JP2017074595A - 鋳抜きピンの冷却構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】鋳抜きピンの冷却性能に優れ、かつ、鋳抜きピンを備えた成形型において鋳抜きピンが破損した場合でも溶融材料が鋳抜きピンの内部を流通して冷却装置に流れ込むといった問題が生じない鋳抜きピンの冷却構造を提供する。【解決手段】内部に冷却媒体が流入する流入路1aを備えた冷却パイプ1が、成形型Mに備えられた鋳抜きピンPの内部に配設され、鋳抜きピンPの内面Paと冷却パイプ1の外面1bの間に冷却パイプ1の先端から流出された冷却媒体が排出される排出路Fが形成されており、平坦な薄板から形成された螺旋状のバネ部材2が冷却パイプ1の周囲に配設され、かつバネ部材2が鋳抜きピンPの内面Paと冷却パイプ1の外面1bに接しており、冷却パイプ1とバネ部材2からなる鋳抜きピンの冷却構造10である。【選択図】図1
Description
本発明は成形型(射出成形金型もしくはダイカスト鋳造金型)に備えられた鋳抜きピンの冷却構造に関するものである。
成形品の製造方法は多岐に亘るが、その一つの方法として、中空を備えた成形型(射出成形金型もしくはダイカスト鋳造金型)の内部に鋳抜きピンを配設し、成形型の中空の内面と鋳抜きピンの外面の間に形成されたキャビティに溶融樹脂や溶融金属等の溶融材料を注入して成形品を製造する方法が挙げられる。
この成形型を使用した成形品の製造方法を図5を参照して説明する。
この成形型を使用した成形品の製造方法を図5を参照して説明する。
図5で示す成形型Mは、固定型M1、可動型M2、および可動補助型M3から構成され、可動型M2から固定型M1に亘って連続する中空内に鋳抜きピンPが配設されてその全体が大略構成されている。
固定型M1の中空の内面と鋳抜きピンPの外面の間にキャビティCが形成され、固定型M1に備えてある注入孔M1aを介して注入された(X1方向)溶融材料JがキャビティCに充填され、硬化して成形品が製造される。
成形型Mの内部に配設され、高温の溶融材料に曝される鋳抜きピンPは冷却される必要があることから、鋳抜きピンPの内部の中空には冷却パイプRが配設される。可動補助型M3には流路Sa,Sbが開設された口金Sが埋設されており、固定補助型M3に開設された流路M3aと口金Sの流路Saが流体連通し、流路Saと冷却パイプRの中空Raが流体連通している。
一方、鋳抜きピンPの内面と冷却パイプRの外面の間には冷却媒体が流通する排出路Fが形成され、この排出路Fと口金Sの流路Sbが流体連通し、流路Sbと固定補助型M3に開設された別途の流路M3bが流体連通している。
不図示の冷却装置から供給された冷却水等の冷却媒体は、流路M3a,流路Saを介して冷却パイプRの中空Ra内に流入し(Y1方向)、中空Ra内を流通し(Y2方向)、冷却パイプRの先端開口から排出路Fに排出され(Y3方向)、排出路Fを流通する過程で鋳抜きピンPを冷却するようになっている。排出路Fを流通した冷却媒体は流路Sbに流入し(Y4方向)、流路M3bを流通して冷却装置に排出される。
このように、図5で示す成形型Mでは、冷却パイプRが鋳抜きピンPを冷却する冷却構造を構成している。
ところで、成形型Mの繰り返し使用により、図6で示すように鋳抜きピンPの先端が折れる等、破損する場合が生じ得る。
このように鋳抜きピンPの先端が破損すると、注入孔M1aから注入された溶融材料が排出路Fに浸入して流通し、流路Sb,流路M3bを介して不図示の冷却装置に浸入する危険性がある。
したがって、図5で示すような鋳抜きピンPを備えた成形型Mを使用して成形品を製造するに当たっては、鋳抜きピンPが破損した際に溶融材料が鋳抜きピンPの内部を流通して冷却装置に流れ込むといった問題を解消することが必要となる。
