JP4737031B2 - ガラス母材の製造方法及び製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラス微粒子堆積体を加熱して脱水及び透明ガラス化を行う光ファイバ用ガラス母材などのガラス母材の製造方法及び製造装置に関する。
従来、光ファイバ用ガラス母材などのガラス母材はVAD法やOVD法により製造されるガラス微粒子堆積体(多孔質ガラス母材)を加熱処理し、脱水及び透明ガラス化を行うことによって製造されている。前記加熱処理の工程においては、脱水、透明ガラス化などの処理内容に応じて雰囲気ガスを選択しており、例えば、第1加熱処理でガラス微粒子堆積体をHeとO及び脱水ガス(塩素ガス、塩化チオニル、フルオル系シランなど)を用いて脱水し、続く第2加熱処理においてHeとO又はHeのみの雰囲気中で透明ガラス化している。
このようなガラス母材の製造方法においては、加熱処理を行うガラス母材の製造装置内において、支持棒で支持されたガラス微粒子堆積体を炉心管内につり下げ、ガラス微粒子堆積体を塩素系ガス(脱水剤)雰囲気下で脱水し、さらに不活性ガス雰囲気下もしくは不活性ガスと塩素系ガス又はOの混合雰囲気下で透明ガラス化するか、あるいは、塩素系ガスで脱水後、プロファイル(屈折率)調整のためSiFなどのガスを用いてF添加を行い、その後、不活性ガス雰囲気下もしくは不活性ガスとハロゲン系ガスの混合雰囲気化で透明ガラス化する方法が一般的である。
このような方法の場合、製造装置から腐食性ガス(ハロゲン系ガス)が漏れ、製造装置の設置された室内の各装置の金属部品を腐食させ、室内雰囲気中の金属系ダスト量が増加する場合がある。通常、この種の製造装置はガラス微粒子堆積体を製造するガラス微粒子堆積装置などと同じ室内に設置されている場合が多いが、室内の金属系ダスト量が増加すると、ガラス微粒子の堆積中に室内雰囲気中の金属系ダストが堆積装置内に混入し、最終的に得られるガラス母材中に多数の金属不純物が存在することとなる。
ガラス母材の製造装置から室内へ流出する腐食性ガス(塩素系ガス、フッ素系ガスなどのハロゲン系ガス)の大部分は炉心管の上蓋の支持棒が挿入されている部分から流出する。このような腐食性ガスの流出を防止する方法として、支持棒を覆う形で炉心管の上蓋と上方の昇降装置とを繋ぐ蛇腹管を設け、支持棒挿通口をシールした形で脱水及び透明ガラス化を行うことが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、上蓋の上面に支持棒及び支持棒挿通口を覆う形で管状のシール室を設け、該シール室内に該シール室内の圧力が炉心管内圧力よりも高い所定の圧力となるように不活性ガスを導入しながら脱水及び透明ガラス化を行うことが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2003−212556号公報 特開2003−212557号公報
上記特許文献1,2に記載されたような従来のガラス母材の製造方法及び製造装置では、炉心管の上蓋の上面に不活性ガスを導入する空間を設け、上蓋の支持棒が挿入されている部分を通して炉心管内へ不活性ガスを導入して、炉心管上部に設けられた排気部からそのガスをスクラバへ排気している。また、炉心管内の腐食性ガスもその排気部からスクラバへ排気している。そのため、上蓋の支持棒が挿入されている部分から腐食性ガスの漏れを防ぐには、炉心管上部の排気部からの排気をある程度強くする必要があるが、炉心管の内部を陽圧に維持することが難しくなり、炉心管外の気体(特に水分)を炉心管内に侵入させてガラス母材の品質を悪化させてしまうおそれがある。
また、炉心管上部の排気部からの排気を強くすると、炉心管内部でガラス微粒子堆積体と炉心管との間の空間に乱流が発生しやすく、排気圧が乱れやすい。また、一般的にスクラバによる排気の圧力は乱れやすいこともあり、炉心管内の圧力が乱されやすい状況にあった。炉心管内の圧力が乱れると、炉心管に負荷が掛かって劣化して使用寿命が低下しやすくなるほか、加熱処理したガラス母材の形状や特性を悪化させてしまうおそれもある。
