JP2011224888A - 射出成形装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】射出成形時に作動不良が発生することを防止できる射出成形装置を提供する。
【解決手段】固定型20および可動型30を型閉めして固定型20および可動型30に樹脂60を注入し、樹脂60を固化させて固定型20および可動型30を型開きした後で、第一エジェクタピン41と第二エジェクタピン42と第三エジェクタピン43との各先端面41a・42a・43aを、固定型20および可動型30の成形面31aに形成される各ピン孔32・33・34より突出させて樹脂60を押し出す射出成形装置10であって、第二エジェクタピン42および第三エジェクタピン43の各先端面42a・43aを、樹脂60を押し出す方向の反対方向に所定の距離だけ成形面31aから低下させて、成形面31aにおける第二エジェクタピン42および第三エジェクタピン43の各先端面42a・43aに対応する部分に凹部52および凹部53を形成した。
【選択図】図4

Description

本発明は、金型を型閉めして当該金型に溶融状態の樹脂材料等を注入し、当該樹脂材料等を固化させて金型を型開きした後で、エジェクタピンによって成形された樹脂を押し出す射出成形装置の技術に関する。
従来から、樹脂でワークをモールドする際には、射出成形装置を用いた射出成形が行われる。このような射出成形は、例えば、図11に示すように、ワーク170としてのインサートコイルの放熱性を向上させるために、熱硬化性樹脂でインサートコイルをモールドする場合等において用いられる(図11に示す符号171参照)。
このような射出成形を行う射出成形装置110は、図12(a)に示すように、固定型120、可動型130、エジェクタプレート135、およびエジェクタピン140等を具備する。
可動型130は、固定型120に対して近接離間可能に構成される。エジェクタプレート135は、可動型130の内側に配置され、エジェクタロッド136の駆動により固定型120に近接する方向へ移動可能である。
エジェクタプレート135は、エジェクタピン140に取り付けられるバネ144によって、固定型120から離間する方向に付勢される。図12(b)に示すように、エジェクタピン140は、一端部が可動型130に形成されるピン孔132に挿通され、他端部がエジェクタプレート135に支持される。エジェクタピン140は、その一端面が可動型130の端面に沿うように(すなわち面一となるように)配置される。
このように構成される射出成形装置110は、ワーク170を支持した状態の可動型130を固定型120に近接させて型閉めし、固定型120より溶融状態の樹脂160を注入して固化させる。そして、図13(a)に示すように、可動型130を固定型120から離間させて型開きする。型開きした後で、図13(b)に示すように、エジェクタロッド136を駆動させてエジェクタピン140をピン孔132より突出させることにより樹脂160のゲート部およびランナー部等に対応する部分を押し出した後で、図14(a)に示すように、樹脂160のキャビティ部に対応する部分を押し出す。そして、エジェクタロッド136の駆動を停止することで、バネ144によってエジェクタピン140を樹脂160を押し出す前の位置に戻す。これにより、射出成形装置110は、射出成形を行う。
このような射出成形装置110では、樹脂160を注入するときに、エジェクタピン140とピン孔132との間に形成されるクリアランス145(図12(b)参照)に樹脂160が侵入することで、エジェクタピン140が樹脂160を押し出す前の位置まで戻りきらない場合がある。つまり、図14(b)に示すような、エジェクタピン140がピン孔132より突出したままの状態となる場合がある。また、エジェクタピン140をピン孔132より突出させるために要する力が増大し、ひいては、成形品171を押し出せなくなる可能性があった。
このように射出成形装置110では、クリアランス145に樹脂160が侵入することで、作動不良が発生する問題があった。このような場合には、射出成形装置110をメンテナンスして、クリアランス145に侵入した樹脂160を取り除く必要があった。
上記のような問題を解消する射出成形装置として、特許文献1のような射出成形装置が開示されている。
特許文献1に開示された射出成形装置は、前述したような射出成形を所定の回数だけ行った後で、エジェクタピンを成形定常位置よりも後退させた位置(成形品より離間する位置)に配置した状態で、射出成形を行うことでメンテナンス用成形を行う。これにより、クリアランスに侵入する樹脂を除去する。
しかし、特許文献1に開示された射出成形装置では、メンテナンス成形を行う分だけ樹脂を多く使うこととなり、射出成形の製造コストが増大してしまう。
このような製造コストの観点から、メンテナンス成形を行う頻度を下げる、つまり通常の射出成形を行う回数を多く行った後でメンテナンス成形を行うことが考えられるが、この場合、クリアランスに樹脂が侵入する可能性が増大する。つまり、前述したような射出成形装置の作動不良が発生する可能性が増大してしまう。
特開平7−266367号公報
本発明は、以上の如き状況を鑑みてなされたものであり、射出成形時に作動不良が発生することを防止できる射出成形装置を提供するものである。
請求項1においては、金型を型閉めして該金型に材料を注入し、該材料を固化させて前記金型を型開きした後で、少なくとも一つ以上のエジェクタピンの先端面を、前記金型の成形面に形成されるピン孔より突出させて前記材料を押し出す射出成形装置であって、前記金型に前記材料を注入するときに、前記エジェクタピンの先端面を、前記材料を押し出す方向の反対方向に所定の距離だけ前記成形面から低下させて、前記成形面における前記エジェクタピンの先端面に対応する部分に凹部を形成するものである。
