JP2008184372A - ガラス母材の製造装置及び製造方法 - Google Patents

ガラス母材の製造装置及び製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】腐食性ガスなどが上蓋側から漏れることを防ぎながら、炉心管内の圧力を安定化させることができるガラス母材の製造装置及び製造方法を提供する。
【解決手段】ガラス母材の製造装置1は、縦型の炉心管2を用いてガラス微粒子堆積体10を加熱するものであり、炉心管2内部の外気に対する気密を、液体Lを用いて行う液体シール機構を上蓋4に有する。この液体シール機構は、上蓋4の本体4Aとは別に設け、ガラス微粒子堆積体の支持棒10Aと一体で回転するキャップ部4Bと、キャップ部4Bと上蓋4の本体4Aとの間で形成する圧力緩衝室43と、圧力緩衝室43に連通する状態で上蓋4の本体4Aに並設し、キャップ部4Bの下縁部48を浸漬させる液体Lを貯留した略円環状の液体収容槽45とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、被加熱物を縦型の炉心管内で加熱するガラス母材の製造装置及び製造方法に関する。
光ファイバの製造などに使用されるガラス母材は、VAD法やOVD法などによりガラス微粒子堆積体(多孔質ガラス母材)を生成し、その後、このガラス微粒子堆積体を加熱処理して脱水及び透明ガラス化を行い製造されている。更に必要に応じて、透明ガラス化後にアニール等の加熱処理を行う場合もある。これら加熱処理の工程では、脱水、透明ガラス化などの処理内容に応じて雰囲気ガスを選択して使用している。例えば、第1加熱処理では、Heと脱水ガス(塩素系ガスなど)を用いてガラス微粒子堆積体を脱水し、続く第2加熱処理では、Heのみの雰囲気で、脱水後のガラス微粒子堆積体を透明ガラス化している。
ガラス母材の製造装置を用いた加熱処理の具体的な方法としては、
(1)支持棒で支持されたガラス微粒子堆積体を炉心管内につり下げ、ガラス微粒子堆積体を塩素系ガス雰囲気下で脱水し、さらに不活性ガス雰囲気下もしくは不活性ガスと塩素系ガスの混合雰囲気下で透明ガラス化するか、あるいは、
(2)塩素系ガスで同じように脱水後、プロファイル(屈折率)調整のためSiFなどのガスを用いてF添加を行い、その後、不活性ガス雰囲気下、もしくは不活性ガスとハロゲン系ガスの混合雰囲気下で透明ガラス化する、
などが知られている。
ところで、このような方法の場合、ガラス母材の製造装置から腐食性ガス(塩素系ガス、フッ素系ガスなどのハロゲン系ガス)が漏れ、製造装置が設置された室内の各装置の金属部品を腐食させ、室内雰囲気中の金属系ダスト量が増加する場合がある。通常、この種の製造装置はガラス微粒子堆積体を製造するガラス微粒子堆積装置などと同じ室内に設置されている場合が多いが、室内の金属系ダスト量が増加すると、ガラス微粒子(スート)の堆積中に室内雰囲気中の金属系ダストがガラス微粒子堆積装置内に混入し、最終的に得られるガラス母材中にの金属不純物が混入することとなる。
通常、ガラス母材の製造装置から室内へ流出する腐食性ガスの大部分は、炉心管の上蓋の、支持棒が挿入されている部分から流出する。そこで、腐食性ガスの流出を防止する手段として、支持棒を覆う形で炉心管の上蓋を多段構造の円筒管で構成したものなどが知られている(例えば、特許文献1参照)。
これについて、以下に図面を参照しながら説明する。
図3は、ガラス微粒子堆積体焼結用の炉心管の上蓋構造の一例を示すものであり、この上蓋は、炉心管100の上端に取り付けた略円筒形を有するシール構造であって、3つの小室110,120,130を設けており、天面をなすつば140と最下面をなすつば150には支持棒160が貫通するための孔を有している。
