JP2001050961A - 流動性改善剤 - Google Patents
流動性改善剤Info
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- JP2001050961A JP2001050961A JP11223231A JP22323199A JP2001050961A JP 2001050961 A JP2001050961 A JP 2001050961A JP 11223231 A JP11223231 A JP 11223231A JP 22323199 A JP22323199 A JP 22323199A JP 2001050961 A JP2001050961 A JP 2001050961A
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Abstract
善し、且つ抗原、抗体又は標識体等の非特異的吸着を防
止し、高精度且つ高感度な分析を可能にする免疫学的測
定法用試液の流動性改善剤或いは抗体又は抗原の非特異
的吸着防止剤、これを用いた該試液の流動性改善方法或
いは抗体又は抗原の非特異的吸着防止方法、並びに免疫
学的測定法用試液及び免疫学的測定方法の提供。 【解決手段】 フルオロアルキルカルボン酸のアルカリ
金属塩、フルオロアルキルポリオキシアルキレンエーテ
ル、N−ポリオキシエチレン−N−プロピルパーフルオ
ロオクタンスルホンアミド及びフルオロアルキルベタイ
ンからなる群より選ばれた1種以上の化合物を含んでな
る、免疫学的測定法用試液の流動性改善剤或いは抗体又
は抗原の非特異的吸着防止剤、これを用いた該試液の流
動性改善方法或いは抗体又は抗原の非特異的吸着防止方
法、並びに免疫学的測定法用試液及び免疫学的測定方
法。
Description
れる試液の流動性改善剤或いは抗体又は抗原の非特異的
吸着防止剤、これを用いた該試液の流動性改善方法或い
は抗体又は抗原の非特異的吸着防止方法、並びに免疫学
的測定法用試液及び免疫学的測定方法に関するものであ
る。
生体由来試料中の測定対象物質を短時間のうちに多量
に、且つ簡便に測定するために、免疫反応を利用した自
動分析装置が開発されており、更には、一つのカートリ
ッジに免役反応及び測定に必要な試液の全てが封入され
た複数のウェルを有するカートリッジを用いて、一検体
一カートリッジ方式(1チューブ1アッセイ)で該測定
対象物質をより簡便且つ迅速に測定するための自動分析
装置も開発されている。
疫学的測定を行う場合には、カートリッジのウェル内で
の試液の流動性が良好でないとウェルから正確な試液量
を反応ウェルに移動させることができなくなり、再現性
が低下する等、精度の高い分析が行えなくなることが問
題となっていた。
抗原、抗体又は標識物質により標識された抗原又は抗体
(以下、標識体と略記する。)が、測定対象物質又は測
定対象物質に対する抗原又は抗体を固定化した固相や反
応ウェルに非特異的に吸着してしまい、検出感度や再現
性等を低下させるという問題点をも有していた。
て、界面活性剤等を試液に共存させることにより試液の
流動性や非特異的吸着を改善する方法(有機工業化学
朝倉書店、特開平6-94715号公報等)等が試みられてい
る。
てきた従来の界面活性剤は、試液の流動性改善作用が必
ずしも充分とはいえないばかりか、免疫反応を阻害して
しまうため、上記した如き免疫学的測定法に於いて実際
には使用することができなかった。
に鑑みなされたもので、免疫反応に影響を与えず、試液
の流動性を改善し、且つ抗原、抗体又は標識体等の非特
異的吸着を防止し、高精度且つ高感度な分析を可能にす
る免疫学的測定法用試液の流動性改善剤或いは抗体又は
抗原の非特異的吸着防止剤、これを用いた該試液の流動
性改善方法或いは抗体又は抗原の非特異的吸着防止方
法、並びに免疫学的測定法用試液及び免疫学的測定方法
を提供することにある。
決する目的でなされたものであり、 (1)フルオロアルキルカルボン酸のアルカリ金属塩、
フルオロアルキルポリオキシアルキレンエーテル、N−
ポリオキシアルキレン−N−アルキルパーフルオロアル
カンスルホンアミド及びフルオロアルキルベタインから
なる群より選ばれた1種以上の化合物を含んでなる、免
疫学的測定法用試液の流動性改善剤、
カリ金属塩、フルオロアルキルポリオキシアルキレンエ
ーテル、N−ポリオキシアルキレン−N−アルキルパー
フルオロアルカンスルホンアミド及びフルオロアルキル
ベタインからなる群より選ばれた1種以上の化合物を、
免疫学的測定法用試液中に存在させることを特徴とす
る、該試液の流動性改善方法、
カリ金属塩、フルオロアルキルポリオキシアルキレンエ
ーテル、N−ポリオキシアルキレン−N−アルキルパー
フルオロアルカンスルホンアミド及びフルオロアルキル
ベタインからなる群より選ばれた1種以上の化合物を含
んでなる、抗体又は抗原の非特異的吸着防止剤、
カリ金属塩、フルオロアルキルポリオキシアルキレンエ
ーテル、N−ポリオキシアルキレン−N−アルキルパー
フルオロアルカンスルホンアミド及びフルオロアルキル
ベタインからなる群より選ばれた1種以上の化合物を、
抗体又は抗原を含有する溶液中に存在させることを特徴
とする、抗体又は抗原の非特異的吸着防止方法、
カリ金属塩、フルオロアルキルポリオキシアルキレンエ
ーテル、N−ポリオキシアルキレン−N−アルキルパー
フルオロアルカンスルホンアミド及びフルオロアルキル
ベタインからなる群より選ばれた1種以上の化合物を含
んでなる、免疫学的測定法用試液、及び
カリ金属塩、フルオロアルキルポリオキシアルキレンエ
ーテル、N−ポリオキシアルキレン−N−アルキルパー
フルオロアルカンスルホンアミド及びフルオロアルキル
ベタインからなる群より選ばれた1種以上の化合物を共
存させた、抗体又は抗原を含有する溶液を用いることを
特徴とする、免疫学的測定方法。
えず、試液の流動性の改善及び抗原、抗体又は標識体等
の非特異的吸着を防止し、高精度且つ高感度な分析を可
能にする免疫学的測定法用試液の流動性改善剤或いは抗
体又は抗原の非特異的吸着防止剤を求めて鋭意研究を重
ねた結果、フルオロアルキルカルボン酸のアルカリ金属
塩、フルオロアルキルポリオキシアルキレンエーテル、
N−ポリオキシアルキレン−N−アルキルパーフルオロ
アルカンスルホンアミド及びフルオロアルキルベタイン
(以下、本発明に係る化合物と略記することがある。)
が、免疫反応に影響を与えずに、試液の流動性を改善し
