JP5638828B2 - 成形用金型及び該成形用金型を用いた発泡成形体の製造方法 - Google Patents

成形用金型及び該成形用金型を用いた発泡成形体の製造方法 Download PDF

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本発明は、成形用金型、及び成形用金型を用いた発泡成形体の製造方法に関し、特に、内部にキャビティを形成するように開閉可能に構成された2つの分割型の一方の分割面にキャビティの周囲を囲ってパッキンが設けられた成形用金型、及びこの成形用金型を用いてシートパッド等の発泡成形体を製造する方法に関する。
従来より、自動車等の車両に用いられるシートパッドなどの発泡成形体は、軟質ポリウレタンフォームなどの合成樹脂発泡材料を上型と下型等の2つの分割型により形成される金型キャビティ内に供給し、このキャビティを密閉して内部の発泡材料を発泡させて成形し製造される。
このような成形用金型においては、発泡成形体の安定した製品形状を得るために、発泡成形時に発生する発泡ガスやキャビティ内に残存する空気をキャビティ外部に排出するガス排出を行い、発泡成形体の欠肉やボイド(空気溜まり)の発生を防止する必要がある。キャビティ内のガスを排出する技術として、金型の2つの分割型の何れか一方の分割面に、キャビティから金型外方に伸長する金型溝部を形成することが知られている(例えば、特許文献1参照)。これにより、金型を使用して発泡成形体を製造する際には、キャビティ内に発生するガスが溝部から排出される。
一方で、金型の分割面においてキャビティを囲ってパッキンを設ける技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。この技術によれば、金型の分割面における密封性を高め、キャビティ内部から発泡材料が漏れ出してしまうことによるバリの多量発生を防ぎ、発泡成形品の品質の低下を防止している。しかし、この技術においては、キャビティの密封性が高まる反面、ガス排出量が十分に確保されなくなる恐れがあると考えられる。
特開2003−181839号公報 特開2006−35590号公報
ところが、上述の特許文献1等に記載されている金型に金型溝部を形成する技術では、分割面におけるキャビティの密封性が不十分であり、発泡材料の分割面、特に金型溝部への浸入量が多くなり、結果として、最終的な発泡製品の質の低下が懸念される。また、バリも発生しやすく後処理が必要となることも考えられる。
一方、キャビティの周囲においてパッキンが無い部分を一部形成した金型では、パッキンがある部分とパッキン切欠き部においてに大きな圧力差が生じるため、パッキンの切欠き部からガスが多量に抜けてしまい、このパッキンの切欠き部に発泡材料が多く浸入して発泡成形体の品質に悪影響を与える可能性が考えられる。これに対して、パッキンの切欠き部を小さくしてガス排出量を抑えることも考えられるが、その場合ガス抜けが不十分となり、成形体に欠肉やボイドが発生しやすくなってしまうことがあった。すなわち、従来の技術では、キャビティ内のガス排出量を適正に制御するという点に大きな課題を有していた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、キャビティの密封性を維持しつつ適正な量のガス抜きを可能として成形体の品質の低下を防止することのできる成形用金型、及び該成形用金型を用いた発泡成形体の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために請求項1に記載の成形用金型は、内部にキャビティを形成するように開閉可能に構成された2つの分割型の少なくとも一方の分割面にパッキンが設けられた成形用金型であって、前記パッキンは、前記分割面から少なくとも一部が突出する状態で設けられており、前記パッキンの突出表面には、キャビティ内のガスを排出するガス排出路としてのパッキン溝部が形成され、前記パッキン溝部は、その底部が前記分割面を越える深さに形成されたことを特徴とする。
本発明にかかる成形用金型によれば、成形用金型のキャビティの周囲を囲ってパッキンを設けて密封性を確保する一方で、この密封性を維持する目的で使用されるパッキンに溝部を形成しガス排出路を形成している。これにより、キャビティの密封性を維持して発泡材料の分割面間への多量の浸入を抑えつつ、パッキン溝部によりガスの抜け道を確保しガス排出量を適正に維持することができる。従って、欠肉部の発生による発泡成形体の品質への悪影響を防止することができ、バリ除去等の後処理の煩雑化も防止される。
