JP2019066472A - 免疫測定用試薬、免疫測定用キット及び免疫測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】固相担体表面、固相担体に固定化した物質及び反応容器内壁への標識物質由来の非特異的反応を効果的に減少させ、さらに粒子の分散性を向上させることにより高感度かつ再現性に優れた免疫測定用試薬、免疫測定用キット及び免疫測定方法を提供することにある。【解決手段】糖(A)骨格と、炭素数6〜36のアルキル基と、アミド結合とを有する糖誘導体(X)を含有する糖誘導体(X)を含有する免疫測定用試薬。前記の糖誘導体(X)は、糖(A)骨格と、炭素数6〜36のアルキル基とが、アミド結合を介して結合していることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、免疫測定用試薬、免疫測定用キット及び免疫測定方法に関する。
免疫測定試薬においては、血清検体を測定する際に、反応容器、固相担体表面及び固相担体表面に固定化した物質への検体由来の成分の非特異的な反応が特定の検体でみられ、これらの非特異反応が正確な測定を行う妨げとなり、問題となっている(例えば、非特許文献1)。非特異的反応を防止するため、種々の蛋白質、界面活性剤又は塩類等を含有させた免疫測定用試薬が提案されている(例えば、特許文献1〜3)。また、親水部に二糖鎖を有する非イオン性界面活性剤を用いることで、非特異反応を増大させずに、特異反応のみを増大させることが提案されている(例えば、特許文献4)。
また、磁性粒子を用いた免疫測定において、磁性粒子の表面に結合した抗体や抗原により磁力で粒子を回収した際に粒子同士が凝集し、再び分散させることが困難となることがある。その結果、凝集する粒子が存在する等の影響により測定値にばらつきが生じやすく、再現性が悪化する場合がある。多数検体同時迅速検査を目的とした自動化免疫測定装置の開発においては、再現性の良好な免疫測定用試薬の開発がますます重要な課題となっている。
Japanese Journal of Clinical Laboratory Automation,Vol.36,No.2,P208−213,2011
特開2004−117341号公報 特開2010−127827号公報 特開2010−216970号公報 特開平11−258239号公報
本発明の目的は、固相担体表面、固相担体に固定化した物質及び反応容器内壁への標識物質由来の非特異的反応を効果的に減少させ、さらに粒子の分散性を向上させることにより高感度かつ再現性に優れた免疫測定用試薬、免疫測定用キット及び免疫測定方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち本発明は、糖(A)骨格と、炭素数6〜36のアルキル基と、アミド結合とを有する糖誘導体(X)を含有する免疫測定用試薬;前記免疫測定用試薬を含む免疫測定用キット;前記糖誘導体(X)の存在下で免疫反応を行う免疫測定方法である。
本発明の免疫測定用試薬及び免疫測定用キットを用いれば、高感度かつ再現性高く測定対象物質を測定することができる。また、本発明の免疫測定方法は高感度かつ再現性が高い。
<免疫測定用試薬>
本発明の免疫測定用試薬は、糖(A)骨格と、炭素数6〜36のアルキル基と、アミド結合とを有する糖誘導体(X)を含有する免疫測定用試薬である。
本発明における糖誘導体(X)は、上記の通り、糖骨格、アミド結合及びアルキル基を有している。本発明の免疫測定用試薬は、高感度かつ再現性に優れているという効果を奏するが、これは各部位が、以下のように機能し、糖誘導体(X)が界面活性剤として作用しているためであると推測される。
本発明の糖誘導体(X)は、後述の抗原(C)又は抗体(D)を固定化した磁性粒子(H)、及び、測定対象物質[後述の抗原(C)及び抗体(D)等]に作用して、抗原(C)又は抗体(D)の表面において、上記の非特異的反応を抑制し、また、磁性粒子(H)の分散性を高めることで、上記の効果を奏しているものと考えられる。
ここで、糖誘導体(X)が有するアミド結合は、エステル結合等と比較すると、抗原(C)及び抗体(D)等による加水分解反応等が生じにくいため、糖誘導体(X)の効果にぶれが生じず、上記の効果に寄与しているものと考えられる。
また、糖誘導体(X)が有する糖骨格は、適度な親水性を有しつつ、ポリオキシエチレン型界面活性剤と比較すると、EO付加モル数の分布に由来するばらつきもないため、上記の効果に寄与しているものと考えられる。
また、糖誘導体(X)が有する炭素数6〜36のアルキル基は、適度な疎水性を有しているため、上記の効果に寄与しているものと考えられる。
また、糖誘導体(X)は、糖(A)骨格と、炭素数6〜36のアルキル基とが、アミド結合を介して結合していることが好ましい。
本発明において、免疫測定用試薬とは、免疫反応を用いた免疫測定に用いられる試薬であり、例えば、(i)表面に抗原(C)又は抗体(D)を固定化した磁性粒子(H)を、測定対象物質と混合して免疫反応させる際(後述する免疫測定用固相担体試薬(E)として用いる)、(ii)磁性粒子(H)の表面の抗原(C)又は抗体(D)と測定対象物との複合体と標識測定対象物質とを混合して免疫反応させる際(後述する免疫測定用標識試薬(F)として用いる)等に用いることができる。
本発明において糖誘導体(X)は、第1級及び/又は第2級アミノ基を有する糖(A1)と炭素数6〜36のアルキル基を有するカルボン酸(B1)とをアミド化した構造を有する化合物(X1)、並びに、カルボキシル基を有する糖(A2)と炭素数6〜36のアルキル基を有する第1級及び/又は第2級アミン(B2)とをアミド化した構造を有する化合物(X2)からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
第1級及び/又は第2級アミノ基を有する糖(A1)において、糖としては、単糖、二糖及び三糖以上の糖等が挙げられるが、感度及び再現性の観点から、単糖が好ましい。
(A1)としては、感度及び再現性の観点から、第1級又は第2級アミノ基を1つ有する糖(A11)が好ましい。
(A11)として具体的には、炭素数が6の糖{グルコサミン、マンノサミン、グルカミン及びガラクトサミン等}並びに炭素数が7の糖{N−メチル−D−グルカミン、N−メチル−L−グルカミン、N−メチル−D−グルコサミン及びN−メチル−D−グルコサミン等}等が挙げられる。
カルボキシル基を有する糖(A2)において、糖としては、単糖、二糖及び三糖以上の糖等が挙げられるが、感度及び再現性の観点から、単糖が好ましい。
(A2)としては、感度及び再現性の観点から、カルボキシル基を1つ有する糖(A21)が好ましい。
(A21)としては、炭素数が6の糖{グルクロン酸、ガラクツロン酸及びグルコン酸等}並びに炭素数が7の糖{4−O−メチルグルクロン酸及び4−O−メチルグルコン酸等}等が挙げられる。
炭素数6〜36のアルキル基を有するカルボン酸(B1)において、アルキル基は直鎖アルキル基でも分岐アルキル基でもよく、感度及び再現性の観点から、好ましくは直鎖アルキル基である。
(B1)として具体的には、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、エイコサン酸、ドコサン酸、テトラコサン酸、ヘキサコサン酸、オクタコサン酸及びトリアコンタン酸等が挙げられる。
(B1)としては、水への溶解性の観点から、好ましくは炭素数6〜36のアルキル基を有するカルボン酸であり、さらに好ましくは炭素数6〜12のアルキル基を有するカルボン酸である。
