更にシー
ルピストンと内筒管の内壁面との摺動によって発生する
ダストの影響を受けて光ファイバの品質が悪くなるとい
った問題がある。
部に配してダミー棒と共に移動する仕切り板を設けた光
ファイバ線引き炉においては、ガス吹込み口から入った
不活性ガスは一旦仕切り板の上部の大きな空間に入り、
仕切り板の周辺又は貫通孔を通して仕切り板の下方に流
れてくるので、仕切り板の上方空間で発生したガス流の
乱れが仕切り板の下方空間にも伝わり、光ファイバの線
引き部分での不活性ガスの流れが変動し易い。そのため
光ファイバの線径変動を一定値以下の小さいものに抑え
ることが難しい。本発明は、このような従来技術の問題
点を解消した光ファイバ線引き炉と光ファイバ線引き方
法を提供するものである。
き炉は、炉心管とその端部に連結する内筒管を備え、該
炉心管と内筒管の内部に上部をダミー棒で支持した光フ
ァイバ母材を該ダミー棒と共に降下し得るようにして配
置し、該光ファイバ母材を炉心管の外側からヒータにて
加熱して溶融し、該光ファイバ母材の下端から光ファイ
バを引出す光ファイバ線引き炉であって、前記光ファイ
バ母材の上の内筒管内の空間を複数箇所の上下部分に仕
切る1組又は複数組の仕切り板を該空間内に配置して、
該仕切り板よりも下方部分の該内筒管の壁面に、該内筒
管及び炉心管の内部に不活性ガスを吹込むガス吹込み口
を設けたものである。
配置された複数組の仕切り板で構成し、該ダミー棒の下
降に合わせて前記複数組を仕切り板を下方へ降下させる
と共に、該複数組の仕切り板の上部から順次1組ずつ、
内筒管の内壁面にて下方への降下を係止し、該係止され
た仕切り板にて前記光ファイバ母材上の内筒管内の空間
をそれぞれ上下部分に仕切ることによって、光ファイバ
の線引きの進行によって光ファイバ母材が小さくなり内
筒管内の空間が大きくなっても、仕切り板の各組によっ
て、内筒管内の空間を適当な大きさの複数箇所に仕切る
ことが出来るので、内筒管内の不活性ガスの流れをより
良く安定させることが出来る。
盤上の板からなるものであっても良いが、仕切り板の各
組をそれぞれ外側部材と内側部材の2枚の板状部材で構
成するすることも出来る。そしてその場合、外側部材の
外径は前記内筒管において係止される部分での内筒管の
内径と同じものとし、外側部材の中心孔径は前記ダミー
棒の外径よりも大きいものとする。また、内側部材の外
径は外側部材の中心孔径よりも大きくかつ外側部材の外
径よりも小さくし、内側部材の中心孔径はダミー棒の外
径よりも少し大きいものとする。
て両部材の中心孔にダミー棒を挿通させると、外側部材
を内筒管の内壁面にて支持することによって、上方側の
内側部材は外側部材上に載置して支持される。このよう
に、仕切り板の各組を外側部材と内側部材で構成するこ
とによって、光ファイバ母材の揺れ等によって、内筒管
とダミー棒との同心状態がずれ偏心したような場合で
も、下方の部材の上を上方の部材が滑って半径方向に移
動するので、仕切り板によって内筒管の内壁面を傷つけ
るというような事態は発生しない。
ダミー棒の下端付近又は光ファイバ母材上部に、ダミー
棒又は連結部又は光ファイバ母材に固定して配置し、光
ファイバ母材の降下に合わせて下降させることも出来
る。そして、この場合も各仕切り板の組を外側部材と内
側部材で構成することも可能である。但しこの場合、外
側部材の外径は内筒管の内径よりも小さくし、外側部材
の中心孔径はダミー棒の外径よりも大きくする。また、
内側部材の外径は外側部材の中心孔径よりも大きくかつ
外側部材の外径よりも小さくする。また、内側部材の中
心孔径はダミー棒の外径と同じかそれよりも大きくす
る。
方側にして、内側部材をダミー棒又は連結部で支持す
る。このように、仕切り板の各組を外側部材と内側部材
で構成することによって、光ファイバ母材の揺れ等によ
って、内筒管とダミー棒との同心状態がずれ偏心したよ
うな場合でも、下方の部材の上を上方の部材が滑って半
径方向に移動するので、仕切り板によって内筒管の内壁
面を傷つけるというような事態は発生しない。
側に向けて設けておけば、突起のみが内筒管の内壁面に
接触するので、仕切り板が降下する時の内筒管内壁面と
の摺動摩擦も小さくすることが出来る。
光ファイバ線引き炉の実施形態の主要部を示す縦断面図
である。図1は、複数組の仕切り板を使う場合の実施形
