JP5844195B2 - 磁性シリカ粒子並びにこれを用いた免疫測定法及び免疫測定用試薬 - Google Patents

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Description

本発明は、免疫測定法に用いられる磁性シリカ粒子。更に詳しくは、非特異反応を効果的に低減する磁性シリカ粒子に関する。
免疫測定試薬においては、血清検体を測定する際に、反応容器、磁性シリカ粒子表面、磁性シリカ粒子表面に固定化した物質への検体由来の成分の非特異的な吸着が特定の検体でみられ、これらの非特異反応が正確な測定を行う妨げとなり問題となっている(例えば、非特許文献1)。非特異的反応を防止するため種々の蛋白質、界面活性剤、塩類等を含有させた免疫測定用試薬が提案されている(例えば、特許文献1〜3)。
免疫測定において、固相の磁性シリカ粒子表面や固相に固定化した物質、及び反応容器内壁への非特異的な結合に起因して正常値と判定されるべき検体が、誤って異常値と判定される乖離検体として存在が知られており、この乖離検体を減少させることは、大きな課題となっている。また、非特異反応が生じると、測定のノイズが上昇し、測定感度が低下することも問題である。特に従来の技術では、磁性シリカ粒子表面や磁性シリカ粒子に固定化した物質、及び反応容器内壁への非特異的な結合に起因する乖離検体を減少させることには限界がある。これら乖離検体を減少させることは、多数検体同時迅速検査を目的とした自動化免疫測定装置の開発において、ますます重要な課題となっている。
Japanese Journal of Clinical Laboratory Automation,Vol.36,No.2,P208−213,2011
特開2004−117341号公報 特開2010−127827号公報 特開2010−216970号公報
本発明の目的は、非特異的反応を効果的に減少させ、更には高感度かつ正確性に優れた免疫測定用の磁性シリカ粒子を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果本発明に到達した。即ち本発明は、平均粒子径が1〜15nmの超常磁性金属酸化物を60〜95重量%含有する磁性シリカ粒子であって、該磁性シリカ粒子表面を Ti酸化物で被覆されていない磁性シリカ粒子の表面に、測定対象物質、測定対象物質の類似物質、又は測定対象物質と特異的に結合する物質を固定化し、更にアルギニン、アルギニンの塩、又はホモアルギニン、アセチルアルギニン、ヒドロキシアルギニン、アルギニンメチルエステル、アルギニンエチルエステル、アルギニンニトロアニリド、ポリアルギニン、メチルアルギニン、アグマチン及びこれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも1種を固定化させてなることを特徴とする磁性シリカ粒子;前記磁性シリカ粒子を用いることを特徴とする免疫測定法及び免疫測定用試薬である。

アルギニン又はアルギニン誘導体を固相の磁性シリカ粒子に固定化させることにより、検体中のタンパク質等の吸着を抑制することが可能となり、その結果、本発明の磁性シリカ粒子を用いた免疫測定は、測定のノイズが低く、高感度かつ正確性の極めて高い臨床検査を可能とする。
本発明の磁性シリカ粒子は、シリカのマトリックス中に平均粒子径が1〜15nmで超常磁性を有する金属酸化物を分散されているものである。
本発明における超常磁性金属酸化物の平均粒子径は、任意の200個の超常磁性金属酸化物について走査型電子顕微鏡で観察して測定された粒子径の平均値である。超常磁性金属酸化物の平均粒子径は、後述の超常磁性金属酸化物作製時の金属イオン濃度を調節することにより制御することができる。また、通常の分級等の方法によっても超常磁性金属酸化物の平均粒子径を所望の値にすることができる。
超常磁性とは、外部磁場の存在下で物質の個々の原子磁気モーメントが整列し誘発された一時的な磁場を示し、外部磁場を取り除くと、部分的な整列が損なわれ磁場を示さなくなることをいう。
平均粒子径が1〜15nmで超常磁性を示す超常磁性金属酸化物としては、鉄、コバルト、ニッケル及びこれらの合金等の酸化物が挙げられるが、磁界に対する感応性が優れていることから、酸化鉄が特に好ましい。超常磁性金属酸化物は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
酸化鉄としては、公知の種々の酸化鉄を用いることができる。酸化鉄の内、特に化学的な安定性に優れることから、マグネタイト、γ−ヘマタイト、マグネタイト−α−ヘマタイト中間酸化鉄及びγ−ヘマタイト−α−ヘマタイト中間酸化鉄が好ましく、大きな飽和磁化を有し、外部磁場に対する感応性が優れていることから、マグネタイトが更に好ましい。
磁性シリカ粒子中の超常磁性金属酸化物の含有量の下限は、通常60重量%、好ましくは65重量%であり、上限は通常95重量%、好ましくは80重量%である。超常磁性金属酸化物の含有量が60重量%未満の場合、得られた磁性シリカ粒子の磁性が十分でないため、実際の用途面における分離操作に時間がかかり、95重量%を超えるものは合成が困難である。
超常磁性金属酸化物の製造方法は、特に限定されないが、Massartにより報告されたものをベースとして水溶性鉄塩及びアンモニアを用いる共沈殿法(R.Massart,IEEE Trans.Magn.1981,17,1247)や水溶性鉄塩の水溶液中の酸化反応を用いた方法により合成することができる。
磁性シリカ粒子の平均粒子径は、好ましくは1〜5μm、更に好ましくは1〜3μmである。平均粒子径が1μm未満の場合、分離回収の際に時間がかかる傾向にあり、5μmを超えると、表面積が小さくなり、固定化する物質(対象物質、測定対象物質の類似物質又は測定対象物質と特異的に結合する物質)の結合量が低く結合効率が低下する傾向にある。
本発明における磁性シリカ粒子の平均粒子径は、任意の200個の磁性シリカ粒子について走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製「JSM−7000F」)で観察して測定された粒子径の平均値である。
磁性シリカ粒子の平均粒子径は、後述の水中油型エマルションを作製する際の混合条件(せん断力等)を調節して水中油型エマルションの粒子径を調整することにより制御することができる。また、磁性シリカ粒子製造時の水洗工程の条件変更や通常の分級等の方法によっても平均粒子径を所望の値とすることができる。
本発明における測定対象物質及びアルギニン等を固定化する前の磁性シリカ粒子は、例えば平均粒子径が1〜15nmの超常磁性金属酸化物粒子、前記超常磁性金属酸化物粒子の重量に基づいて30〜500重量%の(アルキル)アルコキシシラン及び分散剤を含有する分散液(A)と、水、水溶性有機溶媒、非イオン性界面活性剤及び(アルキル)アルコキシシランの加水分解用触媒を含有する溶液(B)とを混合して水中油型エマルションを形成後、(アルキル)アルコキシシランの加水分解反応及び縮合反応を行い、超常磁性金属酸化物がシリカに包含された磁性シリカ粒子の水性分散体が得た後、磁性シリカ粒子の水性分散体を遠心分離及び/又は集磁により固液分離し、水又はメタノール等で洗浄して乾燥することにより得られる。
上記及び以下において、(アルキル)アルコキシシランとは、アルキルアルコキシシラン又はアルコキシシランを意味する。
上記分散剤としては、分子内に1個以上のカルボキシル基を有する有機化合物、1個以上のスルホ基を有する有機化合物及び1個以上のカルボキシル基と1個以上のスルホ基を有する有機化合物等が挙げられる。具体的には、以下に例示する(a−1)〜(a−5)の有機化合物等が挙げられ、これらは1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
(a−1)カルボキシル基を2個以上有する有機化合物:
炭素数2〜30の脂肪族ポリカルボン酸(シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、プロパン−1,2,3−トリカルボン酸、クエン酸及びドデカン二酸等の飽和ポリカルボン酸並びにマレイン酸、フマール酸及びイタコン酸等の不飽和ポリカルボン酸等)、炭素数8〜30の芳香族ポリカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸及びピロメリット酸等)及び炭素数5〜30の脂環式ポリカルボン酸(シクロブテン−1,2−ジカルボン酸、シクロペンテン−1,2−ジカルボン酸、フラン−2,3−ジカルボン酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプタ−2−エン−2,3−ジカルボン酸及びビシクロ[2,2,1]ヘプタ−2,5−ジエン−2,3−ジカルボン酸等)等。
(a−2)スルホ基を2個以上有する有機化合物:
炭素数1〜30の脂肪族ポリスルホン酸(メチオン酸、1,1−エタンジスルホン酸、1,2−エタンジスルホン酸、1,1−プロパンジスルホン酸、1,3−プロパンジスルホン酸及びポリビニルスルホン酸等)、炭素数6〜30の芳香族ポリスルホン酸(m−ベンゼンジスルホン酸、1,4−ナフタレンスルホン酸、1,5−ナフタレンジスルホン酸、1,6−ナフタレンジスルホン酸、2,6−ナフタレンジスルホン酸、2,7−ナフタレンジスルホン酸及びスルホン化ポリスチレン等)、ビス(フルオロスルホニル)イミド及び炭素数2〜10のビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミド[ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、ビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、ペンタフルオロエタンスルホニルトリフルオロメタンスルホニルイミド、トリフルオロメタンスルホニルヘプタフルオロプロパンスルホニルイミド、ノナフルオロブタンスルホニルトリフルオロメタンスルホニルイミド等]等。
(a−3)カルボキシル基とスルホ基をそれぞれ1個以上有する有機化合物:
炭素数2〜30のスルホカルボン酸(スルホ酢酸及びスルホコハク酸等)及び炭素数7〜30のスルホ芳香族モノ又はポリカルボン酸(o−、m−又はp−スルホ安息香酸、2,4−ジスルホ安息香酸、3−スルホフタル酸、3,5−ジスルホフタル酸、4−スルホイソフタル酸、2−スルホテレフタル酸、2−メチル−4−スルホ安息香酸、2−メチル−3,5−ジスルホ安息香酸、4−プロピル−3−スルホ安息香酸、4−イソプロピル−3−スルホ安息香酸、2,4,6−トリメチル−3−スルホ安息香酸、2−メチル−5−スルホテレフタル酸、5−メチル−4−スルホイソフタル酸、5−スルホサリチル酸及び3−オキシ−4−スルホ安息香酸等)等。
(a−4)カルボキシル基を1個有する有機化合物:
炭素数1〜30の脂肪族飽和モノカルボン酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ベラルゴン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、ステアリン酸及びベヘニン酸等)、炭素数3〜30の脂肪族不飽和モノカルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸、オレイン酸、ステアリン酸等)、炭素数3〜30のヒドロキシ脂肪族モノカルボン酸(グリコール酸、乳酸及び酒石酸等)、炭素数4〜30の脂環式モノカルボン酸(シクロプロパンカルボン酸、シクロペンタンカルボン酸及びシクロヘキサンカルボン酸等)、炭素数7〜30の芳香族モノカルボン酸(安息香酸、ケイ皮酸及びナフトエ酸等)、炭素数7〜20のヒドロキシ芳香族モノカルボン酸(サリチル酸及びマンデル酸等)及び炭素数2〜20のパーフルオロカルボン酸(トリフルオロ酢酸、ウンデカフルオロヘキサン酸、トリデカフルオロヘプタン酸、パーフルオロオクタン酸、ペンタデカフルオロオクタン酸、ペプタデカフルオロノナン酸及びノナデカフルオロデカン酸等)等。
(a−5)スルホ基を1個有する有機化合物:
炭素数1〜30脂肪族モノスルホン酸(メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸、ヘキサンスルホン酸、デカンスルホン酸、ウンデカンスルホン酸及びドデカンスルホン酸等)、炭素数6〜30芳香族モノスルホン酸(ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、o−トルエンスルホン酸、m−トルエンスルホン酸、4−ドデシルベンゼンスルホン酸、4−オクチルベンゼンスルホン酸及びナフタレンスルホン酸等)及び炭素数1〜20のパーフルオロアルカンスルホン酸(トリフルオロメタンスルホン酸等)等。
こられの内、(アルキル)アルコキシシランとの相溶性の観点から(a−4)の内の炭素数10〜30の有機化合物が好ましい。
分散剤の使用量は、超常磁性金属酸化物の重量を基準として、100〜2,000重量%、特に250〜1,000重量%であることが好ましい。分散剤が100重量%未満の場合、超常磁性金属酸化物が(アルキル)アルコキシシラン溶液に分散しにくい傾向にあり。2,000重量%を超えると後の工程の水溶液への分散の際にエマルションが形成しにくい傾向にある。
使用する(アルキル)アルコキシシランとしては、下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
1 (4-n)Si(OR2n (1)
一般式(1)中、R1及びR2は、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、メルカプト基又はグリシジルオキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜10の1価の炭化水素基を表す。
炭素数1〜10の炭化水素基としては、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基(メチル基、エチル基、n−又はiso−プロピル基、n−又はiso−ブチル基、n−又はiso−ペンチル基及びビニル基等)、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基(フェニル基等)及び炭素数7〜10の芳香脂肪族基(ベンジル基等)等が挙げられる。
一般式(1)におけるnは1〜4の整数を表す。但し、nが1のアルキルアルコキシシランを用いる場合は、nが2〜4の(アルキル)アルコキシシランと併用する必要がある。反応後の粒子の強度及び粒子表面のシラノール基の量の観点からnは4であることが好ましい。
一般式(1)で表される化合物の具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン及びテトラブトキシシラン等のアルコキシシラン;メチルトリメトキシシラン及びメチルトリエトキシシラン等のアルキルアルコキシシラン;3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルエトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン及びN−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ基で置換されたアルキル基を有するアルキルアルコキシシラン;7−カルボキシ−ヘプチルトリエトキシシラン及び5−カルボキシ−ペンチルトリエトキシシラン等のカルボキシル基で置換されたアルキル基を有するアルキルアルコキシシラン;3−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン及び3−ヒドロキシプロピルエトキシシラン等の水酸基で置換されたアルキル基を有するアルキルアルコキシシラン;3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン及び3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプト基で置換されたアルキル基を有するアルキルアルコキシシラン;3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン及び3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン等のグリシジルオキシ基で置換されたアルキル基を有するアルキルアルコキシシラン等が挙げられる。
(アルキル)アルコキシシランは、1種類を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
(アルキル)アルコキシシランの使用量は、超常磁性金属酸化物に対して、通常30〜500重量%、好ましくは40〜200重量%である。(アルキル)アルコキシシランが30重量%未満の場合、超常磁性金属酸化物の表面が均一に被覆されにくくなり、500重量%を超えると、超常磁性金属酸化物の含有率が小さくなり、磁力による回収時間が長くなる。
水の使用量は、超常磁性金属酸化物に対して500〜3,000重量%であることが好ましく、特に800〜2,000重量%が好ましい。
水溶性有機溶媒としては、25℃における水への溶解度が100g/水100g以上である、炭素数1〜3のアルコール(メタノール、エタノール及びn−又はiso−プロパノール等)、炭素数2〜9のグリコール(エチレングリコール及びジエチレングリコール等)、アミド(N−メチルピロリドン等)、ケトン(アセトン等)、環状エーテル(テトラヒドロフラン及びテトラヒドロピラン等)、ラクトン(γ−ブチロラクトン等)、スルホキシド(ジメチルスルホキシド等)及びニトリル(アセトニトリル等)等が挙げられる。これらの内、磁性シリカ粒子の粒子径の均一性の観点から、炭素数1〜3のアルコールが好ましい。水溶性有機溶媒は、1種類を単独で用いても2種以上を併用してもよい。水溶性有機溶媒の使用量は、水に対して、100〜500重量%であることが好ましい。