各小室110,120,130には、支持棒160に遊嵌する気密リング111,121,131が移動自在に挿入される。この気密リング111,121,131は、小室110,120,130内に各々移動可能に挿入されている。このため、支持棒160は、自由に上下動し、回転でき、支持棒160が振動や炉心管中心軸とのズレにより水平方向に動いたとしても、その動きに伴って気密リング111,121,131も移動できる。
また、排気ガスポート112を有する小室110に挿入される気密リング111のみが、その下面に中心部から周方向に向かう溝状のガス通路111Aを設けている。更に、シールガス導入ポート122を有する小室120の上段に設ける小室130は、シールガスを導入または排出するポート(ガスポート)を持たず、小室130内に挿入された気密リング131にも周方向の溝状のガス通路を設けない。これにより、気密性を向上して外気の巻き込みを遮断する。また、排気ガスポート112を有する小室110とシールガス導入ポート122を有する小室120の間のコンダクタンスを小さくすることにより、各室の間の圧力差を確保すると同時に、小室110の排気ガスポート112からのワークガスの排出は気密リング111下面の周方向の溝111Aにより十分に行なうことができる。
このように、上記の上蓋では、排気ガスポート112を有する小室110と、シールガス導入ポート122を有する小室120とを有するので、小室120にてシールガス導入ポート122からシールガスを導入し、小室110にて、シールガス導入ポート122からのシールガスとともに炉心管100内からの腐食性ガスなどを排気ガスポート112から図示外のスクラバヘ排出できる。また、小室130は、シールガスを導入または排出するポート(ガスポート)を持たないので、小室110,120への外気の巻き込みを遮断して、気密性を高めることができる。
特開2002−226218号公報
近年、ガラス母材の大型化及びこれに伴う設備の大型化などにより、ガス給排気量が増加している。その結果、上蓋のガス給排気口近傍でのガス流速の増加が炉心管周方向などでの局所的な圧力変動をもたらし、炉の内圧変動につながっている。
特に、炉心管の内径拡大、それによる容積増大により、炉内における炉内ガスの局所対流が生じやすくなっている。この炉内ガスの局所対流が発生すると、炉内ガス平均温度が変化し、炉内ガスの体積変化から内圧変化につながりやすい。内圧変動が増加すると、例えばガラス母材の製造装置から腐食性ガスが室内に漏出したり、外気の巻き込みに起因する残存水分量の増加等のガラス母材の特性悪化が顕在化するなど、各種の不都合をもたらすことがある。
そこで本発明は、塩素系ガスやフッ素系ガスなどの腐食性ガスなどが上蓋側から漏れることを防ぎながら、炉心管内の圧力を安定化させることができるガラス母材の製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決することのできる本発明に係るガラス母材の製造装置は、支持棒に接続された被加熱物を縦型の炉心管内で加熱するガラス母材の製造装置であって、前記炉心管の上部に取り付けられる上蓋は、前記炉心管の外気に対する前記炉心管の内側の雰囲気の気密を行う液体シール機構を有することを特徴とする。
また、本発明のガラス母材の製造装置において、前記液体シール機構は、前記支持棒に密接して装着されるキャップ部と、前記炉心管の上部に配置される上蓋本体に併設される略円環状の液体収容槽と、前記キャップ部の下縁部を浸漬し、前記炉心管の内外雰囲気に連通する状態で前記液体収容槽に貯留された液体と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明のガラス母材の製造装置において、前記液体が、パーフルオロポリエーテルまたはパーフルオロポリエーテルを含む液体であることが好ましい。
