JP2011209140A - ヒトc反応性タンパク質(crp)測定用イムノクロマト試薬 - Google Patents

ヒトc反応性タンパク質(crp)測定用イムノクロマト試薬 Download PDF

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Abstract

【課題】試料中のCRP濃度が高濃度であってもフック現象が起こらないヒトCRP測定用イムノクロマト試薬を提供することにあり、さらには、広い測定範囲を有するヒトCRP測定用イムノクロマト試薬を提供すること。
【解決手段】受託番号FERM P-21873のハイブリドーマより産生される抗ヒトC反応性タンパク質モノクローナル抗体または当該モノクローナル抗体と同一の抗原決定基を認識する抗体を用いたヒトC反応性タンパク質測定用イムノクロマト試薬によりフック現象が起こらない試薬を得ることができた。さらに、CRPと上記モノクローナル抗体との反応系に、特定の界面活性剤を含有させることによって、その測定範囲を任意に調節することができた。
【選択図】なし

Description

本発明は、2種類の抗ヒトCRPモノクローナル抗体を用いたヒトCRP測定用イムノクロマト試薬に関し、一般式CH3(CH2)nOSO3Na (n=5〜10)で表されるアルキル硫酸ナトリウム、n-Decanoyl-N-methyl-D-glucamine、Sucrose monolaurate、Polyoxyethylene (23) lauryl ether から選ばれる少なくとも1つの界面活性剤を反応系に含有させることによって、測定範囲を調節する技術に関する。
(CRP)
C反応性タンパク質(本明細書では単に「CRP」と記す場合もある)は、活性化された白血球によって放出されるIL-6などのサイトカインに応答して肝細胞によって合成される急性期タンパク質の一種であり、炎症反応の代表的なマーカーである。血中のCRP濃度は、健常人で0.1mg/dL以下であるのに対し、手術後には2.5〜3.5mg/dLに増加し、また、急性の細菌感染においては3.0〜3.5mg/dLの血中濃度に達し、さらに、重症の外傷がある場合では、血中のCRP濃度は50〜100mg/dLまでにも増加することが知られている。このように、CRPは感染や手術・外傷による組織傷害、関節リウマチなどの慢性の組織破壊を伴うような炎症性疾患において、その血中濃度が著しく増加することから、これらの病態の診断や治療経過の把握における非常に有用な検査指標となる。また、近年、CRPは冠動脈性疾患のリスク指標としても有用であることが認知され、0.01mg/dL〜0.1mg/dLの範囲での微量のCRP濃度を測定することも重要になってきている。従って、血中CRP濃度測定に関して、より測定範囲の広い検査試薬の開発が望まれている。
(CRP測定)
通常、CRP濃度測定は、他のタンパク質と同様、CRPに対する抗体を用いた免疫学的測定法によって行われている。定性検査としては、ポリクローナル抗体を用いた一元免疫拡散法による方法がある。定量検査としては、代表的なものに、ラテックス凝集免疫測定法や免疫比濁法などがある。定量検査の多くは、検査室を有する大病院や臨床検査センターにおいて、多項目自動分析装置を用いて測定が行われている。このような自動分析装置を用いるラテックス凝集免疫測定試薬では、0.01mg/dL〜30mg/dLと、測定範囲の広い試薬も知られている。
一方、最近では、診療所や小病院においても、患者を診察している間に該患者のCRP濃度を測定したい、というニーズが増加してきており、従来の外注検査から、Point of Care Testing(POCT)によるCRP検査が行われるようになってきている。このようなPOCT試薬の代表例としては、ラテラルフロー式のイムノクロマト試薬などが挙げられる。しかしながら、イムノクロマト法を原理とする試薬の測定範囲は、0.5 mg/dL 〜12mg/dL、ないしは0.8mg/dL〜20 mg/dL程度であって、測定のダイナミックレンジは、せいぜい25倍程度である。
血中のCRPは、同一の円盤状サブユニットからなる5量体として存在しており、分子量約105,000のタンパク質である。CRPに対するモノクローナル抗体としては、既に数種が報告されている(非特許文献1及び特許文献1、2)。
これらの抗体とCRPとの反応では、CRPが5量体のため、2種類の抗体を用いたサンドイッチ系は言うに及ばず、1種類の抗体を用いた測定系においても容易に凝集体が形成され得ることが知られており、この性質を利用してラテックス凝集免疫測定試薬やイムノクロマト試薬が開発されている。しかしながら、このような免疫凝集反応などの免疫反応における問題点として、CRP濃度が高くなるにつれて、反応シグナルが次第にプラトーになり、さらにCRP濃度過剰域(抗原過剰域)になると、凝集体が生成しにくくなってシグナルが減少する、いわゆる「フック現象」(「プロゾーン(prozone)現象」ともいう)が起こることが知られている。特に、反応シグナルがプラトーになるだけではなく、フック現象が起こる場合には、高濃度のCRPが検体中に存在するにもかかわらず、見かけ上の低値化が起こる。その程度が大きい場合には偽陰性になり、誤った臨床診断を招く恐れがある。フック現象を緩和する方法は、これまでにいくつか報告されている(特許文献3〜6)。しかしながら、これらの方法では、所望の測定範囲内でフック現象がおこる抗原抗体反応系の、定量範囲を幾分改善するに留まっており、フック現象そのものは解決されていなかった。
特許第2840852号公報 特開2001−000181号公報 特許第3501349号公報 特開2004−020369号公報 特許第3851807号公報 特許第3871677号公報
The Journal of Immunology, vol 131, 2411−2415 (1983))
本発明の目的は、CRPが高濃度の試料の測定においてフック現象が起こらないヒトCRP測定用イムノクロマト試薬を提供することにあり、さらには、広い測定範囲を有するヒトCRP測定用イムノクロマト試薬を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決するため、後述の実施例に詳述するように、複数の抗ヒトCRPモノクローナル抗体を作製し、それらの数十種類の組合せを鋭意研究した結果、受託番号FERM P-21873のハイブリドーマより産生される抗ヒトC反応性タンパク質モノクローナル抗体または当該モノクローナル抗体と同一の抗原決定基を認識する抗体をヒトC反応性タンパク質測定用イムノクロマト試薬に用いることによって、従来の問題であったフック現象が少なくとも試料中のCRP濃度40mg/dLまで起こらないということを見出した。
さらに、後述の実施例に詳述するように、CRPと上記モノクローナル抗体との反応系に、一般式CH3(CH2)nOSO3Na(n=5〜10)で表されるアルキル硫酸ナトリウム、n-Decanoyl-N-methyl-D-glucamine、Sucrose monolaurate、Polyoxyethylene (23) lauryl ether から選ばれる少なくとも1つの界面活性剤を含有させることによって、その測定範囲を任意に調節しうることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下の構成を有する。
〔1〕以下の(1)および(2)を含むヒトC反応性タンパク質測定用イムノクロマト試薬であって、(1)または(2)の抗ヒトC反応性タンパク質モノクローナル抗体が、受託番号FERM P-21873のハイブリドーマより産生されるモノクローナル抗体であるか当該モノクローナル抗体と同一の抗原決定基を認識するモノクローナル抗体を使用することを特徴とするヒトC反応性タンパク質測定用イムノクロマト試薬。
(1)抗ヒトC反応性タンパク質モノクローナル抗体が標識体に固定化されたコンジュゲート
(2)(1)のモノクローナル抗体とは別の抗ヒトC反応性タンパク質モノクローナル抗体が固定化された不溶性メンブレン担体
〔2〕さらに以下の(3)〜(5)を含む前記〔1〕に記載のヒトC反応性タンパク質測定用イムノクロマト試薬。
(3)サンプルパッド
(4)サンプルパッドに接して配置され、前記〔1〕に記載の(1)のコンジュゲートを含有するコンジュゲートパッド
(5)吸収パッド
〔3〕(1)に用いられるモノクローナル抗体が、受託番号FERM P-21873のハイブリドーマより産生されるモノクローナル抗体であるか当該モノクローナル抗体と同一の抗原決定基を認識するモノクローナル抗体である前記〔1〕または〔2〕に記載のヒトC反応性タンパク質測定用イムノクロマト試薬。