非イオン性界面活性剤としては、高級アルコールアルキレンオキサイド(以下、AOと略記)付加物;炭素数8〜24の高級アルコール(デシルアルコール、ドデシルアルコール、ヤシ油アルキルアルコール、オクタデシルアルコール及びオレイルアルコール等)のエチレンオキサイド(以下、EOと略記)1〜20モル及び/又はプロピレンオキサイド(以下、POと略記)1〜20モル付加物(ブロック付加物及び/又はランダム付加物を含む。以下同様)、炭素数6〜24のアルキルを有するアルキルフェノールのAO付加物;オクチル又はノニルフェノールのEO1〜20モル及び/又はPO1〜20モル付加物、ポリプロピレングリコールEO付加物及びポリエチレングリコールPO付加物;プルロニック型界面活性剤等、脂肪酸AO付加物;炭素数8〜24の脂肪酸(デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸及びヤシ油脂肪酸等)のEO1〜20モル及び/又はPO1〜20モル付加物等及び多価アルコール型非イオン性界面活性剤;炭素数3〜36の2〜8価の多価アルコール(グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビット及びソルビタン等)のEO及び/又はPO付加物;前記多価アルコールの脂肪酸エステル及びそのEO付加物[TWEEN(登録商標)20及びTWEEN(登録商標)80等];アルキルグルコシド(N−オクチル−β−D−マルトシド、n−ドデカノイルスクロース及びn−オクチル−β−D−グルコピラノシド等);砂糖の脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド及びこれらのAO付加物(ポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミド等);等の非イオン性界面活性剤が挙げられる。これらは、1種類を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
非イオン性界面活性剤の使用量は、超常磁性金属酸化物に対して、100〜1,000重量%、特に300〜500重量%が好ましい。100重量%未満又は1,000重量%を超えると、エマルションが安定せず、生成する粒子の粒度分布が広くなる傾向がある。
非イオン性界面活性剤を含む水溶液の使用量は、超常磁性金属酸化物に対して、1,000〜10,000重量%、特に1,500〜4,000重量%が好ましい。1,000重量%未満又は10,000重量%を超えると、エマルションが安定せず、生成する粒子の粒度分布が広くなる傾向がある。
(アルキル)アルコキシシランの加水分解用触媒としては、ルイス酸や塩酸等を用いることができ、具体的には、塩酸等の無機酸、酢酸等の有機酸、アンモニア等の無機塩基化合物、エタノールアミン等のアミン化合物を用いることができる。
加水分解用触媒の使用量は、(アルキル)アルコキシシランの重量に対して、0.01〜100重量%、特に0.2〜50重量%が好ましい。
上記分散液(A)は、更に非水溶性有機溶媒を含有することができる。非水溶性有機溶媒としては、25℃における水への溶解度が0.1g/水100g以下である、炭素数6〜16の芳香族炭化水素溶剤(トルエン及びキシレン等)及び炭素数5〜16脂肪族炭化水素溶剤(n−ヘプタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−オクタン、デカン及びデカヒドロナフタレン等)等が挙げられる。これらは、1種類を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
非水溶性有機溶媒の使用量は、超常磁性金属酸化物に対して、200〜1,000重量%、特に250〜500重量%が好ましい。有機溶媒の使用量が200重量%未満であると超常磁性金属酸化物の分散性が悪くなる傾向にあり、1,000重量%を超えると、磁性シリカ粒子の粒子径が不均一になる傾向にある。
分散液(A)と溶液(B)との混合方法は、特に限定されず、後述の設備を使用して一括混合することもできるが、磁性シリカ粒子の粒子径の均一性の観点から、溶液(B)を撹拌しながら分散液(A)を滴下する方法が好ましい。
分散液(A)と溶液(B)とを混合する際の設備としては、一般に乳化機、分散機として市販されているものであれば特に限定されず、例えば、ホモジナイザー(IKA社製)、ヒストコロン(マイクロテック・ニチオン社製)、ポリトロン(キネマティカ社製)及びTKオートホモミキサー(特殊機化工業社製)等のバッチ式乳化機、エバラマイルダー(在原製作所社製)、TKフィルミックス、TKパイプラインホモミキサー(特殊機化工業社製)、コロイドミル(神鋼パンテック社製)、クリアミックス(エムテクニック社製)、スラッシャー、トリゴナル湿式微粉砕機(三井三池化工機社製)、キャピトロン(ユーロテック社製)及びファインフローミル(太平洋機工社製)等の連続式乳化機、マイクロフルイダイザー(みずほ工業社製)、ナノマイザー(ナノマイザー社製)及びAPVガウリン(ガウリン社製)等の高圧乳化機、膜乳化機(冷化工業社製)等の膜乳化機、バイブロミキサー(冷化工業社製)等の振動式乳化機、超音波ホモジナイザー(ブランソン社製)等の超音波乳化機等が挙げられ、粒子径の均一化の観点から、ヒストコロン、APVガウリン、ホモジナイザー、TKオートホモミキサー、エバラマイルダー、TKフィルミックス、TKパイプラインホモミキサー及びクリアミックスが好ましい。
(アルキル)アルコキシシランの加水分解反応及び縮合反応の温度は、25〜100℃であることが好ましく、更に好ましくは45〜60℃である。また、反応時間は、好ましくは0.5〜5時間、更に好ましくは1〜2時間である。
本発明の磁性シリカ粒子は、超常磁性金属酸化物がシリカに包含され、粒子表面に存在しないことから、多くの測定対象物質、測定対象物質の類似物質、又は測定対象物質と特異的に結合する物質をその表面に固定化することができる。
本発明における磁性シリカ粒子に、測定対象物質、測定対象物質の類似物質、又は測定対象物質と特異的に結合する物質を固定化する方法としては、上述の磁性シリカ粒子に測定対象物質等を物理吸着させる方法が挙げられるが、より効率良く測定対象物質等を固定化させる観点から、グルタルアルデヒド、アルブミン、カルボジイミド、ストレプトアビジン、ビオチン及び官能基を有するアルキルアルコキシシランからなる群から選ばれる少なくとも1種の有機化合物を磁性シリカ粒子表面に結合させ、それらを介して測定対象物質等を磁性シリカ粒子に固定化させるのが好ましい。これらの有機化合物の内、特定の測定対象物質等を結合させる観点から、官能基を有するアルキルアルコキシシランが更に好ましい。
上記アルキルアルコキシシランが有する官能基としては、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、メルカプト基及びグリシジルオキシ基等が挙げられ、アルキルアルコキシシラン1分子中に異なる種類の官能基を有していてもよい。
磁性シリカ粒子の表面に官能基を有するアルキルアルコキシシランを結合させる方法としては、磁性シリカ粒子を作製する際の(アルキル)アルコキシシランとして、前述のアミノ基、カルボキシル基、水酸基、メルカプト基又はグリシジルオキシ基で置換されたアルキル基を有するアルキルアルコキシシランを使用する方法や、これらの置換基を有しない(アルキル)アルコキシシランを使用して磁性シリカ粒子を作製した後、磁性シリカ粒子をアミノ基、カルボキシル基、水酸基、メルカプト基又はグリシジルオキシ基で置換されたアルキル基を有するアルキルアルコキシシランで処理する方法等が挙げられる。
後者の方法の具体例としては、磁性シリカ粒子をその濃度が1〜50重量%になるように溶媒に分散し、この分散液にアミノ基、カルボキシル基、水酸基、メルカプト基又はグリシジルオキシ基で置換されたアルキル基を有するアルキルアルコキシシランの溶液を添加して、1時間以上室温で加水分解反応及び縮合反応を行う方法が挙げられる。
この方法における溶媒は、用いるアルキルアルコキシシランの溶解性に応じて適宜選択され、水に可溶なアミノ基、カルボキシル基、水酸基又はメルカプト基で置換されたアルキル基を有するアルキルアルコキシシランを用いる場合は、水又は水−アルコールの混合溶媒等を用いることが好ましく、水に溶解しにくいグリシジルオキシ基で置換されたアルキル基を有するアルキルアルコキシシランを用いる場合、酢酸ブチル等を用いることが好ましい。
アミノ基、カルボキシル基、水酸基、メルカプト基又はグリシジルオキシ基で置換されたアルキル基を有するアルキルアルコキシシランの使用量は、処理前の磁性シリカ粒子に対して0.1〜5重量%であることが好ましい。0.1重量%未満であると、導入される官能基数十分でない場合があり、5重量%を超えると、粒子表面の官能基量を更に増加させる効果が少なくなる傾向にある。
グルタルアルデヒド、アルブミン、カルボジイミド、ストレプトアビジン又はビオチンを磁性シリカ粒子の表面に結合させる方法は特に限定されないが、例えば、以下のようにして結合させることができる。
アルデヒド基を有するグルタルアルデヒド及びカルボキシル基を有するビオチンは、アミノ基を有するアルキルアルコキシシランが表面に結合した磁性シリカ粒子と反応させることで、磁性シリカ粒子の表面に結合させることができる。また、アミノ基を有するアルブミン及びストレプトアビジン並びにカルボジイミド基を有するカルボジイミドは、カルボキシル基を有するアルキルアルコキシシランが表面に結合した磁性シリカ粒子と反応させることで、磁性シリカ粒子の表面に結合させることができる。
本発明の磁性シリカ粒子は、上述の磁性シリカ粒子の表面に、測定対象物質、測定対象物質の類似物質、又は測定対象物質と特異的に結合する物質を固定化し、更にアルギニン又はアルギニン誘導体を固定化させてなる。
