JP2009285944A - 発泡成形用の金型及び発泡成形方法 - Google Patents

発泡成形用の金型及び発泡成形方法 Download PDF

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Koichi Haraguchi
浩一 原口
Masanori Okumura
正則 奥村
Daiichi Itabashi
大一 板橋
Hirokazu Igarashi
祐和 五十嵐
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Abstract

【課題】パッキンによるシール性が良好であり、成形品にバリが発生することを十分に防止することができる発泡成形用の金型と、この金型を用いた発泡成形方法を提供する。
【解決手段】溝6は、合わせ面3aから深く凹陥する深溝部6aと、この深溝部6aのキャビティ7側に位置し、該深溝部6aに連なる浅溝部6bとを有している。パッキン5は、深溝部6aに挿入された基部5aと該基部5aに連なり、浅溝部6bに係合した張出部5bとを備えている。パッキン5の上面は、キャビティ7側の内側上面5eと、キャビティ7から離隔する側の外側上面5fとからなり、これらの境界に突出部5cが設けられている。型締め状態において張出部11bのキャビティ7側の先端部がキャビティ7へ若干突出する。
【選択図】図2

Description

本発明は、シートパッド等の樹脂発泡成形品を製造するための金型に係り、特に型同士の合わせ面にパッキンを設けた金型に関する。また、本発明は、この金型を用いた発泡成形方法に関するものである。
I. 自動車シートパッド用の軟質ポリウレタンフォームなどの発泡成形は、金型内でウレタン原液を発泡させて成形される。第9図(a)は、従来の金型の一例を示す断面図であり、合わせ面付近を拡大して示している。この金型10は、上型11及び下型12を備えている。
II. また、実開昭62−185015には、上型と下型との合わせ面にパッキンを設けることが記載されている。
第10図は、この実開昭62−185015のパッキン部分の断面図である。下型40の合わせ面41に溝42が設けられ、パッキン50の下部51が該溝42に嵌合している。
パッキン50の上部は合わせ面41から突出し、且つ合わせ面41に沿って広がった板状部52となっている。なお、この板状部52の一部に凸部53が設けられている。
特開平9−99445 実開昭62−185015
I. 第9図(a)では、上型11と下型12とは隙間なくぴったりと当接するように図示されているが、鋳物などよりなる上型11及び下型12の寸法精度のために、実際には上型11と下型12との合わせ面には若干の隙間があいており、バリが発生する。
また、第9図に示す従来の金型10を用いて発泡成形を行う場合、第9図(a)のように上型11と下型12との合わせ面11a,12aのキャビティ側の縁部に若干の食い違いが存在することがあった。即ち、キャビティ12に対し出入りする段差が存在することがあった。
このような段差部が存在すると、第9図(b)のように成形品13に段差部13aが生じ、成形品の美観を低下させることがある。
成形品がシートパッドの場合、第8図(b)の通り成形品(シートパッド)13に表皮材9を被装するが、この表皮材9が薄い場合には上記の段差部13aが表皮材の表(おもて)側に現われ、シートパッドの美観が低下することがある。なお、第8図(b)の寸法dは段差部13aの段差を示している。
また、上記のような成形品13の段差部13aは、成形品13の周囲部分に比べて、気泡が少なく硬度が高いものとなり易く、手指などで該段差部13aに触れたときに異和感が感取されることがある。
II. 実開昭62−185015の金型(第10図)にあっては、板状部52は、キャビティ43側の縁部44から若干離隔(後退)している。そのため、型締めした状態では、合わせ面に、板状部52のキャビティ43側に隙間が存在している。
かかる実開昭62−185015の金型を用いてシートパッドの成形を行うと、上型とパッキン50との間に若干でも気密性の低い箇所が存在するときには、ウレタンが合わせ面に侵入し、バリが発生する。
このバリは、脱型後に作業員が切除するようにしており、シートパッド等の成形品の製造に手間及びコストが掛かる原因となっていた。