そこで、本発明の目的は、製造装置から塩素系ガスやフッ素系ガスなどの腐食性ガスが漏れることを防ぎながら、炉心管内の圧力を安定化させることのできるガラス母材の製造方法及び製造装置を提供することにある。
上記課題を解決することのできる本発明に係るガラス母材の製造方法は、ガラス微粒子堆積体を収納し内部で加熱処理する炉心管と、昇降装置に接続する支持棒を挿入する挿通口が設けられ前記炉心管の上端又は上方に設けられた上蓋と、前記炉心管の周囲を囲むヒータとを備えたガラス母材の製造装置を使用し、前記支持棒により支持されたガラス微粒子堆積体を加熱するガラス母材の製造方法であって、前記上蓋の上面に前記支持棒及び支持棒挿通口を覆う形で筒状の圧力調整室を設け、前記圧力調整室の上面に前記支持棒を覆う形で筒状の排気室を設け、前記排気室の上面に前記支持棒を覆う形で筒状のシール室を設け、前記シール室にシールガスを導入し、前記圧力調整室に圧力調整ガスを導入しながら、脱水及び透明ガラス化を行うことを特徴とする。
本発明に係るガラス母材の製造方法において、前記炉心管内の圧力を大気圧以上に維持することが好ましい。
本発明に係るガラス母材の製造方法において、前記炉心管内の圧力をモニタし、前記炉心管の下部から前記炉心管内にガスを導入して前記炉心管内の圧力を調整することが好ましい。
また、上記課題を解決することのできる本発明に係るガラス母材の製造装置は、ガラス微粒子堆積体を収納し内部で加熱処理する炉心管と、昇降装置に接続する支持棒を挿入する挿通口が設けられ前記炉心管の上端又は上方に設けられた上蓋と、前記炉心管の周囲を囲むヒータとを備えたガラス母材の製造装置であって、前記上蓋の上面に前記支持棒及び支持棒挿通口を覆う形で設けられた筒状の圧力調整室と、前記圧力調整室の上面に前記支持棒を覆う形で設けられた筒状の排気室と、前記圧力調整室に圧力調整ガスを導入する圧力調整ガス導入手段と、前記排気室の上面に前記支持棒を覆う形で筒状のシール室とを有することを特徴とする。
本発明に係るガラス母材の製造方法及び製造装置によれば、圧力調整室に圧力調整ガスを導入すると、炉心管内に存在する塩素系ガスやフッ素系ガスなどの腐食性ガスが上蓋の挿通口から圧力調整室へ侵入しにくくなる。仮に、腐食性ガスが圧力調整室へ侵入しても、圧力調整室の上面に設けられた排気室から圧力調整ガスとともに排気されるため、腐食性ガスが製造装置の外へ漏れ出すことは防げられる。
さらに、排気室と炉心管内との間に圧力調整室があるため、排気室に圧力変動が起こったとしても、排気室の圧力変動が炉心管内の圧力に直接影響することは、小さく抑えられる。
以下、本発明に係るガラス母材の製造方法及び製造装置の実施の形態の例について図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係るガラス母材の製造方法を実施可能な製造装置の概略図である。
図1に示すように、ガラス母材の製造装置1は、ガラス微粒子堆積体G1を加熱処理する加熱炉であり、縦型に配置された円筒形状の炉心管2と、炉心管2の外周側に配置された加熱源である円筒形状のヒータ3とを備えている。ヒータ3はカーボンにより形成されており、また、ヒータ3の周囲には断熱材4が配設されている。さらに、炉心管2と断熱材4は、炉の外殻をなす炉体5により覆われている。
炉心管2は、石英により形成されており、ヒータ3の発熱により炉心管2のうちヒータ3の内側に位置する箇所を中心に昇温させられる。そして、炉心管2の内側の炉内空間6にガラス微粒子堆積体G1を収容して加熱することができる。ガラス微粒子堆積体G1は、支持棒9により吊り下げられる形で支持棒9と一体的に形成されており、支持棒9が取り付けられる昇降装置10により上下に昇降させることが可能である。また、昇降装置10は支持棒9とともにガラス微粒子堆積体G1をその軸回りに回転させることも可能となっている。
また、炉心管2の上端には、ガラス微粒子堆積体G1の導入時や取り出し時にその開口部を開閉するための上蓋7が着脱可能であり、また、炉心管2の下端には、適宜着脱可能な下蓋8が設けられている。なお、上蓋7及び下蓋8は、炉心管2の上端または下端に直接取り付ける構成ではなく、炉心管2の上方または下方に取り付ける構成としてもよい。