特に、パッキンは一般的に弾性材料や可撓性材料で形成されているので、パッキン溝部を設ける加工も低コスト且つ容易な作業で行うことができる。従って、発泡材料の原料条件や金型温度等の種々の条件に応じて決まる所望のガス抜き量に合わせて、金型を加工することなくパッキンに形成する溝部の大きさを調節するだけでガス抜き量の制御を容易且つ低コストに行うことができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の成形用金型において、前記分割型の分割面には、前記キャビティから金型外方に向かって伸長し前記パッキン溝部に連通する金型溝部が形成されたことを特徴とする。
これによれば、パッキン溝部と金型の溝部が一体となった通路として形成されるので、金型溝部を介してパッキン溝部からガスを排出させることとなるためガスの排出効果を高めることができる。特に、分割面間へ押し出される発泡材料を排出ガス流によって金型溝部に集中させることができる。従って、発泡材料の分割面間への浸入を局所的なものとすることができるので、成形体に発生するバリも上記金型溝部の位置に対応した局所的となり、後処理が極めて容易となる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の成形用金型において、前記パッキン溝部は、前記分割面の平面視において、前記金型溝部の幅よりも小さい幅に形成されていることを特徴とする。これによれば、ガス排出量が過剰に多くなってしまうことをより確実に防止し、適度なガス排出量を維持し成形性を高めることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載の成形用金型において、前記パッキン溝部は、前記パッキンの全域に略均等に配置されたことを特徴とする。
これによれば、キャビティ内全体から略一様にガス抜きを行うことができる。すなわち、キャビティ内の圧力分布の偏りを防止することができ、成形体に局所的な大きなバリが発生することを防止しつつ、より効率的なガス排出を図ることができる。
請求項5に記載の発泡成形体の製造方法は、請求項1〜4の何れか1項に記載の成形用金型を用いて、前記分割型の開放状態で発泡材料を投入し、前記分割型を閉じて、前記パッキン溝部によりキャビティ内のガス排出を行いつつ前記発泡材料の発泡成形を行うことを特徴とする。
本発明によると、キャビティ内の密封性を保ちつつ適切な量のガス抜けを可能とする請求項1〜4に記載の成形用金型を用いてパッキン溝部によりキャビティ内ガスを排出しつつ発泡材料の発泡成形を行うことで、後処理の煩雑化を防止できるとともに、ガス残りによる欠肉部の発生を抑制することができ、良質な成形体製品を得ることができる。
本発明にかかる成形用金型によれば、キャビティの密封性を確保するためのパッキンが配され、この密封性を確保するためのパッキンに敢えて溝部を形成しガス排出路を形成している。すなわち、キャビティの密封性を維持することによる発泡材料の分割面間への多量の浸入の抑制とともに、適正なガス排出量の維持を達成することができる。従って、欠肉部の発生による発泡成形体の品質への悪影響を防止することができ、バリ除去等の後処理の煩雑化も防止される。
また、パッキン溝部を設ける加工も低コスト且つ容易に行うことができるので、金型への加工を必要とすることなく、種々の成形条件に応じて決まる所望のガス抜き量に合わせてパッキンに形成する溝部の大きさを調節して、ガス抜き量の制御を容易且つ低コストに行うことができる。
本実施の形態に係る成形用金型の構成を説明する図である。 成形用金型の要部構成を詳細に説明する図である。 図2のA−A線概略断面図である。 (A)は図2をB方向から視た図であり、(B)は(A)の要部拡大図である。 (A)は、発泡成形時における金型の使用状態を示しており、(B)は、そのパッキン16部分を拡大図を示している。 比較例の成形用金型の構成を説明する図である。
以下、本発明に係る実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。図1(A)は、本実施の形態に係る成形用金型を概略的に示したものである。図示のように、成形用金型10は、ヒンジ70により開閉可能に構成された2つの分割型12、14を備えている。これら分割型12、14は、発泡材料Pが投入される成形空間としてのキャビティCを形成する。そして、分割型(下型)12の分割面18には、キャビティCの周囲を囲うようにパッキン16が設けられている。
パッキン16は例えば、ニトリルゴムやフッ素ゴム等のゴム材料やフッ素樹脂等の樹脂材料など弾性又は可撓性を備えた公知の材料で形成されている。このパッキン16は、その基端部分16aが分割型12の分割面18に一部埋設され、その上部部分16bが分割面18に対して突出した状態で設けられている。この構成により、パッキン16は、分割型12、14が閉じられると分割型(上型)14の分割面20に上部部分16bが押圧され変形することで、2つの分割型12、14の分割面18、20間を密封する機能を果たす。
