JP2011219697A - ポリアミド組成物及びポリアミド組成物からなる成形体 - Google Patents

ポリアミド組成物及びポリアミド組成物からなる成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】流動性が良好で実用上十分な成形性を有し、靭性、耐リフロー性、耐熱変色性に優れている成形体が得られるポリアミド組成物を提供する。
【解決手段】(A):(a)少なくとも70モル%の脂環族ジカルボン酸を含むジカルボン酸と、(b)主鎖が直鎖のジアミンを50モル%を超えて含むジアミンとを重合させたポリアミドと、(B):酸化チタンと、(C)無機充填材と、を、含有し、前記(B)酸化チタンの含有量が10質量%以上であり、前記(B)酸化チタンと前記(C)無機充填材との質量比が、(B)/(C)≧0.5であるポリアミド組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリアミド組成物及びポリアミド組成物からなる成形体に関する。
ポリアミド6及びポリアミド66(以下、それぞれ、「PA6」、「PA66」と略称する場合がある。)等に代表されるポリアミドは、成形加工性、機械物性又は耐薬品性に優れていることから、自動車用、電気・電子用、産業資材用、工業材料用、日用及び家庭品用等の各種部品材料として広く用いられている。
近年、自動車産業において、環境に対する取り組みとして、排出ガス低減のために、金属代替による車体軽量化の要求がある。
このような要求に応えるために、外装材料や内装材料等にポリアミドが一段と用いられるようになっており、ポリアミド材料に対する耐熱性、強度、及び外観等の、各種特性の要求レベルは一層向上している。
特に、エンジンルーム内の温度も上昇傾向にあるため、ポリアミド材料に対する高耐熱化の要求が強まっている。
また、家電等の電気及び電子産業において、表面実装(SMT)ハンダの鉛フリー化に対応すべく、ハンダの融点上昇に耐えることができる、ポリアミド材料に対する高耐熱化が要求されている。
しかし、PA6及びPA66等のポリアミドは、融点が低く、耐熱性の点で、これらの要求を満たすことができない。
このようなPA6及びPA66等の、従来のポリアミドの前記問題点を解決するために、高融点ポリアミドが提案されている。
具体的には、テレフタル酸とヘキサメチレンジアミンからなるポリアミド(以下、「PA6T」と略称する場合がある。)等が提案されている。
しかしながら、前記PA6Tは、融点が370℃程度という高融点ポリアミドであるため、溶融成形により成形品を得ようとしても、ポリアミドの熱分解が激しく起こり、十分な特性を有する成形品を得ることが難しい。
PA6Tの前記問題点を解決するために、PA6TにPA6及びPA66等の脂肪族ポリアミドや、イソフタル酸とヘキサメチレンジアミンからなる非晶性芳香族ポリアミド(以下、「PA6I」と略称する場合がある。)等を共重合させ、融点を220〜340℃程度にまで低融点化したテレフタル酸とヘキサメチレンジアミンを主成分とする高融点半芳香族ポリアミド(以下、「6T系共重合ポリアミド」と略称する場合がある。)等が提案されている。
6T系共重合体ポリアミドとして、特許文献1には、芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジアミンからなり、脂肪族ジアミンがヘキサメチレンジアミン及び2−メチルペンタメチレンジアミンの混合物である芳香族ポリアミド(以下、「PA6T/2MPDT」と略称する場合がある。)が開示されている。
また、アジピン酸とテトラメチレンジアミンからなる高融点脂肪族ポリアミド(以下、「PA46」と略称する場合がある。)や、脂環族ジカルボン酸と脂肪族ジアミンからなる脂環族ポリアミド等についての提案もなされている。
さらに、特許文献2及び3には、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸とヘキサメチレンジアミンからなる脂環族ポリアミド(以下、「PA6C」と略称する場合がある。)と他のポリアミドとの半脂環族ポリアミド(以下、「PA6C共重合ポリアミド」と略称する場合がある。)が開示されている。
特許文献2には、ジカルボン酸単位として1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を1〜40%配合した半脂環族ポリアミドの電気及び電子部材はハンダ耐熱性が向上することが開示され、特許文献3には、自動車部品では、流動性及び靭性等に優れることが開示されている。
さらにまた、特許文献4には、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を含むジカルボン酸単位と2−メチル−1,8−オクタンジアミンを含むジアミン単位からなるポリアミドが耐光性、靭性、成形性、軽量性、及び耐熱性等に優れることが開示されており、ポリアミドの製造方法として、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,9−ノナンジアミンを230℃以下で反応してプレポリマーを作り、そのプレポリマーを230℃で固相重合し融点311℃のポリアミドを製造することが開示されている。
またさらに、特許文献5には、トランス/シス比が50/50〜97/3である1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を原料として用いたポリアミドが、耐熱性、低吸水性、及び耐光性等に優れることが開示されている。
特表平6−503590号公報 特表平11−512476号公報 特表2001−514695号公報 特開平9−12868号公報 国際公開第2002/048239号パンフレット
しかしながら、上述した6T系共重合ポリアミドは、低吸水性、高耐熱性、及び高耐薬品性という特性を持ってはいるものの、流動性が低く成形性や成形品表面外観が不十分であり、靭性および耐光性に劣る。そのため、外装部品のような成形品の外観が要求されたり、日光等に曝されたりする用途では改善が望まれている。また比重も大きく、軽量性の面でも改善が望まれている。
また、前記特許文献1に開示されているPA6T/2MPDTは、従来のPA6T共重合ポリアミドの問題点を一部改善することができるが、流動性、成形性、靭性、成形品表面外観、および耐光性の面でその改善水準は不十分である。
さらに、PA46は、良好な耐熱性及び成形性を有するものの、吸水率が高く、吸水による寸法変化や機械物性の低下が著しく大きいという問題点を持っており、自動車用途等で要求される寸法変化の面で要求を満たせない場合がある。
さらにまた、特許文献2及び3に開示されているPA6C共重合ポリアミドも、吸水率が高く、また、流動性が十分でない等の問題がある。
またさらに、特許文献4及び5に開示されているポリアミドも、靭性、剛性、及び流動性の面で改善が未だ不十分である。
そこで本発明においては、流動性が良好で実用上十分な成形性を有し、靭性、耐リフロー性、耐熱変色性に優れている成形体が得られるポリアミド組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、所定量の脂環族ジカルボン酸を含むジカルボン酸と所定のジアミンとを重合させたポリアミドと、酸化チタン及び無機充填材とを含有し、酸化チタンと無機充填材の含有量、さらにはこれらの質量比について特定したポリアミド組成物が、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
〔1〕
(A):(a)少なくとも70モル%の脂環族ジカルボン酸を含むジカルボン酸と、
(b)主鎖が直鎖のジアミンを50モル%を超えて含むジアミンと、
を、重合させたポリアミドと、
(B):酸化チタンと、
(C)無機充填材と、
を、含有し、
前記(B)酸化チタンの含有量が10質量%以上であり、前記(B)酸化チタンと前記(C)無機充填材との質量比が、(B)/(C)≧0.5であるポリアミド組成物。
〔2〕
前記(B)酸化チタンと前記(C)無機充填材との合計含有量が、35〜70質量%である前記〔1〕に記載のポリアミド組成物。
〔3〕
前記(a)脂環族ジカルボン酸が、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸である、前記〔1〕又は〔2〕に記載のポリアミド組成物。
〔4〕
前記(b)主鎖が直鎖のジアミンが、炭素数7〜13のジアミンである前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載のポリアミド組成物。
〔5〕
前記(A)ポリアミドの重合を末端封止剤を添加して行い、前記(A)ポリアミドは、当該末端封止剤による末端封止率が10%以上である、前記〔1〕乃至〔4〕のいずれか一に記載のポリアミド組成物。
〔6〕
前記(A)ポリアミドの末端封止剤が、脂肪族モノカルボン酸、脂環族モノカルボン酸、脂肪族モノアミン、及び脂環族モノアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種である、前記〔1〕乃至〔5〕のいずれか一に記載のポリアミド組成物。
〔7〕
前記(A)ポリアミド中における前記脂環族ジカルボン酸構造のトランス異性体比率が、50〜85モル%である、前記〔1〕乃至〔6〕のいずれか一に記載のポリアミド組成物。
〔8〕
前記(B)酸化チタンは、数平均粒子径(電子顕微鏡写真法による)が0.1〜0.8μmである、前記〔1〕乃至〔7〕のいずれか一に記載のポリアミド組成物。
〔9〕
前記(B)酸化チタンが、無機コーティング及び/又は有機コーティングされている、前記〔1〕乃至〔8〕のいずれか一に記載のポリアミド組成物。
〔10〕
前記(B)酸化チタンの強熱減量(650℃、2時間加熱時の減量)が0.7〜2.5質量%である、前記〔1〕乃至〔9〕のいずれか一に記載のポリアミド組成物。
〔11〕
前記(C)無機充填材の少なくとも1種が繊維状充填材及び/又は針状充填材である、前記〔1〕乃至〔10〕のいずれか一に記載のポリアミド組成物。
〔12〕
前記(C)無機充填材としてガラス繊維を含んでおり、ポリアミド組成物中の前記(C)ガラス繊維の繊維長(重量平均長)が250〜500μmである、前記〔1〕乃至〔11〕のいずれか一に記載のポリアミド組成物。
〔13〕
前記(A)ポリアミド及び前記(B)酸化チタンを溶融混練した後に、
前記(C)無機充填材をさらに混練して得られる、前記〔1〕乃至〔12〕のいずれか一に記載のポリアミド組成物。
〔14〕
(D)結晶核剤を、さらに含有する、前記〔1〕乃至〔13〕のいずれか一に記載のポリアミド組成物。
〔15〕
前記〔1〕乃至〔14〕のいずれか一に記載のポリアミド組成物を用いて成形した成形体。
本発明によれば、流動性が良好で実用上十分な成形性を有し、靭性、耐リフロー性、耐熱変色性に優れている成形体が得られるポリアミド組成物を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という)について詳細に説明する。
なお、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
〔ポリアミド組成物〕
本実施形態のポリアミド組成物は、(A)ポリアミドと、(B):酸化チタンと、(C):無機充填材とを、含有する。
以下、本実施形態のポリアミド組成物を構成する成分について説明する。
[(A)ポリアミド]
先ず、本実施形態のポリアミド組成物に含有される(A)ポリアミドについて説明する。
(A)ポリアミドは、下記(a)及び(b)を重合させたポリアミドである。
(a)少なくとも70モル%の脂環族ジカルボン酸を含むジカルボン酸
(b)主鎖が直鎖のジアミンを50モル%を超えて含むジアミン
本実施形態において、ポリアミドとは、主鎖中にアミド(−NHCO−)結合を有する重合体を意味する。
前記(A)ポリアミドの重合成分である前記(a)ジカルボン酸について説明する。
<(a)ジカルボン酸>
前記(a)ジカルボン酸は、少なくとも70モル%の脂環族ジカルボン酸を含む。
前記(a)ジカルボン酸として、脂環族ジカルボン酸を少なくとも70モル%含むものを用いることにより、耐熱性、流動性、靭性、低吸水性、及び強度等を同時に満足する、ポリアミドを得ることができる。
前記(a)ジカルボン酸に含まれている(a−1)脂環族ジカルボン酸(脂環式ジカルボン酸とも記される。)としては、例えば、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、及び1,3−シクロペンタンジカルボン酸等の、脂環構造の炭素数が3〜10である、好ましくは炭素数が5〜10である脂環族ジカルボン酸が挙げられる。
脂環族ジカルボン酸は、無置換でも置換基を有していてもよい。
置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、及びtert−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基等が挙げられる。
脂環族ジカルボン酸としては、耐熱性、低吸水性、及び剛性等の観点で、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸であることが好ましい。
脂環族ジカルボン酸としては、1種類で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
脂環族ジカルボン酸には、トランス体とシス体の幾何異性体が存在する。
原料モノマーとしての脂環族ジカルボン酸は、トランス体とシス体のどちらか一方を用いてもよく、トランス体とシス体の種々の比率の混合物として用いてもよい。
脂環族ジカルボン酸は、高温で異性化し一定の比率になることやシス体の方がトランス体に比べて、ジアミンとの当量塩の水溶性が高いことから、原料モノマーとして、トランス体/シス体比がモル比にして、好ましくは50/50〜0/100であり、より好ましくは40/60〜10/90であり、さらに好ましくは35/65〜15/85である。
脂環族ジカルボン酸のトランス体/シス体比(モル比)は、液体クロマトグラフィー(HPLC)や核磁気共鳴分光法(NMR)により求めることができる。
前記(a)ジカルボン酸に含まれている上述した(a−1)脂環族ジカルボン酸以外のジカルボン酸である、(a−2):脂環族ジカルボン酸以外のジカルボン酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸等が挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、2,2−ジメチルコハク酸、2,3−ジメチルグルタル酸、2,2−ジエチルコハク酸、2,3−ジエチルグルタル酸、グルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、ヘキサデカン二酸、オクタデカン二酸、エイコサン二酸、及びジグリコール酸等の炭素数3〜20の直鎖又は分岐状飽和脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。
芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、及び5−ナトリウムスルホイソフタル酸等の無置換又は種々の置換基で置換された炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸等が挙げられる。
種々の置換基としては、例えば、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアリールアルキル基、クロロ基及びブロモ基等のハロゲン基、炭素数1〜6のシリル基、並びにスルホン酸基及びナトリウム塩等のその塩等が挙げられる。
(a−2)脂環族ジカルボン酸以外のジカルボン酸としては、耐熱性、流動性、靭性、低吸水性、及び剛性等の観点で、好ましくは脂肪族ジカルボン酸であり、より好ましくは、炭素数が6以上である脂肪族ジカルボン酸である。
特に、耐熱性及び低吸水性等の観点で、炭素数が10以上である脂肪族ジカルボン酸が好ましい。
炭素数が10以上である脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、セバシン酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、ヘキサデカン二酸、オクタデカン二酸、及びエイコサン二酸等が挙げられる。
特に、耐熱性等の観点で、セバシン酸及びドデカン二酸が好ましい。
(a−2)脂環族ジカルボン酸以外のジカルボン酸は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(a)ジカルボン酸成分として、さらに、本実施形態の目的を損なわない範囲で、トリメリット酸、トリメシン酸、及びピロメリット酸等の3価以上の多価カルボン酸を含んでもよい。
多価カルボン酸としては、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(a)ジカルボン酸中の(a−1)脂環族ジカルボン酸の割合(モル%)は、少なくとも70モル%である。
脂環族ジカルボン酸の割合は、70〜100モル%であり、75〜100モル%であることが好ましく、より好ましくは80〜100モル%であり、さらに好ましくは、100モル%である。
(a)ジカルボン酸中の(a−1)脂環族ジカルボン酸の割合が、少なくとも70モル%であることにより、耐熱性、低吸水性、及び剛性等に優れるポリアミドとすることができる。
(a)ジカルボン酸中の(a−2)脂環族ジカルボン酸以外のジカルボン酸の割合(モル%)は、0〜30モル%であり、0〜25モル%であることが好ましい。
(a−2)脂環族ジカルボン酸以外のジカルボン酸として炭素数6以上の脂肪族ジカルボン酸を含む場合には、(a−1)脂環族ジカルボン酸が70〜99.9モル%、及び(a−2)炭素数6以上の脂肪族ジカルボン酸0.1〜30モル%であることが好ましく、(a−1)脂環族ジカルボン酸が70〜95モル%、及び(a−2)炭素数6以上の脂肪族ジカルボン酸5〜30モル%であることがより好ましく、(a−1)脂環族ジカルボン酸が80〜95モル%、及び(a−2)炭素数6以上の脂肪族ジカルボン酸5〜20モル%であることがさらに好ましい。
本実施形態のポリアミド組成物を構成する(A)ポリアミドの重合に用いる(a)ジカルボン酸としては、上記ジカルボン酸として記載の化合物に限定されるものではなく、上記ジカルボン酸と等価な化合物であってもよい。
ジカルボン酸と等価な化合物としては、上記ジカルボン酸に由来するジカルボン酸構造と同様のジカルボン酸構造となり得る化合物であれば特に限定されるものではなく、例えば、ジカルボン酸の無水物及びハロゲン化物等が挙げられる。
<(b)ジアミン>
前記(A)ポリアミドの重合成分である前記(b)ジアミンについて説明する。
(b)ジアミンは、主鎖が直鎖のジアミンを50モル%を超えて含む。
前記(b)ジアミンに含まれている(b−1)主鎖が直鎖のジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、及びトリデカメチレンジアミン等の炭素数2〜20の直鎖飽和脂肪族ジアミン等が挙げられる。
これらジアミンは1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
前記(b−1)主鎖が直鎖のジアミンとしては、耐熱性、流動性、靭性、低吸水性、及び剛性等の観点で、好ましくは炭素数4〜16の直鎖脂肪族ジアミンであり、より好ましくは、炭素数6〜14の直鎖脂肪族ジアミンであり、さらに好ましくは、炭素数7〜13の直鎖脂肪族ジアミンであり、さらにより好ましくは炭素数9〜12の直鎖脂肪族ジアミンである。
なお、2種類以上の直鎖状のジアミンを組み合わせて用いる場合は、平均の炭素数が前記範囲であることが好ましい。ここでの平均の炭素数とは、モル比から算出された平均の炭素数を表す。
例えば、炭素数12のジアミンと炭素数6のジアミンを80/20のモル比で用いた場合、平均の炭素数は10.8である。
(b)ジアミンとして、主鎖が直鎖のジアミンを50モル%を超えた量含むものを用いることにより、低吸水性及び耐熱性等を同時に満足する、ポリアミドを得ることができる。
前記(b)ジアミンに含まれている上述した(b−1)主鎖が直鎖のジアミン以外のジアミンである、(b−2):主鎖が直鎖のジアミン以外のジアミンとしては、例えば、主鎖から分岐した置換基を持つジアミン、脂環族ジアミン、および芳香族ジアミン等が挙げられる。
前記主鎖から分岐した置換基を持つジアミンの主鎖から分岐した置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、及びtert−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基等が挙げられる。
主鎖から分岐した置換基を持つジアミンとしては、例えば、2−メチルペンタメチレンジアミン(2−メチル−1,5−ジアミノペンタンとも記される。)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2−メチルオクタメチレンジアミン、及び2,4−ジメチルオクタメチレンジアミン等の炭素数3〜20の分岐状飽和脂肪族ジアミン等が挙げられる。
主鎖から分岐した置換基を持つジアミンとしては、耐熱性及び剛性等の観点で、2−メチルペンタメチレンジアミン、2−メチルオクタメチレンジアミンであることが好ましい。
脂環族ジアミン(脂環式ジアミンとも記される。)としては、例えば、1,4−シクロヘキサンジアミン、1,3−シクロヘキサンジアミン、及び1,3−シクロペンタンジアミン等が挙げられる。
芳香族ジアミンとしては、芳香族を含有するジアミンであり、例えば、メタキシリレンジアミン等が挙げられる。
前記(b−2)主鎖が直鎖のジアミン以外のジアミンとしては、耐熱性、流動性、靭性、及び低吸水性等の観点で、好ましくは主鎖から分岐した置換基を持つジアミン及び脂環族ジアミンであり、より好ましくは、2−メチルペンタメチレンジアミン、2−メチルオクタメチレンジアミンである。
前記(b−2)主鎖が直鎖のジアミン以外のジアミンは、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
上述した(b)ジアミン成分としては、さらに、本実施形態の目的を損なわない範囲で、ビスヘキサメチレントリアミン等の3価以上の多価脂肪族アミンを含んでもよい。
多価脂肪族アミンは、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
上述したように、(b)ジアミン中の(b−1)主鎖が直鎖のジアミンの割合(モル%)は、50モル%を超える割合である。
主鎖が直鎖のジアミンの割合は、50モル%よりも多く〜100モル%であり、60〜100モル%であることが好ましい。より好ましくは、80〜100モル%であり、さらに好ましくは、85〜100モル%であり、さらにより好ましくは90〜100モル%、よりさらに好ましくは100モル%である。
(b)ジアミン中の(b−1)主鎖が直鎖のジアミンの割合が50モル%を超えることにより、耐熱性、流動性、靭性、低吸水性、及び剛性に優れるポリアミドとすることができる。
前記(b)ジアミン中の(b−2)主鎖が直鎖のジアミン以外のジアミンの割合(モル%)は、50モル%以下であり、0〜40モル%であることが好ましい。
前記(A)ポリアミドの重合成分である前記(a)ジカルボン酸の添加量と、前記(b)ジアミンの添加量は、同モル量付近であることが好ましい。
重合反応中の(b)ジアミンの反応系外への逃散分もモル比においては考慮して、(a)ジカルボン酸全体のモル量1に対して、(b)ジアミン全体のモル量は、0.9〜1.2であることが好ましく、より好ましくは0.95〜1.1であり、さらに好ましくは0.98〜1.05である。
<(c)ラクタム及び/又はアミノカルボン酸>
前記(A)ポリアミドは、靭性の観点で、(c)ラクタム及び/又はアミノカルボン酸をさらに共重合させることができる。
本実施形態に用いられる(c)ラクタム及び/又はアミノカルボン酸とは、重(縮)合可能なラクタム及び/又はアミノカルボン酸を意味する。
前記(A)ポリアミドが、(a)ジカルボン酸、(b)ジアミン、及び(c)ラクタム及び/又はアミノカルボン酸を重合させたポリアミドである場合には、前記(c)ラクタム及び/又はアミノカルボン酸は、炭素数が4〜14のラクタム及び/又はアミノカルボン酸が好ましく、炭素数6〜12のラクタム及び/又はアミノカルボン酸がより好ましい。
ラクタムとしては、例えば、ブチロラクタム、ピバロラクタム、ε−カプロラクタム、カプリロラクタム、エナントラクタム、ウンデカノラクタム、及びラウロラクタム(ドデカノラクタム)等が挙げられる。
特に、靭性の観点で、ε−カプロラクタム、ラウロラクタム等が好ましく、ε−カプロラクタムがより好ましい。
アミノカルボン酸としては、例えば、前記ラクタムが開環した化合物であるω−アミノカルボン酸やα,ω−アミノ酸等が挙げられる。
アミノカルボン酸としては、ω位がアミノ基で置換された炭素数4〜14の直鎖又は分岐状飽和脂肪族カルボン酸であることが好ましく、例えば、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、及び12−アミノドデカン酸等が挙げられ、アミノカルボン酸としては、パラアミノメチル安息香酸等も挙げられる。
(c)ラクタム及び/又はアミノカルボン酸は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(c)ラクタム及び/又はアミノカルボン酸の添加量(モル%)は、前記(a)ジカルボン酸、(b)ジアミン、及び(c)ラクタム及び/又はアミノカルボン酸の各モノマー全体のモル量に対して、0〜30モル%であることが好ましい。
<末端封止剤>
前記(a)ジカルボン酸と前記(b)ジアミン、必要に応じて(c)ラクタム及び/又はアミノカルボン酸を用いて、(A)ポリアミドを重合する際に、分子量調節のために公知の末端封止剤をさらに添加することができる。
末端封止剤としては、例えば、モノカルボン酸、モノアミン、無水フタル酸等の酸無水物、モノイソシアネート、モノ酸ハロゲン化物、モノエステル類、及びモノアルコール類等が挙げられ、熱安定性の観点で、モノカルボン酸、及びモノアミンが好ましい。
末端封止剤としては、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
末端封止剤として使用できるモノカルボン酸としては、アミノ基との反応性を有するものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ピバリン酸、及びイソブチル酸等の脂肪族モノカルボン酸;シクロヘキサンカルボン酸等の脂環族モノカルボン酸;並びに安息香酸、トルイル酸、α−ナフタレンカルボン酸、β−ナフタレンカルボン酸、メチルナフタレンカルボン酸、及びフェニル酢酸等の芳香族モノカルボン酸;等が挙げられ、特に脂肪族モノカルボン酸、脂環族モノカルボン酸が好ましい。
モノカルボン酸は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
末端封止剤として使用できるモノアミンとしては、カルボキシル基との反応性を有するものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、及びジブチルアミン等の脂肪族モノアミン;シクロヘキシルアミン、及びジシクロヘキシルアミン等の脂環族モノアミン;並びにアニリン、トルイジン、ジフェニルアミン、及びナフチルアミン等の芳香族モノアミン;等が挙げられる。特に、脂肪族モノアミン、脂環族モノアミンが好ましい。
モノアミンは、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(A)ポリアミドは、その分子鎖の末端基が、上述した末端封止剤により封止されていてもよい。
分子鎖の末端基が末端封止剤により封止されている割合(末端封止率)としては、本実施形態のポリアミド組成物の流動性の観点から、10%以上であることが好ましく、10〜90%であることがより好ましい。
ポリアミドの分子鎖の末端封止率は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
上述した(a)ジカルボン酸及び(b)ジアミンの組み合わせは、下記に限定されるものではないが、(a−1)少なくとも70モル%以上の脂環族ジカルボン酸及び(b−1)50モル%を超える炭素数6〜14の直鎖飽和脂肪族ジアミンとの組み合わせが好ましく、(a−1)少なくとも70モル%以上の1,4−シクロヘキサンジカルボン酸及び(b−1)50モル%を超える炭素数7〜13の直鎖飽和脂肪族ジアミンとの組み合わせがより好ましい。
これらの組み合わせをポリアミドの成分として重合させることにより、耐熱性、流動性、靭性、低吸水性、及び強度に優れることを同時に満足するポリアミドとすることができる。
((A)ポリアミドの構造)
上述したように、(A)ポリアミドは、(a)脂環族ジカルボン酸を含むジカルボン酸を成分としているが、この(A)ポリアミドにおいて、脂環族ジカルボン酸構造は、トランス異性体及びシス異性体の幾何異性体として存在する。
本実施形態のポリアミド組成物を構成する(A)ポリアミド中における脂環族ジカルボン酸構造のトランス異性体比率は、ポリアミド中の脂環族ジカルボン酸全体中のトランス異性体である比率を表し、好ましくは50〜85モル%であり、より好ましくは50〜80モル%であり、さらに好ましくは60〜80モル%である。