本発明における測定対象物質としては、通常この分野で測定されるものであれば特に限定はされず、例えば血清,血液,血漿,尿等の生体体液、リンパ液、血球、各種細胞類等の生体由来の試料中に含まれるタンパク質、脂質タンパク質、核酸、免疫グロブリン、血液凝固関連因子、抗体、酵素、ホルモン、癌マーカー、心疾患マーカー及び各種薬物等が代表的なものとして挙げられる。更に具体的には、例えばアルブミン,ヘモグロビン,ミオグロビン,トランスフェリン,プロテインA,C反応性蛋白質(CRP)等のタンパク質、例えば高比重リポ蛋白質(HDL),低比重リポ蛋白質(LDL),超低比重リポ蛋白質等の脂質蛋白質、例えばデオキシリボ核酸(DNA),リボ核酸(RNA)等の核酸、例えばアルカリ性ホスファターゼ,アミラーゼ,酸性ホスファターゼ,γ−グルタミルトランスフェラーゼ(γ−GTP),リパーゼ,クレアチンキナーゼ(CK),乳酸脱水素酵素(LDH),グルタミン酸オキザロ酢酸トランスアミナーゼ(GOT),グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(GPT),レニン,プロテインキナーゼ(PK),チロシンキナーゼ等の酵素、例えばIgG,IgM,IgA,IgD,IgE等の免疫グロブリン(或はこれらの、例えばFc部,Fab部,F(ab)2部等の断片)、例えばフィブリノーゲン,フィブリン分解産物(FDP),プロトロンビン,トロンビン等の血液凝固関連因子、例えば抗ストレプトリジンO抗体,抗ヒトB型肝炎ウイルス表面抗原抗体(HBs抗原)、抗ヒトC型肝炎ウイルス抗体、抗リュウマチ因子等の抗体、例えば甲状腺刺激ホルモン(TSH)、甲状腺ホルモン(FT3,FT4,T3,T4)、副甲状腺ホルモン(PTH)、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)エストラジオール(E2)等のホルモン、例えばα−フェトプロテイン(AFP)、癌胎児性抗原(CEA)、CA19−9、前立腺特異抗原(PSA)等の癌マーカー、例えばトロポニンT(TnT)、ヒト脳性ナトリウム利尿ペプチド前駆体N端フラグメント(NT−proBNP)等の心疾患マーカー、例えば抗てんかん薬、抗生物質、テオフィリン等の薬物等が挙げられる。上記したものの中でも、抗体、ホルモン、癌マーカー、心疾患マーカー等が好ましい。
本発明における測定対象物質の類似物質(アナログ)は、測定対象物質と特異的に結合する物質(測定対象物質結合物質)が有する測定対象物質との結合部位と結合し得るもの、言い換えれば、測定対象物質が有する測定対象物質結合物質との結合部位を有するもの、更に言い換えれば、測定対象物質と測定対象物質結合物質との反応時に共存させると該反応と競合し得るものであれば何れでもよい。
本発明における測定対象物質と特異的に結合する物質(測定対象物質結合物質)としては、例えば「抗原」−「抗体」間反応、「糖鎖」−「タンパク質」間反応、「糖鎖」−「レクチン」間反応、「酵素」−「インヒビター」間反応、「タンパク質」−「ペプチド鎖」間反応又は「染色体又はヌクレオチド鎖」−「ヌクレオチド鎖」間反応、「ヌクレオチド鎖」−「タンパク質」間反応等の相互反応によって測定対象物質又はその類似物質と結合するもの等が挙げられ、上記各組合せに於いて何れか一方が測定対象物質又はその類似物質である場合、他の一方がこの測定対象物質結合物質である。例えば、測定対象物質又はその類似物質が「抗原」であるときは測定対象物質結合物質は「抗体」であり、測定対象物質又はその類似物質が「抗体」であるときは測定対象物質結合物質は「抗原」である(以下、その他の上記各組合せにおいても同様である)。
具体的には、例えばヌクレオチド鎖(オリゴヌクレオチド鎖、ポリヌクレオチド鎖);染色体;ペプチド鎖(例えばC−ペプチド、アンジオテンシンI等)、タンパク質〔例えばプロカルシトニン、免疫グロブリンA(IgA),免疫グロブリンE(IgE),免疫グロブリンG(IgG),免疫グロブリンM(IgM),免疫グロブリンD(IgD),β2−ミクログロブリン、アルブミン、これらの分解産物、フェリチン等の血清タンパク質〕;酵素〔例えばアミラーゼ(例えば膵型,唾液腺型,X型等)、アルカリホスファターゼ(例えば肝性,骨性,胎盤性,小腸性等)、酸性ホスファターゼ(例えばPAP等)、γ−グルタミルトランスファラーゼ(例えば腎性,膵性,肝性等)、リパーゼ(例えば膵型,胃型等)、クレアチンキナーゼ(例えばCK−1,CK−2,mCK等)、乳酸脱水素酵素(例えばLDH1〜LDH5等)、グルタミン酸オキザロ酢酸トランスアミナーゼ(例えばASTm,ASTs等)、グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(例えばALTm,ALTs等)、コリンエステラーゼ(例えばChE1〜ChE5等)、ロイシンアミノペプチダーゼ(例えばC−LAP,AA,CAP等)、レニン、プロテインキナーゼ、チロシンキナーゼ等〕及びこれら酵素のインヒビター,ホルモン(例えばPTH,TSH,インシュリン,LH,FSH,プロラクチン等)、レセプター(例えばエストロゲン,TSH等に対するレセプター);リガンド(例えばエストロゲン,TSH等);例えば細菌(例えば結核菌,肺炎球菌,ジフテリア菌,髄膜炎菌,淋菌,ブドウ球菌,レンサ球菌,腸内細菌,大腸菌,ヘリコバクター・ピロリ等)、ウイルス(例えばルベラウイルス,ヘルペスウイルス,肝炎ウイルス,ATLウイルス,AIDSウイルス,インフルエンザウイルス,アデノウイルス,エンテロウイルス,ポリオウイルス,EBウイルス,HAV,HBV,HCV,HIV,HTLV等)、真菌(例えばカンジダ,クリプトコッカス等)、スピロヘータ(例えばレプトスピラ,梅毒トレポネーマ等)、クラミジア、マイコプラズマ等の微生物;当該微生物に由来するタンパク質又はペプチド或いは糖鎖抗原;気管支喘息,アレルギー性鼻炎,アトピー性皮膚炎等のアレルギーの原因となる各種アレルゲン(例えばハウスダスト、例えばコナヒョウダニ,ヤケヒョウダニ等のダニ類、例えばスギ、ヒノキ、スズメノヒエ,ブタクサ,オオアワガエリ,ハルガヤ,ライムギ等の花粉、例えばネコ,イヌ,カニ等の動物、例えば米,卵白等の食物、真菌、昆虫、木材、薬剤、化学物質等に由来するアレルゲン等);脂質(例えばリポタンパク質等);プロテアーゼ(例えばトリプシン,プラスミン,セリンプロテアーゼ等);腫瘍マーカータンパク抗原(例えばPSA,PGI,PGII等);糖鎖抗原〔例えばAFP(例えばL1からL3等)、hCG(hCGファミリー)、トランスフェリン、IgG、サイログロブリン、Decay−accelerating−factor(DAF)、癌胎児性抗原(例えばCEA,NCA,NCA−2,NFA等)、CA19−9、PIVKA−II、CA125、前立腺特異抗原、癌細胞が産生する特殊な糖鎖を有する腫瘍マーカー糖鎖抗原、ABO糖鎖抗原等〕;糖鎖(例えばヒアルロン酸、β−グルカン、上記糖鎖抗原等が有する糖鎖等);糖鎖に結合するタンパク質(例えばヒアルロン酸結合タンパク、βグルカン結合タンパク等);リン脂質(例えばカルジオリピン等);リポ多糖(例えばエンドトキシン等);化学物質(例えばT3,T4,例えばトリブチルスズ,ノニルフェノール,4−オクチルフェノール,フタル酸ジ−n−ブチル,フタル酸ジシクロヘキシル,ベンゾフェノン,オクタクロロスチレン,フタル酸ジ−2−エチルヘキシル等の環境ホルモン);人体に投与・接種される各種薬剤及びこれらの代謝物;アプタマー;核酸結合性物質;及びこれらに対する抗体等が挙げられる。尚、本発明に於いて用いられる抗体には、パパインやペプシン等の蛋白質分解酵素、或いは化学的分解により生じるFab、F(ab’)2フラグメント等の分解産物も包含される。
上記の如き測定対象物質結合物質としては、「抗原」−「抗体」間反応又は「糖鎖−タンパク質」間反応によって測定対象物質又はその類似物質と結合するものが好ましい。具体的には、測定対象物質又は測定対象物質の類似物質に対する抗体、測定対象物質又は測定対象物質の類似物質が結合する抗原、及び測定対象物質又は測定対象物質の類似物質に結合するタンパク質が好ましく、測定対象物質又はその類似物質に対する抗体、及び測定対象物質又はその類似物質に結合するタンパク質が更に好ましい。
本発明の磁性シリカ粒子は、アルギニン又はアルギニン誘導体が固定化されてなるが、このアルギニン誘導体としては公知の種々のアルギニン誘導体を用いることができる。固定化するアルギニン及びアルギニン誘導体の内、非特異反応の低減の観点から好ましいのは、アルギニン、ホモアルギニン、アセチルアルギニン、ヒドロキシアルギニン、アルギニンメチルエステル、アルギニンエチルエステル、アルギニンニトロアニリド、ポリアルギニン、メチルアルギニン、アグマチン及びこれらの塩であり、更に好ましいのはアルギニン、ホモアルギニン、アセチルアルギニン、ヒドロキシアルギニン、ポリアルギニン、アグマチン及びこれらの塩である。
アルギニン及びアルギニン誘導体の塩としては、例えば酢酸塩及び酪酸塩等の有機酸塩並びに塩酸塩及び硫酸塩等の無機酸塩が挙げられる。これらの内、非特異反応の低減の観点から好ましいのは、塩酸塩、酢酸塩及び硫酸塩である。
<一部修正しました>
アルギニン又はアルギニン誘導体を固定化させる方法は、特に限定されないが、例えば磁性シリカ粒子に測定対象物質、測定対象物質の類似物質、又は測定対象物質と特異的に結合する物質を固定化した後に、アルギニン又はアルギニン誘導体を溶解させた水溶液に浸漬して固定化することができる。
アルギニン又はアルギニン誘導体の水溶液(25℃)として、好ましくは0.1〜3.0M、更に好ましくは0.5〜1.5Mである。0.1M以下では非特異反応を抑制する効果は無く、3.0Mを超えると免疫反応を阻害して感度が低下する傾向にある。上記及び以下において、Mは25℃での濃度(モル/リットル)を表す。
