JP2019052905A - 免疫測定方法、免疫測定用試薬及びこれを含む免疫測定用キット - Google Patents

免疫測定方法、免疫測定用試薬及びこれを含む免疫測定用キット Download PDF

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祥 赤羽
大仁 誉田
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Abstract

【課題】測定対象物質と標識結合物質との反応効率をさらに高め、感度及び再現性が極めて高い免疫測定方法並びに感度及び再現性が高い免疫測定を可能とする免疫測定用試薬及び免疫測定用キットを提供することを目的とする。【解決手段】非イオン性界面活性剤(M1)及び非イオン性界面活性剤(M2)の存在下で物質(X)に標識結合物質(A)を免疫反応させる免疫測定方法であって、(M1)のHLBが8以上13未満であり、(M2)のHLBが13以上20以下であり、(M2)の重量に対する(M1)の重量比率{(M1)/(M2)}が0.0001〜0.9である免疫測定方法。【選択図】なし

Description

本発明は、免疫測定方法、免疫測定用試薬及びこれを含む免疫測定用キットに関する。
免疫学的分析方法(免疫測定方法)は、臨床検査において血液や髄液などの各種体液、便や尿などの排泄物、各種組織の抽出液などの生体試料中の微量物質の測定で広く普及している。免疫測定方法としては、RIA法、EIA法、免疫比濁法、ラテックス凝集法、金属コロイド凝集法、イムノクロマト法等多くの方法が知られている。何れの免疫測定方法においても、測定感度を向上させることが重要な課題である。
免疫測定法の測定感度を向上させる方法として、特許文献1には、抗原又は抗体等の測定対象物質との免疫反応をHLBが12〜20の界面活性剤の存在下で行うことにより、非特異反応の発生を抑制し、測定感度を向上させる技術が開示されている。
特開2014−209113号公報
本発明は、測定対象物質と標識結合物質との免疫反応の感度及び再現性が極めて高い免疫測定方法並びに感度及び再現性が高い免疫測定を可能とする免疫測定用試薬及び免疫測定用キットを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果本発明に到達した。
すなわち、本発明は、非イオン性界面活性剤(M1)及び非イオン性界面活性剤(M2)の存在下で物質(X)に標識結合物質(A)を免疫反応させる免疫測定方法であって、(M1)のHLBが8以上13未満であり、(M2)のHLBが13以上20以下であり、(M2)の重量に対する(M1)の重量比率{(M1)/(M2)}が0.0001〜0.9である免疫測定方法;水性溶媒(S)、標識結合物質(A)、非イオン性界面活性剤(M1)及び非イオン性界面活性剤(M2)を含有する免疫測定用試薬であって、(M1)のHLBが8以上13未満であり、(M2)のHLBが13以上20以下であり、免疫測定用試薬中の(M2)の重量に対する(M1)の重量比率{(M1)/(M2)}が0.0001〜0.9である免疫測定用試薬;該免疫測定用試薬を含む免疫測定用キットである。
本発明の免疫測定方法は、感度及び再現性が極めて高い。また、本発明の免疫測定用試薬を標識試薬として用いれば、感度及び再現性が極めて高い免疫測定を行うことができる。
<免疫測定方法>
本発明の免疫測定方法は、非イオン性界面活性剤(M1)及び非イオン性界面活性剤(M2)の存在下で物質(X)に標識結合物質(A)を免疫反応させる免疫測定方法であって、(M1)のHLBが8以上13未満であり、(M2)のHLBが13以上20以下であり、(M1)と(M2)との重量比{(M1)/(M2)}が0.0001〜0.9である免疫測定方法である。
本発明の免疫測定方法では、非イオン性界面活性剤(M1)及び非イオン性界面活性剤(M2)の存在下で免疫反応させる。
(M1)は、HLBが8以上13未満の非イオン性界面活性剤であり、(M2)はHLBが13以上20以下の非イオン性界面活性剤である。
本発明において、「HLB」とは、親水性と親油性のバランスを示す指標であって、小田法として知られているものであり、グリフィン法ではない。計算方法は、例えば「界面活性剤入門」〔2007年三洋化成工業株式会社発行、藤本武彦著〕212−213頁に記載されている。
HLB値は有機化合物の有機性の値と無機性の値との比率から下記式により計算することができる。
HLB=10×無機性/有機性
本発明においては、HLBが異なる(M1)と(M2)とを併用することにより物質(X)と標識結合物質(A)との反応効率が高くなり、感度及び再現性を極めて高くすることができる。
本発明において、非イオン性界面活性剤(M1)及び(M2)としては、炭素数5〜20の脂肪族モノアルコールのアルキレンオキサイド付加物(m1)、炭素数2〜20の脂肪族多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物(m2)、炭素数6〜15の芳香族アルコールのアルキレンオキサイド付加物(m3)及び炭素数7〜26の芳香脂肪族アルコールのアルキレンオキサイド付加物(m4)が含まれ、反応液中での分散性の観点から、(m1)及び(m2)が好ましい。
なお、(M1)及び(M2)はそれぞれ1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(m1)において、炭素数5〜20の脂肪族アルコールとしては、直鎖又は分岐の飽和又は不飽和の脂肪族アルコールが含まれ、具体的には、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール及びオレイルアルコール等が挙げられる。
(m1)において、脂肪族アルコールとしては、溶解性の観点から、炭素数8〜18の直鎖の飽和又は不飽和の脂肪族アルコールが好ましく、さらに好ましくは炭素数10〜18の直鎖の飽和又は不飽和の脂肪族アルコールであり、最も好ましくは炭素数14〜18の直鎖の飽和又は不飽和の脂肪族アルコールである。
アルキレンオキサイド(以下、AOと略記する)としては、炭素数2〜4のものが含まれ、具体的には、エチレンオキサイド(以下、EOと略記する)、1,2−プロピレンオキサイド(以下、POと略記する)、1,3−プロピレンオキサイド、1,2、1,3−又は1,4−ブチレンオキサイド等が挙げられる。
アルキレンオキサイドとしては、EO及び/又はPOが好ましい。
AOの平均付加モル数は、溶解性と安定性の観点から、2〜120が好ましく、さらに好ましくは2〜100である。
なお、AOが2種以上の併用である場合の付加形式は、ブロックでもよく、ランダムでもよく、ブロック及びランダムの併用でもよい。
(m1)として具体的には、ミリスチルアルコールのEO3〜120モル付加物、ミリスチルアルコールのPO1〜20モル・EO4〜120モル(ブロック及び/又はランダム)付加物、パルミチルアルコールのEO3〜120モル付加物、パルミチルアルコールのPO1〜20モル・EO4〜120モル(ブロック及び/又はランダム)付加物、ラウリルアルコールのEO3〜100モル付加物、ラウリルアルコールのPO1〜20モル・EO4〜120モル(ブロック及び/又はランダム)付加物、ステアリルアルコールのEO5〜120モル付加物、ステアリルアルコールのPO1〜20モル・EO6〜120モル(ブロック及び/又はランダム)付加物、オレイルアルコールのEO5〜120モル付加物及びオレイルアルコールのPO1〜20モル・EO5〜120モル(ブロック及び/又はランダム)付加物等が挙げられる。