〔4〕(2)に用いられるモノクローナル抗体が、受託番号FERM P-21874のハイブリドーマより産生される抗ヒトC反応性タンパク質モノクローナル抗体であるか当該抗体と同一の抗原決定基を認識する抗体である前記〔3〕に記載のヒトC反応性タンパク質測定用イムノクロマト試薬。
〔5〕CRPと2種類のモノクローナル抗体との反応系に、一般式CH3(CH2)nOSO3Na (n=5〜10)で表されるアルキル硫酸ナトリウム、n-Decanoyl-N-methyl-D-glucamine、Sucrose monolaurate、Polyoxyethylene (23) lauryl ether から選ばれる少なくとも1つの界面活性剤を含有させてなる前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のヒトC反応性タンパク質測定用イムノクロマト試薬。
〔6〕オクチル硫酸ナトリウム(CH3(CH2)7OSO3Na )を0.01〜1%含有させてなる前記〔5〕に記載のヒトC反応性タンパク質測定用イムノクロマト試薬。
〔7〕前記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載のヒトC反応性タンパク質測定用イムノクロマト試薬を用いて試料中のヒトC反応性タンパク質を測定する方法。
本発明のヒトCRP測定用イムノクロマト試薬によれば、少なくとも試料中のCRP濃度40mg/dLまでフック現象が起こらないことから、見かけ上の低値化が起こらず、誤った臨床診断を回避できる。また、測定範囲が広いため、従来よりも希釈再測定などの手間とコストを削減することができる。さらに、診療所や小病院におけるPoint of Care Testing(POCT)によるCRP検査という最近の社会ニーズにも応えることができる。
テストストリップの模式構造図である。 20倍希釈した抗原液を用いてフック現象の起こらない抗体の組合せをスクリーニ ングした結果である。 試験例1で選択した5種類の抗体の組合せについて、希釈しない抗原液を用いてフック現象の起こらない抗体の組合せを検討した結果である。 上記「FERM P-21873コンジュゲート/FERM P-21874メンブレン」の組合せのテストデバイスにおいて、種々の界面活性剤の添加を検討した結果である。 上記「FERM P-21873コンジュゲート/FERM P-21874メンブレン」の組合せのテストデバイスにおいて、種々の陰イオン界面活性剤の添加を検討した結果である。 上記「FERM P-21873コンジュゲート/FERM P-21874メンブレン」の組合せのテストデバイスにおいて、アルキル硫酸ナトリウムの測定範囲の調節効果について、アルキル鎖長との関係を検討した結果である。 上記「FERM P-21873コンジュゲート/FERM P-21874メンブレン」の組合せのテストデバイスにおいて、オクチル硫酸ナトリウムの添加濃度を検討した結果である。 上記「FERM P-21873コンジュゲート/FERM P-21874メンブレン」の組合せのテストデバイスにおいて、0.3%オクチル硫酸ナトリウム添加による測定範囲の調節について検討した結果である。
(ハイブリドーマの作製)
本発明の受託番号FERM P-21873のハイブリドーマ及び受託番号FERM P-21874のハイブリドーマは、一般的には、KohlerとMilsteinの方法(Nature、第256巻495頁(1975年)参照)に準じ、CRPで免疫した動物の脾臓細胞と同種のミエローマ細胞(骨髄腫細胞)とを細胞融合して作製することができる。
(免疫)
動物の免疫は、一般的な手法に従って行うが、一例を挙げると、CRPをリン酸緩衝生理食塩水などの溶媒に溶解し、この溶液を動物の皮下、皮内、腹腔などに投与することにより容易に達成できる。免疫に用いる動物としては哺乳動物が好ましく、例えばマウス、ラットが好適である。必要に応じて、前記の溶液に適宜のアジュバントを添加した後、エマルジョンとし免疫を行ってもよい。アジュバントとしては、油中水型乳剤、水中油中水型乳剤、水中油型乳剤、リポソーム、水酸化アルミニウムゲルなど、汎用されるアジュバントのほか、生体成分由来のタンパク質やムラミルジペプチドのようなペプチド性物質などを用いてもよい。例えば、フロイントの不完全アジュバント又はフロイントの完全アジュバントなどは好適である。投与経路、投与量、投与時期は特に限定されないが、抗原を免疫する動物において所望の免疫応答を増強できるように適宜選択することが望ましい。動物の皮下、皮内、腹腔などに投与して一次刺激後、必要に応じて同様の操作を繰り返し行う。抗原の投与量は投与経路、動物種に応じて適宣決定されるが、通常の投与量は1回当たり10μg〜1mg程度が好ましい。
(細胞融合)
細胞融合に用いる免疫細胞は、最終免疫の3〜4日後に摘出した脾臓細胞が好適である。また、前記免疫細胞と融合させる骨髄腫細胞(ミエローマ細胞)としては、既に確立されている公知の各種細胞株が好ましく、例えばマウス由来のNS1(P3/NSI/I-Ag4-1)[Eur.J. Immunol.6:511-519(1976)]、SP2/O-Ag14[Nature 276:269(1978)]、P3-X63-Ag8.653[J.Immunol.123:1548(1979)]、P3-X63-Ag8U.1[Curr.Top. Microbiol. Immunol.81:1(1978)]等や、ラット由来のY3-Ag1.2.3.[Nature 277:131-133(1979)]、YB2/O(YB2/3HL/P2.G11.16Ag.20)[Methods Enzymol.73B:1(1981)]等が挙げられる。
細胞融合には、通常用いられるポリエチレングリコール(PEG)、センダイウイルス(HVJ)等を使用することができる。細胞融合の手法は公知の方法を用いることができ、例えば上記の骨髄腫細胞と骨髄腫細胞に対して約1〜10倍の免疫細胞との混合ペレットに、平均分子量1000〜6000のポリエチレングリコールを30〜60%の濃度で滴下し混合することによって達成できる。
上記の方法によって得られた免疫細胞と骨髄腫細胞とのハイブリドーマは、通常の選択培地、例えばHAT培地(ヒポキサンチン、アミノプテリン及びチミジンを含む培地)にて増殖するかどうかによって選択される。目的ハイブリドーマは、前記の中から、抗ヒトCRPモノクローナル抗体を産生しているかどうかについてスクリーニングされた後、限界希釈法によりクローニングされて、樹立される。
(目的抗体の産生細胞)
上記目的の抗ヒトCRPモノクローナル抗体を産生しているかどうかをスクリーニングする方法としては、公知のELISA法、RIA法、Biacore法等により行うことができる。例えば、培養上清中のモノクローナル抗体を固相化したCRPと反応させ、次に標識抗IgG抗体を反応させる抗原固相化ELISA法により、CRPに対し高い反応性を有するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを選択することができる。また、CRP はCa2+イオンの有無によって構造変化を生じることが知られており、上記のハイブリドーマを選択するスクリーニング反応系に、Ca2+イオンのキレート剤であるEDTAやEGTAを0.02M程度添加しても良いし、反対に0.02M程度のCa2+ イオンを添加しても良い。実際、本発明の受託番号FERM P-21873のハイブリドーマより産生される抗ヒトC反応性タンパク質モノクローナル抗体(以後、FERM P-21873抗体ということがある)及び受託番号FERM P-21874のハイブリドーマより産生される抗ヒトC反応性タンパク質モノクローナル抗体(以後、FERM P-21874抗体ということがある)は、0.02M Ca2+イオンを添加した場合と0.02M EDTAを添加しCa2+イオンをキレートした場合とでELISA法にてCRPとの反応性を比較すると、Ca2+イオン存在下において高い結合性を有するという特徴がある。
このようにして選別されたハイブリドーマを大量培養することにより、所望の特性を有するモノクローナル抗体を作製することができる。大量培養の方法は特に限定されないが、例えば、ハイブリドーマを適宜の培地中で培養してモノクローナル抗体を培地中に産生させる方法や、哺乳動物の腹腔内にハイブリドーマを注射して増殖させ、腹水中に抗体を産生させる方法などを挙げることができる。モノクローナル抗体の精製は、例えば陰イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、硫安分画法、PEG分画法、エタノール分画法などを適宜組み合わせて行うことができる。
(本発明の抗体と同一の抗原決定基を認識する抗体)