また、ガラス母材の製造装置1は、ガラス微粒子堆積体G1を加熱処理する際に使用するガスを供給するとともにその供給量を制御するガス供給制御装置11を備えている。ガス供給制御装置11は、炉心管2の下端近傍に設けられた雰囲気ガス導入部12から、炉心管2内に雰囲気ガスを供給する。雰囲気ガスとして、脱水処理時にはHeとO及び脱水ガス(塩素ガス、塩化チオニル、フルオル系シランなど)が用いられ、透明ガラス化時にはHeとO又はHeのみが用いられる。もしくは、脱水処理後に、ガラス母材の屈折率調整のためSiFなどのガスを雰囲気ガスとして使用する場合もある。
また、炉心管2の上端近傍には炉心管内圧モニタ13が設けられており、炉内空間6の圧力を適時モニタすることができるようになっている。この炉心管内圧モニタ13にて測定されたデータは、ガス供給制御装置11に送られて、雰囲気ガス導入部12への雰囲気ガスの供給量を調節するのに利用される。炉内空間6の圧力を大気圧以上に維持することで、炉内空間6への外気の侵入を防ぐことができ、製造するガラス母材の品質を良好に維持することができる。
本実施形態において、炉内空間6の雰囲気ガスは、上蓋7の上面に設けられた空間を通してスクラバ14へ排気される。
上蓋7には、炉内空間6に面した蓋部15の上面に、蓋部15の略中央に形成された支持棒挿通口16及びこの支持棒挿通口16を挿通させた支持棒9を覆う形で短円筒状の圧力調整室17が設けられている。そして、この圧力調整室17の側部には、圧力調整ガスを導入する調整ガス導入部18が設けられ、ガス供給制御装置11からの圧力調整ガスがこの調整ガス導入部18を通して圧力調整室17へ供給される。圧力調整ガスには、例えばHeガスを使用すると良い。
さらに、上蓋7には、圧力調整室17の上面に、圧力調整室17の上壁に設けられた支持棒挿通口19及びこの支持棒挿通口19を挿通させた支持棒9を覆う形で短円筒状の排気室20が設けられている。そして、この排気室20の側部には、排気室20内のガスを排気する排気部21が設けられ、排気室20から排気されるガスがこの排気部21を通してスクラバ14へ排気される。スクラバ14では、排気されてきたガスを清浄化処理する。
本実施形態のガラス母材の製造装置1では、炉内空間6の上端開口部を塞ぐ蓋部の上面に圧力調整室17が設けられ、さらに、圧力調整室17の上面に排気室20が設けられているため、スクラバ14の排気圧が変動した場合でも、その圧の変動は圧力調整室17内の圧力調整ガスにより調整されて吸収され、炉内空間6に対して与える圧力変動の影響を小さく抑えることができる。
また、排気室20の側部には、排気圧モニタ22が設けられており、排気室20の圧力を適時モニタすることによりスクラバ14へ排気圧をモニタできるようになっている。この排気圧モニタ22にて測定されたデータは、ガス供給制御装置11に送られて、測定した排気圧の変動に応じて圧力調整室17へ供給される圧力調整ガスの供給量を調節するのに利用される。その際、測定した排気圧が増大したら圧力調整ガスの供給量を増加させ、測定した排気圧が減少したら圧力調整ガスの供給量を減少させると良い。これにより、スクラバ14への排気圧の変動が圧力調整室17内の圧力調整ガスによりさらに効果的に調整されて吸収され、炉内空間6に対して与える排気圧変動の影響を極めて小さく抑えることができる。したがって、炉心管2内の圧力を安定化させ、炉心管2の使用寿命を長くすることができる。
また、排気室20の上面には、排気室20の上壁に設けられた支持棒挿通口23及びこの支持棒挿通口23を挿通させた支持棒9を覆う形で短円筒状のシール室24が設けられている。そして、このシール室24の側部には、シールガスを導入するシールガス導入部25が設けられ、ガス供給制御装置11からのシールガスがこのシールガス導入部25を通してシール室24へ供給される。シール室24へ供給されたシールガスは、ほぼシール室24内に留まるが、そのうち一部はシール室24の上壁の支持棒挿通口26を通して装置外へ流れ出るか、支持棒挿通口23を通して排気室20へ流れ出る。シールガスには、不活性ガス、例えばNガスを使用すると良い。