また、上記実開昭62−185015の板状部52は、型締め時にほぼ上下方向にのみ、即ち、板厚を減じる方向にのみ圧縮するものである。このような板状部52は、シール性が甘くなり易い。そして、パッキン50のシール性が不足すると、発泡成形時にガスがパッキンと合わせ面との間を通過し、ウレタンが合わせ面に入り込み易くなる。ウレタンが合わせ面に入り込むと、上記の通りバリが生じてしまう。また、ウレタンがパッキンに接触すると、徐々にパッキンの弾性力も低下し、シール性が低下する。
III. 本発明は、上記従来の問題点を解決し、パッキンによるシール性が良好であり、成形品にバリが発生することを十分に防止することができる発泡成形用の金型と、この金型を用いた発泡成形方法を提供することを目的とする。
請求項1の発泡成形用の金型は、型同士の合わせ面に、金型のキャビティに沿って延在したパッキンが設けられており、該パッキンは、該合わせ面に設けられた溝に保持されている発泡成形用の金型において、該溝は、深溝部と、該深溝部に連なった浅溝部とを備えており、該パッキンは、該深溝部に嵌合した基部と、該基部に連なり、該浅溝部に係合する張出部とを備えていることを特徴とする。
請求項2の発泡成形用の金型は、請求項1において、前記浅溝部は、前記深溝部よりも金型のキャビティ側にのみ設けられていることを特徴とする。
請求項3の発泡成形用の金型は、請求項1又は2において、前記張出部は、前記溝幅方向の途中部分が前記合わせ面よりも最も高位となるように突出する最高位部となっており、該パッキンの該最高位部よりもキャビティ側は、キャビティ側ほど前記合わせ面からの突出高さが減少するよう構成されていることを特徴とする。
請求項4の発泡成形用の金型は、請求項1ないし3のいずれか1項において、前記深溝部は、深さ方向の途中部分に、奥底側よりも幅が小さいネック部を有しており、パッキンの前記基部には、該ネック部に対し奥底側から係合した側方突出部を有することを特徴とする。
請求項5の発泡成形用の金型請求項1ないし4のいずれか1項において、前記浅溝部は前記キャビティに臨んでおり、型締めした状態において該パッキンの縁部がキャビティへ突出していることを特徴とする。
請求項6の発泡成形用の金型は、請求項5において、前記型締め状態におけるパッキン縁部のキャビティへの突出長さが5mm以下であることを特徴とする。
請求項7の発泡成形用の金型は、請求項1ないし6のいずれか1項において、前記合わせ面は上型と下型との合わせ面であることを特徴とする。
請求項8の発泡成形用の金型は、請求項1ないし7のいずれか1項において、発泡成形用の金型は上型、下型及び中子型を有することを特徴とする。
請求項9の発泡成形方法は、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の発泡成形用の金型を用いたものである。
請求項10の発泡成形方法は、請求項9において、シートパッドを発泡成形することを特徴とする。
本発明の金型及び発泡成形方法にあっては、溝は、深溝部と、該深溝部に連なった浅溝部とを備えており、パッキンは、該深溝部に嵌合した基部と、該基部に連なり該浅溝部に係合する張出部とを備えている。張出部に対しガス圧が強く加えられても、基部が深溝部に深く係合していると共に、張出部が浅溝部に係合しているので、パッキンの退動方向への変形が防止される。これにより、型締めした状態の合わせ面においてパッキンよりもキャビティ側に空隙が生じたり、この空隙が拡大したりすることが防止(抑制を含む。以下、同様。)され、バリの発生が防止される。
請求項2の金型は、浅溝部が深溝部よりも金型のキャビティ側にのみ設けられており、張出部は深溝部よりもキャビティ側にのみ存在している。このため、深溝部のキャビティと反対側にも浅溝部を設けた場合と比べて、型締めしたときにキャビティ側の張出部が強く圧縮され、上型などの相手方の型に強く密着するので、シール性が良好になる。
また、請求項2の金型によると、張出部をキャビティ側に設けているので、型締め状態において張出部とキャビティとの間隔を小さくしたり、張出部とキャビティ面とを面一としたり、あるいは、張出部をキャビティ面から突出させたりすることができる。これにより、成形品にバリが発生することを防止することができる。
