JP5420886B2 - 射出成形用金型 - Google Patents

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本発明はキャビティ内に樹脂を射出して成形を行う射出成形用金型に関し、特に射出時に発生するガスをキャビティ外に逃がすためのガス抜き構造を備えた射出成形用金型に関するものである。
射出成形用金型ではキャビティ内に溶融樹脂を射出する際に、溶融樹脂中の分解物、溶融樹脂中の添加剤、水分等が揮発してガス化する。このガスがキャビティの内面に接触して冷却されると異物となってキャビティ内面に付着し、さらに成形された樹脂成形品に付着する等して樹脂成形品の品質を低下させる。そのため、キャビティを構成する一対の金型、通常では固定型と可動型とが当接される面、いわゆるパーティング面にキャビティと外部とを連通させるガス抜き溝を形成することが行われている。例えば、特許文献1の技術では、一対の金型のいずれか一方のパーティング面にキャビティを外部に連通させるための放射状をした複数のガス抜き溝を凹設している。
一方、射出成形用金型では射出した溶融樹脂の一部がキャビティからパーティング面にまではみ出し、いわゆるバリが生じることがある。このバリを防止するためにはキャビティの周縁に沿ったパーティング面における両金型の密接性を高めることが必要である。密接性を高めるためには両金型のパーティング面の平坦性を高めるとともに、両金型のパーティング面が当接する際の当接力を高めることが好ましい。前者の平坦性は加工技術上の限界があるため、通常では後者の当接力を高めることが行われる。特に、当接力を高めるための一つの手法として、パーティング面のうちキャビティを囲んでいるキャビティの周縁に沿った領域を除く他の面部を凹ませた逃がし部を設け、キャビティの周縁に沿った領域のみが当接するように構成することで、このキャビティの周縁領域でのパーティング面の面圧を高める構成を取ることが行われている。なお、以降の記載においてこのパーティング面におけるキャビティの周縁領域をパーティング当接領域と称する。
例えば、後述する実施例1を説明するための図1を参照すると、下金型11と上金型12とでキャビティ13を構成する射出用金型の場合、下金型11のパーティング面11aにはキャビティ13の周縁領域を除く外側の領域に所定の浅い深さで凹設した逃がし部17を形成し、下金型11のパーティング面11aはこのキャビティ13の周縁を囲む領域においてのみ上金型12のパーティング面12aに当接するパーティング当接領域16を構成する。そのため、上金型12を下金型11に当接してキャビティ11を形成したときには、両金型の当接力(プレス力)はこのパーティング当接領域16に集中され、このパーティング当接領域16での面圧が高められて密接性が向上されるので、キャビティ13内に射出された溶融樹脂は両金型のパーティング面の間に洩れ出ることが抑制され、バリの発生が抑制される。
特開2000−317946号公報
このように、成形品におけるバリの発生を抑制するためにキャビティ13の周縁領域のパーティング当接領域16のみで両金型のパーティング面が当接する構成を採用した金型においてもガス抜きを行うことは必要である。このガス抜きのために特許文献1のようなガス抜き構造を適用したとすると、パーティング当接領域16に形成されたガス抜き溝によって当該パーティング当接領域16の当接面積が低減される一方で、このパーティング当接領域における面圧が高められるため、射出成形の繰り返しショットによってパーティング当接領域16の表面が顕著に押し潰し変形されてしまう。特に、特許文献1のガス抜き溝ではキャビティ13の内部を金型の外部に連通させるためにはパーティング当接領域16を横断する溝として形成することになるため、パーティング当接領域16の表面はこれらのガス抜き溝によって複数の独立した小さい面積の島状の部分に分断された状態となり、分断された各部分の表面は当接時の面圧によって容易に押し潰されてしまう。このようにパーティング当接領域16においてパーティング面が変形されると、これによってガス抜き溝が潰れて塞がれてしまい、ガス抜き効果が低下されてガスによる異物がキャビティ内面に付着して成形製品の品質低下を生じてしまう。パーティング当接領域での潰れ変形によってもガス抜き効果を維持させるためにはガス抜き溝の幅寸法や深さ寸法を大きくすることが考えられるが、あまり大きくすると成形時に溶融樹脂がキャビティからガス抜き溝に向けて洩れ出してしまい、この洩れ出した樹脂がバリとして発生するようになる。そのため、ガス抜き溝の寸法を大きくすることには限界がある。