(m2)において、炭素数2〜20の脂肪族多価アルコールとしては、2価の脂肪族アルコール(エチレングリコール及びプロピレングリコール等)、3価の脂肪族アルコール(グリセリン及びトリメチロールプロパン等)、4価以上の脂肪族アルコール(ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、ジグリセリン、メチルグルコシドソルビトール、マンニトール及びジペンタエリスリトール等)等が挙げられる。
(m2)において、脂肪族多価アルコールとしては、溶解性と安定性の観点から、炭素数2〜20の2〜8価の脂肪族アルコールが好ましく、さらに好ましくは炭素数2〜18の2〜6価の脂肪族アルコールである。
(m2)において、AOとしては上述のものが挙げられる。
(m2)として具体的には、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールのPO2〜20モル・EO6〜50モル(ブロック及び/又はランダム)付加物、グリセリンのEO1〜120モル付加物、グリセリンのPO1〜20モル・EO2〜200モル(ブロック及び/又はランダム)付加物、ソルビトールのEO1〜120モル付加物、ソルビトールのPO1〜20モル・EO5〜120モル(ブロック及び/又はランダム)付加物等が挙げられる。
(m3)において、炭素数6〜15の芳香族アルコールとしては、フェノール、炭素数1〜16のアルキル基を有するフェノール(p−オクチルフェノール及びp−ノニルフェノール等)等が挙げられる。
(m3)において、AOとしては上述のものが挙げられる。
(m3)として具体的には、ノニルフェノールのEO8〜50モル付加物等が挙げられる。
(m4)において、炭素数7〜26の芳香脂肪族アルコールとしては、炭素数7〜19の単環芳香脂肪族アルコール(ベンジルアルコール、ジメチルベンジルアルコール、エチルベンジルアルコール、ブチルベンジルアルコール、フェニルエタノール、フェニルプロパノール、フェニルブタノール及びフェニルペンタノール等)及び炭素数11〜19の多環芳香脂肪族アルコール(ナフチルメタノール及び1−(p−トリル)メタノール等)等が挙げられる。
(m1)〜(m4)のうち、感度、再現性及び反応液中での分散性の観点から、(m1)、(m2)及び(m3)が好ましく、さらに好ましくは(m1)である。
非イオン性界面活性剤(M1)は、上記のうちHLBが8以上13未満のものである。
(M1)として、感度、再現性及び反応液中での分散性の観点から、好ましくは(m1)のうちHLBが8以上13未満のもの、(m2)のうちHLBが8以上13未満のもの及び(m3)のうちHLBが8以上13未満のものであり、さらに好ましくは(m1)のうちHLBが8以上13未満のものである。
(m1)のうちHLBが8以上13未満のものとしては、ミリスチルアルコールのEO10.2モルPO2.2モル(ブロック及び/又はランダム)付加物(HLB=10.1)、パルミチルアルコールのEO9.2モル付加物(HLB=11.5)、オレイルアルコールのEO10モルPO6モル(ブロック及び/又はランダム)付加物(HLB=8.7)、ラウリルアルコールのEO9モル付加物(HLB=12.9)、ミリスチルアルコールのEO10モル・PO2モル(ブロック及び又はランダム)付加物(HLB=11.1)、ミリスチルアルコールのEO8モル・PO3モル(ブロック及び/又はランダム)付加物(HLB=9.7)、ステアリルアルコールのEO10モル・PO5モル付加物(HLB=9.0)、オレイルアルコールのEO20モル・PO9モル付加物(HLB=10.5)等が挙げられる。
(M1)として用いる(m1)において、AOとしては、感度、再現性及び免疫反応性向上の観点から、EO単独並びにEO及びPOの併用が好ましい。
(m1)においてAOがEO及びPOの併用である場合、付加させたEOとPOのモル数に基づいた比率{(EOのモル数)/(POのモル数)1/2}は、感度、再現性及び反応液中での分散性の観点から、3〜15が好ましく、さらに好ましくは4〜10である。
(m2)のうちHLBが8以上13未満のものとしては、グリセリンのEO12モル・PO10モル(ブロック及び/又はランダム)付加物(HLB=12.3)、ソルビトールのEO10モル・PO6モル(ブロック及び/又はランダム)付加物(HLB=11.1)等が挙げられる。
(M1)として用いる(m2)において、AOとしては、感度、再現性及び免疫反応性向上の観点から、EO単独並びにEO及びPOの併用が好ましい。
(m2)がEO及びPO付加物である場合、(m2)中のオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位との重量比(オキシエチレン単位の重量/オキシプロピレン単位の重量)は、感度、再現性及び反応液中での分散性の観点から、0.3〜3.0が好ましく、さらに好ましくは0.5〜2.0である。
(m3)のうちHLBが8以上13未満のものとしては、p−オクチルフェノールのEO10モル付加物(HLB=11.9)等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤(M2)は、上記のうちHLBが13以上20以下のものである。
(M2)として、標識結合物質との親和性の観点から、好ましくは(m1)のうちHLBが13以上20以下のもの及び(m2)のうちHLBが13以上20以下のものであり、さらに好ましくは(m1)のうちHLBが13以上20以下のものである。
(m1)のうちHLBが13以上20以下のものとしては、ミリスチルアルコールのEO80モル付加物(HLB=17.5)、ステアリルアルコールのEO20モル付加物(HLB=13.8)、ラウリルアルコールのEO16モル付加物(HLB=14.8)、ミリスチルアルコールのEO16モル・PO1モル(ブロック及び又はランダム)付加物(HLB=13.5)、ミリスチルアルコールのEO14モル付加物(HLB=13.7)、ステアリルアルコールのEO80モル・PO20モル付加物(HLB=13.7)等が挙げられる。
(M2)として用いる(m1)において、AOとしては、感度、再現性及び免疫反応性向上の観点から、EO単独並びにEO及びPOの併用が好ましい。
また、(m1)においてAOがEO及びPOの併用である場合、付加させたEOとPOのモル数に基づいた比率{(EOのモル数)/(POのモル数)1/2}は、感度、再現性及び免疫反応性向上の観点から、10〜200が好ましく、さらに好ましくは15〜100である。
(m2)のうちHLBが13以上20以下のものとしては、ソルビトールのEO100モル付加物(HLB=19.9)、グリセリンのPO3モル付加物(HLB=15.7)、グリセリンのEO16モル・PO4モル(ブロック及び/又はランダム)付加物(HLB=16.8)、ソルビトールのEO40モル付加物(HLB=17.1)、ソルビトールのEO20モル・PO5モル(ブロック及び/又はランダム)付加物(HLB=13.4)等が挙げられる。
(M2)として用いる(m2)において、AOとしては、感度、再現性及び免疫反応性向上の観点から、EO単独並びにEO及びPOの併用が好ましい。
(m2)がEO及びPO付加物である場合、(m2)中のオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位との重量比(オキシエチレン単位の重量/オキシプロピレン単位の重量)は、感度、再現性及び免疫反応性向上の観点から、2〜60が好ましく、さらに好ましくは3〜40である。
本発明において、(M2)のHLB(HLB2)と(M1)のHLB(HLB1)との差{(HLB2)−(HLB1)}は、感度、再現性及び洗浄性の観点から、5〜10が好ましく、さらに好ましくは5.5〜9である。