態を、図2は1組の仕切り板を使う場合の実施形態を示
している。また、図2(A)は、線引き当初の光ファイ
バ母材が大きい状態を、図2(B)は、線引き終了前の
光ファイバ母材が小さくなった状態を示す。図1、図2
において、1は光ファイバ母材、1aは光ファイバ、2
はダミー棒、3は連結部、4は仕切り板、5、5’は内
筒管、6は外筒管、7はガス供給口、7aはガス通路、
8はガス吹込み口、9は上蓋、10は炉心管、11はヒ
ータ、12は下煙突部である。
端部に連結して内筒管5又は5’を配する。炉心管10
及び内筒管5は、通常円筒状のものが多い。なお図1の
場合、内筒管5’は、その内径が上部から下部になるに
したがって小さくなる円錐台形である。炉心管10と内
筒管5、5’内にダミー棒2で支持した光ファイバ母材
1を配置し、炉心管10の外部からヒータ11で光ファ
イバ母材1の下端付近を加熱して溶融させ、光ファイバ
母材1の下端から光ファイバ1aを引出す。
を設けてその外筒管6に設けたガス供給口7からガス通
路7aを通って、内筒管5、5’の壁面に設けたガス吹
込み口8から内筒管5、5’及び炉心管10の内部に不
活性ガスを流し込む。また内筒管5、5’の上部はダミ
ー棒2が貫通して移動し得る孔を設けた上蓋で内部の不
活性ガスが流出しないように蓋をする。
口8の位置を内筒管5、5’の下端付近の壁面に円周方
向にほぼ等間隔に10個所以上多数設けて、そこから吹
込まれた内筒管5、5’内の不活性ガスの流れが円周方
向で出来るだけ均等になるようにする。また、ガス供給
口7も外筒管6の円周方向に4個所程度設ける。
化珪素等の耐熱材料からなる厚さ数mm〜10mm程度
の板状のもので、内筒管が円筒状の場合は円盤状、内筒
管が角筒状の場合は、その内壁の形に合わせた角型の板
とする。またその仕切り板の各組の中心孔径をダミー棒
2の外径よりも少し大きくし、ダミー棒2と光ファイバ
母材1との連結部3の大きさよりも中心孔径を小さくす
ることによって、連結部3の上に仕切り板4を載置す
る。
れぞれの外径を、内筒管5’の上端からほぼ等間隔に下
降した位置での円錐台形の内筒管5’の内径に合わせ
て、上部から下部になるに従って順次小さいものとす
る。線引きが進行して光ファイバ母材1が小さくなる
と、ダミー棒2と共に連結部3が降下するが、その時複
数組の仕切り板4は、内筒管5’の内径と仕切り板4の
外径が一致した箇所でその仕切り板は下方への移動が阻
止されるので、複数組の仕切り板の内、上部の仕切り板
から順次内筒管の内壁面にて、1組ずつほぼ等間隔を保
って係止されることになる。
のものを用いて、複数組の仕切り板の外径をそれぞれ上
部から下部になるに従って小さいものとすることによっ
て、内筒管の内壁面にて複数組の仕切り板をそれぞれ間
隔をおいて係止するものを例示したが、複数組の仕切り
板の係止方法は、別の方法を採用することも出来る。
用し、複数組の仕切り板として内筒管の内径より小さい
外径の円盤を用いて、各仕切り板の周囲に一定間隔で円
周方向に2〜4箇所程度の突起部を設けて、その突起部
の先端を通る仕切り板の外径は内筒管の内径よりもわず
かに小さなものになるようにする。そしてその突起部が
重なり合わないようにして複数組の仕切り板を重ねる。
一方、内筒管の内壁面にも、内筒管の軸方向に等間隔で
かつ円周方向に一定間隔の突起受け部を固定する。な
お、突起受け部の円周方向の一定間隔は仕切り板の突起
部の間隔に合わせる。また、内筒管の軸方向での段毎
に、突起受け部の円周方向の位置をそれぞれずらせる。
することによって、ダミー棒の支持部材上に当初重ねて
載置した複数組の仕切り板が、ダミー棒と共に降下する
に従って、上部から1組ずつ、仕切り板の外周の突起部
が内筒管の内壁面の突起受け部に係止されて、順次降下
が阻止され、内筒管内の空間の等間隔での仕切りを達成
することが出来る。但しこの方法は、仕切り板の突起部
と内筒管の内壁面の突起受け部の位置を合わせる等の手
間がかかるので、図1の方法の方が設備としての取扱い
が容易である。
形態を示している。この場合、仕切り板4は1枚の円盤
状の板で、ダミー棒2の連結部3上に載置されている。
また、仕切り板4の外径は、内筒管5の内径より少し小
さいものにする。また、仕切り板4を連結部3の上に載
置しないで、ダミー棒2に支持部材を固定してその上に