本発明の目的は成形品におけるバリの発生を防止するとともに、パーティング面における押し潰し変形を防止してガス抜き効果を確保することが可能な射出成形用金型を提供するものである。
本発明は、パーティング面が互いに当接されて射出成形用のキャビティを構成する一対の金型を備え、一方の金型のパーティング面にキャビティ内で発生したガスを排出するためのガス抜き部が形成された射出成形用金型において、一方の金型のパーティング面はキャビティを囲む領域に設けられて他方の金型のパーティング面に当接するパーティング当接領域と、このパーティング当接領域の外側に設けられて他方の金型のパーティング面との間に間隙を形成する逃がし部とを備えており、ガス抜き部はパーティング当接領域に形成され、内端がキャビティの周縁から所要の寸法だけ離間され、外端が逃がし部に連通する凹溝状のスリットとして形成されることを特徴とする。
本発明によれば、ガス抜き部はパーティング当接領域に形成され、内端がキャビティの周縁から所要の寸法だけ離間され、外端が逃がし部に連通する凹溝状のスリットとして形成されているので、パーティング面のキャビティの周縁から所要の寸法の領域にはガス抜き部が形成されることはなく、ガス抜き部が要因になるバリの発生を防止するとともに、ガス抜き部を形成したことによるパーティング面の強度低下が抑制され、射出成形時における当接力によるパーティング面の押し潰し変形が抑制され、ガス抜き部の形状を保持してガス抜き効果を確保することができる。
ここで、ガス抜き部は溶融樹脂をキャビティ内に射出するためのゲートから最も離れた位置に配置され、互いに平行に配置された複数本のスリットで構成することが好ましい。また、スリットは内端から外端までの距離が最短距離で逃がし部に連通されることが好ましい。さらに、本発明における所要の寸法は1〜5mmの範囲、好ましくは1〜2mmの範囲であることが好ましい。
次に、本発明の実施例1を説明する。図1は本発明を適用した射出成形用金型1の概略構成図であり、固定金型としての下金型11と、この下金型11に対して上下移動される可動金型としての上金型12とで構成され、上金型12を下動して下金型11に当接させたときに両金型11,12でキャビティ13を構成する。下金型11には溶融樹脂を圧送するためのランナー14や、圧送した溶融樹脂をキャビティ13内に射出注入するためのゲート15が設けられており、このゲート15は前記キャビティ13の一部において開口されている。前記下金型11の上面11aと上金型12の下面12aはそれぞれ両金型11,12が上下方向に当接されて前記キャビティ13内を封止するパーティング面として構成されているが、この実施例1では下金型11のパーティング面11aはパーティング当接領域16と逃がし部17とで構成されている。パーティング当接領域16はキャビティ13の周縁に沿って所要幅の帯状に形成されており、逃がし部17はこのパーティング当接領域16の周囲の領域を若干寸法だけ凹設した構成とされている。これにより、パーティング当接領域16は逃がし部17に対して相対的に凸状面として構成され、上金型12が下動したときにこのパーティング当接領域16のみが上金型12のパーティング面に当接するように構成されている。このパーティング当接領域16を構成することにより、上金型12が下動して下金型11に当接したときの当接力がパーティング当接領域16に集中され、その面圧を高めることで樹脂成形を行ったときにキャビティ13内の樹脂が外部に洩れ出すことが抑制され、バリの発生が抑制されることは前述した通りである。このパーティング当接領域16は金型やキャビティのサイズ、形状等によって相違するが、通常ではキャビティ13の周縁から15〜40mm程度の幅寸法でキャビティ13を囲むように設けられる。
前記下金型11に設けたパーティング当接領域16には、図2(a)に下金型11の平面図を示すように、前記ゲート15に対向する位置、ここではキャビティ13の周縁のうちゲート15から最も離れた位置、換言すればキャビティ13を挟んでゲート15と水平方向に180度対向する位置、またはこの近傍位置にガス抜き溝18が設けられている。この位置は射出成形時にキャビティ13内に射出注入された溶融樹脂から発生するガスがキャビティ13内を流動される溶融樹脂に押されながらキャビティ13内で移動され、樹脂の流動が終了する際にガスがキャビティ13内において樹脂によって押し込められる位置に対向する位置である。
