JP6646691B2 - 抗原又は抗体固定化粒子及び免疫測定試薬の製造方法並びに免疫測定方法 - Google Patents

抗原又は抗体固定化粒子及び免疫測定試薬の製造方法並びに免疫測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、抗原又は抗体固定化粒子及び免疫測定試薬の製造方法並びに免疫測定方法に関する。
免疫測定試薬においては、主要構成要素として固相担体となる磁性粒子やガラスビーズ等の表面に測定対象物質、測定対象物質の類似物質、又は測定対象物質と特異的に結合する物質、例えば、抗原、抗体を固定化したものがある。免疫測定試薬においては、固相上に固定化した物質が高い活性を保持していることが望まれる。活性が低いと、感度が低くなり初期段階の病気を見逃したり、同時再現性が低下し測定値がばらつくことで病気の判定が困難になったりするため、免疫測定試薬としては大きな問題である。
免疫測定試薬における感度向上の方法としては、特許文献1のようにシグナルを増強する方法や、特許文献2及び3のように非特異反応を抑制することでノイズを減らす方法がある。
特開2010−32529号公報 特開2013−205408号公報 特開2007−127438号公報
しかしながら、上記特許文献1〜3に記載の方法では高感度化が十分ではなく、免疫測定試薬における抗体や抗原等のさらなる高感度化が望まれている。特に、多数検体同時迅速検査を目的とした自動免疫測定装置の開発において、免疫測定試薬における抗体や抗原等の高感度化が望まれている。
本発明は、固相担体表面に固定化した抗原又は抗体の感度が高い抗原又は抗体固定化粒子及び免疫測定試薬の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、本発明に到達した。
即ち本発明は、表面に抗原(A)又は抗体(B)を固定化した粒子(C)を、グリシン及びゼラチンを含有する水溶液(D)中に25〜45℃の温度で1〜14日間浸漬する工程(I)を含む抗原又は抗体固定化粒子の製造方法であって、水溶液(D)中のグリシンの含有量が5〜10重量%である製造方法;前記製造方法により得られる抗原又は抗体固定化粒子を用いる免疫測定試薬の製造方法;前記製造方法により得られる抗原又は抗体固定化粒子を用いる免疫測定方法である。
本発明の製造方法は、固相担体表面に固定化した抗原又は抗体の感度が高い抗原又は抗体固定化粒子及び免疫測定試薬を製造することができる。したがって、本発明の製造方法により得られた抗原又は抗体固定化粒子を用いれば、免疫測定試薬を高感度化し、検出限界を向上させることが可能となる。また、本発明の免疫測定試薬は、検出限界が高い。
尚、本発明において「感度」とは、ノイズに対するシグナルの比率(シグナル/ノイズ)のことであり、「高感度」とは、測定対象物が入っているサンプルを免疫測定試薬で測定した場合の発光量(シグナル)を、測定対象物が入っていないサンプルを免疫測定試薬で測定した場合の発光量(ノイズ)で割った値が大きいことを意味する。
本発明の抗原又は抗体固定化粒子の製造方法は、表面に抗原(A)又は抗体(B)を固定化した粒子(C)を水溶液(D)中に1〜14日間浸漬する工程(I)を含む抗原又は抗体固定化粒子の製造方法であって、水溶液(D)中にグリシン及びゼラチンを含有し、水溶液(D)の温度が25〜45℃である抗原又は抗体固定化粒子の製造方法である。
粒子(C)とは一般的に免疫測定に用いられるものであれば特に限定はされず、例えばガラスビーズ、ポリスチレンビーズ、磁性粒子、マイクロプレート、ラテックス等が代表的なものとして挙げられる。
これらの内、免疫測定における測定時間の短時間化の観点から、磁性粒子が好ましく、特開2014−210680号公報及び特開2013−019889号公報等に記載の公知の磁性シリカ粒子が更に好ましい。
粒子(C)を含む粒子組成物(D)は、免役測定用試薬及びたんぱく質精製等に使用できるが、これらの中で免役測定用試薬の用途が最も好ましい。
磁性シリカ粒子は、シリカのマトリックス中に平均粒子径が1〜15nmで超常磁性を有する金属酸化物が分散されているものである。超常磁性とは、外部磁場の存在下で物質の個々の原子磁気モーメントが整列し誘発された一時的な磁場を示し、外部磁場を取り除くと、部分的な整列が損なわれ磁場を示さなくなることをいう。
平均粒子径が1〜15nmで超常磁性を示す超常磁性金属酸化物としては、鉄、コバルト、ニッケル及びこれらの合金等の酸化物が挙げられるが、磁界に対する感応性が優れていることから、酸化鉄が特に好ましい。超常磁性金属酸化物は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