得、更には、抗原、抗体又は標識体等の非特異的吸着を
防止する目的で従来用いられていた種々の界面活性剤に
比べて著しい非特異的吸着改善効果を有していることを
見出し、本発明を完成するに至った。
ルカルボン酸のアルカリ金属塩のアルキル基としては、
通常炭素数1〜30、好ましくは10〜25のアルキル基が挙
げられ、具体的には、例えばメチル基、エチル基、n−
プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチ
ル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペ
ンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert
−ペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、1,1−ジ
メチルブチル基、1−メチルペンチル基、n−ヘキシル
基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル
基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n
−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘプタデ
シル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基、n−ヘニ
コシル基、n−ドコシル基、n−トリコシル基、n−テ
トラコシル基、n−ペンタコシル基、n−オクタコシル
基、トリアコンチル基、シクロプロピル基、シクロペン
チル基、シクロヘキシル基、シクロペンタデシル基、シ
クロノナデシル基等が挙げられる。フルオロアルキル基
としては、上記アルキル基の水素原子のうち通常1以上
がフッ素原子に置換されたものが挙げられる。また、ア
ルカリ金属塩としては、ナトリウム、カリウム、リチウ
ム等の塩類が挙げられる。
アルキルポリオキシアルキレンエーテルのアルキル基と
しては、通常炭素数1〜20、好ましくは5〜15の低級ア
ルキル基が挙げられ、具体的には、例えばメチル基、エ
チル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、イソブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチ
ル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル
基、tert−ペンチル基、3,3−ジメチルブチル
基、1,1−ジメチルブチル基、1−メチルペンチル
基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル
基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n
−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル
基、n−ヘプタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコ
シル基等が挙げられ、フルオロアルキル基としては、上
記アルキル基の水素原子がフッ素原子に置換されたもの
であるが、免疫反応への影響を小さくするためには、少
なくとも1以上、好ましくは2以上の水素原子は無置換
のままであることが好ましい。アルキレン基としては、
通常炭素数1〜6、好ましくは2〜3の低級アルキレン
基が挙げられ、具体的には、例えばメチレン基、エチレ
ン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン
基、2−メチルプロピレン基、ペンタメチレン基、2−
エチルプロピレン基、ヘキサメチレン基等が挙げられ
る。尚、上記した如きアルキレン基を含むオキシアルキ
レン基の繰り返し数としては、通常1〜30、好ましくは
10〜25である。また、これらフルオロアルキルポリオキ
シアルキレンエーテルの具体例としては、フルオロアル
キルポリオキシエチレンエーテルがその代表的なものと
して挙げられる。
アルキレン−N−アルキルパーフルオロアルカンスルホ
ンアミドのアルキル基としては、通常炭素数1〜6、好
ましくは1〜3の低級アルキル基が挙げられ、具体的に
は、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソ
プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−
ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、イソペ
ンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、
3,3−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルブチル
基、1−メチルペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキ
シル基等が挙げられる。アルキレン基としては、通常炭
素数1〜6、好ましくは2〜3の低級アルキレン基が挙
げられ、具体的には、例えばメチレン基、エチレン基、
プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、2
−メチルプロピレン基、ペンタメチレン基、2−エチル
プロピレン基、ヘキサメチレン基等が挙げられる。尚、
上記した如きアルキレン基を含むオキシアルキレン基の
繰り返し数としては、通常1〜30、好ましくは10〜25で
ある。アルカンスルホンアミドとしては、アルカン部分
が通常炭素数1〜15、好ましくは5〜10のアルカンス
ルホンアミドが挙げられ、具体的には、例えばメタンス
ルホンアミド、エタンスルホンアミド、プロパンスルホ
ンアミド、ブタンスルホンアミド、ペンタンスルホンア
ミド、ヘキサンスルホンアミド、ヘプタンスルホンアミ
ド、オクタンスルホンアミド、ノナンスルホンアミド、
デカンスルホンアミド、ウンデカンスルホンアミド、ド
デカンスルホンアミド、トリデカンスルホンアミド、テ
トラデカンスルホンアミド、ペンタデカンスルホンアミ
ド、イソブタンスルホンアミド、イソペンタンスルホン
アミド、ネオペンタンスルホンアミド、2−メチルペン