炭素数6〜36のアルキル基を有する第1級及び/又は第2級アミン(B2)において、アルキル基は直鎖アルキル基でも分岐アルキル基でもよく、感度及び再現性の観点から、好ましくは直鎖アルキル基である。
(B2)としては、感度及び再現性の観点から、第1級又は第2級モノアミン(B21)が好ましい。
(B21)としては、水への溶解性の観点から、炭素数6〜36のアルキル基を1つ有している第1級又は第2級モノアミンが好ましく、さらに好ましくは炭素数6〜12のアルキル基を1つ有している第1級又は第2級モノアミンである。
(B21)において、第2級モノアミンは、水への溶解性の観点から、炭素数6〜36のアルキル基以外に、炭素数1〜5のアルキル基を有していることが好ましい。
(B21)として具体的には、第1級モノアミン{ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、アミノデカン、アミノドデカン、アミノテトラデカン、アミノペンタデカン、アミノヘキサデカン、アミノヘプタデカン及びアミノオクタデカン等}並びに第2級モノアミン{メチル(ヘキシル)アミン、メチル(ヘプチル)アミン、メチル(オクチル)アミン、エチル(ヘキシル)アミン、エチル(ヘプチル)アミン及びエチル(オクチル)アミン等}等が挙げられる。
糖誘導体(X)としては、再現性の観点から、第1級及び/又は第2級アミノ基を有する糖(A1)と炭素数6〜36のアルキル基を有するカルボン酸(B1)とをアミド化した構造を有する化合物(X1)が好ましく、さらに好ましくはグルカミンと炭素数6〜36のアルキル基を有するカルボン酸(B1)とをアミド化した構造を有する化合物である。
糖誘導体(X)として、具体的には、n−デカノイル−N−メチル−D−グルカミン、n−オクタノイル−N−メチル−D−グルカミン及びn−ノナノイル−N−メチル−D−グルカミン等が挙げられる。
本発明の免疫測定用試薬には、上記糖誘導体(X)以外に、水性溶媒を含有してもよい。
水性溶媒としては、水、生理食塩水、各種緩衝液(リン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、グリシン緩衝液及びTris緩衝液等)、アルブミン溶液、デキストラン溶液、正常ヒト又は動物血清溶液及び合成高分子溶液並びにこれらの2種以上の混合溶液等が挙げられる。
免疫測定用試薬中の(X)の含有量は、免疫測定用試薬の重量を基準として、感度及び再現性の観点から、0.001〜5重量%が好ましく、さらに好ましくは0.01〜1重量%である。
免疫測定用試薬のpHは、免疫反応の反応性の観点から、5〜10が好ましい。
本発明の免疫測定用試薬としては、免疫測定用固相担体試薬(E)及び免疫測定用標識試薬(F)が含まれる。
免疫測定用固相担体試薬(E)において、固相担体とは上述の固相担体が挙げられる。
(E)において、感度及び測定時間短縮の観点から、表面に抗原(C)又は抗体(D)を固定化した磁性粒子(H)と糖誘導体(X)とを含有する固相担体試薬が好ましい。
免疫測定用固相担体試薬(E)中の(X)の含有量は、免疫測定用固相担体試薬(E)の重量を基準として、感度及び再現性の観点から、0.001〜5重量%が好ましく、さらに好ましくは0.01〜1重量%である。
免疫測定用固相担体試薬(E)において、磁性粒子(H)は、一般的にこの分野で用いられるものであれば特に限定はされず、具体的には、免疫測定において測定時間の短時間化の観点から、例えば特開2014−210680号公報及び特開2013−019889号公報等に記載の公知の磁性シリカ粒子が好ましい。
固相担体として磁性粒子(好ましくは磁性シリカ粒子)を用いる場合、磁石による集磁及び分散が繰り返されるが、分散性が悪い場合、凝集する粒子が存在する等の影響により測定値にばらつきが生じやすい。一方、本発明の糖誘導体(X)を含有する固相担体試薬とすることにより、分散性が良好となり、再現性を向上させるという本発明の効果を得られる。
磁性シリカ粒子としては、免疫測定において測定時間の短時間化の観点から、シリカのマトリックス中に体積平均粒子径が1〜20nmで超常磁性を有する金属酸化物が分散されているものが好ましい。超常磁性とは、外部磁場の存在下で物質の個々の原子磁気モーメントが整列し誘発された一時的な磁場を示し、外部磁場を取り除くと、部分的な整列が損なわれ磁場を示さなくなることをいう。
なお、金属酸化物の体積平均粒子径は、任意の200個の粒子について走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製「JSM−7000F」)で観察して測定された粒子径の平均値である。
平均粒子径が1〜20nmで超常磁性を示す超常磁性金属酸化物としては、鉄、コバルト、ニッケル及びこれらの合金等の酸化物が挙げられるが、磁界に対する感応性が優れていることから、酸化鉄が特に好ましい。超常磁性金属酸化物は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
磁性シリカ粒子中の超常磁性金属酸化物の含有量の下限は、60重量%が好ましく、さらに好ましくは65重量%であり、上限は95重量%が好ましく、さらに好ましくは80重量%である。
超常磁性金属酸化物の含有量が60重量%以上であると、得られた磁性シリカ粒子の磁性が十分であるため、実際の用途面における分離操作に時間がかからない。95重量%以下のものは合成が容易である。
なお、磁性シリカ粒子中の超常磁性金属酸化物の含有量が上記範囲であると、磁性が強いため、磁石による集磁及び分散が繰り返されることによる測定値のばらつきが起こりやすいが、糖誘導体(X)を含有する固相担体試薬とすることにより、分散性が良好となり、再現性を向上させるという本発明の効果を得られやすい。
免疫測定用固相担体試薬(E)において、磁性シリカ粒子中の超常磁性金属酸化物の含有量(重量%)の数平均値と、免疫測定用固相担体試薬(E)の重量に対する(X)の重量割合(重量%)との比率[磁性シリカ粒子中の超常磁性金属酸化物の含有量(重量%)の数平均値/免疫測定用固相担体試薬(E)の重量に対する(X)の重量割合(重量%)]は、感度及び再現性の観点から、20〜10,000であることが好ましく、20〜9,000であることが更に好ましい。
磁性シリカ粒子の体積平均粒子径は、好ましくは1〜5μm、更に好ましくは1〜3μmである。体積平均粒子径が1μm以上であると、分離回収の際の時間が比較的短くなる傾向にある。また、5μm以下であると、表面積が比較的大きくなる結果、固定化する物質(対象物質、測定対象物質の類似物質又は測定対象物質と特異的に結合する物質)の結合量も多くなり、結合効率が上昇する傾向にある。
本発明における磁性シリカ粒子の体積平均粒子径は、任意の200個の磁性シリカ粒子について走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製「JSM−7000F」)で観察して測定された粒子径の平均値である。
本発明において、抗原(C)としては、一般的この分野で測定されるものであれば特に限定はされず、具体的には下記免疫測定に用いられる抗原が含まれる。
