JP2009029025A - 射出成形用金型および樹脂成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来のゲートカット機構付きの金型は、ゲートカットピンを突出させると、ゲートカットピンに押された溶融樹脂の一部がパーティングライン面に入り込むために、樹脂成形品にバリが付くことがあった。
【解決手段】
パーティングライン面で分離可能な固定型と可動型との間に、キャビティ、ゲートおよびランナーが形成され、固定型または可動型内にゲートを遮断する方向に出没可能に設けられたゲートカットピンを有する射出成形用金型において、溶融樹脂が流れる方向Xについては、ゲートカットピンの長さFをゲートの長さEよりも大きくし、溶融樹脂が流れる方向とは直角な水平方向Yについては、ランナーの幅Hをゲートの幅Gよりも大きくした。
【選択図】 図5

Description

本発明は、ゲートカット機能を有する射出成形用金型および該射出成形用金型により射出成形した樹脂成形品に関する。
従来より、樹脂成形品の成形は、射出成形装置から射出された溶融樹脂を金型のランナーおよびゲートを介してキャビティに注入し、キャビティに満ちた溶融樹脂を冷却固化することにより行われている。
その後、ランナー、ゲートおよびキャビティ内で固化した樹脂を金型から取り出し、ゲート部分で不要な樹脂をカットすることにより、所望の樹脂成形品が得られる。
かかるゲートカット作業は、人手で行うと多くの工数を要するため、金型のゲート部分でカットを自動的に行うゲートカット機構付きの金型が提案されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
特開2001−009878号公報 特開平04−238010号公報
しかし、従来のゲートカット機構付きの金型は、図15に示すように、溶融樹脂の流れる方向とは直角な水平方向について、ゲート100の近傍のランナー104の幅Jとゲートカットピン101の幅Kが略同じであったため、図16に示すように、樹脂成形品102にバリ103が付くことがあった。尚、図15は、ゲートカットピン101が挿入された入れ子の斜視図であり、図16は、この入れ子を用いた金型により製造した樹脂成形品の斜視図である。
樹脂成形品102にバリ103が付着する原因は、ゲート100にゲートカットピン101が突出することにより、ゲートの溶融樹脂がゲートカットピン101に押しのけられ、ゲート近傍の溶融樹脂の圧力が高くなり、可動型と固定型が接触するパーティングライン面に溶融樹脂の一部が入り込むことが考えられる。
樹脂成形品102にバリ103が付着する原因について、以下にもっと詳しく説明する。
ゲートにおいても、ゲートおよびゲートカットピンに接する溶融樹脂は時間が経過すると固化しスキン層を形成する。
溶融樹脂の流れる方向とは直角な水平方向についてゲート100の近傍のランナー104の幅Jとゲートカットピン101の幅Kが略同じであると、ゲートカットピンが上昇する際に、ゲートカットピンが上下方向に形成されたスキン層を壊す(破る)ことになる。
このため、ゲートカットピンの上昇に伴い、押しつぶされ高圧になったスキン層に囲まれた溶融樹脂は、上下方向のスキン層が壊れて破れる際に、溶融樹脂の流れる方向とは直角な水平方向に一気に放出される。この一気に放出された溶融樹脂の一部がパーティングライン面に入り込み、樹脂成形品に付着するバリ103になるのである。
本発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、ゲートカットピンをゲートに突出させることにより樹脂成形品に付着するバリを無くした射出成形金型および樹脂成形品を提供するものである。
本発明は、パーティングライン面で分離可能な固定型と可動型との間に、キャビティ、ゲートおよびランナーが形成され、固定型または可動型内にゲートを遮断する方向に出没可能に設けられたゲートカットピンを有する射出成形用金型に関するものである。
そして、溶融樹脂が流れる方向においては、ゲートカットピンの長さをゲートの長さよりも大きくし、かつ、溶融樹脂が流れる方向とは直角な水平方向においては、ランナーの幅をゲートの幅よりも大きくしたものである。