また、上記課題を解決することのできる本発明に係るガラス母材の製造方法は、支持棒に接続された被加熱物を縦型の炉心管内に配置して、前記支持棒を挿通させた上蓋を前記炉心管の上部に取り付けた状態で前記被加熱物を加熱してガラス母材を製造する方法であって、前記上蓋において、前記炉心管の内外雰囲気が連通する箇所を前記上蓋に貯留させた前記液体によって気密にすることを特徴とする。
本発明によれば、液体を用いて上蓋において炉心管の内外雰囲気が連通する箇所を気密にしているので、塩素系ガスやフッ素系ガスなどの腐食性ガスなどが上蓋から外部へ漏れることを防ぎながら、炉心管内の圧力を安定化できるガラス母材の製造装置及び製造方法を提供できる。
以下、本発明の実施形態について、ガラス微粒子堆積体を加熱処理する場合を例にして添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るガラス母材の製造装置1を示すものであり、このガラス母材の製造装置1は、ガラス微粒子堆積体10を加熱処理する加熱炉であり、縦型に配置された円筒形状の炉心管2と、炉心管2の外周側に配置された加熱源である円筒形状のヒータ3とを備えている。
炉心管2は、石英により形成されており、ヒータ3の発熱により昇温させられる。これにより、炉心管2の内側の炉内空間Sに収容したガラス微粒子堆積体10を加熱することができる。
ガラス微粒子堆積体10は、支持棒10Aに吊り下げられる形で支持棒10Aと一体化されており、支持棒10Aは把持装置8に把持される。また、把持装置8は、図示外の駆動手段により、支持棒10Aとともにガラス微粒子堆積体10を上下、或いはその軸回りに回転させることも可能となっている。
また、炉心管2の上端には、ガラス微粒子堆積体10の導入時や取り出し時にその開口部を開閉するため、本発明に係る上蓋4が着脱可能に取り付けてある。一方、炉心管2の下端には、適宜着脱可能な下蓋5が取り付けてある。
ヒータ3は、カーボンにより形成されており、また、ヒータ3の周囲には断熱材31が配設されている。さらに、炉心管2と断熱材4は、炉の外殻をなす炉体21に覆われている。
また、本実施形態に係るガラス母材の製造装置1には、ガラス微粒子堆積体10を加熱処理する際に使用するガスを供給するとともにその供給量を制御するガス供給制御装置6を備えている。ガス供給制御装置6は、炉心管2の下端近傍に設けられた雰囲気ガス導入部2Aから、炉心管2内に雰囲気ガスを供給する。雰囲気ガスとしては例えば、脱水処理時にはHe等の不活性ガスと脱水ガス(塩素系ガスなど)が用いられ、透明ガラス化時には不活性ガスのみが用いられる。また、ガラス母材の屈折率調整のためにSiFなどの屈折率調整ガスを使用したり、格子欠陥の制御やガラス母材の特性改善のためにHやO、COなどのガスを雰囲気ガスとして使用する場合もある。
また、炉心管2の上端近傍には、炉心管内圧モニタ6Aが設けられており、炉内空間Sの圧力Pを適時モニタすることができる。この炉心管内圧モニタ6Aにて測定されたデータは、ガス供給制御装置6に送られて、雰囲気ガス導入部2Aへの雰囲気ガスの供給量を調節するのに利用される。例えば、炉内空間Sの圧力を大気圧以上に維持することで、炉内空間Sへの外気の侵入を防ぐことができ、製造するガラス母材の品質を良好に維持できる。
炉内空間Sの雰囲気ガスは、上蓋4の上面に設けられた空間を通してスクラバ7へ排気される。この上蓋4には、炉内空間Sに面した蓋部40の上面に、蓋部40の略中央に形成された支持棒挿通口40Aと、この支持棒挿通口40Aを挿通させた支持棒10Aを覆う形で、短円筒状の排気室41が設けられる。
さらに、排気室41には、この排気室41内のガスを排気する排気管42が設けられ、排気室41から排気されるガスがこの排気管42を通してスクラバ7へ排気される。スクラバ7では、排気されてきたガスを清浄化処理する。
本実施形態のガラス母材の製造装置1では、前述したように、後に詳しく説明する上蓋4の、炉内空間Sの上端開口部を塞ぐ蓋部40の直上に設けた排気室41に、排気管42が形成されているため、炉内空間Sから排気室41へ流れ出た雰囲気ガスは排気管42から排気される。このため、装置外へ塩素系ガスやフッ素系ガスなどの腐食性ガスが漏れるのを防ぐことができる。