血清、血液、血漿、尿等の生体体液、リンパ液、血球、各種細胞類等の生体由来の試料中に含まれるヌクレオチド鎖(オリゴヌクレオチド鎖、ポリヌクレオチド鎖);染色体;核酸(デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)等);ペプチド鎖(例えばC−ペプチド、アンジオテンシンI等);タンパク質〔例えばプロカルシトニン、免疫グロブリンA(IgA)、免疫グロブリンE(IgE)、免疫グロブリンG(IgG)、免疫グロブリンM(IgM)、免疫グロブリンD(IgD)、β2−ミクログロブリン、アルブミン、ヘモグロビン、ミオグロビン、トランスフェリン、プロテインA、C反応性蛋白質(CRP)、フェリチン、トロポニンT(TnT)、ヒト脳性ナトリウム利尿ペプチド前駆体N端フラグメント(NT−proBNP)、これらの分解産物〕;血液凝固関連因子(例えばフィブリノーゲン、フィブリン分解産物、プロトロンビン、トロンビン等);酵素〔例えばアミラーゼ(例えば膵型、唾液腺型、X型等)、アルカリホスファターゼ(例えば肝性、骨性、胎盤性、小腸性等)、酸性ホスファターゼ(例えばPAP等)、γ−グルタミルトランスファラーゼ(例えば腎性、膵性、肝性等)、リパーゼ(例えば膵型、胃型等)、クレアチンキナーゼ(例えばCK−1、CK−2、mCK等)、乳酸脱水素酵素(例えばLDH1〜LDH5等)、グルタミン酸オキザロ酢酸トランスアミナーゼ(例えばASTm、ASTs等)、グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(例えばALTm、ALTs等)、コリンエステラーゼ(例えばChE1〜ChE5等)、ロイシンアミノペプチダーゼ(例えばC−LAP、AA、CAP等)、レニン、プロテインキナーゼ、チロシンキナーゼ等〕及びこれら酵素のインヒビター;ホルモン(例えばPTH、TSH、インシュリン、LH、FSH、エストラジオール、プロラクチン等);レセプター(例えばエストロゲン、TSH等に対するレセプター);リガンド(例えばエストロゲン、TSH等);細菌(例えば結核菌、肺炎球菌、ジフテリア菌、髄膜炎菌、淋菌、ブドウ球菌、レンサ球菌、腸内細菌、大腸菌、ヘリコバクター・ピロリ等);ウイルス(例えばルベラウイルス、ヘルペスウイルス、肝炎ウイルス、ATLウイルス、AIDSウイルス、インフルエンザウイルス、アデノウイルス、エンテロウイルス、ポリオウイルス、EBウイルス、HAV、HBV、HCV、HIV、HTLV等);真菌(例えばカンジダ、クリプトコッカス等);スピロヘータ(例えばレプトスピラ、梅毒トレポネーマ等);クラミジア、マイコプラズマ等の微生物;当該微生物に由来するタンパク質又はペプチド或いは糖鎖抗原;気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎等のアレルギーの原因となる各種アレルゲン(例えばハウスダスト、例えばコナヒョウダニ、ヤケヒョウダニ等のダニ類、例えばスギ、ヒノキ、スズメノヒエ、ブタクサ、オオアワガエリ、ハルガヤ、ライムギ等の花粉、例えばネコ、イヌ、カニ等の動物、例えば米、卵白等の食物、真菌、昆虫、木材、薬剤、化学物質等に由来するアレルゲン等);脂質(例えばリポタンパク質等);プロテアーゼ(例えばトリプシン、プラスミン、セリンプロテアーゼ等);腫瘍マーカータンパク抗原(例えばPSA、PGI、PGII等);糖鎖抗原〔例えばAFP(例えばL1からL3等)、hCG(hCGファミリー)、トランスフェリン、IgG、サイログロブリン、Decay−accelerating−factor(DAF)、癌胎児性抗原(例えばCEA、NCA、NCA−2、NFA等)、CA19−9、PIVKA−II、CA125、前立腺特異抗原、癌細胞が産生する特殊な糖鎖を有する腫瘍マーカー糖鎖抗原、ABO糖鎖抗原等〕;糖鎖(例えばヒアルロン酸、β−グルカン、上記糖鎖抗原等が有する糖鎖等);糖鎖に結合するタンパク質(例えばヒアルロン酸結合タンパク、βグルカン結合タンパク等);リン脂質(例えばカルジオリピン等);リポ多糖(例えばエンドトキシン等);化学物質(例えばT3、T4、FT3、FT4、トリブチルスズ、ノニルフェノール、4−オクチルフェノール、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジシクロヘキシル、ベンゾフェノン、オクタクロロスチレン、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル等の環境ホルモン);人体に投与・接種される各種薬剤及びこれらの代謝物;アプタマー;核酸結合性物質等が挙げられる。
本発明において、抗体(D)としては、一般的この分野で測定されるものであれば特に限定はされず、具体的には抗原(C)として例示したものに対する抗体が挙げられる。尚、本発明において用いられる抗体には、パパインやペプシン等の蛋白質分解酵素、或いは化学的分解により生じるFab、F(ab’)2フラグメント等の分解産物も包含される。
本発明において、磁性粒子に抗原(C)又は抗体(D)を固定化して磁性粒子(H)とする方法としては、上述の磁性粒子に、抗原(C)又は抗体(D)を物理吸着させる方法が挙げられるが、より効率良く測定対象物質等、具体的には、抗原(C)又は抗体(D)を固定化させる観点から、グルタルアルデヒド、アルブミン、カルボジイミド、ストレプトアビジン、ビオチン及び官能基を有するアルキルアルコキシシランからなる群から選ばれる少なくとも1種の有機化合物を磁性粒子の表面に結合させ、それらを介して、抗原(C)又は抗体(D)を磁性粒子に固定化させるのが好ましく、さらに好ましくは官能基(エチレン性不飽和基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基及びイソシアネート基等)を有するアルキルアルコキシシランを介して固定化させることである。
このような官能基を有するアルキルアルコキシシランとしては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、トリス−(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、3−ウレイドプロピルトリアルコキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
免疫測定用固相担体試薬(E)中の磁性粒子(H)の含有量は、免疫測定用固相担体試薬(E)の重量を基準として、粒子の洗浄性の観点から、0.0001〜10重量%が好ましく、さらに好ましくは0.001〜1重量%である。
免疫測定用標識試薬(F)としては、標識物質により標識された測定対象物質(G)と糖誘導体(X)とを含有する標識試薬が含まれる。
免疫測定用標識試薬(F)において、標識物質により標識された測定対象物質(G)における標識物質は、測定対象物質を標識するために用いられるものであり、
例えば酵素免疫測定法(EIA)において用いられるアルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、ペルオキシダーゼ(以下、PODと略記することがある)、マイクロペルオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコース−6−リン酸脱水素酵素、リンゴ酸脱水素酵素、ルシフェラーゼ、チロシナーゼ、酸性ホスファターゼ等の酵素類;
例えば放射免疫測定法(RIA)において用いられる99mTc、131I、125I、14C、3H、32P等の放射性同位元素;
例えば蛍光免疫測定法(FIA)において用いられるフルオレセイン、ダンシル、フルオレスカミン、クマリン、ナフチルアミン又はこれらの誘導体、グリーン蛍光タンパク質(GFP)等の蛍光性物質;
例えばルシフェリン、イソルミノール、ルミノール、ビス(2,4,6−トリフロロフェニル)オキザレート等の発光性物質;