さらに、請求項2の金型によると、深溝部よりもキャビティ側に浅溝部を設けているので、浅溝部の幅分だけ深溝部がキャビティから離隔させて配置される。そのため、深溝部とキャビティとの間の距離(厚み)が大きくなり、これにより、この部分(深溝部とキャビティとの間の部分)の金型強度が大きくなる。
請求項3の金型は、パッキンのうち張出部に最高位部を有している。型締めに際し、この最高位部が上型などの相手方の型に強く密着するので、シール性が良好になる。
請求項4の金型は、深溝部のネック部に対してパッキンの側方突出部が係合するので、パッキンの取付強度が高い。また、このようにパッキンがネック部に係合するので、型締めした状態の合わせ面においてパッキンよりもキャビティ側に空隙が生じたり、この空隙が拡大したりすることが防止され、バリの発生が防止される。
なお、発泡成形用の金型のメンテナンス等のためにパッキンを取り外すときには、パッキン長手方向の一部で基部を深溝部から離脱させると、その後、パッキンの残余の部分を引っ張って深溝部から容易に取り出すことができる。
請求項5の金型は、型締めした状態においてパッキンの縁部がキャビティに突出しているため、合わせ面に樹脂が入り込むことがなく、バリが発生しない。
また、合わせ面のキャビティ側の縁部に若干の食い違いがあっても、成形品には、この合わせ面に沿ってパッキンの抜け痕よりなる凹条が存在することになり、目立った段差部は生じない。このため、成形品の美観が良好になると共に、手指などで触れたときの感触も良好となる。
請求項6の通り、上記のパッキン縁部のキャビティへの突出長さを5mm以下とすることにより、突出したパッキン縁部によって成形体に形成される凹条が浅いものとなる。このように凹条が浅いと、成形体の特性低下が防止される。
請求項7のように、本発明は上型と下型との合わせ面に適用するのに好適である。
請求項8のように、金型が中子型を持つ三つ割型であると、金型開閉の際に中子の干渉を避けるため、上型と下型の割り位置は、サイド部の中央部付近にくることになる。この部分は特に表皮を押し上げる部分であり、ここに硬化部が存在するとハイライトしやすいため、ここに適用することで最も良い効果が得られる。
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。第1図(a)は実施の形態に係るシートバックパッド成形用金型の右半分の縦段面図、第1図(b)は第1図(a)のB部分の拡大図、第2図は型締め直前におけるB部の拡大図である。
この実施の形態に係る金型1は、自動車のシートバックパッドを成形するためのものであり、上型2と、下型3と、上型2に保持された中子4とを備えている。この上型2と下型3との合わせ面にパッキン5が設けられている。
第2図に明示の通り、この実施の形態では、下型3の合わせ面3aにパッキン取付用の溝6がキャビティ7を取り巻くように延設されている。
溝6は、合わせ面3aから深く凹陥する深溝部6aと、この深溝部6aのキャビティ7側に位置し、該深溝部6aに連なる浅溝部6bとを有している。この浅溝部6bは、幅方向(第2図の左右方向)及び溝6の長手方向(第2図の紙面と垂直方向)にわたって略同一深さの方形断面形状に設けられている。この浅溝部6bのキャビティ7側の端部はキャビティ7に臨んでいる。
パッキン5は、深溝部6aに挿入された基部5aと該基部5aに連なり、浅溝部6bに係合した張出部5bとを備えている。この基部5aが深溝部6aに嵌合されることにより、パッキン5が下型3に取り付けられている。なお、基部5aの側面には、深溝部6aに挿入し易くすると共に深溝部6aから抜け難くするために、鋸歯状断面形状部5dが設けられている。この張出部5bの下面は、浅溝部6bの底面と当接している。
パッキン5は、ゴム、エラストマー(好ましくは、オレフィン系エラストマー、シリコーンゴム、フッ素ゴムなど弾力性に富むもの)よりなる。
このパッキン5の上面には突出部5cが設けられている。パッキン5の上面のうちこの突出部5cよりもキャビティ7側が内側上面5eとなり、キャビティ7から離隔する側が外側上面5fとなっている。この突部5cは、中央側が最も高く、それからキャビティ7側及びそれと反対側にかけて徐々に高さが小さくなる円弧状であるが、三角形断面形状や台形など他の断面形状であってもよい。この内側上面5eは合わせ面3aから突出しており、外側上面5fは合わせ面3aと面一となっている。この突部5cは深溝部6aに配置されているが、浅溝部6bに配置されていてもよく、これら深溝部6aと浅溝部6bに跨るように配置されていてもよい。
