JP2006038700A - 分析装置及び分析方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】分析対象物(アナライト)を広範囲の濃度帯域において、1回の分析で簡便に半定量又は定量できる分析装置を提供する。
【解決手段】分析対象物に特異的に結合する1種のリガンドに1種の粒状標識を結合させた粒状標識リガンドの2種以上を用い、それらが広範囲のアナライト濃度の各帯域に反応性を有するように調節されている。これらを用いて1つの結果測定部位で、広範囲のアナライト濃度に応じて各濃度帯域に反応性を調節された粒状標識リガンドが各々の信号を発し、この信号を測定することにより広範囲の濃度のアナライトを一回の分析で簡便に定量又は半定量する。
【選択図】図7

Description

本発明は、試料中の分析対象物の定量分析、半定量分析或いは定性分析に用いる分析検査キット等の分析装置及び分析方法に関する。
免疫反応の特異性を利用した試料中の分析対象物(アナライト)を検出または定量する分析方法は古くより実用化されている。とりわけメンブラン等の多孔質膜を利用し、試料や試薬をその膜の面に対して垂直に濾過形式で流動させるフロースルー方式や、膜の面に沿って一端から他端へ流動させるラテラルフロー方式は、操作が簡便であり、分析に要する時間も短いことから一般的な検査として普及している。
最も一般的なイムノクロマト法における分析対象物の検出方法としては、分析対象物に対し特異的結合部位が異なる2種類の特異的結合物質(リガンド、例えば抗体)が分析対象物を挟んで複合体を形成するサンドイッチ法やリガンドに対し所定濃度で分析対象物を事前に存在させ、試料中の分析対象物と競合させる競合法が代表的である。これらのいずれの方法においても、一方がメンブラン等の多孔質膜に不溶化されており、他方が分析対象物の検出手段として直接もしくは間接標識されている場合が多い。間接標識では標識として各種酵素が用いられている。間接標識においては、上記サンドイッチ法又は競合法が完了した時点で標識を視覚化するための処理が必要となる場合がある。これに対して、直接標識では視覚化するための処理が不要で、且つ直接に目視等によって観察できる金属ゾル、非金属ゾル、着色ラテックス、染料、顔料、化学発光物質、蛍光物質などが用いられている。目視以外の検出方法としては、分光光度計(紫外光、可視光、蛍光)などが用いられている。
一方、分析対象物を検出する上記方法に加えて、更に分析対象物の濃度を半定量もしくは定量する方法も多く開発されている。また、これに伴い広範囲の濃度で存在する分析対象物を半定量もしくは定量するにあたり、高濃度帯域ではプロゾーン現象(分析対象物過多による偽陰性化)を生じることがあり、このプロゾーン現象抑制のための改良法も多く開発されている。この場合、試料中の分析対象物の量を決定するには、分析対象物を含む試料を適宜希釈して一定感度を有する測定試薬による定性反応を行い、陽性を示す最高希釈倍率に感度を乗じて半定量値を求める方法、または試料を希釈することなく測定感度の異なる試薬によって定性反応を行い、陽性を示す試薬の感度をもって半定量値とするなどの方法がとられていた。
特開平4−351962号公報には、試料を希釈することなく、半定量を行うことのできる特異結合分析方法が開示されている。この方法は、イムノクロマトの手法を用いるものであり、試料中の分析対象物を定性または定量するに際し、測定系に特定物質を存在させ、特定物質の存在により、分析対象物の指標として測定される標識物質量を小さくし、結果として分析対象物を含む試料を希釈したのと同様の結果(以下、希釈効果)とするものである。これに関連する方法として、特開2002−328130号公報及び特開2002−328129号公報には、前記特定物質が調整相として開示されている。
結果的に同様の希釈効果を得たものとして、特開平6−341989号公報には、検出できる分析対象物濃度(感度)の設定を段階的に変えた1つの検出部位を有するアッセイストリップを複数個並列に並べることにより、1つの装置としたいわゆるユニット形式が開示されている。更に、特開平5−5743号公報及び特開平7−325085号公報には、このようなユニット形式ではなく、1つのアッセイストリップ上に複数の検出部位を存在させ、試料中の分析対象物と標識物質とがクロマト移動により、これら検出部と順次反応する半定量方法が開示されている。
特開2004−85425号公報には、プロゾーンの回避及び半定量を行うための方法として、判定領域の上流側でサンドイッチ法、下流側では原理的にプロゾーン現象が起こりえない競合法を組み合わせる検出方法が開示されている。同様の開示が特開2003−161733号公報及び特開2002−122599号公報になされている。一方、 特開2003−149244号公報には、硫酸エステル塩、スルホン酸塩系の陰イオン性界面活性剤を免疫反応測定用プロゾーン現象抑制剤とした試薬及び方法が開示されている。
特開2001−83153号公報には、免疫クロマト装置が開示されている。この装置では、上流部から区分A、B、Cを順次配置し、区分Aには分析対象物と特異的に結合し、且つ区分Bに固定化された抗体とのみサンドイッチ複合体を形成する標識抗体と、区分Bには関係しない別の標識抗体とを配置している。後者の標識抗体は区分Cに固定化された抗体とのみ結合し、且つ区分Cの着色が、区分Bにおいて設定濃度での検出する着色と同等になるように調整されている。従って分析対象物を含むとされる試料液が添加される際、区分Aの標識抗体によって区分B及び区分Cでの着色源(標識抗体)が異なるため、双方の着色の色調を光学的測定手段で測定し、それらの比較から分析対象物の濃度を定量するようになっている。
特開平10−319018号公報には、装置的な改良を加えることにより、プロゾーン現象を回避する方法が開示されている。この方法では、クロマトグラフ装置に過剰の液体試料または展開溶媒が供給されることを防止するため、クロマトグラフにおいて分析物を検出する部位より上流側に配置され、分析物が検出可能となる一定時間後、流路を自動的に切断する部位を設けた構造とすることによりプロゾーン現象を回避するものである。
以上の方法、装置等に更なる改良を加えたものとして、光学特性を利用した技術がある。すなわち、例えば、互いに異なる色調を有する標識を抗体等に結合させ標識抗体とし、検出領域で出現する結果を光学特性の違いから測定するものである。
特開平8−94618号公報及び特開2000−292427号公報には、試料添加部、標識抗体保持部、判定領域から構成されるクロマトグラフ装置において、2種類の分析対象物に対する2種類の抗体が判定領域の異なる位置にそれぞれ固定化され、標識抗体保持部には2種類の前記分析対象物に対する前記抗体とは結合する部位が異なる抗体を、各々異なる色調の標識粒子と結合させた標識抗体が保持されており、2種類の分析対象物を含むとされる試料を試料添加部に添加して展開させる構造が開示されている。そして、判定領域では異なる位置に各々分析対象物が検出された結果として、色調の異なるラインが2本現れたと例示している。これによって目視的に別々の色調で複数の分析対象物を1つの装置で同時に検出でき、判定を間違うことなく明確にできることを可能としている。