なお、パッキン16は分割面18から突出していれば、その一部が分割面18に埋設される必要は無く、パッキン16を例えば、所定の接着手段を用いて分割面18に載せるように取り付けても良い。
以下、発泡材料の発泡、成形過程で発生するキャビティC内のガス抜きを行うために、分割型12やパッキン16に形成される本実施の形態の特徴的構成について説明する。
図2は、成形用金型10の特徴的構成を説明する分割型12の概略平面視図であり、図3は、図2のA−A線における概略断面図である。図示のように、分割面18に深さD1のパッキン収容凹部12bが形成されており、このパッキン収容凹部12bにパッキン16が一部収容された状態で設けられている。
そして、パッキン16の分割面18から突出した表面部分には、ガス排出通路としてパッキン溝部22が該パッキン16の伸長方向に沿って複数形成されている。本実施の形態では、平面視略矩形状に形成されたキャビティCの各辺に対応するパッキン16に、その長辺部に4つ及び短辺部に3つのパッキン溝部22がそれぞれ設けられている。そして、これらパッキン溝部22は上記各辺部上で略等間隔に配置されており、結果としてパッキン16の全域に略均等に配置された状態となっている。また、パッキン溝部22は、平面視略矩形のパッキン16の各辺の伸長方向に対して略直交して伸長するように形成されている。なお、パッキン溝部22は、その平面視における幅W1が1〜30mmに設定され、その深さD2はパッキン16の高さH1の30〜90%程度に設定されることが好ましい。
上記構成によれば、キャビティCの周囲を囲ってパッキン16を設けることでキャビティCの密封性が確保される一方で、この密封性を維持する目的で使用されるパッキン16に形成したパッキン溝部22によりガスの排出路を確保している。
従って、キャビティCの密封性を維持して発泡材料Pの分割面18、20間への多量の浸入を抑えつつ、ガス排出量を適正に維持することができるので、欠肉部の発生による発泡成形体の品質への悪影響を防止することができ、バリ除去等の後処理の煩雑化も防止される。
特に、パッキン溝部22は、上述のようにパッキン16の全域において略均等に複数形成されている場合には、キャビティC内全域から略一様にガス排出を行うことができる。すなわち、キャビティC内の圧力分布の偏りを抑え、より効率的なガス排出を図ることができる。なお、パッキン溝部22の数や配置位置は、上記形態に限定されるものではなく、成形条件や金型の規模等の種々の条件に応じて適宜変更が可能である。
また、本実施の形態では、分割型12の分割面18に、キャビティC内部から金型外方に向かって伸びる金型溝部としてのベンチレータ24が各パッキン溝部22に連通するように形成されている。このベンチレータ24は、基本的にはキャビティC内から分割面18、20間に発泡材料を浸入させるとともに、ガス排出路としてパッキン溝部22を補助する機能を果たす。ベンチレータ24の深さD3は、0.2mm〜1.0mmに設定されることが好ましく、特に0.3〜0.8mmに設定されることがより好ましい。また、ベンチレータ24の平面視における幅W2は、2〜30mmに設定されることが好ましい。
従って、パッキン溝部22及びベンチレータ24が一体のガス排出路を形成することとなるので、キャビティC内のガス排出効果を高めることができる。特に、ベンチレータ24がガス排出路となっていることから、ベンチレータ24に流れ込むガス流による力で、発泡材料Pの分割面18、20間への浸入をベンチレータ24に集中させることができる。従って、発泡材料Pの分割面18、20間への浸入をベンチレータ24の部分への局所的なものとすることができるので、成形体に発生するバリもベンチレータ24の位置に対応した局所的となり、バリ除去の後処理が極めて容易となる。
なお、本実施の形態においては、ベンチレータ24が、キャビティC内部からパッキン16を介して金型10の外部にまで連通するように伸長していることによって、パッキン溝部22を通るガスは、ベンチレータ24におけるパッキン16よりも金型外方側の位置にある部分24aを通って金型10外部に排出される。すなわち、ベンチレータ24が、パッキン溝部22のガス排出機能をより効率的に補助することができる。