第2図では、型開き状態において、この張出部5bのキャビティ7側の先端部が下型3のキャビティ面(第2図の左側面)と面一になっているが、キャビティ7側に若干突出していてもよく、反対にキャビティ面から若干後退していてもよい。
上型2の合わせ面2aは平坦面とされている。
このように構成された金型1によって成形を行うには、型開き状態で金型1の内面に離型剤を塗った後、下型3のキャビティ7内にウレタン原液を供給し、型締めし、加熱してウレタンを発泡させる。この実施の形態では、第1図(b)の通り、型締め状態において張出部5bのキャビティ7側の先端部がキャビティ7へ若干突出する。なお、図示しない負圧源を作動させることにより、この際のガスを金型1外へ排気してもよい。
ウレタンが十分に発泡してキャビティ7内が発泡ウレタンで満たされ、その後所定時間経過した後、型開きすると、第6図の通り、ポリウレタンフォーム発泡成形品よりなるシートバックパッド8が得られる。
成形されたシートバックパッド8には、第7図に拡大して示すように、張出部5bのキャビティ7に突出した先端部の抜け痕よりなる凹条8aが延在している。この凹条8aは、上型2と下型3との合わせ面位置に沿って延在している。
この実施の形態では、上型2と下型3との合わせ面位置に沿って凹条8aが延在しているので、仮に前記第8図のように上型2と下型3との合わせ面がずれていても、成形品なるシートバックパッド8には表皮材装着後の美観を損なうような段差は生じない。
この理由について第8図(a)を参照して説明する。第8図(a)は、上型が距離d(ミリメートル)だけ下型よりもキャビティ側へ突出していた金型により成形されたシートバックパッド8に表皮材9を接着剤によって被着した凹条8a付近の断面図である。
上型が下型よりもdだけキャビティ側へ突出していたことにより、成形されたシートバックパッド8にあっては、下型に接して成形された部分8Aが上型に接して成形された部分8Bよりもdだけ突出していることになる。この場合、シートバックパッド8の表面には上記部分8A,8Bの境界に沿って凹条8aが延在しているので、表皮材9は上側の8A部分から下側の8B部分にかけてなだらかに連続するようになる。即ち、凹条8aの幅分だけ表皮材9の段差が緩やかとなり、段差が目立たず、美観が良い。また手指などで触れても殆ど感取されない。この点において、表皮材9を貼っても段差状に段差部が現われる前記第8図(b)の従来例と著しく相違する。
本実施の形態のように、金型1が中子4を持つ三つ割型であると、金型開閉の際に中子4の干渉を避けるため、上型2と下型3の割り位置は、サイド部の上下方向の中央部付近にくることになる。この部分は特に表皮材9を押し上げる部分であり、ここに硬化部が存在するとハイライトしやすい(目立ち易い)ため、本発明を適用することにより、顕著な効果が得られる。
本実施の形態にあっては、溝6は、深溝部6aと、該深溝部6aに連なった浅溝部6bとを備えており、パッキン5は、該深溝部6aに嵌合した基部5aと、該基部5aに連なり該浅溝部6bに係合する張出部5bとを備えている。成形の際に張出部5bに対しガス圧が強く加えられても、基部5aが深溝部6aに深く係合していると共に、張出部5bが浅溝部6bに係合しているので、パッキン5の退動方向への変形が防止される。これにより、型締めした状態の合わせ面においてパッキン5よりもキャビティ7側に空隙が生じたり、この空隙が拡大したりすることが防止ないし抑制され、バリの発生が防止される。
また、本実施の形態では、浅溝部6bが深溝部6aよりも金型1のキャビティ7側にのみ設けられており、張出部5bは深溝部6aよりもキャビティ7側にのみ存在している。このため、深溝部6aのキャビティ7と反対側にも浅溝部6bを設けた場合と比べて、型締めしたときにキャビティ7側の張出部5bが強く圧縮され、上型2に強く密着するので、シール性が良好になる。
さらに、本実施の形態によると、深溝部6aよりもキャビティ7側に浅溝部6bを設けているので、浅溝部6bの幅分だけ深溝部6aがキャビティ7から離隔させて配置される。そのため、深溝部6aとキャビティ7との間の距離(後述する第3図の寸法c)が大きくなり、これにより、この部分(深溝部6aとキャビティ7との間の部分)の金型強度が大きくなる。