前記(a−1)脂環族ジカルボン酸としては、トランス体/シス体比(モル比)が50/50〜0/100である脂環族ジカルボン酸を用いることが好ましいが、(a)ジカルボン酸と(b)ジアミンとの重合により得られるポリアミドとしては、トランス異性体比率が50〜85モル%であることが好ましい。
(A)ポリアミド中における脂環族ジカルボン酸構造のトランス異性体比率が上記範囲内にあることにより、(A)ポリアミドは、高融点、靭性及び剛性に優れるという特徴に加えて、高いTgによる熱時剛性と、通常では耐熱性と相反する性質である流動性と、高い結晶性を同時に満足するという性質を持つ。
(A)ポリアミドのこれらの特徴は、(a)少なくとも70モル%以上の1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、(b)炭素数6〜14の直鎖飽和脂肪族ジアミンを50モル%を超えて含むジアミンとの組み合わせからなり、かつトランス異性体比率が50〜85モル%であるポリアミドで特に顕著である。
なお、本実施形態のポリアミド組成物を構成する(A)ポリアミド中における脂環族ジカルボン酸構造のトランス異性体比率は、以下の実施例に記載の方法により測定することができる。
((A)ポリアミドの製造方法)
(A)ポリアミドは、特に限定されるものではなく、(a)少なくとも70モル%の脂環族ジカルボン酸を含むジカルボン酸と、(b)主鎖が直鎖のジアミンを50モル%を超えて含むジアミンと、を重合させる工程を含む、ポリアミドの製造方法により製造することができる。
(A)ポリアミドの製造方法としては、ポリアミドの重合度を上昇させる工程を、さらに含むことが好ましい。
(A)ポリアミドの具体的な製造方法としては、例えば、以下に例示するように種々の方法が挙げられる:
1)ジカルボン酸・ジアミン塩又はその混合物の水溶液又は水の懸濁液を加熱し、溶融状態を維持したまま重合させる方法(以下、「熱溶融重合法」と略称する場合がある。)、
2)熱溶融重合法で得られたポリアミドを融点以下の温度で固体状態を維持したまま重合度を上昇させる方法(以下、「熱溶融重合・固相重合法」と略称する場合がある。)、
3)ジアミン・ジカルボン酸塩又はその混合物の、水溶液又は水の懸濁液を加熱し、析出したプレポリマーをさらにニーダー等の押出機で再び溶融して重合度を上昇させる方法(以下、「プレポリマー・押出重合法」と略称する場合がある。)、
4)ジアミン・ジカルボン酸塩又はその混合物の、水溶液又は水の懸濁液を加熱、析出したプレポリマーをさらにポリアミドの融点以下の温度で固体状態を維持したまま重合度を上昇させる方法(以下、「プレポリマー・固相重合法」と略称する場合がある。)、
5)ジアミン・ジカルボン酸塩又はその混合物を固体状態を維持したまま重合させる方法(以下、「固相重合法」と略称する場合がある)、
6)ジカルボン酸と等価なジカルボン酸ハライド成分とジアミン成分を用いたて重合させる方法「溶液法」。
(A)ポリアミドを製造する工程においては、ポリアミドの流動性の観点から、脂環族ジカルボン酸のトランス異性体比率を85%以下に維持して重合することが好ましく、特に、80%以下に維持することにより、さらに色調や引張伸度に優れ、高融点のポリアミドを得ることができる。
(A)ポリアミドを製造する工程において、重合度を上昇させてポリアミドの融点を上昇させるためには、加熱温度を上昇させたり、加熱時間を長くしたりする必要が生ずるが、その場合、加熱によるポリアミドの着色や熱劣化による引張伸度の低下が起こる場合がある。また、分子量の上昇する速度が著しく低下する場合がある。
また、(A)ポリアミドの着色や熱劣化による引張伸度の低下を防止することができるため、(A)ポリアミド中における脂環族ジカルボン酸構造のトランス異性体比率を80%以下に維持して重合することが好適である。
(A)ポリアミドを製造する方法としては、脂環族ジカルボン酸構造のトランス異性体比率を85%以下に維持することが容易であるため、また、得られる(A)ポリアミドの色調に優れるため、1)熱溶融重合法、及び2)熱溶融重合・固相重合法によりポリアミドを製造することが好ましい。
(A)ポリアミドの製造工程における重合形態としては、バッチ式、連続式のいずれでもよい。
重合装置としては、特に限定されるものではなく、公知の装置、例えば、オートクレーブ型の反応器、タンブラー型反応器、及びニーダー等の押出機型反応器等が挙げられる。
第1の製造方法例として、以下、バッチ式の熱溶融重合法によりポリアミドを製造する例を挙げて説明するが、ポリアミドの製造方法はこの例に限定されない。
先ず、水を溶媒として、ポリアミド成分((a)ジカルボン酸、(b)ジアミン、及び必要に応じて(c)ラクタム及び/又はアミノカルボン酸)を含有する約40〜60質量%の溶液を、110〜180℃の温度、約0.035〜0.6MPa(ゲージ圧)の圧力で操作される濃縮槽で、約65〜90質量%に濃縮して濃縮溶液を得る。
次いで、前記濃縮溶液をオートクレーブに移し、容器における圧力が約1.5〜5.0MPa(ゲージ圧)になるまで加熱を続ける。
その後、水及び/又はガス成分を抜きながら、圧力を約1.5〜5.0MPa(ゲージ圧)に保ち、温度が約250〜350℃に達した時点で、大気圧まで降圧する(ゲージ圧は、0MPa)。
大気圧に降圧後、必要に応じて減圧することにより、副生する水を効果的に除くことができる。
その後、窒素等の不活性ガスで加圧し、ポリアミド溶融物をストランドとして押し出す。
このストランドを、冷却、カッティングして、(A)ポリアミドペレットを得る。
第2の製造方法例として、以下、連続式の熱溶融重合法によりポリアミドを製造する例を挙げて説明する。
先ず、水を溶媒としてポリアミド成分を含有する約40〜60質量%の溶液を、予備装置の容器において約40〜100℃まで予備加熱し、次いで、濃縮槽/反応器に移し、約0.1〜0.5MPa(ゲージ圧)の圧力、約200〜270℃の温度で約70〜90%に濃縮して濃縮溶液を得る。
この濃縮溶液を約200〜350℃の温度に保ったフラッシャーに排出し、その後、大気圧まで降圧する(ゲージ圧は、0MPa)。大気圧に降圧後、必要に応じて減圧する。
その後、ポリアミド溶融物は押し出し、ストランドとし、冷却、カッティングすることにより、(A)ポリアミドのペレットが得られる。
((A)ポリアミドの分子量)
本実施形態のポリアミド組成物を構成する(A)ポリアミドの分子量は、25℃の相対粘度ηrを指標とする。
(A)ポリアミドの分子量は、靭性及び剛性等の機械物性並びに成形性等の観点から、JIS−K6810に従って測定した98%硫酸中濃度1%、25℃の相対粘度ηrにおいて、好ましくは1.5〜7.0であり、より好ましくは1.7〜6.0であり、さらに好ましくは1.9〜5.5である。
25℃の相対粘度の測定は、下記実施例に記載するように、JIS−K6810に準じて行うことができる。
((A)ポリアミドの融点)
本実施形態のポリアミド組成物を構成する(A)ポリアミドの融点は、Tm2として、耐熱性の観点から、270〜350℃であることが好ましい。融点Tm2は、好ましくは270℃以上であり、より好ましくは275℃以上であり、さらに好ましくは280℃以上である。また、融点Tm2は、好ましくは350℃以下であり、より好ましくは340℃以下であり、さらに好ましくは335℃以下であり、よりさらに好ましくは330℃以下である。
(A)ポリアミドの融点Tm2を270℃以上とすることにより、耐熱性に優れる(A)ポリアミドとすることができる。また、(A)ポリアミドの融点Tm2を350℃以下とすることにより、押出、成形等の溶融加工での(A)ポリアミドの熱分解等を抑制することができる。
((A)ポリアミドの融解熱量ΔH)
本実施形態のポリアミド組成物を構成する(A)ポリアミドの融解熱量ΔHは、耐熱性の観点から、好ましくは10J/g以上であり、より好ましくは14J/g以上であり、さらに好ましくは18J/g以上であり、よりさらに好ましくは20J/g以上である。
(A)ポリアミドの融点(Tm1又はTm2)、及び融解熱量ΔHの測定は、下記実施例に記載するように、JIS−K7121に準じて行うことができる。
(A)ポリアミドの融点及び融解熱量の測定装置としては、例えば、PERKIN−ELMER社製Diamond−DSC等が挙げられる。
((A)ポリアミドのガラス転移温度Tg)
本実施形態のポリアミド組成物を構成する(A)ポリアミドのガラス転移温度Tgは、85〜170℃であることが好ましい。より好ましくは90℃以上であり、さらに好ましくは95℃以上であり、さらにより好ましくは100℃以上である。また、ガラス転移温度は、好ましくは170℃以下であり、より好ましくは165℃以下であり、さらに好ましくは160℃以下である。
(A)ポリアミドのガラス転移温度を85℃以上とすることにより、耐熱性や耐薬品性に優れるポリアミドとすることができる。また、(A)ポリアミドのガラス転移温度を170℃以下とすることにより、外観のよい成形品を得ることができる。
ガラス転移温度の測定は、下記実施例に記載するように、JIS−K7121に準じて行うことができる。
ガラス転移温度の測定装置としては、例えば、PERKIN−ELMER社製Diamond−DSC等が挙げられる。
[(B)酸化チタン]
本実施形態のポリアミド組成物に含有される(B)酸化チタンについて説明する。
(B)酸化チタンとしては、例えば、酸化チタン(TiO)、三酸化二チタン(Ti23)、及び二酸化チタン(TiO2)等が挙げられる。特に、二酸化チタンが好ましい。
(B)酸化チタンの結晶構造については、特に限定されるものではないが、耐光性の観点からルチル型が好ましい。
(B)酸化チタンの数平均粒子径は、靭性、押出加工性の観点から、好ましくは0.1〜0.8μmであり、より好ましくは0.15〜0.4μmであり、さらに好ましくは0.15〜0.3μmである。
(B)酸化チタンの数平均粒子径は、電子顕微鏡写真法により測定することができる。
例えば、ポリアミド組成物を電気炉に入れて、含まれる有機物を焼却処理し、残渣分から、例えば100本以上の酸化チタンを任意に選択し、電子顕微鏡で観察して、これらの粒子径を測定することにより、数平均粒子径を測定して求めることが可能である。
(B)酸化チタンは、例えば、硫酸チタン溶液を加水分解するいわゆる硫酸法、あるいはハロゲン化チタンを気相酸化するいわゆる塩素法等により製造できるがこれらに限定されるものではない。
(B)酸化チタン粒子は、表面をコーティングすることが好ましい。
(B)酸化チタン粒子は、無機コーティング及び/又は有機コーティングを行うことが好ましく、最初に無機コーティング、次いで無機コーティング上に適用される有機コーティングでコーティングすることがより好ましい。
(B)酸化チタン粒子は、当該分野で公知のいかなる方法を使用してコーティングされてもよい。
無機コーティングとしては金属酸化物を含むことが好ましい。
例えば、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、リン、亜鉛、希土類元素等の酸化物及び水和酸化物を含む金属酸化物及び水和酸化物が挙げられる。
特に、金属酸化物は耐光性の観点からシリカ、アルミナ、ジルコニアが好ましく、より好ましくはシリカ、アルミナである。
これら無機コーティングは1種類の金属酸化物であってもよいし、2種類以上の組み合わせであってもよい。
無機コーティングとしては、酸化チタン全量100質量%に対し、0.25〜50質量%であることが好ましく、0.25〜10質量%であることがより好ましく、1〜10質量%であることがさらに好ましい。
有機コーティングとしては、カルボン酸類、ポリオール類、アルカノールアミン類及び/又はケイ素化合物の1つ又は複数を含んでいることが好ましい。特に、耐光性、フィルム加工性の観点から、ポリオール類、ケイ素化合物がより好ましく、加工時の発生ガスの低減の観点から、ケイ素化合物がさらに好ましい。
有機コーティングとして用いることができるカルボン酸類としては、例えば、アジピン酸、テレフタル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ポリヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、サリチル酸、リンゴ酸、マレイン酸が含まれる。これらカルボン酸類のエステルや金属塩であってもよい。金属塩としては、アルミニウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩等が挙げられる。
有機コーティングとして用いることができるアルカノールアミン類としては、例えば、モノエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン等が、それらの誘導体としては、それらの酢酸塩、シュウ酸塩、酒石酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩等の有機酸塩等が挙げられる。
有機コーティングとして用いることができるポリオール類としては、例えば、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ジトリメチロールプロパン、トリメチロールプロパンエトキシレート、ペンタエリスリトール等が挙げられ、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンが好ましい。
有機コーティングとして用いることができるケイ素化合物としては、例えば、オルガノシラン類、オルガノポリシロキサン類、オルガノシラザン類が挙げられる。
具体的には、オルガノシラン類としては、(a)アミノシラン(アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等)、(b)エポキシシラン(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等)、(c)メタクリルシラン(γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン等)、(d)ビニルシラン(ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等)、(e)メルカプトシラン(3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等)、(f)クロロアルキルシラン(3−クロロプロピルトリエトキシシラン等)、(g)アルキルシラン(n−ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ヘキシルメチルジメトキシシラン、ヘキシルメチルジエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン等)、(h)フェニルシラン(フェニルトリエトキシシラン等)、(i)フルオロアルキルシラン(トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン等)等、又はそれらの加水分解生成物が挙げられる。
