JP6452541B2 - 深絞り真空包装機の成形部 - Google Patents

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Description

本発明は、二枚の樹脂フィルムの間に食料品等の内容物を挟み込んだ後、内部の空気を抜きながら樹脂フィルム同士を貼り合わせ、内容物を密閉する深絞り真空包装機において、内容物を収容するため、樹脂フィルムに凹部を設ける成形部に関する。
深絞り真空包装機は、生鮮食料品など、劣化が進みやすい内容物を真空包装する際に用いられ、成形部と包装部を中心に構成され、樹脂フィルムが巻かれたロールを上下二箇所に組み込み、引き出された樹脂フィルムの両側端をチェーンなどで挟み込み、規定の長さだけ送り出す駆動機能も備えている。なお下方に組み込んだ樹脂フィルムは、ロールから引き出された直後、成形部に到達し、そこで内容物を収容するための凹部を設ける。成形部では、樹脂フィルムを加熱すると同時に金型に嵌め込み、樹脂フィルムを塑性変形させ、金型に応じた凹部を転写する。
成形部を通過した樹脂フィルムは、凹部が規則的に並び、そこに人手または供給装置で、各種内容物を詰め込む。その後、上方に組み込んだ樹脂フィルムで凹部を塞ぎ、次の包装部に送り込まれる。包装部では、二枚の樹脂フィルムの間の空気を抜き、さらに凹部の外周で二枚の樹脂フィルムを貼り合わせ、内部を完全に密閉する。そして成形部を出た後、樹脂フィルムを定位置で切断すると、内容物が小分けされ、包装作業が完了する。
本願発明に関連のある技術の例として後記特許文献が挙げられる。特許文献1では、家電製品のキャビネットなどの製造に用いるプラスチック絵付け成形用金型が開示されている。この金型で成形を行う際は、絵付け用シートを金型のキャビティ面に被せ、次にプラスチックを射出する手順となるが、絵付け用シートの位置ずれを防止するため、金型のキャビティ面に吸引孔を設け、絵付け用シートを金型に密着させている。さらに吸引孔から空気を抜く際、真空モレによる成形不良を防止するため、金型のパーティング面に環状のパッキンを組み込んである。
特許文献2では、フィルムに形成される凹部の底面の肉厚を増大可能で、しかも製造コストを抑制可能な深絞り型包装機が開示されている。この文献において、フィルムに凹部を成型する成型装置は、フィルムの上方から凸状の雄型を押し付ける構造で、さらにフィルムを引き伸ばすため、フィルムの下方から圧縮空気を供給する機能を備えている。
この成型装置で凹部を成型する際、雄型の下面に接触するフィルムは、双方の摩擦などで伸張が抑制され、肉厚の低下も抑制される。しかし雄型の外周囲の上方部位では、雄型の形状や隣接する仕切り壁により、フィルムと雄型が非接触になり、下方からの圧縮空気でフィルムの伸張が促進され、肉厚が低下する。雄型は、雌型と比べて安価で、装置全体の製造コストも抑制できる。また雄型形状と圧縮空気により、凹部の側面を集中的に薄肉化することができ、相対的に凹部の底面の肉厚が増大する。
特許文献3では、包装された射出成形品の製造方法などが開示されており、高度な清浄性を要求される医療用器具や医薬品などでの使用を想定している。この製造方法の手順は、まずボトムフィルムに凹状のポケットを形成し、そこに医療用器具などを収容した後、ポケットをトップフィルムで封止し、包装された射出成形品を完成させるもので、ポケットの形成時、ボトムフィルムは、熱源と非接触で加熱する。その結果、ポケットの内周面が異物と触れることなく密閉され、内部の清浄性を確保できる。
実開平5−5419号公報 特開2002−145215号公報 特開2014−125247号公報