仕切り板4を載置すること、ダミー棒2に直接固定する
ことも可能である。また、仕切り板4とダミー棒2との
間に遊びを設けておけば、ダミー棒2と光ファイバ母材
1とが、内筒管5の内部で揺れることがあっても、仕切
り板4が内筒管2を傷つけるということが避けられる。
イバ母材上の内筒管内の空間を仕切る機能を有するの
で、内筒管内の不活性ガスの流れを安定させる効果がそ
れなりにあるが、内筒管の長さは2m以上にもなるの
で、仕切り板は複数組とする方が、内筒管内の空間の不
活性ガスの流れの乱れが少なくなり、光ファイバの線引
きにおける光ファイバの線径変動への影響を小さくする
上で、より望ましい。
連結部と光ファイバ母材の間にも大きな空間が生じるこ
とがある。その場合には、図3に示すように、光ファイ
バ母材1と連結部3との間及び光ファイバ母材1のテー
パ部即ち光ファイバ母材上部に一定間隔で仕切り板4を
配置することによって、光ファイバ母材の上の内筒管内
の空間を小さく仕切ることが可能で、仕切り効果をより
高めることが出来る。
4、図5に示すものがある。図4(A)1組の仕切り板
の斜視図、図4(B)は内筒管内に1組の仕切り板を配
置したところの縦断面図である。また、図5(A)は、
複数組の仕切り板を配置したところを示す縦断面図であ
って、図5(B)は1組の仕切り板の詳細断面図であ
る。これらの例では仕切り板13又は14の組は、内側
部材13a又は14aと外側部材13b又は14bとで
構成される。材質は図1、図2の場合と同じである。
5の内径又は内筒管5’によって係止される箇所での内
筒管の内径と同じとし、外側部材13b、14bの中心
孔径は、ダミー棒2の外径よりも大きいものとする。ま
た、内側部材13a、14aの外径は、外側部材13b
又は14bの中心孔径よりも大きくかつ外側部材13b
又は14bの外径よりも小さいものとする。また、ま
た、内側部材13a、14aの中心孔径は、ダミー棒2
の外径より少し大きくする。
り板13の内側部材13aを連結部3の上に載置して、
内側部材13aの上に外側部材13bを載置する。そう
すると、ダミー棒2が内筒管5の内部で左右に揺れて同
心状態でなくなっても、外側部材13bが内側部材13
a上を滑って追随するので、仕切り板13が内筒管5を
傷つけるという事態を避けることが出来る。なお、図4
では外側部材、内側部材とも円盤状のものの例を示した
が、内筒管が角筒状である場合は、少なくとも外側部材
の外周を角型にする必要がある。また、外径、内径につ
いては、中心から同じ方向に向かった時の、外周、内周
までの距離と考えれば良い。
15を除いて仕切り板14の各組を、外側部材14bと
内側部材14aで構成した実施形態を示している。この
例では内筒管5’が円錐台形であって、仕切り板14の
外径即ち外側部材14bの外径は、上部から下部になる
に従って小さくかつ内筒管の係止部分における内径に合
わせて作られている。また、この図5(A)の例では仕
切り板14の各組においては、外側部材を下に内側部材
を上に載置する。
ミー棒2に貫挿して連結部3上に載置しておけば、線引
きの進行に応じてダミー棒2等が降下した時、上部の仕
切り板14から順に外側部材14bが内筒管5の内壁面
で係止され、内側部材14aは各組の外側部材14b上
に載った状態で移動が阻止されるので、仕切り板14の
各組によって、内筒管5内の空間がそれぞれ上下に仕切
られる。
り板のうち最下部のものを除いて、外側部材、内側部材
で構成する例を示したが、複数組の仕切り板の最下部を
含む全組又は一部の組のみを外側部材、内側部材で構成
することも出来る。また、図5(B)に示すように外側
部材14bの外周部14cに上部に向かって縮径したテ
ーパをつければ、内筒管5’との接触面積を小さくする
ことが可能で、仕切り板14が内筒管5’を傷つけるこ
とも少なくなる。
周に均等に外部方向を向いた半球状の突起16aを設け
ておけば、仕切り板が内筒管内を降下する時、内筒管の
内壁面と摺動しても摺動摩擦抵抗を小さくすることが可
能である。なお、このような突起は、仕切り板が1枚の
ものに限らず、図4(A)(B)、図5のような2枚の
組み合わせの場合も、その外側部材の外周に設けること
によって、同様の効果が得られる。
棒2の周囲又はダミー棒と光ファイバ母材の間に仕切り