さらに、本発明では、この上蓋4の排気室41の上部に、後述する液体シール機構を付設しており、炉内空間Sでの圧力変動を抑制できるとともに、排気圧の急激な変動などが発生した場合でも、雰囲気ガスが上蓋4から装置外へ漏れ出ることを効果的に防ぐことができる。
次に、このガラス母材の製造装置1に装着された上蓋4及びその液体シール機構について、図2を参照しながら詳細に説明する。
本実施形態の上蓋4は、下部が平坦な蓋部40を有するとともに上部が大きく開口した略二重円筒形状の本体4Aと、この本体4Aとは別体であり本体4Aに入り込むようにして近接配置しながら支持棒10Aに密接して装着されるキャップ部4Bとを有する。
このうち、本体4Aには、図2に示すように、前述した蓋部40、排気室41、および排気管42のほかに、排気室41の上部に後述するキャップ部4Bとの間で圧力緩衝室43を形成する内側円筒部44と、圧力緩衝室43に連通する状態で並設した略円環状の液体収容槽45を形成する外側円筒部46とを設ける。また、圧力緩衝室43と、液体収容槽45と、後述の液体Lと、キャップ部4Bは、本発明の液体シール機構を構成している。
圧力緩衝室43は、排気室41との間が連通されており、炉心管2内部の雰囲気ガスの一部が支持棒挿通口40Aを通り排気室41から流入する。また、この圧力緩衝室43は、外部との間のガスなどの出入が、後述する液体収容槽45内に貯留した液体Lにより遮断されている。したがって、この圧力緩衝室43の室内圧Pが外気圧Pとの間に圧力差を生じる場合でも、圧力緩衝室43の内部圧力をそのまま保持できる。これにより、炉心管2内部のその後の圧力変化を抑えて圧力の安定化を図ることができる。
液体収容槽45は、前述したように、内側円筒部44と、これから突出する外側円筒部46とで構成されており、ここに液体Lが貯留されている。したがって、炉心管2側から流入する雰囲気ガスによって圧力緩衝室43の圧力と外部の外気圧との間に圧力差を生じた場合、その圧力増大分だけ圧力緩衝室43側の液体Lの液面が押下され、液面差を生じさせて圧力緩衝室43の容積が増加する。すなわち、発生する差圧(=P−P)を液体の液面差(=H−H)に転換させることで、その後、圧力緩衝室43内部の気圧をそのまま保持できる。これにより、圧力緩衝室43の圧力の安定化を図ることができ、その結果として炉心管2の内圧も安定させることができる。また、液体Lがあることで、炉心管2内部の雰囲気ガスが外部へ漏出するのを防止できるとともに、外部から気体が流入するのも防止できる。
なお、液体収容槽45については、下記のような深さに形成すると良い。
ガラス微粒子堆積体10を加熱処理し、脱水及び透明ガラス化を行う際に、通常、外気圧と炉内の圧力との間に、最大ΔPmax程度の差圧を発生するものとする。
ここで、例えば、外気圧(P)に対して炉内の圧力(P)のほうが高い場合には、図2のように液面の高さに差を生じたところでつり合って静止する。したがって、炉内の液面がH、大気圧側の液面がH、炉内側で内圧P1を受ける液面の面積をS1、炉外側で外気圧P0を受ける液面の面積をS2とすると、次式が成立する。
(P+ρ・g・H)×S1=(P+ρ・g・H)×S2
但し、ρ;液体Lの比重、g;重力加速度
ここで例えば、S1とS2が等しくなるような設備構成とする場合には、H1とH2の液面差(ΔH)について以下の式が成立する。
ΔH=H−H=(P−P)/(ρ・g) …(1)
したがってこのような場合には、(1)式から、液体収容槽45は、少なくとも、通常発生する最大の圧力差(ΔPmax)に対応する液面差(ΔHmax)の深さ、つまり次式
ΔHmax=ΔPmax/(ρ・g) …(2)
を上回る高さに側壁(外側円筒部46)を形成しておく。S1とS2が異なる場合には、その面積差を加味した上で側壁の高さを決定する。