深絞り真空包装機は、樹脂フィルムと内容物を供給すると、ほぼ自動的に真空包装が完了し、利便性に優れているが、樹脂フィルムに凹部を設けるための金型は、金属ブロックを削り出して製造するため、相応の費用が必要となる。そのため深絞り真空包装機は、大量生産を前提とする食料品工場を中心に普及しており、小売店が自前で製造する惣菜など、生産数が限られる状況では、普及が進んでいない。なお金型については、前記特許文献2のように、凸状の雄型を用いることで、製造コストを抑制できる。しかし雄型でも、金属ブロックを削り出して製造することに変わりはなく、製造コストの大幅な抑制は難しい。
仮に、深絞り真空包装機の金型が従来よりも安価に供給できるならば、その普及が一段と促進され、惣菜などの少量生産品についても、無理なく真空包装を導入可能で、消費期限の延長など、消費者と供給者の双方がその利益を享受できる。また金型が安価であれば、様々な形状の物を事前に確保することができ、多品種少量生産にも柔軟に対応できる。ただし金型が安価であっても、樹脂フィルムに凹部を形成する工程は、従来と同等の信頼性を確保する必要がある。
本発明はこうした実情を基に開発されたもので、樹脂フィルムに凹部を設けるための金型が安価で、しかも従来と同等の信頼性が確保された深絞り真空包装機の成形部に関する。
前記の課題を解決するための請求項1記載の発明は、各種内容物を収容するため、主フィルムに凹部を設ける深絞り真空包装機の成形部であって、前記主フィルムの上方に位置する加熱器と、該主フィルムの下方に位置し且つ内圧を低下可能な吸引箱と、該加熱器または該吸引箱のいずれかを上下に変位させる昇降シリンダと、からなり、該吸引箱の上面には開口を設け、該開口の外周には、前記凹部を形成する金型を載せるための支持面を設け、前記金型は、前記開口の入口を塞ぐ平板状の額板と、該額板の中央を陥没させた部位で略水平に展開する底板と、該底板の外縁から立ち上がる側板と、が一体化した構造で、該側板の上端は該額板で取り囲まれており、さらに該額板の外縁が前記支持面に載り、前記底板および前記側板は前記開口の中に入り込み、さらに該底板と該側板の一方または両方には、空気の流路となる通気孔を設けてあり、前記主フィルムが前記底板と前記側板に倣うことで前記凹部が形成され、前記額板と前記支持面との間には、密閉性を確保するため下パッキンを挟み込んであり、前記主フィルムと前記金型との密閉性を確保するため、前記額板の上面には、前記側板の上端を取り囲む切り抜きを設けた上パッキンを載せてあり、該上パッキンは、前記支持面よりも内側の領域に展開しており且つ皿ネジを用いて該額板に固定してあることを特徴とする深絞り真空包装機の成形部である。
本発明は、上下二枚の樹脂フィルムの間に各種内容物を収容し、その周辺の空気を吸引すると共に、内容物を囲むように上下の樹脂フィルムを貼り合わせ、内部を密閉する深絞り真空包装機において、下方の樹脂フィルムに凹部を設ける成形部に特徴を有する。したがって、樹脂フィルムを送り出す駆動機構や、上下の樹脂フィルムを貼り合わせる包装部や、包装後の樹脂フィルムを切断するカッターなどは、従来と何ら変わりがない。なお下方の樹脂フィルムは、以降、主フィルムと称することとする。また凹部は、各種内容物を収容するための空間である。
成形部は、主フィルムの上方に位置する加熱器と、下方に位置する吸引箱を中心に構成され、主フィルムが加熱器と吸引箱との間を通り抜ける際、凹部が形成される。加熱器は、主フィルムを塑性変形可能な温度に加熱する役割を有し、加熱器の下面に主フィルムを接触させ、熱を伝達させる。なお熱源には、通電による発熱体を用いるが、温度が適正な範囲に収まるよう、何らかのセンサーを組み込み、常時監視を続ける。
吸引箱は、内部が空の箱状だが、その上面は、覆われることなく開口となっており、そこを塞ぐように金型を載せる。なお開口の外縁は、吸引箱の側壁に取り囲まれ、この側壁の上面は、金型の載せるための支持面と称することとする。また吸引箱には真空ポンプが接続され、内部の圧力を低下させることができる。したがって、加熱された主フィルムを金型の上面に接触させ、吸引箱内の圧力を低下させると、主フィルムが金型に吸い寄せられ、金型の形状が主フィルムに転写され、凹部が形成される。