特開2002−303629号公報及び特開2004−132892号公報には、これらの特開平8−94618号公報及び特開2000−292427号公報とは異なり、判定領域の2種類の抗体を同一の位置に固定化して複数の分析対象物を1つの装置で同時に検出する方法が開示されている。この方法は、分析対象物が2種存在する試料を展開させた場合に、判定領域の同一位置に異なる色調の標識抗体が特異結合し、その結果、2種の分析対象物の存在比によって、判定部の発色の色合い、鮮やかさまたは明るさが異なるため、これを光学特性の違いすなわち、目視あるいは分光的に各々の吸収波長で測定するものである。
例えば、特開2004−132892号公報によれば、イムノクロマト法によって分析対象物A及びBを測定する場合、Aに対する抗体及びBに対する抗体の混合液を展開メンブランの所定位置に塗布して固定化し、一方、別のAに対する抗体を黄色ラテックスで標識した黄色標識抗体及び別のBに対する抗体を青色ラテックスで標識した青色標識抗体の混合液を標識パッドに乾燥保持させ、展開メンブラン及び標識パッドを他の部材と組み合わせてイムノクロマト装置を作成している。そして、A及びBを含む試料を添加して展開させる。この展開の結果、試料中にAがBより多く含まれるときは、展開メンブランの捕獲部位で黄色標識抗体による黄色が現れ、BがAより多く含まれるときは、同部位で青色標識抗体による青色が現れ、AとBとが等量であるときには両者の混合色として緑が現れる。従って、現れた色の識別によりA、Bの混合比率を測定するものである。
特開2003−107090号公報(特許文献1)には、イムノクロマト法による広範囲の量の試料中の分析対象物の検出において、有用なイムノクロマト用標識複合体組成物が開示されている。これはイムノクロマトグラフの試験片において分析対象物と結合しうる特異的結合物質を固定化した固定相に対して、標識抗体と分析対象物とを含む試料を展開させた場合、従来では分析対象物が過剰に存在すると標識抗体と分析対象物との複合体が形成された後、得られた複合体同士が凝集塊となりクロマト展開が正常に行われないのに対し、この問題を解決するものであり、分析対象物に対する抗体を標識物質に結合させた標識複合体(標識抗体)を2種以上含む組成物であって、それらの抗体の分析対象物に対する検出感度が互いに異なることを特徴としている。これにより、分析対象物の量が少なくても分析対象物の検出が可能となり、逆に分析対象物の量が多くても複合体の展開が良好となるため、広い範囲での分析対象物を高い確実性で検出することを可能としている。
特開2003−107090号公報
特許文献1に記載されている技術では、広い範囲で分析対象物の検出を行うことができたとしても、分析対象物の濃度が異なっている場合には、その区別を行うことができず、分析対象物の定量或いは半定量ができない問題を有している。このため、分析対象物の定量には、別の手段をもちいる必要がある。
本発明は、このような問題点を考慮してなされたものであり、分析対象物(アナライト)を広範囲の濃度帯域で簡便に定量や半定量することが可能な分析装置及び分析方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、信号及び粒子径を粒状標識の選択条件、検出感度等の反応性をリガンドの選択条件として、粒状標識とリガンドとを結合させた粒状標識リガンドを用いるものであり、以下の特徴を有している。
請求項1記載の発明の分析装置は、分析対象物に特異的に結合する1種のリガンドに1種の粒状標識を結合させた下記(A)〜(G)のいずれかの粒状標識リガンドの2種以上が、分析対象物の各濃度帯域での反応性が調節された状態で分析対象物展開用の吸水性材料に担持されていることを特徴とする。
(A)異なる信号を有し、粒子径が同一である粒状標識が異なる反応性を有するリガンドに結合している粒状標識リガンド
(B)異なる信号を有し、粒子径が同一である粒状標識が同一の反応性を有するリガンドに結合している粒状標識リガンド
(C)異なる信号を有し、粒子径が異なる粒状標識が異なる反応性を有するリガンドに結合している粒状標識リガンド
(D)異なる信号を有し、粒子径が異なる粒状標識が同一の反応性を有するリガンドに結合している粒状標識リガンド
(E)同一の信号を有し、粒子径が同一である粒状標識が同一の反応性を有するリガンドに結合している粒状標識リガンド
(F)同一の信号を有し、粒子径が異なる粒状標識が異なる反応性を有するリガンドに結合している粒状標識リガンド
(G)同一の信号を有し、粒子径が異なる粒状標識が同一の反応性を有するリガンドに結合している粒状標識リガンド
請求項2記載の発明は、分析対象物を含む試料液が浸潤して展開される吸水性材料の上流側に、請求項1記載の2種以上の粒状標識リガンドが試料液によって溶出可能な状態で担持され、下流側に前記粒状標識リガンドのリガンドとは異なるリガンド又は分析対象物が固定されていることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、試料液添加部に添加された試料液が展開部から結果測定部に向かって浸潤するように試料液添加部、展開部及び結果測定部が長さ方向に沿って順に配置されており、試料液添加部又は展開部に請求項1記載の2種以上の粒状標識リガンドが試料液によって溶出可能な状態で担持され、結果測定部に前記粒状標識リガンドのリガンドとは異なるリガンド又は分析対象物が固定されていることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、試料液添加部に添加された試料液が浸透部から吸収部に向かって浸潤するように試料液添加部、浸透部及び吸収部が重なり合うように配置されており、試料液添加部に請求項1記載の2種以上の粒状標識リガンドが試料液による溶出可能な状態で担持され、浸透部に前記粒状標識リガンドのリガンドとは異なるリガンド又は分析対象物が固定されていることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項記載の分析装置であって、分析対象物の濃度帯域がプロゾーン現象を伴う帯域を有し、前記各濃度帯域での反応性が調節された複数の粒状標識リガンドのうちの1つもしくは複数がプロゾーン現象を伴う帯域で信号を発することを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項記載の分析装置であって、分析対象物の濃度帯域が検出限界濃度からその100倍〜100万倍の濃度の帯域であることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項記載の分析装置であって、粒状標識における異なる信号は、色の違いであることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項記載の分析装置であって、粒状標識における異なる信号は、吸収波長の違いであることを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項1〜8のいずれか1項記載の分析装置であって、粒状標識は、信号を発する信号物質と無色粒子とが結合したものであることを特徴とする。