例えばフェノール、ナフトール、アントラセン又はこれらの誘導体等の紫外部に吸収を有する物質;
例えば4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、3−アミノ−2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−1−オキシル、2,6−ジ−t−ブチル−α−(3,5−ジ−t−ブチル−4−オキソ−2,5−シクロヘキサジエン−1−イリデン)−p−トリオキシル等のオキシル基を有する化合物に代表されるスピンラベル化剤としての性質を有する物質等が挙げられる。
これらのうち、感度等の観点から、酵素、蛍光性物質が好ましく、さらに好ましいのはアルカリホスファターゼ、POD及びグルコースオキシダーゼであり、特に好ましいのはPODである。
標識物質を測定対象物質に結合させるには、一般的にこの分野で用いられる方法、例えば自体公知のEIA、RIA及びFIA等において一般に行われている自体公知の標識方法[例えば、医化学実験講座、第8巻、山村雄一監修、第1版、中山書店、1971;図説 蛍光抗体、川生明著、第1版、(株)ソフトサイエンス社、1983;酵素免疫測定法、石川栄治、河合忠、室井潔編、第2版、医学書院、1982等]等を利用すればよい。
標識物質の使用量は、用いる標識物質の種類により異なるため一概には言えないが、例えばPODを標識物質として使用する場合には、測定対象物質と標識物質とを、例えば1:1〜20のモル比が好ましく、さらに好ましくは1:1〜10のモル比、特に好ましくは1:1〜2のモル比となるように、緩衝液(トリス緩衝液、リン酸緩衝液、ベロナール緩衝液、ホウ酸緩衝液、グッド緩衝液等の一般的にこの分野で用いられている緩衝液)中に含有させて用いればよい。
尚、前記の緩衝液のpHは、抗原抗体反応を抑制しない範囲であればよく、5〜9が好ましい。
また、このような緩衝液中には、目的の抗原抗体反応を阻害しないものであれば、安定化剤(アルブミン、グロブリン、水溶性ゼラチン、ポリエチレングリコール等)、界面活性剤及び糖類等を含有させておいてもよい
免疫測定用標識試薬(F)中の(X)の含有量は、免疫測定用標識試薬(F)の重量を基準として、感度及び再現性の観点から、0.001〜5重量%が好ましく、さらに好ましくは0.01〜1重量%である。
免疫測定用標識試薬(F)中の測定対象物質(G)の含有量は、感度の観点から、0.01〜40μg/mLが好ましく、さらに好ましくは0.1〜20μg/mLである。
免疫測定用固相担体試薬(E)及び免疫測定用標識試薬(F)中には、免疫反応を妨げない範囲で、その他の成分{糖(グルコース、シュークロース等)、無機塩(塩化ナトリウム等)、(X)以外の界面活性剤(モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン等)、防腐剤(アジ化ナトリウム等)及び非特異反応防止剤等(正常動物由来のIgG抗体等)からなる群より選ばれる少なくとも1種等}を含有させてもよい。
免疫測定用固相担体試薬(E)及び/又は免疫測定用標識試薬(F)中糖類、無機塩、界面活性剤、防腐剤及び非特異反応防止剤を含む場合、それぞれの含有量は、(E)又は(F)それぞれの重量に基づいて、糖の含有量は0.1〜10重量%、無機塩の含有量は0.01〜5重量%、界面活性剤の含有量は0.02〜5重量%、防腐剤の含有量は0.001〜0.1重量%、非特異反応防止剤の含有量は0.001〜5重量%が好ましい。
<免疫測定用キット>
本発明の免疫測定用キットは、上記免疫測定用試薬を含む免疫測定用キットである。
本発明においては、(i)磁性粒子(H)と測定対象物質とを混合して(H)上の抗原(C)又は抗体(D)と測定対象物質とを免疫反応させる際、又は(ii)(H)上の(C)又は(D)と測定対象物質との複合体と、標識測定対象物質(標識物質により標識された測定対象物質)とを免疫反応させる際に、糖誘導体(X)を共存させることにより、固相担体表面、固相担体に固定化した物質及び反応容器内壁への標識物質由来の非特異的反応を効果的に減少させることができ、高感度かつ再現性高く測定対象物質を測定することができるものである。したがって、(i)及び/又は(ii)において糖誘導体(X)を共存させることができるものであれば、(X)及び(H)はどのような形で免疫測定用キットに含まれていてもよく、例えば下記(1)〜(3)が含まれる。
(1)(X)及び(H)を含有する免疫測定用固相担体試薬(E)と、標識物質により標識された測定対象物質(G)を含有し、(X)を含有しない標識試薬(F’)とを含む免疫測定用キット
(2)(H)を含有し、(X)を含有しない固相担体試薬(E’)と、(X)及び標識物質により標識された測定対象物質(G)を含有する免疫測定用標識試薬(F)とを含む免疫測定用キット
(3)(X)及び(H)を含有する免疫測定用固相担体試薬(E)と、(X)及び標識物質により標識された測定対象物質(G)を含有する免疫測定用標識試薬(F)とを含む免疫測定用キット
上記(1)〜(3)において、免疫測定用固相担体試薬(E)及び免疫測定用標識試薬(F)中の糖誘導体(X)、磁性粒子(H)、測定対象物質(G)及びその他の成分の好ましい含有量は上述の免疫測定用試薬における免疫測定用固相担体試薬(E)及び免疫測定用標識試薬(F)と同様である。
また、固相担体試薬(E’)及び標識試薬(F’)中の磁性粒子(H)、測定対象物質(G)及びその他の成分の好ましい含有量は上述の免疫測定用固相担体試薬(E)及び免疫測定用標識試薬(F)と同様である。
本発明の免疫測定用キットには、免疫測定用固相担体試薬(E)及び免疫測定用標識試薬(F)以外に、化学発光試薬(I)、標準試薬(濃度既知の測定対象物溶液等)、希釈用試薬(高濃度検体の希釈用試薬等)、洗浄試薬(反応容器の洗浄用試薬等)等を含んでもよく、さらに取り扱い説明書、測定に必要な治具等(例えば検体容器等)を含んでもよい。
化学発光試薬(I)は、上記の標識物質に基づき選択され、例えば、標識物質がペルオキシダーゼである場合、2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオン化合物及び化学発光増強剤を必須構成成分としてなる化学発光試薬第1液と、酸化剤及び水を必須構成成分としてなる化学発光試薬第2液とを含んでなる。
2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオン化合物としては、例えば、特開平2−291299号公報、特開平10−319015号公報及び特開2000−279196号公報等に記載の公知の2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオン化合物及びこれらの混合物等が使用できる。
これらの内、ルミノール、イソルミノール、N−アミノヘキシル−N−エチルイソルミノール(AHEI)、N−アミノブチル−N−エチルイソルミノール(ABEI)及びこれらの金属塩(アルカリ金属塩等)が好ましく、更に好ましいのはルミノール及びその金属塩、特に好ましいのはルミノールのナトリウム塩である。
化学発光増強剤としては、例えば、特開昭59−500252号公報、特開昭59−171839号公報及び特開平2−291299号公報等に記載の公知の化学発光増強剤及びこれらの混合物等が使用できる。これらの内、化学発光増強効果等の観点から、フェノールが好ましく、更に好ましいのはP−ヨードフェノール、4−(シアノメチルチオ)フェノール及び4−シアノメチルチオ−2−クロロフェノール、特に好ましいのは4−(シアノメチルチオ)フェノールである。