昇降シリンダは、加熱器と吸引箱との間隔を変位させる役割を有する。主フィルムに凹部を形成する際は、主フィルムを加熱しながら金型に吸い寄せるため、加熱器と吸引箱を接近させる必要がある。しかしそれ以外のタイミングでは、主フィルムが円滑に移動できるよう、加熱器と吸引箱のいずれも、主フィルムから遠ざける必要がある。そこで昇降シリンダにより、規定のタイミングで加熱器と吸引箱との間隔を変位させ、凹部が円滑に形成できるようにする。なお昇降シリンダは、その目的を達成できるならば、方式や配置は自在である。
金型は、金属ブロックを削り出して製造する訳ではなく、板金を曲げ加工や溶接などで所定の形状に仕上げたもので、底板と側板と額板の三要素で構成される。そのうち底板は、金型の底に位置し、概ね水平に展開する部位である。また側板は、底板の外縁から立ち上がる壁状の部位だが、傾斜や湾曲を有することがあるほか、中間に段差を設けることもある。なお側板は、底板の全外縁から立ち上がり、途切れることのない環状となる。
次に額板は、側板の上端から外側に展開する水平な部位で、吸引箱上面の開口を塞ぐ役割を有し、額板の外縁は、吸引箱の支持面に載る。したがって額板は、凹部の形成には関与しない。さらに額板は、側板上端の全外縁を取り囲み、途中で分断されることはない。なお、一個の金型で複数の凹部を設ける場合、一枚の額板に複数組の底板および側板を形成する。
通気孔は、吸引箱の負圧により外部の空気を引き込み、金型の表面に主フィルムを密着させる役割を有する。そのため主フィルムと接触する底板と側板には、通気孔を設ける。ただし通気孔の大きさや配置は、実際の試作結果などに基づき、都度決めるもので、底板と側板のいずれか一方だけに通気孔を設けることもある。なお金型の額板については、負圧を維持するため、吸引箱の開口を塞ぐ役割を有し、通気孔を設けることはなく、この額板よりも下に位置する底板および側板が開口の中に入り込む。
下パッキンは、吸引箱の支持面と金型の額板との間に挟み込み、この面の密閉性を確保する役割を有する。前記の通気孔を正常に機能させるには、通気孔以外からの空気の流入を阻止する必要がある。また本発明では、板金による金型を用いており、その表面にわずかな湾曲などが残り、密閉性を確保できないことがある。そこで支持面と額板との間に下パッキンを挟み込み、この面の密閉性を確保する。そのため下パッキンは、途切れることのない環状となる。なお額板は、通常、ボルトで吸引箱に取り付ける。このボルトを差し込むため、支持面にはメネジを設け、額板と下パッキンには孔を設ける。
上パッキンは、主フィルムと金型との密閉性を確保する役割を有し、金型の額板の上面に載り、側板の上端を囲む環状である。主フィルムに凹部を形成する際、仮に主フィルムと額板との間から空気が流入し、通気孔に吸い込まれると、主フィルムの引き寄せが弱くなり、凹部を正常に形成できない恐れがある。特に本発明では、板金による金型を用いており、主フィルムと金型(額板)が直に接触した際、密閉性の確保が難しい。そこで上パッキンを用いることで、主フィルムと額板との間の密閉性が確保され、主フィルムを確実に金型に引き寄せることができる。なお上パッキンは、密閉性を維持する適度な柔軟性や、耐熱性など、所定の性能を備えた素材を使用する。
このように、底板と側板と額板とからなり板金による金型を用いることで、従来の金属ブロック削り出しの物と比較し、製造コストを削減できる。併せて金型が軽量化され、保管や取り扱いが容易になる。さらに金型と吸引箱との境界に下パッキンを挟み込み、且つ金型と主フィルムとの境界に上パッキンを挟み込み、金型の上下両方の密閉性を確保することで、平面度の向上が難しい板金を用いた金型であっても、空気の流れを厳密に管理でき、高い精度で凹部を形成することができる。