タンスルホンアミド、3−メチルペンタンスルホンアミ
ド、2,2−ジメチルブタンスルホンアミド、2,3−
ジメチルブタンスルホンアミド、2−メチルヘキサンス
ルホンアミド、3−メチルヘキサンスルホンアミド、3
−エチルペンタンスルホンアミド、2,2−ジメチルペ
ンタンスルホンアミド、2,3−ジメチルペンタンスル
ホンアミド、2,4−ジメチルペンタンスルホンアミ
ド、3,3−ジメチルペンタンスルホンアミド、2,
2,3−トリメチルブタンスルホンアミド、2−メチル
ヘプタンスルホンアミド、3−メチルヘプタンスルホン
アミド、2,2−ジメチルヘキサンスルホンアミド、
2,3−ジメチルヘキサンスルホンアミド、2,5−ジ
メチルヘキサンスルホンアミド、3,4−ジメチルヘキ
サンスルホンアミド、2,2,3−トリメチルペンタン
スルホンアミド、2,2,4−トリメチルペンタンスル
ホンアミド、2,3,3−トリメチルペンタンスルホン
アミド、2,3,4−トリメチルペンタンスルホンアミ
ド、2−メチルオクタンスルホンアミド、2−メチルノ
ナンスルホンアミド等が挙げられる。パーフルオロアル
カンスルホンアミドとしては、上記アルカンスルホンア
ミドのアルカン部分の水素原子が全てフッ素原子に置換
したものが挙げられる。また、これらN−ポリオキシア
ルキレン−N−アルキルパーフルオロアルカンスルホン
アミドの具体例としては、N−ポリオキシエチレン−N
−プロピルパーフルオロオクタンスルホンアミドがその
代表的なものとして挙げられる。
アルキルベタインのアルキル基としては、通常炭素数1
〜30、好ましくは10〜25のアルキル基が挙げられ、具体
的には、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、
イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、ter
t−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、イ
ソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル
基、3,3−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルブチ
ル基、1−メチルペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘ
キシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニ
ル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−テトラデシ
ル基、n−ペンタデシル基、n−ヘプタデシル基、n−
ノナデシル基、n−イコシル基、n−ヘニコシル基、n
−ドコシル基、n−トリコシル基、n−テトラコシル
基、n−ペンタコシル基、n−オクタコシル基、トリア
コンチル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シ
クロヘキシル基、シクロペンタデシル基、シクロノナデ
シル基等が挙げられる。フルオロアルキル基としては、
上記アルキル基の水素原子のうち通常1以上がフッ素原
子に置換されたものが挙げられる。
は、例えばサンドイッチ法,競合法,二抗体法等の測定
原理に基づく、例えば酵素免疫測定方法(EIA),放射
免疫測定方法(RIA),蛍光免疫測定方法(FIA)等の自
体公知の免疫学的測定法〔例えば、酵素免疫測定法、石
川栄治、河合忠、宮井潔編、第3版、医学書院、1987:
酵素免疫測定法、蛋白質 核酸 酵素 別冊 No.31、北川
常廣・南原利夫・辻章夫・石川榮治編集、51〜63頁、共
立出版(株)1987年9月10日発行;医化学実験講座、第
8巻、山村雄一監修、第1版、中山書店、1971;図説
蛍光抗体、川生明著、第1版、(株)ソフトサイエンス
社、1983等〕に用いられる試液又はその一部を含有する
溶液が挙げられ、本発明に係る化合物はこれら全ての試
液に使用し得る。
学的測定用試液、例えば免疫反応時に使用される緩衝
液、例えば抗原,抗体,又はこれらの標識体を含有する
試液、検体、或いは標準液等中に存在させることによっ
て、免疫反応に影響を与えることなく、試液容器内に於
けるこれら試液等の流動性を改善することができる。
性を改善し得るばかりでなく、例えば抗原,抗体,又は
標識体が、測定対象物質又は測定対象物質に対する抗原
若しくは抗体を担持(固定化)した固相(以下、単に固
定化固相と略記する場合がある。)、試液容器、反応容
器等へ非特異的に吸着するのを防止し得る作用をも有し
ているので、本発明に係る化合物を、例えば免疫反応時
に使用される緩衝液、例えば抗原,抗体又は標識体を含
有する試液、検体、或いは標準液等に含有させて反応系
内に存在させることによって、免疫反応に影響を与えず
に、抗原、抗体又はこれらの標識体が固定化固相、試液
容器、反応容器等へ非特異的に吸着するのを防止するこ
ともできる。
ボン酸のアルカリ金属塩、フルオロアルキルポリオキシ
アルキレンエーテル、N−ポリオキシアルキレン−N−
アルキルパーフルオロアルカンスルホンアミド及びフル
オロアルキルベタインからなる群より選ばれた化合物を
夫々単独で用いても、或いはこれらを二種以上適宜組み
合わせて用いてもよい。
用いる場合の使用濃度としては、免疫学的測定法用試液
の試液容器内での流動性を改善し得、且つ目的の免疫反
応を阻害しない濃度であればよく、例えばフルオロアル
キルカルボン酸のアルカリ金属塩を単独で用いる場合
は、試液中に通常0.005〜1w/v%、好ましくは0.01〜0.
2w/v%となるように添加され、フルオロアルキルポリオ
キシアルキレンエーテルを単独で用いる場合は、試液中
に通常0.01〜5w/v%、好ましくは0.04〜1w/v%となる
ように添加され、N−ポリオキシエチレン−N−プロピ
ルパーフルオロオクタンスルホンアミドを単独で用いる
場合は、試液中に通常0.01〜10w/v%、好ましくは0.04
〜2w/v%となるように添加され、フルオロアルキルベ
タインを単独で用いる場合は、試液中に通常0.001〜1w
/v%、好ましくは0.005〜0.2w/v%となるように添加さ
れる。また、これらを2種以上組み合わせて用いる場合
は、その合計が通常0.01〜2w/v%、好ましくは0.05〜
0.2w/v%となるように試液中に添加される。
