JP6182520B2 - 磁性シリカ粒子、該磁性シリカ粒子を用いた測定対象物質測定方法及び測定対象物質測定用試薬 - Google Patents

磁性シリカ粒子、該磁性シリカ粒子を用いた測定対象物質測定方法及び測定対象物質測定用試薬 Download PDF

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本発明は、磁性シリカ粒子、該磁性シリカ粒子を用いた測定対象物質測定方法及び該方法に用いられる試薬に関する。更に詳しくは、診断の補助、治療効果確認の補助、タンパク質精製時及び細胞分離時の精製度の確認等に用いる測定方法及び試薬に関する。
従来、生体物質を含有する試料、例えば生体サンプル中のタンパク質等を測定又は精製する方法としてタンパク質が結合し得る粒子表面に生体サンプル中のタンパク質等を結合させ、生体サンプル中の目的タンパク質等以外の不純物を除くために、粒子を洗浄しタンパク質等が結合した粒子を回収して、タンパク質の結合量を測定する方法やタンパク質解離溶液中に解離させて精製する方法が知られている。
また、上記方法においては、磁力によって容易に分離、回収が可能であることから、磁性を有する粒子が用いられている。このような磁性粒子として、例えば特許文献1には、酸化鉄からなる芯粒子の表面にシリカの被膜が形成されてなる磁性シリカ粒子が記載されている。特許文献1に記載の磁性シリカ粒子を用いる場合には、磁性シリカ粒子の回収時に磁場をかけることになる。しかし、この磁性シリカ粒子を形成する磁性体は強磁性であるため、回収時の磁場を取り除いても強磁性により磁性体自身が一時的な磁場を示し磁性シリカ粒子同士が自己会合し、洗浄性が悪い及び/又は次の操作(例えば、免疫反応)に悪影響を及ぼすという問題がある。
更に、強磁性による磁性シリカ粒子同士の自己会合を解決する目的で、例えば、特許文献2には、磁性体に超常磁性である磁性体を用いた磁性シリカ粒子が開示されている。しかし、この磁性シリカ粒子の粒子径が小さい場合には、磁性体の含有量が低くなり、磁力で磁性シリカ粒子を回収する際に時間がかかり、粒子径が大きい場合には、比表面積が小さいために、結合するタンパク質等の量が少ないという問題がある。
そのため、磁性シリカ粒子の粒子径が小さい場合でも迅速に磁力で磁性シリカ粒子を回収することを目的として、特許文献3には、超常磁性である磁性体の含有率を高めた磁性シリカ粒子が開示されている。しかしながら、特許文献3に記載された磁性シリカ粒子は、試薬として用いた場合の感度や保存安定性は十分満足のいくものではなかった。
特開2000−256388号公報 特開2000−40608号公報 WO2012/173002パンフレット
本発明は、測定対象物質、測定対象物質の類似物質、又は、測定対象物質と特異的に結合する物質を磁性シリカ粒子に固定化させる際の結合性に優れ、免疫測定において優れた感度を出し、更に長期間保存した際にも安定した性能を発揮し得る磁性シリカ粒子、該磁性シリカ粒子を用いた測定対象物質測定方法、及び、該測定対象物質測定用試薬を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。即ち本発明は、平均粒子径が1〜15nmの超常磁性金属酸化物粒子(A)を60〜95重量%含有するシリカ粒子であるコア層(P)と、前記コア層(P)の表面上に形成された平均厚みが3〜3000nmのシリカ層であるシェル層(Q)とから構成されるコア−シェル型状の粒子である磁性シリカ粒子(C);該磁性シリカ粒子(C)の表面に測定対象物質、測定対象物質の類似物質、又は、測定対象物質と特異的に結合する測定対象物質結合物質が固定化された磁性シリカ粒子(D)を用いて試料中の測定対象物質を測定することを特徴とする測定対象物質測定方法;及び、該磁性シリカ粒子(C)の表面に測定対象物質、測定対象物質の類似物質、又は、測定対象物質と特異的に結合する測定対象物質結合物質が固定化された磁性シリカ粒子(D)を含有することを特徴とする、測定対象物質測定用試薬である。
本発明の測定方法及び試薬においては、高感度で測定対象物質を測定(検出)することができ、試薬として長期間性能を損なうことなく保存することができる。
本発明における測定対象物質としては、通常この分野で測定されるものであれば特に限定はされず、例えば血清,血液,血漿,尿等の生体体液、リンパ液、血球、各種細胞類等の生体由来の試料中に含まれるタンパク質、脂質タンパク質、核酸、免疫グロブリン、血液凝固関連因子、抗体、酵素、ホルモン、癌マーカー、心疾患マーカー及び各種薬物等が代表的なものとして挙げられる。更に具体的には、例えばアルブミン,ヘモグロビン,ミオグロビン,トランスフェリン,プロテインA,C反応性蛋白質(CRP)等のタンパク質、例えば高比重リポ蛋白質(HDL),低比重リポ蛋白質(LDL),超低比重リポ蛋白質等の脂質蛋白質、例えばデオキシリボ核酸(DNA),リボ核酸(RNA)等の核酸、例えばアルカリ性ホスファターゼ,アミラーゼ,酸性ホスファターゼ,γ−グルタミルトランスフェラーゼ(γ−GTP),リパーゼ,クレアチンキナーゼ(CK),乳酸脱水素酵素(LDH),グルタミン酸オキザロ酢酸トランスアミナーゼ(GOT),グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(GPT),レニン,プロテインキナーゼ(PK),チロシンキナーゼ等の酵素、例えばIgG,IgM,IgA,IgD,IgE等の免疫グロブリン(或はこれらの、例えばFc部,Fab部,F(ab)2部等の断片)、例えばフィブリノーゲン,フィブリン分解産物(FDP),プロトロンビン,トロンビン等の血液凝固関連因子、例えば抗ストレプトリジンO抗体,抗ヒトH.ピロリ抗体,抗ヒトB型肝炎ウイルス表面抗原抗体(抗HBs抗原抗体),抗ヒトB型肝炎コア抗原抗体(抗HBc抗原抗体),抗ヒトC型肝炎ウイルス抗体,抗リュウマチ因子等の抗体、例えばB型肝炎ウィルス表面抗原(HBsAg)、例えば甲状腺刺激ホルモン(TSH),甲状腺ホルモン(FT3,FT4,T3,T4),副甲状腺ホルモン(PTH),プロカルシトニン(PCT),副腎皮質刺激ホルモン(ACTH),ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG),エストラジオール(E2),コルチゾール,アルドステロン等のホルモン、例えばα−フェトプロテイン(AFP),癌胎児性抗原(CEA),CA19−9、前立腺特異抗原(PSA)等の癌マーカー、例えばトロポニンT(TnT),ヒト脳性ナトリウム利尿ペプチド前駆体N端フラグメント(NT−proBNP)等の心疾患マーカー、例えば抗てんかん薬,抗生物質,テオフィリン等の薬物等が挙げられる。上記したものの中でも、抗体、ホルモン、癌マーカー、心疾患マーカー等が好ましい。
本発明における測定対象物質の類似物質(アナログ)は、測定対象物質と測定対象物質と特異的に結合する物質(以下、「測定対象物質結合物質」ともいう)との反応時に存在すると、測定対象物質と競合するものであれば何れでもよい。
例えば、類似物質は、測定対象物質結合物質が有する測定対象物質との結合部位と結合するものであれば何れでもよい。更に、類似物質は、測定対象物質が有する測定対象物質結合物質との結合部位と同じ部位を有していてもよい。
本発明における測定対象物質と特異的に結合する物質(測定対象物質結合物質)としては、例えば「抗原」−「抗体」間反応、「糖鎖」−「タンパク質」間反応、「糖鎖」−「レクチン」間反応、「酵素」−「インヒビター」間反応、「タンパク質」−「ペプチド鎖」間反応、「タンパク質」−「タンパク質」間反応、「染色体又はヌクレオチド鎖」−「ヌクレオチド鎖」間反応、「ヌクレオチド鎖」−「タンパク質」間反応等の相互反応によって測定対象物質又はその類似物質と結合するもの等が挙げられる。上記各組合せに於いて何れか一方が測定対象物質又はその類似物質である場合、他の一方がこの測定対象物質結合物質である。例えば、測定対象物質又はその類似物質が「抗原」であるときは測定対象物質結合物質は「抗体」であり、測定対象物質又はその類似物質が「抗体」であるときは測定対象物質結合物質は「抗原」である(以下、その他の上記各組合せにおいても同様である)。
具体的には、例えばヌクレオチド鎖(例えばオリゴヌクレオチド鎖、ポリヌクレオチド鎖);染色体;ペプチド鎖(例えばC−ペプチド、アンジオテンシンI等)、タンパク質〔例えばプロカルシトニン、免疫グロブリンA(IgA)、免疫グロブリンE(IgE)、免疫グロブリンG(IgG)、免疫グロブリンM(IgM)、免疫グロブリンD(IgD)、β2−ミクログロブリン、アルブミン、これらの分解産物、フェリチン等の血清タンパク質〕;酵素〔例えばアミラーゼ(例えば膵型,唾液腺型,X型等)、アルカリホスファターゼ(例えば肝性,骨性,胎盤性,小腸性等)、酸性ホスファターゼ(例えばPAP等)、γ−グルタミルトランスファラーゼ(例えば腎性,膵性,肝性等)、リパーゼ(例えば膵型,胃型等)、クレアチンキナーゼ(例えばCK−1,CK−2,mCK等)、乳酸脱水素酵素(例えばLDH1〜LDH5等)、グルタミン酸オキザロ酢酸トランスアミナーゼ(例えばASTm,ASTs等)、グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(例えばALTm,ALTs等)、コリンエステラーゼ(例えばChE1〜ChE5等)、ロイシンアミノペプチダーゼ(例えばC−LAP,AA,CAP等)、レニン、プロテインキナーゼ、チロシンキナーゼ等〕及びこれら酵素のインヒビター、ホルモン(例えばPTH,TSH,インシュリン,LH,FSH,プロラクチン等)、レセプター(例えばエストロゲン,TSH等に対するレセプター);リガンド(例えばエストロゲン,TSH等);細菌(例えば結核菌,肺炎球菌,ジフテリア菌,髄膜炎菌,淋菌,ブドウ球菌,レンサ球菌,腸内細菌,大腸菌,ヘリコバクター・ピロリ等)、ウイルス(例えばルベラウイルス,ヘルペスウイルス,肝炎ウイルス,ATLウイルス,AIDSウイルス,インフルエンザウイルス,アデノウイルス,エンテロウイルス,ポリオウイルス,EBウイルス,HAV,HBV,HCV,HIV,HTLV等)、真菌(例えばカンジダ,クリプトコッカス等)、スピロヘータ(例えばレプトスピラ,梅毒トレポネーマ等)、クラミジア、マイコプラズマ等の微生物;当該微生物に由来するタンパク質又はペプチド或いは糖鎖抗原;気管支喘息,アレルギー性鼻炎,アトピー性皮膚炎等のアレルギーの原因となる各種アレルゲン(例えばハウスダスト、例えばコナヒョウダニ,ヤケヒョウダニ等のダニ類、例えばスギ、ヒノキ、スズメノヒエ,ブタクサ,オオアワガエリ,ハルガヤ,ライムギ等の花粉、例えばネコ,イヌ,カニ等の動物、例えば米,卵白等の食物、真菌、昆虫、木材、薬剤、化学物質等に由来するアレルゲン等);脂質(例えばリポタンパク質等);プロテアーゼ(例えばトリプシン,プラスミン,セリンプロテアーゼ等);腫瘍マーカータンパク質抗原(例えばPSA、PGI、PGII等);糖鎖抗原〔例えばAFP(例えばL1からL3等)、hCG(hCGファミリー)、トランスフェリン、IgG、サイログロブリン、Decay−accelerating−factor(DAF)、癌胎児性抗原(例えばCEA,NCA,NCA−2,NFA等)、CA19−9、PIVKA−II、CA125、前立腺特異抗原、癌細胞が産生する特殊な糖鎖を有する腫瘍マーカー糖鎖抗原、ABO糖鎖抗原等〕;糖鎖(例えばヒアルロン酸、β−グルカン、上記糖鎖抗原等が有する糖鎖等);糖鎖に結合するタンパク質(例えばヒアルロン酸結合タンパク、βグルカン結合タンパク等);リン脂質(例えばカルジオリピン等);リポ多糖(例えばエンドトキシン等);化学物質(例えばT3、T4、例えばトリブチルスズ,ノニルフェノール,4−オクチルフェノール,フタル酸ジ−n−ブチル,フタル酸ジシクロヘキシル,ベンゾフェノン,オクタクロロスチレン,フタル酸ジ−2−エチルヘキシル等の環境ホルモン);人体に投与・接種される各種薬剤及びこれらの代謝物;アプタマー;核酸結合性物質;およびこれらに対する抗体等が挙げられる。尚、本発明に於いて用いられる抗体には、パパインやペプシン等の蛋白質分解酵素、或いは化学的分解により生じる抗体の分解産物であるFab、F(ab’)2フラグメント等も包含される。
上記の如き測定対象物質結合物質としては、「抗原」−「抗体」間反応或いは「糖鎖」−「タンパク質」間反応によって測定対象物質又はその類似物質と結合するものが好ましい。具体的には、測定対象物質又はその類似物質に対する抗体、測定対象物質又はその類似物質が結合する抗原、又は、測定対象物質又はその類似物質に結合するタンパク質が好ましく、測定対象物質又はその類似物質に対する抗体、或いは測定対象物質又はその類似物質に結合するタンパク質が更に好ましい。
本発明における磁性シリカ粒子(C)は、コア層(P)と、該コア層(P)の表面上に形成されたシェル層(Q)からなり、シェル層(Q)の平均厚みが3〜3000nmであるコア−シェル型状の粒子である。コア層(P)は、平均粒子径が1〜15nmで超常磁性を有する超常磁性金属酸化物粒子(A)がシリカのマトリックス中に分散された球体からなるシリカ粒子である。シェル層(Q)はシリカからなり、他の成分を含有していてもよい。
本発明における超常磁性金属酸化物粒子(A)の平均粒子径は、任意の200個の超常磁性金属酸化物粒子(A)について走査型電子顕微鏡で観察して測定された粒子径の平均値である。超常磁性金属酸化物粒子(A)の平均粒子径は、後述の超常磁性金属酸化物粒子(A)作製時の金属イオン濃度を調節することにより制御することができる。また、通常の分級等の方法によっても超常磁性金属酸化物粒子(A)の平均粒子径を所望の値にすることができる。