請求項2においては、前記エジェクタピンの先端面を前記成形面から低下させる距離をY(mm)とし、前記材料を前記金型に注入して成形品を成形する回数をN(回)としたとき、前記エジェクタピンの先端面は、次式を満たす条件にて、前記成形面より低下させるものである。
Y=7.98×10−5N−0.039
請求項3においては、前記成形面から低下させる前記エジェクタピンに対応するピン孔の内周面には、前記材料の流動方向上流側であるとともに前記エジェクタピンの先端面よりも前記成形面側に、前記エジェクタピンの径方向内側に向かって突出する突起部が形成され、該突起部の突出寸法は、前記エジェクタピンの突出動作に干渉しない長さに設定されるものである。
請求項4においては、前記エジェクタピンの先端面には、前記材料を押し出す方向に向かって突出する少なくとも一つ以上の突起部が形成されるものである。
請求項5においては、前記成形面から低下させる前記エジェクタピンの直径をW(mm)とし、該エジェクタピンの前記材料の流動方向上流側端部から、前記エジェクタピンに対応するピン孔の前記材料の流動方向上流側端部までのクリアランスの長さをy(mm)とし、前記エジェクタピンの先端面を前記成形面から低下させる距離をY(mm)とし、前記エジェクタピンの軸方向と前記材料が前記凹部に流入する方向とが成す角度をθ(°)としたとき、次式を満たす条件となるように、前記材料の流動を制御するものである。
cot(y/Y)≦θ≦cot{(W+y)/Y}
本発明は、樹脂を金型に注入するときに、クリアランスに樹脂が侵入することを防止できるため、射出成形時に作動不良が発生することを防止できるという効果を奏する。
射出成形装置の全体的な構成を示す正面断面図。 エジェクタピンを示す説明図。(a)第一エジェクタピンを示す図。(b)第二エジェクタピンを示す図。(c)第三エジェクタピンを示す図。 射出成形の動作を示す正面断面図。(a)樹脂を充填する状態を示す図。(b)型開きした状態を示す図。 死水域を示す説明図。 射出成形の動作を示す正面断面図。(a)ゲート部およびランナー部を押しちぎる状態を示す図。(b)樹脂を押し出す状態を示す図。(c)エジェクタピンを戻す状態を示す図。 エジェクタピンを成形面から低下させる距離と成形回数との相関を示すグラフ図。 第三ピン孔に形成する突起部を示す図。(a)部分左側面図。(b)説明図。 第三ピン孔に形成する突起部の別実施形態を示す説明図。(a)逆三角形状の突起部を示す図。(b)四角形状の突起部を示す図。(c)三角形状の突起部を示す図。 エジェクタピンに形成する突起部を示す説明図。(a)突起部を示す図。(b)エジェクタピンが下流側に移動する状態を示す図。 樹脂の流入角度を示す説明図。 樹脂でインサートコイルをモールドする状態を示す斜視図。 従来の射出成形装置の全体的な構成を示す図。(a)正面断面図。(b)エジェクタピンを示す説明図。 従来の射出成形の動作を示す正面断面図。(a)型開きした状態を示す図。(b)ゲート部およびランナー部を押しちぎる状態を示す図。 射出成形の動作を示す正面断面図。(a)樹脂を押し出す状態を示す図。(b)エジェクタピンがピン孔より突出したままの状態を示す図。
以下に、本発明に係る射出成形装置の実施の一形態である射出成形装置10について、図面を参照して説明する。
射出成形装置10は、樹脂等の材料を所定の形状に成形するものである。本実施形態の射出成形装置10は、ワーク70としてのインサートコイルを熱硬化性樹脂である不飽和ポリエステル樹脂(樹脂60)でモールドするものとする。
なお、以下では、説明の便宜上、図1における紙面の左右方向を基準として「右方向」および「左方向」を規定する。また、図1における紙面の上下方向を基準として「上方向」および「下方向」を規定する。
図1に示すように、射出成形装置10は、金型としての固定型20および可動型30を具備する。
固定型20は、左端部より外部に開口し、右方向に向かって徐々に拡径する開口部を有する。固定型20は、左端部で図示せぬ射出部に連結され、当該射出部より射出される樹脂60が前記開口部を通るように構成される。
可動型30は、固定型20に対して近接離間可能に構成され、左端部(固定型20に近接する側の端部)でワーク70を支持する。可動型30は、エジェクタプレート35、エジェクタロッド36、およびエジェクタピン40(第一エジェクタピン41・41、第二エジェクタピン42、および第三エジェクタピン43・43)を備える。
エジェクタプレート35は、可動型本体31の内側に収容され、可動型本体31内を摺動可能に構成される。エジェクタプレート35には、第一収容部35a・35a、第二収容部35b、および第三収容部35c・35cが形成される。
第一収容部35a・35aは、後述する第一エジェクタピン41・41が左右方向に沿って所定の間隔だけ摺動可能となるような形状を有する空間であり、第一エジェクタピン41・41の右端部を収容する。
第二収容部35bは、後述する第二エジェクタピン42の右端部の形状に沿って形成され、第二エジェクタピン42の右端部を収容する空間である。
第三収容部35c・35cは、後述する第三エジェクタピン43・43の右端部の形状に沿って形成され、第三エジェクタピン43・43の右端部を収容する空間である。
エジェクタロッド36は、左端部がエジェクタプレート35に取り付けられ、右端面が可動型本体31より外部に突出する。エジェクタロッド36は、左右方向に移動可能に構成され、当該移動に伴って、エジェクタプレート35が左右方向に移動する。