キャップ部4Bは、下部が開口した略円筒形状を有するものであって、中央部には支持棒10Aを挿通させるための孔47を形成している。また、キャップ部4Bは、このキャップ部4Bの下縁部48を液体収容槽44の液体Lに浸漬させることにより、内側円筒部44との間で気密状態の圧力緩衝室43を形成する。なお、このキャップ部4Bの下縁部48の内周面と内側円筒部44の外周面との間の間隔Dは、液体Lに圧力が作用しないようにするため、なるべく小さくするのが好ましい。
一方、孔47に挿通させる支持棒10Aには、キャップ部4Bとの間を気密状態にシールさせるために、例えばフッ素系樹脂或いは合成ゴムなどのシール部材10Bを装着させており、その上にキャップ部4Bを載置する。これにより、キャップ部4Bは支持棒10Aと気密状態を保持しながら一体で回転する。
液体Lは、炉心管2内部の雰囲気ガス、つまり腐食性ガス(例えば塩素系ガス、フッ素系ガスなどのハロゲン系ガス)に対して耐食性があり、また、これらのガスと化学反応する虞がなく、炉内汚損防止も配慮して蒸気圧の低いものが好ましい。しかも、この液体Lが収容される上蓋4は、炉体中央部の熱が伝わり200〜300℃程度にまで加熱されることを考慮し、沸点がそれよりも高い液体が好ましい。さらに、管内の圧力変動の影響を受け難くして液面の安定化も図るため、所定の粘性を有するものが好ましい。そこで、この液体Lには、フッ素オイル、具体的にはパーフルオロポリエーテル(PFPE)、もしくはこのパーフルオロポリエーテルを含む液体を用いる。
したがって、本実施形態のガラス母材の製造装置1によって、ガラス微粒子堆積体を加熱処理し、脱水及び透明ガラス化を行う際に、外気圧と炉内の圧力との間に差圧(ΔP)が生じても、キャップ部4Bの下縁部48は液体収容槽45に湛えてあるシール用の液体Lに浸漬しており、圧力緩衝室43は高気密性状態に保持できるため、炉内の圧力を常時一定に安定化させることができる。
より詳細に説明すると、液体シール機構を備えた上蓋4によれば、炉内外の差圧に応じて液面が変動する。例えば外気圧(P)に対して炉内の圧力(P)が高いと、図2のように液体収容槽45内の液体Lの液面に差を生じることで、圧力緩衝室43の圧力を一定に保持できる。また、外気圧(P)に対して炉内の圧力(P)が低くなると、図2とは逆に外気圧側の液面が下降し、炉内側の液面が上昇する。つまり、圧力緩衝室43の容積が収縮し、差圧の変動を吸収するので、圧力緩衝室43の圧力を一定に保持できる。
このように、炉内の圧力緩衝室43の容積が変動することで、炉内の圧力を常時一定に安定化させることができる。
しかも、液体シール機構を備えた上蓋4によれば、上蓋4の本体4Aとキャップ部4Bとの間でのガス出入を、液体収容槽45に湛えてあるシール用の液体Lで遮断させているので、炉内の腐食性ガスなどの漏出を防止できるとともに、炉外からの気体の流入も阻止できる。
なお、本発明のガラス母材の製造装置及び製造方法は、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形、改良等が可能である。
例えば、上記実施形態では、炉心管2は石英により形成されているが、高純度カーボンで形成することも可能である。また、ヒータ3として、誘導加熱式の加熱手段を採用することも可能である。
本実施例では、ガラス母材の製造を行うために、上記の実施形態に係るガラス母材の製造装置1(上蓋4を含む)を用いている。
加熱炉である炉心管2には内径が350mmのものを用いており、この炉心管2を用いてガラス微粒子堆積体10を加熱処理する。なお、この炉心管2に取り付けるガラス微粒子堆積体10は、VAD、或いはOVD等で作成された一般的なものであって、1000〜1300℃で前処理を行い、1300〜1500℃で透明ガラス化させる。