本発明のFERM P-21873抗体と同一の抗原決定基を認識する抗体及びFERM P-21874抗体と同一の抗原決定基を認識する抗体とは、それぞれ、上記のELISA法、RIA法、Biacore法等による抗体スクリーニングテストにおいて、FERM P-21873抗体またはFERM P-21874抗体に対する競合反応性を有するか否かで判定できる。それぞれの抗体と同一の抗原決定基を有する場合には、上記のスクリーニングテストにおいて、被験抗体を添加することによって、濃度依存性に反応量の低下が起こることから容易に判定できる。例えば、ELISA法を用いる場合には、西洋ワサビペルオキシダ−ゼ(HRP)で標識したFERM P-21873抗体またはFERM P-21874抗体と被験抗体とを同時にCRP固定化したプレートに添加し、CRPに結合していない分子を洗浄後、HRPの酵素活性を測定する方法などを挙げることができる。
本発明では、FERM P-21873抗体またはFERM P-21874抗体及びこれらと同一の抗原決定基を有する抗体を用いる際、その分子全体のほかに抗原抗体反応活性を有する抗体の機能性断片を使用することも可能であり、前記のように動物への免疫工程を経て得られたもののほか、遺伝子組み換え技術を使用して得られるものや、キメラ抗体を用いることも可能である。抗体の機能性断片としては、例えば、F(ab')2 、Fab'などが挙げられ、これらの機能性断片は前記の抗体をタンパク質分解酵素(例えば、ペプシンやパパインなど)で処理することにより製造できる。
(標識体)
標識体としては、通常、イムノクロマト法における抗体の固定化担体として知られる公知の材料を用いることができる。例えば、金コロイド粒子、白金コロイド粒子、カラーラテックス粒子、磁性粒子などが好ましく、特に金コロイド粒子が好ましい。
金コロイド粒子の粒径はイムノクロマト試薬の感度に大きく影響することが知られているが、本発明の金コロイド粒子の粒径としては20〜60nmが好ましく、特に40nmが好ましい。上記の金コロイド粒子は、一般に知られている方法、例えば、加熱したテトラクロロ金(III)酸水溶液にクエン酸三ナトリウム水溶液を滴下攪拌することによって製造することができる。
以下、金コロイド粒子を用いた場合について詳述する。
(標識体への抗体の感作)
抗体の金コロイド粒子への固定化は、通常物理吸着によって行うが、この際、抗体濃度は1μg/mL〜5μg/mLに調製されるのが好ましく、緩衝液及びpHは、2mMリン酸緩衝液(pH6〜7)または2mMホウ酸緩衝液(pH8〜9)が好ましく、さらに好ましくは2mMリン酸緩衝液(pH7)である。また、金コロイド粒子上の抗体が結合していない領域は、BSA などを結合させブロッキングするのが好適である。本明細書では、上記のような標識体に抗ヒトC反応性タンパク質モノクローナル抗体あるいはコントロール用抗体が固定化されたものを「コンジュゲート」という。上述のように作製されたコンジュゲートは、変性阻止剤に分散され保存される。変性阻止剤としては、BSA などのタンパク質、グリセリン、糖などが用いられる。
(検出試薬)
本発明において、「検出試薬」とは具体的には少なくともコンジュゲートを含有する溶液である。
検出試薬は、コンジュゲートを安定な状態に保ち、測定試料と混合されたときにコンジュゲートに固定化された抗体がCRPと特異的に反応するのを促進する、あるいはコンジュゲートを迅速かつ効果的に溶解、流動化する目的で、例えば1種類以上の安定化剤、溶解補助剤等を含み得る。該安定化剤、溶解補助剤等としては、例えばウシ血清アルブミン(BSA)、スクロース、カゼイン、アミノ酸類などをあげることができる。また、検出試薬は、検出感度の向上を目的とし、必要に応じて2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン等の公知の増感剤を含み得る。更に検出試薬は、Ca2+イオンのキレート剤であるEDTAやEGTAなども含み得る。
なお、本明細書において、「検出」又は「測定」という用語は、CRPの存在の証明及び/又は定量などを含めて最も広義に解釈する必要があり、いかなる意味においても限定的に解釈してはならない。
(サンプルパッド)
本発明において、「サンプルパッド」とは、CRPを含む測定試料を受け入れる部位であり、パッドに成型された状態で液体の測定試料を吸収し、液体と測定対象の成分(CRP)とが通り抜けることができるどんな物質及び形態をも含む。サンプルパッドに適した材料の具体例として、ガラス繊維(グラスファイバー)、アクリル繊維、親水性ポリエチレン材、乾燥紙、紙パルプ、織物等が含まれるが、これらに限定されない。好適には、グラスファイバー製パッドが用いられる。該サンプルパッドには、後述するコンジュゲートパッドの機能を併せ持たせることも出来る。また、サンプルパッドには、後述する抗体固定化メンブレンにおける非特異的反応(吸着)を防止・抑制する目的で、通常使用されるブロッキング剤等を含ませることができる。該ブロッキング剤としては、例えばNEO PROTEIN SAVER(東洋紡績株式会社)、イムノブロックTM(大日本製薬株式会社)、Applie Block(生化学バイオビジネス株式会社)、SEA BLOCKTM/EIA/WB(East Coast Biologics社)、Blocking One(ナカライテスク社)、BSA、Blocking Peptide Fragment(東洋紡績株式会社)、Starting BlockTM(PBS)Blocking Buffer(Thermo Fisher Scientific社)、Smart BlockTM(CANDOR Bioscience 社)、HeteroBlock(OMEGA Biologicals社)、等から、反応系に影響のないものを適宜選択可能である。
(コンジュゲートパッド)
本発明において、「コンジュゲートパッド」とは、CRPと特異的に反応するコンジュゲートを内在し、測定試料が該コンジュゲートパッドを通過する際、コンジュゲートと試料中のCRPとが複合体(凝集体)を形成する機能を有する部位をいう。該コンジュゲートパッドは、それ単独で抗ヒトCRPモノクローナル抗体固定化メンブレンに接するように配置されていてもよいし、あるいは、前記サンプルパッドと接触して配置され、毛細管流によってサンプルパッドを通過した測定試料を受入れ、引き続き該測定試料を毛細管流によって前記サンプルパッドとは異なる面で接触する別のパッド(後述する3rd Pad)へ移送するように配置してもよい。なお、サンプルパッド、コンジュゲートパッドの一種以上の部位の選択や、選択された部位を抗体固定化メンブレンにどのように配置するかは、適宜に変更可能である。
該コンジュゲートパッドに適した材料として、紙、セルロース混合物、ニトロセルロース、ポリエステル、アクリロニトリルコポリマー、ガラス繊維(グラスファイバー)またはレーヨンのような不織繊維が挙げられるが、これらに限定されない。好適には、グラスファイバー製パッドが用いられる。
後述の如く不溶性メンブレン担体に「コントロール捕捉試薬」を固定化する場合には、コンジュゲートパッドに、アッセイの信頼性を担保するための「コントロール試薬」、例えば、標識体で標識され且つCRPと反応しない抗体や、標識体で標識されたKLH(スカシ貝ヘモシアニン)などの高抗原性タンパク質などを含ませる。これらのコントロール試薬は、測定試料中に存在する可能性が考えられない成分(物質)であり、後述する「コントロール捕捉試薬」と適切に対応するよう適宜に選択可能である。また、本発明のFERM P-21873抗体(及びFERM P-21873抗体と同一の抗原決定基を有する抗体)を用いる場合には、Ca2+イオン存在下においてCRPと高い結合性を有し、大きな凝集体が生成しやすい。すなわち、抗体固定化メンブレンにおいて展開されやすい抗原抗体複合体が減少し、抗体固定化部位でのサンドイッチ複合体が減少して測定シグナルが低下する可能性がある。そのため、コンジュゲートパッドには、Ca2+イオンのキレート剤であるEDTAやEGTAなどを含有させておいてもよい。
(3rd Pad)
3rd Padは、測定試料と検出試薬との反応成分のうち、CRP測定に不要な成分を除去し、必要な反応成分が抗体固定化メンブレンをスムーズに展開できるようにすることを目的として配置させることができる。例えば、全血または全血を溶血させた試料を用いる場合には、血球や不溶性の血球破砕物などは、CRP測定に不要な成分として除去することが望ましい。また、この3rd Padには、抗原抗体反応により生成する凝集体の内、抗体固定化メンブレンに移動し、スムーズに展開できない位に大きくなった凝集体をあらかじめ除去するという付加的な効果を併せ持たせることも可能である。3rd Padとしては、液体と測定対象の成分(CRP)とが通り抜けることができるどんな物質及び形態をも含む。具体例として、ガラス繊維(グラスファイバー)、アクリル繊維、親水性ポリエチレン材、乾燥紙、紙パルプ、織物等が含まれるが、これらに限定されない。好適には血球分離膜やそれに類する膜が用いられる。