磁性シリカ粒子中の超常磁性金属酸化物の含有量の下限は、60重量%が好ましく、更に好ましくは65重量%であり、上限は95重量%が好ましく、更に好ましくは80重量%である。超常磁性金属酸化物の含有量が60重量%以上であると、得られた磁性シリカ粒子の磁性が十分であるため、実際の用途面における分離操作に時間がかからない。95重量%以下のものは合成が容易である。
本発明における抗原(A)としては、一般的免疫測定の分野で使用されるものであれば特に限定はされず、具体的には、ヌクレオチド鎖(オリゴヌクレオチド鎖、ポリヌクレオチド鎖);染色体;ペプチド鎖(例えばC−ペプチド、アンジオテンシンI等)、タンパク質〔例えばプロカルシトニン、免疫グロブリンA(IgA)、免疫グロブリンE(IgE)、免疫グロブリンG(IgG)、免疫グロブリンM(IgM)、免疫グロブリンD(IgD)、β2−ミクログロブリン、アルブミン、これらの分解産物、フェリチン等の血清タンパク質〕;酵素〔例えばアミラーゼ(例えば膵型、唾液腺型、X型等)、アルカリホスファターゼ(例えば肝性、骨性、胎盤性、小腸性等)、酸性ホスファターゼ(例えばPAP等)、γ−グルタミルトランスファラーゼ(例えば腎性、膵性、肝性等)、リパーゼ(例えば膵型、胃型等)、クレアチンキナーゼ(例えばCK−1、CK−2、mCK等)、乳酸脱水素酵素(例えばLDH1〜LDH5等)、グルタミン酸オキザロ酢酸トランスアミナーゼ(例えばASTm、ASTs等)、グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(例えばALTm、ALTs等)、コリンエステラーゼ(例えばChE1〜ChE5等)、ロイシンアミノペプチダーゼ(例えばC−LAP、AA、CAP等)、レニン、プロテインキナーゼ、チロシンキナーゼ等〕及びこれら酵素のインヒビター、ホルモン(例えばPTH、TSH、インスリン、LH、FSH、プロラクチン等)、レセプター(例えばエストロゲン、TSH等に対するレセプター);リガンド(例えばエストロゲン、TSH等);例えば細菌(例えば結核菌、肺炎球菌、ジフテリア菌、髄膜炎菌、淋菌、ブドウ球菌、レンサ球菌、腸内細菌、大腸菌、ヘリコバクター・ピロリ等)、ウイルス(例えばルベラウイルス、ヘルペスウイルス、肝炎ウイルス、ATLウイルス、AIDSウイルス、インフルエンザウイルス、アデノウイルス、エンテロウイルス、ポリオウイルス、EBウイルス、HAV、HBV、HCV、HIV、HTLV等)、真菌(例えばカンジダ、クリプトコッカス等)、スピロヘータ(例えばレプトスピラ、梅毒トレポネーマ等)、クラミジア、マイコプラズマ等の微生物;当該微生物に由来するタンパク質又はペプチド或いは糖鎖抗原;気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎等のアレルギーの原因となる各種アレルゲン(例えばハウスダスト、例えばコナヒョウダニ、ヤケヒョウダニ等のダニ類、例えばスギ、ヒノキ、スズメノヒエ、ブタクサ、オオアワガエリ、ハルガヤ、ライムギ等の花粉、例えばネコ、イヌ、カニ等の動物、例えば米、卵白等の食物、真菌、昆虫、木材、薬剤、化学物質等に由来するアレルゲン等);脂質(例えばリポタンパク質等);プロテアーゼ(例えばトリプシン、プラスミン、セリンプロテアーゼ等);腫瘍マーカータンパク抗原(例えばPSA、PGI、PGII等);糖鎖抗原〔例えばAFP(例えばL1からL3等)、hCG(hCGファミリー)、トランスフェリン、IgG、サイログロブリン、Decay−accelerating−factor(DAF)、癌胎児性抗原(例えばCEA、NCA、NCA−2、NFA等)、CA19−9、PIVKA−II、CA125、前立腺特異抗原、癌細胞が産生する特殊な糖鎖を有する腫瘍マーカー糖鎖抗原、ABO糖鎖抗原等〕;糖鎖(例えばヒアルロン酸、β−グルカン、上記糖鎖抗原等が有する糖鎖等);糖鎖に結合するタンパク質(例えばヒアルロン酸結合タンパク、βグルカン結合タンパク等);リン脂質(例えばカルジオリピン等);リポ多糖(例えばエンドトキシン等);化学物質(例えばT3、T4、例えばトリブチルスズ、ノニルフェノール、4−オクチルフェノール、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジシクロヘキシル、ベンゾフェノン、オクタクロロスチレン、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル等の環境ホルモン);人体に投与・接種される各種薬剤及びこれらの代謝物;アプタマー;核酸結合性物質等が挙げられる。
本発明における抗体(B)としては、一般的に免疫測定の分野で使用されるものであれば特に限定はされず、抗原(A)として例示したものに対する抗体等が挙げられる。尚、本発明において用いられる抗体には、パパインやペプシン等の蛋白質分解酵素、或いは化学的分解により生じるFab、F(ab’)2フラグメント等の分解産物も包含される。