すなわち、冷却装置に高温かつ高圧の溶融材料が流れ込むことで当該冷却装置は破損に至り、冷却装置が破損した際には、成形設備の復旧までに長いリードタイムと工数を要することになり、生産稼働や修復費用への影響が大きくなり得る。
ここで、特許文献1には、入子ピンの冷却穴と金型冷却用パイプの整流体との間に隙間を設け、整流体により形成されたスパイラル流路に加えて、隙間により形成された隙間流路にも冷却水を流すようにすることにより、冷却穴と冷却水との接触面積を増やし、従来よりも多くの面積で熱交換を行うことができるようにした金型冷却用パイプが開示されている。
この金型冷却用パイプにおいては、隙間流路に冷却水を流すことにより、冷却穴の側壁と整流体とで挟まれた部分において冷却水が滞留しないようにするとともに、冷却穴の側壁と冷却水との接面に生ずる境膜を薄くし、熱交換の効率性を向上させることができるとしている。
特許文献1に開示の金型冷却用パイプによれば、熱交換の効率性を向上させることが可能になる。しかしながら、この金型冷却用パイプでは、入子ピンの冷却穴と金型冷却用パイプの整流体との間に隙間を設けることから、上記する課題、すなわち、図5で示すような鋳抜きピンPを備えた成形型Mを使用して成形品を製造するに当たり、鋳抜きピンPが破損した際に溶融材料が鋳抜きピンPの内部を流通して冷却装置に流れ込むといった問題を解消することはできない。
本発明は上記する問題に鑑みてなされたものであり、鋳抜きピンの冷却性能に優れ、かつ、鋳抜きピンを備えた成形型において鋳抜きピンが破損した場合でも溶融材料が鋳抜きピンの内部を流通して冷却装置に流れ込むといった問題が生じない鋳抜きピンの冷却構造を提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明による鋳抜きピンの冷却構造は、内部に冷却媒体が流入する流入路を備えた冷却パイプが、成形型に備えられた鋳抜きピンの内部に配設され、鋳抜きピンの内面と冷却パイプの外面の間に冷却パイプの先端から流出された冷却媒体が排出される排出路が形成されており、平坦な薄板から形成された螺旋状のバネ部材が冷却パイプの周囲に配設され、かつ該バネ部材が鋳抜きピンの内面と冷却パイプの外面に接しており、前記冷却パイプと前記バネ部材からなるものである。
本発明による鋳抜きピンの冷却構造は冷却パイプとバネ部材から構成され、平坦な薄板から形成された螺旋状のバネ部材が冷却パイプの周囲に配設されていること、およびこのバネ部材が鋳抜きピンの内面と冷却パイプの外面に接していることに特徴を有するものである。
冷却パイプの周囲において、螺旋状のバネ部材が鋳抜きピンの内面と冷却パイプの外面に接した状態で配設されていることにより、鋳抜きピンの先端が破損し、鋳抜きピンと冷却パイプの間に溶融樹脂や溶融金属等の溶融材料が入り込んできた際には、溶融材料の流れ込みはバネ部材で完全に遮断され、溶融材料が排出路を介して冷却装置に流れ込むといった問題は生じ得ない。また、供給された冷却水等の冷却媒体が、流路M3a,流路Saを介して冷却パイプRの中空Ra内に流入し(Y1方向)、中空Ra内を流通し(Y2方向)、注入孔M1aから注入された溶融材料を冷却・固化して中空Ra内を遮断するため、溶融材料が流路M3aを介して冷却装置に逆流するといった問題は生じ得ない。
また、バネ部材が平坦な薄板から形成されていることから、溶融材料によってバネ部材が押込まれた際に、平坦な薄板からなるバネ部材が速やかに収縮し、収縮した状態のバネ部材にて溶融材料による押込まれに対抗することができる。
一方、鋳抜きピンの先端が破損していない常時においては、螺旋状を呈した薄板のバネ部材の平坦面を冷却媒体が流通し、この流通過程で鋳抜きピンの内面を冷却する。
この際、バネ部材が平坦な薄板から形成されていることで、たとえば断面円形のバネ部材と比較した際に、冷却媒体の流通性が良好になる。