(抗体の不溶性メンブレン担体への固定化)
本明細書において、抗原や抗体を不溶性メンブレン担体に物理的あるいは化学的に担持させることあるいは担持させた状態を「固定」、「固定化」、「固相化」、「感作」、「吸着」と表現することがある。
本発明のイムノクロマト試薬における抗ヒトC反応性タンパク質モノクローナル抗体の不溶性メンブレン担体への固定化は、一般に周知の方法で実施することができる。例えば、フロースルー式の場合、上記の抗体を所定の濃度に調製し、その液を一定量、点あるいは+など特定のシンボル状に、不溶性メンブレン担体に塗布する。ラテラルフロー式の場合には、上記の抗体を所定の濃度に調製し、その液をノズルから一定の速度で吐出しながら水平方向に移動させることのできる機構を有する装置などを用いて、ライン状に不溶性メンブレン担体に塗布することにより行われる。この際、抗体の濃度は0.1mg/mL〜5mg/mLが好ましく、0.5mg/mL〜2mg/mLがさらに好適である。また、抗体の不溶性メンブレン担体への固定化量は、フロースルー式の場合には不溶性メンブレン担体に滴下する塗付量を調節することによって最適化でき、ラテラルフロー式の場合には上記の装置のノズルからの吐出速度を調節することによって最適化できる。特に、ラテラルフロー式の場合、0.5μL/cm〜2μL/cmが好適である。なお、本発明において、「フロースルー式メンブレンアッセイ」という場合は、試料液等が不溶性メンブレン担体に対して垂直方向に通過するように展開する方式を指し、「ラテラルフロー式メンブレンアッセイ」という場合は、試料液が不溶性メンブレン担体に対して並行方向に移動するように展開する方式を指す。
また、上記の抗体は、通常所定の緩衝液を用いて調製することができる。該緩衝液の種類としては、リン酸緩衝液、トリス緩衝液、グッド緩衝液など通常使用される緩衝液をあげることができる。緩衝液のpHは6.0〜9.5の範囲が好ましく、6.5〜8.5がより好ましく、7.0〜8.0がさらに好ましい。緩衝液には、さらにNaClなどの塩類、スクロースなどの安定剤や保存剤、プロクリンなどの防腐剤等を含んでもよい。塩類はNaClなどのようにイオン強度の調整のために含ませるもののほか、水酸化ナトリウムなど緩衝液のpHを調整する目的で添加するものも含まれる。
不溶性メンブレン担体に抗体を固定化した後、さらに、通常使用されるブロッキング剤を溶液あるいは蒸気状にして抗体固定化部位以外を被覆し、ブロッキングを行うこともできる。
本明細書では、上記のように抗体が固定化された不溶性メンブレン担体を「抗体固定化メンブレン」ということがある。
なお、不溶性メンブレン担体には、「コントロール捕捉試薬」を固定化することができる。該コントロール捕捉試薬は、アッセイの信頼性を担保するための試薬であって、コンジュゲートパッドに含ませた対応する「コントロール試薬」を捕捉するものである。例えば、コンジュゲートパッドに標識されたKLHをコントロール試薬として含む場合には、抗KLH抗体などがコントロール捕捉試薬に該当する。コントロール捕捉試薬をメンブレンに固定化する位置は、アッセイ系の設計に適合するよう適宜選択することができる。
(抗体の組み合わせ)
本発明のイムノクロマト測定試薬では、(1)コンジュゲートパッドに含有される標識体に固定化される抗ヒトC反応性タンパク質モノクローナル抗体と、(2)不溶性メンブレン担体に固定化される抗ヒトC反応性タンパク質モノクローナル抗体、の2種類の抗ヒトC反応性タンパク質モノクローナル抗体が用いられる。これらのモノクローナル抗体は、組み合わせてヒトC反応性タンパク質を検出できるものであればよいが、本発明では、(1)または(2)の抗体のいずれかにFERM P-21873抗体(及びFERM P-21873抗体と同一の抗原決定基を有する抗体)を用いることが必要である。当該モノクローナル抗体を(1)または(2)のいずれかの抗体として用いることで、フック現象の誘起を抑えることができる。また、FERM P-21873抗体(及びFERM P-21873抗体と同一の抗原決定基を有する抗体)は、特に(1)の抗体として用いることが望ましく、これによりフック現象の誘起を試料中のCRP濃度40mg/dLまで抑えることができる。また、FERM P-21873抗体(またはFERM P-21873抗体と同一の抗原決定基を有する抗体)を(1)の抗体として用い、FERM P-21874抗体(またはFERM P-21874抗体と同一の抗原決定基を有する抗体)を(2)の抗体として用いる組み合わせにおいては、フック現象の誘起を試料中のCRP濃度100mg/dLまで抑えることができるという効果を奏する。
(不溶性メンブレン担体)
本発明において、不溶性メンブレン担体(単に、メンブレンと記載することがある)としては、任意の材質が使用できる。例えば、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン類、ガラス、セルロースやセルロース誘導体などの多糖類あるいはセラミックス等があげられるがこれらに限定されない。具体的には、ミリポア社、東洋濾紙社、ワットマン社などより販売されているガラス繊維ろ紙やセルロースろ紙などをあげることができる。また、この不溶性メンブレン担体の孔径と構造を適宜選択することにより、コンジュゲートと試料中のCRPとの複合体がメンブレン中を流れる速度を制御することが可能である。メンブレン中を流れる速度の制御により、メンブレンに固定化された抗体(捕捉試薬)に結合するコンジュゲート量を調節することができるため、メンブレンの孔径と構造は、本発明のイムノクロマト試薬のほかの構成材料との組み合わせを考慮して最適化することが望ましい。好適には、ミリポア社、Hi Flow Plus HF180などが用いられる。
(吸収パッド)
本発明において、吸収パッドとは、不溶性メンブレン担体を移動・通過した測定試料を吸収することにより、測定試料の展開を制御する液体吸収性を有する部位である。ラテラルフロー式においては、ストリップ構成の最下流に設ければよく、フロースルー式においては、例えば抗体固定化メンブレンの下部に設ければよい。該吸収パッドとしては、例えば、ろ紙を用いることができるが、これに限定されない。好適には、Whatman社、740-Eが用いられる。
(ストリップ)
本発明において、「ストリップ」とは、抗体固定化メンブレンに、サンプルパッド、コンジュゲートパッド、吸収パッドの一以上が適宜に配置装着されたものをいう。該ストリップは、通常、プラスチック製粘着シートのような固相支持体上に配列させる。該固相支持体を測定試料の毛管流を妨げない物質で構成することはもとより、接着剤の成分を測定試料の毛管流を妨げない物質とすることは明らかである。なお、抗体固定化メンブレンの機械的強度を上げ且つアッセイ中の水分の蒸発(乾燥)を防ぐ目的でポリエステルフィルムなどをラミネートすることも可能である。該ストリップは、ストリップの大きさや、測定試料の添加方法・位置、メンブレン上の抗体の固定化位置、シグナルの検出方法などを考慮した適当な容器(ハウジング)に格納・搭載して使用することができ、このように格納・搭載された状態を「デバイス」という。
また、本発明のヒトC反応性タンパク質測定用イムノクロマト試薬は、少なくとも、抗ヒトCRPモノクローナル抗体固定化メンブレンおよび、抗ヒトCRPモノクローナル抗体が標識体に固定化されているコンジュゲートを含むものであればよく、測定条件、測定試料に応じて他の試薬や構成を含み得る。
(試料)
本発明の抗体を用いる測定方法における測定対象となる「試料」(「測定試料」とも言う)としては、主に生体(生物)由来の体液を挙げることができる。具体的には、血液、血清、血漿、尿、唾液、喀痰、膵臓抽出液、涙液、耳漏又は前立腺液などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。一般的には、血清、血漿が好ましい。また、上記の試料は適宜希釈液によって希釈することが可能であり、本明細書では、試料を希釈液で希釈したものを「試料液」ということがある。全血を検体とするときには、この希釈液に赤血球を溶血する作用を併せ持たせてもよい。この際の希釈倍率は適宜目的とする測定範囲に合わせて調節でき、好ましくは10倍から500倍である。上記の溶血作用を持たせた希釈液としては、精製水、pH6.0〜10.0の希薄緩衝液、例えば10 mM〜20mMリン酸緩衝液や10mM〜20mM Tris-HCl緩衝液、10mM〜20mMグリシン-HCl緩衝液が挙げられる。また溶血作用を増強し、試料液のストリップでの展開速度を制御する目的で、これらの希釈液に抗原抗体反応に影響しない非イオン性の界面活性剤を添加することも可能である。また、上記の希釈液にCa2+イオンのキレート剤であるEDTAやEGTAなどを含有させてもよい。