本発明において、(M2)の重量に対する(M1)の重量比率{(M1)/(M2)}は0.0001〜0.9であり、感度、再現性、洗浄性及び免疫反応性の観点から、0.0005〜0.8が好ましく、さらに好ましくは0.001〜0.7であり、特に好ましくは0.01〜0.7である。
(M2)の重量に対する(M1)の重量比率{(M1)/(M2)}が0.0001以上であることで、感度が良好となる。また、0.9以下であることで、再現性が良好となる。
本発明において、免疫反応させる際に、水性溶媒(S)に上記非イオン性界面活性剤(M1)及び(M2)を添加した溶液(Z)中で反応させてもいい。
水性溶媒(S)としては、水、水と塩との混合物及び緩衝液を含む。
塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム及び重炭酸ナトリウム等の塩が挙げられる。
緩衝液としては、生化学分野で一般的に用いられる各種緩衝液を用いることができ、例えばリン酸緩衝液、Tris−塩酸緩衝液及びクエン酸緩衝液等が挙げられる。
水性溶媒(S)は水酸化ナトリウム等のアルカリ性化合物及び/又は塩酸等の酸性化合物でpHを調節してもよい。
水性溶媒(S)のpH(25℃)は、免疫反応性の観点から、4〜9が好ましく、さらに好ましくは5〜8であり、特に好ましくは6〜8である。
免疫反応させる際の溶液(Z)中のpH(25℃)は、免疫反応性の観点から、4〜9が好ましく、さらに好ましくは5〜8であり、特に好ましくは6〜8である。
(M1)の含有量は、溶液(Z)の重量を基準として、分散性の観点から、0.0001〜1重量%が好ましく、さらに好ましくは0.0005〜0.7重量%であり、特に好ましくは0.01〜0.7重量%である。
(M2)の含有量は、溶液(Z)の重量を基準として、感度向上の観点から、0.01〜3重量%が好ましく、さらに好ましくは0.05〜2重量%である。
(M1)及び(M2)の合計含有量は、溶液(Z)の重量を基準として、感度向上及び再現性の観点から、0.01〜3重量%が好ましく、さらに好ましくは0.1〜2重量%である。
標識結合物質(A)として具体的には、物質(X)と特異的に結合する物質(a){測定対象物質(a1)、測定対象物質の類似物質(a2)及び測定対象物質と特異的に結合する物質(a3)からなる群より選ばれる少なくとも1種の物質}を標識物質(b)で標識したものが含まれる。
本発明においては、上記非イオン性界面活性剤(M1)及び(M2)を上記重量比で存在させて物質(X)に標識結合物質(A)を結合させる反応を行うことにより、物質(X)と標識結合物質(A)との反応率が高くなり、感度及び再現性が極めて高い免疫測定を行うことができることを見いだしたものである。
本発明において、測定対象物質(a1)としては、一般的にこの分野で測定されるものであれば特に限定はされず、例えば血清,血液,血漿,尿等の生体体液、リンパ液、血球、各種細胞類等の生体由来の試料中に含まれるタンパク質、脂質タンパク質、核酸、免疫グロブリン、血液凝固関連因子、抗体、酵素、ホルモン、癌マーカー、心疾患マーカー及び各種薬物等が代表的なものとして挙げられる。さらに具体的には、例えばアルブミン,ヘモグロビン,ミオグロビン,トランスフェリン,プロテインA,C反応性蛋白質(CRP)等のタンパク質、例えば高比重リポ蛋白質(HDL),低比重リポ蛋白質(LDL),超低比重リポ蛋白質等の脂質蛋白質、例えばデオキシリボ核酸(DNA),リボ核酸(RNA)等の核酸、例えばアルカリ性ホスファターゼ,アミラーゼ,酸性ホスファターゼ,γ−グルタミルトランスフェラーゼ(γ−GTP),リパーゼ,クレアチンキナーゼ(CK),乳酸脱水素酵素(LDH),グルタミン酸オキザロ酢酸トランスアミナーゼ(GOT),グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(GPT),レニン,プロテインキナーゼ(PK),チロシンキナーゼ等の酵素、例えばIgG,IgM,IgA,IgD,IgE等の免疫グロブリン(或はこれらの、例えばFc部,Fab部,F(ab)2部等の断片)、例えばフィブリノーゲン,フィブリン分解産物(FDP),プロトロンビン,トロンビン等の血液凝固関連因子、例えば抗ストレプトリジンO抗体,抗ヒトH.ピロリ抗体、抗ヒトB型肝炎ウイルス表面抗原抗体(抗HBs抗原抗体)、抗ヒトB型肝炎コア抗原抗体(抗HBc抗体)抗ヒトC型肝炎ウイルス抗体、抗リュウマチ因子等の抗体、例えばB型肝炎ウィルス表面抗原(HBsAg)、例えば甲状腺刺激ホルモン(TSH)、甲状腺ホルモン(FT3,FT4,T3,T4)、副甲状腺ホルモン(PTH)、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)、エストラジオール(E2)、コルチゾール、アルドステロン等のホルモン、例えばα−フェトプロテイン(AFP)、癌胎児性抗原(CEA)、CA19−9、前立腺特異抗原(PSA)等の癌マーカー、例えばトロポニンT(TnT)、ヒト脳性ナトリウム利尿ペプチド前駆体N端フラグメント(NT−proBNP)等の心疾患マーカー、例えば抗てんかん薬、抗生物質、テオフィリン等の薬物等が挙げられる。上記したものの中でも、抗体、ホルモン、癌マーカー及び心疾患マーカーが好ましい。
類似物質(a2)は、測定対象物質と特異的に結合する物質(a3)が有する測定対象物質(a1)との結合部位と結合し得るもの、言い換えれば、測定対象物質(a1)が有する測定対象物質と特異的に結合する物質(a3)との結合部位を有するもの、更に言い換えれば、測定対象物質(a1)と、測定対象物質と特異的に結合する物質(a3)との反応時に共存させると該反応と競合し得るものであれば何れでもよい。
測定対象物質と特異的に結合する物質(a3)としては、例えば「抗原」−「抗体」間反応、「糖鎖」−「タンパク質」間反応、「糖鎖」−「レクチン」間反応、「酵素」−「インヒビター」間反応、「タンパク質」−「ペプチド鎖」間反応又は「染色体又はヌクレオチド鎖」−「ヌクレオチド鎖」間反応、「ヌクレオチド鎖」−「タンパク質」間反応等の相互反応によって測定対象物質(a1)又はその類似物質(a2)と結合するもの等が挙げられ、上記各組合せにおいて何れか一方が測定対象物質(a1)又はその類似物質(a2)である場合、他の一方がこの測定対象物質と特異的に結合する物質(a3)である。例えば、測定対象物質(a1)又はその類似物質(a2)が「抗原」であるときは測定対象物質と特異的に結合する物質(a3)は「抗体」であり、測定対象物質(a1)又はその類似物質(a2)が「抗体」であるときは測定対象物質と特異的に結合する物質(a3)は「抗原」である(以下、その他の上記各組合せにおいても同様である)。