エジェクタピン40は、本実施形態では第一エジェクタピン41・41、第二エジェクタピン42、および第三エジェクタピン43・43であり、エジェクタプレート35に取り付けられる。
本実施形態では、エジェクタピン40は、第一エジェクタピン41・41、第二エジェクタピン42、および第三エジェクタピン43・43とするが、これに限定されるものでない。すなわち、エジェクタピン40は、成形品71の形状に応じて適宜変更可能であり、例えば、第一エジェクタピン41一つだけであっても構わない。
第一エジェクタピン41・41は、可動型30の上端部および下端部に配置される。図1および図2(a)に示すように、第一エジェクタピン41・41は、右端部が第一収容部35a・35aに収容されるとともに、左端部が可動型30に形成されるピン孔としての第一ピン孔32・32に挿通される。第一エジェクタピン41・41の左端面は、先端面41aとして形成される。先端面41aは図2(a)において扁平状に形成される。
第一エジェクタピン41・41は、その先端面41aが、成形面31aに沿うように配置される。つまり、第一エジェクタピン41・41の先端面41aと第一ピン孔32・32が形成される面である成形面31aとは、同一直線上に配置されており、面一となっている。
なお、複数の第一エジェクタピン41のうち、可動型30の下端部に配置される第一エジェクタピン41は、配置位置が異なる点を除いて、可動型30の上端部に配置される第一エジェクタピン41と同様に構成される。このため、以下においては可動型30の上端部に配置される第一エジェクタピン41についてのみ説明を行い、可動型30の下端部に配置される第一エジェクタピン41の説明は省略する。
このような第一エジェクタピン41と第一ピン孔32との間には、クリアランスとしての第一クリアランス45が形成される。第一クリアランス45に樹脂60が侵入できないように、第一ピン孔32の内径および第一エジェクタピン41の外径が設定される。
本実施形態では、第一ピン孔32の内周面から第一エジェクタピン41の外周面までの、第一エジェクタピン41の径方向に沿った第一クリアランス45の長さは5〜10μmとなるように設定される。つまり、第一ピン孔32の内径と第一エジェクタピン41の外径との差は、10〜20μmとなるように設定される。
図1および図2(b)に示すように、第二エジェクタピン42は、右端部が第二収容部35bに収容されるとともに、左端部が可動型30に形成されるピン孔としての第二ピン孔33に挿通される。第二エジェクタピン42の左端面は、先端面42aとして形成される。先端面42aは図2(b)において扁平状に形成される。第二エジェクタピン42の中途部には、エジェクタプレート35を右方向に付勢するバネ44が取り付けられる。
第二エジェクタピン42は、その先端面42aが成形面31aよりも所定の距離だけ右方に配置される(図2(b)に二点鎖線で示す、成形面31aと面一に配置されるエジェクタピン140参照)。つまり、第二エジェクタピン42の先端面42aは成形面31aよりも所定の距離だけ凹んだ位置に配置されており、成形面31aの第二エジェクタピン42に対応する部分には、凹部52が形成される。
このような第二エジェクタピン42と第二ピン孔33との間には、クリアランスとしての第二クリアランス46が形成される。第二クリアランス46に樹脂60が侵入できないように、第二ピン孔33の内径および第二エジェクタピン42の外径が設定される。
本実施形態では、第二ピン孔33の内周面から第二エジェクタピン42の外周面までの、第二エジェクタピン42の径方向に沿った第二クリアランス46の長さは、第一クリアランス45と同様に設定される。
図1および図2(c)に示すように、第三エジェクタピン43・43は、可動型30の上下中央部において、上下方向に並んで配置される。第三エジェクタピン43・43は、右端部が第三収容部35c・35cに収容されるとともに、左端部が可動型30に形成されるピン孔としての第三ピン孔34・34に挿通される。第三エジェクタピン43・43の左端面は、先端面43aとして形成される。先端面43aは図2(c)において扁平状に形成される。
第三エジェクタピン43・43は、その先端面43aが成形面31aよりも所定の距離だけ右方に配置される(図2(c)に二点鎖線で示す、成形面31aと面一に配置されるエジェクタピン140参照)。つまり、第三エジェクタピン43・43の先端面43a・43aは成形面31aよりも所定の距離だけ凹んだ位置に配置されており、成形面31aの第三エジェクタピン43・43に対応する部分には、それぞれ凹部53が形成される。
なお、複数の第三エジェクタピン43のうち、下方に配置される第三エジェクタピン43は、配置位置が異なる点を除いて、上方に配置される第三エジェクタピン43と同様に構成される。このため、以下においては上方に配置される第三エジェクタピン43についてのみ説明を行い、下方に配置される第三エジェクタピン43の説明は省略する。
第三エジェクタピン43と第三ピン孔34との間には、クリアランスとしての第三クリアランス47が形成される。第三クリアランス47に樹脂60が侵入できないように、第三ピン孔34の内径および第三エジェクタピン43の外径が設定される。
本実施形態では、第三ピン孔34の内周面から第三エジェクタピン43の外周面までの、第三エジェクタピン43の径方向に沿った第三クリアランス47の長さは、第一クリアランス45と同様に設定される。