超常磁性とは、物質が外部磁場を受けた場合、物質からの一時的な磁場が外部磁場により誘発され、物質の個々の原子磁気モーメントの整列が起こり、外部磁場を取り除くと、物質からの磁場が消失し、部分的な原子磁気モーメントの整列が損なわれる性質を意味する。
本発明における平均粒子径が1〜15nmで超常磁性を示す超常磁性金属酸化物粒子(A)としては、鉄、コバルト、ニッケル及びこれらの合金等の酸化物が挙げられるが、磁界に対する感応性が優れていることから、酸化鉄が特に好ましい。超常磁性金属酸化物粒子(A)は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明における超常磁性金属酸化物粒子(A)の平均粒子径は1〜15nmであり、好ましくは3〜13nm、更に好ましくは5〜13nmである。超常磁性金属酸化物粒子(A)の平均粒子径が1nm未満の場合は合成が困難であり、平均粒子径が15nmを超える場合は、超常磁性金属酸化物粒子(A)を含む磁性シリカ粒子(C)の磁気特性が強磁性となり、実際の用途面において磁場を取り除いても超常磁性金属酸化物粒子(A)自身が一時的な磁場を示し磁性シリカ粒子(C)同士が自己会合し、洗浄性が悪い及び/又は免疫反応等に悪影響を及ぼすという問題がある。
超常磁性金属酸化物粒子(A)に用いられる酸化鉄としては、公知の種々の酸化鉄を用いることができる。酸化鉄の内、特に化学的な安定性に優れることから、マグネタイト、γ−ヘマタイト、マグネタイト−α−ヘマタイト中間酸化鉄及びγ−ヘマタイト−α−ヘマタイト中間酸化鉄からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、大きな飽和磁化を有し、外部磁場に対する感応性が優れていることから、マグネタイトが更に好ましい。
本発明におけるコア層(P)の重量に基づく超常磁性金属酸化物粒子(A)の含有量の下限は、60重量%、好ましくは65重量%であり、上限は95重量%、好ましくは80重量%である。超常磁性金属酸化物粒子(A)の含有量が60重量%未満の場合、得られた磁性シリカ粒子(C)の磁性が十分でないため、実際の用途面における分離操作に時間がかかる。また、超常磁性金属酸化物粒子(A)の含有量が95重量%を超える場合、その合成が困難である。
超常磁性金属酸化物粒子(A)の製造方法は、特に限定されないが、Massartにより報告されたものをベースとして水溶性鉄塩及びアンモニアを用いる共沈殿法(R.Massart,IEEE Trans.Magn.1981,17,1247)や水溶性鉄塩の水溶液中の酸化反応を用いた方法により合成することができる。
本発明においては、コア層(P)の表面上にシェル層(Q)が形成されている。
上記の通り、シェル層(Q)は、シリカ層であり、その表面にシラノール基を有する。また、シェル層(Q)は、磁性シリカ粒子(C)の最外層に位置するので、磁性シリカ粒子(C)の表面にシラノール基があることになる。そのため、多くの測定対象物質、測定対象物質の類似物質、又は測定対象物質結合物質をその表面に固定化することができる。
本発明におけるシェル層(Q)の平均厚みは、磁性シリカ粒子(C)を樹脂に包埋してミクロトームで切断した断面を、透過型電子顕微鏡で観察して得られる像の画像解析から測定することが出来る。シェル層(Q)の平均厚みとは、透過型電子顕微鏡(例えば(株)日立製作所製「H−7100」)で観察して測定された任意の100個の磁性シリカ粒子(C)のシェル層(Q)の厚みの平均値である。シェル層(Q)の厚みとは、1個の磁性シリカ粒子(C)における膜厚が最も薄い部分と最も厚い部分の平均値である。
シェル層(Q)の平均厚みは、3〜3000nmであり、好ましくは10〜500nmであり、更に好ましくは50〜200nmである。平均厚みが3nm未満の場合、シェル層(Q)が形成されていることの効果が得られず感度や安定性が低下し、平均厚みが3000nmを超えるものは合成が困難である。
磁性シリカ粒子(C)の平均粒子径は、好ましくは0.5〜20μm、更に好ましくは1〜10μm、特に好ましくは1〜5μmである。磁性シリカ粒子(C)の平均粒子径が0.5μm未満の場合、分離回収の際の時間がかかる傾向にある。また、磁性シリカ粒子(C)の平均粒子径が20μmを超える場合、比表面積が小さくなり、固定化する物質(対象物質、測定対象物質の類似物質又は測定対象物質結合物質)の固定化量が低く結合効率が低下する傾向にある。
本発明における磁性シリカ粒子(C)の平均粒子径は、任意の200個の磁性シリカ粒子(C)について走査型電子顕微鏡(例えば、日本電子株式会社製「JSM−7000F」)で観察して測定された粒子径の平均値である。
磁性シリカ粒子(C)の平均粒子径は、コア層(P)の平均粒子径とシェル層(Q)の平均厚みを制御することにより制御することができる。コア層(P)の平均粒子径は、後述の水中油型エマルションを作製する際の混合条件(せん断力等)を調節して水中油型エマルションの粒子径を調整することにより制御することができ、シェル層(Q)の平均厚みは、後述のシェル層(Q)形成時の(アルキル)アルコキシシランの量、触媒量、反応時間を調節することにより制御することができる。また、コア層(P)及び磁性シリカ粒子(C)の平均粒子径は、製造時の水洗工程の条件変更や通常の分級等の方法によっても所望の値とすることができる。
次に、本発明における磁性シリカ粒子(C)の製造方法について説明する。
本発明における磁性シリカ粒子(C)の製造方法は、以下の2工程を少なくとも経る製造方法により製造できる。
(工程1)超常磁性金属酸化物粒子(A)を含有する(アルキル)アルコキシシランの水中油型エマルションを作製して縮合反応を行い、超常磁性金属酸化物粒子(A)がシリカに包含されたコア層(P)を製造する工程。
(工程2)コア層(P)の表面に(アルキル)アルコキシシランを縮合させシェル層(Q)を形成する工程。
以下、上記の工程について説明する。
(工程1)
本発明におけるコア層(P)の製造方法としては、例えば平均粒子径が1〜15nmの超常磁性金属酸化物粒子(A)及び前記超常磁性金属酸化物粒子(A)の重量に基づいて30〜1000重量%の(アルキル)アルコキシシランを含有する分散液(B1)と、水、非イオン性界面活性剤及び(アルキル)アルコキシシランの加水分解用触媒を含有する溶液(B2)とを混合して、水中油型エマルションを作製し、(アルキル)アルコキシシランの加水分解反応及び縮合反応を行い、超常磁性金属酸化物粒子(A)がシリカに包含された粒子を製造する方法が挙げられる。(アルキル)アルコキシシランの加水分解反応及び縮合反応後、遠心分離及び磁石により固液分離することによりコア層(P)が得られる。更に、コア層(P)の合成において、分散剤、水溶性有機溶媒、非水溶性有機溶媒を用いてもよく、これらは2種以上を併用して用いても良い。
上記及び以下において、(アルキル)アルコキシシランとは、アルキルアルコキシシラン又はアルコキシシランを意味する。
上記分散剤としては、分子内に1個以上のカルボキシル基を有する有機化合物、1個以上のスルホ基を有する有機化合物及び1個以上のカルボキシル基と1個以上のスルホ基を有する有機化合物等が挙げられる。具体的には、以下に例示する(a−1)〜(a−5)の有機化合物等が挙げられ、これらは1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
(a−1)カルボキシル基を2個以上有する有機化合物:
炭素数2〜30の脂肪族ポリカルボン酸(シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、プロパン−1,2,3−トリカルボン酸、クエン酸及びドデカン二酸等の飽和ポリカルボン酸並びにマレイン酸、フマール酸及びイタコン酸等の不飽和ポリカルボン酸等)、炭素数8〜30の芳香族ポリカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸及びピロメリット酸等)及び炭素数5〜30の脂環式ポリカルボン酸(シクロブテン−1,2−ジカルボン酸、シクロペンテン−1,2−ジカルボン酸、フラン−2,3−ジカルボン酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプタ−2−エン−2,3−ジカルボン酸及びビシクロ[2,2,1]ヘプタ−2,5−ジエン−2,3−ジカルボン酸等)等。
(a−2)スルホ基を2個以上有する有機化合物:
炭素数1〜30の脂肪族ポリスルホン酸(メチオン酸、1,1−エタンジスルホン酸、1,2−エタンジスルホン酸、1,1−プロパンジスルホン酸、1,3−プロパンジスルホン酸及びポリビニルスルホン酸等)、炭素数6〜30の芳香族ポリスルホン酸(m−ベンゼンジスルホン酸、1,4−ナフタレンスルホン酸、1,5−ナフタレンジスルホン酸、1,6−ナフタレンジスルホン酸、2,6−ナフタレンジスルホン酸、2,7−ナフタレンジスルホン酸及びスルホン化ポリスチレン等)、ビス(フルオロスルホニル)イミド及び炭素数2〜10のビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミド[ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、ビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、ペンタフルオロエタンスルホニルトリフルオロメタンスルホニルイミド、トリフルオロメタンスルホニルヘプタフルオロプロパンスルホニルイミド、ノナフルオロブタンスルホニルトリフルオロメタンスルホニルイミド等]等。
(a−3)カルボキシル基とスルホ基をそれぞれ1個以上有する有機化合物:
炭素数2〜30のスルホカルボン酸(スルホ酢酸及びスルホコハク酸等)及び炭素数7〜30のスルホ芳香族モノ又はポリカルボン酸(o−、m−又はp−スルホ安息香酸、2,4−ジスルホ安息香酸、3−スルホフタル酸、3,5−ジスルホフタル酸、4−スルホイソフタル酸、2−スルホテレフタル酸、2−メチル−4−スルホ安息香酸、2−メチル−3,5−ジスルホ安息香酸、4−プロピル−3−スルホ安息香酸、4−イソプロピル−3−スルホ安息香酸、2,4,6−トリメチル−3−スルホ安息香酸、2−メチル−5−スルホテレフタル酸、5−メチル−4−スルホイソフタル酸、5−スルホサリチル酸及び3−オキシ−4−スルホ安息香酸等)等。
(a−4)カルボキシル基を1個有する有機化合物:
炭素数1〜30の脂肪族飽和モノカルボン酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ベラルゴン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、ステアリン酸及びベヘニン酸等)、炭素数3〜30の脂肪族不飽和モノカルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸、オレイン酸、ステアリン酸等)、炭素数3〜30のヒドロキシ脂肪族モノカルボン酸(グリコール酸、乳酸及び酒石酸等)、炭素数4〜30の脂環式モノカルボン酸(シクロプロパンカルボン酸、シクロペンタンカルボン酸及びシクロヘキサンカルボン酸等)、炭素数7〜30の芳香族モノカルボン酸(安息香酸、ケイ皮酸及びナフトエ酸等)、炭素数7〜20のヒドロキシ芳香族モノカルボン酸(サリチル酸及びマンデル酸等)及び炭素数2〜20のパーフルオロカルボン酸(トリフルオロ酢酸、ウンデカフルオロヘキサン酸、トリデカフルオロヘプタン酸、パーフルオロオクタン酸、ペンタデカフルオロオクタン酸、ペプタデカフルオロノナン酸及びノナデカフルオロデカン酸等)等。
(a−5)スルホ基を1個有する有機化合物:
炭素数1〜30脂肪族モノスルホン酸(メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸、ヘキサンスルホン酸、デカンスルホン酸、ウンデカンスルホン酸及びドデカンスルホン酸等)、炭素数6〜30芳香族モノスルホン酸(ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、o−トルエンスルホン酸、m−トルエンスルホン酸、4−ドデシルベンゼンスルホン酸、4−オクチルベンゼンスルホン酸及びナフタレンスルホン酸等)及び炭素数1〜20のパーフルオロアルカンスルホン酸(トリフルオロメタンスルホン酸等)等。
これらの内、(アルキル)アルコキシシランとの相溶性の観点から(a−4)の内の炭素数10〜30の有機化合物が好ましい。
分散剤の使用量は、超常磁性金属酸化物粒子(A)の重量を基準として、100〜2,000重量%、特に250〜1,000重量%であることが好ましい。分散剤の使用量が超常磁性金属酸化物粒子(A)の重量を基準として、100重量%未満の場合、超常磁性金属酸化物粒子(A)が(アルキル)アルコキシシラン溶液に分散しにくい傾向にある。また、分散剤の使用量が超常磁性金属酸化物粒子(A)の重量を基準として、2,000重量%を超えると後の工程の水溶液への分散の際にエマルションが形成しにくい傾向にある。
使用する(アルキル)アルコキシシランとしては、下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
(4−n)Si(OR (1)
一般式(1)中、R及びRは、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、メルカプト基又はグリシジルオキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜10の1価の炭化水素基を表す。