より具体的には、断面円形のワイヤー等を使用した場合、ワイヤーの円弧面上を冷却媒体が通過する際に、円弧面ゆえに冷却媒体との接触面積が大きくなり、ワイヤー表面と冷却媒体の相互間の動摩擦抵抗にて冷却媒体のスムーズな流通が阻害され易くなる。
これに対し、本発明の冷却構造では、バネ部材の平坦面上を冷却媒体が流通することからバネ部材と冷却媒体との接触面積が可及的に小さくなり、バネ部材と冷却媒体の相互間の動摩擦抵抗も小さくなることで冷却媒体のスムーズな流通が促進される。
以上の説明から理解できるように、本発明の鋳抜きピンの冷却構造によれば、螺旋状のバネ部材に沿って冷却媒体を流通させることにより、優れた鋳抜きピンの冷却性能が奏されるとともに、鋳抜きピンの先端が破損して鋳抜きピンと冷却パイプの間に溶融材料が入り込んできた際に、溶融材料の流れ込みを収縮したバネ部材で完全に遮断することができる。
以下、図面を参照して本発明の鋳抜きピンの冷却構造の実施の形態を説明する。
(鋳抜きピンの冷却構造の実施の形態)
図1は本発明の鋳抜きピンの冷却構造を備えた成形型を示した縦断面図であって、鋳抜きピンの先端が破損していない状態を示した図であり、図2はバネ部材が収縮していない状態の鋳抜きピンの冷却構造を示した斜視図である。また、図3は鋳抜きピンの先端が破損している状態の成形型を示した縦断面図であり、図4はバネ部材が収縮している状態の鋳抜きピンの冷却構造を示した斜視図である。
図1は本発明の鋳抜きピンの冷却構造を備えた成形型を示した縦断面図であって、鋳抜きピンの先端が破損していない状態を示した図であり、図2はバネ部材が収縮していない状態の鋳抜きピンの冷却構造を示した斜視図である。また、図3は鋳抜きピンの先端が破損している状態の成形型を示した縦断面図であり、図4はバネ部材が収縮している状態の鋳抜きピンの冷却構造を示した斜視図である。
図1で示すように、成形型Mは、固定型M1、可動型M2、および可動補助型M3から構成され、可動型M2から固定型M1に亘って連続する中空内に鋳抜きピンPが配設されてその全体が構成されている。
固定型M1の中空の内面と鋳抜きピンPの間にキャビティCが形成され、固定型M1に備えてある注入孔M1aを介して注入された(X1方向)溶融材料JがキャビティCに充填され、硬化して成形品が製造される。
鋳抜きピンPはその内部に中空を有しており、この中空に流入路1aを備えた冷却パイプ1が配設される。可動補助型M3には流路Sa,Sbが開設された口金Sが埋設され、固定補助型M3に開設された流路M3aと口金Sの流路Saが流体連通し、流路Saと冷却パイプ1の流入路1aが流体連通する。
また、鋳抜きピンPの内面Paと冷却パイプ1の外面1bの間には冷却媒体が流通する排出路Fが形成され、この排出路Fと口金Sの流路Sbが流体連通し、流路Sbと固定補助型M3に開設された別途の流路M3bが流体連通する。
図2で示すように、冷却パイプ1の周囲には、平坦な薄板から形成された螺旋状のバネ部材2が配設され、これら冷却パイプ1とバネ部材2から鋳抜きピンの冷却構造10が構成される。
バネ部材2は、鋳抜きピンPの内面Paと冷却パイプ1の外面1bに接している。
バネ部材2は、鋳抜きピンPの内面Paと冷却パイプ1の外面1bに接している。
図1で示すように、不図示の冷却装置から供給された冷却水等の冷却媒体は、流路M3a,流路Saを介して冷却パイプ1の流入路1a内に流入し(Y1方向)、流入路1a内を流通し(Y2方向)、冷却パイプ1の先端開口から排出路Fに排出され(Y3方向)、螺旋状のバネ部材2の平坦面を流通する過程で鋳抜きピンPを冷却する(Y3’方向)。
螺旋状のバネ部材2の平坦面を流通した冷却媒体は流路Sbに流入し(Y4方向)、流路M3bを流通して冷却装置に排出される。