本発明における粒子(C)に、抗原(A)又は抗体(B)を固定化する方法としては、上述の粒子(C)に抗原(A)又は抗体(B)を物理吸着させる方法が挙げられるが、より効率良く抗原(A)又は抗体(B)を固定化させる観点から、グルタルアルデヒド、アルブミン、カルボジイミド、ストレプトアビジン、ビオチン及び官能基を有するアルキルアルコキシシランからなる群から選ばれる少なくとも1種の有機化合物を粒子(C)表面に結合させ、それらを介して抗原(A)又は抗体(B)を粒子(C)に固定化させることが好ましい。
本発明の製造方法は、グリシン及びゼラチンを含有する水溶液(D)中に上記粒子(C)を浸漬する工程(I)を含む。
水溶液(D)中のグリシンの含有量は、水溶液(D)の重量を基準として、抗原(A)又は抗体(B)の安定性の観点から、0.5〜10重量%が好ましく、更に好ましくは1.0〜8重量%であり、特に好ましくは1.5〜5重量%である。
尚、本発明において、「抗原(A)又は抗体(B)の安定性」とは、粒子含有組成物又は免疫測定用試薬の作製直後と一定期間保存後の抗原(A)又は抗体(B)の活性の変化が少ないことを意味する。
水溶液(D)中のゼラチンの含有量は、水溶液(D)の重量を基準として、操作性の観点から、0.5〜10重量%が好ましく、更に好ましくは1.0〜8重量%であり、特に好ましくは1.5〜5重量%である。
水溶液(D)中のゼラチンに対するグリシンの重量比率[グリシン/ゼラチン]は、抗原(A)又は抗体(B)の安定性の観点から、0.005〜20が好ましく、更に好ましくは0.01〜10であり、特に好ましくは0.1〜5である。
工程(I)において、粒子(C)を水溶液(D)中に浸漬する際の水溶液(D)に対する粒子(C)の重量比率[(C)/(D)]は、感度の観点から、0.00001〜0.01が好ましく、更に好ましくは0.00005〜0.005、特に好ましくは0.0001〜0.002である。
本発明におけるゼラチンには、公知のゼラチンが含まれ、分子量及び性状に限定はなく、いかなる動物(ホ乳類、鳥類及び魚類等)から取得したものであってもよい。ゼラチンとしては例えばコラーゲンを酸又はアルカリによる化学処理後、加熱処理して製造した酸処理ゼラチン及びアルカリ処理ゼラチン等を挙げることができる。更にこのゼラチンをアミノ基、イミノ基、カルボキシル基、メルカプト基及び水酸基等の官能基を周知の方法を利用し導入し、化学的に修飾したゼラチン誘導体を用いることもできる。
本発明の水溶液(D)中には、更にラクトース、牛血清アルブミン、塩化ナトリウム及びリン酸等を含有してもよい。
水溶液(D)中のラクトースの含有量は、感度及び抗原(A)又は抗体(B)の安定性の観点から、水溶液(D)の重量を基準として、0〜40重量%が好ましく、更に好ましくは1〜30重量%であり、特に好ましくは5〜20重量%である。
水溶液(D)中の牛血清アルブミンの含有量は、感度及び抗原(A)又は抗体(B)の安定性の観点から、水溶液(D)の重量を基準として、0〜5重量%が好ましく、更に好ましくは0.01〜3重量%であり、特に好ましくは0.05〜1重量%である。
水溶液(D)中の塩化ナトリウムの含有量は、感度及び抗原(A)又は抗体(B)の安定性の観点から、水溶液(D)の重量を基準として、0〜5重量%が好ましく、更に好ましくは0.1〜3重量%であり、特に好ましくは0.5〜1.5重量%である。
水溶液(D)中のリン酸の含有量は、感度及び抗原(A)又は抗体(B)の安定性の観点から、水溶液(D)の重量を基準として、0〜5重量%が好ましく、更に好ましくは0.05〜3重量%であり、特に好ましくは0.1〜1重量%である。
工程(I)における水溶液(D)のpHは、抗原(A)又は抗体(B)の安定性の観点から、4〜9が好ましく、更に好ましくは5.5〜7.5である。
工程(I)における水溶液(D)の温度は、25〜45℃であり、抗原(A)又は抗体(B)の安定性の観点から、28〜42℃が好ましく、更に好ましくは30〜40℃である。温度が25℃未満であると、ゼラチンの凝固が始まり取扱いが困難であり、温度が45℃より高いと固定化した抗体又は抗原の劣化し、本発明の効果が得られなくなる。
工程(1)において粒子(C)を水溶液(D)中に浸漬する時間は、感度の観点から、1〜14日間であり、好ましくは1〜10日間、更に好ましくは1〜7日間である。
本発明の製造方法により得られた抗原又は抗体固定化粒子を用いて免疫測定試薬とすることができる。免疫測定試薬としては、本発明の製造方法により得られた抗原又は抗体固定化粒子を用いたものであれば制限はないが、工程(I)により得られた溶液(高感度となった抗原又は抗体固定化粒子、グリシン、ゼラチン及び水を含む溶液)を、そのまま免疫測定試薬として用いてもよい。
本発明の製造方法で得られた抗原又は抗体固定化粒子は、免疫測定に用いることができる。