更に、本実施の形態では、分割型12の平面視において、パッキン溝部22の幅W1が、ガス抜き用のベンチレータ24の幅W2よりも小さい幅に形成されている。これによれば、キャビティC内部からベンチレータ24に流れ込むガスがパッキン溝部22の部分で一度絞られることとなるので、ガス排出量が過剰に多くなってしまうことをより確実に防止し、適度なガス排出量を維持し成形性を高めることができる。
図4(A)は、成形用金型10を、図3におけるA方向(金型側面方向)から視た状態を概略的に示した図であり、図4(B)は、図4(A)の要部拡大図(丸囲み部分)である。なお、図4(B)における一点鎖線は、分割面18の高さ位置と同高さ位置を示すものである。
図示のように、パッキン16のパッキン溝部22は、その底部22aが分割型12の分割面18を越えて伸長する深さに形成されている。これにより、成形用金型10が閉じられて分割型14によりパッキン16が押圧されて変形した状態となった場合においても、パッキン溝部22が潰れてしまうこと無くより確実に確保される。従って、キャビティC内のガス排出をより安定して行うことができる。更に、本実施の形態では、パッキン溝部22が、ベンチレータ24の底部24bには到達しない深さに形成されている。これにより、パッキン溝部22が大きくなって、ガス排出路が必要以上に大きくなってしまうことによるガスの抜け過ぎを防止して、より確実に適度なガス排出量を達成し成形性を高めることができる。
上述のように、本実施の形態では、パッキン16のシール性によりキャビティCの密封状態を確保しつつ、この密封状態を維持するためのパッキン16に敢えてパッキン溝部22を形成し、このパッキン溝部22によりガス排出を行うようにしたことで、極めて成形性の高い(ボイドや欠肉部の無い)優れた成形製品が得られる。
図5(A)は、上記構成を有する成形用金型10を用いて発泡材料Pを発泡成形している状態を示す図であり、図5(B)は、パッキン16部分の拡大図である。図から理解されるように、分割面18、20間で変形したパッキン16によりキャビティC内の密封性が確保されており、この状態でパッキン溝部22及びベンチレータ24からガス排出が行われつつ、発泡成形が行われる。なお、成形用金型10の閉塞状態において、パッキン溝部22の底部22aと上型である分割型14の表面14aとの間の隙間H2が、0.3mm〜0.8mm程度となるように、パッキン溝部22の深さ等の各寸法が調整されることが好ましい。
また、本実施の形態では、発泡材料の原料条件や金型温度等の種々の条件に合わせて、特殊な加工を行うこと無くパッキン溝部22の幅(W1)や深さ(D2)等の大きさを調整することができ、発泡材料の原料条件や金型温度等の種々の条件に合わせて、容易にガス排出量を適量にコントロールすることができる。従って、例えば、同じ成形用金型10を用いて成形を行う対象の発泡材料の種類を変更した場合などのガス排出量を増加させる必要がある場合、パッキン溝部22の大きさを広げる(パッキン16により大きく切り込みを入れる)等の加工を行い、ガスの通過面積を変更しガス排出量を増加させることができる。なお、パッキン溝部22の大きさの変更は、パッキン16全体を交換することで行うようにしても良い。これにより、パッキン溝部22の大きさの調節をより簡単に行うことができる。
また、パッキン16による良好なシール性の確保するために、パッキン16全体の体積は、成形用金型10の閉塞状態において上記パッキン収容凹部12bに収容されるパッキン16の部分の体積に対して若干大きい程度に設定することが好ましい。
以下、本発明にかかる成形用金型10を用いて製造した発泡成形体と、従来の成形用金型を用いて製造した発泡成形体との比較を行う。
(比較例)
図6に示すように、成形用金型100の分割面101において、キャビティCの周囲にパッキン102を設けた。このパッキン102に、一部切欠き部分104を形成し、この切欠き部分104でガス排出を行うようにした。なお、パッキン102の切欠き部分104の平面視におけるにおける幅W3は、25mmであった。
この成形用金型100を用いて製造した製品50個の内、23個は不良品であった。特に、パッキン102の切欠き部分104において過剰のガス抜けによる発泡材料の分割面間への浸入量が多くなり、多くの製品についてバリ除去の後処理が煩雑であった。
(実施例)
上記実施の形態における成形用金型10において、パッキン16の高さH1(図3、図4参照)を7mm、パッキン溝部22の平面視における幅W1を5mm、深さD2を3mmに形成した。一方、成形用金型10の分割面18に形成されるベンチレータ24の幅W2は5mm、深さD3は0.5mmに形成し、パッキン収容凹部12bの深さD1を4.0mmに形成した。なお、このように、パッキン溝部22及びベンチレータ24の各寸法を設定したことにより、パッキン溝部22の底部22aとベンチレータ24の底部24bはそれらの深さ方向においてほぼ面一となった。