前記ガス抜き溝18は、図2(b)に図2(a)のB部の拡大図と、図2(c)に図2(b)のC−C線拡大図をそれぞれ示すように、パーティング当接領域16の表面に幅0.5mm、深さ0.5mm程度の断面形状が逆三角形をした直線状のスリット18aをピッチ寸法5mm程度で平行に配列した複数本の凹溝として構成されている。また、図3に一部の拡大斜視図示すように、このガス抜き溝181はキャビティ13に向けられた内端181aはキャビティ13には開放されておらず、キャビティ13の周縁、すなわちパーティング当接領域16の内縁から所要の寸法dだけ後退された位置に設定されている。一方、これと反対側のガス抜き溝181の外端181bはパーティング当接領域16の外縁に開放され、下金型11のパーティング面に設けた逃がし部17を介して金型外部に連通されている。また、ここでは前記複数本のガス抜き溝181は内端181aから逃がし部17に連通する外端181bまでの距離、すなわち溝の長さが最短距離となるようにキャビティ13の周縁が延長される方向に対して直交する方向、換言すればパーティング当接領域16の幅方向に沿って向けられている。
この実施例1のガス抜き溝を備える射出成形用金型では、これまでと同様にして樹脂成形を行なう。すなわち、上金型12を下動してパーティング面12aを下金型11のパーティング面11aに当接させる。このとき、図4に図2(a)のIV−IV線における断面図を示すように、上金型12のパーティング面は下金型12のパーティング当接領域16においてのみ当接される。これにより、下金型11と上金型12との間にキャビティ13が形成される。次いで、ゲート15からキャビティ13内に溶融樹脂を射出する。射出された溶融樹脂はキャビティ13内を流動されながらキャビティ13内に充填され、その後固化されて成形される。成形後は上金型12を上動してキャビティ13を開放し、図には表れない離型手段によって樹脂成形品をキャビティ13から離型することにより成形が完了する。
この成形に際し、上金型12のパーティング面12aは下金型11の面積が限定されたパーティング当接領域16においてのみ当接されるので、両金型に加えられる当接力(プレス力)はパーティング当接領域16に集中されることになり高い当接力が得られ、密接性が向上する。これにより、キャビティ13内に射出された溶融樹脂がパーティング当接領域16にまで洩れ出すことが抑制され、バリの発生が抑制される。特に、実施例1ではガス抜き溝18の各スリット181の内端181aはキャビティ13の周縁、すなわちパーティング当接領域16の内縁から所要の寸法dだけ離間されてこの所要の寸法dの幅領域にはガス抜き溝18が形成されていないため、当該ガス抜き溝18がキャビティ13に開放されることはなく、ガス抜き溝18が要因となるバリの発生が防止できる。
一方、キャビティ13内に射出された溶融樹脂によってガスが発生するが、発生したガスは溶融樹脂の流動に押されながらキャビティ13内のゲート15とほぼ反対側の領域にまで移動され、この領域において樹脂によってキャビティ13内に押し込まれた状態になる。押し込まれたガスは当接状態にある上金型12のパーティング面12aと下金型11のパーティング当接領域16の表面との間に生じている極めて微細な隙間を通して外部に向けて洩れ出し、その後直ちにガス抜き溝18の各スリット181の内端181aに達するためガス抜き溝18を通してパーティング当接領域16の外縁にまで通流され、さらにその周囲に配設されている逃がし部17を通して金型の外部に逃がされる。これにより、ガスがキャビティ13内に滞留することはなく、ガスが固化したときに生じる異物がキャビティ13の内面に付着して樹脂成形製品の品質を低下するおそれはない。
また、パーティング当接領域16に形成されたガス抜き溝18はスリット181の内端181aがキャビティ13にまで達しておらずパーティング当接領域16の表面はガス抜き溝18によって独立した島状の部分に分離されることがないため、上金型12との当接力をパーティング当接領域16の表面において均等に受けることができる。これにより、特許文献1のようにガス抜き溝をキャビティに連通させていることによりパーティング面が独立した個々の部分に分離されている構成に比較すれば、当接力に対するパーティング当接領域16の表面の機械的な強度が高められ、パーティング面の表面が押し潰されること、すなわちガス抜き溝18が押し潰し変形されてスリット181が閉塞されることが防止される。これにより、繰り返しショットに対するガス抜き効果を長期間にわたって保持することが可能になり、バリの発生が少なく、ガス抜き効果を高めて製品の品質を高めた成形が可能な射出形成用金型が得られる。