(フック現象)
ラテラルフロー式イムノクロマト測定法において、フック現象(抗原過剰域における測定シグナルの低下)は、次のような複数の機序によって起こると考えられる。
1)ラテックス凝集法と同様、抗原過剰域では、標識体に結合した抗体が抗原で埋め尽くされてしまい、他の標識体との結合部位が減少して凝集体が小さくなった結果、抗体固定化メンブレン上の抗体固定化部位でのサンドイッチ複合体のシグナル(例えば反射吸光度)が低下する。
2)抗原と標識体上の抗体との結合により生成する凝集体が大きくなるにつれて、抗体固定化メンブレンに移動し、展開できる凝集体が減少し、その結果、抗体固定化部位でのサンドイッチ複合体が減少し、測定シグナルが低下する。
3)抗原が標識体上の抗体よりも大過剰の場合、標識体上の抗体と結合できなかった余剰の抗原が抗体固定化メンブレン上の抗体固定化部位の抗体と結合するため、凝集体の結合量が低下する。
上記3)の機序によるフック現象は、原理的には抗原量が標識体上の抗体量よりも大過剰になれば回避することはできない。コンジュゲートの量を増やすことにより、幾分、測定範囲を広げることは可能ではあるが、同時に、2)の機序によるフック現象が起こるようになる。2)の機序によるフック現象が起こらないようにするためには、より多くの凝集体がメンブレン内を展開できるように、i)標識体の粒子サイズを小さくする、ii)抗
原抗体反応を抑制し、より微小な凝集体ができるようにする、iii)メンブレンの孔径を大きくする、iv)メンブレンに展開する前にあらかじめ巨大凝集体を除去する、等のいくつかの方法が考えられる。しかしながら、一方で抗原抗体反応による凝集体を小さくすると、メンブレン上の抗体固定化部位でのサンドイッチ複合体のシグナル自体は小さくなるので感度が低下するという、相反する観点を考慮しなければならない。
(フック現象の定義)
上記のように、フック現象は複数の要因が複合して起こるものではあるが、本発明では、測定のばらつきをも考慮に入れ、抗原過剰域において、測定シグナルが最大値よりも少なくとも10%以上低下した場合に、「フック現象が起こっている」と表わした。
ここで抗原過剰域とは、少なくとも40mg/dL以上をいい、したがって、40mg/dL以上でフック現象を起こさないことが望ましく、50mg/dL以上でフック現象を起こさないことがさらに望ましく、100mg/dL以上でも同現象を起こさないことがよりいっそう望ましい。
(界面活性剤による測定範囲の調節)
本発明の2種類の抗体、FERM P-21873抗体(及びFERM P-21873抗体と同一の抗原決定基を有する抗体)とFERM P-21874抗体(及びFERM P-21874抗体と同一の抗原決定基を有する抗体)、を組み合わせたヒトCRP測定用イムノクロマト試薬では、測定試料中のCRP濃度が40mg/dLまでフック現象が認められなかったものの、その測定範囲は制限されていた。すなわち、試験例7で界面活性剤無添加の場合の試験結果(図8参照)から示されるように、抗原を50倍希釈して測定する場合、その測定範囲は0.03mg/dL〜3mg/dLと微量のCRPを高感度に測定することは可能であるが、炎症反応を検査する目的で血中CRP濃度を測定する場合に必要な0.2mg/dL〜20mg/dLという測定範囲に対応できない。炎症反応の検査に対応するためには、さらに10倍から100倍血液試料を希釈する必要があり、操作が煩雑になる上、大量の希釈液が必要となる。
本発明の界面活性剤は、一般式CH3(CH2)nOSO3Na(n=5〜10)で表されるアルキル硫酸ナトリウム、n-Decanoyl-N-methyl-D-glucamine、Sucrose monolaurate、Polyoxyethylene (23) lauryl ether から選ばれる少なくとも1つであり、この界面活性剤を反応系に含有させることによって、本発明のヒトCRP測定用イムノクロマト試薬の測定範囲を調節することができる。
本発明の界面活性剤を試料中のCRPと2種類のモノクローナル抗体との反応系に含有させる方法としては、例えば、試料液に適宜至適濃度になるよう界面活性剤を含ませておいてもよいし、サンプルパッド、抗体固定化メンブレン、コンジュゲートパッド等に含浸させた後乾燥させてもよいが、これらに限定されない。後者の場合には、これらのパッドに吸収された後に効果を発揮するように適宜測定に用いる必要検体量からパッドを浸漬する溶液中の濃度を設定するのが望ましい。
本発明のヒトCRP測定用イムノクロマト試薬の測定範囲を調節するためには、一般式CH3(CH2)nOSO3Na(n=5〜10)で表されるアルキル硫酸ナトリウム、n-Decanoyl-N-methyl-D-glucamine、Sucrose monolaurate、Polyoxyethylene (23) lauryl ether から選ばれる少なくとも1つの界面活性剤を反応系に添加することが望ましく、n=5〜10のアルキル硫酸ナトリウムのなかでも特にオクチル硫酸ナトリウム(n=7)がより望ましい。従来から、陰イオン界面活性剤には抗原抗体反応を抑制する作用があることが知られているが、本発明者らが市販の数種類の陰イオン界面活性剤を評価したところ、陰イオン界面活性剤であれば必ずしも同様の効果があるわけではなく、また、その効果も抗体の組合せによって異なるということ、本発明の上記2種類の抗体の組合せでは、アルキル硫酸ナトリウムにその効果が大きいことが判った。さらに、後述の試験例5に示したように、アルキル硫酸ナトリウムのアルキル鎖長をn=5〜11(C6〜C12)まで変えてその効果を比較したところ、驚くべきことに、n=7(C=8)のオクチル硫酸ナトリウムを底とするU字型の曲線が得られた。従来の陰イオン界面活性剤による抗原抗体反応を修飾する作用の機序は、当然その界面活性効果にあると理解されている。アルキル硫酸ナトリウムの界面活性効果は、アルキル鎖長が長いほどその効果が大きくなることは周知の事実である(J.Colloid and Interface Science, 187, 113-120(1997), P.D.T.Huibers et. al.)。
従って、本発明におけるアルキル硫酸ナトリウムの効果は単なる界面活性効果ではなく、本発明の2種類の抗体に対して特有の効果であり、恐らくは、CRPと本発明の2種類の抗体とのサンドイッチ複合体形成において、CRP分子のエピトープと抗体分子のパラトープとの親和力(Avidity)を特異的に弱めるのではないかと考えられる。
上記の一般式CH3(CH2)nOSO3Na(n=5〜10)で表されるアルキル硫酸ナトリウムの濃度は、その種類と検体の希釈率によって適宜最適化されるべきである。特にオクチル硫酸ナトリウム(CH3(CH2)7OSO3Na )を用いる場合には、0.01%〜1%の範囲で用いることが好ましい。
本発明において、試料中のCRPと上記2種類のモノクローナル抗体との反応系に、一般式CH3(CH2)nOSO3Na(n=5〜10)で表されるアルキル硫酸ナトリウムを含有させる方法としては、検体希釈及び溶血液中に適宜至適濃度になるように添加する方法、上記のサンプルパッドまたはコンジュゲートパッドに含浸させた後、乾燥させる方法がある。
(その他)
本発明のヒトCRP測定用イムノクロマト試薬の作製は実施例に記載の方法を適宜、修飾・改変して行うことができる。コンジュゲートに由来するシグナルを測定する方法としては、公知の方法に従って行えばよく、例えば、吸光度あるいは反射光の強度を測定すればよい。
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
1.モノクローナル抗体の製造方法
1)免疫用CRP抗原の調製方法
ヒトCRP(ラジオイムノアッセイ社製)をコンプリートフロインドアジュバント(Gibco社製)と1:1で混合後、連結シリンジを用いてエマルジョンを作製し、免疫用抗原とした。
2)免疫及びハイブリドーマの作製方法
上記、免疫用抗原を雄のBALB/cマウスの腹腔に注入した(1匹当たり50〜100μg)。この操作(免疫)を2週間毎に2回繰り返した。免疫開始5週間後、試験採血にて高い抗体価が確認されたマウスから脾臓を摘出し、50%-PEG1450(Sigma社製)を用いて常法により細胞融合を行った。ミエローマ細胞はSP2/Oを用いた。得られた融合細胞は、脾臓細胞として2.5×106個/mLになるように、HAT、15%ウシ胎児血清及び10%BM-Condimed H1 Hybridoma Cloning Supplement(Roche社製)を含むRPMI1640培地に懸濁し、96穴培養プレートに0.2mLずつ分注した。これを5%CO2インキュベーター中で37℃にて培養した。