かかる構成により、ゲートカットピンの近傍のランナーの断面積が大きくなるので、ゲートカットピンがゲートに突出しても、可動型と固定型が接触するパーティングライン面に溶融樹脂の一部が流れ込むほどゲート近傍の溶融樹脂の圧力が増すことはない。
また、ゲートの近傍のランナーにおいて、スキン層は、ゲートの近傍のランナーに形成されるので、ゲートカットピンがゲートカット動作をする際に、ゲートの近傍のランナーにおける上下方向に形成されたスキン層をゲートカットピンが押しつぶすことがない。
つまり、ゲートカットピンは、ゲートカットピンが接する部分のスキン層を破るため、ゲートカットピンに押されて高圧になったスキン層に囲まれた溶融樹脂は、ゲートカットピンに向かって一気に放出され、溶融樹脂の流れる方向とは直角な水平方向には放出されることが無い。
このため、樹脂成形品にゲートカットピンが突出することによるバリの付着が無いのである。
また、本発明は、前記した射出成形用金型において、ゲートカットピンの表面にTa−Cコーティングを施したものである。
Ta−Cコーティングであれば、100℃程度の低温でゲートカットピンに表面処理を施すことができる。そうすると、ゲートカットピンに表面処理をするに際して、ゲートカットピンに加える温度を低くできるので、高精度に加工されたゲートカットピンの変形を防止することができる。また、Ta−Cコーティングにより、ゲートカットピンの耐摩耗性が向上し、ゲートカットピンの寿命を長くすることができる。
また、本発明は、前記した射出成形用金型により射出成形した樹脂成形品に関するものである。
前記した射出成形用金型を用いて射出成形した樹脂成形品は、ゲートカットピンにより確実にゲートをカットでき、樹脂成形品へのバリの付着が無い。
本発明により、ゲートカットピンをゲートに突出させることにより成形品に付着するバリを無くした射出成形金型および樹脂成形品を提供できる。
以下に実施例を用いて、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る第1実施例を、図1乃至図5を用いて説明する。
図1はゲートカット前の射出成形用金型の側部断面図、図2はゲートカット後の射出成形用金型の側部断面図、図3は図2におけるゲートカットピン4の先端部の部分拡大図、図4はゲートカットピン4の先端部の斜視図、図5はゲートカットピンが出没可能に挿入されている入れ子の斜視図である。
(射出成形用金型)
図1に示すように、射出成形用金型14は、可動型1と固定型2からなり、パーティングライン面13で分離可能に構成されている。そして、可動型1と固定型2の間には、ランナー6、ゲート7およびキャビティ8が形成されており、図示しない射出成形装置から射出された溶融樹脂が、スプルー3からランナー6およびゲート7を通って、キャビティ8に注入されるようになっている。
ここで、ゲート7とは、溶融樹脂がキャビティに入るための入り口をいう。
(ゲートカットピン)
可動型1には、ゲート7において先端部が出没可能なゲートカットピン4が設けられている。このゲートカットピン4は、入れ子30に挿入され、図4に示すように、断面が矩形形状であり、図1に示すように、後端部に駆動装置としてのシリンダ5が接続されている。
このゲートカットピン4は、キャビティ8内に溶融樹脂が満たされ、溶融樹脂の保圧が終了した時点で、図2に示すように、シリンダ5を動作させ、ゲート7を遮断する方向に突出させるものである。
そして、ゲートカットピン4の先端部は、図3および図4に示すように、パーティングライン面13に略平行な先端面10を有し、この先端面10の一部がランナー側で斜めに面取りされている(面取り11)。
この面取り11は、ゲートカットピン4が突出した際に、溶融樹脂がキャビティ8側に流れず、ランナー6側に流れるようにするために設けられている。また、先端面10は、ゲートカットピン4の先端部の摩耗を防止し、ゲートカットピン4の寿命を長くするために設けられている。
尚、ゲートカットピン4の先端面10のキャビティ側にも、面取り11よりも面取り寸法の小さい(例えばC0.5)面取り12を設けても良い。この面取り12は、例えば半径0.5mm程度のR(Radius)0.5であっても良い。
本実施例においては、図3に示すように、ゲートカットピン4の長さ寸法をBとし、ゲートカットピン4の先端面10におけるパーティングライン面13と平行な部分の寸法をDとした場合に、D=0.5×Bとなるように面取り11が設けられている。