また、オルガノポリシロキサン類としては、(a)ストレート型ポリシロキサン(ジメチルポリシロキサン、メチル水素ポリシロキサン、メチルメトキシポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等)、(b)変性型ポリシロキサン(ジメチルポリシロキサンジオール、ジメチルポリシロキサンジハイドロジェン、側鎖又は両末端アミノ変性ポリシロキサン、側鎖又は両末端又は片末端エポキシ変性ポリシロキサン、両末端又は片末端メタクリル変性ポリシロキサン、側鎖又は両末端カルボキシル変性ポリシロキサン、側鎖又は両末端又は片末端カルビノール変性ポリシロキサン、両末端フェノール変性ポリシロキサン、側鎖又は両末端メルカプト変性ポリシロキサン、両末端又は側鎖ポリエーテル変性ポリシロキサン、側鎖アルキル変性ポリシロキサン、側鎖メチルスチリル変性ポリシロキサン、側鎖高級カルボン酸エステル変性ポリシロキサン、側鎖フルオロアルキル変性ポリシロキサン、側鎖アルキル・カルビノール変性ポリシロキサン、側鎖アミノ・両末端カルビノール変性ポリシロキサン等)等、又はそれらの共重合体が挙げられる。
さらに、オルガノシラザン類としてはヘキサメチルシラザン、ヘキサメチルシクロトリシラザン等が挙げられる。
上記ケイ素化合物の中でも、疎水性の官能基、例えば、メタクリル基(−OCOC(CH3)=CH2)、ビニル基(−CH=CH2)、アルキル基(−R)、アリール基(−Ph、−Ar等)、カルボン酸エステル基(−OCOR)、アシル基(−COR)、ポリエーテル基(−(R1O)n(R2O)m3)、フッ素含有基(−(CH2nCF3、−(CF2nCF3等)等を有するケイ素化合物がより好ましく、疎水性官能基を有するオルガノシラン類又はオルガノポリシロキサン類であればさらに好ましい。
これらケイ素化合物の中でも、炭素数が4〜10のアルキルシラン、その加水分解生成物、ジメチルポリシロキサン、メチル水素ポリシロキサンから選ばれる少なくとも一種が、さらにより好ましい。
アルキルシランとして、アルキル基の中で炭素数が最大のものが6(ヘキシル基)であるアルキルシランを用いると、より一層分散性と耐熱性とに優れる。なお、オルガノシラン類の加水分解生成物とは、オルガノシラン類が有する加水分解性基が加水分解されてシラノールになったもの、シラノール同士が縮重合してダイマー、オリゴマー、ポリマーになったものを言う。
本実施形態のポリアミド組成物を構成する(B)酸化チタンは、酸化チタン全量100質量%に対して、強熱減量が0.7〜2.5質量%であることが押出加工性の観点から好ましく、より好ましくは0.7〜2.0質量%であり、さらに好ましくは0.8〜1.5質量%である。
ここで、強熱減量は、酸化チタンを120℃で4時間乾燥させて、表面の付着水分を除去した後、650℃にて2時間加熱処理した際の重量減少率により算出することができる。
なお、(B)酸化チタンとしては、1種類を用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態のポリアミド組成物における(B)酸化チタンの配合量は、白色度の観点から、ポリアミド組成物100質量%に対して10質量%以上である。
流動性、靭性の観点から、好ましくは10〜50質量%であり、より好ましくは15〜40質量%、さらに好ましくは15〜30質量%である。
[(C)無機充填材]
本実施形態のポリアミド組成物に含有される(C)無機充填材について説明する。
(C)無機充填材としては、例えば、ガラス繊維や炭素繊維、ケイ酸カルシウム繊維、チタン酸カリウム繊維、ホウ酸アルミニウム繊維、ガラスフレーク、タルク、カオリン、マイカ、ハイドロタルサイト、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、リン酸一水素カルシウム、ウォラストナイト、シリカ、ゼオライト、アルミナ、ベーマイト、水酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、ケイ酸カルシウム、アルミノケイ酸ナトリウム、ケイ酸マグネシウム、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、ファーネスブラック、カーボンナノチューブ、グラファイト、黄銅、銅、銀、アルミニウム、ニッケル、鉄、フッ化カルシウム、雲母、モンモリロナイト、膨潤性フッ素雲母、及びアパタイト等が挙げられる。
(C)無機充填材は、少なくとも1種が、繊維状充填材及び/又は針状充填材であることが、機械的強度の観点から好ましい。
(C)無機充填材としては、ガラス繊維や炭素繊維が代表的な例として挙げられ、これらは、断面形状が真円状でも扁平状でもよい。
扁平状の断面としては、例えば、長方形、長方形に近い長円形、楕円形、長手方向の中央部がくびれた繭型等が挙げられる。
また、扁平率は、繊維断面の長径をD2、繊維の断面の短径をD1とするとき、D2/D1で表される。なお、真円状は扁平率約1となる。
ガラス繊維や炭素繊維の中でも、優れた機械的強度特性をポリアミド組成物に付与できるという観点から、数平均繊維径が3〜30μmであり、かつ前記ポリアミド組成物において、重量平均繊維長が250〜500μmであり、重量平均繊維長と数平均繊維径とのアスペクト比(L/D)が10〜100であるものが、さらに好ましく用いられる。
また、(C)無機充填材として、断面形状が扁平状のガラス繊維や炭素繊維を含有させる場合は、本実施形態のポリアミド組成物を成形した板状成形品の反りの低減、耐熱性、靭性、低吸水性、耐熱エージング性の観点から、扁平率は1.5以上であることが好ましい。より好ましくは1.5〜10.0、さらに好ましくは2.5〜10.0であり、さらにより好ましくは3.1〜6.0である。
扁平率が極端に大きい場合、他の成分との混合の他、混練、成形等の処理の際、破砕されてしまう場合があり、所望する効果が小さくなる場合がある。
扁平率が1.5以上のガラス繊維や炭素繊維の太さは、任意であるが、繊維の断面の短径D1が0.5〜25μm、繊維の断面の長径D2が1.25〜250μmであることが好ましい。
細すぎる場合は繊維の紡糸が困難な場合があり、太すぎる場合は、ポリアミド樹脂との接触面積の減少等により、成形品の強度が低下する場合がある。かかる観点から、短径D1は3μm以上が好ましく、短径D1が3μm以上で、かつ扁平率が3より大きい値であることが好ましい。
これらの扁平率が1.5以上のガラス繊維や炭素繊維は、例えば、特公平3−59019号公報、特公平4−13300号公報、特公平4−32775号公報等に記載の方法で製造することができる。
特に、底面に多数のオリフィスを有するオリフィスプレートにおいて、複数のオリフィス出口を囲み、当該オリフィスプレート底面より下方に延びる凸状縁を設けたオリフィスプレート、又は単数もしくは複数のオリフィス孔を有するノズルチップの外周部先端から下方に延びる複数の凸状縁を設けた異形断面ガラス繊維紡糸用ノズルチップを使用して製造された扁平率が1.5以上のガラス繊維が好ましい。
これらの繊維状強化材は、繊維ストランドをロービングとしてそのまま使用してもよく、さらに切断工程を得て、チョップドガラスストランドとして使用してもよい。
なお、本明細書において、(C)無機充填材の数平均繊維径及び重量平均繊維長の測定方法としては、例えば、ポリアミド組成物を電気炉に入れて、含まれる有機物を焼却処理し、残渣分から、例えば100本以上のガラス繊維を任意に選択し、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察して、これらのガラス繊維の繊維径を測定することにより数平均繊維径を測定するとともに、倍率1000倍でのSEM写真を用いて繊維長を計測することにより重量平均繊維長を求める方法がある。
上記(C)無機充填材としてのガラス繊維や炭素繊維は、シランカップリング剤等により表面処理してもよい。
前記シランカップリング剤としては、特に制限されないが、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシランやN−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノシラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランやγ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプトシラン類;エポキシシラン類;ビニルシラン類が挙げられる。中でも、上記の列挙成分から選択される1種以上であることが好ましく、アミノシラン類がより好ましい。
また、上記(C)無機充填材としてのガラス繊維や炭素繊維については、さらに集束剤として、カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体と前記カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体を除く不飽和ビニル単量体とを構成単位として含む共重合体、エポキシ化合物、ポリカルボジイミド化合物、ポリウレタン樹脂、アクリル酸のホモポリマー、アクリル酸とその他共重合性モノマーとのコポリマー、並びにこれらの第1級、第2級および第3級アミンとの塩、並びにカルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体と前記カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体を除く不飽和ビニル単量体を含む共重合体等を含んでもよい。
これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
特に、ポリアミド組成物の機械的強度の観点から、カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体と前記カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体を除く不飽和ビニル単量体とを構成単位として含む共重合体、エポキシ化合物、ポリカルボジイミド化合物、及びポリウレタン樹脂、並びにこれらの組み合わせが好ましく、カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体と前記カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体を除く不飽和ビニル単量体とを構成単位として含む共重合体、ポリカルボジイミド化合物及びポリウレタン樹脂、並びにこれらの組み合わせがより好ましい。
カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体と前記カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体を除く不飽和ビニル単量体とを構成単位として含む共重合体のうち、前記カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体としては、以下に制限されることはないが、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸や無水シトラコン酸が挙げられ、特に無水マレイン酸が好ましい。
一方、前記カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体を除く不飽和ビニル単量体とは、カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体とは異なる不飽和ビニル単量体をいう。
前記カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体を除く不飽和ビニル単量体としては、以下に制限されないが、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、2,3−ジクロロブタジエン、1,3−ペンタジエン、シクロオクタジエン、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレートが挙げられる。特にスチレンやブタジエンが好ましい。
これらの組み合わせの中でも、無水マレイン酸とブタジエンとの共重合体、無水マレイン酸とエチレンとの共重合体、および無水マレイン酸とスチレンとの共重合体、並びにこれらの混合物よりなる群から選択される1種以上であることがより好ましい。
また、カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体と前記カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体を除く不飽和ビニル単量体とを構成単位として含む共重合体は、重量平均分子量が2,000以上であることが好ましい。また、ポリアミド組成物の流動性向上の観点から、より好ましくは2,000〜1,000,000であり、さらに好ましくは2,000〜500,000である。なお、本明細書における重量平均分子量は、ゲルパーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により測定した値である。
集束剤としてのエポキシ化合物としては、以下に制限されないが、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブテンオキサイド、ペンテンオキサイド、ヘキセンオキサイド、ヘプテンオキサイド、オクテンオキサイド、ノネンオキサイド、デセンオキサイド、ウンデセンオキサイド、ドデセンオキサイド、ペンタデセンオキサイド、エイコセンオキサイド等の脂肪族エポキシ化合物;グリシド−ル、エポキシペンタノ−ル、1−クロロ−3,4−エポキシブタン、1−クロロ−2−メチル−3,4−エポキシブタン、1,4−ジクロロ−2,3−エポキシブタン、シクロペンテンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、シクロヘプテンオキサイド、シクロオクテンオキサイド、メチルシクロヘキセンオキサイド、ビニルシクロヘキセンオキサイド、エポキシ化シクロヘキセンメチルアルコール等の脂環族エポキシ化合物;ピネンオキサイド等のテルペン系エポキシ化合物;スチレンオキサイド、p−クロロスチレンオキサイド、m−クロロスチレンオキサイド等の芳香族エポキシ化合物;エポキシ化大豆油;及びエポキシ化亜麻仁油が挙げられる。
また、前記ポリカルボジイミド化合物は、部分的にポリオールセグメントを持つポリカルボジイミド化合物であることが好ましい。ポリオールセグメントを持たせることにより、ポリカルボジイミド化合物が水溶化し易くなり、ガラス繊維の集束剤として一層好適に使用可能となる。