請求項10記載の発明は、請求項9記載の分析装置であって、信号物質が酵素であることを特徴とする。
請求項11記載の発明は、請求項9記載の分析装置であって、信号物質が色素又は蛍光色素であることを特徴とする。
請求項12記載の発明は、請求項9記載の分析装置であって、無色粒子が白色ラテックス又はシリカ粒子であることを特徴とする。
請求項13記載の発明は、請求項1〜8のいずれか1項記載の分析装置であって、粒状標識が着色ラテックス粒子又は金属コロイドであることを特徴とする。
請求項14記載の発明は、請求項1〜8のいずれか1項記載の分析装置であって、分析対象物に特異的に結合するリガンドが抗体であることを特徴とする。
請求項15記載の発明の分析方法は、分析対象物に特異的に結合する1種のリガンドに1種の粒状標識を結合させた下記(A)〜(G)のいずれかであって、且つ分析対象物の各濃度帯域での反応性が調節された2種以上の粒状標識リガンドを用い、分析対象物と反応した粒状標識リガンドの信号に基づいて分析対象物の濃度を測定することを特徴とする。
(A)異なる信号を有し、粒子径が同一である粒状標識が異なる反応性を有するリガンドに結合している粒状標識リガンド
(B)異なる信号を有し、粒子径が同一である粒状標識が同一の反応性を有するリガンドに結合している粒状標識リガンド
(C)異なる信号を有し、粒子径が異なる粒状標識が異なる反応性を有するリガンドに結合している粒状標識リガンド
(D)異なる信号を有し、粒子径が異なる粒状標識が同一の反応性を有するリガンドに結合している粒状標識リガンド
(E)同一の信号を有し、粒子径が同一である粒状標識が同一の反応性を有するリガンドに結合している粒状標識リガンド
(F)同一の信号を有し、粒子径が異なる粒状標識が異なる反応性を有するリガンドに結合している粒状標識リガンド
(G)同一の信号を有し、粒子径が異なる粒状標識が同一の反応性を有するリガンドに結合している粒状標識リガンド
本発明によれば、信号及び粒子径に基づいて粒状標識を選択し、反応性に基づいてリガンドを選択し、選択された粒状標識とリガンドとを結合させた粒状標識リガンドを用いることにより、分析対象物を広範囲の濃度帯域で簡便に定量或いは半定量することができる。
本発明は、特異結合アッセイにおいて、同じか若しくは互いに異なる信号を発すると共に粒子径が同一か異なる粒状標識を用意し、1つのリガンドに対しそれらのうちの1つの粒状標識を結合させた粒状標識リガンドを2種以上用いるものであって、粒状標識リガンドが広範囲の濃度で存在しうるアナライトに対して各濃度帯域でそれぞれ反応性を有するように調節されていることの特徴とする。2種以上の粒状標識リガンドにおいて、同一の反応性を有する1つのリガンド若しくは異なる反応性を有するリガンドが用いられるものである。
従って、本発明の分析装置は、分析対象物に特異的に結合する1種のリガンドに1種の粒状標識を結合させた下記(A)〜(G)のいずれかの粒状標識リガンドの2種以上が、分析対象物の各濃度帯域での反応性が調節された状態で分析対象物展開用の吸水性材料に担持されていることを特徴とするものである。
(A)異なる信号を有し、粒子径が同一である粒状標識が異なる反応性を有するリガンドに結合している粒状標識リガンド
(B)異なる信号を有し、粒子径が同一である粒状標識が同一の反応性を有するリガンドに結合している粒状標識リガンド
(C)異なる信号を有し、粒子径が異なる粒状標識が異なる反応性を有するリガンドに結合している粒状標識リガンド
(D)異なる信号を有し、粒子径が異なる粒状標識が同一の反応性を有するリガンドに結合している粒状標識リガンド
(E)同一の信号を有し、粒子径が同一である粒状標識が同一の反応性を有するリガンドに結合している粒状標識リガンド
(F)同一の信号を有し、粒子径が異なる粒状標識が異なる反応性を有するリガンドに結合している粒状標識リガンド
(G)同一の信号を有し、粒子径が異なる粒状標識が同一の反応性を有するリガンドに結合している粒状標識リガンド
一般的に、イムノアッセイでは、複数の粒状標識抗体(粒状標識リガンド)において、それぞれの抗体の抗原認識部位が異なる場合、そこへ抗原を添加すると、その中で抗原抗体反応が起こり、サンドイッチ複合体(粒状標識抗体a−抗原−粒状標識抗体b)もしくは高次のサンドイッチ複合体が形成される。イムノクロマトグラフの場合にあっては、展開下流の固定化された捕捉部位(別の抗体が固定化されている)でサンドイッチ複合体が捕捉されないこととなる。そのため、粒状標識抗体としては、その抗体がポリクローナル抗体ではなくモノクローナル抗体を用いるのが一般的である。
本発明に用いる粒状標識リガンドにおいては、一種類のリガンドと、互いに異なるか同一の信号を発する粒状標識とを結合させた粒状標識リガンドとなっている。そして、この粒状標識リガンドを2種以上用いるものである。この粒状標識リガンドのそれぞれは、反応性が異なるように調整されており、これによって同一の信号を発する粒状標識を用いた場合であって、試料中にアナライトが存在する場合において、そのアナライトが低濃度であるとき、反応性の高い粒状標識リガンドのみが結果測定部位でサンドイッチ複合体を形成するため、低濃度のアナライトを検出することができる。一方、プロゾーン現象のようなアナライト過多状態では、従来では検出もしくは分析不能となるが、本発明においては、このような高濃度のアナライトが試料中に存在する場合、反応性の低い粒状標識リガンドが結果測定部位でサンドイッチ複合体を形成するため、高濃度のアナライトを検出することができる。
従って、それぞれの濃度帯域における粒状標識の信号の強弱を測定することにより、その濃度帯域内でのアナライト濃度を半定量或いは定量することが可能となる。さらに、粒状標識リガンドが低反応性(低感度)のものと高反応性(高感度)のものとで粒状標識が互いに異なる信号を発するようにすることもできる。このように粒状標識が互いに異なる信号を発するようにしてある場合には、信号が異なることによりアナライトが低濃度域であるか高濃度域であるかの判別を容易に行うことができる。さらに、また、それぞれの濃度域での粒状標識の信号の強弱を測定することによって、その濃度域内でのアナライト濃度を半定量あるいは定量することが可能となる。
本発明では、リガンドとして同一の反応性を有するもの又は異なる反応性をもつものを用いることができる。同一の反応性を有する1つのリガンドを用いて、反応性の異なる粒状標識リガンドを作成する方法としては以下の方法がある。
(1)粒状標識へのリガンドの結合量を調節する方法
粒状標識へのリガンド結合量を増減させるものであり、これによりアナライトとの反応確率(粒状標識リガンドとアナライトとの衝突確率)が増減するため、粒状標識リガンドの反応性が高いものや低いものを作成することができる。例えば、リガンド結合量を多くするにつれて、反応性の増大とは逆にリガンドの粒状標識への配向性、結合密度などの立体障害の要因が作用して反応性が減少することがある。いわゆる粒子表面でのリガンドの混み過ぎなどによる立体障害で反応性が低下するためであり、この様な方法によっても低反応性の粒状標識リガンドを得ることができる。また周知のごとく、スペーサーを粒状標識とリガンドの間に入れることによって立体障害を軽減して反応性を増大させることもできる。