免疫測定法としては、文献[例えば、酵素免疫測定法第2版(石川栄治ら編集、医学書院)1982年]記載のサンドイッチ法、競合法及び特開平6−130063号公報記載の方法、具体的には以下の3種の方法等が挙げられる。
<第1の方法:サンドイッチ法>
粒子(C)が、測定対象物質(E)と特異的に結合する物質(測定対象物質結合物質)としての抗原(A)又は抗体(B)をその表面に固定化しているものであって、測定対象物質(E)を含む試料と、粒子(C)と、標識物質により標識された測定対象物質結合物質(標識測定対象物質結合物質)(F)とを接触させて、粒子(C)上に測定対象物質結合物質としての抗原(A)又は抗体(B)と測定対象物質(E)と標識測定対象物質結合物質(F)との複合体[標識複合体(G)]を形成させ、標識複合体(G)を担持した粒子をB/F分離して、標識複合体(G)中の標識物質量を測定し、その結果に基づいて前記試料中の測定対象物質(E)を測定する。
<第2の方法:競合法1>
粒子(C)が、測定対象物質(E)又は測定対象物質の類似物質(E1)としての抗原(A)又は抗体(B)をその表面に固定化しているものであって、測定対象物質(E)を含む試料と、標識物質により標識された測定対象物質と特異的に結合する物質(標識測定対象物質結合物質)(F)と、粒子(C)とを接触させて、粒子(C)上に抗原(A)又は抗体(B)と標識測定対象物質結合物質(F)との複合体[標識複合体(G)]を形成させ、標識複合体(G)を担持した粒子をB/F分離して、標識複合体(G)中の標識物質量を測定し、その結果に基づいて試料中の測定対象物質(E)を測定する。
<第3の方法:競合法2>
粒子(C)が、測定対象物質と特異的に結合する物質(測定対象物質結合物質)としての抗原(A)又は抗体(B)をその表面に固定化しているものであって、測定対象物質(E)を含む試料と、標識物質により標識された測定対象物質(F)又は測定対象物質の類似物質[標識測定対象物質(F)又はその類似物質]と粒子(C)とを接触させて、磁性シリカ粒子上に抗原(A)又は抗体(B)と標識測定対象物質(F)又はその類似物質との複合体[標識複合体(G)]を形成させ、標識複合体(G)を担持した粒子をB/F分離して、標識複合体中の標識物質量を測定し、その結果に基づいて試料中の測定対象物質を測定する。
測定対象物質(E)としては、一般的に免疫測定の分野で使用されるものであれば特に限定はされず、例えば血清、血液、血漿、尿等の生体体液、リンパ液、血球、各種細胞類等の生体由来の試料中に含まれるタンパク質、脂質タンパク質、核酸、免疫グロブリン、血液凝固関連因子、抗体、酵素、ホルモン、癌マーカー、心疾患マーカー及び各種薬物等が代表的なものとして挙げられる。更に具体的には、例えばアルブミン、ヘモグロビン、ミオグロビン、トランスフェリン、プロテインA、C反応性蛋白質(CRP)等のタンパク質、例えば高比重リポ蛋白質(HDL)、低比重リポ蛋白質(LDL)、超低比重リポ蛋白質等の脂質蛋白質、例えばデオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)等の核酸、例えばアルカリ性ホスファターゼ、アミラーゼ、酸性ホスファターゼ、γ−グルタミルトランスフェラーゼ(γ−GTP)、リパーゼ、クレアチンキナーゼ(CK)、乳酸脱水素酵素(LDH)、グルタミン酸オキザロ酢酸トランスアミナーゼ(GOT)、グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(GPT)、レニン、プロテインキナーゼ(PK)、チロシンキナーゼ等の酵素、例えばIgG、IgM、IgA、IgD、IgE等の免疫グロブリン(或はこれらの、例えばFc部、Fab部、F(ab)2部等の断片)、例えばフィブリノーゲン、フィブリン分解産物(FDP)、プロトロンビン、トロンビン等の血液凝固関連因子、例えば抗ストレプトリジンO抗体、抗ヒトB型肝炎ウイルス表面抗原抗体(HBs抗原)、抗ヒトC型肝炎ウイルス抗体、抗リュウマチ因子等の抗体、例えば甲状腺刺激ホルモン(TSH)、甲状腺ホルモン(FT3、FT4、T3、T4)、副甲状腺ホルモン(PTH)、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)エストラジオール(E2)等のホルモン、例えばα−フェトプロテイン(AFP)、癌胎児性抗原(CEA)、CA19−9、前立腺特異抗原(PSA)等の癌マーカー、例えばトロポニンT(TnT)、ヒト脳性ナトリウム利尿ペプチド前駆体N端フラグメント(NT−proBNP)等の心疾患マーカー、例えば抗てんかん薬、抗生物質、テオフィリン等の薬物等が挙げられる。
上記したものの中でも、抗原(A)又は抗体(B)の安定性の観点から、抗体、ホルモン、癌マーカー及び心疾患マーカーが好ましい。
以下、実施例により、本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<製造例1>