また、第二エジェクタピン42および第三エジェクタピン43の各先端面42a・43aは、同一の距離だけ成形面31aより右方に配置される(図2(b)および図2(c)に示す矢印Y参照)。
エジェクタロッド36を駆動させてエジェクタプレート35を左方向に向かって移動させることにより、エジェクタピン40の各先端面41a・42a・43aは、成形面31aに形成される各ピン孔32・33・34より突出する。
図3(a)に示すように、可動型30を固定型20に近接させて型閉めしたとき、当該固定型20と可動型30との間にスプルー部61、ランナー部62、ゲート部63、およびキャビティ部64が形成される。
以下では、樹脂60の流動方向を基準として「射出成形装置10の上流側」および「射出成形装置10の下流側」を規定する。
スプルー部61は、固定型20の開口部に形成され、前記射出部より射出される樹脂60が注入される。当該樹脂60は、ランナー部62に向かって流動する。
ランナー部62は、スプルー部61の下流側端部と連通する。第二エジェクタピン42および第三エジェクタピン43は、ランナー部62の右側に配置される。つまり、凹部52および凹部53は、それぞれランナー部62と連通する。ランナー部62まで流動した樹脂60は、ゲート部63に向かってさらに流動する。
ゲート部63は、樹脂60の流動方向に対して垂直な方向における断面積がランナー部62の断面積よりも小さくなるように形成され、ランナー部62の下流側端部と連通する。ゲート部63まで流動した樹脂60は、キャビティ部64に向かってさらに流動する。
キャビティ部64は、ゲート部63の下流側端部と連通する。第一エジェクタピン41は、キャビティ部64の右側に配置される。
このように、スプルー部61より注入される樹脂60は、スプルー部61→ランナー部62→ゲート部63→キャビティ部64の順に流動する、つまり固定型20および可動型30により形成されるキャビティ部64内に充填される。また、ランナー部62の形状(樹脂60の流動方向に対して垂直な方向における断面積)は、キャビティ部64の形状(樹脂60の流動方向に対して垂直な方向における断面積)よりも小さくなるように形成されている。このため、ランナー部62を流れる樹脂60の流速は、キャビティ部64を流れる樹脂60の流速よりも速くなる。
次に、射出成形装置10の動作態様について説明する。まず、図3(a)に示すように、可動型30を固定型20に接近させて型閉めし、前記射出部より固定型20および可動型30に樹脂60を注入する。樹脂60は、射出部にて所定の温度に加熱され流動性を有した溶融状態で、シリンダ等によって押し出されることで、所定の射出圧で固定型20に向かって射出される。
図4に示すように、ランナー部62を流動する樹脂60は、凹部53に向かって流入する(図4に示す矢印R1参照)。ランナー部62を流動する樹脂60の流速は、ある程度速いため、凹部53に死水域80が形成される。死水域80は、第三クリアランス47の左方に形成され、第三エジェクタピン43の軸心に向かうにつれて左右方向の長さが徐々に短くなるようなテーパ状に形成される。
ここで、「死水域80」とは、一般的には、水面等において流れのない領域等を指し、本実施形態では流動する樹脂60が流入しない領域を指す。
つまり、第三クリアランス47の左方に死水域80が形成されることにより、樹脂60を注入するときには、第三エジェクタピン43の左方だけに樹脂60が流入することとなり、当該樹脂60が第三クリアランス47の左方に流入することを防止できる。このように、第三エジェクタピン43の先端側に形成される凹部53においては、先端面43aに対応する部分にのみ樹脂60が流入し、第三クリアランス47に対応する部分は死水域80となって樹脂60が流入しない。
凹部53と同様に、凹部52においても、死水域80が第二クリアランス46の左方に形成される。従って、当該樹脂60が第二クリアランス46に流入することを防止できる。
ここで、図2(a)に示すように、第一エジェクタピン41は、その先端面41aを成形面31aに沿うように配置している、換言すれば、成形面31aの第一エジェクタピン41に対応する部分に凹部を形成していない。
これは、キャビティ部64を流れる樹脂60の流速が、前述のようにランナー部62よりも遅くなることに起因する。
例えば、成形面31aに凹部を形成しない状態で、エジェクタピン40が挿通されるピン孔上を流れる樹脂60の流速がある程度速い場合には、樹脂60が侵入できないようにクリアランスの長さ(ピン孔の内周面からエジェクタピン40の外周面までの、エジェクタピン40の径方向に沿った長さ)を設定していても、当該流速の影響で樹脂60が侵入してしまう。
一方、成形面31aに凹部を形成しない状態で、エジェクタピン40が挿通されるピン孔上を流れる樹脂60の流速がある程度遅い場合には、樹脂60が侵入できないようにクリアランスの長さ(ピン孔の内周面からエジェクタピン40の外周面までの、エジェクタピン40の径方向に沿った長さ)を設定するだけで、樹脂60の侵入を防止できる。
つまり、注入される樹脂60の流速がある程度遅い部分に配置されるエジェクタピン40である第一エジェクタピン41は、その先端面41aを成形面31aよりも所定の距離だけ右方(後退させた位置)に配置しなくても、樹脂60が第一クリアランス45に侵入しない。このため、第二エジェクタピン42のように凹部52を形成する必要はない。
樹脂60をキャビティ部64まで充填した後で、樹脂60を保圧する。このとき、死水域80の影響で樹脂60が流れなかった第二クリアランス46および第三クリアランス47の左方(凹部52および凹部53における第二クリアランス46および第三クリアランス47に対応する部分)にも遅い流速で樹脂60が流入する。このような遅い流速では、第二クリアランス46および第三クリアランス47に樹脂60は侵入しない。