防止剤として用いる場合の使用濃度としては、抗原,抗
体又は標識体が固定化固相、試液容器、反応容器等へ非
特異的に吸着するのを防止し得、且つ目的の免疫反応を
阻害しない濃度であればよく、例えばフルオロアルキル
カルボン酸のアルカリ金属塩を単独で用いる場合は、試
液中に通常0.005〜0.5w/v%、好ましくは0.04〜0.2w/v
%となるように添加され、フルオロアルキルポリオキシ
アルキレンエーテルを単独で用いる場合は、試液中に通
常0.01〜2w/v%、好ましくは0.04〜1w/v%となるよう
に添加され、N−ポリオキシエチレン−N−プロピルパ
ーフルオロオクタンスルホンアミドを単独で用いる場合
は、試液中に通常0.01〜2w/v%、好ましくは0.04〜1w
/v%となるように添加され、フルオロアルキルベタイン
を単独で用いる場合は、試液中に通常0.01〜1w/v%、
好ましくは0.04〜0.2w/v%となるように添加される。ま
た、これらを2種以上組み合わせて用いる場合は、その
合計が通常0.01〜1w/v%、好ましくは0.04〜0.2w/v%
となるように試液中に添加される。
改善効果と非特異的吸着防止効果の両方を同時に期待す
る場合、本発明に係る化合物の使用濃度としては、目的
の免疫反応を阻害しない濃度であって、免疫学的測定法
用試液の試液容器内での流動性を改善し得、且つ抗原,
抗体又は標識体が固定化固相、試液容器、反応容器等へ
非特異的に吸着するのを防止し得る濃度となるように、
上記した如き濃度範囲から適宜選択すればよい。
の試液の流動性を改善し得る試液容器の材質及び形状と
しては特に限定されないが、例えばポリスチレン,ポリ
エチレン,ポリ塩化ビニル,ポリプロピレン,アクリル
樹脂,ポリメチルメタクリレート等の合成高分子、ガラ
ス、金属、セラミック、シリコンラバー等から調製され
たボトル、試験管、チューブ、多数のボトル,験管又は
チューブが一体成型された専用のトレイ、多数のウェル
を有するマイクロタイタープレート、或いは複数のウェ
ルを有するカートリッジ等が挙げられる。
脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等の合成高
分子から調製されたものであって、該試液容器の内径
が、例えば1〜10mm程度の小さいものを使用する場合に
は、表面張力等の影響を強く受けるため、容器の底部以
外の部分にとどまる場合も多々あり、そのような場合に
は、試液吸引用ピペッター等により、試液容器から正確
な試液量を反応容器に移動させることが困難となるの
で、本発明の流動性改善剤が特に有効に用いられる。
法用試液の流動性を改善するには、上記した如き自体公
知の免疫学的測定法用試液又はその一部中に、本発明に
係る化合物を上記した如き濃度存在させればよく、存在
させる方法は特に限定されないが、例えば、免疫反応時
に使用される緩衝液、抗原、抗体又は標識体を含有する
試液、検体、或いは標準液等に本発明に係る化合物を予
め添加溶解しておくことが望ましい。
試液容器、反応容器等への特異的な吸着が防止し得る抗
原としては、例えば血清,血液,血漿,髄液等の各種体
液や尿等の排泄物、糞便等の希釈物から固形分を除去し
たもの、リンパ球、血球、各種細胞類、各種生体組織の
抽出液等の生体由来試料中に含まれる蛋白質、ペプチ
ド、核酸、糖鎖、ホルモン、薬物等が代表的なものとし
て挙げられる。更に、具体的には例えばα-フェトプロ
テイン(AFP),CA19-9,前立腺特異抗原(PSA)、癌胎児性
抗原(CEA),癌細胞の産生する特殊な糖鎖を有する物質
等の癌マーカー、例えば免疫グロブリンA(IgA),免疫
グロブリンE(IgE),免疫グロブリンG(IgG),免疫グロ
ブリンM(IgM),β2-ミクログロブリン,アルブミ
ン,フェリチン等の血清蛋白質、例えばC-ペプチド,
アンジオテンシンI等のペプチド、例えばアミラーゼ,
アルカリホスファターゼ,γ-グルタミルトランスフェ
ラーゼ(γ-GTP)等の酵素蛋白、例えばルベラウイルス,
ヘルペスウイルス,肝炎ウイルス,ATLウイルス,AIDS
ウイルス等臨床的に注目されているウイルスに由来する
抗原、ウイルス等の病原体のデオキシリボ核酸(DNA)や
リボ核酸(RNA)或はこれら核酸を構成する1本鎖ポリヌ
クレオチド、ウイルス等の病原体に由来する抗原性物
質、例えばスギその他の草木の花粉や室内塵等のアレル
ゲン、例えばリポ蛋白質等の脂質、例えばトリプシン,
プラスミン,セリンプロテアーゼ等のプロテアーゼ、例
えばインシュリン,ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG),
サイロキシン(T4),トリヨードサイロニン(T3),プロラ
クチン,甲状腺刺激ホルモン(TSH)等のホルモン、例え
ばジゴキシン,フェニトイン,モルヒネ,ニコチン等の
薬物等が挙げられる。
を防止し得る抗体としては、上記した如き抗原に対する
抗体が挙げられる。尚、これら抗体は、モノクローナル
抗体であってもポリクローナル抗体であってもよく、ま
た、該抗体には、抗体の分解物であるF(ab’)2、
Fab’、Fab等も包含される。
如き抗原又は抗体に、通常この分野で用いられる標識物
質を結合させたものが挙げられる。
免疫測定法(EIA)に於いて用いられるアルカリホスフ
ァターゼ(ALP),β-ガラクトシダーゼ(β-Ga
l),パーオキシダーゼ(POD),マイクロパーオキ
シダーゼ,グルコースオキシダーゼ(GOD),グルコ
ース-6-リン酸脱水素酵素(G6PDH),リンゴ酸脱
水素酵素,ルシフェラーゼ等の酵素類、例えば放射免疫
測定法(RIA)で用いられる99mTc,131I,1
25I,14C,3H等の放射性同位元素、例えば蛍光
免疫測定法(FIA)で用いられるフルオレセイン,ダン
シル,フルオレスカミン,クマリン,ナフチルアミン或
はこれらの誘導体,ユウロピウム(Eu)等の蛍光性物
質、例えばルシフェリン,イソルミノール,ルミノー
ル,ビス(2,4,6-トリフロロフェニル)オキザレート等
の発光性物質、例えばフェノール,ナフトール,アント
ラセン或はこれらの誘導体等の紫外部に吸収を有する物
質、例えば4-アミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-
1-オキシル,3-アミノ-2,2,5,5-テトラメチルピロリジ
ン-1-オキシル,2,6-ジ-t-ブチル-α-(3,5-ジ-t-ブチル
-4-オキソ-2,5-シクロヘキサジエン-1-イリデン)-p-ト