本実施形態のガラス母材の製造装置1では、炉内空間6の上端開口部を塞ぐ蓋部の上面に圧力調整室17が設けられ、さらに、圧力調整室17の上面に排気室20が設けられているため、炉内空間6から圧力調整室17へ流れ出た雰囲気ガスは排気室20から排気されるようになっており、装置外へ塩素系ガスやフッ素系ガスなどの腐食性ガスが漏れることが防がれている。さらに、排気室20の上面にシール室24が設けられていることにより、排気圧の急激な変動などが発生した場合でも、シール室24に充満されたシールガスによってシール室24へ雰囲気ガスが侵入することが防がれるため、雰囲気ガスが装置外へ漏れ出ることをより効果的に防ぐことができるようになっている。
また、上蓋7の各支持棒挿通口16,19,23,26には、挿通する支持棒9の軸方向に延出したシールエッジ16a,19a,23a,26aが形成されている。これらシールエッジ16a,19a,23a,26aは、挿通した支持棒9とのクリアランスが微小になるように形成されており、そのクリアランスの部分が薄肉円筒状の微小シール空間として機能するようになっている。ここでは、支持棒9の移動や支持棒挿通口16,19,23,26の周囲の圧力変動などの際に、支持棒9とシールエッジ16a,19a,23a,26aとの間で微小なガスの渦が発生し、それによりシール効果が高まるようになっている。このように、シールエッジ16a,19a,23a,26aを設けることにより、各空間(炉内空間6,圧力調整室17,排気室20,シール室24,装置外の空間)間におけるガスの流れ抵抗を大きくして、前記各空間内にガスを保持しやすくなる。
以上説明したガラス母材の製造装置1を使用してガラス微粒子堆積体G1を加熱処理し、透明なガラス母材とする方法について説明する。
まず、炉心管2上から上蓋7を外した状態で、ガラス微粒子堆積体G1を吊り下げた支持棒9を昇降装置10に取り付け、ガラス微粒子堆積体G1を炉心管2の上端開口部より炉心管2内に導入する。そして、炉心管2のうちヒータ3により昇温される部分の内側にガラス微粒子堆積体G1の下端部が位置するようにガラス微粒子堆積体G1を配置する。
次いで、上蓋7を炉心管2の上端に装着するとともに、上蓋7の各部とガス供給制御装置11及びスクラバ14との接続を行う。
この状態で、ヒータ3の温度を上げて、炉心管2内の温度を上げるとともに、雰囲気ガスとして、HeとO及び脱水ガス(塩素ガス、塩化チオニル、フルオル系シランなど)を、雰囲気ガス導入部12から炉心管2内に供給する。そして、炉心管2内の炉内空間6を上記雰囲気ガスで充満させた状態で、ヒータ3の内側に位置する炉内空間6の温度を1000℃〜1350℃(好ましくは、1100℃〜1250℃)の温度範囲に保持し、数十分程度の所定時間の間加熱して脱水処理を行う。
このとき、ガラス微粒子堆積体G1がヒータ3の軸方向の長さよりも短い場合は、ガラス微粒子堆積体G1の全体をヒータ3の内側に配置したまま加熱するが、ガラス微粒子堆積体G1がヒータ3の軸方向の長さよりも長い場合は、ガラス微粒子堆積体G1を軸方向に(例えば上から下方向へ)移動させていき、ガラス体G1の一端から他端まで全長にわたって加熱する。
この脱水処理の際、ガス供給制御装置11から圧力調整室17にHeガスなどの圧力調整ガスを導入しながら、排気室20からスクラバ14へ排気を行う。そのため、スクラバ14の排気圧が変動した場合でも、その圧の変動は圧力調整室17内の圧力調整ガスにより調整されて吸収され、炉内空間6に対して与える圧力変動の影響を小さく抑えることができる。
また、排気圧モニタ22により排気室20の圧力をモニタし、排気室20の圧力変動に対応して圧力調整室17への圧力調整ガスの導入量を調節することで、より効果的にスクラバ14の排気圧の変動を圧力調整室17にて調整して吸収することができる。
また、圧力調整室17に圧力調整ガスを導入することで、炉内空間6の雰囲気ガスが支持棒挿通口16を通って上蓋7の上面側に流れ出ることを抑えるように作用するため、炉内空間6の圧力を高めやすい。そして、炉心管内圧モニタ13によって炉内空間6の圧力をモニタし、炉内空間6の圧力を大気圧以上に維持するように、雰囲気ガス導入部12への雰囲気ガスの供給量を調節する。炉内空間6の圧力を大気圧以上に維持することで、炉内空間6への外気の侵入を防ぐことができ、製造するガラス母材の品質を良好に維持することができる。