なお、成形用金型10において、パッキン16やベンチレータ24の大きさ以外に関する構成で、求められるガス排出の量及び発泡材料の分割面への浸入量に影響すると考えられるもの(キャビティの大きさ、金型全体の大きさ、及びパッキンの材質等)は、比較例の金型100とほぼ同一とした。すなわち、これは、本実施例の成形用金型10と比較例の金型100との間におけるガス排出量及び発泡材料の分割面への浸入量の違いが、パッキン16及びベンチレータ24の構成上の差異に起因するものであることを極力明確にするような条件を設定したものである。
この成形用金型10を用いて発泡材料Pの成形を行ったところ、欠肉部やボイドの発生が抑えられる上に、バリの発生もベンチレータ24の部分に局所的に集中させることができた。この成形用金型100を用いた成形では、製造した製品50個の内、不良品を1個とすることができた。従って、上記比較例に対して44%の不良品の減少に成功した。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々の変更が可能である。例えば、パッキン16のパッキン溝部22、及び金型10のベンチレータ24の幅(W1、W2)や深さ等の寸法や形状は、発泡材料Pの原料条件や金型温度等の種々の成形条件に合わせて適宜変更が可能である。
また、ベンチレータ24は、少なくともキャビティC内部と連通して金型外方に向かって伸長するように形成すれば、任意の長さに形成することが可能である。例えば、本実施の形態では、キャビティC内部からパッキン溝部22を介して金型10の外部にまで連通する長さに形成されているが、これに限られるものではなく、金型10の外部にまでは到達しない長さに形成しても良い。
更に、本実施の形態では、パッキン溝部22を有するパッキン16やベンチレータ24を下型である分割型12に設けているが、これらを上型である分割型14に適用するようにしても良い。また、パッキン16やベンチレータ24を、上型である分割型14、及び下型である分割型12の双方に設けても良いし、更に、1個の分割型の分割面に複数のパッキン16を並設するようにしても良い。
また、本実施の形態では図2に示すように、パッキン溝部22が平面視略矩形状のパッキン16における一辺の伸長方向に対して略直交するように形成されているがこれに限られるものではなく、パッキン溝部22がガス排出路としての機能を果たすことができるならば、例えば、パッキン16の上記伸長方向に対して直交すること無く交差して伸長するようにパッキン溝部22を形成しても良い。
更に、ベンチレータ24は、本発明の必須の構成部材ではなく、成形用金型10を、ベンチレータ24を形成すること無く構成しても良い。
10 成形用金型
12 分割型
14 分割型
16 パッキン
18 分割面
22 パッキン溝部
24 ベンチレータ(金型溝部)
C キャビティ
P 発泡材料

Claims (5)

  1. 内部にキャビティを形成するように開閉可能に構成された2つの分割型の少なくとも一方の分割面にパッキンが設けられた成形用金型であって、
    前記パッキンは、その少なくとも一部が前記分割面から突出する状態で設けられ、
    前記パッキンの突出表面には、キャビティ内のガスを排出するガス排出路としてのパッキン溝部が形成され、
    前記パッキン溝部は、その底部が前記分割面を越える深さに形成されたことを特徴とする成形用金型。
  2. 前記分割型の分割面には、
    前記キャビティから金型外方に向かって伸長し前記パッキン溝部に連通する金型溝部が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の成形用金型。
  3. 前記パッキン溝部は、
    前記分割面の平面視において、前記金型溝部の幅よりも小さい幅に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の成形用金型。
  4. 前記パッキン溝部は、
    前記パッキンの全域に略均等に配置されたことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の成形用金型。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の成形用金型を用いて、
    前記分割型の開放状態で発泡材料を投入し、
    前記分割型を閉じて、前記パッキン溝部によりキャビティ内のガス排出を行いつつ前記発泡材料の発泡成形を行うことを特徴とする発泡成形体の製造方法。
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