化学発光試薬第1液は、液体であることが好ましく、また、酵素の蛍光強度の観点からはアルカリ性であることが好ましい。第1液のpHは、7〜11が好ましく、更に好ましくは8〜10である。
なお、pHは、JIS K0400−12−10:2000に準拠して測定される(測定温度25℃)。
化学発光試薬第2液が含有する酸化剤としては、例えば、特開平8−261943号公報及び特開2000−279196号公報等に記載の公知の酸化剤等[無機の過酸化物(過酸化水素、過ホウ酸ナトリウム及び過ホウ酸カリウム等)、有機過酸化物(過酸化ジアルキル及び過酸化アシル等)、ペルオクソ酸化合物(ペルオクソ硫酸及びペルオクソリン酸等)等]の水溶液が挙げられる。
これらの内、保存安定性等の観点から、過酸化水素水溶液、過ホウ酸ナトリウム水溶液及び過ホウ酸カリウム水溶液が好ましく、更に好ましいのは過酸化水素水溶液である。
化学発光試薬(I)として、感度の観点から、ルミノール発光試薬(I1)及び過酸化水素液(I2)を含むことが好ましい。
<免疫測定方法>
本発明の免疫測定方法は、上記糖誘導体(X)が存在する液中で、免疫反応を行うものである。
免疫反応は、感度及び測定時間短縮の観点から、表面に抗原(C)又は抗体(D)を固定化した磁性粒子(H)を用いて行われることが好ましい。
また、磁性粒子(H)として好ましいものは、上記免疫測定用試薬(固相担体試薬)と同様である。また、pHとして好ましい範囲は、上記免疫測定用試薬と同様である。
本発明の免疫測定方法において、免疫反応を行う際の糖誘導体(X)が存在する液中の糖誘導体(X)の濃度は、再現性の観点から、糖誘導体(X)が存在する液の重量を基準として、0.001〜5重量%が好ましく、さらに好ましくは0.01〜1重量%である。
なお、糖誘導体(X)が存在する液の重量とは、液が磁性粒子(H)を含有する場合は、磁性粒子(H)の重量も合計して計算する。
本発明における免疫反応の方法には、免疫測定の分野で一般的に行われる文献[例えば、酵素免疫測定法第2版(石川栄治ら編集、医学書院)1982年]記載のサンドイッチ法、競合法及び特開平6−130063号公報記載の方法、具体的には以下の3種の方法が含まれる。
本発明における免疫測定方法としては、具体的には以下の3種の方法が含まれる。
<第1の方法:サンドイッチ法>
磁性粒子(H)(好ましくは磁性シリカ粒子)として、測定対象物質と特異的に結合する物質{測定対象物質結合物質;具体的には、抗原(C)又は抗体(D)}を、粒子の表面に固定化しているものを用いる。
そして、糖誘導体(X)の存在下、「測定対象物質を含む試料(例えば生体試料)」と、「磁性粒子(H)」と、「標識物質により標識された測定対象物質と特異的に結合する物質(標識測定対象物質結合物質)」とを接触させる。
これにより、「磁性粒子(H)に固定化した測定対象物質結合物質」と「測定対象物質」と「標識測定対象物質結合物質」との複合体(標識複合体)を形成させる。
その後、標識複合体を担持した磁性粒子(H)をB/F分離して、標識複合体中の標識物質量を測定し、その結果に基づいて試料中の測定対象物質を測定する。
<第2の方法:競合法1>
磁性粒子(H)(好ましくは磁性シリカ粒子)として、測定対象物質及び/又は測定対象物質の類似物質{具体的には、抗原(C)又は抗体(D)}を、粒子の表面に固定化しているものを用いる。
そして、糖誘導体(X)の存在下、「測定対象物質を含む試料(例えば生体試料)」と、「標識物質により標識された測定対象物質と特異的に結合する物質(標識測定対象物質結合物質)」と、「磁性粒子(H)」とを接触させる。
これにより、「標識測定対象物質結合物質」に、「磁性粒子(H)に固定化した測定対象物質及び/又は測定対象物質の類似物質」と、「測定対象物質」とを競合反応させ、「磁性粒子(H)に固定化した測定対象物質及び/又は測定対象物質の類似物質」と「標識測定対象物質結合物質」との複合体(標識複合体)を形成させる。
その後、標識複合体を担持した磁性粒子(H)をB/F分離して、標識複合体中の標識物質量を測定し、その結果に基づいて試料中の測定対象物質を測定する。
<第3の方法:競合法2>
磁性粒子(H)(好ましくは磁性シリカ粒子)として、測定対象物質と特異的に結合する物質{測定対象物質結合物質;具体的には、抗原(C)又は抗体(D)}を、粒子の表面に固定化しているものを用いる。
そして、糖誘導体(X)の存在下、「測定対象物質を含む試料(例えば生体試料)」と、「標識物質により標識された測定対象物質及び/又は標識物質により標識された測定対象物質の類似物質(標識測定対象物質又はその類似物質)」と、「磁性粒子(H)」とを接触させる。
これにより、「磁性粒子(H)に固定化した測定対象物質結合物質」に、「測定対象物質」と、「標識測定対象物質又はその類似物質」とを競合反応させ、「磁性粒子(H)に固定化した測定対象結合物質」と「標識測定対象物質又はその類似物質」との複合体(標識複合体)を形成させる。
その後、標識複合体を担持した磁性粒子(H)をB/F分離して、標識複合体中の標識物質量を測定し、その結果に基づいて試料中の測定対象物質を測定する。
本発明における測定対象物質としては、上述の抗原(C)及び抗体(D)等が挙げられ、測定対象物質が抗原(C)の場合は、その抗体(D)を磁性粒子(H)に固定化し、測定対象物質が抗体(D)の場合は、その抗原(C)を磁性粒子(H)に固定化する。
本発明における測定対象物質の類似物質(アナログ)としては、「測定対象物質と特異的に結合する物質」が有する「測定対象物質との結合部位」と結合し得るもの、言い換えれば、「測定対象物質」が有する「測定対象物質と特異的に結合する物質」との結合部位を有するもの、更に言い換えれば、「測定対象物質」と「測定対象物質と特異的に結合する物質」との反応時に共存させると、「測定対象物質」と「測定対象物質と特異的に結合する物質」との反応と競合し得るものが挙げられる。
本発明における「測定対象物質と特異的に結合する物質」は、測定対象物質が抗原(C)であるときは抗体(D)であり、測定対象物質が抗体(D)であるときは抗原(C)である。
本発明の免疫測定方法としては、化学発光酵素免疫測定法(CLEIA)、酵素免疫測定法(EIA)、放射免疫測定法(RIA)、電気化学発光免疫測定法(ECLIA)、蛍光酵素免疫測定法(FEIA)、化学発光免疫測定法(CLIA)、ラッテックス光学免疫測定法(LPIA)及びラッテックス粒子計数免疫凝集測定法(CIA)に用いられる検査の測定方法等が挙げられる。
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、部は重量部を示す。
<実施例1>
以下により、固相担体試薬(E−1)(抗CEA抗体結合磁性シリカ粒子含有試薬)、標識試薬(F’−1)(POD標識抗CEA抗体含有試薬)、化学発光試薬第1液(I−1)及び化学発光試薬第2液(I−2)から構成される本発明の免疫測定用キット(S1)を得た。
磁性シリカ粒子(PH−1)の作製:
<磁性金属酸化物粒子の作製>
反応容器に塩化鉄(III)6水和物186部、塩化鉄(II)4水和物68部及び水1288部を仕込んで溶解させて50℃に昇温し、撹拌下温度を50〜55℃の保持しながら、25重量%アンモニア水280部を1時間かけて滴下し、水中にマグネタイト粒子を得た。得られたマグネタイト粒子に分散剤であるオレイン酸64部を加え、2時間撹拌を継続した。室温に冷却後、デカンテーションにより固液分離して得られたオレイン酸が吸着したマグネタイト粒子を水1000部で洗浄する操作を3回行い、さらにアセトン1000部で洗浄する操作を2回行い、40℃で2日間乾燥させることで、体積平均粒子径が15nmの超常磁性金属酸化物粒子を得た。