(2)リガンド及び不活性物質若しくは阻害物質、増感物質を粒状標識と結合させる方法
この方法は、一定量のリガンドを結合させた粒状標識リガンドに対し、同時に、若しくは、先あるいは後に段階的に不活性物質、阻害物質、増感物質などの調節物質を結合させて粒状標識リガンドの反応性を調節するものである。この場合においても上記(1)と同様に、粒状標識へのリガンド及び調節物質の結合量を変更することにより粒状標識リガンドの反応性を調節することができる。調節物質としては、マスキング剤としてのウシ血清アルブミン、カゼイン、スキムミルク、ゼラチンの他、親水性重合体であるポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、界面活性剤等を使用することができる。
(3)上記(1)及び(2)を組み合わせる。或いは上記(1)及び(2)のいずれか一方で、粒状標識のリガンドとの結合条件を調節する方法。
この方法は、結果的には上記(1)及び(2)に帰属する方法となるが、例えば粒状標識への吸着法によるリガンドの結合方法では、結合時(吸着時)の条件として、例えばpHを適時調節することにより粒状標識リガンドの反応性を調節することができる。このような様々な粒状標識リガンドの作成条件を用いることによって、粒状標識リガンドの反応性を調節することもできる。
(4)粒状標識リガンドにおける粒状標識の大きさを調節する方法
この方法は、粒状標識リガンドとニトロセルロースなどの多孔性支持体からなる吸水性材料に固定化された別のリガンドもしくはアナライトの組み合わせにおいて、粒状標識の粒径と多孔性支持体の目の粗さ(支持体内の空間的広さ)との関係を利用するものである(以下、粒子径効果)。例えば、多孔性支持体の目の粗さに対し、その空間を流動するのに目詰まりしない程度の大きさの粒径の粒状標識を用いた場合には、固定化側のリガンドもしくはアナライト上への衝突(接触)確率が高くなり、そこに粒状標識リガンド複合体が多く形成され、見かけ上、反応性が高い結果となる。一方、その空間を流動するには極めて小さすぎる粒径の粒状標識を用いた場合には、その確率は小さくなり、固定化側のリガンド若しくはアナライト上に粒状標識リガンド複合体が形成されないか、或いは少なく形成され、見かけ上、反応性が低い結果となる。即ち通過抵抗(素通り抵抗)の高い、低いによって反応性が変化することを利用する方法である。
従って、多孔性支持体を共通の支持体としてこれら二つの粒状標識リガンド(小さい粒径と大きい粒径のもの)を同時に用いると、低濃度アナライト及び高濃度アナライトを簡便に測定することが可能となる。この場合、二つの粒状標識リガンドのそれぞれの濃度を適時調整することによっても反応性を調節することができる。なお、より低感度側への調節は、例えば多孔性支持体の固定化されたリガンド若しくはアナライト量、又は標識リガンド量を下げること等により行われるが、この場合、低感度側へ調節することはできても、全般に標識の信号が弱くなるため、信号の強弱での半定量性が困難となりあまり好ましくはない。
一方、互いに異なる反応性を有するリガンドを用いて反応性の異なる粒状標識リガンドを作成する方法としては、例えば、次の方法がある。
まず、互いに異なる反応性を有するリガンドを作成する。例えば、リガンドが抗体であれば、通常の抗体作成法を用いて複数種類を得、この中から反応性(感度)が異なるものを選択する、或いは同一の反応性の抗体の場合には、加熱や酵素処理による部分分解などを行って一方の抗体の反応性(感度)を変える。そして、以上によって得られた反応性(感度)が異なるリガンドと、互いに異なるか若しくは同一の信号を有する粒状標識とを結合させる。これにより、互いに異なるか又は同一の信号を有し、反応性(感度)が互いに異なる粒状標識リガンドを得ることができる。これに加えて、反応性が互いに異なる粒状標識リガンドを作成するための上述あるいは前述の(1)〜(4)を組み合わせることによっても反応性(感度)が互いに異なる粒状標識リガンドを作成することができる。
本発明において、反応性が異なる点を評価する方法としてはイムノアッセイ法であれば、例えばイムノクロマト法(ラテラルフロー方式)を用いることができる。具体的には、アナライトに結合する部位が粒状標識リガンドとは異なるリガンドを固定化したニトロセルロースメンブランなどの試験片を用いるものである。この試験片の一端から、反応性を評価しようとする粒状標識リガンドと所定濃度のアナライトを含む試料液の混合物を展開させてメンブランの固定化部にサンドイッチ複合体を形成させ、粒状標識の信号の有無及び強弱を測定する。そして、種々のアナライト濃度でこれらを測定することによって、広い濃度帯域の中での粒状標識リガンドの反応性を有する帯域が明らかとなる。
本発明における試料液としては、例えば尿、血液、溶血血液、血漿、血清、唾液、汗、及び涙液等の体液、その他食品、食物あるいは土壌などの環境試料からの分析対象物の抽出液が挙げられる。
本発明における分析対象物もしくはその生物的変性物としては、例えばタンパク質、糖タンパク質、抗体、酵素、多糖類、細胞、細菌及びウイルス、薬物、化学物質などが挙げられる。
本発明におけるリガンドは、ある特定の構造を有する物質に特異的に結合する物質であり、抗原、抗体、核酸配列断片、エフェクター分子、レセプター分子、酵素とそのインヒビター、アビジン、ビオチン、糖鎖化合物、レクチン等が挙げられる。
本発明における信号とは、特定波長における吸収ないし放射により測定されるものであり、可視域では目視により確認される色が例示される。そのほか放射能、発光、リン光、蛍光などを用いることも可能である。
本発明における結合とは、物理的吸着及び化学結合におけるイオン結合、共有結合、配位結合などをいう。
本発明における粒状標識物質としては、それ自身が信号を有するものとして、金コロイド、セレニウムコロイド等の金属コロイド、染料色素で着色した着色ラテックス粒子、蛍光色素で着色した蛍光ラテックス粒子、その他、着色した脂質小胞(リポソーム)や小胞などが挙げられる。また、それ自身信号を持たないものとして、白色金属コロイド、シリカ粒子、白色ラテックス、脂質小胞(リポソーム)や小胞などを挙げることができ、これらは信号物質(各種染料、顔料、色素、蛍光色素など)を結合ないし封入することによって信号を有する粒状標識とすることができる。
本発明の分析装置は、分析対象物を含む試料液が浸潤して展開される吸水性材料を用い、この吸水性材料の上流側に上述した粒状標識リガンドが試料液による溶出可能な状態で担持される一方、下流側に粒状標識リガンドのリガンドとは異なるリガンド又は分析対象物が固定される構造となっており、この分析装置は、イムノアッセイ法に用いることができ、イムノアッセイ法には、ラテラルフロー方式、スロースルー方式がある。