このパッキン5は、深溝部6aの上面に突部5cを有している。型締めに際し、この突部5cが上型2に強く密着するので、シール性が良好になる。但し、この突部5cは張出部6bの上面に設けられてもよい。この場合にも、型締めに際し、この突部5cが上型2に強く密着するので、シール性が良好になる。
本実施の形態では、基部5aの側面に鋸歯状断面形状部5dが設けられているので、基部5aを深溝部6aに挿入し易いと共に深溝部6aから抜け難い。
第4図、第5図を参照して別の実施の形態について説明する。
第4図では、下型3Aに設けられた溝10は、深溝部10aと、この深溝部10aのキャビティ7側に設けられた浅溝部10bを有している。深溝部10aは、奥底側が拡幅しており、深溝部10aの深さ方向の途中に段部10cが形成されている。浅溝部10bは方形断面形状に設けられており、この浅溝部10bのキャビティ7側の端部はキャビティ7に臨んでいる。
パッキン11は、基部11aと、この基部11aからキャビティ7側に張り出す張出部11bを有している。パッキン11の基部11aの側面には、深溝部10aに挿入し易くすると共に深溝部10から抜け難くするために、側方突出部11dが設けられている。この側方突出部11dが段部10cに係合することによりパッキン11の抜け出しが防止されている。
この張出部11bのキャビティ7側の先端部は、下型3のキャビティ面から若干突出しているが、面一になっていてもよく、キャビティ面から若干後退していてもよい。
このパッキン11の上面には突部11cが設けられている。パッキン11の上面のうちこの突部11cよりもキャビティ7側が内側上面11dとなり、突部11cよりもキャビティ7側から離隔する側が外側上面11eとなっている。内側上面11dは合わせ面3aと面一になっている。外側上面11eは、合わせ面よりも下位に後退し、浅溝部10bの底面と同一高さとなっている。
この突部11cは、キャビティ7から離隔する側に傾いている。この突部11cのキャビティ7側の側面及びキャビティ7とは反対側の側面は、下側ほどキャビティ7(第4図の左側)に近づく方向に傾斜している。この突部11cの上面は水平面となっている。
この突部11cは深溝部10aに配置されているが、浅溝部10bに配置されていてもよく、これら深溝部10aと浅溝部10bに跨るように配置されていてもよい。
上型2Aの合わせ面2aは平坦面となっている。
このように構成された金型によって成形を行うには、型開き状態で金型の内面に離型剤を塗った後、下型3Aのキャビティ7内にウレタン原液を供給し、型締めし、加熱してウレタンを発泡させる。この実施の形態では、型締め状態において張出部11bのキャビティ7側の先端部がキャビティ7へ若干突出する。
本実施の形態では、型締めしたときに、突部11cは上型2Aに押されてキャビティ7から離隔する方向に退動し、深溝部10aのキャビティ7から離隔する側面(外側面)に当接する。また、基部11aのキャビティ7から離隔する側面も、深溝部10aの該外側面に当接する。このため、発泡圧が張出部11bに加わったときに、張出部11b及び基部11aが深溝部10aの該外側面に支持され、退動が阻止される。これにより、型締めした状態の合わせ面においてパッキン11よりもキャビティ7側に空隙が生じたり、この空隙が拡大したりすることが防止ないし抑制され、バリの発生が防止される。
この金型は、深溝部10aの段部10cに対してパッキン11の側方突出部11dが係合するので、パッキン11の取付強度が高い。また、このようにパッキン11が段部11dに係合するので、型締めした状態の合わせ面においてパッキン11よりもキャビティ7側に空隙が生じたり、この空隙が拡大したりすることが防止され、バリの発生が防止される。
なお、金型のメンテナンス等のためにパッキン11を取り外すときには、パッキン11長手方向の一部で基部11aを深溝部10aから離脱させると、その後、パッキン11の残余の部分を引っ張って深溝部10aから容易に取り出すことができる。
第5図では、下型3Bに設けられた溝14は、深溝部14aと、この深溝部14aの入口部のキャビティ7側に設けられた浅溝部14bとを有している。深溝部14aは、奥底側が円形断面形に拡幅しており、深溝部14aの深さ方向の途中に下向き斜面14cが形成されている。浅溝部14bは方形断面形状に設けられており、この浅溝部14bのキャビティ7側の端部はキャビティ7に臨んでいる。