<コア層の作製>
超常磁性金属酸化物粒子80部をテトラエトキシシラン240部に加えて分散し、分散液(a1)を調製した。
次に、反応容器に水5050部、25重量%アンモニア水溶液3500部、非イオン界面活性剤(「NSA−17」、三洋化成工業(株)製)400部を加えてクリアミックス(エムテクニック(株)製)を用いて混合し溶液(a2)を得た。50℃に昇温後、クリアミックスの回転数6,000rpmで攪拌しながら、上記分散液(a1)を溶液(a2)に1時間かけて滴下後、50℃で1時間反応させた。反応後、2,000rpmで20分間遠心分離して微粒子の存在する上清を除き、コア層を得た。
<磁性シリカ粒子の作製>
反応容器にコア層80部、脱イオン水2500部、25重量%アンモニア水溶液260部、エタノール2500部、テトラエトキシシラン1200部を加えてクリアミックス(エムテクニック(株)製)を用いて混合し、クリアミックスの回転数6,000rpmで攪拌しながら2時間反応させた。反応後、2,000rpmで20分間遠心分離して微粒子の存在する上清を除去した。遠心分離後沈殿した粒子に脱イオン水を4000部加えて粒子を再分散させ、分散した粒子を、磁石を用いて粒子を集磁し上清を除く操作を10回行った。
次に、得られた固相に水5000部を加えて粒子を分散させて600rpmで10分間遠心分離後、微粒子の存在する上清を除く操作を20回行い、続いて得られた固相に水5000部を加えて粒子を分散させて300rpmで10分間遠心分離することにより、大きな粒子径の粒子を沈降させて除去することで分級を行った。
さらに、磁石を用いて粒子を集磁し上澄み液を除去した。その後、水5000部を加えてコアシェル粒子を分散させた後に、磁石を用いて粒子を集磁し上清を除く操作を10回行い、目的とする体積平均粒子径2.0μmの磁性シリカ粒子(PH−1)を得た。得られた磁性シリカ粒子(PH−1)中の超常磁性金属酸化物粒子の含有量を測定した結果、含有量は81重量%であった。
<粒子(超常磁性金属酸化物粒子及び磁性シリカ粒子)の体積平均粒子径の測定方法>
走査型電子顕微鏡(型番:JSM−7000F、メーカー名:日本電子株式会社)を用いて、任意の200個の超常磁性金属酸化物粒子を観察して粒子径を測定し、体積平均粒子径を求めた。
磁性シリカ粒子についても同様の方法で、体積平均粒子径を求めた。
<超常磁性金属酸化物粒子の含有量の測定方法>
磁性シリカ粒子の任意の20個について、走査型電子顕微鏡(型番JSM−7000F、メーカー名日本電子株式会社)で観察し、エネルギー分散型X線分光装置(型番INCA Wave/Energy、メーカー名オックスフォード社)により超常磁性金属酸化物粒子の含有量を測定し、その平均値を含有量Sとした。また、同測定にてシリカの含有量を測定し、その平均値を含有量Tとした。以下の計算式(1)にて、超常磁性金属酸化物粒子の含有量を求めた。
超常磁性金属酸化物粒子の含有量(重量%)=(S)/(S+T)×100・・・(1)
固相担体試薬(E−1)の作製:
1重量%γ−アミノプロピルトリエトキシシラン含有アセトン溶液40mLの入った蓋付きポリエチレン瓶に製造した磁性シリカ粒子(PH−1)40mgを加え、25℃で1時間反応させ、ネオジウム磁石で磁性シリカ粒子を集磁後、液をアスピレーターで吸引除去した。次いで脱イオン水40mLを加えて蓋をし、ポリスチレン瓶をゆっくりと2回倒置攪拌した後、ネオジウム磁石で磁性シリカ粒子を集磁後、液をアスピレーターで吸引除去して磁性シリカ粒子を洗浄した。この洗浄操作を5回行った。次いで、この洗浄後の磁性シリカ粒子を2重量%グルタルアルデヒド含有水溶液40mLの入った蓋付きポリエチレン瓶に加え、25℃で1時間反応させた。そして、脱イオン水40mLを加えて蓋をし、ポリスチレン瓶をゆっくりと2回倒置攪拌したのち、ネオジウム磁石で磁性シリカ粒子を集磁後、液をアスピレーターで吸引除去して磁性シリカ粒子を洗浄した。この洗浄操作を10回行った。更にこの洗浄後の磁性シリカ粒子を抗CEAモノクローナル抗体(ダコジャパン(株)製)を10μg/mLの濃度で含む0.02Mリン酸緩衝液(pH8.7)120mLの入った蓋付きポリエチレン瓶に加え、25℃で1時間反応させた。反応後、ネオジウム磁石で磁性シリカ粒子を集磁後、抗CEAモノクローナル抗体含有リン酸緩衝液を除去した。次いで、磁性シリカ粒子を1重量%の牛血清アルブミン含有の0.02Mリン酸緩衝液(pH7.0)40mLの入った蓋付きポリエチレン瓶に加え、25℃で12時間浸漬させたのち、ネオジウム磁石でシリカ粒子を集磁後、1重量%の牛血清アルブミン含有のリン酸緩衝液を除去した。抗CEA抗体結合磁性シリカ粒子濃度として1.0mg/mLの濃度になるように0.85重量%のNaCl及び0.01重量%N−デカノイル−N−メチル−D−グルカミンを含む0.02Mリン酸緩衝液(pH7.0)で希釈し、磁性シリカ粒子(H−1)を含有する固相担体試薬(抗CEA抗体結合磁性シリカ粒子含有試薬)(E−1)を調製し、冷蔵(2〜10℃)で保存した。
標識試薬(F’−1)の作製:
抗CEAモノクローナル抗体(ダコジャパン(株)製)、西洋ワサビ由来POD(東洋紡(株)製)を用い、文献(エス・ヨシタケ、エム・イマガワ、イー・イシカワ、エトール;ジェイ.バイオケム,Vol.92,1982,1413−1424)に記載の方法でPOD標識抗CEA抗体を調製した。これを0.5重量%の牛血清アルブミン及び界面活性剤として1重量%ナロアクティーCL−100を含有する0.02Mリン酸緩衝液(pH7.0)で、POD標識抗CEA抗体濃度として100nMの濃度に希釈し、標識試薬(F’−1)を調製し、冷蔵(2〜10℃)で保存した。
化学発光試薬第1液(I−1)の調製:
ルミノールのナトリウム塩[シグマ アルドリッチ ジャパン(株)製]0.7g及び4−(シアノメチルチオ)フェノール0.1gを1,000mLメスフラスコに仕込んだ。3−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]プロパンスルホン酸/水酸化ナトリウム緩衝液(10mM、pH8.6)を溶液の容量が1,000mLになるように仕込み、25℃で均一混合して化学発光試薬第1液(I−1)を調製した。測定に用いるまで冷蔵(2〜10℃)保存した。
化学発光試薬第2液(I−2)の調製:
1,000mL及び過酸化水素[和光純薬工業(株)製、試薬特級、濃度30重量%]6.6gを1,000mLメスフラスコに仕込んだ。脱イオン水を溶液の容量が1,000mLになるように仕込み、25℃で均一混合して化学発光試薬第2液(I−2)を調製した。測定に用いるまで冷蔵(2〜10℃)保存した。
<実施例2〜11>
実施例1の「固相担体試薬(E−1)の作製」において、糖誘導体(X)又は界面活性剤の種類及び濃度を表1に示すものに変更した以外は同様にして固相担体試薬(E−2)〜(E−7)、(E’−8)〜(E’−10)及び(E−11)を作製した。
また、実施例1の「標識試薬(F’−1)の作製」において、糖誘導体(X)又は界面活性剤の種類及び濃度を表1に示すものに変更した以外は同様にして標識試薬(F’−2)〜(F’−7)及び(F−8)〜(F−11)を作製した。さらに、化学発光試薬第1液(I−1)及び化学発光試薬第2液(I−2)と組み合わせて免疫測定用キット(S2)〜(S11)とした。
<実施例12>