請求項1記載の発明のように、深絞り真空包装機の成形部において、主フィルムに凹部を設けるための金型は、底板と側板と額板とからなる板金構造の物を用いることで、一般的な削り出し構造の物と比べ、安価に製造することができる。そのため、深絞り真空包装機自体の価格を抑制できるほか、形状の異なる金型を多数所有することも容易で、包装形態の多様化に無理なく対応できる。これらの効果により、小売店が自前で製造する惣菜など、多品種少量生産を前提とする場合でも、その包装に深絞り真空包装機を無理なく導入できるようになり、衛生面や保存性など、消費者にも利益をもたらすことができる。
吸引箱の支持面と金型の額板との間に下パッキンを挟み込むことで、金型の下面から吸引箱に向かう空気の流れが阻止され、吸引箱への空気の流路は、金型の通気孔だけとなる。さらに、金型の額板に上パッキンを載せることで、主フィルムと金型との間から通気孔に向かう空気の流れが阻止される。その結果、吸引箱内の負圧は、主フィルムを金型に密着させる役割だけに使用され、凹部の成形工程が確実に実施され、信頼性を確保できる。
深絞り真空包装機の全体構成と、本発明による成形部の詳細を示す斜視図である。 図1に描いた吸引箱と金型の詳細を示す斜視図である。 図1の成形部と主フィルムとの位置関係を示す斜視図で、成形部を構成する吸引箱は、主フィルムの下方に位置するが、加熱器は上方に位置する。 主フィルムに凹部を形成する過程を示す縦断面図である。 金型の形状例を示す斜視図で、底板と側板を二組設け、一工程で二箇所に凹部を形成することができる。
図1は、深絞り真空包装機の全体構成と、本発明による成形部11の詳細を示す。深絞り真空包装機は、生鮮食料品などの内容物62を真空包装するための装置で、主フィルム51と封止フィルム56との間に内容物62を挟み込んだ後、内部の空気を抜きながら両フィルム51、56を貼り合わせる機能を有する。ここで使用する主フィルム51と封止フィルム56は、いずれも合成樹脂製で、心棒52、57に巻かれたロール状の物を装置に組み込む。なお主フィルム51が巻かれた心棒52は、装置端部の下方に配置され、そこから引き出された主フィルム51は、上方の案内ローラ54に接触し、その先は水平方向に進む。
成形部11は、主フィルム51に凹部53を形成するための部位で、主フィルム51上方の加熱器14と、下方の吸引箱13と、吸引箱13を変位させる昇降シリンダ15などで構成される。なお凹部53は、内容物62を収容するための空間で、内容物62に応じた大きさや深さを確保してある。そして、主フィルム51が成形部11を通過した後、人手または供給装置により、凹部53に内容物62が詰め込まれ、次に、主フィルム51の上面に封止フィルム56を覆い被せる。この封止フィルム56が巻かれた心棒57は、装置上方に配置され、そこから引き出された封止フィルム56は、二個の案内ローラ58、59を経て、主フィルム51の上面に到達する。
主フィルム51と封止フィルム56は、横幅を揃えてある。ただし材質や厚さは異なる場合が多い。また実際の装置では、両フィルム51、56を規定のタイミングで規定の長さだけ送り出すため、チェーンなどを用いた駆動機構を備えている。そのほか封止フィルム56が接触する二個の案内ローラ58、59の間には、何らかの印刷装置を組み込むことがある。
主フィルム51と封止フィルム56が接触した後、これらは包装部41に到達する。包装部41は、両フィルム51、56下方の可動箱43と、上方の固定箱45などで構成され、可動箱43は、昇降シリンダ44により上下に変位する。そして内容物62が収容された凹部53が包装部41の定位置に到着すると、昇降シリンダ44で可動箱43を持ち上げ、可動箱43と固定箱45で両フィルム51、56を挟み込む。その際、内部を負圧にし、凹部53から空気を抜き、併せて両フィルム51、56を局地的に加熱し、凹部53を囲むように両フィルム51、56を貼り合わせ、内容物62を密閉する。その後、可動箱43を下降させ、両フィルム51、56を解放する。