また、浸漬して固定化する温度としては、好ましくは4〜50℃、更に好ましくは25℃〜40℃である。4℃以下ではでは非特異反応を抑制する効果は小さく、50℃を超える温度では磁性シリカ粒子にタンパクが固定化されている場合、変性してしまう可能性がある。
アルギニン又はアルギニン誘導体の水溶液は、1種類を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
アルギニン又はアルギニン誘導体を磁性シリカ粒子上に固定化させる部位としては、特に限定されないが、磁性シリカ粒子の表面、測定対象物質の表面、測定対象物質の類似物質の表面及び測定対象物質と特異的に結合する物質の表面が挙げられる。
本発明の免疫測定法は、上記本発明における磁性シリカ粒子を用いて行われる以外はこの分野で通常行われる、文献[例えば、酵素免疫測定法第2版(石川栄治ら編集、医学書院)1982年]記載のサンドイッチ法、競合法及び特開平6−130063号公報記載の測定法に準じて行えばよい。
サンドイッチ法は、例えば、測定対象物質を含む試料と、測定対象物質と特異的に結合する物質(測定対象物質結合物質)とアルギニン又はアルギニン誘導体を表面に固定化した磁性シリカ粒子と、標識物質により標識された測定対象物質結合物質(標識測定対象物質結合物質)とを接触させて、磁性シリカ粒子上に測定対象物質結合物質と測定対象物質と標識測定対象物質結合物質との複合体(標識複合体)を形成させ、該標識複合体をB/F分離して、標識複合体中の標識物質量を測定し、その結果に基づいて試料中の測定対象物質を測定することによりなされる。
具体的には例えば、測定対象物質を含む試料と測定対象物質結合物質とアルギニン又はアルギニン誘導体を表面に固定化した磁性シリカ粒子とを接触させて、磁性シリカ粒子表面に測定対象物質結合物質と測定対象物質との複合体を形成させ、更に該複合体に、標識測定対象物質結合物質を接触させて、磁性シリカ粒子に固定化された測定対象物質結合物質と測定対象物質と標識測定対象物質結合物質との複合体(標識複合体)を形成させ、該標識複合体をB/F分離して、標識複合体中の標識物質量を測定し、その結果に基づいて試料中の測定対象物質を測定すればよい。該方法に於いては、測定対象物質と測定対象結合物質とアルギニン又はアルギニン誘導体が固定化された磁性シリカ粒子とを反応させた後、標識測定対象物質結合物質を反応させているが、標識測定対象物質結合物質と測定対象物質とを反応させた後に測定対象合結合物質とアルギニン又はアルギニン誘導体が固定化された磁性シリカ粒子とを反応させても、これら3つを同時に反応させても構わない。
上記サンドイッチ法におけるB/F分離とは、上記標識複合体と、標識複合体の形成に関与しなかった標識測定対象物質結合物質との分離を意味し、具体的には、磁性シリカ粒子に固定化された測定対象結合物質、磁性シリカ粒子に固定化された測定対象結合物質と測定対象物質との複合体及び上記の標識複合体と、他の成分(試料中の測定対象物質以外の成分、標識複合体の形成に関与しなかった標識測定対象物質結合物質等)との分離を意味する。
また、B/F分離工程は標識複合体の形成後には必須の工程であるが、磁性シリカ粒子表面に測定対象物質結合物質と測定対象物質との複合体を形成させた後においても実施することができる。
競合法としては、測定対象物質を含む試料、標識物質により標識された測定対象物質と特異的に結合する物質(標識測定対象物質結合物質)、及び、測定対象物質又は測定対象物質の類似物質とアルギニン誘導体をその表面に固定化している磁性シリカ粒子とを接触させて、磁性シリカ粒子上に測定対象物質又はその類似物質と標識測定対象物質結合物質との標識複合体を形成させ、該標識複合体を固定化した磁性シリカ粒子をB/F分離して、標識複合体中の標識物質量を測定し、その結果に基づいて試料中の測定対象物質を測定することによりなされる。
具体的には例えば、測定対象物質を含む試料と、標識測定対象物質結合物質と、測定対象物質又はその類似物質とアルギニン又はアルギニン誘導体を固定化した磁性シリカ粒子とを接触させて、標識測定対象物質結合物質に、試料中の測定対象物質と磁性シリカ粒子上の測定対象物質又はその類似物質と競合反応させて、磁性シリカ粒子上に測定対象物質又はその類似物質と標識測定対象物質結合物質との標識複合体を形成させ、該標識複合体を固定化した磁性シリカ粒子をB/F分離して、標識複合体中の標識物質量を測定し、その結果に基づいて試料中の測定対象物質を測定すればよい。該方法に於いては、測定対象物質、標識測定対象物質結合物質、及び測定対象物質又はその類似物質とアルギニン又はアルギニン誘導体を固定化した磁性シリカ粒子を同時に競合反応させているが、測定対象物質と測定対象物質又はその類似物質とアルギニン又はアルギニン誘導体を固定化した磁性シリカ粒子とを接触させた後に、標識測定対象物質結合物質を加えて競合反応させても、測定対象物質と標識測定対象物質結合物質を接触させた後に、測定対象物質又はその類似物質とアルギニン又はアルギニン誘導体を固定化した磁性シリカ粒子を加えて競合反応させてもよい。
上記競合法におけるB/F分離とは、上記標識複合体と、標識複合体の形成に関与しなかった、標識測定対象物質結合物質、及び、標識測定対象物質結合物質と測定対象物質の複合体の分離を意味し、具体的には、測定対象物質又はその類似物質を固定化した磁性シリカ粒子、及び測定対象物質又はその類似物質を固定化した磁性シリカ粒子と標識測定対象物質結合物質との複合体と他の成分(試料中の測定対象物質以外の成分、標識測定対象物質結合物質、測定対象物質の複合体等)との分離を意味する。
また、競合法の別の態様としては、測定対象物質を含む試料と、標識物質により標識された測定対象物質又はその類似物質(標識測定対象物質又はその類似物質)と、測定対象物質結合物質とアルギニン又はアルギニン誘導体を固定化した磁性シリカ粒子とを接触させて、磁性シリカ粒子上に測定対象物質結合物質と標識測定対象物質又はその類似物質との標識複合体とを形成させ、該標識複合体を固定化した磁性シリカ粒子をB/F分離して、標識複合体中の標識物質量を測定し、その結果に基づいて試料中の測定対象物質を測定することによりなされる。
具体的には例えば、測定対象物質を含む試料と、標識測定対象物質又はその類似物質と、測定対象物質結合物質とアルギニン又はアルギニン誘導体を固定化させた磁性シリカ粒子とを接触させて、磁性シリカ粒子上の測定対象物質結合物質に、試料中の測定対象物質と標識測定対象物質又はその類似物質とを競合反応させて、磁性シリカ粒子上に測定対象物質結合物質と標識測定対象物質又はその類似物質との標識複合体とを形成させ、該標識複合体を固定化した磁性シリカ粒子をB/F分離して、標識複合体中の標識物質量を測定し、その結果に基づいて試料中の測定対象物質を測定すればよい。該競合法に於いては、測定対象物質、標識測定対象物質又はその類似物質、及び測定対象物質結合物質とアルギニン又はアルギニン誘導体を固定化させた磁性シリカ粒子を同時に競合反応させているが、測定対象物質と測定対象物質結合物質とアルギニン又はアルギニン誘導体を固定化させた磁性シリカ粒子とを接触させた後に、標識測定対象物質又はその類似物質を加えて競合反応させても、標識測定対象物質又はその類似物質と測定対象物質結合物質とアルギニン又はアルギニン誘導体を固定化させた磁性シリカ粒子とを接触させた後に、測定対象物質を加えて競合反応させてもよい。
上記競合法におけるB/F分離とは、上記標識複合体と、標識複合体の形成に関与しなかった標識測定対象物質又はその類似物質との分離を意味し、具体的には、測定対象物質結合物質を固定化させた磁性シリカ粒子、測定対象物質結合物質を固定化させた磁性シリカ粒子と測定対象物質との複合体、及び測定対象物質結合物質を固定化させた磁性シリカ粒子と標識測定対象物質又はその類似物質の複合体と、他の成分(試料中の測定対象物質以外の成分、標識複合体の形成に関与しなかった標識測定対象物質又はその類似物質等)との分離を意味する。B/F分離工程は標識複合体の形成後には必須の工程であるが、測定対象物質と測定対象物質結合物質を固定化させた磁性シリカ粒子とを接触させた後においても実施することができる。
また、測定対象物質が酵素の場合には、上記サンドイッチ法や競合法以外の酵素活性方法を用いる方法、例えば、測定対象物質を含む試料と、測定対象物質結合物質(例えば、抗体等の酵素と結合し得る物質)とアルギニン又はアルギニン誘導体を表面に固定化した磁性シリカ粒子とを接触させて、磁性シリカ粒子上に酵素と測定対象物質結合物質との複合体を形成させ、複合体を固定化した磁性シリカ粒子をB/F分離した後、酵素の種類に応じた基質、又は酵素の種類に応じた基質及び発色剤、要すれば更に共役酵素を添加し、その基質の変化又は発色剤の発色結果に基づいて試料中の酵素量を測定する方法により、測定してもよい。尚、基質、発色剤、共役酵素は、公知のものを用いればよく、例えば酵素がペルオキシダーゼの場合には、過酸化水素とルミノール発光試薬等を用いればよい。これらの使用量も通常この分野で用いられる範囲であればよい。上記方法におけるB/F分離とは、測定対象物質と測定対象物質結合物質とアルギニン又はアルギニン誘導体を固定化させた磁性シリカ粒子との複合体と、その他の成分(試料中の測定対象物質以外の成分等)との分離を意味する。
本発明の免疫測定法において、試料、磁性シリカ粒子、標識された測定対象物質結合物質、標識測定対象物質又はその類似物質等を接触させる方法としては、通常なされる撹拌、混合等の処理により、磁性シリカ粒子が分散されればよい。反応時間は、測定対象物質、用いられる測定対象物質結合物質、サンドイッチ法、競合法等の違いに応じて適宜設定されればよいが、通常1〜15分、好ましくは3〜7分である。