(a3)として具体的には、例えばヌクレオチド鎖(オリゴヌクレオチド鎖、ポリヌクレオチド鎖);染色体;ペプチド鎖(例えばC−ペプチド、アンジオテンシンI等);タンパク質〔例えばプロカルシトニン、免疫グロブリンA(IgA),免疫グロブリンE(IgE),免疫グロブリンG(IgG),免疫グロブリンM(IgM),免疫グロブリンD(IgD),β2−ミクログロブリン、アルブミン、これらの分解産物、フェリチン等の血清タンパク質〕;酵素〔例えばアミラーゼ(例えば膵型,唾液腺型,X型等)、アルカリホスファターゼ(例えば肝性,骨性,胎盤性,小腸性等)、酸性ホスファターゼ(例えばPAP等)、γ−グルタミルトランスファラーゼ(例えば腎性,膵性,肝性等)、リパーゼ(例えば膵型,胃型等)、クレアチンキナーゼ(例えばCK−1,CK−2,mCK等)、乳酸脱水素酵素(例えばLDH1〜LDH5等)、グルタミン酸オキザロ酢酸トランスアミナーゼ(例えばASTm,ASTs等)、グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(例えばALTm,ALTs等)、コリンエステラーゼ(例えばChE1〜ChE5等)、ロイシンアミノペプチダーゼ(例えばC−LAP,AA,CAP等)、レニン、プロテインキナーゼ、チロシンキナーゼ等〕及びこれら酵素のインヒビター;ホルモン(例えばPTH,TSH,インシュリン,LH,FSH,プロラクチン等);レセプター(例えばエストロゲン,TSH等に対するレセプター);リガンド(例えばエストロゲン,TSH等);例えば細菌(例えば結核菌,肺炎球菌,ジフテリア菌,髄膜炎菌,淋菌,ブドウ球菌,レンサ球菌,腸内細菌,大腸菌,ヘリコバクター・ピロリ等)、ウイルス(例えばルベラウイルス,ヘルペスウイルス,肝炎ウイルス,ATLウイルス,AIDSウイルス,インフルエンザウイルス,アデノウイルス,エンテロウイルス,ポリオウイルス,EBウイルス,HAV,HBV,HCV,HIV,HTLV等)、真菌(例えばカンジダ,クリプトコッカス等)、スピロヘータ(例えばレプトスピラ,梅毒トレポネーマ等)、クラミジア、マイコプラズマ等の微生物;当該微生物に由来するタンパク質又はペプチド或いは糖鎖抗原;気管支喘息,アレルギー性鼻炎,アトピー性皮膚炎等のアレルギーの原因となる各種アレルゲン(例えばハウスダスト、例えばコナヒョウダニ,ヤケヒョウダニ等のダニ類、例えばスギ、ヒノキ、スズメノヒエ,ブタクサ,オオアワガエリ,ハルガヤ,ライムギ等の花粉、例えばネコ,イヌ,カニ等の動物、例えば米,卵白等の食物、真菌、昆虫、木材、薬剤、化学物質等に由来するアレルゲン等);脂質(例えばリポタンパク質等);プロテアーゼ(例えばトリプシン,プラスミン,セリンプロテアーゼ等);腫瘍マーカータンパク抗原(例えばPSA,PGI,PGII等);糖鎖抗原〔例えばAFP(例えばL1からL3等)、hCG(hCGファミリー)、トランスフェリン、IgG、サイログロブリン、Decay−accelerating−factor(DAF)、癌胎児性抗原(例えばCEA,NCA,NCA−2,NFA等)、CA19−9、PIVKA−II、CA125、前立腺特異抗原、癌細胞が産生する特殊な糖鎖を有する腫瘍マーカー糖鎖抗原、ABO糖鎖抗原等〕;糖鎖(例えばヒアルロン酸、β−グルカン、上記糖鎖抗原等が有する糖鎖等);糖鎖に結合するタンパク質(例えばヒアルロン酸結合タンパク、βグルカン結合タンパク等);リン脂質(例えばカルジオリピン等);リポ多糖(例えばエンドトキシン等);化学物質(例えばT3,T4,例えばトリブチルスズ,ノニルフェノール,4−オクチルフェノール,フタル酸ジ−n−ブチル,フタル酸ジシクロヘキシル,ベンゾフェノン,オクタクロロスチレン,フタル酸ジ−2−エチルヘキシル等の環境ホルモン);人体に投与・接種される各種薬剤及びこれらの代謝物;アプタマー;核酸結合性物質;およびこれらに対する抗体等が挙げられる。尚、本発明に於いて用いられる抗体には、パパインやペプシン等の蛋白質分解酵素、或いは化学的分解により生じるFab、F(ab’)2フラグメント等の分解産物も包含される。
標識物質(b)としては、例えば酵素免疫測定法(EIA)において用いられるアルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、ペルオキシダーゼ、マイクロペルオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコース−6−リン酸脱水素酵素、リンゴ酸脱水素酵素、ルシフェラーゼ、チロシナーゼ、酸性ホスファターゼ等の酵素(b1)、例えば放射免疫測定法(RIA)に於いて用いられる99mTc、131I、125I、14C、3H、32P等の放射性同位元素、例えば蛍光免疫測定法(FIA)に於いて用いられるフルオレセイン、ダンシル、フルオレスカミン、クマリン、ナフチルアミン或いはこれらの誘導体、グリーン蛍光タンパク質(GFP)等の蛍光性物質、例えばルシフェリン、イソルミノール、ルミノール、ビス(2,4,6−トリフロロフェニル)オキザレート等の発光性物質、例えばフェノール、ナフトール、アントラセン或いはこれらの誘導体等の紫外部に吸収を有する物質、例えば4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、3−アミノ−2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−1−オキシル、2,6−ジ−t−ブチル−α−(3,5−ジ−t−ブチル−4−オキソ−2,5−シクロヘキサジエン−1−イリデン)−p−トリオキシル等のオキシル基を有する化合物に代表されるスピンラベル化剤としての性質を有する物質等が挙げられる。
これらの内、感度等の観点から、酵素(b1)及び蛍光性物質が好ましく、更に好ましくは酵素(b1)であり、特に好ましくはアルカリホスファターゼ、ペルオキシダーゼ及びグルコースオキシダーゼからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、最も好ましくはペルオキシダーゼ(以下においてPODと略記することがある)である。
標識物質(b)を物質(a)に結合させるには、一般的にこの分野で用いられる方法、例えば自体公知のEIA、RIA或はFIA等において一般に行われている自体公知の標識方法[例えば、医化学実験講座、第8巻、山村雄一監修、第1版、中山書店、1971;図説 蛍光抗体、川生明著、第1版、(株)ソフトサイエンス社、1983;酵素免疫測定法、石川栄治、河合忠、室井潔編、第2版、医学書院、1982等]等を利用すればよい。
標識物質(b)の使用量は、用いる標識物質(b)の種類により異なるため一概には言えないが、例えばペルオキシダーゼを標識物質として使用する場合には、測定対象物質(a1)と特異的に結合する物質(a3)と標識物質(b)とを、好ましくは1:1〜20のモル比、さらに好ましくは1:1〜10のモル比、特に好ましくは1:1〜2のモル比となるように、例えばトリス緩衝液、リン酸緩衝液、ベロナール緩衝液、ホウ酸緩衝液、グッド緩衝液等の一般的にこの分野で用いられている緩衝液中に含有させて用いればよい。
なお、当該緩衝液としては、一般的にこの分野で用いられている、例えばトリス緩衝液、リン酸緩衝液、ベロナール緩衝液、ホウ酸緩衝液、グッド緩衝液等が挙げられる。
緩衝液のpHは、抗原抗体反応を抑制しない範囲であればよく、5〜9が好ましい。
また、このような緩衝液中には、目的の抗原抗体反応を阻害しないものであれば、例えばアルブミン、グロブリン、水溶性ゼラチン、ポリエチレングリコール等の安定化剤、糖類等を含有させておいてもよい。
水性溶媒(S)中の標識結合物質(A)の含有量は、感度の観点から、0.01〜40μg/mLが好ましく、さらに好ましくは0.1〜20μg/mLである。
本発明において、免疫測定方法としては、直接法、間接法、サンドイッチ法及び競合法等が挙げられる。
(1)免疫測定方法がサンドイッチ法等である場合、物質(X)は、検体中の測定対象物質(x)と固相担体(Y)に固定化された物質(C)との複合体を意味する。
(2)免疫測定方法が直接法等である場合は、物質(X)は、検体中の測定対象物質(x)である。
(3)免疫測定方法が競合法等である場合は、物質(X)は、検体中の測定対象物質(x)と固相担体(Y)に固定化された物質(C)との複合体及び検体中の測定対象物質(x)を意味する。
(4)免疫測定法が間接法等である場合、物質(X)は、検体中の測定対象物質(x)と固定化されていない物質(C)との複合体を意味する。