包装部41を通過した両フィルム51、56は、横カッター46と縦カッター48で規定の大きさに切断され、内容物62が真空包装された製品61が完成する。なお横カッター46は、両フィルム51、56の幅方向に伸び、昇降シリンダ47で上下に変位する。そのため、凹部53が所定の位置にある際、昇降シリンダ47を一時的に上昇させると、両フィルム51、56の幅方向に切れ目が入る。次に円盤状の縦カッター48で両フィルム51、56の側部を切断すると、凹部53が個別に切り出され、製品61が完成する。
主フィルム51に凹部53を設ける成形部11は、吸引箱13と加熱器14などで構成され、吸引箱13は単純な箱状だが、その上面は塞がれることなく開口19となっている。なお開口19を取り囲む側壁の上部は、水平に仕上げた支持面17としてある。また吸引箱13内を負圧にするため、真空ポンプ66を用いており、空気の流路となるパイプ67が双方を結んでいる。そして吸引箱13には、下パッキン34を挟んで金型21を組み込み、金型21に上パッキン37を載せる。
金型21は、主フィルム51に凹部53を形成するために用い、板金を曲げ加工や溶接で所定の形状に仕上げた構造で、その中央を陥没させることで底板26と側板28が形成され、側板28上端の外側は、水平に展開する額板24となっている。底板26と側板28は、主フィルム51に凹部53を転写する型として機能し、その内周面に主フィルム51を密着させる。そのため底板26と側板28には、空気を吸い込む通気孔29を複数設け、吸引箱13内が負圧になると、主フィルム51が吸い寄せられ密着する。
額板24は、金型21を吸引箱13に載せるための部位で、額板24の外縁部が支持面17に載る。さらに額板24は、吸引箱13内の負圧を維持するため、開口19を塞ぐ役割もある。そのため額板24には、空気の流路となる孔を設けない。なお金型21は、板金を用いるため、その厚さは最大でも3mm程度で、曲げ加工や溶接など、基礎的な技術だけで所定の形状に仕上げることができ、コストアップの要因となる切削加工は不要である。
このように金型21は、切削加工で仕上げる訳ではない。そのため、吸引箱13の支持面17と金型21の額板24との境界には、額板24の湾曲などによる微小な隙間が生じ、そこから吸引箱13に空気が流れ込む恐れある。これを防止するため、支持面17と額板24との境界に下パッキン34を挟み込む。さらに金型21と主フィルム51との間から通気孔29へ向かう空気の流れを防ぐため、額板24の上面に上パッキン37を載せる。上パッキン37の内面は、側板28上端に沿った形状としてある。
図2は、図1に描いた吸引箱13と金型21の詳細を示す。金型21は、下パッキン34を挟んで支持面17に載せるが、金型21を固定するため、皿ネジ36を用いる。そのため額板24の外縁には、皿孔25を十箇所に設けてある。皿孔25は皿ネジ36の頭部全体を収容し、上方への突出を防止する。また皿ネジ36に対応し、下パッキン34には丸孔35を設け、支持面17にはメネジ18を設けてある。そして皿ネジ36を締め付けることで、下パッキン34が押し潰され、支持面17と額板24との隙間が完全に消滅する。
上パッキン37は、側板28上端の外縁を囲むような枠状で、皿ネジ40で額板24に固定する。この皿ネジ40と螺合できるよう、額板24には、メネジ27を八箇所に設け、さらに上パッキン37には、皿孔39を設けてある。皿ネジ40の頭部は、皿孔39に収容され、上パッキン37から突出することはない。なお上パッキン37は、密閉性のほか、高温環境や衛生面にも配慮した素材を使用する。下パッキン34についても、密閉性などに問題がない素材を使用する。
図3は、図1の成形部11と主フィルム51との位置関係を示し、成形部11を構成する吸引箱13は、主フィルム51の下方に位置するが、加熱器14は上方に位置する。吸引箱13は、図2に示す各要素を組み上げた状態で、吸引箱13に金型21が固定され、さらに金型21に上パッキン37が固定されている。なおこれらを固定する皿ネジ36、40の頭部は、突出することなく周囲に埋め込まれ、主フィルム51の移動を妨げることはない。そして上パッキン37の内面には、底板26と側板28が露見しており、そこに主フィルム51を密着させる。また吸引箱13は、昇降シリンダ15で上下に変位可能で、吸引箱13が上方に変位すると、上パッキン37が主フィルム51に接触する。