本発明の免疫測定法におけるB/F分離は、例えば、磁性シリカ粒子の磁性を利用し、反応槽の外側等から磁石等により磁性シリカ粒子を集めて、反応液を排出し、洗浄液を加えた後、磁石を取り除き、磁性シリカ粒子を混合して分散させ、洗浄することによりなされる。上記操作を1〜3回繰り返してもよい。洗浄液としては、通常この分野で用いられるものであれば特に限定はされない。
測定対象物質結合物質、測定対象物質又はその類似物質等を標識するために用いられる標識物質としては、例えば酵素免疫測定法(EIA)に於いて用いられるアルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、ペルオキシダーゼ、マイクロペルオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコース−6−リン酸脱水素酵素、リンゴ酸脱水素酵素、ルシフェラーゼ、チロシナーゼ、酸性ホスファターゼ等の酵素類、例えば放射免疫測定法(RIA)に於いて用いられる99mTc、131I、125I、14C、3H、32P等の放射性同位元素、例えば蛍光免疫測定法(FIA)に於いて用いられるフルオレセイン、ダンシル、フルオレスカミン、クマリン、ナフチルアミン或いはこれらの誘導体、グリーン蛍光タンパク質(GFP)等の蛍光性物質、例えばルシフェリン、イソルミノール、ルミノール、ビス(2,4,6−トリフロロフェニル)オキザレート等の発光性物質、例えばフェノール、ナフトール、アントラセン或いはこれらの誘導体等の紫外部に吸収を有する物質、例えば4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、3−アミノ−2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−1−オキシル、2,6−ジ−t−ブチル−α−(3,5−ジ−t−ブチル−4−オキソ−2,5−シクロヘキサジエン−1−イリデン)−p−トリオキシル等のオキシル基を有する化合物に代表されるスピンラベル化剤としての性質を有する物質等が挙げられる。
これらの内、感度等の観点から、酵素、蛍光性物質が好ましく、更に好ましいのはアルカリホスファターゼ、ペルオキシダーゼ及びグルコースオキシダーゼであり、特に好ましいのはペルオキシダーゼである。
上記した如き標識物質を測定対象物質結合物質、測定対象物質又はその類似物質等に結合させるには、通常この分野で用いられる方法、例えば自体公知のEIA、RIA或はFIA等に於いて一般に行われている自体公知の標識方法[例えば、医化学実験講座、第8巻、山村雄一監修、第1版、中山書店、1971;図説 蛍光抗体、川生明著、第1版、(株)ソフトサイエンス社、1983;酵素免疫測定法、石川栄治、河合忠、室井潔編、第2版、医学書院、1982等]等を利用すればよい。
標識物質の使用量は、用いる標識物質の種類により異なるため一概には言えないが、例えばペルオキシダーゼを標識物質として使用する場合には、測定対象物質結合物質と標識物質とを、例えば通常1:1〜20のモル比、好ましくは1:1〜10のモル比、更に好ましくは1:1〜2のモル比となるように、例えばトリス緩衝液、リン酸緩衝液、ベロナール緩衝液、ホウ酸緩衝液、グッド緩衝液等の通常この分野で用いられている緩衝液中に含有させて用いればよい。尚、当該緩衝液としては、通常この分野で用いられている、例えばトリス緩衝液、リン酸緩衝液、ベロナール緩衝液、ホウ酸緩衝液、グッド緩衝液等が挙げられ、そのpHは、抗原抗体反応を抑制しない範囲であればよく、通常5〜9である。また、このような緩衝液中には、目的の抗原抗体反応を阻害しないものであれば、例えばアルブミン、グロブリン、水溶性ゼラチン、ポリエチレングリコール等の安定化剤、界面活性剤、糖類等を含有させておいてもよい。
標識物質又はその活性の測定方法としては、放射免疫測定法(RIA)、酵素免疫測定法(EIA)、蛍光免疫測定法(FIA)及び化学発光免疫測定法(CLIA及びCLEIA)が挙げられ、短時間での免疫測定における感度の観点から好ましいのはEIA、CLIA及びCLEIAであり、更に好ましいのはCLEIAである。
本願発明における測定方法は、例えばサンドイッチ法でPSAを測定する場合、以下のようにして行えばよい。
即ち、例えばPSAを含む試料10〜25μLと例えば本発明における抗PSA抗体とアルギニン又はアルギニン誘導体を固定化させた磁性シリカ粒子を0.2〜2mg/mL含むリン酸緩衝液等の緩衝液(磁性シリカ粒子を含有する試薬)40〜50μLとを反応槽に添加し、該反応溶液を攪拌し、磁性シリカ粒子を分散させて、磁性シリカ粒子上に固定化されている抗PSA抗体とPSAとを接触、反応させ、複合体を形成させる。次いで、例えば反応槽の外側から磁石等により磁性シリカ粒子を集め、反応液を排出し、生理食塩水等の洗浄液を添加する。その後、磁石を取り除き、該磁性シリカ粒子を分散させて洗浄する。この操作は、1〜3回繰り返してもよい。尚、この洗浄操作は、試料又は磁性シリカ粒子を含有する試薬を残したまま、西洋ワサビ由来等ペルオキシダーゼ(以下PODと略記)標識された抗PSA抗体(以下標識試薬と略記)を添加して反応させる場合には、この洗浄操作を省略しても構わない。その後、例えば標識試薬を加え、該反応溶液を攪拌し、磁性シリカ粒子を分散させて、POD標識された抗PSA抗体と上記複合体とを反応結合させる。次いで、上記の洗浄と同様にして生理食塩水等の洗浄液を加えて分散させて洗浄を行う。最後に例えばルミノール及び過酸化水素を加え、化学発光計にて1秒間の化学発光積算量を測定し、該測定値を基に試料中のPSA量を算出する。尚、この場合には予め規定のPSA含有溶液を試料として上記と同様の操作により作られたPSA量と1秒間の化学発光積算量との関係を示す検量線等を用いることで容易に試料中のPSA量を算出し得る。
本発明の免疫測定用試薬は、上記本発明における磁性シリカ粒子を含んでなるものであり、上記測定方法に用いられるものである。具体的には、例えば、本発明における磁性シリカ粒子を含む緩衝液等が挙げられ、該緩衝液としては、免疫測定等に通常用いられる緩衝液が好ましく挙げられ、例えば1,4−ピペラジンジエタンスルホン酸/水酸化ナトリウム緩衝液、MOPS[3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸]/水酸化ナトリウム緩衝液、トリエタノールアミン/塩酸緩衝液及びPBS(リン酸緩衝液)等が挙げられる。
磁性シリカ粒子の量は、特に限定されず、用いられる測定対象物質結合物質又は測定対象物質の類似物質の種類、測定対象物質の種類等により適宜選択できる。
本発明における免疫測定用試薬は、本発明における磁性シリカ粒子が緩衝液に分散された形態であることが好ましい。
本発明の免疫測定用試薬は、本発明における磁性シリカ粒子を含有する試薬以外に、標識物質により標識された測定対象物質と特異的に結合する物質、或いは、標識物質により標識された、測定対象物質又はその類似物質を含有する試薬(以下、標識試薬と略記する場合がある)を含んでいてもよい。該標識物質は、上記本発明の測定方法の項で記載したものと同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
標識試薬には、標識物質により標識された測定対象物質と特異的に結合する物質、或いは、標識物質により標識された、測定対象物質又はその類似物質以外に緩衝液等を含むことができる。標識試薬に使用される緩衝液としては、免疫測定に通常用いられる緩衝液が好ましく、例えば、上述の磁性シリカ粒子を含む試薬に使用される緩衝液と同様のものが挙げられ、緩衝液中の緩衝剤の濃度も上述の磁性シリカ粒子を含む試薬に使用される場合と同様である。
本発明の免疫測定用試薬は、本発明における磁性シリカ粒子を含有する試薬、及び、標識試薬以外に、化学発光試薬を含んでいてもよく、該化学発光試薬は、上記の標識物質に基づき選択され、例えば、標識物質がPODである場合、2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオン化合物及び化学発光増強剤を必須構成成分としてなる化学発光試薬第1液と、酸化剤及び水を必須構成成分としてなる化学発光試薬第2液とを含んでなる。
2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオン化合物としては、例えば、特開平2−291299号公報、特開平10−319015号公報及び特開2000−279196号公報等に記載の公知の2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオン化合物及びこれらの混合物等が使用できる。
これらの内、ルミノール、イソルミノール、N−アミノヘキシル−N−エチルイソルミノール(AHEI)、N−アミノブチル−N−エチルイソルミノール(ABEI)及びこれらの金属塩(アルカリ金属塩等)が好ましく、更に好ましいのはルミノール及びその金属塩、特に好ましいのはルミノールのナトリウム塩である。