これらカルボジイミド化合物は、ジイソシアネート化合物を3−メチル−1−フェニル−3−ホスホレン−1−オキシド等の公知のカルボジイミド化触媒の存在下で脱炭酸反応させることによって得られる。
ジイソシアネート化合物としては、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネートおよび脂環式ジイソシアネート、並びにそれらの混合物を用いることが可能である。
以下に制限されないが、例えば、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネートとの混合物、ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4'−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、2,6−ジイソプロピルフェニルイソシアネートおよび1,3,5−トリイソプロピルベンゼン−2,4−ジイソシアネート等が挙げられる。そして、これらのジイソシアネート系化合物をカルボジイミド化することによって、末端に2つのイソシアネート基を有するポリカルボジイミド化合物が得られる。これらのうち、反応性向上の観点からジシクロヘキシルメタンカルボジイミドが好適に使用可能である。
末端に2つのイソシアネート基を有するポリカルボジイミド化合物に対し、さらにモノイソシアネート化合物を等モル量カルボジイミド化させる方法、又はポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルと等モル量反応させてウレタン結合を生成する方法等によって、末端にイソシアネート基を1つ有するポリカルボジイミド化合物が得られる。
モノイソシアネート化合物としては、以下に制限されないが、例えば、ヘキシルイソシアネート、フェニルイソシアネートやシクロヘキシルイソシアネート等が挙げられる。上記したポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルとしては、以下に制限されないが、例えば、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルやポリエチレングリコールモノエチルエーテルが挙げられる。
集束剤としてのポリウレタン樹脂は、集束剤として一般的に用いられるものであれば特に制限されないが、例えば、m−キシリレンジイソシアナート(XDI)、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアナート)(HMDI)やイソホロンジイソシアナート(IPDI)等のイソシアネートと、ポリエステル系やポリエーテル系のジオールとから合成されるものが好適に使用できる。
集束剤としてのアクリル酸のホモポリマー(ポリアクリル酸)は、重量平均分子量が1,000〜90,000であることが好ましく、より好ましくは1,000〜25,000である。
アクリル酸のポリマーは、アクリル酸とその他共重合性モノマーとのコポリマーであってもよい。
前記アクリル酸と共重合体を形成するモノマーとしては、以下に制限されないが、例えば、水酸基及び/又はカルボキシル基を有するモノマーのうち、アクリル酸、マレイン酸、メタクリル酸、ビニル酢酸、クロトン酸、イソクロトン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸及び、メサコン酸から選ばれるよりなる群から選択される1種以上が挙げられる(但し、アクリル酸のみの場合を除く。)。好ましくは、上記したモノマーのうちエステル系モノマーを1種以上有する。
アクリル酸のポリマー(ホモポリマー及びコポリマーを共にも含む)は、塩の形態であってもよい。
アクリル酸のポリマーの塩としては、以下に制限されないが、第一級、第二級又は第三級のアミンが挙げられる。
以下に制限されないが、具体例としては、トリエチルアミン、トリエタノールアミンやグリシンが挙げられる。
中和度は、他の併用薬剤(シランカップリング剤等)との混合溶液の安定性向上や、アミン臭低減の観点から、20〜90%とすることが好ましく、40〜60%とすることがより好ましい。
塩を形成するアクリル酸のポリマー(ホモポリマー及びコポリマーを共にも含む)の重量平均分子量は、特に制限されないが、3,000〜50,000の範囲であることが好ましい。(C)無機充填材であるガラス繊維や炭素繊維の集束性向上の観点から、3,000以上が好ましく、ポリアミド組成物とした際の機械的特性向上の観点から、50,000以下が好ましい。
(C)無機充填材としてのガラス繊維や炭素繊維に、上述した集束剤を付与する方法としては、公知のガラス繊維や炭素繊維の製造工程において、ローラー型アプリケーター等の公知の方法を用いて集束剤を付与し、繊維ストランドを乾燥することによって連続的に得られる。
前記繊維ストランドをロービングとしてそのまま使用してもよく、さらに切断工程を得て、チョップドガラスストランドとして使用してもよい。
かかる集束剤は、(C)無機充填材としてのガラス繊維又は炭素繊維100質量%に対し、固形分率として0.2〜3質量%相当を付与(添加)することが好ましく、より好ましくは0.3〜2質量%付与(添加)する。
(C)無機充填材としてのガラス繊維や炭素繊維の集束を維持する観点から、集束剤の添加量が、(C)無機充填材としてのガラス繊維又は炭素繊維100質量%に対し、固形分率として0.2質量%以上であることが好ましい。一方、ポリアミド組成物の熱安定性向上の観点から、3質量%以下であることが好ましい。また、ストランドの乾燥は切断工程後に行ってもよく、又はストランドを乾燥した後に切断してもよい。
ガラス繊維や炭素繊維以外の(C)無機充填材としては、強度及び剛性、表面外観の観点から、ウォラストナイト、カオリン、マイカ、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、チタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウム、クレーが好ましく使用できる。より好ましくは、ウォラストナイト、カオリン、マイカ、タルクであり、さらに好ましくは、ウォラストナイト、マイカであり、さらにより好ましくはウォラストナイトである。これら(C)無機充填材は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ガラス繊維や炭素繊維以外の(C)無機充填材の数平均粒子径は、靭性、表面外観の観点で、0.01〜38μmが好ましい。0.03〜30μmがより好ましく、0.05〜25μmがさらに好ましく、0.1〜20μmがよりさらに好ましく、0.15〜15μmがもっとも好ましい。
数平均粒子径を38μm以下にすることにより、靭性、表面外観に優れるポリアミド組成物にすることができる。また、0.1μm以上にすることにより、コスト面、粉体のハンドリング面と物性のバランスに優れる。
また、(C)無機充填材の中でも、ウォラストナイトのような針状の形状を持つものに関しては、平均繊維径を平均粒子径とする。さらに、断面が円でない場合はその長さの最大値を繊維径とする。
上記ガラス繊維や炭素繊維以外の(C)無機充填材のうち、針状の形状を持つものの重量平均繊維長と数平均繊維径とのアスペクト比(L/D)に関しては、成形品外観、射出成形機等の金属性パーツの磨耗の観点から、1.5〜10が好ましく、2.0〜5がさらに好ましく、2.5〜4がよりさらに好ましい。
なお、本明細書において、(C)無機充填材の数平均粒子径(数平均繊維径)及び重量平均繊維長の測定方法としては、例えば、ポリアミド組成物を電気炉に入れて、含まれる有機物を焼却処理し、残渣分から、例えば100個以上の無機充填材を任意に選択し、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察して、これらの無機充填材の粒子径を測定することにより数平均粒子径を測定するとともに、同様に繊維長を計測することにより重量平均繊維長を求める方法がある。
また、上記ガラス繊維や炭素繊維以外の(C)無機充填材は、通常の表面処理剤、例えばシラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤等のカップリング剤等で、表面処理を施したものを使用しても差し支えない。
シラン系カップリング剤としては、エポキシシランカップリング剤を好ましく挙げることができる。
また、ポリアルコキシシロキサンとエポキシシランカップリング剤との混合物及び/又はポリアルコキシシロキサンとエポキシシランカップリング剤との反応物も好ましく使用することができる。
このような表面処理剤は、予め無機充填材表面に処理することもできるし、ポリアミドと無機充填材を混合する際に添加してもかまわない。
また、好ましい表面処理剤の量は、(C)無機充填材に対して0.05質量%〜1.5質量%の範囲である。
上述した(B)酸化チタンと、(C)無機充填材の含有量は、ポリアミド組成物100質量%に対し、(B)酸化チタンと(C)無機充填材との合計量が35〜70質量%であることが好ましい。
(B)酸化チタンと(C)無機充填材との合計量が35質量%以上であることで、靭性、耐リフロー性に優れ、70質量%以下であることで流動性、押出加工性に優れたポリアミド組成物が得られ、好ましくは35〜60質量%であり、より好ましくは35〜50質量%である。
また、(B)酸化チタンと(C)無機充填材の配合比率は、靭性、白色度および押出加工性の観点から、質量比において、(B)/(C)≧0.5である。好ましくは(B)/(C)が0.5〜3であり、より好ましくは1〜2である。
本実施形態のポリアミド組成物は、耐リフロー性の観点から、下記の(D)結晶核剤をさらに含有していてもよい。
[(D)結晶核剤]
(D)結晶核剤としては、特に限定されないが、ポリアミド組成物に配合することで、結晶化度や結晶化温度を高くする効果を発揮する。公知のものを使用することができ、例えば、タルク、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、窒化ホウ素、カーボンブラック等が挙げられる。
(D)結晶核剤の配合量は、(A)ポリアミド100質量部に対し、0.001〜1質量部であることが、靭性、耐リフロー性の観点から好ましい。
本実施形態のポリアミド組成物は、光安定性の観点から、下記の(E)アミン系光安定剤をさらに含有してもよい。
[(E)アミン系光安定剤]
(E)アミン系光安定剤としては、以下に制限されないが、例えば、4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェニルアセトキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−フェノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(エチルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(シクロヘキシルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェニルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)カーボネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)オキサレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)マロネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アジペート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)テレフタレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)カーボネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)オキサレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)マロネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アジペート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)テレフタレート、N,N’−ビス−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル−1,3−ベンゼンジカルボキシアミド、1,2−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)エタン、α,α'−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)−p−キシレン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルトリレン−2,4−ジカルバメート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ヘキサメチレン−1,6−ジカルバメート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ベンゼン−1,3,5−トリカルボキシレート、N,N’,N’’,N’’’−テトラキス−(4,6−ビス−(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサメチレンジアミンとN−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ベンゼン−1,3,4−トリカルボキシレート、1−[2−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}ブチル]−4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、及び1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β',β'−テトラメチル−3,9−[2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン]ジエタノールとの縮合物が挙げられる。
これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これら(E)アミン系光安定剤の中でも、分子量が2,000未満の低分子型であることが、光安定性のより一層の向上の観点から好ましい。
分子量が2,000以上の高分子型になることで同等の光安定性を達成するにあたり添加量を増やすことが必要になり、発生ガス量が増える可能性がある。