なお、本発明において、免疫測定方法が上記(1)又は(3)である場合、水性溶媒(S)中に非イオン性界面活性剤(M1)及び(M2)が存在することにより、固相担体(Y)への標識結合物質(A)の付着が抑制され、感度及び再現性が高くなるという本発明の効果がより発揮されるので好ましい。
本発明において、固相担体(Y)としては、一般的にこの分野で測定されるものであれば特に限定はされず、例えばガラスビーズ、ポリスチレンビーズ、磁性粒子(Y1)、マイクロプレート、ラテックス等が代表的なものとして挙げられる。具体的には、例えば特開2014−210680号公報及び特開2013−019889号公報等に記載の公知の磁性シリカ粒子(Y11)が好ましい。
また、磁性シリカ粒子(Y11)の場合、標識結合物質(A)が物理吸着されるのを抑制し、感度及び再現性が高くなる効果がより発揮されやすいので好ましい。
磁性シリカ粒子(Y11)は、シリカのマトリックス中に数平均粒子径が1〜20nmで超常磁性を有する金属酸化物を分散されているものである。超常磁性とは、外部磁場の存在下で物質の個々の原子磁気モーメントが整列し誘発された一時的な磁場を示し、外部磁場を取り除くと、部分的な整列が損なわれ磁場を示さなくなることをいう。
数平均粒子径が1〜20nmで超常磁性を示す超常磁性金属酸化物としては、鉄、コバルト、ニッケル及びこれらの合金等の酸化物が挙げられるが、磁界に対する感応性が優れていることから、酸化鉄が特に好ましい。
超常磁性金属酸化物は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
酸化鉄としては、公知の種々の酸化鉄を用いることができる。
酸化鉄のうち、特に化学的な安定性に優れることから、マグネタイト、γ−ヘマタイト、マグネタイト−α−ヘマタイト中間酸化鉄及びγ−ヘマタイト−α−ヘマタイト中間酸化鉄からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、大きな飽和磁化を有し、外部磁場に対する感応性が優れていることから、マグネタイトが更に好ましい。
磁性シリカ粒子(Y11)中の超常磁性金属酸化物の含有量の下限は、磁性シリカ粒子(Y11)の重量を基準として、60重量%が好ましく、さらに好ましくは65重量%であり、上限は95重量%が好ましく、さらに好ましくは80重量%である。
超常磁性金属酸化物の含有量が60重量%以上であると、得られた磁性シリカ粒子(Y11)の磁性が十分であり、実際の用途面における分離操作を短時間で行えるので好ましい。また、95重量%以下であると、合成が容易である。
超常磁性金属酸化物の製造方法は、特に限定されないが、Massartにより報告されたものをベースとして水溶性鉄塩及びアンモニアを用いる共沈殿法(R.Massart,IEEE Trans.Magn.1981,17,1247)や水溶性鉄塩の水溶液中の酸化反応を用いた方法により合成することができる。
磁性シリカ粒子(Y11)の数平均粒子径は、好ましくは1〜5μm、さらに好ましくは1〜3μmである。
数平均粒子径が1μm以上であると、分離回収を短時間で行える傾向にあり、5μm以下であると、表面積が適度であり、固定化する物質(C)の結合量を適度にすることができ、結合効率がよい。
本発明における磁性シリカ粒子(Y11)及び超常磁性金属酸化物の数平均粒子径は、任意の200個の磁性シリカ粒子について走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製「JSM−7000F」)で観察して測定された粒子径の平均値である。
磁性シリカ粒子(Y11)の数平均粒子径は、後述の水中油型エマルションを作製する際の混合条件(せん断力等)を調節して水中油型エマルションの粒子径を調整することにより制御することができる。また、磁性シリカ粒子製造時の水洗工程の条件変更や一般的な分級等の方法によっても数平均粒子径を所望の値とすることができる。
本発明における磁性シリカ粒子(Y11)は、例えば数平均粒子径が1〜20nmの超常磁性金属酸化物粒子、前記超常磁性金属酸化物粒子の重量に基づいて30〜500重量%の(アルキル)アルコキシシラン及び分散剤を含有する分散液と、水、水溶性有機溶媒、非イオン性界面活性剤及び(アルキル)アルコキシシランの加水分解用触媒を含有する溶液とを混合して水中油型エマルションを形成後、(アルキル)アルコキシシランの加水分解反応及び縮合反応を行い、超常磁性金属酸化物がシリカに包含された磁性シリカ粒子の水性分散体が得た後、磁性シリカ粒子の水性分散体を遠心分離及び/又は集磁により固液分離し、水又はメタノール等で洗浄することにより得られる。
上記及び以下において、(アルキル)アルコキシシランとは、アルキルアルコキシシラン又はアルコキシシランを意味する。
磁性シリカ粒子(Y11)は、超常磁性金属酸化物がシリカに包含され、粒子表面に存在しないことから、多くの測定対象物質、測定対象物質の類似物質、又は測定対象物質と特異的に結合する物質をその表面に固定化することができる。
固相担体(Y)(好ましくは磁性シリカ粒子(Y11))に、物質(C)を固定化して物質(C)が固定化した固相担体(YC)とする方法としては、上述の固相担体に物質(C)を物理吸着させる方法が挙げられるが、より効率良く物質(C)を固定化させる観点から、グルタルアルデヒド、アルブミン、カルボジイミド、ストレプトアビジン、ビオチン及び官能基を有するアルキルアルコキシシランからなる群から選ばれる少なくとも1種の有機化合物を固相担体表面に結合させ、それらを介して物質(C)を固相担体(Y)に固定化させるのが好ましい。
これらの有機化合物のうち、特定の物質(C)を結合させる観点から、官能基を有するアルキルアルコキシシランがさらに好ましい。
本発明において、物質(C)としては、測定対象物質(a1)、測定対象物質の類似物質(a2)及び測定対象物質と特異的に結合する物質(a3)からなる群より選ばれる少なくとも1種の物質が含まれる。
<免疫測定用試薬>
本発明の免疫測定用試薬は、水性溶媒(S)、標識結合物質(A)、非イオン性界面活性剤(M1)及び非イオン性界面活性剤(M2)を含有する免疫測定用試薬であって、(M1)のHLBが8以上13未満であり、(M2)のHLBが13以上20以下であり、免疫測定用試薬中の(M2)の重量に対する(M1)の重量比率{(M1)/(M2)}が0.0001〜0.9である免疫測定用試薬である。
水性溶媒(S)、標識結合物質(A)、非イオン性界面活性剤(M1)及び非イオン性界面活性剤(M2)として好ましいものは上記免疫測定方法と同様である。
免疫測定用試薬中の(M2)の重量に対する(M1)の重量比率{(M1)/(M2)}が0.0001〜0.9であるが、洗浄性と免疫反応性の観点から、0.0005〜0.8が好ましく、さらに好ましくは0.001〜0.7であり、特に好ましくは0.01〜0.7である。
免疫測定用試薬中の(M1)の含有量は、免疫測定用試薬の重量を基準として、分散性の観点から、0.0001〜1重量%が好ましく、さらに好ましくは0.0005〜0.7重量%であり、特に好ましくは0.01〜0.7重量%である。
免疫測定用試薬中の(M2)の含有量は、免疫測定用試薬の重量を基準として、感度向上の観点から、0.01〜3重量%が好ましく、さらに好ましくは0.05〜2重量%である。
免疫測定用試薬中の(M1)及び(M2)の合計含有量は、免疫測定用試薬の重量を基準として、感度向上及び再現性の観点から、0.01〜3重量%が好ましく、さらに好ましくは0.1〜2重量%である。
免疫測定用試薬中の標識結合物質(A)の含有量は、感度の観点から、0.01〜40μg/mLが好ましく、さらに好ましくは0.1〜20μg/mLである。