ラテラルフロー方式に用いる分析装置としては、試料液添加部、展開部、結果測定部を長さ方向に沿って順に備え、試料液添加部に添加された試料液が展開部を経て結果測定部に浸潤するように試料液添加部、展開部及び結果測定部が配設された構造が使用される。そして、結果測定部には分析対象物と特異的に結合する、標識リガンドのリガンドとは異なるリガンドが固定され、試料液添加部または展開部には試料液によって溶出可能な状態で標識リガンドが担持される。
このような構造において、試料液添加部に試料液が添加されると試料液の浸潤が始まり、試料液が試料液添加部または展開部に担持されている標識リガンドと混合する。このことによって、試料中に分析対象物が存在する場合には「標識リガンド−分析対象物複合体」が形成される。形成された複合体は試料液とともに展開部を流れ、結果測定部に達し、そこに固定化されたリガンドに捕捉され、「標識リガンド−分析対象物−固定化リガンド複合体」が結果測定部に形成される。従って、この捕捉された「標識リガンド−分析対象物−固定化リガンド複合体」中の標識物量を測定することにより試料液中の分析対象物量を定量的或いは半定量的に測定することができる。
フロースルー方式に用いる分析装置としては、試料液添加部、浸透部、吸収部を備え、試料液添加部に添加された試料液が浸透部を経て吸収部に浸潤するように試料液添加部、浸透部及び吸収部が重置された構造が使用される。浸透部には分析対象物と特異的に結合する、標識リガンドのリガンドとは異なるリガンドが固定され、試料液添加部には試料液によって溶出可能な状態で標識リガンドが担持される。
このような構造において、試料液添加部に試料液が添加されると試料液の浸透が始まり、試料液が試料液添加部に担持されている標識リガンドと混合する。このことによって、試料中に分析対象物が存在する場合には「標識リガンド−分析対象物複合体」が形成される。形成された複合体は試料液とともに浸透部に浸潤し、そこに固定化されたリガンドに捕捉され、「標識リガンド−分析対象物−固定化リガンド複合体」が形成される。従って、この捕捉された「標識リガンド−分析対象物−固定化リガンド複合体」中の標識物の量を測定することにより試料液中の分析対象物の量を測定することができる。
以上の構造における展開部や浸透部に用いられる親水性材料としては、試料液などの水溶液を容易に吸収する吸水性材料であればよく、分析対象物と標識リガンドや固定化されたリガンドとが十分な反応を行うための時間を確保、調整できる材料であればよい。具体例としてはニトロセルロース、ナイロン、セルロースアセテートなどの多孔質メンブランや架橋デキストラン、セルロース濾紙、ガラス繊維紙等が挙げられる。
試料液添加部の材料としては、上記と同様の親水性材料を用いることができるが、試料液中の分析対象物を不可逆的に吸着したり、標識リガンドを担持する材料の場合には溶出不能となるような材料は好ましくない。なお、このような場合においても、これらの吸着等は、ポリビニルアルコールや他のマスキング剤を用いることによって防止することができる。
吸収部の材料としては、急速に試料液を吸収するものであればよく、パルプ、高分子吸水シート、ガラス繊維紙などが挙げられる。
次に、以上のラテラルフロー方式及びスロースルー方式における具体的な構造及びその分析の検出結果を説明する。
図1及び図2は、ラテラルフロー方式に用いる分析装置としての試験片を示す。試験片10は吸収体2、判定紙3、試薬紙5及び試料液添加部6の組み合わせからない、これらの各部材が粘着面を片面に有する台紙1上に固定されている。判定紙3の下端には幅全体にわたって液体が毛管的に浸潤連絡するようにわずかの重なりを有して試薬紙5が配設され、試薬紙5に重なるように試料液添加部6が配設されている。また、判定紙3の頂部には、同じく液体が毛細管的に浸潤連絡するようにわずかの重なりを有して吸収体2が配設されている。吸収体2は試料液添加部材6から毛細管現象により試薬紙5、ついで判定紙3を経て流れてくる試料液の吸収材として作用する。
試薬紙5には、いずれも抗体が同一で粒状標識のみが異なる可視可能な粒状A標識第1抗体7(図6参照)と粒状B標識第1抗体8(図8参照)とが担持されており、これらの試薬は試料液の存在時に判定紙3を通って吸収体2の方向へ自由に移動することができる。粒状A標識第1抗体7は、図6に示すように、リガンドである抗体7aに粒状標識7bを結合した構造となっている。粒状B標識第1抗体8も同様であり、図8に示すように、リガンドである抗体8aに粒状標識8bを結合した構造となっている。上述したように第1抗体7a及び第1抗体8aは同一の抗体である。一方、判定紙3内の判定ライン部4には、第1抗体7a、8aとは異なる特異結合部位を有する第2抗体9が固定化されている。
図1の状態において、試験片10の試料液添加部材6の一端を抗原(分析対象物)を含有するかもしれない試料液(不図示)と接触させる。試料液添加部材6に吸収された試料液は瞬時に試薬紙5に浸潤し、そこに担持された粒状A標識第1抗体7と粒状B標識第1抗体8は試料液の中に溶解または分散して試料液とともに判定紙3へ向かって移動する。試料液の中に抗原が存在すれば粒状標識第1抗体は判定紙3へ向かって移動する間にその抗原と結合することができる。判定ライン部4に到達すると、結合した複合体(粒状標識第1抗体−抗原)の抗原が判定ライン部4に固定された第2抗体9と結合し、図2に示すように、そこにサンドイッチ複合体として捕捉される。
ここで、粒状A標識第1抗体7が高感度用に調節され、且つ粒状A標識が青色ラテックス粒子に、粒状B標識第1抗体8が低感度用に調節され、且つ粒状B標識が赤色ラテックス粒子に調製してある。試料液中の抗原が少ない場合、判定ライン部4には粒状A標識第1抗体7に由来する青色のラインが現れ、図6のような模式図となる。試料液中の抗原が大過剰に存在する場合には、高感度用に調節された粒状A標識第1抗体7はプロゾーン現象によりサンドイッチ複合体として捕捉されない。その代わりに低感度用に調節された赤色の粒状B標識第1抗体8がサンドイッチ複合体として捕捉され判定ライン部4には赤色のラインが現れ、図8のような模式図となる。さらに、試料液中の抗原が中程度の量で存在する場合には、判定ライン部4が青色の粒状A標識第1抗体7と赤色の粒状B標識第1抗体8とで混在し、それらの混合色として青紫から赤紫色のラインとなる。図7はこれを模式的に図示している。これにより、試料液中の抗原の濃度を定量或いは半定量することができる。
図3〜図5は、フロースルー方式による分析装置であり、図3は縦軸方向に分解した斜視図、図4はその分解していない断面図で周囲をハウジング27内に収納した断面図である。
図4に示すように、浸透部である判定紙23の上には液体が上下に毛管的に浸潤連絡するように面で接触した状態で試料液添加部としての試薬紙21が配設されている。判定紙23の下には試料液添加部からの毛細管現象により試薬紙21ついで判定紙23を経て浸透してくる試料液等の吸収材として作用する吸収部としての吸収体24が面で接触して重置されている。