また、(E)アミン系光安定剤は、N−H型(アミノ基に水素が結合していることを示す)、N−R型(アミノ基にアルキル基が結合していることを示す)、NOR型(アミノ基にアルコキシ基が結合していることを示す)等のタイプがあるが、中でもN−H型であることが光安定性のより一層の向上の観点から好ましい。
具体的には、上記アミン系光安定剤の中でも、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)カーボネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)オキサレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)マロネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アジペート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)テレフタレート、N,N’−ビス−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル−1,3−ベンゼンジカルボキシアミド、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラートが好ましく、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、N,N’−ビス−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル−1,3−ベンゼンジカルボキシアミド、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラートがより好ましく、N,N’−ビス−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル−1,3−ベンゼンジカルボキシアミドがさらに好ましい。
(E)アミン系光安定剤を用いる場合、本実施形態のポリアミド組成物に対する(E)アミン系光安定剤の配合量は、ポリアミド組成物100質量%に対して、好ましくは0.01〜1質量%であり、より好ましくは0.1〜1質量%である。
上記の範囲内の場合、光安定性、耐熱エージング性を一層向上させることができ、さらに発生ガス量を低減させることができる。
本実施形態のポリアミド組成物は、熱安定性の観点から、下記の(F)フェノール系熱安定剤をさらに含有してもよい。
[(F)フェノール系熱安定剤]
(F)フェノール系熱安定剤としては、以下に制限されないが、例えば、ヒンダートフェノール化合物が挙げられる。
フェノール系熱安定剤、特にヒンダードフェノール化合物は、ポリアミド等の樹脂や繊維に耐熱性や耐光性を付与する性質を有する。
ヒンダードフェノール化合物としては、以下に制限されないが、例えば、N,N'−へキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオンアミド)、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N'−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,9−ビス{2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピニロキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサピロ[5,5]ウンデカン、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート−ジエチルエステル、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、および1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸が挙げられる。
これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
特に、耐熱エージング性向上の観点から、N,N'−へキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオンアミド)]である。
フェノール系熱安定剤を用いる場合、ポリアミド組成物中のフェノール系熱安定剤の配合量は、ポリアミド組成物100質量%に対して、好ましくは0.01〜1質量%であり、より好ましくは0.1〜1質量%である。上記の範囲内の場合、耐熱エージング性を一層向上させ、さらに発生ガス量を低減させることができる。
本実施形態のポリアミド組成物は、熱安定性の観点から、下記の(G)リン系熱安定剤を、さらに含有してもよい。
[(G)リン系熱安定剤]
(G)リン系熱安定剤としては、以下に制限されないが、例えば、ペンタエリスリトール型ホスファイト化合物、トリオクチルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリデシルホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト、トリスイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、フェニルジ(トリデシル)ホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、ジフェニル(トリデシル)ホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニル)ホスファイト、トリス(ブトキシエチル)ホスファイト、4,4'−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−テトラ−トリデシル)ジホスファイト、テトラ(C12〜C15混合アルキル)−4,4'−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、4,4'−イソプロピリデンビス(2−t−ブチルフェニル)・ジ(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ビフェニル)ホスファイト、テトラ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタンジホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4'−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル)ジホスファイト、テトラ(C1〜C15混合アルキル)−4,4'−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、トリス(モノ、ジ混合ノニルフェニル)ホスファイト、4,4'−イソプロピリデンビス(2−t−ブチルフェニル)・ジ(ノニルフェニル)ホスファイト、9,10−ジ−ヒドロ−9−オキサ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ホスファイト、水素化−4,4'−イソプロピリデンジフェニルポリホスファイト、ビス(オクチルフェニル)・ビス(4,4'−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル))・1,6−ヘキサノールジホスファイト、ヘキサトリデシル−1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ジホスファイト、トリス(4、4'−イソプロピリデンビス(2−t−ブチルフェニル))ホスファイト、トリス(1,3−ステアロイルオキシイソプロピル)ホスファイト、2、2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、2,2−メチレンビス(3−メチル−4,6−ジ−t−ブチルフェニル)2−エチルヘキシルホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニル)−4,4'−ビフェニレンジホスファイト、及びテトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4'−ビフェニレンジホスファイトが挙げられる。
これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記列挙したリン系熱安定剤の中でも、耐熱エージング性の一層の向上及び発生ガスの低減という観点から、ペンタエリスリトール型ホスファイト化合物、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトが好ましい。
前記ペンタエリスリトール型ホスファイト化合物としては、以下に制限されないが、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・フェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・メチル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・2−エチルヘキシル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・イソデシル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・ラウリル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・イソトリデシル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・ステアリル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・シクロヘキシル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・ベンジル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・エチルセロソルブ・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・ブチルカルビトール・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・オクチルフェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・ノニルフェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・2,6−ジ−t−ブチルフェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・2,4−ジ−t−ブチルフェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・2,4−ジ−t−オクチルフェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・2−シクロヘキシルフェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−アミル−4−メチルフェニル・フェニル・ペンタエリストリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−アミル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、及びビス(2,6−ジ−t−オクチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトが挙げられる。
これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記で列挙したペンタエリスリトール型ホスファイト化合物の中でも、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−アミル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、およびビス(2、6−ジ−t−オクチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトが好ましく、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトがより好ましい。
上記リン系熱安定剤を用いる場合、本実施形態のポリアミド組成物中のリン系熱安定剤の配合量は、ポリアミド組成物100質量%に対して0.01〜1質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜1質量%である。上記の範囲内の場合、耐熱エージング性を一層向上させ、さらに発生ガス量を低減させることができる。
本実施形態のポリアミド組成物は、発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じてさらにその他の成分を添加してもよい。
[ポリアミド組成物に含むことができるその他の成分]
本実施形態のポリアミド組成物に含有させることができるその他の成分としては、以下に制限されないが、例えば、顔料及び染料等の着色剤(着色マスターバッチ含む)、離型剤、難燃剤、フィブリル化剤、潤滑剤、蛍光増白剤、可塑化剤、銅化合物、ハロゲン化アルカリ金属化合物、酸化防止剤、安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、流動性改良剤、充填剤、補強剤、展着剤、核剤、ゴム、強化剤、並びに他のポリマー等を混合してもよい。
ここで、上記各種成分は、それぞれ性質が大きく異なるため、各成分についての好適な含有率はその性質に応じて選択するものとし、当業者であれば、上記した他の成分ごとの好適な含有率は容易に設定可能である。
〔ポリアミド組成物の製造方法〕
本実施形態のポリアミド組成物は、上述した(A)ポリアミドと、(B)酸化チタン、(C)無機充填材、さらに必要に応じて、(D)結晶核剤、(E)アミン系光安定剤、(F)フェノール系熱安定剤、(G)リン系熱安定剤、及び上記その他の所定の成分を混合することにより製造できる。
混合方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を適用できる。