板4を設けて、不活性ガスのガス吹込み口8を仕切り板
4の移動範囲よりも下方の内筒管の壁面に設けることに
したので、光ファイバ母材から光ファイバの引出しが進
行して光ファイバ母材が短くなってきても、仕切り板4
と光ファイバ母材1との間の空間は常に一定であって、
ガス吹込み口8から上に向かう流れはほとんど無いの
で、光ファイバ母材と仕切り板との間でガス流の乱れが
起こることは無いと考えられる。また、仕切り板4で仕
切られた空間内には不活性ガスは一部入り込むが、その
空間内では不活性ガスの流れは小さいので、その流れが
仕切り板4の下方空間に影響を与えることは無い。
ガスは、光ファイバ母材の上部の方へはほとんど流れ
ず、下部方向に流れ、下煙突部14に沿って流れるの
で、線引きされた光ファイバ1aの周囲の不活性ガスの
流れは整流状態に保持される。またその流れは光ファイ
バ母材の降下によってほとんど変動しないので、加熱さ
れた光ファイバ母材の下端から引出される光ファイバの
線径変動を小さくすることが出来る。実際に直径90m
m、長さ1500mmの光ファイバ母材を使って、図1
及び図2に示す光ファイバ線引き炉にて、直径が125
μmの光ファイバを線引きしたところ、いずれの場合も
光ファイバの線径変動は±0.1μm以内に抑えること
が出来た。
イバ母材の上の内筒管内の空間内に1組又は複数組の仕
切り板を配置して、仕切り板にて内筒管内の空間を複数
箇所の上下部分に仕切り、仕切り板よりも下方部分の内
筒管の壁面に設けたガス吹込み口から不活性ガスを該内
筒管及び炉心管の内部に流し込むものであるので、仕切
り板と光ファイバ母材との間の空間は光ファイバ母材が
短くなってきても変わらず一定である。
スは、主として下部方向に流れるので、光ファイバ母材
の上の空間内のガスが光ファイバ母材の線引き状態に影
響を与えることが少ない。そのため、線引きは安定して
継続され、線径の変動も少なくなる。従って、このよう
な光ファイバ線引き炉を使って製造した光ファイバは長
手方向に外径がほぼ一定しており、伝送特性の変動も少
ない。また、シールピストンのような大型部材を使わ
ず、簡単な仕切り板を使うことにしたので設備コストも
安価となり、シールピストンのような大きな摺動も無い
ので、摺動による発生ダストも少なく、光ファイバの強
度に悪影響を与えることも無い。
貫挿し、ダミー棒の降下に合わせて仕切り板を下方に降
下させると共に、複数組の仕切り板の上部の組から順次
1組ずつ、内筒管の内壁面にて下方への降下が係止され
るようにした光ファイバ線引き炉では、内筒管内の空間
が大きい場合であっても、その空間を幾つもの上下部分
に仕切ることが出来るので、仕切り板によって仕切られ
た各空間の大きさを小さくすることが出来、不活性ガス
の流れをより安定させることが出来る。
温度を均一化するために内筒管上部近辺に補助ヒータを
設ける例があったが、複数組の仕切り板を設けることで
内筒管内の空間は小さく仕切られるため、補助ヒータを
設ける必要がなくなる。
材の2枚で構成すれば、ダミー棒及び光ファイバ母材が
内筒管内で揺れ等によって同心状態にずれが発生しても
仕切り板が内筒管を傷つけることはない。また、仕切り
板の外周に外部方向を向いた半球状の突起を設けたもの
は、仕切り板が内筒管の内壁を摺動する時でも、内筒管
を傷つけることはない。
部を示す縦断面図である。
主要部を示す縦断面図であって、(A)は線引き開始時
の状態を、(B)は線引き終了時近くの状態を示す。
る例の説明図である。
図であって、(A)はその斜視図、(B)はその仕切り
板を取り付けた箇所付近を示す縦断面図である。
態を示す縦断面図であって、(B)は1組の仕切り板の
詳細断面図である。
斜視図である。
縦断面図である。
部の縦断面図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 炉心管とその端部に連結する内筒管を備
え、該炉心管と内筒管の内部に上部をダミー棒で支持し
た光ファイバ母材を該ダミー棒と共に降下し得るように
して配置し、該光ファイバ母材を炉心管を介してヒータ
にて加熱して溶融し、該光ファイバ母材の下端から光フ
ァイバを引出す光ファイバ線引き炉において、前記光フ
ァイバ母材の上の内筒管内の空間を複数箇所の上下部分
に仕切る1組又は複数組の仕切り板を該空間内に配置し