また、樹脂60が射出される金型は加熱されており、キャビティ部64に充填された樹脂60は金型により加熱され硬化する。
樹脂60を加熱硬化して固化させた後、金型(固定型20および可動型30)を冷却する。そして、図3(b)に示すように、可動型30を固定型20より離間させて型開きする。このとき、ワーク70および固化した樹脂60は、可動型30に支持されて、固定型20より離間する。
図5(a)に示すように、可動型30を固定型20より離間させた後で、エジェクタロッド36を駆動させて、エジェクタプレート35を左方向に移動させる。これにより、第二エジェクタピン42および第三エジェクタピン43は、第二ピン孔33および第三ピン孔34より突出する。そして、固化した樹脂60のスプルー部61とランナー部62とゲート部63とに対応する部分を押し出して、キャビティ部64より押しちぎる。また、凹部52および凹部53に充填された樹脂60も押し出される。
そして、図5(b)に示すように、エジェクタロッド36を駆動させて、エジェクタプレート35をさらに左方向へ移動させる。これにより、第一エジェクタピン41が第一ピン孔32より突出し、成形品71(固化した樹脂60のキャビティ部64に対応する部分およびワーク70)を押し出す。
このように、本実施形態ではエジェクタピン40が樹脂60を押し出す方向は左方向となる。従って、第二エジェクタピン42および第三エジェクタピン43の各先端面42a・43aは、成形面31aから所定の距離だけ樹脂60を押し出す方向の反対方向に所定の距離だけ、成形面31aから低下している(窪んでいる)。
成形品71を押し出した後で、エジェクタロッド36の駆動を停止する。これにより、図5(c)に示すように、第二エジェクタピン42に取り付けられるバネ44がエジェクタプレート35を右方向に付勢する。つまり、エジェクタプレート35は、右方向に移動する。このとき、第二エジェクタピン42に対応する部分には凹部52が形成される。また、第三エジェクタピン43に対応する部分には凹部53が形成される。
このように、射出成形装置10は、金型である固定型20および可動型30に樹脂60を注入するときに、エジェクタピン40である第二エジェクタピン42および第三エジェクタピン43の各先端面42a・43aを、樹脂60を押し出す方向の反対方向である右方向に所定の距離だけ成形面31aから低下させて、成形面31aにおける前記第二エジェクタピン42および第三エジェクタピン43の各先端面42a・43aに対応する部分に凹部52および凹部53を形成する。
これによれば、樹脂60を固定型20および可動型30に注入するときに、第二クリアランス46および第三クリアランス47に樹脂60が侵入することを防止できるため、射出成形時に射出成形装置10の作動不良が発生することを防止できる。
このような作動不良としては、例えば、エジェクタピン40をピン孔より突出させるために要する力が増大し、ひいては、成形品71を押し出せなくなる場合等がある。これは、バネ44によってエジェクタピン40をピン孔に戻すときにエジェクタピン40が戻りきらず、エジェクタピン40がピン孔より突出した状態となることに起因する。
また、従来技術にあるようなメンテナンス成形を行うことなく、連続して成形品71を成形できるため、作業効率を向上できる。
なお、本実施形態のキャビティ部64のように樹脂60の流速がある程度遅い部分に配置されるエジェクタピン40(本実施形態では第一エジェクタピン41)は、その先端面41aを成形面31aに沿って配置することが好ましい。
この場合、成形面31aに凹部を形成しない状態で樹脂60を注入した場合でも、樹脂60がクリアランスに侵入しない。これによれば、成形時に用いる樹脂量を低減できるため、射出成形の製造コストを低減できる。
また、キャビティ部64を押し出すエジェクタピン40(本実施形態では第一エジェクタピン41)に凹部を形成する場合、先端面41aを低下させる距離は、成形品71に設定された公差の範囲内に設定することが好ましい。これにより、成形品71の品質が低下することなく、樹脂60を注入するときに、樹脂60が第一クリアランス45に侵入することを防止できる。
次に、射出成形装置10を用いた、エジェクタピン40を成形面31aから低下させる(窪ませる)距離と樹脂60を射出して成形品71を成形可能な回数との実験結果について説明する。
実験では、クリアランスの長さ(ピン孔の内周面からエジェクタピン40の外周面までの、エジェクタピン40の径方向に沿った長さ)を5〜10μmに設定し、樹脂60として不飽和ポリエステル樹脂を用い、樹脂60の射出圧を10MPaに設定し、樹脂60の射出速度を約100cc/secに設定し、樹脂温度を50℃に設定し、型温度を150℃に設定した。
実験では、成形面31aに凹部を形成しない状態に配置すると樹脂60がクリアランスに侵入するエジェクタピン40(例えば、第二エジェクタピン42)を、成形面31aより所定距離だけ低下させた位置に配置して凹部を形成した状態で繰り返し射出成形を行い、射出成形において不具合(例えば作動不良等)が発生した時点までに成形品71を成形した回数(ショット数)を計測した。
また、成形面31aからエジェクタピン40の先端面までの左右方向の長さ(図2(b)に示す符号Y参照)、つまり、エジェクタピン40の先端面を成形面31aから低下させる距離(エジェクタピン40の低下距離)Yを所定の長さに設定した。