試薬紙21には粒状標識物が異なる2種類の可視可能な粒状A標識第1抗体7と粒状B標識第1抗体8が担持されており、これらの試薬25は試料液の存在時に判定紙23を通って吸収体24へ自由に移動することができる。粒状A標識第1抗体7は、図6に示すように、リガンドである抗体7aに粒状標識7bを結合した構造となっている。粒状B標識第1抗体8も同様であり、図8に示すように、リガンドである抗体8aに粒状標識8bを結合した構造となっている。上述したように第1抗体7a及び第1抗体8aは同一の抗体である。一方、判定紙3内の判定ライン部4には、第1抗体7a、8aとは異なる特異結合部位を有する第2抗体9が固定化されている。
図4に示すように、以上の積層体を上面開放のハウジング27内に充填する。そして、試料液添加部の試薬紙21の上方からスポイト等を用いて、抗原(分析対象物)を含有するかもしれない試料液(不図示)を塗布する。試料液添加部に塗布された試料液は瞬時に試薬紙21に浸潤し、そこに担持された粒状A標識第1抗体7と粒状B標識第1抗体8は試料液の中に溶解または分散して試料液とともに判定紙23へ向かって下降浸透する。このとき、試料液の中に抗原が存在すれば粒状標識第1抗体は判定紙23へ向かって移動する間にその抗原と結合することができる。そして、判定スポット部22に到達すると、結合した複合体(粒状標識第1抗体−抗原)の抗原がスポット部22に固定されている第2抗体9と結合し、そこにサンドイッチ複合体として捕捉される。
ここで、例えば、粒状A標識第1抗体7が高感度用に調節され、且つ粒状A標識が青色ラテックス粒子に、粒状B標識第1抗体8が低感度用に調節され、且つ粒状B標識が赤色ラテックス粒子に調製してある。試料液中の抗原が少ない場合、判定スポット部22には粒状A標識第1抗体7に由来する青色のスポットが現れ、図6のような模式図となる。一方、試料液中の抗原が大過剰に存在する場合には、高感度用に調節された粒状A標識第1抗体7はプロゾーン現象によりサンドイッチ複合体として捕捉されない。その代わりに低感度用に調節された赤色の粒状B標識第1抗体8がサンドイッチ複合体として捕捉され判定スポット部22には赤色のスポットが現れ、図8のような模式図となる。試料液中の抗原が中程度の量で存在する場合には、判定スポット部22が青色の粒状A標識第1抗体7と赤色の粒状B標識第1抗体8とで混在し、それらの混合色として青紫から赤紫色のスポットとなる。図7はこれを模式的に図示している。以上により、試料液中の抗原の濃度を定量或いは半定量することができる。
以上の図1〜図8における実施の態様に適用できる分析例としては、抗原をhCGとし、そのhCGとサンドイッチを形成する第1抗体及び第2抗体として抗hCGモノクローナル抗体を用い、標識として粒状染料、金コロイドまたは着色ラテックスを用いることができる。なお、この実施の形態では、サンドイッチ反応に関連して説明を行ったが、必要に応じて競合反応に変更することも可能である。
以上説明したように、本発明の分析方法によると、色などの信号の異なる粒状標識で反応性(検出感度)の異なる粒状標識リガンドを選択することにより、広範囲の濃度の分析対象物を定量又は半定量することが可能となる。
以下の実施例では、ラテラルフロー方式による試験片及び試薬の好適例とその製造方法について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(1)吸水性材料の選択
判定に用いる吸水性材料(多孔性支持体)の選択は、同一の反応性を有する1つのリガンドを用いて、結果的に反応性(検出感度)の異なる粒状標識リガンドを作成するために重要である。
すなわち、高感度化への調整は上述した粒子径効果を利用し、例えば多孔性支持体(特に、判定紙)の目の粗さ(支持体内の空間的広さ)に対し、その空間を粒状標識リガンドが流動するのに目詰まりしない程度の目の粗さを有する多孔性支持体を選択する。例えば、用いる粒状標識の粒径に対し判定紙の気孔径が10倍以上になるように判定紙の気孔径を選択することが好ましい。一方、低感度化への調整は、判定紙の気孔径に対し十分に小さい粒径を有する粒状標識を選択すればよい。例えば、判定紙の気孔径に対し、粒径が50倍〜100倍以上の粒径となるように粒状標識を選択すればよい。そうすることによって選択された判定紙とともに高感度に調節された粒状標識リガンドと低感度に調節された粒状標識リガンドを共に分析装置に組み込むことによって低濃度や高濃度で存在する分析対象物を1つの装置で且つ1回の分析試験で測定することが可能となる。
判定紙の材料としては、紙、ガラスファイバー、ニトロセルロース、ナイロンメンブランなどを挙げることができる。これらは当業者で良く知られているようにS&S、ミリポア、ワットマン、ポールなどから色々な気孔径(呼称気孔径)で容易に入手することができる。また大半の場合、気孔径が大きいものほど液体の浸潤速度(ウィッキング速度もしくは展開速度)が早いという点でウィキング速度を目安に選択することもできる。
(2)粒状標識リガンドの作成
使用できる粒状標識として金コロイド、セレンコロイド、リポソーム、染料ゾル、着色ラテックス粒子などがあるが、この実施例では、金コロイド、着色ラテックス粒子を粒状標識として用いて説明する。
均一で且つ様々な粒子経を有する着色ラテックス粒子はBangs Laboratories,Inc.、Seradyn,Inc.、JSR株式会社、Merck(いずれもメーカー名)から容易に手に入れることができる。材質としてはポリスチレン、ポリビニルトルエン、スチレン−アクリレート共重合体、スチレン−ブタジェン共重合体などであり、粒子表面には共有結合が可能な官能基を有したものから物理吸着できるものまであり、結合させるリガンドにより適宜選択することができる。
(2−1)低感度用赤色ラテックス標識化抗β−hCGマウスモノクローナル抗体の調製
約0.098μmの粒径を有する赤色ラテックス懸濁液(固形分重量10%)0.1mlをマイクロチューブにとり、25mM HEPES(pH7.0)緩衝液0.9mlを加えて希釈する。マイクロ遠心分離器により12000rpmで1時間遠心分離を行い、沈下した粒子をチューブに残して上澄み液をデカントにより廃棄する。再び25mM HEPES(pH7.0)緩衝液1.0mlを加えて粒子を分散させる。この洗浄操作を残り3回繰り返す。最終的に得られた沈下粒子は25mM HEPES(pH7.0)緩衝液1.0mlを加えて分散させ約1%重量固形分を有するラテックス粒子懸濁液を得る。この懸濁液を抗β−hCGマウスモノクローナル抗体730μgと混合し、混合した懸濁液を室温下で4時間ロータリーミキサーで攪拌する。この懸濁液をマイクロ遠心分離器により12000rpmで1時間遠心分離にかけ、上澄み液をデカントにより捨てる。得られた沈下ラテックス粒子を0.5%重量で牛血清アルブミンを含む25mM HEPES(pH7.0)緩衝液1.0mlに分散し、室温で1時間ロータリーミキサーで撹拌する。この懸濁液をマイクロ遠心分離器により12000rpmで1時間遠心分離にかけ、上澄み液をデカントにより捨て、沈下した粒子を上記の洗浄方法で25mM HEPES(pH7.0)緩衝液1.0mlを用いて3回の洗浄操作を行う。最後に0.5%重量の牛血清アルブミンを含む25mM HEPES(pH7.0)緩衝液中に分散させ、使用するまで4℃で保存する。