バネ部材2が平坦面を有し、この平坦面上を冷却媒体が流通することから、たとえば断面円形のワイヤー等の円弧面上を冷却媒体が流通する場合に比して、冷却媒体との接触面積が可及的に小さくなり、このことに起因してバネ部材2と冷却媒体の相互間の動摩擦力が可及的に小さくなり、結果として冷却媒体をスムーズに流通させることができる。
また、この冷却媒体の流通に当たり、バネ部材2が鋳抜きピンPの内面Paと冷却パイプ1の外面1bに接していること、すなわちバネ部材2と鋳抜きピンP、バネ部材2と冷却パイプ1の間に隙間が存在しないことから、冷却媒体が流通過程で隙間から流れ落ち、流れ落ちた冷却媒体がバネ部材2の表面を流通する冷却媒体に衝突して当該流通を阻害するといった問題も生じ得ない。
一方、図3で示すように、鋳抜きピンの先端が折れる等、破損した場合は、溶融材料が排出路Fに流れ込んでくる(X2方向)。
このように排出路Fに流入してきた溶融材料により、図3、4で示すように、薄板から形成された螺旋状のバネ部材2は溶融材料の流入方向に収縮する(Z方向)。
バネ部材2が平坦な薄板から形成されていることから、溶融材料によってバネ部材が押込まれた際に、平坦な薄板からなるバネ部材2が速やかに収縮し、収縮した状態のバネ部材2にて溶融材料による押込まれに対抗することができる。
そして、溶融材料の流れ込みは収縮した状態のバネ部材2で完全に遮断され、溶融材料が排出路Fを介して不図示の冷却装置に流れ込むといった問題は生じ得ない。
なお、ここでも、この冷却媒体の流通に当たり、バネ部材2が鋳抜きピンPの内面Paと冷却パイプ1の外面1bに接していること、すなわちバネ部材2と鋳抜きピンP、バネ部材2と冷却パイプ1の間に隙間が存在しないことから、冷却媒体が隙間から下方に流れ落ち、流れ落ちた溶融材料が不図示の冷却装置に流れ込むことはない。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1…冷却パイプ、1a…流入路、1b…外面、2…バネ部材、10…鋳抜きピンの冷却構造、M…成形型、M1…固定型、M2…可動型、M3…可動補助型、P…鋳抜きピン、Pa…内面、C…キャビティ、J…溶融材料
Claims (1)
- 内部に冷却媒体が流入する流入路を備えた冷却パイプが、成形型に備えられた鋳抜きピンの内部に配設され、鋳抜きピンの内面と冷却パイプの外面の間に冷却パイプの先端から流出された冷却媒体が排出される排出路が形成されており、
平坦な薄板から形成された螺旋状のバネ部材が冷却パイプの周囲に配設され、かつ該バネ部材が鋳抜きピンの内面と冷却パイプの外面に接しており、
前記冷却パイプと前記バネ部材からなる、鋳抜きピンの冷却構造。
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JP2015202098A JP2017074595A (ja) | 2015-10-13 | 2015-10-13 | 鋳抜きピンの冷却構造 |
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CN108247014A (zh) * | 2018-03-30 | 2018-07-06 | 广东鸿图武汉压铸有限公司 | 一种压铸高压冷却型芯针的断针检测装置及方法 |
CN108501336A (zh) * | 2018-06-04 | 2018-09-07 | 上海迪质特信息科技有限公司 | 塑胶叶轮模具随形水路冷却系统 |
DE112018001863T5 (de) | 2017-04-04 | 2019-12-24 | Isuzu Motors Limited | Ansaugluftverstärkungsvorrichtung |
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