3)抗ヒトCRPモノクローナル抗体産生ハイブリドーマのスクリーニング
細胞融合7〜10日後に培養上清を用いて、後述する抗原固相化ELISA法を行い、CRPに対し高い反応性を示したwellを陽性wellとして選別した。陽性well中の細胞は、24穴
プレートを用いて継代した。
3)−1 抗原固相化ELISA用プレートの作製
100mM NaCl、2.5mM CaCl2を含む20mM Tris-HCl緩衝液(pH8.0)で2μg/mLの濃度に調製したCRPを、50μL/wellずつ96穴プレートに固相化し、4℃で一晩静置した。0.05%Tween(登録商標)20及び0.1%プロクリン300(SUPELCO社製)を含む10mM PBS溶液(pH7.2。以下、PBSTという)300μL/wellで3回洗浄後、1%BSAを含むPBST(以下、BSA-PBSTという)を100μL/wellずつ分注し、室温で1時間静置してブロッキングを行い、ELISA用プレートを作製した。該ELISA用プレートは、PBSTで3回洗浄後、各試薬を添加して実施例記載の各ELISA法試験に用いた。
3)−2 抗原固相化ELISA法
(i)抗原を固相化したELISA用プレートに、BSA-PBSTを用いて段階希釈した各マウス抗血清、あるいは融合細胞の培養上清を50μL/wellずつ分注し、室温で1時間静置した。
(ii)PBSTで3回洗浄後、HRP-Goat-Anti−Mouse IgG(BIOSOURCE社製)をBSA-PBSTにて5000倍希釈した溶液を50μL/wellずつ分注し、室温で1時間静置した。
(iii)PBSTで3回洗浄後、TMB基質液を各wellに50μLずつ添加した。室温にて10〜30分静置した後、1N硫酸を各wellに50μLずつ添加しHRP酵素反応を停止した。続いてマイクロプレートリーダー(Bio Rad社製)にて450nm/650nmの吸光度を測定した。
4)クローニング及びモノクローナル抗体採取
上記のスクリーニングで選択したハイブリドーマを限界希釈法にてクローニングし、抗ヒトCRPモノクローナル抗体産生ハイブリドーマを得た。次いで各ハイブリドーマが産生するモノクローナル抗体を採取するため、2週間前にプリスタン0.5mLを腹腔内に注射しておいた8週齢の雄BALB/cマウスに、ハイブリドーマを細胞数0.4〜1.3×106個の量で腹腔内に投与した。投与後1週間目から1日おきに腹水を採取し、遠心処理して上清を得た。上清を等量の吸着用緩衝液(3M NaCl、1.5M Glycine-NaOH緩衝液、pH8.5)と混和後、ろ過した。該ろ液を、吸着用緩衝液で平衡化したプロテインAセファロースカラムに通し、ろ液中の抗体をカラムに吸着させた後、0.1Mクエン酸緩衝液(pH3.0)で溶出させた。該溶出液を、1M Tris-HCl緩衝液(pH9.0)で中和後、10mM PBS(pH7.2)で透析を行い、抗体を採取した。上記で得られたハイブリドーマが産生するモノクローナル抗体のうち、CRPとの反応性の高い6種類の抗体を、#08202、#08203、#08204、#08206、#08207、#08208として以下の試験に供した。#08202産生ハイブリドーマおよび#08203産生ハイブリドーマは、出願人によって独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)に寄託手続がされ、それぞれ受託番号FERM P-21873、FERM P-21874が付与されている。#08202を特にFERM P-21873抗体、#08203を特にFERM P-21874抗体ということがある。
2.イムノクロマトデバイスの作製
1)金コロイド標識抗ヒトCRPモノクローナル抗体(コンジュゲート)の作製
本発明の2種類の抗ヒトCRPモノクローナル抗体(FERM P-21873抗体、FERM P-21874抗体)と別の4種類の抗ヒトCRPモノクローナル抗体(#08204、#08206、#08207、#08208)とをそれぞれ以下i)〜vi)のような、抗体濃度と緩衝液条件に調製した。1 OD/mLの金コロイド(粒径40nm)溶液20mLに対し各抗体溶液を1mL添加し、室温で10分間撹拌した。該金コロイド−抗ヒトCRPモノクローナル抗体混合液に対し、10%ウシ血清アルブミン(BSA)水溶液を2mL添加し、さらに5分間撹拌後、10℃にて、10,000rpmで45分間遠心し、沈渣(コンジュゲート)を得た。得られたコンジュゲートに対し、Conjugate Dilution Buffer(Scripps社製)を1.2mL添加しコンジュゲートを懸濁させた。各コンジュゲートの吸光度を531nm(使用した金コロイドの最大吸収波長)で測定した。吸光度の測定は、以下の試験においても同様に行った。
i) FERM P-21873(60μg/mL)、2mMリン酸緩衝液 pH7.0
ii) FERM P-21874(100μg/mL)、2mMリン酸緩衝液 pH6.0
iii) #08204(40μg/mL)、2mMホウ酸緩衝液 pH8.0
iv) #08206(80μg/mL)、2mMリン酸緩衝液 pH6.0
v) #08207(40μg/mL)、2mMリン酸緩衝液 pH7.0
vi) #08208(40μg/mL)、2mMリン酸緩衝液 pH7.0
2)コンジュゲートパッドの作製
上記1)で調製したコンジュゲートを、8〜20 OD/mLとなるように、1.33%カゼイン、4%スクロース溶液(pH7.5)と混合して検出試薬を作製し、一定体積のグラスファイバー製パッド(日本ポール社、No.8964)に該パッド体積の1.2倍容量滲みこませた。ドライオーブン内で70℃、30分間加温することにより乾燥させ、コンジュゲートパッドとした。また、増感剤などの添加剤を添加する場合には、前記検出試薬に必要量を添加した後、同様の操作を行った。
3)抗ヒトCRPモノクローナル抗体固定化メンブレンの作製
ニトロセルロースメンブレン(ミリポア社、HF240またはHF180)の短辺の一端に、1mg/mLに調製した上記6種類の抗ヒトCRPモノクローナル抗体及び2.5%スクロースを含む10mMリン酸緩衝液(pH7.2)を、イムノクロマト用ディスペンサー「XYZ3050」(BIO DOT社)を用いて0.75μL/cmとなるよう設定し、ライン状に塗布した。ドライオーブン内で70℃、45分乾燥し、抗体固定化メンブレンとした。
4)サンプルパッドの作製
24mM NaCl、0.5%スクロース及び30mMEDTAを含む20mMトリス塩酸緩衝液(pH7.2)を、一定体積に切断したグラスファイバー製パッド(Lydall社)に該パッド体積の1.15倍容量滲みこませた。ドライオーブン内で70℃、45分乾燥し、サンプルパッドとした。
5)テストストリップの作製
プラスチック製粘着シート(a)に上記抗体固定化メンブレン(b)を貼り、該メンブレンの抗ヒトCRPモノクローナル抗体(c)を塗布部の展開上流部側に配置し、さらにグラスファイバー製パッドからなる3rd Pad(h)を装着した。次いで、上記2)で作製したコンジュゲートパッド(d)を配置装着し、さらにこのコンジュゲートパッドに重なるように上記4)で作製したサンプルパッド(e)を配置装着し、反対側の端には吸収パッド(f)(Whatman社、740-E)を配置装着した。また、最後に抗体固定化メンブレンおよび吸収パッドを被覆するように上面にポリエステルフィルム(g)を配置装着しラミネートした。このように各構成要素を重ね合わせた構造物を一定幅に切断してテストストリップを作製した。該テストストリップは、アッセイの際、プラスチック製の専用のハウジング(サンプル添加窓部及び検出窓部を有する、図1中図示せず)に格納・搭載し、イムノクロマトテストデバイスの形態にした。図1にテストストリップの模式構成図を示した。
〔試験例1〕フック現象の起こらない抗体の組合せのスクリーニング
イムノクロマトテストデバイスは、上記2において、検出試薬に増感剤を添加してコンジュゲートパッドに含浸し乾燥させて作製したものを用いた(以降の試験例についても同じ)。
1.試験方法