例えば、(i)ポリアミド組成物を構成する各材料を、タンブラー、ヘンシェルミキサー等を用いて混合し、単軸又は二軸押出機に供給し混練し、ポリアミド組成物を得る方法や、(ii)単軸又は二軸押出機を用いて、上流側から(A)ポリアミドを供給して溶融させた後に、サイドフィーダーから(B)酸化チタンや(C)無機充填材を添加し、さらに混練することによりポリアミド組成物を得る方法や、(iii)上流側から(A)ポリアミドと(B)酸化チタンを供給して溶融混練した後に、(C)無機充填材を添加し、さらに混練する方法、(iv)上流側から(A)ポリアミドを供給して溶融させた後に、1番目のサイドフィーダーから(B)酸化チタンを添加して混練し、さらに2番目のサイドフィーダーから(C)無機充填材を添加し、さらに混練することによりポリアミド組成物を得る方法等が挙げられる。中でも、靭性、押出加工性の観点から、前記(iii)や(iv)のように、(A)ポリアミドと(B)酸化チタンを溶融混練した後に、(C)無機充填材を添加して溶融混練する方法が好ましい。
また、必要に応じて、(D)結晶核剤、(E)アミン系光安定剤、(F)フェノール系熱安定剤、(G)リン系熱安定剤、及び上記その他の所定の成分を混合する場合の供給方法に特に制限はなく、(A)ポリアミドと同じ供給口から添加しても良いし、(B)酸化チタンと同じ供給口から添加しても良いし、(C)無機充填材と同じ供給口から添加しても良い。中でも、押出加工性、耐熱変色性の観点から、(A)ポリアミドと同じ供給口から添加されて、溶融混練する方法が好ましい。
溶融混練温度は、樹脂温度にして250〜375℃程度であることが好ましい。
溶融混練時間は、0.25〜5分程度であることが好ましい。
溶融混練を行う装置としては、特に限定されるものではなく、公知の装置、例えば、単軸又は2軸押出機、バンバリーミキサー、及びミキシングロール等の溶融混練機を用いることができる。
〔ポリアミド組成物の物性〕
本実施形態のポリアミド組成物の25℃の相対粘度ηr、融点Tm2、融解熱量ΔH、ガラス転移温度Tgは、(A)ポリアミドにおけるこれらの測定方法と同様の方法により測定することができる。
(A)ポリアミドの25℃の相対粘度ηr、融点Tm2、融解熱量ΔH、ガラス転移温度Tgの測定方法については、上述する〔実施例〕に示す。
また、ポリアミド組成物におけるこれらの測定値が、前記(A)ポリアミドの測定値として好ましい範囲と同様の範囲にあることにより、耐熱性、成形性、及び耐薬品性に優れるポリアミド組成物を得ることができる。
〔成形体〕
本実施形態のポリアミド組成物の成形体は、ポリアミド組成物を、所定の成形方法により成形することにより得られる。
成形方法としては、公知の方法を適用でき、特に限定されるものではない。例えば、プレス成形、射出成形、ガスアシスト射出成形、溶着成形、押出成形、吹込成形、フィルム成形、中空成形、多層成形、及び溶融紡糸法等、一般に知られているプラスチック成形方法が挙げられる。
本実施形態のポリアミド組成物の成形品は、耐熱性、成形性、機械的強度、及び低吸水性に優れており、自動車用、電気・電子用、産業資材用、日用・家庭品用等の各種部品材料として、また、押出用途等にも好適に用いることができる。
特に、電気・電子用として好適であり、例えば、LEDリフレクター等に用いられる。
以下、具体的な実施例と比較例を挙げて本発明について詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例に用いた原材料及び測定方法を以下に示す。
なお、1kg/cm2は、0.098MPaを意味する。
〔原材料〕
((A)ポリアミド)
実施例、比較例において用いる(A)ポリアミドは、下記(a)〜(d)を適宜用いて作製した。
<(a)ジカルボン酸>
(1)1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(CHDA)
商品名:1,4−CHDA HPグレード(トランス体/シス体=25/75)
(イーストマンケミカル社製)
(2)テレフタル酸(TPA)(和光純薬工業社製)
(3)アジピン酸(ADA)(和光純薬工業社製)
<(b)ジアミン>
(4)1,12−ジアミノドデカン(ドデカメチレンジアミン)(C12DA)
(5)1,10−ジアミノデカン(デカメチレンジアミン)(C10DA)(東京化成工業製)
(6)1,9−ジアミノノナン(ノナメチレンジアミン)(C9DA)(東京化成工業製)
(7)1,7−ジアミノヘプタン(ヘプタメチレンジアミン)(C7DA)(東京化成工業製)
(8)1,6−ジアミノヘキサン(ヘキサメチレンジアミン(C6DA)(東京化成工業製)
(9)2−メチルオクタメチレンジアミン(2MC8DA) 特開平05−17413号公報に記載されている製法を参考にして製造した。
<(c)ラクタム及び/又はアミノカルボン酸>
(10)ε−カプロラクタム(CPL)(和光純薬工業製)
<(d)末端封止剤>
(11)酢酸(和光純薬工業製)
((B)酸化チタン)
(12)TiO2−1
平均粒子径:0.21μm
コーティング:アルミナ、シリカ、シロキサン化合物
強熱減量:1.21質量%
(13)TiO2−2
商品名:タイペーク(登録商標)CR−63(石原産業社製)
平均粒子径:0.21μm
コーティング:アルミナ、シリカ、シロキサン化合物
強熱減量:0.43質量%
((C)無機充填材)
(14)ガラス繊維
商品名:ECS 03T−275H(日本電気硝子社製)
平均繊維径10μmφ、カット長3mm
(15)ウォラストナイト
商品名:Nyglos8(NYCO社製)
平均繊維径8μmφ
((D)結晶核剤)
(16)タルク
商品名:ミクロエースL−1(日本タルク社製)
(17)窒化ホウ素(BN)
商品名:デンカボロンナイトライド(登録商標)SP−2(電気化学社製)
(18)カーボンブラック(CB)
商品名:三菱カーボンブラック(登録商標)RCF#50(三菱化学社製)
((E)アミン系光安定剤(HALS))
(19)商品名:Nylostab(登録商標)S−EED(クラリアント社製)
((F)フェノール系熱安定剤)
(20)商品名:IRGANOX(登録商標)1098(チバ社製)
((G)リン化合物)
(21)商品名:次亜リン酸ナトリウム一水和物(和光純薬工業社製)
〔ポリアミド成分量の計算〕
(a−1)脂環族ジカルボン酸のモル%は、(原料モノマーとして加えた(a−1)脂環族ジカルボン酸のモル数/原料モノマーとして加えた全ての(a)ジカルボン酸のモル数)×100として、計算により求めた。
(b−1)主鎖が直鎖のジアミンのモル%は、(原料モノマーとして加えた(b−1)主鎖が直鎖のジアミンのモル数/原料モノマーとして加えた全ての(b)ジアミンのモル数)×100として、計算により求めた。
なお、上記式により計算する際に、分母及び分子には、追添分として加えた(b−1)主鎖が直鎖のジアミンのモル数は含まれない。
〔物性の測定方法〕
(1)融点Tm1、Tm2(℃)、融解熱量ΔH(J/g)
JIS−K7121に準じて、PERKIN−ELMER社製Diamond−DSCを用いて測定した。
測定条件は、窒素雰囲気下、試料約10mgを昇温速度20℃/minでサンプルの融点に応じて300〜350℃まで昇温したときに現れる吸熱ピーク(融解ピーク)の温度をTm1(℃)とし、昇温の最高温度の溶融状態で温度を2分間保った後、降温速度20℃/minで30℃まで降温し、30℃で2分間保持した後、昇温速度20℃/minで同様に昇温したときに現れる吸熱ピーク(融解ピーク)の最高ピーク温度を融点Tm2(℃)とし、その全ピーク面積を融解熱量ΔH(J/g)とした。
なお、ピークが複数ある場合には、ΔHが1J/g以上のものをピークとみなした。
例えば、融点295℃、ΔH=20J/gと融点325℃、ΔH=5J/gの二つのピークが存在する場合、融点Tm2は325℃とし、ΔH=25J/gとした。
(2)ガラス転移温度Tg(℃)
JIS−K7121に準じて、PERKIN−ELMER社製Diamond−DSCを用いて測定した。
測定条件は、試料をホットステージ(Mettler社製EP80)で溶融させて得られた溶融状態のサンプルを、液体窒素を用いて急冷し、固化させ、測定サンプルとした。
そのサンプル10mgを用いて、昇温スピード20℃/minの条件下、30〜350℃の範囲で昇温して、ガラス転移温度を測定した。
(3)末端封止率(%)
(A)ポリアミドの数平均分子量(Mn)をGPCで測定し、分子鎖末端基総数(eq/g)=2/Mnの関係式を用いて分子鎖末端基総数を算出した。
滴定によりポリアミドのカルボキシル基末端の数(eq/g)[ポリアミドのベンジルアルコール溶液を0.1N水酸化ナトリウムで滴定]及びアミノ基末端の数(eq/g)[ポリアミドのフェノール溶液を0.1N塩酸で滴定]を測定し、下記式(1)により、末端封止率を求めた。
末端封止率(%)=[(A−B)÷A]×100 ・・・(1)
前記式(1)中、Aは分子鎖末端基総数(これは通常、ポリアミド分子の数の2倍に等しい)を表し、Bはカルボキシル基末端およびアミノ基末端の合計数を表す。
なお、ポリアミドの数平均分子量(Mn)はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求めた。
装置は東ソー(株)製HLC−8020を、検出器は示差屈折計(RI)を、溶媒はトリフルオロ酢酸ナトリウムを0.1モル%溶解させたヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)を、カラムは東ソー(株)製TSKgel−GM HHR−Hを2本とG1000 HHRを1本用いた。
溶媒流量は0.6mL/min、サンプル濃度は、1〜3(mgサンプル)/1(mL溶媒)であり、フィルターでろ過し、不溶分を除去し、測定試料とした。
得られた溶出曲線をもとに、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)換算により、数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)を算出した。
(4)トランス異性体比率
ポリアミド30〜40mgをヘキサフルオロイソプロパノール重水素化物1.2gに溶解し、1H−NMRで測定した。
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の場合、トランス異性体に由来する1.98ppmのピーク面積と、シス異性体に由来する1.77ppmと1.86ppmのピーク面積との比率からトランス異性体比率を求めた。
(5)25℃の相対粘度ηr
JIS−K6810に準じて実施した。
具体的には、98%硫酸を用いて、1%の濃度の溶解液((ポリアミド1g)/(98%硫酸100mL)の割合)を作製し、25℃の温度条件下で測定した。
(6)酸化チタンの強熱減量
酸化チタンを120℃で4時間乾燥させて、表面の付着水分を除去した後、デシケーター中で30分間静置し冷却した。
続いて、磁性るつぼに約10g精秤し、650℃の電気炉にて2時間加熱した。
加熱後、デシケーター中で30分間静置し冷却した後、重量を測定した。
加熱前後の重量減少率を算出し、強熱減量とした。
(7)ガラス繊維の重量平均繊維長
実施例及び比較例で得られたポリアミド組成物ペレットを、650℃の電気炉にて2時間加熱し焼却処理した。
残渣分から、100本のガラス繊維を任意に選択し、倍率1000倍でのSEM写真を用いて繊維長を計測することにより重量平均繊維長を求めた。
(8)曲げたわみ量(mm)
実施例及び比較例で得られたポリアミド組成物ペレットを、射出成形機[PS−40E:日精樹脂株式会社製]を用いて、射出+保圧時間10秒、冷却時間15秒、金型温度を120℃、溶融樹脂温度を(A)ポリアミドのTm2+20℃に設定し、長さ128mm×巾12.8mm×厚さ0.7mmの短冊状成形片を成形した。
得られた試験片を用いて、スパン間距離28mm、圧縮速度5mm/minにて曲げ試験を行い、最大荷重時のたわみ量を測定した。
(9)スパイラルフロー長(cm)
実施例及び比較例で得られたポリアミド組成物ペレットを、射出成形機[IS−100GN:東芝機械株式会社製]を用いて、射出+保圧時間10秒、冷却時間15秒、金型温度を120℃、溶融樹脂温度を(A)ポリアミドの融点Tm2+20℃に設定し、射出速度を100mm/s、射出圧力を100MPaにて、巾10mm、厚さ1.0mmのスパイラルフロー金型にて成形し、その流動長を測定した。
(10)白色度
実施例及び比較例で得られたポリアミド組成物ペレットを、射出成形機[PS−40E:日精樹脂株式会社製]を用いて、射出+保圧時間10秒、冷却時間15秒、金型温度を120℃、溶融樹脂温度を(A)ポリアミドの融点Tm2+20℃に設定し、長さ60mm×巾60mm×厚さ2.0mmの成形片を成形した。
得られた成形片を、分光色差計[SE6000:日本電色工業株式会社製]を用いて、JIS Z8730に準拠し、ハンターの色差式による明度(L値)、赤色度(a値)、黄色度(b値)を求め、白色度(W)を算出した。
W=100−[(100−L)2+a2+b21/2
(11)熱処理後の白色度
上記により得られた長さ60mm×巾60mm×厚さ2.0mmの成形片を、160℃の熱風乾燥機中で24時間加熱処理した。
処理後の試験片を上記と同様にして色差計により色調を測定し、白色度を算出した。
(12)押出加工性
実施例及び比較例で得られたポリアミド組成物ペレット3kgを金属バットに広げ、目視にて目やに起因の異物の数を測定した。
(13)耐リフロー性
実施例及び比較例で得られたポリアミド組成物ペレットを、射出成形機[PS−40E:日精樹脂株式会社製]を用いて、射出+保圧時間10秒、冷却時間15秒、金型温度を120℃、溶融樹脂温度を(A)ポリアミドの融点Tm2+20℃に設定し、長さ60mm×巾60mm×厚さ0.7mmの短冊状成形片を成形した。
得られた成形片を、熱風リフロー炉で加熱して、試験片の形状変化と、変色の度合いとを確認し、以下の基準で判定した。
<形状変化>
○:試験片の変形なし。
△:試験片にわずかな変形が認められる。
×:試験片に明らかな変形がある。
<変色>
リフロー後の試験片を上記白色殿測定と同様にして色差計により色調を測定し、白色度を算出した。
なお、このときに使用した熱風リフロー炉は、鉛フリーハンダ対応リフロー炉(UNI−6116H、日本アントム社製)であり、温度設定について、プレヒートゾーンの温度を180℃、ソルダリングゾーンの温度を280℃に設定した。また、リフロー炉内のコンベア−ベルト速度は0.3m/分に設定した。
この条件下において、炉内の温度プロファイルを確認したところ、140℃〜200℃の熱暴露時間が90秒、220℃以上の熱暴露時間が48秒、260℃以上の熱暴露時間が11秒であり、最高到達温度は265℃であった。
〔ポリアミド〕
(製造例1)
「熱溶融重合法」によりポリアミドの重合反応を実施した。
(a)ジカルボン酸:CHDA693g(4.02モル)、及び(b)ジアミン:C12DA807g(4.02モル)を、蒸留水1500gに溶解させ、原料モノマーの等モル50質量%均一水溶液を作製した。
この均一水溶液に(b)ジアミン:C12DA16g(0.08モル)を追添した。
このようにして得られた原料モノマーの水溶液を、内容積5.4Lのオートクレーブ(日東高圧製)に仕込み、液温(内温)が50℃になるまで保温して、オートクレーブ内を窒素置換した。