て、該仕切り板よりも下方部分の該内筒管の壁面に、該
内筒管及び炉心管の内部に不活性ガスを吹込むガス吹込
み口を設けたことを特徴とする光ファイバ線引き炉。 - 【請求項2】 前記仕切り板は、前記ダミー棒に貫挿し
て配置された複数組の仕切り板からなり、該ダミー棒の
下降に合わせて前記複数組の仕切り板は下方へ降下する
と共に、該複数組の仕切り板の上部から順次1組ずつ、
内筒管の内壁面にて下方への降下を係止され、該係止さ
れた仕切り板にて前記光ファイバ母材上の内筒管内の空
間がそれぞれ上下部分に仕切られることを特徴とする請
求項1に記載の光ファイバ線引き炉。 - 【請求項3】 前記複数組の仕切り板のそれぞれの外径
を、上部から下部になるに従って順次小さいものとし、
前記内筒管の内径を、上部から下部になるに従って小さ
くした円錐台形として、該ダミー棒の下降に合わせて前
記複数組の仕切り板は下方へ降下すると共に、該複数組
の仕切り板の上部から順次1組ずつ、内筒管の内壁面に
仕切り板の外周面が接することによって下方への降下を
係止されることを特徴とする請求項2に記載の光ファイ
バ線引き炉。 - 【請求項4】 前記複数組の仕切り板のうち少なくとも
1組を外側部材と内側部材で構成し、外側部材の外径は
前記内筒管によって該外側部材が係止される部分におけ
る内筒管の内径と同じものとし、外側部材の中心孔径は
前記ダミー棒の外径よりも大きいものとし、内側部材の
外径は外側部材の中心孔径よりも大きくかつ外側部材の
外径よりも小さくし、内側部材の中心孔径はダミー棒の
外径よりも少し大きいものとし、外側部材を下に内側部
材を上にして、中心孔にダミー棒を挿通させ、当該仕切
り板の外側部材が内筒管の内壁にて係止された時、外部
部材にて内部部材を保持するすることを特徴とする請求
項2又は請求項3に記載の光ファイバ線引き炉。 - 【請求項5】 前記仕切り板は、前記ダミー棒の下端付
近又は光ファイバ母材上部に該光ファイバ母材と共に下
降するように配置された1組又は複数組の仕切り板から
なることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ線引
き炉。 - 【請求項6】 前記1組又は複数組の仕切り板を外側部
材と内側部材で構成し、外側部材の外径は前記内筒管の
内径より小さく、外側部材の中心孔径は前記ダミー棒の
外径よりも大きいものとし、内側部材の外径は外側部材
の中心孔径よりも大きくかつ外側部材の外径よりも小さ
くし、内側部材の中心孔径はダミー棒の外径と同じかそ
れよりも大きいものとし、内側部材を下に外側部材を上
にしてその中心孔にダミー棒を挿通させ、該ダミー棒に
固着した支持部材上に内側部材を載置して支持するか内
側部材をダミー棒に固着するかしてして前記内側部材を
保持し、内側部材上に外側部材を載置することを特徴と
する請求項5に記載の光ファイバ線引き炉。 - 【請求項7】 前記仕切り板の外周には複数の突起を外
側に向けて設け、前記内筒管の内壁面には該仕切り板の
突起以外の部分は接触しないようにしたことを特徴とす
る請求項1、請求項5、請求項6のいずれか1項に記載
の光ファイバ線引き炉。 - 【請求項8】 炉心管とその端部に連結して配置した内
筒管内に上部をダミー棒で支持した光ファイバ母材を該
ダミー棒と共に降下し得るようにして配置し、該光ファ
イバ母材を加熱して溶融し、該光ファイバ母材から光フ
ァイバを引出す光ファイバ線引き方法において、前記光
ファイバ母材の上の内筒管内に1組又は複数組の仕切り
板を配置して、該仕切り板にて該内筒管内の空間を上下
複数箇所に仕切りながら、該仕切り板よりも下方部分の
該内筒管の壁面に設けたガス吹込み口から不活性ガスを
該内筒管及び炉心管の内部に流し込みながら光ファイバ
母材の下端付近を加熱して溶融し、光ファイバ母材の下
端から光ファイバを引出すことを特徴とする光ファイバ
線引き方法。
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1998
- 1998-09-11 JP JP25768398A patent/JP2965037B1/ja not_active Expired - Lifetime
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