同種の組合せを除き、#08202(FERM P-21873抗体)、#08203(FERM P-21874抗体)、#08204、#08206、#08207及び#08208の各抗体を用いた6種類のコンジュゲートと6種類の抗体固定化メンブレンを組合せて、合計30種類のテストデバイスを作製した。ナノピア用CRPキャリブレーターA (積水メディカル株式会社製)を用いて調製したCRP濃度0.03、0.3、0.6、3.0、18.0、42.0mg/dLの抗原液をPBSで20倍に希釈して試料液とし、その120μLをテストデバイスのサンプルパッド窓部に添加して、イムノクロマトリーダーICA-1000(浜松ホトニクス社)を用いて、10分後のテストデバイスの検出窓部の吸光度を測定した。図2-1〜図2-6にコンジュゲートごとに、5種類のメンブレンにおけるCRP濃度反応曲線を示した。図2-1〜2-6の横軸は20倍希釈前のCRP濃度を示す。
2.試験結果
FERM P-21873抗体をコンジュゲートにした場合には、#08206を除く他の4種類の抗体固定化メンブレンを用いたテストデバイスにおいてフック現象が起こらないことが判った。また、FERM P-21874抗体をコンジュゲートにした場合でもFERM P-21873を固定化した抗体固定化メンブレンを用いたテストデバイスではフック現象が起こらなかった。
〔試験例2〕高濃度CRPに対してフック現象の起こらない抗体の組合せの検討
1.試験方法
上記試験例1でフック現象が起きなかった5通りの抗体の組合せについて、さらに高濃度のCRPに対して、フック現象が起こらないかどうかについて試験を行った。ナノピア用CRPキャリブレーターA(積水メディカル株式会社製)及び市販の遺伝子組み換えCRP標品(タカラバイオ、1mg/mL)を用いて調製したCRP濃度0.01, 18.0, 42.0, 100.0mg/dLの4濃度の抗原液を、希釈せずにその120μLをテストデバイスのサンプルパッド窓部に添加し、イムノクロマトリーダーICA-1000(浜松ホトニクス社)を用いて、10分後のテストデバイスの検出窓部の吸光度を測定した(図3)。
2.試験結果
本発明の「P-21873コンジュゲート/P-21874メンブレン」を用いたテストデバイス(図3●―●)では、100mg/dLまで全くフック現象が認められないのに対し、他の4種類の抗体の組合せを用いたテストデバイスでは、高濃度域においてフック現象が認められた。
〔試験例3〕添加する界面活性剤の種類の検討
1.試験方法
本発明のFERM P-21873抗体コンジュゲートと FERM P-21874抗体固定化メンブレンの組合せにおいて、検体希釈液(PBS)に以下に示す中性、陰イオン性、陽イオン性、両イオン性の界面活性剤をそれぞれ2%になるように添加し、各希釈液を調製した。それぞれの希釈液を用いて、ナノピア用CRPキャリブレーターA (積水メディカル株式会社製)を用いて調製したCRP濃度0.3, 3.0, 42.0mg/dLの3濃度の抗原液を20倍希釈して試料液とし、その120μLをテストデバイスのサンプルパッド窓部に添加して、イムノクロマトリーダーICA-1000(浜松ホトニクス社)を用いて、10分後のテストデバイスの検出窓部の吸光度を測定した(図4)。図4の横軸は20倍希釈前のCRP濃度を示す。
2.試験結果
希釈液として界面活性剤を含まないPBSを用いた場合、吸光度はCRP濃度が低濃度(0.3 mg/dL)でも約400mAbsと高い値を示した。希釈液に陰イオン界面活性剤であるデシル硫酸ナトリウム(n=9のアルキル硫酸ナトリウム)を加えた場合、測定感度が大きく抑制され、CRP濃度0.3〜42.0mg/dLまでCRP濃度依存的に吸光度が増加して、この濃度範囲での測定が可能になった。本発明のヒトCRP測定用イムノクロマト試薬にデシル硫酸ナトリウムを含有させることにより、良好な測定範囲の調節作用が認められた。
中性界面活性剤では、n-Decanoyl-N-methyl-D-glucamine(製品名:MEGA-10)、Sucrose monolaurate、Polyoxyethylene (23) lauryl ether (製品名:Brij 35)に弱いながらも同様の効果が認められたが、Polyoxyethylene-polyoxypropylene Block Copolymer(製品名:Pluronic F68)、Polyoxyethylene(9)Octylphenyl Ether(製品名:Nonidet P40)では測定範囲の調節作用はほとんどなく、Polyoxyethylene(10)octylphenyl ether(製品名:Triton-X100)、Polyoxyethylene(20)Sorbitan Monolaurate(製品名:Tween20)ではフック現象が起こった。
また、両イオン性界面活性剤の3-[(3-Cholamidopropyl)dimethylammonio] propanesulfonate(製品名:CHAPS)、N-Tetradecyl-dimetyl-3-ammonio-1-propanesulfonate(製品名:Sulfobetaine SB 14)でも同様にフック現象が起こり、陽イオン性界面活性剤のCetyl pyridinium chlorideでは金コロイドが凝集し展開不良のため吸光度が検出できなかった。
試験に用いた界面活性剤;
<中性界面活性>
n-Decanoyl-N-methyl-D-glucamine(製品名:MEGA-10)
Sucrose monolaurate
Polyoxyethylene (23) lauryl ether (製品名:Brij 35)
Poloxanlene(製品名:Pluronic F68)
Polyoxyethylene(9)Octylphenyl Ether(製品名:Nonidet P40)
Polyoxyethylene(10)Octylphenyl Ether(製品名:Triton-X100)
Polyoxyethylene(20)Sorbitan Monolaurate(製品名:Tween20)
<両イオン性界面活性剤>
3-[(3-Cholamidopropyl)dimethylammonio]propanesulfonate(製品名:CHAPS)
N-Tetradecyl-dimethyl-3-ammonio-1-propanesulfonate(製品名:Sulfobetaine SB 14)
<陽イオン性界面活性剤>
Cetyl Pyridinium Chloride
<陰イオン界面活性剤>
デシル硫酸ナトリウム(Sodium Decyl Sulfate)
〔試験例4〕陰イオン界面活性剤添加の検討
1.試験方法
本発明のFERM P-21873抗体コンジュゲートとFERM P-21874抗体メンブレンの組合せを用いたテストデバイスにおいて、検体希釈液(PBS)に以下に示す種々の陰イオン界面活性剤を0.2, 1.0, 5.0%になるように添加し、各希釈液を調製した。それぞれの希釈液を用いて、ナノピア用CRPキャリブレーターA (積水メディカル株式会社製)を用いて調製したCRP濃度0.3, 3.0, 42.0mg/dLの3濃度の抗原液を20倍希釈して試料液とし、その120μLをテストデバイスのサンプルパッド窓部に添加して、イムノクロマトリーダーICA-1000(浜松ホトニクス社)を用いて、10分後のテストデバイスの検出窓部の吸光度を測定した(図5)。図5の横軸は20倍希釈前のCRP濃度を示す。
試験に用いた界面活性剤;
<陰イオン界面活性剤>
オクチル硫酸ナトリウム(Sodium Octyl Sulfate)
デシル硫酸ナトリウム(Sodium Decyl Sulfate)
ドデシル硫酸ナトリウム(Sodium Dodecyl Sulfate)
ドデシル硫酸リチウム(Lithium Dodecyl Sulfate)
N-ドデカノイルサルコシン酸ナトリウム(Sodium N-Dodecanoyl Sarcosinate)
コール酸ナトリウム(Sodium Cholate)
デオキシコール酸ナトリウム(Sodium Deoxycholate)
ラウリル硫酸アンモニウム(Ammonium Lauryl Sulfate、製品名:エマール AD-25R )
ラウリル硫酸トリエタノールアミン(Triethanolamine Lauryl Sulfate、製品名:エマール TD)
2.試験結果
希釈液としてPBSを用いた場合には、CRP濃度3.0 mg/dL で吸光度はほぼプラトーになり、測定範囲は3.0mg/dLよりも低い濃度にあることが明らかである。本発明のオクチル硫酸ナトリウム(n=7のアルキル硫酸ナトリウム)、デシル硫酸ナトリウム(n=9のアルキル硫酸ナトリウム)を加えた場合では、0.2〜1.0%で添加濃度に比例した測定範囲の調節効果が認められた。しかしながら、ドデシル硫酸ナトリウムやドデシル硫酸リチウムでは、添加濃度に応じて感度は低下させるものの測定範囲調節効果はほとんどなかった。また、N-ドデカノイルサルコシン酸ナトリウム、コール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム 、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミンは感度にほとんど影響なく、測定範囲調節効果もなかった。さらに、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミンでは高濃度添加でフック現象が認められた。