(凹部)
一方、固定型2におけるゲートカットピン4の先端面10の付近、つまり、ゲートカットピン4の先端部と対向する固定型2の面には、ゲートカットピン4の先端部が突入する凹部9が設けられている。この凹部9は、深さAが2mmであり、ゲートカットピン4の先端面10と凹部9の底15との間に0.5mmのクリアランスが設けられるように構成されている。
そして、凹部9の長さ寸法Cは、ゲートカットピン4の長さ寸法Bの1.5倍に設定されており、凹部9のランナー6側(上流側)には、斜面16が形成されている。
この斜面9は、溶融樹脂のキャビティ8への射出時においては、溶融樹脂の流れをスムーズにし、凹部9における乱流の発生を防止する機能を有する。また、この斜面9は、ゲートカットピン4の突出時においては、溶融樹脂がランナー側に流れ易く(逃げ易く)し、かつ、凹部9において固化した樹脂が可動型2から離型し易くする機能も有する。
尚、凹部9の深さ寸法Aは、2mm以下でなければならない。なぜなら、凹部9の深さAが2mmよりも大きいと、キャビティ8への溶融樹脂の射出時に、この凹部9に入り込む溶融樹脂の量が多くなるため、溶融樹脂に乱流が発生したり、溶融樹脂中に空気が混入するため、成形品にシルバーストリークが発生したり、成形品中に気泡が生じたりするからである。
また、凹部9の深さAは、0.5mm以上であることが望ましい。ゲートカットピン4によるゲートカットを確実なものとするため、ゲートカットピン4の先端部を凹部9に突入させなければならないからである。この場合においても、ゲートカットピン4の先端面10と、凹部9の底15のクリアランスは、0.2mm程度設けなければならない。ゲートカットピン4の先端面10と可動型2の衝突を回避し、ゲートカットピン4の寿命を長くするためである。
(入れ子)
前記したように、可動型1には図5に示す入れ子30が設けられており、この入れ子30にゲートカットピン4が挿入されている。
入れ子30は、図5に示すように、溶融樹脂の流れる方向Xにおいて、ゲート7の長さEよりも、ゲートカットピン4の長さFの方が大きくなっている。また、溶融樹脂の流れる方向とは直角な水平方向Yにおいて、ゲートカットピン4の幅Gよりもランナー6の幅Gが大きくなっている。本実施例においては、ゲートカットピン4の幅Gよりもゲート7の幅Hを2mm(ゲートカットピン4の片側で1mm)大きくした。
かかる構成により、ゲートカットピン4が溶融樹脂で満ちたゲート7に突出しても、ゲート7の近傍の溶融樹脂は、溶融樹脂の一部が可動型1と固定型2の接触するパーティングライン面13の隙間に流出するほどの圧力にならない。
また、ゲート7の近傍のランナー6において、スキン層は、ゲート7の近傍のランナー6に形成されるので、ゲートカットピン4がゲートカット動作をする際に、ゲート7の近傍のランナー6における上下方向に形成されたスキン層をゲートカットピン4が押しつぶすことがない。
つまり、ゲートカットピン4は、ゲートカットピン4が上昇することにより、ゲートカットピン4が接する部分のスキン層を下から破るため、ゲートカットピン4に押されて高圧になったスキン層に囲まれた溶融樹脂は、ゲートカットピン4に向かって下方向に一気に放出され、溶融樹脂の流れる方向とは直角な水平方向には放出されることが無い。
このため、ゲートカットピン4が突出することにより樹脂成形品にバリが付着することが無い。
本発明に係る第2実施例を、図6および図7を用いて以下に説明する。
図6はゲートカット前の射出成形用金型の側部断面図、図7はゲートカット後の射出成形用金型の側部断面図である。
尚、実施例1との相違点のみ説明し、実施例1と同一の部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施邸2における実施例1との相違点は、ゲートカットピン4を固定型2に設け、凹部9を可動型1に設けた点のみである。
つまり、キャビティ8内への溶融樹脂の射出時においては、図6に示すように、ゲートカットピン4は、固定型2に設けた入れ子29内に没している。そして、キャビティ8に溶融樹脂を満たし、保圧終了後に、図7に示すように、ゲートカットピン4を突出させ、ゲート7において、ゲートカットを行う。