免疫測定用試薬のpH(25℃)は、免疫反応性の観点から、4〜9が好ましく、さらに好ましくは5〜8であり、特に好ましくは6〜8である。
本発明の免疫測定用試薬は、免疫測定における標識試薬として好ましく用いることができる。
<免疫測定用キット>
本発明の免疫測定用試薬を標識試薬(I)として用いる場合、さらに他の免疫測定用試薬{固相担体試薬(J)、ルミノール発光試薬(K)及び過酸化物水溶液(L)等}と組み合わせて免疫測定用キット(P)としてもよい。
固相担体試薬(J)としては、上述の固相担体(Y)に物質(C)が固定化された固相担体(YC)を含むものが挙げられる。
ルミノール発光試薬(K)は、上記標識結合物質(A)を標識するものとして用いられている標識(b)に基づき選択され、例えば、標識(b)がペルオキシダーゼである場合、2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオン化合物及び化学発光増強剤を必須構成成分としてなるルミノール発光試薬等が挙げられる。
過酸化物水溶液(L)は、過酸化物及び水を必須構成成分としてなる過酸化物水溶液である。
ルミノール発光試薬(K)において、2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオン化合物としては、例えば、特開平2−291299号公報、特開平10−319015号公報及び特開2000−279196号公報等に記載の公知の2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオン化合物及びこれらの混合物等が使用できる。
これらの内、ルミノール、イソルミノール、N−アミノヘキシル−N−エチルイソルミノール(AHEI)、N−アミノブチル−N−エチルイソルミノール(ABEI)及びこれらの金属塩(アルカリ金属塩等)からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、更に好ましいのはルミノール及び/又はその金属塩、特に好ましいのはルミノールのナトリウム塩である。
化学発光増強剤としては、例えば、特開昭59−500252号公報、特開昭59−171839号公報及び特開平2−291299号公報等に記載の公知の化学発光増強剤及びこれらの混合物等が使用できる。
これらの内、化学発光増強効果等の観点から、フェノールが好ましく、更に好ましいのはP−ヨードフェノール、4−(シアノメチルチオ)フェノール及び4−シアノメチルチオ−2−クロロフェノールからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、特に好ましいのは4−(シアノメチルチオ)フェノールである。
ルミノール発光試薬(K)には、2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオン化合物及び化学発光増強剤以外に、緩衝液及び/又はキレート剤等を含むことができる。
緩衝液としては、例えば、特開平10−319015号公報及び特開2003−279489号公報等に記載の公知の緩衝液等が使用できる。
これらの内、化学発光増強効果及び保存安定性等の観点から、3−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]プロパンスルホン酸/水酸化ナトリウム緩衝液、2−ヒドロキシ−3−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]プロパンスルホン酸・1水和物/水酸化ナトリウム緩衝液及びピペラジニル−1,4−ビス(2−ヒドロキシ−3−プロパンスルホン酸)・2水和物/水酸化ナトリウム緩衝液からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、更に好ましいのは3−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]プロパンスルホン酸/水酸化ナトリウム緩衝液及び2−ヒドロキシ−3−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]プロパンスルホン酸・1水和物/水酸化ナトリウム緩衝液からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、特に好ましいのは3−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]プロパンスルホン酸/水酸化ナトリウム緩衝液である。
キレート剤としては、例えば、特開平9−75099号公報及び特開2003−279489号公報等に記載の公知のキレート剤等が使用できる。
これらの内、化学発光増強効果及び保存安定性等の観点から、4配位キレート剤が好ましく、更に好ましいのはエチレンジアミン四酢酸(EDTA)及びその塩(エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸三ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸二カリウム及びエチレンジアミン四酢酸三カリウム等)並びにトランス−1,2ジアミノシクロヘキサン−N,N,N’,N’−四酢酸(CyDTA)からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、特に好ましいのはエチレンジアミン四酢酸(EDTA)及び/又はその塩である。
ルミノール発光試薬(K)は、液体であることが好ましく、また、酵素の蛍光強度の観点からはアルカリ性であることが好ましい。
(K)のpHは、7〜11が好ましく、更に好ましくは8〜10である。尚、pHは、JIS K0400−12−10:2000に準拠して測定される(測定温度25℃)。
ルミノール発光試薬(K)は、2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオン化合物、化学発光増強剤並びに必要により緩衝液及び/又はキレート剤を均一混合することにより容易に得ることができる。
過酸化物水溶液(L)が含有する過酸化物としては、例えば、特開平8−261943号公報及び特開2000−279196号公報等に記載の公知の酸化剤等[無機の過酸化物(過酸化水素、過ホウ酸ナトリウム及び過ホウ酸カリウム等)、有機過酸化物(過酸化ジアルキル及び過酸化アシル等)、ペルオキソ酸化合物(ペルオキソ硫酸及びペルオキソリン酸等)等]の水溶液が挙げられる。
これらの内、保存安定性等の観点から、過酸化水素水溶液、過ホウ酸ナトリウム水溶液及び過ホウ酸カリウム水溶液が好ましく、更に好ましいのは過酸化水素水溶液である。
過酸化物水溶液(L)が含有する水としては、蒸留水、逆浸透水及び脱イオン水等が挙げられる。これらの内、化学発光増強効果及び保存安定性等の観点から、蒸留水及び脱イオン水が好ましく、更に好ましいのは脱イオン水である。
過酸化物水溶液(L)は、過酸化物及び水以外にキレート剤等を含むことができる。
キレート剤としては、上述のルミノール発光試薬に含むことができるキレート剤として例示したものと同様のものが挙げられ、好ましいものも同様である。
過酸化物水溶液(L)は、過酸化物、水及び必要によりキレート剤を均一混合することにより容易に得られる。
本発明の免疫測定用キットは、試料中の測定対象物質(x)を定量する免疫測定方法としてこの分野で一般的に行われる方法に用いることができ、例えば、文献[例えば、酵素免疫測定法第2版(石川栄治ら編集、医学書院)1982年]記載のサンドイッチ法及び競合法、特開2008−241698号公報に記載の直説法及び間接法並びに特開平6−130063号公報記載の測定法に準じて行えばよい。