○表面に抗NT−proBNPポリクローナル抗体(B−1)を固定化した粒子(C−1)の作製
1重量%γ−アミノプロピルトリエトキシシラン含有水溶液40mLの入った蓋付きポリスチレン瓶に製造した磁性シリカ粒子(商品名:マグラピッド、三洋化成工業(株)製)40mgを加え、25℃で1時間反応させ、ネオジウム磁石で磁性シリカ粒子を集磁後、液をアスピレーターで吸引除去した。次いで脱イオン水40mLを加えて蓋をし、ポリスチレン瓶をゆっくりと2回倒置攪拌した後、ネオジウム磁石で磁性シリカ粒子を集磁後、液をアスピレーターで吸引除去して磁性シリカ粒子を洗浄した。この洗浄操作を5回行った。次いで、この洗浄後の磁性シリカ粒子を2重量%グルタルアルデヒド含有水溶液40mLの入った蓋付きポリスチレン瓶に加え、25℃で1時間反応させた。そして、脱イオン水40mLを加えて蓋をし、ポリスチレン瓶をゆっくりと2回倒置攪拌したのち、ネオジウム磁石で磁性シリカ粒子を集磁後、液をアスピレーターで吸引除去して磁性シリカ粒子を洗浄した。この洗浄操作を10回行った。更にこの洗浄後の磁性シリカ粒子を抗NT−proBNPポリクローナル抗体(Roche(株)製)10μg/mLの濃度で含む0.02Mリン酸緩衝液(pH8.7)120mLの入った蓋付きポリスチレン瓶に加え、25℃で1時間反応させた。反応後、ネオジウム磁石で磁性シリカ粒子を集磁後、抗PSAモノクローナル抗体含有リン酸緩衝液を除去した。次いで、磁性シリカ粒子を1重量%の牛血清アルブミン含有の0.02Mリン酸緩衝液(pH7.0)40mLの入った蓋付きポリエチレン瓶に加え、25℃で12時間浸漬させた。これにより、抗NT−proBNPポリクローナル抗体固定化粒子(C−1)を得た。
<製造例2>
○表面に抗AFPモノクローナル抗体(B−2)を固定化した粒子(C−2)の作製
製造例1において、「NT−proBNPポリクローナル抗体」に代えて「抗AFPモノクローナル抗体(ダコ・サイトメーション(株)製)」を使用した以外は同様に行い、抗AFPモノクローナル抗体固定化粒子(C−2)を得た。
<製造例3>
○表面に抗CEAポリクローナル抗体(B−3)を固定化した粒子(C−3)の作製
製造例1において、「NT−proBNPポリクローナル抗体」に代えて「抗CEAモノクローナル抗体(フナコシ(株)製)」を使用した以外は同様に行い、抗CEAポリクローナル抗体固定化粒子(C−3)を得た。
<製造例4>
○表面に抗CA19−9モノクローナル抗体(B−4)を固定化した粒子(C−4)の作製
製造例1において、「NT−proBNPポリクローナル抗体」に代えて「抗CA19−9モノクローナル抗体(フナコシ(株)製)」を使用した以外は同様に行い、抗ACA19−9モノクローナル抗体固定化粒子(C−4)を得た。
<製造例5>
○表面に抗T3モノクローナル抗体(B−5)を固定化した粒子(C−5)の作製
製造例1において、「NT−proBNPポリクローナル抗体」に代えて「抗T3モノクローナル抗体(フナコシ(株)製)」を使用した以外は同様に行い、抗T3モノクローナル抗体固定化粒子(C−5)を得た。
<製造例6>
○表面に抗T4モノクローナル抗体(B−6)を固定化した粒子(C−6)の作製
製造例1において、「NT−proBNPポリクローナル抗体」に代えて「抗T4モノクローナル抗体(フナコシ(株)製)」を使用した以外は同様に行い、抗T4モノクローナル抗体固定化粒子(C−6)を得た。
<製造例7>
○表面に抗C−ペプチドモノクローナル抗体(B−7)を固定化した粒子(C−7)の作製
製造例1において、「NT−proBNPポリクローナル抗体」に代えて「抗C−ペプチドモノクローナル抗体(フナコシ(株)製)」を使用した以外は同様に行い、抗C−ペプチドモノクローナル抗体固定化粒子(C−7)を得た。
<製造例8>
○表面に抗インスリンポリクローナル抗体(B−8)を固定化した粒子(C−8)の作製
製造例1において、「NT−proBNPポリクローナル抗体」に代えて「抗インスリンポリクローナル抗体(フナコシ(株)製)」を使用した以外は同様に行い、抗インスリンポリクローナル抗体固定化粒子(C−8)を得た。
<製造例9>
○表面に抗PSAモノクローナル抗体(B−9)を固定化した粒子(C−9)の作製
製造例1において、「NT−proBNPポリクローナル抗体」に代えて「抗PSAモノクローナル抗体(フナコシ(株)製)」を使用した以外は同様に行い、抗PSAモノクローナル抗体固定化粒子(C−9)を得た。
<製造例10>
○表面に抗トロポニンTモノクローナル抗体(B−10)を固定化した粒子(C−10)の作製
製造例1において、「NT−proBNPポリクローナル抗体」に代えて「抗トロポニンTモノクローナル抗体(フナコシ(株)製)」を使用した以外は同様に行い、抗トロポニンTモノクローナル抗体固定化粒子(C−10)を得た。