炭素数1〜10の1価の炭化水素基としては、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基(メチル基、エチル基、n−又はiso−プロピル基、n−又はiso−ブチル基、n−又はiso−ペンチル基及びビニル基等)、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基(フェニル基等)及び炭素数7〜10の芳香脂肪族基(ベンジル基等)等が挙げられる。
一般式(1)におけるnは1〜4の整数を表す。但し、nが1のアルキルアルコキシシランを用いる場合は、nが2〜4の(アルキル)アルコキシシランと併用する必要がある。反応後の粒子の強度及び粒子表面のシラノール基の量の観点からnは4であることが好ましい。
一般式(1)で表される化合物の具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロピルシラン及びテトラブトキシシラン等のアルコキシシラン;メチルトリメトキシシラン及びメチルトリエトキシシラン等のアルキルアルコキシシラン;3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルエトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン及びN−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ基で置換されたアルキル基を有するアルキルアルコキシシラン;7−カルボキシ−ヘプチルトリエトキシシラン及び5−カルボキシ−ペンチルトリエトキシシラン等のカルボキシル基で置換されたアルキル基を有するアルキルアルコキシシラン;3−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン及び3−ヒドロキシプロピルエトキシシラン等の水酸基で置換されたアルキル基を有するアルキルアルコキシシラン;3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン及び3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプト基で置換されたアルキル基を有するアルキルアルコキシシラン;3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン及び3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン等のグリシジルオキシ基で置換されたアルキル基を有するアルキルアルコキシシラン等が挙げられる。
(アルキル)アルコキシシランは、1種類を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
(アルキル)アルコキシシランの使用量は、超常磁性金属酸化物粒子(A)の重量に対して、通常30〜1,000重量%、好ましくは40〜500重量%である。(アルキル)アルコキシシランの使用量が、超常磁性金属酸化物粒子(A)の重量に対して30重量%未満の場合、超常磁性金属酸化物粒子(A)の表面が均一に被覆されにくくなる。また、(アルキル)アルコキシシランの使用量が超常磁性金属酸化物粒子(A)の重量に対して、1000重量%を超える場合、超常磁性金属酸化物粒子(A)の含有率が小さくなり、磁力による回収時間が長くなる。
水の使用量は、超常磁性金属酸化物粒子(A)の重量に対して500〜50,000重量%であることが好ましく、特に1,000〜10,000重量%が好ましい。
非水溶性有機溶媒としては、25℃における水への溶解度が0.1g/水100g以下である、炭素数6〜16の芳香族炭化水素溶剤(トルエン及びキシレン等)及び炭素数5〜16の脂肪族炭化水素溶剤(n−ヘプタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−オクタン、デカン及びデカヒドロナフタレン等)等が挙げられる。これらは、1種類を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
非水溶性有機溶媒の使用量は、超常磁性金属酸化物粒子(A)の重量に対して、200〜1,000重量%、特に250〜500重量%が好ましい。有機溶媒の使用量が超常磁性金属酸化物粒子(A)の重量に対して200重量%未満であると超常磁性金属酸化物粒子(A)の分散性が悪くなる傾向にある。また、有機溶媒の使用量が超常磁性金属酸化物粒子(A)の重量に対して1,000重量%を超えると、磁性シリカ粒子(C)の粒子径が不均一になる傾向にある。
水溶性有機溶媒としては、25℃における水への溶解度が100g/水100g以上である、炭素数1〜4のアルコール(メタノール、エタノール及びn−又はiso−プロパノール等)、炭素数2〜9のグリコール(エチレングリコール及びジエチレングリコール等)、アミド(N−メチルピロリドン等)、ケトン(アセトン等)、環状エーテル(テトラヒドロフラン及びテトラヒドロピラン等)、ラクトン(γ−ブチロラクトン等)、スルホキシド(ジメチルスルホキシド等)及びニトリル(アセトニトリル等)等が挙げられる。これらの内、磁性シリカ粒子(C)の粒子径の均一性の観点から、炭素数1〜4のアルコールが好ましい。水溶性有機溶媒は、1種類を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
水溶性有機溶媒の使用量は、水の重量に対して、100〜500重量%であることが好ましい。
非イオン性界面活性剤としては、高級アルコールアルキレンオキサイド(以下、アルキレンオキサイドをAOと略記)付加物;炭素数8〜24の高級アルコール(デシルアルコール、ドデシルアルコール、ヤシ油アルキルアルコール、オクタデシルアルコール及びオレイルアルコール等)のエチレンオキサイド(以下、EOと略記)1〜20モル及び/又はプロピレンオキサイド(以下、POと略記)1〜20モル付加物(ブロック付加物及び/又はランダム付加物を含む。以下同様)、炭素数6〜24のアルキルを有するアルキルフェノールのAO付加物;オクチル又はノニルフェノールのEO1〜20モル及び/又はPO1〜20モル付加物、ポリプロピレングリコールEO付加物及びポリエチレングリコールPO付加物;プルロニック型界面活性剤等、脂肪酸AO付加物;炭素数8〜24の脂肪酸(デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸及びヤシ油脂肪酸等)のEO1〜20モル及び/又はPO1〜20モル付加物等及び多価アルコール型非イオン性界面活性剤;炭素数3〜36の2〜8価の多価アルコール(グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビット及びソルビタン等)のEO及び/又はPO付加物;前記多価アルコールの脂肪酸エステル及びそのEO付加物[TWEEN(登録商標)20及びTWEEN(登録商標)80等];アルキルグルコシド(N−オクチル−β−D−マルトシド、n−ドデカノイルスクロース及びn−オクチル−β−D−グルコピラノシド等);ショ糖の脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド及びこれらのAO付加物(ポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミド等);等の非イオン性界面活性剤が挙げられる。これらは、1種類を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
なお、これらの中では、炭素数8〜24の高級アルコールのEO1〜20モル付加物が好ましく、ポリオキシエチレンアルキルエーテルであることがより好ましい。
非イオン性界面活性剤の使用量は、超常磁性金属酸化物粒子(A)の重量に対して、10〜1,000重量%、特に100〜500重量%が好ましい。非イオン性界面活性剤の使用量が、超常磁性金属酸化物粒子(A)の重量に対して10重量%未満又は1,000重量%を超えると、エマルションが安定せず、生成する粒子の粒度分布が広くなる傾向がある。
非イオン性界面活性剤を含む水溶液の使用量は、超常磁性金属酸化物粒子(A)の重量に対して、1,000〜10,000重量%、特に1,500〜4,000重量%が好ましい。非イオン性界面活性剤を含む水溶液の使用量が、超常磁性金属酸化物粒子(A)の重量に対して1,000重量%未満又は10,000重量%を超えると、エマルションが安定せず、生成する粒子の粒度分布が広くなる傾向がある。
(アルキル)アルコキシシランの加水分解用触媒としては、ルイス酸や塩酸等を用いることができ、具体的には、塩酸等の無機酸、酢酸等の有機酸、アンモニア等の無機塩基化合物、エタノールアミン等のアミン化合物を用いることができる。
加水分解用触媒の使用量は、(アルキル)アルコキシシランの重量に対して、1〜1000重量%、特に2〜500重量%が好ましい。
分散液(B1)と溶液(B2)との混合方法は特に限定されず、後述の設備を使用して一括混合することもできるが、磁性シリカ粒子(C)の粒子径の均一性の観点から、溶液(B2)を撹拌しながら分散液(B1)を滴下する方法が好ましい。
分散液(B1)と溶液(B2)とを混合する際の設備としては、一般に乳化機、分散機として市販されているものであれば特に限定されず、例えば、ホモジナイザー(IKA社製)、ポリトロン(キネマティカ社製)及びTKオートホモミキサー(特殊機化工業社製)等のバッチ式乳化機、エバラマイルダー(在原製作所社製)、TKフィルミックス、TKパイプラインホモミキサー(特殊機化工業社製)、コロイドミル(神鋼パンテック社製)、クリアミックス(エムテクニック社製)、スラッシャー、トリゴナル湿式微粉砕機(三井三池化工機社製)、キャピトロン(ユーロテック社製)及びファインフローミル(太平洋機工社製)等の連続式乳化機、マイクロフルイダイザー(みずほ工業社製)、ナノマイザー(ナノマイザー社製)及びAPVガウリン(ガウリン社製)等の高圧乳化機、膜乳化機(冷化工業社製)等の膜乳化機、バイブロミキサー(冷化工業社製)等の振動式乳化機、超音波ホモジナイザー(ブランソン社製)等の超音波乳化機等が挙げられ、粒子径の均一化の観点から、APVガウリン、ホモジナイザー、TKオートホモミキサー、エバラマイルダー、TKフィルミックス、TKパイプラインホモミキサー及びクリアミックス(エムテクニック社製)が好ましい。
(アルキル)アルコキシシランの加水分解反応及び縮合反応の温度は、10〜100℃であることが好ましく、更に好ましくは25〜60℃である。また、反応時間は、好ましくは0.5〜5時間、更に好ましくは1〜2時間である。
(工程2)
本発明におけるシェル層(Q)の形成方法としては、例えば(工程1)で得られるコア層(P)と、(アルキル)アルコキシシラン、(アルキル)アルコキシシランの加水分解用触媒及び水、要すれば更に水溶性有機溶媒とを混合して、(アルキル)アルコキシシランの加水分解反応及び縮合反応を行い、コア層(P)の表面にシリカを含有するシェル層(Q)を形成する方法が挙げられる。
使用する(アルキル)アルコキシシランとしては、下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
(4−n)Si(OR (1)
一般式(1)中、R及びRは、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、メルカプト基又はグリシジルオキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜10の1価の炭化水素基を表す。
炭素数1〜10の1価の炭化水素基としては、炭素数1〜10の1価の脂肪族炭化水素基(メチル基、エチル基、n−又はiso−プロピル基、n−又はiso−ブチル基、n−又はiso−ペンチル基及びビニル基等)、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基(フェニル基等)及び炭素数7〜10の芳香脂肪族基(ベンジル基等)等が挙げられる。
一般式(1)におけるnは1〜4の整数を表す。但し、nが1のアルキルアルコキシシランを用いる場合は、nが2〜4の(アルキル)アルコキシシランと併用する必要がある。反応後の粒子の強度及び粒子表面のシラノール基の量の観点からnは4であることが好ましい。
一般式(1)で表される化合物の具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロピルシラン及びテトラブトキシシラン等のアルコキシシラン;メチルトリメトキシシラン及びメチルトリエトキシシラン等のアルキルアルコキシシラン;3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルエトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン及びN−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ基で置換されたアルキル基を有するアルキルアルコキシシラン;7−カルボキシ−ヘプチルトリエトキシシラン及び5−カルボキシ−ペンチルトリエトキシシラン等のカルボキシル基で置換されたアルキル基を有するアルキルアルコキシシラン;3−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン及び3−ヒドロキシプロピルエトキシシラン等の水酸基で置換されたアルキル基を有するアルキルアルコキシシラン;3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン及び3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプト基で置換されたアルキル基を有するアルキルアルコキシシラン;3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン及び3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン等のグリシジルオキシ基で置換されたアルキル基を有するアルキルアルコキシシラン等が挙げられる。