リルオキシル等のオキシル基を有する化合物に代表され
るスピンラベル化剤としての性質を有する物質等が挙げ
られるが、これらに限定されるものではない。上記した
如き標識物質を、抗原又は抗体に結合させた標識体の調
製方法は、通常この分野で用いられる常法、例えば自体
公知のEIA、RIA或いはFIA等に於いて一般的に
行われている自体公知の標識方法[例えば、医化学実験
講座、第8巻、山村雄一監修、第1版、中山書店、197
1;図説 蛍光抗体、川生明著、第1版、(株)ソフトサ
イエンス社、1983;酵素免疫測定法、石川栄治、河合
忠、宮井潔編、第3版、医学書院、1987等]や、アビジ
ン(又はストレプトアビジン)とビオチンの反応を利用
した常法等何れの方法によるものでもよい。
は標識体が固定化固相、試液容器、反応容器等へ非特異
的に吸着するのを防止するには、少なくとも免疫反応の
際にその反応系内に、本発明に係る化合物を上記した如
き濃度となるように存在させればよく、存在させる方法
は特に限定されないが、例えば、免疫反応時に使用され
る緩衝液、抗原、抗体又は標識体を含有する試液、検
体、或いは標準液等に本発明に係る化合物を予め添加溶
解させておいても、また、検体と必要な試液とを混合す
る際に添加溶解させてもよい。尚、非特異的吸着防止効
果を考慮した場合、及び非特異的吸着防止効果と同時に
流動性改善効果をも期待する場合には、抗原、抗体又は
標識体を含有する試液中に、本発明に係る化合物を予め
添加しておくことが望ましい。
は標識体が非特異的に吸着するのを防止し得る固定化固
相の固相、即ち、いわゆる不溶性担体の材質及び形状と
しては特に限定されないが、例えばポリスチレン,ポリ
塩化ビニル,ポリプロピレン,アクリル樹脂,ポリメチ
ルメタクリレート等の合成高分子、ガラス、金属、セラ
ミック、シリコンラバー等から調製された、例えば試験
管、タイタープレート、ビーズ、ラテックス、磁性微粒
子等や、ニトロセルロース、硝酸セルロース、ガラス繊
維、ナイロン、修飾ナイロン、活性基修飾ナイロン、ポ
リビニリデンジフルオロライド(PVDF)、修飾PV
DF、紙、レーヨン、綿糸、ポリエステル、ポリプロピ
レン、ポリウレタン等から調製された膜状やシート状の
吸収性担体(イムノクロマト法等で用いられるもの)等
が挙げられる。
た如き生体由来試料中の測定すべき物質に応じて適宜選
択され、抗原又は抗体の固相(不溶性担体)への結合
は、化学的結合であっても、物理的結合(吸着)であっ
てもよい。
を防止し得る試液容器又は反応容器の材質及び形状とし
ては特に限定されるないが、例えばポリスチレン,ポリ
エチレン,ポリ塩化ビニル,ポリプロピレン,アクリル
樹脂,ポリメチルメタクリレート等の合成高分子、ガラ
ス等から調製された試験管、チューブ、多数の試験管又
はチューブが一体成型された専用のトレイ、マイクロタ
イタープレート、或いは複数のウェルを有するカートリ
ッジ等が挙げられる。尚、これら反応容器は、場合によ
り反応容器自体を固定化固相用固相として使用すること
もできる。
る化合物を用いる以外は、上記した如き自体公知の免疫
学的測定法に準じて実施すればよく、使用される試薬類
もこれら自体公知の方法に準じて適宜選択すればよい。
即ち、自体公知の免疫学的測定法に於いて、本発明の化
合物を、該免疫学的測定法用試液又はその一部中に共存
させて、自体公知の免疫学的測定法に準じて測定を行う
ことにより、免疫反応に影響を与えずに、試液の流動性
を改善することができ、更には、抗原,抗体又は標識体
が固定化固相、試液容器、反応容器等へ非特異的に吸着
するのを防止することもでき、生体由来試料中の測定対
象物質を高精度且つ高感度に測定することができる。
述した、本発明に係る化合物により、非特異的吸着を防
止し得る抗原や抗体と同様のものが挙げられる。また、
該測定対象物質に対する抗体としては、これら測定対象
物質である抗原や抗体に対する抗体が挙げられ、モノク
ローナル抗体であってもポリクローナル抗体であっても
よく、また、該抗体には、抗体の分解物であるF(a
b’)2、Fab’、Fab等も包含される。
生体由来試料中の測定対象物質を免疫学的測定法により
測定するために使用されるもので、本発明に係る化合物
を使用する以外は、上記した如き通常この分野で使用さ
れる試薬類を、この分野で通常使用される濃度範囲で含
有するように調製されたものでよく、本発明に係る化合
物の使用濃度等は、上で述べた通りである。
の安定性や抗原と抗体との反応等を阻害しないものであ
れば通常この分野で用いられる、例えば緩衝剤、反応促
進剤、糖類、タンパク質、塩類、界面活性剤等の安定化
剤、防腐剤等の試薬類が含まれていてもよい。またその
濃度も、通常、この分野で用いられる濃度範囲から適宜
選択すればよい。
しては、例えばトリス緩衝剤、リン酸緩衝剤、ベロナー
ル緩衝剤、ホウ酸緩衝剤、グッド緩衝剤等、通常免疫比
濁法、免疫比ろう法、EIA、RIA、FIA等に於いて用いら
れている緩衝剤は全て挙げられ、測定反応時のpHとして
は抗原抗体反応を抑制しない範囲であれば特に限定され
ないが、通常6〜10である。
本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらによ
り何等限定されるものではない。
討 本発明の流動性改善剤による免疫測定用試液の流動性改
善作用を調べるため、以下のような実験を行った。
パンスルホン酸(MOPS)緩衝液(pH7.0)、150mM塩化ナ
トリウム、2% 牛血清アルブミン(シグマ社製)及び
表1に示す所定の化合物を所定濃度含有する試液を調製
した。次いで、該試液0.25mLを、ポリプロピレンチュー
ブ(内径5.7mm:アシスト社製)に、夫々分注し、該チ
ューブの上部をアルミシール(東海アルミ箔社製)で密
封し、一日放置した。放置後、該チューブを転倒して、
チューブ内の試液が、チューブ底部からチューブ上部、
即ち、アルミシール側に移動するかどうかを調べた。結
果を表1に示す。尚、表1に於いて、○は、チューブ内
の試液がアルミシール側に移動した場合を、×は、チュ
ーブ内の試液がアルミシール側に移動しなかった場合を
夫々示す。
でも、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエーテ
ル、フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル、フ
ルオロアルキルカルボン酸ナトリウム、N−ポリオキシ