この際、ゲートカットピン4の先端は、可動型1に設けられた凹部9に突入させるので、ゲート7におけるゲートカットは、確実に行われる。また、凹部の深さAは、0.5mmから2mmの範囲内のいずれかの値に設定されているので、溶融樹脂の射出の際に、凹部9に溶融樹脂が衝突しても溶融樹脂に乱流は発生せず、溶融樹脂への空気の混入も発生しない。本実施例においては、凹部の深さA=0.5mmに設定して凹部を形成した。
尚、入れ子29は、実施例1における入れ子30と同様の構成になっている。
つまり、図5に示すように、溶融樹脂の流れる方向Xにおいて、ゲート7の長さEよりも、ゲートカットピン4の長さFの方が大きく(長く)なっており、かつ、溶融樹脂の流れる方向とは直角な水平方向Yにおいて、ゲートカットピン4の幅Gよりもランナー6の幅Gが大きくなっている。本実施例においては、ゲートカットピン4の幅Gよりもゲート7の幅Hを1mm(ゲートカットピン4の片側で0.5mm)大きくした。この場合であっても、樹脂成形品には、図16に示すようなバリ103の付着は無かった。
本発明に係る第3実施例を、図8乃至図11を用いて以下に説明する。
図8はゲートカット前の射出成形用金型の側部断面図、図9はゲートカット後の射出成形用金型の側部断面図、図10はゲートカット前の射出成形用金型におけるゲートカットピンの先端部の部分拡大図、図11はゲートカット後の射出成形用金型におけるゲートカットピンの先端部の部分拡大図である。
尚、実施例1との相違点のみ説明し、実施例1と同一の部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施例3における実施例1との相違点は、ゲートカットピン4に設けた面取り11にランナー6を通過する溶融樹脂が直接当たるように構成した点のみである。
つまり、図10に示すように、ゲートカットピン4の先端面10のみならず、この先端面10の一部に設けた面取り11についても、溶融樹脂の流路であるランナー6を構成する面としたものである。
そして、ゲートカットピン4は、キャビティ8内に溶融樹脂が満たされ、溶融樹脂の保圧が終了した時点で、図11に示すように、ランナー6を遮断する方向に突出させることにより、ゲートカットを確実に行うことができる。
また、かかる構成により、溶融樹脂に乱流を発生することなく、溶融樹脂をスムーズにキャビティ内に導くことができるという効果を奏する。
尚、入れ子30は、実施例1における入れ子30と同様の構成になっている。
つまり、図5に示すように、溶融樹脂の流れる方向Xにおいて、ゲート7の長さEよりも、ゲートカットピン4の長さFの方が大きく(長く)なっており、かつ、溶融樹脂の流れる方向とは直角な水平方向Yにおいて、ゲートカットピン4の幅Gよりもランナー6の幅Gが大きくなっている。本実施例においては、ゲートカットピン4の幅Gよりもゲート7の幅Hを1mm(ゲートカットピン4の片側で0.5mm)大きくした。この場合であっても、樹脂成形品には、図16に示すようなバリ103の付着は無かった。
本発明に係る第4実施例を、図12乃至図14を用いて以下に説明する。
図12はゲートカット前の射出成形用金型の側部断面図、図13はゲートカット後の射出成形用金型の側部断面図、図14は、エジェクタピンを突き出した後の可動型の側部断面図である。
尚、実施例3との相違点のみ説明し、実施例3と同一の部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施例4における実施例3との相違点は、ゲートカットピン4の駆動装置をエジェクタピンと共通にし、射出成形装置のエジェクタロッドとした点と、ゲートカットピン4にエジェクタピンとしての機能を持たせた点である。
(射出成形用金型)
射出成形用金型14は、可動型1と、固定型2とからなり、パーティングライン面13で分離可能に構成されている。そして、可動型1は、図示しない射出成形装置に固定されている。
(可動型)
可動型1の内部には、後述するエジェクタロッド17の動作により上下動するエジェクタプレート下19およびエジェクタプレート上20がある。エジェクタプレート上20は、エジェクタプレート下19に対して図示しないボルトにて固定されており、エジェクタプレート下19の下面には、可動型1の下方に突出しているロッド21が固定されている。このロッド21は、射出成形装置のエジェクタロッド17に突き合わされており、射出成形装置の信号により、エジェクタプレート下19およびエジェクタプレート上20と共に上下動する。