図6に実験結果を示す。なお、グラフのショット数N1〜N8は、N1から順に回数が多くなる。つまり、N1<N2<N3<N4<N5<N6<N7<N8となる。また、エジェクタピン40の低下距離Y1〜Y5は、Y1から順に距離が長くなる。つまり、Y1<Y2<Y3<Y4<Y5となる。
実験結果では、エジェクタピン40の低下距離Yが短い場合、少ないショット数で不具合が発生した。例えば、エジェクタピン40の低下距離がY1(mm)である場合、ショット数が約N1(回)で不具合が発生した。
一方、エジェクタピン40の低下距離Yが長い場合、多いショット数で不具合が発生した。例えば、エジェクタピン40の低下距離YがY4である場合、ショット数が約N5(回)で不具合が発生した。
以上の実験結果より、エジェクタピン40の低下距離Yとショット数との間には、相関関係があることがわかる。また、実験結果を示すグラフGより、次式が導かれた。
Y=7.98×10−5N−0.039
ここで、Yはエジェクタピン40の先端面を成形面31aから低下させる距離(mm)、Nは樹脂60を固定型20および可動型30に注入して成形品71を成形する回数(回)である。
実験結果によれば、エジェクタピン40の低下距離Yを長くすればするほど、より多い回数だけ射出成形を連続して行えることがわかる。つまり、クリアランスに樹脂60が侵入することを確実に防止できることがわかる。
これは、エジェクタピン40の低下距離Yが長くなることに伴って死水域80の形状が、エジェクタピン40の径方向内側に向かって大きくなることに起因する。しかし、これに伴って、射出成形に用いる樹脂量が増大してしまう(エジェクタピン40先端部の凹部に充填される樹脂量が増大する)、つまり、射出成形の製造コストが増大してしまう。
そこで、射出成形装置10をメンテナンスするまでのショット数、あるいは固定型20および可動型30の寿命に対応するショット数に基づいて、上記式を用いてエジェクタピン40の低下距離Yを算出し、当該算出した低下距離Yだけエジェクタピン40の先端面を成形面31aより低下させる。
これによれば、凹部を形成することによる樹脂量の増大を必要最低限に抑制することができるため、射出成形の製造コストの増大を抑制できる。つまり、上記式は、死水域80を形成することにより低減されたクリアランスへ侵入する樹脂量と、累積射出量(不具合が発生しない上限値)との間の間接的な相関関係を示す式である。
このように、樹脂60を注入するときに、エジェクタピン40である第二エジェクタピン42および第三エジェクタピン43の各先端面42a・43aは、上記式を満たす条件にて、成形面31aより低下させる。
なお、エジェクタピン40の低下距離Yは、上記式に基づいて算出される低下距離よりも少しだけ(例えば、0.03mm程度)長い距離に設定することが好ましい。これによれば、より確実に樹脂60がクリアランスに侵入することを防止できる。
また、射出成形装置10は、エジェクタピン40の低下距離Yを制御可能に構成し、ショット数に応じて、適宜エジェクタピン40を成形面31aから低下させる構成であっても構わない。
射出成形装置10は、図7に示すように、成形面31aから低下させるエジェクタピン40に対応するピン孔である第二ピン孔33および第三ピン孔34に突起部34aを形成することで、樹脂60が第二クリアランス46および第三クリアランス47に侵入することを防止しても構わない。以下では、第三ピン孔34に突起部34aを形成するものとして説明を行う。
突起部34aは、第三ピン孔34(ピン孔)の内周面より第三エジェクタピン43の径方向内側に向かって突出する。突起部34aは、樹脂60の流動方向上流側であるとともに、第三エジェクタピン43(エジェクタピン40)の先端面43aよりも成形面31a側(左側)に形成される。本実施形態の突起部34aは、左側面視略半円状に形成されるとともに、断面視略半円状に形成される。
突起部34aは、左側面視において、第三エジェクタピン43と重ならないように形成される。具体的には、突起部34aが形成される部分に対応する第三ピン孔34の内周面から第三エジェクタピン43の外周面までの、第三エジェクタピン43の径方向に沿った第三クリアランス47の長さのうち、最も短い第三クリアランス47の長さよりも、突起部34aの突出寸法が短くなるように設定される。従って、突起部34aの先端と第三エジェクタピン43の外周面との間には、左側面視において隙間D1・D2・D3が形成されることとなる(図7(a)に示す矢印D1・D2・D3参照)。
また、第三ピン孔34に突起部34aを形成した場合、樹脂60を保圧した際に、突起部34aと第三クリアランス47との間に樹脂60が充填される。このため、突起部34aの突出寸法は、第三エジェクタピン43で樹脂60を押し出す際に、突起部34aが干渉しない程度の長さに設定される。
つまり、突起部34aの突出寸法は、第三エジェクタピン43の突出動作に干渉しないような長さに設定される。
このような突起部34aを形成した場合、図4および図7(b)に示すように、樹脂60を注入するときに、樹脂60の流動方向Rと樹脂60が凹部53に向かって流入する方向R2とが成す角度を、樹脂60の流動方向Rと突起部34aを形成しない場合における樹脂60が凹部53に向かって流入する方向R1とが成す角度よりも小さくできる。
これによれば、凹部53の上流側に形成される死水域80を、ピン孔(第三ピン孔34)全体に形成できる。従って、樹脂60を注入するときに、クリアランス(第三クリアランス47)に樹脂60が侵入することを防止できる。このため、射出成形装置10の作動不良の発生を防止できるため、生産効率を向上できる。