実施例1の「磁性シリカ粒子(PH−1)の作製」において、<コア層の作製>で、テトラエトキシシラン240部をテトラエトキシシラン360部に変更した以外は、同様にして体積平均粒子径2.0μmの磁性シリカ粒子(PH−2)を得た。得られた磁性シリカ粒子(PH−2)中の超常磁性金属酸化物粒子の含有量を測定した結果、含有量は61重量%であった。
次に、実施例3の「固相担体試薬(E−3)の作製」において、磁性シリカ粒子(PH−1)に代えて、磁性シリカ粒子(PH−2)を用いた以外は同様にして、磁性シリカ粒子(H−2)を含有する固相担体試薬(抗CEA抗体結合磁性シリカ粒子含有試薬)(E−12)を調製し、冷蔵(2〜10℃)で保存した。
また、実施例1の「標識試薬(F’−1)の作製」において、同様操作して標識試薬(F’−12)を作製した。さらに、化学発光試薬第1液(I−1)及び化学発光試薬第2液(I−2)と組み合わせて免疫測定用キット(S12)とした。
<実施例13>
実施例1の「磁性シリカ粒子(PH−1)の作製」において、<コア層の作製>で、テトラエトキシシラン240部をテトラエトキシシラン160部に変更した以外は、同様にして体積平均粒子径2.0μmの磁性シリカ粒子(PH−3)を得た。得られた磁性シリカ粒子(PH−3)中の超常磁性金属酸化物粒子の含有量を測定した結果、含有量は90重量%であった。
次に、実施例3の「固相担体試薬(E−3)の作製」において、磁性シリカ粒子(PH−1)に代えて、磁性シリカ粒子(PH−3)を用いた以外は同様にして、磁性シリカ粒子(H−3)を含有する固相担体試薬(抗CEA抗体結合磁性シリカ粒子含有試薬)(E−13)を調製し、冷蔵(2〜10℃)で保存した。
また、実施例1の「標識試薬(F’−1)の作製」において、同様操作して標識試薬(F’−13)を作製した。さらに、化学発光試薬第1液(I−1)及び化学発光試薬第2液(I−2)と組み合わせて免疫測定用キット(S13)とした。
<実施例14>
実施例3の「固相担体試薬(E−3)の作製」及び「標識試薬(F’−3)の作製」において、「抗CEAモノクローナル抗体(ダコジャパン(株)製)」に代えて「抗PSAポリクローナル抗体(ダコ・サイトメーション(株)製)」を用いた以外は、実施例1と同様にして免疫測定用キット(S14)を得た。
<実施例15>
実施例3の「固相担体試薬(E−3)の作製」及び「標識試薬(F’−3)の作製」において、「抗CEAモノクローナル抗体(ダコジャパン(株)製)」に代えて「抗CA19−9抗体(ダコジャパン(株)製)」を用いた以外は、実施例1と同様にして免疫測定用キット(S15)を得た。
<比較例1〜5>
実施例1の「固相担体試薬(E−1)の作製」において、界面活性剤の種類及び濃度を表1に示すものに変更した以外は同様にして固相担体試薬(HE−1)〜(HE−5)を作製した。
また、「標識試薬(F’−1)の作製」において界面活性剤の種類及び濃度を表1に示すものに変更した以外は同様にして標識試薬(HF−1)〜(HF−5)を作製した。さらに、化学発光試薬第1液(I−1)及び化学発光試薬第2液(I−2)と組み合わせて比較用の免疫測定用キット(H1)〜(H5)を得た。
Figure 2019066472
なお、表1において、各成分は下記を用いた。
○糖誘導体(X)
n−デカノイル−N−メチル−D−グルカミン:富士フィルム和光純薬工業(株)製
n−オクタノイル−N−メチル−D−グルカミン:富士フィルム和光純薬工業(株)製
○(X)以外の界面活性剤
n−ドデシル−β−D−マルトピラノシド:シグマアルドリッチ社製
n−オクチル−β−D−マルトピラノシド:富士フィルム和光純薬工業(株)製
ナロアクティーCL−100:三洋化成工業(株)製、「ナロアクティーCL−100」(ポリオキシアルキレンアルキルエーテル)
また、表1中、「CEA」は「抗CEAモノクローナル抗体」、「PSA」は「抗PSAポリクローナル抗体」、「CA19−9」は「抗CA19−9抗体」を意味する。
<実施例16〜28>
得られた免疫測定用キット(S1)〜(S13)を用いて、以下の方法により免疫測定における感度及び同時再現性を評価した。結果を表1に示す。
<免疫測定における感度及び同時再現性の評価方法>
固相担体試薬(E−1)〜(E−7)、(E’−8)〜(E’−10)及び(E−11)〜(E−13)を用いて、それぞれ固相担体試薬0.025mLと0.02Mリン酸緩衝液(pH7.0)で調製したCEA濃度が1.0ng/mLの標準CEA液0.025mLを試験管に入れて混合し、試験管中で37℃3分間反応させ、抗CEA抗体結合磁性シリカ粒子/CEA複合体を形成させた。反応後、試験管の外側からネオジウム磁石で磁性シリカ粒子を集め、試験管中の液をアスピレーターで除き、ネオジウム磁石を側面から十分に離した。その後、生理食塩水0.5mLを加えて磁性シリカ粒子を分散させて集磁後、アスピレーターで液を除く洗浄操作を3回行った。
続いて、固相担体試薬に対応する0.5重量%の牛血清アルブミン含有する標識試薬(F’−1)〜(F’−7)、(F−8)〜(F−11)及び(F’−12)〜(F’−13)を用いて、それぞれ標準試薬0.025mLを試験管に注入し、試験管中で37℃3分間反応させ、抗CEA抗体結合磁性シリカ粒子/CEA/POD標識抗CEA抗体複合体を形成させた。反応後、試験管の外側からネオジウム磁石で磁性シリカ粒子を10秒間集め、試験管中の液をアスピレーターで除き、ネオジウム磁石を側面から十分に離した。その後、生理食塩水0.5mLを加えて磁性シリカ粒子を分散させて集磁後、アスピレーターで液を除く洗浄操作を2回行った。
最後に、化学発光試薬第1液(I−1)0.07mLと化学発光試薬第2液(I−2)0.07mLとを同時に加え、37℃で45秒間発光反応させ、化学発光試薬を添加後43〜45秒の平均発光量をルミノメーター[ベルトールドジャパン社製「Lumat LB9507」]で測定した。尚、CEA濃度が1.0ng/mLの標準CEA液の代わりにCEA濃度が0ng/mLの標準CEA液を使用して上記と同様の操作を行いバックグラウンドとして用いた。
感度については、CEA濃度が1.0ng/mLと0ng/mLの標準溶液を用いた免疫測定を行った場合の発光量の比{(1.0ng/mLの標準溶液を用いた場合の発光量)/(0ng/mLの標準溶液を用いた場合の発光量)}を感度として表1に記載した。
同時再現性については、CEA濃度が1.0ng/mLの標準溶液を用いて免疫測定を行い、それを10回繰り返し、平均発光量(X1)と標準偏差(X2)から以下の計算式で変動係数(CV)を算出した。
CV(%)=(X2/X1)×100
<実施例29>
得られた免疫測定用キット(S14)を用いて、以下の方法により免疫測定における感度及び同時再現性を評価した。結果を表1に示す。
<免疫測定における感度及び同時再現性の評価方法>
固相担体試薬(E−14)0.025mLと0.02Mリン酸緩衝液(pH7.0)で調製したPSA濃度が50mAU/mLの標準PSA液0.025mLを試験管に入れて混合し、試験管中で37℃3分間反応させ、抗PSA抗体結合磁性シリカ粒子/PSA複合体を形成させた。反応後、試験管の外側からネオジウム磁石で磁性シリカ粒子を10秒間集め、試験管中の液をアスピレーターで除き、ネオジウム磁石を側面から十分に離した。その後、生理食塩水0.5mLを加えて磁性シリカ粒子を分散させて集磁後、アスピレーターで液を除く洗浄操作を3回行った。
続いて、0.5重量%の牛血清アルブミン含有した標識試薬(F’−14)0.025mLを試験管に注入し、試験管中で37℃3分間反応させ、抗PSA抗体結合磁性シリカ粒子/PSA/POD標識抗PSA抗体複合体を形成させた。反応後、試験管の外側からネオジウム磁石で磁性シリカ粒子を10秒間集め、試験管中の液をアスピレーターで除き、ネオジウム磁石を側面から十分に離した。その後、生理食塩水0.5mLを加えて磁性シリカ粒子を分散させて集磁後、アスピレーターで液を除く洗浄操作を2回行った。