以下、実施例により、本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下において部は重量部を示す。
<実施例1>
以下により、固相担体試薬(J−1)(抗NT−proBNPポリクローナル抗体が固定化された磁性シリカ粒子(YC)を含有する試薬)、本発明の免疫測定用試薬である標識試薬(I−1)、ルミノール発光試薬(K−1)及び過酸化水素水(L−1)から構成される本発明の免疫測定用キット(P−1)を得た。
○磁性シリカ粒子(Y11−1)の製造:
反応容器に塩化鉄(III)6水和物186部、塩化鉄(II)4水和物68部及び水1288部を仕込んで溶解させて50℃に昇温し、撹拌下温度を50〜55℃の保持しながら、25重量%アンモニア水280部を1時間かけて滴下し、水中にマグネタイト粒子を得た。得られたマグネタイト粒子に分散剤であるオレイン酸64部を加え、2時間撹拌を継続した。室温に冷却後、デカンテーションにより固液分離して得られたオレイン酸が吸着したマグネタイト粒子を水1000部で洗浄する操作を3回行い、さらにアセトン1000部で洗浄する操作を2回行い、40℃で2日間乾燥させることで、超常磁性金属酸化物粒子を得た。
超常磁性金属酸化物粒子80部をテトラエトキシシラン240部に加えて分散し、分散液(q1)を調製した。次に、反応容器に水5050部、25重量%アンモニア水溶液3500部、NSA−17(三洋化成工業(株)製)400部を加えてクリアミックス(エムテクニック社製)を用いて混合した溶液(q2)を得た。50℃に昇温後、クリアミックスを回転数6,000rpmで攪拌しながら、上記分散液(q1)を溶液(q2)に1時間かけて滴下後、50℃で1時間反応させた。反応後、2,000rpmで20分間遠心分離して微粒子の存在する上清を除き、コア層を得た。
反応容器にコア層80部、脱イオン水2500部、25重量%アンモニア水溶液260部、エタノール2500部、テトラエトキシシラン1200部を加えてクリアミックス(エムテクニック社製)を用いて混合し、クリアミックスの回転数6,000rpmで攪拌しながら2時間反応させた。反応後、2,000rpmで20分間遠心分離して微粒子の存在する上清を除き、磁石を用いて粒子を集磁し上清を除く操作を10回行った。次に、得られた固相に水5000部を加えて粒子を分散させて600rpmで10分間遠心分離後、微粒子の存在する上清を除く操作を20回行い、続いて得られた固相に水5000部を加えて粒子を分散させて300rpmで10分間遠心分離することにより、大きな粒子径の粒子を沈降させて除去することで分級を行った。さらに、磁石を用いて粒子を集磁し上清を除く操作を10回行い、目的とする体積平均粒子径の磁性シリカ粒子(Y11−1)を得た。
○抗NT−proBNPポリクローナル抗体が固定化された磁性シリカ粒子(YC)を含有する固相担体試薬(J−1)の作製:
1重量%γ−アミノプロピルトリエトキシシラン含有水溶液40mLの入った蓋付きポリスチレン瓶に製造した磁性シリカ粒子(Y11−1)40mgを加え、25℃で1時間反応させ、ネオジウム磁石で磁性シリカ粒子を集磁後、液をアスピレーターで吸引除去した。次いで脱イオン水40mLを加えて蓋をし、ポリスチレン瓶をゆっくりと2回倒置攪拌した後、ネオジウム磁石で磁性シリカ粒子を集磁後、液をアスピレーターで吸引除去して磁性シリカ粒子を洗浄した。この洗浄操作を5回行った。次いで、この洗浄後の磁性シリカ粒子を2重量%グルタルアルデヒド含有水溶液40mLの入った蓋付きポリスチレン瓶に加え、25℃で1時間反応させた。そして、脱イオン水40mLを加えて蓋をし、ポリスチレン瓶をゆっくりと2回倒置攪拌したのち、ネオジウム磁石で磁性シリカ粒子を集磁後、液をアスピレーターで吸引除去して磁性シリカ粒子を洗浄した。この洗浄操作を10回行った。更にこの洗浄後の磁性シリカ粒子を抗NT−proBNPポリクローナル抗体(Roche(株)製)10μg/mLの濃度で含む0.02Mリン酸緩衝液(pH8.7)120mLの入った蓋付きポリスチレン瓶に加え、25℃で1時間反応させた。反応後、ネオジウム磁石で磁性シリカ粒子を集磁後、抗NT−proBNPポリクローナル抗体含有リン酸緩衝液を除去した。次いで、磁性シリカ粒子を1重量%の牛血清アルブミン含有の0.02Mリン酸緩衝液(pH7.0)40mLの入った蓋付きポリエチレン瓶に加え、25℃で12時間浸漬させた。これにより、物質(C)として抗NT−proBNPポリクローナル抗体が固定化された固相担体を含有する固相担体試薬(J−1)を作製した。
○標識試薬(I−1)の作製:
抗NT−proBNPポリクローナル抗体、西洋ワサビ由来POD(東洋紡製)を用い、文献(エス・ヨシタケ、エム・イマガワ、イー・イシカワ、エトール;ジェイ.バイオケム,Vol.92,1982,1413−1424)に記載の方法でPOD標識抗NT−proBNP抗体を調製した。これを0.5重量%の牛血清アルブミン含有の0.02Mリン酸緩衝液(pH7.0)を加えてPOD標識抗NT−proBNP体濃度として20nMの濃度に希釈した。続いて、この溶液に、非イオン性界面活性剤(M1)としてミリスチルアルコールのEO2モルPO2.2モルEO8.2モルブロック付加物が0.06重量%、非イオン性界面活性剤(M2)としてミリスチルアルコールのEO80モル付加物が1重量%となるように加えて、標識試薬(I−1)を作製し、冷蔵(2〜10℃)で保存した。
○ルミノール試薬(K−1)の調製:
ルミノールのナトリウム塩[シグマ アルドリッチ ジャパン(株)製]0.7g及び4−(シアノメチルチオ)フェノール0.1gを1,000mLメスフラスコに仕込んだ。3−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]プロパンスルホン酸/水酸化ナトリウム緩衝液(10mM、pH8.6)を溶液の容量が1,000mLになるように仕込み、25℃で均一混合してルミノール発光試薬(K−1)を調製した。測定に用いるまで冷蔵(2〜10℃)保存した。
○過酸化水素水(L−1)の調製:
過酸化水素[和光純薬工業(株)製、試薬特級、濃度30重量%]6.6gを1,000mLメスフラスコに仕込んだ。脱イオン水を溶液の容量が1,000mLになるように仕込み、25℃で均一混合して過酸化水素水(L−1)を調製した。測定に用いるまで冷蔵(2〜10℃)保存した。
<実施例2〜12>
実施例1の「標識試薬(I−1)の作製」において、非イオン性界面活性剤(M1)として「ミリスチルアルコールのEO2モルPO2.2モルEO8.2モルブロック付加物0.06重量%」に代えて表1に記載のものが表1に記載の含有量となるように調整し、非イオン性界面活性剤(M2)として「ミリスチルアルコールのEO80モル付加物1重量%」に代えて表1に記載のものが表1に記載の含有量となるように調整する以外は実施例1と同様にして、標識試薬(I−2)〜(I−12)を作製した。
得られたそれぞれの標識試薬(I−2)〜(I−12)と、実施例1の固相担体試薬(J−1)、ルミノール発光試薬(K−1)及び過酸化水素水(L−1)とをそれぞれ組み合わせて本発明の免疫測定用キット(P−2)〜(P−12)を得た。
<比較例1〜6>
実施例1の「標識試薬(I−1)の作製」において、非イオン性界面活性剤(M1)として「ミリスチルアルコールのEO2モルPO2.2モルEO8.2モルブロック付加物0.06重量%」を用いない、又はこれに代えて表1に記載のものが表1に記載の含有量となるように調整し、非イオン性界面活性剤(M2)として「ミリスチルアルコールのEO80モル付加物1重量%」を用いない、又はこれに代えて表1に記載のものが表1に記載の含有量となるように調整する以外は実施例1と同様にして、標識試薬(I−H1)〜(I−H6)を作製した。