(アルキル)アルコキシシランは、1種類を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
コア層(P)の濃度は、溶液中に50重量%未満であることが好ましく、更に20重量%未満であることが好ましい。コア層(P)の濃度が溶液中に50重量%以上であると、コア層(P)が溶液中に均一に分散せずシェル層(Q)が均一に形成されないばかりか、シリカを介してコア層(P)同士が凝集した粒子が生じやすくなる。
(アルキル)アルコキシシランの濃度は、溶液中に50重量%未満であることが好ましく、更に20重量%未満であることが好ましい。(アルキル)アルコキシシランの濃度が溶液中に50重量%以上であると、シリカを介してコア層(P)同士が凝集した粒子が得られるばかりか、シリカのみからなる粒子、その凝集物及びそれらとコア層(P)からなる凝集物が大量に生成する。
(アルキル)アルコキシシランの加水分解用触媒としては、ルイス酸や塩酸等を用いることができ、具体的には、塩酸等の無機酸、酢酸等の有機酸、アンモニア等の無機塩基化合物、エタノールアミン等のアミン化合物を用いることができる。
加水分解用触媒の使用量は、(アルキル)アルコキシシランの重量に対して、1〜2000重量%、特に2〜1000重量%が好ましい。
水の使用量は、(アルキル)アルコキシシランの重量に対して、0.01重量%以上であることが好ましく、更に0.1重量%以上であることが好ましい。水の使用量が(アルキル)アルコキシシランの重量に対して、0.01重量%未満となると、(アルキル)アルコキシシランの加水分解の反応速度が遅くなり、所望の平均厚さのシェル層(Q)を形成するのに長い反応時間を要する。
水溶性有機溶媒は用いても用いなくても良く、用いる場合は1種類を単独で用いても2種以上を併用してもよい。水溶性有機溶媒としては、25℃における水への溶解度が100g/水100g以上である、炭素数1〜4のアルコール(メタノール、エタノール及びn−又はiso−プロパノール等)、炭素数2〜9のグリコール(エチレングリコール及びジエチレングリコール等)、アミド(N−メチルピロリドン等)、ケトン(アセトン等)、環状エーテル(テトラヒドロフラン及びテトラヒドロピラン等)、ラクトン(γ−ブチロラクトン等)、スルホキシド(ジメチルスルホキシド等)及びニトリル(アセトニトリル等)等が挙げられる。これらの内、磁性シリカ粒子(C)の粒子径の均一性の観点から、炭素数1〜4のアルコールが好ましい。
上記に加えて、反応中のコア層(P)の分散性を良くするために、界面活性剤や分散剤を用いることができる。
(アルキル)アルコキシシランの加水分解反応及び縮合反応の温度は、0〜90℃であることが好ましく、更に好ましくは15〜50℃であり、その反応時間は、1〜5時間、好ましくは1〜3時間である。
本発明における磁性シリカ粒子(C)は、表面にシラノール基があることから、多くの測定対象物質、測定対象物質の類似物質、又は測定対象物質結合物質をその表面に固定化することができる。
次に、本発明における磁性シリカ粒子(C)の使用方法である、本発明の測定対象物質測定方法について説明する。
本発明の測定対象物質測定方法では、本発明の磁性シリカ粒子(C)の表面に測定対象物質、測定対象物質の類似物質、又は、測定対象物質と特異的に結合する測定対象物質結合物質が固定化された磁性シリカ粒子(D)を用いて試料中の測定対象物質を測定することを特徴とする。
本発明における磁性シリカ粒子(C)に、測定対象物質、測定対象物質の類似物質、又は、測定対象物質結合物質(以下、これらを総称して固定化用物質と略記する場合がある)を固定化し、磁性シリカ粒子(D)を製造する方法としては、上述の磁性シリカ粒子(C)に固定化用物質を物理吸着させる方法が挙げられる。より効率良く固定化用物質を固定化させる観点から、グルタルアルデヒド、アルブミン、カルボジイミド、ストレプトアビジン、ビオチン及び官能基を有するアルキルアルコキシシランからなる群から選ばれる少なくとも1種の有機化合物を磁性シリカ粒子(C)の表面に結合させ、それらを介して固定化用物質を磁性シリカ粒子(C)に固定化させるのが好ましい。これらの有機化合物の内、特定の固定化用物質を結合させる観点から、官能基を有するアルキルアルコキシシランが更に好ましい。このような官能基を有するアルキルアルコキシシランとしては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、トリス−(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、3−ウレイドプロピルトリアルコキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランが挙げられる。
上記アルキルアルコキシシランが有する官能基としては、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、メルカプト基、グリシジルオキシ基及び炭素数が1〜18の炭化水素基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基が挙げられ、アルキルアルコキシシラン1分子中に異なる種類の官能基を有していてもよい。
さらに、アルキルアルコキシシランが有する官能基としては、上記官能基がさらに変性されていてもよく、例えば、アミノ基とコハク酸とがアミド結合により結合した官能基であってもよい。
磁性シリカ粒子(C)の表面に官能基を有するアルキルアルコキシシランを結合させる方法としては、磁性シリカ粒子(C)を作製する際の(アルキル)アルコキシシランとして、前述のアミノ基、カルボキシル基、水酸基、メルカプト基グリシジルオキシ基又は炭素数が1〜18の炭化水素基で置換されたアルキル基を有するアルキルアルコキシシランを使用する方法や、これらの置換基を有しない(アルキル)アルコキシシランを使用して磁性シリカ粒子(C)を作製した後、磁性シリカ粒子(C)をアミノ基、カルボキシル基、水酸基、メルカプト基グリシジルオキシ基又は炭素数が1〜18の炭化水素基で置換されたアルキル基を有するアルキルアルコキシシランで処理する方法等が挙げられる。
後者の方法の具体例としては、磁性シリカ粒子(C)をその濃度が0.1〜50重量%になるように溶媒に分散し、この分散液にアミノ基、カルボキシル基、水酸基、メルカプト基、グリシジルオキシ基又は炭素数が1〜18の炭化水素基で置換されたアルキル基を有するアルキルアルコキシシランの溶液を添加して、室温で加水分解反応及び縮合反応を行う方法が挙げられる。
この方法における溶媒は、用いるアルキルアルコキシシランの溶解性に応じて適宜選択され、水に可溶なアミノ基、カルボキシル基、水酸基又はメルカプト基で置換されたアルキル基を有するアルキルアルコキシシランを用いる場合は、水又は水−アルコールの混合溶媒等を用いることが好ましく、水に溶解しにくいグリシジルオキシ基で置換されたアルキル基を有するアルキルアルコキシシランを用いる場合、酢酸ブチル等を用いることが好ましい。
アミノ基、カルボキシル基、水酸基、メルカプト基、グリシジルオキシ基又は炭素数が1〜18の炭化水素基で置換されたアルキル基を有するアルキルアルコキシシランの使用量は、磁性シリカ粒子(C)の重量に対して0.01重量%以上であることが好ましい。この使用量の割合が0.01重量%未満であると、磁性シリカ粒子(C)の表面に導入される官能基数が十分でない場合がある。
グルタルアルデヒド、アルブミン、カルボジイミド、ストレプトアビジン又はビオチンを磁性シリカ粒子(C)の表面に結合させる方法は特に限定されないが、例えば、以下のようにして結合させることができる。
アルデヒド基を有するグルタルアルデヒド及びカルボキシル基を有するビオチンは、磁性シリカ粒子(C)の表面に結合したアミノ基を有するアルキルアルコキシシランと反応させることで、磁性シリカ粒子(C)の表面に結合させることができる。また、アミノ基を有するアルブミン及びストレプトアビジン並びにカルボジイミド基を有するカルボジイミドは、磁性シリカ粒子(C)の表面に結合したカルボキシル基を有するアルキルアルコキシシランと反応させることで、磁性シリカ粒子(C)の表面に結合させることができる。
本発明の測定対象物質測定方法は、上記本発明における磁性シリカ粒子(D)を用いて行われる以外はこの分野で通常行われる、文献[例えば、酵素免疫測定法第2版(石川栄治ら編集、医学書院)1982年]記載のサンドイッチ法、競合法及び特開平6−130063号公報記載の測定法に準じて行えばよい。
まず、サンドイッチ法について説明する。
サンドイッチ法は、例えば、前記磁性シリカ粒子(D)の表面には、前記測定対象物結合物質が固定化されており、前記試料と、前記磁性シリカ粒子(D)と、標識物質により標識された測定対象物質結合物質である標識測定対象物質結合物質とを混合し、前記固定化された測定対象物質結合物質と、前記試料中の測定対象物質と、前記標識測定対象物質結合物質とを接触させて、前記固定化された測定対象物質結合物質と、前記試料中の測定対象物質と、前記標識測定対象物質結合物質との複合体である標識複合体を形成させ、前記標識複合体を担持した前記磁性シリカ粒子(D)をB/F分離して、前記標識複合体中の前記標識物質の量を測定し、前記標識複合体中の前記標識物質の量に基づいて前記試料中の測定対象物質の量を測定することによりなされる。
具体的には例えば、まず、試料中の測定対象物質と磁性シリカ粒子(D)の表面に固定化された測定対象物質結合物質とを接触させて、磁性シリカ粒子(D)の表面に固定化された測定対象物質結合物質と試料中の測定対象物質との複合体を形成させる。
次に、更に該複合体に、標識測定対象物質結合物質を接触させて、磁性シリカ粒子(D)に固定化された測定対象物質結合物質と試料中の測定対象物質と標識測定対象物質結合物質との複合体(標識複合体)を形成させる。
該標識複合体をB/F分離して、標識複合体中の標識物質の量を測定し、標識複合体中の標識物質の量に基づいて試料中の測定対象物質の量を測定すればよい。
該方法に於いては、試料中の測定対象物質と固定化された測定対象結合物質とを反応させた後、標識測定対象物質結合物質を反応させているが、標識測定対象物質結合物質と試料中の測定対象物質とを反応させた後に固定化された測定対象合結合物質を反応させてもよく、これら3つを同時に反応させても構わない。
上記サンドイッチ法におけるB/F分離(Bond/Free分離)とは、磁性シリカ粒子(D)に担持された物質とそれ以外の物質との分離を意味する。
すなわち、上記標識複合体と、標識複合体の形成に関与しなかった標識測定対象物質結合物質との分離を意味する。具体的には、磁性シリカ粒子(D)に固定化された測定対象結合物質、磁性シリカ粒子(D)に固定化された測定対象結合物質と試料中の測定対象物質との複合体及び上記の標識複合体と、他の成分(試料中の測定対象物質以外の成分、標識複合体の形成に関与しなかった標識測定対象物質結合物質等)との分離を意味する。
また、B/F分離工程は標識複合体の形成後には必須の工程であるが、その実施時期としては、磁性シリカ粒子(D)表面に固定化された測定対象物質結合物質と測定対象物質との複合体を形成させた後においても実施してもよい。
次に、競合法について説明する。
競合法とは、例えば、測定対象物質と特異的に結合する測定対象物質結合物質に対して測定対象物質及び測定対象物質と同じ物質を競合させる或いは測定対象物質及び測定対象物質と同じ物質の類似物質を競合させる反応を利用して、試料中の測定対象物質の量を測定する方法や、測定対象物質に対して2種の測定対象物質結合物質を競合させる反応を利用して、試料中の測定対象物質の量を測定する方法等のことをいう。
競合法の一例としては、前記磁性シリカ粒子(D)の表面には、測定対象物質又はその類似物質が固定化されており、前記試料と、前記磁性シリカ粒子(D)と、標識物質により標識された測定対象物質結合物質である標識測定対象物質結合物質とを混合し、前記試料中の測定対象物質と、前記固定化された測定対象物質又はその類似物質とを競合させて前記標識測定対象物質結合物質に接触させて、前記固定化された測定対象物質又はその類似物質と、前記標識測定対象物質結合物質とを含む複合体である標識複合体を形成させ、前記標識複合体を担持した前記磁性シリカ粒子(D)をB/F分離して、前記標識複合体中の前記標識物質の量を測定し、前記標識複合体中の前記標識物質の量に基づいて前記試料中の測定対象物質の量を測定することによりなされる。
具体的には例えば、まず、試料中の測定対象物質と、固定化された測定対象物質又はその類似物質とを競合させて標識測定対象物質結合物質に接触させて、磁性シリカ粒子(D)表面に固定化された測定対象物質又はその類似物質と、標識測定対象物質結合物質とを含む標識複合体を形成させる。
次に、該標識複合体を担持した磁性シリカ粒子(D)をB/F分離して、標識複合体中の標識物質の量を測定し、標識複合体中の標識物質の量に基づいて試料中の測定対象物質の量を測定すればよい。