最後に、化学発光試薬第1液(I−1)0.07mLと化学発光試薬第2液(I−2)0.07mLとを同時に加え、37℃で45秒間発光反応させ、化学発光試薬を添加後43〜45秒の平均発光量をルミノメーター[ベルトールドジャパン社製「Lumat LB9507」]で測定した。尚、PSA濃度が0.01ng/mLの標準PSA液の代わりにPSA濃度が0ng/mLの標準PSA液を使用して上記と同様の操作を行いバックグラウンドとして用いた。
感度については、PSA濃度が0.01ng/mLと0ng/mLの標準溶液を用いた免疫測定を行った場合の発光量の比{(0.01ng/mLの標準溶液を用いた場合の発光量)/(0ng/mLの標準溶液を用いた場合の発光量)}を感度として表1に記載した。
同時再現性については、PSA濃度が0.01ng/mLの標準溶液を用いて免疫測定を行い、それを10回繰り返し、平均発光量(X3)と標準偏差(X4)から以下の計算式で変動係数(CV)を算出した。
CV(%)=(X4/X3)×100
<実施例30>
得られた免疫測定用キット(S15)を用いて、以下の方法により免疫測定における感度及び同時再現性を評価した。結果を表1に示す。
<免疫測定における感度及び同時再現性の評価方法>
固相担体試薬(E−15)0.025mLと0.02Mリン酸緩衝液(pH7.0)で調製したCA19−9濃度が1.0U/mLの標準CA19−9液0.025mLを試験管に入れて混合し、試験管中で37℃3分間反応させ、抗CA19−9抗体結合磁性シリカ粒子/CA19−9複合体を形成させた。反応後、試験管の外側からネオジウム磁石で磁性シリカ粒子を10秒間集め、試験管中の液をアスピレーターで除き、ネオジウム磁石を側面から十分に離した。その後、生理食塩水0.5mLを加えて磁性シリカ粒子を分散させて集磁後、アスピレーターで液を除く洗浄操作を3回行った。
続いて、0.5重量%の牛血清アルブミン含有した標識試薬(F’−15)0.025mLを試験管に注入し、試験管中で37℃3分間反応させ、抗CA19−9抗体結合磁性シリカ粒子/CA19−9/POD標識抗CA19−9抗体複合体を形成させた。反応後、試験管の外側からネオジウム磁石で磁性シリカ粒子を10秒間集め、試験管中の液をアスピレーターで除き、ネオジウム磁石を側面から十分に離した。その後、生理食塩水0.5mLを加えて磁性シリカ粒子を分散させて集磁後、アスピレーターで液を除く洗浄操作を2回行った。
最後に、化学発光試薬第1液(I−1)0.07mLと化学発光試薬第2液(I−2)0.07mLとを同時に加え、37℃で45秒間発光反応させ、化学発光試薬を添加後43〜45秒の平均発光量をルミノメーター[ベルトールドジャパン社製「Lumat LB9507」]で測定した。尚、CA19−9濃度が1.0U/mLの標準CA19−9液の代わりにCA19−9濃度が0U/mLの標準CA19−9液を使用して上記と同様の操作を行いバックグラウンドとして用いた。
感度については、CA19−9濃度が1.0U/mLと0U/mLの標準溶液を用いた免疫測定を行った場合の発光量の比{(1.0U/mLの標準溶液を用いた場合の発光量)/(0U/mLの標準溶液を用いた場合の発光量)}を感度として表1に記載した。
同時再現性については、CA19−9濃度が1U/mLの標準溶液を用いて免疫測定を行い、それを10回繰り返し、平均発光量(X5)と標準偏差(X6)から以下の計算式で変動係数(CV)を算出した。
CV(%)=(X6/X5)×100
<比較例6〜10>
実施例16において、「免疫測定用キット(S1)」に代えて「比較用の免疫測定用キット(H1)〜(H5)」を用いる以外は実施例16と同様にして免疫測定における感度及び同時再現性を評価した。結果を表1に示す。
表1において、免疫測定用試薬である固相担体試薬及び/又は標識試薬中に糖誘導体(X)を含有する本発明の実施例1〜15の免疫測定用キットを用いた実施例16〜30の免疫測定方法では、変動係数が2.6%以下であり、糖誘導体(X)を含まない比較例1〜5の免疫測定用キットを用いた比較例6〜10の免疫測定方法の変動係数4.4〜6.2と比較して、変動係数が小さく、再現性が優れていることがわかる。
また、実施例16〜30の免疫測定方法における感度も3.5以上と比較例と同等以上であり、高感度かつ再現性に優れていることがわかる。さらに、標識試薬中に糖誘導体(X)を含有する実施例8〜11においては、変動係数が1.4〜1.7と極めて小さく、再現性に極めて優れていることがわかる。
本発明の免疫測定用試薬、免疫測定用キット及び免疫測定方法は、高感度かつ再現性に優れていることから、放射免疫測定法、酵素免疫測定法、蛍光免疫測定法及び化学発光免疫測定法等の臨床検査に幅広く適用できる。

Claims (11)

  1. 糖(A)骨格と、炭素数6〜36のアルキル基と、アミド結合とを有する糖誘導体(X)を含有する免疫測定用試薬。
  2. 前記糖誘導体(X)が、第1級及び/又は第2級アミノ基を有する糖(A1)と炭素数6〜36のアルキル基を有するカルボン酸(B1)とをアミド化した構造を有する化合物(X1)、並びに、カルボキシル基を有する糖(A2)と炭素数6〜36のアルキル基を有する第1級及び/又は第2級アミン(B2)とをアミド化した構造を有する化合物(X2)からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の免疫測定用試薬。
  3. 免疫測定用試薬の重量を基準として、糖誘導体(X)の含有量が0.001〜5重量%である請求項1又は2に記載の免疫測定用試薬。
  4. 糖(A1)及び糖(A2)が、炭素数が6〜7の糖である請求項2又は3に記載の免疫測定用試薬。
  5. 免疫測定用試薬が、免疫測定用固相担体試薬(E)であり、免疫測定用固相担体試薬(E)中にさらに表面に抗原(C)又は抗体(D)を固定化した磁性粒子(H)を含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の免疫測定用試薬。
  6. 磁性粒子(H)が、体積平均粒子径が1〜20nmの超常磁性金属酸化物を60〜95重量%含有する磁性シリカ粒子である請求項5に記載の免疫測定用試薬。
  7. 免疫測定用試薬が、免疫測定用標識試薬(F)であり、免疫測定用標識試薬(F)中にさらに標識物質により標識された測定対象物質(G)を含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の免疫測定用試薬。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の免疫測定用試薬を含む免疫測定用キット。
  9. 糖誘導体(X)が存在する液中で、免疫反応を行う免疫測定方法であって、(X)が糖(A)骨格と、炭素数6〜36のアルキル基と、アミド結合とを有する糖誘導体である免疫測定方法。
  10. 免疫反応が、表面に抗原(C)又は抗体(D)を固定化した磁性粒子(H)を用いて行われる請求項9に記載の免疫測定方法。
  11. 前記糖誘導体(X)が存在する液の重量を基準として、糖誘導体(X)の濃度が0.001〜5重量%である請求項9又は10に記載の免疫測定方法。
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