<製造例11>
○表面に抗CA125モノクローナル抗体(B−11)を固定化した粒子(C−11)の作製
製造例1において、「NT−proBNPポリクローナル抗体」に代えて「抗CA125モノクローナル抗体(フナコシ(株)製)」を使用した以外は同様に行い、抗CA125モノクローナル抗体固定化粒子(C−11)を得た。
<製造例12>
○表面に抗NSEモノクローナル抗体(B−12)を固定化した粒子(C−12)の作製
製造例1において、「NT−proBNPポリクローナル抗体」に代えて「抗NSEモノクローナル抗体(フナコシ(株)製)」を使用した以外は同様に行い、抗NSEモノクローナル抗体固定化粒子(C−12)を得た。
<製造例13>
○表面に抗CA15−3モノクローナル抗体(B−13)を固定化した粒子(C−13)の作製
製造例1において、「NT−proBNPポリクローナル抗体」に代えて「抗CA15−3モノクローナル抗体(フナコシ(株)製)」を使用した以外は同様に行い、抗CA15−3モノクローナル抗体固定化粒子(C−13)を得た。
<製造例14>
○表面に抗PIVKAモノクローナル抗体(B−14)を固定化した粒子(C−14)の作製
製造例1において、「NT−proBNPポリクローナル抗体」に代えて「抗PIVKAモノクローナル抗体(コスモ・バイオ(株)製)」を使用した以外は同様に行い、抗PIVKAモノクローナル抗体固定化粒子(C−14)を得た。
<製造例15>
○表面に抗Cyfraモノクローナル抗体(B−15)を固定化した粒子(C−15)の作製
製造例1において、「NT−proBNPポリクローナル抗体」に代えて「抗Cyfraモノクローナル抗体(フナコシ(株)製)」を使用した以外は同様に行い、抗Cyfraモノクローナル抗体固定化粒子(C−15)を得た。
<製造例16>
○表面に抗HIVモノクローナル抗体(B−16)を固定化した粒子(C−16)の作製
製造例1において、「NT−proBNPポリクローナル抗体」に代えて「抗HIVモノクローナル抗体((フナコシ(株)製)」を使用した以外は同様に行い、抗HIVモノクローナル抗体固定化粒子(C−16)を得た。
<製造例17>
○表面に抗HIV抗原(B−17)を固定化した粒子(C−17)の作製
製造例1において、「NT−proBNPポリクローナル抗体」に代えて「抗HIV抗原(フナコシ(株)製)」を使用した以外は同様に行い、抗HIV抗原固定化粒子(C−17)を得た。
<製造例18>
○表面に抗HCV抗原(B−18)を固定化した粒子(C−18)の作製
製造例1において、「NT−proBNPポリクローナル抗体」に代えて「抗HCV抗原(フナコシ(株)製)」を使用した以外は同様に行い、抗HCV抗原固定化粒子(C−18)を得た。
<製造例19>
○表面に抗TR抗原(B−19)を固定化した粒子(C−19)の作製
製造例1において、「NT−proBNPポリクローナル抗体」に代えて「抗TR抗原(フナコシ(株)製)」を使用した以外は同様に行い、抗TR抗原固定化粒子(C−19)を得た。
<製造例20>
○表面に抗Tg抗原(B−20)を固定化した粒子(C−20)の作製
製造例1において、「NT−proBNPポリクローナル抗体」に代えて「抗Tg抗原(フナコシ(株)製)」を使用した以外は同様に行い、抗Tg抗原固定化粒子(C−20)を得た。
<製造例21>
○表面に抗TPO抗原(B−21)を固定化した粒子(C−21)の作製
製造例1において、「NT−proBNPポリクローナル抗体」に代えて「抗TPO抗原(フナコシ(株)製)」を使用した以外は同様に行い、抗TPO抗原固定化粒子(C−21)を得た。
<実施例1>
○高感度化した抗NT−proBNPポリクローナル抗体固定化粒子(1)を含む粒子組成物(E−1)の製造
0.1重量%の牛血清アルブミン、0.85重量%の塩化ナトリウム(和光純薬工業(株)製)、及び10重量%のラクトース1水和物(和光純薬工業(株)製)、5重量%グリシン(和光純薬工業(株)製)、5重量%ゼラチン(和光純薬工業(株)製)を含有させた0.02Mリン酸緩衝液(pH7.0)の水溶液(D1)を調製し、その後、抗NT−proBNPポリクローナル抗体固定化粒子(C−1)を1mg/mLとなるように添加、攪拌して粒子組成物(1)を得た。更に、得られた粒子組成物(1)を1.5mLクライオチューブ(サーモフィッシャーサイエンティフィック(株)製)に1mL移し変えて、30℃で7日間保管し、高感度化した抗NT−proBNPポリクローナル抗体固定化粒子(1)を含む粒子組成物(E−1)を製造した。
<実施例2〜10>
○高感度化した抗NT−proBNPポリクローナル抗体固定化粒子(2)〜(10)を含む粒子組成物(E−2)〜(E−10)の製造