該方法に於いては、試料中の測定対象物質、標識測定対象物質結合物質、及び、固定化された測定対象物質又はその類似物質を同時に競合反応させているが、試料中の測定対象物質と、固定化された測定対象物質又はその類似物質とを混合した後に、標識測定対象物質結合物質を加えて競合反応させてもよい。更に、試料中の測定対象物質と標識測定対象物質結合物質を接触させた後に、固定化された測定対象物質又はその類似物質が固定化された磁性シリカ粒子(D)を加えて競合反応させてもよい。
上記競合法におけるB/F分離とは、磁性シリカ粒子(D)に担持された物質とそれ以外の物質との分離を意味する。すなわち、上記標識複合体と、標識複合体の形成に関与しなかった、標識測定対象物質結合物質、及び、標識測定対象物質結合物質と測定対象物質の複合体の分離を意味する。具体的には、測定対象物質又はその類似物質を固定化した磁性シリカ粒子(D)、及び測定対象物質又はその類似物質を固定化した磁性シリカ粒子(D)と標識測定対象物質結合物質との複合体と他の成分(試料中の測定対象物質以外の成分、標識測定対象物質結合物質、測定対象物質の複合体等)との分離を意味する。
また、競合法の別の態様としては、前記磁性シリカ粒子(D)の表面には、前記測定対象物質結合物質が固定化されており、前記試料と、前記磁性シリカ粒子(D)と、標識物質により標識された測定対象物質又はその類似物質である標識測定対象物質又はその類似物質とを混合し、前記試料中の測定対象物質と、前記標識測定対象物質又はその類似物質とを競合させて前記固定化された測定対象物質結合物質に接触させて、前記固定化された測定対象物質結合物質と前記標識測定対象物質又はその類似物質とを含む複合体である標識複合体を形成させ、前記標識複合体を担持した前記磁性シリカ粒子(D)をB/F分離して、前記標識複合体中の前記標識物質の量を測定し、前記標識複合体中の前記標識物質の量に基づいて前記試料中の測定対象物質を測定することによりなされる。
具体的には例えば、まず、試料中の測定対象物質と、標識測定対象物質又はその類似物質と、固定化された測定対象物質結合物質とを接触させて、固定化された測定対象物質結合物質に、試料中の測定対象物質と標識測定対象物質又はその類似物質とを競合反応させて、磁性シリカ粒子(D)表面に固定化された測定対象物質結合物質と標識測定対象物質又はその類似物質との標識複合体とを形成させる。
次に、該標識複合体を担持した磁性シリカ粒子(D)をB/F分離して、標識複合体中の標識物質の量を測定し、標識複合体中の標識物質の量に基づいて試料中の測定対象物質を測定すればよい。
該競合法に於いては、試料中の測定対象物質、標識測定対象物質又はその類似物質、及び固定化された測定対象物質結合物質を同時に競合反応させているが、試料中の測定対象物質と固定化された測定対象物質結合物質とを接触させた後に、標識測定対象物質又はその類似物質を加えて競合反応させてもよい。また、試料中の測定対象物質と標識測定対象物質又はその類似物質とを混合した後に、測定対象物質結合物質を固定化した磁性シリカ粒子(D)を加えて競合反応させてもよい。
上記競合法におけるB/F分離とは、磁性シリカ粒子(D)に担持された物質とそれ以外の物質との分離を意味する。すなわち、上記標識複合体と、標識複合体の形成に関与しなかった標識測定対象物質又はその類似物質との分離を意味する。具体的には、測定対象物質結合物質を固定化した磁性シリカ粒子(D)、測定対象物質結合物質を固定化した磁性シリカ粒子(D)と試料中の測定対象物質との複合体、及び測定対象物質結合物質を固定化した磁性シリカ粒子(D)と標識測定対象物質又はその類似物質の複合体と、他の成分(試料中の測定対象物質以外の成分、標識複合体の形成に関与しなかった標識測定対象物質又はその類似物質等)との分離を意味する。
また、B/F分離工程は標識複合体の形成後には必須の工程であるが、その実施時期としては、試料中の測定対象物質と固定化された測定対象物質結合物質とを接触させた後においても実施してもよい。
また、測定対象物質が酵素の場合には、上記サンドイッチ法や競合法以外の酵素活性方法を用いる方法により測定対象物質である酵素の量を測定してもよい。
例えば、測定対象物質を含む試料と、磁性シリカ粒子(D)の表面に固定化された測定対象物質結合物質(例えば、抗体等の酵素と結合し得る物質)とを接触させて、磁性シリカ粒子(D)表面に酵素と、固定化された測定対象物質結合物質との複合体を形成させ、複合体を担持した磁性シリカ粒子(D)をB/F分離した後、酵素の種類に応じた基質、又は酵素の種類に応じた基質及び発色(光)剤、要すれば更に共役酵素を添加し、その基質の変化又は発色(光)剤の発色(光)結果に基づいて試料中の酵素の量を測定する方法により、測定することができる。尚、基質、発色(光)剤、共役酵素は、公知のものを用いればよく、例えば測定対象物質である酵素がペルオキシダーゼの場合には、基質として過酸化水素と、発光剤としてルミノール発光試薬等を用いればよい。これらの使用量も通常この分野で用いられる範囲の量であればよい。上記方法におけるB/F分離とは、試料中の測定対象物質と測定対象物質結合物質を固定化した磁性シリカ粒子(D)との複合体と、その他の成分(試料中の測定対象物質以外の成分等)との分離を意味する。
本発明の測定対象物質測定方法において、試料中の測定対象物質、磁性シリカ粒子(D)の表面に固定化された固定化用物質、標識された測定対象物質結合物質、標識測定対象物質又はその類似物質等を接触させる方法としては、通常なされる撹拌、混合等の処理により、接触さればよい。反応時間は、測定対象物質、用いられる測定対象物質結合物質、サンドイッチ法、競合法等の違いに応じて適宜設定されればよいが、通常1〜10分、好ましくは1〜5分である。
本発明の測定対象物質測定方法におけるB/F分離は、例えば、磁性シリカ粒子(D)の磁性を利用し、反応槽の外側等から磁石等により磁性シリカ粒子(D)を集めて、反応液を排出し、洗浄液を加えた後、磁石を取り除き、磁性シリカ粒子(D)を混合して分散させ、洗浄することによりなされる。上記操作を1〜3回繰り返してもよい。洗浄液としては、通常この分野で用いられるものであれば特に限定はされない。
測定対象物質結合物質、測定対象物質又はその類似物質等を標識するために用いられる標識物質としては、例えば酵素免疫測定法(EIA)に於いて用いられるアルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、ペルオキシダーゼ、マイクロペルオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコース−6−リン酸脱水素酵素、リンゴ酸脱水素酵素、ルシフェラーゼ、チロシナーゼ、酸性ホスファターゼ等の酵素類、例えば放射免疫測定法(RIA)に於いて用いられる99mTc、131I、125I、14C、H、32P等の放射性同位元素、例えば蛍光免疫測定法(FIA)に於いて用いられるフルオレセイン、ダンシル、フルオレスカミン、クマリン、ナフチルアミン或いはこれらの誘導体、グリーン蛍光タンパク質(GFP)等の蛍光性物質、例えばルシフェリン、イソルミノール、ルミノール、ビス(2,4,6−トリフロロフェニル)オキザレート等の発光性物質、例えばフェノール、ナフトール、アントラセン或いはこれらの誘導体等の紫外部に吸収を有する物質、例えば4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、3−アミノ−2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−1−オキシル、2,6−ジ−t−ブチル−α−(3,5−ジ−t−ブチル−4−オキソ−2,5−シクロヘキサジエン−1−イリデン)−p−トリオキシル等のオキシル基を有する化合物に代表されるスピンラベル化剤としての性質を有する物質等が挙げられる。
これらの内、感度等の観点から、酵素、蛍光性物質が好ましく、更に好ましいのはアルカリホスファターゼ、ペルオキシダーゼ及びグルコースオキシダーゼであり、特に好ましいのはペルオキシダーゼである。
上記した如き標識物質を測定対象物質結合物質、測定対象物質又はその類似物質等に結合させるには、通常この分野で用いられる方法、例えば公知のEIA、RIA或はFIA等に於いて一般に行われている公知の標識方法[例えば、医化学実験講座、第8巻、山村雄一監修、第1版、中山書店、1971;図説 蛍光抗体、川生明著、第1版、(株)ソフトサイエンス社、1983;酵素免疫測定法、石川栄治、河合忠、宮井潔編、第2版、医学書院、1982等]等を利用すればよい。
標識物質の使用量は、用いる標識物質の種類により異なるため一概には言えないが、例えばペルオキシダーゼを標識物質として使用する場合には、測定対象物質結合物質と標識物質とを、例えば通常1:1〜20のモル比、好ましくは1:1〜10のモル比、更に好ましくは1:1〜2のモル比となるようにすることが好ましい。また、ペルオキシターゼにより標識された測定対象物質結合物質は、トリス緩衝液、リン酸緩衝液、ベロナール緩衝液、ホウ酸緩衝液、グッド緩衝液等の通常この分野で用いられている緩衝液中に含有させて用いればよい。尚、当該緩衝液としては、通常この分野で用いられている、例えばトリス緩衝液、リン酸緩衝液、ベロナール緩衝液、ホウ酸緩衝液、グッド緩衝液等が挙げられる。
また、測定対象物質結合物質として、抗原又は抗体を用いる場合には、上記緩衝液のpHは、抗原抗体反応を抑制しない範囲であればよく、通常5〜9である。また、このような緩衝液中には、目的の抗原抗体反応を阻害しないものであれば、例えばアルブミン、グロブリン、水溶性ゼラチン、ポリエチレングリコール等の安定化剤、界面活性剤、糖類等を含有させておいてもよい。尚、本明細書においてpHは、JIS K0400−12−10:2000に準拠して測定される(測定温度25℃)数値のことを意味する。
標識物質又はその活性の測定方法としては、放射免疫測定法(RIA)、酵素免疫測定法(EIA)、蛍光免疫測定法(FIA)及び化学発光免疫測定法(CLIA及びCLEIA)が挙げられ、短時間での免疫測定における感度の観点から好ましいのはEIA、CLIA及びCLEIAであり、更に好ましいのはCLEIAである。
本願発明の測定方法は、例えばサンドイッチ法でPSAを測定する場合、以下のようにして行えばよい。
即ち、例えばPSAを含む試料10〜25μLと例えば本発明における磁性シリカ粒子(C)に抗PSAポリクローナル抗体を固定化した磁性シリカ粒子(D)を0.1〜10mg/mL含むリン酸緩衝液等の緩衝液(磁性シリカ粒子(D)を含有する試薬)40〜50μLとを反応槽に添加し、該反応溶液を攪拌し、磁性シリカ粒子(D)を分散させて、磁性シリカ粒子(D)の表面に固定化されている抗PSAポリクローナル抗体と試料中のPSAとを接触、反応させ、磁性シリカ粒子(D)の表面に固定化された抗PSAポリクローナル抗体と、試料中のPSAとの複合体を形成させる。次いで、例えば反応槽の外側から磁石等により磁性シリカ粒子(D)を集め、反応液を排出し、生理食塩水等の洗浄液を添加する。その後、磁石を取り除き、該磁性シリカ粒子(D)を分散させて洗浄する。この操作は、1〜10回繰り返してもよい。尚、この洗浄操作は、試料又は磁性シリカ粒子(D)を含有する試薬を残したまま、西洋ワサビ由来等ペルオキシダーゼ(以下PODと略記)標識された抗PSAポリクローナル抗体(以下標識試薬と略記)を添加して反応させる場合には、この洗浄操作を省略しても構わない。その後、例えば標識試薬を加え、該反応溶液を攪拌し、磁性シリカ粒子(D)を分散させて、POD標識された抗PSAポリクローナル抗体と上記複合体とを反応結合させる。次いで、上記の洗浄と同様にして生理食塩水等の洗浄液を加えて分散させて洗浄を行う。最後に例えばルミノール及び過酸化水素を加え、化学発光計にて1秒間の化学発光積算量を測定し、該測定値を基に試料中のPSA量を算出する。
尚、この場合には、試料中のPSA量は、PSA量と1秒間の化学発光積算量と関係を示す検量線を用いることにより容易に算出できる。検量線は、規定PSA含有溶液を試料として用い、上記と同じ操作をすることにより事前に作成することができる。
本発明の試薬は、上記本発明における磁性シリカ粒子(D)を含んでなるものであり、上記測定方法に用いられるものである。具体的には、例えば、本発明における磁性シリカ粒子(D)を含む緩衝液等が挙げられ、該緩衝液としては、免疫測定等に通常用いられる緩衝液が好ましく挙げられ、例えば1,4−ピペラジンジエタンスルホン酸/水酸化ナトリウム緩衝液、MOPS[3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸]/水酸化ナトリウム緩衝液、トリエタノールアミン/塩酸緩衝液及びPBS(リン酸緩衝液)等が挙げられる。
これらの緩衝液中の緩衝剤の濃度は、1〜500mMが好ましく、更に好ましくは5〜300mM、特に好ましくは10〜200mMである。
上記及び以下において、mMは25℃での濃度(ミリモル/リットル)を表す。
磁性シリカ粒子(D)の量は、特に限定されず、用いられる測定対象物質結合物質又は測定対象物質の類似物質の種類、測定対象物質の種類等により適宜選択できる。
本発明の試薬は、本発明における磁性シリカ粒子(D)が緩衝液に分散された形態であることが好ましい。
本発明の試薬は、本発明における磁性シリカ粒子(D)以外に、標識物質により標識された測定対象物質結合物質、或いは、標識物質により標識された、測定対象物質又はその類似物質を含有する試薬(以下、標識試薬と略記する場合がある)を含んでいてもよい。該標識物質は、上記本発明の測定方法の項で記載したものと同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