さらに、脱水処理の際、ガス供給制御装置11からシール室24へシールガスを供給する。これにより、シール室24に充満されたシールガスによってシール室24へ雰囲気ガスが炉内空間6から圧力調整室17及び排気室20を介して侵入することが防がれるため、雰囲気ガスが装置外へ漏れ出ることをより効果的に防ぐことができる。
このような方法により脱水処理を行うと、炉内空間6の圧力を大気圧に対して+70Pa〜+30Pa程度の範囲内に良好に安定させることができる。これに対して、上蓋の上方に設けた空間にシールガスを導入して炉心管の上部から排気を行うような上記特許文献1,2に記載された方法で脱水処理を行った場合には、炉内空間6の圧力が大気圧に対して−100Pa〜+20Pa程度の範囲で不安定になってしまう。
以上のようにガラス微粒子堆積体G1の脱水処理を行った後には、不活性ガス雰囲気下もしくは不活性ガスと塩素系ガス又はOの混合雰囲気下で透明ガラス化するか、あるいは、塩素系ガスで脱水後、プロファイル(屈折率)調整のためSiFなどのガスを用いてF添加を行い、その後、不活性ガス雰囲気下もしくは不活性ガスとハロゲン系ガスの混合雰囲気化で透明ガラス化する。その際にも、上記脱水処理時と同様に、炉内空間6及び排気室20の圧力をモニタしながら、雰囲気ガス、圧力調整ガス、シールガスをそれぞれ導入すると良い。なお、図2は、ガラス微粒子堆積体G1を下方に移動し終わった後の、製造装置1内とガラス母材G2の様子を表す図であり、この時点でガラス微粒子堆積体G1は透明化されて透明なガラス母材G2となっている。
以上説明したように、本実施形態に係るガラス母材の製造方法及び製造装置は、製造装置から塩素系ガスやフッ素系ガスなどの腐食性ガスが漏れることを防ぎながら、炉心管内の圧力を安定化させることができる。したがって、炉心管の使用寿命を長くすることができるとともに、製造するガラス母材の品質を良好に維持することができる。
本発明に係るガラス母材の製造装置の一実施形態を示す概略断面図である。 ガラス微粒子堆積体を加熱した後の状態を示す加熱炉の概略断面図である。
符号の説明
1 ガラス母材の製造装置
2 炉心管
3 ヒータ
4 断熱材
6 炉内空間
7 上蓋
9 支持棒
10 昇降装置
11 ガス供給制御装置
17 圧力調整室
20 排気室
24 シール室
G1 ガラス微粒子堆積体
G2 ガラス母材

Claims (4)

  1. ガラス微粒子堆積体を収納し内部で加熱処理する炉心管と、昇降装置に接続する支持棒を挿入する挿通口が設けられ前記炉心管の上端又は上方に設けられた上蓋と、前記炉心管の周囲を囲むヒータとを備えたガラス母材の製造装置を使用し、前記支持棒により支持されたガラス微粒子堆積体を加熱するガラス母材の製造方法であって、
    前記上蓋の上面に前記支持棒及び支持棒挿通口を覆う形で筒状の圧力調整室を設け、前記圧力調整室の上面に前記支持棒を覆う形で筒状の排気室を設け、前記排気室の上面に前記支持棒を覆う形で筒状のシール室を設け、前記シール室にシールガスを導入し、前記圧力調整室に圧力調整ガスを導入しながら、脱水及び透明ガラス化を行うことを特徴とするガラス母材の製造方法。
  2. 前記炉心管内の圧力を大気圧以上に維持することを特徴とする請求項1に記載のガラス母材の製造方法。
  3. 前記炉心管内の圧力をモニタし、前記炉心管の下部から前記炉心管内にガスを導入して前記炉心管内の圧力を調整することを特徴とする請求項1または2に記載のガラス母材の製造方法。
  4. ガラス微粒子堆積体を収納し内部で加熱処理する炉心管と、昇降装置に接続する支持棒を挿入する挿通口が設けられ前記炉心管の上端又は上方に設けられた上蓋と、前記炉心管の周囲を囲むヒータとを備えたガラス母材の製造装置であって、
    前記上蓋の上面に前記支持棒及び支持棒挿通口を覆う形で設けられた筒状の圧力調整室と、前記圧力調整室の上面に前記支持棒を覆う形で設けられた筒状の排気室と、前記圧力調整室に圧力調整ガスを導入する圧力調整ガス導入手段と、前記排気室の上面に前記支持棒を覆う形で筒状のシール室とを有することを特徴とするガラス母材の製造装置。
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