エチレン−N−プロピルパーフルオロオクタンスルホン
アミド、及びフルオロアルキルベタインは、少量の添加
で試液の流動性を改善し得ること、即ち、流動性改善作
用が高いことが判る。
についての検討 (1)抗HBeモノクローナル抗体の作製 HBe抗原(スクリプス社製)をフロイント完全アジュバ
ントとともにBALB/cマウス(雌)に免疫(2回)後、摘
出した脾臓細胞とミエローマ細胞(F0)とをポリエチレ
ングリコールを用いる常法(特開平5-244983号公報に記
載された方法)により融合させた。その後、常法により
抗HBeモノクローナル抗体産生ハイブリドーマを選別
し、これを培養して抗HBeモノクローナル抗体を得た。
(石川栄治著、「酵素標識法」、学会出版センター、19
91年、p.62の方法)によりパーオキシダーゼ(POD、ロ
シュ社製)標識し、標識抗体を作製した。得られた標識
抗体を2.5μgAb/mL及びBSAを2%含む50mM 2−モルホ
リノエタンスルホン酸1水和物(MES)緩衝液(pH6.5)
に、表2に示す所定の化合物を所定濃度になるように溶
解したものをPOD標識抗体液とした。尚、比較として、
表2に示す化合物を加えないものも同時に調製した。
ーズの作製 ポリスチレンビーズ(イムノケミカル社製、直径3mm)
を、上記(1)で得た、POD未標識抗HBeモノクローナル抗
体を20μg/mL含む50mM 3−モルホリノプロパンスルホ
ン酸(MOPS)緩衝液(pH7.5)中に浸漬し、4℃で一夜
静置後、BSAを1%含む50mM MOPS緩衝液(pH7.5)中に
浸漬して、さらに4℃で一夜静置し、抗HBeモノクロー
ナル抗体固定化ビーズを作製した。
いての検討 以下に示す方法で測定を行い、表2に示す化合物の免疫
反応への影響を調べた。先ず、HBe抗原(スクリプス社
製)と、BSAを1%含む50mM MOPS緩衝液(pH7.5)とを
用いて調製したHBe抗原溶液(含有量;0または0.2 PEI
U/mL)20μLと、上記(2)で調製したPOD標識抗体溶
液200μLとをポリプロピレンチューブに分注し、次い
で、これに上記(3)で調製した抗HBeモノクローナル
抗体固定化ビーズ1個を加えて37℃で7分間反応させ
た。該ビーズを生理食塩水1mLで3回洗浄後、ルミノー
ル(和光純薬工業(株)製)を5mM及び過酸化水素水を
0.02%含む50mM トリス緩衝液(pH8.5)200μLを加え、
化学発光計(ベルトールド社製、オートルマットLB95
3)にて1秒間の化学発光積算量を測定した。得られた
発光量に基づいて、下記式1によりS/N比(シグナル
/ノイズ比)を算出し、免疫反応への影響の有無を検討
した。結果を表2に示す。尚、PEI Uは、ポールエイリ
ッヒインステチュート社製のHBe Referenzserm82(IgG
抗HBe)を一次標準とした単位を表す。
を与えず(S/N比が高く)、且つ試液の流動性を改善
し得るのはフルオロアルキルポリオキシエチレンエーテ
ル、N−ポリオキシエチレン−N−プロピルパーフルオ
ロオクタンスルホンアミド、フルオロアルキルカルボン
酸ナトリウム及びフルオロアルキルベタインであること
が判る。
作用の検討 ポリプロピレンチューブに、BSAを1%及び所定の化合
物を所定濃度含む50mMMOPS緩衝液(pH7.5)200μLを分
注し、実施例2の(3)で調製した抗HBeモノクローナ
ル抗体固定化ビーズ1個を加えて37℃で7分間反応させ
た。次いで該ビーズを生理食塩液1mLで3回洗浄後、実
施例2の(2)で調製した所定のPOD標識抗体溶液200μ
Lを加えて37℃で7分間反応させた。該ビーズを生理食
塩液 1mLで3回洗浄後、5mMルミノール(和光純薬工
業(株)製)及び0.02%過酸化水素を含む50mMトリス緩
衝液(pH8.5)200μLを加え、化学発光計( ベルトール
ド社製、オートルマットLB953)にて1秒間の化学発光
積算量を測定した。尚、非特異的吸着防止能(%)は下記
式2により算出した。結果を表3に示す。
−N−プロピルパーフルオロオクタンスルホンアミド、
フルオロアルキルカルボン酸ナトリウム、フルオロアル
キルベタイン、フルオロアルキルポリオキシエチレンエ
ーテル、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエー
テル及びポリオキシエチレンラウリルエーテルは、それ
以外の化合物に比べ著しく非特異的吸着防止能力が高い
ことが判る。しかしながら、実施例2の結果(表2)を
考慮すると、パーフルオロアルキルポリオキシエチレン
エーテル及びポリオキシエチレンラウリルエーテルは、
免疫反応を阻害してしまうので、免疫学的測定法に於い
て使用することは好ましくないことが判る。
うに、種々の化合物の内、本発明に係る化合物、即ち、
フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル、N−ポ
リオキシエチレン−N−プロピルパーフルオロオクタン
スルホンアミド、フルオロアルキルカルボン酸ナトリウ
ム及びフルオロアルキルベタインのみが、免疫反応には
悪影響を与えずに、試液の流動性の改善及び非特異的吸
着の防止を同時に行い得る作用を有することが判る。
−プロピルパーフルオロオクタンスルホンアミドについ
て、血清干渉の影響を調べた。ポリプロピレンチューブ
に、検体として所定の血清又はBSAを1%含む50mM MOPS
緩衝液(pH7.5)(1%BSA含有緩衝液)50μLを夫々分
注し、更にHBe抗原(スクリプス社製)を5 PEI U/mL、
N−ポリオキシエチレン−N−プロピルパーフルオロオ
クタンスルホンアミドを0.5%(W/V)及びBSAを1%含
む50mM MOPS緩衝液(pH7.5)(試液1)を100μL添加
し、実施例2の(3)で作製した抗HBeモノクローナル
抗体固定化ビーズ1個を加えて37℃で7分間反応させ
た。次いで該ビーズを生理食塩液1mLで3回洗浄後、N
−ポリオキシエチレン−N−プロピルパーフルオロオク
タンスルホンアミドを0.5%(W/V)、実施例1の(1)で
得たPOD標識抗体を2.5μgAb/mL及びBSAを2%含む50mM
MES緩衝液(pH6.5)(試液2)200μLを加えて37℃で7
分間反応させた。該ビーズを生理食塩液 1mLで3回洗
浄後、ルミノール(和光純薬工業(株)製)を5mM及び
過酸化水素を0.02%含む50mMトリス緩衝液(pH8.5)200
μLを加え、化学発光計(ベルトールド社製、オートル