上蓋4は、本体4A及びキャップ部4Bともに石英で形成されている。キャップ部4Bは、直径50mmの支持棒10Aに固定されており、支持棒10Aとともに40rpmで回転する。キャップ部4の固定位置は、ガラス微粒子堆積体10の大きさで予め決定している。これにより、キャップ部4は、支持棒10Aに固定の際には、支持棒10Aとの間で気密性を良好に保つことができる。
キャップ部4の下縁部48は、液体収容槽45に貯留して湛えてあるシール用の液体Lに接触させる。つまり、キャップ部4の下縁部48は、炉内圧と装置1を設置する室内圧(外気圧)との差圧及び変動幅を考慮して、シール剤である液体Lへ挿入する。この液体Lには、炉内で腐食性ガスを用いる場合が多いため、耐熱性のみではなく耐腐食性が要求される。さらに、この液体Lには、上記実施形態で説明したように、ガラス微粒子堆積体10の汚染防止の観点から、蒸気圧の低いものが好ましく、300度程度の耐熱性も必要であるため、パーフルオロポリエーテルを使用した。
ガラス微粒子堆積体10を加熱処理する際の炉内圧と製造装置1を設置する室内圧との差圧は、通常、−500〜+500Pa程度の範囲内である。例えば、シール剤の比重が1であって、差圧が−300Paの場合には、キャップ部4の下縁部48は少なくとも30mm以上液体Lに浸漬させる。
このような構成のガラス母材の製造装置を用いて、ガラス微粒子堆積体10を加熱処理したところ、炉内圧力として、大気圧に対して+500Pa(陽圧)を保持することができた。また、炉内部の雰囲気ガス、つまり腐食性ガスの炉外への漏れを塩素検出器で検出したところ、検知されなかったことから、特に漏れはなかったことが確認された。
なお、上記実施形態では、ガラス母材の製造装置1を使用してガラス微粒子堆積体10を加熱処理し、透明なガラス母材を製造する場合について説明してきたが、エッチング処理などの場合にも適用可能である。
本発明に係るガラス母材の製造装置を示す概略構成図である。 図1に示す上蓋の部分断面図である。 従来のガラス母材の製造装置における上蓋の例を示す断面図である。
符号の説明
1 ガラス母材の製造装置
2 炉心管
3 ヒータ
S 炉内空間
4 上蓋
40 蓋部
40A 支持棒挿通口
41 排気室
42 排気管
4A 本体
4B キャップ部
43 圧力緩衝室
44 内側円筒部
45 液体収容槽
46 外側円筒部
48 下縁部
7 スクラバ
10 ガラス微粒子堆積体
10A 支持棒
L 液体
S 炉内空間

Claims (4)

  1. 支持棒に接続された被加熱物を縦型の炉心管内で加熱するガラス母材の製造装置であって、
    前記炉心管の上部に取り付けられる上蓋は、前記炉心管の外気に対する前記炉心管の内側の雰囲気の気密を行う液体シール機構を有することを特徴とするガラス母材の製造装置。
  2. 請求項1に記載のガラス母材の製造装置であって、
    前記液体シール機構は、
    前記支持棒に密接して装着されるキャップ部と、
    前記炉心管の上部に配置される上蓋本体に併設される略円環状の液体収容槽と、
    前記キャップ部の下縁部を浸漬し、前記炉心管の内外雰囲気に連通する状態で前記液体収容槽に貯留された液体と、
    を備えることを特徴とするガラス母材の製造装置。
  3. 請求項1または2に記載のガラス母材の製造装置であって、
    前記液体は、パーフルオロポリエーテルまたはパーフルオロポリエーテルを含む液体であることを特徴とするガラス母材の製造装置。
  4. 支持棒に接続された被加熱物を縦型の炉心管内に配置して、前記支持棒を挿通させた上蓋を前記炉心管の上部に取り付けた状態で前記被加熱物を加熱してガラス母材を製造する方法であって、
    前記上蓋において、前記炉心管の内外雰囲気が連通する箇所を前記上蓋に貯留させた液体によって気密にすることを特徴とするガラス母材の製造方法。
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