加熱器14は、主フィルム51を塑性変形可能な温度に加熱するために用い、主フィルム51と接触する伝熱板33や、熱源となる発熱体32や、不要な熱伝導を防止するカバー31などで構成され、発熱体32は、伝熱板33に貼り付けられ、発生した熱は、速やかに伝熱板33を温める。なお実際の加熱器14には、温度センサーを組み込み、主フィルム51が適切な温度に加熱できるように制御し、低温時または過熱時は装置全体を停止させる。
伝熱板33は、主フィルム51の上に位置するが、通常、双方は接触していない。しかし主フィルム51を金型21に密着させる際に限り、昇降シリンダ15で吸引箱13を上昇させ、主フィルム51を押し上げて伝熱板33に接触させ、所定の温度に到達させる。それと同時に吸引箱13の内圧を低下させ、主フィルム51を金型21に引き寄せ、所定の形状に変化させる。
図4は、主フィルム51に凹部53を形成する過程を縦断面で示している。成形部11は、吸引箱13と加熱器14などで構成され、吸引箱13と加熱器14との間に主フィルム51が通過する。なお吸引箱13には金型21を載せてあり、金型21の底板26と側板28は、吸引箱13の開口19の中に入り込んでおり、さらに底板26と側板28には、通気孔29を設けてある。また金型21の外縁下面には、下パッキン34を組み込み、そこからの空気の流入を防いでいる。その結果、吸引箱13内の空気をパイプ67から抜くと、通気孔29から空気が吸い込まれる。そのほか加熱器14の最下面は伝熱板33で覆われ、主フィルム51を塑性変形する温度まで加熱することができる。
図4上方の「初期状態」では、吸引箱13と加熱器14のいずれも主フィルム51から離れており、さらに主フィルム51は停止している。なおこの際、伝熱板33は所定の温度に到達しているが、吸引箱13の内圧は低下していない。そして昇降シリンダ15を作動させ、吸引箱13を上昇させると、やがて上パッキン37が主フィルム51に接触し、引き続き上昇を続けると、主フィルム51が押し上げられ伝熱板33に接触し、次の「加熱」状態になる。主フィルム51は、伝熱板33に接触すると、直ちに塑性変形可能な温度に到達する。
「加熱」後、吸引箱13内の空気をパイプ67から抜き、内圧を低下させると、次の「吸引成形」が進んでいく。その際、主フィルム51と上パッキン37は密着しており、主フィルム51の下から通気孔29に向けて空気が流れることはない。そのため吸引箱13の内圧を低下させると、加熱された主フィルム51は、何らの抵抗も受けることなく引き伸ばされ、底板26や側板28に密着し、金型21に応じた形状が転写される。なお主フィルム51を変形させる際を考慮し、伝熱板33の下面には、主フィルム51上面に空気を送り込む溝などを設けることがある。また変形した主フィルム51は、伝熱板33から離れることで温度が低下し、形状が定着する。
「吸引成形」を終えると、吸引箱13の内圧を回復させ、凹部53が金型21から離脱できるようにする。そして昇降シリンダ15で吸引箱13を下降させると、図4下の「型抜き」に描くように、吸引箱13や加熱器14は、主フィルム51から離れる。そこで主フィルム51を所定の長さだけ送り出すと、再び「初期状態」に戻り、以降、この工程を繰り返す。なお吸引箱13は、工程に応じて内圧を変化させる必要があり、実際の装置では、パイプ67の途中に電磁弁を組み込む。