マットLB953)にて1秒間の化学発光積算量を測定し
た。尚、血清干渉回避作用の確認は、血清検体の有無
(検体として血清を用いた場合と緩衝液を用いた場合)
に於ける夫々の発光量を比較することにより、即ち、下
記式3により求めた比活性の比較に基づいて行った。ま
た、N−ポリオキシエチレン−N−プロピルパーフルオ
ロオクタンスルホンアミドを含まない試液1及び試液2
を用いた以外は上記と同じ検体及び試液を用い同様に操
作して求めた値を対照とした。尚、ここで用いた血清検
体をHbe抗原測定用試薬〔HBeAg・ダイナパックAX、ダイ
ナボット(株)製〕及びHBe抗体測定用試薬〔HbeAb・ダ
イナパックAX、ダイナボット(株)製〕によって測定し
たところ、HBe抗原及びHBe抗体の何れについても陰性で
あった。
−N−プロピルパーフルオロオクタンスルホンアミド無
添加の試液を用いて免疫学的測定を行うと、血清中の各
種夾雑物により負の影響を受けて測定精度が低下するこ
とが判る。これに対して、本発明に係る化合物であるN
−ポリオキシエチレン−N−プロピルパーフルオロオク
タンスルホンアミドを含む試液を用いて免疫学的測定を
行うと、検体に血清を用いた場合と緩衝液を用いた場合
とでは、殆どその発光量に差がないこと、即ち、本発明
に係る化合物であるN−ポリオキシエチレン−N−プロ
ピルパーフルオロオクタンスルホンアミドが血清中の各
種夾雑物の影響(干渉)を回避し得る作用をも有してお
り、これを用いれば、高精度に免疫学的測定が行えるこ
とが判る。
検討 本発明の流動性改善剤による免疫測定用試液の流動性改
善作用を調べるため、以下のような実験を行った。
パンスルホン酸(MOPS)緩衝液(pH7.0)、150mM塩化ナ
トリウム、2% 牛血清アルブミン(シグマ社製)、0.2
μg/mL POD標識HBc抗原及び表5に示す所定の化合物を
所定濃度含有する試液を調製した。次いで、該試液0.25
mLを、ポリプロピレンチューブ(内径5.7mm:アシスト
社製)に、夫々分注し、該チューブの上部をアルミシー
ル(東海アルミ箔社製)で密封し、一日放置した。放置
後、該チューブを転倒して、チューブ内の試液が、チュ
ーブ底部からチューブ上部、即ち、アルミシール側に移
動するかどうかを調べた。尚、POD標識HBc抗原は、特開
昭62-187495号公報に記載された方法に従ってHBc抗原遺
伝子を挿入したプラスミドpTB368により形質転換された
大腸菌DH1から得られた組換えHBc抗原(rHBc抗原)を用
いて、スカラー(Scorer)らの方法(Viral Hepatitis
and Liver Disease, Alan R. Liss, Inc., 1988, p.21
4)に従い調製したものを使用した。結果を表5に示
す。尚、表5に於いて、○は、チューブ内の試液がアル
ミシール側に移動した場合を、×は、チューブ内の試液
がアルミシール側に移動しなかった場合を夫々示す。
に含有する場合に於いても、パーフルオロアルキルポリ
オキシエチレンエーテル、フルオロアルキルポリオキシ
エチレンエーテル、フルオロアルキルカルボン酸ナトリ
ウム、N−ポリオキシエチレン−N−プロピルパーフル
オロオクタンスルホンアミド及びフルオロアルキルベタ
インは試液の流動性を改善し得ることが判る。
についての検討 (1)組換えHBc抗原の調製 特開昭62-187495号公報に記載された方法に従い、HBc抗
原遺伝子を挿入したプラスミドpTB368により形質転換さ
れた大腸菌DH1から、組換えHBc抗原(rHBc抗原)を調製
した。
ver Disease, Alan R.Liss, Inc., 1988, p.214)に従
い、POD標識HBc抗原を調製した。調製したPOD標識HBc抗
原を0.2μg/mL、BSAを2%、NaClを150mM及び所定化合
物を所定濃度含む50mM MOPS緩衝液(pH7.0)をPOD標識H
Bc抗原溶液とした。尚、比較として、所定化合物を加え
ないものも同時に調製した。
を、上記(1)で得たHBc抗原を30μg/mL含む50mM MOPS緩
衝液(pH7.5)中に浸漬し、4℃で一夜静置後、BSAを1
%含む50mM MOPS緩衝液(pH7.5)中に浸漬して、さらに
4℃で一夜静置し、HBc抗原固定化ビーズを作製した。
いての検討 以下に示す方法で測定を行い、免疫反応への影響を調べ
た。先ず、抗HBc抗体(国際バイオ社製)と、BSAを2%
及びNaClを150mM含む50mMMOPS緩衝液(pH7.0)を用いて
調製した抗HBc抗体溶液(含有量;0または0.05 PEI U/
mL)20μLと、BSAを2%、NaClを150mM及び所定の化合
物を所定濃度含む50mM MOPS緩衝液(pH7.0)200μLをポ
リプロピレンチューブに分注し、上記(3)で調製した
HBc抗原固定化ビーズ1個を加えて37℃で7分間反応さ
せた。次いで該ビーズを生理食塩水1mLで3回洗浄後、
上記(2)で調製したPOD標識HBc抗原溶液200μLを加え
て37℃で7分間反応させた。該ビーズを生理食塩水1mL
で3回洗浄後、ルミノール(和光純薬工業(株)製)を
5mM及び過酸化水素水を0.02%含む50mM トリス緩衝液
(pH8.5)200μLを加え、化学発光計(ベルトールド社
製、オートルマットLB953)にて1秒間の化学発光積算
量を測定した。得られた発光量に基づいて、下記式4に
よりS/N比(シグナル/ノイズ比)を算出し、免疫反
応への影響の有無を検討した。結果を表6に示す。尚、
PEI Uは、ポールエイリッヒインステチュート社製のHBc
Reference Material82(IgG 抗HBc)を一次標準とした
単位を表す。
活性剤であるポリオキシエチレンアルキルエーテルは、
化合物無添加の場合に比べてS/N比が小さく、免疫反
応を阻害していることが判る。これに対して、本発明に
係る化合物であるフルオロアルキルポリオキシエチレン
エーテル、N−ポリオキシエチレン−N−プロピルパー
フルオロオクタンスルホンアミド、フルオロアルキルカ
ルボン酸ナトリウム及びフルオロアルキルベタインは、
化合物無添加の場合に比べてS/N比が大きくなってお
り、免疫反応に影響を与えないことが判る。以上のこと
から、本発明に係る化合物は、免疫反応に悪影響を与え
ずに流動性を改善し得ることが判る。
作用の検討 ポリプロピレンチューブに、BSAを2%、NaClを150mM及
び所定の化合物を所定濃度含む50mM MOPS緩衝液(pH7.