パッキン15は、基部15aと、この基部15aからキャビティ7側に張り出す張出部15bとを有している。
この張出部15bのキャビティ7側の先端部は下型3Bのキャビティ面と面一になっているが、キャビティ7側に若干突出していてもよく、反対にキャビティ面から若干後退していてもよい。
パッキン15の上面は、キャビティ7側の内側上面15dと、キャビティ7側から離隔する側の外側上面15eと、これら内側上面15d及び外側上面15eとの間の傾斜面15fとからなる。外側上面15dは浅溝部14b内に位置し、外側上面15eは深溝部14a内に位置し、傾斜面15fは浅溝部14b及び深溝部14aに跨っている。内側上面15dは合わせ面3aから突出している。外側上面15eは合わせ面よりも下位に後退し、浅溝部14bの底面と同一高さとなっている。傾斜面15fは、上側ほどキャビティ7に近づくように傾斜している。
パッキン15の基部15aの側面には、深溝部14aに挿入し易くすると共に深溝部14aから抜け難くするために、側方突出部15cが設けられている。この側方突出部15cが下向き斜面14cに係合することによりパッキン15の抜け出しが防止されている。
上型2の合わせ面2aは平坦面となっている。
このように構成された金型によって成形を行うには、型開き状態で金型の内面に離型剤を塗った後、下型3Bのキャビティ7内にウレタン原液を供給し、型締めし、加熱してウレタンを発泡させる。この実施の形態では、型締め状態において張出部15bのキャビティ7側の先端部がキャビティ7へ若干突出する。
この実施の形態では、基部15aは深溝部14aの側面によって水平方向に動かないように支持されており、かつこの基部15aに対して張出部15bが連なっているので、パッキン15はキャビティ7から離隔する方向に移動し難い。そのため、型締めした状態の合わせ面においてパッキン15よりもキャビティ7側に空隙が生じたり、この空隙が拡大したりすることが防止ないし抑制され、バリの発生が防止される。
この金型は、深溝部14aの下向き斜面14cに対してパッキン15の側方突出部15cが係合するので、パッキン15の取付強度が高い。また、このようにパッキン15が下向き斜面14cに係合するので、型締めした状態の合わせ面においてパッキン15よりもキャビティ7側に空隙が生じたり、この空隙が拡大したりすることが防止され、バリの発生が防止される。
なお、金型のメンテナンス等のためにパッキン15を取り外すときには、パッキン15長手方向の一部で基部15aを深溝部14aから離脱させると、その後、パッキン15の残余の部分を引っ張って深溝部14aから容易に取り出すことができる。
次に、これら第1図〜第2図、第4図及び第5図の実施の形態において、溝6,10,14及びパッキン5,11,15の寸法について説明する。第3図は第1図〜第2図のパッキンの近傍部分の寸法説明図である。なお、説明を容易にするために、第3図では、パッキンの張出部の先端部が型開き状態においてキャビティ側に若干突出するように描かれている。
第1図〜第2図、第4図及び第5図の実施の形態において、浅溝部6b、10b、14bの深さ(例えば第3図の寸法b)は、1〜10mm特に3〜5mmが好適である。浅溝部6b、10b、14bの合わせ面の幅すなわち溝長手方向と直交方向の寸法(例えば第3図の寸法c)は、2〜15mm特に3〜8mmが好適である。
深溝部6a、10a、14aの深さ(例えば第3図の寸法f)は、5〜20mm特に10〜15mmが好適である。深溝部6a、10a、14aの合わせ面の幅すなわち溝長手方向と直交方向の寸法(例えば第3図の寸法e)は、3〜20mm特に6〜12mmが好適である。
張出部5b、11b、15bの先端部がキャビティ7側に突出する長さ(例えば第3図の寸法a)は、型締め時においては−5〜5mm特に0〜3mmが好適であり、型開き時においては−7〜3mm特に−2〜1mmが好適である。型締め時において5mm以下であると、突出したパッキン縁部によって成形体に形成される凹条が浅いものとなる。このように凹条が浅いと、成形体の特性低下が防止される。
パッキン5,11,15の最高位部の合わせ面からの突出高さ(例えば第3図の寸法h)は0.1〜10mm特に0.5〜2mmが好適である。