ここでガス抜き溝18のスリット181の内端181aをキャビティ13の周縁から後退させた前記所要の寸法dは次のようにして設定する。図5は本発明者が行った実験データである。この実験では金型のキャビティからガス抜き溝を通してガス抜きを行ったときのキャビティ周縁からの距離とガス温度の関係を測定した。また、キャビティの周縁からガス抜き溝の内端までの距離を変化させたガス抜き溝を用いて成形を行ったときのバリの発生率を測定した。図5から判るように、ガス抜き溝においてキャビティの外縁から5mm程度隔たった位置でガス温度が金型温度程度にまで低下する。この金型温度に近い温度では樹脂から発生したガスが固化して異物が発生する。したがって、ガス抜き溝の内端をキャビティの周縁から5mm以下の短い距離の位置に設定すればキャビティに発生したガスをガスのままガス抜き溝を通流させることが可能になる。
一方、図5から判るように、ガス抜き溝の内端をキャビティの周縁から1mmよりも短い距離にすると、キャビティ内の溶融樹脂がパーティング当接領域にまで進出するようになり、この進出した溶融樹脂が固化することで非常に高い確率でバリが発生することが判る。これは、ガス抜き溝の内端をキャビティの周縁に近接することで、キャビティとガス抜き溝の内端との間のパーティング当接領域に生じるキャビティとガス抜き溝との間のガス圧勾配が大きくなるため溶融樹脂がパーティング当接領域に洩れ込み易くなるためと推定される。このことから、実施例1の金型1においては、ガス抜き溝18のスリット181の内端181aとキャビティ13の周縁との所要の寸法dを1〜5mmの範囲内に設定することが好ましい。なお、ガス抜き溝18におけるガスによる異物の発生を防止するためには所定の寸法を可及的に短くすることが好ましいので、所要の寸法dはできれば1〜2mmの範囲内に設定することがより好ましい。
実施例1ではガス抜き溝18をキャビティ13の周縁に沿ったパーティング当接領域16の周方向の一部にのみ形成しているが、図6に示すように必要に応じてガス抜き溝18をパーティング当接領域16の周方向の複数箇所に配設してよい。基本的には実施例1のようにゲート15から最も離れた位置にガス抜き溝を形成すればよいが、キャビティ13内に射出された溶融樹脂の流動状態のバラツキ等によってキャビティ13内において押し込まれるガスの位置が必ずしもゲートから最も離れた位置にならないこともある。そのため、溶融樹脂がキャビティ13内で流動されたときの樹脂の先端になると推定される位置にもガス抜き溝18を形成しておくことでガス抜き効果をより高めることが可能になる。この場合、ガス抜き18を形成することによりパーティング当接領域16の表面積が低減して当接力に対する強度が顕著な低下することがないように形成位置や数を設定することが肝要である。
実施例1ではガス抜き溝の断面形状を逆三角形にしているが、溝の断面積を大きくする一方で、ガス抜き溝を形成することによるパーティング当接領域の表面面積の低減を抑制するためには、図7(a)のようにガス抜き溝18のスリット181Aの断面形状を矩形にしてもよい。あるいは、加工が可能であれば図7(b)のスリット181Bのように台形の断面形状にしてもよい。このようにすることで、ガス抜き溝18の各スリット181A,181Bの断面形状を大きくしてガスの排出効果を高める一方でパーティング当接領域16の面積の低減を抑制し、成形時におけるパーティング当接領域16での面圧の増大を抑制して表面の押し潰し変形によるガス抜き溝18の閉塞を抑制することができる。
また、実施例1ではガス抜き溝を互いに平行に配置した複数のスリットで形成しているが、キャビティ13の周縁の形状が図8(a)に示すように角部の場合や、図8(b)に示すように曲線形状の場合は、複数本のスリットがそれぞれキャビティの周縁に対して直交となるようにスリット181が互いに直交する方向に向けられたガス抜き溝18Aや、スリット181がキャビティ13の周縁に対して放射状に向けられたガス抜き溝18Bを構成してもよい。このようにすることで、各スリット181の内端から外端までの距離をそれぞれ最短距離に形成でき、ガス抜き溝を通してのガスの排出効果を高めることが可能になる。