(2−2)高感度用青色ラテックス標識化抗β−hCGマウスモノクローナル抗体の調製
約0.3μmの粒径を有する青色ラテックス懸濁液(固形分重量10%)0.1mlをマイクロチューブにとり、25mM MES(pH6.1)緩衝液0.9mlを加えて希釈する。マイクロ遠心分離器により6000rpmで30分間遠心分離を行い、沈下した粒子をチューブに残して上澄み液をデカントにより廃棄する。再び25mM MES(pH6.1)緩衝液1.0mlを加えて粒子を分散させる。この洗浄操作を残り3回繰り返す。最終的に得られた沈下粒子は、25mM MES(pH6.1)緩衝液1.0mlを加えて分散させ約1%重量固形分を有するラテックス粒子懸濁液を得る。この懸濁液を抗β−hCGマウスモノクローナル抗体700μgと混合し、混合した懸濁液を室温で4時間ロータリーミキサーにより攪拌する。この懸濁液をマイクロ遠心分離器にて6000rpmで30分間遠心分離にかけ、上澄み液をデカントにより捨てる。得られた沈下ラテックス粒子を0.5%重量で牛血清アルブミンを含む25mM MES(pH6.1)緩衝液1.0mlに分散し、室温下で1時間ロータリーミキサーで攪拌する。その懸濁液をマイクロ遠心分離器により6000rpmで30分間遠心分離にかけ、上澄み液をデカントにより捨て、沈下した粒子を上記の洗浄方法で25mM MES(pH6.1)緩衝液1.0mlを用いて3回の洗浄操作を行う。最後に0.5%重量の牛血清アルブミンを含む25mM MES(pH6.1)緩衝液中に分散させ、使用するまで4℃で保存する。
(2−3)比較例としての金コロイド標識化抗β−hCGマウスモノクローナル抗体の調製
イムノアッセイに用いる金コロイドは様々な粒子径のものがBBInternational(メーカー名)などから市販されており、また容易に製造することができる。
この実施例では、40nmの金コロイドを100mMの炭酸カリウム水溶液でpHを6.0に調節し、その100mlへ攪拌しながら抗β−hCGマウスモノクローナル抗体2mlを添加する。その混合物を5分間ゆっくり攪拌し、続いてカゼイン5mlを混合物に添加して同様に5分間ゆっくり攪拌する。得られた混合物は4℃で45分間、5500Gの遠心分離を行って精製する。沈下した比較用金コロイド標識化抗β−hCGマウスモノクローナル抗体のペレットを蒸留水で再懸濁し5mlとし、使用するまで4℃で保存する。
(3)判定紙の作成(図1における判定紙3)
縦25mm、横200mmのミリポア製ハイフロープラスニトロセルロースメンブラン(HF09004)を机上に固定し、その一端から15mmの位置に抗β−hCGマウスモノクローナル抗体(1mg/ml)溶液をディスペンサーを用いて塗布幅が約1.5mmのライン状となるように塗布する。塗布後、室温で一晩乾燥させ、室温で乾燥剤入りのバッグに使用するまで保存する。これにより図1における判定ライン部4が形成された判定紙3が得られる。
(4)試薬紙の作成(図1における試薬紙5)
上記(2−1)(2−2)で得られた低感度用赤色ラテックス標識化抗β−hCGマウスモノクローナル抗体及び高感度用青色ラテックス標識化抗β−hCGマウスモノクローナル抗体を1重量%の牛血清アルブミンと、2重量%のショ糖とを含む100mM トリス緩衝液を用いて希釈する。このとき、低感度用標識抗体が10容量%に、高感度用標識抗体が5容量%となるように希釈する。得られた溶液1mlを縦10mm、横200mmの試薬紙用シート(商品名「F075−14」、Whatman社製)に塗布し、ドライヤーで乾燥し、使用するまで室温で乾燥剤入りのバッグに保存する。
(5)比較例としての試薬紙の作成
上記(2−3)で得られた比較用金コロイド標識化抗β−hCGマウスモノクローナル抗体を1重量%の牛血清アルブミンと、2重量%のショ糖とを含む100mM トリス緩衝液により10容量%になるように希釈する。得られた溶液1mlを上記(4)と同様に、縦10mm、横200mmの試薬紙用シート(商品名「F075−14」、Whatman社製)に塗布し、ドライヤーで乾燥し、使用するまで室温で乾燥剤入りのバッグに保存する。
(6)試験片及び分析装置の作成
片面が粘着加工された乳白ポリエステル台紙1(厚み250μm、縦125mm、横180mm、リンテック社製)を粘着面を上にして机上に固定し、その一端から30mmの位置に、その一端と平行に上記(3)で作成した判定紙3を貼り合わせる。続いて、その一端から22mmの位置に、その一端と平行に上記(4)で作成した試薬紙5を貼り合わせる。この貼り合わせにより、判定紙3と試薬紙5とが約2mmの重なりを有して連設する。さらに一端を合わせて、商品名「ベンリーゼ(旭化成社製)」からなる縦30mm、横200mmの試料液添加部6を試薬紙5を一部覆うように貼り合わせる。他端から32mmの位置に、その他端と平行に、商品名「AP−20ミリポア社製」からなる縦40mm、横200mmのガラス繊維濾紙を貼り合わせて吸収体2とする。ここでも判定紙3と吸収体2とが約2mmの重なりをもって連設することとなる。さらにその他端を合わせて、縦110mm、横200mmの透明ポリプロピレンフィルム(リンテック社製)からなる保護カバー12を粘着面側を下にして貼り合わせる。図9はこの積層状態を示し、この積層シートを各部材を直角に横断するように、幅8mmの間隔でロータリーカッターによりストリップ状に順次切断する。このことによって約20本の分析装置が完成し、分析試験で使用するまで室温で乾燥剤入りのバッグに保存する。
(7)分析試験方法
試料液としてhCGを0、25、500、1000、1000000iu/L の濃度で含まれる0.1重量%牛血清アルブミンの生理食塩水溶液をそれぞれ試験管に準備した。上述によって作成した分析装置の試料液添加部6の一端から約20mmの位置まで各濃度のhCGを含む試験管に約3秒間漬けた後、引き上げて水平な机上に置き、判定ライン部4での発色の有無、色調を観察した。結果を表1に示す。
Figure 2006038700
表1に示すように、金コロイド標識化抗β−hCGマウスモノクローナル抗体(赤紫色)を用いた比較例では25 iu/L、500 iu/L、1000iu/Lの順にhCG濃度が高くなるにつれて、判定ライン部の赤紫色の色調が濃くなり、色調の変化が観察されたが、hCG濃度が100万iu/Lの高濃度となるとプロゾーン現象の影響により500iu/LのhCG濃度での判定ライン部の赤紫色と区別がつかなくなりhCGの半定量性がこの濃度間で失われた。
これに対し、この実施例では、高感度用青色ラテックス標識化抗β−hCGマウスモノクローナル抗体及び低感度用赤色ラテックス標識化抗β−hCGマウスモノクローナル抗体の両方を用いているため、25 iu/L、500 iu/L、1000iu/Lの順にhCG濃度が高くなるにつれて、その判定ライン部の色調は薄い青色から濃い青紫色へと色調が変化し半定量性が維持され、なお且つhCG濃度が100万 iu/Lの高濃度では判定ライン部が赤色となり、25iu/L、500iu/L、1000iu/Lの濃度範囲とは簡単に色で区別ができた。これによって予め判定ライン部の色調とhCG濃度との関係を求めておくことにより試料液中の分析対象物の濃度を定量できることが明らかとなった。