(ゲートカットピン)
また、ゲートカットピン4は、エジェクタプレート下19およびエジェクタプレート上20の間に挟まれて固定されている。このため、ゲートカットピン4は、エジェクタプレート下19およびエジェクタプレート上20の上下動に従って、上下動する。
(エジェクタピン)
また、エジェクタピン18は、エジェクタプレート下19およびエジェクタプレート上20に挟まれているが、エジェクタプレート上20には、エジェクタロッド17が動作してもエジェクタピン18が一定距離動かなくなるように空間22が設けられている。このため、図12に示す状態から図13に示す状態、すなわち、ゲートカットピン4をランナー6に突出させた場合は、エジェクタピン18は、キャビティ8およびランナー6に突出することがない。
そして、図13に示した状態において、溶融樹脂が冷却固化した後、図14に示すように、可動型1と固定型2とを分離し、エジェクタロッド17をさらに突き出すと、エジェクタピン18が固化した樹脂(樹脂成形品およびランナー)を可動型1から離型する。
つまり、本第4実施例においては、ゲートカットピン4の駆動装置として、射出成形装置のエジェクタロッド17を用いることにより、可動型1にシリンダ等からなる独立した駆動装置を設ける必要がなく、エジェクタピン18と駆動源を共通にすることができる。また、ゲートカットピン4自体にエジェクタピンとしての機能を付加することができる。
尚、入れ子30は、実施例1における入れ子30と同様の構成になっている。
つまり、図5に示すように、溶融樹脂の流れる方向Xにおいて、ゲート7の長さEよりも、ゲートカットピン4の長さFの方が大きく(長く)なっており、かつ、溶融樹脂の流れる方向とは直角な水平方向Yにおいて、ゲートカットピン4の幅Gよりもランナー6の幅Gが大きくなっている。本実施例においては、ゲートカットピン4の幅Gよりもゲート7の幅Hを2mm(ゲートカットピン4の片側で1mm)大きくした。この場合であっても、樹脂成形品には、図16に示すようなバリ103の付着は無かった。
本発明に係る第5実施例を以下に説明する。
尚、実施例4との相違点のみ説明し、実施例4と同一の部分については、説明を省略する。
本実施例5における実施例4との相違点は、ゲートカットピン4の表面にTa−Cコーティングを施した点のみである。ここで、Ta−Cコーティングとは、テトラヘデラル
アモルファス カーボンによる表面処理のことであり、かかるコーティングが施された物は、耐熱性、耐摩耗性、離型性を有する。
ゲートカットピン4は、樹脂成形品へのバリが付着することが無いように、その先端部を繰り返して凹部9に高精度に突入させなければならない。したがって、ゲートカットピン4は、高精度に加工されている。
また、ゲートカットピン4は、樹脂成形品が成形される都度動作され、ランナー6へ出没する回数が多いので、耐摩耗性が必要である。このゲートカットピン4に耐摩耗性を付与する方法としては、表面処理が一般的であるが、例えば、DLC(ダイヤモンド ライク カーボン)コーティングを施すためには、ゲートカットピン4が200℃から300℃に加熱される。そうすると、高精度に加工されたゲートカットピン4が熱変形するという問題がある。
そこで、本第5実施例においては、ゲートカットピン4を高温に加熱することなく、ゲートカットピン4自体に耐熱性、耐摩耗性、離型性を付与するために、低温(約100℃)でTa−Cコーティングを施したものである。
(Ta−Cコーティング)
ゲートカットピン4に施したTa−Cコーティングについて、以下に具体的に説明する。
ゲートカットピン4の材質は、SUS、Fe等であるため、まず、チタン(Ti)からなる第1バインダ層をゲートカットピン4の上に0.1μmの厚さで設ける。そして、この第1バインダ層の上に、バイアス電位を高くしたTa−Cからなる第2バインダ層を0.1μmの厚さで設ける。これらの2層のバインダ層は、Ta−Cコーティングをゲートカットピン4の表面に強固に付着させるために設けるものである。