得られたそれぞれの標識試薬(I−H1)〜(I−H6)と、実施例1の固相担体試薬(J−1)、ルミノール発光試薬(K−1)及び過酸化水素水(L−1)とをそれぞれ組み合わせて比較用の免疫測定用キット(P−H1)〜(P−H6)を得た。
Figure 2019052905
<実施例13〜24及び比較例7〜12>
<免疫測定用キット(P−1)〜(P−12)及び(P−H1)〜(P−H6)の感度の評価方法>
得られた免疫測定用キット(P−1)〜(P−12)及び(P−H1)〜(P−H6)を用いて、下記「シグナルの評価方法」及び「ノイズの評価方法」によりシグナル値とノイズ値とを測定し、得られたシグナル値とノイズ値との比(シグナル(S)/ノイズ(N))を感度の値として算出した。結果を表1に示す。なお、感度(S/N)の値が高いほど、高感度であることを意味する。
<シグナルの評価方法>
それぞれの免疫測定用キットの固相担体試薬(J−1)0.025mLと、ウマ血清で調製した測定対象物質であるNT−proBNPの濃度が10ng/mLの標準NT−proBNP液0.025mLとを試験管に入れて混合し、試験管中で37℃3分間反応させ、抗NT−proBNP抗体結合磁性シリカ粒子/NT−proBNP複合体を形成させた。反応後、試験管の外側からネオジウム磁石で磁性シリカ粒子を10秒間集め、試験管中の液をアスピレーターで除き、ネオジウム磁石を側面から十分に離し、生理食塩水0.5mLを加えて磁性シリカ粒子を分散させて集磁後、アスピレーターで液を除く洗浄操作を3回行った。
続いて、標識試薬(I−1)〜(I−12)又は(I−H1)〜(I−H6)0.025mLをそれぞれ試験管に注入し、試験管中で37℃3分間反応させ、抗NT−proBNP抗体結合磁性シリカ粒子/NT−proBNP/POD標識抗NT−proBNP抗体複合体を形成させた。
なお、本工程において、「抗NT−proBNP抗体結合磁性シリカ粒子/NT−proBNP複合体」が物質(X)に該当し、「標識試薬中のPOD標識抗NT−proBNP抗体」が標識結合物質(A)に該当する。
反応後、試験管の外側からネオジウム磁石で磁性シリカ粒子を10秒間集め、試験管中の液をアスピレーターで除き、ネオジウム磁石を側面から十分に離し、生理食塩水0.5mLを加えて磁性シリカ粒子を分散させて集磁後、アスピレーターで液を除く洗浄操作を2回行った。
最後に、ルミノール試薬(K−1)(37℃)0.07mLと過酸化水素水(L−1)(37℃)0.07mLとを同時に加え、添加後43〜45秒の平均発光量をルミノメーター[ベルトールドジャパン社製「Lumat LB9507」]で測定し、シグナル値とした。
<ノイズの評価方法>
「シグナルの評価方法」において、「標準NT−proBNP液0.025mL」に代えて「生理食塩水0.025mL」を用いる以外は同様にして、ノイズ値を測定した。
<免疫測定用キット(P−1)〜(P−12)及び(P−H1)〜(P−H6)の再現性評価方法>
得られた免疫測定用キット(P−1)〜(P−12)及び(P−H1)〜(P−H6)を用いて、以下の方法により再現性を評価した。再現性の結果を表1に示す。
標準NT−proBNP液10サンプルについて、「シグナルの評価方法」と同じ方法で免疫測定を行い、10サンプルの平均濃度(V3)と標準偏差(V4)とから以下の計算式で変動係数(CV)を算出し、再現性の値とした。なお、変動係数が低いほど、再現性が良好であることを意味する。
CV(%)=(V3/V4)×100
表1において、非イオン性界面活性剤(M2)の重量に対する(M1)の重量比率{(M1)/(M2)}が0.9より大きい比較例1の免疫測定用キット(比較例7の免疫測定方法)は、感度は良好であるものの、変動係数が大きくなり、再現性が低いことがわかる。
また、非イオン性界面活性剤(M2)の重量に対する(M1)の重量比率{(M1)/(M2)}が0.0001未満である比較例2の免疫測定用キット(比較例8の免疫測定方法)は、変動係数はある程度小さく再現性はよいものの、感度が低いことがわかる。
また、非イオン性界面活性剤(M1)を2種又は非イオン性界面活性剤(M2)を2種併用した比較例3及び4の免疫測定用キット(比較例9及び10の免疫測定方法)は、感度が1.5及び1.4と低く、変動係数も大きいことから再現性が悪いことがわかる。
非イオン性界面活性剤(M1)又は(M2)を1種しか用いていない比較例5及び6の免疫測定用キット(比較例11及び12の免疫測定方法)は、感度が1.4及び1.6と低く、変動係数も大きいことから再現性が悪いことがわかる。
一方、非イオン性界面活性剤(M1)と(M2)とを重量比{(M1)/(M2)}が0.0001〜0.9の範囲内で用いている実施例1〜12の免疫測定用キット(実施例13〜24の免疫測定方法)は、感度が2.1以上と高く、かつCVが2.8%以下を示し再現性も高いことがわかる。
したがって、本発明の免疫測定方法及び免疫測定用キットを用いれば、高感度かつ再現性の極めて高い臨床検査が得られることがわかる。
以上のことから、非イオン性界面活性剤(M2)の重量に対する(M1)の重量比率{(M1)/(M2)}が0.0001〜0.9で用いる本発明の免疫測定方法は、感度及び再現性が極めて高く、これらの非イオン性界面活性剤を含む本発明の免疫測定用試薬を標識試薬として用いた免疫測定用キットは、感度及び再現性が極めて高い免疫測定を行うことができることがわかる。
本発明の免疫測定方法、免疫測定用試薬及び免疫測定用キットは、高感度かつ再現性の極めて高い臨床検査を可能とするので、放射免役測定法、酵素免疫測定法、蛍光免疫測定法及び化学発光免役測定法等に有用である。

Claims (8)

  1. 非イオン性界面活性剤(M1)及び非イオン性界面活性剤(M2)の存在下で物質(X)に標識結合物質(A)を免疫反応させる免疫測定方法であって、(M1)のHLBが8以上13未満であり、(M2)のHLBが13以上20以下であり、(M2)の重量に対する(M1)の重量比率{(M1)/(M2)}が0.0001〜0.9である免疫測定方法。
  2. 標識結合物質(A)が、測定対象物質(a1)、測定対象物質の類似物質(a2)及び測定対象物質と特異的に結合する物質(a3)からなる群より選ばれる少なくとも1種の物質(a)が酵素(b1)で標識されてなる物質である請求項1に記載の免疫測定方法。
  3. 物質(X)が、検体中の測定対象物質(a1)と固相担体(Y)に固定化された物質(C)との複合体である請求項1又は2に記載の免疫測定方法。
  4. 物質(X)が、検体中の測定対象物質(a1)である請求項1又は2に記載の免疫測定方法。
  5. 固相担体(Y)が磁性粒子(Y1)である請求項3又は4に記載の免疫測定方法。
  6. 非イオン性界面活性剤(M2)のHLB(HLB2)と非イオン性界面活性剤(M1)のHLB(HLB1)との差{(HLB2)−(HLB1)}が5〜10である請求項1〜5のいずれか1項に記載の免疫測定方法。
  7. 水性溶媒(S)、標識結合物質(A)、非イオン性界面活性剤(M1)及び非イオン性界面活性剤(M2)を含有する免疫測定用試薬であって、(M1)のHLBが8以上13未満であり、(M2)のHLBが13以上20以下であり、免疫測定用試薬中の(M2)の重量に対する(M1)の重量比率{(M1)/(M2)}が0.0001〜0.9である免疫測定用試薬。
  8. 請求項7に記載の免疫測定用試薬を含む免疫測定用キット。
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