標識試薬には、標識物質により標識された測定対象物質結合物質、或いは、標識物質により標識された測定対象物質又はその類似物質以外に緩衝液等を含むことができる。標識試薬に含まれる緩衝液としては、免疫測定法に通常用いられる緩衝液が好ましく、例えば、上述の磁性シリカ粒子(D)を含む試薬に使用される緩衝液と同様のものが挙げられ、緩衝液中の緩衝剤の濃度も上述の磁性シリカ粒子(D)を含む試薬に使用される場合と同様であることが好ましい。
本発明の試薬は、本発明における磁性シリカ粒子(D)を含有する試薬、及び、標識試薬以外に、化学発光試薬を含んでいてもよい。該化学発光試薬は、上記の標識物質に基づき選択され、例えば、標識物質がPODである場合、2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオン化合物及び化学発光増強剤を必須構成成分としてなる化学発光試薬第1液と、酸化剤及び水を必須構成成分としてなる化学発光試薬第2液とを含んでなることが好ましい。
2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオン化合物としては、例えば、特開平2−291299号公報、特開平10−319015号公報及び特開2000−279196号公報等に記載の公知の2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオン化合物及びこれらの混合物等が使用できる。
これらの内、ルミノール、イソルミノール、N−アミノヘキシル−N−エチルイソルミノール(AHEI)、N−アミノブチル−N−エチルイソルミノール(ABEI)及びこれらの金属塩(アルカリ金属塩等)が好ましく、更に好ましいのはルミノール及びその金属塩、特に好ましいのはルミノールのナトリウム塩である。
化学発光試薬における2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオン化合物の含有量は、その種類及び適用する測定方法や測定条件等によって適宜設定されるが、化学発光増強効果及び保存安定性等の観点から、0.5〜80mMが好ましく、更に好ましくは1.8〜40mM、特に好ましくは3.5〜21mMである。
化学発光増強剤としては、例えば、特開昭59−500252号公報、特開昭59−171839号公報及び特開平2−291299号公報等に記載の公知の化学発光増強剤及びこれらの混合物等が使用できる。
これらの内、化学発光増強効果等の観点から、フェノールが好ましく、更に好ましいのはP−ヨードフェノール、4−(シアノメチルチオ)フェノール及び4−シアノメチルチオ−2−クロロフェノール、特に好ましいのは4−(シアノメチルチオ)フェノールである。
化学発光試薬における化学発光増強剤の含有量は、その種類及び適用する測定方法や測定条件等によって適宜設定されるが、化学発光増強効果及び保存安定性等の観点から、0.1〜15mMが好ましく、更に好ましくは0.3〜7.0mM、特に好ましくは0.6〜3.4mMである。
化学発光試薬第1液には、2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオン化合物及び化学発光増強剤以外に、緩衝液及び/又はキレート剤等を含むことができる。
緩衝液としては、例えば、特開平10−319015号公報及び特開2003−279489号公報等に記載の公知の緩衝液等が使用できる。
これらの内、化学発光増強効果及び保存安定性等の観点から、3−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]プロパンスルホン酸/水酸化ナトリウム緩衝液、2−ヒドロキシ−3−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]プロパンスルホン酸・1水和物/水酸化ナトリウム緩衝液及びピペラジニル−1,4−ビス(2−ヒドロキシ−3−プロパンスルホン酸)・2水和物/水酸化ナトリウム緩衝液が好ましく、更に好ましいのは3−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]プロパンスルホン酸/水酸化ナトリウム緩衝液及び2−ヒドロキシ−3−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]プロパンスルホン酸・1水和物/水酸化ナトリウム緩衝液、特に好ましいのは3−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]プロパンスルホン酸/水酸化ナトリウム緩衝液である。
これらの緩衝液における緩衝剤の含有量は、化学発光増強効果及び保存安定性等の観点から、1〜500mMが好ましく、更に好ましくは5〜300mM、特に好ましくは10〜200mMである。
キレート剤としては、例えば、特開平9−75099号公報及び特開2003−279489号公報等に記載の公知のキレート剤等が使用できる。
これらの内、化学発光増強効果及び保存安定性等の観点から、4配位キレート剤が好ましく、更に好ましいのはエチレンジアミン四酢酸(EDTA)及びその塩(エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸三ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸二カリウム及びエチレンジアミン四酢酸三カリウム等)並びにトランス−1,2ジアミノシクロヘキサン−N,N,N’,N’−四酢酸(CyDTA)、特に好ましいのはエチレンジアミン四酢酸(EDTA)及びその塩である。
キレート剤を含有する場合、その含有量は化学発光増強効果及び保存安定性の観点から、2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオン化合物の重量に基づいて、0.001〜4重量%が好ましく、更に好ましくは0.01〜2重量%、特に好ましくは0.05〜1重量%である。
化学発光試薬第1液は、液体であることが好ましく、また、酵素の蛍光強度の観点からはアルカリ性であることが好ましい。第1液のpHは、7〜11が好ましく、更に好ましくは8〜10である。
化学発光試薬第1液は、2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオン化合物、化学発光増強剤並びに必要により緩衝液及び/又はキレート剤を均一混合することにより容易に得ることができる。
化学発光試薬第2液が含有する酸化剤としては、例えば、特開平8−261943号公報及び特開2000−279196号公報等に記載の公知の酸化剤等[無機の過酸化物(過酸化水素、過ホウ酸ナトリウム及び過ホウ酸カリウム等)、有機過酸化物(過酸化ジアルキル及び過酸化アシル等)、ペルオクソ酸化合物(ペルオクソ硫酸及びペルオクソリン酸等)等]の水溶液が挙げられる。
これらの内、保存安定性等の観点から、過酸化水素水溶液、過ホウ酸ナトリウム水溶液及び過ホウ酸カリウム水溶液が好ましく、更に好ましいのは過酸化水素水溶液である。
化学発光試薬第2液における酸化剤の濃度は、その種類及び適用する測定方法や測定条件等によって適宜設定されるが、化学発光増強効果等の観点から、0.5〜40mMが好ましく、更に好ましくは1〜20mM、特に好ましくは2.5〜10mMである。
化学発光試薬第2液が含有する水としては、蒸留水、逆浸透水及び脱イオン水等が挙げられる。これらの内、化学発光増強効果及び保存安定性等の観点から、蒸留水及び脱イオン水が好ましく、更に好ましいのは脱イオン水である。
化学発光試薬第2液は、酸化剤及び水以外にキレート剤等を含むことができる。
キレート剤としては、上述の第1液に含むことができるキレート剤として例示したものと同様のものが挙げられ、好ましいものも同様である。
キレート剤を含有する場合、その含有量は、化学発光増強効果及び保存安定性の観点から、酸化剤の重量に基づいて、0.2〜100重量%が好ましく、更に好ましくは0.5〜20重量%、特に好ましくは1〜10重量%である。
化学発光試薬第2液は、酸化剤、水及び必要によりキレート剤を均一混合することにより容易に得られる。
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に記載がない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
実施例1−1
超常磁性金属酸化物粒子(A)の作製:
反応容器に塩化鉄(III)6水和物186部、塩化鉄(II)4水和物68部及び水1288部を仕込んで溶解させて50℃に昇温し、撹拌下温度を50〜55℃の保持しながら、25%アンモニア水280部を1時間かけて滴下し、水中にマグネタイト粒子を得た。得られたマグネタイト粒子に分散剤であるオレイン酸64部を加え、2時間撹拌を継続した。室温に冷却後、デカンテーションにより固液分離して得られたオレイン酸が吸着したマグネタイト粒子を水1000部で洗浄する操作を3回行い、更にアセトン1000部で洗浄する操作を2回行い、40℃で2日間乾燥させることで、超常磁性金属酸化物粒子(A−1)を得た。
コア層(P)の作製:
超常磁性金属酸化物粒子(A−1)80部をテトラエトキシシラン240部に加えて分散し、分散液(B1)を調製した。次に、反応容器に水5050部、25%アンモニア水溶液3500部、ポリオキシエチレン(付加モル数20モル)アルキルエーテル(製品名「エマルミン200」、三洋化成工業株式会社製)400部を加えてクリアミックス(エムテクニック社製)を用いて混合し溶液(B2)を得た。50℃に昇温後、クリアミックスを回転数6,000rpmで攪拌しながら、上記分散液(B1)を溶液(B2)に1時間かけて滴下後、50℃で1時間反応させた。反応後、2,000rpmで20分間遠心分離して微粒子の存在する上清を除き、コア層(P−1)を得た。
磁性シリカ粒子(C)の作製:
(1)シェル層(Q)の形成
反応容器にコア層(P−1)80部、脱イオン水2500部、25%アンモニア水溶液260部、エタノール2500部、テトラエトキシシラン1200部を加えてクリアミックス(エムテクニック社製)を用いて混合し、クリアミックスの回転数6,000rpmで攪拌しながら2時間反応させた。
(2)分級
(i)反応後、2,000rpmで20分間遠心分離して微粒子の存在する上清を除き、磁石を用いて粒子を集磁し上清を除く操作を10回行った。
(ii)次に、得られた固相に水5000部を加えて粒子を分散させて600rpmで10分間遠心分離後、微粒子の存在する上清を除く操作を20回行った。
(iii)続いて得られた固相に水5000部を加えて粒子を分散させて300rpmで10分間遠心分離することにより、大きな粒子径の粒子を沈降させて除去することで分級を行った。
(3)精製
更に、磁石を用いて粒子を集磁し上清を除く操作を10回行い、目的とする体積平均粒子径の実施例1−1に係る磁性シリカ粒子(C−1)を得た。
磁性シリカ粒子(D)の作製:
1重量%3−アミノプロピルトリエトキシシラン含有水溶液40mLの入った蓋付きポリエチレン瓶に分級後の磁性シリカ粒子(C−1)5mgを加え、25℃で1時間反応させ、磁石で粒子を集磁後、液をアスピレーターで吸引除去した。次いで脱イオン水40mLを加えて磁性シリカ粒子(C−1)を分散させ、磁石で粒子を集磁後、液をアスピレーターで吸引除去して磁性シリカ粒子(C−1)を洗浄した。この洗浄操作を4回行った。次いで、この洗浄後の磁性シリカ粒子(C−1)を0.5重量%無水コハク酸含有エタノール溶液10mLの入った蓋付きポリエチレン瓶に加え、25℃で2時間反応させた。そして、磁石で粒子を集磁後、液をアスピレーターで吸引除去して磁性シリカ粒子(C−1)を洗浄した。この洗浄操作を3回行った。次いで、この洗浄後の磁性シリカ粒子(C−1)を0.5重量%塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)および0.5重量%N−ヒドロキシコハク酸イミド(NHS)含有水溶液40mLの入った蓋付きポリエチレン瓶に加え、25℃で1時間反応させた。そして、磁石で粒子を集磁後、液をアスピレーターで吸引除去して磁性シリカ粒子(C−1)を洗浄した。この洗浄操作を3回行った。更にこの洗浄後の磁性シリカ粒子(C−1)を、抗PSAポリクローナル抗体(ダコ・サイトメーション(株)製)を20μg/mLの濃度で含む100mMモルホリノエタンスルホン酸緩衝液(pH5.0)40mLの入った蓋付きポリエチレン瓶に加え、25℃で3時間反応させた。この操作により、抗PSAポリクローナル抗体を磁性シリカ粒子(C−1)の表面に固定化することができる。反応後、磁石で粒子を集磁し、液をアスピレーターで吸引除去して磁性シリカ粒子(C−1)を洗浄した。この洗浄操作を3回行い、抗体固定化磁性シリカ粒子(D−1)を得た。これを0.1%の牛血清アルブミン含有の0.02Mリン酸緩衝液(pH7.2)40mLに浸漬し4℃で保存した。
実施例1−2
磁性シリカ粒子(C)の作製の(2)分級(ii)及び(iii)において、水5000部を加えて粒子を分散させて2500rpmで10分間遠心分離後、微粒子の存在する上清を除く操作を20回行い、続いて得られた固相に水5000部を加えて粒子を分散させて900rpmで10分間遠心分離することにより、大きな粒子径の粒子を沈降させて除去することで分級を行い、実施例1−2に係る磁性シリカ粒子(C−2)を得た。磁性シリカ粒子(C−1)の代わりに磁性シリカ粒子(C−2)を用いたこと以外の他の操作は実施例1−1と同様に行い、抗体固定化磁性シリカ粒子(D−2)を得た。
実施例1−3