化学発光増強剤としては、例えば、特開昭59−500252号公報、特開昭59−171839号公報及び特開平2−291299号公報等に記載の公知の化学発光増強剤及びこれらの混合物等が使用できる。これらの内、化学発光増強効果等の観点から、フェノールが好ましく、更に好ましいのはP−ヨードフェノール、4−(シアノメチルチオ)フェノール及び4−シアノメチルチオ−2−クロロフェノール、特に好ましいのは4−(シアノメチルチオ)フェノールである。
化学発光試薬第1液は、液体であることが好ましく、また、酵素の蛍光強度の観点からはアルカリ性であることが好ましい。第1液のpHは、7〜11が好ましく、更に好ましくは8〜10である。尚、pHは、JIS K0400−12−10:2000に準拠して測定される(測定温度25℃)。
化学発光試薬第2液が含有する酸化剤としては、例えば、特開平8−261943号公報及び特開2000−279196号公報等に記載の公知の酸化剤等[無機の過酸化物(過酸化水素、過ホウ酸ナトリウム及び過ホウ酸カリウム等)、有機過酸化物(過酸化ジアルキル及び過酸化アシル等)、ペルオクソ酸化合物(ペルオクソ硫酸及びペルオクソリン酸等)等]の水溶液が挙げられる。
これらの内、保存安定性等の観点から、過酸化水素水溶液、過ホウ酸ナトリウム水溶液及び過ホウ酸カリウム水溶液が好ましく、更に好ましいのは過酸化水素水溶液である。
以下、実施例により、本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下において部は重量部を示す。
以下の操作により、磁性シリカ粒子を含有する試薬(アルギニン又はアルギニン誘導体を固定化した抗PSA抗体結合磁性シリカ粒子試薬)、標識試薬(POD標識抗PSA抗体試薬)、化学発光試薬第1液及び化学発光試薬第2液から構成される本発明の免疫測定試薬(S1)を得た。
実施例1
磁性シリカ粒子の製造:
反応容器に塩化鉄(III)6水和物2.7部、塩化鉄(II)4水和物1.0部及び水375部を仕込んで溶解させて50℃に昇温し、攪拌下温度を50〜55℃の保持しながら、25重量%アンモニア水3.8部と水100部を混合した溶液を1時間かけて滴下し、滴下後1時間攪拌し、80℃に昇温後、オレイン酸10.5部加え、2時間攪拌を継続した。室温に冷却後、デカンテーションにより固液分離して得られたオレイン酸が吸着したマグネタイト粒子を水50部で洗浄する操作を4回行った。得られたオレイン酸が吸着したマグネタイト粒子を容器に仕込み、デカン5.7部及びテトラエトキシシラン2.2部を加えて混合し、分散液(A)を調製した。
反応容器に25重量%アンモニア水溶液39.0部、イソプロパノール55.4部、ソルビタンモノオレエート2.9部(三洋化成工業株式会社製「イオネットS−80」)及びポリオキシエチレン(付加モル数20モル)アルキルエーテル(三洋化成工業株式会社製「エマルミン200」)2.0部を加えてヒストコロンNS−56S(マイクロテック・ニチオン社製)を用いて混合し、50℃に昇温後、ヒストコロンの回転数6,000rpmで攪拌しながら、上記分散液(A)を1時間かけて滴下後、50℃で1時間反応させた。反応後、2,000rpmで5分間遠心分離して微粒子の存在する上清を除いた。得られた固相に水50部を加えて粒子を分散させて1,000rpmで10分間遠心分離後、微粒子の存在する上清を除く操作を10回行った。続いて、得られた固相に水50部を加えて粒子を分散させて500rpmで5分間遠心分離することにより、大きな粒子径の粒子を沈降させて目的とする粒子径を有する粒子を含有する上清(1)を回収した。残った固相に水50部を加えて500rpmで5分間遠心分離後、上清(2)を回収する操作を2回行い、固相中に存在する目的とする粒子径を有する粒子を回収した。次に、上清(1)及び(2)について、磁石を用いて粒子を集磁し、集磁された粒子を80℃で8時間乾燥させて磁性シリカ粒子を得た。
磁性シリカ粒子を含有する試薬の作製:
1重量%γ−アミノプロピルトリエトキシシラン含有アセトン溶液40mLの入った蓋付きポリエチレン瓶に製造した磁性シリカ粒子40mgを加え、25℃で1時間反応させ、ネオジウム磁石で磁性シリカ粒子を集磁後、液をアスピレーターで吸引除去した。次いで脱イオン水40mLを加えて蓋をし、ポリスチレン瓶をゆっくりと2回倒置攪拌した後、ネオジウム磁石で磁性シリカ粒子を集磁後、液をアスピレーターで吸引除去して磁性シリカ粒子を洗浄した。この洗浄操作を5回行った。次いで、この洗浄後の磁性シリカ粒子を2重量%グルタルアルデヒド含有水溶液40mLの入った蓋付きポリエチレン瓶に加え、25℃で1時間反応させた。そして、脱イオン水40mLを加えて蓋をし、ポリスチレン瓶をゆっくりと2回倒置攪拌したのち、ネオジウム磁石で磁性シリカ粒子を集磁後、液をアスピレーターで吸引除去して磁性シリカ粒子を洗浄した。この洗浄操作を10回行った。更にこの洗浄後の磁性シリカ粒子を抗PSAモノクローナル抗体(ダコジャパン社製)10μg/mLの濃度で含む0.02Mリン酸緩衝液(pH8.7)120mLの入った蓋付きポリエチレン瓶に加え、25℃で1時間反応させた。反応後、ネオジウム磁石で磁性シリカ粒子を集磁後、抗PSAモノクローナル抗体含有リン酸緩衝液を除去した。次いで、磁性シリカ粒子を1重量%のカゼイン含有の0.02Mリン酸緩衝液(pH7.0)40mLの入った蓋付きポリエチレン瓶に加え、25℃で12時間浸漬させたのち、ネオジウム磁石でシリカ粒子を集磁後、1重量%のカゼイン含有のリン酸緩衝液を除去した。これにアルギニン一塩酸塩[和光純薬工業(株)製]0.5M含有の0.02Mリン酸緩衝液(pH7.0)40mLを加え、25℃で12時間浸漬した。浸漬後、ネオジウム磁石で磁性シリカ粒子を集磁後、アルギニン一塩酸塩含有リン酸緩衝液を除去した。更に、1重量%のカゼイン含有の0.02Mリン酸緩衝液(pH7.0)で、アルギニン又はアルギニン誘導体を固定化した抗PSA抗体結合磁性シリカ粒子濃度として1.0mg/mLの濃度に希釈し、磁性シリカ粒子を含有する試薬を調製し、冷蔵(2〜10℃)で保存した。
標識試薬の作製:
抗PSAモノクローナル抗体(ダコジャパン社製)、西洋ワサビ由来POD(東洋紡製)を用い、文献(エス・ヨシタケ、エム・イマガワ、イー・イシカワ、エトール;ジェイ.バイオケム,Vol.92,1982,1413−1424)に記載の方法でPOD標識抗PSA抗体を調製した。これを1重量%の牛血清アルブミン含有の0.02Mリン酸緩衝液(pH7.0)で、POD標識抗PSA抗体濃度として100nMの濃度に希釈し、標識試薬を調製し、冷蔵(2〜10℃)で保存した。
化学発光試薬第1液の調製:
ルミノールのナトリウム塩[シグマ アルドリッチ ジャパン(株)製]0.7g及び4−(シアノメチルチオ)フェノール0.1gを1,000mLメスフラスコに仕込んだ。3−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]プロパンスルホン酸/水酸化ナトリウム緩衝液(10mM、pH8.6)を溶液の容量が1,000mLになるように仕込み、25℃で均一混合して化学発光試薬第1液を調製した。測定に用いるまで冷蔵(2〜10℃)保存した。
化学発光試薬第2液の調製:
1,000mL及び過酸化水素[和光純薬工業(株)製、試薬特級、濃度30重量%]6.6gを1,000mLメスフラスコに仕込んだ。脱イオン水を溶液の容量が1,000mLになるように仕込み、25℃で均一混合して化学発光試薬第2液を調製した。測定に用いるまで冷蔵(2〜10℃)保存した。
実施例2
乳化の際のヒストコロンの回転数を6,000rpmから7,500rpmに変更した以外は、実施例1と同様にして免疫測定試薬(S2)を得た。
実施例3
マグネタイト粒子作製時における25重量%アンモニア水3.8部と混合する水の量を100部から33.8部、テトラエトキシシランの仕込量を2.2部から0.5部に変更した以外は、実施例1と同様にして免疫測定試薬(S3)を得た。
実施例4
磁性シリカ粒子を含有する試薬の作製におけるアルギニン一塩酸塩0.5Mをアルギニン[シグマ アルドリッチ ジャパン(株)製]0.5Mに変更した以外は、実施例1と同様にして免疫測定試薬(S4)を得た。
実施例5
磁性シリカ粒子を含有する試薬の作製におけるアルギニン一塩酸塩0.5Mをホモアルギニン塩酸塩[シグマ アルドリッチ ジャパン(株)製]0.5Mに変更した以外は、実施例1と同様にして免疫測定試薬(S5)を得た。
実施例6
磁性シリカ粒子を含有する試薬の作製におけるアルギニン一塩酸塩0.5Mをアセチルアルギニン[シグマ アルドリッチ ジャパン(株)製]0.5Mに変更した以外は、実施例1と同様にして免疫測定試薬(S6)を得た。
実施例7
磁性シリカ粒子を含有する試薬の作製におけるアルギニン一塩酸塩0.5Mをヒドロキシアルギニン酢酸塩[シグマ アルドリッチ ジャパン(株)製]0.5Mに変更した以外は、実施例1と同様にして免疫測定試薬(S7)を得た。
実施例8
磁性シリカ粒子を含有する試薬の作製におけるアルギニン一塩酸塩0.5Mをアルギニンメチルエステル二塩酸塩(東京化成工業株式会社製)0.5Mに変更した以外は、実施例1と同様にして免疫測定試薬(S8)を得た。
実施例9
磁性シリカ粒子を含有する試薬の作製におけるアルギニン一塩酸塩0.5Mをアルギニンエチルエステル二塩酸塩[シグマ アルドリッチ ジャパン(株)製]に変更した以外は、実施例1と同様にして免疫測定試薬(S9)を得た。
実施例10
磁性シリカ粒子を含有する試薬の作製におけるアルギニン一塩酸塩0.5Mをアルギニンニトロアニリド二塩酸塩[シグマ アルドリッチ ジャパン(株)製]0.5Mに変更した以外は、実施例1と同様にして免疫測定試薬(S10)を得た。