張出部5b、11b、15bの内側上面5e、11d、15dの合わせ面からの突出高さ(例えば第3図の(i−b))は0〜5mm特に0〜1mmが好適である。
上記実施の形態ではシートバックパッドを成形しているが、シートクッションパッドについても同様にして成形することができる。本発明は、シートパッド以外の樹脂発泡成形品の成形に適用することができる。
本発明は、上型と下型の合わせ面に限らず、上型と中子、下型と中子などの金型の合わせ箇所全てについて適用することができる。
(a)図は実施の形態に係るシートバックパッド成形用金型の右半分の縦断面図、(b)図は(a)図のB部分の拡大図である。 図1の金型の型締め直前時のB部拡大図である。 図2のパッキン部分の寸法説明図である。 別の実施の形態に係る金型の一部の断面図である。 さらに別の実施の形態に係る金型の一部の断面図である。 成形されたシートバックパッドの背後方向からの斜視図である。 第6図のVII−VII線断面図である。 表皮材を貼った成形品の一部の拡大断面図である。 従来例に係る金型及び成形品を説明する断面図である。 別の従来例に係る金型及び成形品を説明する断面図である。
符号の説明
1 金型
2,2A,2B 上型
3,3A,3B 下型
4 中子
5,11,15 パッキン
5a,11a,15a 基部
5b,11b,15b 張出部
6,10,14 溝
6a,10a,14a 深溝部
6b,10b,14b 浅溝部
7 キャビティ
8 シートバックパッド

Claims (10)

  1. 型同士の合わせ面に、金型のキャビティに沿って延在したパッキンが設けられており、
    該パッキンは、該合わせ面に設けられた溝に保持されている発泡成形用の金型において、
    該溝は、深溝部と、該深溝部に連なった浅溝部とを備えており、
    該パッキンは、該深溝部に嵌合した基部と、該基部に連なり、該浅溝部に係合する張出部とを備えていることを特徴とする発泡成形用の金型。
  2. 請求項1において、前記浅溝部は、前記深溝部よりも金型のキャビティ側にのみ設けられていることを特徴とする発泡成形用の金型。
  3. 請求項1又は2において、前記張出部は、前記溝幅方向の途中部分が前記合わせ面よりも最も高位となるように突出する最高位部となっており、
    該パッキンの該最高位部よりもキャビティ側は、キャビティ側ほど前記合わせ面からの突出高さが減少するよう構成されていることを特徴とする発泡成形用の金型。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、前記深溝部は、深さ方向の途中部分に、奥底側よりも幅が小さいネック部を有しており、
    パッキンの前記基部には、該ネック部に対し奥底側から係合した側方突出部を有することを特徴とする発泡成形用の金型。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、前記浅溝部は前記キャビティに臨んでおり、
    型締めした状態において該パッキンの縁部がキャビティへ突出していることを特徴とする発泡成形用の金型。
  6. 請求項5において、前記型締め状態におけるパッキン縁部のキャビティへの突出長さが5mm以下であることを特徴とする発泡成形用の金型。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項において、前記合わせ面は上型と下型との合わせ面であることを特徴とする発泡成形用の金型。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項において、発泡成形用の金型は上型、下型及び中子型を有することを特徴とする発泡成形用の金型。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の発泡成形用の金型を用いた発泡成形方法。
  10. 請求項9において、シートパッドを発泡成形することを特徴とする発泡成形方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011218573A (ja) * 2010-04-05 2011-11-04 Bridgestone Corp 成形用金型及び該成形用金型を用いた発泡成形体の製造方法

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