実施例1において、0.02Mリン酸緩衝液の水溶液(D1)中のグリシン及びゼラチンの含有量を表1の含有量(重量%)とし、保温期間及び保温温度を表1に記載の期間(日)及び温度(℃)とし、粒子濃度及びpHを表1に記載のものとする以外は同様にして、高感度化した抗NT−proBNPポリクローナル抗体固定化粒子(2)〜(10)を含む粒子組成物(E−2)〜(E−10)を製造した。
<実施例11〜30>
○高感度化した抗体固定化粒子(11)〜(30)を含む粒子組成物(E−11)〜(E−30)の製造
実施例6において、「NT−proBNPポリクローナル抗体固定化粒子(C−1)」に代えて製造例2〜21で得た粒子(C−2)〜(C−21)をそれぞれ用いる以外は同様にして表3及び表4に記載の通り高感度化した抗体固定化粒子(11)〜(30)を含む粒子組成物(E−11)〜(E−30)を製造した。
<比較例1〜4>
○比較用の粒子組成物(H−1)〜(H−4)の製造
実施例1において、0.02Mリン酸緩衝液の水溶液(D1)中の各成分の組成を表2に記載のものとし、30℃で7日間保管せずに、得られた粒子組成物をそのまま比較用の粒子組成物(H−1)〜(H−4)とした。
<比較例5〜8>
実施例1において、0.02Mリン酸緩衝液の水溶液(D1)中の各成分の組成を表2に記載のものとし、保温期間及び保温温度を表2に記載の期間(日)及び温度(℃)とする以外は同様にして、比較用の粒子組成物(H−5)〜(H−8)を製造した。
<比較例9〜28>
○比較用の粒子組成物(H−9)〜(H−28)の製造
比較例4において、「NT−proBNPポリクローナル抗体固定化粒子(C−1)」に代えてそれぞれ粒子(C−2)〜(C−21)を用いる以外は同様にして、表5及び表6に記載の通り比較用の粒子組成物(H−9)〜(H−28)を製造した。
表1〜6における各成分の濃度は水溶液の重量を基準としたものである。
得られた粒子組成物(E−1)〜(E−30)及び(H−1)〜(H−28)を用いて、以下の方法により免疫測定における抗体固定化粒子の感度を評価した。結果を表1〜6に示す。
<評価>
○標識試薬の作製:
抗NT−proBNPポリクローナル抗体、西洋ワサビ由来POD(東洋紡製)を用い、文献(エス・ヨシタケ、エム・イマガワ、イー・イシカワ、エトール;ジェイ.バイオケム,Vol.92,1982,1413−1424)に記載の方法でPOD標識抗NT−proBNP抗体を調製した。これを0.5重量%の牛血清アルブミン含有の0.02Mリン酸緩衝液(pH7.0)で、POD標識抗NT−proBNP体濃度として20nMの濃度に希釈し、標識試薬を調製し、冷蔵(2〜10℃)で保存した。
また、抗AFPモノクローナル抗体、抗CEAモノクローナル抗体、抗CA19−9モノクローナル抗体、T3、T4、抗C−ペプチドモノクローナル抗体、抗インスリンポリクローナル抗体、抗PSAモノクローナル抗体、抗トロポニンTモノクローナル抗体、抗CA125モノクローナル抗体、抗NSEモノクローナル抗体、抗CA15−3モノクローナル抗体、抗PIVKAモノクローナル抗体、抗Cyfraモノクローナル抗体、抗HIVモノクローナル抗体、抗HIV抗体モノクローナル抗体、抗HCV抗体モノクローナル抗体、抗TR抗体モノクローナル抗体、抗Tg抗体モノクローナル抗体及び抗TPO抗体モノクローナル抗体についても、抗NT−proBNPポリクローナル抗体と同様にPOD標識化し、20nMの濃度に希釈し、標識試薬を調製し、冷蔵(2〜10℃)で保存した。
○化学発光試薬第1液の調製:
ルミノールのナトリウム塩[シグマ アルドリッチ ジャパン(株)製]0.7g及び4−(シアノメチルチオ)フェノール0.1gを1,000mLメスフラスコに仕込んだ。3−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]プロパンスルホン酸/水酸化ナトリウム緩衝液(10mM、pH8.6)を溶液の容量が1,000mLになるように仕込み、25℃で均一混合して化学発光試薬第1液を調製した。測定に用いるまで冷蔵(2〜10℃)保存した。
○化学発光試薬第2液の調製:
1,000mL及び過酸化水素[和光純薬工業(株)製、試薬特級、濃度30重量%]6.6gを1,000mLメスフラスコに仕込んだ。脱イオン水を溶液の容量が1,000mLになるように仕込み、25℃で均一混合して化学発光試薬第2液を調製した。測定に用いるまで冷蔵(2〜10℃)保存した。
<粒子組成物(E−1)〜(E−10)及び(H−1)〜(H−8)の感度評価方法>
下記シグナルの評価方法及びノイズの評価方法により得られたノイズ値に対するシグナル値の比率(シグナル/ノイズ)を感度の値として算出した。結果を表1及び表2に示す。
尚、感度の値が高いほど、高感度であることを意味する。
<粒子組成物(E−1)〜(E−10)及び(H−1)〜(H−8)のシグナルの評価方法>