0)200μLを分注し、実施例6の(3)で調製したHBc抗
原固定化ビーズ1個を加えて37℃で7分間反応させた。
次いで該ビーズを生理食塩水1mLで3回洗浄後、実施例
6の(2)で調製した所定のPOD標識HBc抗原溶液200μL
を加えて37℃で7分間反応させた。該ビーズを生理食塩
水1mLで3回洗浄後、ルミノール(和光純薬工業(株)
製)を5mM及び過酸化水素水を0.02%含む50mM トリス
緩衝液(pH8.5)200μLを加え、化学発光計(ベルトー
ルド社製、オートルマットLB953)にて1秒間の化学発
光積算量を測定した。
により算出した。結果を表7に示す。
−N−プロピルパーフルオロオクタンスルホンアミド、
フルオロアルキルカルボン酸ナトリウム、フルオロアル
キルベタイン、フルオロアルキルポリオキシエチレンエ
ーテル及びパーフルオロアルキルポリオキシエチレンエ
ーテルは、それ以外の化合物に比べ著しく非特異的吸着
防止能力が高いことが判る。しかしながら、実施例6の
結果(表6)を考慮すると、パーフルオロアルキルポリ
オキシエチレンエーテルは、免疫反応を阻害してしまう
ので、免疫学的測定法に於いて使用することは好ましく
ないことが判る。以上、実施例5〜7の結果から明らか
なように、本発明に係る化合物は、免役反応には悪影響
を与えずに、試液の流動性の改善及び非特異的吸着の防
止を同時に行い得る作用を有することが判る。
響を与えず、試液の流動性を改善し、且つ非特異的吸着
を防止し、高精度且つ高感度な分析方法を可能にする、
免疫学適用試液の流動性改善剤或いは抗体又は抗原の非
特異的吸着防止剤、これを用いた該試液の流動性改善方
法或いは抗体又は抗原の非特異的吸着防止方法、並びに
免疫学的測定法用試液及び免疫学的測定方法を提供する
ものであり、本発明によれば、免疫反応に影響を与えず
に試液の流動性を改善するばかりでなく、抗原、抗体又
は標識体の固定化固相や反応容器への非特異的吸着をも
防止することができるので、高精度且つ高感度な分析が
可能となる。
Claims (6)
- 【請求項1】 フルオロアルキルカルボン酸のアルカリ
金属塩、フルオロアルキルポリオキシアルキレンエーテ
ル、N−ポリオキシアルキレン−N−アルキルパーフル
オロアルカンスルホンアミド及びフルオロアルキルベタ
インからなる群より選ばれた1種以上の化合物を含んで
なる、免疫学的測定法用試液の流動性改善剤。 - 【請求項2】 フルオロアルキルカルボン酸のアルカリ
金属塩、フルオロアルキルポリオキシアルキレンエーテ
ル、N−ポリオキシアルキレン−N−アルキルパーフル
オロアルカンスルホンアミド及びフルオロアルキルベタ
インからなる群より選ばれた1種以上の化合物を、免疫
学的測定法用試液中に存在させることを特徴とする、該
試液の流動性改善方法。 - 【請求項3】 フルオロアルキルカルボン酸のアルカリ
金属塩、フルオロアルキルポリオキシアルキレンエーテ
ル、N−ポリオキシアルキレン−N−アルキルパーフル
オロアルカンスルホンアミド及びフルオロアルキルベタ
インからなる群より選ばれた1種以上の化合物を含んで
なる、抗体又は抗原の非特異的吸着防止剤。 - 【請求項4】 フルオロアルキルカルボン酸のアルカリ
金属塩、フルオロアルキルポリオキシアルキレンエーテ
ル、N−ポリオキシアルキレン−N−アルキルパーフル
オロアルカンスルホンアミド及びフルオロアルキルベタ
インからなる群より選ばれた1種以上の化合物を、抗体
又は抗原を含有する溶液中に存在させることを特徴とす
る、抗体又は抗原の非特異的吸着防止方法。 - 【請求項5】 フルオロアルキルカルボン酸のアルカリ
金属塩、フルオロアルキルポリオキシアルキレンエーテ
ル、N−ポリオキシアルキレン−N−アルキルパーフル
オロアルカンスルホンアミド及びフルオロアルキルベタ
インからなる群より選ばれた1種以上の化合物を含んで
なる、免疫学的測定法用試液。 - 【請求項6】 フルオロアルキルカルボン酸のアルカリ
金属塩、フルオロアルキルポリオキシアルキレンエーテ
ル、N−ポリオキシアルキレン−N−アルキルパーフル
オロアルカンスルホンアミド及びフルオロアルキルベタ
インからなる群より選ばれた1種以上の化合物を共存さ
せた、抗体又は抗原を含有する溶液を用いることを特徴
とする、免疫学的測定方法。
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JP2016075645A (ja) * | 2014-10-09 | 2016-05-12 | デンカ生研株式会社 | 免疫分析方法及び試薬 |
JP2019053060A (ja) * | 2017-09-15 | 2019-04-04 | 富士レビオ株式会社 | B型肝炎ウイルスコア抗体の免疫測定方法 |
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1999
- 1999-08-06 JP JP22323199A patent/JP4228477B2/ja not_active Expired - Fee Related
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