オートクレーブの槽内の圧力が、ゲージ圧として(以下、槽内の圧力は全てゲージ圧として表記する。)、約2.5kg/cm2になるまで、液温を約50℃から加熱を続けた(この系での液温は約145℃であった。)。
槽内の圧力を約2.5kg/cm2に保つため水を系外に除去しながら、加熱を続けて、水溶液の濃度が約75質量%になるまで濃縮した(この系での液温は約160℃であった。)。
水の除去を止め、槽内の圧力が約30kg/cm2になるまで加熱を続けた(この系での液温は約245℃であった。)。
槽内の圧力を約30kg/cm2に保つため水を系外に除去しながら、最終温度−50℃になるまで加熱を続けた。液温が最終温度−40℃(ここでは310℃、最終温度は表1に記載)まで上昇した後に、加熱は続けながら、槽内の圧力が大気圧(ゲージ圧は0kg/cm2)になるまで90分ほどかけながら降圧した。
その後、樹脂温度(液温)の最終温度(表中、「溶融重合時の液温の最終温度」と表記した。以下同じ。)が約350℃になるようにヒーター温度を調整した。樹脂温度はその状態のまま、槽内を真空装置で400torrの減圧下に30分維持した。
その後、窒素で加圧し下部紡口(ノズル)からストランド状にし、水冷、カッティングを行いペレット状で排出して、ポリアミドを得た。
このようにして得られたポリアミドを、窒素気流中で乾燥させ、水分率を約0.2質量%に調整してから、ポリアミドについて、上記(1)〜(5)の測定を行った。
測定結果を下記表1に示す。
(製造例2〜9、比較製造例3)
(a)ジカルボン酸、(b)ジアミン、(c)ラクタム及び/又はアミノカルボン酸、末端封止剤として、下記表1に示す化合物と量に従って用い、樹脂温度の最終温度を下記表1に示す温度にした。
その他の条件は、上記製造例1と同様の方法により、ポリアミドの重合を行った(「熱溶融重合法」)。
このようにして得られたポリアミドを、窒素気流中で乾燥させ、水分率を約0.2質量%に調整した。このポリアミドについて、上記(1)〜(5)の測定を行った。
測定結果を下記表1に示す。
(比較製造例1)
(a)ジカルボン酸、(b)ジアミンとして、下記表1に示す化合物と量に従って用い、樹脂温度の最終温度を下記表1に示す温度にした。
なお、蒸留水1500gを加えたが、25℃では溶解しなかったので、原料モノマーの等モル50質量%不均一スラリー水として、内容積5.4Lのオートクレーブ(日東高圧製)に入れ(不均一スラリー状態)、窒素で置換して、重合を開始させた。
その他の条件は、上記製造例1と同様の方法により、ポリアミドの重合を行った。
このようにして得られたポリアミドを、窒素気流中で乾燥させ、水分率を約0.2質量%に調整した。このポリアミドについて、上記(1)〜(5)の測定を行った。
測定結果を下記表1に示す。
(比較製造例2)
ポリアミド9T(以下、「PA9T」と略記する)を、特開平7−228689号公報の実施例1に記載された方法を参考に製造した。
その際、テレフタル酸単位をジカルボン酸単位とした。
一方、1,9−ノナメチレンジアミン単位及び2−メチルオクタメチレンジアミン単位[1,9−ノナメチレンジアミン単位:2−メチルオクタメチレンジアミン単位=80:20(モル比)]をジアミン単位とした。
下記表1に記載の原料と蒸留水1500gを、内容積5.4Lのオートクレーブ(日東高圧製)に入れ(不均一スラリー状態)、窒素で置換した。
100℃で30分間撹拌し、2時間かけて内部温度を210℃まで昇温した。その際、オートクレーブは22kg/cm2まで昇圧した。
そのまま1時間反応を続けた後、230℃に昇温し、その後2時間、230℃で恒温し、水蒸気を徐々に抜いて圧力を22kg/cm2に保ちながら反応させた。
次に、30分かけて圧力を10kg/cm2まで下げ、さらに1時間反応させて、プレポリマーを得た。
これを、100℃、減圧下で12時間乾燥し、2mm以下の大きさまで粉砕した。これを230℃、0.1mmHg下にて、10時間固相重合し、PA9Tを得た。
このポリアミドについて、上記(1)〜(5)の測定を行った。
測定結果を下記表1に示す。
〔ポリアミド組成物〕
(実施例1〜3、比較例1〜3)
上述した製造例又は比較製造例により作製したポリアミドを、窒素気流中で乾燥し、水分率を約0.2質量%に調製して用いた。
押出機上流側から1番目のバレルに上流側供給口を有し、9番目のバレルに下流側供給口を有した、L/D(押出機のシリンダーの長さ/押出機のシリンダー径)=48(バレル数:12)の二軸押出機[ZSK−26MC:コペリオン社製(ドイツ)]を用いて、上流側供給口からダイまでを製造例にて製造した(A)ポリアミドの融点Tm2+20℃に設定し、スクリュー回転数250rpm、吐出量25kg/hで、下記表2記載の割合となるように、上流側供給口よりポリアミド、酸化チタン、結晶核剤、アミン系光安定剤、フェノール系熱安定剤、リン化合物をドライブレンドした後に供給して溶融混練し、続いて、下流側供給口よりガラス繊維を供給して溶融混練しポリアミド組成物ペレットを作製した。
得られたポリアミド組成物を窒素気流中で乾燥し、水分を500ppm以下にした後、成形し、各種評価を実施した。
物性値を組成と共に下記表2に示す。
上記表2に示す結果から、少なくとも70モル%の脂環族ジカルボン酸を含むジカルボン酸と50モル%を超える主鎖が直鎖のジアミンを含むジアミンとを重合させたポリアミドと酸化チタン、及び無機充填材を含み、質量比が酸化チタン/無機充填材≧0.5である組成物は、成形体の曲げたわみ量が大きく靭性に優れ、スパイラルフロー長が長く流動性に優れることを確認した。
また、成形体の白色度や熱処理後の白色度が高いことから、色調の熱安定性に優れ、押出加工時の異物が少ないことも確認した。さらに、成形体の耐リフロー性にも優れることを確認した。
(実施例4〜10、比較例4〜6)
下記表3に示す割合となるように、上流側供給口よりポリアミド、酸化チタン、結晶核剤、アミン系光安定剤、フェノール系熱安定剤、リン化合物をドライブレンドした後に供給した。
その他の条件は、実施例1と同様にして、ポリアミド組成物ペレットを作製した。
得られたポリアミド組成物を窒素気流中で乾燥し、水分を500ppm以下にした後、成形し、各種評価を実施した。
物性値を組成と共に下記表3に示す。
上記表3の結果から、少なくとも70モル%の脂環族ジカルボン酸を含むジカルボン酸と50モル%を超える主鎖が直鎖のジアミンを含むジアミンとを重合させたポリアミドを用いることにより、構造が異なる場合においても同様に、ポリアミド組成物は、流動性、押出加工性に優れ、成形体は、靭性、耐リフロー性に優れていることを確認した。
(実施例11、12)
上述した製造例により作製したポリアミドを、窒素気流中で乾燥し水分率を約0.2質量%に調製して用いた。
押出機上流側から1番目のバレルに上流側供給口を有し、6番目のバレルに下流第1供給口、9番目のバレルに下流第2供給口を有した、L/D(押出機のシリンダーの長さ/押出機のシリンダー径)=48(バレル数:12)の二軸押出機[ZSK−26MC:コペリオン社製(ドイツ)]を用いて、上流側供給口からダイまでを製造例にて製造した(A)ポリアミドの融点Tm2+20℃に設定し、スクリュー回転数250rpm、吐出量25kg/hで、下記表4に示す割合となるように、上流側供給口よりポリアミド、酸化チタン、結晶核剤、アミン系光安定剤、フェノール系熱安定剤、リン化合物をドライブレンドした後に供給して溶融混練し、続いて、下流第2供給口よりガラス繊維を供給して溶融混練し、ポリアミド組成物ペレットを作製した。
得られたポリアミド組成物を窒素気流中で乾燥し、水分を500ppm以下にした後、成形し、各種評価を実施した。
物性値を組成と共に下記表4に示す。
(実施例13及び14)
上述した製造例により作製したポリアミドを、窒素気流中で乾燥し、水分率を約0.2質量%に調製して用いた。
押出機上流側から1番目のバレルに上流側供給口を有し、6番目のバレルに下流第1供給口、9番目のバレルに下流第2供給口を有した、L/D(押出機のシリンダーの長さ/押出機のシリンダー径)=48(バレル数:12)の二軸押出機[ZSK−26MC:コペリオン社製(ドイツ)]を用いて、上流側供給口からダイまでを製造例にて製造した(A)ポリアミドの融点Tm2+20℃に設定し、スクリュー回転数250rpm、吐出量25kg/hで、下記表4に示す割合となるように、上流側供給口よりポリアミド、結晶核剤、アミン系光安定剤、フェノール系熱安定剤、リン化合物をドライブレンドした後に供給して溶融混練し、続いて下流第1供給口より酸化チタンを供給して溶融混練し、さらに下流第2供給口よりガラス繊維を供給して溶融混練し、ポリアミド組成物ペレットを作製した。
得られたポリアミド組成物を窒素気流中で乾燥し、水分を500ppm以下にした後、成形し、各種評価を実施した。
物性値を組成と共に下記表4に示す。
上記表4の結果から、酸化チタンの種類を変更した場合、ポリアミド組成物の混練方法を変更した場合においても同様に、ポリアミド組成物は、流動性、押出加工性に優れ、成形体は、靭性、耐リフロー性に優れていることを確認した。
特に、酸化チタンを強熱減量が特定の範囲であり、ポリアミドを溶融した状態で酸化チタンを供給して混練し、さらにガラス繊維を供給して溶融混練することにより、成形体の靭性、耐熱変色性が向上し、ポリアミド組成物は押出加工性に優れているものであることを確認した。
(実施例15〜20)
上述した製造例により作製したポリアミドを窒素気流中で乾燥し、水分率を約0.2質量%に調製して用いた。
押出機上流側から1番目のバレルに上流側供給口を有し、6番目のバレルに下流第1供給口、9番目のバレルに下流第2供給口を有した、L/D(押出機のシリンダーの長さ/押出機のシリンダー径)=48(バレル数:12)の二軸押出機[ZSK−26MC:コペリオン社製(ドイツ)]を用いて、上流側供給口からダイまでを製造例にて製造した(A)ポリアミドの融点Tm2+20℃に設定し、スクリュー回転数250rpm、吐出量25kg/hで、表4記載の割合となるように、上流側供給口よりポリアミド、結晶核剤、アミン系光安定剤、フェノール系熱安定剤、リン化合物をドライブレンドした後に供給して溶融混練し、続いて下流第1供給口より酸化チタンを供給して溶融混練し、さらに下流第2供給口よりウォラストナイトを供給して溶融混練しポリアミド組成物ペレットを作製した。
得られたポリアミド組成物を窒素気流中で乾燥し、水分を500ppm以下にした後、成形し、各種評価を実施した。
物性値を組成と共に下記表5に示す。
上記表5に示す結果から、末端封止率が10%以上のポリアミドを使用した場合、ポリアミド組成物は、流動性に優れ、色調の熱安定性に優れる成形体が得られることを確認した。
また、結晶核剤を使用することで、ポリアミド組成物の成形体は、耐リフロー性に優れることを確認した。
本発明のポリアミド組成物は、自動車用、電気及び電子用、産業資材用、工業材料用、日用及び家庭品用等、各種部品の成形材料として、産業上の利用可能性を有する。

Claims (15)

  1. (A):(a)少なくとも70モル%の脂環族ジカルボン酸を含むジカルボン酸と、
    (b)主鎖が直鎖のジアミンを50モル%を超えて含むジアミンと、
    を、重合させたポリアミドと、
    (B):酸化チタンと、
    (C)無機充填材と、
    を、含有し、
    前記(B)酸化チタンの含有量が10質量%以上であり、前記(B)酸化チタンと前記(C)無機充填材との質量比が、(B)/(C)≧0.5であるポリアミド組成物。
  2. 前記(B)酸化チタンと前記(C)無機充填材との合計含有量が、35〜70質量%である請求項1に記載のポリアミド組成物。
  3. 前記(a)脂環族ジカルボン酸が、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸である、請求項1又は2に記載のポリアミド組成物。
  4. 前記(b)主鎖が直鎖のジアミンが、炭素数7〜13のジアミンである、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
  5. 前記(A)ポリアミドの重合を末端封止剤を添加して行い、前記(A)ポリアミドの前記末端封止剤による末端封止率が10%以上である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
  6. 前記(A)ポリアミドの末端封止剤が、脂肪族モノカルボン酸、脂環族モノカルボン酸、脂肪族モノアミン、及び脂環族モノアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
  7. 前記(A)ポリアミド中における前記脂環族ジカルボン酸構造のトランス異性体比率が、50〜85モル%である請求項1乃至6のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
  8. 前記(B)酸化チタンは、
    数平均粒子径(電子顕微鏡写真法による)が0.1〜0.8μmである請求項1乃至7のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
  9. 前記(B)酸化チタンが、無機コーティング及び/又は有機コーティングされている、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
  10. 前記(B)酸化チタンの強熱減量(650℃、2時間加熱時の減量)が0.7〜2.5質量%である、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
  11. 前記(C)無機充填材の少なくとも1種が繊維状充填材及び/又は針状充填材である、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
  12. 前記(C)無機充填材としてガラス繊維を含んでおり、ポリアミド組成物中の前記(C)ガラス繊維の繊維長(重量平均長)が250〜500μmである、請求項1乃至11のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
  13. 前記(A)ポリアミド及び前記(B)酸化チタンを溶融混練した後に、
    前記(C)無機充填材をさらに混練して得られる、請求項1乃至12のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
  14. (D)結晶核剤を、さらに含有する、請求項1乃至13のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
  15. 前記請求項1乃至14のいずれか一項に記載のポリアミド組成物を用いて成形した成形体。
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