粒子組成物0.025mLとウマ血清で調製したNT−proBNP濃度が10ng/mLの標準NT−proBNP液0.025mLを試験管に入れて混合、試験管中で37℃3分間反応させ、抗NT−proBNP抗体結合磁性シリカ粒子/NT−proBNP複合体を形成させた。反応後、試験管の外側からネオジウム磁石で磁性シリカ粒子を10秒間集め、試験管中の液をアスピレーターで除き、ネオジウム磁石を側面から十分に離し、生理食塩水0.5mLを加えて磁性シリカ粒子を分散させて集磁後、アスピレーターで液を除く洗浄操作を3回行った。
続いて、0.5重量%の牛血清アルブミンを含有した標識試薬0.025mLを試験管に注入し、試験管中で37℃3分間反応させ、抗NT−proBNP抗体結合磁性シリカ粒子/NT−proBNP/POD標識抗NT−proBNP抗体複合体を形成させた。反応後、試験管の外側からネオジウム磁石で磁性シリカ粒子を10秒間集め、試験管中の液をアスピレーターで除き、ネオジウム磁石を側面から十分に離し、生理食塩水0.5mLを加えて磁性シリカ粒子を分散させて集磁後、アスピレーターで液を除く洗浄操作を2回行った。
最後に、化学発光試薬第1液0.07mLと化学発光試薬第2液0.07mLとを同時に加え、37℃で43秒間発光反応させ、化学発光試薬を添加後43〜45秒の平均発光量をルミノメーター[ベルトールドジャパン社製「Lumat LB9507」]で測定し、シグナル値とした。
<粒子組成物(E−1)〜(E−10)及び(H−1)〜(H−8)のノイズの評価方法>
「シグナルの評価方法」において、「標準NT−proBNP液0.025mL」に代えて「生理食塩水0.025mL」を用いる以外は同様にして、ノイズ値を測定した。
<粒子組成物(E−11)〜(E−30)及び(H−9)〜(H−28)の感度の評価方法>
上記「シグナルの評価方法」及び「ノイズの評価方法」において、粒子組成物としてそれぞれ粒子組成物(E−11)〜(D−30)及び(H−9)〜(H−28)を用いて、それぞれの粒子(C)の表面に固定化された抗体(B)に対応する測定対象物質として、それぞれ調製したAFP、CEA、CA19−9、FT3、FT4、C−ペプチド、インスリン、PSA、トロポニンT、CA125、NSE、CA15−3、PIVKA、Cyfra、HIV、HCV抗体、TR抗体、Tg抗体、又はTPO抗体の標準液と反応させて抗体結合磁性シリカ粒子/測定対象物質複合体を形成させ、更にNT−proBNPと同様の条件にてそれぞれの標識抗体と免疫反応させて抗体結合磁性シリカ粒子/測定対象物質/POD標識抗体、又は、POD標識抗原複合体を形成させ、免疫測定し、感度を算出した。結果をそれぞれ表3〜6に示す。
表1及び表2の実施例1〜10及び比較例1〜8との感度の比較から、本発明の粒子組成物(E−1)〜(E−10)中のNT−proBNPポリクローナル抗体固定化粒子(1)〜(10)は、比較用の粒子組成物(H−1)〜(H−8)中のNT−proBNPポリクローナル抗体固定化粒子に比べて、感度が2.1以上と高く、本発明の抗体固定化粒子は感度が向上していることがわかる。
また、表3〜6の実施例11〜30と比較例9〜28との感度の比較から、抗体の種類を変えても、本発明の製造方法を用いることで、抗体固定化粒子中の抗体の感度が向上することがわかる。したがって、本発明の製造方法を用いれば、高感度化した測定が可能な抗原又は抗体固定化粒子及び免疫測定試薬が得られることが分かる。
本発明の抗原又は抗体固定化粒子の製造方法及び免疫測定試薬の製造方法によれば、感度の高い抗原又は抗体固定化粒子及び免疫測定試薬を得ることができるので、得られた粒子及び免疫測定試薬は、放射免疫測定法、酵素免疫測定法、蛍光免疫測定法及び化学発光免疫測定法等の臨床検査に幅広く適用できる。

Claims (6)

  1. 表面に抗原(A)又は抗体(B)を固定化した粒子(C)を、グリシン及びゼラチンを含有する水溶液(D)中に25〜45℃の温度で1〜14日間浸漬する工程(I)を含む抗原又は抗体固定化粒子の製造方法であって、水溶液(D)中のグリシンの含有量が5〜10重量%である製造方法
  2. 水溶液(D)中のゼラチンの含有量が〜10重量%である請求項1に記載の製造方法。
  3. ゼラチンに対するグリシンの重量比率[グリシン/ゼラチン]が、0.5である請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 水溶液(D)のpHが4〜9である請求項1〜のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の製造方法により得られる抗原又は抗体固定化粒子を用いる免疫測定試薬の製造方法。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の製造方法により得られる抗原又は抗体固定化粒子を用いる免疫測定方法。
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