実施例11
磁性シリカ粒子を含有する試薬の作製におけるアルギニン一塩酸塩0.5Mをポリアルギニン塩酸塩[シグマ アルドリッチ ジャパン(株)製]0.5Mに変更した以外は、実施例1と同様にして免疫測定試薬(S11)を得た。
実施例12
磁性シリカ粒子を含有する試薬の作製におけるアルギニン一塩酸塩0.5Mをメチルアルギニン酢酸塩[シグマ アルドリッチ ジャパン(株)製]0.5Mに変更した以外は、実施例1と同様にして免疫測定試薬(S12)を得た。
実施例13
磁性シリカ粒子を含有する試薬の作製におけるアルギニン一塩酸塩0.5Mをアグマチン硫酸塩[シグマ アルドリッチ ジャパン(株)製]0.5Mに変更した以外は、実施例1と同様にして免疫測定試薬(S13)を得た。
比較例1
500rpmで5分間遠心分離することから、300rpmで3分間遠心分離することに変更した以外は、実施例1と同様にして免疫測定試薬(H1)を得た。
比較例2
テトラエトキシシランの仕込量を0.5部から8.0部に代え、乳化の際のヒストコロンの回転数を6,000rpmから7,500rpmに変更した以外は、実施例3と同様にして免疫測定試薬(H2)を得た。
比較例3
100部の硫酸第一鉄を1,000部の水に溶解し、攪拌下、水500部に水酸化ナトリウム28.8部を溶解した水溶液を1時間かけて滴下後、攪拌しながら、85℃まで昇温して空気を懸濁液に吹き込み8時間酸化し、遠心分離することにより得られたマグネタイト粒子2.2部をデカン5.7部及びテトラエトキシシラン2.2部と混合して分散液(B)を得た。分散液(A)を分散液(B)に代える以外は、実施例2と同様にして免疫測定試薬(H3)を得た。
比較例4
アルギニン一塩酸塩500mM含有の0.02Mリン酸緩衝液(pH7.0)を生理食塩水に変更した以外は、実施例1と同様にして免疫測定試薬(H4)を得た。
得られた試薬(S1)〜(S13)及び(H1)〜(H4)を用いて、以下の方法により短時間での免疫測定における洗浄性及び感度を評価した結果を表1に示す。また、以下に示す方法で超常磁性金属酸化物の平均粒子径、磁性シリカ粒子の平均粒子径、超常磁性金属酸化物の含有量を測定し、集磁性、再分散性及び再凝集性を評価した結果を併せて表1に示す。
<本発明の試薬を用いた短時間での免疫測定における非特異反応及び感度の評価方法>
磁性シリカ粒子を含有する試薬0.025mLとウマ血清で調製したPSA濃度が0.01ng/mLの標準PSA液0.025mLを試験管に入れて混合し、試験管中で37℃3分間反応させ、アルギニン又はアルギニン誘導体を固定化した抗PSA抗体結合磁性シリカ粒子/PSA複合体を形成させた。反応後、試験管の外側からネオジウム磁石で磁性シリカ粒子を10秒間集め、試験管中の液をアスピレーターで除き、ネオジウム磁石を側面から十分に離し、生理食塩水0.5mLを加えて磁性シリカ粒子を分散させて集磁後、アスピレーターで液を除く洗浄操作を3回行った。
続いて、標識試薬0.025mLを試験管に注入し、試験管中で37℃3分間反応させ、アルギニン又はアルギニン誘導体を固定化した抗PSA抗体結合磁性シリカ粒子/PSA/POD標識抗PSA抗体複合体を形成させた。反応後、試験管の外側からネオジウム磁石で磁性シリカ粒子を10秒間集め、試験管中の液をアスピレーターで除き、ネオジウム磁石を側面から十分に離し、生理食塩水0.5mLを加えて磁性シリカ粒子を分散させて集磁後、アスピレーターで液を除く洗浄操作を2回行った。
最後に、化学発光試薬第1液0.07mLと化学発光試薬第2液0.07mLとを同時に加え、37℃で43秒間発光反応させ、化学発光試薬を添加後43〜45秒の平均発光量をルミノメーター[ベルトールドジャパン社製「Lumat LB9507」]で測定した。尚、PSA濃度が0.1ng/mLの標準PSA液の代わりにPSA濃度が0ng/mLの標準PSA液を使用して上記と同様の操作を行いバックグラウンドとして用いた。
非特異反応については、PSA濃度が0ng/mLの標準溶液を用いて免疫測定を行った場合の平均発光量から以下の基準で判定した。
○:10,000cps未満
△:10,000cps以上かつ25,000cps未満
×:25,000cps以上
感度については、PSA濃度が0ng/mLと0.01ng/mLの標準溶液を用いた免疫測定を行った場合の発光量の差から以下の基準で判定した。
○:2,500cps以上
△:1,000cps以上かつ2,500cps未満
×:1,000cps未満
<超常磁性金属酸化物の平均粒子径の測定方法>
任意の200個の超常磁性金属酸化物について、走査型電子顕微鏡で観察して粒子径を測定し、その平均値を平均粒子径とした。
<磁性シリカ粒子の平均粒子径の測定方法>
任意の200個の磁性シリカ粒子について、走査型電子顕微鏡で観察して粒子径を測定し、その平均値を平均粒子径とした。
<磁性シリカ粒子中の超常磁性金属酸化物の含有量の測定方法>
任意の20個の磁性シリカ粒子について、走査型電子顕微鏡で観察し、エネルギー分散型X線分光装置により超常磁性金属酸化物の含有量を測定してその平均値を含有量とした。
<磁性シリカ粒子の集磁性の評価方法>
1.0mgの磁性シリカ粒子を2mLのイオン交換水に分散させ、口内径×胴径×全高=φ10.3mm×φ12.0mm×35mmのガラス容器に入れ、1cm×1cm×1cmのネオジウム磁石を側面につけ、初期吸光度が20%となるまでの時間を測定し、以下の基準で判定した。
○:15秒未満
△:15秒以上かつ30秒未満
×:30秒以上
<磁性シリカ粒子の再分散性の評価方法>
1.0mgの磁性粒子シリカ粒子を2mLのイオン交換水に分散させ、口内径×胴径×全高=φ10.3mm×φ12.0mm×35mmのガラス容器に入れ、1cm×1cm×1cmのネオジウム磁石を側面につけて、磁性シリカ粒子を完全に集磁し、上清を除去し、ネオジウム磁石を側面から十分に離し、2mLのイオン交換水を磁性シリカ粒子に噴きつけながら加え、3回のピペッティングにより混合した後、10秒以内に顕微鏡で観察し、視野内の全粒子数に対する凝集した粒子数の割合を算出して以下の基準で再分散性判定した。
○:凝集粒子が5%未満
△:凝集粒子が5%以上かつ20%未満
×:凝集粒子が20%以上
<磁性シリカ粒子の再凝集性の評価方法>
3回のピペッティングによる混合後、顕微鏡で観察するまでの時間を10秒以内から5分に代える以外は上記再分散性の評価方法と同様にして、視野内の全粒子数に対する凝集した粒子数の割合を算出して以下の基準で判定した。
○:凝集粒子が5%未満
△:凝集粒子が5%以上かつ20%未満
×:凝集粒子が20%以上
Figure 0005844195
本発明の磁性シリカ粒子は磁気特性及び集磁後の粒子の再分散性が優れることから、本発明の磁性シリカ粒子を用いた免疫測定方法は、簡便且つ短時間に高感度で測定対象物質を測定することができるため、放射免疫測定法、酵素免疫測定法、蛍光免疫測定法及び化学発光免疫測定法等の臨床検査に幅広く適用できる。また、本発明の試薬は、上記測定方法に用いるのに適したものであり、同様に、放射免疫測定法、酵素免疫測定法、蛍光免疫測定法及び化学発光免疫測定法等の臨床検査薬として用いることができる。

Claims (8)

  1. 平均粒子径が1〜15nmの超常磁性金属酸化物を60〜95重量%含有する磁性シリカ粒子であって、該磁性シリカ粒子表面をTi酸化物で被覆されていない磁性シリカ粒子の表面に、測定対象物質、測定対象物質の類似物質、又は測定対象物質と特異的に結合する物質を固定化し、更にアルギニン、アルギニンの塩、又はホモアルギニン、アセチルアルギニン、ヒドロキシアルギニン、アルギニンメチルエステル、アルギニンエチルエステル、アルギニンニトロアニリド、ポリアルギニン、メチルアルギニン、アグマチン及びこれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも1種を固定化させてなることを特徴とする磁性シリカ粒子。
  2. 測定対象物質、測定対象物質の類似物質、又は測定対象物質と特異的に結合する物質が固定化される前の前記磁性シリカ粒子の表面にグルタルアルデヒド、アルブミン、カルボジイミド、ストレプトアビジン、ビオチン及び官能基を有するアルキルアルコキシシランからなる群から選ばれる少なくとも1種の有機化合物を結合させてなる請求項記載の磁性シリカ粒子。
  3. 磁性シリカ粒子の平均粒子径が1〜5μmである請求項1又は2記載の磁性シリカ粒子。
  4. 超常磁性金属酸化物が酸化鉄である請求項請求項1〜のいずれか記載の磁性シリカ粒子。
  5. 酸化鉄がマグネタイト、γ−ヘマタイト、マグネタイト−α−ヘマタイト中間酸化鉄及びγ−ヘマタイト−α−ヘマタイト中間酸化鉄からなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化鉄である請求項記載の磁性シリカ粒子。
  6. 測定対象物質と特異的に結合する物質が、測定対象物質若しくは測定対象物質の類似物質に対する抗体、測定対象物質若しくは測定対象物質の類似物質が結合する抗原、又は測定対象物質若しくは測定対象物質の類似物質に結合するタンパク質である請求項1〜のいずれか記載の磁性シリカ粒子。
  7. 請求項1〜のいずれか記載の磁性シリカ粒子を用いることを特徴とする免疫測定法。
  8. 請求項1〜のいずれか記載の磁性シリカ粒子を用いることを特徴とする免疫測定用試薬。
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