その次に、第2バインダ層の上に、Ta−Cからなる中間層を2μmの厚さで設け、最後に、Ta−Cからなる耐摩耗層を0.3μmの厚さで設ける。尚、バイアス電位の大きさは、第2バインダ層>中間層>耐摩耗層である。
かかる層構造のTa−Cコーティングをゲートカットピン4の表面に設けることにより、ゲートカットピン4は、熱変形することなく、高精度を保ったまま耐摩耗性を付与することができる。このため、ゲートカットピン4の寿命を長くすることができ、ゲートカットピン4のメンテナンス頻度を減らすことができる。
上述の実施例は、説明のために例示したもので、本発明としてそれに限定されるものではなく、特許請求の範囲、発明の詳細な説明、及び図面の記載から当事者が認識する事ができる本発明の技術的思想に反しない限り、変更および付加が可能である。
例えば、前記した実施例においては、図3において、B=0.5×D、C=1.5×Bとしたものを示したが、これに限定されることはなく、ゲートカットピン4の先端部に、先端面10が形成されていれば、B=0.5×Dでなくても良い。また、ゲートカットピン4の突出により、凹部9内の溶融樹脂をランナー6側(上流側)に逃がす必要があるので、C>1.5×Bであっても良い。
また、前記した実施例においては、図5における溶融樹脂の流れる方向とは直角な水平方向Yにおいて、ゲートカットピン4の幅Gよりもランナー6の幅Gが1mmまたは2mm大きくしたものを示したが、ゲートカットピンの両側において0.5mm以上、つまり、ゲートカットピン4の幅Gよりもランナー6の幅Gが1mm以上あれば良い。これは、ゲート7の近傍におけるランナー6の上下方向に形成されるスキン層に、ゲートカットピン4が極力接触しないようにするためである。
本発明は、樹脂成形品の成形に用いられる射出成形用金型およびこの射出成形用金型により製造された樹脂成形品に適用される。
ゲートカット前の射出成形用金型の側部断面図(実施例1) ゲートカット後の射出成形用金型の側部断面図(実施例1) ゲートカットピンの先端部の部分拡大図(実施例1) ゲートカットピンの先端部の斜視図(実施例1) ゲートカットピンが出没可能に挿入されている入れ子の斜視図(実施例1) ゲートカット前の射出成形用金型の側部断面図(実施例2) ゲートカット後の射出成形用金型の側部断面図(実施例2) ゲートカット前の射出成形用金型の側部断面図(実施例3) ゲートカット後の射出成形用金型の側部断面図(実施例3) ゲートカットピンの先端部の部分拡大図(実施例3) ゲートカットピンの先端部の部分拡大図(実施例3) ゲートカット前の射出成形用金型の側部断面図(実施例4) ゲートカット後の射出成形用金型の側部断面図(実施例4) エジェクタピンを突き出した後の可動型の側部断面図(実施例4) ゲートカットピンが挿入された従来の金型の斜視図 従来の金型を用いて製造した樹脂成形品の斜視図
符号の説明
1 可動型
2 固定型
3 スプルー
4 ゲートカットピン
5 駆動装置
6 ランナー
7 ゲート
8 キャビティ
9 凹部
10 先端面
11 面取り
13 パーティングライン面
14 射出成形用金型
15 凹部の底

Claims (3)

  1. パーティングライン面で分離可能な固定型と可動型との間に、キャビティ、ゲートおよびランナーが形成され、
    前記固定型または前記可動型内に前記ゲートを遮断する方向に出没可能に設けられたゲートカットピンを有する射出成形用金型において、
    溶融樹脂が流れる方向においては、前記ゲートカットピンの長さを前記ゲートの長さよりも大きくし、
    溶融樹脂が流れる方向とは直角な水平方向においては、前記ゲート近傍における前記ランナーの幅を前記ゲートの幅よりも大きくしたことを特徴とする射出成形用金型
  2. 前記ゲートカットピンの表面にTa−Cコーティングを施した請求項1に記載の射出成形用金型
  3. 請求項1または請求項2に記載された射出成形用金型により製造した樹脂成形品
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101885225A (zh) * 2010-06-18 2010-11-17 阳恒 塑胶模具大水口的切断方法及其模具

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