磁性シリカ粒子(C)の作製の(2)分級(ii)及び(iii)において、水5000部を加えて粒子を分散させて200rpmで10分間遠心分離後、微粒子の存在する上清を除く操作を20回行い、続いて得られた固相に水5000部を加えて粒子を分散させて100rpmで10分間遠心分離することにより、大きな粒子径の粒子を沈降させて除去することで分級を行い、実施例1−3に係る磁性シリカ粒子(C−3)を得た。磁性シリカ粒子(C−1)の代わりに磁性シリカ粒子(C−3)を用いたこと以外の他の操作は実施例1−1と同様に行い、抗体固定化磁性シリカ粒子(D−3)を得た。
実施例1−4
磁性シリカ粒子(C)の作製の(2)分級(ii)及び(iii)において、水5000部を加えて粒子を分散させて300rpmで1分間遠心分離後、微粒子の存在する上清を除く操作を20回行い、続いて得られた固相に水5000部を加えて粒子を分散させて200rpmで1分間遠心分離することにより、大きな粒子径の粒子を沈降させて除去することで分級を行い、実施例1−4に係る磁性シリカ粒子(C−4)を得た。磁性シリカ粒子(C−1)の代わりに磁性シリカ粒子(C−4)を用いたこと以外の他の操作は実施例1−1と同様に行い、抗体固定化磁性シリカ粒子(D−4)を得た。
実施例1−5
磁性シリカ粒子(C)の作製の(2)分級(ii)及び(iii)において、水5000部を加えて粒子を分散させて300rpmで30秒間遠心分離後、微粒子の存在する上清を除く操作を20回行い、続いて得られた固相に水5000部を加えて粒子を分散させて200rpmで30秒間遠心分離することにより、大きな粒子径の粒子を沈降させて除去することで分級を行い、実施例1−5に係る磁性シリカ粒子(C−5)を得た。磁性シリカ粒子(C−1)の代わりに磁性シリカ粒子(C−5)を用いたこと以外の他の操作は実施例1−1と同様に行い、抗体固定化磁性シリカ粒子(D−5)を得た。
実施例1−6
超常磁性金属酸化物粒子(A)の作製において、25%アンモニア水280部のかわりに、1%アンモニア水5000部を用いた以外は、実施例1−1と同様の操作を行い、超常磁性金属酸化物粒子(A−2)を得た。コア層(P)の作製において、超常磁性金属酸化物粒子(A−2)を用いた以外は実施例1−1と同様に行い、コア層(P−2)を得た。磁性シリカ粒子(C)の作製において、コア層(P−2)を用いた以外は実施例1−1と同様に行い、実施例1−6に係る磁性シリカ粒子(C−6)を得た。磁性シリカ粒子(C−1)の代わりに磁性シリカ粒子(C−6)を用いたこと以外の他の操作は実施例1−1と同様に行い、抗体固定化磁性シリカ粒子(D−6)を得た。
実施例1−7
コア層(P)の作成において、テトラエトキシシランを360部用いた以外は、実施例1−1と同様の操作を行い、コア層(P−3)を得た。磁性シリカ粒子(C)の作製において、コア層(P−3)を用いた以外は実施例1−1と同様に行い、実施例1−7に係る磁性シリカ粒子(C−7)を得た。磁性シリカ粒子(C−1)の代わりに磁性シリカ粒子(C−7)を用いたこと以外の他の操作は実施例1−1と同様に行い、抗体固定化磁性シリカ粒子(D−7)を得た。
実施例1−8
コア層(P)の作成において、テトラエトキシシランを160部用いた以外は、実施例1−1と同様の操作を行い、コア層(P−4)を得た。磁性シリカ粒子(C)の作製において、コア層(P−4)を用いた以外は実施例1−1と同様に行い、実施例1−8に係る磁性シリカ粒子(C−8)を得た。磁性シリカ粒子(C−1)の代わりに磁性シリカ粒子(C−8)を用いたこと以外の他の操作は実施例1−1と同様に行い、抗体固定化磁性シリカ粒子(D−8)を得た。
実施例1−9
磁性シリカ粒子(C)の作製において、25%アンモニア水溶液を30部用いた以外は、実施例1−1と同様の操作を行い、実施例1−9に係る磁性シリカ粒子(C−9)を得た。磁性シリカ粒子(C−1)の代わりに磁性シリカ粒子(C−9)を用いたこと以外の他の操作は実施例1−1と同様に行い、抗体固定化磁性シリカ粒子(D−9)を得た。
実施例1−10
磁性シリカ粒子(C)の作製において、テトラエトキシシランを15部用いた以外は、実施例1−1と同様の操作を行い、実施例1−10に係る磁性シリカ粒子(C−10)を得た。磁性シリカ粒子(C−1)の代わりに磁性シリカ粒子(C−10)を用いたこと以外の他の操作は実施例1−1と同様に行い、抗体固定化磁性シリカ粒子(D−10)を得た。
実施例1−11
磁性シリカ粒子(C)の作製において、脱イオン水5800部、エタノール5800部、テトラエトキシシランを2500部用いた以外は、実施例1−1と同様の操作を行い、実施例1−11に係る磁性シリカ粒子(C−11)を得た。磁性シリカ粒子(C−1)の代わりに磁性シリカ粒子(C−11)を用いたこと以外の他の操作は実施例1−1と同様に行い、抗体固定化磁性シリカ粒子(D−11)を得た。
実施例1−12
磁性シリカ粒子(C)の作製において、脱イオン水58000部、エタノール58000部、テトラエトキシシランを25000部用いた以外は、実施例1−1と同様の操作を行い、実施例1−12に係る磁性シリカ粒子(C−12)を得た。磁性シリカ粒子(C−1)の代わりに磁性シリカ粒子(C−12)を用いたこと以外の他の操作は実施例1−1と同様に行い、抗体固定化磁性シリカ粒子(D−12)を得た。
実施例1−13
磁性シリカ粒子(C)の作製の(1)シェル層(Q)の形成において、脱イオン水58000部、エタノール58000部、テトラエトキシシランを25000部用いたこと、及び、(2)分級において、上記反応後の溶液を2,000rpmで20分間遠心分離して微粒子の存在する上清を除き、磁石を用いて粒子を集磁し上清を除く操作を10回行い、その後、水5000部を加えて粒子を分散させて300rpmで1分間遠心分離後、微粒子の存在する上清を除く操作を20回行い、続いて得られた固相に水5000部を加えて粒子を分散させて200rpmで1分間遠心分離することにより、大きな粒子径の粒子を沈降させて除去したこと以外は、実施例1−1と同様にして実施例1−13に係る磁性シリカ粒子(C−13)を得た。磁性シリカ粒子(C−1)の代わりに磁性シリカ粒子(C−13)を用いたこと以外の他の操作は実施例1−1と同様に行い、抗体固定化磁性シリカ粒子(D−13)を得た。
実施例1−14
磁性シリカ粒子(C)の作製の(1)シェル層(Q)の形成において、25%アンモニア水溶液を30部使用したこと、及び、(2)分級において、上記反応後の溶液を2,000rpmで20分間遠心分離して微粒子の存在する上清を除き、磁石を用いて粒子を集磁し上清を除く操作を10回行い、その後、水5000部を加えて粒子を分散させて2500rpmで10分間遠心分離後、微粒子の存在する上清を除く操作を20回行い、続いて得られた固相に水5000部を加えて粒子を分散させて900rpmで10分間遠心分離することにより、大きな粒子径の粒子を沈降させて除去したこと以外は、実施例1−1と同様にして実施例1−14に係る磁性シリカ粒子(C−14)を得た。磁性シリカ粒子(C−1)の代わりに磁性シリカ粒子(C−14)を用いたこと以外の他の操作は実施例1−1と同様に行い、抗体固定化磁性シリカ粒子(D−14)を得た。
実施例1−15
磁性シリカ粒子(C)の作製の(1)シェル層(Q)の形成において、25%アンモニア水溶液を30部使用したこと、及び、(2)分級において、上記反応後の溶液を2,000rpmで20分間遠心分離して微粒子の存在する上清を除き、磁石を用いて粒子を集磁し上清を除く操作を10回行い、その後、水5000部を加えて粒子を分散させて300rpmで1分間遠心分離後、微粒子の存在する上清を除く操作を20回行い、続いて得られた固相に水5000部を加えて粒子を分散させて200rpmで1分間遠心分離することにより、大きな粒子径の粒子を沈降させて除去したこと以外は、実施例1−1と同様にして実施例1−15に係る磁性シリカ粒子(C−15)を得た。磁性シリカ粒子(C−1)の代わりに磁性シリカ粒子(C−15)を用いたこと以外の他の操作は実施例1−1と同様に行い、抗体固定化磁性シリカ粒子(D−15)を得た。
実施例1−16
磁性シリカ粒子(D)の作製において、抗PSAポリクローナル抗体(ダコ・サイトメーション(株)製)の代わりに抗AFPモノクローナル抗体(ダコ・サイトメーション(株)製)20μg/mLを使用した以外は実施例1−1と同様に行い、抗体固定化磁性シリカ粒子(D−16)を得た。
比較例1−1
実施例1−1における磁性シリカ粒子(C)の作製の代わりに、コア層(P−1)に水5000部を加えて粒子を分散させて600rpmで10分間遠心分離後、微粒子の存在する上清を除く操作を20回行い、続いて得られた固相に水5000部を加えて粒子を分散させて300rpmで10分間遠心分離することにより、大きな粒子径の粒子を沈降させて除去した。更に、磁石を用いて粒子を集磁し上清を除く操作を10回行い、分級後の比較例1−1に係る磁性シリカ粒子(I−1)を得た。抗体担持磁性シリカ粒子(D)の作製において、磁性シリカ粒子(C−1)の代わりに前記磁性シリカ粒子(I−1)を5mg用いた以外は実施例1−1と同様の操作を行い、抗体固定化磁性シリカ粒子(H−1)を得た。
比較例1−2
比較例1−1におけるコア層(P−1)の分級において、水5000部を加えて粒子を分散させて300rpmで1分間遠心分離後、微粒子の存在する上清を除く操作を20回行い、続いて得られた固相に水5000部を加えて粒子を分散させて200rpmで1分間遠心分離することにより、大きな粒子径の粒子を沈降させて除去した。更に、磁石を用いて粒子を集磁し上清を除く操作を10回行い、比較例1−2に係る分級後の磁性シリカ粒子(I−2)を得た。磁性シリカ粒子(D)の作製において、磁性シリカ粒子(I−1)の代わりに前記磁性シリカ粒子(I−2)を5mg用いた以外は比較例1−1と同様の操作を行い、抗体固定化磁性シリカ粒子(H−2)を得た。
比較例1−3
磁性シリカ粒子(D)の作製において、抗PSAポリクローナル抗体(ダコ・サイトメーション(株)製)の代わりに抗AFPモノクローナル抗体(ダコ・サイトメーション(株)製)20μg/mLを使用した以外は比較例1−1と同様に行い、抗体固定化磁性シリカ粒子(H−3)を得た。
<超常磁性金属酸化物粒子(A)の体積平均粒子径の測定方法>
走査型電子顕微鏡(型番JSM−7000F、メーカー名日本電子株式会社)を用いて、任意の200個の超常磁性金属酸化物粒子[実施例において、水中のマグネタイト粒子をデカンテーションにより固液分離し、水で洗浄後、乾燥して得られたもの。]を観察して粒子径を測定し、体積平均粒子径を求めた。
<磁性シリカ粒子(C)の体積平均粒子径の測定方法>
走査型電子顕微鏡(型番JSM−7000F、メーカー名日本電子株式会社)を用いて、任意の200個の磁性シリカ粒子(C−1)〜(C−15)、並びに、磁性シリカ粒子(I−1)及び(I−2)を観察して粒子径を測定し、体積平均粒子径を求めた。結果を表1に示す。
<コア層(P)中の超常磁性金属酸化物粒子(A)の含有率の測定方法>
磁性シリカ粒子(C−1)〜(C−15)、並びに、磁性シリカ粒子(I−1)及び(I−2)の任意の20個のコア層(P)について、上記走査型電子顕微鏡で観察し、エネルギー分散型X線分光装置(型番INCA Wave/Energy、メーカー名オックスフォード社)により超常磁性金属酸化物粒子(A)の含有量を測定してその平均値を含有量Sとした。また、同測定にてシリカの含有量を測定しその平均値を含有量Tとした。以下の計算式(1)にて、超常磁性金属酸化物粒子(A)の含有率を求めた。結果を表1に示す。
超常磁性金属酸化物粒子(A)の含有率(%)=(S)/(S+T)・・・(1)
<シェル層(Q)中の平均膜厚の測定方法>
磁性シリカ粒子(C−1)〜(C−15)、並びに、磁性シリカ粒子(I−1)及び(I−2)をエポキシ樹脂に包埋してミクロトームで切断した断面を透過型電子顕微鏡([型番「H−7100」、(株)日立製作所製])で観察し、各磁性シリカ粒子の膜厚が最も厚い部分と最も薄い部分の平均値から膜厚を求めた。任意の100個の各磁性シリカ粒子について上記と同様にして膜厚を求め、その平均値を平均膜厚とした。結果を表1に示す。
磁性シリカ粒子(C)の体積平均粒子径、超常磁性金属酸化物粒子(A)の体積平均粒子径、コア層(P)における超常磁性金属酸化物粒子(A)の含有率、シェル層(Q)の平均膜厚を測定した結果を表1に示す。表1より、シェル層(Q)の作製により磁性シリカ粒子(C−1)〜(C−15)には粒子表面には充分な厚さのシリカの膜が形成されている。一方、シェル層(Q)の作製を行っていない磁性シリカ粒子(I−1及びI−2)は、コア層(P)作製時のシリカ成分に由来する膜が形成されているが、その膜厚は3nm未満である。
標識試薬の作成:
抗PSAポリクローナル抗体(ダコ・サイトメーション(株)製)、西洋ワサビ由来ペルオキシダーゼ(東洋紡製、以下PODと略記する)を用い、文献(エス・ヨシタケ、エム・イマガワ、イー・イシカワ、エトール;ジェイ.バイオケム,Vol.92,1982,1413−1424)に記載の方法でPOD標識抗体PSAポリクローナル抗体を調製した。上記と同様にして、抗AFPポリクローナル抗体(ダコ・サイトメーション(株)製)を用いて、POD標識抗AFPモノクローナル抗体を調製した。これらを1%の牛血清アルブミン含有の0.02Mリン酸緩衝液(pH7.0)で、POD標識抗体濃度として200nMの濃度に希釈し、標識試薬を調製し、冷蔵(2〜10℃)で保存した。
化学発光試薬第1液の調製:
ルミノールのナトリウム塩[シグマ アルドリッチ ジャパン(株)製]0.7g及び4−(シアノメチルチオ)フェノール0.1gを1,000mLメスフラスコに仕込んだ。3−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]プロパンスルホン酸/水酸化ナトリウム緩衝液(10mM、pH8.6)を溶液の容量が1,000mLになるように仕込み、25℃で均一混合して化学発光試薬第1液を調製した。測定に用いるまで冷蔵(2〜10℃)保存した。
化学発光試薬第2液の調製:
1,000mL及び過酸化水素[和光純薬工業(株)製、試薬特級、濃度30重量%]6.6gを1,000mLメスフラスコに仕込んだ。脱イオン水を溶液の容量が1,000mLになるように仕込み、25℃で均一混合して化学発光試薬第2液を調製した。測定に用いるまで冷蔵(2〜10℃)保存した。
実施例2−1
免疫測定法:
抗体固定化磁性シリカ粒子(D−1)を25μg含有する上記牛血清アルブミン含有リン酸緩衝液中の粒子を磁石で集磁後、牛血清アルブミン含有リン酸緩衝液をアスピレーターで除去し、生理食塩水0.5mLを加えて粒子を集磁後、生理食塩水をアスピレーターで除去する洗浄操作を3回行った後、該抗体固定化磁性シリカ粒子(D−1)と、1重量%の牛血清アルブミンを含有したリン酸緩衝液で調製した抗原濃度が0.1ng/mLの標準PSA抗原液0.025mLと免疫反応用緩衝液[0.1%の牛血清アルブミン、0.85%の塩化ナトリウム及び0.5%のポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(界面活性剤)を含有する0.02Mリン酸緩衝液(pH7.2)]0.025mLとを試験管に入れ、試験管中で37℃で3分間反応させ、抗PSAポリクローナル抗体固定化磁性シリカ粒子(D−1)/PSA複合体を形成させた。反応後、試験管の外側から磁石で粒子を10秒間集め、試験管中の液をアスピレーターで除き、生理食塩水0.5mLを加えて粒子を分散させて集磁後、アスピレーターで液を除く洗浄操作を3回行った。
続いて、POD標識抗PSAポリクローナル抗体を4μg/mL含有する免疫反応緩衝液0.050mLを試験管に注入し、試験管中で37℃で3分間反応させ、抗PSAポリクローナル抗体固定化シリカ粒子(D−1)/PSA/POD標識抗PSAポリクローナル抗体複合体を形成させた。反応後、試験管の外側から磁石で抗体固定化磁性シリカ粒子(D−1)を含む複合体を10秒間集め、試験管中の液をアスピレーターで除き、生理食塩水0.5mLを加えて粒子を分散させて集磁後、アスピレーターで液を除く洗浄操作を2回行った。
最後に、発光試薬[0.18g/Lのルミノールと0.1g/Lの4−(シアノメチルチオ)フェノールとを含有する0.1Mトリス/塩酸緩衝液(pH9.0)]0.07mLと0.01%過酸化水素水0.07mLとを同時に加え、37℃で43秒間発光反応させ、発光試薬を添加後43〜45秒の平均発光量を発光検出器[BLR−201(アロカ社製):光電子倍増管を使用]で測定した。尚、PSA濃度が0.1ng/mLの標準PSA液の代わりにPSA濃度が0ng/mLの標準PSA液を使用して上記と同様の操作を行いバックグラウンドとして用いた。
実施例2−2〜2−15
抗体固定化磁性シリカ粒子(D−1)を抗体固定化磁性シリカ粒子(D−2)〜(D−15)に代える以外は実施例2−1と同様にして行った。
実施例2−16
磁性シリカ粒子(D−1)の代わりに磁性シリカ粒子(D−16)を使用し、抗原濃度が0.1ng/mLの標準PSA抗原液の代わりに抗原濃度が2.0ng/mLの標準AFP抗原液を用いて抗AFPモノクローナル抗体固定化磁性シリカ粒子(D−16)/AFP複合体を形成させた。POD標識抗PSAポリクローナル抗体の代わりにPOD標識抗AFPモノクローナル抗体を使用して抗AFPモノクローナル抗体固定化磁性シリカ粒子(D−16)/AFP/POD標識抗AFPモノクローナル抗体複合体を形成させた。更に、バックグラウンドとしてPSA濃度が0ng/mLの標準PSA液の代わりにAFP濃度が0ng/mLの標準AFP液を使用した。その他は実施例2−1と同様の操作を行った。
比較例2−1〜2−2
抗体固定化磁性シリカ粒子(D−1)を抗体固定化磁性シリカ粒子(H−1)及び(H−2)に代える以外は実施例2−1と同様にして行った。
比較例2−3
抗体固定化磁性シリカ粒子(D−16)を抗体固定化磁性シリカ粒子(H−3)に代える以外は実施例2−16と同様にして行った。
<発光量比の計算方法>
実施例2−1〜2−15及び比較例2−1〜2−2について、PSA濃度が0.1ng/mLの標準PSA液を使用した場合の平均発光量をM、PSA濃度が0ng/mLの標準PSA液を使用した場合の平均発光量をNとし、以下の計算式(2)にて発光量比を求めた。実施例2−16および比較例2−3については、AFP濃度が2.0ng/mLの標準AFP液を使用した場合の平均発光量をM、AFP濃度が0ng/mLの標準AFP液を使用した場合の平均発光量をNとし、以下の計算式(2)にて発光量比を求めた。結果を表2に示す。
発光量比=M/N・・・(2)
<保存安定性の計算方法>
実施例2−1〜2−15及び比較例2−1〜2−2について、0.1%の牛血清アルブミン含有の0.02Mリン酸緩衝液(pH7.2)40mLに浸漬し4℃で2週間保存した抗体固定化磁性シリカ粒子(D−1)〜(D−15)並びに抗体固定化磁性シリカ粒子(H−1)及び(H−2)を用いて、PSA濃度が0.1ng/mLの標準PSA液を使用した時の平均発光量をX、31℃で2週間保存した抗体固定化磁性シリカ粒子(D−1)〜(D−15)並びに抗体固定化磁性シリカ粒子(H−1)及び(H−2)を用いた場合の、PSA濃度が0.1ng/mLの標準PSA液を使用した時の平均発光量をYとし、以下の計算式(3)にて保存安定性を求めた。
実施例2−16および比較例2−3については、0.1%の牛血清アルブミン含有の0.02Mリン酸緩衝液(pH7.2)40mLに浸漬し4℃で2週間保存した抗体固定化磁性シリカ粒子(D−16)及び抗体固定化磁性シリカ粒子(H−3)を用いて、AFP濃度が2.0ng/mLの標準AFP液を使用した時の平均発光量をV、31℃で2週間保存した抗体固定化磁性シリカ粒子(D−16)及び抗体固定化磁性シリカ粒子(H−3)を用いた場合の、AFP濃度が2.0ng/mLの標準AFP液を使用した時の平均発光量をWとし、以下の計算式(4)にて保存安定性を求めた。結果を表2に示す。
保存安定性(%)=Y/X×100・・・(3)
保存安定性(%)=W/V×100・・・(4)
また、得られた試薬を用いて、免疫測定における感度及び保存安定性を評価した結果を表2に示す。表2の結果より、シェル層(Q)を有する各磁性シリカ粒子(C)に抗PSAポリクローナル抗体を固定化した抗体固定化磁性シリカ粒子(D−1)〜(D−15)は、充分な厚さのシェル層(Q)を有していないコア層(P)に抗PSAポリクローナル抗体を固定化した抗体固定化磁性シリカ粒子(H−1)及び(H−2)と比較して、PSAの測定における感度及び安定性が優れていることがわかる(実施例2−1〜2−15及び比較例2−1〜2−2)。また、シェル層(Q)を有する磁性シリカ粒子(C−1)に抗AFPモノクローナル抗体を固定化した抗体固定化磁性シリカ粒子(D−16)は、充分な厚さのシェル層(Q)を有していないコア層(P)に抗AFPモノクローナル抗体を固定化した抗体固定化磁性シリカ粒子(H−3)と比較して、AFPの測定における感度及び安定性が優れていることがわかる(実施例2−16及び比較例2−3)。
Figure 0006182520
Figure 0006182520
本発明の磁性シリカ粒子を用いた測定対象物質測定方法は、感度および安定性に優れることから、高感度で再現性良く測定対象物質を測定することができるため、放射免疫測定法、酵素免疫測定法、蛍光免疫測定法及び化学発光免疫測定法等の臨床検査に幅広く適用できる。また、本発明の試薬は、上記測定方法に用いるのに適したものであり、同様に、放射免疫測定法、酵素免疫測定法、蛍光免疫測定法及び化学発光免疫測定法等の臨床検査薬として用いることができる。

Claims (13)

  1. 平均粒子径が1〜15nmの超常磁性金属酸化物粒子(A)を60〜95重量%含有するシリカ粒子であるコア層(P)と、
    前記コア層(P)の表面上に形成された平均厚みが50〜3000nmのシリカ層であるシェル層(Q)とから構成されるコア−シェル型状の粒子である磁性シリカ粒子(C)。
  2. 前記磁性シリカ粒子(C)の平均粒子径が0.5〜20μmである、請求項1に記載の磁性シリカ粒子(C)。
  3. 前記超常磁性金属酸化物粒子(A)に含有される超常磁性金属酸化物が酸化鉄である請求項1または2に記載の磁性シリカ粒子(C)。
  4. 前記酸化鉄が、マグネタイト、γ−ヘマタイト、マグネタイト−α−ヘマタイト中間酸化鉄及びγ−ヘマタイト−α−ヘマタイト中間酸化鉄からなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化鉄である請求項3に記載の磁性シリカ粒子(C)。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の磁性シリカ粒子(C)の表面に測定対象物質、測定対象物質の類似物質、又は、測定対象物質と特異的に結合する測定対象物質結合物質が固定化された磁性シリカ粒子(D)を用いて試料中の測定対象物質を測定することを特徴とする、測定対象物質測定方法。
  6. 前記磁性シリカ粒子(D)の表面には、前記測定対象物結合物質が固定化されており、
    前記試料と、前記磁性シリカ粒子(D)と、標識物質により標識された測定対象物質結合物質である標識測定対象物質結合物質とを混合し、
    前記固定化された測定対象物質結合物質と、前記試料中の測定対象物質と、前記標識測定対象物質結合物質とを接触させて、前記固定化された測定対象物質結合物質と、前記試料中の測定対象物質と、前記標識測定対象物質結合物質との複合体である標識複合体を形成させ、
    前記標識複合体を担持した前記磁性シリカ粒子(D)をB/F分離して、前記標識複合体中の前記標識物質の量を測定し、
    前記標識複合体中の前記標識物質の量に基づいて前記試料中の測定対象物質の量を測定する、請求項5に記載の測定対象物質測定方法。
  7. 前記磁性シリカ粒子(D)の表面には、測定対象物質又はその類似物質が固定化されており、
    前記試料と、前記磁性シリカ粒子(D)と、標識物質により標識された測定対象物質結合物質である標識測定対象物質結合物質とを混合し、
    前記試料中の測定対象物質と、前記固定化された測定対象物質又はその類似物質とを競合させて前記標識測定対象物質結合物質に接触させて、前記固定化された測定対象物質又はその類似物質と、前記標識測定対象物質結合物質とを含む複合体である標識複合体を形成させ、
    前記標識複合体を担持した前記磁性シリカ粒子(D)をB/F分離して、前記標識複合体中の前記標識物質の量を測定し、
    前記標識複合体中の前記標識物質の量に基づいて前記試料中の測定対象物質の量を測定する、請求項5に記載の測定対象物質測定方法。
  8. 前記磁性シリカ粒子(D)の表面には、前記測定対象物質結合物質が固定化されており、
    前記試料と、前記磁性シリカ粒子(D)と、標識物質により標識された測定対象物質又はその類似物質である標識測定対象物質又はその類似物質とを混合し、
    前記試料中の測定対象物質と、前記標識測定対象物質又はその類似物質とを競合させて前記固定化された測定対象物質結合物質に接触させて、前記固定化された測定対象物質結合物質と前記標識測定対象物質又はその類似物質とを含む複合体である標識複合体を形成させ、
    前記標識複合体を担持した前記磁性シリカ粒子(D)をB/F分離して、前記標識複合体中の前記標識物質の量を測定し、
    前記標識複合体中の前記標識物質の量に基づいて前記試料中の測定対象物質を測定する、請求項5に記載の測定対象物質測定方法。
  9. 前記B/F分離が、前記磁性シリカ粒子(D)の磁性を利用してなされるものである、請求項〜8のいずれか1項に記載の測定対象物質測定方法。
  10. 前記測定対象物質、前記測定対象物質の類似物質、又は、前記測定対象物質結合物質が固定化される前の前記磁性シリカ粒子(C)の表面にグルタルアルデヒド、アルブミン、カルボジイミド、ストレプトアビジン、ビオチン及び官能基を有するアルキルアルコキシシランからなる群から選ばれる少なくとも1種の有機化合物を結合させてなる、請求項5〜9のいずれか1項に記載の測定対象物質測定方法。
  11. 前記アルキルアルコキシシランが有する官能基が、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、メルカプト基、グリシジルオキシ基及び炭素数が1〜18の炭化水素基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基である、請求項10に記載の測定対象物質測定方法。
  12. 前記測定対象物質結合物質が、前記測定対象物質若しくはその類似物質に対する抗体、前記測定対象物質若しくはその類似物質が結合する抗原、又は、前記測定対象物質若しくはその類似物質に結合するタンパク質である、請求項5〜11のいずれか1項に記載の測定対象物質測定方法。
  13. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の磁性シリカ粒子(C)の表面に測定対象物質、測定対象物質の類似物質、又は、測定対象物質と特異的に結合する測定対象物質結合物質が固定化された磁性シリカ粒子(D)を含有することを特徴とする、測定対象物質測定用試薬。
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