また、樹脂60の粘度および流動圧等に変化やバラツキがあった場合でも、安定してピン孔全体に死水域80を形成できる。
突起部34aの形状は、断面視略半円状に限定されるものでない。すなわち、図8(a)に示すような断面視逆三角形状であってもよく、図8(b)に示すような断面視四角形状であってもよく、図8(c)に示すような断面視三角形状であっても構わない。
本実施形態では、第三ピン孔34に突起部34aを形成したが、第二ピン孔33に突起部34aを形成する場合にも、突起部34aは、第三ピン孔34の場合と同様に形成される。この場合、第二ピン孔33において、凹部52の上流側に形成される死水域80を第二ピン孔33全体に形成できる。つまり、第三ピン孔34に突起部34aを形成した場合と同様の効果が得られる。
凹部52および凹部53を形成するエジェクタピン40である第二エジェクタピン42および第三エジェクタピン43の各先端面42a・43aの形状は、図2(b)および図2(c)において扁平状に形成したが、これに限定されるものでない。すなわち、第二エジェクタピン42および第三エジェクタピン43の各先端面42a・43aに図9に示すような複数の突起部43b・43b・・・を形成しても構わない。以下では第三エジェクタピン43の先端面43aに突起部43b・43b・・・を形成するものとして説明を行う。
突起部43b・43b・・・は、第三エジェクタピン43(エジェクタピン40)の先端面43aに形成され、左方向に、つまり、樹脂60を押し出す方向に向かって突出する。
このような第三エジェクタピン43では、凹部53に向かって流入する樹脂60が突起部43b・43b・・・に接触し、第三エジェクタピン43を下流側に向かって押し込む。つまり、第三エジェクタピン43が下流側に移動して、第三クリアランス47上流側における、第三ピン孔34の内周面から第三エジェクタピン43の外周面までの、第三エジェクタピン43の径方向に沿った第三クリアランス47の長さが長くなる。
また、下流側における、第三ピン孔34の内周面から第三エジェクタピン43の外周面までの、第三エジェクタピン43の径方向に沿った第三クリアランス47の長さが短くなる(図9(b)に二点鎖線で示す第三エジェクタピン43参照)。
ここで、死水域80は、上流側の方が、下流側よりもその形状が大きくなる。つまり、突起部43b・43b・・・によって、第三エジェクタピン43を下流側に向かって移動させることにより、死水域80の形状がやや小さくなるが、死水域80の形状が大きい上流側において、第三クリアランス47の長さを長くできる。一方、死水域80の形状が小さい下流側において、第三クリアランス47の上下方向の長さを短くできる。
これにより、第三ピン孔34の内周面から第三エジェクタピン43の外周面までの、第三エジェクタピン43の径方向に沿った第三クリアランス47の長さを、死水域80の形状に対応できる。このため、第三クリアランス47に樹脂60が侵入することをより確実に防止できる。
なお、突起部43b・43b・・・は、第三エジェクタピン43を下流側に向かって移動できれば、その形状および個数は限定されるものでない。すなわち、突起部43bは、例えば、第三エジェクタピン43の先端面43aに一つだけ形成する構成であっても構わない。
第二エジェクタピン42の先端面42aに突起部43b・43b・・・を形成する場合にも、第三エジェクタピン43の場合と同様に構成される。この場合、第二エジェクタピン42においても、第三エジェクタピン43の場合と同様の効果が得られる。
射出成形装置10は、図10に示すように、樹脂60の流動を制御することで、成形面31aから低下させるエジェクタピン40に対応するクリアランスに樹脂60が侵入することを防止しても構わない。以下では、凹部53に流入する樹脂60の流動を制御するものとして説明を行う。
樹脂60の流動は、例えば、温度(金型に注入される樹脂60の温度、金型である固定型20および可動型30の温度)、樹脂60を射出する際の速度および間隔(例えば間欠的に押し出す)、および樹脂60の流路の寸法を変更することで制御可能である。
なお、以下において、第三エジェクタピン43の軸方向(左右方向)と、第三ピン孔34の上流側端部から第三エジェクタピン43の先端面43aの上流側端部までの方向R3とが成す角度を「角度θ1」とする。
また、第三エジェクタピン43の軸方向と、第三ピン孔34の上流側端部から第三エジェクタピン43の先端面43aの下流側端部までの方向R4とが成す角度を「角度θ2」とする。
そして、第三エジェクタピン43の軸方向と、樹脂60が凹部53に向かって流入する方向R5とが成す角度を「流入角度θ」とする。
本実施形態においては、死水域80(図4参照)は、樹脂60の粘度等の成形条件の影響で形成されないものとする。
流入角度θが、角度θ1よりも小さい場合(つまり、角度θ1>流入角度θである場合)、樹脂60は、第三エジェクタピン43の上流側と第三ピン孔34の上流側との間の第三クリアランス47に向かって流入する。この場合、第三クリアランス47の上流側において樹脂60が侵入する可能性がある。
また、流入角度θが、角度θ2よりも大きい場合(つまり、角度θ2<流入角度θである場合)、樹脂60は、第三エジェクタピン43の下流側と第三ピン孔34との間の第三クリアランス47に向かって流入する。この場合、第三クリアランス47の下流側において樹脂60が侵入する可能性がある。
一方、流入角度θが、角度θ1以上であるとともに角度θ2以下である場合(つまり、角度θ1≦流入角度θ≦角度θ2である場合)、樹脂60は、第三エジェクタピン43の先端面43aに向かって流入する。つまり、第三クリアランス47に向かって流入しないため、樹脂60が第三クリアランス47に侵入しない。