図5は、金型22の形状例を示す。主フィルム51に設ける凹部53は、図4のように、一工程で一箇所に限定される訳ではなく、生産性向上のため、複数箇所とすることもある。その場合、図5のように、一個の金型22において、底板26と側板28とからなる陥没を複数組設ける。なお図5の金型22は、円錐状の凹部53を二箇所に設けることができ、底板26を円形として、その外縁を囲む側板28を円錐形として、側板28上端の外側を額板24で覆っている。そのほか、額板24で吸引箱13の開口19を塞ぐことや、支持面17と額板24との間に下パッキン34を挟み込むことは、これまでと同じである。
上パッキン38は、底板26と側板28とからなる二箇所の陥没を一括して囲むため、円形の切り抜きを二箇所に設けてある。当然ながらこの切り抜きは、側板26上端に沿った形状である。図5に示すように、金型22や上パッキン38の形状は、主フィルム51に形成する凹部53に応じて自在に変更することができる。本発明では、金型21、22に板金を用いるため、その製造コストを抑制しやすく、複数の金型21、22を在庫として所持することも容易で、費用を抑制しながら多品種少量生産を実現できる。
11 成形部
13 吸引箱
14 加熱器
15 昇降シリンダ(吸引箱用)
17 支持面
18 メネジ
19 開口
21 金型
22 金型(図5に示す物)
24 額板
25 皿孔
26 底板
27 メネジ
28 側板
29 通気孔
31 カバー
32 発熱体
33 伝熱板
34 下パッキン
35 丸孔
36 皿ネジ(金型の取り付け用)
37 上パッキン
38 上パッキン(図5に示す物)
39 皿孔
40 皿ネジ(上パッキンの取り付け用)
41 包装部
43 可動箱
44 昇降シリンダ(可動箱用)
45 固定箱
46 横カッター
47 昇降シリンダ(横カッター用)
48 縦カッター
51 主フィルム
52 心棒(主フィルム用)
53 凹部
54 案内ローラ(主フィルム用)
56 封止フィルム
57 心棒(封止フィルム用)
58 案内ローラ(封止フィルム用・上側)
59 案内ローラ(封止フィルム用・下側)
61 製品
62 内容物
66 真空ポンプ
67 パイプ

Claims (1)

  1. 各種内容物(62)を収容するため、主フィルム(51)に凹部(53)を設ける深絞り真空包装機の成形部(11)であって、
    前記主フィルム(51)の上方に位置する加熱器(14)と、該主フィルム(51)の下方に位置し且つ内圧を低下可能な吸引箱(13)と、該加熱器(14)または該吸引箱(13)のいずれかを上下に変位させる昇降シリンダ(15)と、からなり、
    該吸引箱(13)の上面には開口(19)を設け、該開口(19)の外周には、前記凹部(53)を形成する金型(21又は22)を載せるための支持面(17)を設け、
    前記金型(21又は22)は、前記開口(19)の入口を塞ぐ平板状の額板(24)と、該額板(24)の中央を陥没させた部位で略水平に展開する底板(26)と、該底板(26)の外縁から立ち上がる側板(28)と、が一体化した構造で、該側板(28)の上端は該額板(24)で取り囲まれており、さらに該額板(24)の外縁が前記支持面(17)に載り、
    前記底板(26)および前記側板(28)は前記開口(19)の中に入り込み、さらに該底板(26)と該側板(28)の一方または両方には、空気の流路となる通気孔(29)を設けてあり、
    前記主フィルム(51)が前記底板(26)と前記側板(28)に倣うことで前記凹部(53)が形成され、
    前記額板(24)と前記支持面(17)との間には、密閉性を確保するため下パッキン(34)を挟み込んであり、
    前記主フィルム(51)と前記金型(21又は22)との密閉性を確保するため、前記額板(24)の上面には、前記側板(28)の上端を取り囲む切り抜きを設けた上パッキン(37又は38)を載せてあり、該上パッキン(37又は38)は、前記支持面(17)よりも内側の領域に展開しており且つ皿ネジ(40)を用いて該額板(24)に固定してあることを特徴とする深絞り真空包装機の成形部。
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