〔試験例5〕
アルキル硫酸ナトリウムのアルキル鎖長と測定範囲調節作用との関係
1.試験方法
本発明のFERM P-21873抗体コンジュゲートとFERM P-21874抗体メンブレンの組合せを用いたテストデバイスにおいて、検体希釈液(PBS)にn=5〜11(C=6〜12)のアルキル硫酸ナトリウムを1%になるように添加し、各希釈液を調製した。それぞれの希釈液を用いて、ナノピア用CRPキャリブレーターA (積水メディカル株式会社製)を用いて調製したCRP濃度0.3, 3.0, 9.0, 18.0, 42.0 mg/dLの5濃度の抗原液を50倍希釈して試料液とし、その120μLをテストデバイスのサンプルパッド窓部に添加し、イムノクロマトリーダーICA-1000(浜松ホトニクス社)を用いて、5分後のテストデバイスの検出窓部の吸光度を測定した(図6)。
2.試験結果
アルキル硫酸ナトリウムのアルキル鎖長をn=5〜11(C=6〜12)に変化させた結果をグラフに表すと、測定範囲の調節作用は、驚くべきことに、n=7(C=8)のオクチル硫酸ナトリウムを底とするU字型の曲線となった。このことから、アルキル硫酸ナトリウム(CH3(CH2)nOSO3Na)のアルキル鎖長を選択することで、測定範囲の調節が可能であることがわかった。
〔試験例6〕オクチル硫酸ナトリウムの添加濃度の検討
1.試験方法
n=5〜11(C=6〜12)のアルキル硫酸ナトリウム(CH3(CH2)nOSO3Na)の代わりに、オクチル硫酸ナトリウム(SOS)を0.05, 0.1, 0.2, 0.3%となるように添加し、CRP濃度0.15, 0.3, 0.6, 3.0, 9.0, 18.0, 30.0,42.0 mg/dLの8濃度の抗原液を用いた以外は、試験例5と同じ方法で試験を行った。結果を図7に示す。図7の横軸は50倍希釈前のCRP濃度を示す。
2.試験結果
オクチル硫酸ナトリウム濃度を0.05, 0.1, 0.2, 0.3%と上げるにつれて、吸光度は少しずつ低下するものの測定範囲が広がるのが明らかであり、増感剤をコンジュゲートパッドに添加しない場合、オクチル硫酸ナトリウムは、少なくとも0.05〜0.3%の濃度で測定範囲調節作用を持つことがわかった。
〔試験例7〕オクチル硫酸ナトリウム添加による測定範囲の調節効果の評価
1.試験方法
オクチル硫酸ナトリウム(SOS)を0%、0.3%添加した以外は、試験例6と同じ方法で試験を行った。結果を図8に示す。図8の横軸は50倍希釈前のCRP濃度を示す。
2.試験結果
オクチル硫酸ナトリウムを添加しない場合、測定範囲は0.03mg/dL〜3.0mg/dLであった。一方、0.3% オクチル硫酸ナトリウムを添加した時には、その測定範囲は0.15mg/dL〜30mg/dLに調節され、従来の炎症反応を検査する際の目標測定範囲の0.2mg/dL〜20mg/dLより広い測定範囲が得られた。
本発明によるFERM P-21873抗体を用いたヒトCRP測定用イムノクロマト試薬によれば、高濃度域であってもフック現象を抑えることができる。特にFERM P-21873抗体を利用したヒトCRP測定用イムノクロマト試薬は少なくとも試料中のCRP濃度40mg/dLまでフック現象が起こらず、さらに、FERM P-21873抗体とFERM P-21874抗体とを組み合わせたヒトCRP測定用イムノクロマト試薬においては、試料中のCRP濃度100mg/dLまでフック現象が起こらず従来よりも多くの患者の血中CRP濃度を正確に測定できる。
また、一般式CH3(CH2)nOSO3Na (n=5〜10)アルキル硫酸ナトリウムを反応系に含有させることによって、CRP濃度の測定範囲を任意に調節でき、従来よりも再希釈及び再測定などの手間とコストを削減することができる。
これらによって、診療所や小病院などにおけるPoint of Care Testing(POCT)によるCRP検査という最近の社会ニーズにも応えることができる。
(a)プラスチック製粘着シート
(b)抗体固定化メンブレン
(c)抗ヒトCRPモノクローナル抗体(抗CRP抗体)
(d)コンジュゲートパッド
(e)サンプルパッド
(f)吸収パッド
(g)ポリエステルフィルム
(h)3rd Pad
FERM P-21873
FERM P-21874
[寄託生物材料への言及]
(1)FERM P-21873(#08202産生ハイブリドーマ)
イ 当該生物材料を寄託した寄託機関の名称及び住所
独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター
日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6(郵便番号305-8566)
ロ イの寄託機関に生物材料を寄託した日付
平成21年11月26日
ハ イの寄託機関が寄託について付した受託番号
FERM P-21873
(2)FERM P-21874(#08203産生ハイブリドーマ)
イ 当該生物材料を寄託した寄託機関の名称及び住所
独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター
日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6(郵便番号305-8566)
ロ イの寄託機関に生物材料を寄託した日付
平成21年11月26日
ハ イの寄託機関が寄託について付した受託番号
FERM P-21874

Claims (7)

  1. 以下の(1)および(2)を含むヒトC反応性タンパク質測定用イムノクロマト試薬であって、(1)または(2)の抗ヒトC反応性タンパク質モノクローナル抗体が、受託番号FERM P-21873のハイブリドーマより産生されるモノクローナル抗体であるか当該モノクローナル抗体と同一の抗原決定基を認識するモノクローナル抗体を使用することを特徴とするヒトC反応性タンパク質測定用イムノクロマト試薬。
    (1)抗ヒトC反応性タンパク質モノクローナル抗体が標識体に固定化されたコンジュゲート
    (2)(1)のモノクローナル抗体とは別の抗ヒトC反応性タンパク質モノクローナル抗体が固定化された不溶性メンブレン担体
  2. さらに以下の(3)〜(5)を含む請求項1に記載のヒトC反応性タンパク質測定用イムノクロマト試薬。
    (3)サンプルパッド
    (4)サンプルパッドに接して配置され、請求項1に記載の(1)のコンジュゲートを含有するコンジュゲートパッド
    (5)吸収パッド
  3. (1)に用いられるモノクローナル抗体が、受託番号FERM P-21873のハイブリドーマより産生されるモノクローナル抗体であるか当該モノクローナル抗体と同一の抗原決定基を認識するモノクローナル抗体である請求項1または2に記載のヒトC反応性タンパク質測定用イムノクロマト試薬。
  4. (2)に用いられるモノクローナル抗体が、受託番号FERM P-21874のハイブリドーマより産生される抗ヒトC反応性タンパク質モノクローナル抗体であるか当該抗体と同一の抗原決定基を認識する抗体である請求項3に記載のヒトC反応性タンパク質測定用イムノクロマト試薬。
  5. ヒトC反応性タンパク質と2種類のモノクローナル抗体との反応系に、一般式CH3(CH2)nOSO3Na (n=5〜10)で表されるアルキル硫酸ナトリウム、n-Decanoyl-N-methyl-D-glucamine、Sucrose monolaurate、Polyoxyethylene (23) lauryl ether から選ばれる少なくとも1つの界面活性剤を含有させてなる請求項1〜4のいずれかに記載のヒトC反応性タンパク質測定用イムノクロマト試薬。
  6. オクチル硫酸ナトリウム(CH3(CH2)7OSO3Na )を0.01〜1%含有させてなる請求項5に記載のヒトC反応性タンパク質測定用イムノクロマト試薬。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のヒトC反応性タンパク質測定用イムノクロマト試薬を用いて試料中のヒトC反応性タンパク質を測定する方法。
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