実施例1ないし4ではガス抜き溝を外方に向けて延長し、各スリットの外端を逃がし部に直接に連通させているが、図9(a)のように、ガス抜き溝18Cは外端が逃がし部に連通することがない短い溝182として形成し、この短い溝182をパーティング当接領域16の内部に形成したトンネル構造のガス抜き孔183を通してで逃がし部17に連通する構成としてもよい。このガス抜き孔183は例えばレーザ加工等によって形成することが可能である。この場合においても短い溝182の内端の開口位置は実施例1と同様にキャビティ13の周縁から所要の寸法dだけ離れた位置である。このようにすることで、実施例1〜4と同等のガスの排出効果を確保する一方で、ガス抜き溝の面積を小さくし、特にパーティング当接領域16の表面を外縁部においても周方向に連続した構成として表面積の低減を抑制するとともに当接力に対する押し潰し変形をより有効に防止することが可能になる。
また、この実施例5においては、図9(b)のように、ガス抜き溝18Dとしてパーティング当接領域16に所要の半径の円形穴184形成した上で、この円形穴184をパーティング当接領域16の内部を貫通したトンネル状をしたガス抜き孔185を介して逃がし部17に連通させる構成としてもよい。この場合においても円形穴184の開口位置はキャビティ13の周縁から所要の寸法dだけ離れた位置とする。この構成ではパーティング当接領域16の表面積を極めて大きな面積に確保できる。
なお、この種の金型においてはゲート付近で樹脂の流路が狭くなり、樹脂圧が一気に高くなる、これにより、樹脂温度が高まりガスが一度に発生する。このガスがゲート付近の金型に付着する場合もある。ゲート付近にガス抜き部を設置した場合には、この金型に付着するガスを逃がすことができる。
ここで前記各実施例では下金型、すなわち固定金型にパーティング当接領域を形成してガス抜き溝を形成しているが、上金型、すなわち可動金型にパーティング当接領域とガス抜き溝を形成してもよい。また、必要に応じてガス抜き溝の深さはパーティング当接領域の厚さよりも深くしてもよい。この場合にはガス抜き溝はパーティング面の逃がし部よりも深く形成されることになる。尚、前記実施例では型の開閉を上下方向に行う金型であったが、必要に応じ左右に型の開閉を行う金型を使用してもよい。また、ガス抜き部のスリット同士を一部連結させてこれを逃がし部まで接続してもよい。
実施例1の射出成形用金型の概略構成を示す斜視図である。 下金型の平面図とB部の拡大図とC−C線断面図である。 ガス抜き溝の斜視図である。 図2(a)のIV−IV線断面図である。 所要の寸法dを設定するための実験測定図である。 実施例2のガス抜き溝を示す下金型の平面図である。 実施例3のガス抜き溝のスリット断面形状を示す断面図である。 実施例4のガス抜き溝の平面構成を示す平面図である。 実施例5のガス抜き溝の斜視図である。
符号の説明
1 射出成形用金型
11 下金型
11a パーティング面
12 上金型
12a パーティング面
13 キャビティ
14 ランナー
15 ゲート
16 パーティング当接領域
17 逃がし部
18,18A〜18D ガス抜き溝
181,181A,181B スリット

Claims (4)

  1. パーティング面が互いに当接されて射出成形用のキャビティを構成する一対の金型を備え、一方の金型のパーティング面に前記キャビティ内で発生したガスを排出するためのガス抜き部が形成された射出成形用金型において、前記一方の金型のパーティング面は前記キャビティを囲む領域に設けられて他方の金型のパーティング面に当接するパーティング当接領域と、このパーティング当接領域の外側に設けられて前記他方の金型のパーティング面との間に間隙を形成する逃がし部とを備え、前記ガス抜き部は前記パーティング当接領域に形成され、内端が前記キャビティの周縁から所要の寸法だけ離間され、外端が前記逃がし部に連通する凹溝状のスリットとして形成されていることを特徴とする射出成形用金型。
  2. 前記ガス抜き部は溶融樹脂をキャビティ内に射出するためのゲートから最も離れた位置に配置され、互いに平行に配置された複数本のスリットで構成されていることを特徴とする請求項に記載の射出成形用金型。
  3. 前記スリットは内端から外端までの距離が最短距離で前記逃がし部に連通されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の射出成形用金型。
  4. 前記所要の寸法は1〜5mmの範囲であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の射出成形用金型。
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