仮に、第三エジェクタピン43の先端面43aに接触した樹脂60が、第三ピン孔34の下流側端部に接触し、第三クリアランス47に向かって流入した場合、当該樹脂60の流速は遅いため、樹脂60が第三クリアランス47に侵入しない。
つまり、成形面31aから低下させる第三エジェクタピン43(エジェクタピン40)の直径をW(mm)、第三エジェクタピン43の上流側端部から第三ピン孔34(ピン孔)の上流側端部までの第三クリアランス47(クリアランス)の長さをy(mm)、第三エジェクタピン43の先端面43aを成形面31aから低下させる距離をY(mm)としたとき、流入角度θが次式を満たす条件となるように、樹脂60の流動を制御すれば、第三クリアランス47に樹脂60が流入しない。
cot(y/Y)≦θ≦cot{(W+y)/Y}
上記式を満たすように樹脂60の流動を制御することで、エジェクタピン40(第三エジェクタピン43)の軸心より図10における紙面手前側に向かう方向および紙面奥側に向かう方向にずれた位置においても、クリアランス(第三クリアランス47)に樹脂60が流入することを防止できる。つまり、クリアランス全体に樹脂60が流入することを防止できる。
これによれば、樹脂60の粘度等の成形条件の影響で死水域80が形成されなかった場合でも、クリアランス(第三クリアランス47)に樹脂60が侵入することを防止できる。このため、射出成形装置10の作動不良の発生を防止できるため、生産効率を向上できる。
なお、凹部52に流入する樹脂60の流動を制御する場合にも、凹部53の場合と同様である。この場合、凹部52においても、凹部53の場合と同様の効果が得られる。
本実施形態の射出成形装置10は、ワーク70に樹脂60でモールドする構成としたが、これに限定されるものでなく、射出成形に際して用いられる射出成形装置10において広く適用可能である。
また、本実施形態では、射出成形に用いる材料として熱硬化性樹脂である不飽和ポリエステル樹脂を用いたが、これに限定されるものでない。すなわち、材料として熱可塑性樹脂を用いることもできる。この場合、ピン孔の内周面からエジェクタピン40の外周面までの、エジェクタピン40の径方向に沿ったクリアランスの長さは、保圧時に熱可塑性樹脂等が侵入できないような長さに設定される。
さらに、射出成形に用いる材料としてアルミ等の金属を用いても構わない。この場合、ピン孔の内周面からエジェクタピン40の外周面までの、エジェクタピン40の径方向に沿ったクリアランスの長さは、保圧時にアルミ等が侵入できないような長さに設定される。
10 射出成形装置
20 固定型(金型)
30 可動型(金型)
31a 成形面
33 第二ピン孔
34 第三ピン孔
40 エジェクタピン
42 第二エジェクタピン(成形面から低下させるエジェクタピン)
43 第三エジェクタピン(成形面から低下させるエジェクタピン)
46 第二クリアランス(クリアランス)
47 第三クリアランス(クリアランス)
52 凹部
53 凹部
60 樹脂(材料)
71 成形品
80 死水域

Claims (5)

  1. 金型を型閉めして該金型に材料を注入し、該材料を固化させて前記金型を型開きした後で、少なくとも一つ以上のエジェクタピンの先端面を、前記金型の成形面に形成されるピン孔より突出させて前記材料を押し出す射出成形装置であって、
    前記金型に前記材料を注入するときに、
    前記エジェクタピンの先端面を、前記材料を押し出す方向の反対方向に所定の距離だけ前記成形面から低下させて、
    前記成形面における前記エジェクタピンの先端面に対応する部分に凹部を形成する、
    射出成形装置。
  2. 前記エジェクタピンの先端面を前記成形面から低下させる距離をY(mm)とし、
    前記材料を前記金型に注入して成形品を成形する回数をN(回)としたとき、
    前記エジェクタピンの先端面は、次式を満たす条件にて、前記成形面より低下させる、
    請求項1に記載の射出成形装置。
    Y=7.98×10−5N−0.039
  3. 前記成形面から低下させる前記エジェクタピンに対応するピン孔の内周面には、前記材料の流動方向上流側であるとともに前記エジェクタピンの先端面よりも前記成形面側に、前記エジェクタピンの径方向内側に向かって突出する突起部が形成され、
    該突起部の突出寸法は、前記エジェクタピンの突出動作に干渉しない長さに設定される、
    請求項1に記載の射出成形装置。
  4. 前記エジェクタピンの先端面には、
    前記材料を押し出す方向に向かって突出する少なくとも一つ以上の突起部が形成される、
    請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の射出成形装置。
  5. 前記成形面から低下させる前記エジェクタピンの直径をW(mm)とし、
    該エジェクタピンの前記材料の流動方向上流側端部から、前記エジェクタピンに対応するピン孔の前記材料の流動方向上流側端部までのクリアランスの長さをy(mm)とし、
    前記エジェクタピンの先端面を前記成形面から低下させる距離をY(mm)とし、
    前記エジェクタピンの軸方向と前記材料が前記凹部に流入する方向とが成す角度をθ(°)としたとき、
    次式を満たす条件となるように、前記材料の流動を制御する、
    請求項1に記載の射出成形装置。
    cot(y/Y)≦θ≦cot{(W+y)/Y}
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