ラテラルフロー方式に用いる分析装置の使用前の状態を示す斜視図である。 ラテラルフロー方式に用いる分析装置の使用後の状態を示す斜視図である。 フロースルー方式に用いる分析装置の分解斜視図である。 フロースルー方式に用いる分析装置の使用前の状態を示す断面図である。 フロースルー方式に用いる分析装置の使用後の状態を示す断面図である。 粒状A標識第1抗体に由来する青色ラインもしくはスポットが現れた状態を示す模式図である。 粒状A標識第1抗体に由来する青色と粒状B標識第1抗体に由来する赤色との混合により青紫から赤紫色のラインもしくはスポットが現れた状態を示す模式図である。 粒状B標識第1抗体に由来する赤色ラインもしくはスポットが現れた状態を示す模式図である。 実施例において用いる分析装置の作成前の分解斜視図である。
符号の説明
1 台紙
2 吸収体
3 判定紙
4 判定ライン部
5 試薬紙
6 試料液添加部材
7 粒状A標識第1抗体
7a 抗体
7b 粒状標識
8 粒状B標識第1抗体
8a 抗体
8b 粒状標識
9 第2抗体
10 試験片
11 抗原
12 保護カバー
21 試薬紙
22 判定スポット部
23 判定紙
24 吸収体
25 試薬
27 ハウジング

Claims (15)

  1. 分析対象物に特異的に結合する1種のリガンドに1種の粒状標識を結合させた下記(A)〜(G)のいずれかの粒状標識リガンドの2種以上が、分析対象物の各濃度帯域での反応性が調節された状態で分析対象物展開用の吸水性材料に担持されていることを特徴とする分析装置。
    (A)異なる信号を有し、粒子径が同一である粒状標識が異なる反応性を有するリガンドに結合している粒状標識リガンド
    (B)異なる信号を有し、粒子径が同一である粒状標識が同一の反応性を有するリガンドに結合している粒状標識リガンド
    (C)異なる信号を有し、粒子径が異なる粒状標識が異なる反応性を有するリガンドに結合している粒状標識リガンド
    (D)異なる信号を有し、粒子径が異なる粒状標識が同一の反応性を有するリガンドに結合している粒状標識リガンド
    (E)同一の信号を有し、粒子径が同一である粒状標識が同一の反応性を有するリガンドに結合している粒状標識リガンド
    (F)同一の信号を有し、粒子径が異なる粒状標識が異なる反応性を有するリガンドに結合している粒状標識リガンド
    (G)同一の信号を有し、粒子径が異なる粒状標識が同一の反応性を有するリガンドに結合している粒状標識リガンド
  2. 分析対象物を含む試料液が浸潤して展開される吸水性材料の上流側に、請求項1記載の2種以上の粒状標識リガンドが試料液による溶出可能な状態で担持され、下流側に前記粒状標識リガンドのリガンドとは異なるリガンド又は分析対象物もしくはその化学的変性物が固定されていることを特徴とする分析装置。
  3. 試料液添加部に添加された試料液が展開部から結果測定部に向かって浸潤するように試料液添加部、展開部及び結果測定部が長さ方向に沿って順に配置されており、試料液添加部又は展開部に請求項1記載の2種以上の粒状標識リガンドが試料液による溶出可能な状態で担持され、結果測定部に前記粒状標識リガンドのリガンドとは異なるリガンド又は分析対象物もしくはその化学的変性物が固定されていることを特徴とする分析装置。
  4. 試料液添加部に添加された試料液が浸透部から吸収部に向かって浸潤するように試料液添加部、浸透部及び吸収部が重なり合うように配置されており、試料液添加部に請求項1記載の2種以上の粒状標識リガンドが試料液による溶出可能な状態で担持され、浸透部に前記粒状標識リガンドのリガンドとは異なるリガンド又は分析対象物もしくはその化学的変性物が固定されていることを特徴とする分析装置。
  5. 分析対象物の濃度帯域がプロゾーン現象を伴う帯域を有し、前記各濃度帯域での反応性が調節された複数の粒状標識リガンドのうちの1つもしくは複数がプロゾーン現象を伴う帯域で信号を発することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の分析装置。
  6. 分析対象物の濃度帯域が検出限界濃度からその100倍〜100万倍の濃度の帯域であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の分析装置。
  7. 粒状標識における異なる信号は、色の違いであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の分析装置。
  8. 粒状標識における異なる信号は、吸収波長の違いであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の分析装置。
  9. 粒状標識は、信号を発する信号物質と無色粒子とが結合したものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の分析装置。
  10. 信号物質が酵素であることを特徴とする請求項9記載の分析装置。
  11. 信号物質が色素又は蛍光色素であることを特徴とする請求項9記載の分析装置。
  12. 無色粒子が白色ラテックス又はシリカ粒子であることを特徴とする請求項9記載の分析装置。
  13. 粒状標識が着色ラテックス粒子又は金属コロイドであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の分析装置。
  14. 分析対象物に特異的に結合するリガンドが抗体であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の分析装置。
  15. 分析対象物に特異的に結合する1種のリガンドに1種の粒状標識を結合させた下記(A)〜(G)のいずれかであって、且つ分析対象物の各濃度帯域での反応性が調節された2種以上の粒状標識リガンドを用い、分析対象物と反応した粒状標識リガンドの信号に基づいて分析対象物の濃度を測定することを特徴とする分析方法。
    (A)異なる信号を有し、粒子径が同一である粒状標識が異なる反応性を有するリガンドに結合している粒状標識リガンド
    (B)異なる信号を有し、粒子径が同一である粒状標識が同一の反応性を有するリガンドに結合している粒状標識リガンド
    (C)異なる信号を有し、粒子径が異なる粒状標識が異なる反応性を有するリガンドに結合している粒状標識リガンド
    (D)異なる信号を有し、粒子径が異なる粒状標識が同一の反応性を有するリガンドに結合している粒状標識リガンド
    (E)同一の信号を有し、粒子径が同一である粒状標識が同一の反応性を有するリガンドに結合している粒状標識リガンド
    (F)同一の信号を有し、粒子径が異なる粒状標識が異なる反応性を有するリガンドに結合している粒状標識リガンド
    (G)同一の信号を有し、粒子径が異なる粒状標識が同一の反応性を有するリガンドに結合している粒状標識リガンド
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